社会保障審議会障害者部会(第135回)議事録

日時

令和5年2月27日(月)16:30~19:00

場所

ベルサール半蔵門
東京都千代田区麹町1-6-4 住友不動産半蔵門駅前ビル2階

出席者

委員(五十音順)

議題

  1. (1)障害福祉計画及び障害児福祉計画等の見直しについて
  2. (2)地域共生社会について
  3. (3)その他

議事

内容
○菊池部会長 皆様、こんにちは。お忙しい中、本日も御参集いただきありがとうございます。
 定刻を過ぎましたので、ただいまから第135回「社会保障審議会障害者部会」を開会いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 まだ若干Zoomに入られていない方がいらっしゃると伺っていますが、時間ですので始めさせていただきます。
 本日の会議につきましては、こちらの会場とオンラインで開催いたします。事務局におかれましては、説明資料はできる限り分かりやすく、要点を押さえた説明となるようにしてください。
 各委員からの発言についてお願いがあります。私が最初に発言を希望される方を募りますので、会場の方は挙手をお願いいたします。オンラインの方はZoomの「手を挙げる」機能を使用してください。私の指名により、発言を開始してください。より多くの委員の御発言の機会を確保するため、できるだけ簡潔に御発言いただくようお願いいたします。御発言の際はお名前を名乗っていただき、できるだけゆっくり、分かりやすくお話しください。
 その他、資料の記載内容について御発言される場合には、資料番号と記載内容の位置について御教示をお願いたします。
 また、会場の方はできるだけマイクに近寄ってお話しください。発言後は、必ずマイクのスイッチをオフにしてくださいますようお願いいたします。
 円滑な会議運営に御協力をお願いいたします。
 それでは、事務局より委員の出席状況、資料の確認をお願いいたします。
○矢田貝企画課長 企画課長です。
 出席状況でございますが、中里委員、吉川委員より、御都合により欠席との御連絡をいただいております。
 また、中村委員の代理として星加参考人、阿由葉委員の代理として叶参考人に御出席をいただいております。
 また、事務局につきまして、辺見障害保健福祉部長、津曲障害福祉課長、栗原地域生活支援推進室長は、他の公務のため17時頃からの御出席となります。
 本日の資料でございますが、議事次第、資料が1から6、参考資料が1及び2となってございます。
 会場にお越しの方で、もし資料の不足などございましたら事務局までお申しつけください。
 以上でございます。
○菊池部会長 それでは、早速議事に入ります。
 議題の1「障害福祉計画及び障害児福祉計画に係る基本指針の見直しについて」、事務局から説明をお願いいたします。
○櫻木委員 菊池部会長、櫻木ですけれども、今日の議事に入る前に発言の機会をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○菊池部会長 どういうものでしょうか。議事にこれから入るのですけれども。
○櫻木委員 我々、日本精神科病院協会の会員の病院でいろいろ問題が起こっておりますので、それに関して発言をさせていただければと考えております。
○菊池部会長 分かりました。この件は多分、御関心をお持ちの方が多いと思いますので、分かりました。それでは、最初にどうぞお願いします。
○櫻木委員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木でございます。発言の機会をお許しいただきありがとうございます。
 さて、昨年来、当会会員病院において看護職員による患者さんに対する不適切な行為、これに関する報道が1度ならず複数の事案について行われております。
 報道の際、繰り返し流される映像を見て私は強い衝撃を受けました。会員病院として同じく名を連ねる一会員として、被害に遭われた患者さん、そして御家族に心からのおわびを申し上げたいと存じます。医療の現場でのこうした行為が許されないことは当然でございますけれども、その前に一人の人間として強い怒りを感じました。
 私の病院では、今回の精神保健福祉法の改正を受けて、いま一度、臨床現場の点検を行うとともに、虐待防止マニュアルの見直し、さらには現場の医師、看護職員、コメディカルスタッフをはじめ、直接患者さんに関わる機会の少ない事務職員や給食職員に至るまで、病院職員全員が再度、虐待防止に関する院内研修を受講すべく準備を進めていた最中の出来事でございました。
 今後は、当院としての試みについて一層スピードを上げて進めるとともに、日精協の一会員として事案の起こった病院に対する徹底した調査を行うことや、協会として障害当事者の権利擁護や、今回のような不適切な行為は決して二度と起こらないための取組について提案をしていきたいと考えております。
 当障害者部会の委員の皆様をはじめ、関係各位におかれましては、国民の期待に応えられる精神医療の実現に向けた私たちの取組を見守っていただき、御指導、御助言を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。
 本日は、発言の機会をお与えいただき、ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 イレギュラーではございますが、この件につきましては当部会に大きく関係する事案である。また、現在当局における調べは進んでいるところでありますので、追ってこの部会で何らかの報告があるかもしれませんが、現時点で事務局として何かコメントございますでしょうか。
○林精神・障害保健課長 事務局、精神・障害保健課でございます。
 精神科病院における患者に対する虐待など、人権侵害があってはならないということでございますので、虐待事案が報じられることは誠に遺憾でございます。今回の事案についても、それぞれの都道府県が立入検査等の対応を進めておりますので、連携を密に図り、実態把握を行った上で適切な対応を行ってまいりたいと考えております。
 以上です。
○菊池部会長 必要に応じて、こちらでも御報告等をお願いいたします。
 それでは、議事に入りたいと思いますので、矢田貝課長からお願いいたします。
○矢田貝企画課長 それでは、議事の1「障害福祉計画及び障害児福祉計画に係る基本指針の見直しについて」でございます。
 資料1と資料2を御覧いただければと思います。
 まず、資料1が指針の改正後(案)の概要でございます。こちらは、これまで2回この部会で御議論いただきまして、前回、前々回、各委員から御意見いただきましたものを、その後、各委員とも文言を含めまして調整をさせていただいたものについて今回御用意させていただいているものでございます。
 資料1の1ページ目でございますが、まず1ページ目は全体の概要資料でございます。「1.基本指針について」は市町村、都道府県がつくる計画に当たっての基本的な方針でございまして、今回の御議論の後、パブリックコメント等を実施いたしまして、令和5年、今年の4月末から5月半ばまでに告示をする予定でございます。計画期間は、令和6年度からの3か年でございます。
 指針の構成はこれまでと変わってございませんで、1つ目にサービスの提供体制の確保に関する基本的事項、2つ目に成果目標、3つ目に計画の作成に関する事項、4つ目にその他必要な事項等ということで、様々なことを掲げているという構成はこれまでの指針と同様でございます。
 今回、特に基本指針の見直しに当たって主なポイントとなる事項が2ページでございまして、14ポイント載せてございます。
 1つ目が「入所等から地域生活への移行、地域生活の継続の支援」。
 2つ目が「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」。
 3つ目が「福祉施設から一般就労への移行等」。
 4つ目が「障害児のサービス提供体制の計画的な構築」。
 5つ目が「発達障害者等支援の一層の充実」。
 6つ目が「地域における相談支援体制の充実強化」。
 7つ目が「障害者等に対する虐待の防止」。
 8つ目が「「地域共生社会」の実現に向けた取組」。
 9つ目が「障害福祉サービスの質の確保」。
 10個目が「障害福祉人材の確保・定着」。
 11個目が「よりきめ細かい地域ニーズを踏まえた障害(児)福祉計画の策定」。
 12個目が「障害者による情報の取得利用・意思疎通の推進」。
 13個目が「障害者総合支援法に基づく難病患者への支援の明確化」。
 「その他:地方分権提案に対する対応」というところが今回の見直しの主なポイントとなってございます。
 また、前回御議論いただきましたが、3ページ目が具体的な「成果目標」の案を抜粋したものでございます。
 令和8年度末の目標として、例えばマル1で言いますと「施設入所の地域生活への移行」につきまして、地域移行者数は令和4年度末施設入所者数の6%以上、地域移行する。施設入所者数は令和4年度末の5%以上削減するというようなこと。以下、前回御説明したとおり、それぞれそうした数値目標を載せていたり、例えばマル3の2つ目のポツで「強度行動障害を有する者に関し、各市町村又は圏域において支援ニーズを把握し、支援体制の整備を進めること」、こちらに【新規】と書いてございますが、この【新規】とされているものについては現在の5年度まで計画のものから新たに付け加えた成果指標目標でございます。
 4ページですが、5つ目に「活動指標」ということで、例えば共同生活援助の利用者について重度障害者の利用者数を追加するなど、こちらで※書きに書いてあったり、または【新設】と書いてあるものが、これまでの指針と比べて新たに新設したものであったり、見直したところでございます。
 以上が、概要でございます。
 前文につきましては、資料2のほうになります。こちらは、前文で棒線を引いている部分が現行の指針からの改正部分でございます。それで、黄色のマーカー部分については前回御意見をいただきまして前回部会で出した資料からの変更点となってございます。
 こちらは大部でございますし、事前に御説明もさせていただいておりますので、全ては省略いたしますけれども、例えばどういう項目が前回から黄色で直っているか、項目にこういうことが入っているということだけ申し上げます。
 例えば、7ページで障害者芸術に係る部分にも合理的配慮のことを記載すべきとの御意見や、11ページに関しては難病患者に関する記載、または「家族への支援も含め」ということも書くべきという御意見。
 16ページにも当時者参加の促進という文言を入れるべきというような御意見、あるいは協議会におきまして個別事例にしっかり対応していくべきというような御意見、または成果目標と活動指標の関係を分かりやすくなどなど、前回御意見をいただいておりまして、今回それを黄色い部分で盛り込んだもので今回お諮りをするものでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 今、御説明がございましたが、前回の部会終了後、事務局において基本指針の改正案につきまして委員の皆様の御意見を踏まえ、事前に調整させていただいたと承知しております。本日は、基本指針について最終的な確認を行うということとさせていただきます。これまでの議論をまとめたものになりますが、特に修文が必要な点などがあればお一人2分を目安に御意見をいただきたいと思います。
 なお、この議題につきましては5時35分をめどとして御議論いただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず会場の皆様からお手をお挙げいただければと思いますが、いかがでしょうか。
 丹羽委員、石野委員、安藤委員、そして井上委員でよろしいですね。
 それでは、時計と反対周りで丹羽委員からお願いいたします。
○丹羽委員 全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。
 私からは、資料2について2点意見をいたします。
 1点目は4ページの上から8行目、「特に、入所等から地域生活への移行については」の後に、適切な意思決定支援を行い、と文言の追加をしてください。
 2点目は25ページの1行目、「すべての施設入所者の地域生活移行に関する意向について」の後に、その阻害要因や必要とする支援を含めて把握し、適切に意思決定支援を行いつつ確認した上で協議会等で共有すること、と文言の追加を求めます。
 2点の意見、共に地域移行の移行について単なる確認にとどまらず、諦めている人や移行後の生活のイメージができない人の状況をきちんと把握することが重要なためです。
 その上で、所管課長会議等で誰が読んでも伝わるように記載をしていただきたいと考えます。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。趣旨も明確に、文言も明確に御提示いただきましたけれども、いかがでしょうか。それぞれについてその都度、確認をしていくということでいいですか。
 では、矢田貝課長のほうからお願いします。
○矢田貝企画課長 今いただいた御意見で、大きくこれまでの方針と異なるとか、そういうことではなく、より分かりやすくということだと思いますので、表現を精査して調整させていただくかもしれませんけれども、基本的に御意見を踏まえて修正させていただく方向で検討したいと思います。
 ほかの委員からも、もし御意見があれば後ほどでも言っていただければ、それも含めましてきちんと対応させていただければと思います。
○菊池部会長 よろしいですね。
○丹羽委員 よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 もちろん、ある御意見に対して違う御意見があることもあり得るかもしれませんが、その場合はそれらを含めた上で事務局で検討していただくということで、その調整に関しては御意見いただいた委員とも調整をさせていただくという形で進めていただきたいと思います。
 それでは、石野委員お願いします。
○石野委員 全日本ろうあ連盟の石野です。
 資料1の3ページでマル5の難聴児支援中核機能対策制度の取組の前文がこちらに掲載されていますが、意見を申し上げたいと思います。
 こども家庭庁になるのか、厚労省になるのか、両方が連携するのか、ちょっとよく見えませんけれども、聴覚障害児の支援のための中核機能の強化の予算について数字が記載されておりますが、全国のモデルとなっているところが5か所か7か所あると思います。当面の間、こちらに補助の支援というものがあるかと思いますが、地域によっては期間が切れた後を懸念しているところがあります。きちんと継続できるのかどうか、この予算的なことも考えていかなければならないと思っています。
