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2018年4月24日 第11回過労死等防止対策推進協議会 議事録

労働基準局総務課(過労死等防止対策推進室)

○日時

平成30年4月24日(火)10:00~12:25


○場所

厚生労働省 省議室
(中央合同庁舎第5号館9階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○出席者

<専門家委員>

岩城穣委員、岩村正彦委員、川人博委員、堤明純委員、宮本俊明委員、森岡孝二委員、山崎喜比古委員

<当事者委員>

寺西笑子委員、中原のり子委員、西垣迪世委員、前川珠子委員

<労働者代表委員>

白井桂子委員、中川義明委員、八野正一委員、村上陽子委員

<使用者代表委員>

小林治彦委員、佐久間一浩委員、山鼻恵子委員、輪島忍委員

○議題

過労死等の防止のための対策に関する大綱(素案)について

○議事

○岩村会長 定刻となりましたので、ただいまから第 11 回過労死等防止対策推進協議会を始めさせていただきたいと思います。委員の皆様におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 はじめに、本日付けで委員の改選がありましたので、新たに就任なさった委員の御紹介をいたします。参考資料 1 を御覧いただきたく存じます。使用者代表委員の小林信委員に代わり、佐久間一浩委員が御就任されております。佐久間委員、どうぞよろしくお願いいたします。また、今回、事務局で新たに御出席いただいている方がいらっしゃいますので、事務局から御紹介いただきたいと思います。

○小城企画官 厚生労働省労働基準局補償課長の荻原です。内閣官房内閣人事局杉田内閣参事官の代理として、企画官の宮崎です。人事院健康安全対策推進室長の清水です。私は、事務局を務めております厚生労働省労働基準局総務課過労死等防止対策推進室の小城です。どうぞよろしくお願いいたします。

○岩村会長 それでは、カメラ撮影については、ここまでとさせていただきたいと思いますので、カメラ撮影の方は御協力を頂きたいと思います。

 それでは、お手元の議事次第を御覧いただきたいと思います。本日の議題は、「過労死等の防止のための対策に関する大綱 ( 素案 ) について」です。前回の協議会において、今後の過労死等防止対策の進め方について、それぞれ皆様方のお立場から御意見を賜ったところです。全体を通じて、過労死等をめぐる現状や課題を踏まえ、施策を新たに盛り込むということ、そして大綱における数値目標の内容などについて様々な観点から、多くの御意見を頂きました。一方、大綱についての基本的な枠組みは維持することを前提とし、それを発展していく形で見直しを行っていくという方向性については認識が共有されたというように理解しております。

 今日は、事務局のほうで、過労死等の防止のための対策に関する大綱の見直し案の柱立てと、それを肉付けした素案を準備いただきましたので、まず事務局からその説明を頂いた後に、議論の時間を設定したいと存じます。今日の議論の進め方ですけれども、文部科学省の御担当者が 11 30 分までしか御出席できないという事情もありますので、事務局からの説明を頂いた後に、まずは教職員関係の課題を含めた大綱の見直し案全体について、議論を頂戴したいと考えております。その後、前回の協議会でもいろいろとご議論いただいた数値目標について、御議論を頂きたいと考えているところです。まず、事務局から説明を頂きたいと思います。

○小城企画官 まず、資料について御確認ください。議事次第に配布資料として、資料 1 3 4 点を付けております。参考資料としては、 1 8 までの 8 点と、前回の協議会で有識者委員及び当事者代表者委員から提出いただいた意見について改めて提出させていただいております。以上、資料に不備がありましたら、事務局までお申し付けください。

 まず、資料 1 を御覧いただきたいと思います。資料 1 は、大綱の柱立ての新旧対照表で、左側が改定案となっております。第 1 はじめに、「これまでの取組」ということで新たに項を起こし、「現状と課題」については労働時間とは別に、 (2) 年次有給休暇を項立てしております。併せて、 (4) 職場におけるパワーハラスメント発生状況を項立てしております。大きく変わる所は、第 3 「過労死等防止対策の数値目標」についてです。現行の第 3 1 番目に、「当面の対策の進め方」を記載しておりましたけれども、この中から新たに項立てをするものです。 2 ページの 2 番の「啓発」においては、 (5) 勤務間インターバル制度の推進を新たに項立てするということで、大きくこのような形となっております。

 続いて、資料 2-2 は、大綱の改定案の新旧対照表になっているものです。赤字の見え消しになっているものをお手元にお願いいたします。まず、左側の改定案の赤字の所を中心に御説明申し上げます。第 1 の「はじめに」の所には、これまでの法の制定経緯などを記載した後に、法の施行以降、過労死等の防止のための対策は法にのっとって取組が進められていることを記載しております。 4 者から構成される当協議会において御議論を頂き、平成 27 7 月に、大綱が閣議決定され、法及び大綱に基づき、調査研究、啓発、相談体制の整備等、民間団体の活動に対する支援の取組が進められている状況等については、白書でその状況を毎年報告しているところです。

 それから、大綱策定後の協議会においても、定期的に行政の取組の推進状況や白書についても報告がなされている中で、痛ましい事態はいまだに後を絶たないという状況が見られることを記載させていただきました。これまでの 3 年間の取組を踏まえ、現在生じている問題に対応するため、新たな大綱を策定するということを記載しております。

2 番の「現状と課題」です。基本的には時点修正でデータをリバイスしております。 (1) 労働時間の状況については、 1 週間の就業時間が 60 時間以上の雇用者の割合が依然として 7.7 %という状況となっていること、また、 3 ページのまた書きにありますように、「勤務間インターバル制度」についても御紹介しております。制度を導入している企業の割合は 1.4 %という中で、導入の予定もなく検討もしていない企業の理由を見ますと、「当該制度を知らなかった」という企業が 4 割にのぼっていることを御紹介しています。

(2) 年次有給休暇の取得状況です。取得率は平成 28 年度で 49.9 %と、依然として 5 割を下回る水準となっています。また、正社員の 16 %は、年休を 1 日も取得していないという状況が見られるというところを御紹介しています。

(3) 職場におけるメンタルヘルス対策の状況で、仕事上の不安等について相談先のある労働者の割合が、平成 28 年度は 71.2 %となっているという状況を御紹介しております。また、中ほどですけれども、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合は、 56 %と 5 割台にとどまっています。また書きの所ですが、平成 27 12 月に施行されたストレスチェック制度の実施状況として、実施している割合は 8 割を超えているものの、その結果を集団ごとに分析して活用している事業場は 3 割台にとどまっています。

(4) パワーハラスメントの発生状況についてです。労働局に寄せられる相談の中で、「いじめ・嫌がらせ」に関する相談については平成 28 年度 7 万件を超え、 5 年連続でトップとなっているという状況を御紹介しています。

5 ページの (5) 脳血管、心疾患等の状況、 (6) 自殺の状況をお示ししています。「自殺の状況」の中で「一方」のくだりですが、勤務問題が動機の 1 つと推定される自殺者数は、平成 29 年度は 1,991 人と、平成 26 年度よりも 200 名余の減少となっているところです。

6 ページの (7) では、労災補償・公務災害の補償状況について記載しております。第 1 パラグラフは脳・心臓疾患の労災請求件数で、平成 28 年度は 825 件と高止まりの状況を示しています。「次に」というパラグラフですが、精神障害についての労災請求件数は、平成 28 年度は 1,586 件と、依然として増加の傾向を示しているという状況です。特に精神障害の支給決定件数については、精神障害のパラグラフの下から 6 行目以下にありますように、 40 代、 30 代、 20 代と、若い年齢層で多くなっているという状況を示しております。

 次に、一般職の国家公務員と、 7 ページの地方公務員の状況についてもお示ししております。特に第 2 パラグラフでは、精神疾患に関する受理件数が平成 28 年度は 116 件と、 100 件を超えているという状況を御紹介しています。

 これらの状況を踏まえ、 8 ページの (8) がそれらの課題です。過労死等については、その効果的な防止について、まだ十分な議論がなされているとは言えないという側面があるところを踏まえています。まず、労働時間の適正な把握や職種ごとの特徴を踏まえた対応が効果的であるという調査研究等が示されております。そういったところから、職場環境や勤務体制を含め、どのような発生要因があるかを明らかにしていく必要があること、過労死等が生ずる背景等を総合的に把握するという観点から労災請求等を行った者のうち、認定されなかった事案も含めて分析する必要があることを記載しております。中ほどは、啓発についてです。シンポジウム等を開催していますが、依然として過労死等防止対策推進法について、「知らなかった」と言う労働者の割合が 3 割にのぼっているという状況があります。また、教育活動を通じた若年者への啓発も重要であることを記載しています。下から 3 行目がメンタルヘルス対策の関係です。また書きの所ですが、メンタルヘルスの不調の原因になるパワーハラスメントの対策についても、周知・啓発を進めることが重要であると記載しております。

9 ページです。現行の第 3 1 の「当面の対策の進め方」については、後ろの方で項立てを「第 3 」と変更しておりますので、具体的に法で定められている 4 つの取組について基本的な考え方をお示ししています。 1 番「調査研究等の基本的考え方」は、 10 ページの改定案のなお書きにありますように、過労死等の調査研究については、引き続き事業を営む個人など一定の事業主に係るものを含めて、労働者のみならず広く対象とすることとしております。また、医学分野の調査研究については、職域コホート研究など、長期的な視点で行うものを含め、継続的に行うことが必要であるとしております。

 中ほどの「労働・社会分野の調査研究」については、自動車運転従事者や教職員などにアンケート調査などを実施しております。その結果、取引先の都合による所定外労働発生や人員不足の現状、業務関連のストレスの状況など、職種・業種特有の課題を明らかにしてきているところです。こういったところから、過労死の背景要因を更に掘り下げ、過労死等の全体像を明らかにするために、一定期間を周期として再度調査対象とし、結果を経年比較する取組が必要であることを記載しております。併せて、建設業やメディア業界など、重層下請構造の特徴があり、又は長時間労働の実態があるという指摘のある業種についても、対象として加えていくということを記載しております。

12 ページのまた書きですが、白書においては、「労働時間を正確に把握すること」が、「残業時間の減少」に資するということが示されておりますので、そういったことも含めての啓発指導を行うことが必要であること。それから、中ほどにありますように、人員の増員、業務量の見直し、マネージメントのあり方、あるいは企業文化や職場風土の見直し等が必要であるということを記載しております。

13 ページです。 3 番「相談体制の整備の基本的な考え方」については、過労死等のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないために事業場における相談体制整備等を促進することが必要であるということを記載しております。

4 番「民間団体活動に対する支援の基本的な考え方」については、 14 ページの「さらに」以下に、過労死等防止対策推進シンポジウムが、大綱策定後おおむね 3 年をめどに、全ての都道府県で少なくとも毎年 1 回は開催するという目標が達成されたところです。引き続き、シンポジウムを始めとした、民間団体の活動内容を広く周知する取組を進めることとしております。 

3 が「過労死等防止対策の数値目標」です。これまでの数値目標に加え、 3 点加えております。 1 点目が労働時間です。週労働時間が 60 時間以上の雇用者の割合は、平成 29 年度の調査で 7.7 %となっておりますので、更に目標達成をめざし、現下の目標をそのまま維持したいと考えております。なお書きで、特に週労働時間 40 時間以上、いわゆるフルタイマーの労働時間について改善することが必要であるということで、サブ目標とさせていただいております。

2 点目の勤務間インターバル制度については、最後の 31 ページです。事務局としてはまだ案を整理できる段階ではありませんが、論点を 2 つ掲げております。まず、平成 29 年度の就労条件総合調査から見ますと、勤務間インターバル制度について、平成 29 年度は制度を導入していない企業が全体の 92.9 %ありますが、そのうちの 40.2 %からは「制度を知らなかった」という回答を頂いています。これをどのように大幅に減らすか、その目標をどう考えるかというのが論点の 1 点目です。論点として、制度の導入企業割合は 1.4 %ですけれども、この導入企業割合を増やす目標をどのように考えるかというところで、本日、御議論を深めていただければ有り難いと思い、論点としてお示しさせていただいています。

