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第27回社会保障審議会医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会議事録(2023年9月22日)

○日時

令和5年9月22日(金)11時00分 ~ 12時00分(目途)

 

○場所

全国都市会館 大ホールB
 

○出席者

<委員等 敬称略>
遠藤久夫(座長)、新田秀樹、釜萢敏、清水惠一郎
𠮷森俊和、幸野庄司、水野知宣、池田俊明
大田修一、中村聡、往田和章、角本靖司参考人、逢坂忠
<事務局>
須田審議官、中園保険データ企画室長、荻原保険医療企画調査室長

○議事

○遠藤座長
 皆様、こんにちは。定刻より若干早いのですけれども、皆様御着席ですので、ただいまより第27回「社会保障審議会医療保険部会あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」を開催させていただきます。
 本日も、感染症予防対策としまして、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催とさせていただきます。
 委員の皆様におかれましては、大変御多忙の折、御参集いただきまして、ありがとうございます。
 まず初めに、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、橋爪委員、古村委員が御欠席でございます。古村委員の代理としまして、角本参考人が御出席されております。参考人の御出席につきまして、御承諾いただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 それでは、マスコミの方々のカメラの頭撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○遠藤座長
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日は「あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師の施術所におけるオンライン資格確認について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いします。
○中園室長
 保険データ企画室長でございます。
 それでは、資料番号1「あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師の施術所におけるオンライン資格確認について」に沿って、御説明いたします。
 まず、1ページ目、柔道整復師、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師の施術所におけるオンライン資格確認(資格確認限定型、簡素な資格確認の仕組み)の導入についてです。
 1ページ目では、療養費の支給と受領委任払いの概要をまとめております。療養費につきましては、法令上、患者が保険者に直接請求し支給を受ける「償還払い」の仕組みが取られておりますが、患者の施術料の支払い等に係る負担軽減や療養費の適正な請求を図る観点から、地方厚生支局長及び都道府県知事と協定または契約を結んだ柔道整復師、はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師は、被保険者等から療養費の受領の委任を受け、患者に代わって保険者に請求する形式(受領委任形式)が認められております。受領委任契約につきましては、保険局長通知によりまして、協定書または契約の取扱規程を示しておりまして、これに沿って三者の受領委任に係る協定・契約が行われております。
 2ページ目にお進みください。保険局長通知では、受領委任払いにおいて、施術者等は、患者の提出する被保険者証によりまして、療養費を受領する資格があることを確認することとしております。
 具体的な規定といたしましては、別添1受領委任の取扱規程、受給資格の確認等18でございます。施術者が患者から施術を求められた場合は、その者の提出する被保険者証によって療養費を受領する資格があることを確認することとされております。
 下段の囲みの記載にお進みください。本年の通常国会におきまして、本年6月にマイナンバー法等の一部改正法が成立しまして、健康保険証の廃止について制定されたところでございます。健康保険証の廃止の時期につきましては令和6年秋、具体的な法の規定ぶりといたしましては、法の成立から1年6月を超えない範囲で政令で定める日とされております。令和6年秋、すなわち健康保険証の廃止の施行時期に当たりましては、受領委任払いを行っている施術所において、引き続き、患者の資格情報を確認することができるオンライン資格確認の仕組みを導入する必要があると考えております。
 こうした点を踏まえまして、保険局長通知を改正しまして、令和6年4月以降におきましては、まず、資格確認の方法に「オンライン資格確認」を明確に位置づけることとしてはどうかと考えております。それとともに、令和6年秋以降、保険証廃止の施行時期以降におきまして、受領委任契約を締結する施術所においてオンライン資格確認の導入を義務化してはどうかと考えております。この点につきまして、本日の専門委員会におきまして、お諮りしたいと考えております。
