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2022年4月8日 社会保障審議会障害者部会(第126回)議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

令和4年4月8日(金)14:00~16:30

○場所

ベルサール半蔵門 ホールA
東京都千代田区麹町1-6-4 住友不動産半蔵門駅前ビル2階

○出席者

菊池馨実部会長、阿部一彦委員、安藤信哉委員、石野富志三郎委員、井上博委員、江澤和彦委員、岡田久実子委員、沖倉智美委員、菊本圭一委員、久保厚子委員、小崎慶介委員、齋藤訓子委員、櫻木章司委員、白江浩委員、新保美香委員、陶山えつ子委員、竹下義樹委員、飛松好子委員、永松悟委員、丹羽彩文委員、野澤和弘委員、藤井千代委員、吉川かおり委員、飯山参考人、三澤参考人

○議事

○菊池部会長 皆さん、こんにちは。
定刻になりましたので、ただいまから第126回「社会保障審議会障害者部会」を開会いたします。
委員の皆様におかれましては、年度初めの大変お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。
議事に入ります前に、本日の会議については、こちらの会場とオンラインで開催いたします。
事務局においては、資料説明はできる限り分かりやすく要点を押さえた説明となるようにしてください。
各委員の皆様からの発言についてもお願いがございます。最初に私が発言を希望される方を募りますので、会場の方は挙手をお願いいたします。オンラインの方はZoomの「手を挙げる」機能を使用してください。私の指名により発言を開始してください。より多くの委員の発言の機会を確保するため、できるだけ簡潔に御発言をいただきたいと思います。御発言の際は、まずお名前を名乗っていただき、可能な限りゆっくり分かりやすくお話しください。また、会場の方はできるだけマイクに近寄ってお話しください。発言後は必ずマイクのスイッチをオフにしてくださいますようお願いいたします。円滑な会議運営に御協力をお願いいたします。
それでは、事務局より委員の出席状況、資料の確認をお願いいたします。
○矢田貝企画課長 企画課長、矢田貝です。
委員の状況について御報告させていただきます。本日、黒岩委員、中里委員より、御都合により御欠席との御連絡をいただいております。
また、内布委員の代理として飯山参考人、小林委員の代理として三澤参考人に御出席をいただいております。
続きまして、事務局の出席につきまして、議題1の議論に際しまして、関係部局である職業安定局障害者雇用対策課、小野寺課長に出席いただいております。
本日の資料でございますが、議事次第、資料1~4、参考資料。以上となります。
会場にお越しの方でこれらの資料の不足などがございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。よろしくお願いします。
以上でございます。
○菊池部会長 それでは、議事に入りたいと思います。
まず、議題1の資料1について、事務局から説明をお願いします。
○津曲障害福祉課長 障害福祉課長、津曲でございます。
資料1「障害者の就労支援についてマル3」と題します資料を御覧ください。こちらは、就労支援に関しまして、その各論点について昨年の部会で御議論いただきましたものを整理したものでございます。資料は非常に大部となりますけれども、分かりやすくなるよう直前まで修正をしておりました。ポイントを中心に説明をさせていただきます。
資料をおめくりいただきまして、スライド1、2に関しましては、これまでの議論をまとめたものでございます。
スライド3から御紹介をさせていただきます。スライド3は、「就労を希望する障害者への就労アセスメントの手法を活用した支援の制度化について」でございます。検討の方向性として整理をさせていただいているものでございます。
丸の1つ目です。現在、就労継続支援B型の利用に当たりましては、就労移行支援事業者等による就労アセスメントを実施する運用としております。現在、就労アセスメントを実施している利用者の約1割強では、就労移行支援、就労継続支援A型、一般就労などの異なる就労先を選択しているという調査結果がございます。
また、就労移行支援及び就労継続支援A型の利用につきましては、客観的な判断を行うために、2か月程度の期間を設定いたしまして暫定支給決定を行い、その後に本支給決定を行うこととしております。暫定支給決定を経て利用するサービスの変更などを行った割合は、就労移行支援利用者の約4%、A型利用者の約1.5%となってございます。
このような現行の仕組みに関して、アセスメントを行う前に実質的にサービス等が決まっているという御指摘もございまして、適切なサービス等につなげられていない場合があるのではないかという指摘がございます。このような点を踏まえまして、就労を希望する障害者への就労アセスメントの手法を活用した支援の制度化について、以下の方向で具体的に検討を進めてはどうかということでまとめさせていただいております。
基本的な考え方でございます。スライド22、23なども御覧いただければと思います。就労を希望する障害者が就労を検討する段階で本人の強みや課題、職場における合理的配慮に関する事項等を整理する機会を得るということがこの仕組みの1つのポイントとなります。このようなことによりまして、就労先や働き方をより適切に検討・選択できる。本人の特性を踏まえた就労支援が行いやすくなる。就労開始後の就労ニーズや能力等の変化を客観的にするために、このアセスメントの機会というものを活用できるのではないか。
○菊池部会長 すみません。ちょっとゆっくりお話しいただけませんか。ちょっと反響して、会場ではやや聞こえにくいかもしれません。少しゆっくりお話しください。
○津曲障害福祉課長 はい。
スライド3の一番下の丸の部分でございます。具体的には、就労アセスメントの手法を活用して整理した情報に係る書面の作成・提供、関係機関(ハローワーク等の雇用支援機関、計画相談支援事業所、教育や医療などの関係機関等)との意見交換等を行うことにより、障害者本人が一般就労やサービス事業所などを自ら選択すること、就労後の配慮事項の整理等を通じて本人の能力や適性、地域社会や地域の事業所の状況に合った選択ができることを目指して、必要な支援を行うサービスを新たに創設してはどうかとまとめております。
スライド4でございます。この新たなサービスにおきます「就労アセスメント」というものに関しましては、単に対象者の就労能力や適性を評価するだけのものではなく、本人と協同して、ニーズや強み、職業上の課題などを明らかにし、就労するに当たって必要な支援や配慮を整理することを含むものとして実施することとしてはどうかとさせていただいております。つまり、本人にとってよりよい就労や職場環境が選択できるために、本人と支援者が共に考える、そのような支援ということでございます。
また、市町村が就労系障害福祉サービスの支給要否決定を行う際の勘案事項の1つとして、この就労アセスメントの手法を活用して整理した情報に係る書面を新たに位置づけることとしてはどうかということとしております。
このような就労アセスメントの手法を活用した新たなサービスの対象者ということでございますが、まず就労系障害福祉サービスを利用する意向のある方を対象とする。そして、それは年齢や障害種別等に関わりなく、この支援を希望する障害者が利用することとしてはどうかということとしております。
その上で、以下のような方については、就労先や働き方を選択するに当たって新たなサービスの必要性が高いと考えられますので、これを利用することについて、以下の順に段階的により促進するということが必要ではないかとしております。1つには、新たにB型を利用する意向の方。このような方は現在も移行事業所によるアセスメントを実施しております。2つには、A型を利用する意向のある方。標準利用期間を超えて移行支援を更新する意向の方でございます。このサービスを実際に展開しました際には、普及・整備状況を見ながら促進していくことが必要と考えております。
4ページ目の一番最後の丸でございます。利用の促進に当たりましては、就労開始前に新たなサービスを利用するということを原則としつつ、制度の円滑な実施を図る観点も重要と考えております。このため、B型に関しては、就労経験のない者を中心とする。A型につきましては、一定の場合にはA型の利用開始後の一定期間のうちに就労アセスメントの手法を活用した支援を利用することも可能とする。また、同様のアセスメントが実施されている場合には、重複しない範囲で支援をしていくということ。また、本人の事情やその他合理的な事情により新たなサービスの利用に困難を伴う場合を考慮することなどが必要ではないかと考えております。
スライド5、就労アセスメントの手法を活用した新たなサービスの内容でございます。この新たなサービスについては、本人のニーズを相談等により把握し、実際の作業場面における作業なども活用いたしましてその能力の整理を行うこと。2つには、必要な視点が網羅された項目立てに沿って整理が進められるツールを活用することや、一般就労に向けた課題にとどまらず、強みや合理的配慮を踏まえた状況なども含めて、本人と協同して状況を整理すること。また、地域の関係機関と支援を通じて把握した情報を共有し、必要に応じて会議を開催すること。また、地域における企業等での雇用事例や就労支援に係る社会資源などの情報提供を行うことなどの観点から検討を進めてはどうかと整理をしております。
また、これらの支援に要する期間に関しては、過度な負担とならないよう、おおむね2週間から最大で2か月程度としてはどうかとしております。具体的な活用例はスライドの25から27などにイメージとして用意しております。
この就労系以外の障害福祉サービスを併せて利用する方がいることも踏まえて、計画相談事業所が新たなサービスを含めたサービス等利用計画案の作成の段階から、支給決定後のモニタリング等も含めてケアマネジメント全体を担う役割を果たすこととしてはどうかとさせていただいております。
このサービスの実施主体でございますけれども、就労支援について一定の経験・実績を有しているということ。すなわち、既存の就労系の支援機関、事業所などが念頭にございますが、このような経験・実績を有しているということ。就労支援機関等の状況、機関等の障害者雇用の状況について情報提供できることを実施主体に求めることとしてはどうかとしております。
スライドの6ページでございます。また、適切かつ効果的な事業運営を確保するため、一定の経験を有する人材の配置。作業場面等を活用したアセスメントをできること。中立性の確保等を今後指定基準や報酬等を検討するに当たって考慮してはどうかとしております。
最後の丸でございます。新たなサービスを担う人材についても昨年の部会で御指摘をいただいております。人材の養成や支援体制の整備でございますが、既存の就労支援に関する研修等を活用するとともに、この新たなサービスの実施に向けて、今後、例えば一定の期間を要するとしても、国による独自の研修の構築等に向けた調査研究であるとか、地域の関係機関の連携による支援体制の整備や、スキルアップに関する取組のモデル的な実施を進めることが必要ではないかということでまとめさせていただいております。
続きまして、スライド7「一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用」でございます。一般就労中の企業における支援と就労系障害福祉サービスによる支援の連携につきましては、現行においても様々な運用がなされているところでございますが、法令上は特例的な取扱いとなっておりまして、自治体の個別の判断となって、ばらつきが生じているといった課題が指摘されております。このようなことも踏まえまして、一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用を可能とすることについて、以下の方向で具体的に検討を進めていくこととしてはどうかとまとめております。
基本的な考え方でございます。企業での働き始めに週10時間~20時間未満程度から段階的に勤務時間を増やしていく場合や、休職から復職を目指す場合において、就労系障害福祉サービスの一時的な利用を法令上可能とすることとしてはどうか。
具体的には4ポツに記載させていただいておりますが、このような効果があるのではないかと考えておりますけれども、これによりまして支援の選択肢を広げて、本人の一般就労への移行や復職を支援しやすくすることを目指すこととしてはどうかとしております。
8ページでございます。具体的には、就労移行支援及び就労継続支援の対象者として、企業等での働き始めに週10時間~週20時間未満程度から段階的に勤務時間を増やすもの。休職から復職を目指す場合に一時的なサービス利用による支援が必要な者を、現行の対象者に準ずる者として法令上位置づけることとしてはどうかとさせていただいております。
一方、中高齢の障害者が企業等を退職して福祉的就労へ移行する場合等については、雇用主である企業等が責任を持って雇用を継続することが望ましいという指摘なども踏まえまして、引き続き市町村による個別の必要性等の判断に基づくものとしつつ、現行の取扱いの中でより適切な運用を図ることとしてはどうかとしております。
一時的な利用の期間についてでございますが、企業等で働く準備を進めた上で、勤務時間を増やす時期を目標として定めつつ、利用期間は原則3~6か月以内、延長が必要な場合は合計1年までとしてはどうかとしております。
また、休職から復職を目指す場合については、企業が定める休職期間の終了までの期間を利用期間としてはどうかとしております。
具体的な方策でございます。企業等及び就労系障害福祉サービス事業所それぞれにおける支援が適切に行われることを確保する観点から、考慮すべき事項や関係機関からの助言等の在り方について整理すること。一時的な利用の必要性に関して医療と連携して判断すること。企業と事業所が必要な支援内容等をあらかじめ共有すること。必要に応じて互いの支援内容の調整や関係機関への相談を行うなどの連携をすること。雇用契約の内容について関係機関で情報共有することが必要ではないかとさせていただいております。
スライド9でございます。また、一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用の不適切な活用を防ぐ観点からは、必要な規定等の整備。本人にとって過重な負担とならないようにすること。様々な支援策との機能や役割の違いについての整理等も重要であり、今後具体的な仕組みの検討を進めていくこととしてはどうかとさせていただいております。
スライド10でございます。さらに雇用・福祉施策の連携強化に関する取組の各論となってまいります。
(1)障害者の就労支援に携わる人材の育成についてでございます。雇用・福祉分野の基礎的な知識やスキルが不十分ではないか等、障害者の就労支援に携わる人材に関しまして指摘がございます。このため、雇用・福祉両分野の基礎的な知識等を分野横断的に付与する基礎的研修の確立及び専門人材の高度化に向けた階層的な研修の確立といった研修体系の見直しを検討することが求められております。
基礎的研修に関しましては、作業部会におきまして一定の整理がなされていることを踏まえ、引き続き両分野が連携して準備を進めていくこととしてはどうか。特に受講を必須とする者に含まれている就労移行支援事業所の就労支援員、就労定着支援員、いわゆるナカポツセンターの生活支援担当者について、まずは確実な受講が図られるよう取り組むとともに、その研修の運用開始後の状況や財政状況等も踏まえながら、A型、B型事業所を含む全ての支援員の受講を必須とすることについて、今後検討を進めることとしてはどうかとさせていただいております。
(2)企業等で雇用される障害者の定着支援の充実についてです。障害者の就職後の定着支援については、障害者就業・生活支援センターによる支援、就労移行支援事業所等の送り出し機関による支援、ジョブコーチ支援などにより実施されております。また、平成30年4月には就労定着支援事業が創設されております。この就労定着支援事業については様々な御指摘がございます。この御指摘を踏まえまして、スライド11でございますけれども、この就労定着支援事業の実施主体に障害者就業・生活支援センター事業を行う者を加えるため、指定基準等の見直しを進めることとしてはどうかとさせていただいております。
