ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会)> 第50回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会議事録(2017年3月6日)
2017年3月6日 第50回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会議事録
職業安定局雇用開発部建設・港湾対策室
○日時
平成29年3月6日(月)10:00~12:00
○場所
厚生労働省 専用第20会議室(17階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)
○出席者
公益代表
鎌田座長、柴田委員 |
労働者代表
岩永委員、小倉委員、勝野委員、曽根崎委員 |
使用者代表
土屋委員、最川委員、渡辺委員 |
事務局
坂根雇用開発部長、谷建設・港湾対策室長、吉松建設・港湾対策室長補佐、佐藤建設・港湾対策室長補佐 |
○議題
(1)建設雇用改善計画(第九次)の進捗状況について
(2)建設労働者の雇用の改善等に関する法律第14条第1項の規定による実施計画の変更について(非公開)
(3)その他
○議事
○吉松補佐 おはようございます。ただいまから、「第 50 回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会」を開催します。私は、建設・港湾対策室長補佐をしております吉松です。本日は、今年度に入り初めての開催であります。この間、委員の交代もありましたので、冒頭は事務局が進行させていただきますので、よろしくお願いします。
お手元の配布資料の確認をお願いします。資料は、資料 1-1 ~ 3-2 、参考資料 1 、 2 があります。資料 1-1 が、「第 9 次建設雇用改善計画の概要」です。資料 1-2 については、「第 9 次建設雇用改善計画の実施状況について」という表です。資料 2-1 が、「建設業の人材確保・育成に係る平成 29 年度予算案の概要」です。資料 2-2 が、「職業安定法改正に伴う建設労働法の改正内容について」です。そして、これは非公開の資料としていますが、資料 3-1 が、「建設労働者の雇用の改善等に関する法律第 14 条第 1 項の規定による実施計画の変更等について」です。資料 3-2 が、「一般社団法人沖縄県建設業協会実施計画変更認定申請等関係資料」です。そして、参考資料 1 として、「委員名簿」、参考資料 2 として、「建設雇用改善計画 ( 第九次 ) 」です。議事次第には書いておりませんが、最後に「第 1 回「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」の受賞企業を決定しました」という厚労省の記者発表を付けております。お手元に資料はありますか。よろしいですか。
次に、新たに選任された委員の方々の紹介をさせていただきます。先ほどの参考資料が最新の建設労働専門委員会の名簿です。平成 28 年 9 月 2 日付けで時枝委員に代わり、日本建設産業職員労働組合協議会政策企画局次長の岩永一郎委員が、労働者代表委員として就任されました。当委員会への出席は今回が初めてですので、一言御挨拶をお願いします。
○岩永委員 ただいま御紹介いただきました日本建設産業職員労働組合協議会の岩永と申します。私は日建協に派遣されまして、今年で 2 年目になります。ただいま、当組織では政策企画局をやらせていただいておりまして、任期をあと 1 年半残しておりますので、今回初めて出席させていただきますが、今後も会議でいろいろと御協力できるよう頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○吉松補佐 ありがとうございました。次に、平成 28 年 9 月 2 日付けで鈴木委員に代わり、西松建設株式会社安全環境品質本部安全部長の最川隆由委員が、使用者代表委員として就任されました。当委員会への出席は今回が初めてですので、一言御挨拶をお願いします。
○最川委員 西松建設の最川と申します。よろしくお願いいたします。今、私は安全環境品質本部ですが、 4 年ほど前までは約 30 年間、建築現場の所長をやっておりまして、それから本社になりまして、建築部に 3 年、去年 4 月から安全ということで、建築現場のほうは詳しいと思いますので、今後よろしくお願いいたします。
○吉松補佐 ありがとうございました。次に、平成 28 年 7 月 12 日付けで福田委員に代わりまして、一般社団法人日本建設業連合会常務執行役の渡辺博司委員が、使用者代表委員として就任されました。当委員会への出席は今回が初めてですので、一言御挨拶をお願いします。
○渡辺委員 おはようございます。紹介いただきました渡辺です。私は去年の 3 月に竹中工務店を定年退職して日建連に参りまして、そちらの在職中は、本社ですが、現場の技術的な管理を行うという、現場を見るという立場でずっとやってまいりました。こういった労働関係とか安全関係は専門ではありませんが、一応いろいろなことを見てきたつもりではおります。今、日建連では働き方改革と言われておりますが、そちらを担当するようにと言われておりますので、非常に重い課題としてこの委員会の中でも寄与できればいいと思っています。よろしくお願いします。
○吉松補佐 ありがとうございました。それでは、事務局である厚生労働省職業安定局雇用開発部坂根部長より挨拶をさせていただきます。
○坂根部長 改めましておはようございます。今日はお忙しい中、鎌田座長をはじめ委員の先生方には御参集いただきまして、ありがとうございます。御案内のとおり建設業を取り巻く状況は、近年、相当変わってきているところです。特に、我が国全体として少子高齢化・人口減少社会に突入する中で、建設業を担う担い手、特に若者の確保、入職・定着であったり、能力開発であったり、そういったことが大きな課題になっています。足下を見ますと、景気回復であったり、復興需要の高まり、そして 2020 年の東京オリンピック・パラリンピックと、いろいろな要因があるわけですが、中長期的に見ると、今後ますます建設投資がどうなるのか、あるいは、それに伴って労働者の確保をどうしていくのかが、我が国全体として大きな課題になっていると考えています。
そういった観点から、国土交通省でも生産性革命に向けた様々な取組を行っているところですが、我々厚生労働省といたしましても国土交通省と相携えて、雇用の改善に向けた諸施策を、先手先手を打ちながら進めていきたいと考えているところです。特に、建設業は地域の経済の重要な担い手であると同時に、国土管理あるいはインフラの維持管理に大きな役割を果たすということから、短期的な視点だけではなくて、中長期的な視点も入れながら積極的な施策を打っていきたいと思っております。
