ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 雇用・労働 > 労働基準 > 安全・衛生 > 統計・災害事例 > 化学物質による災害発生事例について > 特定化学物質による中毒(平成19年)

特定化学物質による中毒(平成19年)

特定化学物質による中毒(平成19年)

発生月 業種 被災状況 要因分類 原因物質 発生状況 発生原因
1月 清掃業(9101) 中毒1名 特定化学物質 硫化水素 タンクローリー中の硫化水素ナトリウムを受入タンクに入れる作業において、受入タンクが一杯になったため、タンクローリーに残っていた硫化水素ナトリウムを仮受ボックスに注いだところ、空気中の二酸化炭素との反応で硫化水素が発生し、中毒となった。 MSDSの未確認
安全衛生教育不十分
2月 有機工業薬品製造業(4703) 中毒2名 特定化学物質 硫化水素 シリコーン系の製品の製造工程において、反応終了後の製品内に残る硫化水素を分離するため、有機酸をエタノールに混ぜたものをポンプで滴下作業中、有機酸の滴下の速度が速かったため、多量に硫化水素が発生し、反応器の配管から漏れた硫化水素を吸入し、硫化水素中毒となった。それを見て助けに行った作業者も同様に硫化水素を吸入し、硫化水素中毒となった。 作業手順未確認
呼吸用保護具未着用
2月 工作物の解体、移動、取りはずしまたは撤去の事業(3505) 薬傷5名 特定化学物質 塩化水素 工場建屋の配管撤去作業において、塩化ビニールライニング配管をプラズマ切断したところ、塩化水素ガスが発生し、眼に薬傷を負った。 作業標準不備
安全衛生教育不十分
3月 医療保健業(9424) 中毒1名 特定化学物質 ホルムアルデヒド 病院の医療検査物の回収業務において、運搬車両内に残留していたホルムアルデヒドを吸入し、急性ホルムアルデヒド中毒となった。 作業標準未作成
安全衛生教育不十分
3月 有機工業製品製造業(4703) 中毒1名 特定化学物質 二酸化硫黄 洗缶工場から返却されたポリタンクの洗浄作業において、洗浄済みのポリタンクから異臭がしたため、ポリタンクの蓋を開け、顔をポリタンク注入口に近づけたところ、ポリタンク内に溜まっていた亜硫酸ガス(二酸化硫黄)を吸入し中毒となった。 安全衛生教育不十分
4月 非鉄金属の製錬又は製錬業(5101) 薬傷(大量漏えい)1名 特定化学物質 硫酸 製錬所の乾燥棟において、出口側配管から濃硫酸が漏れ出したため、配管の応急補修作業を行ったところ、プラントを停止せず作業を行ったため、濃硫酸の漏出量が増し、漏れ出した濃硫酸により薬傷を負った。 非定常作業の作業標準の未整備
保護具着用方法の不適切
4月 各種機械装置の組立又はすえ付けの事業(3601) 中毒3名 特定化学物質 塩化水素 配管のフィルターの清掃作業において、配管中の四塩化ケイ素を窒素を封入して除去するため、配管を接続して窒素を封入し、バルブを開けたところ、閉止しておくべきだったバルブの1つが開いており、四塩化ケイ素が大気の水分と反応して塩化水素ガスを発生し、吸入して中毒となった。 非定常作業の作業標準の未整備
呼吸用保護具未着用
4月 医療保健業(9424) 中毒1名 特定化学物質 塩素 透析液供給装置の流路の洗浄・消毒作業において、洗浄に用いる酢酸系洗浄剤を希釈し、別の容器に移し替える際、誤って次亜塩素酸ナトリウムのタンクに酢酸系洗浄剤を入れてしまい、発生した塩素ガスを吸入し、中毒となった。 作業標準の不徹底
呼吸用保護具未着用
安全衛生教育不十分
5月 その他の各種事業(9416) 中毒8名 特定化学物質 塩化水素 ドラフトチャンバー内において、ベンゼンに塩化アルミニウムを混入した懸濁液に塩化アセチルを少量ずつ加え、アセトフェノンを合成する作業を行っていたところ、塩化アセチルの滴下スピードの調節が適切ではなかったため、反応時に副生する塩化水素を吸収させる目的で設置していたフラスコ内の水が逆流し、逆流した水と塩化アルミニウムとが激しく反応して、塩化水素が急激に発生した。その後、ドラフトチャンバーの扉を開けた状態で、作業を行っていたところ、中毒となった。 作業標準の不徹底
危険有害性の認識不足
安全衛生教育不十分
