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小児用肺炎球菌ワクチンの切替えに関するQ&A

小児用肺炎球菌ワクチンについて

Q1. 小児の肺炎球菌感染症とはどんな病気ですか?

 肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気です。この菌は、集団生活が始まるとほとんどの子どもが持っているといわれるもので、主に気道の分泌物により感染を起こします。これらの菌が何らかのきっかけで進展することで、肺炎や中耳炎、髄膜炎などの重い合併症を起こすことがあります。
 特に、髄膜炎をきたした場合には2%の子どもが亡くなり、10%に難聴、精神の発達遅滞、四肢の麻痺、てんかんなどの後遺症を残すと言われています。
 また、小さい子供ほど発症しやすく、特に0歳児でのリスクが高いとされています。

Q2.肺炎球菌感染症を予防することは可能ですか?

 現在、小児の肺炎球菌感染症に対するワクチンとして「プレベナー(沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン)」が使用されています。
 肺炎球菌には、90以上の種類があり、それぞれ特徴が異なります。「プレベナー(沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン)」には、特に重篤な肺炎球菌感染症を引き起こすことの多い、7種類の肺炎球菌の成分が含まれており、主にこれらに対して予防効果を発揮します。
 小児の肺炎球菌による髄膜炎は、2008〜2010年は10万人(5歳未満)あたり約2.8人が罹患していましたが、ワクチンが普及した2012年には、約0.8人と、73%の患者減少が見られています。

Q3.新たに承認された(平成25年6月18日)「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」は、現在定期接種として使用されている「プレベナー(沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン)」と何が違うのですか?

 現在使用されている「プレベナー(沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン)」には7種類の肺炎球菌の成分が含まれています。一方、今回承認された「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」には、新たに6種類が追加され、計13種類の肺炎球菌の成分が含まれています。これにより、従来よりも多くの種類に対して予防効果が期待出来ると考えられています。

Q4.「プレベナー(沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン)」から「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」に変更することでどれくらい効果が変わるのですか?

 従来、肺炎球菌による重篤な感染症(侵襲性感染症*)の約75%は「プレベナー(沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン)」に含まれる7種類によって引き起こされていましたが、Q2にある通りワクチンの普及によりこれらの発生が減少したことで、ワクチンに含まれる7種類以外の肺炎球菌による感染症の割合が増えるようになりました。
 現在は、「プレベナー(沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン)」に含まれる7種類が肺炎球菌による侵襲性感染症の約37%を、「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」に新たに含まれる6種類が約30%を引き起こしていると考えられ、ワクチンを変更することで、これら6種類に対する更なる予防効果が期待出来るようになると考えられています。
 一方で、ワクチンに含まれない種類の肺炎球菌の多くは予防できないため、ワクチンを接種しても肺炎球菌感染症を発症することがあります。
*一般に、本来、細菌が存在しない場所(血液や髄液等)から細菌が検出される感染症を「侵襲性感染症」と呼びます。

Q5.「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」の接種により、どのような副反応の発生が想定されますか?

 稀に報告される重い副反応としては、アナフィラキシー、痙攣、血小板減少性紫斑病等*が報告されています。
 その他、一定程度に頻度でみられる副反応については、下表の通りです。

  10%以上 1〜10% 1%未満 頻度不明
皮膚   蕁麻疹、発疹   血管性浮腫、蕁麻疹様発疹、多形紅斑
呼吸器   感冒(鼻咽頭炎等)   呼吸困難、気管支痙攣
注射部位 紅斑(84.0%)、腫脹(69.7%)、疼痛・圧痛(28.2%) 硬結   皮膚炎、掻痒感
消化器 食欲減退(31.4%) 下痢 嘔吐  
血液       注射部位に限局したリンパ節症
精神神経系 傾眠状態(52.1%)、易刺激性(45.2%)、不安定睡眠(38.0%)   泣き 筋緊張低下、反応性低下症
その他 発熱(71.3%)      

注:上記の頻度は国内臨床試験の集計結果による(ただし、頻度不明とした部分については海外の自発報告で認められたものである。)。
*血小板減少性紫斑病の概要についてはこちらをご参照下さい。
http://www.info.pmda.go.jp/juutoku/file/jfm1003008.pdf

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年内(平成25年)の13価小児用肺炎球菌ワクチンの接種について

Q6.「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」はいつから定期接種に導入されますか?