その一環として、昨年度、この委員会でもいろいろな御議論を頂きまして、「第 9 次建設雇用改善計画」を作っていただきました。この計画は様々な支援策を盛り込んでいるものでありますが、今日はその支援策についても御紹介をさせていただき、それとともに、どうぞ皆様のそれぞれの専門的な観点から、忌憚のない御意見を頂戴しまして、来年度以降の私どもの施策に、それが的確に反映できるような形で御議論いただければ有り難いと思っております。
いずれにいたしましても、私ども厚生労働省といたしましても、こうした建設労働者の確保・育成については、非常に重要な施策として取り組んでいきたいと思っていますので、今日を含め今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
○吉松補佐 続いて、本日の委員の出席状況の報告をさせていただきます。本日は、公益委員の大橋委員、使用者側委員の大木委員から欠席の御連絡を頂いております。それでは、以後の進行は、座長からよろしくお願いします。
○鎌田座長 座長の鎌田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。毎年、 1 年に 1 回、あるいは、多いときは数回ということなのですが、ここしばらくは皆さんとお会いする機会がなかなかなくて、こういった形で議論の場を設けていただくのは非常に有り難いと思っております。
今申しましたように、少し前回からの間が空く中で委員の交代がございました。御退任されました時枝委員、鈴木委員、福田委員の各委員、今日は御出席されておりませんが、私からこれまでの当専門委員会の運営に対しての御尽力につきまして、深く感謝を申し上げたいと思います。また、新たに委員に就任されました岩永委員、最川委員、渡辺委員におかれましては、今後の当専門委員会の運営に御協力いただきますよう、何とぞよろしくお願いいたします。
それでは議事に入ります。議事次第にありますとおり、議題は 3 つあります。 1 つ目の議題は、「建設雇用改善計画 ( 第九次 ) の進捗状況について」です。 2 つ目の議題は、「建設労働者の雇用の改善等に関する法律第 14 条第 1 項の規定による実施計画の変更について」です。 3 つ目の議題は「その他」ですが、具体的には 1 つ目が「建設業の人材確保・育成に係る平成 29 年度予算案の概要 ( 厚生労働省関係 ) 」について、 2 つ目は「職業安定法改正に伴う建設労働法の改正内容について」の御報告です。
なお、 2 つ目の議題については、その審査につき、個別事業主の資産の状況等に関する事項を扱うこととなりますので、審議会等会合の公開に関する方針の「個人に関する情報を保護する必要がある」及び「公開することにより、特定の者に不当な利益を与え又は不利益を及ぼすおそれがある」場合に該当するため、非公開とさせていただきます。そのため、この議事の進行上、 2 つ目の議題は最後に回し、ここでは 3 つ目の議題を先に議論していただこうと思っています。
1 つ目の議題である「建設雇用改善計画 ( 第九次 ) の実施状況について」、事務局より御報告をよろしくお願いします。
○佐藤補佐 建設・港湾対策室室長補佐の佐藤です。どうぞよろしくお願いいたします。昨年度、皆様に御議論いただきました第 9 次建設雇用改善計画について、昨年 4 月からスタートして間もなく 1 年が経過するところです。この 1 年の実施状況について、資料 1-1 、 1-2 で御説明をさせていただきます。
資料 1-1 です。初めに、最近の建設業を取り巻く現状についてです。下のデータですが、データを新しい数字に更新しておりますので、こちらの新しいデータについて御説明させていただきます。「建設業における投資額と就業者数の推移」ですが、投資額についてはほぼ横ばいの状況ですが、建設業の就業者については昨年に比べて約 8 万人減少しております。技能労働者についても昨年より約 5 万人の減少になっております。
その隣の「就業者における若年層・高年齢層の割合の推移」です。 29 歳以下の若年者は、昨年の数字は入っていませんが、 10.8 %だったのが 11.4 %ということで、こちらは伸びております。実数で見ても、 2 万人増加しているということで、若年者確保に向けた取組の成果は徐々に現れてきているのではないかと思っているところです。
「女性就業者の推移」ですが、こちらについてはほぼ横ばいの状況が続いております。
右側、「建設労働者の需給動向」ということで、有効求人倍率については、上の赤い線ですが、躯体工事の職業が 7.31 倍ということで、前年より増加。その次の建設・土木・測量技術者が 4.36 %。建設関係の職種の有効求人倍率は非常に高い状況が続いており、昨年度よりも少し上がっている状況にあります。
その下です。「新規高校卒業就職者と 3 年以内の離職状況」ですが、高卒の建設業への就業者数は、棒グラフですが、若干下がっている状況にあります。高卒の 3 年以内の離職者の割合ですが、一番上の赤の折線が建設業になっており、こちらは 48.3 %ということで、 3 年以内に約 2 人に 1 人が辞めていく状況は変わっていない状況にあります。
下、建設労働者の労働条件等の動向です。左側ですが、年収額の推移です。一番上の赤い実線が建設業全体の年収額になりますが、こちらは昨年度よりも上がっております。 533 万円です。ただ下の点線、こちらは建設業の生産労働者、技能労働者ですが 418 万円と、昨年が 433 万円でしたので、去年よりも減少している状況にあります。
その下、建設業の週休二日制の導入状況については、事業規模が 30 人以上を対象に、制度が導入されているかどうかということでいきますと 40 %ということで、全産業に比べてまだ低い状況にあります。
真ん中です。労働時間の推移ですが、一番上の赤い線が建設業の労働時間になりますが、ほぼ横ばいということで、相変わらず他産業よりも長い労働時間になっております。
その下が職業能力の開発状況ということで、 OJT 、 OFF-JT の取組状況です。こちらは建設業は比較的高い状況になっております。
右側ですが、労働災害の発生状況です。死傷者数・死亡者数は共に昨年よりも減少している状況です。取り巻く状況については以上です。
資料 1-2 を御覧ください。こちらは計画の本文の内容に沿って、その実施状況をまとめた資料です。第 9 次計画のスタートが平成 28 年度からということで、こちらは青で色付けをしておりますが、平成 28 年度実施状況、平成 29 年度の予定、こちらを中心に説明をします。参考に平成 27 年度の実施状況も載せておりますので、適宜御参照いただければと思います。大きな項目の 1 つ目が、若年者の建設業への入職・定着促進による技能労働者の確保・育成です。 (1) 丸1が、建設業のイメージアップや、建設労働者に対する理解の促進です。これに対して、実績、実施状況ですが、建設労働者確保育成助成金、こちらで職場体験や、インターンシップなど、そういった魅力を伝える啓発活動の取組、こういったものに対する支援を行っております。実績については、 1 月末時点の数字ですが、 1,041 件ということで、 1 月時点で昨年並みの件数になっている状況です。
