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2021年10月18日 社会保障審議会障害者部会(第120回)議事録
社会・援護局障害保健福祉部
○日時
令和3年10月18日(月)14:00~16:00
○場所
ベルサール御成門タワー 3F ホール
東京都港区芝公園1-1-1 住友不動産御成門タワー3階
○出席者
菊池馨実部会長、阿部一彦委員、安藤信哉委員、井上博委員、江澤和彦委員、岡田久実子委員、菊本圭一委員、久保厚子委員、小﨑慶介委員、小林真理子委員、酒井大介委員、櫻木章司委員、白江浩委員、新保美香委員、陶山えつ子委員、竹下義樹委員、飛松好子委員、丹羽彩文委員、藤井千代委員、飯山参考人、石橋参考人、高橋参考人、沼田参考人、渡辺参考人
○議事
○菊池部会長 定刻になりましたので、ただいまから第120回「社会保障審議会障害者部会」を開催いたします。
皆さんこんにちは。委員の皆様には、御多忙のところ集まりいただきまして、ありがとうございます。
議事に入る前に、本日の会議については、こちらの会場とオンラインで開催いたします。事務局においては、資料説明はできる限り分かりやすく、要点を押さえた説明となるようにしてください。
いつもながらですが、各委員からの発言についてお願いがあります。最初に私が発言を希望される方を募りますので、会場の方は挙手をお願いいたします。オンラインの方は、Zoomの「手を挙げる」機能を使用してください。私の指名により発言を開始してください。より多くの委員の御発言の機会を確保するため、できるだけ簡潔に御発言をお願いしたいと存じます。御発言の際は、まずお名前を名乗っていただき、ゆっくり分かりやすくお話しください。また、会場の方はできるだけマイクに近寄ってお話しください。発言後は、必ずマイクのスイッチをオフにしてくださいますようお願いいたします。円滑な会議運営に御協力をお願いいたします。
それでは、事務局から委員の出席状況、資料の確認をお願いいたします。
○矢田貝企画課長 企画課長の矢田貝です。
本日の委員の出欠状況でございますが、阿由葉委員、沖倉委員より御欠席との御連絡をいただいております。
また、石野委員の代理として石橋参考人、内布委員の代理として飯山参考人、黒岩委員の代理として高橋参考人、齋藤委員の代理として沼田参考人、永松委員の代理として渡辺参考人に御出席をいただいております。
また、本日の資料でございますが、議事次第、資料1から3、参考資料1から3の資料でございますので、資料が見られないなどということがございましたら、事務局のほうにお申しつけいただければと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 それでは、早速議事に入ります。
議題1の資料1につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○河村障害児・発達障害者支援室長 障害児・発達障害者支援室長の河村でございます。
本日、障害児支援について御議論いただきますが、前半で資料1に基づきまして通所の支援について、後半で資料2に基づきまして入所の支援、とりわけ過齢児の問題について御議論いただければと思っております。
それでは、資料1の1ページをお開きいただければと思います。
資料1の1ページと2ページは、7月28日に障害児支援について御議論いただいたときも提出させていただいている資料と同じ内容ですので、ごく簡単におさらいをさせていただきます。
まず、障害児の通所支援をめぐる現状と課題として、1つ目の○ですけれども平成24年施行の児童福祉法改正の中で、身近な地域で必要な発達支援が受けられるということを主眼にしまして、障害種別ごとに分かれていた体系を基本的に通所と入所で一元化するという方向を目指してまいりました。
その上で、児童発達支援センターについての現状と課題ですけれども、○の2つ目でございますが、児童発達支援センターが位置づけられたのですが、一般の児童発達支援事業所との役割・機能の違いがはっきりとしておらず、センターとして果たすべき機能が明確になってきていないという課題。
また、その次の3つ目の○でございますけれども、先ほど申し上げたような障害児通所支援全体の一元化が行われたものの、センターに関しても福祉型、医療型という形で分かれて、医療型が肢体不自由児のみを対象とするわけでございますが、こういった障害種別による類型が残されてきているという現状がございます。
その上で、児童発達支援・放課後等デイサービスの現状と課題、○の4つ目と5つ目でございますけれども、先ほど触れましたような平成24年の制度の再編以降、サービス量が大きく伸びてきている。こういった背景には、発達障害の認知の広がりであって、従来障害と認識されずに育てづらさ、生きづらさを抱えていた方々がサービスにつながるようになってきたという肯定的な側面とか、女性の就業率に伴うニーズの増加の側面もあると考えられている中で、一番下の○でございますけれども、現状、1対1であったり、ごく少人数で専門職がリハビリテーション等の個別支援を行うようなタイプとか、複数の職員配置で設定遊び等の集団行動を通じた支援を行うものとか、様々な形が分化している中で、全て一律の報酬単価になっている。こういった構造のままですと、手間や専門性をかけない支援が利益を生むような構造になっていないかという課題があるという点でございます。
その上で2ページでございますけれども、1つ目の○でございますが、保護者の就労に伴うニーズが現実的にある中で、こういったことに対する対応が自治体に委ねられていて、居住自治体によって非常に差が生じる現状になっている。
また、その次の○でございますけれども、障害児の通所支援が広く拡大してきたことと相まって、同時に保育所とか放課後児童クラブのような、いわゆる一般施策側への通所が検討されづらくなってきたり、そういった一般施策側への通所を希望したときに、必要な支援がなされるべきであるけれども、それが十分にできていないというような課題。
○の3つ目でございますけれども、障害児の状態像を測る調査として、今、市町村が5領域11項目の調査を行っておりますが、こちらが日常生活動作の介助の必要度と行動上の課題をベースにしておりまして、発達支援の必要な時期なわけですけれども、提供すべき発達支援の種類や必要量が調査に勘案されていないという課題もございます。
また、最後の○でございますけれども、放課後等デイサービスについて、今、対象の児童について学校教育法第1条に規定する学校としておりまして、義務教育が終わった後の15歳以上の年齢層になりますと、高校はこれに該当するのですけれども、専修学校あるいは各種学校に通うお子さんが対象になっていないところでございますが、地方分権改革の自治体さんからの提案の中でも、専修学校等に通う子供も対象とすべきという提案がなされているというような現状がございます。
おめくりいただきまして、3ページも7月28日にお示ししたものと同内容でございますが、こういった様々な現状と課題を踏まえて、障害児通所支援の在り方についてどう考えていくべきかということで、7月28日にも簡単に御議論いただいたところでございます。
その上で、3ページの一番下の米印に書かせていただきましたけれども、この間、障害児通所支援の在り方に関する検討会を開催してきておりまして、途中経過は部会のほうにも御報告をさせていただきましたけれども、こちらの検討会が10月13日に行われまして、そこで報告書の案が議論されております。本日、この後御説明させていただく方向性、こちらの報告書の案でも提案をされている内容でございます。
それでは、4ページ目以降で具体的な内容を御説明させていただければと思います。
まず、4ページは検討の方向性の1番として「制度的な対応について」と書かせていただいております。法制度等について何かしら対応が必要な事項として、まずこの1番でまとめております。
(1)が児童発達支援センターについてでございます。センターについての先ほどのような問題意識も踏まえまして、以下のような機能・役割を担うべきだということを明確化していってはどうかということで、マル1が「幅広い高度な専門性に基づく発達支援・家族支援機能」です。御本人だけではなく、虐待等も含めて要支援・要保護のお子さん方もいらっしゃいますので、そういった御家庭に対する家族支援の機能も含めて、多様な専門職の配置等によって幅広い高度な専門性を確保するという点が1点目でございます。
マル2で「地域の障害児通所支援事業所に対するスーパーバイズ・コンサルテーション機能」を確保するということ。
マル3として「地域のインクルージョン推進の中核としての機能」を具体的には保育所等訪問支援の形を通して果たしていくということ。
マル4でございますが、「地域の障害児の発達支援の入口としての相談機能」。
こういった役割・機能を総合的に果たしていくということを目指して、一番下のところでございますけれども、センターは今後、保育所等訪問とか障害児相談支援事業の指定を併せて有することを原則とする方向で検討していってはどうかという点を書かせていただいております。
続きまして、5ページの○の1つ目でございますが、先ほどの身近な地域で必要な発達支援を受けられるようにするという障害児通所支援の理念をさらに進めていくために、福祉型と医療型に関しては一元化する方向として、全てのセンターが障害種別を問わずに、支援を行っていくこととしてはどうかという点を書かせていただいております。
次に(2)の放課後等デイサービスについてでございますが、放課後等デイサービスの対象範囲について、下線の箇所でございますけれども、専修学校・各種学校へ通学しておられる障害児の場合であっても、障害の状態、発達段階、家庭環境等の状況を見て、学校修了後等に自立的に過ごすことが難しい。発達支援を特に必要とする者として市町村長が個別に認める場合については、放課後等デイサービスの対象とする方向を検討してはどうかということでございます。その際には、相談支援の関与の必要性とか、発達支援の必要性の判断のためのアセスメントの指標等を併せて検討していくことが必要ではないかという点を書かせていただいております。
続きまして、6ページ以降が次の報酬改定等に向けた検討課題でございます。
まず(1)でございますけれども、児童発達支援事業の役割・機能・在り方として、○の1つ目でございますけれども、児童発達支援の4つの役割を規定した上で、4つの中の1つ、一番重要な1つである本人支援に関しては、従来、「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」という5つの領域をガイドラインでも定めておりまして、こういった総合的な支援を定めてきた一方で、現状を見ますと一部の領域に特化した支援が行われているケースもあるという点に鑑みまして、○の2つ目でございますけれども、児童発達支援の在り方としては、5領域全体をカバーした上で、特に重点を置くべき支援内容、日々の状態等を見ながら決めていく総合支援型を基本とする方向で検討してはどうか。
その上で、特定領域のプログラムに特化した支援のみを行う場合は、専門性の高い有効な発達支援に関しては、特定プログラム特化型として位置づける方向で検討していってはどうかという方向性を議論してきております。
