ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 雇用・労働 > 労働基準 > 安全・衛生 > 統計・災害事例 > 化学物質による災害発生事例について > 有機溶剤による中毒等(平成21年)

有機溶剤による中毒等(平成21年)

有機溶剤による中毒等(平成21年)

発生月 業種 被災者数 有害要因 発生状況 発生原因等
1月 自動車製造業(5801) 中毒1名 ガソリン 自動車整備工場のタンクローリー車の修理作業において、ガソリンを入れていたタンク内に設置されている検尺棒のカバーを取り外すため、単独でタンク内に入ったところ、タンク内に残存していたガソリン蒸気を吸入し、有機溶剤中毒となった。これに気付き、救出にタンク内に入った者も同様にガソリン蒸気を吸入し、有機溶剤中毒となった。 作業標準不徹底
呼吸用保護具の未着用
緊急対応マニュアルの未整備
2月 その他の輸送用機械器具製造業(5805) 中毒1名 ミネラルスピリット 工場において、ミネラルスピリットを含有する合成樹脂塗料を使用して鉄製パイプレットの刷毛塗り塗装作業を行っていたところ、塗料から発散した有機溶剤蒸気を吸入し、急性有機溶剤中毒となった。 危険有害性の認識不足
換気不十分
呼吸用保護具の未着用
3月 鋼製船舶造修理業(5901) 中毒1名 有機溶剤 自動車運搬船の艤装工事において、エンジンルームベントトランク(換気シャフト)内部の塗装作業を行っていたところ、有機溶剤中毒となった。 作業標準不徹底
呼吸用保護具の未着用
3月 有機工業製品製造業(4703) 中毒1名 ジクロルメタン ジクロルメタン(別名:塩化メチレン)を溶媒として作った高分子液をパウダー状にする工程において、造粒槽上部に付着したパウダーを高圧水で洗浄する際、除去状況が見づらいため、のぞき窓を開け、顔を近づけたところ、ジクロルメタン(別名:塩化メチレン)ガスを吸入し、有機溶剤中毒となった。なお、防毒マスクを着用していた。 危険有害性の認識不足
作業標準不徹底
呼吸用保護具の管理不十分
3月 自動車・同付属製品製造業(5801、5805) 中毒1名 ジクロルメタン、メタノール 工場の区画ラインを消す等の床面の清掃作業において、床面にこびり付いた汚れをジクロルメタン及びメタノールを含有した塗膜剥離剤で除去する作業を行っていたところ、除去作業で発散した有機溶剤蒸気を吸入し、有機溶剤中毒となった。 危険有害性の認識不足
換気不十分
呼吸用保護具の未着用
4月 有機工業製品製造業(4703) 中毒、薬傷1名 トルエン ろ過室において、回転式ろ過機の内部に入り、ろ過機の内側に付着したトルエン含有物をちりとりで回収していたところ、ろ過機内に充満していたトルエン蒸気を吸入し、有機溶剤中毒となった。同時に、背部、臀部及び両肘にトルエンが付着し、薬傷を負った。 作業標準不徹底
呼吸用保護具の未着用
化学防護服の未着用
4月 塗装業(6115) 中毒3名 ジクロルメタン 金属製貯蔵タンクにおいて、内面の洗浄作業でタンク内部に入り、ジクロルメタンを主成分とする洗浄剤でブラシ洗浄していたところ、発散したジクロルメタン蒸気を吸入し、有機溶剤中毒となった。なお、タンク内はマンホールから送風機2台により送・排気が行われ、作業者は有機ガス用の防毒マスクを着用していた。 換気不十分
呼吸用保護具の点検・管理不足
4月 ビルの総合的な管理等の事業(9301) 中毒1名 有機溶剤 マンションにおいて、管理人専用トイレに入ったところ、トイレ内に長年放置されていた有機溶剤が、腐食した鉄製容器から漏れ出し、有機溶剤蒸気を吸入し、急性有機溶剤中毒となった。 保管・管理の不備
5月 その他の建築事業(3506) 中毒1名 1,2-ジクロルエタン 化学設備の点検工事において、クーラーの高圧水洗作業を行っていたところ、熱交換チューブから発散した1,2-ジクロルエタン、塩化ビニル、塩化水素の蒸気を吸入し、中毒となった。 作業連絡の不徹底
呼吸用保護具の未着用
5月 事務用機械器具製造業(6007) 中毒1名 有機溶剤 倉庫壁面の補修工事において、ステンレス鋼板を壁にビス留めし、有機溶剤含有塗料で塗装作業を行っていたところ、発散した有機溶剤ガスを吸入し、急性有機溶剤中毒となった。 換気が不十分
呼吸用保護具の未着用
5月 医薬品製造業(4707) 中毒3名 テトラヒドロフラン 医薬品の中間体を製造する工程において、水酸化ナトリウム、流動パラフィン、テトラヒドロフラン、ギ酸エチル、3,3−ジエトキシプロピオン酸エチル及びテトラヒドロフランの混合溶液を反応器に投入・攪拌した。その後、25℃まで昇温させたところ、反応器のエアー抜き配管が外れ、反応器に投入していたテトラヒドロフランが水素ガスとともに噴き出し、噴き出したテトラヒドロフランガスを吸入し、有機溶剤中毒となった。 作業標準不徹底
