一酸化炭素による中毒(平成20年)
発生月 | 業種 | 被災状況 | 要因分類 | 原因物質 | 発生状況 | 発生原因 |
1月 | 泥水式推進工法による管の埋設事業(3702) | 中毒5名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 水道管敷設工事の切端部において、泥水式掘進機の推進角度を修正するため、ガソリンエンジン発電機を動力源に電気ドリルでアンカーボルトを取り付ける穴の穿孔作業を行っていたところ、発電機の排気ガス中の一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気が不十分な場所での内燃機関の使用 換気不十分 |
1月 | 土石製品製造業(4907) | 中毒2名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | キューポラによるロックウール原料の溶解工程において、自動運転により原料をキューポラ内へ投入するバケットに不具合が発生したことから、原因を確認するためにキューポラ上部にセットされたバケット上部から内部を覗き込んだところ、キューポラから発生した一酸化炭素を含む排ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 作業標準不徹底 |
2月 | 映画の制作、演劇等の事業(9418) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 撮影スタジオにおいて、暖房のため炭を焚いていたところ、炭の付近で作業していた照明助手が一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化中毒となった。 | 換気不十分 |
2月 | 放送業(9702) | 中毒2名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 宿泊施設において、、施設が密閉された中で携帯発電機を使用していたところ、携帯発電機から一酸化炭素ガスが発生し、発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気が不十分な場所での内燃機関の使用 換気不十分 |
2月 | その他の各種建設事業(3718) | 中毒2名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 建築中のコンクリート製生物反応槽において、既設下水処理槽との間にダクト用の穴を開けるため、反応槽内にガソリンエンジン式発電機とコンクリート穴あけ機を持ち込んで作業を行っていたところ、ガソリンエンジン式発電機からの排気ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気が不十分な場所での内燃機関の使用 換気不十分 |
3月 | 前各項に該当しない事業(9416) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 給水施設内の給水ポンプの制御盤の修繕作業において、施設内を停電にし、給水ポンプの動力を施設内に設置されたガソリンエンジンの動力に切り替えて作業を行っていたところ、ガソリンエンジンの排気ガスを吸入し、一酸化炭素中毒になった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 非定常作業の作業標準不徹底 |
3月 | 自動車製造業(5801) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 工場ラインの溶解工程において、キュポラ炉内で発生した棚吊状態を解消するため、キュポラ炉の点検口を開き、点検口に棒状の用具を使用して原材料を掻き落とす作業を行ったところ、一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気不十分 |
4月 | 飲食店(9802) | 中毒(不明) | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | そば店において、調理、ホールの担当者が一酸化炭素ガスを吸入し、急性一酸化炭素中毒となった。 | 換気不十分 |
4月 | その他の設備工事業(3801) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 排水溝の設置工事において、ビニールシートの囲いの中で、床の切削に用いる内燃機関のコンクリートカッターの排気ガスを排気ダクトに近づけて屋外へ排出する作業をしていたところ、コンクリートカッターの排気ガス中の一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気が不十分な場所での内燃機関の使用 作業標準不徹底 換気不十分 |
4月 | パン又は菓子製造業(4107) | 中毒7名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 生菓子の製造・販売事業場において、調理場の食器及び調理器具の洗浄用の給湯器の不完全燃焼により発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 機器の点検不足 換気不十分 |
4月 | 卸売業・小売業(9801) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 休憩室の給湯室において、瞬間湯沸器、ガスコンロ及びファン付き石油ストーブを使用していたところ、一酸化炭素ガスが給湯室に充満し、一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。なお、給湯室の換気扇は使用していなかった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
4月 | 工作物の解体の事業(3505) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | ビル解体工事において、鉄骨の柱・梁に吹き付けられたロックウール材を除去するため、内燃機関を搭載した高圧水洗浄機を使用して、除去工事を開始したところ、高圧水洗浄機からの排気ガスを吸入し、一酸化炭素中毒になった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