5月 医療保健(9424) 中毒(大量漏洩)4名 特定化学物質 ホルムアルデヒド 病院処置室において、ホルムアルデヒド液タンクから保存容器にホルムアルデヒドを移し替える際、廊下に液体がこぼれた。これをビニール製の前掛け、側面は顔面と密着しない構造の簡易ゴーグルを着用して、紙にホルマリン液を吸収させ、紙はビニール袋に入れて焼却処分し、廊下の換気を行っていたところ、目に炎症を起こし、ホルムアルデヒド中毒となった。 不適切な保護具の使用
安全衛生教育不十分
5月 その他の建築事業(3506) 死亡1名、中毒2名 特定化学物質 塩化水素 建築中のコンクリート製柱の補修作業において、隣接する産業廃棄物処理工場の煙突から排出された塩化水素ガスを含んだ煙を吸い込み、中毒となった。なお、産業廃棄物処理工場で発生するおそれのある化学物質を把握していなかったため、測定の実施、保護具の着用、作業場所からの退避などの措置が講じられていなかった。 排出される化学物質の把握の不徹底
呼吸用保護具未着用
6月 構築用金属製品製造業(5404) 中毒1名 特定化学物質 硝酸、弗化水素 製缶工場において、希硝酸と酸性弗化アンモニウムを溶解させた水溶液を噴射しながら、ステンレス製サイロ内部の酸洗作業を行ったところ、防毒マスクを着用せず作業を行ったため、硝酸及び弗化水素を吸入し中毒となった。 呼吸用保護具未着用
安全衛生教育不十分
6月 無機工業製品製造業(4702) 大量漏えい0名 特定化学物質 硝酸 希硝酸の貯留作業において、タンクの液面計の鉄製のふた板が希硝酸と接触することにより腐食し、腐食部分から希硝酸が大量漏洩した。 設備の点検不足
6月 その他の電気機械器具製造業(5709) 中毒1名 特定化学物質 塩素 表面処理加工工場において、純水製造装置のろ過材を洗浄するための貯蔵タンクに塩酸を補給するところ、塩酸と取り違えて硝酸を投入した。その後、塩酸タンクから「煙が出ている」との連絡で現場に駆けつけ、塩酸タンクの様子を見ていたところ、発生したガスを吸入して塩素ガスによる急性中毒となった。。 呼吸用保護具未着用
危険有害性の認識不足
安全衛生教育不十分
6月 電気めっき業(5502) 中毒7名 特定化学物質 シアン化水素 シアン化銅めっきラインにおいて、めっき反応槽のめっき溶液循環システムの配管接合部がはずれ、めっき溶液(シアン化ナトリウム溶液)が床面に漏洩し、発生したシアン化水素ガスを吸入し、中毒となった。 設備の点検不足
呼吸用保護具未着用
安全衛生教育不十分
緊急対応マニュアルの未整備
6月 化学肥料製造(4701) 中毒1名 特定化学物質 アンモニア 液化アンモニア充填容器に使用する結合部のシール材のテスト作業において、バルブに取り付けられた保護キャップが外れず、無理に保護キャップを外そうとしたところ、バルブが外れ、保護キャップの穴から液化アンモニアが噴出し、全身型防護服(送気型)の袖口部分から内に入り込み、凍傷及びアンモニア中毒となった。 非定常作業時の作業標準未作成
適切な保護具未着用
危険有害性の周知不足
6月 各種機械装置の組立て又はすえ付けの事業(3601) 中毒1名 特定化学物質 塩素 工場設備の改造工事において、工場の排水溝に流れた廃液から塩素ガスが発生し、拡散し、足場組立作業に従事していた者が塩素ガスを吸入し、中毒となった。 設備管理の不徹底
関係者への周知不足
立入禁止措置の不徹底
呼吸用保護具未着用
7月 旅館その他の宿泊所の事業(9417) 中毒3名 特定化学物質 塩素 浴室の清掃作業において、塩素系洗剤と酸性洗剤を混合使用により、塩素ガスが発生し、吸入して中毒となった。 作業標準未作成
MSDS未整備
安全衛生教育不十分
7月 飲料製造業(4108) 中毒2名 特定化学物質 二酸化硫黄 工場内試験室において、ビール製品等の分析を行うため、分析する物質に硫酸、過酸化水素水を混合したものを、ドラフト内に設置した分解器で過熱して反応させ、15分間冷却した後でドラフト外に仮置きしたところ、仮置きした分析物付近で作業を行っていた者が分析物の反応過程で発生した二酸化硫黄(亜硫酸ガス)を吸入し、中毒となった。 作業標準の不適切
危険有害性の認識不足