 また、聞こえにくい子供の支援に対する様々な制度、法整備、これも必要ではないかと私は考えております。
 また、聞こえない、聞こえにくい子供のための手話言語の獲得のための手話言語獲得支援事業の提供も併せて私は必要と考えております。
 以上、2件の意見でした。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 御意見として拝聴させていただきますが、事務局から何かありますか。
○矢田貝企画課長 ただいまの御意見は指針というよりも、これを各都道府県に進めていただいていく上での我々への御意見というか、御指摘だと理解しております。御指摘のとおり今、中核のモデル事業は一応予算上は14の自治体に対してモデル事業ができるように確保してございますが、これについて6年度以降どのようにしていくのか。それで、今これがなくなってしまうのではないかというふうなお声もあるというふうにお伺いしましたので、具体的には我々も全ての県でそういう体制をつくっていただきたいということでの今回の計画の案でございますので、それに資するような形でどのような予算措置ができるかということを、ただいまの御意見を踏まえて検討したいと考えてございますし、手話言語の獲得の関係につきましても、その御意見も踏まえまして国としてどういう対応ができるかということを検討いたしまして、自治体にはきちんと計画をつくってやっていただくということの両輪で進めていければと考えてございます。
 以上でございます。
○菊池部会長 よろしいでしょうか。
○石野委員 よろしく御検討をお願いいたします。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、安藤委員お願いします。
○安藤委員 ありがとうございます。全国脊髄損傷者連合会の安藤です。
 基本指針について、総じて賛成です。まとめていただきましてありがとうございます。
 ただ、次の基本指針に関して要望というか、お願いがあります。
 まず、いろいろ資料を読み込んでいくと、入所施設からの地域移行は3年間で6%以上、入所者数の削減は3年間で5%以上となっていますけれども、これは死亡退所でいくと2,000人ぐらい、1.4とか1.5%ぐらい減っているので、もうちょっと頑張れば、3年間でこのまま入所を入れなければ死亡退所だけで目標が達成してしまうんです。ですから、あまり頑張らなくても達成してしまう数値目標になっているなというところがあります。
 ですから、ぜひ今後は総括所見のことも踏まえてもうちょっと目先を高く持って、例えば目標設定を脱施設化に向けて50%にするとか、40%にするとか、そういう数値目標を入れた上で、そのためには地域で暮らしていくためにはどんな支援が必要なのかという議論をしていただきたいと思っております。
 それと、先ほども御説明がありましたけれども、施設で虐待が起きるとか、いろいろ事件が起きるということも踏まえて、どうも私が勉強した中では、いい施設もあるけれども悪い施設もあると思っていて、何でこういうことが起きるのかなと思う一つの理由としてはやはり閉鎖性があるのかなと思うんです。
 もう一つは、やはりグループホームであっても、施設であっても、総括所見で特定の生活様式となっているんですから、やはり地域移行をしていくということが前提であるということをどこかで基本指針に盛り込んでいただきたい。施設やグループホームは、地域に移行するためのものである。一つの通過点である。それを踏まえた上で基本指針をつくっていく、障害者計画を都道府県がつくっていくという形になればいいのかなと思いました。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 今後に向けての御意見ということですが、事務局からいかがでしょうか。どうぞお願いします。
○津曲障害福祉課長 御指摘ありがとうございます。
 地域移行であるとか、施設に入所している方の地域への移行、これらの目標の設定に関してでございますけれども、前回の資料のほうでお示しをさせていただいておりますが、施設入所者数の削減に関する目標に関しましては、現状におきまして直近3か年の削減の状況を踏まえまして、これを令和5年度末までの4年間、そのままの水準で推移するとした場合には約2.5%になるということでございます。
 これはもちろんその施設に入所、退所する方と、さらに新たに入所するような方というものも含めまして2.5%減というような数字となっていくだろうということでございます。ですので、このような現状の水準というものを踏まえまして、今回の新たな目標においては5%というようなこととしておりまして、さらなる地域移行を推進してくということを前提にした目標設定であるということでございまして、今後、市町村、都道府県などとしっかりと連携をしていきまして、この目標達成に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○菊池部会長 よろしいでしょうか。安藤委員から何かございますか。
○安藤委員 ありがとうございます。
 私は、施設が悪いとかグループホームが悪いとは思っていないんです。
 ただ、そこがついの住みかのようになってしまうのはまずいかなと思っていて、それを地域移行にしていくという取組を、施設やグループホームは地域に移行するためのものなんだというふうな前提条件であれば私は決して悪いものじゃないと思っていて、ぜひそういったところを前提として計画をつくっていただければと思います。
 ありがとうございます。以上です。
○菊池部会長 御指摘ありがとうございます。
 それでは、井上委員お願いします。
○井上委員 ありがとうございます。日本知的障害者福祉協会の井上です。
 冒頭に櫻木委員から精神科病院における課題について発言がありましたが、私たち知的障害者福祉協会の内外でも多くの虐待事案が発生しています。報道にもありましたが、グループホーム利用に当たっての不妊手術の問題等、人権侵害に当たる事案が発生しておりますので、改めて会員施設等と連携しながら権利擁護と虐待防止に努めてまいりたいと思っています。今後、皆さん方の御指導もいただきながら対応してまいりたいと思いますので、まず一言、発言させていただきました。
 それからもう一点、資料の文面に関しては私からは異存ございませんが、今後の計画の進め方について若干意見を述べさせていただきたいと思うのは、知的障害のある方たちは言葉で自分の意思や意見を訴えることが容易ではないので、特に重い障害のある方や強度行動障害の方たちの本当のニーズが表れにくいという実態があります。
 特に、東京都においては、いわゆる都外施設と言われる東京から離れた県で住み暮らす利用者が非常に多い実態がありますので、今後強度行動障害の方や重度・高齢化の人たちも受け入れられるような施設整備を都道府県なり市町村で実施していただかないと、彼らの願いはかなえられないのではないかと思います。ぜひそのような視点で御指導いただければありがたいと思っているところです。どうぞよろしくお願いします。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 事務局からはよろしいですか。お願いします。
○津曲障害福祉課長 施設であるとかグループホームに関しまして、各都道府県、各自治体においてそのニーズというものを確認しまして施設整備を行うということでございますけれども、この時期、障害福祉計画策定に当たっても、そのような障害をお持ちの方のニーズというものをしっかり確認し、そして入所している方の意向を確認していくことが重要であると考えておりますので、各自治体の中でしっかりとした取組をするように、私どもも今後会議等で周知してまいりたいと考えております。
○菊池部会長 よろしいでしょうか。
○井上委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、オンライン参加の皆様で御発言がおありの方は挙手機能を使って合図をお願いいたします。いかがでしょうか。
 それでは、白江委員からお願いします。
○白江委員 ありがとうございます。全国身体障害者施設協議会の白江と申します。
 私のほうから1点、意見というか、要望をお伝えしたいと思います。
 まず、基本方針については異論はございません。問題は、今後これをどう都道府県、市町村に伝えていくのかということかと感じております。これまでも指摘されているように、自治体間での格差といいますか、首長さんとか担当部署の考え方、地域事情、財政力等で差が生じることはあるのですけれども、それ以前に理解が十分でないとか、誤解されているとか、あるいはローカルルールなど、様々な要因で差が生じていることも多々、見聞きしておりますので、ぜひそういうことがないように、伝達ツールですとか、先ほど丹羽委員からもお話がありましたように、文書にするのであれば内容が分かりやすく伝わるように、または伝える頻度ですとか、そういったことを改めて御検討いただいて、いろいろなヒアリングもここでもやりましたし、部会の委員のいろいろな意見があったわけですけれども、それが正しく伝わって施策がきちんと実行されるというふうにぜひお願いしたいと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 今後の運用についてということでもありますので、事務局からいかがでしょうか。
○矢田貝企画課長 今回のこの計画の指針につきましても、例えば全国会議のような形で自治体の方々にきちんと御説明をする。また、その他の施策の運用面でも地域のばらつきがあるようなところにつきましては様々なツールを通じて伝えていく。何より、こういう3年に1回の計画づくりの中で、自治体というのは自分の自治体の障害サービスの基盤がどうなっているかということを全国との比較も含めて確認してつくっていただくというのが一番の趣旨でございますので、そのことについては繰り返し御説明をしていきたいと思っております。
 以上でございます。
○菊池部会長 白江委員、よろしいでしょうか。
○白江委員 はい、よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 それでは、竹下委員お願いします。
○竹下委員 ありがとうございます。日視連の竹下です。
 まず、結論としてはこの障害福祉サービスの基本計画に対する修文はありません。その上でどうしてもお願いしたいのは、場所で言いますと資料1の3ページ、資料2の34ページに「7 障害福祉サービス等の質を向上させるための取組に係る体制の構築」とあるのですけれども、体制の構築としての指針、指標を目指すことはいいのですが地域格差というものについてどう考えるかということが少し意識されるべきではないかと思っております。
 内閣府の障害者政策委員会において、昨年末に議論されてきた第5次障害者基本計画の中で、障害福祉サービスの地域格差が非常に大きくなってきていることがたくさんの委員から指摘されたことをぜひ意識、認識していただきたいと思っております。
 とりわけ、前回か前々回に私が申し上げましたけれども、訪問系の障害福祉サービスについては成果目標を含めたそういう指針はほとんど示されていないこと、そしてそのことがどう影響しているのかは分かりませんけれども、地域格差が非常に開いてきている。支給量においても非常に極端なほど開いてきたりしていることをやはり厚労省としては重大な問題として捉えて、そうした事態をできるだけ解消していくということですね。
 その地域の特性とか生活実態に合わせて支給量が変わってくることは当然あるとしても、それとは無関係に形式的に支給量が一律的に地域格差が出ているということはやはりこの制度の在り方としては大きな問題だと思いますので、ぜひともそうしたことの是正も含めた今後の運用をお願いしたいと思っております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 地域格差に関しまして、事務局からいかがでしょうか。
○津曲障害福祉課長 事務局でございます。
 ただいま竹下委員から御指摘のございました、特に訪問系のサービスに関しましては、よりきめ細かくその利用者のニーズ等々を把握していく必要があるだろうということで、今回の基本指針におきましても次期計画において訪問系のサービスごと、居宅介護、重度訪問看護、同行援護、行動援護、これらに関しましてそれぞれにおいて現に利用している人の数であるとか、そのニーズなどについても把握をする。活動指標として位置づけていくということを今回の見直しの中で行わせていただいております。
 このように、各個別に見込み量の制定に当たって勘案すべき事項というものを設定することによりまして、各地域におけるそのニーズというもの、それに対応した体制整備というものを推進してまいりたいと考えております。
○菊池部会長 竹下委員、いかがでしょうか。
○竹下委員 よろしくお願いします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、久保委員お願いします。
○久保委員 ありがとうございます。全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
 この間、皆さんの議論を聞かせていただきまして、障害者の文化・芸術の推進や合理的配慮、そして地域生活支援拠点へのコーディネーターへの配置など、行動障害のある人たちの支援の実態把握、そして重度障害者に関する利用者数の見込みだとか、それからグループホーム、生活介護、短期入所、多岐にわたり我々の意見を組み入れていただき、追記をしていただきまして感謝申し上げたいと思っております。
 1点だけお願いをしたいのですけれども、私ども育成会としましては特に強度行動障害のある人の支援が全国どこでも地域格差なく受けられることが入所から地域に移行していく一つのきっかけになると強く思っておりますので、そこを希望しております。様々な課題があることは重々承知しておりますけれども、ぜひ取組を進めていただきますようよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 御意見がございましたが、事務局から何かコメントいただけますでしょうか。
○栗原地域生活支援推進室長 地域生活支援推進室長でございます。ありがとうございます。
