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2021年9月16日 社会保障審議会障害者部会(第118回)議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

令和3年9月16日(木)10:00~12:00

○場所

ベルサール御成門タワー 3Fホール
東京都港区芝公園1-1-1 住友不動産御成門タワー3階

○出席者

菊池馨実部会長、阿部一彦委員、阿由葉寛委員、安藤信哉委員、石野富志三郎委員、井上博委員、江澤和彦委員、岡田久実子委員、沖倉智美委員、久保厚子委員、小﨑慶介委員、小林真理子委員、齋藤訓子委員、酒井大介委員、櫻木章司委員、白江浩委員、陶山えつ子委員、竹下義樹委員、飛松好子委員、丹羽彩文委員、吉川かおり委員、金丸参考人、小阪参考人、渡辺参考人

○議事

○菊池部会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第118回「社会保障審議会障害者部会」を開会いたします。
皆様、おはようございます。本日も御多忙のところお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
議事に入る前に、本日の会議については、こちらの会場とオンラインで開催いたします。事務局においては、資料説明はできるだけ分かりやすく、要点を押さえてお願いします。
各委員からの発言について、お願いがあります。最初に私が発言を希望される方を募りますので、会場の方は挙手をお願いいたします。オンラインの方は、Zoomの「手を挙げる」機能を使用してください。私の指名により発言を開始してください。より多くの委員の発言の機会を確保するため、簡潔に御発言をお願いいたします。
今日から2巡目の議論に入りまして、様々皆様、御意見がおありかと思いますが、事前にその点、お願いをさせていただいております。
本日も委員提出資料としてメモが出されておりますが、今後、ぜひそういった形での資料提出なども含めて、お願いできればと思っております。
御発言の際は、まずお名前を名のっていただき、可能な限りゆっくり分かりやすくお話しください。また、会場の方は、できるだけマイクに近寄ってお話しください。発言後は、必ずマイクのスイッチをオフにしてくださいますようお願いいたします。円滑な会議運営に御協力をお願いいたします。
それでは、事務局から委員の出席状況、資料の確認をお願いいたします。
○矢田貝企画課長 事務局、企画課長でございます。
本日の会議は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、オンライン開催としております。
まず、委員の出欠状況について報告させていただきます。
黒岩委員、新保委員、野澤委員、藤井委員より、御都合により欠席との御連絡をいただいております。
また、内布委員の代理として小阪参考人、菊本委員の代理として金丸参考人、永松委員の代理として渡辺参考人に御出席いただいております。
続きまして、人事異動により、事務局の障害保健福祉部の職員の変更がありましたので、御紹介をさせていただきます。
まず、田原障害保健福祉部長でございます。
津曲障害福祉課長でございます。
林精神・障害保健課長でございます。
最後に企画課長になりました、矢田貝でございます。よろしくお願いいたします。
続きまして、事務局の職員の出席につきまして、議題1の議事に際しまして関係部局である職業安定局障害者雇用対策課長、小野寺が出席しております。
資料の確認でございます。
本日の資料でございますが、議事次第、資料1から4、参考資料1、以上の資料になります。万が一、これらの資料が表示されていないなどの状態となっておりましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。
事務局からは、以上でございます。
○菊池部会長 ということでございまして、障害保健福祉部幹部が、全員交代されたということでございます。しかし、皆さんプロでいらっしゃいますし、以前、こちらのほうでお仕事されておられたという方も多くおられ、皆様も御存じの方もおられると思います。
そうは言っても、この時点で今日から2巡目の議論になりますので、何かあれば、皆さんのほうからもどんどんコミュニケーションを取っていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入ります。
議題1につきまして、資料1、資料2について、事務局から説明をお願いいたします。
○津曲障害福祉課長 障害福祉課長の津曲でございます。資料1及び資料2に関しまして説明をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
資料の1でございますけれども、本日の議事「障害者の就労支援について」に関する資料ということとなります。
こちらの資料でございますけれども、おめくりいただきまして、スライドの1でございますけれども、こちらのほうは、6月の21日と28日の部会において一度議論をしていただいた上で、28日の部会においても提出いたしました資料というものをつけているものでございます。
こちらで現状と課題の認識というものをお示ししているわけでございますけれども、一度、21日、28日で、部会における各委員からの御意見をいただきましたので、その論点ごとの整理というものをスライド2以降で用意しているというところでございます。
この1ページのところでは、6月の部会資料と同様の内容ということになりますけれども、この障害者の就労支援というものが、雇用施策と福祉施策、それぞれの政策体系の中で目的も持ちつつ、連携を図りながら進めてきたこと。そして、就労系障害福祉サービスから民間企業への就業が年々増加しているということ。民間企業における雇用者数も着実に増加が続いているというような現状であることを説明させていただきました。
前回6月のその議論を踏まえました、検討の方向性というものについて整理させていただいたのが、スライドの2ページ以降となりますので、スライドの2ページを見ていただければと思います。
こちらにございます「検討の方向性」に関してでございますけれども、6月の時点でも提示している部分もございます。
○の1つ目の矢印の3つのところまでは、前回も御提示させていただいたところでございます。
改めて申し上げますと、一般就労への円滑な移行に向けまして、短時間雇用など多様な就労ニーズへの対応であるとか、加齢等の影響による一般就労から福祉就労への移行を図るために、様々な場合がございますけれども、企業等で雇用されている間における就労継続支援の利用というのを可能としてはどうかということでございます。
例えば、企業等での働き始めの時期であるとか、雇用されている間に、一時的な不調という状況となってしまった場合、または加齢等による影響による体力の低下により、継続的に働き続けることが困難となる場合というようなことを提示させていただきました。
これらに関しまして、さらに、委員の皆様の御意見も踏まえつつ、提示をさせていただいたのが「その際」以降ということになりますけれども、こちらのほうで、本人の意向等を十分に踏まえること、そして、十分なアセスメントや必要性等の精査を行うというようなことに関して検討していってはどうかと、その趣旨を踏まえた適切な活用が図られるようにするために、例えば以下のような事項については、どういうふうに考えることが良いのかということで提示をさせていただきます。
1つには、企業等と就労継続支援事業所との間で、どのような連携協力や、そのためのルールが必要かということ。
2つには、雇用及び福祉分野の関係機関の連携により、適切かつ円滑な活用をどのようにサポートすることが必要か。
3つ目には、併用の期間や併用時の勤務形態について、何らかの条件、ルールなどが必要かどうかということでございます。
これらに関しまして、労働政策審議会障害者雇用分科会におきまして、障害者雇用率制度におけます週20時間未満の短時間勤務者の取扱いが論点に挙げられているということも御紹介したいと思います。
2つ目の○でございます。障害者本人のニーズを踏まえた上での一般就労の実現、適切なサービス提供がなされるように、就労系の障害福祉サービスの利用を希望する障害者へのアセスメントというものを実施するとしてはどうかということを、前回の部会のほうにも提示をさせていただきます。
「その際」以降というのが今回の資料におきまして、初めて書かせていただいているものでございます。
このアセスメントに関してでございますけれども、やはり本人の可能性を狭めることなく、アセスメントの実施を通じまして、一人一人の状況に応じた支援の提供につなげるということが重要かと考えております。
このため、以下のような視点から、もちろん実効性であるとか実現可能性というものは十分留意する必要があるのですけれども、支給決定プロセスにおきます仕組み、そしてアセスメントの実施内容、関係機関との連携、これらについて検討していくということとしてはどうかと書かせていただいております。
具体的には、サービスの選択決定より前に、アセスメントを実施しまして、本人のニーズを踏まえた、一般就労の実現や就労系福祉サービスの利用ができるよう、その結果を支給要否決定等において勘案すること。十分な見立てが可能な主体が担い手となること。担い手が十分確保できるよう、実施に要する費用が適切に確保されるよう、対象者を段階的に拡大すること等が必要ではないかと書かせていただいております。
また、実際の作業場面というものを活用すること。アセスメントに必要な情報の整理が可能なツールを活用する。一般就労に向けた課題にとどまらず、強みであるとか、今後の伸びしろ、本人のニーズなども含めて、よく御本人と協働して状況を整理するといったことが必要ではないかということ。
3つ目でございますけれども、本人や家族とアセスメントの結果を共有し、的確に本人の選択を支援すること。アセスメントの質と中立性を担保するため、複数機関が関わるケース会議の開催を促すということも必要ではないかということで問題提起をさせていただいております。
これらに関し、7ページ8ページにまとめさせていただいております。まだ、こちらのほうはイメージということになりますけれども、少しスライドの7、8のほうも御覧いただければと思いますが、障害者本人が、実際にサービス等利用計画案を作成する前の段階で、アセスメントを行っていただきまして、その中で、どのような形で生活をすること、就労することが良いのかということを話し合っていくというようなイメージで考えてございます。
まだ、この辺りはイメージとして考えているところでございまして、引き続き、事務局のほうでも検討していきたいと考えております。
資料のほうにお戻りいただきまして、スライドの3のほうを御覧いただければと思います。
こちらのほうに検討の方向性として書かせていただいているものに関しましては、6月におきましても提示していたものでございます。
1つ目の○でございますけれども、雇用・福祉両分野の基礎的な知識等を分野横断的に付与する基礎的研修であるとか、高度化に向けた階層的な研修といった研修体系の見直しであるとか、専門人材の育成方法であるとか、そういうようなものについて、特にその両分野がしっかりと連携しました具体的な内容や仕組み等について検討を進めることとしてはどうかということを提示させていただいております。
2つ目の○でございますけれども、企業等で雇用される障害者に対する定着支援の充実を図るために、就労定着支援事業におきまして、地域における定着支援の実情やニーズを踏まえた上で、障害者就業・生活支援センターによる事業を実施可能とするなど、地域において必要な支援が円滑に利用できる仕組みを整備することとしてはどうかということで、こちらも前回の6月の資料の中で提示をさせていただいております。
さらに、就労定着支援事業の中心に定着支援の実態や、さらなるニーズを把握した上で、一般就労直後の時期における支援の重要性、現在、事業の対象となっていない者、例えば、特別支援学校の卒業生などの支援の必要性といった観点からも検討することとしてはどうかと書かせていただいております。
3つ目の○でございますけれども、地域支援のネットワークの強化・充実を図るということでございます。「なかぽつ」センターに関しまして、スーパーバイザーや困難事例の対応といった基幹型の機能を担うということも検討してはどうかということを6月の論点の中で提示させていただいておりますけれども、さらに、この機能や役割を踏まえて、それを適切に担えるよう、人材配置や育成というものを進めるための方策を検討するということも必要ではないかということを書かせていただいております。
3つ目の○でございますけれども、就労継続支援A型事業に関してでございます。
これまでも指定基準の見直し、報酬改定などを通じまして、その在り方、課題への対応を図ってまいりましたが、さらに両分野連携強化を進めていく上で、改めて、その在り方、役割についても整理することとしてはどうかということでございます。
「その際」というところでございますけれども、この就Aに関しまして支援内容や利用者の実態を明らかにするということとともに、一般就労が可能な人は、本人のニーズを踏まえつつ、移行を促進するということであるとか、適切な支援の提供により、十分な生産活動が行われるという、事業運営を目指すことの必要性などを踏まえて検討することとしてはどうかということとさせていただいております。
「なお」でございますけれども、障害者雇用分科会におきましても、A型事業所の取扱いが論点に挙げられているというところでございます。
以上が検討の方向性ということになりまして、以下、資料としてパワーポイントのものを用意してございます。
それぞれ今説明したことと関連するものをつけてございます。簡単に紹介させていただきますと、スライド4でございますけれども、こちらは、一般就労中における就労系障害福祉サービスの利用に関する現行の取扱いをまとめたものでございます。
原則として、一般就労中の障害福祉サービスの利用というのは想定されておりませんけれども、ここに掲げておりますような場合には、市町村判断により、一般就労中の利用を認めるというような運用を行ってございます。
