(照会先)
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 企画課 生田課長補佐、木島係員 03−5253−1111(内線3022) |
障害福祉サービス利用の実態について(第2回調査)
(平成18年11月から平成19年6月までの状況)
平成19年10月
【調査の目的】
本年2月に公表した調査結果(平成18年3月〜10月の実態)に引き続き、平成18年11月以降の実態(特に特別対策実施後の実態)を把握するため、調査を行った。
【調査の結果】
1.利用者負担を理由とした入所・通所サービス利用の中止・抑制状況
(1)入所・通所サービス利用の中止状況
○ 入所・通所サービスの利用を中止した者の割合は、前回調査(本年2月公表)に比べ、約4分の1となっている。
【前回調査(昨年3月〜10月)】 |
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【今回調査(昨年11月〜本年6月)】 |
※1 前回調査で示した調査期間を通じた利用者負担を理由とする中止者の合計人数を平成18年4月時点の契約者数で除した割合0.73% は、今回調査では0.17% となった。
※2 今回調査は三重県を除く46都道府県のデータ。なお、平成18年4月時点の契約者数は三重県分(2,869人)を除いた人数としている。
○ 利用中止後の状況については、約43%(162人)の者が利用中止後他の施設、サービスを利用していると回答し、約35%(134人)の者が利用中止後他のサービスを利用せずに自宅で生活していると回答。前回調査に比べ、利用中止後他の施設、サービスを利用している者の割合が増えるとともに、他のサービスを利用せずに、自宅で生活している者の割合が減少。
(参考)前回調査時では利用者負担を理由に利用中止した1,625人のうち、
・約33%(540人)の者が、他の施設、サービスを利用していると回答し、
・約43%(703人)の者が、他のせービスを利用せず、自宅で生活していると回答。
(2)通所サービス利用の抑制状況
○通所サービスの利用を抑制した者の割合は、前回調査に比べ、約5分の1となっている。
【前回調査(昨年4月〜10月)】 |
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【今回調査(昨年11月〜本年6月)】 |
※1 利用抑制者:利用日数が減り始めた月にその人数を計上。
※2 前回調査で示した調査期間を通じた利用者負担を理由とする抑制者の合計人数を平成18年4月時点の契約者数で除した割合4.39%は、今回調査では1.00%となった。
※3 今回調査は三重県を除く46都道府県のデータ。平成18年4月時点の契約者数は三重県分(1,200人)を除いた人数としている。
2.利用者負担を理由とした居宅サービス利用の中止・抑制状況(単月平均)
○ 利用中止者の割合:0.01%(前回:0.05%)
○ 利用抑制者の割合:0.03%(前回:0.10%)
※1 居宅サービス:ホームヘルプ(行動援護等含む)、ショートステイ、グループホーム(ケアホームを含む)、児童デイサービス。
※2 今回調査は28都道府県、前回調査は28府県からの回答による。
3.利用者負担を理由とした障害児の入所・通所サービス利用中止・抑制の状況
(単月平均)
○ 利用中止児童の割合:0.03%※1(前回:0.25%※2)
○ 利用抑制児童の割合:0.32%※1(前回:4.07%※3)
※1 昨年11月から本年6月の利用中止児童数の累計を昨年10月の契約児数で除した率を8か月で除したもの。
※2 昨年9月及び10月における利用中止児童数の合計を10月の契約児数で除した率を2か月で除したもの。
※3 昨年10月における利用抑制児童数を同月の契約児童数で除した率。
※4 全ての都道府県、指定都市及び児童相談所設置中核市からの回答による。
(参考)
障害福祉サービス利用の実態について
平成19年2月21日
厚生労働省社会・援護局
障害保健福祉部
【調査の概要】
○ 昨年10月23日、26府県について障害福祉サービスの利用実態を取りまとめ公表したところ。更に実態把握を進めるため、今般、全都道府県に統一様式を示し、回答を得たところ、概要以下の通り。
1.障害者施設における利用者負担を理由としたサービス利用の中止
(昨年3月から10月までの累計)
(1)利用中止者の割合
【先般公表したデータ】 |