14 ページに戻っていただきたいと思います。 3 点目として、年次有給休暇の取得率を 70 %以上とするという目標を掲げております。平成 28 年度時点で 49.4 %となっています。特に、年次有給休暇の取得日数が 0 日の者の解消が必要だということで、サブ目標として書いております。平成 23 年度の労働政策研究・研修機構の調査では、 16.1 %の労働者が取得日数 0 日、平成 27 年度に厚生労働省が委託事業で行った調査研究では、全体の 34.5 %が取得日数 0 日の者となっておりますので、その解消に向けた取組を推進するということで、サブ目標を掲げております。

4 点目です。メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合が、平成 28 年度調査では 56.6 %なので、引き続き 80 %以上とするということです。 5 点目ですが、仕事上の不安等について相談先のある労働者の割合は、平成 28 年度調査時点では 71.2 %ですが、これを 90 %以上とするとしています。 6 点目ですが、ストレスチェック結果の集団分析と、その結果を活用した事業場の割合は平成 28 年度時点で 37 %であり、これを 60 %以上とするということです。これら 4 点目から 6 点目については、第 13 次労働災害防止計画に掲げられた目標を引用させていただいているところです。

15 ページです。第 4 「国が取り組む重点対策」として、まず、法第 3 章に規定された国が取り組む 4 つの取組について、以下に記載しております。 1 番が調査研究です。 (1) 過労死等事案の分析については、過労死等に係る労災認定事案あるいは公務災害認定事案については継続的に集約・分析をすること。その中で、自動車運転従事者、教職員、 IT 産業、外食産業など、過労死等が多く発生している又は長時間労働が多いとされている指摘のある業種・職種については、「重点業種」としての取組を進めていく。特に若年者や中高年者等の特定の年齢層の状況を踏まえながら調査分析していくことを記載しております。また書きの所ですが、労災保険に特別加入している自営業者や法人の役員の事案についても分析を進めることとしております。

16 ページです。 (2) 疫学研究については、勤務形態が過重労働へ及ぼす影響についての調査を実施し、分析を行っている趣旨を記載しております。 (3) 労働・社会分野の調査分析については、また書きにありますように、重点業種については、毎年、 2 業種ずつの実態調査を実施し、過重労働が業務上の災害のみならず通勤状況など、労働者の生活に与える影響についても把握しながら分析を行うとしております。その上で、一定期間経過後に繰り返し調査を行いながら、経年的な変化などの比較検証を踏まえた分析を行うこととしております。

17 ページの (4) 結果の発信です。引き続き、調査研究の成果等については白書に掲載し、効果的な発信に努めます。

2 番の「啓発」です。 (1) 国民への啓発活動については、引き続きシンポジウム等、集中的に取り組んでいくこととしております。 (2) 大学・高校等における労働条件に関する啓発の実施については、労働法教育のための指導者向け資料を参考としながら、その周知を図るとともに、一番下の行にありますように、若年者の過労死等の防止に役立つ労働法の普及・啓発を行うこととしております。 18 ページの上から 5 行目以下ですが、特に労働問題に関する有識者及び過労死で亡くなられた方の遺族を講師として学校に派遣する啓発授業を、国としての事業として引き続き取組を進めていくこととしております。最後の行ですが、特にこういった事業を進めるに当たって、学校現場においては、これまで以上に負担が掛からないように配慮するということも付記しております。

(3) 長時間労働の削減のための周知・啓発については、「特に」という所にありますように、労働時間の適正な把握のためのガイドラインが示されておりますので、その周知を徹底するというところです。中でも、原則として、客観的な記録を基礎として労働者の始業・終業時刻を確認し、適正に把握するとされているガイドラインの措置について指導を行うということを記載しております。 19 ページの中ほどですが、そういった中で、特に長時間労働の削減については、原則として月 45 時間、かつ年 360 時間とする時間外労働の限度が示されておりますので、その周知・啓発を行うこと。また書きの所ですが、自殺総合対策においても勤務問題における自殺対策として、長時間労働の是正が盛り込まれている点についても、併せて周知・啓発を行うこととしております。さらに最後のパラグラフですが、地方公務員の勤務条件については、人事委員会等が監督指導の徹底に努めるということを記載しております。

(4) 過重労働については、 20 ページのまた書きですけれども、過労死等のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないという点から、産業医による面接指導など、労働者の健康管理を強化するための取組が必要だということで、その推進を記載させていただいております。

(5) 勤務間インターバル制度についてです。 4 行目以降ですが、 EU 加盟国では勤務形態の特殊性などから様々な業務において適用除外となっていますが、 1 24 時間につき最低連続 11 時間の休息時間の確保を義務化していることを参考に我が国の実情も踏まえながら有識者検討会で検討していただき、勤務間インターバル制度の導入に向けた取組を推進することとしております。

(6) 企業への働きかけについては、引き続きポータルサイトによる情報発信を進めてまいります。 (7) メンタルヘルス対策に関する周知です。ストレスチェック制度で努力義務とされている労働者数 50 人未満の小規模事業場においても実施されるよう周知・啓発を行っていきます。下から 2 行目の「さらに」という所ですが、「自殺総合対策大綱」における勤務問題による自殺対策として、メンタルヘルス対策の推進が盛り込まれている点についても、引き続き周知・啓発を行っていくということです。

22 ページの (8) パワーハラスメントの予防です。また書きの所にありますように、平成 30 3 月に「職場のパワーハラスメントの防止対策についての検討会」で報告書が取りまとめられておりますので、実効性のある職場における防止対策について必要な対応を検討していくこととしております。なお書きですが、顧客等からの著しい迷惑行為が大きなストレス要因になっているという御指摘もありますので、そういったものの実態把握をした上で、必要な対応を検討していくこととしております。次のなお書きですけれども、「自殺総合対策大綱」における、勤務問題による自殺対策としては、パワーハラスメントのみならず、セクシャルハラスメント及び妊娠・出産等に関するハラスメント防止対策が盛り込まれていることにも留意しながら、周知・啓発を行っていくこととしております。

(9) 商慣行・勤務環境等を踏まえた取組の推進です。また書きの所ですが、業種の枠を越えた取組を進めるべく事業主団体・経済団体による「長時間労働につながる商慣行の是正に向けた共同宣言」が行われております。こうした動きを踏まえ、各業種について具体的に以下、 23 ページに記載させていただいております。

 まず、ア . トラック運送業です。第 2 パラグラフの後段、トラック運転者の長時間労働の是正には、トラック運送事業者側のみの努力では解決が困難な面もありますので、発注者との取引関係の在り方も含めて改善を図っていくということで、現在「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」において、その議論が進められております。その進捗状況に合わせた取組を進めていくこととしております。

 イ . 教職員です。 4 行目以下にありますように、中央教育審議会において、「学校における働き方改革に関する緊急対策」が示されておりますので、特に勤務時間を客観的に把握し、集計するなどの勤務時間管理の徹底、業務の役割分担などについて、着実に取組を実施していくこと。

 ウ . 医療です。「医師の働き方改革に関する検討会」が設置され、議論がされております。 24 ページの 8 行目以下ですけれども、当面は「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」に示されている医師の労働時間管理の適正化に向けた取組、 36 協定等の自己点検の周知徹底を図ることとしております。

 エ . 情報通信業については、長時間労働の削減に向けた課題の抽出や支援策等について現在、検討委員会を設置して検討しているところです。併せて、業界団体において、月ごとの残業時間やテレワーカー比率のフォローアップを目標として掲げて取り組んでおられますので、こういった業界団体等を通じた取組を促すこととしております。

 オ . 建設業です。 3 行目以下ですが、発注者を含めた協議会や関係省庁連絡会議を設置し、議論が進められております。その中で、公共・民間工事を問わず、建設工事に携わる全ての関係者が守るべきルールを定めた「適正な工期設定等のためのガイドライン」が策定されておりますので、引き続き周知・徹底を図っていくこととしております。

25 ページに、カ . その他として、重層下請構造や長時間労働の傾向が見られるメディア業界については、その特殊性に応じた取組を進めていくこととしております。また書きとして、白書では、外食産業の労働者は客からのクレーム等に苦慮することが、「よくある」「たまにある」という回答が 4 割にのぼっているという状況もありますので、これらにも配慮することとしております。

(10) 公務員に対する周知・啓発については、一番最後の「さらに」の所ですけれども、国家公務員、地方公務員の公務災害の実態について情報提供を進めながら、相談窓口についても周知を行うこととしております。

3 の「相談体制の整備等」の (1) は、平日夜間・土日も窓口を開いて「労働条件相談ほっとライン」で対応しております。こういった取組について、引き続き相談体制の整備を図っていくこととしております。

26 ページの (4) 公務員に対する相談体制の整備についてです。国家公務員については人事院が主体となり、地方公務員については、人事委員会あるいは地方公務員共済組合が取組を行っております。特に、地方公務員については相談窓口の充実等を働きかけることとしております。

4 番の「民間団体の活動に対する支援」です。 (1) 過労死等防止対策推進シンポジウムについては、引き続き、全ての都道府県で毎年 1 回はシンポジウムを開催することとしております。 (2) シンポジウム以外の活動については、平成 28 年度からは国が民間団体と連携しながら、過労死遺児交流会として実施しております。これらについては引き続き国の事業として毎年開催し、白書等において積極的に情報を発信していきたいと考えております。

 第 5 「国以外の主体が取り組む重点対策」は、 29 ページです。まず 2 番の「事業主等の取組」です。また書きにありますように、事業主団体・経済団体は、個々の事業主では改善が困難な長時間労働につながる商慣行の是正に向けた取組を推進していくということで、主体的な取組を記載させていただいております。

 さらに 30 ページ、 3 番の「労働組合等」です。労働組合も、職場実態を一番把握していることから主体的に取り組むべきであり、事業主への働きかけなどを推進していくということを記載しております。さらに最後の行ですが、労働組合のない労働者に対する周知・啓発等にも取り組むということで、主体的に取り組むことを記載させていただいています。

 先ほど数値目標を御説明した際に、具体的なデータを御紹介しておりませんでしたので、資料 3 をお願いいたします。資料 3 は、前回も提出した資料をリバイスしたものですので、今回、新たに加わった所を御説明申し上げます。資料の 8 9 ページです。まず、年次有給休暇の取得率です。「正社員の年次有給休暇の取得率」という 8 ページの資料は、労働政策研究・研修機構の調査です。取得率 0 %というのが、 16.1 %という割合の労働者がいらっしゃいます。なお、ここには記載しておりませんが、年休付与日数 0 は、 11.3 %という調査結果です。 9 ページは、厚生労働省の委託事業で行った調査結果です。上段の表のですけれども、年次有給休暇の取得日数 0 日が全体の 34.5 %を占めているという状況です。下の表は参考として、新規付与日数を記載しております。新規付与日数 0 日は、全体の 23.6 %の労働者が該当していたという結果です。

 次に、インターバル制度の関係で 14 ページです。勤務間インターバルの導入状況の割合については、「就労条件総合調査」を紹介しております。まず全体として、導入している企業は 1.4 %となっております。導入している企業については、下のほうに、注書きを書いておりますが、労働協約、労使協定、就業規則に当該制度が定められているものであり、慣行で行われているものは除いています。運輸業や宿泊業・飲食サービス業などでは、「導入を行っている」「今後は検討する」という所が多くなっているというのが見られます。

15 ページです。「実際の終業時刻から始業時刻までの間隔が 11 時間以上空いている労働者の状況別企業割合」をお示ししております。全体でほとんど全員、若しくは全員が 11 時間以上空いている労働者の割合は、約 7 割あるという状況です。下のほうに注書きを書いております。設問として、「 1 年間を通じて、実際の終業時刻から始業時刻までの間隔が、 11 時間以上空いている労働者はどれぐらいいますか」と聞いているものです。とりわけ、宿泊業、運輸交通業などにおいては、この割合が少なくなっている所が見られます。