 保険局長通知の改正に当たりましては、医療機関のオンライン資格確認の導入の原則義務化を定めております療養担当規則等の対応を参考とすることを想定しております。また、療養担当規則等にも規定されておりますが、何らかのやむを得ない事情で施術所でオンライン資格確認ができない場合も想定し、規定されておりますので、そのような点も含めて今後検討していくことを考えております。保険局長通知の具体的な改正案文につきましては、本日の専門委員会におきまして、義務化とする今後の大きな方向性についてお認めいただけますれば、今後、当専門委員会におきまして、関係団体の皆様と調整させていただきたいと考えております。
 3ページ目にお進みください。柔道整復師、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師の施術所におけるオンライン資格確認の仕組みの概要でございます。こちらは、資格情報のみを取得する資格確認限定型、簡素な資格確認の仕組みとしてお示ししているものでございます。昨年10月の医療保険部会におきまして、その概要や方向性についてお示ししておりましたが、本日の専門委員会におきましては、その後の検討状況や開発の状況につきまして、併せて御報告いたします。
 まず、仕組みの概要について御説明いたします。施術所におきましては、事前に利用する端末の登録をオンライン資格確認の実施機関であります支払基金・国保中央会に行っていただき、その際、読み取り用のアプリケーションをインストールいただきます。施術所におきましては、PC端末に接続した市販の汎用カードリーダーあるいはモバイル端末を用いましてマイナンバーカードを読み取っていただきます。この際に、マイナンバーカードによる本人確認を行いますが、患者とカードの写真の確認あるいは4桁の暗証番号を患者に入力いただくこと、これを施術者側の設定においていずれか選択可能という形で本人確認を行っていただくことを想定しております。この仕組みにおきましては、通常のインターネット回線の接続によって、資格情報のみを提供する簡素な仕組みとしております。他方、オンライン資格確認等システム本体との接続に当たっては、ウェブサービスをその間に置きまして、直接接続しない仕組みとしてセキュリティを確保しているものでございます。
 4ページ目にお進みください。こちらは、PC端末における具体的な利用イメージを整理したものでございます。
 今後、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の施術所におけるオンライン資格確認の利用に当たりましては、専用のポータルサイトを立ち上げる予定でございます。ポータルサイトにおきましては、オンライン資格確認に関する様々な情報を一括して御覧いただくことができるものとしておりまして、また、オンライン資格確認の利用申請、御利用になる端末の登録、後ほど御説明申し上げますが、補助申請などを一括して行っていただくものとして御用意することを考えております。ポータルサイトにおきまして、事前にPC端末の認証・登録を行っていただきまして、資格確認を行う当該PC端末にマイナー資格確認アプリケーションをインストールすることとなります。このPC端末に接続した市販の汎用カードリーダーを用いまして、マイナンバーカードを読み取りますが、この際に職員による本人確認を行いまして、その後、PC端末上に資格情報の結果が表示されるという流れとなっております。
 5ページ目にお進みください。こちらは、モバイル端末の利用イメージです。
 事前準備や手順はPC端末と大きく変わっていないものとなっております。異なる点といたしましては、モバイル端末の場合、汎用カードリーダーではなく、モバイル端末に搭載されたカードの読み取り機能を用いて読み取ることもできるという点でございます。
 6ページ目にお進みください。資格確認限定型における資格情報の確認・閲覧の機能についてでございます。
 療養費の支給申請書の作成等におきまして、資格情報を転記できる機能を実装することを想定しております。レセコンを導入している施術所におきましては、セキュアに連携が実施できるAPIを使った連携が可能となる方式がとれるよう、オンライン資格確認等システム側にAPI連携の接続のための受け口を設ける予定です。また、レセコンとの同期を行わない、あるいはレセコンがない施術所におきましても、資格確認を行った患者の資格情報をPCまたはモバイル端末から事後的にアプリケーション上で閲覧できる閲覧ページを設ける予定でございます。これらの閲覧ページにおきましては、資格情報のテキストの読み上げ機能を実装する予定でございます。また、閲覧履歴の期間におきましては、今後、請求実務などを考慮して、その具体的な履歴の期間について検討していきたいと考えております。こうした閲覧機能によりまして、資格情報の確認に伴うデータの保存、管理のリスクを回避した仕組みとしているものでございます。これらの追加実装につきましては、現段階におきましては、来年10月ごろを想定しております。
 7ページ目にお進みください。こちらは、柔道整復師、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師の施術所に対する財政支援についてでございます。
