Ministry of Health, Labour and Welfare

English

経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定に基づく看護及び介護分野におけるフィリピン人看護師等の受入れの実施に関する指針(案)

 
第一 総論
 
 
一 目的
  この指針は、経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定(以下「協定」という。)第百十条1(f)及び3並びに協定附属書八第一部第六節の規定に基づくフィリピン人看護師等の受入れの仕組み及びその運営に関する基本的事項を明らかにすることにより、看護及び介護分野におけるフィリピン人看護師等の円滑かつ適正な受入れを図ることを目的とする。
 
 
二 フィリピン人看護師等及び受入れ機関の責務
 
 フィリピン人看護師等の責務
 

 フィリピン人看護師等は、受入れ機関の指導に従い、日本国の法律に基づく看護師及び介護福祉士の資格の取得に必要な知識及び技術の修得に精励するとともに、当該資格取得後は両国の保健医療及び福祉の発展に貢献するよう、努めるものとする。

 受入れ機関の責務
 

 受入れ機関は、日本国の法律に基づく看護師及び介護福祉士の資格の取得に必要な知識及び技術の修得が図られるよう、受入れ体制の確保に取り組むとともに、専門的人材としてのフィリピン人看護師等に対する国民の理解に資するよう、フィリピン人看護師等が地域の保健医療及び福祉の現場において専門的能力を発揮して活躍する環境づくりに努めるものとする。また、労働関係法令等の遵守を通じ、適正な労働条件の確保を図るものとする。

 
 
三 出入国管理上の取扱い
 
 

 協定に基づくフィリピン人看護師等に対する出入国管理は、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)、出入国管理及び難民認定法施行規則(昭和五十六年法務省令第五十四号)、出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件(平成二年法務省告示第百三十一号)及び法務大臣が告示をもって定める指針(平成○○年法務省告示第○○○号)等(以下「入管法等」という。)に従って実施される。

 
 
四 定義
 
この指針において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。
 フィリピン人看護師等 フィリピン人看護師候補者、フィリピン人介護福祉士候補者、フィリピン人看護師及びフィリピン人介護福祉士をいう。
 フィリピン人看護師候補者 日本国の法律に基づく看護師の資格(以下「看護師の資格」という。)を取得することを目的として、協定附属書八第一部第六節1(a)の規定に基づき、入国及び一時的な滞在が許可されたフィリピン人をいう。

 フィリピン人介護福祉士候補者 日本国の法律に基づく介護福祉士の資格(以下「介護福祉士の資格」という。)を取得することを目的として、協定附属書八第一部第六節1(b)又は(c)の規定に基づき、入国及び一時的な滞在が許可されたフィリピン人をいう。

 フィリピン人看護師 看護師の資格を有するフィリピン人であって、協定附属書八第一部第六節2の規定に基づき、入国及び一時的な滞在が許可された者をいう。
 フィリピン人介護福祉士 介護福祉士の資格を有するフィリピン人であって、協定附属書八第一部第六節2の規定に基づき、入国及び一時的な滞在が許可された者をいう。
 受入れ調整機関 協定附属書八第一部第六節1(a)及び(b)並びに2の規定に基づき、フィリピン人看護師等と受入れ機関との間の雇用関係の成立をあっせんする機関として、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三十条第一項の規定により有料職業紹介事業の許可を受けて、日本国政府からフィリピン政府に通知された機関をいう。
 受入れ機関 協定附属書八第一部第六節の規定に基づき、その設立している施設において雇用する契約をフィリピン人看護師等との間で締結し、又はその設立している介護福祉士養成施設(社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六十二年法律第三十号)第三十九条第一号に規定する文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定した学校、厚生労働大臣の指定した職業能力開発校等並びに厚生労働大臣の指定した養成施設をいう。以下同じ。)に入学する許可をフィリピン人介護福祉士候補者に対し行った日本国内にある医療法人、社会福祉法人等の公私の機関をいう。