丸2建設業の魅力の発信、その喚起のための取組ということで、同様にこの助成金による支援を行っているということです。
丸3適切な職業選択のための取組の促進や職業能力の開発・向上及び自立の促進ということで、こちらは積極的に職場情報を提供して、企業の情報を皆さんに知ってもらおうと。下の若者雇用促進総合サイト、こちらは若者雇用促進法に基づいて職場情報の提供を行う、企業の情報を検索できるデータベースなのですが、こちらに建設業も 1,261 社登録されているというものです。
丸4ハローワークによるマッチング支援ですが、こちらは「建設人材確保プロジェクト」を実施しているところでして、平成 29 年度については都市部等に集中化して支援を実施する予定です。
丸5ですが、若年労働者を育成する職場風土の醸成のための支援ということで、雇用管理研修の中にコミュニケーションスキル等向上コースを新設して実施しているところです。
丸6ですが、体系的な処遇改善を始めとした雇用管理改善の推進、資格・教育訓練・処遇等を関連づけたキャリアパスの検討です。まず雇用管理改善の推進については、職場定着支援助成金や、建設労働者確保育成助成金、こういった助成金による雇用管理改善の取組支援や、雇用管理制度導入に係るコンサルティング支援ということで、アドバイザーの派遣などを行っております。あと、助成金によるキャリアパスモデルの作成等、こういったもので雇用管理改善を図っていこうという取組を行っております。
本日、皆様に追加でお配りした記者発表資料ですが、こういった雇用管理改善の取組として皆様に御紹介したいと思っております。こちらは今日お配りした資料ですが、先週金曜日に発表したプレスリリースです。「第 1 回「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」の受賞企業を決定しました」という資料です。企業における生産性向上と雇用管理改善、魅力ある職場づくりの両立の取組を促進するために、こういった表彰制度を今年から新しく設けたところです。この資料の表の下から 3 つ目のパラグラフですが、今回初めての実施で、全国 144 の企業・職場から応募がありました。
この中で、「優秀賞」に、建設業から 2 社選定されております。この裏面を御覧ください。中ほどの四角ですが、優秀賞の中小企業部門で旭テクノプラント株式会社、岡山の会社ですが、それとヤマサハウス株式会社、これは鹿児島の会社ですが、この 2 社が優秀賞を受賞されたということです。
具体的な取組は、もう 1 枚開いていただいて、横長の資料です。旭テクノプラントですが、電気設備とか、水処理施設、こういったものの設計・施工管理などを行っている会社です。社員が全員参加型の経営を実感できる「経営会議」などの仕組みや、先輩社員が講師となった技術伝承共育などにより、生産性の向上とモチベーション高く働ける環境を実現したと、こういうことで受賞しています。
一番最後のページですが、こちらがヤマサハウス株式会社ということで、木造住宅の設計・施工・増改築、こういったものを行っている会社です。建築施工の技術力と対応力を高めること、「学習する組織」をコンセプトにした従業員の育成などにより、生産性向上と働きやすい職場づくりを実現したということで受賞されております。建設業からもこういった企業が出てきているということで、表彰企業の取組などを参考に、多くの企業において雇用管理改善の取組を進めていただきたいと思っているところです。
先ほどの資料 1-2 に戻ってください。資料 1-2 の 2 ページを説明させていただきます。 (2) 女性労働者の活躍の促進ということで、丸1仕事と家庭の両立や女性のキャリアアップ促進のための就労環境の整備等々ですが、男性が育児休業を取得しやすい制度の周知や、「イクメンプロジェクト」を実施しています。「イクメンプロジェクト」については、今年の表彰企業が、特別奨励賞は大成建設、イクボスアワードは戸田建設の東京支店の部長がグランプリを受賞されておりますので、御紹介したいと思います。ほか、くるみん認定の取得促進や、トイレ・更衣室への整備支援、こういったことを行ってまいりました。
丸2女性の入職の促進ということで、助成金による支援や、データベースの情報公表により、女性の入職促進をしようというもので、来年度はスマホなどにも対応できる形で情報公表を進めていく予定です。
丸3女性の活躍促進ですが、男女雇用機会均等法の履行確保の援助等を実施していくものです。
丸4坑内労働については、今のところ特段の見直しの必要性はないというものです。
(3) 高年齢労働者の活躍の促進ということで、丸1定年の引き上げ等々については、労働局・ハローワークにおいて、継続雇用制度導入の措置義務の実施に関する指導・助言。
丸2高年齢労働者の活用、適切な雇用管理ということで、アドバイザーによる助言や、助成金による支援を行ってきたところです。
3 ページです。大きな項目の 2 つ目です。「魅力ある労働環境づくりに向けた基盤整備」、丸1雇用関係の明確化に向けた取組ということで、雇用管理研修による必要な知識の習得支援や、定期監督等における是正指導、こういったことを行っております。
丸2「一人親方」への対応については、個別の事例に応じて労働関係法令の遵守についての指導等を行っております。
丸3労働者募集・請負の適正実施ということで、研修による知識の習得支援とか、「労働者派遣事業・請負を適正に行うためのガイド」、こういったものによる周知啓発を行っております。
丸4季節労働者の通年雇用化等の推進ということで、奨励金などによる通年雇用の促進を行っているところです。
丸5長時間労働の改善のための労使の自主的な取組への重点的な指導、週休二日制の普及等ですが、助成金による支援、「労働時間等見直しガイドライン」の周知、「働き方・休み方改善コンサルタント」等による助言・指導、こういったことを行ってきたところです。
丸6労働保険・社会保険の一層の適用促進ということで、こちらは国土交通省と連携した社会保険未加入対策の促進などを実施しているところです。
4 ページです。丸7建退共制度の適正な運営の確保、加入促進ということで、適切な措置をとるような要請、指導、個別訪問やダイレクトメールなどによる加入勧奨、こういった取組を行ってきたところです。
(2) 労働災害防止対策の推進です。丸1労働災害防止計画等を踏まえた労働災害防止対策の推進ということで、安全衛生優良企業の認定や、現場指導、職長再教育カリキュラムの策定、東京オリンピック・パラリンピックに対応した基本方針の安全対策の基本方針の策定、こういったものを行ってきております。
