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2018年2月8日 第6回歯科口腔保健の推進に関する専門委員会 議事録

医政局歯科保健課 歯科口腔保健推進室

○日時

平成30年2月8日(木) 13:00~15:00


○場所

航空会館 5階 501会議室(東京都港区新橋 1-18-1)


○議題

歯科口腔保健の推進に関する基本的事項の中間評価について

○議事

○岩田歯科医療専門官 皆様、こんにちは。それでは、定刻になりましたので、ただいまより第6回「歯科口腔保健の推進に関する専門委員会」を開催いたします。

 お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 なお、本日は、日本医師会の温泉川委員から御欠席の旨、御連絡いただいております。

 今回の専門委員会は公開となっておりますが、カメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。

 それでは、資料の確認のほうに入ります。お手元にクリップどめで資料をお配りしておりますが、上から順番に、議事次第、委員名簿、座席表でございます。資料1はホチキスどめのものです。続いて、資料2、参考資料1、参考資料2です。1枚のもので、参考資料3です。そして、一番下に、議論で参考になるかもしれないデータを1枚入れておりますので、御確認ください。

 不足等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。乱丁等ございましたら、お知らせいただければと思います。

 それでは、冒頭の御挨拶を田口歯科保健課長より申し上げます。

○田口歯科保健課長 歯科保健課長の田口でございます。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。また、日ごろから厚生労働行政に御理解、御支援をいただきまして、この場をかりまして厚くお礼を申し上げます。

 さて、本検討会でございますけれども、平成24年に策定いたしました歯科口腔保健の推進に関する基本的な事項の中間評価を目的といたしまして、昨年5月以降、3回にわたり議論を重ねてまいりました。

 今回の委員会におきましては、中間評価の報告案といたしまして事務局案を提出させていただいてございます。今回は、これまでのデータに加えまして、新しいデータ、さらには、新たな評価目標を御提示するとともに、今後の課題につきましても掘り下げて記載させていただいてございます。つきましては、各目標の進捗状況を改めて御評価いただきまして、目標達成に向けた課題、それから取組等につきましても幅広く御意見をいただければと思ってございます。

 今回の委員会におきまして報告書を取りまとめたいと考えておりますので、委員の皆様方におかれましては、忌憚のない御意見をいただければと思ってございます。

 簡単ではございますけれども、冒頭の御挨拶にかえさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○岩田歯科医療専門官 それでは、以降の議事運営について、三浦委員長、よろしくお願いいたします。

○三浦委員長 そうしましたら、議事を私のほうで進めさせていただきます。

 今、御挨拶ありましたとおり、本日、中間報告書(案)の取りまとめを行うという非常に重要な課題がございます。

 早速、議事に移らせていただきます。

 本日は、前回の委員会において、既に目標を達成された指標のうち、さらに詳しいデータを提示した上で検討すべきとされたものについて、具体的な数値をもとに御議論いただきたいと思います。

 そして、最終的には、資料2にこれまでいただいた意見を反映させた中間報告書(案)を示しているところでございますけれども、こちらにつきましても委員の皆様方から御意見をいただき、最終取りまとめを行いたいと思いますので、御協力のほど、よろしくお願いいたします。

 それでは、今、申し上げた手順に従いまして議事を進めてまいりたいと思います。

 議題1「中間報告書(案)について」、最初に、目標を達成した指標についての整理にかかわるところで、御担当の高野委員から資料1の説明をお願いいたします。あわせまして、お手元の資料2の12ページも御参照ください。

 それでは、高野委員、よろしくお願いいたします。

○高野委員 

資料1、1ページ目、別表第一の歯科疾患の予防における目標の(4)高齢期、3でございます。60歳で24本以上の自分の歯を有する者の割合の増加ということで、平成28年のデータを加えた状態で回帰しますと、平成34年に到達は推測でございますが、80.4ということでございますので、このあたりからすると80%ぐらいになってくるというのが筋かなと思っております。

 その下段に示しましたのが4でございまして、80歳で20歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加でございます。これも平成28年の直近のデータを加えて推測した回帰によりますと、平成34年においては64.2ということでございますので、恐らくそう簡単にはどんとは行かないので、60%ぐらいが妥当かなと推測しております。

 引き続きまして、めくっていただきますと、別表第四の歯科口腔保健を推進するために必要な社会環境の整備における目標でございます。23歳児でう蝕がない者の割合が80%以上である都道府県の増加で、事務局より丁寧にも過去5年間の推移を示させていただいております。それを見ますと、グレイで網かけしてあるところが80%以上でございますが、平成25年以降、26都道府県よりふえていないように思いますが、75%とか70%のところを見ていきますと、順次ふえてきているということは見てとれるかと思います。そういう意味では、増加ということは適当ではないかと思います。

4647番目と、かなり厳しい状況の都道府県名はあえて記載されておりませんが、これも上下するところがあって、いつも同じ県でないと聞いておりますので、それぞれが努力して進んできて、70%台に到達してきたと理解しております。

 次のページ、3でございます。12歳児の一人平均う歯数が1.0未満である都道府県の増加でございます。これも同じように5年間の推移を見ていただきますと、網かけ、グレイの状態のところ、0.9という1未満のところを見ますと、同じようにふえてきておりまして、今が28都道府県ということでございます。ほかのところもそれなりに努力されているところが見えておりまして、少なくとも2歯以上のところはなくなったということでありますので、それなりに努力してきていると思っていますので、目標を大きく掲げることなく進めていただければと思っております。

○三浦委員長 御説明いただき、ありがとうございました。今、御説明していただきましたところは、前回の委員会でまだ決着がついていなかった部分でございます。

 それでは、前回議論した部分につきましても含める形で、目標に関する整理について項目別に御意見をいただきたいと思います。既に御了承いただいている項目もその中には包含されますけれども、再度確認していただければと思います。資料2の12ページをごらんになっていただきたいと思います。こちらに目標を整理すべき点ということで取りまとめてございます。

 最初の部分でございますけれども、(2)学齢期、2中学生・高校生における歯肉に炎症所見を有する者の割合の減少、ここについては、既に議論しているところですけれども、再度確認させていただきたいと思います。前回までの専門委員会にて現行の目標を維持することにしておりましたので、事務局案といたしましても維持するという形で記載しております。こちらについて、今までの方向性どおりでよろしいでしょうか。

 皆さん、うなずいていらっしゃるということで、このままの記載にしたいと思います。ただ、私のほうが気づいた点で、13ページの書きぶりです。「新たな目標」というと、変えるような印象を与えてしまうので、この辺、現状維持の目標としての書きぶりに、事務局のほうで調整していただければと思います。

○本田口腔保健専門官 かしこまりました。

○三浦委員長 引き続きまして、13ページの(4)高齢期の部分についてです。こちらは、先ほど御説明があったとおり、将来推計をさせていただいた上で情報を修正するということで、具体的な目標値については、推計の状況を見て、本日、決めるという段取りになっておりました。この結果をもとに、今般、先ほど御説明があったとおり、60歳で24歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加の目標につきましては、現行の70%を80%へ、80歳で20歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加につきましては、現行の50%を10%上げて60%という新たな目標(案)をここに提示しているところでございます。

 こちらについて、委員の先生方から御意見いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。この推計の結果で、推計値、プラス、目標値に適した切りのいい値、それで中間目標で既に情報に上げているということで、そのようなことも踏まえて、今般、このような値としているところですけれども、こちらについて、何か御意見ございませんでしょうか。この原案どおりでよろしいでしょうか。