次のスライドのほうでございますけれども、こちらのほうでは、一般就労中の利用に関する実態調査というものをお示ししております。
スライドの5にちょっと書かせていただいておりますけれども、8月時点での調査結果、中間的な速報として集計したものでございますけれども、過去3年間に一般就労中の利用者等、多様な利用者を受け入れた事業所の割合として、入職時の慣らしであるとか、入職後の課題改善などにも、率は必ずしも高くありませんけれども、一定の方が一般就労中にも利用されているというような状況にあることが分かりました。
続きまして、スライドの7に関しましては、先ほど触れましたけれども、スライドの9でございますけれども、雇用と福祉の分野横断的な基礎的知識・スキルを付与する研修の構築に関する作業部会というものを開催することが予定されておりますので、こちらに関する資料もつけさせていただいております。
また、本体資料のスライドの11、最後でございますけれども、A型の在り方、役割に関する整理イメージということで、現状ということで書かせていただいておりますけれども、A型の在り方、役割についてでございますが、様々な課題も指摘されているところでございますが、A型の利用者像に関しましては、通常の事業所に雇用されることが困難な障害者であるということと整理されております。
そして、A型の報酬は、就労機会の提供と、必要な訓練等の支援の提供のための費用として事業者に払われるもの、これらの2つの軸を基礎として考えていく必要があるということで、現状と課題のイメージ図を提出させていただいております。
以下、参考資料となりますので、適宜御参照いただければと思います。
2巡目となります。皆様方からの御意見をお伺いしまして、また、引き続き検討を進めてまいりたいと考えておりますので、御指摘等、どうぞよろしくお願いします。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局の御説明に対しまして、皆様から御意見、御質問等ございましたら挙手をお願いします。できるだけ簡潔にお願いできれば幸いです。この関係については、11時をめどとして御議論をいただいきたいと考えてございます。
それでは、まず、会場からですが、いかがでしょうか。
それでは、竹下委員、丹羽委員、そして、小阪参考人の順でお願いします。
まず、竹下委員からお願いします。
○竹下委員 日視連の竹下です。2点について問題提起をさせていただきたいと思います。
まず1点目は、一般就労と、それから、A型ないしは就労移行を含めて、就労支援事業の、いわば行き来をするということには、基本的には賛成なのですけれども、そうであればあるほど、A型事業所ないしは就労移行支援事業所の本質が変わってくるのではないかという気がするのです。
例えば、現在のA型事業所の位置づけといいますか、要件といいますか、ちょっと文言は忘れましたけれども、一般企業での就労が困難な人がA型事業所の対象者だと理解しています。
そうであれば、例外的な場合ならともかく、一般的にいわばA型と一般就労との行き来を大きく枠組みとして、それを作り出すということになれば、いわば、一般就労が困難な人が対象というA型事業所の本質とは合致しなくなるのではないかと思うわけです。
しかも、A型と一般就労の行き来が、そういうふうにどんどん自由にできるようになってくるとなると、では、就労移行支援事業とA型と事業所とどこが違うのだという話になってくるわけです。
そういう意味では、議論というのは非常に前向きで、非常に大事だと思うのですけれども、それだけにA型事業所の議論のときには、法改正ないしは制度の本質そのものも含めた議論をやるべきではないか、A型及び移行との違いも含めて。
それから、2点目は、A型から一般就労に移行する場合は、どんどんこれを進めるために今後議論をやりたいと思うわけですが、逆に一般就労をしている方が、A型とかを利用することを考えるというような、ここであるように、加齢とか、あるいは身体的な不調が出た場合と書いてあるのだけれども、そうであればあるほど、A型の役割、機能とは何なのだと、言葉を選ばずに言えば、あくまでもそれは、一般就労が何らかの意味で、難しくなったから、では、その人たちの受け皿なのかという見方がされないようにする必要があるだろうと。
そうではなくて、機能面で見たときに、例えば、特に身体機能が低下した場合などで言うならば、リハビリとか、雇用開発とか、そういう面を十分に持たせた意味での、このA型あるいは就労移行も含むかもしれませんが、とりわけA型事業所の機能というものも、どうあるべきかを考えて、この問題を議論しないといけないのではないかと思っています。
私からは、以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
いずれも本質的な議論で、竹下委員は、労働系の審議会のほうにも参加しておられますので、双方またいだ議論をしていただけるということで、私も期待しているのですが、特に1点目は、先ほど御説明の11ページとも非常に関わる本質論で、もし、今の段階で何かあればということなのですけれども、その点も含めてちょっと考えていく必要があると私も思いますけども、いかがですかね、何かあれば。
○津曲障害福祉課長 障害福祉課長でございます。御指摘ありがとうございます。
困難であるというようなことに関してでございますけれども、確かに、現在のA型の事業所に関しましては、通常の事業所で雇用されることが困難な障害者というような位置づけとなっております。
ですけれども、実際にはその状態像というのが様々ございまして、非常にグラデーションがあると考えているところでございますので、やはりその辺りを踏まえた上での検討というのが必要だろうと考えております。
そして、制度的にどういうふうに整理していくかということに関しましても、そういう実情も踏まえながら、よく議論をしていきたいと考えております。
○菊池部会長 今日のところは、この辺でということで、いずれにしても、就労支援の本質に関わるような、それもやはり考えつつ、個別の制度改正も考える必要があると私も思います。ありがとうございます。
それでは、丹羽委員からお願いします。
○丹羽委員 ありがとうございます。全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。
一般就労中における就労系障害福祉サービスの利用についてということで、資料をつけていただいておりますけれども、やはり、障害のある方も加齢に伴って、なかなか現役のままずっとというのは難しい部分も出てきますので、そういったところの受け皿としても、こういった部分がしっかり、さらに周知されて取り組まれるといいかなと思っています。
一方、ここでは就労系福祉サービスと書かれていますけれども、創作活動などを行う生活介護についても、そういったところで活用できるといいかなと思います。
また、就労継続支援B型について、今年度より、報酬改定で地域協働加算というのが創設されました。就労継続B型には、この地域協働加算というのが創設されていますけれども、例えば私の法人では、重症身心で医療的ケアのある方々が、地域の小学校の当下校の見守りをするような活動などもしております。生活介護にはそういった加算が用意されていません。
実際、地域の中で障害のある人たちが共同しながら執り行うということについて、就労Bということだけではなくて、やはり日中活動という中で、少し全体的な枠組みの見直しも必要なのではないかなと考えております。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
生活介護にも関わる御指摘をいただきました。
それでは、小阪参考人、お願いします。
○小阪参考人 日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の小阪と申します。
私からは、一精神の領域の当事者の立場としまして申し上げたいと思っています。
スライドの2枚目の「検討の方向性」として示されている、○の1つ目の企業等で雇用されている間における就労継続支援の利用を可能とすることについては賛成です。
障害があっても働けるということ、自ら主体的に社会的役割を獲得することは、障害当事者にとっても重要なことで、本検討事項についてどれほどのニーズがあるかは現時点で分かりませんが、一般就労と福祉的就労が縦割りではなく、柔軟に活用できるようになることで、機会保障の充実につながることについては、障害当事者のさらなる活躍や、その後の定着等に一定の効果が期待できるのではないかと思います。
なお、その際の支援においては、課題解決型だけではなく、伴走支援型となるような枠組みが大事になってくるだろうと思うと同時に、エンパワーメントという観点が欠かせない非常に大切な点になるだろうとつけ加えておきます。
一方で、○の2つ目の就労アセスメントとして制度化することには、いささか留意するべき必要があると思います。
まず第1に、アセスメントという評価軸そのものを、支援提供者あるいは学識関係者等だけの目線で構築することがなきよう、利用者側の立場となる障害当事者とともに構築、検討がなされる必要があるのだと思っています。
また、アセスメントとして焦点を当てられるべきは、利用者となる障害当事者だけではなく、就労先となる企業側等についてのアセスメントという目線、枠組みも同時並行で検討されるべき事項なのではないかと思います。
障害があっても、働きやすい環境、働きがいのある環境、就労定着しやすい環境とはどのようなものなのか、労働環境面も含めて障害当事者の言葉をお聞きしながら、企業側や就労支援事業所等が共通の理解を持つことが、働くという観点からも地域共生社会を実現していく、これからの取組として大事な気がします。
なお、就労支援全般に言えることですが、一般就労については、障害当事者がリカバリーを歩む際においては、通る道としては高いハードルに感じてしまう時期もあることも、実情としてはあるのだと思います。
今般、計画相談や地域移行、地域定着、自立生活援助等において、障害福祉サービスの報酬上においても、ピアサポートという在り方が評価されるようになったわけですが、就労という面においても、ロールモデルとして、その姿等もって、理論や言語に頼らないエンパワーメントをもたらすことは可能であるピアサポート活動従事者については、就労支援においても積極的に活用していくことが、障害当事者のさらなるリカバリー促進においても効果が見込まれますから、さらなる導入検討が望ましいと考えています。
私からは、以上です。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
それでは、オンライン参加の皆様から順次お願いいたします。
まず、酒井委員、お願いします。
○酒井委員 全国就労移行支援事業所連絡協議会の酒井でございます。よろしくお願いいたします。
私自身としましては、この一般就労というのが、一番の専門分野でございますので、若干各論的な意見として発言をさせていただきます。
まず1つに、就業中の継続支援の利用についてですけれども、参考資料の5ページにありますように、今年度推進事業で、既に調査がされているところで、私も若干そこに関わらせていただいているのですけれども、私は思っていたよりも、現状でも、何らかの事情によって、就業中も福祉サービスを利用されている方は、これだけいるのだと感じたところです。
一方で、やはりニーズはあるけれども、支給決定がなかなか下りない、そういう地域も多々見られることから、改めてルールを設定して、国から発信していくということが必要なのではないかということ。
それから、就労支援をしていましても、やはり10年前と雇用のフィールドというのが随分変わっていると思います。当時、障害者雇用のフィールドにうまく乗っかれなかった人も、何らかのサポート、何らかの継続的な支援があれば、一般就労ということの実現ができる、そういう状況にもなってきていると思いますので、そういう意味で、この就業中の継続支援の一時的な利用というのは非常に効果があるのではないかと、一般就労への誘導策につながるのではないかと思います。
その上で、具体的な御意見としまして、1つ目のポイントにあります、どのような連携協力や、ルールが必要かということですけれども、雇用がしっかりできていて、福祉側もしっかり支援ができていることを確認できる仕組みをどのように構築するか、これがとても大切なところですけれども、第三者機関にしっかり関与してもらう、客観的な評価もできるよう、福祉で言えば、相談支援事業所、労働行政で言えば、ハローワークなどが何らかの形で関与、モニタリングできないか、ぜひ検討してほしいなと思います。
2つ目に、適切かつ円滑な活用をどのようにサポートすることが必要かということですけれども、安易な雇用から福祉に流すことに、出口の部分ですね、ならないように、企業は何とか雇用の維持、継続を努力してもらって、その先に、自分の中では併用の利用という手段があるというようなイメージなのです。安易な選択にならないよう留意が必要ではないかと思います。
それから、条件設定ですけれども、5ページの図で示されてはいますけれども、自分としましては、雇用、福祉の検討会の議論のときから、無期限の併用を続けるというイメージではなくて、大きく分けて、入り口の部分と出口の部分での併用をすることにより、効果的なソフトランディングができないかと考えています。
その上で、入り口部分は、ある一定期間の定めを設けたほうがよいのかなと思っていることと、出口のほうは反対に、本人の職業人というプライドを大切にしながらという意味もありまして、企業には一日でも長く雇用関係を維持してほしいということもありますので、最終的に福祉への移行という目的がはっきりするのであれば、そこは特段期限を設ける必要はないのではないかなと思います。
アセスメントについてです。
1つ目のポイントについて、記載のとおり、ぜひ進めていただきたいことと、特に事業所に協力してもらわないと成り立たない仕組みであるならば、実施内容や実施体制に見合った対価が得られるように、ぜひ財源の確保に努めていただきたいと思います。