 次のページが、「勤務間インターバル制度を導入していない理由別企業割合」の状況です。勤務間インターバル制度を導入してない企業の中で、 40.2 %が「当該制度を知らなかった」と回答した企業となっております。特に 30 99 人の小規模事業場において、その割合が高くなっております。青枠で囲ってあるのが、「超過勤務の機会が少なく、当該制度を導入する必要性を感じないため」と回答した事業場であり、全体で 38 %となっています。とりわけ、金融・広告業、製造業などにおいて高くなっております。緑色のマルで囲っているのが、「夜間も含め常時、顧客や取引相手の対応が必要なため」と回答した企業です。これについては、電気・ガス業あるいは宿泊業などにおいて割合が高くなっているという状況をお示ししております。

 最後に 17 ページです。新たな重点対象業種として、メディア業界、建設業界を掲げております。全業種平均に比べ、週 60 時間以上の雇用者の割合がどのような状況かをお示ししております。建設業については、全業種平均の 7.7 %に比較しますと、 10.6 %という状況となっております。また、一番右側に 3 つの棒グラフがあります。これはいわゆるメディア業界として、私どもが考えている範囲です。ラジオ・テレビなどの「放送業」、真ん中の「映像・音声・文字情報制作業」というのは新聞・出版業等で、それに加えて「広告業」などが、その範囲です。いずれも 10 %を超える高い割合となっていることが分かるかと思います。私からは以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。それでは、先ほど申し上げた順番に従いまして、まずは数値目標以外の大綱の見直し案全体につきまして、御意見あるいは御質問等を頂きたいと思います。御意見を頂く際には、見直し案のこの部分の記載は、こう修正又は追記したほうがよいというような形で、大変恐縮ですけれども、具体的なページ数等をお示しいただきながら、御意見あるいは御質問を頂ければと存じますのでよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

○八野委員 今後過労死等の防止対策を考えていく上で、 1 つは人口減少や生産年齢人口が、今後急減するということは皆様御承知のとおりであり、今人手不足感であるとか、採用難であるということが現象として起きているわけです。

 また、これからどう進展するかということはありますが、 AI IOT 、ビッグデータというようなものが入ってきたときの業種・業態の変化を、今度はそれを働き方ということで捉えたときに、やはり労働力不足による過重労働であるだとか、そのマネージメント上での過度な指示であるだとか、そういうものがハラスメントにつながるというようなことがあるのではないでしょうか。この大綱の中で見ていきますと、現状と課題の中にでも入るのかもしれませんし、様々な課題ということで入るのかもしれないのですが、その点を大綱の中で触れなくていいのか、私としては触れたほうがいいと思っています。もちろん白書の中では、その点をきちんと記載していくことになると思うのですが、この課題が 1 点です。

 もう 1 つは、資料 2-2 22 ページに関係してきます。 22 ページの所で、パワハラの防止対策検討会の報告書の中から抜すいされた文章で、なお書き以降の所、必要な対応を検討していくというような所に、「顧客や取引先からの暴力や悪質なクレームなどの著しい迷惑行為については、労働者に大きなストレスを与え、無視できない状況になっている」ということが出ております。

 私は UA ゼンセンに所属しておりまして、そこでも調査を実施したのですが、 5 万人のアンケートの回答者、これは流通業が中心ですが、お客様とか消費者から暴言を受けたという人たちが、実はもう半分いるのです。それ以外にも何回も同じ内容の繰り返しのクレームを受けたとか、長時間の拘束を受けたとかいうことで、これは私たちも調査を実施してみて、実は組合員又は働いている人たちの反応に驚いたところがあります。

25 ページの所に、その内容が「その他」のところで入れていただいております。ただ、「外食産業の労働者は、客から」というのはかなり上から目線の表現だと思いますので、これは「お客様」と書いた方が良いと思います。外食産業が過労死を多く発生していると指摘がある職種・業種ということでアンケート調査が行われ、この数字が白書の中にも掲載されています。これを見てみますと、外食産業に集中していると、文章的に見られてしまうところがありますが、実は、これはサービス産業全体に行き渡っているところがあると思います。

 例えば、小売業では先ほど言ったような状況がありますが、介護をされている方又は教育をされている方、交通・運輸関係者、航空関係者の方たちが、乗客などから暴言暴力等を受けている現状があります。ですので、文章的にサービス産業中心に一部の消費者及び生活者から不当な要求を受け、日常の仕事に支障が生じ、労働者に大きなストレスを与える事例も散見され、問題になりつつあることから、取組に当たっては、そうした点にも配慮する必要があると思っております。以上、 2 点です。ありがとうございました。

○岩村会長 ありがとうございました。 1 点目については御指摘ももっともなのですが、他方で AI とか IOT というのは、今後どのように発展していって、それが労働力不足との関係でどういう影響を与えるかというのは、今、例えば厚労省でも、審議会等や労働政策基本部会でも議論していたりするので、何か読めない所も結構あるかなという気もします。その点を事務局とも相談して考えてみたいと思います。

 最近、報道された例では、保育所の入所調整で AI を使って試みたところ、劇的に時間が節約できたということもありますので、それによって働き方そのものが変わるという可能性もありますから、どういう形で入れ込むかというのは、ちょっと考えてみないとという気はいたします。

○八野委員 確かに今、すばらしい事例というのが脚光を浴びるので出てくると思います。それが浸透していけばいいとは思っています。どちらかと言うと、今の生産年齢人口は 15 歳からとなっていますが、平均の 20 歳ぐらいからと見たとき、生産年齢人口はさらに減少するわけです。そのような統計を見たとき、本当の人手不足感だとかは、まだ拡大基調のところもあります。そちらのほうが実は過労死、過労自殺、過重労働につながっているというような捉え方が、今、私たちがここで議論しているのは過労死等防止対策なので、そちらのほうが重要なのではないかということをお伝えしておきたいと思います。

○岩村会長 御説明ありがとうございます。

○森岡委員 今、八野委員がおっしゃったことに関連しますが、調査・研究の課題というのがあって、対策というのは具体的なものとしては、もう 1 つ見えてこない、そういうきらいが強い大綱なのですが、法の構成がそうなっているから致し方ないという面があります。しかし、調査・研究の課題としても重要な問題が幾つか落ちているのではないかと思います。 AI のことも出ましたが、例えば海外の労働時間制度で、ごく最近では韓国の新しい勤務時間制度がスタートするということになっています。これは日本で今、議論されていることに比べると、かなり前進的な改革だと評価できますが、韓国では感情労働についても議論があって、法的な仕組みもできていると聞きます。

 それからフランスではモラルハラスメントを防止する法的仕組みもあるなど、海外のハラスメント防止対策については調査研究する。情報化との関連で言えば、例えば会社からメールが来る、それをいつでも取らなければならないような環境になっている実態があるが、労働者にはそれを遮断する権利があるという議論もあります。海外におけるその辺の議論も踏まえた調査・研究は今後の課題として残っていると思います。

 それで、疫学的研究と社会面実態調査と、これはこれで一定の大きな資金を厚労省で予算を組んで実行していると理解していますが、しかし、その 2 つでは捉え切れない調査・研究の課題があって、今言ったグローバリゼーションの影響とか、あるいはそれこそ具体的なハラスメントの広がりをどう捉えるかというようなことと、その防止の仕組みを海外ではどのように構築しているかということについての調査・研究なども含めて、もう少し調査・研究の在り方を多面的に検討していく。大綱には、具体的に例示することは難しくても、方向性だけでもどこかにうたっておく必要があるのではないかと思います。

○岩村会長 貴重な御指摘をありがとうございます。

○寺西委員 全国家族の会の寺西です。どこのページというわけではありませんが、基本的な考え方ということで意見を述べたいと思います。この度の大綱に当たっては御承知のとおり、施行されて 3 年が経つのですが、ただいま事務局から改定案の御提示がありましたけれども、この 3 年間の取組が進んだにもかかわらず、資料 3 の大綱における数値目標に関わる参考データを見る限り、目標に対する実績は芳しくありません。

 また毎年、厚生労働省が公表されている過労死、過労疾患についても増え続けており、私たちは被災者が増えていることで心を痛めているところであります。特に精神障害の労災申請者数は、平成 21 年度から 1,100 人を超え、また平成 27 年度から 1,500 人を超えているという、本当に凄まじい勢いで増えていて、毎年、過労死予備軍といわれている人たちの数が、顕著に表われているところであります。ここで考えていただきたいのは、過労死等の実態は過労死防止の取組が進んでいるのに過労死に歯止めが掛からず、劣悪な環境が放置されていることです。このギャップが問題になっているかと思います。

 そこで、これまでの調査研究、啓発をメインにした大綱から、調査研究で得た知見を過労死等の防止の具体策に活かした新たな大綱に改定すべきと考えます。基本的な考え方としまして、法律の名にふさわしい対策ということ、また大綱の中にも対策という文言が入っております。この対策の基本的な考え方ということで、この 4 本の枠組みに対策というものを位置付けていただきたいと考えています。

 更に発展するために、どこの場所といわれますと、ちょっとページが総説のために的確に申し上げられないのですが、内容については労働時間の把握であったり、またパワーハラスメントであったり、過重労働の対策について、そうしたものを、この対策という枠組みの中に入れていただきたいと思っています。これにつきましては、資料 2-2 の最後の 31 ページの 3 「大綱の見直し」に示されているように、社会経済情勢の変化、また過労死等をめぐる諸情勢の変化、この大綱に基づく対策の推進状況をふまえ、おおむね 3 年を目途に必要があると認められるときには見直しを行うとのことです。

15 ページの「国が取り組む重点対策」に、調査研究、啓発、相談体制の整備、民間団体の活動支援などの 4 本の枠にプラス「対策」という枠を是非、入れていただきたいと考えているところであります。これにつきましては、大綱の見直しに書かれている論点に矛盾するものではないと考えますので、是非、前向きに検討していただきますよう、私からの意見として申し上げます。よろしくお願いいたします。

○岩村会長 御意見として承っておきたいと思います。

○川人委員 何点か意見を述べたいと思います。まず、 22 ページに関するパワーハラスメントに関連することです。このページに限らず、ほかにも 4 5 ページ、 8 ページなどに、パワーハラスメントという言葉が出てきます。いわゆるパワハラが非常に重要な問題であるということで、これについての言及がされているというのは大変重要なことではあるのですが、他方、比較してセクシャルハラスメントに対する記載が数少ないという問題があります。

 それで、私どもの様々な相談活動等でも、パワハラ・セクハラが併存する形で、これらが複雑に絡まるような形でのハラスメント行為というのが多く、その中で精神疾患を罹患したり、あるいはひどい場合には死亡にも至るということがあるわけです。そういう点から見ますと、この大綱全体として、小見出しのタイトルもパワハラという言葉が多いということもあり、もし相対的にセクハラの問題が軽視されていると受け取られると大変よくないと考えられます。

 したがいまして、文章中の表現の問題ですが、パワハラの問題についてきちんとした取組、あるいは調査を行うということと併せて、セクハラあるいはその他、妊娠や出産に伴うハラスメントを含めて重視するということを明確にする必要があると。そういう意味では、上位概念であるハラスメントを予防・解決するという、文章中に幾つか出てくるパワハラという言葉を使った所は、ハラスメントという表現にしたほうが適切ではないかと思う所がありますので、この辺りを事務局等において検討していただきたいと、これが 1 点です。