7月 研究又は調査の事業(9426) 大量漏えい0名 特定化学物質 塩酸 原子炉安全性研究炉に設置されている塩酸貯蔵タンクにおいて、タンクの側面に設けられている液面計のガラスゲージ管とゲージバルブとの接合部から塩酸が大量に漏洩した。 設備の点検不足
8月 教育業(9425) 中毒1名 特定化学物質 塩素 プールの消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)タンクに誤って凝集剤(ポリ塩化アルミニウム)を入れたため、化学反応を起こし塩素ガスが発生し、中毒となった。 作業標準の不徹底
8月 有機工業製品製造業(4703) 中毒2名 特定化学物質 ホスゲン プラント内の各機器等の残量物の抜き取り作業において、プラントのポンプの残液確認のため、ポンプの液抜きプラグを取り外したところ、ホスゲンを含んだ内容物が流出し、作業者等がホスゲンガスを吸入し中毒となった。 非定常作業の作業標準の不徹底
呼吸用保護具未着用
危険有害性の認識不足
8月 その他の各種事業(9416) 中毒1名 特定化学物質 塩素 試験用試料(ステンレス溶接剤)の溶接部分を写真撮影するための表面処理作業において、塩酸と過酸化水素を混合したエッチング液を作り、試料の表面を刷毛でエッチング液を塗ったところ、塩素ガスが発生し中毒となった。 危険有害性の認識不足
換気不十分
安全衛生教育不十分
9月 その他の建築事業(3506) 薬傷3名 特定化学物質 硝酸 プラント工事において、廃ガスを除害設備に運ぶ配管の取替え工事を行っていたところ、配管の水平部に凝縮した硝酸が配管が傾いた際に流れ出し、配管のフランジ開放部から噴出し、保護衣着用を指示されていなかったため、硝酸を浴びて薬傷になった。 非定常作業の作業標準の不適切
保護具未着用
安全衛生教育不十分
10月 卸売業・小売業(9801) 中毒1名 特定化学物質 硫酸 自動車の整備工場において、自動車用バッテリーの過充電により、バッテリーの排気筒から希硫酸が霧状になって噴き出し、これを吸入して中毒となった。なお、整備工場内の換気扇は稼働しておらず、通風が不十分であった。 作業標準の不徹底
換気設備点検不足
安全衛生教育不十分
10月 紙製造業(4502) 中毒1名 特定化学物質 塩素 次亜塩素酸ソーダのタンクにおいて、次亜塩素酸ソーダをタンクに充填しようとしたところ、誤ってポリ塩化アルミニウムを充填したため、次亜塩素酸ソーダとポリ塩化アルミニウムが化学反応して塩素ガスが発生し、発生した塩素ガスを吸入し、中毒となった。 危険有害性の認識不足
緊急対応マニュアルの未整備
呼吸用保護具未着用
作業標準の未作成
11月 卸売業・小売業(9801) 中毒1名 特定化学物質 塩素 塩酸の貯蔵タンクからコンテナにホースで圧送する作業において、塩酸用のコンテナに注入すべきであるのに誤って次亜塩素酸ナトリウム用のコンテナに注入し、コンテナに残留していた次亜塩素酸ナトリウムと注入した塩酸が混合し、塩素ガスが発生し、外部に流出した塩素ガスを吸入し、塩素中毒となった。 作業標準の不徹底
呼吸用保護具未着用
安全衛生教育不十分
12月 清掃業(9101) 中毒6名 特定化学物質 アンモニア 危険物取扱所において、廃液をドラム缶内で混合していたところ、突然混合液が突沸し、ドラム缶からアンモニアガスが発生し、混合作業者及び周辺の作業者がアンモニアガスを吸入し、中毒となった。 設備点検の不徹底
危険有害性の認識不足
緊急対応マニュアルの未整備
12月 電気めっき業(5502) 大量漏えい0名 特定化学物質 シアンを含むアルカリ水溶液 めっき工程から排出されるシアン系排ガスを洗浄する排ガス洗浄処理装置において、排水配管に設けられたバルブが腐蝕により穴が開き、内部のシアン系排ガス洗浄液が穴から流出し、防液提内の集水升のバルブが開いていたため、雨水側溝から工業団地の調整池を経て、川に流出した。 設備点検の不徹底

ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 雇用・労働 > 労働基準 > 安全・衛生 > 統計・災害事例 > 化学物質による災害発生事例について > 特定化学物質による中毒(平成19年)

ページの先頭へ戻る