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2021年5月17日 社会保障審議会障害者部会(第110回)議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

令和3年5月17日(月)13:00~16:00

○場所

ベルサール御成門タワー
(東京都港区芝公園1-1-1 住友不動産御成門タワー4階)

○出席者

菊池馨実部会長、阿部一彦委員、井上博委員、内布智之委員、江澤和彦委員、大濱眞委員、大原裕介委員、岡田久実子委員、沖倉智美委員、菊本圭一委員、久保厚子委員、小﨑慶介委員、小林真理子委員、齋藤訓子委員、斉藤幸枝委員、酒井大介委員、櫻木章司委員、白江浩委員、新保美香委員、竹下義樹委員、飛松好子委員、中込和幸委員、中里道子委員、永松悟委員、陣内参考人

○議事

○菊池部会長 定刻になりましたので、ただいまから第110回「社会保障審議会障害者部会」を開会いたします。
新型コロナウイルス感染拡大がなかなか収まらない中、委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。
議事に入る前に、本日の会議については、こちらの会場とオンラインで開催をいたします。
まず、事務局より委員の出席状況、資料の確認をお願いいたします。
○源河企画課長 事務局です。委員の状況について、御報告させていただきます。
本日の出席状況について、阿由葉委員、石野委員、吉川委員より御都合により欠席との御連絡をいただいています。また、山口委員の代理として陣内参考人に御出席いただいています。
なお、事務局の職員の出席につきまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、最小限としております。出席していない者につきましては配信の傍聴により御意見をお聞きしております。
本日の資料ですが、議事次第。資料1から資料12、団体の皆様から提出されましたヒアリング資料をお出ししております。
万が一、これらの資料が表示されていないなどの状態となっておりましたら、事務局にお申しつけください。
以上です。
○菊池部会長 それでは、早速、議題1に入ります。
本日は関係団体のヒアリングを引き続き行ってまいります。
事務局から本日の進め方につきまして御説明をお願いいたします。
○源河企画課長 事務局です。本日の進め方につきまして、タイムテーブルを御参照ください。
1団体10分以内で御発言をいただきまして、グループごとに全体の発言終了後に意見交換を予定しております。時間厳守でお願いいたします。
御発言が8分を超えた時点で事務局がベルを1回鳴らします。発言時間が10分を経過した時点でベルを2回鳴らしますので、その場合は速やかに意見をまとめていただきますようお願いいたします。
事務局からは以上です。
○菊池部会長 本日も貴重なヒアリングの機会ですので、団体の皆様との意見交換を中心に議論を進めていきたいと思います。
まず、皆様からの御発言につきましてお願いがございます。御発言の際には、私の指名により発言を開始してください。委員の皆様におかれましては、最初に私が発言を希望される方を募りますので、会場の方は挙手をお願いいたします。オンラインの方はZoomの「手を挙げる」機能を使用してください。委員の皆様、団体の皆様、より多くの方の御発言の機会を確保するため、質問、回答ともできる限り簡潔に御発言をお願いいただきたいと存じます。
1点、委員の皆様へのお願いですが、これまで何度かやってまいりまして、委員の皆様の御質問が、御自身の御所見を述べられて、それについてどう思うかといった形の御質問が散見されるようです。そういった形の質問がいけないというわけではないのですが、ともすると相当な時間を御自身の御所見に費やすことになり、それも一つの要因となって全体の時間が押してしまうということがありますので、できるだけ簡潔に御質問をお願いしたいと存じます。
御発言の際はまずお名前を名乗っていただき、可能な限りゆっくり分かりやすくお話しください。
また、会場の皆様はできるだけマイクに近寄ってお話しください。発言後は必ずマイクのスイッチをオフにしてくださいますようお願いいたします。円滑な会議運営に御協力のほどをお願いいたします。