 強度行動に関しましては、前回少し御紹介させていただいたとおり、今、検討会を開きまして、まさに地域で関係機関が連携してどのように支えるかという観点から御議論をいただいておりまして、それも踏まえまして令和6年4月からの新しい計画、それから報酬改定もありますので、それに向けて検討を進めていきたいと思います。引き続きよろしくお願いします。ありがとうございます。
○菊池部会長 久保委員、よろしいでしょうか。
(久保委員首肯)
○菊池部会長 了解しました。
 それでは、櫻木委員お願いします。
○櫻木委員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。
 今回の障害福祉計画及び障害児福祉計画の見直しについては、その基本指針を含めて限られた時間の中で取りまとめをしていただいた事務局の御労苦に感謝を申し上げたいと思います。したがいまして、これから申し上げる内容というのは、今後将来的に考慮をしていただきたい内容だというふうに御理解いただければと思います。
 今回も資料1の2ページのところにもありますように「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」が基本指針の一つとして取り上げられています。この2ページにありますように「精神保健福祉法の改正等を踏まえた更なる体制整備」、あるいは「医療計画との連動性を踏まえた目標値の設定」というふうに記載をされています。
 今回、精神保健福祉法の改正が行われ、その第47条において地域における相談支援が市町村の努力目標となりました。これは以前にもお話をしたと覚えておりますけれども、ただ単に医療計画の指標と平仄を合わせた目標値の設定、いわゆる3ページにある「成果目標」ということですけれども、これは例えば入院後3か月、6か月、12か月の退院率というふうに立てられています。これらというのは、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムへのプロセスが見えにくいのではないかというふうな御指摘をさせていただきました。いかに地域における基盤整備を行っていくか、これが精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築について自治体が立てる障害福祉計画に求められる内容だと思います。
 ここで言う、自治体が立てる障害福祉計画は厚生労働大臣が定める基本指針に即して定めるとなっておりますので、この基本指針、あるいは成果目標、活動目標といったものがプロセスとして見えるような形で立てられるのがいいのではないかと考えています。
 今、市町村の現場では精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に当たって普及啓発の問題、それから人材育成の問題、さらには受診前相談を含む平時の救急システムの確立が喫緊の課題となっています。こうした喫緊の課題をいかに解決していくか。これこそがこのシステムの構築に向けたプロセスを明確にするという内容になるのではないかと考えております。課題の解決に資する目標値の設定について考慮いただければと考えております。
 以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 地域包括ケアシステムの構築に向けてということで御意見をいただきましたが、事務局からいかがでしょうか。
○林精神・障害保健課長 御意見ありがとうございます。
 基盤整備をしっかり進めていくことをはじめとして、その退院促進のためにも福祉サービスの重要性が非常にあると思っておりますし、いろいろな目標設定については工夫をしていく必要があると思います。また、今後の課題として受け止めさせていただきます。
○菊池部会長 櫻木委員、よろしいでしょうか。
○櫻木委員 よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 それでは、飛松委員お願いします。
○飛松委員 国立障害者リハビリテーションセンターの顧問の飛松でございます。2つあります。
 1つは資料2の7ページの7のところにもう一つ段落を加えて、障害者の自立を支援する障害者自身が操作可能なICT機器の開発と普及、習熟の支援をすることを推進する、という文言を入れていただきたいと思います。これらのICT機器を使うことによって障害者の自立や参加や、そういったことが推進されるわけなので、それをぜひうたってほしい。もし控えめに言うのであれば、推進することを検討する、というくらいでもよろしいのですが、ぜひうたっていただきたいと思います。
 もう一点は、先ほどのグループホームのことです。この会ではずっと居住の多様性ということを認めようではないかというふうに議論をしてきたような気がするので、いろいろな立場の障害のある当事者がいるということはよく分かっておりますので、その辺をどのように今までの議論を尊重するかということもまた考えていただきたいと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 1点目は具体的な御提案ということであります。2点目は御意見、確認ということであるかと思います。いかがでしょうか。
○矢田貝企画課長 企画課長でございます。
 1点目のほうは修文の御意見ということだと思いますので、具体的にどういうふうに盛り込むか、支援機器の開発になりますと、どちらかというと国がやるべきことも含まれると思っています。今回のこの指針というのは、地方自治体の計画づくりのための指針でございますので、国のほうでそういう機器の開発もしながら自治体においてその活用みたいなことが基本的な考え方かと思いますけれども、そこら辺も含めましてどのように文言として取り込めるかは検討させていただいて個別に調整させていただければと思います。
○菊池部会長 後段部分は何かございますか。
○栗原地域生活支援推進室長 地域生活支援推進室長でございます。
 グループホームに関しましては、まさに住まいの場としても重要であるとともに、御本人が希望した場合にはそこからさらに地域に出て行く場にもなるということで、まさにその考え方で先般、法改正も通させていただいたという状況にございます。
 記載が大分長くなっている部分もありまして、複雑にはなっていますけれども、両方の概念というか、考え方を入れさせていただいたと思っておりますし、何よりも御本人の意思を尊重するという部分も今回様々に記載を拡充させていただいておりますので、全体としてそういう概念ということで、役所の文章は分かりにくいというのはよく言われることでございますけれども、考え方は皆さんと御一緒ということで御理解いただければと思います。ありがとうございます。
○菊池部会長 飛松委員、どういう形で盛り込むかというのはまた事務局から御相談させていただいて、そういったICTについて入れ込んでいくということ自体、多分そんなに異論のあるような話ではないと思いますので、具体的な修文については御相談させていただくということでよろしいでしょうか。
○飛松委員 分かりました。国の開発ということに関しては、ちょっと宣伝になってしまいますが、国立リハビリテーションセンターの研究所がありますので、そこをぜひ活用して積極的に推進していただきたいと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、岡田委員お願いします。
○岡田委員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
 今回、多くの委員の意見を反映していただきましたこの基本指針については、修文等の意見はございません。丁寧にまとめていただいてありがとうございます。今後の課題として、1点だけ意見を述べさせていただきたいと思います。
 先ほどほかの委員から少しお話もありましたが、知的障害がある方のグループホームで強制的な不妊処置についてということが報道されました。精神障害がある人も、結婚して子育てをしている人が多くおります。私の知り合いで、精神障害がある女性が結婚して出産をいたしました。日々の家事、育児は大変孤独な作業で精神的な負担を感じ始めたため、ヘルパーさんに家事支援をお願いしようと、その手続を始めましたところ、洗濯物は本人と子供の分だけしかできないので事前に分けておいてほしいとか、食事も本人と子供の分だけしか作れないなどと言われて、そのような説明を聞いているうちに気持ちがちょっと混乱してきてしまって支援を受けるのをためらってしまったということを聞きました。
 現行の福祉制度は、障害がある人が結婚、子育てをすることを前提としない立てつけになっているのではないだろうかと感じました。
 障害がある人も、恋愛、結婚し、子供を持つという人生を支援を受けながら送るということを視野に入れた福祉制度、福祉サービスであるべきと考えますし、この時点からの制度、サービスの見直しというのは今後の重要な検討課題ではないかと考えますのでよろしくお願いいたします。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 貴重な御指摘と思いますが、事務局から応答していただけますでしょうか。
○栗原地域生活支援推進室長 地域生活支援推進室長でございます。
 まさに結婚、出産、子育て、障害者の方の希望をかなえる社会をつくっていくのが我々の目指すところでございます。今回の北海道の事案は今、事実関係を確認中でございますけれども、それを機に今回事務連絡を先般出させていただきまして、当然、御本人の意思等を尊重したサービス提供をしっかり行うこととともに、その障害者の生活、御本人の生活と、あとは子供の養育を支えるために障害分野だけで支えるという概念ではなくて、母子保健とか児童福祉とか様々ございますので、そういったところがしっかりと連携しながらその障害者の方とお子さんを真ん中に置いて支えていくような体制づくりというものをまずはしっかりと考えていくべきだということで、そういう取組を進めるように自治体のほうにお願いをしているところでございます。
 また、併せて少し前に大臣の会見でもお話しさせていただきましたが、現場で今のようなお話も含めて様々な実態があると思いますので、現場の取組とか好事例も含めて収集するということの今後研究を進めてまいりたいと考えておりますので、まずはそういった取組を進めて一歩一歩進んでいきたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○菊池部会長 岡田委員、よろしいでしょうか。
○岡田委員 本当にその人が生活をきちんと維持できるような福祉サービスであってほしいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 今、室長が言われましたように、まさに地域共生社会の下での包括的支援体制整備、重層的支援体制整備といった、障害の世界だけではない、どういうものを組み合わせて地域で支えていくかという問題でもあるかなと思いました。
 それでは、江澤委員お願いいたします。
○江澤委員 ありがとうございます。
 本日の提案内容については賛成でございますが、1点だけ申し上げます。
 今日も虐待の議論が先ほどなされたところでございますけれども、基本指針にも障害者等に対する虐待防止が以前からずっと掲げられているわけですが、障害者虐待防止法が制定されてからも障害者施設における虐待の件数が右肩上がりでじわじわ増えております。ということは、今のままではあまりいい方向にいかないのではないか、あるいは踏み込んだ政策も必要ではないかというふうにも感じています。
 特にこの辺りは事業者の責任というものが極めて重いと考えておりますが、その中でやはり経営者、管理者のリーダーシップによる虐待や拘束を行わない組織づくり、あるいは人を大切にするという組織風土、そういったことを構築していくことが極めて重要だと思っています。
 各施設において指針の整備とか委員会の設置、あるいは定期的な研修会の開催等は行っていると思いますけれども、いま一度、施設の理念でありましたり、あるいは倫理教育というものも含めていかなくてはいけないのではないかというふうに危機感を持っているところでございます。
 特に有効なのは、施設内ラウンドではないかと思っております。感染対策においてはICT、すなわちインフェクション・コントロール・チーム、感染対策チームがラウンドして現場でディスカッションをして改善を促しているということがございますので、身体拘束の廃止のチームとか、虐待を防止するようなチームが施設内を定期的にラウンドしていくということも有効な取組と考えます。
 また、各自治体の行政におかれましても、虐待、拘束防止に向けた外部からのエキスパートを施設に派遣して指導するような取組というのも有効ではないかと思います。やはりその施設の中だけでは解決しない問題もありますし、特に座学の問題ではなくて現場での現地指導というものが極めて重要だと考えております。いろいろ痛ましい報道がある中で、いま一度そういった教育を取り入れていく必要があると思いますし、そもそも自分であったり、自分の大切な家族であったら決して誰も不適切な行為を取ろうとは思わないわけですし、いま一度その辺りのしっかりとした見直しを実行すべきだと考えます。
 以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 虐待防止の取組に関してですが、事務局からお願いします。
○栗原地域生活支援推進室長 ありがとうございます。地域生活支援推進室長でございます。
 まさに虐待件数は増え続けておりまして、これは掘り起こしが進んだというか、法がそもそも取り締まるというよりは発見して早期に解決策を皆さんで考えて、それを改善に生かしていくという大きな法の立てつけになっておりますので、それはそれで現場の通報とかも増えているのかなという感触はございます。
 あわせて江澤委員がおっしゃったように、それをしっかりと防いでいくほうに生かしていかなければいけないということで、先般、虐待防止委員会の設置とか、研修とか、そういったものは義務づけさせていただきました。まずこういったことがしっかりと現場でやられているかどうかというのは確認していきたいと思っておりますし、まさに委員がおっしゃったような管理者というか、そこの責任者の考え方というのは大変重要ですので、そういったところがしっかりと機能する、それから外部の目とか、そういうところも含めて、我々虐待の関係は毎年度調査研究を組みまして、常にどういう新しいことができるか。
 新しいというのは、現状を踏まえて改善をどういうふうに施策として図っていけるかを考えておりますので、今、委員からいただいた御意見も踏まえながらしっかりと今後も改善、また現場でそういうことが防げるように取り組んでいきたいと思っております。ありがとうございます。
