匠の技と観光産業のブラッシュアップによる雇用機会の増大
(1)地域 :秋田県湯沢市
(2)地域の現状
湯沢市は秋田県南部の交通の要衝にあり、雄大な自然と小安峡温泉、秋の宮温泉郷、泥湯温泉郷等の観光資源に恵まれ、日本酒・稲庭うどん・川連漆器をはじめとする産地産業が盛んな地域である。しかし、産地産業の取組が地域経済へ充分に波及しておらず、雇用に結びついていない現状となっている。そのため、湯沢市では、全国に誇れる特産物・観光地を有していることから、これらを融合させた地域産業への取組を推進し、産地ものづくり産業と観光産業の連携と相乗効果による地域再生を目指そうとしている。
(3)地域で行っている取組
[1]ものづくり経営革新事業
地場産業のブランドイメージ向上を図るため、新聞やテレビ等の媒体を使った広告宣伝や地場産業を振興する団体への補助を実施している。また、地場産品の品質管理を図るための「産地商標登録」、「産地保証制度」の推進、川連漆器のネットワークづくり、展示会、見本市への出展など地場産業の振興に努めている。さらに、地場産業活性化のための核施設として産業支援センターを整備し、地場産業のレベルアップを図っている。
[2]顧客視点による観光産業ブラッシュアップ事業
エリア観光キャンペーンの実施、祭り・イベント等の大型観光行事の充実を図っており、また、「湯巡りタクシーの運行」、「観光バスの運行」により顧客のニーズであるアクセスの整備を実施している。さらに、観光物産団体の組織を強化することにより、観光案内機能の充実強化や観光行事の内容充実を図っている。
[3]地域社会基盤を活用した創業支援事業
中心市街地の活性化を推進するため、イベントの実施、市が取得した大型空き店舗の地域の協議会への貸与、中心商店街の空き店舗を利用する創業者への賃借料・改装費の補助等を実施している。
[4]地域創業助成金の活用
食料品製造業、その他の製造業、一般飲食店を地域重点分野に設定し助成対象としている。
[5]地域雇用創造バックアップ事業の活用
地域雇用創造調査研究事業を活用し、地場産品を活用した雇用創造の方策を検討した上で、パッケージ事業の事業構想を構築した。
(4)課題
[1]ものづくり経営革新に関する取組の課題
産地ものづくり産業振興のため、市場ニーズに対応した競争力の高い商品づくりを行うための販売能力や製品開発力やデザイン力を持った人材が必要となっている。また、企業同士のネットワークを活かして商品のブランド化等を行っていく際の中核的人材が不足している。
[2]観光産業ブラッシュアップに関する取組の課題
観光産業でのおもてなし向上、ITを活用した情報の受発信を行う人材やノウハウが不足している。また、地域資源を有効に活かし、連携させた企画を立案できる中核的人材がいないため、地域一体となった観光ビジネスが確立できず、地域の雇用拡大に結びついていない。
[3]地域社会基盤を活用した創業支援に関する取組の課題
ものづくり産業、観光産業等の地域の取組から発生する事業ニーズを新規ビジネスにつなげるノウハウを持った人材の育成・支援が必要である。
(5)パッケージ事業での取組
[1]地域ものづくり支援・人材育成事業
地域産業に携わろうとする求職者等を対象に、販売能力、製品開発力、デザイン力の向上を図る実践技術を習得する研修を実施する。
[2]地域観光産業レベルアップ研修
求職者等を対象に接客マナーや実務に係る研修を実施し、おもてなし技術全般の向上を図る。また、体験メニューや滞在型観光メニューの企画立案を行う研修会を実施し、顧客ニーズに対応した地域観光を推進する中核的人材の育成を図る。
[3]情報人材育成事業
地域産業を情報分野からコーディネート・推進できる人材を育成するため、専門講師による実践的なIT講習を行い、雇用の拡大に結びつける。
[4]創業相談支援事業
地域の消費者ニーズに対応した地域コミュニティビジネスによる創業を推進する中核的人材の育成や、ノウハウを修得するための研修会を実施するとともに、創業時における経営・人事労務管理等の相談やセミナーを行い地域の雇用の場の創出に寄与する。
[5]情報発信・就職支援推進事業
ホームページにより事業内容の周知を図る。また、各種セミナーを利用した事業者、求職者を中心とした就職面接・相談会を実施し就職機会の拡大と充実を図り雇用の拡大に結びつける。
(6)パッケージ事業実施による将来像
湯沢市の豊富な特産品を活かした「地域ものづくり産業」、及び恵まれた観光資源を活かした「観光産業」を発展させるために必要な中核となる人材の育成等を行うことにより、この2産業の連携が実現し、またその波及効果により新たな雇用の場が創出されることが期待される。