○の一番下でございますけれども、一方で、この間、例えば学習塾さんが出店されておられるケースもありますけれども、完全に学習塾用になっている場合とか、ピアノや絵画のみの指導になっているとか、必ずしも専門性の高い有効な発達支援と判断ができない場合、また、そのサービス提供内容から見て、障害のあるお子さんの場合、私費で負担している実態にあるような内容等について、公費で負担すべき内容かどうかという点を今後しっかりと検討していってはどうかという点を書かせていただいております。
続きまして、7ページでございますけれども、○の1つ目ですが、障害児の生活の主軸が児童発達支援にある場合と保育所・幼稚園等にある場合で、おのずと1日当たりの支援時間が相当異なっているという点。また、障害のあるお子さんに対して発達支援を行うためのサービスが児童発達支援でございますけれども、同時に、お子さんの障害の有無にかかわらず親が就労を続けていける社会を目指す観点からも、就労に伴う支援時間が長くならざるを得ないお子さんが必要な発達支援を受けられるようにすることが必要だと。こういった2つの観点を踏まえて、支援時間の長短について適切に評価されるように、検討をしていってはどうかという点でございます。
次の(2)放課後等デイサービスでございますが、○に書かせていただいたのは、放課後等デイサービスのガイドラインについて、必ずしも本人支援の内容が十分でない面もあるので、ガイドラインの見直しをしていく。その際は、放課後等デイサービスの対象が学童期、思春期であるという点も踏まえて、自己肯定感とか孤立の防止等の重要な要素を盛り込んでいく方向で考えてはどうか。
また、放課後等デイサービスは非常に幅広い年齢のお子さんが利用するものでございますので、基本的に小学校の低学年、高学年、また中学校、高校といった4段階に分けて検討していってはどうかという視点を書かせていただいております。
続きまして、8ページの○の1つ目、総合支援型を基本とするという点とか、○の2つ目の特定プログラム特化型についての御議論は先ほどの児童発達支援と共通のものでございます。
一番下の○のインクルージョンの推進についてですが、インクルージョンの推進を地域の中で図っていく際の役割分担、連携体制の問題として、黒ポツの1つ目でございますけれども、まず、児童発達支援センターが地域全体の一般施策側の後方支援を進めていく。
黒ポツの2つ目でございますけれども、児童発達支援・放課後等デイサービスの個々の事業所は、自分のところに通所している個々のお子さんについて、状態とか希望を踏まえながら移行支援を行っていくという役割分担で進めていってはどうかという点を書かせていただいております。
続きまして、9ページの○の1つ目でございますけれども、児童発達支援や放課後等デイサービスにおける保護者の意向の把握から保育所等への定着支援にかかるインクルージョンの推進の一連のプロセスについて、標準的なものはこれまで示してきておりませんので、効果的な標準的な手法をまとめた上で、必要なプロセスに伴う適切な評価の在り方を検討していってはどうかという点を書かせていただいております。
続きまして、保育所等訪問支援について、○の3つ目でございます。
保育所等訪問支援においては手引書を示しておるのですけれども、実際の取り組み方に相当差が生じている部分もあるという点がございまして、○の2つ目でございますが、こういった個々の支援対象とか時期、具体的な支援方法等の違いによる差異をきっちりと把握した上で、改めて適切な評価の在り方を検討していってはどうかという点を書かせていただいております。
おめくりいただきまして、10ページ目でございます。○の2つ目でございますが、児童発達支援・放課後等デイサービスにおける障害児以外のお子さんとの一体的な支援についてでございます。
例えば児童発達支援と保育所が同じ建物の中にある場合とか近隣にある場合であったとしても、従来ですと児童指導員、保育士に専従規定がそれぞれかかっておりますので、支援者側もお子さんも、両方混ざって交流しながら活動するというのが解釈上難しかったところがございますが、子供が一緒に過ごす時間をもって、それぞれの人員基準以上の保育士が混合して支援を行うことが可能となるような方向で検討していってはどうかという点を挙げております。
続きまして、(4)障害児通所支援の給付決定の在り方でございます。こちらについて、5領域11項目の現行の調査に先ほどのような課題がある点も踏まえまして、現在、推進事業を行って、介助の有無とか行動上の課題のみならず、個々のお子さんに特に必要とされる発達支援の内容について把握することができる指標を調査研究していっておりますので、今後、これに基づいての検討を深めていってはどうかという点でございます。
11ページの○の1つ目ですが、こうした今後開発されることになる新しい指標を基に適切な給付決定が行われるように、給付決定のプロセスを見直していってはどうか。その際は、先ほど触れたような特定プログラム型の支援に関しては、特定領域だけでなく全体的な発達支援の必要性が十分勘案できるように、児童発達支援センターとか相談支援事業所が適切にアセスメントを行う方向で給付決定のプロセスに組み込んでいってはどうかという点を挙げております。
(5)事業所指定の在り方でございます。事業所指定の在り方に関しましては、できる限り地域偏在とかサービス不足、過剰をなくしていくという考え方が重要でございますので、保護者が自宅から容易に移動することができる地域という、より狭い圏域での必要量を見込んでいく方向が1つと。
あと、一番下の辺りに書かせていただいておりますけれども、重症心身障害、医療的ケア等の支援が行き届きにくいニーズについて、児発は児発でまとめるのではなく、児発の中でも例えば重心児、医ケア児という形でそのニーズを個別に十分見込んで整備を促していく方向で検討していってはどうかという点を挙げております。
続きまして、12ページでございますけれども、「(6)その他(支援の質の向上等)」としまして、1つ目は自己評価・保護者評価について、最低限必要な評価票の内容についての標準化を今後目指していくという点が1つ。
一番下の○は、児童発達支援センターがそれぞれのその地域内の各事業所について、評価の結果の集約とか、それぞれの事業所の強み・弱みを一緒に分析して、地域の事業所がお互いの効果的な取組を学び合いながらやっていくような方向性を今後目指していってはどうかという点を書かせていただいております。
資料の御説明は以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局の説明につきまして、御意見、御質問をいただきたいと思います。
確認ですが、ただいまの御説明は検討会の意見を踏まえた内容になっているということでよろしいですね。
○河村障害児・発達障害者支援室長 はい。
○菊池部会長 そういうことでございます。
それでは、挙手をお願いしたく思います。
本日も対面とオンライン併用ですけれども、いつも私は孤立を感じていますが、今日は比較的会場にお見えの方がいらして、ちょっと寂しくないなと感じております。
それでは、まず会場から参ります。いかがでしょうか。
小﨑委員、お願いします。
○小﨑委員 全国肢体不自由児施設運営協議会の小﨑でございます。
3点ございます。
1つ目は資料の4ページで、児童発達支援センターが地域における中核的な支援施設として、ページの真ん中辺に示すようなマル1からマル4の機能を担うべきであるという提案には賛成です。ほかの施設への支援機能を持たせる意味で、保育所等訪問支援や障害児相談支援事業を原則併設するという提案も合理的かと思います。人材確保の問題は残るのではないかということで、地域の状況によっては複数の地域が合同でセンター機能を有する施設を指定するということも考慮することが必要かと考えます。
2つ目は5ページの最初の○ですが、児童発達支援について福祉型と医療型の区別を撤廃するという方向性について、総論としてはいいと考えますが、利用者の安全確保という視点からは、例えば自力移動が困難な利用児童と、多動で危険認識が希薄な利用児を同時に安全に受け入れるような方法については、個々の事業所の工夫に委ねるのではなくて、人員体制や設備などについてできれば一定の基準のようなものをつくり、それを確保できるような報酬を考える必要があるのではないかと考えます。
3つ目は6ページで、児童発達支援の基本的な在り方として5領域全体をカバーすることを基本にするということに賛成します。特定プログラム特化型という形については、総合支援型の支援内容に加えて、特定の発達支援に上乗せをして力を入れるという方向性も施設としてはあり得るのではないかと思います。これは施設としての言わば売りにもつながるということだと思いますが、上乗せする支援については資料の最後のほうでいろいろと提案されています相談支援の中できちんとした事前評価を行い、個々のお子さんへの必要性を明確にした上で対応していけば、報酬構造の上での透明性を維持できるのではないかと考えます。
3番目の○に関する特定領域のみの支援に特化した事業所というものについては、先ほどの相談支援における評価を裏づけにすることができれば公費による支援もあり得るとは思いますが、特に低年齢の児童の場合については、総合的な支援の視点は外すわけにいかないと思いますし、こういった考え方はその後の放デイに関しても同じような考え方が必要ではないかと思います。
以上になります。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、丹羽委員、お願いします。
○丹羽委員 全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。
私のほうからは、まず資料の4ページ、児童発達支援センターに保育所等訪問支援や障害児相談支援としての指定を併せて有することを原則とする方向でと書いてありますけれども、保育所等訪問支援についてはよいかと思いますが、障害児相談支援については、障害児相談支援自体にたしか基本相談というものが位置づいていなくて、むしろ児童発達支援センターが行う障害児への相談支援は、この基本相談の部分であるべきであると考えます。障害児相談支援事業については、障害児支援利用計画を策定することを前提としていますので、こちらについては、既存の地域の指定特定相談支援事業所に働きかけたり、障害児相談支援事業所のスーパーバイズやコンサルテーションを行うなどをして、例えば基幹相談支援センターと連携をして、その地域の障害児への相談支援のコンサルテーションやスーパーバイズという役割に特化した相談支援にすべきであると考えます。個別の給付としての障害児相談支援を児童発達支援センターが行うということの意味があまり見いだせないかと感じました。
続いて、専修学校等を放課後等デイサービスの利用対象にするという件についても、基本的に、利用できるようにするということは反対しませんけれども、そもそも地域の学校等を利用している方が改めて障害児のサービスを使うということがファーストチョイスにならないように、例えば個別のサービス、障害福祉のサービスを使うことや、地域のいろいろなサークル活動等に参画できるような試みがあった上で、それでもかつ放課後等デイサービスを利用するということは必要になるかもしれません。ただ、ここでも大切になるのは相談支援の役割なのかなと感じます。
高校生、18歳のかなり高い年齢まで預かりの場を利用していくと、結局は学校を卒業した後に、社会に出た後もアフターファイブの時間を誰かに預かってほしいというような親の願いが先行してしまって、結局御本人からすればどこかに預かられる存在からの変容がされなくて、18歳に近くなってからは、障害児であっても個人の生活にターゲットが当たったサービスが組み立てられるべきであると考えます。