5月 | その他の小売業、卸売業・小売業(9801) | 中毒3名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 店舗において、蒸しあがったまんじゅうのパック詰め作業をしていたところ、蒸し器の不完全燃焼により一酸化炭素ガスが発生し、発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。なお、蒸し器上部の換気扇が停止した。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
5月 | 道路の新設に関する建設事業(3201) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 工具・部品室において、ガソリンを燃料とするコンクリートカッターを用いてコンクリート床面の切断作業を行っていたところ、コンクリートカッターから発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
6月 | 自動車製造業(5801) | 中毒2名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 実験棟低温低圧室において、自動車のエンジントルク試験を行っていたところ、自動車のマフラーに取付けてあった排気ダクトの接続ホースが破損したため、一酸化炭素が室外に排出されず、一酸化炭素中毒となった。なお、一酸化炭素濃度警報装置は、故障していたため作動しなかった。 | 設備・機器の点検不足 換気不十分 |
6月 | パン又は菓子製造業(4107) | 中毒4名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | シュークリームの製造室において、シュー皮をガスオーブンで焼いていたところ、ガスオーブンの排気用ファンを稼動させていなかったため、ガスオーブンの不完全燃焼により一酸化炭素ガスが発生し、一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 作業標準不徹底 換気不十分 |
6月 | 鉄筋コンクリート造りの家屋の建設事業(3501) | 中毒2名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 壁及び階段の塗装工事において、ローラーで壁の補修塗装を行っていたところ、吹き付け用エンジン式コンプレッサーの排気ガスによる一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒になった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
6月 | 飲食店(9802) | 中毒2名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 飲食店において、厨房内にある茹麺機が不完全燃焼により一酸化炭素ガスを発生し、換気扇が稼働していなかったため、一酸化炭素ガスが厨房付近に滞留し、一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
6月 | 医療保健業(9424) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 病院の調理室において、ガス式食器洗浄機を使用して食器の洗浄作業していたところ、食器洗浄機から排出された一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 設備の点検不足 換気不十分 |
6月 | 衛生、消化等の設備工事業(3801) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | トイレ設備の設置工事において、エンジン式高速カッターを用いてコンクリート土間を切断していたところ、エンジン式高速カッターから排出される排気ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
7月 | 卸売業・小売業(9801) | 中毒9名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | パン製造工場において、パン焼成釜が不完全燃焼を起こし、発生した一酸化炭素ガスが作業場内に拡散し、一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒になった。なお、天井部の全体換気装置とパン焼成釜上部に設置したレンジフードが停止していた。 | 設備の点検不足 換気不十分 |
7月 | 工作物の解体、移動、取り外し又は撤去の事業(3505) | 中毒6名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 建物の解体工事おいて、貯水槽室に投光機などの電源用としてガソリンを燃料にした発電機を持ち込み、槽のパネル解体作業を行っていたところ、自然換気が不十分な地下で換気を行うことなく、内燃機関の発電機を使用したことから、発電機から発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気が不十分な場所での内燃機関の使用 作業標準不徹底 換気不十分 |
8月 | 製鉄業(5001) | 中毒2名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 真空取鍋精錬炉の真空排気装置のダクト点検作業において、ダクト内部に入り点検を開始したところ、真空取鍋精錬炉から発生した一酸化炭素ガスがダクト内部に滞留していたため、一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。救出のためダクト内部に入った者も同様に一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 非定常作業の作業標準不徹底 換気不十分 呼吸用保護具の未着用 |
8月 | 紙製造業(4502) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 紙の製造工程において、フィルターのバット内原料除去のため、ホースにより系外排出作業をバット内部に入って行っていたところ、バット内部に残留していた一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
8月 | ビルの総合的な管理等の事業(9301) | 中毒2名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 更衣・シャワー室において、床をガソリンで駆動する高圧洗浄機を使用して清掃していたところ、高圧洗浄機から排出された一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
