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2018年7月2日 第5回労働者の心身の状態に関する情報の取扱いの在り方に関する検討会 議事録

○日時

平成30年7月2日(月) 14:30~16:00

 

○場所

厚生労働省 中央合同庁舎5号館20階 共用第8会議室

○議題

(1)労働者の心身の状態に関する情報の適切な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針(案)について
(2)その他
 

○議事

○秋山室長補佐 それでは、定刻になりましたので、始めさせていただきます。
本日は、大変お忙しい中、お集まりいただきましてまことにありがとうございます。
ただいまより、第5回「労働者の心身の状態に関する情報の取扱いの在り方に関する検討会」を開催させていただきます。
カメラ等の撮影はここで終了とさせていただきます。御協力、よろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○秋山室長補佐 なお、本日、土肥委員、森委員は御欠席という形で御連絡をいただいております。
また、大変申しわけございませんが、安全衛生部長、計画課長、労働衛生課長、産業保健支援室長は途中からの参加となりますので、今、この場は不在という形になりますことを御了承いただければと思います。
それでは、座長よりよろしくお願いいたします。
○山口座長 皆さん、こんにちは。きょうもどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、事務局から資料の確認をよろしくお願いいたします。
○秋山室長補佐 引き続き、資料の確認をさせていただきます。
1枚目が次第になってございます。
今回、配付資料は、まず資料1という形で、「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針(案)」をおつけしております。
続きまして、参考資料3点でございます。参考1が、前回まで御議論いただきました骨子案になっております。こちらは第4回の資料と全く同じものになっておりますので、前回の議論を踏まえた修正等々は加えていないという点を御了承いただければと存じます。
続いて、参考資料2が開催要綱、参考資料3が委員の先生方の名簿という形になっております。
資料の不備等はございませんでしょうか。よろしいですか。
以上になります。
○山口座長 ありがとうございました。
それでは、資料1の指針(案)について議論を進めてまいりますが、まず、事務局から指針(案)の概要について説明をお願いいたします。
○秋山室長補佐 それでは、指針(案)につきまして御説明させていただきます。
今回から指針に変わりますので、前回までの骨子案と見比べていただきながら御案内を差し上げたいと思いますので、お手元に参考資料1を並べていただく形で御確認をいただければと存じます。指針(案)に従って御案内をさせていただきます。
まず、「趣旨・総論」でございます。こちらについては、骨子案の1ページにございました「趣旨・総論」を記載させていただいております。骨子案のときは(1)から(3)まで括弧づけで記載をさせていただいておりましたが、この括弧づけをとりまして、それぞれ段落ごとにお示しするという形をとらせていだたいております。したがいまして、1つ目の段落が1の(1)、2つ目の段落が1の(2)、3つ目の段落が1の(3)という形で呼応する形となっております。
この中で少し変更が加わっている部分を御紹介させていただきます。1つ目は、骨子案では「健康情報」という形で定義づけをさせていただいておりましたが、指針(案)につきましては、上から3行目、括弧書きのところになりますが、「心身の状態の情報」という定義づけに変更を加えさせていただいております。したがいまして、事業者側から心身の状態に関する情報というところの定義づけをこちらに変更を加えているという形になります。
続きまして、1段落目の下から4行目にございますが、(以下「取扱規程」という。)という定義づけをさせていただいております。こちらはもともとの骨子案の「趣旨・総論」のところでは、「ルールの明確化」というような「ルール」という表現を使っておりましたが、こちらを「取扱規程」という表現に変更させていただいております。
2段落目については、変更はございません。
3段落目でございますが、ここについては、もともとの3段落目に加えまして、最後の部分、下から2行目になりますが、「その場合は」というところを加えさせていただいています。「その場合は、労働者に、当該事業場における心身の状態の情報を取り扱う方法及び当該取扱いを採用する理由を説明したうえで行う必要がある。」という形で追記をさせていただいております。
以上が1の「趣旨・総論」でございます。
続きまして、2に移らせていただきます。こちらについては、「心身の状態の情報の取扱いに関する原則」という記載をさせていただいておりまして、もともと骨子案でも2は「健康情報の取扱いの原則」でしたので、ここと表記を合わせております。
2は、もともと骨子案では2と3で分かれていました。3は「健康情報の収集・保管・使用」という記載をさせていただいておりましたが、こちらと統合するような形で記載をさせていただいております。なので、出てくる項目が、3にあったもの、2にあったものといった形で分かれておりますので、この辺は詳細に御説明させていただきます。
まず、指針(案)の2の(1)でございますが、これは骨子案で言うところの3の(1)から来ております。こちらについては内容等に変更はございません。
続きまして、2ページ目に移っていただきます。2の(2)「取扱規程を定める目的」になります。こちらは、もともと骨子案の2の(1)から来ているものになります。記載内容についても、大きな変更はございません。
指針(案)の(3)に移りまして、こちらについては「取扱規程に定めるべき事項」という題名といたしまして、骨子案の3の(4)に呼応しているという形になっております。
ここには、今回、なお書き以降を加えさせていただいているという形になります。「なお、心身の状態の情報を取り扱う者及びその権限については、個々の事業場において心身の状態の情報を取り扱う目的や取り扱うための体制等の状況に応じて、部署や職種ごとに、その権限及び取り扱う心身の状態の情報の範囲等を定めることが必要である。」というところを加えさせていただいております。マル1からマル9につきましては、「心身の状態の情報」という言葉に置きかえて、同じように記載させていただいております。