続いて、8ページ目にインクルージョンの推進について書かれていますけれども、最後のポツに、個々の障害児についての状態や希望を踏まえながら移行支援を行っていくとなっていますが、そもそもこれではインクルージョンではなくて、インテグレーションではないのかという疑問を持ちます。インクルージョンというのは、そもそも地域の中に障害児もそうでない子も外国人の子もいろいろな子がいる中での受入れやサポート体制を考えることであると思いますので、初めから移行支援ということが出ているというところにちょっと違和感を覚えます。かつ、併行通園等の事例提供・提案や実現というのは、誰が誰に対して行うのかというのが不明確だと思います。児童発達支援や放課後等デイサービスが個別に学童保育や保育園等にそういう移行支援を行うというのはなかなか難しくて、ここにも基本的には相談支援が介在をするということが明確にされていないと、個別でやるというのはなかなか難しいのではないかと思います。
最後に10ページ目、2つ目の括弧の障害児以外の児との一体的な支援という部分については賛成をいたします。とにかく個別の支援を中心に物事を考えていくと、その地域の仕組みとしてのインクルージョンのところがなかなか進んでいかないと感じる部分がありますので、児童発達支援センターを中心に据えていくのであれば、本当に陰ひなたの地域の中を開発していくような役割として位置づける必要があろうかと思います。
長くなりましたが、以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、石橋参考人、お願いいたします。
○石橋参考人 全日本ろうあ連盟の石橋でございます。発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
私は意見を2つほど申し上げます。
まず、通所支援の中で児童発達支援事業と放課後等デイサービスについて、今回の御説明がありました5領域支援、特に「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」という枠組みですが、実際に障害を持つ子供たちは非常に多くの多様性を有しております。また、個性も豊かに多様性があるということ。例えば聞こえないだけの子供たち、見えないと聞こえないを両方併せ持った子供たち、知的障害を持つ中で聞こえない、あらゆる多様性のある子供たちがおります。当然それぞれのコミュニケーション手段も異なります。手話言語を用いるコミュニケーション手段もあり、触手話を使ったコミュニケーション手段もあり、専門性の高い支援が当然必要になってくるわけです。
そういうことを考えますと、これまで視覚・聴覚障害を持つ支援体制は特別加算がないという状況にありました。専門性が高い支援のニーズの中で、特別加算がないということを少し検討しなければならない。個人に特化した充実したコミュニケーション、支援を行うということは、やはり視覚・聴覚支援の特別加算体制が必要ではないかと考えております。これが1点目です。
2点目は、今回、難聴児の早期支援に向けて、児童指導員等の加配に対する資格の問題、手話通訳士とか手話通訳者という者が追加される案が出されました。これだけではないと思います。社会性あるいは人間関係を築くためには、聾当事者同士、つまりロールモデルという存在が不可欠となります。その中で、子供たちがロールモデルを見ながら、発達していく。手話の世界にも接し、コミュニケーションも充実していくという形になるわけですから、手話通訳士、手話通訳者に限定するのではなく、手話言語を支援するという視点を幅広く捉えていただき、当事者も含めるということで、ぜひ御検討をよろしくお願いします。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
会場では、ほかにはよろしいですか。
それでは、オンラインに参ります。先ほど一部音声の状況がよろしくなかったようですが、前段部分で、前回も御提示申し上げた資料の部分でトラブルがあったようで、その後復旧したようですので、特段実害はないかと考えてございます。
それでは、白江委員からお願いします。
○白江委員 ありがとうございます。全国身体障害者施設協議会の白江と申します。私からは、3点申し上げたいと思います。
まず1点目ですが、今回は4ページから12ページまで非常に多岐にわたっていまして、基本的な方向性としては賛成でございます。異論はありません。ただ、今も御発言が多々ありましたように、細部の詰めの段階ではしっかりした議論ができるような、丁寧な進め方をぜひお願いしたい。そういう前提で賛成ということでございます。
2点目ですけれども、私どもは保育園等を運営していたりとか、地域生活支援拠点の委託を受けたりということで、児童発達、放課後等デイの方々ともよく接する機会があるのですが、その中で最近、この2つの事業を同じ事業所が指定を受けて運営されているという例が増えているように思います。今回も総合型、特化型と言っていいのでしょうか。そういった形で整理されているわけですけれども、この連続した取組も今後しっかり検証をして、そういった在り方もあっていいのかなと感じておりまして、実態を見ているとインクルーシブな取組なども結構進んでいるような印象を持っておりますので、今後ぜひ検討していただきたいというのが2点目です。
3点目、今回の方向性等にはなかったのですけれども、医療的ケア児のことで1点だけ申し上げたいと思います。そもそも医療的ケア児の問題というのは1990年代にスタートしていて、その途中、大人の問題になったりして見えにくくなってきたのですが、今回法律ができて、ようやく日の目が当たって、形が少しできたなと思っているのです。要は児と大人とが連続しているわけですが、大人のほうは制度的に非常に定義も曖昧な状況にあります。この辺も今後一体的に議論をしていく必要があるということで、今回の方向性のテーマとは少し違うのですけれども、ぜひ今後議論をお願いしたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、小林委員、お願いします。
○小林委員 日本発達障害ネットワークの小林です。
今回の障害児支援についての検討の方向性について、また、障害児通所支援の在り方に関する検討会の報告書の内容については、おおむね賛同いたします。
報告書に基づいて、以下の4つの点について、今後留意すべき点だと思われることについて述べさせていただきます。
1つ目ですが、児童発達支援・放課後等デイサービスにおいて用いられる適応訓練の文言について検討を深めるとされており、このことは子供たちのウェルビーイングという視点からも、また、今後のこれらの役割・機能の在り方を再検討する基本的視点としても、ぜひ早急に、より適切な文言にすべきであると考えております。
2つ目には、今後名称は再検討を要するのかもしれませんが、総合支援型と特定プログラム特化型への新たな位置づけについては、おおむね賛同いたします。
一方で、留意しなければならないこととして以下の点が考えられます。総合支援型として支援を行っていくとしても、個々の子供の状態や発達特性に対する十分なアセスメントが可能なのかどうか。特定プログラム特化型の支援として行っていくにしても、専門性の高い有効な発達支援であるとどのようにして見極めるのかといった課題が生じるものと推察いたします。そのような課題に対応できるように、必要な支援につながるアセスメントがなされること。それから、専門性とは何なのかを慎重に再考していただきたいと考えております。
3つ目には、家族支援に対する報酬等の在り方の再検討も大変重要な視点であると思っております。報告書では、障害受容に直面する保護者への伴走支援の重要性が議論されているようですが、就園・就学時の不適応や思春期における課題など、各ライフステージにおいての保護者への支援も実は出現していることを強調しておきたいと考えております。
最後に、障害児通所支援の外部評価の導入の必要性について、再度意見を述べさせていただきます。障害児通所支援の在り方として、サービスの制度体系の骨格が形づくられて、今後は適切な運営と質の確保が重要となっているのは、誰もが確認しているところだと思います。子供の状態や障害の特性に応じた支援については、既存の第三者評価とは異なる枠組みである外部評価の導入が必要です。この外部評価とは、一定のトレーニングを行った者によって子供本人の行動観察や面談、保護者からの聞き取り、支援者からの聞き取りなどを数時間を有して行って、その後、総合的な評価を行うとともに、支援機関にコンサルテーションを行うというようなものです。このような評価とコンサルテーションが行われることによって質の確保が可能になるものと思われ、外部評価の導入の必要性を最後に強調しておきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
続きまして、井上委員、お願いします。
○井上委員 ありがとうございます。日本知的障害者福祉協会の井上です。
ほかの委員の方がおっしゃったとおり、制度の方向性や目指すべき方向性など、様々な御提案は非常に具体的で、制度政策的にも納得できるような提案をいただいているなということで、基本的にはこういった質の高い議論がほかの分野にも広がればよいというのが一番の感想でございます。そういう面では、本当にいい提案をいただいてありがたいと思っております。
その上で、注意いただきたい点を3点ばかり申し上げたいと思います。1つは児童発達支援センターの福祉型と医療型の件ですが、ほかの委員の方もおっしゃっていましたが、目指すべき方向性としてはいいと思いますけれども、心配なのは、やはり地方においては医療専門職人材の確保という点では非常に課題を抱えているところも多いですので、はたして一体型にしてうまくいくのだろうかという心配があります。その辺はぜひ御配慮いただいた上でこの一体型を進めていただければ、いい方向性に行くのかなという思いでおります。
2つ目は放課後等デイサービスです。これだけ事業所数が拡大しているというのは、恐らくそれだけ多様なニーズがあるのだろうと理解しますので、一定必要な部分かと思いますが、御説明にもありましたが、一律単価という点では非常に課題が多いという印象です。より支援度の高い福祉的な関わりが必要なところに、より多くの報酬なり人が確保できるような仕組みをぜひお願いしたいというのが2点目です。
最後に3点目ですが、全体を眺めさせていただくと、非常に質の高い、専門性の高い人材がそろわないと、この分野はうまくいかないのではないだろうかと思いますので、他の事業も同様だと思いますが、より専門性の高い人材の確保というのが大きな課題ではなかろうかと思います。専門職の資格制度の活用、待遇の問題も含めて御検討いただかないと、なかなか質の高い人材は集まらないだろうと思いますので、このあたりも御検討いただければありがたいと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
続きまして、久保委員、お願いいたします。
○久保委員 ありがとうございます。全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
障害児の通所支援は、障害のある子供が地域で当たり前に育ち、暮らしていくという重要な支援でありますので、より一層の充実を期待したいと思っております。その意味からも、全般的な内容につきましてはおおむね賛成でございます。