 山下先生、いかがでしょうか。

○山下委員 特にございません。これでよろしいと思います。

○三浦委員長 ありがとうございます。

 そうしましたら、事務局原案でよいということで、記載させていただきたいと思います。ありがとうございました。

 引き続きまして、次のページに行っていただくことになります。健康格差の代表的な指標の一つと考えてもいいかと思いますけれども、3歳児でう蝕がない者の割合が80%以上である都道府県の増加、こちらの項目につきまして、これまでのデータの変化の状況を詳細に分析して、かつ、こちらの表の下位のほうにある自治体、ちょっと苦戦中の自治体の状況も踏まえて、全ての都道府県での達成を新たな目標としているところですけれども、いかがでしょうかというところでございます。

 全てということになりますと、若干チャレンジングな目標設定になりますけれども、データを詳細に見ますと、実現可能性もあるのではないかというところで、この事務局案の取りまとめの形となっておりますが、こちらについて、ぜひ委員の皆様方から御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。ぜひ、このあたりは自治体の先生から御意見いただけるとありがたいと思いますけれども、大津委員、いかがでしょうか。

○大津委員 社会環境の整備という目標ですので、47都道府県で構わないのではないかと思います。前回もちょっと申しましたけれども、例えば12歳児で平均う蝕が1.0未満である都道府県の増加では、大分県は46番目の1.4本というところです。現在、大分県でも歯科口腔保健計画の見直しをやっておりまして、目標値としては、1.0本未満ではなくて1.0本以下という目標値を立てておりますので、今回の案と整合するのではないかと思います。46番目の県がそういった目標を立てているということは、全都道府県でできるのではないか、それに向かって頑張ろうではないかということでよいかなと思っております。

 ちなみに、3歳児は37番目の76.2%ですけれども、それも県の計画では80%以上という今回の案と同様の目標を立てておりますので、それにつきましても全都道府県というところで、いいのではないかと思います。

○三浦委員長 御意見いただきまして、ありがとうございます。

 前田委員、何かございますでしょうか。

○前田委員 私も前回、このチャレンジングな目標なのか、現実的なところかということでお尋ね申し上げましたので、それがよくわかる資料を出していただきまして、高野委員と事務局に感謝したいと思います。

 拝見しますと、全ての県で簡単に目標が達成できるかというと、そうではない感じはいたしました。一方で、この並びでいけば、40番台ぐらいの都道府県が残るぐらいかなと思いまして、都道府県は40番台になると大変焦るということがあります。目標を下回っているし、40番台だという警鐘にもなりますので、47都道府県というのでよろしいのではないかと思っております。

○三浦委員長 ありがとうございます。自治体の委員の先生方から、細かい追加の情報も今いただいたところです。

 こちら側でも、先ほど大分県の状況、大津委員からもお話があったところですけれども、今回、一番苦戦していた47番目の県の歯・口腔の健康目標に関しましても、あらかじめ確認しましたら、大分と同様に、3歳児でう蝕がない者の割合、そこの県では80%以上を目指すということと、12歳児の一人平均う歯数に関しても1.0未満を目指すということでうたってありますので、自治体の目標達成を支援する上でも、ここは全ての自治体という目標を掲げるというのは妥当なところかなと思っておりますけれども、そのような形にさせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 引き続きまして、15ページになりますけれども、歯科口腔保健の推進に関する条例を制定している都道府県の増加でございます。こちらの項目につきましては、前回の専門委員会でかなり細部にわたって御議論していただいたところで、ここではちょっと確認させていただくところでございます。既に直近の実績値が43都道府県まで達しているということで、目標値は当然のこと、クリアしている状況で、直近値のデータを見ると、こちらに関しましても、全都道府県を目標とするというところでいいのではないかという意見でまとまっていたかと記憶しています。そのような形で最終報告案も記載してよろしいでしょうか。

 どうぞ。

○山下委員 大きな方向性としては、それで全く構わないと思うのですけれども、基本的に47都道府県、全ての都道府県になるのですね。今までは数をふやしていくという意味で、増加、数を幾つにするのかという話だったわけですけれども、基本的に考え方が全く変わってきていますね。全ての都道府県で達成をするということになりますと、書きぶり自体がそうなれば変わるのではないかという気もするのですけれども、今さら、そういう書き方には変えられないのですか。

○本田口腔保健専門官 こちらにつきましては、健康日本21(第二次)のほうと合わせた形で進めておりまして、各指標自体の変更は行わないことになっております。ですので、今回の中間評価の時点におきましては、目標値の設定について、変更します。。

○山下委員 まだ目標値だけしか変更できないのですね。

○本田口腔保健専門官 そうでございます。

○三浦委員長 山下委員の御指摘は、非常によくわかるところでございますけれども、この歯科の一部がそのまま健康日本21(第二次)の指標として使われているという、ちょっと特殊な状況がございますので、健康日本21(第二次)の議論の結果の制約を受けるということで御理解していただければと思います。

 あと、そのほか、コメント、御質問等でも構いませんけれども、ございますでしょうか。特にないでしょうか。ありがとうございました。

 そうしましたら、指標について整理する部分につきましては議論いただいたということで、この項目については終了させていただきたいと思います。

 引き続きまして、資料2、中間報告書(案)の本体につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○本田口腔保健専門官 資料2につきまして、事務局より御説明させていただきます。

 まず、中間報告書(案)の説明の前に、直近値のデータやグラフについて一部修正がございますので、その修正点について御説明させていただきます。

 資料2、5ページをお願いいたします。こちらには、歯科疾患・予防の指標ごとの評価について表をお示ししております。その中の高齢期、260歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少についてでございますが、こちら、直近値につきまして、対象者から除外すべき者が除外されずに集計等、なされておりましたので、その修正を行いまして、直近値を以前は59.4%とお伝えしておりましたが、62.0%へ修正しております。まず、ここが修正点の1つ目になります。

 次に、参考資料2のほうのグラフになります。10ページをお願いいたします。こちらの下段のグラフ、12歳児の一人平均う歯数が1.0歯未満である都道府県数の推移のグラフですが、平成22年、平成23年、平成25年、平成26年の都道府県数に誤りがございまして、修正したものを載せております。ただし、修正はしたものの、直近値と今回の傾向等には影響はございません。

 以上が修正点になります。

 それでは、報告書(案)の御説明をさせていただきます。前回までの御意見を踏まえまして、追加・追記したもの、また書きぶりを大きく変えたものを中心に御説明させていただきます。

 まず、おめくりいただきまして、2ページ目、最初に「はじめに」、その後に「2.中間評価の目的と方法」とございますが、こちらの内容については大きく変更はしておりません。

 3ページの「3.中間評価の結果」の(1)具体的指標の目標値達成状況等の評価につきましても、前回と同様でございます。

 おめくりいただきまして、4ページ目、(2)領域別の評価ですが、1)口腔の健康の保持・増進に関する健康格差の縮小につきましては、内容・方向性等は前回と同様でございます。

 2)歯科疾患の予防でございますが、アの指標の達成状況と評価、イの関連した主な施策・取組については、先ほど申し上げました直近値の修正のほかは大きな変更はございません。

 6ページをお願いいたします。歯科疾患の予防についての今後の課題についてでございますが、まず、乳幼児期においてでございます。健康格差の記載は、前回も同様にございました。ここについて、う蝕が一般的な疾患と比較して、高い有病率であること。この内容を加えた上で、う蝕対策予防が重要であるという内容としております。

 次に、学齢期においての記載でございますが、前回は12歳児のう蝕のみの記載としておりました。そこに加えまして、中学生・高校生の歯肉炎について追加しております。

 まず、12歳児のう蝕についてですが、う蝕有病率の改善が認められるが、平均して12歳児の約3人に1人が罹患している実態を踏まえると、有病率は未だ高く、地域差もあることから、引き続き、社会全体として取組を継続・推進する必要があるというように実態を踏まえた記載にしております。

