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2 支給決定に関すること

(1)勘案事項

(問15)「その他の心身の状況」における「医療機関における入院医療が必要なため、居宅生活支援で対応が適当でない場合」、「医療機関への入院が適当である場合」とは、どのように判断するのか。

 市町村において、ご質問のような場合に当たるのではないかと思われるときは、申請者の同意を得て申請者の主治医等の医療機関に問い合わせるほか、申請書に健康診断書の添付を求めることにより確認を行うこととなる。

(問16)「主治医等」(10月1日会議資料P1)は、身体障害者手帳に係る指定医師以外でもかまわないか。「主治医等」の要件は示されるのか。

 主治医や指定医師に限られるものではなく、特に要件を定めることは考えていない。

(問17)医師の診断書の様式は示す予定か。

 特に示すことは考えていない。

(問18)医師の診断書の費用は申請者が負担することとなるのか。

 お見込みのとおり。なお、これは、市町村等において健康診断及び診断書作成に係る費用の補助を行うことを妨げるものではない。

(問19)現在、医療機関で短期入所を実施しているが、医療機関での入院治療が必要な場合は短期入所は利用できなくなるのか。

 医療機関での入院治療が必要な場合は、短期入所を利用するのではなく、入院することとなるものと考えている。

(問20)手帳を持っていない身体障害児は、支援費支給の対象となるのか。

 身体障害者手帳を有しない身体障害児の保護者からの申請については、現行と同様、市町村が必要と認めれば、支援費支給の対象となるサービスの利用が可能である。この際、身体障害を有するかどうか判断が困難な場合は、市町村が、必要に応じ更生相談所からの意見を求めた上で、支給決定を行うこととなる。
 なお、各種援助措置を受けやすくする観点から、支援費支給の申請時等に身体障害者手帳の取得申請を勧奨することが望ましい。

(2)支給決定手続き

(問21)「サービス利用の見込みが当面ない場合、すぐに不支給の決定をするのではなく、申請を受理したまま、引き続き入所調整を継続することが望まれる」(事務大要Q&A集P17問8)とのことであるが、これと市町村が定めることとなる行政手続法上の標準処理期間との関係如何。行政の不作為を問われることにならないか。

 「標準処理期間は、申請の処理の目安として定められるものであり、その期間の経過をもって直ちに「不作為の違法」に当たるということにはならないが、申請者からの照会に対しては、迅速な処理に努めていることが理解されるよう、行政手続法第9条第1項の規定の趣旨に沿って適切に対応すること」(「行政手続法の施行に当たって」(平成6年9月13日総管第211号各省庁事務次官等あて総務事務次官通知)より抜粋)とされている。具体的には、お尋ねのQ&Aでお示ししたとおり、申請を受理したまま引き続き入所調整を継続する間、市町村は、申請者に対し、入所調整等の進行状況及び支給決定の時期の見通しを示すよう努めなければならない。

(問22)サービス利用の見込みがない場合でも、支給決定をし、受給者証を交付してかまわないか。

 サービス利用の見込みがない場合は、支給決定を行っても申請者がサービスを利用できないため、支給決定は行わず、利用者の希望により、市町村が、サービス利用に係るあっせん・調整、要請を行う(必要に応じ、都道府県が市町村相互間の連絡調整等を行う)こととなる。なお、このようなサービスの提供体制が不十分な場合は、支援費制度の導入の趣旨を勘案し、都道府県、市町村はニーズを踏まえた基盤整備に取り組む必要があることは言うまでもない。

(問23)勘案事項及び障害程度区分に係るチェック項目について、申請者からの聴き取りが困難な場合は、どのように聴き取りを行えばよいのか。
保護者、施設職員等の同席を求めるのか。また、障害児の場合、障害児本人とその保護者から聴き取りを行うことになるのか。

 勘案事項や障害程度区分に係るチェック項目については、まず、本人からの聴き取りが原則であるが、本人からだけでは十分な聴き取りが困難である場合、本人の状態をよく知っている者(家族のほか、施設に入所している者については施設職員を含む。)からも聴き取りを行うことが必要な場合があるものと考えている。
 なお、障害児については、支援費支給の申請は保護者が行うこととなっており、市町村は原則として保護者から聴き取りを行うこととなる。

(問24)視覚障害者や聴覚障害者、知的障害者について、情報の収集や契約の締結が困難な場合が想定されるが、これに対しての配慮はどのようになされるのか。

 支援費制度においては、障害者がサービスを利用するに当たり、情報提供、契約締結などサービス利用の各段階において、障害の特性に応じた支援がなされることが重要と考える。