 受入れ施設 協定附属書八第一部第六節の規定に基づき、フィリピン人看護師候補者が受入れ機関との雇用契約に基づき就労する病院、フィリピン人介護福祉士候補者が受入れ機関との雇用契約に基づき就労する特別養護老人ホーム、介護老人保健施設その他の介護施設、フィリピン人介護福祉士候補者が受入れ機関による入学の許可に基づき就学する介護福祉士養成施設並びにフィリピン人看護師及びフィリピン人介護福祉士が受入れ機関との雇用契約に基づき就労する施設をいう。

 
第二 資格取得前の受入れ機関での就労等
 
 
一 看護師の資格取得を目的とした就労等
 
  フィリピン人看護師候補者
  (1)  協定附属書八第一部第六節1の規定に基づき、看護師の資格を取得することを目的として入国及び一時的な滞在が許可されたフィリピン人は、次のイ及びロの活動に従事する。
   

 日本語の語学研修を含む六月間の研修の課程であって、協定第十二条に基づく日本国政府とフィリピン共和国政府との間の実施取極(以下「実施取極」という。)第十条に規定するものの履修

     イの研修の修了後、看護師の監督の下での研修を通じた病院における必要な知識及び技術の修得
  (2)  (1)のフィリピン人は、協定附属書八第一部第六節1の規定により、フィリピンの法令に基づき資格を有する看護師であるフィリピン人であって、少なくとも三年間看護師としての実務経験を有する者でなければならない。
  (3)  (1)のイ及びロの活動は、協定附属書八第一部第六節1の規定により、病院を設立している受入れ機関であって、受入れ調整機関が紹介したものとの雇用契約に基づいて行われることを条件とする。
  (4)  (1)の入国及び一時的な滞在は、協定附属書八第一部第六節1の規定により、一年間の滞在とし、一年ずつ二回に限り更新することができる。
 

日本語の語学研修及び看護導入研修の履修

  (1)  フィリピン人看護師候補者は、協定附属書八第一部第六節1に定めるところにより、入国後、六月間、日本語の語学研修及び看護導入研修(病院で就労し、看護師の資格を取得するために必要となる知識及び技能を修得させるための研修をいう。以下同じ。)を受けなければならない。
  (2)  (1)の日本語の語学研修は、財団法人海外技術者研修協会(以下「研修協会」という。)が行う。
  (3)  日本国政府は、協定附属書八第一部第六節1の規定により、1の(1)のフィリピン人の言語能力が、1の(1)のロの活動に従事するために十分なものと認める場合には、(1)の日本語の語学研修の全部又は一部を免除することができる。
  (4)  (1)の看護導入研修は、研修協会の研修施設において、社団法人国際厚生事業団(以下「事業団」という。)が行う。
 

フィリピン人看護師候補者が就労する受入れ施設の要件
フィリピン人看護師候補者が就労する受入れ施設は、看護師学校養成所の臨地実習受入れ病院と同等の体制が整備されている病院(医療保険適用の病床に限る。)であって、以下の条件を満たしていなければならない。

  (1)  原則として、看護学生の臨地実習に係る実習指導者(厚生労働省又は都道府県が実施する実習指導者講習会等を受けた者をいう。)が配置されていること。
  (2)  看護師及び准看護師の員数が、入院患者の数が三又はその端数を増すごとに一であること。ただし、精神病床においては、入院患者の数が四又はその端数が増すごとに一、療養病床においては、入院患者の数が六又はその端数が増すごとに一であること。
  (3)  看護職員の半数以上が看護師であること。
  (4)  看護の組織部門が明確に定められていること。
    病院の組織の中で、看護部門が独立して位置付けられていること。
    看護部門としての方針が明確であること。
    看護部門の各階級及び職種の業務分担が明確であること。
    看護師の院内教育、学生の実習指導を調整する責任者が、4の(1)の看護研修計画に明記されていること。
       