指針(案)の2の(4)でございます。こちらは「取扱規程の策定の方法」という形で、骨子案でいきますと2の(3)(4)からとってきているものになっております。1段落目が2の(3)に呼応しておりまして、「また」以降が(4)に呼応するという形になっております。
こちらの部分では、2行目の「この取扱規程の共有については、就業規則を含む社内規程等により定め、当該文書を常時作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付ける、イントラネットに掲載を行う等により周知する方法が考えられる。」というところを、ちょっと表現を変えながら加えさせていただいております。また、「小規模事業場」という定義を加えさせていただいております。常時50人未満の労働者を使用する小規模事業場、これを(以下「小規模事業場」という。)という定義を加えさせていただいております。
「また」以降の次の段落については、変更はございません。
3ページ目に移っていただきまして(5)でございます。こちらにつきましては、「心身の状態の情報の適正な取扱いのための体制の整備」という記載をさせていただきまして、骨子案の3の(3)から来ている形となっております。もともと骨子案の3の(3)でございますが、こちらの4段落目に「また」という記載がございますが、この前までの部分をこちらの(5)で記載させていただいております。「また」以降の部分が指針(案)の(6)に分離をする形で記載させていただいております。(6)の「心身の状態の情報の収集に際しての本人同意の取得」というところが、骨子案の3の(3)の「また」以降の部分が記載されているという形になってございます。
(7)に移ります。「取扱規程の運用」につきましては、骨子案で言う2の(6)(7)を合わせて記載をさせていただいております。(6)が1段落目、(7)が2段落目という形で記載をさせていただいております。
(8)「労働者に対する不利益な取扱いの防止」というところでございます。こちらにつきましては、骨子案で言う2の(5)から来ているものになっておりまして、中身等は変更を加えてございません。
指針(案)の4ページ目に移っていただきます。中より下の(9)「心身の状態の情報の取扱いに係る労働安全衛生法令等の整理」という部分になります。こちらについては、骨子案でいきますと3の(2)で、表で示していたところになりますけれども、こちらから来ております。
こちらにつきましては、マル2の情報区分に当たる部分で少し修正を加えさせていただいております。「心身状態の情報の取扱いの原則」という一番右側の欄で、事業場の状況に応じて本人同意を取得するという部分がございましたけれども、こちらを表記の変更をさせていただきました。ポツが2つございまして、「等について取扱規程に定め、労働者の理解を図るとともに、当該心身の状態の情報を取り扱うことやその目的を労働者が十分に認識するために、本人同意を得る等の措置を適切に講じることが考えられる。」という表記に変更を加えさせていただいております。
6ページ目に移っていただきます。(10)でございますが、こちらについては骨子案の3の(6)から来ているものになります。表記等々に変更はございません。
続きまして、3の「心身の状態の情報の適正管理」というところで、こちらについては骨子案で言う4で記載をしていたものをそのまま記載をするという形をとらせていただいています。
まず、(1)「心身状態の情報の適正管理のための規程」というところは、4の(1)から来ております。また、4の(2)に記載があった部分については、マル3の下にあります「このため」というところから表記をさせていただいています。したがいまして、ここは4の(1)(2)が統合されて記載されております。
(2)「心身の状態の情報の開示等」というところにつきましては、4の(3)から来ているという形でございます。
7ページ目、(3)で「小規模事業場における取扱い」についても、4の(4)から来ているという形になります。内容等々は大きく変更は加えてございません。
続きまして、「4 定義」という形で、これは骨子案には記載がなかったものになりまして、指針(案)から記載させていただいているものになります。こちらについては、指針における用語の意味という形で定義をさせていただいているものでございます。細かく読み上げ等々はいたしませんけれども、マル1からマル6まで、「心身の状態の情報」「心身の状態の情報の取扱い」「心身の状態の情報の適正管理」「心身の状態の情報の加工」「医療職種」、8ページ目に行きまして、「産業保健業務従事者」という形で、定義を記載させていただいております。
長くなりましたが、指針(案)の説明については以上になります。
○山口座長 ありがとうございました。
それでは、内容について御審議をいただきますが、骨子案と違いまして指針(案)でございますので、文言とか表現という点についても御意見をいただけたらと思います。
まず、構成等、全体について御意見がありましたら、そこからいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
増田委員。
○増田委員 小規模事業場についての例外規定が何カ所かに分かれて記載されているのですが、特に2の「心身の状態の情報の取扱いに関する原則」のところに入っているものにつきましては、ここはあくまでも原則の項で、小規模事業場の取扱いは原則ではなくて例外という位置づけになるかと思いますので、原則以外のところに小規模事業場の取扱いについてまとめて記載していただくのが構成上はよろしいのではないかと思います。
例えば、3の適正管理のところの(3)「小規模事業場における取扱い」というところに、小規模事業場に関する記載をまとめていただくというやり方があろうかと思います。
○山口座長 今、増田委員から、全体の構成で小規模事業場について御意見をいただきましたが、その点についてほかの委員の方から。
岡村委員。
○岡村委員 今、御指摘のあった点は大変よくわかります。ただ、それとともに、適正管理ということになると、いわゆるセキュリティーの規定ですので、ここにまとめてしまうと、セキュリティーの中に取扱規程の策定の方法が入るということで、ちょっと据わりが悪いかなと。
では、どういう方法があり得るのかというと、例えば、これは4まで来ていますけれども、新たな4を設けて、小規模事業場における特則というような形でまとめてしまうということはあり得るのではないか。そして、その定義に関しては、今4となっているのを5に一つずらす。こういうやり方があろうかと思います。
以上です。
○山口座長 ほかの委員の皆様はいかがでしょうか。
私の意見ですけれども、2が「心身の状態の情報の取扱いに関する原則」となっていますけれども、2と3を合わせましたので、ここはもう原則以上のことが書かれているのではないかとも思います。増田委員は、原則のところに原則ではない小規模事業場のことが書かれていてどうなのかなという御意見だったのですが、むしろ原則とは違う、ちょっと私もいい表現が思いつかないのですが、ここは概要とか、原則以上のことなのかなと思いましたけれども、いかがでしょうか。