3つ目の丸でございます。また、企業等で雇用される障害者の定着を図る観点から、就労定着支援事業においては、最大3年間の支援期間内における就労定着を図るだけでなく、この事業による生活面の支援がなくても就労定着できる状態を目指して、本人が課題解決のスキルを徐々に習得できるように支援するとともに、支援の状況を企業等と共有することを通じて、企業等における雇用管理に役立つものとなるよう取り組むことなどを推進するために、その方策として今後指定基準や報酬等を検討していくこととしてはどうかとさせていただいております。このようなことは現在も基準の解釈通知の中にお示ししているものでございます。
(3)地域の就労支援に関するネットワークの強化についてでございます。スライド12を御覧ください。障害者就業・生活支援センターについては、地域の実情に応じて地域の就労支援機関に対するスーパーバイズや困難事例の対応といった基幹型の機能を担う地域の拠点として体制の整備を進めていくこととしてはどうか。まずは先進事例の収集やモデル的な取組を通じて具体的な方策を検討していくこととしてはどうかとさせていただいております。
(4)就労継続支援A型の在り方や役割の整理でございます。A型については、平成28年までは利用者数や事業所数が大きく増加してまいりました。
2つ目の丸でございますが、御指摘として、本来一般就労が可能な障害者がA型に留め置かれることがないよう、一般就労にスムーズに移行できる仕組みが必要であるといった御指摘がございます。また、障害者雇用率制度や納付金制度におけるA型事業所の取扱いについて、労働政策審議会障害者雇用分科会において論点に挙げられているところでございます。
他方、令和3年度の報酬改定におきまして、A型の基本報酬には総合的な評価に基づくスコア方式を導入するとともに、生産活動の基盤を強化するための企業や地域との連携をより評価することとしたことにより、諸課題に対応する形となっているといった指摘もございます。
このような経緯やA型の利用者・事業所や支援内容が多様であることを踏まえ、一般就労への移行も含めた利用者のニーズに沿った支援の提供や十分な生産活動の実施がさらに図られるよう、具体的な方策を講じていくこととしてはどうかとまとめさせていただいております。
スライド13でございます。その際、A型における支援の質の向上や生産活動の活性化を促す観点から、スコア方式導入後の状況を検証した上で、どのような評価項目や評価点を設定することが考えられるか。また、経営改善計画の作成等の措置によっても早期の改善にはつながっていない事業所があることを踏まえて、さらにどのようなことが考えられるか等について、今後指定基準や報酬等により検討していくこととしてはどうかとしております。
(5)重度障害者等に対する職場や通勤等における支援でございます。訪問系サービスの重度訪問介護、同行援護、行動援護の利用者数は、それぞれ約1.1万人、2.4万人、1.1万人、費用額は記載しているとおりでございまして、多くの方に御利用いただいているところでございます。
重度訪問介護等における通勤や就労中の介助などの支援に関しましては、令和2年度から障害者雇用納付金制度に基づく助成金と地域生活支援事業における支援を開始しております。この特別事業に関しましては、令和2年度において2つの市で8人、令和3年度におきましては11市区町村で27人が利用しております。その実施状況を踏まえながら、特別事業の周知や必要な運用改善を行うことにより、重度障害者等に対する職場や通勤等における支援を推進していくこととしてはどうかとまとめさせていただいております。
以降は参考資料となりますけれども、かなり細かい点もございます。お目通しいただきながら御議論いただければと思います。
少し飛びまして、68ページを御覧いただきたいと思います。労働政策審議会障害者雇用分科会における議論について、簡単に紹介させていただきたいと思います。
スライド69に障害者雇用分科会におけるスケジュールが示されております。昨年11月10日に議論がスタートした障害者雇用分科会でございますが、今年の5月以降の取りまとめを目指して、各論点に関しまして議論が行われているところでございます。
スライド72に雇用分科会における主な論点が記載されております。障害者雇用率制度の在り方、障害者雇用と福祉の連携の促進等が書かれております。その論点でございますが、例えばスライド71、精神障害者の短時間労働者としての特例ということに関してが1つの論点でございます。
スライド73、障害者雇用率制度における対象障害者の範囲は原則、手帳所持者に限られていること。
スライド74、ハローワークにおいて、特にアセスメントの機能強化の必要性が指摘されていること。
スライド76では、障害者就労を支える人材の育成・確保に関しまして、先ほど御紹介した論点と同様となりますが、基礎的知識・スキルを付与する研修の構築に向けたことに関する論点ということとなっております。
以上が私から紹介させていただきます資料の説明になります。私のほうで今、説明させていただきました部分は、資料の全体にはなっておりませんけれども、時間の関係で紹介はここまでとさせていただきます。本日は、特にアセスメントを使った支援、そして一時的な利用、継続支援A型の在り方など就労系障害福祉サービスにつきまして、将来に向けて制度の見直しを含めて方向性を整理してお示ししております。各委員の皆様から忌憚のない御意見をいただければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
最初は会場のマイクの音が籠もって聞きづらかったですが、大分改善されたと思いますが、技術的にはこれが精いっぱいという感じですか。ということですね。分かりました。
大分よくなったと思いますけれども、会場の皆様におかれましては、ややゆっくりめにお話しいただければと思います。
それでは、ただいまの事務局の説明について、皆様から御意見、御質問がございましたら挙手をお願いいたします。御発言についてはできるだけ簡潔にお願いいたします。この関係については15時20分をめどとして御議論いただきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。それでは、まず会場から。今日はだいぶ会場にお見えになっておりまして心強い限りですが、いかがでしょうか。それでは、酒井委員、石野委員、安藤委員、丹羽委員、櫻木委員の順番でお願いいたします。
それでは、酒井委員、お願いします。
○酒井委員 全国就労移行支援所連絡協議会の酒井です。
今回、就労系サービスとしては取りまとめに向けた段階だと思いますので、やや各論的でちょっと細かな意見もさせていただきますけれども、できるだけ簡潔に発言させていただきますので、御了承ください。
まず、1つ目「就労を希望する障害者への就労アセスメントの手法を活用した支援の制度化」についてです。一般就労につなげていくには、就業に向けた本人の力に加えて、企業の雇用管理能力とか支援機関の支援力、これら3つの要素から一般就労の可能性を考えるものだと思うのです。したがって、その力というのは地域の状況によって違うものでもありますから、この就労アセスメントをもって一般就労の可能性を支援者側が一方的に判断するものではないということを全ての者が認識しておく必要があると思うのです。こういうものができると、方向性には賛成なのですけれども、これをもって支援者もジャッジをしたがりますし、もっと言えば、行政もこれをもってジャッジをしてしまうおそれがありますので、そういうものではないということをしっかり認識しておく必要があると思います。
4ページの就労アセスメントを段階的に実施していく流れについて。リソースの関係もありますから、段階的に実施していくということにも賛成です。ただし、就労継続支援A型の利用者については、本来はサービス前にこの就労アセスメントを利用することが理想的だと思うのですが、それができなかった者について、A型利用後一定期間のうちに就労アセスメントを利用する案ということになっていると思うのです。記載では半年となっていますが、ここは1年ぐらいの期間で考えてはどうかと考えます。その場合に、支給決定期間もあらかじめ1年間と区切って、その期間の中で実施することとしてはどうかと考えます。
6ページの「適切かつ効果的な事業運営を確保するために」ということに関連する意見として、中立性の確保は重要なので、利用している事業所や利用予定の事業所が実施することをできるだけ避けることが理想的だと思います。地域のリソースやアセスメントのタイミングなども勘案して検討する必要があるのではないかなと思います。
加えて、就労アセスメントの事業化に向けては、地域で一定のリソースの確保が必要であるため、既存の就労系サービス事業者だけではなく、ナカポツセンターも指定を取れるように整備しておくということも一つではないかなと思います。
また、現行の人員の兼務、設備の併用など柔軟に対応することが非常に重要で、そうしないとなかなか担い手の確保が難しくなるのではないかなと思います。
この事業の成否は、これから始めていくわけですけれども、アセスメントをする人材の養成が鍵であると考えます。その人材の養成も含めて、事業開始に当たっては十分な準備をして臨む必要があるのではないかと考えます。
続いて、「一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用」についてです。8ページ、企業での働き始めに短時間労働者の者、休職から復職を目指す者について、法令上改めて整理していただくということについて賛成です。ただし、段階的に勤務時間を増やしていく者への利用期間が原則3~6か月となりますと、実際の利用ニーズとしては非常に少ないのではないかなと思います。一方で、継続的に併用して利用したい方、既に自治体の柔軟な対応で認められている方もいらっしゃいますので、そういう人たちが、今回改めて制度を整理することで利用できなくならないように、制度の発信には留意いただきたいと思います。
雇用から福祉の流れについては、企業、就労支援者の中でも賛否が分かれるところです。雇用から福祉に移っていくほうの話はいろいろ意見が分かれているようなところがあって、一旦は現行の取扱いの中でより適切な運用を図るということでよいと思います。就労系福祉サービスを利用しなくても、支援機関との連携によってソフトランディングの方法は幾つかあると考えられますので、まずはそういった方策を検討していくということでよいのではないかなと思います。
人材の育成です。10ページの基礎的研修の実施の流れは賛成で、ぜひ早期に進めていただきたいと思います。研修の受講対象の範囲については、就労移行支援も全ての職種が現在対象となっていない。研修がスタートして見通しがある程度立った段階で、就労移行支援の職業指導員などもぜひ受講機会の確保をお願いしたいと思います。その上で、就労継続支援事業の職員についても受講できるようにしておくことが必要であると思うのですけれども、あくまでも一般就労につなげていくための研修であると思うので、そこの方向性はぶれないようにしていただきたいと思います。雇用財源で実施されると聞いていますし、また、研修時間も限られた時間でやりますので、一般就労へつなげるということに特化した研修ということでお願いしたいなと思います。基礎的研修の受講者がさらにジョブコーチ研修などの上位研修の受講を目指し、そのことを誘導していくためにも、改めて加算等の創設をお願いしたいなと思っています。
10ページ、企業で雇用される障害者の定着支援の充実です。10ページ下段から11ページに就労定着支援について、利用者、事業所数とも増加傾向にあるものの、まだまだ定着支援が必要な人に支援が行き渡っていない可能性があると思います。そのため、今回提案のナカポツセンターが就労定着支援事業の指定を取れるように整備しておくということは賛成です。
また、就労定着支援事業が思ったより低調な背景の一つに、記載のとおり、就労後6か月を経た時点でサービス開始となるため、就労系サービスとの接続がうまくいかないという声もよく聞きます。他方、就労系サービスから就労実現後6か月は、マッチングが適切であったかなどを確認する義務が生じているところですけれども、そこの支援については対象者の特徴とか事業所の方針などによって支援の濃淡が見られるところであり、就労系サービスから就労定着支援の切替えについては、一律の開始時期を設定するということは利用者の支援ニーズとちょっと合っていないような面もあると思います。例えば就労系サービスから就労実現後支援を継続するときには最長6か月として、新たに加算で評価を行い、一方、就労定着支援事業の開始時期は、就労実現後間もなく使えるサービスとしておくことで、対象者の特徴や状況によって就労後のサービスの選択ができるようにしておくということも一つの方法ではないかなと思います。
就労定着支援事業を通して支援するスタンスについては、11ページ中段に記載がありますが、職業人として自立に向けて支援していくことが求められるものであり、そこに向けて御本人並びに関係者と現状や方向を確認しながら支援を進めていくものであると。さらに、そのサービス期間内においても御本人の自立に合わせて支援をフェイディングしていくような視点が支援者には求められるものだと思います。
次に、就業・生活支援センターの機能強化について。11ページ下段のナカポツセンターの機能についてですが、ナカポツセンターが基幹型を目指していくということについては、理想は分かるのですけれども、現行、それを目指せるセンターは非常に限られているのではないかと思います。地域の支援機関の後方支援などハブ機能、基幹型を担うには、そこにも経験と専門性が必要であって、そこに向けて各センターが中期的に人材の育成ができるような見通しが必要であると思います。11ページの下段に人員確保、財源の確保における課題とありますが、まずはしっかりと財源を確保した上で、ハブ機能、基幹型を目指すということが必要なのだと思います。
83ページの関係機関の連携イメージについてです。地域センターの役割について、地域の就労支援機関に技術的助言・援助、支援人材の育成となっています。ナカポツセンターとは「連携」という表記にされているものの、どのような連携をイメージしているのか、この図では分かりにくいなと思います。地域の就労支援の底上げに向けては、まずは地域センターがナカポツセンターに対して、技術的援助を含めた連携強化を優先して、選択と集中して、まずそこを優先していくということも考えられるのではないかなと思います。
A型についてです。12ページの中段に「経営改善計画の対象事業所数については依然として半数以上」。経営改善計画が必要という状況にあって、運営基準を満たしていない事業所がこれだけ多いという状況については、これは指定権者の責任でもあって、自治体はこれを重く受け止めるべきだと思います。その上で、複数年経営改善計画の提出が必要な事業所については、もっと強制力を持った措置も含めて考えないといけない、そういうタイミングにあるのだと思います。
就労継続支援A型について、雇用分科会においては障害者雇用制度から外すようにという声が上がっているというのは承知しておりますけれども、しかし、ヒアリング等で私たちもお伝えしていますが、福祉の関係者からは除外することについて慎重論が多々あるということをぜひ雇用分科会のほうでも紹介してもらいたいなと思っています。
ちょっと長くなりましたが、以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、石野委員、お願いします。
○石野委員 全日本ろうあ連盟の石野でございます。
資料の23ページから29ページ、新しいサービスを創設し、今後全体的にという辺りについて意見を述べたいと思います。
私がいつも感じていることなのですが、盲学校、聾学校も含めての話になりますが、特別支援学校の生徒たちが卒業後の進路を考える時、その現状を見ておりますと、福祉的な就労希望が80%に上るという現状になっております。あとは、一般企業に就労する方もいらっしゃいますし、専門学校や大学に行く方もいらっしゃいます。一般の高校の場合は、例えば大学や専門学校などに進学する割合が80%。これが通常です。そういう意味で障害者雇用の違いがあります。特別支援学校を卒業した後に福祉的な就労をどのような方向性を持って進めていくのか。非常に悩ましい問題でもあるわけです。いわゆる18の春ということがよく言われますが、そのために考えなければいけない部分が多々あると感じております。
現状から申し上げますと、特別支援学校の場合には、学校教育法に基づいた教育という位置づけになっております。ただ、卒業後になりますと、社会人としてのマナー・知識等々についての習得の機会が実際にはないわけです。すると就労移行につながるようなプロセスが見えないということが現状にあります。モラトリアムの保障をどう考えていくのか。これは大きな課題だと感じております。