それでは、最初のグループのヒアリングを始めたいと思います。
まず、全国知事会様からお願いいたします。
○陣内参考人 皆さん、こんにちは。全国知事会の佐賀県知事代理の陣内でございます。
では、始めさせていただきます。
今回、各都道府県からの多くの意見を取りまとめさせていただきますので、大変ボリュームが多いですが、それでは早速、意見の表明をさせていただきます。
最初の「I 地域における障害者支援について」でございます。
障害の重度化・高齢化が進む中、地域移行の受け皿確保が急務でございますが、日中サービス型グループホームの整備が進んでおらず、整理促進が図られるような制度設計、報酬体系の在り方を検討すべきと考えます。特に行動障害などの重度ケースに対応できるような新たなサービスの創設の検討や、支援体制の整備、サービスの質の向上が課題となっております。地域生活支援拠点の整備を進めるため、例えば緊急時の受入れ・対応について、対応したときのみ加算されるのではなく、空き床の確保のための人員確保、それから、体制整備について加算されるような報酬体系などを検討すべきと考えます。また、重度障害や行動障害の方に対応できる人材を確保するため、研修の在り方を含め、仕組みの検討が必要と考えます。医療や介護保険サービスなど多職種との連携体制の整備も必要になってくると考えております。
それから、相談支援の在り方についての議題でございます。これに関しては、基幹相談支援センターを中心とした重層的な相談支援体制の整備が必要と考えております。相談支援に係る人材不足も指摘されております。これに関しては、これまでも研修制度の見直しは行われてきたわけですけれども、さらに人材確保の観点から処遇改善面のさらなる財政支援の見直しや相談支援専門員のキャリアパスを明確にし、インセンティブを与える必要があると考えます。また、将来的には国家資格の導入を検討する必要があると考えております。相談支援につきましては、報酬上のさらなる評価を行うとともに、介護保険のケアマネのように毎月一定の報酬上の評価を検討するなど、安定的な運営を確保できるような報酬体系にする必要があると考えます。地域生活支援事業に係る国庫補助につきましては、不十分な状況が常態化しております。これは確実に財源を確保されることが必要と考えております。また、基本的な権利を保障するために必要な事業ですとか家族の負担軽減につながる事業につきましては、個別給付化などの検討も含め見直しが必要と考えます。
【その他の意見】として出されたものがございますが、高次脳機能障害につきましては、なかなか外見から障害があると分かりにくいところがあります。このため、周囲の理解促進はもとより、専門医の確保や専門のリハビリテーションセンターの設置など、国における支援体制のさらなる充実が必要と考えます。
続いて「II 障害児支援について」でございます。
障害児通所支援の在り方についてどう考えるかということでございますが、こちらにつきましては、保育所や放課後児童クラブと同じく、預かりの役割として期待されている現状がございます。ですので、放課後等デイサービス、それから、児童発達支援等それぞれの役割で考えるだけではなく、一般施策としての子育て支援も視野に入れて考える必要があります。保育所などの一般的な子育て支援施策における障害児の受入れを進めることと併せ、教育とも連携を深めた上でより総合的な形での支援を実践していくべきです。それから、真にサービスが必要な重度の障害児が利用できないような状況もございますので、子ども・子育て支援の枠組みで再整理をしていくことも必要と考えます。障害児支援については、多様な働き方やインクルージョンの観点も踏まえた体制の在り方などを検討していただきたいと思っております。
それから、いわゆる「過齢児」をめぐる課題についてでございます。この課題は解決すべき喫緊の課題でございます。そのために、強度行動障害などの障害特性のある「過齢児」について対応可能なグループホームなどの受け皿の整備、さらにはその支援を支える人材の整備の促進が必要です。移行先が決定していない18歳以上の方がいらっしゃる福祉型障害児入所施設においては、当該施設と相談支援専門員、支援施設、グループホーム関係者、それから、児童相談所などによる協議の場を市町村ごとに設ける必要があると考えます。受け皿の一つとなります障害者支援施設に十分な空きがないことが原因の一つとなっております。障害者支援施設においては、地域移行が困難な高齢障害者が多くなってきております。それで入所者の硬直化を招いておりますので、高齢障害者の支援の場について、介護保険と一体的に検討が必要と考えます。いずれにいたしましても、国におかれましても、状況把握に努めていただいて、円滑な移行に向けた対策について御検討いただきたいと考えています。