こちらについても第三者がどのように関わるか、制度の成否に大きく関わってくると思いますので、雇用と福祉の連携強化の中から出てきた就労アセスメントの強化ですので、福祉サービスの入り口の部分で活用が終わるのではなく、先ほど、ほかの委員の方々からも意見がありましたけれども、労働施策のほうでもしっかり活用できるよう、法令で位置づけて運用できるようにお願いしたいなと思います。
それから、アセスメントする機関の要請をどのように行うかということも重要で、しっかり統一した尺度で客観的にアセスメント情報を整理する人材とか、機関の要請が必要かと思います。
これは、基礎的研修とは別の枠組みで要請すること、評価者については、ある程度の就労支援の経験年数が、やはり私は必要なのではないかなと思います。
定着支援事業についてですけれども、毎年、福祉サービスから一般就労していく数から考えても、本来定着支援が必要な人にサービスが、現在、やはり行き届いていない可能性があります。
そこには、制度上の仕組みの問題とリソース不足が影響しているのではないかと思います。6か月後のスタートではなく、就労移行支援事業等の受給者証のあるうちに、契約ができ、就労後、間もないタイミングでタイムリーにサービスが提供できるように、仕組みを見直していただきたいことと、地域によっては、やはり定職のリソースが足りないというところがあります。なじみの事業者が支援するということが原則としつつも、やはり「なかぽつ」が担い手となれるよう、制度の整備をしていくことが大事だと思います。
個別給付で定着支援事業はあるわけですけれども、その個別給付の指定を「なかぽつ」が取ることで中立性に支障があるのではないかという懸念も、検討会の中でもありましたが、事業の構造上、これは「なかぽつ」の構造上、それから就労定着支援事業の構造上も、そういったことが起きる可能性は極めて低いと思いますので、その指定を取れるように整備をしておくということは、ぜひやっていただきたいなと思います。
それから、継続支援のA型についてですけれども、11ページのイメージ図にある本来の姿を軸として考えていくことに、私は賛成です。
その上で、A型の在り方については、経営改善計画が必要な事業所の数など、実態から考えても、実際には、このままでいいわけがないと思います。
事業運営者に向けては、例えば、複数年改善が見られない事業所には、撤退を考えていただくぐらいの踏み込んだ内容でも良いのではないかなと思います。
その場合、当該事業所の利用者の就労の場の確保について、労働施策と連携を含めながら、対応も合わせて考えていくということが求められるのではないかなと思います。
それから、A型の対象者についてですけれども、一般就労している対象者とA型利用者の層は、自分の実践の肌感覚からも、これも前回も申し上げましたけれども、違うようなやはり気がするのです。もっと言えば、A型があることによって障害者雇用の促進を阻害しているようにも、私自身は、やはり思えないわけです。
今回アセスメントの強化に向けて、仕組みの検討が、意見を申し上げましたが、進められているわけですけれども、まず、A型を希望する、そういう層にスポットを当てて、この就労アセスメントを行うことによって、A型以外の選択肢を広げることができたり、対象者の層もクリアになるのではないかなと思います。
前回の部会でデータベース化の話が上がっていましたが、この就労アセスメントも、まさにデータベース化することによって、どのような層が、どのような評価につながっているのか、より明らかになるのではないかなと思います。
労働施策におけるA型の取扱いですけれども、障害者雇用分科会においてもいろいろな意見が上がっているのは承知しています。
112回の障害者部会で示された資料では、A型利用者は、現在、伸び率は収まっているということをまず1つ押さえておきたいということと、令和2年度のハローワークの職業紹介状況の統計では、A型の就職件数は1万8500件であることを鑑みると、利用者の大半は、ハローワークによって職業紹介されていることが推察されます。
さらには、雇用保険にも加入している利用者も多数存在することから、これから先も、このA型の在り方については、A型利用者の労働者性はしっかり認められる、そういう制度であってほしいなと思います。
その上で、法定雇用率の計算式上のA型利用者をどのように考えるべきかであるとか、報奨金、調整金をどのように考えるべきであるとか、全てつながっているような検討事項であるという認識をしていますので、ぜひそういう観点からも、労働施策のほうで議論をいただきたいことと、もう一つ、A型利用者の各企業の実雇用率の算定の在り方については、ここはすぐにでも見直しが必要ではないかなと思うのですけれども、当初、A型の運営主体は、専ら福祉事業を運営している組織を想定したものであって、最近は同一法人内に特例子会社があったり、グループ算定をしている法人も存在しているようです。
既存の組織がA型を運営する際には、例えば別法人にすることであるとか、グループ内で特例子会社が設置されており、雇用率の算定が行われるようになった際には、グループ算定を行わないだの、グループ適用の在り方を再整理するなど、これは雇用施策のほうですけれども、見直しをするタイミングに来ているのではないかなと思います。
すみません、長々と意見になりましたけれども、以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
本日は、小野寺課長に来ていただいていますけれども、労働政策絡みについては、最後にまとめてコメントをお願いしようと思っていますが、もし、ここはちょっと個別に発言したほうが良いと思われたら、ちょっと合図していただければと思います。ここはいいですかね。
何かあれば、どうぞ。
○小野寺職業安定局障害者雇用対策課長 ありがとうございます。
酒井委員からたくさん意見をいただきました中で、特に労働サイドとしてコメントをさせていただく部分につきまして、お答え申し上げたいと思います。障害者雇用対策課長の小野寺でございます。
○菊池部会長 これから、まだずっと続けていくので、端的にお願いできれば幸いです。
○小野寺職業安定局障害者雇用対策課長 ありがとうございます。
1点、併用時点においての第三者機関の在り方の中でハローワークと明示がございました。これにつきましては、ハローワークは当然、雇用管理に関する助言・指導を行う機関としてございますので、運用の中でどういった立ち位置になるかということを念頭に置きながら検討をしていきたいと思っております。
あわせまして、最後にありましたA型の件でございますが、A型につきましては、前回参加させていただいたときにもコメントをさせていただきました。制度創設当初のA型の姿から、設置主体や、A型全体のボリューム感、あるいはA型を設置する趣旨などの多様化が進んでおり、改めまして雇用率制度の中において、どういった形で評価をしていくのかということについては、議論するタイミングに来ているかと思っております。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
障害保健福祉部の幹部の皆さんは毎回出席されますけれども、小野寺課長は、スポット的な御参加なので、今のように扱わせていただきました。
それでは、安藤委員、お願いします。
○安藤委員 ありがとうございます。全国脊髄損傷者連合会の安藤です。
まず10ページ、この基礎的研修の構築に関する作業部会の一覧なのですが、拝見すると、障害当事者が入っていないのかなと思います。確かに研修関係の構築のことなので、専門家でメンバーを固めたのかもしれませんが、やはり障害当事者、就労経験のある当事者も入れていただきたいなと思っています。
次に、21ページの「なかぽつ」生活支援センターと、就労移行支援事業の表があるのですが「なかぽつ」センターの、この期間の定めなしで、移行支援の就労移行支援事業は、支援期間の定着支援が3年なのですね。
私の周りの知り合いとかも、やはり、就労移行支援で苦楽をともにした人と一緒に、やっと会社に就職できて、その後、定着支援で期間が3年で終わってしまうというのではなくて、やはりずっと関わってもらいたいなと。心を開いているのは、やはり、定着支援事業の、就労移行支援事業の担当の方なのですね。ここら辺はもうちょっと、もし「なかぽつ」センターの方も積極的に関わるなら、もっと就労前からしっかりと関わった形でやっていただかないと、なかなか定着支援の成果にはつながらないのではないかなと思います。
また、就労移行支援事業の担当者の方は、支援期間が3年過ぎても、手弁当で様子を見に来てくれて、離職しないように、生活が安定するように御支援してくれています。
そういうのを見ていると、やはり最大3年で切れてしまうのは、どうなのかなと思いながら、この表を見ていました。
また、こういった定着支援とかの指定の中に、やはりピアサポートを入れていただきたいのです。やはり、うちの会は60年以上、こういったピアサポート活動をしていますが、やはり、ピアサポート活動というのは最高のエンパワーメントだと思っています。多くの障害当事者同士が支え合って社会復帰をしています。そういう視点から見ても、そういった経験者が、こういったところに関わっていくという仕組みを作っていただきたいです。
そして、そういう仕組みを作るための、さっきの10ページのそういった作業部会にも、しっかりと当事者を入れた上で話を進めていただきたいです。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
今の1点目で、作業部会で、当事者の意見の反映というのはどうなのだと、そういう趣旨だと思うのですが、何か事務局からございませんか。
○小野寺職業安定局障害者雇用対策課長 御意見ありがとうございました。障害者雇用対策課長の小野寺でございます。
作業部会につきましては、安藤委員のコメントにありましたように、極めて専門的、技術的な議論をさせていただきまして、まず、研修の枠組みを一定程度素材として取りまとめ、整理した上で、改めて障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会、あるいは、各審議会にも御報告して、御意見をいただく機会がございます。その辺りで、ぜひ、利用者の皆様方の御意見を吸い上げた上での、各団体からの御意見を賜れればと思っております。
以上でございます。
○菊池部会長 少なくとも親会では、しっかり議論する機会を設けていただくということでございます。
それでは、次に、阿由葉委員、お願いします。
○阿由葉委員 全国社会就労センター協議会の阿由葉です。4点あります。
まず、検討の方向性の最初の○です。企業等で雇用されている間における就労継続支援の利用を可能とすることについてですが、スライド4ページにある一般就労中における就労系障害福祉サービスの利用、現行の取扱いにあるとおり、既存のトライアル雇用や就労移行支援事業、就労定着支援事業との役割と重なる部分があると思います。そのため再整理が必要だと考えます。
また、スライド5ページ、6ページの一般就労中の利用に関する実態調査で示されているのは、過去3年間に一般就労中の利用者と多様な利用者を受けた事業所の割合ということでありますので、障害当事者のニーズが把握されているということではないと思います。障害当事者のニーズをきちんと把握するとともに、併用について再度検討をいただきたいと考えます。
2点目です。
今回の提案では、就労系障害福祉サービスの利用を希望する障害者へのアセスメントが提示されましたが、障害当事者の利便性を考えると、早急に、福祉、雇用共通の就労アセスメントを開発するとともに、福祉、雇用共通の相談窓口が必要と考えます。
ただし、繰り返しになりますが、最終的な目標は暮らすことと働くことが切り離せるものではない以上、就労を含む生活全般をコーディネートするワンストップ相談体制の構築が必要と考えます。
3点目です。
3ページの2つ目の〇についてですが、障害者就業・生活支援センターが就労定着支援事業を実施できるようにすることは、就労移行支援事業所等がない地域においては、効果的だと考えています。
しかし、就労定着支援事業の創設当初、一般就労への移行支援を実施した事業所が継続的に支援するため、就労移行支援事業所等が就労定着支援事業を実施することとされていました。
このことを踏まえると、就労定着支援事業所数が就労移行支援事業所に比べて少ない状況を改善することが必要であり、就労定着支援事業の報酬の増額、あるいは、一般就労後6か月を経たないと、就労定着支援事業が利用できない状況の改善等、就労定着支援事業を増やす取組が必要と考えます。
また、特別支援学校の卒業生を就労定着支援事業の利用対象とすることについては、必要な支援を必要な方に届ける観点から、ぜひ検討を進めていただきたいと考えています。
4点目です。
検討の方向性の最後の○についてですが、A型事業の在り方や役割の見直しについて、4行目の後段にあるとおり、一般就労が可能な者は、本人のニーズを踏まえつつ、移行を促進することについては賛成です。
一方で、今回の報酬改定で、スコア方式が導入されたことにより、役場としての支援の質は上がっていくことが期待されています。A型事業所は稼得能力だけではなく、障害特性等を含めて、一般就労が困難な方に対する支援に強みを持っています。そういった点も含めて、A型事業の役割を考える必要があります。
スライド11ページにある現状と課題のイメージ図の整理が正しいとすると、現状のA型事業所の利用者増にある、通常の事業所に雇用されることが可能な障害者がいることが問題ではないでしょうか。
これについては、現状のA型事業所の課題ではなく、サービスを利用する前のアセスメントの問題があるため、まずは就労アセスメントの議論を進めることが先にはないでしょうか。
以上です。よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
続きまして、金丸参考人、お願いします。
○金丸参考人 日本相談支援専門員協会の副代表理事を務めております、金丸と申します。
日本相談支援専門員協会といたしましては、相談支援専門員として、利用計画の対象者が就労支援を開始していく時期に関わっていくこともありますので、就労アセスメントの目的と実施するタイミング等につきまして、多くの事例で経験して感じてきたことを手短に報告いたします。