  (5)  看護基準(各病院が提供する看護内容を基準化し、文章化したものをいう。)が、使用しやすいように配慮して作成され、常時活用されていること及び看護手順(各病院で行われる看護業務を順序立てて、一連の流れとして標準化し、文章化したものをいう。)が作成され、評価され、かつ、見直されていること。
  (6)  看護に関する諸記録が適正に行われていること。
    看護記録が正確に作成されていること。
    各患者に対する医療の内容が適正かつ確実に記録されていること。
    患者のケアに関するカンファレンスが行われ、記録が正確に作成されていること。
  (7)  過去三年間に、フィリピン人看護師等の受入れにおいて、虚偽の求人申請、二重契約その他の不正の行為をしたことがない医療法人等の受入れ機関が設立していること。
  病院における研修の要件
    1の(1)のロの病院における研修は、以下の条件を満たしていなければならない。
  (1)

 研修内容は、看護師国家試験の受験に配慮した適切なものとし、これを実施するための看護研修計画が作成されていること。

  (2)  研修を統括する研修責任者並びに専門的な知識及び技能に関する学習の支援、日本語学習の支援、生活支援等を行う研修支援者が配置され、看護研修計画を実施するために必要な体制が整備されていること。
  (3)  研修責任者は、原則として看護部門の教育責任者とし、研修支援者は、原則として三年以上の業務経験のある看護師とすること。
  (4)  日本語の継続的な学習、職場への適応促進及び日本の生活習慣習得の機会を設けること。
  病院を設立している受入れ機関との雇用契約の要件
1の(3)の雇用契約は、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることを内容とするものでなければならない。
 
 
二 介護福祉士の資格取得を目的とした就労等
 
  フィリピン人介護福祉士候補者
  (1)  協定附属書八第一部第六節1の規定に基づき、介護福祉士の資格を取得することを目的として入国及び一時的な滞在が許可されたフィリピン人は、次のイ及びロの活動に従事する。
    日本語の語学研修を含む六月間の研修の課程であって、実施取極第十条に規定するものの履修
    イの研修の修了後、介護福祉士の監督の下での研修を通じた介護施設における必要な知識及び技術の修得
  (2)  (1)のフィリピン人は、協定附属書八第一部第六節1の規定により、卒業に要する期間が少なくとも四年間である高等教育機関から学士号を取得して卒業したフィリピン人であって、フィリピンの法令に基づきフィリピン政府により介護士として認定された者又は看護学校(フィリピン政府により認められた高等教育機関であって、看護学士の課程を運営するためのものをいう。)を卒業した者でなければならない。
  (3)  (1)のイ及びロの活動は、協定附属書八第一部第六節1の規定により、介護施設を設立している受入れ機関であって、受入れ調整機関が紹介したものとの雇用契約に基づいて行われることを条件とする。
  (4)  (1)の入国及び一時的な滞在は、協定附属書八第一部第六節1の規定により、一年間の滞在とし、一年ずつ三回に限り更新することができる。
 

日本語の語学研修及び介護導入研修の履修

  (1)  フィリピン人介護福祉士候補者は、協定附属書八第一部第六節1に定めるところにより、入国後、六月間、日本語の語学研修及び介護導入研修(介護施設で就労し、介護福祉士の資格を取得するために必要となる知識及び技能を修得させるための研修をいう。以下同じ。)を受けなければならない。
  (2)  (1)の日本語の語学研修は、研修協会が行う。
  (3)  日本国政府は、協定附属書八第一部第六節1の規定により、1の(1)のフィリピン人の言語能力が、1の(1)のロの活動に従事するために十分なものと認める場合には、(1)の日本語の語学研修の全部又は一部を免除することができる。
  (4)  (1)の介護導入研修は、研修協会の研修施設において、事業団が行う。
  フィリピン人介護福祉士候補者が就労する受入れ施設の要件
フィリピン人介護福祉士候補者が就労する受入れ施設は、別表第一に掲げる介護施設(定員が三十名以上(指定介護療養型医療施設の場合にあっては、介護保険の指定を受けた病床数が三十床以上)のものに限る。以下この3において同じ。)及び別表第二に掲げる介護施設(別表第一に掲げる介護施設と同一の敷地内において一体的に運営されているものに限る。)であって、以下の条件を満たしているものでなければならない。
  (1)  介護福祉士養成施設における実習施設と同等の体制が整備されていること。
  (2)  介護職員の員数(就労するフィリピン人介護福祉士候補者を除く。)が、法令に基づく職員等の配置の基準を満たすこと。
  (3)  常勤の介護職員の四割以上が、介護福祉士の資格を有する職員であること。
  (4)  過去三年間に、フィリピン人看護師等の受入れにおいて、虚偽の求人申請、二重契約その他の不正の行為をしたことがない医療法人、社会福祉法人等の受入れ機関が設立していること。
  介護施設における研修の要件
    1の(1)のロの介護施設における研修は、以下の条件を満たしていなければならない。
  (1)

