通知

中労委総発第1221001号
平成16年12月22日
各地方労働委員会会長 あて
中央労働委員会会長

労働委員会規則の一部を改正する規則について

「労働委員会規則の一部を改正する規則」(平成16年中央労働委員会規則第2号。以下「改正規則」という。)については、本日公布されたところである。

この改正規則は、第161回国会において本年11月10日に可決成立し、同月17日に公布された「労働組合法の一部を改正する法律」(平成16年法律第140号)(以下「改正法」という。)及び本年12月1日に公布された「労働組合法施行令の一部を改正する政令」(平成16年政令第373号)を受けて、その具体的な手続について定めたものであり、その主たる内容は下記のとおりであるのでお知らせする。

なお、改正規則の詳細については、追って通知することとしている。

第1 都道府県労働委員会関係

1 地方労働委員会の名称が「都道府県労働委員会」と改められたことに伴い、略称を「都道府県労委」とする等の改正をしたこと(改正規則による改正後の労働委員会規則(以下「規則」という。)第2条第3号関係)。

2 都道府県労働委員会規則に関する規定を置いたこと。

(1)都道府県労委総会の付議事項として、都道府県労働委員会規則の制定及び改廃に関する事項を加えるものとしたこと(規則第5条第1項関係)。

(2)都道府県労働委員会規則において、臨時総会の請求の通告期限及び総会の招集の通知期限について、労働委員会規則と別段の定めをすることができるものとしたこと(規則第4条第3項及び第4項関係)。

第2 会議関係

1 公益委員会議関係

(1)部会(改正法第24条の2第1項又は第4項ただし書に規定する合議体)の構成等について定めたこと(規則第10条の2から第10条の4まで関係)

イ 部会には、会長が指名する部会長及び部会長代理を置くこと。ただし、会長がその構成に加わる部会の部会長は、会長としたこと。

ロ 中労委の部会の数は、3としたこと。

ハ 部会の付議事項を定めたこと。

ニ 部会の招集、定足数及び議事については、公益委員会議の規定に準ずること。

(2)その他部会について、委員以外の者の発言(規則第13条関係)、議場の整備(規則第14条関係)、議事録の作成及び承認(規則第15条関係)、部会への事件配分手続(規則第36条関係)に関して整備を行ったこと。

2 総会関係
 部会における決定、部会長の指名を総会報告事項としたこと(規則第5条第3項関係)。

3 審査委員会関係
 審査委員会の付議事項等について整備したこと(規則第10条の5及び第10条の6関係)

第3 資格審査関係
 資格審査を部会で行うときの規定の整備その他改正法に基づく所要の整備を行ったこと(規則第23条から第27条まで)。

1 資格審査を部会で行うときは、部会長が部会の委員に資格審査を担当させることができるものとしたこと(規則第23条第2項関係)。

2 部会が資格審査について決定したときは、当該資格審査決定書は部会長が署名又は記名押印し、決定に関与した委員の氏名を記載するものとしたこと(規則第25条第1項関係)。

第4 審査手続全般関係

1 手続の主体

(1)公益委員会議又は会長が行う審査手続について、不当労働行為事件の審査等(改正法第19条の2第3項に規定する「不当労働行為事件の審査等」をいう。)を部会で行う場合に、部会又は部会長が行うこととなる手続を定めたこと(規則第32条第4項及び第35条第1項関係)。

(2)審査委員を選任し、審査委員に不当労働行為事件の審査等を行わせることができるものとしたこと(規則第37条関係)。

2 初審の構成
 改正法の審査等手続の規定に則し、初審の手続(第5章第2節)について、申立て、調査、審問、合議等の審査の手続に沿って、「款」に区切って再構成したこと。

3 公益委員の除斥及び忌避等

(1)公益委員の除斥又は忌避について、具体的な手続を定めたこと(規則第38条関係)。

(2)公益委員は自ら回避することができるものとしたこと(規則第39条関係)。

4 参与委員の参与

(1)調査及び審問並びに和解を勧める手続における参与委員の参与に関する規定を整備するものとしたこと(規則第41条の2第5項、第41条の6第4項及び第45条の2第2項関係)。

(2)合議に先立って行われる意見陳述その他の参与委員の意見陳述は、労使委員の申出により、その出席に代えて意見書の提出によっても行うことができるものとしたこと(規則第42条第2項及び第41条の14第2項(第41条の19第6項で準用する場合も含む。)関係)。

第5 調査・審問関係

1 調査関係

(1)調査手続における証拠調べの方法について、改正法により当事者又は証人の出頭を求めてその陳述を聴くことによる証拠調べはできないこととされたこと等を踏まえ、改正法に則した調査手続の整備を行ったこと(規則第41条の2関係)。

(2)答弁書等について所要の整備を行い、陳述のために書面を提出する当事者は、当該書面に記載した事項について相手方が準備するのに必要な期間をおいて提出しなければならないものとしたこと(規則第41条の3関係)。