○松本委員 私も、(10)の「小規模事業場における取扱いの留意事項」は、増田委員がおっしゃるとおり確かに例外的なことなので、3の適正管理に行くよりはこの中に入れたほうが逆にすっきりしていいと思います。だから、例えば(10)のところを小規模事業場は例外的な取扱いなのだという形にすれば、例外にもなるのかなと思いました。例外という扱いにするのであれば、先ほど座長が言った、「原則」を取り外してほかの文言にするか、あるいは小規模事業場はあくまで例外的な取扱いなのだよということで対応するか、どっちかではないかなと思いました。
○山口座長 ありがとうございます。
ほかの皆さんはいかがでしょうか。特に御意見はございませんでしょうか。
これは全体で言うと、今の御意見は、例えば3の(3)あるいは2の(10)というあたりを全部まとめて、例えば4みたいな形で一つ独立した章にすることもありなのかなと思いますけれども、いかがですか。
どうぞ。
○西野委員 ただ、例えば、(4)の策定の方法のところですが、衛生委員会で云々というのはやはり50人以上ということになりますので、小規模事業場はここでもう例外扱いになる、とここで書かないと、ちょっと話が飛んでしまうかという気もしないでもないのです。小規模事業場に関する方法もここに入れておいて、ほかのところはまとめるということも一つの案かと思います。
○山口座長 ありがとうございます。
確かに、2ページの(4)のところは、ないと説明が足らないことになりますね。もう衛生委員会があることが大前提という表現になってしまいますので。
増田委員、いかがですか。
○増田委員 形式の問題ですので、最終的には事務局にお任せしますが、少なくとも原則ではないという点がわかるようにまとめていただければと思います。
○山口座長 では、事務局のほうでその辺の工夫を一層進めていただくということでお願いいたします。
ほかに何か御意見はございますでしょうか。どうぞ。
○岡村委員 何度も済みません。2ページ目の最後の行から3ページ目の最初の行にかけて、「取扱規程を検討する又は策定する単位については、当該企業及び事業場の実情を踏まえ、事業場単位ではなく、企業単位とすることも考えられる。」と片方ではなっていつつ、6ページ目の下から3行目、これは適正管理の部分でありますけれども、適正管理に係る措置については事業場ごとに取扱規程に定める必要があるということで、差がついているような状態なのですけれども、事業場ごとなのか、それとも企業単位ということなのか。差をつけられた理由は何かあるのでしょうか。
○山口座長 事務局、いかがでしょうか。
○富賀見室長補佐 特に意図して使い分けているものではありません。全体的に、基本事業場ごとに、状況に応じて企業単位、というベースで書いてあります。先ほど御指摘があったような、特段、事業場、企業の状況によって企業単位で策定することもあり得るというところだけ、企業単位でも可能ですよということに触れているという構成になっています。
○岡村委員 そうしますと、適正管理措置に関しては、事業場でないとだめだというように読めそうなのですけれども、そういう理解でよろしいのでしょうか。
○富賀見室長補佐 全体的に、事業場ごとにというふうに書いてあるところも、事業場、企業の状況に応じて企業ごとに判断して、企業ごとにひっくるめて策定するということは可能ですので、全部読みかえていただいて構わないということです。
○岡村委員 では、できるだけシンプルに、差がつくものではないのだというような読み方をより一層明確化していただけるような書きぶりをお願いしたく存じます。
○富賀見室長補佐 では、工夫いたします。
○山口座長 ほかにはいかがでしょうか。
どうぞ。
○西野委員 2の(4)、下から3行目、小規模事業場の話ですが、「事業者は、労働者と何らかの協議の上で取扱規程を策定し」とあるのですけれども、衛生委員会がないところの話になると思うのですが、安衛則の23条の2に、労働者の意見を聞く機会を設けるものとする、という条文があるわけですから、このままでも構わないと言えば構わないのですが、何らかの協議というよりも、労働者の意見を聞くという表現に合わせたほうがいいのではなかろうかと思いました。
○山口座長 いかがでしょうか。労働者の意見を聞いた上でと。労働者と何らかの協議の上で。
○神ノ田労働衛生課長 条文の解釈を確認の上、そのまま書けるようであれば、それに合わせたいと思います。
○山口座長 では、よろしくお願いいたします。
ほかにはいかがでしょうか。
私からよろしいでしょうか。1の「趣旨・総論」の「その上で」と始まっているところです。今までも同じように書かれていて、今まで全く気がついていなかったのですけれども、「取扱規程については、雇用管理に必要な心身の状態の情報」と、ずばり雇用管理としてしまっているのですけれども、これはよく読み直してみるとちょっと強過ぎるかなと。弱めるという意味では「雇用管理等」としてもらってもいいですし、あるいはここは「雇用管理に」というのはむしろなくてもいいのかなと思いました。皆さん、いかがでしょうか。
○神ノ田労働衛生課長 例えば「健康管理に必要な」という言い方ではいかがでしょうか。
○山口座長 そのほうがすっとくるなと思います。今までずっと「雇用管理」となっていたので、何か意味があるかなと思いましたけれども。
○神ノ田労働衛生課長 では、御意見を踏まえましてそのように修正させていただきます。
○山口座長 お願いします。
○神ノ田労働衛生課長 座長、済みません。ちょっと周辺を含む可能性もあるということで、「健康管理等」ということで、
○山口座長 それがよろしいのではないかと思います。
ほかに、委員の皆様から何か御意見はございますでしょうか。
○岡村委員 皆さんがお考えになっている間に。
7ページ目、4のところのマル2、「心身の状態の情報の取扱い」の定義で、「収集」から始まっているわけですけれども、こういう場合、普通は情報のライフサイクルみたいな考え方で、収集・取得から始まって最後は廃棄するというところまで来ますので、例えばウインドウズのごみ箱に入れただけでは消えたことにならないとか、あるいは、現実のインシデントで多いのは、廃棄したのか、漏洩したのかわからないような不明瞭な状態が続いていくということがありますので、「まで」の前に「廃棄」あるいは「消去」を入れるべく、個人情報保護委員会と御調整願えればありがたいと存じます。
以上です。
○松下係長 ちょっとお伺いしたいのですが、一連の中で「保管」というのがありますけれども、「保管」の中に「廃棄」は。適正管理が入っているという理解で今書いているのですが、その中に「廃棄」というのは入らないという理解で大丈夫ですか。