続いて「III 障害者の就労支援について」でございます。
障害者の就労支援につきましては、週20時間以上働くことが困難な障害者でも短時間雇用の活用により就労機会を創出できることから、多様な働き方を進める上でも必要と考えております。それから、加齢などの影響で一般就労から福祉的就労への移行についても、多様な就労形態の一つとして就労継続につながることが必要と考えます。ただ、市町によって取扱いに差があることですとか、安易に一般就労から福祉的就労への移行を促すことは、障害者の就労機会の確保に反することにもつながるため、一定の基準やルール、考え方を示す必要はあると考えます。一般就労から福祉就労への移行を適切に行うためには、連携により本人の就労能力、それから、適性などを評価した上で、本人に適した働く場につなげることが必要です。また、短時間雇用を促進するためには、法定雇用率の対象にする仕組みも検討してはどうかと考えます。
それから、雇用と福祉の連携強化についてでございます。一般就労は労働部局、福祉的就労は福祉部局が担っている現状がございます。障害者の就労支援を進めるためには、相互の連携強化が必要です。そのためには、双方の分野に係る知識を習得した人材が少ないことから、研修や資格制度の創設などによる専門人材の育成が必要と考えます。また、就労定着支援の事業所が増加していないということがあります。要因を分析し、取り組むべき課題の整理や検討が必要です。一般就労の場において、障害者雇用率達成のために居場所の提供をもって障害者雇用を行っているケースなども多く見られるようになってきつつあります。障害者にとっては、最低賃金が支払われるメリットはありますが、就労を通して働くことに喜び・生きがいを感じにくいことや、就業する力がつくわけではないというデメリットもあり、これについても議論が必要と考えます。一般就労への移行を促進するためには就労系障害福祉サービス事業所への思い切ったインセンティブの創設が必要です。その上で、一般就労した障害者の職場定着支援のために、雇用と福祉の連携が不可欠です。障害者就業・生活支援センターは、働く障害者のセーフティーネットとしても重要な役割を担っています。そのため、現状の職員配置では、生活支援等事業においても、地域の実情に応じた職員配置を可能とするよう、総合支援法において都道府県が行う事業として明確に位置づけるなど、制度の見直しと、安定的な財源確保を図られたいと思います。また、就労定着支援事業の実施などについては、柔軟な運用が可能となるよう、検討いただきたいと思っております。
「IV その他」でございます。
介護保険施設等を居住地特例の対象とすることについてどう考えるかです。現在、居住地の障害者施設などから別の市町村にある介護保険施設に入所した場合、介護保険サービスに係る費用は居住地特例によりもともと居住していた市町村が負担しますが、障害福祉サービスに係る費用は介護保険施設が居住地特例対象施設に位置づけられていないので、介護保険施設のある市町村の負担となっております。今後、高齢の障害者が増加し、介護保険施設などに入居する障害者が障害福祉サービスを利用するケースも増加することが想定されます。そうなりますと、介護保険施設などに所在する自治体に負担が偏ってしまいますので、障害者総合支援法に基づく居住地特例の対象に含めることを検討すべきと考えます。