 研修内容は、介護福祉士国家試験の受験に配慮した適切なものとし、これを実施するための介護研修計画が作成されていること。

  (2)  研修を統括する研修責任者並びに専門的な知識及び技能に関する学習の支援、日本語学習の支援、生活支援等を行う研修支援者が配置され、介護研修計画を実施するために必要な体制が整備されていること。
  (3)  研修責任者は、原則として、五年以上介護業務に従事した経験があって介護福祉士の資格を有する者とすること。
  (4)  日本語の継続的な学習、職場への適応促進及び日本の生活習慣習得の機会を設けること。
  介護施設を設立している受入れ機関との雇用契約の要件
    1の(3)の雇用契約は、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることを内容とするものでなければならない。
 
 
三 介護福祉士の資格取得を目的とした就学等
 
  フィリピン人介護福祉士候補者
  (1)  協定附属書八第一部第六節1の規定に基づき、介護福祉士の資格を取得することを目的として入国及び一時的な滞在が許可されたフィリピン人は、次のイ及びロの活動に従事する。
   

 六月間の日本語の語学研修の課程であって、実施取極第十条に規定するものの履修

     イの研修の修了後、介護福祉士養成施設における必要な知識及び技術の修得(当該介護福祉士養成施設における養成課程の期間は四年を超えないものとする。)
  (2)  (1)のフィリピン人は、協定附属書八第一部第六節1の規定により、卒業に要する期間が少なくとも四年間である高等教育機関から学士号を取得して卒業したフィリピン人でなければならない。
  (3)  (1)の入国及び一時的な滞在は、協定附属書八第一部第六節1の規定により、一年間の滞在とし、(1)のロの介護福祉士養成施設における養成課程の修了のために必要な期間まで更新することができる。
  (4)  (1)のイ及びロの活動は、介護福祉士養成施設を設立している受入れ機関であって、受入れ調整機関が紹介したものによる入学の許可があることを条件とする。
 

日本語の語学研修の履修

  (1)  フィリピン人介護福祉士候補者は、協定附属書八第一部第六節1に定めるところにより、入国後、六月間、日本語の語学研修を受けなければならない。
  (2)  (1)の日本語の語学研修は、研修協会が行う。
  (3)  日本国政府は、協定附属書八第一部第六節1の規定により、1の(1)のフィリピン人の言語能力が、1の(1)のロの活動に従事するために十分なものと認める場合には、(1)の日本語の語学研修の全部又は一部を免除することができる。
  フィリピン人介護福祉士候補者が就学する介護福祉士養成施設の要件
フィリピン人介護福祉士候補者が就学する介護福祉士養成施設は、以下の条件を満たしていなければならない。
  (1)  養成課程が、昼間課程であること。
  (2)  就学するフィリピン人介護福祉士候補者の各学年の員数が、各学年の定員の十分の一までであること。
  (3)  社団法人日本介護福祉士養成施設協会による卒業時共通試験を実施するとともに、介護福祉士養成施設が低得点と認める就学者に対し、補習、再試験、レポート提出等の措置を採っていること。
  (4)  過去三年間に、フィリピン人看護師等の受入れにおいて、虚偽の学生の募集、不正な入学の許可その他の不正の行為をしたことがない学校法人、社会福祉法人等の受入れ機関が設立していること。
 