○菊池部会長 江澤委員、よろしいでしょうか。
○江澤委員 しっかりと取り組むべき重要課題だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 これで一わたり御発言いただけたかと思いますが、よろしいでしょうか。
 よろしいようですので、幾つか修文の御提案がございました。いずれも基本的な方向性としては御異論のないところかと思いますので、細かな文言の調整につきましては御発言いただいた委員及び事務局、そして私も責任を持って調整に入りたいと思いますので、そこは私のほうに細かい文言調整については預からせていただいて基本指針案とさせていただくということで御了解いただければと存じます。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、基本指針案を策定の上、事務局におかれましてはパブリックコメント等、告示に向けての作業に当たっていただきたいと思います。
 それでは、一旦ここで休憩を取らせていただきます。10分近くになりますが、午後5時35分再開とさせていただきます。
 よろしくお願いします。
(休憩)
○菊池部会長 それでは、時間になりましたので再開いたします。
 では、議事の2「地域共生社会について」、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○矢田貝企画課長 それでは、まず資料3について御説明をさせていただきます。
 前回、部会長のほうから議論のために資料を準備するようにと御指示いただきまして準備させていただいたものでございます。主に恐らく論点というか、議論すべきこととしてはこれから御説明いたしますけれども、全世代型の社会保障を考えていく会議の中でもこの地域共生社会の実現というものを柱にしている中で、障害者施策につきましてもどのようにそれに対して今後対応していくのか、どういうふうに考えていくべきかということが1つと、もう一つは先ほどの議論の中でもございましたけれども、相談支援その他を含めまして重層的に障害福祉は障害福祉というわけではなく、やはり子育ての問題であったり、親の介護の問題であったり、様々な課題を一つの家庭というのは抱えている中でどのようにそれを重層的に支えていくのか。要は、縦割りではなくて連携をもって具体的に対応していくのかということが多分論点になろうかと思っていますが、そうしたことに向けて資料を準備させていただいておりますので、御説明をさせていただきます。
 まず1ページ目から法律上、地域共生社会についてどのように書かれているかを整理してございます。
 2ページ目が障害者総合支援法でございますけれども、第1条の2のところ(基本理念)におきまして下線部でございますが、「全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため」、また下線部の最後のところに「地域社会において他の人々と共生することを妨げられない」と、基本理念の中にそのように「共生」という言葉を使っております。
 3ページ、「障害者基本法」におきましても、こちらも「全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため」と、1条の(目的)に書いてございます。
 また、第3条は(地域社会における共生等)ということでございまして、例えば2のところで「全て障害者は、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられない」というような書きぶりになってございます。
 4ページからは、他の法律でどのようになっているかというものを抜粋したものでございます。
 まず「社会福祉法」ですが、社会福祉を目的とする事業の全分野における共通的基本事項を定めるというのが社会福祉法でございますけれども、その中で第4条、「地域福祉の推進は、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現を目指して行われなければならない。」
 また、第2項に「地域住民等」は「相互に協力し、福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会を構成する一員として日常生活を営み、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されるように、地域福祉の推進に努めなければならない。」等とされているところでございます。
 また、地域における医療、介護の総合確保法、5ページでございますが、こちらには「「地域包括ケアシステム」とは、地域の実情に応じて、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防(要介護状態若しくは要支援状態となることの予防又は要介護状態若しくは要支援状態の軽減若しくは悪化の防止をいう。)、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制」を地域包括ケアシステムというふうに定義してございます。
 「介護保険法」、6ページにおきましては(国及び地方自治体の責務)の中で「地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現に資するよう努めなければならない。」という書きぶりになってございます。
 最後に7ページ、「生活困窮者自立支援法」におきましても、地域社会からの孤立の状況その他の状況に応じて、包括的、早期にこの支援を行われなければならないということが書かれてございます。
 次に、8ページからが各審議会等の報告書における地域共生社会に書かれているものでございます。
 9ページが生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会の報告書の中での記載、10ページが厚生労働省の「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部決定の中での地域共生社会の実現が書いてございまして、11ページにその具体的な文言がございますけれども、ここではまず(「縦割り」の限界を克服する必要性)ということが書かれているとともに、3の「地域を基盤とする包括的支援の強化」というところで「保健、医療、福祉、教育等にまたがり、また、地域住民による支え合いと連動した、包括的支援体制の構築」ということが書かれているところでございます。
 また、12ページが介護保険部会での書きぶりで、13ページに昨年6月の障害者部会での報告でございますが、「基本的考え方」の1の(2)で「地域共生社会の実現」ということで、こちらに「誰もが社会の一員として尊厳と誇りをもって暮らすことができる地域共生社会を実現する地域づくり」という書き方をしてございます。
 冒頭で御説明しましたのが14ページ目でございまして、これは昨年12月、全世代型社会保障構築会議という社会保障全般についての議論をする会議での大きな4つ目に「「地域共生社会」の実現」という記載がございます。
 ここでどのような書き方をしているかといいますと、2つ目の○で「高齢者福祉、障害福祉、児童福祉、生活困窮者支援などの制度・分野の枠や、「支える側」、「支えられる側」という従来の関係を超えて、人と人、人と社会がつながり、一人ひとりが生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らせる包摂的な社会の実現が必要である。そこで重要なのは、各種サービスの担い手等による連携の下、地域全体で、多様な困りごとを抱える人やその家族を包括的に受け止め、一人ひとりに寄り添い、伴走支援するという視点である」というようなことが書かれているところでございます。
 16ページからが、厚生労働省における予算面等での取組でございます。
 17ページ、18ページは、先ほど御説明した法律の改正の概要でございます。
 19ページから、厚生労働省が実施している重層的支援体制整備事業について御説明をしてございます。高齢、障害、子供、生活困窮の分野において、それを一体的に相談支援するという属性・世代を問わない相談・地域づくりの実施体制づくりということで重層的な支援体制の整備事業というものを実施しているところでございます。
 21ページにありますように、今まで縦割りで様々な相談支援の例えば交付金であったり、補助金というものもございますけれども、これらも包括的な重層的支援体制整備事業交付金という形で交付するというような取組もしてございます。主眼につきましては冒頭に申し上げましたけれども、縦割りではなく様々な課題に連携して取り組む体制づくりということをこのような事業を使って進めているところでございます。
 以上、各地域共生社会というものをつくっていく中でどのように考えていくべきかという話と、縦割りではなく包括的な支援というところで今後障害福祉としてどのようなことを考えてやっていくべきかということを念頭に資料のほうを準備させていただきました。
 以上でございます。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
 前々回、事務局にお願い申し上げましたが、昨年無事に法案が成立し、また、先ほど御議論いただき、基本指針もおおむね定まりましたので、少し次の制度改革までの間に大きな議論といいますか、それをこの部会でやっておくのも意味のないことではないのではないか。先ほど御紹介がありましたように、日本の社会保障全体を支える政策理念として地域共生社会の推進ということは内閣官房の全世代型社会保障構築会議でも4つの柱の1つとして位置づけられていますので、それとの兼合いというか、障害福祉の分野でどう受け止めたらいいのかという辺りを議論していく段階なのかなとも思われましたので、事務局に資料をお願いした次第でございます。
 忌憚のない御議論をいただければと思いますが、続けて「その他」の議題につきましてもまとめて事務局から先に資料説明をお願いして、資料4、5、6をまとめて一括して質疑を行いたいと思いますので、よろしくお願いします。
○矢田貝企画課長 では、続けまして資料4「こども家庭庁について」、前回の部会でも質問等が出ておりましたので、現状について御報告をさせていただきます。
 資料の4でございますが、まず1ページ目でございます。
 来年度、今年の4月からこのこども家庭庁を創設するということになってございます。1ページの右下に3つの部門、「企画立案・総合調整部門」「成育部門」、そして「支援部門」とある中の1つの「障害児支援」をこども家庭庁が所管するということにされてございます。
 その考え方につきましては2ページに基本方針がございまして、その中で下線を引いてございますけれども、「障害児の地域社会への参加・包容(インクルージョン)を推進する観点等を踏まえ、こども家庭庁が所管する子育て支援施策の中で障害や発達に課題のあるこどもへの支援を行う。」という考え方でございます。
 3ページに、障害福祉施策の所管がどうなるのかということを書いてございますけれども、「こども家庭庁は、子育て支援施策の中で障害や発達に課題のあるこどもへの支援を所掌し、障害児の福祉の増進や保健の向上(障害児福祉サービス、医療的ケア児への支援等)を担う。
 厚生労働省は、障害者の福祉の増進や保健の向上(障害者に対するサービス、障害者と障害児を一体として支援する施策等)を担う。」という考え方になってございます。下に図も書いてございますけれども、児童福祉法に基づく障害児に対する支援につきましてはこども家庭庁の所管となってございまして、右側で障害者、大人が使うサービスであったり、児・者共通の手帳制度、手当制度については厚生労働省、障害福祉法の中の児・者両方使うものについては共管という形になってございますが、そのような考え方になってございます。
 4ページには、この移管に伴いまして2つ目の○、一般施策との連携によって障害児支援の強化を図ると、これまでほかの保育とか児童養護、放課後対策、その他一般施策と障害児支援、別の部局でございましたが、今後は一般施策との連携、その中で障害児支援を強化するということが強化される一方で、障害児・者で断絶が生じないよう、両省庁が連携して取り組んでいくこととしたいと考えてございます。
 下にも書いてございますが、こども家庭審議会と社会保障審議会の合同開催などのようなことも検討していきたいと考えてございます。
 その他、参考資料をつけてございますけれども、現時点で決まっているのはこうした新しい役所ができるというところでございまして、具体的に今後例えば審議会、こども家庭審議会という中でどのような部会ができて、その上でどのようにこの障害者部会との連携であったり、政策面で途切れが生じないような在り方をどうしていいかということにつきましては、4月以降、こども家庭庁が発足した後に、またこども家庭庁のほうとも相談をいたしまして、次回の障害者部会では具体的なところについても御説明できるように準備したいと考えてございますけれども、今日は現時点で決まっていることについてまず御報告をさせていただくというものでございます。
 資料5と資料6については担当の室長のほうから御説明させていただきますが、最後に1つだけ、参考資料2ということで報告事項で地方分権につきましての対応方針についてお配りをしてございます。参考資料2の中で、昨年12月に閣議決定いたしました令和4年の地方からの提案等に関する対応方針につきまして説明資料を配付してございます。
 例えば、「政令改正等により措置を講ずるもの」として1つ目の○で「児童福祉施設に対する一般指導監査について、新型コロナウイルス感染症等の感染拡大防止等の観点から、保育等の質の確保と実効的な指導監査等の両立に留意しつつ、実地によらない方法での実施を可能とする」ということであったり、または2つ目の○で「障害福祉計画及び障害児福祉計画について、障害者基本計画と一体のものとして策定することができる旨を周知」するということについて実施措置を講ずるということにしてございます。
 また、2ページには「検討の上、結論を得るとするもの」として幾つかの課題が挙げられているということについて報告をさせていただきます。
 資料5と6については、担当の室長から説明をさせます。
○栗原地域生活支援推進室長 それでは、地域生活支援推進室長でございます。
 資料5をご覧ください。「サービス管理責任者等研修制度について」の見直しを検討しておりまして、それについての御説明となります。
 資料をめくっていただきまして「現状及び課題」というページを御覧ください。