 次に、中学生・高校生の歯肉炎についてでございますが、有病者率は改善の傾向にあるが、歯周病の発症率が成人期から上昇する実態を踏まえ、幼少期・学齢期から、予防への関心を高め、生活習慣の改善やセルフケアの実践など、一次予防を強化するための取組を進める必要があると、こちらも同様に実態を踏まえた記載にしております。

 次に、成人期においての記載でございますが、こちらは疾患別の記載に修正させていただきました。

 まず、7ページ、1つ目のマル(○)ですが、成人期の歯肉炎・歯周病に関しては、平成28年の具体的な指標は策定時に比較して悪化しているものの、それ以前は、状況は改善もしくは変わらない傾向にある。歯肉炎・歯周病の予防については、日頃のセルフケアに加え専門的な指導や管理も必要なことから、健診の効率化等の工夫を図りつつ、定期的な歯科健診が普及するような取組が必要である。また、喫煙等の生活習慣が歯肉炎・歯周病を引き起こす可能性もあることから、禁煙対策の推進の視点を含めて、歯周病予防への対策を進める必要があるとしておりまして、前回、禁煙対策の内容は盛り込まれてはおりませんでしたが、その視点も重要であろうということで記載を加えております。

 2つ目のマル(○)でございますが、こちらも歯周病にかかる内容でございまして、ここは前回までの報告書案と同様の内容になっております。

 3つ目のマル(○)でございますが、成人期のう蝕についてとしまして、40歳の未処置歯を有する者の割合がやや改善傾向にあるものの、依然として未処置歯及び有病率は高い水準にあることを踏まえ、成人期においても、継続的なう蝕予防及び早期治療が重要であるとしておりまして、う蝕についての記載を加えております。

 次は、高齢期においてとしておりまして、こちらについては特に変更等はしておりません。

 また、その下のその他でございますが、これは2つ目のマル(○)の内容を変更しております。成人期以降のデータが十分ではないことから、保険者等の取組によるデータを補完的な資料として活用することを検討する。こちらの内容を加えております。

 次に、生活の質の向上に向けた口腔機能の維持・向上についてでございます。

 アの指標の達成状況と評価につきましては、特に変更はしておりません。

 めくりまして、8ページをお願いいたします。イの指標に関連した主な施策・取組については、下段のほうの学会・関係団体等の取組内容について追加しております。前回は、日本歯科医学会と日本小児歯科学会の内容のみの記載でございましたが、そこにあわせまして、日本補綴歯科学会と日本老年歯科医学会の取組の内容を追加しております。

 次に、ウの今後の課題については、乳幼児期及び学齢期においての内容は、特に大きな変更はしておりません。

 9ページの記載になりますが、成人期及び高齢期においての内容でございます。1つ目のマル(○)ですが、口腔機能に着目した取組は、現在は、主に個人に対するアプローチが実施されているが、今後は、集団に対するアプローチや、老人クラブ等の集まりの場を活かしたアプローチ等検討する必要がある。ここまでは前回と一緒でございますが、「また」以降を追記しております。また、簡便な咀嚼機能検査を用いる方法等についても併せて検討することが重要である。この記載を追加しております。

 次のマル(○)ですが、60歳代における咀嚼良好者については、国民健康・栄養調査の他の質問項目や特定健診の歯科の質問項目等の分析により口腔機能の評価ができるものと考えられるため、補完的な使用を検討すべきであるとしておりまして、前回は、国民健康・栄養調査のほかの質問項目のみの記載でございましたが、そのほかにも利用できるデータがあると考えられることから、一部追加して記載しております。

 次に、4)定期的に歯科検診又は歯科医療を受けることが困難な者に対する歯科口腔保健でございますが、アの指標の達成状況と評価、また、イの関連した主な施策・取組の内容につきましては、特に変更はございません。

 おめくりいただきまして、10ページをごらんください。ウの今後の課題でございますが、まず1つ目のマル(○)です。こちらは、研修会の必要性と歯科検診の実施方法について記載しておりまして、ここにつきましては、研修会と検診の実施方法を別々に項目立てしておりましたが、1つにまとめた記載に修正しております。

 2つ目のマル(○)でございますが、前回は実態の把握の必要性のみ記載しておりましたが、国や都道府県、市町村等のそれぞれの単位で、関係部局と連携した施策の取組が必要であろうということで、その必要性を加えております。

 3つ目のマル(○)でございますが、これは新たに追加した項目です。また、障害者(児)や要介護者については、医療関係職種や介護関係職種等との連携を図りながら個別の課題を把握した上で、対応を検討する必要があると、こちらの内容を追加しております。

 その下に行きまして、5)歯科口腔保健を推進するために必要な社会環境の整備でございますが、アの指標の達成状況と評価、また、イの関連した主な施策・取組については、特に変更はございません。

11ページ、ウの今後の課題でございますが、歯科口腔保健の推進体制の整備につきまして、ライフステージに応じた取組を進めるに当たり、国、都道府県、市町村等のそれぞれの単位で、関係部局と連携した施策・取組の推進が求められる。この「また」以降を追記しております。また、これまで、自治体での歯科保健対策の推進については、平成9年に作成された「都道府県及び市町村における歯科保健業務指針について」に基づき、推進されてきたが、少子高齢化の進展などの社会情勢の変化も踏まえ、新たな体制による歯科保健業務の推進が必要となったことから、「歯科保健業務指針」の改正等も含めた新たな枠組みの中での歯科保健対策の取組が求められるとしております。

12ページのマル(○)、上の3つまでは、前回までと同様の内容になっております。

 一番下の喫煙に係る記載でございますが、喫煙等の生活習慣が歯周病を引き起こす可能性もあることから、能動・受動喫煙を防ぐ環境を整備することが必要であるとしておりまして、喫煙対策の視点も重要であることを踏まえ、この内容を追加しております。

 次に、目標の整理でございますが、先ほど委員の先生方に御議論いただきまして、目標値は今回で決定するとなっておりますので、先ほどの議論をもって、割愛をさせていただきます。

15ページ、お願いいたします。「5.おわりに」の書きぶりは全体的に修正しております。「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」中間評価の総括の中で、各ライフステージの課題を改めてお示ししております。その上で、基本的な方針を整理しております。

16ページをお願いいたします。各方針、どのように整理しているかというところで、真ん中あたりになります。1)口腔の健康の保持・増進に関する健康格差の縮小というところでは、口腔の健康の保持・増進に関する健康格差の縮小の達成状況を評価するに当たり、現在、本分野に関する研究を実施している厚生労働科学研究班や専門家等の意見を参考にし、健康格差の具体的な評価指標や評価手法等を早急に定める。並行して、先行研究や既存のデータを活用し、う蝕有病者率の市区町村別の地域差の推移等を追跡し、健康格差の実態に関する参考とする。

 また、多角的な視点で検証を行うため、例えば、歯周病の有病者率や健康行動、学校におけるフッ化物洗口の実施率等をアウトカムとした地域格差や、社会経済的な要因による健康格差の実態把握に努める。その上で、健康格差の解消に向け、エビデンスに基づく効果的な取組を推進する。このような整理にしております。

 次に、歯科疾患の予防についてでございますが、う蝕と歯周病に分けた記載にしておりまして、う蝕に関しては、乳幼児期及び学齢期の状況は改善傾向にあるが、依然としてう蝕有病者率は高い水準にあることに留意する。継続的な歯科疾患の予防に関する取組を検討しつつ、フッ化物の継続的な応用等、すべての人々に効果的なう蝕予防策を推進する。

 歯周病に関しては、傾向が変動的であり、その原因が必ずしも明らかではないため、実態をより正確に把握し、原因を明確にした上で、最終評価を行う。また、歯周病は、自覚症状なく進行していることが推測されるため、幼少期・学齢期から、予防への関心を高め、効果的なセルフケアや定期的なプロフェッショナルケアの促進など、一次予防を強化するための取組を進めるとともに、原因の一つである喫煙への対策が重要であると整理しております。