第三 資格取得後の就労
 
 
一 フィリピン人看護師の就労
 
  フィリピン人看護師の入国等
  (1)   協定附属書八第一部第六節2の規定に基づき、入国及び一時的な滞在を許可された次のイ又はロに該当するフィリピン人は、看護師としてのサービスの提供に従事する。
     第二の一の1の(1)の滞在の間に看護師国家試験に合格することにより看護師の資格を取得した者
     看護師国家試験に合格することにより看護師の資格を取得した者(第二の一の1の(1)の滞在の間に看護師の資格を取得した者を除く。)
  (2)  (1)のサービスの提供は、協定附属書八第一部第六節2の規定により、受入れ機関との雇用契約に基づいて行われることを条件とする。
  (3)  (1)の入国及び一時的な滞在は、協定附属書八第一部第六節2の規定により、三年間(この期間は、更新することができる。)の滞在とする。
  (4)  (1)のイに該当する者(再入国の許可を取得することなしに日本国を出国した者に限る。)及び(1)のロに該当する者に対する入国及び一時的な滞在の許可は、協定附属書八第一部第六節2の規定により、(2)の雇用契約が当該フィリピン人と受入れ機関であって、受入れ調整機関が紹介したものとの間で締結されることを条件とする。
  フィリピン人看護師が就労する受入れ施設の要件
フィリピン人看護師が就労する受入れ施設は、別表第三に掲げる施設であって、以下の条件を満たしているものでなければならない。
  (1)  施設を設立している受入れ機関が、当該施設で就労するフィリピン人看護師を、利用者の居宅においてサービスを提供する業務に従事させないこと。
  (2)  過去三年間に、フィリピン人看護師等の受入れにおいて、虚偽の求人申請、二重契約その他の不正の行為をしたことがない医療法人、社会福祉法人等の受入れ機関が設立していること。
  受入れ機関との雇用契約の要件
1の(2)の雇用契約は、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることを内容とするものでなければならない。
   
 
二 フィリピン人介護福祉士の就労
 
  フィリピン人介護福祉士の入国等
  (1)  協定附属書八第一部第六節2の規定に基づき、入国及び一時的な滞在を許可された次のイ又はロに該当するフィリピン人は、介護福祉士としてのサービスの提供に従事する。
     第二の二の1の(1)又は第二の三の1の(1)の滞在の間に介護福祉士の資格を取得した者
     第二の二の1の(1)の滞在の後に介護福祉士国家試験に合格することにより介護福祉士の資格を取得した者(当該滞在の間に介護福祉士の資格を取得した者を除く。)
  (2)  (1)のサービスの提供は、協定附属書八第一部第六節2の規定により、受入れ機関との雇用契約に基づいて行われることを条件とする。
  (3)  (1)の入国及び一時的な滞在は、協定附属書八第一部第六節2の規定により、三年間(この期間は、更新することができる。)の滞在とする。
  (4)  (1)のイに該当する者(再入国の許可を取得することなしに日本国を出国した者に限る。)及び(1)のロに該当する者に対する入国及び一時的な滞在の許可は、協定附属書八第一部第六節2の規定により、(2)の雇用契約が当該フィリピン人と受入れ機関であって、受入れ調整機関が紹介したものとの間で締結されることを条件とする。

  フィリピン人介護福祉士が就労する受入れ施設の要件
フィリピン人介護福祉士が就労する受入れ施設は、別表第一、別表第二及び別表第四に掲げる施設であって、以下の条件を満たしているものでなければならない。
  (1)  施設を設立している受入れ機関が、当該施設で就労するフィリピン人介護福祉士を、利用者の居宅においてサービスを提供する業務に従事させないこと。
  (2)  過去三年間に、フィリピン人看護師等の受入れにおいて、虚偽の求人申請、二重契約その他の不正の行為をしたことがない医療法人、社会福祉法人等の受入れ機関が設立していること。
  受入れ機関との雇用契約の要件
1の(2)の雇用契約は、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることを内容とするものでなければならない。
   