障害者総合支援法では、自立訓練という位置づけがありますが、これは特に生活訓練になります。長くても24か月、2年間ということになりますが、この期間のアセスメントをどのように考えていくのか。資料にはこの全体像が見えないのです。生活訓練、さらにプラスにつなぎ就労移行と合わせた4年間であれば、これがきちんとした形で就労移行につながります。将来の道筋になるのではないか。また、モチベーションが上がっていくのではないかと思っています。就労の意欲を向上させるためにどのような方策が必要か。これは考えねばならない課題だと感じております。それがこの資料では非常に弱いのではないか。その辺りについて何らかの検討をお願いしたい。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、安藤委員、お願いします。
○安藤委員 ありがとうございます。全国脊髄損傷者連合会の事務局長をしています安藤です。
13ページ、(5)重度障害者等に対する職場や通勤等における支援の丸ポチ2つ目の後半のところです。「障害者雇用給付金制度に基づく助成金について、重度訪問介護サービス利用者等に限定して、職場での介助や通勤援助に対する支援の助成率や支給期間等を拡充」で、「企業が障害者雇用納付金制度に基づく助成金を活用しても支障が残る場合や、自営業者として働く場合等で」云々と書いて、地域生活促進事業として重度な障害者が就労参加できる機会をつくっていただいたことには大変感謝しています。ありがとうございます。ただ、一方で、こちらに書いてあるとおり、非常に使い勝手が悪いということで、なかなか市町村も手を挙げないし、当事者も使いづらいなと。いろいろアセスメント等があって、ちょっと使いづらいという声が出ています。ですので、市町村の課長の皆さんとお話しすると、ここまでするなら重度訪問介護でシームレスにやってもらえないか、そのほうが市町村も運用がしやすいという声も出ています。
また、コロナの関係で、地域生活促進事業とはいえ、こういう市の単独事業を財政状況が厳しい中、手を挙げる、新たにメニューをつくるということは非常にハードルが高いということを聞いていますので、その辺を御検討いただきたいなと思っています。
繰り返しになりますが、私たちとしては重度訪問介護サービスでシームレスに活用できるようにしていただきたいと思っています。難しいようでしたら障害支援区分6からでも、ALSの方たちのコミュニケーション等支援みたいにスモールステップで進めていただきたいなと考える次第です。
13ページ、丸ポチの2つ目の2行目辺りに「公費による障害福祉サービスにおいて個人の経済活動に関する支援を負担すべきかどうかといった論点がある」とありますが、でも、これはA型もB型も経済活動に関する支援で、そこに議論はないのに、重度訪問介護の働くことに対して議論があるというのは、ちょっと厳しいなと思いました。私の知り合いとか友達とか、福祉に関わっていない友人たちに「私のような重度障害者が重度訪問介護を利用して外出していいのは、病院に行くことと遊びに行くことだけなんだよ。会社に行くとか学校に行くということに対してはヘルパーさんを使えないんだよ」と言うと、「へえ、そうなんだ。変わっているね。何で会社やそういったことに対しては使えないんだ。むしろそういったところに支援していくほうがいいんじゃないの」と。
働きたいと言うと、働いた分だけ支給決定時間数が削減されてしまう。大学に行くと、大学に行った分だけその支給決定時間数が削減されてしまうという状況になる。これはやはり変だなと。頑張れば頑張るほど支給決定のホームヘルプの時間数が減ってしまう。そうすると、親元を離れて自立生活している生活者はだんだん苦しくなってくるという事態に陥るので、何とかこういったところを踏まえて、昭和でなくてもう令和ですから、この辺を御検討いただければと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、丹羽委員、お願いします。
○丹羽委員 全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。
まず、私のほうからは3ページ及び22ページから24ページに記載されております就労アセスメントについてです。就労アセスメントの重要性は十分理解していることをお伝えした上で、今回の提案について、方法論としては少し難しいのではないかなと考えます。就労アセスメントの必要性について、御本人の希望は第一ですけれども、就労継続A型からの高齢・加齢による障害の重度化や、能力の低下に伴う就業中の危険性も踏まえたB型へのソフトランディングが必要な方が多くなってきた現状において、客観的な参考指標になるものではないかと考えます。一方、酒井委員も御指摘をされていたように、現在専門人材の質・両共に不足しているにもかかわらず、新たなサービスの導入はなかなか現実的ではないのではないかと思います。まず、十分活用されていない既存のサービスの就労アセスメントスキルの向上を優先すべきだと考えます。
また、支援機関がある方については、御本人のことを一番知っている支援機関が多機関連携によるケース会議を実施し、中立・公平を保ちながらアセスメントを実施するのが望ましいと考えます。
続いて、10ページから11ページ目の就労定着支援についてです。就労定着支援については、就業・生活支援センターが実施主体になるべきではないと考えます。就業・生活支援センターは送り出し機関ではないため、本人と顔なじみの関係が築けず、就労定着支援事業のメリットが損なわれる可能性があります。就業・生活支援センターは、地域の就労支援に関するスーパーバイズの機能に特化するのが望ましいと考えます。また、現在就労定着支援がない地域では、既に就業・生活支援センターが定着支援を実施しており、あえて制度化するという意義を今のところ見出すことができません。
ここからは少し要望、意見ですけれども、就労継続支援A型の在り方や役割の整理について。まず、就労継続支援A型から一般就労への移行に当たっては、就労収支の黒字化のための社員育成と一般就労への移行に伴う新たな社員の確保・育成の両立が難しい状況にあります。A型の中に指定を受けた現定員に加え、一般就労へ移行する1割程度の有期限の定員枠をプラスで設けるなどの改善が図れないでしょうか。
続いて、経営改善計画の対象事業所と低い賃金についてです。平均賃金が低いA型の多くは、労働時間が短いことが主な原因であり、障害者雇用率制度、給付金制度の対象の面からも、短時間利用の制限や賃金実績での評価項目の検討が必要ではないでしょうか。加えて、就労支援事業会計の運用ガイドラインの作成と周知。株式会社等についても公的機関のホームページでの決算書公開などが必要と考えます。
最後に、「一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用」についてでございます。一般就労中の就労系福祉サービスの一時的な利用についても、就労開始時に労働時間を少しずつ延ばす場合や、病気や体調不良等による回復期間を設ける場合などに有効と考えます。加えて、福祉サービスへのソフトランディングや、コロナ禍での休職中の利用など、なるべく長く働き続けるための生活維持においても有効です。利用期間の制限なども検討し、また、既に使っている方と、一般就労と併用するとか一時利用する方の支援の中身を個別支援計画に基づいてきちっと分けて取り組むということが、利用の目的が違うので、やはり重要かと思います。そんなことを考慮しつつ前向きに検討すべきものと考えております。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、櫻木委員、お願いします。
○櫻木委員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。
スライド3ページ「就労アセスメントの手法を活用した支援の制度化」ということについて、幾つかお話をしたいと思います。一番最初のところにありますように、就労継続支援B型の利用に当たっては、一部の除外をされる方を除いて、就労移行事業者等による就労アセスメントを実施する運用となっていると。私、恥ずかしいのですが、このことを知りませんでした。というのは、医療を担当している私のほうにこの就労支援アセスメントについてフィードバックを受けたことはありませんし、あるいはアセスメントを行うに関して、医療の立場からの意見を求められたこともありません。
新しい手法というのは、基本的な考え方の2つ目の丸のところ、就労アセスメントの手法を活用して整理した情報に係る書面の作成・提供、関係機関、この中には医療の担当者も入るわけですが、それらとの意見交換等を行うことにより、障害者本人が一般就労や就労系障害福祉サービス事業所などを自ら選択する云々と書いてあります。ですから、新しい手法を使うと、好事例が17ページから後に幾つか挙げてありますけれども、就労アセスメントの前後に例えば事前会議を行うとか、あるいは後にアセスメントを伝達するとか、非常に丁寧にやられているという印象があります。ですから、新しい制度によってそのことができれば、後段で取り上げられる医療と福祉の連携がもっと進むと思います。残念ながら現在そういう体制にはなっていません。ですから、新しいサービスの在り方によって連携が進むということを非常に期待しています。
ただ、問題は、そのケースマネジメントを誰が担うかということが明確になっていないことかと思います。その方の全ての情報を集約して、それぞれ関係の人たちを集めて会議をする、あるいは会議に至らないまでも書面を作成して情報の提供を行う。これを一体誰が責任を持ってやるか。そういうたてつけ、仕組みが必要かと思います。そのことについても検討が必要ではないでしょうか。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、お待たせしました。オンラインで御参加の委員からお願いいたします。まず、阿由葉委員、お願いします。
○阿由葉委員 全国社会就労センター協議会の阿由葉です。
初めに、令和4年3月23日付の事務連絡で、「令和4年度における就労系障害福祉サービスの基本報酬について」を発出していただきましてありがとうございました。新型コロナウイルス感染症の影響が就労事業収入においては大きな影響があり、私どもとしても御利用者の工賃を減らさないように、工賃変動積立金を取り崩すなどの努力をさせていただいておりますが、就労事業が厳しい中では、令和2年度で工賃変動積立金を使い切ってしまっているため、令和3年度の平均工賃月額への影響があると聞いていますので、御利用者を守る職員への影響が心配されましたが、今回の通知で職員も守ることができました。就労事業関係施設を代表して心より感謝申し上げます。
それでは、まず「就労を希望する障害者への就労アセスメントの手法を活用した支援の制度化」についてですが、スライド22、23で示されました就労アセスメントの手法を活用した新たなサービスの趣旨や重要性については、本会としても賛同しています。スライド23で新たなサービス創設後の利用の流れが示されて、就労アセスメントを受けるための支給決定が加わり、就労系障害福祉サービスを利用するために、支給決定に係る申請や一連のプロセスを2回経なければならないという形になっており、利用者にとってサービスを利用するまでに時間を要する内容になっています。本会でよりよい議論の流れを検討した結果、例えば新たなサービスを1つの事業として付け加えるのではなく、支給決定の流れの中に機能として位置づけることで就労系障害福祉サービスを利用するための支給決定が1回となるような、よりシンプルなフローにしてはというふうに考えています。利用される皆さんがよりよい形で利用できるように一緒に考えたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、スライド4、スライド5についてです。スライド5の2つ目の丸で、支援実施期間はおおむね2週間から最大で2か月程度とされています。利用者の負担を軽減するという観点から、就労アセスメントにかける期間をできるだけ短くする必要があると考えます。
また、スライド4の5つ目の丸の4つ目のポツに、経済的に困窮しており早期の就労収入の確保が必要な事情への配慮について記載がありますが、新たな就労アセスメントの期間は無給となることが想定されるため、十分な検討が必要だと思います。
次に、スライド4の就労アセスメントの手法を活用した新たなサービスの対象者ですけれども、新たなサービスの対象者に関連し、特別支援学校の卒業生のことをお伝えします。現在は在学中に実習を行い、卒業時点で4月以降の進路は決定されており、4月には就職、就労障害福祉サービスの利用が開始できるような状況になっています。新たな就労アセスメントができることでこのスケジュールを変えることがないように配慮をお願いします。次に、スライド6に報酬の記載があります。新たな就労アセスメントが創設されることで既存の事業に係る予算が削られることのないようにお願いをします。
次に、2の「一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用」についてですが、スライド8の「基本的な考え方」、スライド9の「適切な支援の実施が図られるための具体的な方策」の中で、スライド8の1つ目の丸に「就労移行支援及び就労継続支援の対象者として、企業等での働き始めに段階的に勤務時間を増やす者や、休職から復職を目指す場合に一時的なサービス利用による支援が必要な者を、現行の対象者に準ずるものとして法令上位置づける」と記載があります。各事業では、定員を一定割合超過して受け入れた場合に適用される定員超過利用減算が設定されており、一時的な利用を機能させるためには、この仕組みで受け入れる方を定員外とする取扱いが必要と考えます。また、報酬算定の根拠となるB型事業における平均工賃月額、あるいはA型事業における平均労働時間の算出に当たって、この仕組みで受け入れる方を算定式から除外できるようにする等の配慮が必要だと思います。また、一時的な利用はモラルハザードが起こり得る仕組みであることを念頭に置く必要があると思います。スライド9にあるとおり、不適切な活用を防ぐ方策の慎重な検討をお願いします。
次に、3の「障害者の就労を支えるための雇用・福祉施策の連携強化に関する取組」についてです。(2)企業等で雇用される障害者の定着支援の充実。スライド11で示されている就労定着支援事業の実施主体に障害者就業・生活支援センターを行うものを加えることについて、反対するものではありませんが、就労定着支援事業創設時には、なじみの関係でこの支援が掲げられていたため、今後移行支援事業所が定着支援事業を積極的に実施できるような方策を検討する必要があると思います。また、関連して、雇用と福祉の連携検討会の報告書にも記載がありますが、特別支援学校から直接就職した方も定着支援事業の対象にできるように、引き続き検討をお願いします。
次に、(4)就労継続支援A型の在り方や役割の整理ですが、スライド12から13にかけて記載のあるA型事業の在り方や役割の整理については、A型事業の特性、具体的には障害者の稼得能力だけでなく、障害特性等を含め、一般就労が困難な方に対する支援に強みを持った働く場という点を踏まえた議論をお願いします。
以上です。よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、竹下委員、お願いします。
○竹下委員 ありがとうございます。日本視覚障害者団体連合の竹下です。2点について意見を述べさせていただきます。
1点目はアセスメントですけれども、この提案に基本的には賛成であります。ただ、ぜひ注意していただきたいのは、一般就労においては、具体的な職場における環境の改善と合理的配慮の提供を前提としてアセスメントがされるべきであるということであります。就労継続系の事業所においては、障害者の就労を前提とした事業所であるからこそ働きやすいという選択になることは当然のことであります。それに対して、一般就労においては、そうした職場環境の改善や合理的配慮の提供をその内容に含めた、それを前提とした形でアセスメントを行わないと適正な判断はできないと思います。これが1点目です。
2点目の発言としましては、3の雇用・福祉の連携の(5)重度障害者等就労支援特別事業でありますが、これは安藤委員も指摘されたように非常に使い勝手の悪い制度となっております。複雑であったり、事業主と自治体の双方が動き出さないと使えなかったり、あるいはサービスの範囲が非常に限定されたりしているなど、極めて使いにくいものとなっているために、自治体で実施しているところが極めて少ない状況であります。そういうことも含めまして、就労支援特別事業の使い勝手がよくなる方向での積極的な検討をお願いしたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、井上委員、お願いします。