17ページ、お願いいたします。3)生活の質の向上に向けた口腔機能の維持・向上についてでございますが、昨今、口腔機能低下に関する重要性が広く認識されつつあることから、平成34年度以降に設定すべき目標を念頭に置き、咀嚼機能等を含めた口腔機能に関する指標・評価の検討を進める必要がある。また、口腔機能の維持・向上に関するポピュレーションアプローチのあり方について、早急にエビデンスを構築し、検討することと整理しております。

 次に、定期的に歯科検診又は歯科医療を受けることが困難な者に対する歯科口腔保健でございますが、定期的に歯科検診又は歯科医療を受けることが困難な者に対する歯科口腔保健対策を検討する際には、今後、ますます高齢者人口が増加していくことを踏まえ、地域包括ケアシステムにおける効果的・効率的な歯科保健サービスを提供する必要がある。また、口腔内の環境の改善が全身の健康状態にも寄与することを踏まえ、要介護者等の口腔内の評価で必要な視点を整理し、口腔内の実態把握を適切に行う。

 さらに、障害者(児)への定期的な歯科検診及び歯科医療の提供のため、国、都道府県、市町村のそれぞれの単位で、関係部局と連携した施策・取組を推進する。このように整理しております。

 最後になりますが、歯科口腔保健を推進するために必要な社会環境の整備につきましては、ライフステージに応じた取組を進めるに当たり、例えば母子保健や高齢者保健などの関係行政分野と連携した横断的な施策の取組が重要であり、中長期的な視点で検討を進める。また、平成34年度以降に設定する目標の検討とあわせて、歯科健診に関連するデータ収集を十分に行うとともに、効果的・効率的に、歯科疾患の一次予防を推進していくための環境整備を行う。さらに、成人期以降においても、地域や職域の取組を活用し、定期的な健診の受診促進のための取組を推進する。

 さらに、8020運動に続き、国民の歯の健康づくり運動を推進していくための次期目標設定に向け、適切な実態把握、課題の整理及びエビデンスの構築を進める。このような整理にしております。

 資料2の説明については、以上になります。

 ここで、前回の専門委員会の中で、和泉先生より御意見を頂戴している部分がございまして、5ページをお願いいたします。

 先ほど、直近値の修正をお伝えしたところでございますが、60歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少についてでございます。前回委員会の中で、ここの評価については、悪化したというよりも、ほぼ変わらないという評価でもよろしいのではないかという御意見を頂戴しておりましたところです。この評価の考え方ついて、60歳代に限らず、40歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少につきましては、再度、この場で先生方より御意見を頂戴したいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○三浦委員長 事務局側、御説明いただき、ありがとうございました。

 本来ですと、中間報告書(案)の説明の後に、最初のページから順次、気づいたことを言っていくという形をとることが多いのですけれども、終わりのほうの説明にありましたとおり、歯周病関係の評価について、少し意見を集約したいと思っております。つきましては、最初にまず、歯周病関連の評価について議論をし、その後に全体を俯瞰して、また細かく見ていくという段取りをとりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 そうしましたら、和泉委員、前回も御意見をいただいたところでございますが、引き続き御意見いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○和泉委員 今日、追加された資料、4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合の年次推移にありますように、平成28年、全ての5564までの年代で数値が悪くなっている。そういうところで悪化しているのではないかという評価か下ったということですけれども、なぜこうやって数値が上がってきたかということを、ちょっと繰り返しになりますけれども、評価して、それによって、まだまだ、この数値に対する評価ができないというところを踏まえて、例えばc(悪化)ではなく、変わらないという評価にしたいということで前回、お話ししました。

 その根拠というか、今回、平成28年、それから前年度までの検査の項目内容が変わっているという、そこが一番大きなポイントとして挙げることができると思います。今回は、歯石の項目を外しているということです。CPIがポケットの深さと炎症で評価しているというところです。これを、昨年発表された平成28年のグラフと、平成23年の歯科疾患実態調査の結果と照らし合わせてみたのですけれども、前年度、これはお手元の資料にないのですけれども、あることに気がつきました。歯石部分が、25歳から59歳の年代を見ますと、ほぼ40%に固定されているのです。要するに、CPIという項目が。

 その40%の歯石保有者が、今回、平成28年度はなくなったということです。その40%がどこに消えてしまったのかというところで、健康な部分に引っ張られる部分と、ポケットの深さ4mm以上に引っ張られる部分と、両方にあるわけですね。これをもう少し細かく見たら、4mm以上のポケットの深さに引っ張られる部分が、この年代は15から20%なのです。ですから、従来、歯石があるために深いポケットがあったのに測定できていなかったという事実。もう一つは、今度、それを外したために、歯石はあるのだけれども、ポケットを正当に評価しているという内容があるのではないかと思います。あくまで私見ですけれどもね。

 ですから、そういう意味で、15から20%を、お手元の資料で4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合の年次推移、ここから平成28年度分、1520%をマイナスしますと、前回、前々回とほぼ一緒になるのですね。ですから、そういうところで変わらないのではないかという評価をしてもいいのではないかということですが、これはもう少し細かい資料があって、それをきちんと分析していただければと思います。

 もう一つは、扱いの中で、40代または60代で進行した歯周炎を有するという、進行した歯周炎の評価ですね。これは、現在、例えば4mm、5mmという進行した歯周炎の中に入るポケットを、この前、田中先生かな、治療を受けているけれども、4mmあるけれども、それをメンテナンスしているということをおっしゃっていました。ですから、我々にとっては、病的なポケットと、そうでないメンテナンス可能なポケット、それに4mm、5mmというポケットが入ってくるわけですね。そういう深い4mm、5mmというポケットも健康なメンテナンス可能な中に入ってくるわけです。ですから、それで見た場合に、進行した歯周炎の定義というものが、CPIの6mm以上というところに少し移動したほうがいいのではないか。

 そういう意味で、もう一回過去のデータを集めて、そういう評価をしていただいた結果、数値が上がっているということでしたらcでもいいと思うのですけれども、余り変わっていなかったということが出てきた場合にはbということで評価するべきではないかと思います。これについては、この場では多分決定できないと思いますので、そういう精査が終わった後にbまたはcに評価する。これは、歯周病学会として、悪くなっているということを出したくないというわけではありませんけれども、あくまでも今回、健診の内容が変わっている。そこの中にデータが引っ張られている。そういう引っ張られたデータの中で評価を下すのはいかがなものかということで、御意見をさせていただきました。

○三浦委員長 御意見いただき、ありがとうございます。

 また、委員の皆様方から御意見を伺うことになりますけれども、その前に、ちょっと私のほうから。先ほど事務局から御案内ありましたとおり、実はこの歯周に関しては非常に重要な項目であるということで、健康日本21(第二次)のほうでも目標項目としておりますので、変えられないということになるので、後段で御指摘いただいた進行した歯周炎のところを、どういうふうにポケットの深さであらわすのかというところに関しては、ここの中間評価では反映できないということをあらかじめお断りをさせていただければと思います。

 今、貴重な御意見をいただいたかと認識しています。そして、このあたり、はっきり申し上げますと非常に悩ましいのですが、評価をどうするのか、どっちの方向へ行くのかというところ、判断に迷うところではございますけれども、委員の皆様方から忌憚のない御意見をいただきたいと思います。いかがでございましょうか。御専門の先生、そして現場で実際にこの目標値を使っていらっしゃる委員の皆様方、多々いらっしゃると思いますけれども、忌憚のない意見をいただければと思います。

