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特定化学物質による中毒等(平成17年)

特定化学物質による中毒等(平成17年)

発生月 業種 被災状況 要因分類 原因物質 発生状況 発生原因
1月 清掃・と畜業 中毒1名 特定化学物質 塩化水素 被災者は、銭湯の浴槽清掃作業を行っていたが、汚れを取るために使用する塩酸含有溶液を保管容器から補充していたところ、誤って当該溶液をあふれ出させてしまったため、シャワーで当該溶液を洗い流そうとして塩化水素蒸気を吸入した。当該作業時において、被災者は呼吸用保護具を着用していなかった。 安全衛生教育不十分
呼吸用保護具未着用
作業主任者未選任
2月 その他の商業 薬傷1名 特定化学物質 硫酸ジメチル 倉庫内に約1年8か月保管していた硫酸ジメチルが、容器の腐食により約70リットル漏洩したため、3名で当該物質の中和処理作業を行っていた際に、被災者が目の異常を訴えたもの。当該倉庫は換気設備は設置されておらず、中和処理作業に当たり十分な換気が行われていなかった。また、被災者らは保護眼鏡、防毒マスク等有効な保護具を着用していなかった。 換気不十分
非常時の作業標準未策定
危険有害性の認識不足
作業主任者未選任
2月 医療保健業 中毒4名 特定化学物質 塩素 病院内の人工透析室内にある機械室において、人工透析装置を洗浄するため、被災者の一人が次亜塩素酸ナトリウムを6%以上含有する洗浄剤を投入しようとした際に体勢を崩したため、洗浄剤がカルボン酸系化合物を60%含有する薬剤が入っているタンク内に混入した。近くで作業を行っていた者がこの時発生した塩素ガスを吸入したもの。 危険有害性の認識不足
非常時の作業標準未作成
3月 道路貨物運送業 薬傷1名 特定化学物質 トリレンジイソシアネート
メチレンビスフェニルイソシアネート
トリレンジイソシアネートとメチレンビスフェニルイソシアネートの混合物をタンクローリーに積み込む作業を行っていたところ、タンク内の容量を計測するための検尺口から当該混合物が噴出し、被災者がこれを浴びた。当該物質は粘度が高いため、タンクローリーの排気を行う配管内に当該物質が詰まり、タンク内の圧力が上昇して、検尺口から噴出した。 設備の整備点検不十分
呼吸用保護具未着用
作業主任者未選任
3月 食料品製造業 中毒1名 特定化学物質 塩素 井戸水の浄化設備の薬品タンクの補充作業において、次亜塩素酸ナトリウムの薬品タンクに、誤ってポリ塩化アルミニウムを投入したため塩素ガスが発生し、これを吸入したもの。これら物質のタンクは同じ物置の中に設置されており、容器の形状も似ていた。また、補充作業に係る安全衛生教育が行われていなかった。 作業手順書未作成
安全衛生教育未実施
衛生管理者未選任
4月 道路貨物運送業 中毒1名 特定化学物質 塩素 被災者が薬品運搬車に搭載されていたポリ硫酸第二鉄液を搬入先の貯留槽に投入しようとしたところ、誤って次亜塩素酸ナトリウム貯留槽に投入してしまい、この反応により生じた塩素ガスを被災者が吸入したもの。貯留槽の投入口に投入すべき薬剤の種類が記載されていたが、被災者が知らされた薬品名とは異なっていた。また、搬入作業に当たり、投入先の確認は行われていなかった。 作業手順の確認不足
薬品投入先に表示された薬品名称と被災者が知らされた薬品名が異なっていたこと
5月 医療保健業 中毒1名 特定化学物質 エチレンオキシド 被災者は、消毒済みの手術道具を取り出すため滅菌器のエアレーション(洗浄作業)を行ったが、滅菌器のエアレーションが不十分だったため、減菌器内の手術道具を取り出した際に、器内に残留していたエチレンオキシドを吸入したもの。 設備の点検整備不十分
作業主任者未選任
作業手順の不備
6月 清掃・と畜業 中毒24名
(上記のほか、来客者8名も被災)
特定化学物質 塩素  ショッピングセンター地下1階に設置されている地下水浄化設備において、凝集沈殿用のポリ塩化アルミニウムを投入するための薬注装置にポリ塩化アルミニウムを補充しようとして、誤って殺菌用の次亜塩素酸ナトリウム約20リットルを入れたため、薬注装置に残留していたポリ塩化アルミニウム約50リットルと反応して塩素ガスが発生し、配管等を通じ建屋内にガスが広まり、水処理作業者、百貨店従業員、来客者が被災した。
 誤って補充された次亜塩素酸ナトリウムの容器は、本来ポリ塩化アルミニウムを置くべき場所に置かれており、これを誤って補充したものである。
作業手順書未作成
薬剤投入時の確認不足
安全衛生教育未実施
7月 清掃・と畜業 中毒3名 特定化学物質 シアン化水素 リサイクル工場の建屋内において、焼却処分依頼を受けた60リットルのトリメチルシリルニトリルを誤って含水廃アルコール溶液中に投入してしまったため、トリメチルシリルニトリルと水の化学反応によってシアン化水素が発生した。これを被災者が吸入して意識を失い、それを見て救出作業を行おうとした作業者及び付近で電気工事を行っていた作業者も同時に当該物質を吸入したもの。 作業手順不遵守
危険有害性の認識不足
関係作業者間の連絡調整不徹底
7月 化学工業 中毒10名 特定化学物質 弗化水素 弗化水素酸製造プラントの発煙硫酸ハンドコントロール弁が弁座シート漏れを起こしていたため、手動弁を閉じていたが、作業者が当該弁の弁座シート漏れを失念し、反応器の起用前に手動弁を開放したため、反応器内に発煙硫酸が流入した。この時反応器内で発生した弗化水素酸が外気吸入口から漏洩し、風下でプラント建設作業を行っていた被災者らが吸入したもの。 作業手順不備
作業標準未作成

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