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1 市町村事務に関すること

(1)援護の実施者について

(問1) 両親と離れて一人暮らし(会社の寮等)をしている20歳以上の知的障害者が施設訓練等支援や居宅生活支援を利用する場合には、当該障害者の両親が居住するA市ではなく、本人が居住していたB町が援護の実施者となるのか。また、本人の施設入所後に両親が居住地を移動しても、援護の実施者はB町のままなのか。

 本人が居住していたB町が、援護の実施者となる。
 また、本人の施設入所後に両親が居住地を移動しても、引き続き、B町が援護の実施者となる。

(問2) 福祉ホームの利用者がデイサービス等の居宅生活支援を利用した場合、福祉ホーム所在地の市町村が援護の実施者となるのか、それとも福祉ホーム入所前に居住していた市町村(出身世帯の所在地)が援護の実施者となるのか。

 福祉ホーム入居前に居住していた市町村(出身世帯の所在地)が、援護の実施者となる。

(問3) 居住地を有する知的障害者について、福祉事務所の有無に関わらず、その居住地の市町村が援護の実施者になるのか。また、居所不明の知的障害者について、援護施設から知的障害者グループホームへ入居する場合の援護の実施者は、施設入所中に有していた居住地の市町村か、当該グループホームの所在地の市町村か、それともそれ以外の市町村なのか。

 福祉事務所の有無に関わらず、その者の居住地の市町村が、援護の実施者となる。
 また、援護施設から知的障害者グループホームへ入居する場合は、施設入所中に有していた居住地の市町村が、援護の実施者となる。

(問4) 平成14年4月「支援費制度関係Q&A集」問10でいう援護の実施者は、支援費以外の日常生活用具の給付に係る援護についても該当するのか。この場合において、特別障害者等手当の事務についてはどうなるのか。

 知的障害者に対する市町村による援護は、知的障害者の居住地の市町村が行うこととされていることから、グループホームの利用者が通所型の施設支援を利用する場合、グループホームについて支給決定を行った市町村、つまりグループホーム入居前に利用者が居住していた市町村が、援護の実施者となるとしている(平成14年4月「支援費制度関係Q&A集」問10)。
 したがって、グループホームの利用者に対する日常生活用具の給付については、グループホームについて支給決定を行った市町村、つまりグループホーム入居前に利用者が居住していた市町村が、援護の実施者となる。
 なお、特別障害者等手当の事務については、支援費制度に移行した場合でも、従来通りの扱いとなる。

(問5) グループホーム入居後は、住民票をグループホーム所在地の市町村に移すとともに、療育手帳の住所も当該市町村に変更すると考えるところ、居宅生活支援費に係る支給決定のみ、グループホームについて支給決定を行った市町村が行い、その他の援護については、療育手帳の住所地であるグループホームの所在地の市町村で行うのか。

 療育手帳の住所地に関わらず、グループホームについて支給決定を行った市町村が、居宅生活支援費に係る支給決定を行うとともに、その他の援護についても行うこととなる。

(問6) 平成15年4月1日より、身体障害者療護施設の援護の実施者は、入所前に住んでいた市町村とされ、出身世帯が転出しても援護の実施者は変わらないとされているところ、A市が措置決定をし、その後出身世帯がB市に転出した場合、現行制度ではB市が援護の実施者になっているが、支援費制度に移行したときは、A市が援護の実施者になると考えてよいのか。

 支援費制度移行前の既措置入所者については、支援費制度移行時の被措置者本人への処遇の継続性及び市町村の事務負担を考慮し、支援費制度移行直前の援護の実施者であるB市が、引き続き、援護の実施者となる(平成13年10月Q&A P4問3)。

(問7) 施設(身体障害者療護施設を除く)入所時点では出身世帯があり、出身世帯の所在地により都道府県が措置を行った者で、その後、出身世帯が消滅し、他にも帰来引受先がない状態で現在も都道府県が措置を行っているケースについて、平成15年4月1日からの援護の実施者は、現に入所している施設所在地の市町村になるのか、それとも出身世帯が消滅する前に出身世帯が所在した市町村になるのか。

 出身世帯が消滅する前に出身世帯が所在した市町村が、援護の実施者となる。

(問8) 施設入所後における両親死亡等による出身世帯の消滅の場合、援護の実施者はどこになるのか。
(1) 同じ管内(援護を実施した市町村内)に居住地を有する兄弟姉妹、親族等が引き取る意思のある場合
(2) 管外(援護を実施していない市町村)に居住地を有する兄弟姉妹、親族等が引き取る意思のある場合
(3) 身寄りがない、兄弟姉妹、親族等が引き取る意思のない場合