第四 受入れ調整機関によるあっせん等
   
 
一 受入れ調整機関の設置
 
  受入れ調整機関は、事業団とする。
   
 
二 受入れ調整機関の事業
 
  事業団は、フィリピン人看護師等の円滑かつ適正な受入れを実施するため、次に掲げる事業を実施する。
 受入れ機関の募集及びあっせん等
   事業団は、受入れ調整機関として、受入れ機関の募集を行い、受入れ施設の要件、研修の要件及び雇用契約の要件を満たすことを確認し、かつ、2に定める定期報告及び随時報告を事業団に提出する旨を含む受入れ支援に係る契約を当該受入れ機関と締結した上で、フィリピン海外雇用庁又は高等教育委員会と協力して、受入れ機関及びフィリピン人看護師等に対し、就業又は就学に関する必要な情報を提供し、相談を行い、受入れ機関とフィリピン人看護師等との間における雇用関係の成立及び介護福祉士養成施設への入学のあっせんを行う。
 
 受入れ機関からの報告の受理
  (1)  定期報告
     フィリピン人看護師候補者又はフィリピン人介護福祉士候補者(介護福祉士養成施設で就学する者を除く、)の受入れ機関は、当該フィリピン人看護師候補者又はフィリピン人介護福祉士候補者が在留期間の更新の許可を法務大臣に申請する際、受入れ施設の要件の遵守状況、研修の実施状況及び雇用契約の要件の遵守状況を、介護福祉士養成施設を設立している受入れ機関は、受入れ施設の要件の遵守状況及び就学するフィリピン人介護福祉士候補者の就学状況を事業団に報告するものとする。
     フィリピン人看護師又はフィリピン人介護福祉士の受入れ機関は、当該フィリピン人看護師又はフィリピン人介護福祉士が在留期間の更新の許可を申請する際、受入れ施設の要件の遵守状況及び雇用契約の要件の遵守状況を、事業団に報告するものとする。
  (2)  随時報告
     受入れ機関は、受け入れているフィリピン人看護師等が失踪した場合又は当該フィリピン人看護師等が入管法第十九条第一項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動若しくは報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められると思料する場合には、速やかに事業団に報告するものとする。
     受入れ機関は、受け入れているフィリピン人看護師等との雇用契約を終了し、又は受け入れているフィリピン人介護福祉士候補者への養成課程の履修の許可を取り消す場合には、あらかじめ、その旨を事業団に報告するものとする。
     受入れ機関は、受け入れているフィリピン人看護師候補者又はフィリピン人介護福祉士候補者の国家試験の合否が判明した場合には、その結果を、速やかに事業団に報告するものとする。
     介護福祉士養成施設を設立している受入れ機関は、受け入れているフィリピン人介護福祉士候補者の養成課程の修了結果を、速やかに事業団に報告するものとする。
     介護福祉士養成施設を設立している受入れ機関は、受け入れているフィリピン人介護福祉士候補者が介護福祉士として就労する施設(以下このホにおいて「就労施設」という。)を決定した場合には、当該受入れ機関及び就労施設を設立している受入れ機関の連名により、就労施設の名称及び所在地並びに当該就労施設を設立している受入れ機関の名称及び所在地を、速やかに事業団に報告するものとする。
     受入れ機関は、一時的な滞在の期間内に資格を取得しなかったフィリピン人看護師候補者又はフィリピン人介護福祉士候補者の帰国後、速やかにその旨を事業団に報告するものとする。
  (3)  事業団は、(1)及び(2)に掲げるほか、協定に基づくフィリピン人看護師等の受入れの円滑かつ適正な実施を図るため、必要と認める場合には、受入れ機関に対し、必要な報告を求めるものとする。
  (4)  事業団は、(1)から(3)までの報告を厚生労働大臣に提出するものとする。
 看護導入研修及び介護導入研修の実施
  事業団は、研修協会の研修施設において、フィリピン人看護師候補者及びフィリピン人介護福祉士候補者に対し、看護導入研修及び介護導入研修を実施する。
 フィリピン人看護師等の入出国及び滞在に係る支援
   事業団は、フィリピン人看護師等が円滑かつ適正に入国及び出国並びに滞在することができるよう、法務省と連携を図るとともに、フィリピン人看護師等に対し、必要な支援を行う。
 フィリピン人看護師等からの相談等に対する対応
   事業団は、フィリピン人看護師等から、受入れ機関における研修、指導体制、就労環境等について相談、苦情等があった場合には、当該受入れ機関に照会を行い、必要に応じて指導、助言等を行う。また、事業団は、都道府県労働局、地方入国管理局等の適切な関係行政機関に取り次ぎ、問題の解決を図る。
 受入れ機関に対する相談支援
   事業団は、受入れ機関から、フィリピン人看護師等の研修、雇用管理、在留管理等について相談等があった場合には、適切に相談等に応じ、説明、助言等を行う。
   