○岡村委員 「保管」というのは、多くの法律で出てまいりますけれども、いわゆる置いておくという状態ですので、廃棄する状態とは少し違うのではないかなと少なくとも個人的には考える次第です。
○山口座長 そうしますと、「、廃棄まで」という文言を追加するということでよろしいですか。事務局的にはそれでよろしいですか。
○富賀見室長補佐 はい。
○山口座長 ほかには。もうどの部分からでも結構ですので。どうぞ。
○増田委員 1の「趣旨・総論」のところの「心身の状態の情報」という表現についてですが、心身の状態といいますと、どうしても現在の情報だけに限定されるという印象を受けるのですが、実際には既往歴といった過去の情報、今後の治療の見込みといった未来の情報も入ってきますので、ここは「心身の状態の情報」ではなくて、従前の「健康情報」のほうがしっくりくるように思うのですが、いかがでしょうか。
○松下係長 この「労働者の心身の状態に関する情報」という文言が、今般成立しました法案の中に出てきて、この指針はその法律に基づく指針として位置づけるものと予定しておりますので、「心身の状態の情報」というのはその略称になるので、全くもとのものを引いていない略称を置くというのは、ちょっと用例がうまく見つからないので、「健康情報」というのは難しいかなと考えているところです。多分、ほかに何かいい言い方があれば、アドバイスをいただければと思います。
○山口座長 どうぞ。
○増田委員 瑣末な点かもしれませんが、冒頭に「事業者が、労働安全衛生法に基づき行う健康診断等の健康確保措置」とあるのですが、健康診断は健康確保措置ではないので、そこは「健康診断及びそれに基づいて行う健康確保措置」といった具合に文言を補っていただいたほうがいいのではないかと思います。
もう2点ほどあるのですが、発言させてください。上から5行目の「そのため、事業場において」というところからですが、2つ出てきまして、「労働者が雇用管理において自身にとって不利益な取扱いを受けるという不安を抱くことなく、安心して産業医等による健康相談等を受けられるようにする」というのが1つと、「事業者が必要な心身の状態の情報を取得して、労働者の健康確保措置を十全に行えるようにする」と、この2つが目的として並んでいますが、順番としては後者のほうが重要だと考えますので、そこは順番を入れかえていただければと思います。強調するポイントがずれてしまいます。
あと一点です。「労働者の健康確保措置」という言葉が出てきますが、「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」においては「就業上の措置」となっています。何か使い分けがあるのかどうか、ないのであれば、文言を統一していただいたほうが混乱がなくていいのではないかと考えました。
以上です。
○山口座長 最初のところ、順番を変えたほうがよろしいのではないかということですけれども、委員の皆様、いかがでしょうか。
○増田委員 ちなみに、2の(2)のところでは、先ほど順番を入れかえていただいたほうがいいのではないかと申し上げた順番で書かれています。2ページの上から3行目以降の(2)「取扱規程を定める目的」のところは、「安全配慮義務の履行」が先に書かれています。
○山口座長 まずは委員の皆様から、今の増田委員の御意見はいかがでしょうか。
○富賀見室長補佐 増田委員の初めの1の順番の件ですけれども、補足させてもらいますと、昨年の労働政策審議会の建議をなぞって書いてある部分で、この順番になっているということです。2のほうは、それと関係なく書き下しているので、こういう順番、ということを前提に御議論いただければと。
○増田委員 承知しました。
○山口座長 では、今のままで行きましょう。
もう一つは何でしたか。
○増田委員 「労働者の健康確保措置」という用語です。
○山口座長 それと「就業上の措置」。「健康確保措置」と言う場合は、「就業上の措置」よりももっと広いのかなと思っていました。
いかがでしょうか。今、増田委員に個人的に隣同士でお話ししたのですけれども、「健康確保措置」という表現の場合は、「就業上の措置」も含めてもうちょっと広い、労働者の健康を守るとか健康増進とかも全て含んだ表現なのかなと思って、私は特に違和感はありませんでした。
○増田委員 先ほど申し上げましたように、既存の指針との用語の使い分けがあるのかどうかの確認です。
○神ノ田労働衛生課長 そういう意味で、建議でも「健康確保措置」ということで統一されています。
○増田委員 わかりました。ありがとうございます。
○山口座長 ほかにはいかがでしょうか。
どうぞ。
○若月委員 3ページの「取扱規程の運用」のところで、「もし、取扱規程に基づく運用が適切に行われていないことが明らかになった場合、原則として」とありますが、適切に行われていない場合、その後に書かれている説明や再発防止に取り組むのは当然のことだと思うのですが、この「原則として」というのは、何か意味を含んでいるのでしょうか。
○山口座長 これはカットしたほうがいいですね。
ほかにはいかがでしょうか。
○椎葉委員 枝葉末節なのですけれども、1ページの2の(1)の「心身の状態の情報を取り扱う目的」の一番下の行で、「労働者等の生命、身体の保護のために必要である場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき等が考えられる」という表現ですけれども、前の文章から引き続いて読むと非常にわかりにくいので、「同意を得ることが困難であって、労働者等の生命、身体の保護のために必要がある場合」と、前に合わせた表記のほうがわかりやすいのではないかと思いました。
○山口座長 どうぞ。
○岡村委員 おっしゃるとおりですが、これはもともと個人情報保護法の法文がこうなっていますので、ちょっと言葉は悪いですが、法文をコピペしてきたと。ただ、正確に言うと、「生命、身体、財産の保護のために」となっているのですけれども、財産は性格上書きにくかったので、そこを抜いておられる部分以外は法令の表記に合わせてコピペされているような気がするのです。
○山口座長 条文どおりだということで私も了解しましたけれども、私もここはすごく読みにくいなと感じて、例えば下から2行目のところですけれども、取り扱えるのは、マル1、労働安全衛生法令及びその他の法令に基づく場合、マル2、本人が同意している場合、マル3みたいに、これは3つだということがそもそもわかりにくいのですね。そういうふうな書きぶりにしていただくと理解しやすいかなと思うのですが、マル1、マル2とかつけたらまずいですかね。