 サービス管理責任者等につきましては一番上の○にありますとおり、令和元年度に研修体系の見直しを行っておりまして、2つ目の○の2行目からありますとおり、「入口の研修である基礎研修修了後、2年間の実務経験(OJT)を経た上で実践研修の修了を要する仕組み」と現在なっております。
 この見直しにつきましては3つ目の○でございますが、1行目の後ろのほうですけれども、2年間の実務経験というところを経て実践研修を受けるということになりますので、以前の研修制度と比べまして「サービス管理責任者等を直ちに確保することが困難となり、支障が生じているとの声」が聞かれるところでございます。また、令和元年度以降、新型コロナウイルスの影響によりまして、自治体によっては十分に研修が実施できていないといった地域もございまして、この研修体系について少し見直してほしいという要望がこちらのほうにも届いているところでございます。
 下の※印にありますとおり、現行制度上、これは前からあった制度ですけれども、「やむを得ない事由によりサービス管理責任者等が欠如した場合、実務経験要件を満たす者がいる場合は、その者を1年間サービス管理責任者等とみなして配置することを認めている」という仕組みがございます。これは従前からあったものですけれども、ただ、養成に2年以上を要するということになったことから、例えばこの1年間やむを得ない事由での措置で配置している者が、前ですとその間に試験を受けて、研修を受けてサビ管になれたということがあったのですが、今回は2年間を要するということで、少しやむを得ない事由によって配置して業務を行っている方もなり切れないという状況がございます。
 次のページを御覧ください。
 こういった状況を踏まえまして、少し研修の対応を行っていきたいということで、一番上にありますとおり、質の確保の維持は大前提としつつ、人材確保を図る観点から以下の対応を行うことを考えております。
 まず1つ目、実務経験のOJTの期間でございますが、今これは前回の見直しで「実践研修を受講するために必要な実務経験(OJT2年以上)」とありますけれども、下の※で書いていますとおり、このOJTの2年の業務につきましては障害児・者への支援業務全般が対象になっておりますが、既に実務経験者である者がこのサービス管理責任者等のコア業務というか、業務になります障害福祉サービスに係る個別支援計画の作成の一連の業務に特化して従事する場合には、このOJTの2年という期間を6か月以上としてはどうかと考えております。
 加えまして、下に(やむを得ない事由による措置)というところがございますけれども、ここの2行目の後段辺りにありますが、従来から先ほど申し上げたような1年間欠如した場合に配置できる。その配置した者がサービス管理責任者等とみなすという措置がありますけれども、これに加えまして3行目辺りですが、基礎研修修了者について、下にポツが2つありますけれども、このいずれの要件も満たす者についてはその方が実践研修を修了するまでの間に限ってサービス管理責任者等とみなし、だから1年を超えてこの方をみなした状態で配置することができる。
 ただし、それにしても最長2年です。この方というのは、実務経験要件を満たす者であり、またはもとから欠如する以前から当該事業者にいる方で基礎研修も修了していて、ずっとみなしの制度でのサービス管理責任者として業務を行っている方です。
 なぜこんなことを考えているかというと、結局試験の状況は様々で、自治体によって時期も様々ですので、上の6か月以上の期間が短くなったとしても、その1年間で配置されている期間中に研修を受けられない可能性もあることから、そこは次の研修の最速のときに受けていただきたい。それにしても最長2年ですよという仕組みとしてはどうかということを考えております。
 それで、この一番下の○に書いていますとおり、今回の研修体系の見直しの影響についてはしっかりと実態を把握するとともに、そもそも研修を各自治体でしっかり行っていただきたいというところがありますので、一番下にありますとおり、できる限り希望者が研修を受講できるよう研修の実施を促すとともに、具体的な配置が決定している方を優先的に受講対象とする。それにしてもキャパシティーが難しいときには、実際にそのサービス管理責任者の業務に就く方を優先的にやるなど、そういう差配をしていただきたいということを周知していきたいと考えております。
 今ちょっと言葉で申し上げたとおりをこちらで説明すればよかったという話もありますけれども、次の4ページに図で書いてございます。この図の資料を見ていただければ分かるとおり、今、原則のところがありますけれども、例外としてさらに加える。さらに、やむを得ない措置についても1年に加えてもう一つ新しい措置を設けることを考えているところでございます。
 説明は以上でございます。
○奥出自立支援振興室長 続きまして、資料6について説明させていただきます。自立支援振興室長です。
 「「障害者による文化芸術活動の推進に関する基本的な計画」の改定について」という資料でございます。
 御案内のとおり、障害者による文化芸術活動の推進につきましては、平成30年に障害者による文化芸術活動の推進に関する法律が施行されまして、この法に基づきまして令和元年度から4年度までを計画期間といたします第1期の国の基本計画というものを策定して文化庁、または厚労省などを中心に進めてきたところでございます。
 今年度が計画の最終年ということでございまして、次年度以降に向けた第2期計画の策定作業というものを今年度行ってきたところでございます。策定に当たりましては、障害者文化芸術活動推進有識者会議というものを設けておるのですけれども、その中で御意見をいただきながら議論をいただきまして、2期計画案というものを取りまとめたところでございます。
 有識者会議の構成員には、例えば当部会委員の中からも久保委員、こちらは障害者の芸術文化活動を推進するネットワークの代表という肩書で御参画いただいておりました。また、野澤委員にも構成員として御参画いただいておりました。この場を借りまして、改めて感謝申し上げたいと思います。
 今回は案の概要をつけさせていただいております。令和5年度から9年度までが計画期間となりますが、その第2期基本計画ということでございまして、基本方針としては第1期の計画期間における取組の課題であるとか成果を踏まえまして、新たに今回はこの資料の右下のほうに第3の「第2期の基本計画期間において目指す姿」というものを書いておりますけれども、いわゆる目標と、その目標がきちんと進んでいるか、進捗を把握するための指標というものを新たに設けたところでございます。
 目指す姿としてそこに書いておりますけれども、オリパラのレガシーを受け継いで今後は2025年に大阪・関西万博といったこともございますので、そうしたことを見通して取組を推進していくということ、あとは障害者差別解消法であるとか、それに基づく合理的配慮の提供とそのための情報保障、環境整備に留意しながら、こうした念頭に置くべき目標を設定することとしております。
 目標はそこに3つ掲げているとおりで、「障害者による幅広い文化芸術活動のさらなる促進や展開」、2番目には「関係団体・機関等の連携等による、障害者が文化芸術に親しみ、参加する機会等の充実」、3番目には「地域における障害者による文化芸術活動の推進体制の構築」と掲げております。こうした目標を掲げた上で、それらが適切に進捗しているのかといった指標も設定しながら進めていくということでございます。
 こうした目標を念頭に置きまして、次のページになりますけれども、具体的な「施策の方向性」につきましては、左側に11個の施策を掲げております。これは法律の中に掲げられている11の施策でございまして、それにつきまして施策間の連携を取りながら総合的・複合的に施策を推進していくということをうたっているところでございます。
 さらに、第2期の基本計画期間におきましては、そうしたもろもろの進捗状況については引き続き有識者会議を設定して、その中で意見を聞きながら適切にフォローアップをして進めていこうということでございます。
 本日お示ししている計画案につきましては、現在パブリックコメントを実施しているところでございます。今週金曜までが締切りでございますけれども、そうした形でパブリックコメントを経てその後、年度内には最終的な公表を予定しているものでございます。
 こちらの芸術の計画については、自治体のほうでも計画を策定していただきたいということで進めております。本日議論いただきました障害福祉計画の基本指針の中にもこの芸術関係については盛り込んでいるところでございますが、自治体における第7期の障害福祉計画策定に当たってこちらの芸術文化活動に係る計画も一体的に策定するであるとか、そういったところを進めていければと考えているところでございます。
 事務局からの説明は以上となります。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 1点、御報告申し上げますが、先週の金曜日に内閣官房の全世代型社会保障構築会議が行われまして、その議題の一つがこども家庭庁でございました。こども家庭庁設立準備室長の渡辺室長がいらっしゃり説明をされましたので、私からは、社会保障審議会障害者部会の多くの委員の皆さんが、障害児・者の施策は共管というのもありますけれども、別の官庁で行われることになってくる。連携というんだけれども、その連携の在り方について大変心配しておられるというお話をさせていただきました。
 当初は連携と言っても、結局、当初の担当者が替わるとそれが希薄になってしまうというのは私も役所の中で実際に経験したことがございますので、仕組みとしてその連携をつくってくださいと申し上げて渡辺室長からは、分かりましたという前向きな御発言をいただいています。後藤担当大臣などもそこにおられて聞いておられました。
 以上、御報告申し上げます。
 それでは、ちょっと説明が長くなりましたが、様々なテーマがございますけれども、どうぞ御自由に御発言をお願いできればと思います。恐縮ですが、時間の関係上、お一人2分程度を目安にお願いいたします。この議事につきましては、18時50分をめどとして御議論いただきたいと考えてございます。
 それでは、まず会場の皆様からお手を挙げいただければと思います。
 こちらから井上委員、菊本委員、安藤委員、そして石野委員、丹羽委員、小﨑委員ということで、それでは逆回りで井上委員からお願いしてよろしいですか。
○井上委員 知的障害者福祉協会の井上でございます。
 1つは、御報告にあった地域共生社会に係る記載についてです。記載内容についてはおおむね理解できましたが、相談支援では、地域共生社会の実現に向けて重層的支援体制整備事業など、様々な分野で広がっていくという認識ですが、その一方でそれを支える地域のサービスの創出がなければうまくいかないのではないかという思いがしています。私も現在、社会福祉法人の理事長職に就いているわけですが、例えばひきこもりであったり、触法者の就労の課題であったり、セルフヘルプグループの課題など、地域にある様々な課題に社会福祉法人が積極的に働きかけて必要なサービスを行っていくことで、相談支援とそれを支えるサービスが一体となることが、法律の目的でもある地域共生社会につながっていくのではないかという印象を持っていますので、ぜひ御検討いただければと思います。
 2つ目は、サービス管理責任者の研修等については、やはり現状でなかなか確保が困難であるというようなところが非常に大きな意見としてありますので、今回の対応とは致し方ないところがあると思いますが、やはり基本的には権利擁護も含めて大事な役割を担っており、サービスの質の確保の主要なところだと思いますので、ぜひ今後とも様々な視点から検討いただければありがたいと思います。
 3点目ですが、障害者芸術活動については私も先ほどの御説明のとおりで、特に知的障害のある方たちにとっては非常に有効な取り組みだと思います。御本人にとってもそうですし、または地域社会における障害福祉の理解を得るという点でも大変有効だと思っておりますので、今後とも推進していただければありがたいと思っております。
 以上でございます。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 それでは、菊本委員お願いします。
○菊本委員 日本相談支援専門員協会の菊本でございます。
 私からは、2点に分けて御検討いただきたいことをお話しいたします。
 まず、1つ目は用語の整理でございます。地域共生社会と地域づくりといった言葉の定義や意味についての確認でございます。
 本日、本当に学識の先生方がいらっしゃる前で発言するのはちょっと心が引けるところがありますけれども、あえてお話をさせていただくと、まず地域共生社会の定義が障害福祉の研究をされている方と、また他分野の研究者の間では微妙な違いはあるんじゃないかと思っています。同様に、地域づくりという用語も使う人の間で差があるんじゃないかということを日々の実践の中で感じております。
 例えば、地域共生社会は、障害があってもなくても希望する生活を実現といった意味で使われることが多いように思えるのですけれども、他分野の世界ではもっと大きな概念で性別や国籍、宗教などの違いという形でかなり幅広の概念で語られているように思えています。
 障害者福祉の分野では、障害の有無が基本になっている考え方が中心で、まずは障害者の問題の低減から共生社会を語っているように思えるわけですし、また、地域づくりという言葉も、他分野の中では住民を巻き込んで我が事にしていくような組織化や、ボランタリーの活動を推奨するような意味が中心で語られていることが多いように思っています。
 そうしますと、やはりそういう活動につなげていくということは両者で変わっていないと思うのですが、少し方法論とか、それから入り口の分野は違っていていいと思っています。
 というのは、やはり障害者分野では障害の理解を進めるということであったり、住民や社会から偏見や差別を低減していくというような意味合いのところを強めて、まずこの問題を考えていったり、この用語を考えていかないと、現実の中では非常に偏見や社会からの差別といったものがどこか別に置き去られて、地域づくりとか地域共生社会が語られていないかということを非常に危惧しているところでございます。
 少し論点がずれるかもしれませんが、現在、強度行動障害のある方の支援について検討が進められておりますけれども、やはり住民からの理解を得ていくためには、行政用語だと思いますが、この言葉の見直しなども一方で進めていかないと、地域にこういった障害のある方の理解を進めていくということの阻害要因になっていくのではないかと思っています。