また、障害福祉サービスの持続可能性についてでございます。障害者の特性は多様化しております。支援のためのサービスのさらなる充実は必要不可欠ですが、人口減少や高齢化の進行により、税収が激減することは明らかであり、財源確保、それから、人材確保の面がそれぞれ課題でございます。地域生活支援事業に係る事業費は年々増加する一方、国補助金の予算額が横ばいであるため地方の財政負担が年々大きくなっております。国において必要な財源の確保をしっかりとお願いしたいと思います。また、福祉人材の確保が非常に困難な状況にあります。適切な報酬の評価が必要です。サービス事業所の現場の負担を軽減することも大事です。ICTの活用や介護ロボットの導入の促進が必要と考えます。介護保険と比べてもサービス種別が多く、加算の要件が複雑化して分かりにくいものとなっているため、今後の改正については、シンプルで分かりやすい制度にしていただく必要があります。過疎地域での障害福祉サービス提供に対する報酬を手厚くするとともに、ひきこもりや軽度の発達障害も対応できるような柔軟な制度とする必要がございます。市町村においては障害福祉サービス利用に関する業務が、都道府県・中核市においては事業所の指導監督等の業務が増加しております。このため、地方公共団体に対しても、一層の支援をお願いしたいと考えます。
最後に、報酬改定を含め制度の見直しにおいては、地方公共団体において施行準備に支障を来さないよう、併せて早期の情報提供や十分な準備期間を確保してほしいと考えます。
以上、長くなりまして失礼いたしました。以上でございます。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
続きまして、全国市長会様からお願いいたします。
○永松委員 全国市長会の杵築市長の永松と申します。よろしくお願いいたします。本日は意見発表の場をいただきましてありがとうございます。
まず「I 地域における障害者支援について」というところでございます。
そこに書いてありますとおり、地域の特性や利用者の状況に応じて、地域生活支援事業を計画的かつ柔軟に実施できるよう確実な財源確保が必要だと考えております。特にやはり様々なニーズがございまして、特に重度障害であるとか行動障害に対応するためにも確実な財源確保をお願いしたいと思っております。
それから、障害福祉サービス等の利用計画作成に係る相談支援事業につきまして、障害の多様な特性に応じた適切な支援を行うため、相談支援専門員等の福祉人材の確保、それから、人員基準の緩和及び報酬体系の見直し等を図るとともに、地域の実態を踏まえた、十分な財政措置を講ずることが必要だと考えております。
特に市町村では、市長会ですけれども、私どものところでも非常に相談支援専門員さんで能力的に優れて責任感も極めて強い方がおられたのですが、なかなか、そこに相談が集中するものですからオーバーワークになられて、先日、本当に残念なのですけれども、お辞めになられたということがあります。人が少ない上に非常に熱心に働かれるということで、ぜひ今後もそういうことが起きないように処遇改善がやはり不可欠だろう。それから、報酬上の評価をぜひしていただいて、こういう相談支援専門員になりたい、そして、継続したいという方がぜひ欠けないように、もっと希望者が増えるように、もちろん、研修も大切ですが、そういう報酬上の評価も欠かせないと思っています。そういう形で、地域共生社会の実現を加速するということではやはりキーマンになりますので、相談支援専門員の処遇、それから、研修等についてもよろしくお願いしたいと思っています。
「II 障害児支援について」です。
障害児の支援につきましては、障害児通所支援の市町村の財政負担の軽減を図るために、地域における給付の実態を踏まえて、サービスの適正な水準を確保することが必要だということで、やはり財政負担のためになかなか十分な給付がそもそもできていないところもあるやに聞いております。そういう意味でも財政負担の軽減というものはどうしても今の市町村の財政状況ではお願いすることになります。
あと、放課後等デイサービスの機能の充実、それから、児童発達支援における発達障害児等に係る早期の発見・相談・支援等について、地域の実情に応じた人材の育成・確保や拠点施設等の体制整備を図るとともに、十分な財政措置を講ずることが必要ということですが、これも発達支援の関係で県に1か所、大分県発達障害者支援センターというものがございまして、もちろん、市外なのですけれども、そこから職員さんを派遣していただいて、この障害児の通所支援であるとか、発達障害児に係る早期の発見、それから、相談に応じてもらっているという、要は本当のプロ中のプロに来ていただかないと、まだ小さいうちの発達の度合いであるとか、どういうことが問題であるのかという、やはりエビデンスのないまま関わることがないように、ただ、そのためには県に1か所しかございませんので、そういう人材を発達障害であるとか障害児の関係で識見の高い人たちが県内にも複数どんどん増えていくと小さな市でも十分活用できる。