 昨年度の2次補正予算におきまして、社会保障・税番号制度システム整備費補助金に計上しているものでございます。こちらは、資格確認限定型として、オンライン資格確認の導入に必要な機器として、汎用カードリーダー、タブレット・スマホ等のモバイル端末の機器の導入を支援するものでございます。基準とする事業額は4.1万円を上限に、実費補助、いわゆる10分の10の補助となります。これらについては費用補助となりますので、ポータルサイトへのアカウントの登録、あるいは補助の申請がポータルサイト上で必要となってまいりますので、その点、御留意いただければと考えております。
 最後に、8ページ目にお進みください。今後のスケジュール(案)です。
 本日の専門委員会におきまして、義務化の方向性についてお認めいただけますれば、今後、まず、上段のところでございますが、ポータルサイトの開設をいち早く行いまして、情報の提供や、その後の利用申請の御案内などを順次掲載できるような、そういったものを用意していきたいと考えております。現在の想定スケジュールでは、12月以降にアプリケーションのリリースの見込みでございます。その後、接続の運用テストを経た後に、来年の4月からオンライン資格確認の開始を予定しております。アプリケーション配信に当たりまして、データ連携などの追加実装の機能については、来年10月ごろの追加のアプリケーションの配信を現段階では想定しているものでございます。
 また、本日の専門委員会で方向性についてお認めいただけますれば、今後、通知改正などの調整、それに基づく協定・契約改定の所要の調整に入ってまいりたいと考えております。
 事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど何とぞよろしくお願い申し上げます。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明をお聞きして、御意見、御質問等あれば頂きたいと思います。いかがでございましょう。中村委員、どうぞ。
○中村委員
 日本鍼灸師会の中村です。いつもお世話になっております。
 オンライン資格確認につきましては、この運用について日本鍼灸師会としては協力させていただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
 関連とは言いませんが、健康保険組合連合会の幸野様がおいでになっていますので、お伝えしたいのですけれども、組合の中に償還払いにされている方々がおいでになりまして、このオンライン資格確認の運用を進めるについて、償還払いにまた戻される組合がありますと、残念ながらせっかくのこのシステムがうまく運用されませんので、資格確認の中で受領委任に参加していただける組合の方を増やしていただけたらうれしいなという私の希望がございます。よろしくお願いいたします。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょう。往田委員、どうぞ。
○往田委員
 往田でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 オンライン資格確認に関しましては、本会の会員からも非常に問合せが多いところでございまして、会員からはオンライン資格確認の導入自体に反対する声というのは今のところ聞いておりませんので、この実施に向けてスムーズに会員への周知等が行えればいいなと思っております。
 事務局にお伺いしたい点が幾つかございます。
 1点目ですが、ただいまの御説明ですと、オンライン資格確認に関しては既存のインターネット回線を使って確認を行うということになっておりまして、施術所以外の場所においては、いわゆる携帯電話の電波等を通じたインターネットでの確認ということになろうかと思います。先ほどの柔整の部会でも同様の質問が出ていたかと思いますけれども、特にマッサージの分野においては往療で行う施術が多数を占めておりまして、患者さんの御自宅等にお伺いして、その場でモバイル端末等を通じて確認するということになろうかと思います。そこの場において、私も実際、自分でも往療をやったりしているのですけれども、患者さんの御自宅からオンライン資格確認をしようと思うと、各携帯電話会社の電波の状況、いわゆるインフラの設置状況によって大きく左右されるところがありまして、患者さんの居宅の状況によっては携帯電話の電波が届かないというところも、多くはありませんが、発生します。これは医科・歯科・調剤含めて、どれも同じ課題だと思いますけれども、そういった場合、往療ですので、患者さんは基本的に歩行困難でございます。患者さんのマイナンバーカードをその場でお預かりして、電波の入るところまで施術者が移動して確認するというのは、やはりプライバシー保護の問題からもあまり好ましいことではないと思うのですけれども、そういった状況があった場合に、例えば先ほど御説明があった閲覧履歴を事後に参照できる機能であるとか、あと、どうしてもやむを得ない事情がある場合にはこれを若干猶予する仕組みみたいなものから、両方ともこぼれてしまうと思うのです。そういった場合、例えばマイナンバーカードの情報をスマホのほうにオフラインで一時保存して、オンラインに復帰したときに情報を確認できるとか、そういう機能が実装されていれば問題ないと思うのですが、これもやはりプライバシーの問題があるかと思っているのですが、その辺についてはどのようにお考えになっておられるでしょうか。もし決まっていることがあればお伺いさせていただきたいと思います。