丸2建築物の解体時等における石綿対策ということで、解体等への指導なども行っております。
丸3墜落転落災害防止対策の促進ですが、「より安全な措置」の導入についての技術的な助言・支援、研修等を行っております。
丸4事業主による健康管理等に係る措置実施の推進ということで、医師による面接指導等、事業者が行うべき健康管理の措置について、周知・指導等を行っているものです。
丸5メンタルヘルス対策の推進ということで、メンタルヘルス不調予防のための職場改善の取組や、ストレスチェックの実施、それに伴う産業医活動への助成等によるストレスへの気づきと対応の促進、事業者向けセミナー、こういったものを行っております。
5 ページです。丸6高齢者の健康管理、適正配置等の推進ということで、こちらは再掲になりますが、事業者が行うべき健康管理の措置について、周知・指導等を行っております。
3 つ目の職業能力開発の促進、技能継承です。 (1) 丸1認定職業訓練、技能実習の実施の促進ということで、認定訓練助成事業費補助金について、昨年から要件緩和は行っているのですが、引き続き要件緩和を実施するほか、助成金などによる支援を行っております。
丸2公共職業能力開発施設等における訓練の実施ということで、富士教育訓練センターなどに対する助成金や、公共職業訓練の実施、こういったものを行っております。
丸3企業内における実践的な人材の育成等ですが、キャリア形成促進助成金などによる助成や、公共職業訓練・求職者支援訓練などを実施しているというものです。
丸4資格、教育訓練、処遇を関連づけたキャリアパスの検討への支援ということで、助成金によるキャリアパスモデルの作成の取組支援、登録基幹技能者の処遇向上への支援、こういったものを行っております。
丸5情報技術の活用能力の向上ということで、 ICT 分野における公共職業訓練等を実施しております。
丸6多能工化に資する職業訓練の推進ということで、建設労働者確保育成助成金、こちらは多能工コースなどにも助成をしているというものです。
(2) 労働者の自発的な職業能力開発の促進です。「ジョブ・カードの普及促進等を通じた労働者のキャリア形成の促進」ということで、キャリアコンサルタントの国家資格化とか、ジョブ・カード活用の促進等を行っております。
(3) 熟練技能維持・継承及び活用です。各種大会を通じた技能の魅力・重要性の啓発ということで、今年は鉄筋技能検定 3 級の新設とか、若年者ものづくり競技大会、技能五輪、こういったものの開催、現代の名工の表彰などを行っております。次に熟練技能労働者による技能講習等ということで、「ものづくりマイスター」の派遣による若年技能労働者への実技指導等を行っております。技能やものづくりの魅力に触れる機会の創出ということで、助成金による支援、ものづくり体験教室の開催、職業訓練の成果物の展示、こういったことを行っております。
7 ページですが、技能労働者が不足する職種等についての教育訓練の取組の支援です。建設労働者緊急育成支援事業、また後ほども説明しますが、こういった事業を実施しております。ほか、キャリア形成促進助成金による支援や、建労金での支援、こういったものを行っているところです。
4 つ目は「雇用改善推進体制の整備」ということで、建設事業主や事業主団体の効果的な雇用改善の推進体制などについて書かれているものです。これについては、事業主や事業主団体が雇用改善を推進するための助成金による支援などによって、支援体制を整備しているということです。雇用管理研修の内容の充実や、建設労働者確保育成助成金、これが雇用改善に向けた大きなツールですが、こういったものの制度の見直し、拡充等を行ってきているところです。また、国土交通省の取組も重要ということで、社会保険未加入対策とか、労務関係諸経費の確保、ゼロ国による施工時期の平準化、こういった取組を進めているところです。
5 つ目、「円滑な労働力需給の調整等による建設労働者の雇用の安定」ということで、計画を踏まえた新規・更新の許可とか、認定計画の審査を実施してきております。
6 つ目、外国人労働者への対応ということで、丸1職業紹介や相談体制の整備・充実、雇用管理改善の指導。
丸1東京オリンピック・パラリンピック等の建設需要に対応するための緊急かつ時限的な外国人材の活用ということで、国交省において外国人建設就労者受入事業を実施しており、今年 1 月末の累計で 1,286 人を受け入れているというところです。実施状況についての説明は以上です。
○鎌田座長 今の説明について御質問や御意見がありましたら、自由に御発言ください。
○渡辺委員 施策についてたくさん、されているということが分かりました。 A3 の資料に戻っていただいて、お願いになるかと思うのですが、資料 1-1 の左下の隅のほうにある週休二日制の導入状況の件です。
建設業では 40 %、ただ、これは週休二日制が就業規則で決まっているという意味と解釈しました。我々が一番知りたいのは、実際に現場が休めているのかということです。ここにおられる日建協のデータを見ても、内勤と現場ではすごくギャップがあるので、もう数字は押えているのかもしれませんが、現場の週休二日の実態をデータとしてきちんと把握していただけると、実は我々もそれを進めようとしているので、非常に張り合いがあるのです。これは新規に若い人を入れるという意味で非常に大事なことだと思っております。その辺りの統計的な把握を是非よろしくお願いいたします。
○鎌田座長 現在、実態について分かっているデータはありますか。
○佐藤補佐 いいえ。今統計的に取れるのが事業所規模 30 人以上で、就労条件総合調査という調査です。こちらは実態というよりも会社において、先ほども言われたとおり、週休二日制の制度を導入しているのかということで、週休二日制なのだけれども現場が開いていれば休日出勤という形になりますよね。そこまでは統計的にデータを取れない状況です。
○渡辺委員 大変難しそうで我々もどうしていいのか分からないのです。
○佐藤補佐 ええ。
○渡辺委員 少なくとも日建連として会員の中の把握はできるのですが、それはごく一部なので、できるだけデータを取れるようでしたら是非ともお願いしたいと思っております。
○谷室長 週休二日制度を導入していて、休むべきときに働いてしまう、あと、残業もあると思うのですが、そういう意味では全体の総労働時間を取っています。
○渡辺委員 ええ。
○谷室長 これは非常に長くなっております。そういうところにも反映されているのかと思います。あと、有休の取得数の実態を取っているものがあります。これについては平成 26 年で、 30 人以上の企業ですが、建設業は有休が 18.3 日あるのですが、そのうち実際に取得したのが 40 %程度で 7.4 日です。全体の産業が 18.5 日で取っているのが 9.0 日と 49 %程度、それだけ見ると有休の取得はそれほど変わらない状況です。
