一酸化炭素による中毒等(平成17年)
発生月 | 業種 | 被災状況 | 要因分類 | 原因物質 | 発生状況 | 発生原因 |
1月 | 鉄鋼業 | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 製鋼工場内の真空排気設備のダクト内の清掃を行おうとして被災者がダクト内に入ったところ、一酸化炭素を吸入した。作業前にダクト内の空気の置換が行われたが、ダクト深部における一酸化炭素濃度の置換が十分ではなかった。 | 換気不十分 一酸化炭素濃度測定未実施 安全衛生教育不十分 |
2月 | 土木工事業 | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 道路改良工事において、被災者が天端コンクリートを打設し、シートで打設箇所を覆った上で、練炭により保温養生作業を行っていた際に、密閉されたシート内に充満した練炭の燃焼空気を吸入し、被災したもの。 | 換気不十分 |
2月 | 食料品製造業 | 中毒2名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | パン製造工場において、工場内の洗い場にて給湯器を使用してパン製造で使用したプラスチック製ケースの洗浄作業を行っていた作業者2名が、給湯器の排気ガスを吸入して一酸化炭素中毒となったもの。作業時において、換気扇は稼働していなかった。 | 換気不十分 |
3月 | 教育・研究業 | 死亡1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 試験養鶏舎内において被災者がガソリンエンジンを動力とする高圧洗浄機を用いて鶏舎内を水洗作業中に、洗浄機から発生した一酸化炭素を吸入したもの。 | 換気不十分 |
4月 | 鉄鋼業 | 死亡1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 製鉄所構内の転炉ガスホルダー付近において一酸化炭素の漏洩が検出されたため、点検作業を行っていた作業者2名のうち1名が一酸化炭素を吸入し、搬送先の病院で死亡したもの。当該点検作業において、被災者らは呼吸用保護具を着用していなかった。 | 呼吸用保護具未着用 |
5月 | 輸送用機械等製造業 | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 被災者は、建造中のコンテナ船の機関室内において、計器の取付け作業を行っていたが、同室内で行っていた炭酸ガスアーク溶接作業により発生した一酸化炭素を吸入して被災したもの。当該作業時にスポットクーラー1台による換気は行われていたが、被災者は呼吸用保護具は着用していなかった。 | 換気不十分 危険有害性の認識不足 |
8月 | 建築工事業 | 中毒5名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 階段撤去作業を行うにあたり、防音及び粉じん飛散防止のために仮囲いで密閉していたが、被災者らが投光器等を稼働させるために使用した発電機より発生した一酸化炭素を吸入した。 | 呼吸用保護具未着用 関係者間の連絡調整不十分 換気不十分 作業手順未策定 |
8月 | 飲食店 | 中毒3名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 調理場等で作業を行っていた被災者らが、厨房のガスコンロより発生した一酸化炭素を吸入したもの。当日落雷があり、分電盤のスイッチがオフの状態になった。その後被災者の一人がこれらの電源をオンの状態に戻したものの、ガスコンロ上部フードに設置されていた換気扇については、厨房内のインバータの電源を回復させていなかったため稼働していない状態にあった。 | 換気不十分 非定常作業時における作業手順未整備 危険有害性の認識不足 |
10月 | 建築工事業 | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 工場の室内土間改造工事において、被災者を含む作業者2名が、ガソリンエンジン式コンクリートカッターを用いて切断作業を行っている最中に、排ガスを吸入したもの。当該作業時において、作業場は窓が開いていたものの換気装置は設置されていなかったため、換気が不十分な状態にあった。 | 換気不十分 元方事業者による指導の不徹底 作業手順未策定 |
12月 | 飲食店 | 中毒3名 | 一酸化炭素 | 一酸化炭素 | 料理店の厨房内において、調理釜の予熱のため被災者は釜内で木炭を燃焼させていたが、換気を行っていなかったため、不完全燃焼により一酸化炭素が発生し、厨房内で調理作業を行っていた被災者ら二人が吸入し、二人を助けようとした作業者も被災したもの。 | 換気不十分 危険有害性の認識不足 |