○遠藤座長
 では、事務局、コメントをお願いいたします。
○中園室長
 御質問ありがとうございます。保険データ企画室長でございます。
 現場におきまして、オンライン資格確認ができない状況にある何らかのケースだろうと受け止めております。やはりモバイル端末でのインターネット回線を用いまして、読み取りあるいは資格情報の取得を行うこととなりますので、どうしてもオフラインの形では取り込めないというのが現状の仕組みでございます。そういった場合におきましては、例えば今後、保険者が送付いたします「資格情報のお知らせ」、これは保険加入が変わる際、あるいは負担割合が変わる際の通知などを現時点では想定しておりますけれども、マイナンバーカードと「資格情報のお知らせ」の組み合わせによりまして、被保険者番号や加入する保険者などを確認いただくということも想定しております。あるいは、カードがお手元にない方などへの対応としても同様でございますが、「資格確認書」によって資格確認を行うといった対応、そういった代替手段での対応が想定されるところでございます。何らかマイナンバーカードで確認できない際の代替の対応方法について、分かりやすく整理して今後お示ししていきたいと考えております。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 往田委員、いかがでしょう。
○往田委員
 ありがとうございます。
 特に視覚障害者の方にとって、現行の保険証は患者さんがサイズ的にも分かりやすいので、患者さんが一括してほかのお薬手帳とかと併せているので、目が不自由な施術者でも確認しやすいという部分があるのですが、資格のお知らせみたいなものが、例えば自治体によってそのサイズが違うとか、書式が違うみたいなことになってしまうと、患者さんもどこに保管したのか分からないということがあろうかと思いますので、その辺の御配慮も含めて御検討いただければと思います。ありがとうございます。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 ほかにいかがでございましょう。往田委員、続きでございますか。
○往田委員
 別の質問です。
○遠藤座長
 それでは、初めての方を優先させていただきます。ほぼ同時に逢坂委員からお手が挙がっておりましたので、逢坂委員、お願いいたします。
○逢坂委員
 日本視覚障害者団体連合の逢坂でございます。
 今回のオンライン資格確認につきましては、スケジュール等ずっと御説明を聞いているところなのですが、これは政府方針に基づいてデジタル化が進んでいるということで、喜んで協力というよりは、私たち視覚障害者はやむを得なく同意しているところだと思います。ただ、実際にやはり非常に不安を感じております。来月開設されますマイナポータルのサイトや、11月に完成するというアプリケーションソフトも含めて、それらは視覚障害者が普通に簡単に使えるものなのかどうかということもありますし、それから、来年4月に仕組みが始まるに当たっても、登録等の手続が、先ほど事務局は簡素な仕組みですとおっしゃっていただいていますけれども、それが視覚障害者が簡単に参加できるものなのかどうか、それから、10月完成を目指しているということですけれども、資格情報の閲覧機能につきましても、私たちがちゃんと使えるものか、それから、4月から10月までの間、私たちはどのようにして資格を保管していくのかなど、幾つか課題があると思っています。それらはこれから厚労省さんと詰めていきたいと思っていますし、視覚障害者がちゃんと使えるもの、あるいはその仕組みをしっかりとつくっていただきたいということをこの場で要望しまして、それを含めた上での同意をしたいと考えております。ありがとうございました。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 大変重要な御指摘だと思います。事務局、コメントをお願いします。
○中園室長
 御指摘等いただき、ありがとうございます。保険データ企画室長でございます。
 御指摘はまさにそのとおりでございます。視覚障害のある方が使いやすい機能あるいはアプリケーションであるというのが重要であると考えております。御指摘のとおり、実際の利用シーンにおきまして、視覚障害のある方が使えない、あるいは参加にハードルを感じてしまってはいけないと考えております。今後、アプリケーションの閲覧機能の設定あるいは閲覧機能が実装されるまでの間における運用面での工夫・配慮といった点について、今後も引き続き、密に連携して、適切な運用や現場の業態に合った利用シーンとなるように工夫、配慮を重ねてまいりたいと考えております。今後も引き続き、御指摘等いただければ幸いでございます。よろしくお願い申し上げます。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 逢坂委員、よろしゅうございますか。