児童発達支援センターにつきましては、地域における障害児支援の中核として、障害児相談や保育所等訪問支援などを併設するとともに、地域の児童発達支援・放課後等デイサービスの質が向上するような、言わば地域の障害児支援に関する役割を明確化すべきだと考えております。
また、児童発達支援を福祉型と医療型に区別せずに一元化する方向につきましては、実態を踏まえますと一元化する方向がよいのだろうと考えます。ただし、その場合には、肢体不自由や医療的ケアにより長期継続するリハビリテーションが必要な場合に、医療制度でしっかり担保される必要があると思いますし、また、高度障害で多動な児童と肢体不自由や医療的ケアなど、体位等の確保が必要な児童との過ごし方が随分と違いますので、その辺のところを考慮していく必要があるだろうと思っております。
放課後等デイサービスにつきましては、子供の発達支援や放課後の活動を支援する優れた実践も多いわけでございますけれども、地方で学習塾やカルチャースクールのような事業所も一定の整理は必要と考えております。ただし、整理する場合に、現にそうした事業所を利用している子供たちが不利益にならないような経過措置が必要であると思っております。
また、放課後等デイサービスには、実質的に保護者の就労を支えるという役割も現段階ではありますので、そのことを踏まえて支給決定の在り方も検討する必要があると思っております。
子供の時期からインクルージョンを推進することは非常に重要でありまして、その意味で、保育所等訪問支援の利用が全国で展開されることが重要であると思いますし、そして、児童発達支援・放課後等デイサービスにおきましては、障害の有無に関係なく子供たちが交流できる仕組み、制度を考えていくべきだと考えております。
そして、障害児の支給決定で用いられております5領域11項目の調査は、障害児通所の利用を判断するには少し不十分な点があるのではないかと思っております。個々の障害児に必要とされる発達支援の内容を十分に把握できる指標、言わば子供の障害区分のようなものが開発されていくのがいいのではないかと思っております。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、阿部委員、お願いします。
○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部です。では、お話しさせていただきます。
障害のある子供たち一人一人に応じた発達を支援するということを考えますと、児童発達支援センターの専門的機能を強化して、地域のインクルージョン推進のための中核機関としての役割を果たすということはすごく大事なことだと思います。また、身近な地域でその役割を果たすためにも、御提案のように福祉型と医療型に関して一元化する方向はとても大事なことだと思います。ただし、各委員の御懸念事項もまたとても大事なことですので、検討いただきたいと思います。
さて、今、特別支援学校、特別支援学級、通級などを含めて、障害がある子供たちの教育のニーズが高まっている、利用する児童生徒が数多くなっているということをお聞きしています。そのようなことを考えますと、学校教育を受けている児童生徒に関しては、それぞれの児童生徒の個別的な発達を充実させるためにも、学校教育と福祉領域、この場合は放課後等デイサービスの役割が大きいと思いますので、学校における個別支援計画、教育における個別支援計画、そして放課後等デイサービスの個別支援計画を活用して、併せて御家庭での育ちも含めて、教育領域、福祉領域、家庭での連携が本当に大切だと思います。
そのためにも、学齢期の障害児の発達支援の内容が十分に示されていないと、ただいま指摘がありましたけれども、そのようなことを考えますと、放課後等デイサービスガイドラインの見直しにぜひ取り組んでいただきたいと思います。
また、家庭における課題、保護者の悩みが大きな場合も多々あると思います。そのための相談機能を充実させる必要があると思います。以前私は特別支援学校相談員をさせていただいた経験があるのですけれども、特にお母さんの孤立というか悩みが大きい。家庭での悩み、地域での悩み、その他関係機関との関わりなどで、お一人で悩んでいる方がとても多くあったことが実感されました。このようなことを考えますと、障害児教育の場においても社会福祉士や精神保健福祉士、または臨床心理士の資格も併せ持つスクールソーシャルワーカー、専門性のある人の配置がぜひ必要だと思います。そういうことを考えると、今回の検討に教育関係の方がいらっしゃらないのは残念に思いました。
そのようなことも含めて、学校教育、障害児教育の場に福祉的専門性のある人が配置されることというのは、福祉領域と教育領域のさらなる連携、繰り返しになりますけれども家庭生活を含めて総合的に一人一人の発達支援を行うことになることだと思いますので、とても大事だと思います。特別支援教育における検討の場においても、スクールソーシャルワーカーの配置などについて、機会があればこれからも主張し続けたいと思いました。
以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、櫻木委員、お願いします。
○櫻木委員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。
今回の検討の方向性の中で、事業所指定の在り方ということに触れられました。以前私は、障害福祉サービス全体から見れば、まだ需要にサービス供給が追いついていないと言えるのではないか。そういった段階の中では総量規制を検討するのはまだ早いのではないかというお話をさせていただきました。
今回、供給量が充足してきているサービス、例示としては放課後等デイサービスを挙げられておりましたけれども、そういったサービスに関して言えば、総量規制というよりは、今までの量的な整備から質的な整備に転換していくという考え方が必要ではないかと考えます。専門性を含めた質の担保というような内容です。
そういった観点に立てば、障害福祉サービスというのは、医療保険サービスや介護保険サービスに比べて事業参入のハードルが低いように感じます。小さくとも専門性を持った事業所が採算面でも排除されないというメリハリの利いた改定が今回は必要ではないかと考えております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、沼田参考人、お願いします。
○沼田参考人 日本看護協会の沼田です。どうぞよろしくお願いいたします。
まず6ページについて、1点質問でございます。5領域の支援をカバーした上で総合支援型を基本型とし、それを踏まえて理学療法、作業療法、言語療法等による専門性の高い有効な発達支援には特定プログラム特化型を位置づけるとありましたが、この仕組みについて、どのような形を想定しているのかをお教えいただきたいと思います。
どの障害児にも総合的な支援の視点は必要だと思いますので、総合的な支援の上に特定プログラム特化型が上乗せされているものなのか、それとも総合型支援と特定プログラムは併行になっているものなのかということについてお伺いしたいと思いました。
もう一点は意見でございます。9ページの児童発達支援事業や放課後等デイサービスにおけるインクルージョンの推進においては、各施設では、施設内の環境整備や施設の目標やビジョンを職員と共有する等、インクルージョンの普及に向けた考えや教育が必要だと考えます。そのためには施設の管理責任者が、施設運営や職員のマネジメントを適切に実施できるということで、管理者の教育も併せて必要ではないかと考えます。
以上でございます。ありがとうございました。
○菊池部会長 1点目につきまして、事務局からいかがでしょうか。
○河村障害児・発達障害者支援室長 6ページの総合支援型の特定プログラム特化型の組合せのイメージでございますけれども、全ての障害のあるお子さんに対して、基本的に5領域全体の発達支援がいろいろとバランスを取られながら、しかも発達の段階によってもいろいろとウエートを置くべきところが変わりながらの支援が行われるべきだという基本的な考え方の下に、ベースとして総合支援型の事業所で日々その支援を受けておられる場合は、もちろんそこの事業所で完結することもあるのだと思いますけれども、ここで言っております特定プログラム特化型、事業所として例えば「人間関係・社会性」のところに特化したトレーニングをやっているというような場合があるとしますと、そこだけに行ってしまいますと一部の領域に偏ってしまうので、そういった事業所を御利用になる場合は、基本的に相談支援やアセスメントを行って、お子さんの全体の発達支援の必要性を把握した上で、例えば複数の特定プログラム特化型の御利用を組み合わせる場合とか、ベースとしては総合支援型のところに例えば週に2回行くのだけれども、月2回特定プログラムのところの利用を組み合わせるといったようなことをアセスメントに基づいて相談がかんでやっていくというような方向性で御議論いただいております。
ただ、例えばどの類型が特定プログラム特化型として認められるのかとか、そういった組合せの考え方等について今後、委員の皆様方の議論もお伺いしながら、よく詰めていきたいと思っております。
以上でございます。
○菊池部会長 沼田参考人、よろしいでしょうか。
○沼田参考人 ありがとうございました。承知いたしました。
○菊池部会長 続きまして、菊本委員、お願いします。
○菊本委員 ありがとうございます。日本相談支援専門員協会の菊本でございます。よろしくお願いいたします。
私からは2点ほどお話をさせていただければと思っています。
まず、全体的にこれだけ多様なというか御指摘、それから御意見をまとめていただきまして、本当にお疲れさまでございました。ありがとうございました。ただ、少し注意というか留意がある点について2つほどお話をさせていただければと思います。
1点目は、4ページ目にございます児童発達支援センターが保育所等訪問支援と障害児相談支援の指定を併せて有するというところを原則としてはどうかという方向については、これについても賛同する点ではあるのですけれども、注意が必要なのは、これを行うことによって全て1つの事業所で抱え込むことにならないように留意が必要ではないかと思っておりますので、その点を踏まえて議論を進めていただければと思います。
また、相談支援を障害児単体で考えるのではなく、いずれは学齢期、児童期から成人期に移行していくわけでございますので、ぜひ成人期へのつなぎも意識した相談体制の議論につながっていくような意見というか指摘をこの後、検討していただいて、進めていただければありがたいなというところでございます。
それから、もう一点でございますけれども、仮称でございますけれども6ページ目に特定プログラム特化型が出てきておりますので、これについても1点述べさせていただきます。
これについては、発達支援の専門性の高いスタッフを確保するというのは今、現場レベルで非常に困難な状況でございます。ですので、もしかするとその地域によっては専門性の高い職員をあちこちで引っ張り回すということもあったり、確保するために相当御苦労があるのではないかと思います。これについては、こういったプログラムを推進していくということは賛成でありますけれども、少し柔軟性、弾力性を持った指定基準にしていっていただければいいかなと。具体的には障害児の個別支援計画等々に反映をさせていただきながら、週単位の時間だとか、週単位の日数とか、そういう形でも指定が取れるような形で、ぜひ弾力的な方向で検討していただければありがたいかなと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、江澤委員、お願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。