○岡村委員 本当は、16条、23条には、もう一つ国や自治体に協力する場合というのが入っていますので、それが「等」という形で、「等が考えられる」という形で丸め込んであるので、4つあるものを3つだけ番号を載せると目立つのではなかろうかという感じがして、そういう意味での何となく書きぶりの落ちつきの悪さを感じるので、ここは形式の問題ですからお任せしたいというところでございます。
○山口座長 椎葉委員、そういう事情があるらしいので、よろしいですか。
○椎葉委員 お任せいたします。
○山口座長 ほかにはいかがでしょうか。
どうぞ。
○増田委員 2ページの2の(3)「取扱規程に定めるべき事項」として、マル1からマル9が列挙されていますが、これは事業場ごとにそもそも定められないものも含まれているのではないかと考えます。例えば、マル1はこの指針(案)の2の(1)で示されたとおりだと思いますし、マル3の本人同意の取得方法というのも、要配慮個人情報はオプトアウトが認められない、マル4もこの指針の3の(1)で示されたとおりでないとむしろだめなのではないかと思いますし、マル6とマル7も法令どおりにやらないといけない。ですので、事業場ごとに全て定める余地がそもそもないものも含まれているのではないかと思うのです。これは全て列挙するのではなくて、ここについては事業場ごとに、といったように、具体的に書き下したほうがいいのではないかと感じました。
以上です。
○松下係長 ちょっと相談して、検討してみます。
○増田委員 お願いします。
○山口座長 ほかにはいかがでしょうか。
私からよろしいでしょうか。4ページの上からマル1、「心身の状態の情報に基づく就業上の措置の実施に当たり、医師の意見を聴取すること等の法令上求められる手順に従わず、不利益な取扱いを行うこと。」、これは「等」がついているのでいいのかなと思いつつ読んでいたのですが、例えばストレスチェックの場合に医師の面接指導みたいなところで意見書が出てみたいなことを想定しているということでよろしいのでしょうか。あるいは、長時間労働でも意見書が出るみたいなのです。ただ、それ以外、「法令上求められる手順に従わず」というところがちょっと微妙かなと感じたのです。
三柴先生、いかがですか。急に振りまして済みません。
○三柴委員 ストレスチェックの制度を構築するときに、検討会で私から意見を申し上げて、これを入れていただいたように記憶があるのですけれども、たしかストレスチェックに関する規定から文言をとってこられているのですね。
医師の意見を聴取すること以外に、たしか協議、本人から意見を聞く等の自治的な取り組みなどもここに想定されていたように記憶しています。もし間違っていたら、後で訂正させていただきます。
○富賀見室長補佐 これは事後措置指針をベースに書いたものですね。そうすると、確かに座長の御指摘ももっともで、事後措置指針ですから、健康診断とその事後措置なので、健康診断ですと、その後の手順は、条文上、医師の意見を聞いて、医師の意見に従って事後措置という法律上の順番があるので、このとおり間違いなかったはずなのですけれども。それをベースに、これは書き出しの部分だけ、健康診断と限定せずに、健康情報に基づいて就業上の措置を実施するということに書き換えたことで、ちょっと幅が広く読めてしまう状態になってしまっていますので、座長のおっしゃった健康診断以外に基づいて健康確保措置を実施するケース、すなわち必ずしも医師の意見を聴取することが法律上求められていないような健康確保措置を事業者が行うケースなんかも読めてしまうので、確かに座長の御指摘のとおり、原文でずれが出ているかもしれません。
○山口座長 御検討いただけますでしょうか。
○富賀見室長補佐 その誤解がないような書き方も含めて検討したいと思います。
事務局内で指摘も既にあったようで、一つはマル1自体を削除するか、それかマル1のうち、健康診断の場合は医師の意見を聴取する等法令上求められる手順というふうに、もう一度限定をちゃんとかけて書くか、どちらかが既に案としてございます。
○山口座長 マル1とマル2で、マル1は正当な手続を踏まないというのがマル1なのですよね。意見をもらっているのに、合理性を超えたことをやってしまうというのが恐らくマル2なのです。マル1は手続論的なことだとすると、いろいろな場面で手続を決めている規定が多分違いますよね。その辺をもう少しざっくり書いていただいたほうがいいのかなと感じました。これだと、そもそも医師の意見をもらわないとだめみたいな話に読めてしまうような感じもありますし、その辺を御検討いただけますでしょうか。
どうぞ。
○鎌田委員 3ページの(6)の下から2行目、「健康診断の事業者からの受診案内等にあらかじめ記載する等の方法により」とありますが、あらかじめ記載するというのは受診案内のほかに記載する方法はどんなことが考えられるのかということと、あらかじめ記載する内容というのは、ここに言う取得する目的や取扱いのことを、健診機関がここに記載することで本人の同意を得ることが考えられるというふうに理解するのでしょうか。そこのところが私は理解がよくできていないのです。文章の表現です。
○山口座長 ここの表現の趣旨は、事務局的には説明をしていただくとどういうことになりますでしょうか。
これは今まで気がついてなかったのですけれども、「必要である」で切ってもいいかもしれないですね。「同意を得ることが考えられる。」「健康診断の事業者からの受診案内等にあらかじめ記載する」、最後の2行が余りにも具体的ですね。これをここに書いた理由はありましたでしょうか。
○富賀見室長補佐 とりあえず例示として書かせていただいたのは、基本的に法令上は本人同意を得なくても取得できる情報ということですが、こういった健康情報が事業者に提供されることであるとか、事業者が基本的に知ることになるということを、情報の取得に当たって労働者にインフォームする、その手段の例示として掲げております。そういった手続きにより本人に納得いただいて情報を取得することが望ましいと考えられるということで、そのような望ましい旨と事業場において取り得る手段を書いていきたいということです。
座長がおっしゃるように、「本人の同意を得ることが考えられる」だけ書くより、こういったいろいろな手段、先ほど委員からありました、問診票でインフォームするという方法も当然あると思いますし、むしろそういった柔軟に現場で取り得る例示を御意見いただきながら、また修正していきたいと思います。
○山口座長 ほかの委員の皆様はいかがでしょうか。これはマル1及びマル2について言っているのですよね。これをずっと読んでいくとね。
○鎌田委員 例示があることは私はわかりやすくていいと思うのですが、こうやって健診機関が伝えたことで本人の同意を得るというふうに理解していいのかどうか、そこのところが一番気になります。
○山口座長 何か。