 ですので、地域づくりを進めている実践の中で、この言葉が適切でなく誤解を招きやすい言葉だということを指摘させていただければと思います。
 時間が過ぎていますけれども、もう一つだけ話させていただきたいと思います。それは、この社会保障審議会の障害者部会の在り方についてでございます。私は、今1つの県と2つの基礎自治体の自立支援協議会に属しておりますけれども、この自治体の自立支援協議会で行われている共生社会を目指して議論されている場は、陳情型ではなくて協働型の検討が必要だということで国からも推奨されて、いろいろな地域で検討されているわけです。そこでは、協働型が前提だと思っています。
 しかし、この社会保障審議会の障害者部会では、ここのところ法律改正を目的に行われていた点があるので、そこは割り引いて考えなければいけないと思いますけれども、このところ出席者の背景にある人々のニーズや課題ばかりが意見として出されて、それを国がうまくまとめて法律に位置づけてきたというようなことに少し終始し過ぎていたのがこの数年間ではないかと思っています。また、そのことを実現するための財源議論ということもほぼなかったように記憶をしています。
 ですので、国の審議会と自治体での協議会の在り方に連動性がなくなってしまっていて、それはそれ、これはこれといった縦割りが今まで以上に進んでしまった議論が多かったのではないかと思っています。これは、私も含めて反省をしているところでございます。
 一方、コロナ禍によってZoomによる会議が通常化したことによって、今日お集まりの方々もそうですけれども、私も含めてですが、委員同士の関係性も大分薄くなって協働型の議論ができにくくなっている雰囲気に拍車がかかってしまったのではないかと思っています。
 前回も発言をさせていただきましたが、重要な議題がございますので、十分な議論ができないまでも、5年後、10年後を見据えて持続可能な障害者福祉と、今後どうあるべきかなどの議論も並行して進めていくことは必要ではないかと思っています。
 ですので、まずはその第一歩には、この障害者部会の委員が相互にお互いの人となりや、団体同士の理解が進まないと、そのことが実現できないかなと思っていますので、この点について検討いただければと思っております。
 以上でございます。時間をオーバーして申し訳ございません。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 特に後段部分は非常に重い、大きな課題を思い切って御発言いただけたのではないかと私自身も受け止めております。ぜひ、今日もそうですけれども、直近の制度改正に結びつかなくとも、しっかりいろいろなことを議論するという、まさに協働型とおっしゃってくださいましたが、そういう場は必要でそこから新しいものをつくり出していく。役所の議論に対して、それはいいとか、駄目とか、それだけではない。この場で何かどんどんつくり出していくことはできるんじゃないかと、そういうような御発言にも受け止めさせていただきました。ありがとうございます。
 それでは、安藤委員お願いします。
○安藤委員 ありがとうございます。全国脊髄損傷者連合会の安藤です。
 私からは、細かい意見ではなくて総じてのお話で、共生社会について、またこども家庭庁についてです。どちらも私は全く異論はないのですけれども、菊池先生もおっしゃっていたように連携するという意味で、専門分野がずっとできていくと言っていて、私も菊本委員と同感なのですが、もうちょっと長期的なビジョンで見ると、人口も減っているし、子供の数も減っているし、高齢者はこれから亡くなっていくしということを考えて、現状、私は身体障害者で地域で暮らしているとヘルパーさんが不足していて、なかなかヘルパーさんを見つけるのも至難の業という状況下で、できればもっと連携というか、横断的にヘルパーさんとかも支援してもらえたらなと思うんです。
 例えば、保育士さんが障害者の福祉の分野で働くことができるとか、労働の連携というのでしょうか、流動性をもうちょっとできたらいいなと思います。資格が全部出来上がっていってそこでしか働けないというのではなくて、もっとリスキリングできるような、労働力が恐らくあふれていたり、すごく足りない分野が福祉の分野で生まれてくると思うんです。それをもっと連携できるような仕組みをできれば議論していただきたいと思っています。
 以上です。
○菊池部会長 また、これも貴重な御意見ありがとうございます。後でまとめて事務局から所見を伺いますので、お願いします。
 それでは、石野委員お願いします。
○石野委員 3つございます。
 まず1点目、こども家庭庁についてです。強制不妊の裁判が全国で訴えられておりまして、あちこちで係争中なのは、ニュース等で御承知のとおりかと思います。
 静岡では、判決が出ました。憲法違反である、国に対し賠償金支払いに責があると、かなり重い司法判断が下されました。これは、静岡だけではございません。熊本も同様です。昨年、大阪、東京でも高等裁判所でそのような判決が出されております。
 厚生労働省がこれまで所管していた母子寡婦保険関係は、今後こども家庭庁に移管するというようなお話も伺っております。その場合、どの部局が担当するのか教えてください。これが1点目です。
 2点目は、文化芸術活動についてです。資料6の2ページで、先ほど室長の御説明がございましたが、第1期計画の間、東京オリンピック・パラリンピックなどのレガシーという説明がございました。実は、デフリンピックというものが2025年に東京の開催することがもう決定しております。本文は添付されておりませんが、7ページの最後のところにデフリンピック開催の予定というふうに書かれています。
 こちらはまだ決定する前と思いますが、今、既に決定しております。パブコメが金曜までというお話もありましたが、そちらにももちろん出しますけれども、この部会をお借りしてぜひこれを変更していただきたいということが2点目です。
 そして3つ目、参考資料1に世界自閉症啓発デーの話がございましたが、手話言語の国際デーというものもございます。2018年、国連で正式に決定したものでして、昨年、全国に、手話を広める知事の会や手話言語市区長会などから一斉通知をしまして、全国180か所ぐらいでブルーライトアップをするという行動もしております。こちらも今後さらに増やしていくつもりでございますので、ぜひこの啓発活動にも御協力をいただきたいという要望が3点目です。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 1点目について、事務局いかがでしょうか。
○矢田貝企画課長 資料4の1ページ目でございますけれども、その下に先ほど3つの部門ができると御説明いたしましたが、この左下に「成育部門」という部門がございまして、そこの1つ目に「妊娠・出産の支援、母子保健、成育医療等」と書いてございます。それで、現在も先ほどの不妊の措置のお話につきましてはこども家庭局の母子保健課のほうで担当されているわけでございますけれども、引き続きこの成育部門の中の母子保健という部局のところで所管をされるというふうに理解をしてございます。
○菊池部会長 よろしいでしょうか。
○石野委員 2つ目、3つ目につきましてコメントをお願いできますか。
○菊池部会長 基本的に御意見ということで承りたいと思いますが、何かありますか。
○奥出自立支援振興室長 自立支援振興室長です。
 2つ目のデフリンピックの件については検討します。
 3つ目の件についても、国としてというか、厚労省としてどうした応援ができるかということも含めて、また次回に向けて検討したいと思っております。
 以上です。
○菊池部会長 よろしいでしょうか。
○石野委員 厚労省としても前向きな検討をお願いしたい。
○菊池部会長 続きまして、丹羽委員お願いします。
○丹羽委員 全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。
 私たちは、2018年より厚生労働省主催の共生社会等に関する基本理念等普及啓発事業に関わり、「この子らを世の光に」等、数々の理念を示した糸賀一雄思想を基軸に共生社会の在り方を繰り返し議論してきました。
 命そのものに価値があり、障害の有無により誰も排除されず、取り残されず、主体的に芸術文化や生産価値などを通して地域社会で役割を持てます。
 例えば、私の所属法人でも医療的ケアや重症心身障害のある人たちと小学校の登下校見守り隊を10年以上続け、また重度の知的障害のある人たちといわゆる買い物難民が多い地域へパンの移動販売などを行っています。支える側、支えられる側には既にそこに分断があるため、地域社会の一員として各々の居場所があることこそが重要です。これは、決して世のため人のために役に立つことだけを意味しません。
 繰り返しますが、命そのものに価値があり、それぞれに居場所があることが障害者権利条約で求められる他の者との平等を基礎として、社会に完全かつ効果的に参加することができる共生社会にとって重要であると考えます。
 続いて、こども家庭庁について1点だけ意見いたします。
 資料4の4ページ目の矢印内に「円滑な移行(切れ目のない支援)」とありますが、左から右の四角内のサービスだけでは、就学前からいきなり大人の支援になっているように感じます。学校教育はどのように位置づくのでしょうか。学校教育へと、からの移行に一番切れ目のない支援が求められていますので、学校教育とのより一層の連携強化も併せて図ってください。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 学校教育の点について、何かありますか。
○矢田貝企画課長 まさに御意見のとおりでございまして、ここでは今、一緒にうちの部でやっている障害児支援と障害者支援の関係だけを記載してございますけれども、当然、一人の障害児、障害者を考えるときには、ここに教育という部門との連携が必要になってきますし、また、大人も障害者雇用という形で労働の部分のところも当然関係してくるわけでございますので、御意見を踏まえまして児・者福祉だけの連携ではなく、学校部門、もしくは就労のところも含めた連携体制というのを、これを機にきちんとつくっていけるように検討をしていきたいと考えてございます。
○丹羽委員 ありがとうございます。
 様々な不安も期待もありますので、それが分かりやすく伝わるように資料の作成をお願いしたいと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 では、小﨑委員お願いします。
○小﨑委員 全国肢体不自由児施設運営協議会の小﨑でございます。2点ございます。
 まず資料4のこども家庭庁についてでございますが、スライドの3枚目のところで共管や一定の関与を行うということで、共管事項については厚労省とこども家庭庁、いずれにも相談、要望を上げても速やかに両省庁で相談、要望事項の共有を行うことができるような仕組みを構築いただきたいと考えます。これについては、先ほど菊池部会長のほうからもそのような要望を上げていただいたと理解しております。
 そしてまた、今までの検討では想定されてこなかったような制度、省庁間の隙間のような事例が発生した場合には、当事者の利益を損なわない方向性で速やかに解決を目指していただくように、これも仕組みを考えていただきたいと思います。
 これらは資料3の地域共生社会の実現に関する御説明の中でも、縦割りから丸ごとへ転換するべきとされているということかと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
 2点目は、資料6の「障害者による文化芸術活動の推進に関する基本的な計画」なのですけれども、一応タイトルは「障害者」となっておりますが、これは18歳未満の障害児も含めるというふうに考えてよろしいかということをお聞きしたいと思います。
 スライド3枚目の中では、ちょうど右側の真ん中のところに「文化芸術による子供の育成」ということが書かれておりますが、その「子供」というのは障害がある、なしにかかわらずなのかというところです。
 また、文化芸術活動のいわゆる作品といいますか、いろいろなものについて、恐らく障害のある方々の権利擁護というものをどういうふうに考えているかということもお聞きしたいと思います。具体的には著作権ですとか、そういったことを想定しております。よろしくお願いします。
 以上です。
○菊池部会長 それでは、後段部分について事務局からお願いします。
○奥出自立支援振興室長 自立支援振興室長です。
 障害者芸術の関係につきましては、御指摘のとおり障害児・者を含めて全体ということで、子供という表記がございますけれどもこちらには障害児のことも含まれております。
 もう一点の著作権など、権利の関係でございますけれども、この法律自体、先ほど資料6の最後のページで11の施策を挙げておりますが、その中の上から5番目に「権利保護の推進」というのがございまして、今日はすみません、計画全文をつけていないので分かりにくいかもしれませんが、「権利保護の推進」というところではやはりそういった創造された作品に著作権などの様々な権利が伴うということで、これらの諸権利の認知度が低いということが課題として挙げられておりまして、普及啓発活動などを通じましてその意識の向上等を図っていきましょうと、これは文化庁、文科省中心の取組になってしまいますけれども、そうしたことをきちんと項目を立てて書いているということでございまして、複雑になっている権利関係とか、そういったところをきちんと整理をして御自身にも理解していただくとか、周りの関係者がきちんと整理をするとか、そういったことが書かれているということでございます。
 以上でございます。
○小﨑委員 ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、オンライン参加の皆様からお手を挙げていただきたいと思います。
 では、白江委員からお願いします。
○白江委員 ありがとうございます。全国身体障害者施設協議会の白江と申します。
 2点ございまして、いずれも意見です。
 1点目は共生社会についてなのですが、このような機会を与えていただきましたこと、部会長にまず感謝申し上げたいと思います。共生社会は、先ほど菊本委員もおっしゃったように言葉の整理がまず私は必要かなと思っています。言葉の整理というか、定義だとか内容、目指すべき社会の在り方というものが全国民で議論になっていないと思います。社会保障、あるいは社会福祉の分野で、何かすごく限定的な中での議論で収まっているような気がしてなりません。