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【最新の状況】 |
※ 調査期間の長期化(先般の調査期間は2−6ヶ月間であったが、今回は8ヶ月間。)により、累計の数値は増加しているが、単月で見れば減少しており、利用の中止が例外的という状況に変わりはない。
(参考)退所の理由(自由記入から)
「利用者負担金の急激な増加により自宅で生活している。」、「本人の年金は家族の生活費となっている。」、「(利用者負担を)支払ってまで施設利用する必要がない。」、「工賃以上に負担したくない。」等の回答があった。
(2)入所・通所別の状況
入所:0.44%、通所:1.19%となっており、入所よりも通所に多い。
(3)退所・利用中止後の状況等について
利用中止の例はあるものの、そのうち、33%の者が、退所後他の施設、サービスを利用していると回答し、43%の者が、退所後他のサービスを利用せずに自宅で生活していると回答。
(参考)退所後の状況(自由記入から)
施設が市町村に連絡し、相談支援につなげているという回答や「家業を手伝うため。」、「家事手伝いをしている。」、「自宅で生活をしている。」等の回答があった。
2.通所施設の利用抑制(昨年4月から10月までの累計)
【先般公表したデータ】 |
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【最新の状況】 |
※利用抑制者:昨年3月と比較し利用日数が減り始めた月にその人数を計上
3.居宅サービスの状況(28府県による回答)
※居宅サービス:ホームヘルプ(外出介護含む。)、ショートステイ、デイサービス、児童デイサービス、グループホーム
利用者負担を理由にサービスを中止:0.40%(単月:0.05%)
利用者負担を理由にサービスを抑制:0.76%(単月:0.10%)
4.全体利用者数
利用中止などの例はあるものの、昨年3月と比較し、10月の障害者施設(入所・通所)契約者数は、入所:0.97%の増加、通所:8.53%の増加となっており、全体では3.86%の増加。【約209千人⇒約217千人】
※3月の契約者数が不明であった2県を除いた45都道府県のデータ
5.障害児サービスの利用状況
【利用者負担を理由に利用を中止した児童の割合(昨年9月から10月の累計)】0.50%(単月では0.25%)
【利用者負担を理由に利用を抑制した児童の割合(昨年10月)】4.07%
※ 退所等は制度の切り替え時に多いことから、利用中止について障害者と障害児で利用者負担の変更時を比較すると、障害者施設に係る3月の退所率が0.28%であるのに対し、障害児施設に係る9月の退所率は0.25%であり、障害者と障害児で傾向は変わらない。
一方、利用抑制についてみると、障害者施設に係る4月の抑制率が1.64%であるのに対し、障害児施設に係る10月の抑制率は4.07%であり、障害児の方が数値が高い。
6.対応
(1) 以上のとおり、今般の調査により、利用者負担を理由とする利用の中止は例外的状況であり、全体の利用者数も着実に増加しているという状況が示され、先般(昨年10月23日)の調査と基本的に同様の傾向が確認された。
(2) また、通所利用者や障害児世帯が厳しいとの点が示された。
(3) 一方、今般講じることとしている利用者負担の更なる軽減措置は、
○ 通所・在宅利用者及び障害児世帯を中心に、
○ 利用者負担の上限を現行の2分の1軽減から4分の1軽減に引き下げる
とともに、
○ 軽減対象を一般(課税)世帯のうち収入が概ね600万円まで拡大する、
ものであり、これにより、今般の調査で負担感があるとされた層の負担の軽減に大きく寄与するものと考えられる。
(参考)特別対策後の1割負担上限額(通所、在宅) | ||
一般(課税) | 月37,200円 | ⇒9,300円(※収入が600万円までの場合) |
低所得2 | 月12,300円 | ⇒6,150円(通所は7,500円⇒3,750円) |
低所得1 | 月 7,500円 | ⇒3,750円 |
※ 資料については、都道府県等からのデータの精査等により、修正がありえるものです。
※ 障害者の利用抑制及び障害児サービスの利用状況については、都道府県等から修正がなされたため、1月30日付データから変更されています。
※ 居宅サービスについては、一部の県より利用者負担を理由としてサービスを抑制したのか不明である等の回答があったため、1月30日付データから変更されています。