週休二日制について、実際に休んでいるのかどうかというデータは取っていない状況です。また、今後、調査等に反映できるものがあれば検討したいと思います。
○渡辺委員 御検討をお願いいたします。
○坂根部長 残業すると言って勤務日に残業するのと、休みの日にわざわざ出ていくのと、取り分けることができるのかどうかです。業種も広いですし中小まで含めてとなると、どのようなやり方があるのかというのは、正直、かなり難しいところがあるかもしれませんが、問題意識としては承りたいと思います。
○渡辺委員 よろしくお願いいたします。
○柴田委員 その件なのですが、この調査は事業所に配って事業所調査でやるのです。ですから、労働者の分も事業所から配って労働者に回答してもらう。事業所だけですよね。
○佐藤補佐 この調査は事業所に配って調査するものです。
○柴田委員 だけですよね。そうなると労働組合側で、第何次下請も含めて実際に労働者が実労働時間としてどうだったとか、あるいは何日間休めたのかとか、労働者の実態を把握するためには、そういうことを調べていかないとサンプルの取りようがないということですよね。
もう 1 つは、国交省が進められているカードでビッグデータとして。ただ、それもお役所の仕事の所にしか入らないから、民間のカードでの、民間も入るのですか。
○佐藤補佐 民間の工事現場でも利用されます。
○柴田委員 そうですか。それが出るまでは、本当のところの実態が分からないということなので、全然見えない中でやるためには、労働組合に頑張ってもらうしかないのかな。あるいは、もう既にデータがあるのかという感じがしております。何重下請になっていて上のほうが幾ら何日休んでいると言っても実態は全然分からないわけですから、そのカードの制度ができるまでは組合に頑張ってもらうしかないかと思っています。
後でお話しますが、私は今日で終わりなので少し遺言のように、早く実態が分かるようにして差し上げてくださいということを申し上げたいと思います。
○最川委員 今と同じような意見、先生の言われたとおりなのですが、同じ現場は休めていても違う現場に行ってしまう現状があるので、事業主、事業場に月に何日休めたのかというデータは最低ないと。今の現状からでは今後も、どのように休んだのかということが分からないと思いますので、アンケートとしてはランダムでもいいので労働者が月に何日休んでいるという現状を事業主に調べていただいて、そういうデータがあってそこからどのように効果があったのかというものがないと、本当に数字上表れないと懸念しているところです。よろしくお願いいたします。
○土屋委員 参考に教えてほしいのですが、今、建設業は 60 万社と言われています。これは 30 名以下を抜くと残りは 40 万社ぐらいですか。
○佐藤補佐 今、 30 名以上の実数について持ってきておりません。
○土屋委員 多いのですよね。そこの部分は日建連でもデータを出しているのです、大手とか 1,000 人以上とか、いろいろ 30 人以上とか。そのときに 30 人以下という所は 4 次、 5 次の業者になってしまうかと思います。先ほどから話があるように、やはりそこを押さえて見ていかないと、本当の実態調査は分からないと思うのです。
○谷室長 私どもの室で独自に調査しているものがあります。 26 年の完全週休二日制の導入状況は、 2 人以上規模の企業ですが、 9.4 %。何らかの週休二日制になると 35.5 %、サンプルが違いますので必ずしも直接比較できないのですが、 30 人未満の企業でかなり導入していない状況は、この辺りの数字から推測されると思います。
○勝野委員 先ほどおっしゃられた現場の実態を把握するということは、非常に大切なことだと思います。ただ、その際に建設業の場合で言うと、雇用されている労働者については先ほどおっしゃられた形で一定程度の把握はできると思います。加えて 3 ページにあるように、現状からすると一人親方という、雇用関係で言うと非常にグレーと言ったらあれですが、そういう層が多くあるということですから、私は建設業における雇用関係を明確にしていくということについて、非常に大切だと思っております。
そういう点から考えると先ほど柴田先生がおっしゃられたように、キャリアアップシステムは一定程度、そうした建設業における雇用関係を明確にするためのものとして、非常に有効なものになっていくと考えております。そうした点で、 3 ページの取組の中で雇用関係を明確にするという位置付けから、キャリアアップをしっかりと位置付けていただいた上で、厚労省としても取組を進めていくということを是非お願いしたいと思っております。
○鎌田座長 キャリアアップの実施、実態というのでしょうか、今言った雇用関係の明確化という観点からどのような取組をされているのですか。
○谷室長 業界団体が構築を目指している建設業のキャリアアップシステムについては、今、国交省でイニシアチブを取りつつ業界団体への取組を進めているという状況で、私どもは、これまでシステム構築のための委員会にオブザーバーとして参加させていただいております。今、システムの設計等を行って実際に業者に入札する段階と伺っております。業者が決まって、これから作っていく段階にきている。
その中身については、建設労働者の雇用の改善を目指すシステムと聞いており、その中の 1 つとして雇用関係の明確化も重要なものと位置付けられると認識しております。具体的には、カードを持って建設現場に入って、就業履歴や技能等が、そのカードに蓄積されることによって、建設労働者の賃金が適正に評価されて賃金の向上、また、ほかの労働条件等の雇用改善につながっていくことになると思います。
それをこれからどのように運用していくのかを含め、また、協議会が立ち上げられる予定で、厚生労働省の部長が特別委員として、この委員会に参加することになっております。その中で、また詳細な議論をされていくものとしております。今、勝野委員からあった御意見は、その中でも議論されていくものと認識しております。
○鎌田座長 私が去年聞いたのは、検討会でそろそろ報告書が出るという話でしたが、それはもう出たのですか。
○谷室長 はい、そうです。
○鎌田座長 そして、今は実際に運営の入札ということですか。仕組みもできているのですか。
○谷室長 去年の 4 月に、キャリアアップシステムの基本計画ができました。それに基づいて作業を進めてきて、今は建設業振興基金がその業務を担って運営していくとなっており、そこが具体的なシステム開発等の入札業者を選定していると聞いております。
○鎌田座長 非常に注目しており、是非うまく進めてほしいと思っております。分かりました。
○曽根崎委員 先ほどの週休二日の、その上のグラフなのですが、生産の方が、これは 15 万円ぐらい落ちています。私の常識で言うと、これだけ求人が高くて仕事量も変わっていないということであれば、本来ならば、そこは上がらないといけないと思います。下がっている要因、あれだけ国土交通省も上げている上げていると言って、いろいろな所でそういうこともお聞きしたり話も出ます。月 1 万 5,000 円ぐらい下がっているということなので、何か要因があるのかと思って、ほかは全部上がっていて、ここだけが下がっているのは何かあるのかと少し不思議な感じがしたので、お聞きしました。