○井上委員 日本知的障害福祉協会の井上です。
知的障害のある人たちの視点から4点ほど意見を述べさせていただきます。1点目は、基本的な考え方のところで、知的障害のある方たちにとって働くということは、個人の尊厳を守り、社会参加を促進する非常に大事なことだと認識しています。一般就労も勿論重要ですが、多くの知的障害のある方たちは就労継続支援B型事業やA型事業の利用を経て企業などに就労しているという実態がありますので、ぜひ就労継続支援A型、B型事業についても重要なものとして捉えていただく政策をお願いしたいというのが1点目でございます。
2点目は就労アセスメントの手法を活用した支援の制度化についてですが、基本的には賛成致します。知的障害や発達障害のある方たちは早期に障害が判明することが多いことから、ぜひ18歳未満であっても活用できる仕組みにしていただければと思います。
また、先ほど石野委員から発言がありましたが、特別支援学校の就職に際しても様々なミスマッチが起こっているような状況もありますので、就労アセスメントの手法を特別支援学校の在学中から活用できるような仕組みとしていただければありがたいというのが2点目でございます。
3点目は、「一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用」についてですが、特に障害のある高齢の人たちが企業等を退職してから利用するケースについては、これまでと同様に市町村による必要性の個別判断に基づくとされておりますけれども、地域的な格差が生じるおそれがありますので、就労系サービスの一時的な利用についての支給要件は国が明確に提示すべきだろうと考えております。
また、障害者を雇用する雇用主の責務として、一般的な雇用の流れと同様に、中高年齢の障害者等の雇用を継続していく方向で進めるべきであると思いますので、雇用サイドの議論としっかりと整合するような就労系サービスの要件等も議論していただければありがたいと思います。
4点目は、雇用と福祉制度の連携強化については、特に障害者就業・生活支援センターに様々な役割・機能が求められているわけですけれども、現状においては大変運営が厳しい状況にあるという話もありますので、適正な人員配置とそれに見合うだけの予算的な措置が求められていくのではないだろうかと考えます。御検討をよろしくお願いします。
以上でございます。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、陶山委員、お願いします。
○陶山委員 日本難病・疾病団体協議会の陶山です。
「一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用」についてですけれども、難病とか慢性の病気を抱えながら仕事をする者にとっては、働き始めたときとか体調を崩して職場復帰をするときに一時的な利用を法令上可能にすることについては、大いに期待したいところです。しかし、幾ら支援体制が整っても、制度を知る機会がなければ利用することはできませんので、当事者のみならず、受入れ側の企業への制度の周知は欠かせないと思われます。難病患者が福祉サービスとつながるためには、障害福祉に携わる支援者が病気を抱えながら働くことが当たり前であるという考えで支援を行っていただきたいと思います。そのためには、雇用・福祉、そして医療の観点を含めたスキルアップ研修を強化していただきたいですし、その研修の中に病気を抱えながら働く当事者の体験談とか好事例などを紹介していただければと思います。
また、現在都道府県に1名程度しかいないハローワークにおける難病患者就職サポーターの方たちの質の向上も含め、人数の増員はぜひともお願いしたいところです。
もう一点です。重度障害者等に対する職場や通勤等における移動支援についてですが、医ケア児が増えている現状とか少子高齢化、あるいは医学の進歩を鑑みますと、今後重度障害者が増加すると考えられます。重度障害者の生きる権利は、命を長らえるためだけのものではないと思います。社会で働くことで能力を発揮し、真の共生社会の実現につながると思います。先ほど安藤委員もおっしゃっておられましたが、この特別事業が地域生活促進事業に創設されたことは一歩前進したとは思いますけれども、重度障害者が福祉サービスを受けながら働くことが当たり前の社会になっていくことを期待したいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、白江委員、お願いします。
○白江委員 ありがとうございます。全国身体障害者施設協議会の白江と申します。4点ほどあったのですが、既に3点ぐらい述べられておりますので、若干補足するような形で申し上げたいと思います。
1点目ですが、全体的な方向性としましては、私としては特に反対ではないのですが、先ほど酒井委員や丹羽委員、櫻木委員もおっしゃっておられましたように、現存のサービスとの整合性であるとか活用、詳細の部分の詰めといったところはもう一度しっかりと対応していただきたいということがあります。
2点目ですが、これは先ほど竹下委員、安藤委員もおっしゃっておられたのですが、重度訪問介護を利用されている方の就労について、実は私どもは非常に難儀している当事者の一人であるのですが、私どもの法人でも働いている方がいらっしゃるのですが、ここを使いやすくしていただきたい。先ほど来のお話、全く同感でございます。
3点目は、今、陶山委員もおっしゃいましたように、難病の就労の問題でございます。難病の方で手帳を持っている方は6割弱ぐらいしかいらっしゃいません。それから働き盛りのときに発症される方も多くて、そのまま在籍できれば難病の就労問題の多くは解決すると思っているのですが、そういう意味では、先ほど陶山委員がおっしゃったように、今回の提案については非常に期待が持てるのですけれども、基本的には両立支援、雇用率、手帳を持っていない方への支援という部分ではもう少し。今回の本テーマではないのかもしれませんが、ぜひ検討いただきたいなと思います。
難病就労支援サポーターの質ですが、これは非常勤で勤務されている方が非常に多いわけです。それから研修制度など、今回の提案にもありますけれども、ぜひそういった面では質の向上に向けて取組を進めていただきたいと思っております。
最後ですけれども、これは私ども障害者支援施設ならではというか、私どもでも取組を今、進めているところですが、障害者支援施設で暮らしている方の就労継続B型とかに私どもは積極的に取り組んでみたいと思っているのですが、施設内でやろうとするとなかなか難しい面があったりして、ブランチ、サテライト型でやろうと思って、地域の方も一緒に取り組めればいいなと思うのですが、結構要件等のハードルが高くてなかなか難しい面もあります。そういった点は今回の御提案には特に関係している部分ではないかもしれませんが、そういった人たちも就労に向けて取組を進めていけるように御検討いただければと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、久保委員、お願いします。
○久保委員 ありがとうございます。育成会の久保でございます。
就労のアセスメントの手法を活用した支援の制度化につきましては、重度障害者であっても障害者の本人の強みを生かしつつ、職場における合理的配慮を進めるための充実強化であるという点を基本的には評価いたします。
一方、今回の提案は、アセスメントに特化した新しいサービスを制度化するものと思っておりますので、その点から幾つか御意見を申し上げたいと思います。今回の提案では、新しいサービスを就労継続支援B型利用者から適用するということになっておりますけれども、B型は特別支援学校卒業進路で大変に利用者が多いサービスでございます。そのため、新しいサービスを在学中に利用するのか、卒業後に利用するのかで進路選択の在り方が大きく変わっていきます。特に特別支援学校が実施する卒業進路に向けたアセスメントや現場の実習などの関係性ではどのように整理をするのか。卒業進路は大きなライフステージの転換期でございますので、可能な限り混乱が少ない運用としていただきたいです。
次に、新しいサービスは利用期間が最大でも2か月程度とされており、卒業進路との関係で利用希望人数が時期によって大きく変動することが予想されます。そのため、新しいサービスを単独で事業実施することは困難ではないかと思っております。既存サービスと併設する可能性が高いと思います。その場合、母体となるサービスによってアセスメントのスキルが異なることが懸念されます。新しいサービスを導入する意図を十分に踏まえ、質の高いアセスメントと就労に向けた支援が提供されるようにしていただきたいと思っております。
特に新しいサービスから一般就労へ向かう人もおられますので、その場合には単にアセスメントを実施するだけではなく、就労に向けた個別支援も提供するようにしていただきたいと思います。併せて、新しいサービスから一般就労へ結びついた場合には、就労定着支援の利用対象となるように仕組みを整えていただきたいと思います。
次に、「一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用」については、方向性には賛同いたします。制度を利用する際には、ぜひ運用を柔軟にしていただきたいと思っております。特に就労後しばらくの支援については、利用期間や勤務時間で機械的に打ち切るのではなく、サービス等利用計画に基づいて柔軟に利用期間を設定できるようにしていただきたいです。併せて、短時間就労のケースや新型コロナのように会社都合で休業を余儀なくされたケースにつきましても、同様にサービス等利用計画に基づいて柔軟な並行利用ができるようにしていただきたいと考えております。
次に、就労定着支援の事業主体を就業・生活支援センターに拡大する方向につきましては、就労定着支援の事業所を増やす観点からは必要であるかと思っておりますが、一方、障害者雇用につきましては、就職した障害者本人だけでなく、受け入れた企業の側にも支援が必要になります。就労定着支援の拡充と併せて、企業側が困ったときに相談できる機関支援の仕組みも充実していただきたいと思います。
最後に、重度障害者等に対する職場や勤務等における支援につきましては、特別事業が活用されていない背景を十分に検証していただきたいと思っております。重度の知的障害や行動障害のある人が企業で働くためにも雇用施策と福祉施策の連携が不可欠になると考えておりますので、ぜひ充実を図っていただきたいと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、齋藤委員、お願いします。
○齋藤委員 日本看護協会の齋藤でございます。ありがとうございます。
私からは3点ございます。まず、就労アセスメントの手法を活用した支援の制度化につきましては、基本的には賛同いたします。先ほど櫻木委員からもご発言がありましたが、情報共有とケース会議が非常に重要になってくるのではないかと考えております。資料の中に「必要に応じてケース会議を開催」という文言がございますけれども、これは必要時ではなく、必ず開催した方がよろしいのではないかと考えます。いろいろな方の意見をきちんと集約して適切な就業支援に結びつけていくということが目的ですので、こういった多機関での会議や意見交換は大変重要な場になると考えておりますし、また、参加者の選定に際しては、中立的な立場の方も参加者として加え、中立性を担保できる形で開催することが重要かと思っております。
地域の就労支援に関するネットワークの強化については、今回のご提案は障害者就業・生活支援センターの機能を拡大することと理解しておりますが、338の全てのセンターがこれに対応できるのかどうかも懸念される事項でございますので、資料に記載されているように、先進事例等を収集して必要な体制、人材、ストラクチャー等を明らかにし、困難事例、スーパーバイズ等の対応が可能となることを期待します。
重度障害者等に対する通勤等における支援につきましては、これから改善案等を検討していくということですが、皆様がおっしゃっているように、特別事業の使い勝手が悪いということであれば、令和3年度の特別事業利用者27名の利用状況をもう少し詳しく情報収集し、利用のイメージを自治体等に示してはいかがでしょうか。特別事業の使い勝手をよくしていくための検討をするということには賛成したいと思っております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、阿部委員、お願いします。
○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部です。
私は、スライドの7と8、「一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用」の関連からお話しさせていただきたいと思います。働くことに関して様々柔軟な対応ができるということはとても大事なことだと思います。1つは中途障害、働いている方が人生の途中で障害になった場合、例えば脳血管疾患とか難病ということがあろうかと思いますが、介護保険との関係から40歳以上64歳までは第2号被保険者で、介護保険に結びつくこともあるのかなと心配しているところですけれども、でも、幾つかの事例から、介護支援専門員、ケアマネジャーの理解とともに、障害者総合支援法の訓練等給付の機能訓練、自立訓練事業の機能訓練につながる事例も出てきているということをお聞きして、とても大事なことだと思います。
人生の途中からそのような疾病とか事故などになった場合はすごく不安が大きいのだと思います。そこで機能訓練事業はとても大事な役割を担うと思います。病院のリハビリ、そして機能訓練事業でのリハビリ。機能訓練事業にはPT、OT、STも関わることがありますので、とても大事なことだと思いまして、これを活用しながら、復職したいという方々の願いがかなうようになることがとても大事だと思います。今まではなかなか難しいという報告を聞いているところですが、これが実現できるように、柔軟にこの制度を活用できるようになる必要があると思いますし、そのためにも医療、福祉、就労の連携ということがとても大事になると思います。そのためにも周知が大事ですので、好事例、モデル事例ということを明確に出していただいて、各関係機関の周知を図っていく必要があろうかと思います。
この関連ですけれども、8ページの丸の2番目に「中高齢の障害者が企業等を退職して福祉的就労へ移行する場合等」とありますけれども、今、就労は、70歳まで働きましょうという全体の流れの中で、障害があっても希望する方は70歳まで働けるようになることが望ましいと思います。その中で福祉的就労への移行ということも考えるかと思います。ただし、この場合、例えば就労継続A型事業は65歳を過ぎてからはなかなか使えないという制約があるように思いますが、高齢で企業を退職した方が例えばA型を使って、仕事は負担が少なく、社会とつながるようなことができればいいなと思いながら、この辺の運用についてもいろいろ検討していただきたいと思います。
先ほど来特別事業についてのお話があります。重度障害者等に対する職場や通勤などにおける支援というのは、この制度ができたときにはすばらしい制度だと思ったところですけれども、委員の皆様の御指摘のようになかなか活用が進んでいないようです。これの円滑な運用が行えるように様々な検討をしていただきたいと思います。このようなことなども含めて、重度の障害がある方でも働ける社会をつくるというのがやはり強い社会だと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、藤井委員、お願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。国立精神・神経医療研究センターの藤井です。
全体の方向性としては大筋賛同いたします。就労アセスメントについてですけれども、アセスメントを取り入れていくことにつきまして、基本的には賛成です。特に考え方として、対象者の方の就労能力とか適性を評価するだけのものではなくて、御本人と協同して課題を明らかにして、必要な支援とか配慮を整理するという考え方に賛同いたします。ただ、既に同様の御意見を出されているところではあるのですけれども、アセスメント結果の使い方を間違うと、御本人の選択肢が不適切に狭まってしまうということも懸念されるところです。ですので、アセスメントの手法だけではなくて、アセスメントの結果の適切な活用、ケア会議とかケアマネジメントを含めた支援を制度化していただく必要があると思います。