○松下係長 今の御質問ですけれども、ここのマル1、マル2に該当する情報は、個人情報保護法上、取得の同意を得るところについては、安全衛生法で情報の取得が許されているというか、規定があるので、そこの適用が除外されているので、同意の取得の仕方等々についてはある程度指針の中で裁量がある話なので、特にどういった方法でなければだめというところまでは規定がないものになるのです。そういったところがもし方法として不適切だという御意見であれば、それについて御議論いただければというところです。
○山口座長 どうぞ。
○個人情報保護委員会事務局 個人情報保護委員会でございます。増田委員の先ほどのご発言とも関連しますが、今の点も、利用目的の特定及び労働者への通知については、個人情報保護法第15条及び第18条の条文上、「法令に基づく場合」であれば行わなくてよいという規定にはなっておりませんが、個別具体的なケースで、例えば第18条第4項各号のいずれかに該当するので通知は不要だというものもあるだろうと思います。一方で、今あったとおり、安衛法に規定されている部分について、本人の同意に関していえば、法令に基づく場合には本人同意は必要ないということになっております。
個人情報保護法やガイドラインでは、本人の同意のとり方とか本人への通知の方法などは「こういう形で行うべき」と詳細には書いていなくて、例えば通知ですと、「内容が本人に認識される合理的かつ適切な方法によらなければならない」といった形で記載しております。先ほどの例えば同意取得の方法について、事業者と労働者との間では、こういうやり方でやりますよというのを取扱規程に定めるべきという趣旨で今回の案が示されている、つまり例示として個人情報保護法のガイドラインより具体的に記載していただいていると理解しています。ですから、そういう具体的な例示はあったらあったで助かるのかなと思っています。
○山口座長 どうもありがとうございます。
そうしますと、これは最後の行ですけれども、「労働者に通知し、本人の同意を得ることが考えられる。」となっていますけれども、今の御説明の本質は通知をするということだとすると、労働者に通知するなどの方法が考えられるみたいな、そっちの例示で、本人の同意を得るという部分は私もないほうがいいような気がしましたが、いかがでしょうか。
○個人情報保護委員会事務局 法令上は求められていなくても、本人の同意も、より丁寧に行う観点から、同意をとっていただくことについて、どう書くかはこの指針の議論だと思っております。
○山口座長 ありがとうございます。
ここで「本人の同意を得ること」と書いてしまうと、本人の同意を得る必要がるということになってしまうのではないかなと。それでいいのですか。
○松下係長 法令上は特に必要とはされていないところですけれども、その次の(9)のマル2のところ、前回、増田先生からも御意見があったと伺っていますけれども、こちらのほうでも「本人の同意を得る等の措置を適切に講じることが考えられる。」という書き方をしております。これと同じように、労働者本人の認識を十分にしてもらうためにという意味で、法令上求められるものにオンするような形で原則としてこういった形があるのではないかということで、「考えられる。」という書き方をしているものになります。
○山口座長 どうぞ。
○岡村委員 今の議論で出てきたように、マル1、マル2は法令に基づく場合でありますから、同意も必要なければ通知も必要がないというのが法律上の個情法上のたてつけです。通知も必要はない。むしろ、特にマル2に関しては、それよりも労働者本人の理解を得るためにインフォームすることが重要なのだと、そういうような書きぶりにすればおかしくないと思います。
もう一回申し上げますけれども、法令に基づく場合というのは、目的外利用が本人同意等々の一連の手続なしに許される場合ですから、個情法18条が適用される問題ではないというふうに認識しております。
○山口座長 この文言を上のほうからずっと読んでいきますと、「取得する目的や事業場における取扱い方法等について、取扱規程を定め、労働者に通知した上で」ということなので、労働者に通知するのは、自分のところはこういう規程で扱っているのですよということを周知するという意味なのかなと私は解釈して、それを通知するという。それも必要ないのですか。
○岡村委員 後です。
○山口座長 必要ないのですか。
○岡村委員 それも別に必要というよりは、取扱規程がいわゆる就業規則であれば、周知義務があるというのは労働法理の問題ですから、個人情報保護法上は労働法理とはまた別の考え方で、取扱規程の内容を知らせるという必要は保護法上はない。労働法理利上は、一つの事業場に義務を課すという形だから、それは周知の対象になるから知らせないといけない。三柴先生、労働法的にはそういう理解ですよね。
○山口座長 どうぞ。
○三柴委員 今、岡村先生がおっしゃったとおりですが、そもそも事務局がこう起案された趣旨は、あくまで「必要であり」以降の部分は、望ましい措置として、法定外にこうしたほうが理想的ではないかということを書かれていると思うので、そのニュアンスが今の「考えられる。」という語尾で出るかどうかという問題なのだと思います。それだけの問題かなと思います。
いずれにせよ、望ましい措置であれば、労働法理上も就業規則等に書く必要はないわけですから、就業規則等に盛り込むのだったら周知が必要だというだけの話なので、今申し上げたことで足りるかなと思います。
○岡村委員 そういう趣旨なら賛成です。ただ、「必要であり、」でだらだら続くのは、座長がおっしゃるように、少なくとも一旦切ったほうがいいのではなかろうかという気がします。
○山口座長 事務局、御議論があったようですけれども。
○個人情報保護委員会事務局 個人情報保護委員会でございます。
繰り返しになりますが、利用目的の範囲内で利用するという制限は、「法令に基づく場合」は目的外利用を認める規定になってございますが、利用目的の特定及び通知自体は、15条及び18条の規定では「法令に基づく場合」について、明記していないことを受けて、本指針に基づいて労働者が不安を抱くことのないように「労働者に通知した上で取得することが必要であり」という案を示していただいていると、個人情報保護委員会としては認識しているところでございます。
○山口座長 どうぞ。
○神ノ田労働衛生課長 座長御指摘のとおり、一度「必要である。」と切らせていただいて、それ以降の文章は例示ですので、「必要である。例えば」という形でつなげさせてもらったらどうかなと。
あと、「同意を得る」というところは確かに強い感じがするので、ここの表現は、例えば「できる限り」とか、ここは引き取らせていただいて、表現を工夫したいと思います。
○山口座長 では、そういうことでよろしくお願いいたします。
岡村先生。