(3)審査の計画の策定及び変更は、会長(部会長、審査委員)が行うものとしたこと(規則第41条の5関係)。

2 審問関係

(1)審問は、できる限り、集中して行わなければならないものとしたこと(規則第41条の7第5項関係)。

(2)会長は(部会長、審査委員)は、審問廷の秩序を維持するために必要な措置を執ることができるものとしたこと(規則第41条の7第7項関係)。

3 証拠関係

(1)改正法で証拠調べに関する規定が整備されたことを踏まえ、証拠について一括して定めたこと。

(2)証拠に係る手続等(下記イ〜ハ)を定めたこと

イ 証拠の総則的規定を置いたこと(規則第41条の9第1項及び第2項関係)。

ロ 申し出た証拠で必要がないと認めるものは取り調べることを要しないこと(規則第41条の9第3項関係)。

ハ 職権証拠調べの結果についての当事者からの意見聴取は、会長(部会長、審査委員)が行うこと(規則第41条の9第4項関係)。

(3)改正法で証人の出頭等に関して罰則規定が設けられたこと等を踏まえ、証人の申出及び呼出の手続(下記イ〜ロ)について整備したこと。

イ 証人申出に際して尋問事項書を提出させるものとし、尋問事項書は、できる限り個別的かつ具体的に記載しなければならないとしたこと(規則第41条の10関係)。

ロ 証人の呼出状の記載事項を示したこと(規則第41条の11関係)。

(4)当事者が証人を期日に出頭させることについての努力義務、証人が期日に出頭することができない事由が生じたときの届出義務について定めたこと(規則第41条の12関係)

(5)当事者尋問について、証人尋問の手続に準じて所要の整備を行ったこと(規則第41条の13及び第41条の15関係)

(6)宣誓に関する具体的な手続(下記イ〜ニ)を定めたこと(規則第41条の16関係)。

イ 宣誓は起立して厳粛に行うべきこと。

ロ 宣誓書の朗読及び署名押印に関すること。

ハ 宣誓書の記載事項。

ニ 宣誓の趣旨の説明及び虚偽の陳述に対する罰の告知。

(7)書証の申出方法及び証拠説明書の提出について定めたこと(規則第41条の17関係)。

第6 証人等出頭命令等及び不服申立手続関係

1 証人等出頭命令等関係

(1)証人等出頭命令等は、当事者からの申立てがあったとき、又は会長(部会長、審査委員)が必要と認めたときに、公益委員会議(部会)の決定により行うものとしたこと(規則第41条の14及び第41条の19関係)。

(2)物件所持者への審尋は、会長(部会長、審査委員)が行うものとしたこと(規則第41条の19第3項関係)。

(3)証人等出頭命令等について、命令書の必要記載事項等所要の整備を行ったこと(規則第41条の14第3項から第6項、第41条の19第4項及び第5項関係)。

2 証人等出頭命令等についての不服申立手続関係

(1)中労委への審査の申立手続について、都道府県労委を経由できることとする等再審査手続に準じた整備をしたこと(規則第41条の20関係)。

(2)証人等出頭命令等に関する中労委への審査の申立てに対しての決定は公益委員会議(部会)が行うこと(第41条の22第1項関係、改正法第24条の2第5項参照)となるが、その審理は中労委会長(部会長、審査委員)が指揮して行うものとしたこと(規則第41条の21第1項関係)。

(3)不服申立てに関する書面審理手続については、行政不服審査法等の規定を勘案して整備を行うものとしたこと(規則第41条の21第2項から第5項関係)。具体的には、原処分をした都道府県労委からは意見書や必要な資料(写し)の提出を、申立人からは反論書の提出を求めることとしたこと。

(4)中労委への異議申立手続については、おおむね中労委への審査申立手続に準じたものとしたこと(第41条の23及び第41条の24関係)。

第7 合議、救済命令等関係
 部会が救済命令等を発する場合には、当該救済命令等の命令書には部会長が署名又は記名押印し、判定に関与した委員の氏名を記載するものとしたこと(規則第43条第2項関係)

第8 和解関係

1 和解の勧奨及び和解の認定は、会長(部会長、審査委員)が行うものとしたこと(規則第45条の2関係)

2 和解調書の作成は会長(部会長、審査委員)が行い(規則第45条の3関係)、執行文の付与は会長のみが行うものとしたこと(改正法第27条の14第6項参照)。

3 和解調書の記載事項及び作成手続について所要の整備を行ったこと(規則第45条の3関係)。

4 執行文の付与に関し民事執行に準じた規定を置くものとすること(規則第45条の4から第45条の7関係)。

第9 その他審査関係

1 審査の目標期間は、公益委員会議が定めるものとしたこと(規則第50条の2第1項関係)。

2 審査の実施状況の公表の方法及び内容について定めたこと(規則第50条の2第2項関係)。

第10 訴訟関係
 行政事件訴訟法の改正に伴い、裁判上国が被告となる等の場合の取扱いについて所要の整備を行ったこと(規則第46条、第47条第2項及び第48条関係)。

第11 再審査関係
 改正法等に基づき、初審審査手続に係る規定を改めたことに伴い、所要の整備を行ったこと(規則第51条から第56条まで関係)

第12 特定独立行政法人等に係る不当労働行為事件の処理
 上記第11と同じく、初審の審査手続に係る規定の改正に伴い所要の整備を行うとともに、一般事件との整合を確保するため、審査の実効確保の措置については、審査委員会で決定するものとしたこと(規則第56条の2及び第56条の3関係)

第13 あっせん員候補者名簿の記載事項
 あっせん員候補者名簿の記載事項のうち、個人情報に係るものを削除したこと(規則第67条第1項第1号関係)。

第14 その他
 その他所要の整備を行うものとしたこと。

第15 附則
 この規則は、平成17年1月1日から施行するものとすること。ただし、「第10 訴訟関係」については、平成17年4月1日から施行するものとすること。



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