2 番目に、 7 8 ページの (8) 課題の後半の所なのですが、この表現は誤解を招く表現なので修正していただきたいと思います。「また、就業者の脳血管疾患、心疾患、大動脈瘤及び解離による死亡者数は、 60 歳以上が全体の 7 割以上を占めているものの、脳・心臓疾患により死亡したとする労災請求件数と大きな差がある」と。この文章は、 60 歳以上の脳・心臓疾患は過労死ではないという思考を前提にした文章表現とも読み取れる。つまり、「 60 歳以上が全体の 7 割以上を占めているものの」という表現です。

 したがいまして、現在、 60 歳以上でフルタイムで働いている方々は大変多く、その中での過重労働によって過労死に至るという例が少なくなく、実際にそういう労災認定例も生まれているわけであります。今後とも 60 歳以上のフルタイムの労働者が増える傾向にあることは周知のとおりであり、この表現については誤解を生むと思いますので、事務局のほうで検討をしていただきたい。

 最後に公務員の問題について、文科省の方が途中で退出されるということもありますので、申し上げたいと思います。これは質問を兼ねた意見ですけれども、 23 ページに、イ . 教職員という項目があります。ここで文科省の取組について書かれています。この間、文科省が様々な形で過労死防止に向けて、あるいは教員の長時間労働の改善に向けて努力をされているというのは存じ上げているのですが、是非、今後の課題の 1 つとして、これまでの教職員の労災認定事案の分析をきちんと行い、そこから生まれる教訓を様々な行政の働き方改革に生かしていただきたいと思うわけであります。

 既に多くの事案について、民間については労基署の労災認定事案の分析、あるいは不認定の事案も含めて詳細な分析が行われているわけですが、私の知っているところ、公務員、教員については、それらの課題がまだ行われていないと思います。是非、これまでの公務上災害の手続がされた事案の分析を、今後の活動に生かしていくための取組を行っていただければと思います。今、行っているのであれば、その辺りをお知らせいただきたい。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。まず脳・心臓疾患の所は、資料 2-2 8 ページの第 2 段落だと思います。それから、今、おっしゃったのは、 23 ページのイの所かと思います。第 1 点については、ハラスメントをどのように全体として位置付けるかという話でもありますので、これはまた事務局とも相談させていただきたいと思います。

 それから第 2 点の趣旨は、一般的な死亡原因としての脳・心臓疾患というのが、実際に 7 割で、就労者のものですね。しかし、労災請求件数としては、そんなに出てこない。そのことはなぜだろうということについて、分析をもっとやったらいいのではないでしょうかという、そういう指摘だったと私は理解したのですが。

○川人委員  60 歳以上というのをここから書くというのは、つまり労災で、脳・心臓疾患は、 60 歳以上の人が 7 割以上占めている。ですから脳・心臓疾患の統計でたくさんの人が亡くなっていたとしても、それは 60 歳以上の人のことであるということが、この文章の背景にあると読んだので、そういう意味で指摘しました。

○岩村会長 そうですか、ただ、多分 60 歳以上というところの表現ぶりは、少しまた検討したいと思います。

○総務省自治行政局公務員部吉武安全厚生推進室長 地方公務員の公務災害認定事案の分析については、平成 28 年度において地方公務員全体の分析を行いました。その中において、義務教育学校職員という区分で分析を行い、例えば精神疾患で公務災害と認定された方の要因で、住民等との関係が一番多かったなど、要因分析は一定程度して、文部科学省にも情報提供したところです。

 今、委員がおっしゃったようなこともありますので、学校の教職員に限った調査、更に詳細な調査・分析というものを現在、行っております。まだ最終的なものになっておりませんが、また結果がまとまれば、皆様にお示しできたらと思っております。よろしくお願いいたします。

○前川委員 先ほど川人先生のほうからも、 23 ページの教職員についての御意見があったと思うのですけれども、私も「学校における働き方改革に関する緊急対策」というのを読ませていただいたのですが、私たち遺族が心配しているのは、誰がどのように具体的に進めていくのか、若しくは、これが実現可能なのかというところが見えてこないという所が、非常に危惧される部分です。それは多分、遺族だけではなくて、現場の先生方の思いでもあると思っています。

 当たり前なのですけれども、人間は無限には働けない、先生方の命を守ることが未来を作ることにもつながるのだという認識を持っていただいて、共通の理念が子供たちの健全な育成という意味では、みんな思いは一つだと思うので、そこに向かって改革が実現可能なのだという認識の下に、それぞれの場所で、きちんとした連携を取って確実に成果を出していただきたい。できれば給特法の問題などにもきちんと向き合って結果を出していただきたいということを心から祈っています。

 これはただの意見なのですけれども、国家公務員と地方公務員のことについて資料を見せていただいたのですが、 6 7 ページに実際の脳・心臓疾患の件数などが記載されているのですけれども、特に国家公務員の件数がとても少ないところが非常に気になっています。 5 件などという件数では、多分、全然ないのではないかと思っています。

 人事院の白書を見せていただくと、平成 27 年の精神疾患での長期休養者 3,295 名と数字も出ていて、これ全部とはいわないまでも、 10 分の 1 でも、もしかしたら労災の公務災害の対象なのではないかと思うのです。普通に考えたら多分そういうことだと思うので、できれば実際の周知徹底が、この中にも「周知徹底する」と文言は出ているのですけれども、周知徹底をもっとしっかりしていただいて、実際の公務災害の請求というところに至るまでの結果を是非、出していただきたいと思っています。

 あと、個人的に調べて見付けられなかったのですが、国家公務員の方の在職中の死亡者数というのは、どこかに載っている所はあるのでしょうか。

○岩村会長 分かりました。それでは、人事院なりで、お答えが可能であればよろしくお願いいたします。

○人事院職員福祉局阿部補償課長 今、過労死について公務災害の認定の件数が少ないのではないかという御指摘を頂きましたが、一般職の国家公務員については、各府省が実際に公務災害の認定をしていますので、過労死についても、人事院で集計した各府省の認定件数を、そのまま載せています。

 前川委員の御指摘の背景としては、公務災害に関する相談・周知がしっかりとなされていないのではないかということがあるのかと思いますが、これについては委員からお話がありましたとおり、 25 ページの (10) で、公務員に対する周知・啓発の実施というのがあり、最後の「さらに」以下の所に、「国家公務員、地方公務員の公務災害の実態について情報提供を進めるとともに、補償制度や公務災害に関する相談窓口について周知を行う」という件が入っております。

 これについては、公務災害ではないかと思った被災職員の方々が相談するのは、実際に認定を行っている各府省の公務災害担当者になると思いますので、まずそちらのほうに相談することになるかと思います。また、どこの府省に相談していいか分からないということになると、私ども人事院補償課に相談していただくことになると思いますので、私どもの連絡先も含め、人事院のホームページに掲載しています。相談窓口については、しっかり周知を行うということですので、周知の仕方について、今度とも各府省と相談してまいりたいと思います。

○前川委員 わたくしどもの東北の会にも、過労自死された国家公務員の方のお母さまが、公務災害申請の相談にみえていたのですが、申請手続きのあまりの難しさに絶望し、あえなく命を絶たれたケースがありました。手続きの困難さが被災者家族に大きな負担になっていること、それが実際に二次被害を生み出しているという現実を皆様に分かっていただきたい。ここに書かれているのはすごく小さな文章ですけれども、そういう私たちの思いを、皆さんが背負っているという自覚を是非持っていただければと思います。

 個人的にも、そのお母さんの娘さんは、うちの息子と同じ年だったのです。今も元気で頑張っていますけれども、その後も元気でいられるかというのは非常に難しい問題だと思いますので、是非よろしくお願いいたします。

○川人委員 先ほどの最後の質問にまだ答えられていないと思うのです。在職中死亡の総数の質問があったと思います。

○岩村会長 人事院のほうでお分かりでしたらお願いします。

○人事院職員福祉局清水健康安全対策室長 在職中の死亡者数については、例えば、年報などを確認の上で、お知らせさせていただきます。

○岩村会長 そのようにお願いいたします。宮本委員どうぞ。

○宮本委員  2 点ほど意見を述べさせていただきます。本日の資料の 15 ページ、あるいは 17 ページに出てくるのですが、現在「過労死等調査研究センター」という名称があります。実際に過労死事例、これからは過労死にならなかった事例も含めて調査研究を進めるということで多大な効果を上げていることは論を待たないところです。

 他方で森岡委員からもお話がありましたように、これから未来に向かってということで予防策などを考えていくときに、この名称だと実態調査で終わってしまうような感があります。例えば予防対策の調査という点で、この名称を名乗ってどこかへ行っても、過労死を調査しに来たみたいに見られる可能性もあります。実際には予防策とか、我々の願いである、これ以上過労死を出さないというところに向かって調査研究を医学的に進めていくことを考えると、この「過労死等調査研究」を、例えば「過労死等予防調査研究センター」などのように、未来指向型の名称を入れたほうがよろしいのではないかと思います。名称については、ここの大綱に書かれている内容でもありますので、早急に決めなければいけないものとは思いますが、実際にそこで調査研究に携わっている方々の思いもあろうかと思いますので、調査されてみてもいいかと思うのです。是非、名称を未来指向型にできないものかという意見を述べさせていただきます。

 もう 1 つの意見は、 13 ページあるいは 20 ページにありますが、 13 ページの上のほうでいくと、過重労働をされた方とか、メンタル不調等でリスクが高い方に、「医師による面接指導や産業医・産業保健スタッフによる健康相談等が確実に実施される」というのが 13 ページです。 20 ページの上のほうの赤い字で書いてある所も同じようなことで、「産業医による面接指導や健康相談等が確実に実施される」というのは、もちろんそのとおりで、法文にも書かれているところです。他方で考えると、産業医を専属、あるいは専門としておられる方は日本ではそう多くはなくて、大多数は開業医、あるいは勤務医が本来業務の合間をぬってやっていただくというか、掛け持ちをしてくれています。御案内のとおり、医師は応召義務等もあって、そもそも過重労働にもなっている方々が、その合間をぬってやる中で、どんどん仕事が増えてくる実態もあります。

 これは、産業医の契約の仕方が悪いところもあるのかもしれませんが、「労働安全衛生規則第 14 条、第 15 条に規定する業務」という契約をしていると、法改正のたびにそちらの業務が膨らむけれども、契約書の内容が変わらないと、同じ時間と同じ契約金の中でどんどん仕事が増えるとか、高密度になっていくという矛盾があります。何かを諦めないと、この時間に収まらない。さりとて捨てていい仕事というのはどうやって見付けるのだというのも実際問題としてあるわけで、非常に苦渋を強いられるというのがあります。

 実際に産業医でなければいけないところとか、医師でなければいけないところはもちろんあると思うのですが、例えば、急を要する場合は産業医の出務を待たずに保健師でいいとか、逆に緊急性が乏しそうなものも保健師でいいとか、心理職を使うとか、あるいは衛生管理者が必ず職場に専属でいるので、そちらを使うとか、何か産業医以外で代替できるところはそういう機能を分散させる。何もやらないというのが一番悪いと思いますので、何かやらなければいけないけれども、誰もできないという事態を防ぐ代案を考えられないかと思います。こちらも大綱に文言が入っていますので、何か工夫ができないかという意見です。対応をお願いしたいと思います。

○岩村会長 貴重な御指摘だと思います。次に輪島委員どうぞ。

○輪島委員 資料 3 2 ページの目標 3 ページの目標ですが、大きな方向性として、政府目標に向かって動き出していると評価することができると考えております。 4 ページの目標では、目標自体はメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合が 80 %です。私どもの会員企業では、いろいろ聞いていると、取り組んでいる企業が多くなってきていると感じていますが、統計的には少し減っています。実感するところと、統計数字が少しずれているのではないかという残念な感じがします。その点はどのように分析しているかを 1 点お聞きしたいと思います。

2 点目は 15 ページの勤務間インターバルの統計で、の調査計の一番左の 9.2 %ですが、回答は全くいないということなのです。そうすると、 11 時間空いている人が全くいないというように読むと、結構危険だと思うのです。全くいないという趣旨は、どのように理解すればいいのかを教えてください。数値目標での勤務間インターバルについては、後ほどもう一度発言できればと思います。