○逢坂委員
 よろしくお願いいたします。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 それでは、お待たせいたしました。往田委員、先ほどお手を挙げておられました。どうぞ。
○往田委員
 度々の発言、恐れ入ります。よろしくお願いいたします。
 先ほど事務局から御説明がありました実施までのスケジュールに関してですけれども、非常にタイトなスケジュールであると感じております。その一方で、先ほど申し上げたように、私どもの会員からはこれに関しても今、問合せが非常に多くて、対応に遅れまいという意識が働いているところでございます。
 ただ、我々としても、今日、スケジュールをお示しいただいたので、ようやく会員のほうに説明できるかなと思うのですが、ポータルサイトの開設、もしくはアプリケーションのリリースが割と直近に迫っているところでございまして、アプリケーションに関しては、今年の初めぐらいから厚生労働省の担当部署の方からはざっくりとした御説明を頂いていたところではあるのですけれども、恐らく今までに何度か実証テストをやられていると思います。ただ、私どもに関しては実証テストは一度もお声がかからなくて、参加させていただくことができない状態なのですが、私どもに関しても、全日本鍼灸マッサージ師会でも約4割の会員が視覚障害者で占められておりまして、今後、短い期間ではあるのですけれども、リリース前に何度か実証テストみたいなものを行う予定であれば、こちらには私どもにもぜひ参加させていただきたいと思っております。アプリケーションがリリースされから使い勝手が悪いところを直し直ししていくよりは、リリース前に修正できるものであれば修正していったほうが、スケジュールはお尻が決まっているみたいですので、スムーズに導入を進めるためにもその辺御配慮いただいて、事前にお声かけいただけるとありがたいと思います。これはお願いでございます。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 事務局、コメントをお願いいたします。
○中園室長
 御指摘ありがとうございます。保険データ企画室長でございます。
 まず、先般実施した実証テストなどにおきまして、関係団体へのお声かけなどが十分にできておらず、大変申し訳ありませんでした。スケジュールでは12月以降にアプリケーションリリースの見込みではございますが、現段階で想定しているアプリケーションでのデモ機などを用いた形で実際にお使いいただく場を設定できるかと思います。そこで頂いた御意見は、リリース前に取り込めるもの、あるいは一旦リリースするとしても、その後の接続運用テストなども行う期間がございますので、その際の期間で得られた御指摘なども含めて、一定のタイミングで追加の手直しをさせていただく、そういった形でなるべく現場の御意見を頂戴しながら、使いやすいアプリケーションにしていきたいと考えております。運用開始後におきましても、使いやすいアプリケーションにしていくことが必要だと考えておりますので、今後ともそういった御意見等をいただければ幸いでございます。ありがとうございます。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 角本参考人、お手を挙げておられますので、よろしくお願いします。
○角本参考人
 日マ会の角本です。よろしくお願いいたします。
 日マ会としても視覚障害者への配慮を要望いたします。視覚障害者だけでなく晴眼者でもパソコンやスマートフォンなどの機器に慣れていない方、インターネット、アプリとは何ぞやから始まる方もたくさんいらっしゃいます。医科の医療機関などと違いまして、事務員とかもいなく、一人で施術所を運営されている施術者も多くいます。会としても可能な限り支援を行うつもりではあるのですが、アプリケーション運用方法、あと、導入とか運用のサポート等十分な配慮を頂きたいと考えております。実際の療養費の請求がスムーズに行えるようにお願いし、要望させていただきます。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 事務局、いかがでしょう。
○中園室長
 御指摘ありがとうございます。保険データ企画室長でございます。
 アプリケーションについては、御意見を頂戴しながらしっかりと改善を図っていきたいと考えております。また、利用申請に当たりまして、ポータルサイトにおきましても、使い勝手のよい、あるいは分かりやすい形での申請フォームなどをお示ししていきたいと考えております。ポータルサイトの構成などについても引き続き、御意見、改善点などを頂戴いただけますれば、順次取り込んでいきたいと考えております。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 ほかに何かございますか。幸野委員、お手を挙げておられますので、お願いいたします。
○幸野委員
 施術者側の委員の方以外は、さきに行われた柔整の検討会と同じ発言になることをお許しいただきたいと思いますが、これは違う委員会として言っておかなければいけないので、重複して言わせていただきます。