例として、特別支援学校高等部での状況を取り上げたいと思います。教育課程の中で実習を重ね、卒業後の通い先について移行支援会議も含めて検討していくことになりますけれども、少なくとも私が経験した多くの事例では、移行支援会議の内容も含めて、できるだけ丁寧に見学や体験の機会を重ねていきながら行き先を検討し、本人の意思、興味、関心を確認し、御家族の気持ちを何度も確認しつつ、進路を決めていくようにしています。
その上で、B型事業所とかを、例えば選んでいくのであれば、会議等で得られた情報を就労移行事業所に伝えて就労アセスメントを実施してもらっています。
すなわち、御本人を中心として幾度も支援会議を実施して、学校における実習だけではなく、インフォーマルな社会資源も含めて、見学等の体験を重ねていくことで、生活を組み立てていくということを重視しています。
今回、短時間雇用のことについても触れられていますけれども、雇用以外の生活についても御本人の気持ちを中心に、一緒に考えていくことを重視したいと考えているところです。
ある事例では、学校の進路指導の中では生活介護の事業所を利用してはどうかという話が進んでいたケースで、その方は、手先が不器用、体力はない、一人で出かけたことはない、家ではYouTube、動画ばっかり見ているという生徒さんがいらっしゃいました。
従来の就労アセスメントを受ければ、一般就労はおろか、就労Bでも内容によってはしんどいのではといった評価が出そうなケースなのです。
しかしながら、時間はかかるけれども、1つのことには熱心に取り組めるところがあるとか、生活リズムが安定していると、御両親が本人を高く受け入れて、決して何かを頑張らせようとか、褒めて育てようとかを考えずに、ゆっくりと歩んでほしいと考えている方でしたので、将来の選択肢をじっくりと考えていく上で、幾つも事業所を見学した上で、就労移行事業所を選択しました。
上限いっぱいの2年間、就労移行を利用して、晴れて一般就労しましたけれども、工場の立ち仕事をこなし、とても不器用なので、今までも1つの作業しかやらせてはもらっていませんけれども、今、生き生きと通勤し、職場での評価も高い状況です。
時間をかけて働くことだけではなく、その方が生きがいを感じる生活を考えていくことをベースに、就労は生活の一部であると考えて支援していくと、結果的に就労状況もうまくいっている事例がたくさんあります。
逆に、就労しても定着しない、長続きしないケースにおいては、その方の生活支援や御家族との連携がうまくできていなかったのではないかなと考えられるケースが多いように思います。
従来の就労アセスメントの評価は高く、予想どおり企業就労ができたとしても、短期間でやめてしまう事例においては、やはり通勤中のトラブルとか、金銭の搾取、親兄弟との確執、生活リズムの乱れなどが要因になっていることが多いと感じています。
このたびの新たな就労アセスメントのイメージの図も示されていますけれども、支援の流れの初めに、作業場面等を活用した状況把握ということが示されておりまして、従来の就労アセスメントの内容と目的と、あまり変わらない印象を受けました。
また、そのアセスメントの結果を支給決定等に置いて勘案していくという流れは、本人中心の支援またはストレングスモデルを重視した相談支援を展開する側としては、本人中心の支援から外れ、能力に応じた振り分けにもなりかねない流れかなとは感じているところです。
中年期とか壮年期などのライフステージのことと、その時々の障害の状態を考慮して、その人のライフステージに応じたアセスメントの在り方と、意思決定支援等の重要性も十分考慮した新たな就労アセスメントを検討し、サービス等利用計画案を勘案しつつ、就労アセスメントを実施していくといった視点も盛り込んでいただくことを御提案申し上げます。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、次に石野委員、お願いします。
○石野委員 全日本ろうあ連盟の石野です。
今回、意見を資料として皆さんにお配りをしているかと思います。
資料は3ページあります。時間の関係で短くポイントをまとめて意見をお話ししたいと思います。
私は、今、滋賀県に住んでおりますけれども、社会福祉法人の理事長として、3か所の施設の運営に携わっております。
その中で、障害福祉サービス事業所の事例を取り上げて意見をお話ししたいと思います。
雇用から福祉へ、福祉から雇用へという視点に立って意見を述べたいと思います。
まず、日中活動サービスの利用についてですけれども、1週間に20時間未満の就労形態の場合には、併用は認められなかった。併用を利用することは、本人の精神的負担を軽減、生活の安定を含めて自立に向けて有効であるということが認められなかった。ただ、交渉した結果、「当事者の意見を聞き、関係者の意見も聞いて判断する。」ということで回答がありました。そういう事例がありました。
2つ目、今の障害福祉サービス事業所の利用者の中で、聴覚障害者はたくさん頑張っております。
当所で3人が併用利用をしています。3人とも聴覚障害者です。それぞれの課題に合わせて就労事業所、担当行政の理解をいただきながら一般就労しながら事業所に通っております。
3人がなぜ併用利用が必要かというと、共通する課題は、生育環境、教育歴、コミュニケーションがとれないなどがあって、社会的な困難性というものがあります。その困難性は個人の能力だけの問題ではなく、聞こえない環境の中で、様々なことを把握できないまま育ってきた場合、いろんな問題が出てきます。生活のいろんな場面で、いろんな問題が起こってきます。それは、就労場面でも同じです。聴覚障害者が就労した場合に、聞こえる人との壁がある場合、様々な課題があります。聞こえる人とのコミュニケーションがスムーズにいかない、挨拶ができなかったり、情報を正しくつかめない、誤解されてしまう、そういうことで精神的なストレス、不安があります。
そのような課題を解決するためには、障害福祉サービスとの併用利用、1週間に1日でもいいのです。手話言語を利用するような集団の中で、悩みであったり、相談をする、そういうことができる、そうすると、精神的な安定につながる。一般就労を継続することにつながるのではないかと感じています。
そういう面で、今回、国のほうで、短期的な措置ではなくて、個々に合わせた期間で進めていただく、柔軟的な対応、運用をしていただくということをお願いしたいと思います。
それは、聴覚障害者だけではありません。精神障害者も共通する面があると思います。
具体的な対策としては3つ考えられます。
1つは、20時間未満に対しても柔軟に対応できるような制度を作ること。
2つ目は、企業と事業所、一緒に合理的配慮を考えることを可能にするということ。
3点目は、どこに住んでいても安心して働けるということを求めたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
このように資料を御提出いただいて、それを基に、背景説明などは、この資料に書いておいて、ポイントをお話しいただくというのは、非常にありがたいと思います。事務局、私もこの文章自体は全部読ませていただいておるところです。
なかなか福祉のほうから、合理的配慮に関してまでじっくり議論が及ばないというか、そういうこともある。でも、本当は企業の合理的配慮義務との関係をどう考えるかとても重要なのですけれども、その辺り、小野寺課長、それは労働のほうの審議会で、合理的配慮義務との兼ね合いも含めて議論されているということでよろしいのですかね。
○小野寺職業安定局障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。
御指摘のとおり、合理的配慮については義務化されて数年経っておりまして、まだまだ十分ではない部分がありますが、企業側の理解も、あるいは障害者本人の方から、しっかりと申出をするということも含めまして、周知を進めているところでありますし、議論の中におきましても、重要な視点として設定いたしまして、議論しているところであります。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、続きまして、陶山委員、お願いします。
○陶山委員 日本難病疾病団体協議会の陶山です。
本日の検討方向性の議論から少しずれてしまうかもしれませんけれども、難病患者にとりまして就労支援というのは、生きていくために本当に重要な課題ですし、今後の施策というのは、とても皆さん関心深いところですので、難病患者の就労に関する現状を、まず、お話しさせていただきたいと思います。
難病患者は、寝たきりで働くことができないのではないかと思われている人がいらっしゃいます。例えば、ALSのような神経が眠ってしまうような病気の方もいらっしゃいますけれども、それはほんのごく一部の方で、ほとんどの方は働いていらっしゃったり、あるいは日常生活を送っていらっしゃいます。
ただ、内部障害の方が多いので、特に痛みとか疲労感など、見た目では分かってもらえないというのがありますし、また、体調のいいときと悪いときの変化がすごく大きくて、悪いときには入院までしないといけないのだけれども、体調のいいときには、本当にどこが病気というぐらい元気に仕事ができると。
そういうのを見ていると、周りの人が、やる気がないときと、あるときがあるのではないかとか、怠慢なのではないかと思われてしまうところがあります。
また、病気によっては進行していく疾患もあります。また、今の医学では治らない病気になってしまったということで、体はもちろん病気なのですけれど、鬱状態になる、あるいは鬱病になって精神科を受診されているという方もたくさんいらっしゃいます。ですから、身も心も病気になってしまうという方も多いというのが、難病の方たちです。
先日、私の中学校の教員をしている友人から、右手右足に障害のある中学生が、パラリンピックが終わって、手を隠さなくなったと言われました。動かせる機能を使って明るく元気に過ごせるようになったのだという話を聞きました。
確かに見た目に分かる障害を持っている人の困難は、本当に計り知れませんけれども、見た目には分からない病気や障害を持っている人の困難というのは、やはり周りには分かってもらえないということがとても大きいと思います。
特に就労におきましては、周りと同じ仕事を任されてしまい、また、自分が病気だということを開示していない人たちが多いので、頑張り過ぎて体調を崩して、そして、結局、退職しないといけないというようなケースも多いのが現状です。
また、医療費に関しましては、指定難病に認定されれば所得に応じて減額がありますけれども、認定されていない難病に関しましては、全額自費で一生払い続けなければなりません。
○菊池部会長 陶山委員、申し訳ないのですが、今日の論点に関して御発言をいただければと思うのですが。
○陶山委員 最後に、支援法の難病の文言が入っている福祉サービスの各種支援を受けることができるようになったのですけれども、政令市以外の市町村に関しては、指定難病の申請は都道府県ですから、福祉サービスがあることさえ知らないという現状があります。
だから、指定難病に含まれない疾患の患者には、全く情報が入らないというのが現状ですので、今後望むこととしましては、1つ目は、各種数値目標の中に難病という枠を入れていただきたいということ。
あとは、企業とか行政、ハローワーク等の機関に、難病に関する研修あるいは社会に向けた周知を行ってほしいということ。
その時に、ピアサポートをしている当事者の声というのを必ず入れていただきたいなと思います。先ほど難聴の患者団体の方もいらっしゃいましたけれども、やはり社会の変化とともに、福祉政策も転換期に来ていると思います。難病だけではなくて慢性疾患を持っている人とか、あるいはこういう失調を抱えながらも働き続ける支援というのが求められるのではないかと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、阿部委員、お願いします。
○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部と申します。
私の団体は、全国各地の障害者団体のネットワークからなっていますので、市町村での取組という視点を踏まえてお話しさせていただきたいと思います。
まずは、今回の取組、福祉と就労という取組の全体像については、とても期待しているところです。
そして、また、本人が企業で働きたいと思う方にとっての大事な選択肢であると思いますし、丁寧なアセスメントを行う中で、本人の持っている潜在的な力をともに発見していくということは、すごく大事なことだと思います。
ところで、今度は生活支援ということで考えますと、自立支援給付等は、市町村が中心になっているところですし、身近な市町村が生活支援を行っているというのは、すごく大事なことだと、これまで考えているところです。
今度は、就労が一緒に関わる中で、就労関係の取組はもっと大きい地域の中にある取組、「なかぽつ」センターなどは、都道府県の障害福祉圏域の中で、1か所とかというところもあると思いますし、障害者職業センターも、本当に、県に1か所ということだろうと思いますし、ハローワークもやはり広い地域になると思います。
私がお話したいのは、生活支援という市町村、身近な地域でのいろいろな取組、それに今度は就労支援というのが一緒に関わっていくということは、とても期待されるところですので、今回お示しいただいた、3ページにありますように、期待される機能や役割を踏まえた人員の配置や育成ということを検討していただいて、その市町村主体の生活支援と、どうしても都道府県の中での大きな圏域ということでの就労支援が、うまくかみ合うようにして、一人一人が暮らしている市町村での機会を提供していただくように、そして、就労の充実を図れるようにということで、よろしく検討をお願いしたいと思います。
以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、櫻木委員、お願いします。
○櫻木委員 ありがとうございます。
日本精神科病院協会の櫻木です。よろしくお願いします。