○鎌田座長 これについては、労使でどのような見方をされているのか、もし御意見があればお願いいたします。確かに今おっしゃったように、やや不可思議な感じもします。事務局での読みは何かありますか。
○谷室長 正直申し上げて分析はできておりません。ただ、もう一回データをよく見ると、一番上ですが赤の建設業全体では上がっており、建設の生産労働者は下がっています。分析はできていないのですが、いろいろな職種の区分を見てみると、下がる率が大きいものは大工の職種です。大工は前年を 100 とすると前年度比 89.7 で 10.3 ポイント下がっているので、かなり下がっています。
大工の前年の賃金構造調査のデータの平均年齢が 45.8 才で、今年のサンプルは 40.6 才です。少し平均年齢が下がっているということで、このデータの分布がどのようになっているのかもありますが、年齢が下がっていることもあるのかと思います。
あと、落ちているのが大きいのははつり工で、これはボリューム的には少ないのですが、下落率で言うと対前年比で指数が 85 。ボリュームが大きいものでは配管工で 94.3 、鉄筋工は 99.8 、トビが 96.5 、型枠大工が 97.6 となっています。
○曽根崎委員 この辺が落ちている感じですね。
○谷室長 分析はできておりませんが、職種別に見るとそういう状況です。
○鎌田座長 大工は年齢が少し下がっているのですか。
○谷室長 そうです。
○鎌田座長 それで少し説明ができるわけで、ほかのものは年齢面での要因は特に調べていないのですか。
○谷室長 年齢は調べておりますが、大工のように顕著に下がっているところはないです。
○鎌田座長 でも、少しずつ下がっている感じですか。
○谷室長 下がっているところもありますし、少し上がっているものもあります。
○勝野委員 大工が下がっているのは、年齢ではなくて年収ですよね。
○谷室長 このサンプルの平均年齢ということです。
○渡辺委員 今の大工は、型枠大工のことだと思っていいのですか。
○谷室長 建築大工です。
○渡辺委員 型枠大工でしたら、 28 年から下がっているのは、実際に大工が足らないという話で、ゼネコンでは PC 化をものすごく進めたために逆に仕事がないと言われたのです。
○鎌田座長 そうなのですか。
○渡辺委員 ええ。型枠大工から手が空いてしまっているという話をよく聞きます。なので、月給ではなくて日給月給なので、日給月給だとこうなってしまうのです。そう推測しているのですが、いかがですか。
○勝野委員 型枠の方についてはそういうことだと思います。あと、もう 1 つは建築大工の話が出ましたが、正確に分析しておりませんが、平均年齢の出し方が正確かどうか。私どもの組合員の建築大工の年齢を申しますと、団塊の世代に近い 60 代の後半の方が一番ボリュームのあるゾーンで、かなり高齢化しております。
日給月給で働いている、その方の場合で言えば、年収自身は下がってきているのかという感じはいたします。平均が下がっているということは、若い方の数がどのようになっているのかは分かりませんが、多分、平均年齢の山は 1 つではなくて 2 つぐらい、幾つかあるのではないかという感じがします。
○柴田委員 気になっているのですが、渡辺委員がおっしゃったように、足りないと言って機械化することによって仕事内容もすごく変化してきて、ほかのところもそうでしょうが、ある程度の機械化ができると、単純労働か、それをすごく上回る高度な職業かという 2 極分化せざるを得ない。今回、建設で働きやすく生産性の高い企業に表彰された所を見ていると、すごく高付加価値のお仕事を能力を高めてやっている会社ですから、こういう所はきちんとお金をもらっているような感じですが、一方で、機械化に残された単純作業みたいなところが、パートタイムを含めた日給月給の人たちで安い労働力に残されていくと、この傾向はそのまま続いてしまうという感じがしています。それ自体を少し分析して、今後、仕事の内容の変化みたいなものをよく見ていかないと、取り残された建設単純労働者の問題が段々浮き彫りになってくるのではないかと心配になりました。
○鎌田座長 事務局は、ほかのデータを含めて、この辺りのことをもう少し分析してください。ありがとうございます。ほかになければ次の議題に移りますが、よろしいでしょうか。
先ほど案内したとおり、先に 3 つ目の議題「その他」を行います。まず、「建設業の人材確保・育成に係る平成 29 年度予算案の概要」について、事務局より報告をお願いします。
○佐藤補佐 資料 2-1 を御覧ください。緑の横長の「建設業の人材確保・育成に係る平成 29 年度予算案の概要」という資料です。まずは、平成 29 年度の予算案ということで、人材確保と人材育成、魅力ある職場づくりの推進、大きくこの 3 つの柱で、御説明したいと思います。
まずは 1 つ目、建設労働者確保育成助成金による支援ということで、来年度に向けた主な改正点ですが、 1 つが丸1のトライアル雇用を行った場合の奨励金の上乗せ助成制度の創設ということです。 2 枚めくった裏側に資料を用意しております。「建設業 若年・女性労働者向けトライアル雇用助成コースの新設」というものです。下の参考に書いてあるのですが、現在、建設業を含めて全業種を対象として、トライアル雇用奨励金という制度があります。こちらは就労経験のない職業に就く者、就くことを希望する者など対象にして、原則 3 か月の試行雇用を行い、適性を見極めた上で、常用雇用への移行のきっかけにしていただくという制度です。現在、月 4 万円の助成がされております。建設労働者確保育成助成金のほうで、 35 歳未満の若年者や女性を対象としてトライアル雇用を行った場合に、この奨励金に更に 4 万円を上乗せするというような制度を創設することにしております。
1 枚目に戻っていただきます。主な改正点の 2 つ目、丸2雇用管理制度を導入する事業主に対する助成について、こちらも拡充をしております。今までは 1 年後の入職率目標を達成した場合の助成だけだったのですが、更に 3 年経過後の目標達成助成にまで拡充し、 3 年後に入職率を維持していた場合、更に 85 万 5,000 円を助成するというものです。
それから、黒ポツで書いておりますが、技能実習を行う場合の助成率・額につきまして、来年から生産性向上に対する助成のメリット制を導入するということで、これは建設労働者確保育成助成金だけではなくて、労働関係助成金全般で導入されるものなのですが、 3 年前と比べて生産性が 6 %以上伸びているということを要件として、達成した場合は助成率・額を引き上げるという制度を設けます。それから、技能実習コースについて、小規模零細事業主に配慮した企業規模別の設定ということで、 20 人以下の企業には、少し手厚い助成をするというものです。