 森田委員、何かございますでしょうか。

○森田委員 どう解釈していいかわからないですけれども、例えば高齢者の人は見かけの数字上、悪くなっている。その影響がもう少し若い年代にも出てきたのかな。若いと言っていいのかどうかわかりませんけれども、そういう時代の移行時期なのかという気もしたら、数字は多くなっているから、悪くなっているとしか書けないだろうと思いますけれども、それはそれで、悪化ではあるけれども、それが悪いかどうかということを少し解釈されてもいいのかなという気はいたします。60歳だろうが、ちょっと若い年代であろうが、指標でやると決めた以上、それは変わりようがないので、この数字をどう解釈するかだけの話ではないかなと、僕は思っています。

○三浦委員長 貴重なコメントをいただきまして、ありがとうございました。

 まさしく御指摘のとおり、中間評価の位置づけですけれども、ここでファイナライズするわけではなく、PDCAサイクルを回して、さらなる改善を目指していくための大きなモニタリングのタイミングと捉えていただくのが、施策的にも合致している考え方ではないかと思います。したがいまして、例えば悪化したという評価になりましても、そこで確定ということではなく、その状況を受けて、どういうふうにしていくかというところをしっかりと取り組めば、最終評価に向けてさらに改善するということになれば、中間評価でそういう評価をしたから、次につながったということになろうかと思いますので、森田委員の御指摘のとおり、解釈のところは非常に大きいところかと思います。

 山下委員。

○山下委員 和泉先生のおっしゃることもよくわかるのですけれども、歯科疾患実態調査を一般的に見ていますと、年齢が上がっていくと、歯が減ってくる分だけ歯周病が減ってくるわけです。

このように横断的に見ても明らかに、歯が減れば歯周病の割合が減ってくるという現象は起こってきます。そういう意味では、残存歯数がふえていくという中で、ある程度の年齢のところで歯周病がふえたとしても、それは決して悪いことではなくて、起こり得る現象ではあるのかなと思います。

 だから、今後はもっと健康な歯を残していくということが大切になるのだと思います。今までは何本残すという安易な指標になっていますが、健康な歯を何本残すのかということにもう少し意識を変えていく必要があると思います。そのためには何をすべきかということを考えていく、一つの問題提起になるのかなと思います。

○三浦委員長 貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。特に、健康な歯を何本残すのかという視点が重要というのは、この中間評価、そして最終評価、その次のタームに行くときに非常に重要な考え方を示唆するものではないかと思います。

 ほかに御意見ございませんでしょうか。

 大津委員。

○大津委員 また大分県の話で悪いのですけれども、昨年行った大分県の調査での調査でも、進行した歯周炎を有する人の割合は前回調査に比べると、かなり悪くなってきています。県の歯科口腔保健計画策定委員会でもその理由を協議しましたが、先ほど山下委員が言われたように、80歳で20本以上の歯を有する人の割合が増加している。ということは、歯科医師がこれまでだったら保存できないと判断した歯も残すようになったのではという意見が結構出て、それについては、県としても悪化しているという評価を下し、さらに、最終評価でそこのところは見てみましょう。次の計画のときにそれを生かしていきましょうという意見が出されておりました。

○三浦委員長 ありがとうございました。

 そのほか、御意見ございませんでしょうか。

 武井委員、何かございますでしょうか。

○武井委員 和泉先生のお話もよくわかりますし、評価指標が変わってしまった上で、そこをきちんと説明することのほうが難しいのではないかと思います。そこで、現状はこのように変わっている中で、現在、こうであるという説明をしながら、先ほど口腔衛生学会の先生方から出ているように、健康な、歯周病ではない歯をいかに残していくかというほうが、国民にとって重要なメッセージになると考えておりました。

○三浦委員長 御意見いただき、ありがとうございました。

 評価指標の件は、既に事務局から提示された、こちらの中間報告書(案)の7ページのところ、先ほど説明がありましたとおり、マル(○)の2つ目、2行目から「平成28年から歯周病検診のマニュアルが改訂され、歯周病の評価方法が見直されたことによる影響との指摘もあり、新しい評価方法のもとでの有病者率の傾向などについて、今後も注視する必要がある」としっかり書いていただいています。

 ですので、こちら側からの御提案というか、サゼスチョンですけれども、ここは値としては確かに悪化しているので、悪化しているとし、不足がある場合は表記を加えて、そして、次のステージに向けて具体的な取組のところの示唆をこの報告書の中に入れ込み、次にPDCAサイクルを回していくという形にするというのはどうかと思っているところですけれども、そのような形でいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○森田委員 これで僕はいいと思いますけれども、この傾向は多分、あと5年たっても余り変わらないのではないか。この傾向といいますのは、人がたくさん歯を残したがる、それから歯医者さんも少々悪くなっても残すということで、5年後も文章として大分困る事態も想定されていたほうがいいのかなという気がします。

○三浦委員長 ありがとうございます。

 最終評価のときには、ベースラインとの比較もありますけれども、今回の中間評価との比較というところの道筋も提示できるのかなと思いますので、その点については、また事務局のほうでしっかりと引き継ぎ等々を行っていただいて、つなげていってもらえればと思います。御指摘のところは、よくわかるところです。ありがとうございます。

 そのほか、追加の御意見等ございませんでしょうか。大丈夫でしょうか。

 そうしましたら、今、活発な御議論いただいて、問題点も非常にクリアになったところでございますが、事務局案の形で了承ということで、状況によっては記載事項もちょっと強化してもいいかもしれないというところですけれども、内容的にも評価方法について、ちょっと注意しておく必要があるという事柄も、既に7ページに記載されているということで、原案、おおむねこれで了承という形でよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○三浦委員長 ありがとうございました。

 そうしましたら、おかげさまで一番の懸案事項が終了しましたので、あとは通常の形に戻りまして、最初のところから順次見ていき、書き込むべき内容、議論すべき事項の漏れがないかどうかを、いま一度、委員の先生方と確認させていただきたいと思います。

 そうしましたら、最初のページに戻りまして、「はじめに」というところをごらんになっていただきたいと思います。ページ番号は、2ページになります。それで、こちらにつきましては、先ほど事務局から御案内がありましたとおり、ほとんど変えていないというところでございますので、多分、原案のままでよいかと思いますけれども、よろしいでしょうか。策定の趣旨というところでございます。この辺は、余り議論するところではないかと思います。

 そうしましたら、2番目「中間評価の目的と方法」についても、いま一度、さっと御確認していただきたいと思います。評価区分に関しましては、「改善しており、目標を達成している」という形で評価aを2つに分けているというところは、歯科の部分の特殊性というところでございますけれども、それだけしっかりと対策を進めたということのあらわれかと思います。よろしいでしょうか。

 3ページ目、「中間評価の結果」でございます。こちらについては、評価をした内容をカウントしたというところでございまして、カウント漏れ等々、ないかと思いますけれども、いま一度、先生方、間違いがないかどうかをちょっと見ていただければと思います。「a1 改善しており、目標を達成している」。「a2 改善しているが、目標を達成していない」、こちらが7項目。「変わらない項目」は3項目。

 そして、4ページに行って、「悪化している」項目。先ほど議論していただきましたので、ここの項目がそのままということになりまして、3項目になります。宜しいでしょうか。

 それから、(2)領域別の評価に移りまして、1)口腔の健康の保持・増進に関する健康格差の縮小。これが基本的事項の大目標ということになっておりますので、最初に出てくるところでございます。かなり踏み込んで書いていただいているところもありますけれども、ここの部分はよろしいでしょうか。健康格差も、国民の方が読んでわかるように括弧書きで語句の説明を加えています。

 引き続きまして、2)歯科疾患の予防。ここが大変ボリュームがあって、長きにわたるところで、どこまで続くかといいますと、7ページまでずっと、この2)の項目になります。それで、特に先生方に御確認していただきたい部分は、6ページから7ページにかけての今後の課題です。ここの部分について、先ほど歯周病でも議論させていただきましたけれども、何か追記したほうがいいところとか、ちょっと書きぶりを改めたほうがよいような点がありましたら、御意見をいただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。