本日は田原部長、それから林精神・障害保健課長、御就任をされて、精神保健医療福祉に精通されたお二人が、今後の議論に参加をされるということで、非常に私、個人的には心強く思っております。これからも、どうぞよろしくお願いします。
それでは、就労アセスメントということについて、幾つかお話をしたいと思います。
就労アセスメントに関しては、第1巡目の議論のときにもお話をしましたけれども、このアセスメント自体が雇用と福祉の連携という文脈の中から出てきたと理解しておりますけれども、特に発達障害を含む精神障害、あるいは難病の当事者の方、この方に関しては、医療の関与ということが非常に重要視されるべきだと考えております。
今回もその資料の中で、就労継続支援に関して、一般企業の就労中に、一時的な不調、これは病状が悪化をしたというようなことを含むと思いますけれども、そのときに一定の期間利用する可能性ということにも触れられております。
このことを含めて、医療についての関与あるいは連携ということも十分に考慮していただきたいと考えております。
それから、お示しいただいた資料の7番のところに、新たな就労アセスメントのイメージ図が示されております。
この中で、アセスメントの主体であるとかあるいは担い手ということが表現されておりますけれども、もう一つイメージがわかないのですが、この主体ないしは担い手というのは、例えば、介護保険制度におけるケアマネージャ、こういった、いわゆる人材ということをイメージしておられるのか、あるいは、何らかの事業所というような形でイメージされているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
このアセスメントに関して言えば、現場で、いわゆる基礎的な知識あるいはスキルが不十分なために、サービスのミスマッチが起こっているということが指摘されておりました。
それで、7番の図の上の主な視点のところの2番目のポツのところ、いわゆる適切なアセスメントをするために、この主体ないしは担い手、これを作るのだということが示されております。
3番目のポツのところでは、担い手が十分に確保できるように、事業者の参入を促しつつということが述べられておりますけれども、実はこの方向性というのは、幾らかベクトルが反対の方向を向いているようなイメージがあります。
先ほどお話をしましたように、アセスメントの必要性というところに、いわゆるアセスメントを行う担い手ないしは主体、これに対する質的な担保というようなことが述べられておったと思うのですけれども、十分に確保するために云々ということに関して言えば、その質的な担保ということと十分に整合性が取れるような仕組みというのを考えていただきたいと思います。
最後に、総合支援法の見直しの団体ヒアリングの中で、一部、医療が関与するというようなことに関して、就労に対する可能性を狭めてしまうのではないかという御懸念をいただいたと理解しておりますけれども、むしろ、適切な医療が関与するということによって、就労に対する可能性、これが広がるのだと我々は考えておりますし、そういった視点で、このアセスメントの仕組みを作っていただければと考えております。
以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
アセスメントに関して御質問がございました、いかがでしょう。
○津曲障害福祉課長 障害福祉課長でございます。
御指摘に関してでございますけれども、まず、医療の関与ということに関しましては、私どもも重要と考えておりますので、どのような形がよいかというのは引き続き検討してまいります。
また、実際にアセスメントの主体がどういうものなのかということに関しましては、今回の資料の中には、役割であるとか機能を中心に資料を用意させていただいておりまして、その担い手については、現在、検討中でございますので、宿題事項の1つとさせていただきたいと思います。追って検討が進んだところで、また、お示しをしていきたいと考えております。
○菊池部会長 ということでございます。
それでは、続きまして井上委員、お願いします。
○井上委員 ありがとうございます。
日本知的障害者福祉協会の井上でございます。
私からは2つの意見と1つの質問をお願いします。
意見の1つ目は、先ほど来からお話がありましたけれども、いわゆるアセスメントの問題です。
先ほど、金丸参考人から体験、経験を踏まえた取組を非常に丁寧に紹介いただいて、うれしく思ったわけですけれども、特に知的障害の方たちの場合は、その体験、経験というものが非常に重要になってきますので、アセスメントには十分に取り入れるようお願いしたいと思います。
やはり障害のあるご本人には環境は非常に大事だと思いますので、その要素も取り入れていただきたいと思います。
さらに、障害特性によって支援の仕方や考察の仕方が異なると思いますので、ぜひそういった視点も入れていただき、本人の強みを引き出せるようなアセスメントを作っていただければありがたいというのが1つ目です。
2つ目は、これも皆さん方から多く出ているわけですけれども、A型事業所の課題というのは非常に多くあるのではないだろうかと思います。当協会の調査結果でもなかなか厳しい実態がありますので、A型事業の在り方も含め、様々な視点から検討をいただき、良質なA型支援事業所が広がる施策を検討いただきたいというところです。
最後は質問になりますが、資料3ページの検討の方向性の中で、専門人材の資格化が載っているわけですけれども、現時点でのイメージを教えていただければと思います。
ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
御質問につきまして、いかがでしょうか。
○小野寺職業安定局障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長、小野寺でございます。それでは、御質問をいただいた専門人材の資格化の部分につきましてお答え申し上げます。
これは障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会の中で、特に第2ワーキンググループの議論として、人材育成と確保という観点から、社会的なステータスや支援の人材の質の向上という意味で、職場適応援助者、いわゆるジョブコーチにつきまして、階層的研修を整理し直した上で、何らかの資格化が図れないかというようなことを特に議論してきたわけでございます。
この辺り、まさに今後議論していくということでありますけれども、いずれにいたしましても、同検討会の中でいただいた方向性を踏まえまして、検討してまいりたいと考えております。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、続きまして、小林委員、お願いします。
○小林委員 日本発達障害ネットワークの小林です。よろしくお願いします。
働き方と働くことという、そもそも論を1つと、それから、就労支援アセスメントという2点の視点で意見を述べさせていただきます。
今回の御説明を伺い、改めて就労支援の目指すべき目標は、SDGsに記載されているディーセント・ワークにつきるような気がいたします。
持続的な経済成長と安定した雇用によって、全ての人々が働きがいのある人間らしい仕事につき、働きがいも経済成長も実感できることなのだろうと思っています。
私たちは、今、就労イコール雇用という先入観で話し始めてはいないだろうかと感じています。
アール・ブリュットやエイブル・アートなどの美術作品を商品加工し、報酬を得る方がいたりとか、パラスポーツなどを宣材に広告収入を得たりと、あげたりと、収入は、作業工賃や時間賃金に限っているわけではなく、障害のある方が関与するビジネスの幅が広がっていることも理解すべきであろうと思っております。
就労支援という言葉は、安易に何らかの仕事に就くことを目的にするのではなく、それぞれの人の良さや、特性や、売りをしっかり見極めて、様々な働きのツールと結びつけることと認識すべきだろうと思っております。
現実的ではない、理想論ではないかとやゆされそうですが、これまでの就労支援における戦略では、時代に追いついていけないような気がします。まずは、働き方の認識変容が今の私たちには必要であるのではないかなと考えているところです。
もう一つ、就労支援のキーワードはアセスメントであり、様々な方々に活用できるアセスメントの開発が必要であると思っております。
先ほど櫻木委員からのお話などもございましたが、対象者の基本情報に医療介入や、福祉介入による様々な情報を加え、何らかの仕事が見いだされた際は、その持続可能性や、将来的な見通しをAI等で評価分析するなど、客観的なデータに基づいた就労支援が求められるようになると思います。
具体的には、リハビリテーション専門職、とりわけ、作業療法士らが、作業分析やMTDLP、生活行為向上マネジメントなどの評価ツールを活用しています。
その専門性を就労支援の現場で生かし、基礎資料、情報として蓄積しておくことが大切だろうと思っております。
また、就労支援の先を見据えて、生活や仕事に関する支援の専門家を確保する体制づくりが求められていると考えているところです。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
続きまして、久保委員、お願いします。
○久保委員 ありがとうございます。
全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
まず初めに、この分野と福祉がさらに連携するという点につきましては賛成でございます。
また、障害者の就労・生活支援センターは、就労定着支援事業を実施する点と、それと企業等で雇用されている間における、障害継続支援を利用できる点も賛成でございます。
一方で、企業等で雇用されている間にあっても働いていない日については、就労系サービスを利用できる運用は、十分に市町村周知されていない現状がございますので、この点は改めてしっかりと周知していただくようにお願いをしたいと思っています。
加えまして、就労系サービスの利用を希望する全ての人にアセスメントを実施する点につきましては、特別支援学校の卒業進路にも大きく関わってきます。卒業前にアセスメントをするということになりますので、その点で、学校につきまして大きく影響してまいりますので、教育分野との十分な調整が重要ではないかと思っております。
そして、先ほどから、いろいろな方からも御意見がありましたけれども、今回の資料でも、就労系サービスを含めた通所サービス全体の在り方を議論する方向は示されておりません。育成会としましては、繰り返し、法改正に向けて、サービス全体を見直すべきとの意見を表明しておりますので、大変残念に思っております。
このような議論は、他の委員からも少し似たような意味合いの御意見もあったかと思っております。
先日、内閣府の障害者政策委員会が開催されまして、その中で、障害者権利条約の対日審査に向けた意見の提出とか、それから、国連の脱施設ガイドライン策定などを踏まえた障害者権利条約に照らした総合支援法の見直しの必要性が複数の委員から提示されました。
障害者部会は、我が国における障害者施策を大きい視点で議論する場でありますので、その指針は、障害者権利条約であると思っております。
以前の障害者部会でも、丹羽委員から同じような御意見があったかと記憶しておりますが、ぜひそうした視点に立った総合支援法の見直しを議論する場を設定していただきたいとお願いをしたいと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
個別論点について、御議論をいただいていますが、ただいまの久保委員、非常に大きな視点からの御発言も、非常に貴重だと思っております。
確かに、この就労系サービス全体の在り方、あるいは個別の在り方について、複数の委員から御発言があったところですが、必ずしも今回のまとめに向けた議論の中では、全体の在り方というところには向かっていないのかなと私も思いますが、しかし、久保委員御指摘のように、来年、権利条約の審査、日本に予定されているようですので、やはりそういった大きな視点も必要ではないか、これは最後の取りまとめに向けて何を盛り込むかという辺りで、非常に参考になるなと私も思った次第です。
それでは、岡田委員、お願いします。
○岡田委員 全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
私からは、精神障害がある人の病気の発症から回復のプロセスを間近に見てきたものとしての立場から意見を述べさせていただきます。
地域には、本当は働きたいと考えている精神障害者の方はたくさんいらっしゃいます。働きたいけれども、一度も挑戦できずに無理だと諦めている人、あるいは実際に挑戦してみたけれども駄目だったと諦めている人、何度も何度も挑戦し続けているのだけれども、うまくいかない人、このような状況の人たちがたくさんいます。
この現状の背景にあるものを考えますと、精神障害のある人の多くが、10代から20代で病気を発症して、その治療や療養期間が必要となるために、学校生活や社会生活を途中でリタイヤしなければならないという大きな挫折を体験します。
さらに病気による苦しくて辛い症状の経験もあり、病状が徐々に回復しても、挫折体験から自信を失ってしまっている、あるいは精神の病気への偏見から自己否定感も強くなってしまう。また、環境が変わることで体調の変動が起きることや、病気の再発への不安などがあって、社会参加や就労までの困難な越えるべき課題が本当に幾つもあります。
このような事情を背景として、働きたい気持ちを徐々に諦めてしまう。これが地域の精神障害者の多くが置かれている現状だと、私は見えています。
このようなことから、2ページの最初の○の企業等で雇用されている間における就労継続支援の利用ということについて、この併用については、精神障害者にとって、とても重要なことだと思っております。
以前にも発言しましたけれども、企業等での働き始めの時期など、短期間雇用から段階的に働く時間を増やしていく場面ということで、期間を設定して併用を認めましょうという御提案ですけれども、私は、期間を定めるのではなくて、個々の状況に応じて柔軟な対応ができることが必要だと考えます。
