通知

中労委文発第372号
昭和27年8月18日
各地方労働委員会会長 あて
中央労働委員会会長

中央労働委員会規則の施行について

標記中央労働委員会規則は、八月十八日付官報で公布せられたところであるが、今次改正は、労組法並びに労調法の改正施行に伴い当面必要な措置として 行われたものであるから、これが施行に当つては法改正の主旨並びに左記諸点に留意の上処理せられたく通知します。

一、第十三条第一項関係
特別調整委員の総会に対する地位については、労調法第八条の二及び同法施行令の一部を改正する政令第一条の四の規定により一応、 明らかなところであるが、本項は、法令運営の実際面から考慮して、特別調整委員制度運用の適正を期するため特に規定したものであること。
二、第六章の二関係
労働争議の実情調査については、従来やや明確を欠くきらいがあつたのであるが、今次労調法改正により緊急調整の措置の一として 明定せられた上に、公益事業に関する争議行為について予告制が設けられ、又、特に中労委にあつては緊急調整につき意見を求められた場合に対処する 必要もあるため、労働委員会としては労働争議につき常にその実情を正確に把握していなくてはならなくなつた。このように、 労働争議の実情調査の重要性が増大したことに鑑み、ここに新たに一章を設け、規定を整備したものであること。
三、第六十二条の二関係
本条第一項後段は、法改正により公益事業に関する争議行為について予告制がとられることとなり、従つて、 この種事業の労働争議については、労働委員会の迅速な調整活動が従来以上に発揮せられる必要が増したので、この種労働争議については特に、 予め実情を調査しなければならないこととしたこと。
本条第三項は、全国的に重要な問題にかかると考えられる労働争議の発生に処しても万遺漏なきを期するため、 地労委が実情調査を開始したときは取りあえずその旨の報告を受けることとしたものであるから、ひとり公益事業のみでなく、地労委にあつて特に 重要と考える労働争議についても実情調査を開始した場合には、報告について同様に取扱うよう運用を図りたく、中労委・地労委を通じて相互に 緊密な連絡を保持したい主旨であること。
四、第六十二条の四関係
本条は、申請その他に基づいて既に労働委員会に係属している労働争議につき争議行為の予告通知を受けたときは勿論のこと、 未係属の事件であつても右の予告通知を受けた際は、この規則第六十二条の二の規定と相俟つて調整上迅速に対処して遺憾なきを期すべき主旨の 規定であり、特に第二項については、中央地方の管轄区分によつて生ずる遅滞を防止するため、通知せられる争議行為がたとえ一都道府県内のみに かかるものであつても、その労働争議が二以上の都道府県にわたり、或いは全国的に重要な問題にかかると考えられるときは、 直ちに通知を受けた地労委から中労委にその旨報告することとしたものであること。
五、第八十条関係
労働争議の仲裁に関し、仲裁委員会を設けて行うこととなつたので、仲裁委員の選定及び指名につき、大体調停委員会及び 審問の場合に準じて規定したものであること。
六、その他の諸点は、主として法改正に伴う字句上等の技術的改正であること。

以上

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