 施設入所後における出身世帯の消滅の場合、(1)(2)(3)のいずれの場合も、援護の実施者は変更しない。

(問9) 保護者である親が老人ホームに入所した場合、援護の実施者はどこになるのか。

 援護の実施者は変更しない。

(問10) 管外出身の通勤寮入所者で、通勤寮退所後、出身世帯に帰来せず、引き続き、管内のグループホームで自立生活をする場合、援護の実施者はどこになるのか。

 グループホームに知的障害者援護施設等から直接入居する場合は、施設入所中に有していた居住地の市町村が、援護の実施者となる。問の場合、通勤寮の援護の実施者が、引き続き、援護の実施者となる。

(問11) 親元から遠く離れたアパート等に下宿して大学に通う身体障害者である学生の場合、援護の実施者はどこになるのか。

 親元から仕送りを受けている場合については、親元の居住地のある市町村が援護の実施者となり、仕送りを受けず、身体障害者が自らの収入で生活をしている場合については、下宿地の所在する市町村が援護の実施者となる。

(問12) 平成15年3月以前に、既に出身世帯が消滅している場合、施設入所者の援護の実施者はどこになるのか。

 施設入所前に住んでいた出身世帯の消滅前の市町村が、援護の実施者となる。

(問13) 出身世帯が海外に移住した場合、施設入所者の援護の実施者はどこになるのか。

 施設入所前に住んでいた市町村が、引き続き、援護の実施者となる。


(2)情報提供について

(問14) 入所希望者のために都道府県が全ての施設の空き情報を知ることができる体制を整える必要があるが、この場合、中核市等が管轄する施設に係る情報も都道府県において取りまとめ、当該中核市等に係る情報を把握できる体制も整える必要があるのか。

 支援費制度においては、サービスの利用希望者自らがサービスを選択することとなる。
 したがって、都道府県が、全ての施設から空き情報を含む当該施設に係る情報の提供を求め、当該情報を当該都道府県内の市町村に伝えることにより、利用希望者がサービスを選択する際に、常に施設に係る最新の情報を知ることができる体制を整えることが必要となる。


(3)支援費の支給申請について

(問15) 施設入所している単身の知的障害者に身寄りがない場合や親族の援助が期待できない場合等は、施設職員の援助によって、当該知的障害者本人が支援費の支給申請の手続きを行うことはできるのか。また、施設に支援費の支給申請代行等の依頼を行うことはできるのか。

 施設職員の援助によって、当該知的障害者本人が支援費の支給申請の手続きを行うことは可能である。
 また、当該知的障害者本人から支援費の支給申請の代行依頼を受けた施設職員であれば、支援費の支給申請の代行を行うことも可能である。
 さらに、施設職員に対して、当該知的障害者本人の意思表示に基づく代理権授与が行われていれば、支援費の支給申請の代理を行うことも可能である。

(問16) 居宅生活支援費の支給申請時には年齢が18歳未満であることから保護者が申請を行っていたが、その後、利用者の年齢が18歳を超えた場合、改めて利用者本人から申請を行い直す必要があるのか。または、誕生月に合わせて支給期間を調整し、本人からの支給申請とする必要があるのか。

 居宅生活支援において、
 18歳未満の者は、児童居宅支援
 18歳以上の者は、身体障害者居宅支援又は知的障害者居宅支援(知的障害者グループホームについては、15歳以上の者も含む)
の対象となる。
 したがって、問の場合、利用者本人から改めて支援費の支給申請を行う必要がある。

(問17) 平成14年4月「支援費制度関係Q&A集」問25において、「15歳以上18歳未満の障害児が成人施設を利用する際、当該障害児は障害者とみなされ、支援費支給の申請についても自ら行う」こととされているが、その法定代理人(親権者等)との関係はどうなるのか。

 児童福祉法第63条の4及び第63条の5の規定による通知に係る15歳以上18歳未満の障害児が成人施設を利用しようとする場合、当該障害児は、身体障害者福祉法第49条の2及び知的障害者福祉法附則第3項の規定により「障害者」とみなされることから、「障害者」が支援費支給の申請を行う場合と同様に、法定代理人(親権者等)の同意は必要不可欠なものではない。