検討の方向性については全体的に賛成でございます。
先ほどから複数の委員もおっしゃっております児童発達支援の福祉型と医療型の一元化については賛成でありますが、在宅医療との連携も含めて、医療的なケアあるいはリハビリテーションの提供等の対応には十分慎重に配慮を願いたいと思っております。
また、放課後等デイサービスについても、個別のアセスメントの充実によりサービスの質を高め、機能と役割に応じた報酬体系も一方策ではないかと思っています。
全体的に検討の方向性の内容が、法改正を含むものから非常に幅広く多岐にわたっておりますので、各地域の実情に応じて、優先順位をもって行っていく必要があるとも思っております。また、その際には、調査等によって実態をより把握し、根拠となるデータをできる限り収集して、それを基に検討していく必要があるのでないかと併せて思っております。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
続きまして、藤井委員、お願いいたします。
○藤井委員 ありがとうございます。国立精神・神経医療研究センターの藤井でございます。
支援の全体的な方向性につきましては、各委員の皆様方と同様に、賛成でございます。
私のほうからは、放課後等デイサービスの特定プログラム特化型というところで少し意見を述べさせていただきたいと思います。
先ほど沼田参考人もおっしゃっていたと思うのですけれども、総合支援型と特定プログラム特化型をどのように使い分けるかというか、どのような関係性なのかというのが私も気になったところでして、先ほど事務局からのお答えもございましたけれども、もし複数の事業所を使うことになった場合、事業所間の連携をすることの意義もあると思うのですが、サービスを利用している利用者の方が混乱しないように配慮する必要があるのかなと考えます。ですので、特定プログラム特化型と総合支援型が一体化したような事業所であるとか、様々な柔軟な方向性も検討に入れていただければと考える次第です。
特定プログラム特化型ですが、これもたしか小林委員から御指摘があったと思うのですけれども、本当にそれが専門性の高いサービスなのかを見極めるポイントは非常に難しいところで、このようなプログラムを考えていくときには、同時に評価のポイントを考えていく必要があると思います。どのようなプログラムを特定プログラム特化型と呼ぶのかということに関しては、評価のあり方も踏まえて慎重に御議論いただければなと思います。
特定プログラム特化型に関しては、全体的な方向性には賛成なのですが、プログラムのみというか、プログラムをベースに機能分化していくことの懸念もあります。プログラムに乗ってくるお子さんもいらっしゃると思うのですけれども、集団プログラムだとなかなか対応が難しくて、実際には1対1またはごく少数の児に対して個別支援を行っている事業所も相当数あるときいています。子どもの状態によっては、アセスメントだけではなく、支援の段階でも個別支援をしっかり入れられるような体制が必要だと思います。そのような個別支援ができる人員配置という観点からの機能分化に関しても併せて考えていく必要があるのかなと思いました。
個別支援に関しては、お子さんのフェーズによっても利用の必要性が変わってくるかと思います。例えば移行の時期、成人になるときなどは特にきめ細やかな対応が必要な時期かと思いますので、利用者さんのフェーズに合わせて必要に応じた個別支援が組み合わせられるような仕組みも検討いただければと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、陶山委員、お願いします。
○陶山委員 日本難病・疾病団体協議会の陶山です。
私のほうからは2点の意見と提案を1つさせていただきたいと思います。
まず、皆さんも何度も言われておりましたけれども、検討の方向性の5ページの1つ目の○で福祉型と医療型を区別せずに一元化する方向に関しましては、インクルージョンの推進からも方向性としては賛成するのですけれども、ただ、設置基準をどのようにするのかとか、スタッフについて、例えば医療職を入れてでないと開設できないようになるのかなどと考えますと、この先どうなっていくのかというのと、あと、スタッフの配置基準に関しましては、専門職の配置はもちろんですけれども、ピアサポートとか障害児を育てた経験のある保護者などの採用も視野に入れた検討をお願いしたいと思います。
先ほど阿部委員も言われていましたけれども、13ページの障害児通所支援の在り方に関する検討会の委員の中に、学校教育に関わる人が入っていません。放課後等デイサービスや学童保育など、学校との連携は不可欠であり、学校の現状を検討会の中に入れるべきではないでしょうか。特に普通学級で過ごしている障害児や地域の学校に通えている障害児もたくさんいます。放課後も可能な限り地域や学校で学んで、遊んで、育ち合うという基本を検討していただきたいと思います。
提案としましては、10ページの1つ目の○の保育所等訪問支援についてなのですけれども、私も仕事柄、ちょうど先日、保育園の訪問のときに一緒についていきました。例えば1回目の訪問ではストラテジーシートなどを使って専門的な目線で見たアドバイスを行うのですけれども、そこで終わりではなく、次回のときまでに出された支援策を実施して、評価をするということが重要ではないか。そのために、1回で終わることなく、2回以上の訪問を計画していただきたいということと、終了の期間に関しては、相談件数が本当にたくさんありますので、この多さから判断して、おおよそ1年ぐらいが妥当ではないかと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
教育関係者を入れてほしかったという点に関しては、入れるとなると文部科学省との事前調整が必要になってくる話ですけれども、少なくともこれがまとまっていく中で、文部科学省とも情報を共有していただくということは可能ですよね。
事務局のほうからお願いします。
○河村障害児・発達障害者支援室長 御説明が不足しておりまして恐縮です。
検討会自体は文部科学省の特別支援教育課に毎回オブザーバーで入っていただいて、ほかにも保育課などの関係課に入ってもらった上で、有識者の方ですと、この検討会のほうの菊池先生が特別支援教育の関係を検討されている方ですので、本日の資料1のほうは省略してしまっておるのですけれども、特に放課後等デイサービスに関しては、学校教育との連携について、一定の内容を運営基準に盛り込んでいくようなことは報告書の中には盛り込ませていただいたところでございます。
座長からも御指摘いただいたとおり、今後もよく文部科学省と連携を図ってまいりたいと思います。
○菊池部会長 そういうことでございます。
すみません。私も委員の人選や御専門についてまで把握しておりませんでした。失礼いたしました。
引き続き連携していただくと同時に、ひょっとして教育の視点が内容に十分反映されていないのではないかという御指摘であれば、それは内容とか実質的な連携にも関わってくるので、その点も今後、必要に応じて御説明をいただければと思いますので、各委員の皆さんにも御説明いただきたいと思います。
皆さんのほうからも、個別に何かどうなのかというような気になる点があれば、事務局のほうにお寄せいただければと思います。ありがとうございます。
それでは、竹下委員、お願いいたします。
○竹下委員 日本視覚障害者団体連合の竹下から、大きくは2点について意見を述べさせていただきます。
1点目は8ページ、2の「(3)インクルージョンの推進について」ですけれども、ここでインクルージョンというのはどういう内容あるいは定義で推進しようとしているのか、どういう目標をもってインクルージョンの推進としているのかが全く示されていないので、非常に強い疑問を持っています。
それを前提にですけれども、まず1点目の黒ポツで、児童発達支援センターが保育所などの求めに応じて後方支援をするということですけれども、単純に後方支援をすることが本当にインクルージョンにつながるのかという強い疑問を持っています。少なくとも一般保育所に通っている障害児の子たちが十分な保育を一般保育所で受けることができる支援というものを、もっと積極的に後方支援というよりも継続的な、あるいは職員に対する指導も含めた支援がなければ、本当の意味での保育所におけるインクルージョンを前提とした障害児の保育として成り立たないのではないかと思っております。
さらに黒ポツの2つ目で、今度は通所している施設に対する発達支援センターの支援としてのインクルージョンとは何を指すのかということもよく分からなくて、これを読んでいると、併行通園に持っていくことがインクルージョンと位置づけているのかなと一つ読み取れるのです。それは一つの形としては否定しませんけれども、もう少し通園施設に現に通っているお子さんにとってのインクルージョンな支援とはどのような形かというものを、単に併行通園にとどまるものではないということを含めて、きちんとインクルージョンの内容を豊富なものにしていただきたい。
とりわけ、デイサービスに対してインクルージョンというのは、僕は全く理解できないのです。現実に障害児の放課後等デイに通っている人たちに、発達支援センターが支援をして、インクルージョン云々というのは、ここでは中身が全く示されてもいないし、見えてこないし、理解もできない。具体的にそれは何を意味するか、もう少しどこかできちんと示していただきたいというのは、2の(3)で気になることです。
次に12ページの2の(6)その他で、評価の問題ですけれども、自己評価及び保護者評価は当然大事ですが、どなたかがおっしゃったように、第三者評価ということが必ず組合せとして必要だと思っています。とりわけ、保護者による評価というものがより理性的にされるように、すなわち利用している施設に束縛されないで保護者が評価できる仕組みはどうすればいいのかも考えていただきたい。その上で、第三者評価もできれば組み合わせた上で、その評価した内容がどのように改善に結びつくかという仕組みも併せて検討いただきたい。とりわけ気になるのは、医療ケアを必要とする児童については、地域によっては放課後等デイなどの数が少ないために、選択ができる状況が存在しません。それだけに、自己評価であれ、保護者評価であれ、そのことが行政等による指導助言と結びついていないと、この評価というものが役立たないというか、大きな意味を果たさないと思うので、その点の仕組みも併せて御検討いただきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
インクルージョンについては、先ほども捉え方とか、組み込み方とか、今も御指摘がありました。これに関して、事務局から何かコメントいただけますでしょうか。
○河村障害児・発達障害者支援室長 御指摘ありがとうございます。
ほかの委員からも御指摘いただきましたけれども、資料1が非常に多岐にわたる内容をかなり圧縮して物すごく簡単に省略をしてしまっておりますので、改めて竹下委員の御指摘を踏まえて、確かに前提となる考え方とかを全然書けていないということに気づいた次第でございます。