 資料 2-2 14 ページです。先ほど紹介がありましたが、特に、第 3 の年次有給休暇の取得日数が 0 日という者が 16 %で、今、私どもも働き方改革関連法案の労働基準法関係について説明をしています。この 16 %とされている取得 0 日という人を少なくとも 5 日取得しなくてはならないようにするわけです。これは大変な努力が必要なので、企業側に真剣に取り組んでほしいとお願いしているところです。

 課題は、管理職の方だと考えています。その点で、経団連としての取組ですけれども、年次有給休暇と長時間労働是正に関して、それぞれ企業独自に KPI ということで数値目標を立てていただいて、その数値目標に向けてどのような活動をするのかということを、それぞれ企業ごとに決めていただくというお願いをしています。今週、経団連のホームページで、それを公開しております。今は 200 社程度が載っておりますので、その点も各社いろいろな取組があるので、そのようなところを浸透させていきたいと考えています。

14 ページ、 15 ページの数値目標の 4 番、 5 番、 6 番は、労働政策審議会で決まった第 13 次労働災害防止計画の内容だと理解しております。労使が入ったところで決めた内容と評価しています。私からは以上です。

○岩村会長 御質問の点についてお願いします。

○久知良計画課長  1 点目のメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合について、この調査は実感よりも低く出ているのではないかという御指摘でした。この調査自体は、小規模事業場まで含めた調査です。したがって、大規模事業場ということで見ると、相当な比率で取組をやっておられる実態がありますが、小規模事業場までを含めてオールジャパンで見ると、このぐらいの数字になってくるのが実態です。そのため、私どもも、 13 次防の中でも、そういう小規模事業場に向けた周知もきちんと進めていかなければならないということにしています。

○岩村会長 輪島委員よろしいですか。

○輪島委員 はい。

○岩村会長 もう 1 つをお願いします。

○村山総務課長 資料 3 15 ページですけれども、この統計調査に関しては、前回も中川委員からも、設問がどのようになっていて、こういう回答になっているのかをきちんと見る必要があるのではないかという御示唆を頂戴したところです。本日は 15 ページの一番下に設問をお付けしております。設問は、「 1 年間を通じて実際の終業時刻から始業時刻までの間隔が 11 時間以上空いている労働者はどれぐらいいますか」とした上で、「 11 時間以上空いている」の所に ( ) を付して、「 11 時間空いているとは、平成 28 1 年間の全ての勤務日において 11 時間以上空いている」ということになっています。

 先ほど輪島委員からも御指摘がありましたように、これがずっと 11 時間空いていない状態が続いているということだったら大変な問題だと思います。例えば、業務の繁閑があって、忙しいときには空いていない、しかしそうでないときもあるという方であっても、この場合には空いていることにはならないということになります。例えば、小規模の企業で、全体にどこかは忙しいという企業であれば、この選択肢の上では全くいないということになるということを御理解いただければと思います。

 もちろん限られた調査の時間内で御回答いただくものですので、そこのところの精査等についてはいろいろな御意見があるかもしれませんが、質問票の項目としてはそのようになっているということで御理解いただければと思います。

○輪島委員 よく分かりました。確認ですけれども、 1 事業場で 1 人の労働者がいても、それが 11 時間空いていなければ「空いていない」「全くいない」という回答が出てくる。全体が非常に多忙で、常に空いていないということではない。

○村山総務課長 就労条件総合調査は 30 人以上規模の企業に対する調査ですので、 1 人、 2 人ということの限界的事例はどうかというところはあるだろうと思います。その上で、例えば 30 人の労働者の方々がいて、それらの方々が 1 日でもどこか空いていない状態であれば、この調査票の設計からいうと、全くいないということになります。実際にどの程度、精査の上でお答えいただいているかは統計調査の現場の話ということで御理解いただければと思います。

○岩村会長 ついでに私からも質問なのですが、対象としている労働者というのは、フルタイムの人だけなのか、パートまで入っているのか、そこは設計上いかがでしょうか。

○村山総務課長 すみません、正確に精査の上、別途の機会にお答えさせていただきます。

○岩村会長 「数値目標の議論に入ったのですか」とのお声があがりましたが、数値目標はもうちょっとお待ちいただければと思います。今のやりとりは数値目標そのものの議論でも必ずしもないと理解していました。それでは、岩城委員どうぞ。

○岩城委員 過労死が多発している業種について、幾つかの重点業種について特に調査研究対策が講じられており、大変結構だと思います。一方で、労働者の属性に応じた防止対策が必要なものもあるのではないか。以前から若者対策については言われておりますが、私は高齢者と障害者の問題について少しお話をします。

 川人委員の先ほどの発言にもありましたが、近年、終身雇用や年功賃金制が揺らぎ、 45 歳以上の中高年齢者になっても若い人たちと同じように働く、また働かざるを得ない社員が増えております。また、高齢者雇用安定法の下で、定年後の継続雇用、再就職などにより、 55 歳の高年齢者になっても働く人が増えています。中高年になると、心身の能力が低下し、また高血圧、血糖値、脂質など様々な基礎疾患や既往症を持つ人が多いわけですから、過重労働やストレスへの耐性が若い人よりも一般に低いと考えられます。

 労働安全衛生法62条が、「事業者は中高年齢者その他労働災害の防止上その就業に当たって特に配慮を必要とする者については、これらの者の心身の条件に応じて適正な配置を行うように努めなければならない。」としているのも、そのような知見に立ってのものだと思われます。

ところが、現行の過労死認定基準では、 20 代の若い労働者と 50 代、 60 代、 70 代といった中高年齢者が、同じ 100 時間、 80 時間という基準で判断されております。

 私が担当した事例で、 56 歳の方が 4 か月平均で 74.5 時間の時間外労働があったケースでは、 80 時間に至っていないということで労災と認められなかった例があります。今回の大綱素案では、中高年齢者についての記述は特に見当たらないように思いますが、加齢と労働時間、夜勤や交替制、不規則勤務の健康への影響、精神的緊張やストレスの強い業務の中高年齢者への影響について、今後調査研究がなされ、また対策が講じられる必要があるかと思います。

 また、障害者についても、今回の大綱素案では特段の記載はありませんが、障害者自立支援法の改正によって、働く意欲と能力がある障害者が企業等で働けるよう支援がなされております。また、障害者雇用促進法の改正によって、法定雇用率が引き上げられ、障害をもちながら働く人が増えてきています。一口に障害と言っても、身体障害もあれば、知的障害、精神障害もあり、それぞれ様々な種類があります。いわゆる等級や障害者手帳をお持ちの方もいれば、お持ちでない方もいます。就労制限がされている方もいれば、されていない方もいます。

 しかし、仮に就労制限がなされていなくても、通常の 8 時間であれば問題なく働けるが、それを超えると身体への負荷が健常者よりも強くなる可能性は十分にあるかと思います。昨日の全国紙で、ある県教委で先天性の難病である骨形成不全症を患い、障害者枠で採用されていた女性が月 125 時間の時間外労働をして倒れたというケースで公務災害を申請したことが報道されていました。 125 時間というのは、健常者でも過労死ラインを超える時間外労働ですので論外ですが、例えば 70 時間や 65 時間といった場合でも、当該障害者にとっては、健常者以上に大きな負荷になる可能性があります。障害者雇用促進法は雇用主に対し、障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならないとしており、合理的配慮、体調への配慮といったものが必要とされております。そこで障害の種類と労働時間、夜勤交替制、不規則勤務などの影響、精神的緊張やストレスの強い業務との関連性についても、今後、調査研究等の対策が講じられる必要があると思います。今からこの大綱の中に入れるのは簡単ではないと思いますが、今後の対策につながる形の記述を御検討いただければと思います。

○岩村会長 西垣委員どうぞ。

○西垣委員 全国過労死家族の会の兵庫代表の西垣です。要望や意見について 3 点お願いいたします。 1 点目は、若年労働者への対策についてです。資料 2-2 6 ページには、精神障害において労災支給決定件数が、 20 代、 30 代で多いとの記載があります。その他のページにも、若年労働者についての記載はあちらこちらにあります。また、日本生産性本部調べが最近出ました。心の病を患う若手社員急増という 2018 年度の調査です。この 3 年間で 10 %上がって、企業の 27 %が 10 20 代が心の病が最も多いと答えているということです。恐らく即戦力として重い責任を任せられる等の問題を抱えているのではないかと思います。

 また地元の兵庫では、 20 歳の青年がパワハラ、過重労働で自死されました。 28 歳のパン屋の社員は、過労運転事故で亡くなられました。引き続き若年労働者についての調査は必要でありますが、今この若年労働者への対策を早急に具体的に提起して、若年労働者の過労死を減らすことが急務ではないかと思われます。そういう点で別に項を立てて、特別配慮措置として打ち出していただくことが可能ではないかと思ってお願いいたします。

 前回も発言させていただきましたが、例えば採用後数年間は時間外労働を制限するとか、パワハラ対策を重視する等を考えていただきたいと思います。この若年労働者を大切に扱う風潮から、若年労働者だけではなくて、全年齢層への尊重の気運につながればいいのではないかと思っています。

2 番目は、労働時間の把握と記録についてです。資料 2-2 12 ページの上段に、以前にお願いした白書より抜粋して、「労働時間を正確に把握すること及び残業手当を全額支給することが残業時間を減らし、年休取得日数を増やし、メンタルヘルスの状態を良好化する」というように大綱に加えていただきましたことに感謝申し上げます。同じページの 11 行目から 12 行目に、「人員の増員又は業務量の見直し」等についても付け加えていただいていることに感謝いたします。これは、とても大切な視点ではないかと思っています。

 息子の会社では、ほぼ時間は記録されていましたが、 37 時間連続勤務が記録として残っているのに、何ら対策は打たれていませんでした。是非、この件について実効性のある指導を行っていただきたいと思います。もし可能であれば、特別の項を立てて、寺西さんの発言とも絡めて対策として打ち出していただければうれしいです。さらに付け加えれば、裁量労働制とか、高度プロフェッショナル制度等が今、検討されているように思います。働いた時間の報酬を適正に支給する働かせ方、働き方が一番自然であり、日本の長時間労働解消のために一番大切なことではないかと考えております。

3 番目は、情報通信業についてです。資料 2-2 24 ページに、長時間労働対策として検討会を立ち上げ、アンケートに基づいて啓発のためのハンドブックが、この 4 月に出来上がったとの連絡を頂きましたので、是非、そのハンドブックを生かすようにする。具体的にハンドブックを作って、配って終わりではなくて、どのように効果的な取組を今から展開するか。そして、業界の長時間労働を実際に削減するところまで行くか。これが大事な課題だと思います。そういう点では、是非今から大切な取組を引き続きしていただきたいと要望いたします。

○岩村会長 文部科学省の方の退席の時間が近づいているのですが、もし何か御質問等があればと思いますけれども、よろしいでしょうか。西垣委員どうぞ。

○西垣委員 すみません、若年労働者の過労死対策も含めて、学生、大学生、高校生へ啓発事業を、過労死防止法に基づいて行っています。弁護士や私たち遺族が講師になって、各校を回らせていただいています。今年度は 3 年目の取組になります。なかなか学校現場も忙しいということもあるかと思うのですが、それを受け入れてくださる学校がどのように増えるかという点では、やや困難な点があります。是非、御協力を頂きたいと思います。