(問18) 親権者がいる未成年者が支援費の支給申請を行う場合、当該親権者の同意は必要なのか。

 支援費の支給申請行為については、民法の規定がそのまま適用されるわけではないことから、親権者(法定代理人)の同意は必要不可欠なものではない。

(問19) 平成13年8月「支援費制度の事務大要」において、「本人が契約できない場合、成年後見制度の十分な活用普及が図られるまでの間は、本人が信頼する者が本人に代わって契約を行うこともやむを得ない場合がある」とされているが、本人が信頼する者の中に、福祉事務所職員、施設・病院職員が含まれると解してよいのか。

 お見込みのとおりであるが、本人が利用しようとする施設の職員については、当該本人が締結する契約の相手方であることから、本人に代わって契約を行うことは望ましくない。

(問20) 直接市町村ではなく、事業者経由(利用者が施設に提出して、施設から市町村へ提出する形)で、支援費の支給申請を行うことは認められるのか。

 利用者本人から、支援費の支給申請に係る代行又は代理を依頼された施設職員が、支援費の支給申請を行うことは認められる。

(問21) 支給期間終了に際して、継続してサービスを受けるためには、改めて支援費支給の申請手続きが必要となるが、どのくらい前より当該申請の受付は可能なのか。また、やむを得ない事由により手続きが遅れた場合、支給決定の効力を支給決定前に遡らせることはできないのか。

 当該申請については、現在の支給期間が終了する前でも、受け付けることが可能であるが、どのくらい前より受付可能とするかについては、個々の市町村の判断による。
 また、やむを得ない事由により手続きが遅れた場合でも、支給決定の効力を支給決定前に遡らせることができないことから、継続したサービス提供を必要とする利用者に対しては、現在の支給期間終了日を考慮し、当該日と新たに支給決定を行う日との間に、支給決定の効力が生じない空白期間が発生しないよう新たな支給決定を行う必要がある。


(4)支給期間について

(問22) 希望するサービスごとに、支援費の支給申請を行うこととなっているが、あるサービスの支給期間中に、別のサービスについて申請する場合、2番目に申請したサービスの支給期間末は、既に利用しているサービスの支給期間末と同一にする必要はあるのか。

 必要はない。

(問23) 支給期間の終了に伴う再申請の場合は、介護保険の更新認定の有効期間と同様に、現在の支給期間の満了の日の翌日を新たな支給期間の開始日とするのか。

 やむを得ない事由により手続きが遅れた場合でも、支給決定の効力を支給決定前に遡らせることができないことから、継続したサービス提供を必要とする利用者に対しては、現在の支給期間終了日を考慮し、当該日と新たに支給決定を行う日との間に、支給決定の効力が生じない空白期間が発生しないよう新たな支給決定を行うことが必要となる。


(5)支給量について

(問24) 職権による支給量又は障害程度区分の変更とは、どのような場合が想定されるのか。

 支給決定の際に勘案した状況が明らかに変化している場合において、市町村は、職権による支給量又は障害程度区分の変更を行うことができる。

(問25) 介助者の病気等による入院のため、一月だけ一時的に決定支給量を超えるサービスを受ける必要が生じた場合(介助者の退院後は、従前の決定支給量の範囲内で充分な場合)、一月だけ、支給量変更申請による手続きを行い、介助者の退院後、再度、支給量変更申請を行わなければならないのか。

 原則として、支給量変更申請に基づき手続きを行うこととなる。
 ただし、支給決定の際に勘案した状況が明らかに変化している場合等において、市町村は、職権による支給量の変更を行うことも可能である。

(問26) 決定支給量、契約支給量、実際のサービス提供量の関係について
(事例)決定支給量100の利用者が次のとおり契約し、サービス提供を受けた場合
A事業者 B事業者  合計
(契約支給量) 60 40   100
(サービス提供量) 50 50   100
 サービス提供量の合計は決定支給量の範囲内であるが、B事業者は、契約支給量を10超過するサービス提供を行った。
 このように、超過した実際のサービス提供量10については、利用者の負担となるのか。

 実際のサービス提供量が決定支給量内であるため、市町村は、AB両事業者に請求どおり支払うこととなる。


(6)受給者証について

(問27) 受給者証を再交付する場合、事業者が記入すべき欄については、市町村で転写することとなるのか、それとも再交付を受けた者の責任において事業者に再記入を求めることとなるのか。

 受給者証を再交付する場合における事業者が記入すべき欄について、どのような方法により当該欄を埋めるのかは、個々の市町村の判断で決めることとなる。
 なお、どのような方法を採るにしても、記入漏れがないよう十分注意する必要がある。