 
三 受入れ調整機関に対する指導監督等
 
 厚生労働大臣は、フィリピン人看護師等の円滑かつ適正な受入れを実施するため、事業団に対し、受入れ機関における研修の実施状況その他の必要な事項の報告を徴収し、その他必要な指導及び監督を行う。
   
   
第五 円滑かつ適正な受入れを実施するための措置
 

 厚生労働大臣は、フィリピン人看護師等に対する質の高い研修体制並びにフィリピン人看護師等による適切な保健医療及び福祉サービスの提供を確保するとともに、フィリピン人看護師等の受入れの円滑かつ適正な実施を図るため、以下の措置を実施する。

   
 
一 報告
 
 厚生労働大臣は、第四の二の2に規定する報告がないときその他フィリピン人看護師等の職業の安定に関し必要があると認めるときは、受入れ機関から必要な報告の提出を求めることができる。
   
 
二 改善指示
 
(1)  厚生労働大臣は、事業団が、この指針で定める受入れ施設の要件、研修の要件若しくは雇用契約の要件を満たさない施設又は第四の二の2に規定する報告をしない受入れ機関とフィリピン人看護師等との間における雇用関係の成立をあっせんしようとするときその他協定に基づくフィリピン人看護師等の受入れの円滑かつ適正な実施を図る観点から、事業団が行う職業紹介事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、事業団に対し、必要な措置(要件を満たさない施設又は報告をしない受入れ機関への職業紹介を行わないことを含む。)を採ることを指示することができる。
(2)  厚生労働大臣は、介護福祉士養成施設が、フィリピン人介護福祉士候補者に対する入学許可の後、この指針で定める受入れ施設の要件又は研修の要件を満たさないと認めるときその他協定に基づくフィリピン人看護師等の円滑かつ適正な受入れを実施するため必要があると認めるときは、当該介護福祉士養成施設に対し、必要な措置(介護福祉士養成施設におけるフィリピン人介護福祉士候補者の就学の一時的な停止を含む。)を採ることを指示することができる。
   
第六 受入れ人数等
   
 
日本国政府は、協定第百十条3に基づき、フィリピン人看護師等の入国及び一時的な滞在の人数の上限を定める。
   
 日本国政府は、協定第百十条3に基づき、必要な場合には、協定に基づくフィリピン人看護師等の入国及び一時的な滞在の仕組みの一時停止の措置を講ずる。
   

   
別表第一
 
 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)に規定する知的障害児施設(入所の施設に限る。)、盲ろうあ児施設(入所の施設に限る。)、肢体不自由児施設(入所の施設に限る。)及び重症心身障害児施設
   生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)に規定する救護施設及び更生施設
 
 老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)に規定する養護老人ホーム及び特別養護老人ホーム
 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)に規定する介護老人保健施設及び指定介護療養型医療施設
 障害者自立支援法(平成十七年法律第百二十三号)に規定する障害者支援施設又は福祉ホーム
   