○岩村会長 白井委員どうぞ。

○白井委員 私からは 23 ページです。 (9) 商慣行・勤務環境等を踏まえた取組の推進のウ . 医療のところです。先ほどの宮本委員の御指摘のとおり、本当にお医者さんは忙しいです。医療従事者の勤務環境改善に向けた記載は医師を中心としてということで記載されております。医師の勤務環境の改善に合わせて、全ての医療従事者の勤務環境の改善につながるような取組ということをお願いしたいと思います。医師だけで医療が回っているわけではなくて、医療技術者、看護師、保健師等も合わせた勤務環境の改善ということが読み取れるような感じにしていただきたいと思います。医師が忙しくなくなると、他の医療技術者はそんなに忙しくなくなる、長時間労働がなくなるということもありますが、看護師、医療技術者の皆さんは、当直であるとか、夜勤であるとか、交替制勤務もしておりますので、併せてお願いしたいと思います。

 医師の働き方改革に関する検討会でも議論となっていますが、医療を受ける側、いわゆる患者さん側とか、いずれは受けるであろう今は健康な方とか、国民の側の御理解、御協力をどのように得ることができるかというのも非常に大きな課題と思っています。

 その他、資料 2-2 25 ページの (10) に公務員に対する周知、啓発等の実施というのがあります。地方公務員の職場は、 36 協定の締結が必要な職場と締結が必要のない職場に分かれています。労基法第 33 条第 3 項に「公務のための臨時の必要がある場合」という条文があるために、実際の現場で、使用者がこれを広く理解して、ほぼ全ての職場で 36 協定は不要なのではないかと理解・解釈し、長時間労働を助長させている要因にもなっていることがあります。労働時間の把握が重要ということが、この中に度々出てまいりますが、公務の場合はほぼ自己申告という形での労働時間の把握になっている所が多いのが実情です。この部分についても是非斟酌していただきたいということと併せて、適切な 36 協定締結に向けた働きかけ、あるいは第 33 条第 3 項の厳格な運用も必要ではないかと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

○岩村会長 宮本委員お願いします。

○宮本委員 先ほど質問しそびれてしまいました。岩城委員の御発言にも少し関連するかと思うのです。 16 ページの左側に (2) 疫学研究等があります。疫学研究というと、疾病の発症要因等をいろいろ検討していく学問だと理解しています。上から 4 行目まで、「疾患の発症状況」までは前回の大綱と同じですので問題ないのですが、後ろに付け加えられた「睡眠状況が過重労働へ及ぼす影響」となっています。過労死等、あるいは過重労働による健康障害に及ぼす影響というのだったら分かるのですが、「過重労働へ及ぼす影響」となると疾患ではないような気がしますので、ここの項に入れるのがどうなのか。これはミスプリなのかもしれませんが、この辺はどういう意図なのか。

 また、第 2 パラグラフのほうも、「深夜勤務、交替制勤務などの勤務形態が過重労働へ及ぼす影響」になっています。過労死等、あるいは過重労働による健康障害へ及ぼす影響なら分かるのですが、こういう文章になっている理由等が分かりましたら教えてください。あるいは変更できるのかどうか。

○岩村会長 事務局いかがでしょうか。

○村山総務課長 御指摘のような趣旨で書いておりますので、御指摘のような方向で修文することを含めて検討してまいりたいと思います。

 あと、先ほど御質問のあった件で、就労条件総合調査の対象は正規か非正規ではなく、常時雇われている方ということで、日雇いとか臨時という方は対象から外されているということです。併せて、御回答いたします。

○岩村会長 そうすると、労働時間の長さは関係ないのですね。

○村山総務課長 そこの点については、短時間正社員とか、いわゆるパートの方といった方については除外しているということです。

○岩村会長  11 時半頃には、そろそろ目標のほうに行きたいと思っていましたが、今手が挙がっているお二方まででお願いいたします。中原委員からどうぞ。

○中原委員  3 点、白井委員のほうから御指摘があった医療者のもので、医師の働き方改革に関する検討会の中間的な論点整理も出まして、 23 ページも、それから論点整理のほうも長時間労働を減らすのだということで明確な記載があるのですが、医師の働き方改革のほうでも、現場では使用者側といった院長先生方は、そんな減らすことはできない、長時間労働とか、研さんの時間を減らすことはできないとおっしゃっています。一般の臨床医の先生たちは、自分たちが病気になっても自分の服薬とか、自分の健康を害しても、それでも診療に当たっているというような、本当に、二分された意見が様々出ていて、これをどうやってまとめていくのだろうと、私はいつも、はらはらしながら働き方改革のほうは傍聴させていただいています。ちょっとネットで引いても、やはり勤務医の時短の取組は約 5 割ができないということで、全国自治体病院協議会のほうでも長時間労働を改善することはできないというアンケートが半数とか、杏林大学とか、高松赤十字でも、やはり残業上限緩和、協定違反というのがあり、幾つもこういったニュースも出てきますし、労基署からも、ここのところ度々、病院側への監督指導というニュースも出てきております。やはりその指導というのが、きちんといけるような、そういう取組を更に経営者の方たちにしてもらいたいために、もうちょっと踏み込んだ書き方をしてもらってもいいのかなと思いました。

 これは要望というか、質問も入りますが、厚生労働省は年 2 回ほど法令違反に係る公表事案について、企業名は公表していますけれども、過労死に関しては、 3 年間のうちに 2 件以上の過労死が出たら企業名を公表するということもあります。個人情報ということで企業名の公表が難しいということもあるかと思いますが、我々、過労死遺族で、こうやって名前も顔も出してきちんと発言できるようなものは、きちんと企業名を公表してほしいし、監査・指導してほしいということを強く思っています。もちろん被災者の個人情報を保護しつつ、きちんと企業名を公表事案とする。それから、特別指導に関しては、労働局長の個人的な気持ちで始めるのではなく、どういった状況で特別指導ができるのかということも明確にしていただきたいと思います。

 最後、 3 点目です。これはインターバル規制について、私が口火を切ってしまっていいか分かりませんが、私たち過労死遺族の思いとしては、インターバル規制があったならば、長時間労働は防げたのではないかという強い思いがあります。経済成長とか、成果を優先させるということが先立って、余りにインターバル規制という概念を今まで根付かせなかったことが過労死の温床になっているというように考えています。

 過労死等防止対策推進法ができて、議論を重ねてこの 4 年間、やはり過労死、過重労働の実態がなくならない以上、今回、初めてインターバル規制を取り上げていただけるということであるならば、是非、インターバル制度の認知度を厚生労働省主導で、一気に労働安全の観点から、やはり過労死ゼロということが目標なのですから、 100 %認知をさせるよう徹底していただきたいということ。それから、過労死防止協議会だからこそ、こういった長時間労働を防止するために、全労働者、そして、全ての企業に対してもインターバル規制を 100 %実施するのだという目標について、始めからそんな数字は難しいと言われてしまえばそうなのかもしれませんが、あくまでも私たちは過労死ゼロ、「私たちの家族に、せめてインターバル規制があったならば」ということを考えると、是非、ここは強く、きちんとした数値を入れていただきたいと思います。以上です。

○岩村会長 では、中川委員、どうぞ。

○中川委員 私からは、年次有給休暇の取得率、資料 3 8 ページについて、 1 点だけ意見を申し上げたいと思います。

8 ページのグラフには、業種に宿泊業・飲食サービスの分類がありません。それらの業種は年次有給休暇が余り取得できていない状況にあることから、取得率向上も 1 つの課題であると受け止めています。今後、宿泊業や飲食サービス業も取得率を把握することが必要ではないかと考えております。

 また、グラフを見ていただくと、建設業なり、卸売小売業で、約 30 %の方が有給を 1 日も取得していない実態もあります。これらの業種の取得率向上に向けて、経営者団体なのか、業界団体なのか分かりませんが、これらの団体への働き掛けも必要ではないかと思います。以上でございます。

○岩村会長 ありがとうございます。その他いろいろ御発言あろうかと思いますが、もしありましたら、個別にまた事務局のほうにお伝えいただくことにさせていただきます。

 本日は、もう一点、数値目標のところがあります。数値目標に関して御質問、あるいは御意見がありましたら、お出しいただければと思います。

○森岡委員 前段の大綱の改定課題についての項目と重なるので、どちらで発言しようかと迷っておりましたが、若干の資料的なことも含めて数値目標と関わりますのでここで発言します。大綱の改定案に戻って言えば、 3 ページ、 20 ページに勤務間インターバル制度が取り上げられていて、それなりの説明もされています。今、中原委員から、この制度の重要性が強く訴えられましたが、勤務間インターバル制度を定義する場合、 EU のように 24 時間について終業から次の始業まで最低連続 11 時間以上の休息を確保することを義務付けるという法的な規制と、日本のように労働協約なり企業内の労使の任意の取り決めによって一定時間を確保するとうたう場合とでは随分違います。両方を同じくインターバル制度と呼ぶということは、相当無理があるように思います。

 大綱の中の文章で、勤務間インターバル制度が出てくる最初の部分は多分 3 ページぐらいかと思いますが、そこには長時間労働の削減や休息の確保につながる勤務間インターバル制度等が導入されている割合等が出ていますが、定義らしいものがどこにもない。 20 ページにも出てきますが、定義はないように見受けられます。それで、例えば、先ほどの資料 15 ページの表、実際の終業時刻から始業時刻までの間隔が 11 時間以上空いている企業割合とその内訳が業種別に示されています。定義も下に年間を通じてということが書いてあり、一応、全部を網羅している質問と理解できます。しかし、これで回答の項目別を見ると、 11 時間以上空いているということは、拘束 9 時間(法定 8 時間+休憩 1 時間)で計算すると、 4 時間以上の残業がないという時間数にあたります。年間を通じて 1 日も 5 時間以上の残業がない割合でも、こんなにあるのか、ちょっと数値的に疑わしい。

 私は、山崎先生もそうですが、厚労省の委託事業で調査研究の社会面調査を行っています。受託業者の、みずほ情報総研に専門家チームがあって、設計と取りまとめ等に携わっています。その中で数値で見ると、いろいろな難しい問題があって、驚くような異常値がたくさん出てくるのです。端的に言うと、 1 日の労働時間のほうが、 1 か月よりも長いとか、 1 週間と 1 か月が全く混同されているのではないかというような数値がたくさんあって、それを全部スクリーニングすることにしているのですが、それでも繁忙期と閑散期とでは著しい差がある。そのいずれを答えているか、企業調査も、労働者調査も含めて年間を通して把握されているのかどうか。「労働力調査」や「就業構造基本調査」によらずに、「毎月勤労統計調査」だけで見ると、賃金台帳に記載されている支払労働時間しか書かれていない。いわゆる賃金未払残業を含めていろいろな統計上の問題があるのです。話が長くなりますので、結論的に言いますが、 15 ページのような表というのは、インターバル休息制度に関わる時間数として 11 時間を示す関連資料という点では、使えない資料ではないかと私は思います。ですから、その点を慎重に検討されて、使用できる根拠があるということであれば、確かな根拠としてお示ししていただきたいと思います。

○岩村会長 ありがとうございます。事務局、お願いします。

○村山総務課長 ありがとうございます。何点か御指摘を頂きましたので、これまでの検討の経過も含めて、勤務間インターバルに関する基本的な論点として、どういう定義で考えていくのかについてです。 1 つの出発点として、本日は参考資料 8 をお配りしております。これは時間外労働の上限規制等に関する労使合意ということで、労使のトップが合意された文章を、そのまま資料として配布させていただいております。

 この裏側の 2 ポツの所に、勤務間インターバル制度というものがあります。我が国を代表する労使のトップが、「終業から始業に一定時間の休息時間を設ける勤務間インターバル制度」という形で、我が国の実情に照らし、また、現状を前へ進めるという観点から合意された経過もあるということで、確かに EU 指令では、先ほど先生からありましたように、 24 時間の中で 11 時間の休息時間ということですが、この大綱の文案を作成する過程では、こうした経緯があり、また、我が国の実情があるということも踏まえて、この労使合意の定義も念頭に置きながら作成しているという経緯があります。

 その上で、先ほど森岡先生からもありましたが、正に 13 ページの資料が、森岡先生や山崎先生にも委員として御参画いただいて調査をした労働社会面の調査研究事業の 1 年目の調査結果です。様々な実態を初めて、こうしたものについて調査をしていただいて明らかにしたもので、公表しているものということです。