 いろいろな御発言、総理大臣の秘書官の御発言などもありましたけれども、いろいろな面でまだまだ議論が煮詰まっていないということで、全国民的、全省庁的な議論をどういうふうに構築していくかということをぜひこれからここの部会から発信していくような議論ができるといいなと思います。広辞苑の定義もその中で変わっていくというぐらいの議論が必要かと思います。
 2点目ですが、先ほど菊本委員がこの部会の進行について御発言されて、そのこと自体は全く同感ですし、部会長も就任当時、そのような趣旨の御発言をされ、かなり気を遣いながら進行されていると私も感じていまして、今日も私はその一つの取っかかりかと思っております。
 ただ、お互いの議論というのはやはり時間の制約がありますので、この辺りをどうするのかということは事務局の中でも少し御議論いただく必要があるのかなと思いますので、ぜひそれが実現できるような、部会として独自に発信できるような、何かそういった場がこれからできることを強く願っております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 前向きな課題提起をしていただきましてありがとうございます。また、個々の委員の皆様、今日も時間が限られていますが、こういったアイデアがあるとか、そういったことがあれば事務局の説明の折にでもいろいろ御教示いただければと思いますのでよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 それでは、陶山委員お願いします。
○陶山委員 ありがとうございます。
 障害者福祉サービスと地域共生社会についてですけれども、地域のつながりが希薄になっていますので、障害を持っている人だけではなく、貧困とか虐待などによって困っている人が、困っていると伝えられないケースが増えているというのは理解できますし、地域共生社会の実現の基本的方向性にあります支える側、支えられる側という関係を超えてつながっていくという方向性には賛成いたします。
 私はたくさんの病気を持っている方たちと接する中で、病気や障害ももちろん一緒なんでしょうけれども、本当に紆余曲折を乗り越えられてたくさんの経験をされている方たちがいらっしゃるんですね。その経験は、実は生きる希望を失っている方たちに、生きる力を与えるということを持っていらっしゃるんじゃないか。そういう意味では、まさにそれが支えられる側から支える側になるのではないかと思っています。
 しかしながら、支えられる側にいる人たちが福祉サービスを受けて命の尊厳を持って生きることができるという前提があってということだと思いますので、基本的な考えを忘れてはいけないとは思います。
 それから、こども家庭庁についてですけれども、これは今日質問をさせていただきますが、次回の部会で詳しくとおっしゃっていましたので、お聞きしたいところが2点ほどあります。
 移管はこども家庭庁に移すということでは理解できるんですけれども、共管というのが幾つかあるんですね。例えば、発達障害のことですとか、障害者の日常生活の部分とか、あるいは障害者の虐待の防止などについては共管するというふうに書いてありますけれども、ではなぜ児童福祉法に移管するとあるのに小児慢性特定疾患に関しては移管されないのか。また、自立支援事業に関することも移管されないのでしょうか。医療的ケア児に関しては移管されますけれども、自立支援事業とか移行期医療の担当というのは厚生労働省になるのでしょうか、それともこども家庭庁になるのでしょうか。
 当会では小慢の親御さんから、ますます置き去りにされるのではないかと懸念する声がありますので、親御さんに、これこれこういうわけだからこども家庭庁じゃなくて厚生労働省なんですよということをやはり納得していただけるような回答を持って、そしてお答えしたいと思いますので、次回それまでに回答をいただければと思っております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 この場で何か御回答できることがあればお願いします。
○矢田貝企画課長 担当部局にもう一度きちんと確認して正式に御回答したいと思いますけれども、私が知る限りで言いますと、もともと小児慢性の方と難病の方についての支援というのが子ども家庭局と健康局に分かれていて、そこで児・者のトランジションと申しますか、そこが非常に課題になっているという中で、もともと子ども家庭局と健康局がやっていたものを、健康局の難病課のほうで児・者一体的にやるという見直しをちょっとしていたという経緯があったので、一体そういう趣旨でどちらを優先するかという話になる中で、もともと別の部局だったものを1つのところにまとめてその連携がされるようにとなったものを、またそこをするのはどうなのだろうということで、今回は難病と小慢の一体性のほうを優先させて考えているというふうに私は聞いておりますけれども、また確認いたしまして御回答できればと思います。
○陶山委員 よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、竹下委員どうぞ。
○竹下委員 ありがとうございます。日視連の竹下です。
 まず1点目は資料3の関係で、共生社会の実現というのは菊池部会長が指摘されたことは非常に大きな意味があると思うんですけれども、ぜひ意識していただきたいのは、障害者基本法にも規定されているわけですし、権利条約もそうなのですが、共生社会の実現の前提として、あるいはその内容として、社会的障壁の除去ということを常に意識して物を進めないと、共生社会といういわば観念的な理念だけが先行するということになってはよくないのではないかと思っております。
 そういう意味では、常に共生社会というものを考えるときに、場合によっては男女問題、ジェンダー問題ですね。それから外国人の問題であれ、全てそういう壁になっている部分の除去という視点からの共生社会の実現ということを大きく捉えるべきではないかと思っております。これが1点目で意見です。
 それから2点目は、資料4のところでお願いと質問です。
 お願いは、この部会でも2、3年前に議論したわけですが、障害児施設における加齢入所者といいますか、18歳を超えてそのまま障害児施設にとどまってしまっている方の問題が起こりました。そうした問題が起こらないようにするためにこそ、資料4でいいますと4ページにある連続性、継続性といいますか、一体性といいますか、その辺が重要になってくるのではないかと思っておりますので、ぜひそこは縦割りにならないようにお願いしたい。
 質問は、実は子育てのところで悩ましいのは、障害のある両親が障害のない子供さんを支援していくとき、あるいは子育ての場面での支援というのは引き続き厚生労働省になるのか、それともこれはやはり子育てということでこども庁になるのかを教えていただきたい。これが質問の2点目です。
 最後に資料6ですけれども、目標として1、2、3を掲げていることは非常に整理されたと思っていまして、目標の1については随分前進してきたかなと思っているのですけれども、問題は目標2と目標3です。
 すなわち、目標2のところで、やはり障害別の文化芸術のところでは障害別団体の取り込みというのでしょうか、そこをも巻き込んだ形で行わないとうまくいかないのではないかと思いますので、この部分の今後の進め方の中で関係団体のこの分野での連携の仕方について、より具体化していくことをお願いしたい。
 それから、目標3のところでは、地域における文化活動というものがこの間そんなに進んでいないのではないかという私自身の思いがあります。それだけに、目標3のところの、どうして地域における障害者の文化芸術活動を推進するかということについても、より具体性をもって進めていただくことをお願いしたいと思っております。
 私からは以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 御質問がございましたので、よろしくお願いします。
○矢田貝企画課長 御両親が障害のある方で、その子供の子育てについての所管ということでございますが、子供の子育てについての支援という観点で申しますと、やはり児童養護であったり、様々な子育て支援のサービスなどもございますので、まさにこども家庭庁の子育て支援のところというものがまずあると思いますが、一方で親御さんについて、例えば障害のサービスを受けているであったり、障害の相談支援をしているということで、親御さんの支援、その子育ても含めた支援ということになりますと、障害者のほうでの支援にも関わってくるという関係になります。
 それで、この問題は資料3の地域共生社会の中の話ではないですけれども、要すれば障害者支援と子育て支援、先ほど申し上げた1つの家庭に様々な課題があるというところをいかに包括的に支援していくかという中で、そういう意味ではこども家庭庁と私どもが連携しながら支援していくというのが答えになろうかと思います。
○菊池部会長 竹下委員、よろしいでしょうか。
○竹下委員 ありがとうございます。
 今の企画課長のお答えでいいんですけれども、その部分がばらばらにならないというか、股裂きが起こらないようにだけお願いして私の発言を終わります。ありがとうございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、飛松委員お願いします。
○飛松委員 国立障害者リハビリテーションセンターの顧問の飛松でございます。
 資料6の「障害者による文化芸術活動の推進に関する基本的な計画」ということについて意見を述べたいと思います。
 1枚めくって「はじめに」のところで、「基本的な方針」と「第2期の基本計画期間において目指す姿」というものを掲げていて、それを最初に読んだときに、障害者だけが固まって芸術活動をするというように何か感じ取れてしまったんです。もう少し具体的に、地域の絵画教室とか、ダンス教室とか、音楽教室に障害者が通うような地域をつくるんだというふうに書き込んでほしいと思います。これは概要なので具体的にどうなっているかは分からないのですが、具体的にはそのようなことを書いてもらって、みんなでやる。別に障害者だけが固まってやるのではなくて一緒にやればいいではないか。一緒に絵を描いて、絵の描き方を習おうというような社会を実現していくよというふうに読み取れるようなものにしていただきたいと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。御意見として受け止めさせていただきます。
 それでは、藤井委員お願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。国立精神・神経医療研究センターの藤井です。
 地域共生社会と障害福祉サービスのところで少し意見を述べさせていただければと思います。
 このところは、本当に現場の方や行政の方の御尽力で、まだ不十分なところはあるにしても、障害福祉サービスの量も内容も充実をしてきていると思います。それは本当に基本的によいことだと思うのですけれども、一方でサービスのはざまにいる方にとって使いにくくなっている側面もあるように感じているところです。
 重層的支援体制整備事業などでは、はざまをなくすということで対応が進んでいるところだと思いますけれども、そのような取組の中では必ずしも障害者と認定はされないけれども、障害福祉サービスをうまく利用できると生活がしやすくなったりとか、社会参加が進むと思われる方も一定数いらっしゃるように感じています。
 私の経験からで恐縮なのですけれども、例えば幼少時から身体的虐待を受けていてほとんど学校に行けずに、事実的に義務教育も受けられないまま成人したという方だったり、長くネグレクトをされていて社会経験がほとんどできなかったというような方で、知的障害でもなく、PTSDやうつ病と診断するのも無理があって、なかなか障害福祉サービスにつなげるのが難しい方々がいらっしゃいました。
 実際にはいろいろ手を尽くして、障害福祉サービスを結果的には利用することができて、徐々にサービスの必要もなくなっていったというような経過だったのですけれども、そういうふうな障害とは言えない、診断もつかない、でも、障害福祉サービスがうまく使えると、その方の本来の力を引き出すのに役に立つというような状況を時々経験します。そういう状況の方々が、うまくサービスを使えるような方法についても考えていく必要があるのかなと思いました。
 このところ、サービスはかなり整備されている一方で、ちょっと適切な表現ではないかもしれないですけれども、言ってみれば、ふわっとした相談というか、ふわっとしたサービスというものが受けづらくなっているような印象もあって、例えば基本相談とか、地活のI型のようなサービスが意外と少ないなというふうに感じます。計画相談で手いっぱいだったりとか、地活I型の専門職配置基準とかクリアしづらいところもあるのかなとも思うのですけれども、地域共生社会の理念を考えると、あまり型にはまらない、ふわっとしたサービスの充実も必要ではないかと思います。
 サービスの濫用を防ぐ意味でも、より適切なサービスを提供するという意味でも、サービスの提供範囲とかアウトカムを明確にするというのはもちろん必要だと思うのですけれども、対象とかアウトカムを明確にし過ぎたりとか、効率を重視し過ぎたりすると、どうしても柔軟性が犠牲になってしまって、地域共生の考え方とそぐわない部分というのが出てくる。そういうジレンマにどう対応していくかというのが今後の課題の一つではないかと思います。
 あとは、地域共生社会の実現に向けては地域保健分野との連携を一層進めていく必要があると感じています。私が研修医の頃は保健師さんは地区担当制で、よく保健師さんと一緒に地域に出て行っていろいろ教えていただたいのですけれども、本当に地域のことをよく知っておられて、まさに障害のあるなしにかかわらず必要な支援を提供しておられたというふうに記憶をしています。最近でも業務分担制から地区担当制に戻す動きというのがあるようにも聞いていますけれども、地区担当が保健師さんの地域ニーズとか、地域への関わりというのはまさに地域共生社会の考え方にも通じるものだと思います。
 厚労省内では社会援護局と部局が違うと思うのですけれども、少なくとも地方自治体レベルでは社会福祉、障害福祉の部署が地域保健の部署としっかり連携していくということが地域共生社会の実現で重要なことの一つかと思っています。すぐに何かしてくださいという意味で申し上げているのではないのですけれども、問題意識として述べさせていただきました。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 はざまの問題ですとか、ふわっとしたサービスとか、いろいろなヒントをお出しいただけたように思います。それをどう実現していくかということが課題かなと私も思います。