(問28) 受給者証を再発行する際に、指定事業者(指定施設)の記入欄を空欄とするのではなく、援護の実施者が、契約内容と次の注意事項を記載することとしてよいのか。
 受給者証の再発行に当たり、○○市が報告を受けている契約内容は、上記のとおりです。
 これ以外にも、再発行前の受給者証に基づき契約しているときは、必ずこの受給者証を指定居宅支援事業者又は基準該当居宅支援事業者(指定○○施設)に提示し、もう一度契約内容の確認を受けてください。
 なお、この受給者証に記載されていない○○居宅生活(施設訓練等)支援費の支給を受けられません。

 受給者証を再交付する場合における指定事業者(指定施設)の記入欄について、どのような方法により当該欄を埋めるのかは、個々の市町村の判断で決めることとなる。
 なお、どのような方法を採るにしても、記入漏れがないよう十分注意する必要がある。

(問29) 受給者への効果的な教示を行うため、受給者証の「この証を交付した市町村」、「市町村」とあるのは、「○○区」又は「○○保健福祉センター」というように置き換え、また受給者証の余白に問い合わせ先を記載することは認められるのか。また、「参考様式」とされている支給申請書や支給決定通知書についても、参考としながら、独自の様式を作成することは可能なのか。

 お見込みのとおり。
 また、支給申請書や支給決定通知書については、「参考様式」としていることから、当該様式を参考としながら、独自の様式を作成することは可能である。

(問30) 支援費制度と類似するサービスを市単独事業として実施している場合、支援費事業と市単独事業とを合わせて、受給者証で支給量管理を行ってよいのか。

 支援費制度上のサービスに係る支給量管理の適切な実施に支障を及ぼさない限りにおいて、個々の市町村の判断により、支援費事業と支援費制度外の市単独事業とを合わせて、身体障害者福祉法等の規定に基づいて交付する受給者証で支給量管理を行うことも認められる。

(問31) 複数の居宅生活支援の支給決定を受けたものが、一つの居宅生活支援の支給期間が終了するため、その支援についての支給申請を再び行った場合、居宅受給者証を新規に交付することとなるのか、既存の居宅受給者証の支給期間欄を訂正することとなるのか。

 居宅受給者証を新規に交付するか、既存の居宅受給者証の支給期間を訂正するかは、個々の市町村の判断によるが、支給期間をそろえて設定すること も考えられる。
 なお、新規に交付する場合、既に支給決定を受けているサービスに係る事業者記入欄の復元を行う必要がある。

(問32) 知的障害者が2種類の施設訓練等支援を利用する場合、受給者証の交付はどのように行うのか。(例)知的障害者通勤寮と知的障害者授産施設(通所)

 施設受給者証を各施設支援ごとに交付する。(2部交付する。)


(7)サービス提供に係る利用者確認について

(問33) 利用者の意思確認が困難な場合におけるサービス提供実績記録票の確認方法として、どのようなものがあるのか。

 家族等本人が信頼できる者が、確認行為を代行する等の方法がある。

(問34) 事業者から、サービス提供実績記録票の利用者確認印のない請求があった場合、どのように取り扱うのか。

 履行確認ができない請求に対しては、支援費の支払いをすることはできない。

(問35) 居宅サービスの場合、サービス提供実績記録票の写しを求めているため、当該写しによりサービス利用の確認ができるが、施設サービスの場合、当該写しを求めていないことから、サービス利用の確認をどのように行うのか。

 市町村は援護の実施者として、入退所に関する情報(施設名、入所日及び退所日)について報告を受けることとなっていることから、サービス利用の確認は可能である。


(8)支援費の請求期日及び支払期日について

(問36) 支援費の請求期日について、「サービスを提供した月分の支援費の請求はサービス提供月の翌月10日までに行う。」とされているが、サービス提供月の翌月末までに施設訓練等支援費を支払うためには、事業者からの請求が早い段階でそろっていることが必要であり、請求期日を「サービス提供月の翌月5日(当該日が土日祝日の場合は次の平日)まで」と設定することは認められるのか。

 支援費の請求期日については、省令において、「サービス提供月の翌月10日までに行う。」と規定することとしており、「サービス提供月の翌月5日」と設定することは認められない。