また、この項目の最後に、障害者雇用分科会において、週20時間未満の短時間勤務者の扱いが論点に挙げられていることも留意が必要とありますが、第106回の障害者雇用分科会では、この調査報告として、特に精神障害者の中には、週20時間未満での働き方を認めるなどの配慮がなされることで、体調や症状の安定を図りながら働くということが可能な者もいるのではないかという報告がされております。
精神障害者の就労を進めるためには、この短時間就労を積極的に進めていただく必要があると考えます。
短時間労働、超短時間労働が制度的に認められることは、精神障害がある人の困難を越えるべき課題の一部を解消することにつながります。
障害者施策全般に言えることだと思いますが、障害者権利条約で言われる合理的配慮という理念に沿って考えれば、障害がある人に対して、社会の枠組みに合わせられるようになるまで努力して頑張れというだけの仕組み、制度ではなくて、それぞれの状況によって自分に合うものを選択できる、選べる社会の枠組みを作っていくということが、とても必要ではないかと考えます。
私から精神障害について、今、少しお話をしましたけれども、それぞれの障害については様々な背景や事情があって、そのことを理解した上で進めていく必要があると考えます。
そのためには、先ほどから複数の委員の皆さんから意見が出されているように、こういうことについては、障害当事者の皆さんの意見がきちんと反映される仕組みを、より積極的に進めていただくこと、これがとても重要ではないかと考えておりますので、ぜひお願いしたいと思います。
以上です。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
雇用政策に関する御発言もいただいたかと思います。
それでは、江澤委員、お願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。
まず、一般就労中の就労系福祉サービスの利用やサービスの選択決定より前のアセスメントの実施について、賛成でございます。
今後、企業等と福祉サービス事業者の連携の重要性が高まるため、企業等の衛生管理者や、障害者の労務管理担当者、必要に応じて産業医等との定期的及び随時のミーティングを実施し、本人の意向を踏まえて、PDCAサイクルを回すべく、継続的なアセスメントの実施を企業等におけるルーチンワークとしていくことも、方策ではないかと思っております。
本人に応じたテーラーメイドな作業管理、健康管理等の議論を継続することによって、企業等の理解が深まると思いますし、企業等が従業員に対し、自ら障害者の理解を深める取組を行うことが、より従業員の障害者の支援にもつながり、効果的と考えております。
先ほど石野委員からも、合理的配慮の御提案がございましたが、こういった企業側の取組によって、合理的配慮の推進を図っていくべきと考えております。
あわせて、雇用・福祉両分野の基礎的な知識等を分野横断的に付与する基礎的研修や、専門人材の育成に向けた研修の創設についても賛成でございます。
近く制度化の記載もありますが、まずは、こういった研修を充実して、実施していくことが先決だと思っております。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、齋藤委員、お願いします。
○齋藤委員 日本看護協会の齋藤でございます。
私は、今回事務局から提案された点について、全て賛成の方向でございます。複数の委員からもございましたが、就労継続支援の利用に関しては、これまで例外的な取扱いとされていた、一般就労と福祉就労の行き来を柔軟にするという提案だと思っています。
今、世の中で目指されているのは、生涯現役ということで、昨年国会等でも議論され、今年施行されましたが、70歳までの就労機会確保が企業の努力義務として求められている状況でございます。
ですので、障害を持っても心身ともに適切な状況で、なるべく働き続けられる体制を、やはり作っていくべきだと思いますので、今回の取扱いは、その一歩となるだろうと思っております。
それから、就労アセスメントの制度化についても、やはり多角的な視点で、総合的にアセスメントをすることは非常に重要だと思っております。
多機関連携に関するケース会議等々も記載されており、いろいろと間接業務は増えてまいりますが、やはりこのアセスメントがきちんと生きて、そして、長く働き続けられるというところの入り口だとも思っております。今後、議論がしっかりされるということで、そこにも期待をしながら、少し議論を見ていきたいと思っているところです。
障害を持っていても、その人の状況に合わせた心身の健康を保ちながら、長く働くという方向性が出されたということで、非常に歓迎したい議論だと思っております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
これで一巡したのですが、安藤委員から手が挙がっております。2度目になりますので、簡潔にお願いしてよろしいでしょうか。
○安藤委員 菊池部会長、ありがとうございます。簡潔に発言させていただきます。
先ほど、小野寺課長から御返答いただきましたが、その際に、極めて専門的という話がありまして、専門性が高いということで、私も確かにそういった研修に関して、専門性が高いので専門家の方が集まって決めるというのは分かるのですけれども、そうだとしても、やはり、国連の権利条約でもNothing About us without usと、私たちに抜きに、私たちを決めないでと書いてあります。
権利条約でも、第4条第3項に、障害者と綿密に協議して、障害者及び障害者を積極的に関与させなさいと書いてあります。積極的に関与させろと。
私たち障害者団体の活動をしている人間も、障害当事者も、ここにいる団体の皆さんも、みんな専門的だと思うのです。
ですので、やはり、プロセスの段階から、しっかりと障害当事者に関与させていただきたい。私たちのことを私たち抜きに決めないでということを、ぜひ例外なくやっていただければなと思います。
以上です。
○菊池部会長 貴重な御意見、ありがとうございます。
ほかの委員からも、この当事者の意見というものをきちんと反映してほしいということがございましたけれども、よくこういう検討会とか研究会とかで、ヒアリングとか、そういうのがあったりしますけれども、今のところは、そういった形では、予定はされていないということなのですかね。今の安藤委員の御意見に対して何かございますか。
○小野寺職業安定局障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。
貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
現状においては、先ほど申し上げたように、作業部会、非常に急ピッチで技術的な議論を進めるということで、参集者について原案のような形で考えてございました。
いずれにしても、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会のもとに、設置する部会になっておりますので、同検討会の場に卸報告し、その場において当事者の意見を十分に踏まえることができるということで考えておりましたが、同検討会の座長であります、駒村先生とも卸相談させていただき、どういった対応ができるかということにつきまして、改めて検討をさせていただきます。
○菊池部会長 ということで、安藤委員、ひとまずよろしいでしょうかね。
○安藤委員 はい、ありがとうございます。
○菊池部会長 そういえば、私も検討会の委員であるということを、今、改めて認識しまして、私からも、ぜひ駒村座長に何らかの形で意見反映というか、そういった意見が出たということはお伝えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
貴重な御意見を多々いただきました。すみません、私の差配のまずさで時間が押しておりますが、様々御意見をいただきましたので、最後に、津曲課長、小野寺課長から、コメントを若干いただければと思うのですが。
○津曲障害福祉課長 ありがとうございます。
障害福祉課長の津曲でございます。皆様から大変現場の声を反映しました貴重な御意見をいただきました。ありがとうございます。
多くのすごく大事なキーワードがあったと考えております。1つずつにお答えすることはできませんけれども、障害者本人の希望であるとか、意思であるとかということをすごく重要視すること、そして、ピアによる支援であるとか、というような話もございました。
そして、アセスメントを行うに当たっては、総合的な視点というのが重要だということで、各分野、皆さんからも御意見をいただきました。
私どもとしては、そういう一つ一つの制度であるとか、仕組みを考えていくに当たって、よくよくそういうところも参考にさせていただきたいと考えております。
また、一方で、先ほど部会長からも御指摘がございましたけれども、全体的な視点からの検討というものについての御示唆もいただいておりますので、そのようなことも、どのように進めるかということを部内で、まず議論をさせていただきまして、また、部会長にも御相談をさせていただきたいと考えております。
私のほうからのコメントとしては、以上とさせていただきたいと思います。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
○小野寺職業安定局障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。
本日、大変貴重な御意見を多面的にいただきまして、特に合理的配慮についての問題意識につきましては、各委員から複数にわたって御指摘をいただきました。アセスメントの場面におきましても、企業の雇用場面での職場環境など、そういった合理的配慮を踏まえて対応しなければいけないというところは、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会の中でも強調をされた部分であります。あわせて、精神の方を中心といたしまして、20時間未満の働き方について柔軟に個々の状況に対応していくということが、就業の可能性を高めるといった御指摘もいただきましたし、この辺り、今日の議論をしっかりと障害者雇用分科会の各委員とも共有させていただきながら、引き続き検討してまいりたいと思っております。
○菊池部会長 ありがとうございます。
小野寺課長は、無事御留任ということで、今後とも、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。それでは、時間がかなり押してございますので、続きまして、議題2の資料3につきまして、御説明をお願いいたします。
○林精神・障害保健課長 精神・障害保健課長でございます。
資料3に基づきまして、精神障害者に対する支援について、今後の検討の進め方も含めて、御説明をさせていただきたいと思います。
それでは、資料3をお開きください。
おめくりいただいて「現状と課題」というところでございます。
本年3月に、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会という報告をまとめさせていただいております。
基本的な考え方、今後の取組、方向性等について整理をされたところでございます。
まず、この報告書のポイントをお話しさせていただきたいと思いますけれども、支援体制について、市町村などの基礎自治体を基盤として進める必要がある。また、市町村が精神保健に関する相談指導等について、積極的に担えるよう、必要な環境整備を行うべきである。
2つ目のポツのところでございますが、本人の困りごと等に関する多職種・多機関の情報共有について、個別支援の場においては、意向を確認しながら情報共有を図ること。また、協議の場といったところで議論する必要もあるといったこと。
さらに、3つ目、4つ目、5つ目のところなのですけれども、精神科医療機関における退院後支援であるとか、あと、権利擁護のための取組のさらなる充実、精神科救急医療体制の整備、ピアサポート、こういったものの重要性について報告がされたところでございます。
また、この報告書では、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に規定する入院に関わる制度の在り方、患者の意思決定支援や患者の意思に基づいた退院後支援の在り方等の事項について、別途検討が行われるべきであるとされております。
こうしたことを踏まえまして、今後、こうした議論をさらに進め、また、議論が整理されていない部分については、さらに議論をするということで、現場の関係者や有識者、当事者、家族等からなる地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会を開催し、地域包括ケアシステムを構築する観点から、議論していきたいと考えております。
検討会につきましては、本日、御報告させていただいた上で、10月上旬を目途に開始をし、来年の夏頃までに議論をしていきたいと考えております。
構成員としては、医療関係者、福祉関係者、当事者家族の方、行政関係者、学識経験者等を予定しております。
そして、今かいつまんでお話をさせていただきましたけれども、本年3月にまとめました検討会の報告書について、この場で御報告する機会を、これまで持っておりませんでしたので、時間も押しておりますので、簡単にでございますけれども、御報告をさせていただきたいと思います。
右下に3ページとあるところで御報告をさせていただきたいと思います。
まず、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る基本的な事項と書いてございますけれども、ここのところに、基本的な考え方をまとめております。
特に重要なことといたしまして、精神障害の有無や程度に関わらず、誰もが安心して、自分らしく暮らすことができるよう、重層的な連携による支援体制を構築すること。
また、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムは、地域共生社会を実現するためのシステム、仕組みと解されて、地域共生社会の実現に向かっていく上では、欠かせないものであると、こういった重要な考え方が示されております。