 他方で、 13 ページの資料について、先ほど森岡先生からデータクリーニングの御苦労等についてもお話がありましたが、いずれにしても、導入している企業が非常に少ないということなどもありまして、インターバル時間のところについては、一定の幅をもって見ていただくのがいいという数字かもしれないというのがこの場でも何度か付言の上、御紹介をしているものということです。

 その上で、こうした重要な調査項目については、やはり公式な指定統計の中できちんと把握していくことが重要だという認識の下、省内で調整し、「就労条件総合調査」で初めて調べたところです。先ほど来、何人かの先生方から御質問がありましたが、 14 ページ以降に調査結果が出ております。

 こちらで社内制度という意味においては、 14 ページの ( ) にあるように、「勤務間インターバル制度を導入していますか」という問いに対して、「導入している」と回答する場合は、労働協約、労使協定又は就業規則に当該制度 ( インターバル制度 ) が定められていることを必要とし、慣行で決まっている場合などは、これに該当しませんということで、調査をしております。

 その上で、 15 ページは不適当だというお話も頂きましたけれども、一方では、 11 時間という議論がある中で、実際のところ、どの程度空いているのかということについて、限られた統計調査の手間暇の中で、下のような設問と注書きの中でお聞きしたものということです。これについて、先ほどもありましたように、 1 年間の中で本当に全てなのかという点については様々な御意見等もあるかもしれませんが、現在、お示しできる公的データとして、 15 16 ページをお配りしていることを御理解いただければ有り難いと思います。

 その上で、初めての数値目標について、これまで、多々御意見を頂いていますが、こうしたデータを整理した上では、初めての各側の意見交換ということですので、是非、深めていただければというのが事務局の率直な気持ちです。

○岩村会長 それでは、こちらで手が挙がっていますので、木下委員、小林委員の順でお願いいたします。

○木下委員 数値目標の点から言いますと、勤務間インターバルの問題をどう取り上げるかというのが今回の大綱の 1 つ重要なポイントだと思っております。勤務間インターバルについては、先ほど事務局から御指摘があったとおり、去年 3 月の労使合意の中で触れられるようになり、一挙に言葉としての勤務間インターバルという言葉は広がってきましたけれども、労使、特に使用者側にとっては、まだまだその概念自体を知ることも少ない。この統計に出ているように、知らないという会社がまだ多いし、それから、私どものような経理・財務や法曹も含めてですが、労働問題について企業の相談に与かる、いわゆる顧問弁護士の中でも、こういう制度が過労死対策、職場の健康問題対策に有益な制度であるということを知っている人は、まだ本当に少ないのだと思います。その点では、 EU などの制度がもっと広く、早く周知されていればと思いますが、そういう状況の中で、メンタルヘルス対策については、平成 18 年に厚生労働省が総合的なメンタルヘルスの取組について、ガイドラインを出されて、それが徐々に職場に徹底されてまいりました。今、いろいろ企業の大小によって認識具合は変わりがありますけれども、少なくとも代表的な企業、ほとんどの企業がメンタルヘルス対策を重要なものとして取り上げております。インターバルについても、多くの企業が、これを重要なものとして認識して取り上げるということが、やはり過労死対策として、まず第一歩ではないかと考えております。今回の資料 2-2 31 ページに、どのような取組をということを「別記」として論点が挙げられておりますが、やはり制度の周知を速やかに図るということを目標に、その制度を知らなかったために取り入れることを検討をしていない、あるいは取り入れていないという企業の数を圧倒的に減らしていくということが今回の大綱の中で、まず取り組むべき点ではないかと思っております。知らないことは、やはりできないですし、できるということのためには理解を深めたいと思います。特に、このインターバルは、今まで労働基準法は働く時間を規制することに徹していたのが、働かない時間を確保するという意味で、本当に画期的な取組だと思っております。是非、ここはインターバル制度について周知を図るような数値目標を掲げていきたいというように思っております。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。 EU のインターバル規制そのものは、歴史が古いというほどではないのですが前から知られていましたけれども、実は、各国での実態、実際どうやっているかというのが情報として、従来ほとんどないのです。最近、多分 JILPT とかで調べているのではないかと思いますけれども、そういう意味で、どのように具体的に動かしているのかというのがよく分かっていないというのが、少なくとも今までの現状だったかなというようには思います。お待たせいたしました、小林委員、どうぞ。

○小林委員 商工会議所でございます。まず、大綱については、私ども基本的に異論はございません。次に、 4 6 日に閣議決定されました働き方改革法案については、時間外労働の上限規制とか、勤務間インターバル、高度プロフェッショナル制度等々が入っておりまして、私どもとしては早期の成立を望んでいるというところです。

 一方で、中小企業の立場を申し上げさせていただきますと、中小企業では、取引先から短納期での発注などに対応するため、時間外の上限規制に抵触するが、経営のためには断れないなどの実態があり、取引先の理解を得るためには十分な時間が欲しいといった意見があります。今回、この法案においても、中小企業の施行期日については 1 年延期になったということで、私どもとしては有り難いと感じるとともに、更に引き続き、強力な支援もお願いしたいという状況です。

 次に、インターバル制度の数値目標について申し上げたいと思います。インターバル制度については、先ほど木下委員からもお話がありましたように、まだ周知が十分ではないと思っております。そうした中、先ほど申し上げたように、中小企業というのは、業種業態等々において、かなり状況も違っておりますし、業種による業務の繁忙期というのもあろうかと思っております。そうした状況の中で、数値目標を決めて取り入れるというよりも、むしろ、業種業態、職種の特性に応じた、柔軟で、弾力的な運用にしていただきたいと思っております。そのためには、今回の数値目標の設定ということをやるのではなく、まずは最初に周知する、それと、好事例を共有するということに努めていただければ有り難いと思っております。以上でございます。

○岩村会長 ありがとうございます。佐久間委員、どうぞ。

○佐久間委員 全国中小企業団体中央会の佐久間と申します。よろしくお願いいたします。働き方改革に関連して、また、過労死防止になってくるわけですが、日商さんのほうから御意見がありましたけれども、私もやはり労働担当になりまして、中小企業の実態というのがどういう形なのだろうというのを見てきたところ、私どもがやっている 2 万社の調査の結果からすると、過労死防止には、やはり有給休暇だという認識でいたのですが、私どもの調査だと、平均の取得日数が 7.56 日です。それから、平均付与日数が 15.63 日という形になっています。この数字で見ると、まだまだ少ないのでしょうけれども、大企業などに勤める方に比べれば、取得が結構多いのかということもあります。また、そこの中で、勤務間インターバル制度は、今、お二方の意見がありましたように、 1.4 %の実施率です。この中で普及をしていこうということも、まだまだ見えない状況になっています。やはり 1.4 %の中で、どのようにやっているのか、また、これから導入しようかといった意向を持っている方々に対して、企業の事例を通しながら普及をしていく。取組のやり方、業種別の実態というのも、格差があるということになりますが、例えば、旅館の関係も全国組織があります。そちらのほうにも私どもから事業者を通じて働き掛けるという工夫が必要なのではないかと思っております。

 厚労省のほうでも、時間外労働等の改善助成金のほうで、勤務間インターバル導入コースというのを設けていただきました。こういうものを積極的に導入するように、私どもからも都道府県中央会、全国組織の業種別団体を通じて、まず初めに、これを普及・啓もうしていくのが必要なのかなと感じております。以上でございます。

○岩村会長 ありがとうございました。では輪島委員、どうぞ。

○輪島委員 ありがとうございます。資料 2-2 31 ページ、「別記」の勤務間インターバル制度についての論点です。制度を知らなかったため回答する企業の比率が 40.2 %ということで、これを大幅に減らす目標をどう考えるかということですが、これは非常に適切な目標数値だと思っております。その点で言うと、大幅に減らすということであれば、半分以下にするとか、そのような目標を立てるということが大事なのではないかと考えています。

 それからもう 1 点は、先ほど事務局から御説明がありましたが、時間外労働の上限等に関する労使合意は、経団連と連合で初めて、勤務間インターバル制度についての考え方の整理ができたということについては御紹介いただいたとおりです。それを受けて、現在、厚生労働省で勤務間インターバル制度についての導入と普及促進を図るための有識者検討会を開催しております。先ほど会長からもお話があったように、 EU の状況であるとか、国内で導入している労使の取組というようなものを好事例として集めているということで、恐らく今後、今年中にはその有識者検討会が取りまとめたマニュアル、事例紹介のようなものができるようにやっているわけですので、それを使って、この制度を知らなかったというような企業を減らしていくというようなことが大事なのではないかと考えているところです。

 それから論点です。先ほど来お話があるとおり、現在では、その導入が 1.4 %ということで非常に低い水準だということで、発射台が非常に低い所から、どれぐらいの高さ、特に今度の大綱は 3 年間ですので、 3 年間で 3 倍にすると言ったらそれなりの数字ですし、 10 倍にしても 14 %にしかならないわけです。

 もう 1 つ。交替勤務とか、様々な企業の実態のところで勤務間インターバル制度について難しい業種、業態があるということも実態としては分かっているわけなので、論点の導入企業割合を一律に増やすというのは適切ではないと思っています。そこで、論点だけでいいとも思えないので、これは会長には事前にお話していなくて大変恐縮ですが、私どもとしては、論点といいますか、新しいものということで、今、佐久間さんからも御紹介がありましたが、時間外労働等改善助成金は、職場意識改善助成金から名称を変更して時間外労働の上限コースと、御紹介がありました勤務間インターバル導入コース、職場意識改善コースという助成金があります。

 この助成金自体は、実は職場意識改善助成金という名称の中で実施しているアウトカム目標とアウトプット目標があります。アウトカム目標については、支給対象事業主に対してアンケート調査を実施し、 80 %以上の事業主から当該助成金を利用することによって労働時間等の設定の改善に役立ったと評価を得られるようにする。またアウトプット目標では、勤務間インターバル導入コースについて、平成 29 年度の予算における想定件数の 7 割以上とするという目標設定がされているということなので、これに類似した目標を、にするのか、サブ目標にするのかはいろいろ整理があると思いますが、そのような目標設定もあり得るのではないかと思っています。

 それからもう 1 点。時間外労働等改善助成金の中に勤務間インターバル導入コースが埋もれてしまっていて、時間外労働等改善助成金の全体の評価は、実は B 評価で、予算額又は手法等の見直しというように、まずい評価が付いてしまっている。なので、勤務間インターバル導入コースについてはこの助成金の中から外して、基本的には政策的に実施していくことが必要だというような、特別な助成金といいますか、政策目標に格上げしてはどうか。当然、評価は必要かもしれませんが、その評価からは少し外して推進していくというような考え方が必要なのではないかと思っているところです。私からは以上です。

○村上委員 今、縷々お話がありました資料 2 31 ページの数値目標についてです。使用者側の皆様から様々御意見があったところで共通する部分もあるのですが、共通しない部分としては数値目標の示し方です。私どもとしては、論点プラス論点、いずれも重要だと思っております。論点については、今、お話を伺ったばかりなので検討しきれませんが、論点は大変重要だと思っておりますので、そのことについて申し上げたいと思います。

EU 指令におきましても、職種や勤務形態などから広く例外があるということや、あるいは初めから 11 時間空けられるのかどうかなど、様々な議論があるかと思います。そのようなことも踏まえながら、幅を持たせながら考えて、どうやって導入企業を増やしていくのかということをこの大綱の中で目標として掲げるべきだと考えております。