インクルージョンの障害児通所支援における考え方自体は、報告書の本体のほうですと、22ページ等において障害支援の基本理念として地域社会での包摂の推進と合理的配慮として、障害のある子供の支援に当たって、移行支援を含めて可能な限り地域の保育・教育の支援がともに受けられるようにしていく。あと、同年代の子供との仲間づくりを図っていくことが求められているというような基本的な考え方、ほかにも省略してしまっておりますけれども、書かせていただいた上で、竹下委員のほうからも御指摘がありましたけれども、まず、児童発達支援センターが果たす保育所等の地域に対する後方支援の在り方として、まさに委員御指摘のとおり、実際に保育所で障害のある子さんがほかのお子さんと一緒に過ごしていく中で、お子さん自体に対する支援ももちろんでございますけれども、保育所等訪問の形で、保育園のその保育士さん等に対して継続的に支援をしていくということが、まさにここで言っている後方支援でございます。
その上で障害児通所の個々の事業所において、正直申し上げて今の状況ですと、まず併行通園を希望されるお子さんと御家庭があったとしても、そこに対する支援自体が制度の枠組みとしてなくて、プロセスも一定現場任せになっている中で、そこ自体にまず手をつけて進めていこうというところが今の状況でございます。委員のほうからも御指摘がありましたが、それは1つの形ではあるけれども、それが全てではないというのはおっしゃるとおりかと思います。
放デイに関しても、クラブのほうに行きたいであるとか、その地域のもっと別の場に行きたいということがあったときに、それを少しずつ行けるように支援するということ自体、これから標準的なやり方を示して、その評価も行った上で進めていこうという状況でございますので、そこから先の課題もまだたくさんあるかと思っております。
事務局のほうからは以上でございます。
○菊池部会長 竹下委員、何かありますか。
○竹下委員 今日はこれで結構でございます。ありがとうございました。
本体の報告書も見ながら、また考えてみたいと思います。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
報告書はいろいろな人に読まれるものですので、そのときに誤解なきよう、丁寧に書き込んでいく必要があると思います。ありがとうございます。
それでは、岡田委員、お願いします。
○岡田委員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
私からは1点、何人かの委員の方からもお話がありましたけれども家族支援の重要性ということで、子供はその成長とともに様々な課題と直面します。障害がある子供であればなおさらだと思います。親の立場への支援はもちろんのこと、障害のある子供と共に育つ兄弟の立場への支援もとても重要です。障害がある子供自身の健やかな育ちのためにはもちろんのこと、虐待防止の観点のみならず、家族構成員の一人一人がその人らしく生きていくためにも、家族支援はとても重要だと考えております。特定の1つの機関で担えばよいというものではなくて、様々な機関、様々な場面での重要な役割の視点としてきちんと位置づけていただく必要があると思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
これで一通り御意見を賜りましたが、何か追加でございますでしょうか。
それでは、会場から飯山参考人、お願いします。
○飯山参考人 ありがとうございます。日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の飯山です。
私は精神の当事者でございます。ピアサポートに仕事として従事しております。
7ページなのですけれども、放課後等デイサービスの役割・機能・在り方についてというところで、特に学童期、思春期ということで発達支援、重要な要素としての自己肯定感、達成感、仲間形成、孤立の防止、ここは当事者、私自身からすると非常に大事なところかと思います。
発達過程にある学童期、思春期ということで、障害そのものは変わらないかもしれませんけれども、人間全体としての成長は必ずあるだろうなと思いますし、可能性がそこにあるというところの視点が私としては非常に大事なところかなと思いました。
以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ほかにないようでしたら、この議題についてはこの辺で締めさせていただきます。様々な御指摘、そして御意見を賜りましたが、大きな方向性についてはおおむね御賛同いただけたように思います。
様々な御意見をいただきましたし、詰めに当たっては丁寧な議論をというような御意見もございましたので、事務局におかれましては今日の御意見も踏まえて、丁寧にまとめに向けての作業をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
続きまして2つ目の議題、資料2につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○河村障害児・発達障害者支援室長 ありがとうございます。
続きまして、資料2のほうで、いわゆる過齢児の移行に関する課題について御説明をさせていただきます。
資料の1ページ目と2ページ目は7月28日にもお出しさせていただいた資料と基本的に同じでございまして、ごくかいつまんで現状と課題のおさらいをさせていただきたいと思います。
○の1つ目にありますとおり、平成24年施行の児童福祉法改正におきまして、18歳以上の障害者の方については、大人としてふさわしい、より適切な支援を行っていくという観点等から、障害者の大人の政策として対応していこうとなったわけですが、それ以降も、障害児の入所施設にとどまってらっしゃる大人の方々がいらっしゃるという現状がございます。
こういった中で○の4つ目でございますけれども、令和2年2月の障害児入所施設の在り方に関する検討会、こちらの検討会自体は障害児入所施設の在り方全般に関わる報告書でございますけれども、こちらの中で、いわゆる過齢児の問題について、やはり児童の施設の中に大人と子供が混在していくことによって、年齢に合った児童集団の形成が難しい。年に合ったきめ細かい支援体制が難しい。また、大人の方にとっても、成人期にふさわしい暮らしの保障が課題であるという観点が示された上で、今後検討を進めるべきとされたところでございます。
こういった中で、昨年来、部会のほうにも随時御報告をさせていただいておりますが、過齢児に関する移行調整の新たな枠組みを検討していくために、実務者会議を厚生労働省に設けまして、今年の夏まで検討を進めさせていただいたところでございます。
7月28日の部会のときに、こちらの実務者会議の報告の概要について御説明をさせていただきまして、資料としても今回8ページ目と9ページ目に、7月の終わりに御報告させていただいた実務者会議の報告書、その後「案」が取れたものについて添付をさせていただいているところでございます。
こうした中で、2ページの下の「検討事項(論点)」として、黒ポツの1つ目ですけれども、新たな移行調整の枠組みに関する移行調整の責任主体、関係者の役割分担・連携の在り方を踏まえた検討を進めていくという点と、移行準備のために必要な制度について検討を進めていくということでお示しをした上で、前回御議論いただいたところでございます。
このうち7月の終わりに御報告をさせていただいた8ページと9ページの実務者会議の報告に沿って、今回は少し具体化したものを3ページ目以降にお示しさせていただいております。
3ページの一番上が「1.制度的な対応について」ということで、法制度等に関わる点について書かせていただいております。
まず、○の1つ目でございますけれども、障害児入所施設からの円滑な移行の促進のために、都道府県及び政令市の責務として関係者との協議の場を設けて、移行調整、地域資源の整備等に関する総合的な調整を行う。こうした内容を都道府県、政令市の責務として検討していってはどうかという点が1つ目でございます。
○の2点目でございますけれども、現行制度の中では満20歳まで措置または契約の延長が可能な枠組みになっておりますけれども、特別な事情によって移行が難しい方、○の1番として、一定年齢以上の入所のお子さんで移行可能な状況になっていない、検討会の議論の中では、例えば虐待等によって入所されてきたお子さんで、18歳の時点において移行の調整を行うこと自体が御本人の福祉に欠けるような場合があるということ。
また、○の2つ目の例でございますけれども、強度行動障害とか情緒障害等の精神症状が18歳に比較的近くなって顕在化してきて、18歳前後での移行が適切でない、御本人にとって酷だという場合等については、都道府県等の協議の場での判断を経て、22歳満了時まで入所が継続できる方向で制度的な手当を検討してはどうかという点でございます。
2番以降は次の報酬改定に向けた対応ですので、今後の詳細を詰めていくことになります。
○の1点目でございますけれども、今回、15歳頃から、障害児入所施設のソーシャルワーカー等が本人の意思決定を支援しつつ、少しずつ移行のイメージを持っていく仕組みにするわけですが、今は障害児入所施設の入所中は相談が入れないのですけれども、15歳頃から成人としての生活の移行・定着までを相談の事業所が入って、一貫して支援することができるような仕組みを新たに設けていってはどうかという点が1点目でございます。
2点目は、障害児入所施設の措置・給付決定は都道府県でございまして、一方で、移行先に当たる大人になってからの地域での生活への支給決定は市町村なわけでございますけれども、実際、体験利用等について市町村の支給決定をその都度経ることにしますと非常に煩雑な上に、なかなか円滑に体験利用等ができないという声もありますので、障害児入所施設の措置・給付決定主体である都道府県が移行調整に必要となってくる相談支援とかグループホーム等の体験利用について、障害児入所施設の処遇の一環として一元的・包括的に決定できる仕組みを報酬上設けていってはどうかということが2点目でございます。
3点目として、強度行動障害等の適切なケアを図るための基盤整備に関しては、ハード面だけではなくソフトの支援人材の育成面等も大変重要でございますので、報酬改定による対応も含めて、これは別途検討を進めていく必要があるのではないかという点でございます。
次に、4ページに3番として、障害福祉計画、障害児福祉計画等に関する事項を整理させていただいております。
○の1つ目でございますけれども、移行調整が難航する方々の中に、専門的で手厚い支援が必要であって、地域支援が十分でないためにそのようになるという点がございますので、新たな整備の要否・具体的内容等については、15歳以上の移行支援の対象者の方々の中長期的な見通しを都道府県において持った上で検討をして、都道府県・市町村の障害福祉計画、障害児福祉計画に反映させていくような仕組みを今後、計画の指針等を検討する際に考えていく必要があるのではないかという点。
また、障害児入所施設のほうが今般の移行調整に際して児者転換、児の施設から者に転換をするとか、大人の施設を併設するということがあり得るわけですけれども、そうなりますと地域から子供の定員が失われることになるという場合がございまして、その場合、地域のセーフティーネットの在り方としてよく検討を図る必要がありますので、こういった場合は障害児福祉計画の改定の際に改めて地域できちんと検討していくようにしていってはどうかという点。
最後の○でございますけれども、こういった様々な対応を進めた上で、成人施設としての設備基準を満たさないまま、今はみなし規定で経過的なサービス費を支給して、行ってきているわけですが、このみなし規定に関しては、移行完了に向けた準備期間として、令和5年度末までは継続をするという判断としてはどうかと書かせていただいております。