結果の適切な活用のためには、ケアマネジメントを担う相談支援専門員の方の力量が問われると思いますので、既に御意見を出されていましたが、特にケアマネジメントを強化した仕組みとする必要があると思います。もし結果が伴わなかった場合に、結果が出なかった要因を安易に御本人の就労準備性とか御本人の障害特性とか、そういうものに求めるのではなくて、支援者が支援の在り方とかケアマネジメントの在り方を工夫したり、集団での支援だけでなくて、インテンシブな個別支援をできるような制度としていく必要があるのではないかと思います。
あと、この部会の論点からちょっとずれるかもしれないのですが、このアセスメントは障害のある方御本人をアセスメントするものだと思うのですけれども、企業などで雇用される障害者の定着支援の充実の観点からは、雇用する側、一般企業等の障害者雇用促進の取組の状況についてもアセスメントする仕組みが同時に必要なのではないかと思います。障害の社会モデルの考え方にのっとれば、障害者を雇用する側がダイバーシティとかインクルージョンといった観点を持って障害者を含む社員全体の育成に当たるということが、単に障害者の雇用促進とか定着という表面的な成果だけでなくて、障害のある方が本当の意味での戦力として活躍できて、働きがいのある働き方ができるようになるということにつながるのではないかと考えます。障害者の受入れ体制の整備とか働きやすさとか合理的配慮の状況とか社員教育の在り方等々、法定雇用率を満たしているかどうかということ以外の観点からも企業をアセスメントすることで、障害を持っていない社員にとっても働きがいがある職場になるということが全体で共有できれば、障害者雇用を促進するということを通じて持続可能な多様性と包摂性のある社会の実現ということにもつながるのではないかと考えます。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、野澤委員、お願いします。
○野澤委員 野澤です。
一般就労について言いたいことがいっぱいあるのですが、あまり論点になっていないので私が言いたいことは置いておいて、12ページのA型の在り方と役割のことだけお話ししたいと思います。一般就労が難しい障害者に就労や訓練の機会を適切に確保するものにするという方向性ですけれども、一般就労が難しい障害者とは一体どういう障害者像なのかというのを考えなければいけないなと思っていて、今、一般企業は、障害が重くても安定して出勤して勤務できて、トラブルを起こさない人を割と採ってくれるようになったのです。特に都市部だとB型でなかなか利用者が確保できないというところも出てきています。地域によって違うかもしれませんけれども、私が知っている都市部のB型事業所というのはみんな結構苦戦しているのですよ。利用者をみんな企業が採ってくれるものですから。それはそれですごくいいことだと思うのですが、では、一般就労が難しい障害者がいなくなってきているのかというと、決してそんなことはなくて、調子のいいときには障害がない人と同じぐらい、あるいはそれ以上の仕事、あるいは自分の好きなことには非常に高い能力を発揮するけれども、調子が悪くなってその症状が重くなったりすると何日も出てこられないとか、あるいは何週間も出てこられないとか、そういう人がいます。特に発達障害とか精神障害の地域生活を支援している現場ではそういう人がいっぱいあふれていると思います。あるいは人間関係でトラブルを起こすと。触法に近いことで問題になったり、性的な逸脱になったり、こういう人は一般の福祉の現場でもなかなか受け止められなくて、利用停止になったりして、もちろん一般の就労もできない。どこにも行き場がないというわけです。ただ、調子のいいときは物すごく高い能力を発揮できるわけです。この人たちをターゲットにした制度なり就労の場というものが今、一番必要ではないのかなと思っています。障害が重くてもある程安定して、トラブルがなければ、一般企業は今、採ってくれますから。
それを考えたときに、例えばA型でそれをやっていくときに、賃金の高さとか就労時間の長さという尺度では全然この尺度に合わないのです。しかも月単位でこういう尺度で合わせられると全然。だって、勤務時間ゼロなどということもあるわけです。だけど、翌月には普通に高い能力を発揮していろんなことをやれてしまったりする人はどうしていくのだろうというときに、今回スコア方式が導入されたのは非常に意義があると思って、これがどのぐらい機能するのかというのを見たいのですけれども、このスコア方式だけでもこういう人たちを支援する、例えばA型がやるとすれば、なかなか評価し切れないのではないかなと思うのです。
それと、こういう方たちを支援する、あるいは企業に就職したときに定着を図ることができる事業所とかスタッフはどういう人なのかというと、私は決して生産活動とか就労移行に係るスキルではないと思います。ここは医療とか福祉とか非常に専門性の高い、しかも継続して粘り強く伴走型に近いようなこと、徹底して本人の生活を支えることができるような事業所やスタッフができるのではないか。と考えていくと、そういう事業所やスタッフというのは就労の場がなくてもいいかもしれないです。調子がいいときは、それを企業にお願いできるわけですから。調子が悪くなったときに、非常に手厚い専門性の高い支援でこれを支えていくことができるというのが非常に理想かなと思っているのです。
だから、こういうタイプを全部とは言いませんけれども、こういうタイプの人たちを支える定着支援というのは、就労移行とか就業・生活支援センターとかよりも、伴走型支援とかアウトリーチを徹底してやるところが向いていると思うのです。そこが企業と提携して連携して一体的にやれば、こういう方たちかなり戦力になっていくのではないかなと思うのです。そんな新しい就労支援、あるいは定着支援の在り方というのが必要ではないのかなと思っております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、三澤参考人、お願いします。
○三澤参考人 日本発達障害ネットワークの三澤です。このような機会を与えていただきましてありがとうございます。
3点ほどあります。先ほどからいろいろ議論されている内容と重複しておりますが、障害者の働くというところの定義、考え方、今、多様な働く場、働き方というのがあろうかと思います。そういった中でどのような選択が最もその人らしい生活に生かされるのか。
2点目、アセスメントについての話題がかなり出てきております。そういった意味では、適切なアセスメントに基づくジョブマッチングを通して就労支援プログラムにどうつなげていくのか。そういったことを適宜状況を鑑みながら修正できる、そういった制度・仕組みも必要ではないかなと考えております。
3点目、発達障害の特性上、ほかの障害者に比べて離職率がかなり高い。その背景には、コミュニケーションとか対人関係、受入れ側の企業、事業所等々の環境整備というところではあるのですけれども、人的な理解というところの部分。そういった意味で支援者の専門性というところ。人材育成の中には就労の経験者が一定含まれておりますが、人材育成をすることと同時に、今、関わっている専門職の有効活用、両方の視点から改めて障害者の就労、特に企業側への働きかけ、そういったことができるような仕組み・構造になっていくことが非常に望まれるのではないかなと考えております。
以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、最後の発言になります。江澤委員、お願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。
2点申し上げたいと思います。まず1点目、就労アセスメントの制度化については、ぜひ推進していくべきだと思っております。その中で、医療面においては主治医との連携も必要に応じて重要ではないかなと考えているところでございます。24ページに多機関連携によるケース会議のイメージ図が出ておりますが、右上のところに「医療機関」がぽつんと出ているわけですが、ここに矢印を記載するなど、必要に応じて連携し、医療機関というよりは、主治医の医療情報とか、あるいは主治医の意見というものがアセスメントにも必要な場面が多々あろうかと思いますので、その辺りをまた必要に応じて検討していただければと思います。
25ページ、26ページ辺りにいろいろ事例が出ておりますけれども、「診断を受けたばかり。働きたいが、これからどうしたら良いか全く分からない」とか、26ページにも「体調を崩して短期間で離職することが続き、何が原因になっているのか自分でも分からない」とか示されており、医療面のサポートも併せてアセスメントの中で検討していくべきではないかなと思っております。また、新たな制度化におきまして人材確保と人材の育成・養成というものは非常に重要だと思っていますので、また御検討できればと思います。
2点目は障害者の就労支援についてであります。障害者の就労支援においては、受入れ側の企業等の雇用主である経営者の理解、あるいは同僚職員のサポートが不可欠であると思います。ペナルティーがあるから雇用するとか、ボランティア的に雇用するというのはあるべきではなく、地域共生社会の一員として、障害者も企業の一員として活躍できるような環境を育成していくべきだと思っています。
その中で医療面の支援について少し述べたいと思います。診療報酬では療養・就労両立支援指導料というものが従前から設置されておりまして、これは主治医が企業から提供された勤務情報に基づいて、患者さんに療養上必要な指導を実施する。そして企業に対して診療情報を提供した場合、評価するものであります。併せて、診療情報提供後の勤務環境の変化を踏まえて、療養上必要な指導を行った場合についても評価がなされています。主治医との連携先、いわゆる連携するパートナーは企業の衛生管理者や産業医ということになります。対象疾患は現行指定難病が含まれておりますが、そのほかは、がん、脳血管疾患、肝疾患。あと、このたび心疾患、糖尿病、若年性認知症が追加されておりますけれども、診療報酬云々というよりは、まずこういった医療面の連携というのも参考になる仕組みではないかと思っております。
以上です。ありがとうございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
これで一わたり御発言いただけたかと思います。ありがとうございました。多岐にわたって御意見をいただきました。これを踏まえて、まとめに向けて事務局のほうで整理していただきたいと思います。
就労支援に関しては、今、障害者雇用分科会と並行して議論が進められているという御説明もございましたが、すみません。打合せも何もないのですが、せっかく今日小野寺課長にいらしていただいていまして、先ほどこれは雇用分科会のほうでも紹介してほしいというお話がありましたが、今日の議論をお聞きいただいて何かコメントがあればいただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○小野寺職業安定局障害者雇用対策課長 ありがとうございます。障害者雇用対策課長、小野寺でございます。
いただきました基礎的研修、職業センターの人材育成とか、アセスメントの在り方についても合理的配慮、職場環境に配慮したような形とか、さらには企業側のアセスメントという言及もありました。この辺りも十分に受け止めながら今後検討してまいりたいと思います。
あと、中高年齢層の障害者の雇用の継続についての御発言もあって、ここは障害者雇用分科会においても極めて大きなテーマとして今、議論されていて、どういった支援が可能なのかということを検討してまいりたいと思っております。
併せまして、障害者雇用率制度における障害者の範囲につきまして、先ほどA型の利用者のことにも言及がありましたし、手帳を所持していない難病の方の取扱いということでの御発言もありましたが、いただきました意見等も踏まえて、分科会のほうで検討してまいりたいと思います。
加えて、難病患者の支援体制につきましても、体制の強化についての御意見がありました。これもできる努力をしていきたいということ。
あと、質の向上に向けた研修について。現状、年に1回経験交流などもやっておりますが、さらに質を高めていくためにどんなことができるかということを検討してまいりたいと思います。どうもありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。今後ともぜひ相互に共有をさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
津曲課長から最後に何かありますか。
○津曲障害福祉課長 ありがとうございます。
本当に様々な貴重な御意見をいただいたと考えております。医療面であるとか、企業等にも協力を求めていくとか、特別支援学校との関係、様々な。私どものほうでも認識していた問題がございますけれども、今、皆様方からいただいた御意見で問題意識がさらに鮮明になりましたので、しっかりと受け止めまして整理して、また御議論させていただけるように資料等を用意してまいりたいと思います。ありがとうございました。
○菊池部会長 よろしくお願いいたします。
それでは、だいぶ時間が押しているのですが、今日は4時半には終われないと思いますけれども、長時間議論いたしましたので、ここで休憩をいただきたいと思います。4時ちょうどに再開させていただきます。よろしくお願いいたします。
 
(休 憩)
 
○菊池部会長 それでは、4時になりましたので、再開させていただきます。
議題2の資料について、事務局から説明をお願いします。
○津曲障害福祉課長 障害福祉課長でございます。
資料2「医療と福祉の連携について」を御覧いただきたいと思います。昨年秋の障害者部会で医療と福祉の連携の重要性について御指摘をいただきました。中間整理においても記述がございますけれども、これまでの御指摘を踏まえまして、さらに現状と取組、制度、課題などを整理いたしました。
スライド2以降を御覧いただきたいと思います。スライド2では、医療的ケア児者等の医療と福祉の連携について述べております。その経緯等を4つの丸で詳しく述べておりますけれども、このような令和3年度の障害福祉サービス等報酬改定における対応というものも行ってきております。
5番目の丸でございますが、障害者の高齢化や障害の重度化、医療的ケア児や医療的ケアが必要な障害者の支援、精神障害者、難病患者などへの支援の必要性を踏まえて、多様な障害特性に配慮しつつ、保健・医療、福祉、その他の施策の連携を推進することが必要であるとまとめております。
スライド3は「医療と計画相談をはじめとする相談支援等の連携について」ということでございます。広く障害のある方と医療との連携についてでございます。丸の1つ目、障害児者の地域生活と健康を支えていくためには、本人の希望に応じた暮らしを実現する観点から、福祉と医療の両面からの支援、マネジメントが重要でございます。また、障害福祉サービスの利用や計画相談をはじめとする相談支援などは、医療と連携して支援が行われることが重要でございます。
次の丸でございます。現状として、障害福祉サービス等の利用申請に当たっては、一部の訓練等給付のみの場合を除き、主治医の意見書の提出を求めておりまして、市町村において、医療に関する事項を勘案して支給決定をする仕組みとなっております。
丸の3つ目でございます。相談支援事業所は、この利用申請前の計画相談支援において医療を含む関係機関との連携に努めることとされております。また、報酬上、医療機関等との連携に関しまして評価がなされておりまして、スライド13、14にまとめております。
3つ目、入院中の医療と重度訪問介護についてでございます。前回法改正がございまして、平成30年に施行され、重度訪問介護を利用している支援区分6の重度障害者は、入院中も重訪を利用できるということとしておりまして、令和元年度は一月平均で219人が利用しております。この対象区分等に関しましてさらに検討すべきという意見がございまして、この部会でも様々な御意見がございました。
続きまして、スライド4「検討の方向性」というところでございます。1つ目、医療的ケアが必要な障害児者等の医療と福祉の連携についてでございます。令和3年度の報酬改定、その実施状況を踏まえて、さらに必要な検討を行うこととしてはどうか。そして、各サービスの加算というものについても、障害者については充実を図られてきたわけでございますが、医療的ケアの評価の在り方について引き続き検討することとしてはどうか。