 「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」は、平成25年11月1日から定期接種に導入される予定です。
※10月31日以前には、定期接種として「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」を用いることはできませんので、ご注意下さい。

Q7.「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」の接種はどのようなスケジュールで実施しますか?

 「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」の接種スケジュールは、以下のように「プレベナー(沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン)」とほぼ同様のスケジュールで実施します(標準的なスケジュールは(1)の方法、下線部については変更あり)。

  1. (1)初回接種開始時に生後2月から生後7月に至るまでの間にあるお子さん
     初回接種については27日以上の間隔をおいて3回、追加接種については生後12月以降に、生後12月から生後15月に至るまでの間を標準的な接種期間として、初回接種終了後60日以上の間隔をおいて1回接種します。ただし、初回2回目及び3回目の接種は、生後12月に至るまでに接種し、それを超えた場合は行えません(追加接種は実施可能)。
  2. (2)初回接種開始時に生後7月に至った日の翌日から生後12月に至るまでの間にあるお子さん
     初回接種については、27日以上の間隔をおいて2回、追加接種については生後12月以降に、初回接種終了後60日以上の間隔をおいて1回接種します。ただし、初回2回目の接種は、生後13月に至るまでに接種し、それを超えた場合は行えません(追加接種は実施可能)。
  3. (3)初回接種開始時に生後12月に至った日の翌日から生後24月に至るまでの間にあるお子さん
     60日以上の間隔をおいて2回接種します。
  4. (4)初回接種時に生後24月に至った日の翌日から生後60月に至るまでの間にあるお子さん
     1回接種します。

標準的な接種スケジュール(図)

Q8.途中まで「プレベナー(沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン)」を接種していますが、11月1日以降はどちらのワクチンを接種すればよいですか?

 11月1日以降、定期接種として使用できるのは「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」のみです。両ワクチンの接種スケジュールは同じですので、残りの接種回数を、スケジュール通り「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」で実施して下さい。

例:標準的な接種スケジュールの場合

初回
1回目
初回
2回目
初回
3回目
追加接種
標準月齢・接種間隔 2ヵ月 1回目から27日以上の間隔をおいて 2回目から27日以上の間隔をおいて 12〜15ヵ月
未接種者 プレベナー13 プレベナー13 プレベナー13 プレベナー13
1回接種者 プレベナー プレベナー13 プレベナー13 プレベナー13
2回接種者 プレベナー プレベナー プレベナー13 プレベナー13
初回接種完了者 プレベナー プレベナー プレベナー プレベナー13
PCV7接種完了者 プレベナー プレベナー プレベナー プレベナー

Q9.定期接種で定められた回数の「プレベナー(沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン)」を全て接種済みですが、さらに「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」を接種することは可能ですか?

 海外での研究では、「プレベナー(沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン)」の接種をすべて完了し8週間以上経過した後に、「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」を接種した場合にも、追加6種類に対する抗体は上昇するとされており、希望者が任意で接種することは可能ですが、定期接種とはなりません(※)。

※このような接種方法の定期接種化について専門家会議で検討が行われましたが、現在の我が国での発生状況を踏まえると、「プレベナー(沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン)」の接種完了者全員に対し、更に「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」の接種を行うことで得られる社会全体の利益は限定的であることから、定期接種の対象とはせず、希望者が任意で接種することとなりました。
 なお、「プレベナー(沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン)」による定期接種完了後に、「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」を任意で接種し、「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」による副反応が発生した際にも、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法による救済の対象となり得ます。

 

Q10.新しいワクチン「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」は11月1日に定期接種に導入されるとのことですが、それまで接種を待っていてもよいですか?

 小児の肺炎球菌感染症は、特に乳幼児期に重症化することが多く、問題とされる病気です。ワクチンの接種を遅らせたり、途中で中断したりしてしまうと、十分な予防効果を発揮できずに肺炎球菌感染症を発症してしまう可能性があります。そのため、原則として11月1日の導入を待つことはお勧めできません。

※なお、下記の2つの条件を全て満たしている場合については、予防効果を維持出来ることが示されているため、「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」の導入を待つことも選択肢として考えられます。
(1) 平成24年5月1日以降に出生した者
(2) 生後2ヵ月から7ヵ月に至るまでの間に接種を開始し、「プレベナー(沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン)」による3回の初回接種を終了している者

公開日:2013年9月10日
更新日:2013年10月4日

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