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2 特定化学物質による中毒等(平成22年)

発生月 業種 被災状況 要因分類 原因物質 発生状況 発生原因
1月 各種食料品小売業 中毒1名 特定化学物質 塩素 トイレを掃除するため、塩素系洗剤および酸性洗剤をバケツ内で混合したところ、次亜塩素酸ナトリウムと塩化水素が化学反応を起こして塩素ガスが発生し、労働者がこれを吸い込み、中毒となった。 危険有害性の認識不足
換気不十分
安全衛生教育不十分
1月 その他電気機械器具製造業 中毒1名 特定化学物質 アンモニア セラミック製品を研磨加工した際に排出される研磨剤を含んだ廃液を処理するため、一旦缶の中に入れて自然乾燥させた後、固まった研磨剤をバールで砕いたところ、当該研磨剤に付着していたアンモニアが一気に噴き出し、それを吸い込んだため、目まい、震え、呼吸困難の中毒となった。 換気不十分
呼吸用保護具未着用
5月 電子管または半導体素子製造業 中毒1名 特定化学物質 塩素ガス 工場内実験室において、塩酸と過酸化水素水を混合したエッチング液を製造していたところ、発生した塩素ガスを吸い込んだため、喉の痛みおよび呼吸困難を伴う中毒となった。 危険有害性の認識不足
設備の管理不足
安全衛生教育不十分
5月 清掃業 中毒1名 特定化学物質 シアン化カリウム シアン化合物を含んでいることが判明した産業廃棄物液の廃棄処理をしていたところ、廃棄液の酸化に使う塩酸をスポイトで移動中、スポイトが試験管に引っかかり塩酸が飛散、被災者の口内に付着したため、手元にあったビーカーに入った蒸留水で口をすすごうとしたが、ビーカーを取り違え、シアン化合物の廃棄処理で反応を比較するために用意したシアン化カリウム溶液のビーカーの液体で口をすすいで吐き出した。口内に違和感が残ったため、水道水で口内をすすいだが、目まい等の中毒となった。 設備の管理不足
6月 その他の食料品製造業 中毒1名 特定化学物質 塩素ガス ゆで麵製造ラインにおいて、麵を冷却する水槽の殺菌のために水槽に付設された薬液タンクに次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入しようとしたところ、薬液タンクの隣にあった、麵の腐敗防止のために水槽を酸性化する目的で使用する乳酸溶液が入ったタンクに誤って注入したため、塩素ガスが発生し、これを吸い込み、喉の痛みを訴えた。 危険有害性の認識不足
設備の管理不足
作業標準不徹底
6月 理容、美容または浴場の事業 中毒2名 特定化学物質 塩素ガス 温泉施設の地下滅菌室内において、次亜塩素酸ナトリウムを補給しようとしたところ、誤ってポリ塩化アルミニウムを注ぎ足したため塩素ガスが発生し、作業した労働者と、「ガスが発生した」との報告を受け様子を見に来た労働者が塩素ガスを吸い込み、中毒となった。 危険有害性の認識不足
作業標準不徹底
緊急対応マニュアル未整備
6月 非鉄金属の製錬または精錬業 中毒1名 特定化学物質 塩素ガス 配管補修工事が完了し、塩素配送が開始された後、同補修箇所付近で塩素漏えい検査を行っていたところ、同補修箇所の南側に位置する別の配管付近から塩素が漏えいしているのを発見し退避したが、呼吸用保護具を使用していなかったためこれを吸い込み、塩素ガス中毒による肺の薬傷を負った。 呼吸用保護具未着用
非定常作業時の作業標準不徹底
7月 電気めっき業 中毒1名 特定化学物質 クロム酸、重クロム酸 クロムメッキ槽の電極を移動させる作業において、メッキ槽上部に上って電極を引き上げようとしたところ、誤ってメッキ槽内に落下して槽内のメッキ液を飲み、中毒となった。 危険有害性の認識不足
安全衛生教育不十分
7月 無機工業製品製造業 大量漏えい 特定化学物質 希硫酸 水酸化ナトリウムを製造する工程中で発生する塩素ガスを乾燥するために濃硫酸を混入しており、当該工程内で発生した希硫酸をポンプにより移送管で移送していたところ、その希硫酸の受入側貯槽の配管に設けた受入弁の手動バルブの一部を誤って閉止していたため、耐熱温度が低い塩ビ配管が破損し、希硫酸が流出した。 設備の管理不足
8月 電子応用装置製造業 中毒1名 特定化学物質 塩素ガス 銅基盤を洗浄するための水槽を水洗いするため当該槽につながる水道栓を開けるべきところ、誤って同じ場所にある硫酸溶液を入れた槽につながる水道栓を開けてしまい、硫酸溶液が槽から溢れ出し、溢 れ出た硫酸溶液の拭き取り作業を行っていたところ、別のアルカリ性の槽で発生し槽の下部にこぼれ落ちていた亜塩素酸ナトリウムの結晶に流れ出た硫酸が触れたため塩素ガスが発生し、これを吸い込んで中毒となった。 作業標準不徹底
設備の管理不足
9月 石油精製業 中毒2名 特定化学物質 硫化水素 石油精製ガスから硫黄を回収する装置において、アミン再生塔のトレイにアミン溶液が付着したために気液分離機の液面が上昇したことから、排出ポンプを起動させる作業を行ったが、液面が下がらないために排出配管にあるバルブを開け配管の詰まりを番線で貫通させて排出させたところ、その排水に含まれていた硫化水素を吸い込み、中毒となった。 危険有害性の認識不足
非定常作業時の作業標準不徹底
9月 無機工業製品製造業 中毒1名 特定化学物質 塩酸 船より塩酸を貯槽に受け入れ終了後に、貯槽の鋼板の高さ7.2mの箇所が腐食して穴が開き、塩酸約5Lがタンクの周囲の防潮提内に漏えいしたところ、北から風が吹いており、ミスト化し浮遊した塩酸を、南側に近接した別会社の労働者が吸い込んだため、化学物質粘膜障害に罹患した。 設備の管理不足
緊急対応マニュアル未整備
10月 有機工業製品製造業 中毒1名 特定化学物質 ホルムアルデヒド、フェノール PC用フェノール樹脂板の試作開発作業において、換気設備が設置されていない場所でホルムアルデヒドおよびフェノールを取り扱っていたため、慢性喉頭炎および声帯ポリープに罹患した。 危険有害性の認識不足
換気設備未設置

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