また、障害者の高齢化、難病、精神障害等に関連した福祉(福祉・事業所等)と医療の連携について、具体的にどのような取組が考えられるかと書かせていただいております。
精神障害に関しましては、別途「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」での議論もいただいているところでございまして、こちらのほうの御議論の内容に関しましては、この部会での報告というのも予定をしているところでございます。
2つ目「医療と計画相談をはじめとする相談支援等の連携について」でございます。計画相談において求められる多職種連携の主要な連携先として医療機関や難病関係機関を明示し、その連携の重要性、連携内容について周知徹底を図ってはどうか。
また、計画相談における医療機関との連携について、連携をさらに促進する方策について、次期報酬改定に向けて検討してはどうか。
また、入院時に計画相談支援事業所、相談支援専門員が本人の症状や特性等の医療機関の求める情報を医療機関に提供した場合や、退院時に情報収集等した場合に報酬が算定可能となっておりますけれども、その際に情報を共有するためのフォーマットを検討し、より円滑な連携に向けて活用してはどうか。
また、当事者や御家族にとりまして、障害児者が受診しやすい医療機関がどこかが分かるようにすることも有益と考えられます。医療と福祉の連携による医療機関情報の収集・集約化・共有することが必要であり、そのために協議会の活用や医師会等の御協力を得ながら、障害児者が受診しやすい医療機関情報を地域単位でリスト化し、共有することが考えられるのではないかとさせていただいております。
最後、スライド5「入院中の医療と重度訪問介護について」でございます。入院中の重度訪問介護利用に関して対象区分、必要性等について、そのコミュニケーション支援等に関する調査研究の結果を分析しつつ、さらに検討を進めることとしてはどうかとさせていただいております。
下の丸の2つでございますが、入院中の重度訪問介護に関しましても、情報を共有するためのフォーマットであるとか、地域の医療情報のリスト化、共有を図るということが考えられるのではないかとまとめさせていただいております。
以降に関しましては関係する資料を用意させていただいております。非常に大部となりますので、説明のほうは割愛させていただきます。
「医療と福祉の連携」というテーマに関しましては、法制度に関わる部分というよりも、むしろ算定要件などの報酬の仕組みであるとか、現場の各事業所や医療機関、その取組に関する情報の共有、作成であるといったことも多いと考えております。通常のスケジュールで進んでいきますと、令和6年4月には診療報酬と障害福祉サービス等報酬の改定が同時に行われるということとなりますので、そのようなことも見据えまして、現場での具体的な取組や課題等を含めまして委員の皆様から御意見をいただければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの事務局の説明につきまして、皆様から御意見、御質問がありましたらお受けしたいと思います。先ほど申しましたように、本日4時半を過ぎることが予想されます。御案内では4時半ということにさせていただいておりますので、まず第一弾として4時半以降に御予定がおありの方から優先して御発言をいただきたいと思います。その上で、今日は最大5時ということで考えておりますが、4時半を過ぎても構わないという方に第二弾で御質問いただくという形にさせていただきたいと思います。恐縮ですが、4時半で退室される方のみ挙手をお願いいたします。会場では櫻木委員、オンラインでは陶山委員、齋藤委員、藤井委員のお三方ということで。それでは、まずこの4名の委員から承りたいと思います。
それでは、会場から櫻木委員、お願いします。
○櫻木委員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。新型コロナのあれで飛行機の終わりが早くなってしまっているので、先に退室させていただきます。よろしくお願いします。
私は、2番目に挙げてある「医療と計画相談をはじめとする相談支援等の連携について」という観点からお話をさせていただきます。これはずっと私がお話をしていることですけれども、例えば精神障害であるとか発達障害の方、あるいは難病の方というのは、いわゆる疾病と障害が併存しています。疾病の症状が重くなれば、当然障害の程度も重くなるということで、医療と福祉の両面に対しての配慮、あるいは計画をどういうふうに考えていくかということが必要になっています。スライド3のマル1のところに「両面からの支援・マネジメントが重要である」ということが書いてあります。残念ながら現状では医療サービス、障害福祉サービスが分断されたような形で行われているということが実際のところであります。
2番目の丸、障害福祉サービス等の利用申請に当たっては、就労支援と一部の訓練等給付のみの方を除いては、主治医の意見書の提出を求めているということがございます。先ほど話題になった就労支援などは、むしろ主治医の意見書がなくても計画相談が立てられるという状況になっていますし、それから支援区分の申請は、通常であれば3年に1回ということになっています。ですから、常時何らかの形で情報のやり取り、あるいは連携が行われているというところからは程遠いのが現状であります。
例えば4番目のところの「相談支援専門員がより効果的な受診援助の役割を担うことができる仕組み」、これはむしろ医療のほうで責任を持ってやることかなと思いますし、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会」の報告書には、いわゆるかかりつけ精神科医機能という形で取り上げていただいていますけれども、精神科の病院は多職種で、精神科の主治医を中心にして、いろんな職種のコメディカルが関わって、その方の生活の流れに沿ったような形で支援を行っています。例えば入院から退院に向けて。退院した後は地域でどういうふうに生活をされるかということで、時間の流れに沿ったような形で支援をやっています。地域で生活する中で障害福祉サービスを利用するということになれば、当然医療と福祉の連携ということが必要になってくる。
4番目の丸のところ、医療と福祉双方の従事者の相互理解の促進ということが必要になってくるだろうと思います。先ほどの就労アセスメントのところでも新しいやり方というのが出てきて、いわゆるケース会議とか、あるいは書面での意見の交換ということが取り上げられていましたけれども、むしろそれは全ての障害者の全ての場面で必要ではないかと考えています。そうなった場合に、ばらばらに医療サービス、あるいは障害福祉サービスの中でもいろんなサービスが連立しているわけですが、では、それを誰が責任を持ってマネジメントしていくかという視点が必要になってくると思います。一応、ここは相談支援専門員の方がそういったケースマネジメントないしはケアマネジメント。ケースマネジメントというのは、その方の時間軸に沿ったような形でどういうふうにまとめていくかということを考えるし、ケアマネジメントは、その時間のある段階でどういうサービスが必要かという組合せを考えるというふうに私なりに解釈しているわけですが、ケースマネジメントないしはケアマネジメント、両方を誰が責任を持ってやっていくかということが問われてくるのだと思います。
先ほどお話をした精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの中では、1つはかかりつけ精神科医という形で多職種を主治医が束ねていて、そのチームがそういったことを担っていくのだという考え方を提示しているわけですが、それも含めて、今後医療のサービスと障害福祉のサービスが分断されないような形で連携していく。そのことが当事者の方、あるいは御家族にとっても有意義で、いいことではないかなと考えているところです。
以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、陶山委員、お願いします。
○陶山委員 日本難病・疾病団体協議会の陶山です。
私のほうからは7ページの赤枠の中の医療的ケア児への支援というところでお話をさせていただきたいと思います。基本的な考え方の中で医ケア児と医ケア者というのを「医療的ケア児者」と書いていますが、これを一緒に考えないでほしいというのを強くお願いしたいと思います。子供は日々成長していますし、療育とか教育というのは重要ですし、本人のみならず、家族への支援とか大人への移行支援というのは欠かせません。そして、医療的ケア児の法案が昨年通りましたが、この中には家族の負担を減らすということも重要な項目になっておりますので、幼稚園とか保育園、あるいは学校への送迎も含めた福祉サービスの充実を求めたいと思います。
また、医療的ケア者に関しましては多くの研究がなされていますけれども、ケア児に関する研究は少なく、実は実態が把握されていない現状があるのではないかと考えます。医療的ケア児と言いますと、人工呼吸器をつけていたり、胃ろうをつけていたり、あるいは寝たきりの子供というイメージがあるかもしれませんけれども、人工呼吸器をつけ、胃ろうをつけながらも動ける医療的ケア児もいますし、あるいは酸素療法とか導尿などの管理、あるいは注射の管理などをしながら通常の学級で過ごしている子供たちもたくさんいます。実はこのような子供たちは福祉サービスを受ける対象になっていないケースが多く、実態はほとんど把握されていません。新たな分野として調査研究を進めていただきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、齋藤委員、お願いします。
○齋藤委員 日本看護協会の齋藤でございます。
検討の方向性の1.及び3.に対して意見を申し上げたいと思います。医療的ケア児支援法の施行により、学校に通う間の支援は充実してきていると事業所の方などからのヒアリングで伺っております。ただ、この資料にもありますが、成人期への移行を見据えたときに、医療的ケアに対応できる生活介護の事業所が非常に少なく、かつ長期間利用するケースが多いために空き枠もなかなかないといった実態があり、やはり18歳以降問題というのはなかなか解決が難しい状況になっているのではないかと思います。また、事業者側の運営上の課題として、受入れ定員を増やすと事業所の収益が下がるという、相反する現象なども起きており、なかなか定員拡大に踏み出せないといった状況がございます。
一方で、成人期への移行に関しては、相談支援専門員との連携も非常に重要になってまいります。子供の頃から成人期への移行後も含めた長期的な支援が可能な看護職等、医療的ケアを要する児者へのプラン策定を得意とする相談支援員の育成が非常に期待されるのではないかと思っています。
また、成人期への移行というのは、障害福祉だけの問題ではなく、医療保険の面からも検討すべき課題だと思っております。障害を持って生まれた児が医療機関を退院するときから連動して将来を見据えた支援策、連携方策の検討が必要です。実際に、今でも子供の頃から通院している小児科に通院しているといった状況や、近隣に内科等があっても実際には受診を断られたといった状況もございますので、ここは医療保険の面からも検討が必要になるのではないかと思っています。
また、共生型サービスというのができておりますけれども、これがなかなか広がっていないのではないかと思っております。介護保険の地域密着型サービスである、看護小規模多機能型居宅介護の事業所であれば、成人期への移行の課題は解決されていくわけですが、看護小規模多機能型居宅介護、通称「看多機」と言っていますが、現在事業所数は700超えぐらいで、そのうち共生型サービスを実施する事業所はかなり限定されているような状況です。やはり指定申請に関わる手続の複雑さや、看多機で児童発達支援・放課後等デイサービスを併設している事業所と比較すると、共生型サービスは報酬が非常に低いということが指定申請の際のハードル、つまり、単価という問題でなかなか申請に行かないという状況がありますので、この辺りは改善していく必要があるのではないかと思っています。
入院中の医療と重度訪問介護につきましては、実際に調査結果をしっかり見て分析した上で、今後じっくりと検討していく必要があるのではないかと思っています。前回も申し上げましたけれども、利用者の状態像の検証や、本サービスが利用されることによる入院の長期化の防止、混乱がなく入院生活が終えられたなど、患者さんあるいは家族、医療者にとって適切かつ安全に医療が提供されるといった効果を指標として、きちんと分析した上で議論したいと思っております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、藤井委員、お願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。国立精神・神経医療研究センターの藤井です。
医療と計画相談をはじめとする相談支援との連携につきまして、ケースマネジメントとかケアマネジメントが重要であるということにつきましては、櫻木委員と全く同意見です。
それ以外のことで1点だけです。連携に当たってのICTの活用促進という観点を重視していただければと思います。このようなオンライン会議の活用もそうですし、情報共有のためのフォーマットを検討する場合には、例えばクラウド上で安全に情報共有を行う方法の検討でありますとか、事業所、医療機関が変わった場合でも御本人の了解があれば情報を一元管理できる方法とか、効率的かつ効果的な情報共有の在り方を当初から併せて検討していく必要があるのではないかと思います。医療機関情報の集約とか収集、共有に関してもICTをうまく活用することが重要ではないかと思います。
ICTの使用が苦手な方への配慮はもちろん必要ですけれども、相談支援を行う際に情報管理とか、ICTが得意なことについてはICTに任せられるようにして、相談に当たる方は人にしかできないサービスに力を注げるように、ICTと人とが役割分担を行うことで、より対人サービスの質の向上につなげるという考え方も取り入れていただければと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
お待たせしました。それでは、御意見がおありの方は改めて挙手をお願いできればと思います。まず、会場の方、いかがでしょうか。御発言がおありの方。石野委員、丹羽委員。ほかはよろしいですか。
それでは、まず石野委員からお願いします。
○石野委員 石野です。
資料の5ページ「検討の方向性」のところですけれども、入院中の重度障害者の支援区分6になると思うのですが、入院している間のコミュニケーションはいろいろ大変な部分があると思います。現状は各市町村で訪問ヘルパーや外来のヘルパーとかが病院に行っているという仕組みになっていると思うのですけれども、障害の程度、重さによって報酬の加算というものがついていると思います。対象者が18歳以上と聞いていますので、18歳以下は対象外となります。そういうコミュニケーション支援の内容ですが、聴覚障害者の場合はどうなのか。障害支援区分6の中に聴覚障害プラス知的障害がある方もいらっしゃいます。その場合の対人支援はとても大変だと思います。そのような事例を今後検討に加えていただきたいと思います。
といいますのは、地域生活支援事業に意思疎通支援事業がございます。手話通訳の派遣は障害支援区分6の対象になっていて、聴覚障害者は、医療関係などは手話通訳を同伴していく場合もありますけれども、手話通訳がついたとしても、上手く通じず行き違いもありますし、医療現場では通訳者は要らないという考え方を持っている方もいらっしゃいます。コロナのときには、たまたま入院した患者が重い聴覚障害者でした。医師も通訳は要らない、介助も要らない、筆談で対応できるとおっしゃったようですけれども、そのために本人がものすごく困ってしまったという事例がございます。今後分析も必要だと思います。それを私としては要望したいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、丹羽委員、お願いします。
○丹羽委員 全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。
