通知

中労委総発第873号
昭和63年10月5日
各地方労働委員会会長 あて
中央労働委員会会長

労働組合法等の一部を改正する法律の施行に伴う労働委員会規則について

労働組合法等の一部を改正する法律(昭和六十三年法律第八十二号。以下「改正法」という。)の施行に伴い、中央労働委員会と国営企業労働委員会を統合した新しい中央労働委員会が十月一日付けで発足した。当委員会は、改正後の労働組合法第二十六条の規定に基づき労働委員会規則(以下「新規則」という。)を別添のとおり制定し、同規則は同日公布、同日施行された。

新規則は、中央労働委員会と国営企業労働委員会の統合に伴い、新しい中央労働委員会に置かれる会議並びに国営企業に係る審査及び調整に関して所要の規定を設けることを主眼としたものであり、その要旨及び運用にあたつての考え方は下記のとおりであるので、御了知願いたい。

一 新規則の制定形式については、中央労働委員会(以下「中労委」という。)と地方労働委員会(以下「地労委」という。)の手続規則としての継続性を保たせるため、従前の労働委員会規則(昭和二十四年中央労働委員会規則第一号)を新しい中労委が定める手続規則とした上で、その一部を改正することとしたものである。

二 新規則の制定にあたつては、地労委に係る規定については、その運用に影響を及ぼす改正は行わないよう配慮した。
 また、今回改正を行つた部分についても、次のとおり形式的なものにとどめた。

(1)新規則は、労働組合法、労働関係調整法及び地方公営企業労働関係法に加え、国営企業労働関係法にわたる労働委員会の手続規則であるとしたこと(第一条関係)

(2)中労委と地労委の総会の付議事項に関する規定を分離し、また、労働組合の資格証明書に関する規定における労働委員会の労働者委員の推薦に係るものを追加したこと(第五条第二項、第二十二条、第二十六条関係)。

(3)一般企業の労働争議に係る調査及び調整に関する規定の構成を再編したこと(第七章関係)。

(4)その他、労働組合法等及び労働組合法施行令等の改正に伴い引用条文等を改めたこと(第二条から第五条、第十七条、第二十七条、第五十二条関係)。

三 新規則においては、両委員会の統合に伴い、新しい中労委の次のような事項に関して規定を新設し又は改正を行つた。

(1)一般企業担当委員会議、国営企業担当委員会議及び審査委員会等の会議等に関する事項(第三条第二項及び第三項、第五条第三項、第七条の二から第七条の四、第九条第二項、第十一条、第十三条、第十五条、第十六条、第十六条の二、第十六条の三、第十九条、第六十二条の二、第六十二条の四、第六十六条、第八十四条関係)。

(2)国営企業に係る不当労働行為事件等の審査等に関する手続事項(第十六条の二第三項、第二十三条、第五章第三節の二関係)。

(3)不当労働行為事件の再審査において、地方調整委員にその一部を行わせるときの手続事項(第五十六条第二項及び第三項関係)。

(4)地方事務所を経由して行う申立及びその取下げに関する事項(第二十七条第九項、第三十二条第五項、第三十五条第五項関係)。

(5)国営企業とその職員との紛争に係る調査及び調整に関する事項(第八章関係)。

(6)地方調整委員の会議に関する事項(第八十八条関係)。

四 新規則においては、前記三(3)のように、地方調整委員に不当労働行為事件の再審査の一部を行わせるときの手続規定を設けたが、その運用については、今後中労委の公労使三者の協議に委ねることとし、その一致した結論が出されるまでは、地方調整委員に再審査の一部を行わせることは控えることとしている。
 なお、中労委の管轄に属する一般企業に係る調整事件であつて、改正後の労働組合法施行令別表第一に定める一の区域内のみに係るもののあつせん及び調停については、新たに地方調整委員を指名してその処理にあたらせることが可能となつたが(改正後の労働組合法第十九条の十並びに労働関係調整法第十二条第二項及び第二十一条第二項)、当該申請が地労委に対して行われ、管轄報告が中労委になされた事件については、関係当事者双方が特に地方調整委員にその取扱いを希望するときを除き、従前どおり管轄指定により地労委にその処理を委ねる方針に変わりないことを申し添える。



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