2 つ目です。ハローワークにおける建設人材プロジェクトの推進ということです。こちらはプロジェクト実施地域を、求人数が多い地域、特に、この求人倍率が高く、充足率が低い地域に集中化させるということ。それと、求職者に対する専門相談員も新たに配置して、新たな実施体制を構築するというものです。この新たな体制におきまして、未充足求人に対するフォローアップなど、総合的な支援を行っていくというものです。
その下、 3 つ目の高校生に対する地元における職業の理解の促進支援です。建設業以外の業種も含めてですが、業界団体や地元企業による高校内企業説明会といったものを実施していくというものです。
次は裏側です。こちらは人材育成のほうなのですが、中小建設事業主等への支援、建設労働者緊急育成支援事業ということです。離転職者、新卒者、学卒未就職者、こういった者を対象にして、躯体系職種や電気・配管の建設設備職種に係る訓練から就職支援に至るまでのパッケージで、人材育成の事業を推進していくというものです。そのほか、認定職業訓練への補助や人材開発支援助成金、こちらは今年までキャリア形成促進助成金と言っていたのですが、こういった助成金での支援を行っています。
それから 2 つ目、建設分野における公的職業訓練の拡充ということで、「総合オペレーション科」の実施や、求職者支援訓練における建設人材育成コースの実施などを行っていくというものです。
それから一番下、ものづくりマイスター制度による若年技能者への実技指導ということで、中小企業等にものづくりマイスターを派遣して実技指導の実施などを行っていくというものです。
それから、魅力ある職場づくりの推進ですけれども、雇用管理責任者等に対する研修等の実施ということで、「基礎講習」に加え「コミュニケーションスキル等向上コース」、こちらを引き続き実施していくというものです。
それから、雇用管理制度導入に係るコンサルティング支援ということで、雇用管理アドバイザーを派遣して、雇用管理制度導入に係る相談・支援等を実施していきます。
最後ですけれども、建設工事の発注・設計段階における労働災害防止対策の促進事業ということで、安全衛生経費が確保されるよう啓発するということと、工事の安全性に配慮した建築物等の設計のための調査などを実施する予定です。
助成金の概要などにつきまして資料に付けておりますので、御参照いただければと思います。説明につきましては以上です。
○鎌田座長 それでは、この件につきまして御質問がありましたら、どうぞ自由に御発言ください。
○柴田委員 ちょっと素朴な質問をしていいですか。予算を上回る実施がありますが、それは予算を上回っても大丈夫なのですか。これはかなり頑張って助成金を出していますが。
○佐藤補佐 助成金、建設労働者確保育成助成金におきましては、お陰さまで多くの事業主に御活用いただいており、昨年は 50 億の予算に対して 70 億ぐらいの執行がありました。ただ、こちらの予算の中の同じ目というのですか、一応流用という形では使っております。
ただ、昨年に行政事業レビューの公開プロセスというものがあり、こちらのほうで、今は予算額よりかなりオーバーしているので、それを抑制する形で助成金を見直しなさいということでした。今年その点で一番多いのが技能実習コースなので、その部分の抑制を行っているのですが、ただ抑制するのではなくて、きちんと小規模な事業主に配慮するということで、雇用する人数の規模で助成額を分けるような形で見直しを行っているところです。
○柴田委員 すみません、結構です。
○鎌田座長 そのほか何かありませんか。
○土屋委員 魅力ある職場づくりの推進の一番下の建設工事の発注・設計段階における労働災害防止対策の促進事業というものは、これは要するに社会保険を、元請もそうですが、発注者から段階的にちゃんと出して、業者さんにも出させて、それを正確にやって、社会保険に問題があるから、そこをきれいにしようとすることですね。
○佐藤補佐 社会保険のときも、社会保険の加入の経費がきちんと確保されるような取組を行っているのですけれども、安全経費に関しても同様の取組を行っていると。
○谷室長 これは、請負契約の安全経費が十分に確保できない場合や、日程的に無理な工期を設定すると、安全対策にも影響が生じるということで、そういうものをしっかりと確保していただこうということを、説明会などを開催して取り組むこととしています。併せて今回のこの経費の中で、外国の事案なども調査するための経費も含まれております。
○土屋委員 これの基のデータ、要するに改善されたというデータ、例えば現状で、これをやったために来期これだけ確保できたとか、改善されたというデータは、まだ具体的にはここには出ていないわけですか。
○谷室長 その数字は今、手元にはありません。
○土屋委員 私、一番大事なのは、この社会保険も含めて安全経費という考え方をいつもしていて、やはりそこが確保されていて、それプラスやらないと結局労働問題は本当に、 2 次、 3 次の方まで、ちゃんと保険に入るという話が切れてしまいますので。それも含めた安全経費かなという頭でいつもいたのですが、そこはまだ強く押していないわけですか。
○谷室長 社会保険の内容については国交省のほうで直轄工事において調査をしているので、これは着実に改善は進んでいるという状況であると認識しております。
○土屋委員 分かりました。
○鎌田座長 ほかに何かありますか。では、私から。 1 ページ目の建設労働者確保育成助成金で、 ( 注 ) で生産性向上メリット制というものが入りましたよね。これは今度の職安法改正の絡みで入った制度ということになりますかね。まだ改正していないので、今、かかっている最中ですけれども。それとはこれは関係ないのですか。
○谷室長 雇用保険法改正の中で二事業についてのものがあります。
○鎌田座長 そうですね、条文が確かできましたよね。
○谷室長 こちらの助成金も二事業ですので、そういう意味では一体のものという認識です。
○鎌田座長 なるほど、そういうことで流れてきているものですか。これはメリット制になっていますが、デメリット制というものはないのですね。
○谷室長 メリットではないほうはデメリットなのかもしれないけれども。
○鎌田座長 でも上積みするという話なのでしょう。
○谷室長 これはもともとの考え方ですが、昨年の助成率に対して、そこで生産性をクリアしたものについては 1.2 倍、 120 %なのです。生産性をクリアしなかった場合は 95 %ということで、 5 %落とすという考え方なのです。
○鎌田座長 やはりそうなのですか。これは建設だけではなくて、一律にそういくのですね。
○谷室長 そうです。考え方としてはそういう考え方で、具体的には助成率なり助成額を設定しています。
○鎌田座長 そうすると、あの条文はいわゆる精神訓示ではなくて、相当生々しい条文なのですね、今度、新しく入るものは。