ただ、そういう形で来ていただいて、非常に子供さん方の発達、それから、親との関わりとか、こういったところが非常によくスムーズにできるようになりました。非常に専門家が来ていただけるのはそこの働いている職員にも福音になりますので、ただ、市単独ではこういう方をずっと常時雇用することができませんので、県域、福祉医療圏域ぐらいにそういうすばらしいところができて増えてくると子供たちも早く救えると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
次は「III 障害者の就労支援について」です。
就労移行支援、就労継続支援A型・B型について、利用者本人の意向、それから、事業者の施設運営・経営方針、特別支援学校、そして、障害者雇用の受け皿となる企業、就労支援機関等において、就労促進に向けた基本的な方針を地域で共有するとともに、自治体・関係機関の連携を強化する体制づくりが必要である。これは当たり前のことですが、やはり地域共生社会ということであれば、その関係機関が常に顔見知りの関係になりながら一人一人の状況についてみんなで共有することが一番、基本中の基本だろうということになります。
また、事業者の施設運営・経営方針によって、利用者本人の就労意向が阻害されるようなことのないよう、事業者において、就労支援に向けた適切な訓練給付が行われるよう、自治体における就労支援の人材を確保し、事業者への政策的指導を強化することが必要だと考えます。もちろん、利用者本人の気持ちが一番大切ですし、その意向に沿うようなというのは皆さん、どこでもやっていただいているのですけれども、やはりこういう形で明文化というか、はっきりした形で打ち出したほうがよかろうと思います。
それから「IV その他」になります。
介護保険施設等を、居住地特例の対象とすることについては、これまでの障害福祉サービスの枠組みで考えるよりも、高齢者になった場合は介護保険制度で支えることが妥当であります。介護保険施設への移行を行った場合には、施設が所在する自治体の財政的負担が増加するため、住所地特例の対象とすることが必要だと考えます。
それから、障害者福祉人材を確保し、事業者の参入を促すとともに、安定的な事業運営及びサービス提供が可能となるよう、サービスの利用実態等を十分踏まえ、報酬単価の見直しや財政措置の拡充、処遇改善を含めた措置が必要だと考えます。
介護保険サービスと障害福祉サービスを統合するとの考えではありません。地域では人材不足により、どちらのサービスも維持することが難しくなっています。そういった限られた財源と人材を効果的に活用することの議論を始めることが必要ではないかと思います。例としては、相談支援業務の人材不足を補うために介護支援専門員を活用したらどうか。もちろん、これは議論を深めていただきたいと思いますが、現場の感覚では、きちんとした研修さえあれば相談支援業務が担えるようにだんだんなっていくのではないかと思います。効果的な人材の活用ということで、田舎のほうでは、どちらも不足していますので、マルチな能力を持った人を育てる方向がよろしいのではないかと思っています。
以上です。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
続きまして、全国町村会様からお願いいたします。
○浜谷氏 全国町村会の青森県階上町長の浜谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、本日のこの説明資料ですが、直前の提出となりまして大変御迷惑をおかけしました。おわび申し上げたいと思います。
それでは、初めに「I 地域における障害者支援について」であります。
障害者福祉施策では、障害の重度化や障害者の高齢化に対応する福祉と介護の連携とともに、受け皿となる事業所の整備が重要になりますが、中山間地や離島等の町村においては、圏域内に事業所がない場合も多く、加えて介護人材の不足等から、新たな受入先を確保することが困難になっています。その際は、遠方の通所サービス等を利用せざるを得ないケースもあり、移動手段の確保もまた課題になってきます。