また、この重層的な連携による支援体制は、精神障害を有する方、一人一人の本人の困りごと等に寄り添い、本人の意思が尊重されるよう、情報提供やマネジメントを行い、適切な支援を可能とする体制であること。
また、精神疾患や障害に対する普及啓発を推進することは最も重要な要素の1つであり、メンタルヘルス・ファーストエイドの考え方を活用するなど、普及啓発の方法を見直して、態度や行動の変容までつながることを意識した普及啓発の設計が必要であると、こういったことも示されております。
こうした基本的な考え方に立って、7つの分野にわたって提言をまとめていただいております。
地域精神保健や障害福祉の分野に関しましては、先ほどもお話ししましたように、市町村における相談指導等の充実を図っていくということ。
長期在院者について、市町村が精神科病院との連携を前提に、病院を訪問し、利用可能な制度の説明を行う人の取組を位置づけていくこと、こうしたことが挙げられております。
精神医療の提供体制につきましては、平時の対応を行うための、かかりつけ精神科医の機能、その他、様々な機能の充実を図っていくこと。精神科救急医療体制、こういったものの充実を図っていくといったことが挙げられております。
住まいの確保と居住支援においては、生活全体を支援するという考え方である居住支援の観点を持つ必要があるといったこと。
また、入居者、そして、居住支援関係者の安心の確保が重要である。こうしたことが挙げられております。
社会参加という分野では、社会的な孤立を予防するため、地域で孤立しないよう、伴走し、支援することや助言等をすることができる支援体制を構築するということ。
当事者、ピアサポーター、いずれも重要でございまして、市町村等がピアサポーターや精神障害を有する方等の協議の場への参画を推進することなどが示されております。
精神障害を有する方の家族の支援でございますけれども、家族が必要なときに適切な支援を受けられる体制が重要でありまして、市町村等が分かりやすい相談窓口の設置等の取組を進めるということが挙げられております。
また、人材育成につきましても、支援を行うことができる人材として、地域課題の解決に向けて連携を担う人材といったことが重要であると、育成と確保が重要であるといったことが挙げられております。
そして、この検討会の開催の途中で、この医療体制につきましては、ワーキンググループを設けて、別途、検討、議論をいたしました。これについて、11ページに御報告をさせていただいております。
主要なところは、先ほどの検討会のポイントにまとめられておりますけれども、11ページを御覧いただきますと、精神科救急医療の提供につきまして、具体的な提言が、さらに詳細に挙げられておりまして、救急医療という中でも、平時の対応・受診前相談から、入院外の医療、こうしたところで、かかりつけ精神科医等が時間外の医療に対応すること。
ニーズに応じて、往診、訪問看護等が行われること。
さらに、入院医療の中では、原則、対応の要請を断らないこと、措置入院、緊急措置の入院への対応が可能であるべきこと。
身体合併症への対応が必要であること、こうしたことについて、詳しく提言をいただきました。
こうしたことを進めるに当たって、都道府県は、精神科医療体制に関する評価指標を用いた整備状況の整理と評価、地域の実情に合わせた体制、整備を進めていくこと。
国としても、精神科緊急医療体制整備状況の充実、指針の改正の検討、また、救急医療体制に係る評価指標の検討、提示、こうしたことを進めていこうとしております。
こうした検討会でまとめた提言の上に立って、また、今後の検討進めまして、さらに詳細または必要な制度化等についての検討を進めていきたいと考えているところでございます。
説明は、以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
ここから、さらに検討会を開催して、議論を詰めていくというところのようでございます。
それでは、ただいまの説明につきまして、皆様からの御意見等がございましたら、挙手をお願いします。
会場では、丹羽委員、それから、オンラインで、すみません、時間の関係があるので、今、人数を把握したいので、お示しいただけますでしょうか。よろしいでしょうか。
9名の方がオンラインで手を挙げておられます。
すみません、ということで12時までには終わらないことが、ほぼ確実になってまいりました。少し延長を、申し訳ございませんが、お認めいただければ幸いでございます。
それでは、会場から丹羽委員、お願いします。
○丹羽委員 ありがとうございます。
全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。端的に行きたいと思います。
まず、検討会報告書ですが、資料3の6ページ目の1、地域精神保健及び障害福祉の3つ目の○に、精神科病院の長期在院者への支援は、障害福祉サービス等を含む地域の基盤整備が重要であり、精神科病院との連携を前提に市町村の取組として、制度上位置づける必要があるとあります。
この部分について、団体ヒアリングの全国地域で暮らそうネットワークの御意見に、地域生活支援事業における市町村の必須事業に位置づけてはどうかとあります。これは、とても重要な指摘で、当ネットワークでも賛同したいと思います。
ここで2つの質問と、2つの意見を述べたいと思います。
まず、質問の1つ目ですけれども、この精神障害者支援の中に、高次脳機能障害も含まれているのかということが1つ目です。
2つ目の質問については、精神・障害保健課では、医療機関と地域の福祉機関にそれぞれ支援コーディネーターを配置して、多職種・多機関連携による地域連携体制整備事業を行っているようですけれども、その成果についてお聞きしたいと思います。
続いて、意見ですけれども、まず1つ目は、このモデル事業を精神に特化するのではなくて、施設からの地域移行にも活用できる仕組みを作ってはいかがでしょうか。
つまり、施設等と地域の両方に専任のコーディネーターを配置する方法です。
地域移行について、従来は、どちらかというと、施設や病院の課題として取り上げてきたように思いますが、社会の脆弱性に焦点を当てて、豊かな社会をつくるための議論の機会が必要だと思います。
2つ目の意見で、そうした意味でも、先日、私も9月13日の内閣府障害者政策委員会の議論を拝聴していましたけれども、久保委員からも御意見があったように、本部会と政策委員会の議論がきちんと連動して進んでいくようにしていただきたいと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
質問につきまして、いかがでしょうか。
○林精神・障害保健課長 質問1つ目の高次脳機能障害の扱いでございますけれども、精神障害者、私どもの課で、もちろん対象として扱っておりますし、こうした地域包括ケアシステムというものについては、何かを排除する性格のものでもございませんので、しっかりと、どの方にも支援が受けられるような仕組みを考えていくということになると思っております。
2つ目の事業につきましては、今日の資料の中で御説明することは難しかったのですけれども、参考資料のところで、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業、すみません、15ページ以降になりますけれども、こうしたところで、現在の実施状況等についてお示しをしているところでございます。
なかなか定量的な評価というところまで難しい部分がございますけれども、実施主体も伸びてきておりますので、こうした事業をしっかりと推進しながら、地域生活の支援、また、地域移行のところに、しっかり取り組んでいきたいと考えております。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、オンラインでまいります。白江委員、お願いします。
○白江委員 ありがとうございます。
全国身体障害者施設協議会の白江と申します。2点ございます。
1点は意見です。今回の検討会を設置して議論を深めていくという点については、賛成です。
私どものほうも宮城県内で複数の市町村で、医療サービス提供をさせていただいておりますが、精神障害の方の利用がかなり増えてきています。ショートステイにしても、日中活動、サロン等。
その中で思ったことは、いろいろな小さな市町村、質量ともにかなり不足はしているのですけれども、いろいろ工夫しながらよくやっていると。ぜひこの検討会等でも、そういった埋もれた好事例などをどんどん紹介していただければなと思っております。
それから、1点質問です。先般、新聞報道で欧米と韓国の7か国、COVID-19の影響調査をしたということが出ていました。
その中で、全体の障害を持った方々の精神状態の悪化を訴えている方が8割いらっしゃったと。中でも精神障害の方の死亡率が、いわゆる健常者と言われる方と比較して1.8倍に上っているということが書かれてあったのですけれども、日本でこういったコロナとの影響調査はされているのか、また、今後される予定があるのかというところだけ、ちょっと教えていただければと思います。
以上です。
○菊池部会長 いかがでしょうか、ただいまの質問。
○矢田貝企画課長 コロナについての調査ということにつきまして、現時点で何か調査しようということを検討しているということではございません。むしろ、今、施設の感染予防であったり、ワクチンの優先接種だったり、個々の現場で起きている、困りごとに、個々に対応してきているというのが、今の状況でございますが、御意見を受けとめまして、どういう検討ができるのかということを持ち帰りたいと思います。
○白江委員 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 よろしくお願いします。
それでは、齋藤委員、お願いします。
○齋藤委員 今回の報告の中で、市町村が精神保健に関する相談等について、引き受けていくという記述があり、方向性には賛同いたします。
これは、私の個人的な見方ではありますが、市町村が在宅医療・介護連携推進事業を行うことになった際に、これまで介護分野を担当してきた方々が、都道府県が所管していた医療を見ていくということで、非常にまごついたなという印象があります。
今回の相談についても、恐らく運用等は共生社会のところでも言われたように、1つの機関で多様な相談をまず一括で受けるというような運用をしている市町村が多いのではないかと思っております。
そうなったときに、やはり相談対応をする人材育成が非常に重要だと思います。今回の報告でも、人材育成のことがしっかりと書かれていますが、教育の質の担保ということと、それから、市町村によっては、担当者が短期間で変わっていくということがありますので、自分たちが培ってきた経験等をきちんと伝達できる形で残し、担当者が変わってもサービスの質が一定程度安定する体制を目指していただきたいと思っております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、岡田委員、お願いします。
○岡田委員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
このことにつきましては、課題が大変多くあるなという実感で、各地域でもなかなか進まない現状も見えておりますので、この検討会の立ち上げということについては、大変感謝をしております。ありがたく思っております。
この中で市町村などの基礎自治体を基盤として進める必要があるということについてですけれども、私たち一般市民から見ますと、現在は精神保健に関する相談先としては、やはり保健所の存在が中心にあります。保健所は、今、本当に大変な状況の中で感染症や、そのほか母子保健であったり精神保健も含めた多くの役割を担っていますけれども、各地で統廃合が進んで、保健所の数自体が減少していると同時に、人員不足の課題もあると考えられます。
2011年から精神疾患は5疾病として国民にとって重要な疾病だと位置づけられたわけですから、例えば、精神保健分野を保健所から切り離して、各市町村に精神保健専門の部署を置くというようなことも検討されていいのではないかなと考えております。それが1点。
それから、細かいことを申し上げて恐縮なのですけれども、検討会のメンバーとして当事者家族と書かれていて、それはありがたいと思うのですけれども、当事者・家族となって、ほかのそれぞれの方たちは点で区切られているという、ここの表現が、別の会議で当事者団体の方から当事者と家族の意見は必ずしも同じではないのだと、確かに経験していること、見えている景色は違いますので、ここは別々、当事者も家族も参加する必要があるという表現にしていくことが望ましいのかなと思っております。
11ページでも当事者や家族という表現になっておりますが、当事者と家族と、それぞれの立場で参加する必要があるという表現を意識していただけるとありがたいなと思っております。
以上です。
○菊池部会長 貴重な御指摘ありがとうございます。
確かにポストコロナで、これから医療供給体制の在り方を議論していくことになると思いますが、そういう大きな議論とも、場合によって関わるようなことがあるのかなと、今、お聞きして思った次第です。
それでは、櫻木委員、お願いします。
○櫻木委員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。
3月まで、私もこの検討会の構成員として参加をしておりましたし、それから、報告書を取りまとめるというところには、いろいろ参加、協力をさせていただきましたので、その立場から少しお話をしたいと思います。
5ページ目のところに、概要版が載っていて、その最初の基本的なところ、このシステムのさらなる推進を図るために必要な諸制度の見直し、障害福祉計画や、令和6年からの次期医療計画への反映及び必要な財政的な方策等も含めと、かなりここのところは力を入れて書いたところです。
実際に、市町村を中心に、このシステムを作り上げていくというところで、何もない中からやっていくというのが実感ですけれども、私の個人的な考え方として、とりあえず、地域で必要なのは、人材の育成、それから、住民に対する普及啓発、それから、精神科救急医療体制の充実という、この3点、これは早急に必要だと考えています。