 まず、今日の委員会の目的は、2ページの下の赤枠にある下線箇所の、令和6年、来年の4月以降に、受領委任払いを行う施術所における資格確認の方法にオンライン資格確認を位置づけるということと、来年秋以降に保険証がなくなる時期を踏まえて導入を義務化することを委員会として了承するということが今日の目的でございますので、まずはこの2点、開始時期、義務化の時期については、保険者側、施術者側には双方メリットがありますので、異論はございません。ただし、2点ばかり確認しておきたいことがございます。
 1つは、導入がうまくいくかということ、これが保険者としては最大の懸念になっているところで、先ほどからも意見がいろいろ出ておりますが、本当に来年の4月に円滑に導入できるかということ、これが最大の懸念事項、それから、導入後に着実に運用していけるか、この2点について確認していきたいと思います。
 1点目は、円滑な導入に向けての準備についてなのですが、オンライン資格確認については、柔整あはきに先立って、保険医療機関、薬局における導入の経験、これがうまくいかなかったという反省を踏まえて、来年4月の開始時点で対象のうちどのくらいの施術所が参加されるのかというところが保険者としては非常に懸念されるところであります。保険医療機関、薬局と違って、療養の給付と異なって、受領委任という形を取っている当事者間の契約で成り立っておりますので、保険者の代表であります健保連としましては、来年4月の導入当初から多くの施術者の方が運用を開始して、保険証が廃止となる義務化の時点では経過措置などを設けることなく、原則として全ての対象施術所が漏れなく運用を開始されることが必須であると考えております。
 運用開始まであと半年なのですが、既に準備作業は開始されると聞いていますが、ここでもう一つあえて確認しておきたいのは、厚労省事務局として、来年4月の導入までに施術管理者またはその上部団体にオンライン資格確認の意義をどういうふうに説明して周知を図っていくと考えておられるのか、それから、導入されたら義務化までにどのような取組を行って、来年の秋には義務化を着実に行うためにどういうことを考えられているのかということをお聞きしたいと思います。柔整の場合は、委員の方からも出ておりましたが、都道府県別に説明会を行ってほしいとか、あるいは専用の窓口を設置してほしいとかいうリクエストも上がっていましたが、こういった要望を受けて、ぜひそういったことも検討していただきたいと思います。
 それから、当事者である施術団体の方がどのようにこのスケジュールを捉えているのかというところですが、今まで発言された意見を私なりにそしゃくしますと、とんでもないスケジュールだというふうなニュアンスは感じられなかったのですけれども、非常にタイトになるので、厚労省の全面的な協力とか、要請をかなえてほしいというふうな意見だったと思います。先ほどから出ていますように、施術者の方は高齢の方があはきの場合多いということと、視覚障害をお持ちの方もいらっしゃるということで、この辺は非常に難しいハードルがあると思うので、その辺は施術団体の方からも厚労省事務局のほうに働きかけていただいて、厚労省のほうもこれにはきっちりした対応をしていかないと、医科の療養の給付の二の舞になるというようなことも考えられますので、それについてはきっちりと対応していただきたいと思います。ということで、これについては厚労省事務局としてどういうことを考えられているのか、それから、施術団体の委員の方で、このスケジュールどおりにいくためにこういうことをやっていきたい、こういうことを要望したいということがあれば、ぜひその辺はこの場でおっしゃっておかれたほうがよろしいかと思います。
 以上が導入に向けての意見です。
 それから、2点目の意見ですが、導入後の着実な運用です。これは未来永劫やっていくわけですから、将来的にはオンライン請求という話も出てこようかと思いますが、運用の話です。今日は導入と義務化の時期について了解を得るということなのですが、これで了解が得られて、医療保険部会でも了解を得られましたら、後は運用面の課題を事細かく潰していく委員会となると思います。来年4月までに運用面の課題はたくさんあると考えておりまして、その課題を潰していくに当たって受領委任協定・契約も改定していく必要があると思いますので、こういったことを半年間の間に潰していくということが必要になってくると思います。
 それから、導入後、施術者の窓口で混乱を生じさせないために、患者、国民への前広な分かりやすい説明、周知、こういうのも必要になってくると思われます。そういったこともぜひ考えて、どういうふうなスケジュールでいくのかということをきっちりとこの場で話し合っていただきたいと思います。
 それから、柔整と異なって、特にあはきの場合は、中村委員からも御指摘がありましたとおり、健保組合の場合では償還払いが8割で、実際、受領委任払いを行っているのは保険者の2割という状況にありますので、施術者側の対応も柔整に比べて資格確認がこういったことで非常に煩雑になるということも想定されます。
 それから、もう一つ、柔整と異なるところは、これも委員の方から発言が出ていましたが、往療が非常に多いということ、往療専門の施術者もかなり多いということ、この辺りに対してどういった情報の確認を安全かつ確実に行っていくのかという措置、そういったことも来年の春までにはきっちりと潰していく必要があるのではないかと思います。