別表第二
 
 児童福祉法に規定する知的障害児施設(通所の施設に限る。)、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設(通所の施設に限る。)及び肢体不自由児施設(通所の施設に限る。)
 老人福祉法に規定する老人デイサービスセンター及び老人短期入所施設
   介護保険法に規定する指定居宅サービスに該当する同法に規定する通所介護、短期入所生活介護、通所リハビリテーション若しくは短期入所療養介護、同法に規定する指定介護予防サービスに該当する同法に規定する介護予防通所介護、介護予防短期入所生活介護、介護予防通所リハビリテーション若しくは介護予防短期入所療養介護、同法に規定する基準該当居宅サービスに該当する通所介護若しくは短期入所生活介護、同法に規定する基準該当介護予防サービスに該当する介護予防通所介護若しくは介護予防短期入所生活介護、同法に規定する指定地域密着型サービスに該当する同法に規定する認知症対応型通所介護若しくは認知症対応型共同生活介護又は同法に規定する指定地域密着型介護予防サービスに該当する同法に規定する介護予防認知症対応型通所介護若しくは介護予防認知症対応型共同生活介護を行う施設(老人デイサービスセンター及び老人短期入所施設を除く。)
 障害者自立支援法に規定する障害福祉サービス事業のうち短期入所、生活介護、自立訓練、就労移行支援若しくは就労継続支援若しくは同法第七十七条第一項第四号の事業に相当する事業を行う施設又は地域活動支援センター
 その他第一号から前号までに類する通所サービスを提供する施設
   
別表第三
 
 児童福祉法に規定する知的障害児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設及び情緒障害児短期治療施設
 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)に規定する病院、診療所及び助産所
 老人福祉法に規定する養護老人ホーム及び特別養護老人ホーム
 介護保険法に規定する介護老人保健施設
 その他医療等を提供する施設
   
別表第四
 
 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)に基づき設置された労災特別介護施設
 医療法に規定する療養病床により構成される病棟又は診療所
 老人福祉法に規定する軽費老人ホーム及び有料老人ホーム
 ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律(平成十三年法律第六十三号)に規定する国内ハンセン病療養所
 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法(平成十四年法律第百六十七号)の規定により独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園が設置する施設
   
  六 その他入所又は通所サービスを提供する施設
   
   附 則
 この告示は、公布の日から施行する。
 施行日から障害者自立支援法附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日の前日までの間は、別表第一の五中「福祉ホーム」とあるのは「福祉ホーム、同法附則第四十一条第一項の規定によりなお従前の例により運営をすることができることとされた同条に規定する身体障害者更生援護施設のうち、同法附則第三十五条の規定による改正前の身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第二十九条に規定する身体障害者更生施設、同法第三十条に規定する身体障害者療護施設並びに同法第三十一条に規定する身体障害者授産施設(入所の施設に限る。)及び障害者自立支援法附則第五十八条第一項の規定によりなお従前の例により運営をすることができることとされた同条に規定する知的障害者援護施設のうち、同法附則第五十二条の規定による改正前の知的障害者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)第二十一条の六に規定する知的障害者更生施設(入所の施設に限る。)並びに同法第二十一条の七に規定する知的障害者授産施設(入所の施設に限る。)」とする。
 施行日から障害者自立支援法附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日の前日までの間は、別表第二の四中「地域活動支援センター」とあるのは「地域活動支援センター又は同法附則第四十一条第一項の規定によりなお従前の例により運営をすることができることとされた同条に規定する身体障害者更生援護施設のうち、同法附則第三十五条の規定による改正前の身体障害者福祉法第三十一条に規定する身体障害者授産施設(通所の施設に限る。)及び障害者自立支援法附則第五十八条第一項の規定によりなお従前の例により運営をすることができることとされた同条に規定する知的障害者援護施設のうち、同法附則第五十二条の規定による改正前の知的障害者福祉法第二十一条の六に規定する知的障害者更生施設(通所の施設に限る。)並びに同法第二十一条の七に規定する知的障害者授産施設(通所の施設に限る。)」とする。

トップへ