15ページのところに、今までの構築支援事業等の、今までのことが載っていますけれども、これは今言った3つのこと、これがかなり基本的な部分で必要ですので、今までの事業の進め方にとらわれずに、今言った普及啓発、人材育成、それから救急体制の充実というところに、積極的に財政的な部分あるいは取組の方向性ということもまとめていっていただきたいと考えております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、小林委員、お願いします。
○小林委員 日本発達障害ネットワークの小林です。
精神障害者に対する支援についてというところで、今後、開催される検討会についてお願いがあります。
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの考え方は、多くの領域との連携、協働、工夫しながら、今後の地域共生社会を実現していくためには、重要な視座だということは十分承知しております。
この地域包括システムをよりよいものにしていくため、地域の基盤の整備の際や重層的な連携による支援体制の構築に向けて、以下の2点を検討時の議題としていただけたらなと考えております。
1つは、精神疾患の早期発見、早期対応とともに、何らかの発達障害の方、高次脳機能障害の早期発見と対応、また、精神疾患や発達障害、高次脳機能障害について地域における普及啓発に関して、今後検討会で御確認いただけるよう希望いたします。
精神障害においては、時代とともに、また、医学の進歩とともに診断名や診断方法そのものが変化しており、恐らく精神疾患、精神障害に関する普及啓発の際に、その内容そのものが混乱しやすい状況ではないかと考えております。
先ほども高次脳機能障害は入りますかとか、それから発達障害は入りますかと、私は何回もお話をしていたところなのですが、そのため、現状の見解を整理して、可能な限り分かりやすく地域の皆さんに普及啓発していく工夫が必要なのではないかなと、考えております。
もう一点は、現状または今後において、精神障害者に必要な発達障害も含めた、高次脳機能障害も含めた精神障害に必要な人への相談支援についてですが、多様な相談支援のメニューを準備し、充実させることが必要になってくることと思います。
既に用意されているサービスの中で、とりわけ8050問題、ひきこもりの対応などの訪問型支援が、今後さらに必要になってくるものと思われます。
また、心理教育的なものや、保護者の支援に関してということで、家族の支援に多くの時間を要しているものと思いますので、その点、地域包括ケアを構築する際の相談支援のメニューも含めた検討課題を持っていただけたらなということを考えております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、続きまして、阿由葉委員、お願いします。
○阿由葉委員 全国社会就労センター協議会の阿由葉です。
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムは、必要不可欠であり、その考え方に賛同します。
ただ、現場からは、福祉関係者と医療関係者の間で、利用者に対する認識の違いが存在するという声が聞かれます。そのためにも、この精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を進めていただければと思います。
また、基本的な考え方にあるとおり、精神障害の有無や程度にかかわらず、何もが安心して、自分らしく暮らすことができるよう、分野横断した共通理解の調整等を行う必要があると考えますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、江澤委員、お願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。
資料3のマル2の3ポツ目について一言申し上げます。
以前も精神患者においては、退院後1年の間に、4割の患者が再入院している資料が示されたところでございます。
精神科と異なる一般の医療機関においては、入退院支援の取組が推進されています。
すなわち、入院前あるいは入院時から退院後をイメージして、退院後の地域の社会資源との連携を図る取組がかなり広まってきております。
したがいまして、精神科の医療機関においても、そういった入退院支援の取組を普及していくことが役立つのではないか。特に地域における社会的孤立を防ぐということに資するのではないかと思っております。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、久保委員、お願いします。
○久保委員 ありがとうございます。全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
精神障害者にも対応した地域包括システムの構築は、ぜひ推進していただきたいと思っておりますが、これも育成会として繰り返し申し上げてまいりましたけれども、自閉症を含む発達障害が精神障害に含まれるということが示されていないことは、大変残念に思っております。
また、精神障害と特記していることもありまして、例えば、自立生活援助や、地域定着支援の相談あるいはピアサポートいった取組が、一部の方は、精神障害のある人に対応したサービスであるかのようにとらえられている面も大変懸念するところでございます。
これらのサービスは、知的障害のある人が、地域で自立生活を希望する際にも重要な支援でございますので、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの成果が、他の分野にも広がることを期待しております。
その意味で、大きな課題となっております精神病院から地域移行について、高度障害などの状況により入院を余儀なくされている知的障害、発達障害の方がどの程度おられるのか、実態を把握していただきたいと思いますし、既に調査結果があれば教えていただきたいと、お願いをしたいと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
最後に調査経過があればというようなコメントがございましたが、何か今の時点で返答する部分は。
○河村障害児・発達障害者支援室長 地域生活支援室のほうから、一部なのですけれども、今、御指摘をいただきました高度障害の関係につきましては、今年度の推進事業の中で実態調査を行おうとしておりますので、その辺りにつきまして、また成果が出ましたら別途御報告をさせていただければと思います。
高度障害以外の全般のところは、特に当室のほうで、今、企画しているものではないです。
○菊池部会長 ということでございます。
それでは、井上委員、お願いします。
○井上委員 ありがとうございます。
日本知的障害者福祉協会の井上でございます。
本日の資料は大変参考になりました。
長期入院の方の地域移行の問題と、施設における長期入所の問題は同様の課題を抱えているのではないかという認識でおりましたので、特に地域精神保健並び障害者福祉の中で、長期在院者への支援を、基本的に市町村が関与する仕組みというのは、非常に大事かと思っています。入所施設からの移行を促進したいとの考えから自立生活援助を提案されていると思いますが、やはりその事業自体のばらつきがあることもなかなか移行が進まない要因ではないかと思っています。ですから、今日改めて市町村に位置づけるという、精神障害の方に対応した包括ケアシステムは大変参考になりましたし、今後は長期の入所者についても、このような視点で考えていければ、さらなる地域移行の推進に一定の成果が得られるのでないかという思いで読ませていただきました。
以上でございます。ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございました。
様々な御指摘、御意見を賜りましてありがとうございました。
私、法学を研究している者からしますと、権利擁護のための取組と書いていますが、そうすると、成年後見とか、そういうのがぱっと頭に浮かぶのですが、あまりそれについては言及されていないなと思って、その点もぜひ留意して、同じ社会・援護局ですので、進めていただきたいなと、一言、申し添えました。
以上でございますが、林課長から何か最後にコメントをいただけますでしょうか。
○林精神・障害保健課長 精神・障害保健課長でございます。
本日は、貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございました。どれもこれから心得てやっていきたいと考えているところでございます。
特に、地域包括ケアにつきましては、発達障害とか、高次脳機能障害とか、そういった誰かが外れるというようなことで考えているわけでございませんので、誰もが地域共生社会の中で支援を受けながら生活できるということを念頭に進めていきたいと考えております。
その他、この検討会そのもので、医療の全ての課題が使えるわけではないと考えておりますけれども、今日いただいた御意見を心得ながら、これから取り組んでいきたいと考えています。
また、いろいろいただいた御意見の中では、医療と福祉の連携というところ、これまでもいろいろな取組がなされてきて難しいところでございますし、取組の本質的なところであると思いますけれども、ここにどれだけ迫っていけるか、一歩一歩進んでいきたいと考えております。
今日のところは、こうしたことで、今後また御報告をさせていただきながら進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 それでは、折に触れ、こちらにまた御報告をいただけると思いますので、よろしくお願いいたします。
時間がかなり過ぎでおりまして、大変申し訳ございません。あと、もう少しだけ、お時間をいただければと思います。
議題の3の資料4につきまして、簡単に、説明をお願いできればと思います。
○矢田貝企画課長 企画課長の矢田貝でございます。
資料4-1「第6期障害福祉計画・第2期障害福祉計画の目標数集計について」という資料の御報告でございます。
2ページを見ていただきますと、この計画は、3年を一期として、令和3年度から5年度の計画を定めることとなっております。
国のほうで基本方針を作りまして、そこで成果目標と出ていますが、実際に都道府県が立てた計画を今回集計いたしまして、その状況について御報告するものでございます。
2ページ「1.施設入所者の地域生活への移行」。例えば、目標値1で、施設入所者6%以上が地域への移行というのが、国の目標値でございますが、集計値といたしましては、下の表にございますが、5.2%という結果、施設入所者の削減、国の目標値が1.6%以上というものに対しては、都道府県計画を集計しますと、2.3%という上回る結果になっているというものでございます。
以下同様に、2の「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」についての1つ目が、退院後1年以内の地域における平均生活日数の目標の設定状況、目標値の2が1年以上長期入院者数、また、目標値3が入院後の退院率の状況、4ページにいきますと、3の地域生活支援拠点等の整備について、各市町村または圏域に1つずつという目標に対する状況、また、目標値2で運営状況の年1回以上の確認についての都道府県の取組状況。
5ページには、福祉施設から一般就労への移行についての目標値を定めまして、集計を見ていただきますと、それぞれ国の目標値よりは、都道府県を集計しますと、それを上回る集計値になっているという状況でございます。
また、障害者の一般就労への定着に関する目標値の取組をまとめているものでございます。
6ページには、障害児支援の提供体制の整備について、7ページにも、障害児支援の提供体制の整備についての目標について、まとめているものでございます。
最後8ページ、6相談支援体制、7に質の向上のための取組についても、基本指針を満たす都道府県の状況等をまとめているものでございます。
資料の4-2につきまして、それぞれの都道府県ごとの、ちょっと字が小さいですけれども、取組をまとめてございます。最後の3ページには、集計値をまとめているものでございますが、今回こういうことで、都道府県の計画をまとめましたけれども、例えば、国の方針に、まだ満たせていないというようなところにつきましては、この集計結果も踏まえまして、さらなる取組を促していくということをやっていかなければいけないと考えておりますし、また、その都道府県の計画が進むように、施策についても、この目標がさらに進むように、どうしたらいいかということを検討していくというために、用いていきたいと考えているところでございます。
私からの説明は、以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ただいまの御説明につきまして、皆様から御意見、御質問等ございませんでしょうか。
会場は、よろしいですか。
オンライン、よろしいでしょうか。
ないようでございますので、この辺にしたいと思います。
すみませんでした、時間をオーバーしてしまいましたが、しかし、皆様の御協力をいただいたおかげで、これだけの時間、20分オーバーしてしまいましたが、コンパクトにぎゅっと詰めた議論ができたと思っております。本当に御協力ありがとうございます。
今後、また2巡目の議論が続いていきますが、ぜひよろしくお願い申し上げます。
それでは、最後に今後のスケジュール等につきまして、事務局からお願いします。
どうぞ。
○矢田貝企画課長 企画課長でございます。
本日は、御多忙の中、御議論をいただきまして、ありがとうございました。
次回の部会は、10月1日金曜日、14時から、こちらの会場にて開催いたします。よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。
長時間にわたり、どうもありがとうございました。
 

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