まず、医療と福祉の連携で立っている検討の方向性が、医療的ケア児者、相談支援、重度訪問介護という3点になっていますが、本来だったら精神障害の方や強度行動障害の方とか高次脳機能障害の方とか、医療と福祉の連携が必要な方はたくさんいるので、再掲になったとしてもここの中でもう少し論点としては入れておくべきだったのではないかなとちょっと思っています。その中で重点的にどこで議論するかというのは別にして、そんなふうに。立てる論点と論点の間もちゃんと関連性を持っていかないと、ここだけぶつ切りになっているような印象を受けてしまいますので、まとめ方、進め方についてはぜひ工夫をしていただけたらなと思います。
その上で、櫻木委員からも御指摘があった3ページの支給決定で、主治医の意見書が活用される部分で、障害支援区分の認定調査の医師意見書について、あまり知られていないのですけれども、申請者名の下「医師氏名」の上に「主治医として本意見書がサービス等利用計画の作成に当たって利用されることに □同意する。□同意しない。」というチェックボックスがあります。そこに「同意する」としたら、その意見書を相談支援専門員が受け取って計画作成の参考にできるのですが、市町村の相談支援専門員はあまりこのことを知らなくて、その意見書を見るという機会がないのです。なので、まずは運用として、初期の段階では現行であるものもきちっと周知をして活用できるようにしていったらよいのではないかと思います。
また、藤井委員からもありましたICTの活用は、製品名かもしれないですけれども、医師会などで全国で導入されているMCSというシステムを私のところでも医療的ケア児者を中心に使って、医療と福祉のスタッフがチャットでいろいろ情報共有するということは進んでいます。もう既に進んでいるところがありますので、ぜひそういったものを参考にしながらフォーマットづくりを、ICTも含めてやっていただきたいと思います。
最後は強度行動障害関係のことです。強度行動障害のある人たちの生活を支えていく上で、行動の激しさや対応の難しさが急激に増した際に、家庭やグループホーム、施設入所支援などから医療機関に緊急的に入院せざるを得ないことがあります。もしかしたらこれは高次脳機能障害で社会的行動障害という激しい行動がある方も同じかもしれませんけれども、その際に、そうした行動障害のある人を受け入れるための設備、強度行動障害専門病棟などや、スタッフの経験スキルがある病院では入院の受入れがスムーズにいって、本人も安心して入院中に過ごすことができます。
しかし、そのような医療機関がない場合には、一般の精神科病院において受け入れてもらわざるを得ず、受け入れる病院も本人も非常に大きな困難を抱えることになります。強度行動障害のある人の生活は、家庭やグループホーム、施設入所支援、病院など、1つのところで生涯支援を続けるのではなく、それぞれの機関で双方向に移行できる体制の中で、地域として支えていくことが必要と考えられるので、地域の精神科病院において強度行動障害のある人たちの入院を受け入れることができる体制づくりが欠かせません。
一方で、入院した行動障害のある人を退院後に福祉側で受け入れる体制づくりも欠かせません。そのために、地域の精神科病院において強度行動障害のある人の受入れが進むための方策が必要と思われますので、その点についても福祉だけではなくて、そういった実態を少し明らかにしながら議論ができたらと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、オンラインから白江委員、お願いします。
○白江委員 ありがとうございます。全国身体障害者施設協議会の白江と申します。私からは5点あるのですが、既に3点ほど述べられていますので、できるだけ簡潔にしたいと思っております。
1点目は「検討の方向性」の1の部分です。私は1も2も3も方向性として賛成なのですが、とりわけ1の部分です。先ほど齋藤委員、陶山委員からも御認識がありました医療的ケア児と者の問題は、全く同感です。その上で、今回お示しいただきました方向性というのは次につながるというか、今までに比べてつながるような表現になっているという意味で、これをぜひ進めていただきたいと思っております。
2点目は、津曲課長も齋藤委員もおっしゃっておりましたが、医療的ケアという意味ではなくて医療として、小児医療と成人医療の部分です。課長は報酬改定のことも触れられましたけれども、まさにそこが非常に大きなポイントになっておりますが、ぜひ連続性というか、今後の検討の課題の方向性としてもどこかにお示しいただくとありがたいなと思います。
3点目は、櫻木委員、それから前回の中間まとめの中でもマネジメントの重要性について指摘されておりますので、方向性の中でもそういった表現があるといいなと思っております。
4点目は、「検討の方向性」の1の2つ目の丸のところです。医療と福祉の連携の中でぜひ取り上げていただきたいのは、みとりの問題であります。大変残念なことですけれども、障害者支援施設において人生を全うされる方が、高齢化、重度化、重症化の中で非常に増えてきております。当施設でも専門誌で取り上げていただいたことがありますが、高齢者施設とは違って本当に多様な原疾患、障害があって、多様なプロセスを経てみとりにつながっていくということになります。そのみとりの体制も24時間、メンタル面も含めて本当に多様な支援体制を取らなければいけないという実態がございますので、ぜひこの辺りをより詳細な記載をお願いできればなと思います。
最後ですけれども、難病の方の福祉制度の利用が進んでいないということです。というのも、難病はこれまで医療との関係が非常に深かったということがあるのですが、逆に福祉制度が使えるようになってきて、医療系と福祉系という縦割りの中でなかなか進んでいない。要するに、難病の患者さんはこれまで医療系の関係が深かったために、福祉についての認識が非常に薄い、疎いという状況がありますし、これまで保健師さんとの関係が深くて、福祉系の担当職員との関係が薄いということもございます。小児慢性特定疾病、先ほどの児の問題もそうですが、様々なところでそういうことが起きておりますので、ぜひもう一度その辺の連携、医療と福祉の新たな連携システムみたいなものも、厚労省をはじめ、自治体等で構築していただけるような、そういった表現等があるといいなと思いました。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、阿由葉委員、お願いします。
○阿由葉委員 全国社会就労センター協議会の阿由葉です。
スライド3の一番下の丸に、入院中の重度訪問介護について、知的障害の方や行動障害の激しい方、精神障害の方についてということで記載があります。「障害支援区分4・5の方でも入院中に困り事を抱える人が多くいるため制度の改善をお願いしたい」とか、「精神障害者の障害支援区分認定が実際よりも低く認定されることが多く、当該制度を利用しづらい」等の意見があったという記載がされています。実はコミュニケーションの支援の観点からは、視覚障害の方や聴覚障害の方では障害支援区分2や3の方でもコミュニケーションに困難を抱えている人も多くいます。この点も考慮していただきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、小﨑委員、お願いします。
○小﨑委員 全国肢体不自由児施設運営協議会の小﨑でございます。
私のほうからは4ページ目の2の相談支援の連携ということで、お話をさせていただきます。私も意見書をしばしば書きますが、先ほど丹羽委員のほうから意見書についてなかなか行政のほうとかで参照されていないと聞いて、ちょっとがっかりというか、「主治医として」というところは割と一定の覚悟を持って「同意する」にチェックを入れているつもりなのですけれども。それはそれとして、皆さん、ふだんから医療機関あるいは医療との関連が大きいということもあって、平時の体制がどうなのかというところで、私も当然そういう目で意見書を書いていくのですが、緊急時については、医療のほうの医療機関が急性期医療機関と例えば私のところのような生活期を支えるところとある程度分かれている部分があって、急変したり、急病があったりしたときに対応に非常に苦慮するということがあります。なので、今後の計画の中で、いかに急性期医療機関との関係をつくっていくかという視点も必要なのではないかと考えております。今後の連携のメンバーの中にそういったところも入れるということをある程度ふだんから考えていくことが必要なのではないかと考えました。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、阿部委員、お願いします。
○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部です。異なる2つの点について発言させていただきたいと思います。
1つは福祉と医療の連携というところで、歯科医療の重要性ということの確認です。口腔内は容易に炎症が起きて痛み、また痛みの過敏なところでもあると思います。ただ、歯科大学の中でも障害児者歯科という講座を持っているところは、全部ではないというか、その数も少なく、まだ十分ではないように聞いておりますので、歯科医療との連携の中で障害児者への歯科医療の重要性ということをいろんな意味でアピールしていただいて、それに取り組んでいる歯科医師もたくさんいるように思いますけれども、その促進が大事だと思います。施設を利用している方の中でコミュニケーションができなかった方が、歯科治療を行ったら自傷行為が止まったというようなことを聞いています。結局、口の中の痛みで自傷行為につながるような事例もあると聞いていますので、生活支援の中で口腔ケア、歯科医療の重要性が大事だと思いますので、その辺のところもお願いしたいということです。
もう一点は、これも異なることですけれども、昨年災害対策基本法が改正されました。そのときの議論の中で、避難の難しい方々、重度障害の方々が名簿にないのではないのかということが議論になりました。通常自治会の方々が避難、支援が必要な方々を把握されているのですが、把握することが難しく、重度の方はそこに掲載されていない。では、医療と福祉の関係の方々からその名簿を確認して、そして個別の避難計画に関しましては、障害であれば相談支援専門員が策定する。介護保険であれば介護支援専門員、ケアマネジャーが策定することで、地方交付税措置でこれが成立してきたように思います。
実際に兵庫県では全県で執り行われているところですけれども、もともと私たちは例えば厚労省との会議の中でも、総合支援法に基づく相談支援事業所に併せて個別避難計画の策定ということもすべきではないのかという議論もあったわけですが、今の制度からは難しいということで、地方交付税措置として今、始まっているところでもあります。そのようなことについても、医療と福祉が重度の障害の方々を把握しているということを含めて、連携がとても大事なのではないのかということについてお話しさせていただきました。これはこれから5年間の間にしっかり取り組むという流れでありますけれども、いつ災害が来るか分からない、水害が来るか分からないということもありますので、ここに入れられればいいなと思いながら、まずは発言させていただきました。
そしてまた、歯科についても、これは古い情報ではないのだと思いますけれども、障害児者への歯科診療というのがなかなか困難な状況にあるということをお聞きしていますので、福祉と医療との関係ということでまた話をさせていただいたところです。
以上です。ありがとうございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、久保委員、お願いします。
○久保委員 ありがとうございます。育成会の久保でございます。
医療的ケアが必要な障害児と障害者に対する支援につきましては、基本的にこれまでの報酬改定の実施状況を検証することが必要ではないかと考えております。ただし、医療的ケア児につきましては、保育所や幼稚園などへ送り出した後の医療的ケアを含むフォローが必要という声がたくさん届いております。医療的ケアの成人につきましては、生活介護における入浴サービスの提供に十分な人員を配置できるようにしてほしいといった声もたくさんあることをまずお伝えしておきます。その上で、医療と相談支援との連携に関しましては、医療的ケア児と支援センターやコーディネーターが計画相談、障害児相談をバックアップする仕組みが不可欠であると考えます。この点を明確にすべきだと考えております。
入院中も重度訪問介護利用者につきましては、当会として一貫して障害支援区分4以上での利用と、そして入院をきっかけとした利用開始について求めております。ぜひ知的発達障害者の入院実態を調査していただき、実質的に家族の付添いを求められる状況を改善していただきたいと願っております。
また、医療との連携という観点からは、そのほかに小児科から成人の診療科へ移ることが難しいという問題と、そもそもそうした医療機関へのアクセスが確立していないという問題があることも指摘をしておきたいと思います。特に医療機関へのアクセスについては、障害者差別解消法が改正されまして、民間の医療機関にも合理的配慮の提供が義務化されていますが、他方で、過重な負担がある場合には配慮が提供されないことになります。その意味で、過重な負担が求められる場合には、通院を支援するサービスが十分に利用できるようにするといった制度設計をお願いしたいと思っております。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、井上委員、お願いします。
○井上委員 ありがとうございます。日本知的障害者福祉協会の井上です。ほとんどの方がおっしゃっていますので、端的に3点だけお話しさせていただきます。
1つ目は、先ほどもありました入院中の重度訪問介護の利用については、障害支援区分だけではサービスが必要な利用者の実態はつかめないので、ぜひ柔軟な対応をいただく方向で御検討をお願いしたいと思います。
また、丹羽委員からも御指摘がありましたが、知的障害を伴う強度行動障害への対応については、医療との連携が欠かせないと思いますし、強度行動障害のある方々が非常に多く長期入院している実態もあるようなので、以前、野澤委員から薬の過剰投与の問題も出されていたと思いますけれども、総合的に検討するような機会をぜひ設けていただきいというところでございます。
3点目は、先ほど白江委員からもありましたが、高齢化、重度化によってグループホームや障害者支援施設での看取りの実践も随分進んできていると思います。グループホームであれば様々な制度を活用できますが、障害者支援施設ではなかなか難しいという報告もあるので、その辺りの実態把握は必要だと感じておりますし、その上で看取りの対応は非常に大きな課題だと思っております。また新たな場で御議論、様々な御意見をいただければありがたいと思ったところでございます。
以上でございます。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、岡田委員、お願いします。
○岡田委員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
私からは2点。これまでの皆さんの御意見と重なることもありますけれども、まず福祉と医療の連携につきまして、精神障害者の生活を支えるためには福祉と医療の連携が欠かせない視点ということは、御承知のとおりです。先ほどの御意見にもありましたが、誰が責任を持ってマネジメントをするのか、このことをきちんと検討する必要があると考えております。入院したり、地域で生活したりということで、変化がある中で、誰が責任を持ってマネジメントをするのかというところがきちんと定まっていませんと、どうしても孤立した生活というところに入り込んでしまうのが精神障害のある方たちの現状ですので、誰が責任を持ってマネジメントをしていくのかというところを明確にしていく必要があると考えます。
2点目は5ページの入院中の医療と重度訪問介護についてで、たくさんの委員の方から御意見がありましたが、ここに「対象区分や必要性等については、さらに検討を進めることとしてはどうか」とありますけれども、障害支援区分は生活のしづらさ全体のトータルな判定結果となっていると思いますが、入院中の重度訪問介護の中心となるコミュニケーション支援は、コミュニケーションという特定の部分に支援が必要な人のための支援策と捉えますと、現在の障害認定区分で利用が制限されることによって、特にコミュニケーションに困難がある人であっても、対象支援区分でないために利用できないということが現在起きております。今後検討を進める上では、支援サービスの利用を必要な人が必要に応じて利用できる方向での検討をぜひお願いしたいと考えます。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、江澤委員、お願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。検討の方向性について述べたいと思います。全体的には賛成でございます。