 和泉委員。

○和泉委員 7ページになるのですけれども、例えば「成人期の歯肉炎・歯周病」という表現があります。その2行下でも「歯肉炎・歯周病」とありますけれども、これは「歯肉炎・歯周炎」ということですね。もう一つ、単独で「歯周病」というのが出てくる。それはいいですけれども、この「歯肉炎・歯周病」という文言は「歯周炎」だと思います。

 それと、もう一つ、成人期云々の項目の中で、「喫煙等の生活習慣が歯肉炎・歯周病」とありまして、これは「歯周炎」だと思いますが、「禁煙対策の推進の視点を含めて」というところです。ここで、「喫煙等の生活習慣が歯肉炎・歯周病を引き起こす可能性もある」というところは、7ページと後半のほうに、喫煙が歯周病の原因と書かれているのです。16ページの一番最後の行です。「原因の一つである喫煙への対策」が。これは、直接の原因ではありませんので、リスク因子等の言葉に変えていただければ幸いです。

○三浦委員長 貴重なコメントありがとうございます。そこの部分は、私のほうでも気になっていたところでございます。この用語の統一性を図っていただくというところと、最後の、原因ではなく、リスク要因とかリスク因子という言葉が適切ではないかということ、私もそう思いますので、事務局側で御対応いただけないでしょうか。

○本田口腔保健専門官 修正いたします。ありがとうございます。

○三浦委員長 そのほか、お気づきの点などございませんでしょうか。

 私のほうでちょっと気づいたところは、「有病者率」と書いてあるところと、「有病率」と書いてあるところと混在しているので、意識的に使い分けているのだったら構わないのですけれども、基本的には合わせたほうがいいかなと思います。

○本田口腔保健専門官 それも確認いたします。ありがとうございます。

○三浦委員長 そのほか、何か書きぶり等で気になった点とか。

 大津委員、よろしくお願いいたします。

○大津委員 3歳児のう蝕のところの連携のことで、「また、小児科や教育機関、地域の行政機関等との連携など」と書いてありますけれども、3歳児のむし歯に関しましては産科との連携がかなり重要かなと思っております。というのは、妊婦教室とか、そういったところで、お母さん自体の歯周炎とかむし歯の予防の講話等に加えて、子供のむし歯のことも余裕のあるその時期に、産科の妊婦教室のところで行ってもらうことも重要でありますので、小児科に加え、産科も連携をとる一つの機関かなと思います。

○三浦委員長 ありがとうございます。

 産科をつけ加えるということでよろしいでしょうか。

 木本委員、御専門の立場からよろしくお願いいたします。

○木本委員 これは地方自治体にもよるのですけれども、最近は妊婦歯科健診を実施する自治体もふえてきてございます。神奈川県、私の行っているところでは、横浜市ではもう5年ぐらい、無料の妊婦歯科健診が導入されまして、その認定施設の資格を取るには、産科の先生と私、小児歯科のセミナーを受けていただくことが条件になっています。全身管理のところは産科の先生、歯科的な管理は私のほうがということで、ワンセットで受けていただくような自治体も出てきています。私の大学のある横須賀市も今年度から妊婦健診が導入されまして、そこでも今、検討しているところでございます。

 妊婦の健康行動に後々つながってくるということと、口腔内の状況がかなり影響してきますので、そこも含めますと、産科との連携は非常に重要なことだと思います。

○三浦委員長 ありがとうございます。

 そうしましたら、ここは産科を入れることによって、より重層的な対応ができるということで、入れさせていただければと思います。ありがとうございました。

 あと、そのほかに。森田委員。

○森田委員 これも些細なことというか、こだわりかもわからないですけれども、「罹患」と「有病」の違いは。有病なのか、う蝕罹患なのかで、読む人が読んだら違うねと言われるかもわからない。

 それと、ケンシンが健診なのか、検診なのか。歯周病検診は検診でいいのでしょうけれども、それ以外をどのように統一するかというのが。これは、17ページなどを見たら検診なので、使い分けを意図されているのか、その辺が僕はわかりません。

○本田口腔保健専門官 ケンシンに関しましては、歯周病検診は木偏で、法律に係る部分につきましても木偏。健康診査で明らかなものに関しては、人偏というふうに、内容としては変えているのですが、もう一度そこは確認してまいりたいと思います。ありがとうございます。

○三浦委員長 今、事務局からの御説明がありましたとおり、歯科口腔保健法が歯科検診で木偏を使っているというところがございまして、このあたりがいつでも悩ましく、書きぶりもとても苦労するところなのですけれども、意識的に法律にかかわるところはそういう意味になります。ただ、このあたり、重要なところなので、御指摘ありがとうございました。

 あと、有病と罹患もぜひ御確認ください。

○本田口腔保健専門官 こちらも確認しまして、整理いたします。ありがとうございます。

○三浦委員長 ほかの行政文書との整合性もとっていただければと思います。

 あと、そのほかございますでしょうか。前回、いただいた意見をもとに、その他のところに、成人期以降のデータが十分でないところで、保険者等の取組によるデータを補完的な資料として活用することも検討するということで、特定健診・保健指導等の標準的質問肢に歯科の項目も入るという情報提供とあわせての御意見出しをいただいたところで、それを反映させていただいているのですが、岩崎委員のほうから何かございますでしょうか。

○岩崎委員 ありがとうございます。第3期特定健診・特定保健指導の見直しで、口腔の環境を質問票の中に入りましたので、そのデータを使い、統計など分析していただければと思います。

 1つ、歯科の実態調査の母数の問題があると思います。健診データなどは、掘り起こせば掘り起こすほどデータの悪い人が出てきて、年々平均データが悪化することがあります。実態調査の対象等を整備しておかないと、データが使えなくなってしまうのではないかと懸念しております。次回の分析では母数を検討して調査する等していただければと思います。

 

○三浦委員長 ありがとうございました。

 ちょうど、その他の上のマル(○)のところでもかかわってくる内容かと思います。御指摘いただきまして、ありがとうございました。

 そうしましたら、次の項目に移っていきたいと思います。3)生活の質の向上に向けた口腔機能の維持・向上でございます。こちらも、達成状況と評価につきましては、今までも御説明したものを記載しているというところで、ここに関しては確認していただく程度にして、あと、指標に関連した主な施策・取組、ここから少し御意見をいただきたいと思います。

 今般、学会・関係団体等の動きということで、知り得た情報、具体的に申し上げますと、今まで委員の先生方から御意見いただいたところの情報を踏まえ、追記しているところもございますけれども、ここのところ、このような形でよろしいでしょうかというところをまず御確認していただくのと。

 それから、8ページから9ページにかけまして、今後の課題というところで記載させていただいております。可能な限り、これまでの議論を踏まえて、委員の皆様方の御意見を盛り込んだところでございますが、ここの部分につきましても、書きぶり等、いま一度御確認していただきたいと思います。いかがでしょうか。

 口腔機能というと、赤川委員の御意見を伺いたいところですけれどもね。

○赤川委員 十分反映されておりますので、私のほうから特に意見はありません。

○三浦委員長 ありがとうございました。

 木本委員、よろしくお願いいたします。

○木本委員 先月、1月末に歯科医学会のほうで作成しておりました、小児の「口腔機能発達評価マニュアル」が完成いたしまして、その原案を今月中に日本歯科医学会のホームページで公開することになってございます。今月半ばをめどに、今、公開する準備をしておりまして、パブリックコメントを今月いっぱい求めまして、それをもとに最終検討を行って完成・対応する運びになってございます。

 一応、ゼロ歳から学齢期、延長して15歳未満ぐらいまで評価可能です。ですから、そこの部分でステージを5つに分けて、食べる機能と話す機能、構音ですね。あとは、呼吸に関する機能の3つに大きく分けて、そこを細かく問題点の評価と対応した表をつけて、92ページにわたる大作になりましたので、今月半ばに学会のホームページで公開する予定になっております。

