ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 他分野の取り組み > 国際関係 > 日本とWHO > WHO総会について > 第63回WHO総会結果(概要)

第63回WHO総会結果(概要)

第63回WHO総会結果(概要)

大臣官房国際課

1 概要

期間:平成22年5月17日(月)〜21日(金)

参加国:193ヶ国

日本政府代表団:長浜厚生労働副大臣、麦谷審議官、高倉国際課長、武井国際協力室長等
* WHO総会は、全加盟国代表で構成される最高意思決定機関であり、毎年1回5月に開催され、保健医療に関わる重要な政策決定を行うもの。

2 政府代表演説

長浜博行厚生労働副大臣より、政府代表演説を行った。概要は以下のとおり。

新型インフルエンザの発生に当たっては、WHO及びWHO加盟国は、これまでの備えを最大限に活用して、全力で対応していること。我が国では、サーベイランスの強化、学校施設等における感染防止対策の徹底、地域での適切な医療サービスの提供等の対応を行っていること。また、死亡率が他国と比較して低い水準にとどまっていること。今後は、今回の経験を十分に検証して、その教訓を取り入れた将来への備えを進めること等が不可欠であること。

レニアム開発目標(MDGs)の達成に向けた、母子保健対策及び感染症対策の重要性。

感染症対策として、多剤耐性結核やポリオの拡散など新たな動向への警戒の必要性。

非感染症対策の重要性及びたばこ価格の引上げや世界禁煙デーの日本での開催など我が国の取組。

3 主な技術保健議題

(1)新型インフルエンザへの備え(ウィルス共有とワクチン他の便益へのアクセス)

新型インフルエンザに関して、ウイルス検体共有とワクチンや便益へのアクセスをどのようにするかが国際的な課題となっている。この課題を解決するために議論が重ねられており、第63回WHO総会の直前にも、ワーキンググループが開催され議論が行われたところ。

今回のWHO総会においては、各国のインフルエンザ対策について経験を共有し、次の世界的な流行に向けた取組みについて議論が行われた後、WHOが加盟国と継続した取組を行うこと、次回の執行理事会の前にワーキンググループを開催すること等が盛り込まれた決議が採択された。

(2)公衆衛生、イノベーションおよび知的所有権:世界戦略と行動計画案

医薬品R&Dのファイナンシングに関する専門家会合(EWG)が作成した報告書について、知的財産権への言及が無いこと、報告書自身により詳細な検討が必要である旨の記載があることなどを理由に、さらなる検討をすべきとの発言があり、総会と平行して非公式会合を開催し今後の進め方について検討することとなった。

その結果、各国・各地域で推薦を受けた専門家よりなる新たな専門家会合を組織し、2012年のWHO総会での報告を目指しさらなる検討が行われることとなった。

(3)保健関連ミレニアム目標(MDGs)達成のモニタリング

保健関連ミレニアム目標達成の進捗状況について事務局報告が行われた。

保健システム強化・人材・プライマリヘルスケア・健康の社会的要因などMDGs達成に向けた決議が採択された。

HIV/AIDSに関し、予防の重視・治療の普及・ケアの充実とともに、母子保健・結核・プライマリヘルスケア等と統合した包括的なHIV対策を推進すること等の内容が盛り込まれた決議が採択された。

(4)非感染性疾患の予防
[1]アルコールの害を減らすための戦略

各加盟国が抱える経済的・社会的・文化的背景やアルコール問題の性格等を踏まえ、各加盟国の実情に応じて、根拠に基づく、費用対効果の高い戦略を立てること等の内容が盛り込まれた決議が採択された。

[2]小児への食品と非アルコール飲料のマーケティングに関する推奨

各加盟国の既存の法律や政策に鑑み、脂肪・糖類・食塩を多く含む食品と非アルコール飲料が小児におよぼす影響を減らすために、必要な手段を講じること等の内容が盛り込まれた決議が採択された。

(5)偽造医薬品

偽造医薬品対策に関し、ナイジェリア等アフリカ連合より一層の対策推進を促す決議案、ブラジル等南米諸国より政府間会合の開催を求める決議案、インド・タイより医薬品確保のため知的財産権に係る国際協定の柔軟な運用を求める決議案が提出された。

委員会において、[1]WHOの役割を保健衛生上の観点に絞ること、[2]偽造医薬品対策を推進すること、の2点についてはコンセンサスが得られたが、今後の進め方として政府間会合を開くかどうか等について意見が分かれ、非公式会合においてコンセンサスに向けた協議を行うこととなった。

協議の結果、[1]品質・有効性・安全性・入手可能な医薬品の確保におけるWHOの役割、[2]国際偽造医薬品対策タスクフォースとWHOの関係、[3]偽造医薬品対策におけるWHOの役割等について、全加盟国に開かれた作業グループを組織し、2011年のWHO総会に向け勧告を作成することとなった。

(6)ヒト組織・臓器移植

1991年第44回WHO総会において、臓器移植に関する指針が策定された。

第63回WHO総会においては、臓器売買や移植ツーリズム等に対応するため、指針の見直し及び決議の採択が行われた。

4 二カ国間協議等

ノルウェー保健・ケアサービス大臣、チャンWHO事務局長、フランス保健大臣、シンWPRO事務局長、マラウイ保健大臣、アメリカ保健福祉省国際保健部長、シエラレオネ外務大臣等との会談を行った。

ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 他分野の取り組み > 国際関係 > 日本とWHO > WHO総会について > 第63回WHO総会結果(概要)

ページの先頭へ戻る