9月 | 給水、給油等の設備工事業(3801) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 床下の配水管施設工事において、コンクリートカッターを使用して、床部分を切断する作業を行っていたところ、コンクリートカッターの排気ガスによる一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒になった。 | 換気が不十分な場所での内燃機関の使用 換気不十分 |
9月 | その他の各種建設事業(3718) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | トンネル工事において、ガソリンエンジンを動力源とする高圧洗浄機を使用して用水路のトンネル坑壁の内面の洗浄作業を行っていたところ、高圧洗浄機からの排気ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。救助に入った者も一酸化炭素中毒となった。 | 換気が不十分な場所での内燃機関の使用 換気不十分 |
9月 | 飲食店(9802) | 中毒5名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 飲食店において、開店準備のために厨房で炭の火熾しをしていたところ、発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
10月 | 非鉄金属の圧延又は伸線業(5103) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 焼鈍炉において、点検作業を焼鈍炉の中で行っていたところ、設備配管の開閉バルブが開いており、一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 設備の点検不足 作業標準不徹底 |
10月 | 製鉄業(5001) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 焼却設備(ロータリーキルン)の点検、補修作業において、配管からコークス炉ガスが漏れていることが判明したため、配管を取り外し、配管の接合部分であるフランジの接合面を研磨し、ガスケットを塗布したフランジパッキンを挿入していたところ、配管内に残っていた一酸化炭素ガスが漏れ出し、一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 一酸化炭素濃度未測定 呼吸用保護具の未着用 |
11月 | パン又は菓子製造業(4107) | 中毒2名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 菓子製造工場において、プロパンガスを燃料とする蒸し器で菓子製造を行っていたところ、蒸し器から発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 設備の点検不足 換気不十分 |
11月 | その他の各種建設事業(3718) | 中毒3名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 水路トンネルにおいて、コンクリート断面の強度調査のため、コアボーリングマシンを用いて試験片(コア)の採取作業に従事していたところ、コアボーリングマシンと投光機の電源に使用していた発電機(ガソリンエンジン)からの排気ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気が不十分な場所での内燃機関の使用 換気不十分 |
11月 | その他の各種建設事業(3718) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 地下マンホール改修工事において、ピット内を乾燥させるために練炭コンロを設置し、改修作業を行っていたところ、練炭コンロから発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気が不十分な場所での内燃機関の使用 換気不十分 |
11月 | 飲食店(9802) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | ケーキ工房において、ガスオーブンを使用してケーキ製造を行っていたところ、換気扇を稼動せずに作業を行ったため、一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 作業標準不徹底 換気不十分 |
11月 | その他の建築事業(3506) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | ダム取水設備の塗装工事において、作業用設備の電源として発電機(ガソリンエンジン)をゲート開閉装置室に設置していたが、作業用設備の電源が切れたため、同室内に入り、停止していた発電機に給油しようとしたところ、室内に充満していた一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
12月 | 宿泊業(9803) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 待機所兼作業場において、炭焼き料理用の炭を館内の囲炉裏に配るため、、火熾しコンロで炭を熾す作業をしていたところ、換気扇を稼動させていたが、窓を閉めて作業を行っていたため、コンロから発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
12月 | 清掃業(9101) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 汚水処理施設の水質試験室において、石油ストーブ(強制給排気式ファンヒーター)を点火し、天井の換気扇を稼動させて水質試験をしていたところ、石油ストーブから発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
12月 | 製鉄業(5001) | 中毒3名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | コークス冷却設備の給水予熱器の点検補修作業において、予熱器の内部に入って、予熱器と冷却設備のチャンバーとの閉止板の挿入作業を行っていたが、閉止板が入らなくなったため、送気マスクをはずしてフランジ部に移動したところ、フランジ部の隙間から漏れていたコークスガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 呼吸用保護具の未着用 安全衛生教育不十分 |