まず、1番目についてですけれども、前回の報酬改定で動ける医療的ケア児への対応等の実態を踏まえて、見守りスコアを導入する新たな医療ケアの判定スコアが導入されましたので、これについては今後も検証を継続していくべきだと思います。
障害児者の医療につきまして、障害児者の方に限ったことではありませんが、医療が必要である患者さんに必要なときにタイムリーに過不足なく医療が提供されることが重要であります。資料の51ページには障害者支援施設等入所者の医療機関の受診の課題も示されておりますが、暮らしの場の違いによって真に必要な医療について妨げられることがないようにする視点も必要かと思います。
また、医療の中でも例えばリハビリテーションも非常に重要な医療の部分だと考えています。リハビリテーションは、急性期、回復期、生活期あるいは維持期とフェーズが分かれておりますけれども、特に生活期のリハビリテーションにおいては、心身機能に偏ることなく、活動:IADL、参加:社会参加にバランスよく提供するということが今、推奨されて、現場で取り組まれています。したがいまして、いろいろな障害をお持ちであっても、しっかりと活動とか参加につなげていくという取組もさらに充実していく必要があろうかと思います。ちなみに、障害者の支援施設等においては、人員配置基準等の兼ね合いから訪問リハビリテーションが提供できないとか、いろんな現状もございますので、実際に今後実態を調査するなどして検証をしていく必要もあるのではないかと思います。
2番目の相談支援等についてですけれども、相談支援専門員とかかりつけ医の連携を深めていく。例えば顔の見える関係をどう構築していくのかという視点も重要だと思います。あるいはサービス担当者会議においても、主治医の意見や情報について必要に応じて連携が図られることが望ましいと思います。
例えば平成30年度の介護報酬改定においては、ホームヘルパーさんが在宅に訪問したときに、医師の処方した薬を服用していなくて飲み余っているとか、あるいはADLが低下しているのにリハビリテーションのサービスが提供されていないということに気づいた場合に、そのホームヘルパーさんは担当のケアマネジャーに報告することとなりました。その報告を受けた担当のケアマネジャーさんは、必要な情報はかかりつけ医に報告することが運営基準に盛り込まれました。すなわち、義務化がなされたところでございます。したがいまして、そういったいろんな仕組みがあろうかと思いますが、かかりつけ医と相談支援専門員、いろんなつながり、どう仕組みをつくっていくのかというのが重要ではないかと思います。
また、自治体の福祉行政の部門と各地域の医師会の連携はあまり保たれていないかなという印象を持っておりますので、そういった福祉行政部門と医師会の連携というのも必要に応じて深めていくべきではないかと思います。
3番目の重度訪問介護に関する点であります。入院患者さんの中には長期入院を余儀なくされて、入院中に重度化して重度訪問介護の必要な状態に陥るケースがございます。実際に私の患者様でもALSの方でコミュニケーションのいろんなツールをどうにか使ってコミュニケーションを取っている方がいらっしゃるのですが、入院前に重度訪問介護を利用していなくても必要な入院患者さんがいらっしゃるということを踏まえて、また検討も必要ではないかなと思っております。
なお、コミュニケーション支援なので、入院の制度におけるいわゆる完全看護には抵触しないわけでございますので、特にコミュニケーションという視点に基づいて、先ほどの意見にもございましたけれども、この区分についてどう考えるかということはまたいろいろ実態を踏まえて、調査をして検討していく必要があると思います。
診療報酬には入退院支援加算というのが設定されていて、これは一般病棟と療養病棟で算定できるものですが、現在、まだ精神病棟ではそういったものが制度化されておりませんけれども、そういった考え方の連携も踏まえながら、入院中の患者さんも入院する前、あるいは入院時から退院を踏まえて、退院後のいろんな在宅の連携をどう考えていくのか、あるいはその受け皿についていろいろ連携を深めていくことも重要だと思います。
最後にみとりにつきまして、御本人の意思を最大限に尊重するために、医療現場では医療・ケアチームが合意を形成するということが今、推奨されて取り組まれています。特に御本人の意思を最大限に尊重するために、医療・ケアチームが相互参加型モデルの視点でいろいろ話し合いをして、もし御本人が意思を表示できない場合には、意思の推定者、多くは家族のことが多いですけれども、そういった方がとにかく本人に対してよかれと思っていろいろ議論をして合意を形成します。その適切なプロセスに基づいた合意はぜひ尊重していこうという考え方で今、みとりが行われています。
したがいまして、障害者の方におかれましても、いろんなサービスがある中で、やはり御本人の意思が尊重されるということが重要ですので、そういったことについて、これまであまり議論がされていない部分かと思いますので、引き続きまたいろいろ検討していただければと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
いろいろ御意見をいただきありがとうございます。事務局におかれましては、これらの様々な御意見を踏まえて取りまとめに向けて御検討いただきたいと思います。
ちょっと時間が押しているので、事務局のコメントは省略をさせていただきます。すみません。
かなり時間が押しているのですが、議題3「その他」がございまして、資料3、資料4がございます。この点について事務局から簡単に説明をお願いいたします。
○津曲障害福祉課長 資料3「障害福祉サービス等報酬改定検討チームの議論の状況について」でございます。障害福祉課長から説明させていただきます。3月28日に同チームが開催されまして、令和4年10月の処遇改善を図る報酬改定に関しまして議論されたので、報告いたします。
スライド1に関しましては、これまでの経緯を述べております。今回の処遇改善に関しましては、昨年11月の閣議決定に基づきまして、令和3年度補正予算に基づく事業が行われておりますが、さらに令和4年度に関しまして補正予算と同様の措置を報酬改定において行うということとされたものを受けての議論でございます。
スライド2、その方向性が示されております。基本的には4年10月の報酬改定の対応の内容は、同じ政策目的の下で補助金と同様に行われるものでございますので、その仕組みを引き継ぐ形としております。加算の対象、サービスの種類としてはこれまでの処遇改善加算等と同様でございます。また、一定のキャリアパスや研修体制の構築等を求めることとしております。
また、賃上げ効果の継続に資するように、加算額の3分の2以上はベースアップに充てるということが、補助金と同様の要件となっております。
マル2、加算率の設定でございますが、障害福祉サービス等の種類・区分ごとの福祉・介護職員の数に応じて設定することとされまして、事業所内における配分方法としては、福祉・介護職員以外の職員の処遇改善にこの収入を充てることができることとしております。
全体像につきましては、スライド5にまとめて書かせていただいております。新加算を含めまして3段階となっておりますけれども、福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算(仮称)を設定するということに関しまして、3月28日の改定検討チームにおきましては、幾つか御意見がございましたが、この方向で御了解いただいておりまして、4年10月の改定に向けまして事務的には引き続き作業を続けていこうと考えております。
資料3についての報告は以上でございます。
○矢田貝企画課長 資料4につきまして、企画課長、矢田貝から説明させていただきます。
こちらは医療、介護、保育など他の社会保障全体に関わる政府部内の会議での検討状況について御報告するものでございます。まず、全世代型社会保障構築会議につきまして、昨年11月から開催されておりまして、3月29日に論点に係る議論の整理が行われています。資料4の5ページ、6ページになります。例えば6ページ6ポツの「地域共生社会づくり」の中で、相談支援であったり、医療・介護・住まいの在り方を一体として考えていく必要など、障害福祉にも関わるような論点も横断的に議論されているところでございます。こちらは今年の夏までに一定の整理が行われるよう検討が進められている状況でございます。
また、公的価格検討委員会について。これも先ほどの会議の下にある医療、介護、保育・幼児教育などの公的価格についての横断的な検討の場でございまして、12月21日に中間整理がなされております。11ページにありますとおり、今年度は費用の見える化やデジタルの活用ということについて検討が進められており、こちらも今年の夏までに方向性を整理されるよう議論されているところでございます。
以上、現在の状況について御報告をさせていただきます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
この2つの資料に関しまして、皆様から何かございますでしょうか。会場から安藤委員、オンラインから阿由葉委員、井上委員、このお三方でよろしいですか。時間が来ていますので、すみませんが、簡潔にお願いできれば幸いでございます。
まず、安藤委員からお願いします。
○安藤委員 ありがとうございます。全国脊髄損傷者連合会の安藤です。
まず、資料3についてです。処遇改善について、ありがとうございます。長くヘルパーさんが定着してくれることは、僕らの生活が安定することにつながるので、大変うれしい限りです。
ただ、よく聞くのが、処遇改善ばかりが上がって、基本的な報酬単価が上がらないと。そうすると、キャリアアップしていって最終的に経営クラスになってくると、結局、お給料があまり多くなくてインセンティブにならないと。社会人として家庭を持って暮らしていく上で、特に男性のヘルパーさんで多いのが、経営、マネジメントに携わってもっと稼いで、暮らしをよくしていきたいという夢があまり持てないというところがあるので、そういったところも含めて、役員クラスも一般企業並みにしっかりと報酬がもらえるような形にいつかはしていっていただきたいなと思う次第です。
次に、資料4のほうです。これは少しそれるのですけれども、「女性の就労の制約となっている制度の見直し」というところで、いわゆる扶養控除の壁のところでよく思うのですが、これは障害者もあって、とりわけ20歳未満の障害基礎年金を受けている障害の場合、働いた場合、基礎年金との壁があるのです。障害基礎年金をもらいながら一般就労して働くと、年金が減額されてしまうということがあって、だんだん物価が上がってきて、給料も上がってきて、消費税も上がって、支払うものが多くなっているにもかかわらず、所得の制限がそのままなので、もう少し所得制限の壁を上に引き上げてほしい、基準を引き上げてほしいなという声をちらほら聞きます。ですので、こちらも併せて御検討いただければなと思いました。
次はICTの活用の件です。ホームヘルプ事業所とかはまだまだ紙媒体が多かったり、判こを押したり、そういったことが多いので、こういうのはできれば判ことかそういう文化はもうなしでいいよというのをもっと通知していただいて。あと、積極的にICTとかペーパーレスにして、最近はSDGsなどという言葉も言われている中で、ペーパーレスをこれだけやったら加算をつけるとか、ICTをこれだけやったら加算の対象にしますなどということも御検討いただければなと思いました。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、阿由葉委員、お願いします。
○阿由葉委員 資料3のスライド5、新しい福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算を含む処遇改善加算の全体像が示されています。このこと自体は大変ありがたいと思っておりますけれども、従来の加算に加え3階建てになるところで、事務作業が非常に煩雑になるということを懸念しております。また、これまでも繰り返しお伝えしておりますが、処遇改善加算と特定処遇改善加算、今回の福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算を一本化し、サービス区分ごとに設定されている加算率を統一していただきたいと思います。また、全ての事業種別、職種を対象とし、煩雑な事務作業が生じないよう、配分方法等を事業所の裁量に任せる仕組みとしていただきたいと思います。
併せまして、介護保険施設と障害関係施設を複数運営するような社会福祉法人では、それぞれの間の人事異動に支障を来す事例が生じているという課題があることもお伝えしておきます。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、井上委員、お願いします。
○井上委員 ありがとうございます。知的障害者福祉協会の井上です。
阿由葉委員が先ほどおっしゃったように、非常に複雑な仕組みになっておりますので、ぜひ統一していただき事務負担等が軽減できるような仕組みとしていただきたいということと、一部相談支援専門員等が対象外になっていることについて、その辺りは非常に不満の声が多いところでございますので、限られた少ない期間での制度設計で間に合わなかったという側面はあるのかもしれませんが、ぜひ早急に是正いただきたいということでございます。
最後に、大変恐縮ですが、本当は就労支援の議論の際に申し上げたかったわけですけれども、先ほど野澤委員のお話をお聞きして、ひきこもりの方など家から出られない方が非常に多い現状にあって、社会福祉法人として何ができるかということですが、就労支援につながる新たなサービス形態などの議論もあるところですので、ぜひその辺りについても今後御議論できればいいかなと思っております。
時間がない中、ありがとうございました。以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
私も委員として大変参考になる御意見をいただきましてありがとうございます。
ちなみに、相談支援について入っていないではないかというのは、公的価格の会議で私も発言させていただいたところでございました。
それから、障害基礎年金の御発言が安藤委員からありましたが、これは年金局に伝えておいていただけますか。
○矢田貝企画課長 かしこまりました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
すみません。時間がオーバーしてしまい、今日は3時間超えになってしまいました。活発な御意見をいただきましてありがとうございます。重要な法改正に向けての局面ですので、非常に濃密な議論をさせていただけたかなと思っております。
1点だけ。今回の制度改正に直接関わってこないかなと思いましたが、阿部委員からいわゆる災害福祉に関わる御発言。前回もあったかと思うのですが、私もそういった問題意識はずっと福島に関わっているので持っていまして、ただ、ここの所管かというと、直接ではないと思うのですが、こちらには障害福祉の専門家がそろっていますので、どこかでそういった議論をまとめてすることがあってもいいのかなと。そういう問題意識は持っているということをお伝えしておきたいと思います。
それでは、時間が参りましたので、本日はここまでにしたいと思います。
今後のスケジュールなどについて、事務局からお願いいたします。
○矢田貝企画課長 本日は御多忙の中、御議論いただきましてありがとうございました。また、最初のほうで会場でお聞き苦しいところがございまして、失礼いたしました。
次回の部会ですが、4月18日(月)15時よりベルサール飯田橋駅前にて開催いたします。よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○菊池部会長 会場の皆様、前半部分でお聞き苦しい点があって、私からもおわび申し上げます。対面で目を合わせながらお話ができて、ちょっと合間に別のおしゃべりができる。対面でやるよさというのもありますが、こんなことならZoomのほうがよかったよと御出席の委員に思われないように、事務局とも相談しながら環境を整備してまいりたいと思います。もちろん、コロナがまだ続いていますので気をつけながらということになりますが、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。

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