○岡村委員 蒸し返しになって恐縮ですが、6ページの下から3行目というか、3の「心身の状態の情報の適正管理」ですが、これはあくまでもセキュリティですので、こういうことを言うとひんしゅくを買うかもしれませんけれども、巨大企業であっても、本社はそれこそかつての江戸城のようなしっかりしたつくりになって堅牢な守りですが、地方の出城、つまり支店に行くと、不十分な状態が多うございます。やはりセキュリティというのはある程度中央制御でやらないと、一々各都道府県の営業所にスキルのあるセキュリティの管理者を置いているかどうかというと、残念ながら置いていないのが実情でございます。
そういう意味からしても、事業場ごとに取扱規程を定める必要があるというよりは、実情とすれば、本社でサーバーを厳格管理しておいて、それを端末から見られるようなスタイルにするというようなことで、できるだけ漏洩のおそれがあって労働者の方に迷惑をかけないような措置を万全にしたいというのが一般でありますので、そういうことができるという書きぶりまでするというのは、ここでは敷居が高いと思いますけれども、少なくともここにも明確に、それにかえて事業者単位ですることができるのだというようなことを明記していただくほうが賢いのではないかと思いますので、これは切にお願いいたします。
○山口座長 増田先生。
○増田委員 私も蒸し返しで恐縮ですが、先ほどの3ページの(6)の「労働者に通知した上で取得することが必要である。」と切るという修正になりますと、これは前回私が指摘申し上げた、新しいバージョンだと(9)の一覧表のマル2の指摘にもつながるのですが、法令上同意取得の作業が必要ないところをやらないといけないと示すことになります。それによって現場で発生する作業が膨大になってしまうことが懸念されますので、そこはもう一度解釈であるとか、どのような形で示すのがいいかというのを議論させていただければと思います。
同じ箇所でもう一つ、(6)の上から2行目、「個人情報の保護に関する法律に基づき、労働者の本人同意を得る必要がある。」、ここは「必要がある。」とあるのですが、ここの「必要がある。」はほかの箇所で出てくる「必要がある。」よりもちょっとレベルが高い内容だと思います。要配慮個人情報ですので、必ず同意を得ることが要件で定められている訳ですので、他の箇所の「必要である。」と同じ表現をするのは、場合によっては誤解を招いて、適切でないと思いますので、ここは書きぶりを見直していただけたらいいのでないかと思います。
○山口座長 増田先生、例えばどういうふうに表現したらよろしいですか。「絶対に必要である。」とか、そういうふうにする。
○増田委員 「本人同意を得ることが法的要件となっている」とか、そういった感じの文言にしていただいたらわかりやすくなるかと思います。
○山口座長 では、事務局、よろしいでしょうか。
○富賀見室長補佐 はい。
○山口座長 ほかにはいかがでしょうか。
どうぞ。
○三柴委員 まず、4ページの上のほう、(8)のマル1ですけれども、少し記憶がよみがえってきたのですけれども、以前、ストレスチェック制度の構築の際の検討会で、要は不利益扱いというのも、一見そう見えて、実質的に健康管理目的である場合には必要になる場合もあり得るので、要するに手順を踏む中で何が不利益かというのを確定していくほうがいいのではないかということをお伝えして、それで事後措置指針からそのとき引っ張っていただいてきたという経緯があったように思うのです。ですので、「法令上求められる」をつけるかはともかく、「手順に従わず」という文言はあったほうがいいと思うということが1点です。
それから、3ページの(6)の、先ほど来議論がある最後の2行ですけれども、個人情報保護法上、法令に基づく取扱いに際しても通知や公表は必要であるということは、法文上は星田さんが御指摘のとおりだと思うのですけれども、これも既に御指摘いただいたと思うのですけれども、利用目的が客観的に明らかな場合はわざわざ周知しなくても大丈夫で、健診などで情報を収集する場合には、利用目的は健康管理ということが明らかなので、その意味では改めて周知する必要が法令上あるかどうかはやや疑問だなと思います。
最後に、これはうまく言えるかわからないのですけれども、1ページ目の2の(1)で、事業者が心身の状態の情報を取り扱う目的は健康確保措置と安全配慮義務の履行であるということと、それ以後の文章との関係をどう捉えるか。つまり、例えば、利用目的が安全配慮義務の履行だと本人に伝えれば、その後、本人同意なく事業者が安全配慮義務目的であるということで取扱いをしていくことができるのかということですね。これは、個情法では16条と23条との関係で、23条は16条の特則であるという理解があるので、それとの関係でこの書きぶりがどういう趣旨になるのかということは明らかにする必要があるかなと思います。
3点一気に申し上げてしまって恐縮です。
○山口座長 どうぞ。
○岡村委員 私は個人情報保護法の立法時の議論を全部知っているつもりですけれども、国や自治体に協力する場合というのは、例えば都道府県警の任意捜査に協力するような場合に本人に通知とか公表が必要だという解釈は、少なくとも立法時にはされておりません。今、立場を変えられたのかどうなのかはわかりませんけれども、当初はそういうような解釈は全然なかった。
もう一つ、今、三柴先生がおっしゃった18条4項4号は、自明目的の場合にはあえて通知等は要らないというのはそのとおりであろうかと思います。
ただあと、安衛法上で必要なものだからというのは、どこまで労働者の理解がそれで自明だと言えるかということでありますので、いろいろな現場があるから、一概に安衛法に基づくこれこれ健診だからこれこれだということに直ちに結びつく場合と、そうでない場合とケース・バイ・ケースになってしまうという点では厄介なのではないでしょうか。
それと、23条が16条の特則、つまり16条が広くて、23条はそれに包含されるという形で、かつ要件が異なっているということであります。16条と23条は除外事由は一緒です。ただ、24条という国外への第三者提供に関する設定が設けられています。例えばブリュッセルにいる現地子会社との間で従業員情報をグループの中でやりとりする場合にどうなるのかというのがありますので、そこはそこで今、GDPR等々との関係でいろいろ議論がややこしくなっているところです。
○山口座長 どうぞ。
○三柴委員 ありがとうございます。
先ほど最後にお尋ねした1ページ目の2の(1)については、私の見解を申し上げたというよりは、事務局でここをどういう趣旨で起案されたかということを、この機会により明らかにしていただければありがたいなと、その程度の趣旨です。その意味で、「民事上の安全配慮義務の履行であり」というところの前後の関係がどのようなものかということについて、御存念があったら教えていただきたい。
○山口座長 事務局から御説明はありますか。