御説明は以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの事務局の説明につきまして、皆様からの御意見、御質問等をいただけたらと思います。挙手でお願いします。
まず会場から、小﨑委員、安藤委員、そして丹羽委員の順にお願いいたします。
小﨑委員からお願いします。
○小﨑委員 全国肢体不自由児施設運営協議会の小﨑でございます。
成人期を迎える障害児が、本人の希望を踏まえることを前提として、さらにライフステージにふさわしい環境で過ごすことができるようにする重要な取組だと思います。
移行支援の開始時期をおおむね15歳頃と明示したことも、行政がきちんと取り組むべき目安を示したものとして重要かと思います。
私の仕事の領域では、例えば肢体不自由児のお子さんが成長に伴い移動機能が発達して、必ずしも肢体不自由のカテゴリーに入らなくなってきたような方が、今までですと障害種別のはざまと申しますか、制度のはざまのような形で、なかなか適切な進路が見つからないという事態が生じることがありました。医療的ケアを要するような状況があると、さらに状況が厳しくなりがちということです。
このような移行困難が予想されるようなケースの場合にも、早期から当該のお子さんの状況にふさわしい環境を提供できるような仕組みになってほしいと考えております。地域の受入先として想定され得る施設との早期からの調整を行うことで、環境をつくったり、あるいは人員の確保等を準備的に進めてもらうようなことも可能な仕組みを検討いただきたいと考えております。
以上になります。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、安藤委員、お願いします。
○安藤委員 ありがとうございます。全国脊髄損傷者連合会の安藤です。
2ページ目、3ページ目なのですが、まず2ページ目です。一番上の○の1行目の最後のほうの当該者の希望・状況によっては現入所施設に隣接した地域での受入れが望ましい場合とあって、例えば御本人が施設がいいと希望した場合は、延長して施設に入ってしまうのか。過齢児で、ずっと施設にいたいという場合があるのか。もしそういう場合は、10代からの支援の内容に問題があるのではないか。地域に戻せるように、地域で暮らせるようにちゃんと支援をしていれば、施設に入りたいという希望が出るとは考えにくいと思うのです。そうした本人の希望というのは、施設がいい、施設で暮らしたいなどということにならないような支援の在り方があるべき姿かと私は思いました。
もう一点、3ページ目なのですが、22歳にまで延長していくというのがどうかというのが書いてあります。現状として致し方ないことなのかもしれませんが、やはりしっかりと社会資源を充実させていくことが大切かなと。22歳まで延長するならば、社会資源をどこら辺まで拡充させますというのを定性的ではなくて定量的にしっかりと、地域で暮らせるのを何名にしますとか、半分にしますとか、施設入所者を半分にしますとか、地域で暮らせるようにこれだけ達成しますみたいな、社会資源をここまで拡充するというのを数値的に示すべきかと思います。そうしないと22歳が24歳になって、26歳になってしまうのではないかというような懸念が、この文章を見て私は思いました。
以上です。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
数字的にという部分は、現時点ではどうなのですか。
○河村障害児・発達障害者支援室長 まさに今、安藤委員に御指摘いただいたような、年齢はいたずらに延ばせばいいわけではないという点は実務者会議の中でも相当議論されたところでございまして、22歳まで延長するというケースは、あくまで地域に基盤が足りないからということで、お子さんの個別の状態像として、現場の方からいただいておりますのは、例えば17歳とか16歳で入所されてきて、結構直前にいろいろと精神的に非常に厳しい状態に置かれていたお子さんですと、やっと安心して過ごすことができる場に到達した途端に次の場をというのは御本人の精神的な負担が非常に強くなるという点とか、18歳近くになってからの入所で、状態像が18歳の時点で適していない場合とか、あとは、御本人が前からいらっしゃった場合であっても、行動障害等が強く顕在化してきたのが18歳近くになってきてからで、その前に検討してきた移行の場ですと、その移行がなかなか難しいといった御本人の状態像に勘案して、その場合は22歳ということにさせていただいております。
一方で、同時にいろいろな地域資源が足りないという課題があるわけですけれども、少なくとも今、既に施設にいらっしゃる方々について、個別に全部、都道府県に把握いただいているわけですので、私どもとしては経過規定の切れる令和5年度末までの間に、そこは頑張って移行調整をしてくださいということに現在しております。
御説明が分かりにくくて大変恐縮でございます。
○菊池部会長 どうぞ。
○安藤委員 ありがとうございます。
ぜひ、それをもう少し厳格にしっかりと書いていただかないと、拡大解釈されて、ずっとずるずるいってしまうのではないかと思うのです。こういった場合というのをかなり明確に書いていただいて、その上で22歳にするとか、そういう話に持っていっていただければと思います。厳格に条件づけをお願いします。
○菊池部会長 続きまして、丹羽委員、お願いします。
○丹羽委員 全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。
今回の議題の実務者会議の委員でもありました。しかし、この実務者会議のときにも発言をしましたけれども、なかなか移行が難しいお子さんたちで、かつ専門的な支援が求められる方たちをしっかり受け止められる地域の資源を整えていく中では、国の施設設備の国庫補助を活用する場合に、少し優先的に活用できるとか、そういったインセンティブも持っていく必要があろうかと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
会場からはよろしいですか。
それは、オンライン参加の委員の皆様にお願いします。
まず、白江委員からお願いします。
○白江委員 ありがとうございます。全国身体障害者施設協議会の白江と申します。2点ございます。
1点目は、今の状況から、今回の検討の方向性は諸手を挙げての賛成ということではなく、やむを得ない方向性としては異論がないというか、仕方がないなと思うのですが、関係者との協議の場を設けるということですので、その場合は幅広く当事者の方々や家族も含めて、それから我々、者の施設のほうの担当者もそうですけれども、そういった方々が幅広く選ばれるように、あるいは関係者として認められるように、ぜひ御配慮いただきたいということが1点です。
2点目ですけれども、先ほどの委員からのお話の中にもあったかと思うのですけれども、15歳というのは果たして適当なのかどうか。私はもっと早い段階から個別支援計画をしっかり立てて、外部の専門機関や支援機関、あるいは様々な機関が関与できるような制度的な枠組みといったものも早い段階からつくっていくことによって、御本人の選択肢の幅をどんどん広げていけるような取組、もちろん時間とともに変化もしますし、報告書にもありますように、退所間際になって大きな変化があったということで、変わることは当然あると思いますけれども、いずれにしても早い段階からそういった支援計画等を活用して、外部の支援機関を使って取組を進めていく。今回、相談支援がしっかり取り組むというか関わっていくということも書かれていますので、そういった意味でも期待をしつつ、追加的にもぜひ取組を進めていただければと思います。
以上です。
○菊池部会長 どうもありがとうございます。
それでは、井上委員、お願いします。
○井上委員 ありがとうございます。日本知的障害者福祉協会の井上です。
移行できない児童の課題には、知的障害の方たちが非常に多い実態があります。私も前の会議で、なるべく早く移行していただく方法を知恵を絞って探るべきではないだろうかと発言しましたが、障害者支援施設の地域移行は重度化・高齢化によってなかなか進んでおらず、それによって、グループホームでの受け入れもなかなか進まないという現在の停滞感も大きく影響しているのではないだろうかと思います。今後の議論になると思いますが、児童の問題だけではなく、者の地域移行の問題も含めた地域の受け皿の問題も併せて考えていかなければいけない課題だと思っているところでございます。
以上でございます。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、久保委員、お願いします。
○久保委員 ありがとうございます。全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
いわゆる過齢児が障害児入所施設から移行できない問題というのは、当会としましても以前から大きな課題という認識をしてまいりました。今回、より具体的な移行方針が示されたことに感謝申し上げます。
具体的に支給決定あるいは措置を行っている都道府県が中心となりまして、地域生活の移行を基本として調整する方向は、適当ではないかと考えております。その上で、様々な事情から障害者の入所施設へ移行することとなった場合には、双方の連携を密にすることが不可欠であると考えております。
児童施設から成人施設のほうに移るときに、何の問題もありませんからということで成人施設のほうに送られてくるということも、私どもも多々経験していることでございます。しっかりと連携を取って密にやっていくことが御本人の適切な支援につながると思いますので、そこが必要かと思っております。
他方で、今回の見直しで障害児施設への入所年齢が最大で22歳まで拡大されることにつきましては、あくまで22歳が最大の在籍年齢であるということを厳密に運用していくことが必要だと考えております。そして、障害児入所施設が障害者入所施設へ転換する、児者転換するケースも見受けられますが、虐待を受けた障害児の受入先や障害児の短期入所先が減少することにもつながってまいりますので、今回の見直しによって減少した障害児入所施設につきましては、計画的に整備するなどの対応をお願いしたいと思っております。
また、障害児入所施設における支援の在り方が地域移行した障害児の暮らしぶりに大きく影響すると考えております。養護性の高いお子さんも利用しておられますし、そして支援の難しさがあるということは十分に理解をしておりますが、施設における支援の在り方についても十分に検討していただきたいと考えております。
行動障害の児童の障害が思春期になって顕著化してくるということは大変多く見られると思いますので、以前から児童施設におられる児童につきましては、児童施設の中での行動障害を持っておられる児童に対する支援の仕方が大変重要になると思っています。受入先の成人施設のほうも、行動障害の人を支援していくというのもなかなか厳しいところがあるというのはたくさんおられますので、行動障害の支援の仕方というものもまた別の問題としてきちんと整備していく必要があるかと思っております。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
一通り御意見を頂戴いたしましたが、ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
2つ目のテーマにつきましても、方向性としてはおおむね御了解いただけたかと思いますが、御意見等をいただきましたので、事務局におかれましては、それを踏まえて、取りまとめに向けて引き続き作業をしていただきたいと思います。