(問37) 支払手続と遅延防止法(地方公共団体が行う行為に準用されている)との関係は、どうなるのか。

 支援費制度における支払期日について、支払手続を行う市町村と事業者との間に契約関係がないことから、遅延防止法の適用は受けない。


(9)やむを得ない事由による措置について

(問38) 親権者が障害受容を十分できない段階で、障害児に対して他に適切な処遇方法がなく、現状のままでは当該児童の発育に著しく支障があると市町村長が認めた場合、「やむを得ない事由による措置」として取り扱うことはできるのか。

 市町村等における相談体制を強化する等により、親権者に配慮しながら、速やかに支援費の支給申請の勧奨を行うことが重要であるが、緊急にサービスを必要とするため、支援費の支給申請を行う時間がない場合等の例外的なケースにおいては、「やむを得ない事由による措置」として取り扱うことも可能である。

(問39) 介護者が入院等をした場合であって、決定支給量を全て使い切っているが、緊急に短期入所事業等を利用する必要がある場合は、「やむを得ない事由による措置」として取り扱ってよいのか。それとも「職権」により当該決定支給量を変更する方がよいのか。また、支給決定の効力を支給決定前のサービス利用について遡らせることはできないことから、緊急にサービスを利用した日から支給決定の前日までについては、「やむを得ない事由による措置」として取り扱ってよいのか。

 原則として、支給量変更申請に基づき手続きを行うこととなる。
 ただし、支給決定の際に勘案した状況が明らかに変化している場合において、市町村は、職権による支給量の変更を行うことも可能である。

(問40) 新居住地市町村に転入届を提出することが遅れた場合、新旧居住地市町村間で連携をとっていても支給決定を行うのが遅れることがあるが、この場合、支給決定の効力を遡及させることができないことから、「やむを得ない事由による措置」として取り扱ってもよいのか。

 転出転入時における手続きについて、利用者に対し、周知徹底を図るとともに、新旧居住地市町村間で緊密に連携をとることが重要であることから、緊急にサービスを必要とするため、支援費の支給申請を行う時間がない場合等の例外的なケースを除き、原則として、「やむを得ない事由による措置」としては取り扱わない。


(10)施行前準備行為について

(問41) 市町村における支援費の支給申請受付開始及び支給決定開始は、平成14年度第3四半期に行うこととされているが、国における支援費基準及び利用者負担関係告示等の公布後に当該告示に基づいて定める市町村の規則等の制定後でないと、支給決定を開始できないと考えるところ、国における支援費基準及び利用者負担関係告示の公布が、第4四半期に予定されていることから、早くても平成14年度第4四半期にしか支給決定を開始できないと考えるがどうか。また、支給申請受付を第3四半期に開始し、支給決定を第4四半期に行う場合、行政手続法上の標準処理期間との関係はどのように考えればよいのか。

 「支給決定」とは、居宅生活支援費の支給に係る「支給期間」及び「支給量」又は施設訓練等支援費の支給に係る「支給期間」及び「障害程度区分」を決定することであることから、国における支援費基準及び利用者負担関係告示の公布前でも、当該支給決定を開始することは可能である。
 また、「標準処理期間」は、申請の処理の目安として定められるものであり、当該期間の経過をもって、直ちに行政不服審査法及び行政事件訴訟法上の「不作為の違法」を構成するということにはならないが、施行前準備期間においては、申請者に対し、支給決定の時期の見通し及び進行状況を示すよう努める必要がある。


(11)システム標準化について

(問42) 受給者証番号の桁数が介護保険の被保険者番号と同じ10桁であり、その採番方法が個々の市町村の任意とされていることから、個々の市町村の判断で、介護保険の被保険者番号をそのまま受給者証番号として使えると考えてよいのか。

 受給者証番号の採番方法については、個々の市町村において任意に設定することとなることから、問のように、介護保険の被保険者番号をそのまま受給者証番号として使用することも認められる。


(12)その他

(問43) 支援費制度がその理念に沿って運用されるかどうかについては、サービス利用に係る契約の内容にその大きな部分を依存しているため、当該契約を締結する際に使用する全国共通の標準契約書を提示する必要があると考えるが、その予定はないのか。

 厚生労働省として、全国共通の標準契約書を提示する予定はない。
 なお、全国社会福祉協議会等において、支援費制度の下での契約の締結等が適切に行えるよう契約書の様式等について検討しているので、それを参考にされたい。

(問44) 地方自治体が事業者・施設を運営する場合であっても、支援費・利用者負担金の収入及びその運営に係る支出について、支援費制度が保険方式でなく税方式であることから、特別会計を設ける必要はないと考えてよいのか。

 地方自治体が事業者・施設を運営する場合、特別会計を設ける必要はない。


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