○三浦委員長 そうしましたら、最終的に文言を調整するときに「作成中」の「中」はとってしまっていい状況と理解してよろしいでしょうか。

○木本委員 結構でございます。

○三浦委員長 ありがとうございます。

 あと、ほかの記述についてお気づきの点などございましたら、ここで御意見いただければ反映させていけるかと思いますが、いかがでしょうか。補綴歯科学会の関係者はいないので、この辺の進捗状況はちょっとわからないですけれども、このあたりもまた少し情報を追加で得て、完成に近いようでしたら「中」をとるとか、そういうこともちょっと考えましょう。

 ほかに御意見なければ、次の項目に行きたいと思います。9ページに移りまして、4)定期的に歯科検診又は歯科医療を受けることが困難な者に対する歯科口腔保健でございます。ここにつきましては、9ページは確認していただければと思いますけれども、具体的には、再度御確認していただきたい書きぶり、10ページでございます。特に、前回の案から追加で挿入した文面等、今後の課題のところ、ございましたので、そのあたりを中心にしまして、委員の先生方、見てお気づきの点等ございましたら、御意見いただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。

 特に、「国、都道府県、市町村のそれぞれの単位で、関係部局と連携した実態把握及び施策を推進し」というところで、自治体においても検討してくださいみたいな事柄も書かれているところですけれども、このままの書きぶりでよろしいでしょうか。皆さん方、うんうんとうなずいていらっしゃるので、多分大丈夫かなと思います。

 そうしましたら、引き続きまして、5)歯科口腔保健を推進するために必要な社会環境の整備でございます。こちらにつきましても、指標の達成状況と評価等は確認程度ということにさせていただきまして、具体的に書きぶり等、詳細に見ていただきたいのが、11ページ、ウ 今後の課題のところですね。歯科口腔保健の推進体制の整備から始まって、次の12ページに至るところでございますけれども、お気づきの点等ございましたら御意見いただければ幸いでございますけれども、いかがでございましょうか。

 高野委員。

○高野委員 11ページの今後の課題の1つ目のマル(○)です。ここだけ「12歳児の一人平均むし歯数」になっています。ほかはう歯数だと思うので、ここだけあえてむし歯にしているのは。

○三浦委員長 事務局、いかがでしょうか。

○本田口腔保健専門官 修正をいたします。ありがとうございます。

○三浦委員長 御指摘いただきまして、ありがとうございます。用語の統一等々、図らせていただきたいと思います。

 そのほか、細かいところでも構いません。お気づきの点がございましたら、教えていただけますと幸いでございます。いかがでございましょうか。

○山下委員 戻ってよろしいですか。

○三浦委員長 どうぞ。

○山下委員 4)の今後の課題のところの定期的な歯科検診・歯科医療の推進の下、この文章の中の「歯科専門職による口腔衛生向上のための研修会の開催」は、誰に対する研修会ですか。施設内外でという施設というのは何を意味しているのでしょうか。障害者等の施設ですか。

○三浦委員長 御指摘ありがとうございます。この辺、誰に向けてというところが非常に重要なところでございます。

○山下委員 ちょっとわかりづらいような気がするのですが。

○三浦委員長 事務局側、いかがでしょうか。ここの記述に関して、誰が誰に対して行うのかというのを、もうちょっと明確にしたほうがいいのではないか。

○山下委員 専門職が行うのですね。誰に対して。

○本田口腔保健専門官 ここについては、武井先生のほうに分析等、お願いしていたところですけれども、施設の方々というところでよろしいでしょうか。

○武井委員 そうです。施設の職員等に向けて、講演会を希望しているということが挙がっていたと思います。

○山下委員 その際の施設内外というのはどういうことですか。

○本田口腔保健専門官 ここについては、施設の中での実際の研修であったり、それ以外のところでの研修会など、そういうところを想定しているかと思います。

○武井委員 施設だけの研修では不足しているので、外部の研修にも参加されている職員もいると記載されていたため、内外という表現がされたと思います。。

○三浦委員長 今、御発言があったのは、私が研究代表者を務めておりました厚労科研の結果に基づき、ご発言があったところです。この部分につきましては、少し集約し過ぎてわかりづらいところもありますが、内容については、今、武井委員、そして事務局からあったとおりでございます。研修会におきましては、その施設内の研修会だけではなく、それ以外の外で開催する研修会といったものも利用して、一層積極的に行う必要があるという考察を書いているので、そのような文言から、このような文面になったかと思います。

 ただ、誰に対してということをもうちょっと書いたほうが、これを読まれる方にとってみると、よりメッセージを受けとめやすくなるので、書きぶりをちょっと補充してください。ありがとうございます。

○本田口腔保健専門官 わかりました。ありがとうございます。

○三浦委員長 そのほか、何かお気づきの点、ございませんでしょうか。4)のところに一瞬戻っているのですが、もう一遍、5)に戻りまして、ここについて御意見等、伺いたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。「歯科保健業務指針」の改正等も含めた取組等、かなり踏み込んで書いていただいているところでございます。

 それから、喫煙は、ここはこのままの表現でいいですね。特に問題ないと思います。よろしいでしょうか。

 また、後でお気づきでしたら、先ほどのように前の項目に戻ってくださいと言っていただければ戻りますので、遠慮なく手を挙げていただければと思います。

 そうしましたら、4番目「目標の整理」でございますが、ここは先ほどかなり詳しく見たところでございますので、大丈夫かと思います。とりあえず割愛させていただきまして、また細かい書きぶり等、お気づきの点がございましたら、御意見いただければと思います。

 そうしましたら、15ページに移っていただきたいと思います。5番目「おわりに」というところでございますけれども、「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」中間評価の総括というところからの文言でございますけれども、ここから始まって、最後、17ページまで、次のステージに向けたところも含めて、ここの部分、かなり踏み込んだ形の記載になっております。委員の先生方から御意見いただければ幸いでございますけれども、お気づきの点とかございますでしょうか。ここの部分、入れたほうがいいということがございましたら。

 赤川委員。

○赤川委員 16ページの上から十何行めのところです。効果的・効率的な観点から十分なエビデンスの構築に努める必要がある、とありますが、さっきから学会とか関連団体の活動が書いてありますので、十分なエビデンスの構築のために、学会や関連団体の一層の活動を推進するとか、する必要があるとか、一層の活動を期待するとか、学会や関連団体の活動を推進するような文言を入れていただいたらどうかなと思います。

○三浦委員長 御意見いただきまして、ありがとうございました。

 学会と連携して施策を進めていくという視点ですね。

○赤川委員 連携もですし、学会は学会で別個に活動をしているかもしれません。いろいろな学会でいろいろなことをやっていらっしゃいますので、ぜひそれらの結果を使っていただいたらいいかなと思います。

○三浦委員長 学会が出されたエビデンスを積極的に使ったりという視点。

○赤川委員 そういうことです。学会によっては、こういう分野の活動が活発でない学会もあるので、プッシュする意味もあって、そういう文章を書いていただくといいかなと思います。学会のトップを支援していただけたらいい、と考えます。

○三浦委員長 ありがとうございました。

○本田口腔保健専門官 そのような内容で修正させていただきます。

○三浦委員長 書きぶりを修正いたします。

 そのほか、お気づきの点などございますでしょうか。抜けている項目があるということでありましたら、今のタイミングですと十分反映することができますが。

 山下委員、どうぞ。

○山下委員 既に事務局へお伝えしたのですけれども、15ページに戻ります。「う蝕は減少傾向にあるものの、その有病者率の高さや社会経済的な要因による健康格差が生じている」の点です。格差は生じているわけだけれども、ここ中で「ポピュレーションアプローチの推進が必要である」ということですけれども、格差が生じているわけですから、そこにリスク集団が見えてくるわけですね。そういう観点が必要なのではないかという気がするのです。従来のポピュレーションアプローチをやった実施した状態の中で生まれてきた格差だろうと思うので、それを同じ考え方でやっていても、それがただ開くだけという感じもがするのですけれども、その辺はいかがでしょうか。。