1つ目のところで最後に忘れてしまったのですが、以上2つのテーマについていろいろいただきましたので、河村室長のほうから最後に何かコメントいただければと思います。
○河村障害児・発達障害者支援室長 ありがとうございます。
特に前半の通所支援のほうはぎゅっと詰め込み過ぎまして、いろいろと御説明が不足した点があったことに質疑の中で気づきましたけれども、いただいた御指摘についてしっかり受け止めさせていただいて、今後の取りまとめのときに、いただいた留意点がきっちり反映されるように取り組んでまいりたいと思います。どうもありがとうございました。
○菊池部会長 よろしくお願いいたします。
続きまして、議題2の資料3につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○矢田貝企画課長 企画課長の矢田貝でございます。
資料3「障害者総合支援法対象疾病の見直しについて」でございます。
2ページを御覧ください。平成25年4月より難病等が障害者総合支援法の対象となり、130疾病で始まりました。
2つ目の○ですが、これにつきまして、指定難病の検討などを踏まえ、障害者総合支援法の対象となる難病などの範囲を検討するため、障害者総合支援法対象疾病検討会において、疾病の要件や対象疾病の検討を行ってまいりました。
これまで5次の見直しを実施しまして、361疾病でございますが、3つ目の○で、その後の指定難病の検討状況等を踏まえ、令和3年9月7日に開催した第8回の同検討会において対象疾病の検討が行われ、361疾病から366疾病に見直す方針が取りまとめられたところでございます。
資料3ページでございますが、対象疾病の要件につきましては、マル2の治療法が確立していない、マル4の長期の療養を必要とするもの、マル5の診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっていることという要件を基に検討されているところでございます。
その結論は4ページでございますが、新たに障害者総合支援法の対象とする疾病といたしまして、1つ目が家族性低βリポタンパク血症1(ホモ接合体)、2つ目が自己免疫性後天性凝固第Ⅹ因子欠乏症、3つ目が進行性家族性肝内胆汁うっ滞症、4つ目がネフロン癆、5つ目が脳クレアチン欠乏症候群、6つ目がホモシスチン尿症ということで、この6つにつきまして、新たに障害者総合支援法の対象にいたしたいと考えているところでございます。
5ページ目が検討会のメンバー、6ページ以降、6、7、8ページが、五十音順で対象疾病をお示ししたものでございます。
参考までに9ページが難病等患者の障害福祉サービスの利用状況の推移を平成28年4月からまとめたもの、利用している実人数についての推移をまとめたものでございまして、このように増えてきているところでございます。
また、こちらも御参考でございますが、10ページに実際にどのようなサービスを利用されているか、令和3年3月のデータからまとめたものでございます。
このようにサービスを御利用いただいているとこでございますが、引き続き難病等の方も対象になっているということの周知に努めまして、福祉サービスが必要な方に支援が行き届くように努めてまいりたいと考えているところでございます。
私からの御説明は以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それではただいまの説明につきまして、皆様から御意見、御質問がございましたら挙手をお願いいたします。
会場からは安藤委員ですね。
では、安藤委員、お願いします。
○安藤委員 ありがとうございます。全国脊髄損傷者連合会の安藤です。
5ページ目の構成員の名簿なのですけれども、やはり難病の疾病等に関することですので学識ある方が多いと思うのですが、こうしたところにも難病の会の当事者の方とかを入れて、当事者の声を反映させてはいかがかなと私は思いました。
もう一つ、10ページ目です。こちらも見ると居宅介護が多くて、B型、A型が多いのです。恐らく難病で障害者手帳を持っている方は対象になっていないのではないか。障害者手帳を持っていなくて難病のみの方で総合支援法を利用されている方がここにカウントされているのではないかと思ったのです。いかがでしょうか。
カウントができるかどうか分からないのですけれども、もし可能でしたら、障害者手帳を持っていて難病の方のサービス利用状況をこの棒グラフに赤色で足していくと、実際の人数になるのかなと。もしくは、注釈で障害者手帳をお持ちでない難病の方のカウントですと書かないと、本来の筋ジストロフィーで本当に重度の障害でお困りの方の印象が悪くなってしまうのではないかと思いました。
以上です。
○菊池部会長 事務局、お願いします。
○矢田貝企画課長 2点、いただきました。
まず、1点目のメンバーについてなのですけれども、基本的にこの会議は疾病の検討会ということで、医学的な観点からの検討をする会議ということで、このような各診療科の専門の医師を中心としたメンバーとなってございます。
一方で、やはり当事者の方、難病の方、様々な困難を抱えている方の御意見もいただいて施策を進めていくことは重要だと考えてございますので、本日のように、検討会の検討結果をこの障害者部会に御報告させていただいております。そうした場などで、当事者の方々の御意見もいただきながら施策を進めていければと考えているところでございます。
2点目の手帳を持っている方との関係でございますが、まさに御指摘のとおりでございまして、このデータは国保連のデータを基に集計したものでございますが、4つのカテゴリー、身体障害者、知的障害者、精神障害者、難病等患者のいずれかと入れてもらうときに、難病等患者と入れていただいた方の数字を集計したものでございまして、実は難病等の方で、かつ身体障害者手帳をお持ちの方の場合、身体障害者のほうに入ってしまっている方のほうが恐らく多数なのだと思います。そういう意味では、ここの説明が不十分でございました。身体障害者手帳を持っていて、身体障害者のほうにカテゴライズされている方については含まれない数字であるということを追加で御説明させていただければと思います。
そのクロス集計のところまではシステム上、なかなかできていませんけれども、引き続き、利用の実態などについては把握するよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
御説明は以上になります。
○菊池部会長 貴重な御指摘であったと思います。審議会の資料は公開されるので、このデータが独り歩きするのは非常によろしくないので、ここで今、課長からも御発言がございましたし、この審議会のデータを公表する際にもその旨を注記されたほうがよろしいかと私も思いますので、その方向で御検討いただくということでいかがでしょうか。
○矢田貝企画課長 事務局のほうでそのように検討させていただきます。ありがとうございます。
○菊池部会長 安藤委員、そういう方向でよろしいですか。
○安藤委員 ありがとうございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
会場からはよろしいですか。
それでは、オンラインでお二方、手を挙げていらっしゃいますので、陶山委員からお願いします。
○陶山委員 ありがとうございます。
今、安藤委員が言ってくださったことと重なる部分もあるのですけれども、新たに障害者総合支援法の対象にする疾患についての問題はありません。今後も、1つでも多くの疾患を対象にしていただきたいと思っております。
安藤委員が指摘されたように、9ページの障害福祉サービスを利用した難病患者等の数についてですけれども、平成28年度から5年間で約2倍になって、利用者が増えたように見えますけれども、実際、指定難病の患者さんは約90万人と言われておりまして、その中でも障害者手帳持っている方は約3割の方で、そういう方たちはいわゆる障害者枠にカウントされています。そして、差し引くとしますと分母は大体63万人と考えます。63万人のうち福祉サービスを受けた人が3,645人というのであれば、極めて少数の人の利用にとどまっていると考えられます。
利用が少ないのは、サービスが利用できることを知らないということもあるのでしょうけれども、ニーズに合ったサービスが提供されているのかどうかなどの検討をしていただきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 貴重な御指摘ありがとうございます。
この点も受け止めていただいて、事務局のほうでよろしくお願いいたします。
それでは、最後になるかと思います。白江委員からお願いいたします。
○白江委員 ありがとうございます。全国身体障害者施設協議会の白江と申します。
今のお二人の意見には全く同感であるのですが、1点質問をさせていただきたいと思います。
小児慢性特定疾病の中で指定難病に含まれない疾病が結構あるわけです。俗に言うトランジットの問題が大きな問題としてあるのですが、小慢の対象疾病について、総合支援法の検討会の中でどの程度積極的に検討がされているのか。せっかく要件が緩和されている総合支援法対象の疾病ですので、こういったところでぜひカバーしていただくといいのかなと思っているのですが、そのあたりを教えていただけますでしょうか。
○菊池部会長 事務局、お願いします。
○矢田貝企画課長 この障害者総合支援法の対象疾病の見直しにつきましては、2ページに検討の仕組みを書いてございますけれども、指定難病の検討などを踏まえて、障害者総合支援法対象疾病検討会で疾病の要件、対象疾病の検討を行うということで、指定難病の検討で出てきたデータなどを基に議論をして、都度追加してきているということでございます。
もちろんその中で対象となる疾病というのは、指定難病の検討対象になっている疾病のほか、御指摘の小児慢性特定疾病、もしくは障害福祉サービスの対象疾病になっているものについては検討対象になってくるということでございますが、そうした前提の下で、2ページに書いているような方法で対象疾病の拡大ができないかというところについては、引き続き検討をしていきたいと考えているところでございます。
○菊池部会長 白江委員、いかがでしょうか。
○白江委員 指定難病の対象にならないということで大きな問題になっておりますので、ぜひ方向性として、対象にならない小児慢性特定疾病についても幅広く御議論いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ほかにはよろしいですか。
ないようですので、ちょうど時間が参りましたので、本日はここまでにしたいと思います。
最後に、今後のスケジュールなどを事務局からお願いいたします。
○矢田貝企画課長 企画課長矢田貝です。
本日も御多忙の中、御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の部会につきましては、11月5日金曜日の午後3時より、ベルサール飯田橋駅前にて開催いたします。よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○菊池部会長 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。
どうもお疲れさまでございました。ありがとうございました。
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