 例えば、情報提供、相談援助については、
(1) 点字によるパンフレットや知的障害者向けに工夫をしたパンフレットによる制度の広報
(2) WAM−NETによる指定事業者情報の拡大文字及び音声による提供
(3) 相談援助の際の相談支援事業者、「地域福祉権利擁護事業」、社会参加促進のための事業(手話通訳の設置、知的障害者への生活協力員の紹介等)の活用が考えられる。
 また、契約締結については、事業者・施設の指定基準において、利用者の障害特性に応じた適切な配慮をもって、利用の申込み時の説明及び契約成立時の書面交付を行うこととしているが、その際、
(1) 視覚障害者や聴覚障害者、盲ろう重複障害者の場合、「市町村障害者生活支援事業」により代読などのサービスを受けたり、各自治体において取組がされている障害者社会参加促進事業における手話通訳者等の派遣を受けて説明を受けたり、「盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業」を活用して、
(2) 知的障害者の場合、「地域福祉権利擁護事業」や「成年後見制度利用支援事業」を活用して、契約を結ぶ等の方法もある。

 これらの施策等により、障害者が円滑に福祉サービスを利用するための支援が十分に行われるよう、各自治体において必要な体制の整備等に取り組んでいただくことが重要である。

(問25)児童福祉法第63条の4、第63条の5の規定に基づき、15歳以上18歳未満の障害児が成人施設を利用する場合、市町村は支給決定等の支援費制度における手続を行うこととなるのか。また、その際の申請者は誰となるのか。

 当該障害児は、障害者とみなされるため、支援費支給の申請を自ら行うこととなる。(身障法第49条の2、知障法附則第3項)

(問26)障害児施設に入所している18歳以上の障害者は、平成15年4月以降、措置が継続するのか。

 従来の取扱いと同様である。(児童福祉法第31条第2項及び第3項、63条の2第1項及び第2項並びに第63条の3参照)

(問27)支給決定日と支給期間の始期との関係如何(準備支給決定の場合を含む。)。

 支給決定日が支給期間の始期となる。ただし、準備支給決定については、平成15年4月1日から効力が生じるため、同日が支給期間の始期となる。

(3)支給量

(問28)短期入所について、現在は1月間に利用できる限度はないが、支援費制度において月当たりの支給量決定ということになると、介護を行う者の入院や冠婚葬祭など、支給量を超えて利用が必要になる場合があるものと考えられる。この場合、どのように対応すればよいのか。

 支給量の決定にあたっては、介護を行う者の入院や冠婚葬祭などに配慮して、一定の幅を持たせることも考えられる。それでも、支給量を超えたサービスの提供が必要な場合は、利用者の申請による支給量の変更を行うことで対応ができるものと考える。また、事前に特定の月に通常の月よりも多くのサービスの需要が見込まれるときは、支給決定の際に特定の月の支給量を多くして決定することも考えられる。

(4)支給期間

(問29)支給期間の決定のための基準を定める考えはないのか。

 支給期間は、支給決定に際し勘案した状況がどの程度継続するかという観点から個々の障害者ごとに市町村が定めるものであり、国としては、支給期間を定める趣旨からあまりに長い期間とすることは適切でないため、支給期間が超えてはならない期間を定めるのみであり、これ以上詳細な基準を定める考えはない。

(5)相談支援

(問30)施設の空き情報の具体的な収集及び提供の方法如何。

 施設の指定基準上、「入所者数の変動が見込まれる場合においては、速やかに都道府県に報告すること」としており、この規定に基づく施設からの報告により、都道府県において、施設の空き情報を収集されたい。
 また、社会福祉・医療事業団のWAM−NETを活用して、指定事業者・施設の情報が容易に得られるシステムを開発することとしており、これらを活用しつつ、迅速な情報の入手及びそれに基づく適切な調整等が行われるような仕組みづくりについて、各都道府県及び市町村においてご検討いただきたい。

(6)あっせん・調整、要請

(問31)現在、更生相談所の判定を受けて施設入所の待機をしている者は、新たに施設訓練等支援費の申請を行わなければならないのか。

 施設訓練等支援費の申請を行う必要がある。なお、入所調整の具体的な方法については、各都道府県及び市町村において、適切な方法をご検討いただきたい。

(問32)指定施設とみなされた既存措置委託施設の旧措置入所者について、15年4月時点に社会福祉法上の契約に関する説明や重要事項説明書の交付は必要か。

 指定施設とみなされた既存措置委託施設の旧措置入所者については、施行日をもって契約関係に移行することとなるため、社会福祉法に基づき、契約の内容及びその履行に関する事項について説明するよう努めなければならず、また、契約成立時の重要事項説明書の交付が必要である。



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