○三浦委員長 御意見いただき、ありがとうございます。

 先生がおっしゃっているのは、ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチのベストミックスをもって推進していくという意味合いですね。

○山下委員 という気がします。

○三浦委員長 わかりました。このあたり、いかがでしょう。事務局、何かコメント等ございますでしょうか。

○本田口腔保健専門官 今回、御意見を頂戴しているところですので、検討しまして、御相談させていただきながら。

○田口歯科保健課長 山下先生がおっしゃっているのは、ハイリスク者に対する疾患に対してのアプローチという意味ですね。

○山下委員 

ハイリスク者がいるから格差が広がっていると思います。ですから、そういったところの要因もある程度見据えて、そのハイリスクが発生しているところにも目を向けないといけないと思います。ただ、一般的にう蝕は予防できますよという話を展開してきて、その効果が確実に上がってきていると思います。でも、全体の健康状態が上がってきているにもかかわらず、リスクが下がっていかない一定の集団があるという現象が生まれてきているのではないでしょうか。今までのポピュレーションアプローチの限界といいますか、そこを超えていけるのかということを心配しています。我々は今、その限界を考えないといけなくなってきているのかなと最近思っているのですけれども、その辺はどうなのかなと思いまして。

 このまま、もっとポピュレーションアプローチを推進すればいいという話だと、リスクが集中する集団が残ってしまうのではないかと思います。リスクに合わせた濃淡をつけた政策を少し考えたほうが、より効率の高い結果が生まれるのではないかと思います。これは、リスクと言っていいのかどうかわかりませんが、一般にリスクは集団の中の個人という見方ですけれども、地域格差が発生していますので、国全体に同じ政策をとるのではなくて、ある一定の健康状態が向上していかない地域はリスクの高い地域と見なすべきだと思います。その場合は、リスクの高い地域に対する特別なポピュレーションアプローチを提供する必要があると思うのですけれども、そういうリスクという考え方の染め分けといいますか、そういう発想をポピュレーションアプローチの中にも加えていくべきなのかなと最近、考えているので、その辺はどうなのかなと思いました。

○田口歯科保健課長 ありがとうございました。

 確かに先生おっしゃるとおりだろうと私も思っています。ちょっと戻るかもしれませんが、4ページ目に口腔の健康保持・増進に関する健康格差の縮小というところがあります。評価の部分で、口腔の健康保持・増進に関する健康格差そのものの評価というのは、なかなか難しいものがあるということで、今後、いろいろな研究を踏まえて、次の最終的な評価のとき、あるいは次の計画の策定に向けて検討を進めていくという話がありました。

 ポピュレーションアプローチに加えハイリスクアプローチをどのように行うかは、今後、次の評価に向けての大きな課題ということで、いろいろなところで研究をやっていただく中から、次のときに最適なものをきちんと羅列していくのが非常に大きな視点ではないかと思っています。

○三浦委員長 ありがとうございました。

 ほかに何かございませんでしょうか。

 田中委員、全体を通してでも構いませんが、何かお気づきの点がございましたらお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。特にないでしょうか。

○田中委員 ありがとうございます。

 学齢期までは、法律に基づいた定期検診が行われていますけれども、それを過ぎると歯科検診の機会がなかなかありませんので、そういったものをどうやって広めていくかということはとても重要だと思っています。

 そういった点は、最後のところに、「成人期以降においても、地域や職域の取組を活用し、定期的な健診の受診促進のための取組を推進する」と書かれていますので、どの程度詳しく書くかという問題はありますけれども、こういう記載があるということは、とても結構なことだと思います。

○三浦委員長 ありがとうございました。

 御指摘いただいた歯科検診の問題。全ライフステージを通して、歯科検診の提供体制を強化するということは政策的にも重要なことなので、御指摘いただいて、ありがとうございました。

 高野委員。

○高野委員 今の意見とも重複するところがあるのですけれども、16ページの歯科疾患の予防のところですけれども、「すべての人々」と中ほどに書いてあります。その中の、乳幼児や学齢期の状況とか、学齢期以降の継続的なところ、その下の歯周病関係においては、幼少期・学齢期からということですが、就労期とか高齢期についても、多分含むのだろうと思うのですけれども、書き込まれて書いていないところがあるので、高齢者においてもう蝕等もありますし、歯が多く残れば歯周病も多くなるものですから、ずっとだろうと思うのです。けれども、その辺をもう少し書いてもいいのではないかなと思いました。

○三浦委員長 ありがとうございました。

 よりライフコースアプローチを想起させるような書きぶりにしたほうがいいということで、このあたりも書きぶりの調整、ぜひ事務局のほうにお願いしたいと思います。

 そうしましたら、全体を通していかがでしょうか。

○赤川委員 

内容ではないのだけれども、書きぶりのことです。2ページの一番下のdは「評価が困難」となっているのですが、3ページ以降の枠の中のdでは「評価困難」となっていて、「が」を入れてもらったらいい。

 それから、3ページの一番上が「あわせて」となっていますが、どこかは「併」になっていたので、それらは統一していただければ、と思います。

○三浦委員長 御意見いただき、ありがとうございました。

 このあたりの書きぶり、健康日本21(第二次)と合わせて修正させていただきたいと思います。

 そのほか、お気づきの点とかございますでしょうか。前田委員。

○前田委員 特に一番最後の「おわりに」の部分、丁寧に書いていただいてありがたいなと思っています。第1回目に私もお願いしまして、全体的に非常にアウトカムが改善しているところがありますので、全国でより均てん化するために、どういう施策が効果的だったかというところをしっかり書いていただければと思っております。例えば、16ページ目の学校におけるフッ化物洗口の実施率などは、本県でも実施しているところと、そうでないところで改善率は相当の差が出ていますので、確かにおっしゃるとおりかなというところもありますから、可能な限り、そういう例を入れていただければありがたいなと思っております。

 もう一点だけ、細かい話をすると、同じ16ページ目で、ここだけ「市区町村」と出てきて、ほかは「市町村」だったので、どちらかに統一していただければなと思いました。

○三浦委員長 ありがとうございます。

 ここの書きぶり調整もさせていただきたいと思います。

 そうしましたら、御意見、大体出たところでしょうか。活発な質疑応答、ありがとうございました。

 それでは、このあたりで本日の議論を終了させていただければと思います。頂戴した御意見、細かいところの書きぶり、文言の統一性等々、細かい部分に関しましては、委員長と事務局に御一任していただけますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○三浦委員長 ありがとうございます。

 また、状況によりましては、各委員の先生方にお問い合わせ等、さしあげることもあろうかと思いますけれども、引き続き御協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 それでは、最後に今後のスケジュールなどについて、事務局からお願いいたします。

○岩田歯科医療専門官 本日は、御議論いただきまして、ありがとうございました。

 いただいた御意見をもとに最終セットに向けて修正を加えていきますので、最終版としてメールで情報共有させていただく予定としております。御了承ください。

 なお、本年度の当委員会の開催につきましては、今のところ予定されておりません。今回が最終回となっております。次年度以降の会議体の持ち方については、現在、事務局において検討中でございます。先生方におかれましては、引き続き、御協力をお願いすることもあろうかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、終わりといたします。ありがとうございました。

○三浦委員長 それでは、本年度、長きにわたり御協力いただき、ありがとうございました。厚くお礼申し上げます。

 これにて閉会といたします。ありがとうございました。



(了)

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