 それでは、叶参考人お願いします。
○叶参考人 全国社会就労センター協議会の叶です。
 1点だけですけれども、共生社会について意見を述べさせていただきます。
 先ほど言われたように縦割りの限界、そういう意味で連携が必要だというようなことに関しては基本的には重要なことだというふうに認識しています。
 ただ、今後どう具体的に進めていくかということが重要だと思っていまして、例えば相談支援をどんなふうにするのか、あるいは就労支援をどういうふうにしていくのかという具体的な内容がとても重要になってくると思います。
 というのは、障害者支援でいけば、例えば様々な障害、特性を理解していく必要があったりとか、あるいは就労支援についても就職に向けて専門性が求められるところがたくさんあります。そこら辺がとても重要だと思っていまして、今後具体的に進めていくに当たってそういういい意味での専門性といいますか、それが損なわれることがないように共生社会を進めていくということが重要だと思っております。
 以上です。
○菊池部会長 どうもありがとうございます。
 それでは、永松委員お願いいたします。
○永松委員 全国市長会の永松です。
 自治体の現場から「地域共生社会の実現」という視点で申しますと、委員の皆さん方からお話がありましたように、複数の課題や制度が複雑に絡み合う困難を抱える方が増え、従来の分野ごとの支援体制ではもう支え切れない状況になっていると感じています。障害・子ども・生活困窮・高齢者といった分野や世代を超えた施策が地域で展開できると、より早く効果的な支援ができると思います。
 具体的には、自治体の役割としては困難を抱える本人、それからご家族の存在をいち早く発見、例えば民生委員さんであるとか、保健師であるとか、こども園であるとか、いろいろな方々がいち早く気付いて、それを地域の多くの職種が一堂に会する「地域包括ケア会議」で、アセスメントを行うことが大切だと考えます。そのアセスメントを継続すると、地域の中で様々な職種の連携による工夫や調整が行われることになり、複雑な事例も核になるところが「見える化」され、支援の方法がレベルアップしていきます。
 つまり、社会福祉法人や医療法人やNPO法人の中に理解者、協力者が新たに地域に誕生していくと、どこの所管なのか、どの法律を適用するのかという入口の議論でなく、先ほど藤井先生がおっしゃったように、ふわっとした早期の支援を始めることで、結果として手遅れになってしまうことを、ある程度防ぐことができるのかなと思います。
 「地域共生社会の実現」というのは、繰り返しになりますが最初の発見のときから地域包括ケア会議などを通じて理解者をどんどん増やしていく。それが法律の適用範囲になるかどうか、どこが持つのかというよりも、いろいろな職種の方々との知恵や工夫でさらに悪化しないよう調整、連携をまずやっていく。そして、困難事例となる前に、結局そういう人たちが助けられたという感覚を持たないまま、うまくいくというのが「地域共生社会の実現」の肝になるのかなというふうに思います。
 以上です。○菊池部会長 ありがとうございます。まさに地域共生社会の最先端の現場におられる基礎自治体のお立場からの貴重な御意見をいただけたと思います。
 それでは、久保委員お願いします。
○久保委員 ありがとうございます。全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
 まず地域共生社会の構築でございますけれども、基本的に各分野の既存サービスなどを市町村が横串を刺して組み合わせるのが前提という形で考えておられるということは理解はしております。そのためには、各サービスを柔軟に相乗入れできる仕組みになるようにしていただきたいと思います。
 他方で、地域共生社会の構築に向けてはサービスの組合せを柔軟にすることが重要ではありますけれども、支援の専門性を低下させることがないように制度の柔軟性と支援の専門性を両立させていただきたいと思っています。
 そして、共生社会を目指して、私どもも共生社会等に関する基本理念、普及啓発事業に参加をしておりまして研修を進めております。今後は今までの活動を生かして、企業など広く一般の方々にも広めていきたいと考えておりますので、ぜひともこれらの事業をさらに推進をお願いしたいと思っております。
 それから、資料4のこども家庭庁でございますけれども、育成会としましても大変期待をしております。障害児が一般子育てサービスを当たり前に利用ができて、そして地域の中で共に育つことができる環境づくりをぜひお願いしたいと思っております。
 他方で、児童から成人への移行期につきましては、ぜひ混乱が起きないように万全の対策をお願いしたいと思います。
 資料5でございます。サビ管研修でございますけれども、現状を踏まえての要件緩和であることは理解をしておりますし、反対ではございません。
 ただ、粗製乱造になってしまうということは懸念をしておりまして、サビ管は支援の要でございますので、ぜひとも質の向上には引き続き取り組んでいただきたいと思っております。
 最後でございますが、障害者の文化芸術活動の推進でございます。障害者の文化芸術を推進する法律というものがあるのは日本だけだと思います。そして、昨年の国連の権利条約の審査でも高くそのことは評価されております。
 しかし、現状は毎年実施されております国文祭、障文祭の際に、現場で障害者の作品である絵画を押しピンで刺して掲載しようとしたり、規格の額に入らない作品は切ればいいといったような県の職員の言動が見受けられます。法律がまだまだ行き渡っていない状況にありますので、すばらしい法律ができればいいというわけではなく、全国の自治体にも、さらにいろいろなところにも、この法律があってということで徹底をしていただけるようにお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。全般にわたっての御意見をいただけたかと思います。
 それでは、阿部委員お願いします。
○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部といいます。
 私たちは、各種の障害者団体の連合体そのものであります。お話を伺って、地域共生社会についてこの資料3はとてもありがたいと思いました。また、私たちも誰もが互いに支え合う社会をつくっていくということはとても大事だと思っています。今回いただいた資料を踏まえ、また今回の議論を踏まえ、さらに特に菊本委員のお話はとても大事なことだと思いました。各地域においてそれぞれの組織との連携を基に、それぞれの地域で暮らしやすいまちづくりに取り組む、そして、永松委員からもありましたが、地域共生社会に向けてICTオンラインも活用できる時代でもありますので、私たちもそのような取組をしていく必要があるということをとても感じたところです。
 そして、前半の指針を基に、令和5年度はそれぞれの地域で令和6年度からの障害福祉計画、障害児福祉計画を策定する場合にも、やはり障害のある当事者の声というのは大事だと思いますので、そういう活動をこれから行っていく必要性を強く認識したということを申し上げて、感想めいたことでございますけれども、お話しさせていただきました。
 以上です。
○菊池部会長 どうもありがとうございます。
 それでは、お手をお挙げになっておられる中では最後かと思います。齋藤委員お願いいた
します。
○齋藤委員 ありがとうございます。私も地域共生社会につきまして、一言申し上げたいと思います。
 本日、資料を拝見しまして、障害福祉、介護保険、あるいは医療介護総合確保推進法等で、この地域共生社会を実現していくという言葉が各法律や報告書の中に挙げられていますが、この地域共生社会というのは全世代型の社会保障構築会議の報告などを読むと、全ての制度からそれを目指していくのだと、非常に高い理念といいますか、上位の概念だと私は解釈しておりました。
 しかしながら、中身を読むと、介護保険や障害者支援の辺りは具体的な施策が見えてくるのですが、殊、医療となりますと、なかなか治療が終わった後、あるいは状態が落ち着いた後、地域で暮らして、そこでお互いに支え合うといった仕組みに戻ってくるという、その辺りの意識がどこまで醸成されているのか、非常に懸念しております。
 医療が地域共生社会にどんなことを貢献し、具体的な施策の中で何ができるのかという辺りがもう少し出てくることを期待したいと考えています。今すぐ何かできるというわけではないのですが、この理念の実現というのは非常に長期的に醸成していくものだと思っておりますので、医療の制度の中でもう少しいろいろな意識が醸成できる工夫が要るのかなと考えています。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 今、医療との関連という御発言で、確かに私もそうだと思っておりまして、医療とのつながりというのがまだ薄いというか、あまり考えられていないというのは実際のところだと思います。
 ただ、医療分野からも社会的処方とか、そういった議論も豊富になってきていますので、そういった医療分野とどうつながりを持っていくのかというのが大きな課題だと私も思ってございます。どうもありがとうございます。
 一通り御発言いただけたと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。様々な御意見をいただきましてありがとうございました。特にこども家庭庁に関する御発言については、事務局から準備室のほうにお伝えをいただきたいと思います。
 総括的に事務局から、皆さんから御発言をいただいて何かコメントなどがあればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○矢田貝企画課長 企画課長でございます。
 いただきました御意見について、様々御意見をいただいておりますけれども、それぞれ今後それをどのように受け止めていくかということも含めて、きちんと受け止めたいと思っております。
 また、こども家庭庁について様々な御心配、御意見もございましたので、そのことも含めまして、こども家庭庁準備室がこども家庭庁になるわけでございますけれども、そことも連携しながら、次回のこの場には具体的に今日御質問があったことも含めてどのような連携体制を取っていくかということが御説明できればと思っております。
 以上です。
○菊池部会長 4月以降であれば、可能ならばこども家庭庁から来ていただきたいですね。
○矢田貝企画課長 調整させていただきます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 時間がないので1点だけ、今日、地域共生社会をテーマにしていただきましたが、菊本委員、あるいは竹下委員からその概念、定義の違いとか、人によって意味合いが違うとか、そういうお話がありました。それは確かにそういう面があると思っていますが、これは私の理解ですけれども、障害者総合支援法、あるいは障害者基本法もそうだと思いますが、それにおける共生社会という捉え方は、多分ノーマライゼーションの理念とか、そこから来ている面が強いと思います。
 その共生社会と、今言われている地域共生社会というのは少し次元というか、位相を異にする面があると思っています。つまり社会福祉法、それから令和2年改正の介護保険法でも入りました、そこでの地域共生社会の理念、あるいは生活困窮者自立支援法というのは、どちらかというとノーマライゼーションというよりは地域福祉の推進であるとか、主体としての地域住民が支え、支えられる地域をどうつくっていくか、そこに大きな狙いがあるので、おっしゃるようにそこはちょっと次元を異にするので、それを一緒くたに議論してしまうと混乱すると思います。
 ただ、これは私の理解ですけれども、障害者総合支援法における共生社会の議論、これは障害分野固有のものとして今後も絶対に維持していく必要のあるものですが、その議論と今、語られている地域共生社会の議論をどうつなげていくか。
 それは、丹羽委員のところではもう実際に実践でやっているというお話だったと思いますが、法律や制度の面ではそこがまだ結合していないというか、私はそういう理解をしていまして、では、その辺をどう地域共生社会の議論につなげていくのかはここでそういう議論をやっていければいいんじゃないかなと私自身は思っているところです。まさにそれが菊本委員の協働型という、そういう営み、取組にもなるのではないかと思っております。
 いずれにしましても、今日は様々な御意見をいただきましたので、今後ともこういった自由な議論の機会を我々自身で何かつくっていくという取組ができればいいなと思ってございますので、事務局におかれましても今、法律の施行で大変お忙しいと思いますが、今後ともそういう視点もちょっと御検討いただければと思ってございます。すみません、ちょっと長くなりました。
 それでは、時間もまいりましたので、本日はここまでとさせていただきます。
 最後に、今後のスケジュールについて事務局からお願いいたします。
○矢田貝企画課長 本日はありがとうございました。
 次回の部会の日程は未定でございますけれども、6月頃の開催を検討してございます。また、後日御連絡させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○菊池部会長 長時間にわたり、ありがとうございました。
 これも協働型ということに関わりますけれども、新型コロナウイルス感染症が感染症法上2類から5類に変わるという社会全体が大きな変化の局面に差しかかっていると思います。そういう中で、私の所属する大学もそうなんですけれども、会議のありようとか、我々ですと授業のやり方とかもかなり春以降変わってくるという面がございます。
 そういう中で、この会議の持ち方につきましても、もちろんこれは政府全体の方針もありますし、多くの皆さんは現場をお持ちで責任あるお立場でもいらっしゃるということで、いろいろな考慮すべき要素はあるということは承知していますが、日本社会全体が一つの大きな局面転換の場にあるということもございますので、事務局におかれましてはそれも含めて今後の在り方について御検討いただければと思っておりますので、よろしくお願いします。よろしいでしょうか。その点に関して、受け止めていただけますか。
 よろしくお願いいたします。
 それでは、大変長時間にわたりましてどうもありがとうございました。本日はこれにて閉会とさせていただきます。
 ありがとうございました。