 今、言いました導入前の課題、それから導入後の課題がありますが、来年の4月までにいろんな課題を洗い出して、事務局のほうはこれらの課題に対してスケジュール感を持って解決していかなければいけないと思っております。課題については我々もたくさん持っておりますので、次回以降の委員会で検討していきたいと思います。
 以上、2点なのですが、1点目について、事務局、それから施術団体の委員の方でこのスケジュールについてどう思われているのか、どのような取組が必要なのかということについて確認したいと思います。それから、導入後の2点目の課題についてもコメント等があればよろしくお願いします。
 以上でございます。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 ではまず、事務局からコメントをお願いします。
○中園室長
 御指摘ありがとうございます。保険データ企画室長でございます。
 まず、1点目の御指摘についてです。導入スケジュールにおきまして、現場の施術所において円滑に導入を進めるための情報発信あるいは支援が必要というのは御指摘のとおりです。まずポータルサイトの開設は、いち早く開設したいと考えております。ポータルサイトにおきまして、必要な導入の手順、あるいはそもそものオンライン資格確認の意義、そういった点について情報発信を行っていきたいと考えております。併せまして、ポータルサイトにおきまして、順次、利用申請などの申請フォームを用意していくこととなりますが、その申請に当たっての方式などについても、今後御意見を頂戴しながらまとめていきたいと考えております。
 また、併せまして、これまで実施してきた医療機関・薬局におけるオンライン資格確認の導入に当たっての取組といたしまして、私ども義務化の方針をお示しした後に、各関係団体から説明会の御要望を受け、あるいは団体本部を通じた地方組織からの御要望も頂いて、積極的にオンラインでの説明会などに参画させていただいて、仕組みの概要、支援の内容、補助の内容なども御説明してきたところでございます。この資格確認限定型の導入に当たりましても、そういった説明会の御要望等ございましたら、関係団体を通じて御連絡いただければ、説明会への対応などを積極的に検討していきたいと考えております、
 また、併せまして、専用のお問合せのダイヤル、コールセンターをどのように設置していく必要があるのかとのご指摘については、お問合せいただく専用ダイヤルを、ポータルサイトの開設とともにいち早く立ち上げる予定でございます。オンライン資格確認の実施機関であります支払基金・国保中央会でコールセンターの準備、用意をしているところでございます。いずれにいたしましても、きめ細かく相談対応を行っていきたいと考えております。
 前段の御質問については以上でございます。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 それでは、施術者団体の立場で、中村委員、お願いいたします。
○中村委員
 ありがとうございます。日本鍼灸師会の中村でございます。
 先ほど幸野委員からのお話の第1点目につきまして、私どもでどのように会員または会員外に広報していくのかということにつきましてですが、あはき研修試験財団において16時間2日間の研修、受領委任制度を利用したいはり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師が施術管理者になるための研修を行うわけですが、この中で今日のお話はしっかりお伝えしていかなければならないかなと、今後もこのシステムが動くことを十分お話をするという機会がありまして、これは会員外でありましても、受領委任を利用したいという全国のあはき全てに伝えることができるかなと思っております。会員に向けてでは、日本鍼灸師会では地方厚生局のブロックごとに会議を持っておりまして、その場でこの問題について上げさせていただいて、今日の資料も利用させていただきながら周知を図りたいと思っています。
 もう一つとして、全国都道府県の保健部長宛てに私どもメールのラインを持っておりまして、そういうウェブ上で今日のことを報告させていただく。また、全国保健部長会議というのがございまして、その中でこの問題をさらに深めてお伝えしていく。また、会員から出る御質問に答えていくという格好を取りたいと思っております。では、それ以外の人たちについてどうするのかというのは、また4団体、私ども業団7団体で検討させていただきたいと思っております。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 それでは事務局、追加のコメントをお願いいたします。
○中園室長
 ありがとうございます。2つ目の御指摘について発言いたします。保険データ企画室長でございます。
 導入後におきまして、適切にサービスを運用していくという点が重要であるというのは御指摘のとおりでございます。例えば個人情報保護の取扱いやセキュリティ上の留意事項といった点もございます。オンライン資格確認の仕組みにおきまして、サービスの利用に当たりましては、現行も医療機関・薬局におきましては、オンライン資格確認の利用規約というものを実施機関であります支払基金・国保中央会と結んでいただき、このサービスの提供・運用を行っているところでございます。したがいまして、そういった運用面において今後配慮すべきこと、あるいは留意すべきことについて利用規約においての対応といった点が想定されます。今後、そういった実務上の検討課題をどのようにカバーしていくのかという観点から、利用規約の内容などについて関係団体の皆様と調整してまとめていきたいと考えております。