○谷室長 もちろん、助成金によっては生産性要件になじまない助成金もありますので、そういうものは除外されていますが。そういう意味では私どもの助成金も二事業ですので、建設業の生産性に資するような助成金にしていくことで、こういう助成率を今。
○鎌田座長 そうすると、一律に生産性の測定ということをやらなければいけないということですよね。
○谷室長 そうですね、各労働局で。
○鎌田座長 これは大変な作業ですね。
○谷室長 そうですね、 4 月から作業を始めると思います。
○鎌田座長 分かりました。ありがとうございます。
ほかにありますか。なければ次の議題に移りたいと思います。「職業安定法改正に伴う建設労働法の改正内容について」です。事務局から報告をお願いいたします。
○佐藤補佐 それでは資料 2-2 を御覧ください。「職業安定法改正に伴う建設労働法の改正内容」についてです。こちらは昨年末に各委員の皆様に、持ち回りの開催という形で個別に御説明させていただいた案件です。既に説明した内容と同様ですので、簡単に触れたいと思います。建設業務につきましては、職業安定法により、有料職業紹介事業者による紹介の禁止業務とされているところ、建設労働法に基づき、建設業務有料職業紹介事業を規定し、独自の許可制度に係らしめるということで、この事業について職業安定法の一部の規定を適用することとしております。
今般、職業安定法の職業紹介に係る見直しが行われることとなり、当該改正事項のうち、資料に記載している内容につきましては、建設労働法に基づく建設業務有料職業紹介事業においても適用し、改正することとしております。
具体的に幾つか御説明します。 2 番目、求人の申込みの受理の箇所ですが、公共職業安定所や職業紹介事業者等が求人の申込みを受理しないことができる場合として、求人者が労働関係法令違反で処分・公表等の措置が講じられた場合等を追加する。それから、 4 番目、労働条件等の明示の箇所ですが、求人者について、労働契約締結時の労働条件が、職業紹介時に示した労働条件の内容と異なる場合等に、その旨を当該労働契約の相手方になろうとする者に明示することを義務付けます。 5 番目、求人者等に対する指導監督等の箇所ですが、求人者について指導・助言等の対象とし、また虚偽の条件を提示して、求人の申込みを行った者を罰則の対象とすることとしております。
以上の建設労働法の改正内容を含めた法律案につきましては、今年の 1 月 5 日に労働政策審議会に対して諮問され、翌 6 日に答申がなされております。その後、 1 月 31 日に閣議決定され、同日国会に提出されましたので、御報告をさせていただきたいと思います。
なお、資料 2 の裏面ですが、こちらが法案全体の概要で、参考に付けております。ここの 5 番目の部分が職業安定法の改正の部分となります。説明は以上です。
○鎌田座長 ありがとうございます。いかがですか、何かありませんか。簡単にまとめていただいて、実は結構複雑で、いろいろ細かいものは付いていますけれども、何でも御発言ください。
よろしいですか。何か細かいことでお聞きになりたいことがあれば、また法律が正式に通った後に、いろいろとお聞きいただければと思います。
それでは最後の議題になります。「建設労働者の雇用の改善等に関する法律第 14 条第 1 項の規定による実施計画の変更について」です。これについては冒頭に申しましたように非公開とさせていただきますので、傍聴の方はここで御退席をお願いしたいと思います。いらっしゃいませんか。それでは、事務局から説明をお願いいたします。
(非公開)
○鎌田座長 ありがとうございました。本日予定されていました議題は以上です。それでは柴田さん、お願いします。
○柴田委員 先ほど申し上げましたが、今回で卒業いたします。いろいろありがとうございました。結構長いことやらせていただいて、今もまだそうなのですが、建設には門外漢なものですから、突拍子もないことを申し上げまして、いつもちょっと、ひんしゅくものだったと思うのですが、皆さんに温かく見守っていただきまして、感謝しています。
今までを通して思ったのは、やはり建設というものは、私たちの生活の安全性とか利便性といったものに、とても直結する重要なお仕事であるということです。そのお仕事を担っている建設業の皆さんが、誇りを持ってやり甲斐を持って、そしてきちんとしたペイを払ってもらって、良い労働環境で働くことによって、この建設業自体というか、新しい建物も古い建物も全部、メンテナンスも含めて、私たちの生活を豊かにしてくれるものなので、この重要な仕事を担っている人たちを良くしてあげるという意味で、この委員会はとてもとても大切なのだなと、毎回毎回痛感しておりました。
大体、基本的にミーハーなものですから、ガテン系の大工さんとか技能者の方は格好いいし、頼もしいと思っているので、その方たちが本当に見た目の格好良さと同じように、自分たちの生活も格好良く生きていられるようにしてあげたいと、つくづく思っております。
今回初めて「働きやすく生産性の高い企業」に 2 つ選ばれていて、建設業自体が生産性を上げていくということがすごく大切で、その生産性を上げている所に厚く補助金を持っていくというお話を聞いて、それがやはり、すごく大切で、そこで労働者の方も経営に参画している姿が見えたので、中小の建設業がますます発展できるような、単に労働者の支援だけではなくて、そういった生産性にも寄与していくような施策を作っていらっしゃるのだなと思って、本当に嬉しい気がしました。
ここから去っていきますけれども、皆さんがますますここの議論を豊かなものにして、そして労働者の皆さん、それから建設業が発展していくことを心から応援していますので、ますます頑張ってください。どうもありがとうございました。
○鎌田座長 どうもありがとうございます。柴田先生におかれましては、本当に長い間、本委員会において、いろいろな意味で議論を活発化させ、また、皆さんの議論をリードしていただいたということで、専門委員会の委員長の立場としても感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。事務局、何かありますか。
○吉松補佐 お手数ですが、先ほど説明させていただきました資料 3-1 と 3-2 ですが、後ほど回収させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○鎌田座長 それでは本日の委員会は終了いたします。本日の会議の議事録の署名委員につきましては、労働者代表の曽根崎委員、使用者代表の最川委員とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。では、本日はお忙しいところ、ありがとうございました。
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