○神ノ田労働衛生課長 これは2つのパートに分けられると思っていまして、前段は取り扱う目的について記載をしております。後段は、この目的に沿って情報を取り扱える場合として、3つの場合が主なものとして挙げられるのではないかということで、3つ併記して、最後、「考えられる。」というような記載をさせていただいています。
ですから、御指摘を受けて2文に分けてもいいかなと思っています。まず、目的についてはこうこうこういうことである、安全配慮義務の履行であるということで、この目的に沿った形で取り扱える場合としては先ほどの3つの場合が考えられるということで、ちょっと読みやすくすることは可能かなと思っています。
○山口座長 そういうことで、よろしいですか。
○三柴委員 そうすると、その3つの場合に取扱いが可能な場合が限定されると考えて良いのでしょう。要は、安全配慮義務というのは割と広い概念で、健康確保措置のためとなるとさらに広い概念になるので、後段のほうで言われていることと結構開きがあると思うのです。ですので、その利用目的にかなえば取扱い可能だという理解に立つと、後ろでかなり限定するという趣旨にとれるので、そういう意味でそこの関係をちょっと教えていただきたいと考えたのです。
○神ノ田労働衛生課長 これは、3つの場合と申し上げたのですが、それに限定するつもりはなくて、最後に、2ページの1行目ですけれども、「困難であるとき等」ということで、それ以外のことも包含してということではありますけれども、そういうふうに受けとめられないということであれば、ちょっと工夫する必要があるかなと思います。事務局としては、限定するような趣旨で書いたものではないです。主にこういったことが考えられるということで例示をさせていただいたものです。
○松下係長 ただ、今回のこの指針をもって、例えば個人情報保護法上の同意の取得とか、除外されるようなものを新しくつくろうとか、そういう話ではないので、今までのものを整理しただけという認識でおります。
○山口座長 三柴先生、よろしいですか。
○三柴委員 結構です。ありがとうございました。
○山口座長 岡村先生もよろしいですかね。
ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。
○栗原委員 前回、5ページの上から4行目、(a)健康診断の結果(法定項目)と入って、その下に注と入ってきまして枠外に書いてあったのですけれども、今回は注という言葉が抜けて、枠外は6ページの3行目から「※」で、これについての注釈が出ているのですね。これがそのまま載っていますと、例えば法定項目となって、特定健診、特定保健指導に関しないもの、あるいは特殊健康診断等もこの中に全部入ってしまうというような誤解を与えるのかなという感じがするのですけれども、いかがなものでしょうか。
あくまで、ここに健康診断の結果(法定項目)と書いてあるのは、6ページの「※」に入っているところの注釈という考え方だと私は理解しているのですけれども、違うのでしょうか。
○松下係長 「※」の部分の健康診断というのが、特殊健診とかも入ってしまうのではないかという御指摘ですか。
○栗原委員 5ページの4行目の(a)健康診断の結果(法定項目)というのは、特殊健康診断なんかも入ってしまうのではないかなと感じたのです。
○神ノ田労働衛生課長 それは含まれます。法定項目ですので。
○栗原委員 ここには入っているということでよろしいわけですか。
○神ノ田労働衛生課長 入っております。
○栗原委員 わかりました。それで、わざわざ、なおマル2の中でこういうものも入るのですよという注釈をしていらっしゃるということなのでしょうか。要するに、特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する場合については、健康保険組合に情報を提供しなければならないですよという注釈を入れているということは、どういうことなのか。私は、5ページにある健康診断の結果(法定項目)という中にこういうものが入っているのですよということを、わざわざ枠外で示しているということがわからなかったのです。
○松下係長 ここの「※」については、健診の結果について高確法の規定にある特定健康診査及び保健指導関係の項目については、この表中に示した取扱いの原則にかかわらず、事業者は保険者の求めに応じて健康診断の結果を提供しなければならないこととされているため、原則として法令上そうなっておりますというのを書いているだけで、項目等はどうなっていますという説明ではないです。
○栗原委員 では、5ページのは全て入っているという解釈でいいわけですね。わかりました。
○山口座長 そろそろ予定の時間になりましたが、ほかにございますでしょうか。
増田委員。
○増田委員 5ページのマル2の真ん中の列の(c)と(d)に、長時間労働者に対する面接指導の結果とかストレスチェックの面接指導の結果と例示されていますが、これは確認ですが、医師の意見という意味で合っていますでしょうか。
たしか第1回か第2回のこの検討会で、面接記録の開示になったらカルテを分けないといけなくなるとか、どなたかからそういった発言があったのですが、そういう話ではなくて、例えばストレスチェックに関しては安衛則の52条の18で定められている面接指導の結果という意味でしょうから、医師の意見のところを指しているという理解でよろしいでしょうか。
○山口座長 ここははっきり明確に書いたほうがいいですね。「結果」という表現よりも、これは事業者に対して提出する意見書のことですものね。明確に書いていただいたほうが。何でもかんでも出すのではないかと言ったのは私だったような気がします。
○松下係長 法令上、事業者側に行くものということで書いているので、医師の意見ということで理解としては大丈夫なので、そうわかるように書きぶりを工夫いたします。
○山口座長 お願いします。
ほかにはいかがでしょうか。
それでは、御意見もいただき尽くしたと思いますので、本日の御議論はここまでにしたいと思います。
今後の予定につきまして、事務局からお願いしたいと思います。
○秋山室長補佐 本日も熱心な御議論をありがとうございました。
本日いただきました御意見を踏まえて、次回の議論にまた改めてつなげていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次回ですけれども、7月23日を予定しております。改めて詳細について事務局より御連絡を差し上げます。
また、本日の議事録ですが、皆様に御確認いただいた上で公開することとなりますので、御承知おきいただければと思います。
それでは、本日の検討会はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○山口座長 お疲れさまでした。 

 

(了)

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