 その根拠といたしまして、私ども、この間、春季生活闘争の中で勤務間インターバル制度の導入に向けて要求を出してきて、妥結に至っている組合も多くございます。今、把握している数値では、その数は、 2017 年の春は 153 件だったものが、要求ベースですが、 2018 年の同時期では 293 件と倍増しておりますし、妥結に至った組合で言えば 14 件から 104 件となっておりまして、導入に向けた労使の話合いは進んできているのではないかと思っております。また、先ほど来、出ておりますが、平成 29 年就労条件総合調査では導入企業は 1.4 %ですが、導入を予定している又は検討しているというものは 5.1 %ございますので、合わせれば、 6 %を上回っていくのではないかということは言えるのではないかと思います。また、過労死等に関する実態把握のための社会面の調査研究事業(平成 27 年厚生労働省委託事業)では導入している企業割合は 2.2 %、導入予定とか導入の是非を検討したいというのは 8.6 %ございましたので、合計すると 10.8 %という数字になっております。

 このように、導入に向けた取組は少しずつでも進んでいることや、これらの調査結果などを踏まえれば、例えば 10 %という数値目標を掲げて、その目標に向かっていく方向感を示していくということは重要ではないかと思っております。もちろん、周知の取組も大変重要で、知らなかった企業割合が半減でいいのかということは少し考えなくてはいけないかと思いますが、そのことと併せて数値目標を掲げていくべきだと考えております。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

○森岡委員  31 ページの論点に関わる意見を申し上げます。民間団体の参加されている評議員の方々との議論を踏まえての意見でなくて、一評議員の意見に過ぎませんが、最低、以下のようなことに配慮を要するのではないかと。その前段で申しますと、ようやく議論が始まったばかりで普及率が 1.4 とか 2.2 というような非常に低い数字になっているということも含めて議論のスタートに立ったと、そこでどうするかということですから、余り高望みはできない。一方で、本文の中に EU 11 時間制度について特別に書かれている。参考的に書かれていることはそれで積極的な意味はあると思いますが、少なくともここでインターバル制度をうたう以上は、労働協約、労使協定、就業規則等に終業から始業まで一定時間の最低連続休息時間を定めると。つまり、中抜きとか飛び飛びでは困るわけで、連続というのと、少なくともそれ以上と、最低というのがあってしかるべきではないかと。その上での目標となると大変厳しい面がありますが、私は、数パーセントとか、 10 %というような数字を掲げて、しょぼいなと思われるよりもむしろ、その場合は数字を出さずに「普及に取り組み導入企業割合を高める」という表現にとどめるほうがまだしも内容としてはすっきりするのではないか。 3 割とか 5 割というようなことになると数値目標になり得るかもしれませんが、今、それができる現実的な基盤があれば、私はそれに賛成します。が、そうでない、数パーセント、あるいは 10 %前後ということであるならば、そういう数字は、もう少し進んでから議論をする必要があろうかと思います。

○岩村会長 貴重な御意見をありがとうございます。

○八野委員 少し村上委員の補足にもなるかもしれませんが。私たちが勤務間インターバルを考えるときに、労働時間の設定改善法とか、指針というようなところと、大綱の中に、勤務間インターバルをどう位置付けるかということだと思っています。この大綱の中に書いてありますように、過労死等防止対策のためにはいろいろな施策や調査研究が必要だということで、これができてからかなりのピッチで過労死等防止対策が進んできたと思っています。

 その中で働き方として、勤務間インターバルという休息時間をきちんと確保したものをいかに私たちが普及させていくのか、どういう在り方であるべきなのかということを過労死等防止対策として過労死ゼロに向けて、先ほども家族の会の方たちからもお話があった観点から、私たちはこの大綱にこのように位置付けているのだということをしっかりと示していくことが重要ではないでしょうか。普及がまだ全然進んでいないじゃないか、制度導入は企業が小さいから難しいということでは全く論点が違うと捉えなくてはいけないのではないかと思っております。これは、もちろん健康確保、生活時間・睡眠時間の確保、それと、働かない時間をきちんと設けていくというものです。これが普及していなかったことが我々の責任であるというように、大綱に書いてもいいのかもしれません。ここにいるメンバーたちの責任であると。

 そういう観点から見ていくのと、あとは今年の春季生活闘争においてかなりの組合で、働き方、労働時間に対しての取組を労使で話されていると思います。結果、協定化されたものと継続で話されているものとがあると思っています。それは交渉の中だけで急速に進むべきものではないと捉えていますので、その点の実態がどうなのかというものを、やはりもう 1 つ見る必要があるのではないでしょうか。昨年と今年では環境がかなり違うというところがあると思っています。というのは、今これからの審議になる、様々な労働時間法制のことが議論になっているところです。企業労使の中で先んじて取り組んでいる所も多いのではないかと思います。そうした状況を見て、村上委員と同じなのですが、やはり論点 1 2 の両輪で掲載すべきであると思います。数値目標は、先ほど村上委員が言ったとおりです。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。議論がインターバル規制で盛り上がっているのですが、ほかの数値目標についても御議論、御意見等を頂けますと有り難いのですが。他の数値目標については特にございませんでしょうか、なければまたインターバルに戻っていいのですが。ただ、一通り、一応、御議論いただけるものは御議論いただきたいとは思いますので。

○堤委員 数値目標と、前段の議論と少しずつちょっとずれたかなと思ったので、今後、話を進めていく上での考え方というような形の 1 つと、問題意識の共有というようなことで資料 3 15 ページを確認させていただいて、思い付いたことをお話します。

 八野委員がお話されたことと関連するかもしれませんが、喫緊の社会情勢で変わってくるような状況を考えるといったようなことと、このデータを見たときに、宿泊業、サービス業について、先ほど有給休暇のことも出ておりましたが、現在もインバウンド等でかなり、厳しい状況というか、忙しい状況があるということと、それから、近い将来、オリンピックがまた開催されるというような状況がありますと、かなりハードな状況が考えられる。そういったところは比較的に優先順位をもって何らかのケアが必要になってくるのではないかとちょっと感じたものですから、これは数値目標とはちょっと違うかもしれませんが、全体の目標等を含めて、リスクが上がってくるような業種には手当をするというような考え方の提供ということで発言させていただきました。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。では事務局、お願いします。

○村山総務課長 先ほどの中川委員からの御質問とも重なる点ですので、データの紹介を取りあえずさせていただきます。先ほどの中川委員からの年次有給休暇の関係の資料の 8 ページ目、これは JILPT で平成 23 年度に公表された調査で、この中で取り分け、低いはずの宿泊等の区分がないという大変鋭い御指摘を頂きました。この調査は直接、役所がやっているものではなく、ある種の研究目的でやっているため、その区分はないのです。当然ですが、先ほど来、名前が何回か出た就労条件総合調査では、産業大分類別の年次有給休暇の取得、付与の日数、取得の日数、取得率等を公表しているところです。そのポイントは、毎年、白書にも「産業別に、こうなっています」という形で取り上げており、最新の平成 28 年度の白書にも載っております。宿泊・飲食サービスの関係は年次有給休暇の取得率が 32.6 %ということで、これは、産業別では最も低いという状況です。そういう背景の下に、今、堤委員からの御指摘もあったところかと思います。

 堤委員からの御指摘にもございましたように、最近のインバウンド等々の状況、あるいはオリンピック・パラリンピックに向けてということの緊要性等も大変重要であり、今後、次の 3 年間の対象期間であるということです。他方で私どもの仕事は、実情から申しますと、例えば今回、建設とかメディアの業界について重点的な調査研究をすることとし、こちらにお出しするに当たりましては、当然、関係の事業所管官庁といった所と一定の、こういう文脈で御指摘もあるので御理解と御協力をといった調整を行いながら、取り組んできている経緯もございます。過去には宿泊業の年次有給休暇を、より取得しやすいとか、働きやすい環境整備ということから観光庁とも連携・協力して様々な事業等を行ってきたところですが、本日、改めて、堤委員、中川委員から前提のあるデータも含めてお話も頂きましたので、この大綱の中でどのように位置付けられるかは、事業所管官庁や業界団体ともいろいろ御相談をさせていただき、また、その状況を皆様方にフィードバックしながら大綱の取扱いについて御相談申し上げていくと、このように考えています。

○岩村会長 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。そのほか、数値目標でいかがですか。

○木下委員 数値目標の点で、資料 2-2 14 ページから 15 ページの所でストレスチェックの集団分析についての結果利用の事業場の割合は 60 %以上とすることはその前の目標と合わせて別の行政目標からそのまま持ってきているということで、先ほど御紹介がありましたが、実は前の大綱ができてから新しくできた制度としては、このストレスチェックという非常に重要な制度がありますが、やはりこのストレスチェックはまだ、企業においても集団分析というのが余り理解されておりません。もともと個人のプライバシーを中心にして、ストレスチェックの結果は個人に返すものだと、企業が把握していないと思われているのですが、この集団分析は職場の状況を把握するのに非常に役に立ちますし、さらに、それを活用することが役に立っているということを知っていただきたいというのと、併せて、これを実施していくためには産業医、若しくは産業保健師というメンタルヘルスを理解している産業保健機関の方たちの育成というか普及というか、それが大変重要になってまいります。まだまだ産業医は 50 名以上の中小企業では嘱託が必要なのですが、残念ながら嘱託産業医の先生の中には一般の街の内科医の先生も多いことなどから、なかなか活用できていない。是非、これは 60 %という分析をするという数だけでなくて、その内容の実効性を高めるためにも、先ほど宮本委員がおっしゃった産業医の普及についても意を用いてもらいたいと思います。以上です。

○岩村会長 貴重な御指摘をありがとうございます。

○川人委員 勤務間インターバル制度の数値目標の論点について意見を申し上げます。私は、先ほどもお話が出ましたように、過労死防止法、過労死防止大綱という観点から考えて、是非入れていただきたいと思います。思い出すのですが、防止法ができた直後、厚労省の講堂で初めての集まり、シンポジウムが行われた際に 30 分ほど話をする時間を頂きまして、その際にこのインターバル制度の導入が緊急の課題であり、これが過労死をなくす極めて重要な決め手になる制度だということを、もう 4 年前になりますが申し上げました。以来、様々な御努力で各分野で少しずつ導入が進められて、認識も広まりつつあると思いますが、是非、今回、過労死をなくすという観点からこの防止法、大綱としては重要な位置付けをもって、数値目標についても積極的に考えていただきたいと思います。率直に言いまして、有給休暇の取得率とか、その他の数字とはちょっと次元の違う問題です。これは、インターバル規制が導入されていれば、ほとんどの過労死は発生していないのです。パワハラとか、そういう特殊なものは別にして。そういう意味では、是非、先ほどからの議論ではありますが、数値目標についても導入の方向で考えていただきたいと。

1 点申し上げるならば、やはり規模別の導入目標の設置があってもいいのかなと、規模ごとのですね。例えば、現状においても大企業と中小企業では大きな違いがあると聞いておりますが、そういった、大企業等で数値目標を設定することは十分可能ではないかと、そのように考える次第です。以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。そろそろ時間ですが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。委員の皆様から大変活発な御議論を頂きまして、誠にありがとうございました。また、それぞれの立場から貴重な御意見を頂戴したように思います。

 次回の会合に向けてですが、事務局であります厚生労働省が中心となりまして、関係各省庁と連携を図りつつ、今日お出しいただきました御意見等を踏まえて、修正した大綱の見直し案を御用意いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。また準備をしていただくに当たりましては、先ほども少し申し上げましたが、今日、時間がなくて言えなかったというようなことがあれば、なるべく早めに事務局に個別にお伝えいただきたいと思いますし、また、事務局でも、各委員からも丁寧に御意見を伺っていただいて、作業を進めていただくようにお願いしたいと思います。

 最後ですが、次回の日程につきまして事務局から説明いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○小城企画官 次回の日時並びに開催場所につきましては、追って調整の上、改めて御連絡を申し上げたいと思います。

○岩村会長 ありがとうございました。それでは、第 11 回過労死等防止対策推進協議会はこれで閉会とさせていただきたいと思います。本日は長時間にわたりまして、皆様、お忙しい中をありがとうございました。


(了)

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