5月 可塑物製品製造業(6104) 中毒1名 有機溶剤 塗装設備の作業開始前点検において、プッシュプル型換気装置のスクラバーの水吸込口にスラッジが詰まっていたため、換気装置を停止し、スクラバーの点検口を開け、スラッジを取り除いていたところ、当該作業が行われていることを知らなかった者が、塗装ロボットで塗料を噴霧させたことから、発散した有機溶剤蒸気を吸入し、有機溶剤中毒となった。 作業標準不徹底
設備の点検不足
作業連絡の不徹底
7月 可塑物製品製造業(6104) 中毒1名 トルエン ペレット製造ラインにおいて、タンブラー内部に付着した前工程の顔料等を除去清掃するため、タンブラー内部に入り、シンナーを浸透させたウエスで内面をふき取っていたとところ、トルエン蒸気を吸入し、有機溶剤中毒となった。 換気不十分
呼吸用保護具の未着用
7月 その他の化学製品製造業(4709) 薬傷3名 キシレン プラント内の多管式熱交換器の改修工事において、下部のフランジを取り外そうとしたところ、内部に残留していたキシレンが噴出し、薬傷を負った。 作業標準不徹底
呼吸用保護具の未着用
8月 研究又は調査の事業(9426) 薬傷、中毒4名 アセトン 分析室において、局所排気装置内で金属分析を行うため、三角フラスコに試料を入れ、酢酸メチルを添加し、続いて臭素を攪拌しながら少しずつ添加するところ、誤って酢酸メチルの替わりにアセトンを添加したため、アセトンと臭素が激しく反応し、三角フラスコが割れ、薬品が顔等に飛散し、薬傷を負った。また、反応で生成したブロモアセトン等のガスにより、中毒となった。 作業標準不徹底
危険有害性の認識不足
呼吸用保護具の未着用
8月 鋼製船舶造修理業(5901) 中毒1名 有機溶剤 造船所のブラスト・塗装工場において、船体ブロックの塗装作業を行っていたところ、塗装作業で発散した高濃度の有機溶剤蒸気を吸入し、有機溶剤中毒となった。なお、塗装工場に換気設備はなく、作業者はエアラインマスクを着用していた。また、有機溶剤作業主任者は選任されていなかった。 呼吸用保護具の点検不足
有機溶剤作業主任者未選任
9月 その他の設備工事業(3801) 中毒、薬傷1名 有機溶剤 風呂場の壁面塗装工事において、塗装面の剥離作業を行う際、手持ちローラーにラッカーシンナー(有機溶剤含有)を付け、壁面に塗布しながら作業を行っていたところ、発散した有機溶剤ガスを吸入し、有機溶剤中毒となった。また、衣服に付着したシンナーにより化学熱傷を起こした。 換気不十分
呼吸用保護具の未着用
9月 その他の建築事業(3506) 中毒1名 有機溶剤 最終沈殿施設の地下において、有機溶剤含有のエポキシ樹脂塗料で配管のハケ塗り作業を行っていたところ、作業で発散した有機溶剤蒸気を吸入し、有機溶剤中毒となった。地下には、給気送付機と排気送風機が1台ずつ設置されていた。 換気不十分
呼吸用保護具の未着用
安全衛生教育不十分
10月 建築物の新設に伴う電気の設備工事業(3507) 中毒1名 トルエン、酢酸エチル 融雪槽の製造工場において、ウレタン塗膜防水剤用の下地材(トルエン35%、酢酸エチル30〜40%未満含有)を使用して、開放面を上向きにしたコンクリート製の融雪槽内部に入り塗装作業を行っていたところ、発散した有機溶剤ガスを吸入し、有機溶剤中毒となった。換気設備はなく、着用していた呼吸用保護具は使い捨て式簡易防じんマスクであった。 換気不十分
不適切な呼吸用保護具の着用
安全衛生教育不十分
11月 その他の化学製品製造業(4709) 中毒1名 キシレン 練込粒剤製造工場において、誤って流出させたキシレンの除去作業をしていたところ、キシレン蒸気を吸入し、有機溶剤中毒となった。 換気不十分
緊急対応マニュアル未整備
11月 有機工業製品製造業(4703) 中毒1名 トルエン、アセトン テントハウスにおいて、樹脂の攪拌混合に用いたニーダーをトルエン、アセトン含有の有機溶剤で洗浄していたところ、洗浄作業で発散した有機溶剤蒸気を吸入し、有機溶剤中毒となった。なお、作業者は有機ガス用防毒マスク等呼吸用保護具を使用していなかった。 換気不十分
呼吸用保護具の未着用

ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 雇用・労働 > 労働基準 > 安全・衛生 > 統計・災害事例 > 化学物質による災害発生事例について > 有機溶剤による中毒等(平成21年)

ページの先頭へ戻る