 事務局から以上でございます。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 ほかに御意見等いかがでございましょう。幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
 お答えいただきまして、ありがとうございました。
 今までの御発言を頂いた私なりの感触を申し上げますと、療養の給付で起こった最初のつまずき、それを一番懸念していたのですが、今の意見等々を聞いておりますと、何とか療養の給付のようなことにはならないのかなと思っておりますので、少し安心したかなと思います。これはとんでもない、これではできないというふうな声も懸念していたのですが、そうでもないかなというところがありますので、少し安心いたしました。4月に向けてぜひ厚労省と密に連絡を取ってやっていただきたいと思います。とは言いつつも、まだ気になりますので、療養の給付のマイルストーンが立てられたときのように、例えば申込み件数がどうなっているか、設置の状況がどうなっているか、刻々と厚労省のホームページとかで公表されていたと思うのですが、進捗についても保険者は気にしているところなので、ああいうふうに公表するかどうかは別にして、来年4月までですので、できれば進捗について見える化を図っていただきたいというのが要望でございます。ぜひお願いします。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 事務局、何かコメントありますか。
○中園室長
 御指摘ありがとうございます。保険データ企画室長でございます。
 導入の進捗などについて一定程度見えるような形でお示ししていくということについて、そのお示しの仕方など、あるいは把握の仕方など、今後検討してまいりたいと考えております。
○遠藤座長
 ありがとうございます。
 ほかに何か御質問、御意見ございますでしょうか。池田委員、どうぞ。
○池田委員
 国民健康保険中央会の池田でございます。
 先ほどの柔整のほうの発言と同じでございますけれども、オンライン資格確認の導入につきましては、現在、協議が行われておりますオンライン請求の導入におきましても大変重要な一歩だと考えております。私ども、オンライン資格確認等システムの実施機関といたしまして、基金さんと一緒にこの運用を行っているところでございます。コールセンター等のお話もございました。その点につきまして、また厚労省さんともしっかりと連携させていただきながら、適切に対応してまいりたいと思っておりますけれども、その際の財政支援等につきましても、またぜひお願いしたいと思っているところでございます。また、オンライン資格確認の開始に当たりましては、先ほど来、様々御意見が出されているかと思いますが、施術者の皆様が操作とかあるいは仕組みについて十分に理解できますように、しっかりと周知、また説明を行っていく必要があろうかと思いますので、厚労省さんにつきましては、的確な御采配をお願いしたいと思っております。
 私から以上でございます。
○遠藤座長
 どうもありがとうございました。
 あと、何か御意見ございますか。よろしゅうございますか。大体、御意見は出尽くしたとか思います。
 それでは、本日、事務局が提案を出されておりますこの内容をもう一度確認いたしますと、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師の施術所において受領委任制度に来年4月からオンライン資格確認を導入し、令和6年秋に予定されている保険証の廃止に併せ、義務化するということが事務局から出されております原案でございます。これについて、むしろ反対する御意見はなかったということだと認識しますので、これを当委員会としては承認したいと思いますけれども、そのような流れでよろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○遠藤座長
 ありがとうございます。多くの方が合意のサインを出されておりますので、それでは、当委員会としましては、原案を承認したということにさせていただきます。事務局におかれましては、医療保険部会への御報告をよろしくお願いいたします。
 本日の議題は以上でございます。
 次回の日程等につきまして、事務局から何かありますか。
○荻原室長
 次回日程につきましては、また調整の上、御連絡させていただきます。
 以上です。
○遠藤座長
 それでは、これをもちまして、第27回「あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」を終了いたします。本日は、お忙しい中、どうもありがとうございました。
 

 

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