また、障害を持った方の自立生活への移行や継続を支えるには、地域に密着した相談支援専門員の存在が不可欠であります。昨今、障害に関する相談件数が増加し、その内容も多岐にわたりますが、町村部では、相談支援専門員の数が少なく、1人の専門員にかかる負担が増大しております。国、都道府県が相談支援専門員の育成等を進めるとともに、町村部への配置についてもぜひ配慮していただくよう、お願いいたします。
このように、町村では様々な課題を抱えておりますが、障害を持った方が支援を受けながら住み慣れた地域で暮らし続けられることが重要ですので、少なくとも圏域内に障害の度合いや本人の希望に応じて利用できる障害福祉サービス事業所が設置できるよう、人材確保も併せて支援をお願いいたします。
次に「II 障害児支援について」であります。
昨今、女性の就労率の上昇等に伴い、児童発達支援や放課後等デイサービスの利用希望者が増加しております。そのため、町村に負担超過が生じないよう、十分な財政措置を講じていただくとともに、質の高い適正なサービスを提供するための人材確保についても支援をお願いいたします。
いわゆる「過齢児」については、就労支援や自立訓練等を通じて地域移行を促進することが基本とされており、町村では障害児施設の退所前に本人、家族、施設と行政が話し合い、円滑な社会参加につながるよう、取り組んでいるところです。しかしながら、受入先となる事業者等の確保には大変苦慮しております。雇用と福祉の連携は極めて重要でありますので、こうした町村の実情に鑑み、地域と事業者、ソーシャルワーカー等が一体となって、個人の実情に応じた社会参加が円滑に進むよう、体制整備への支援をお願いいたします。
「III 障害者の就労支援について」であります。
障害者雇用促進法の改正により法定雇用率が引き上げられましたが、町村においては雇用の受け皿の少なさや就労支援員の不足等が大きな課題になっております。私どもが従来から要望していることでありますが、町村が円滑に障害者雇用を進められるよう、国からの適切な支援を改めてお願いいたします。
就労支援に関して、障害者総合支援法における就労系障害福祉サービスは、地域においては農作業や景観保全をはじめとした地元貢献など、障害者の活動が地域活性化に結びつく可能性があります。また、農山村地域における就労支援として、農業と福祉が連携した「農福連携」の取組があります。障害者が農業に携わることで身体面・精神面の状況が改善した事例や新たな地域コミュニティーが形成されたという報告があり、一方で障害者が過疎化や高齢化に悩む地域を支え元気にするといった効果も期待されます。国においては、このような農山村地域の資源や価値を生かした取組・活動等を一層推進していただくことも重要であると考えております。
現在、コロナ禍により企業訪問や企業実習が制限される中、障害者の就労環境は一段と厳しくなっており、テレワーク等の多様な働き方ができる仕組みづくりの必要性を痛感しております。障害を持った方が一人一人の障害や健康状態に合った仕事に就き、自立に向けて歩めるよう、以上申し上げた点も踏まえ対策を講じていただくことをお願いいたします。
次に「IV その他」の介護保険施設等を居住地特例の対象とすることについてでございます。
町村会といたしましては、居宅や障害者支援施設等からの他の市区町村に存する介護保険施設等に入所し障害福祉サービスを利用する場合の居住地特例の適用については、当該担当者の事務手続の煩雑さを軽減し、住民サービスの向上を図る観点からも、介護保険施設等を居住地特例対象とすることは問題ないと考えております。
終わりに、障害者支援につきましては、町村では以上申し上げた様々な課題を抱えながら、地域と障害者をつなぐ施策等も含め、それぞれ地域の実情に応じて知恵を絞り、日々努力しているところであります。
今後の障害福祉サービスの検討に当たっては、全国的な制度とともに、それぞれの自治体の主体的な取組を生かしていく視点も重要ですので、これらのバランスを取りながら、持続可能な障害福祉サービスの確保を目指す方向で検討していただきたいと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、一般社団法人日本発達障害ネットワーク様からお願いいたします。
○小林委員 よろしくお願いします。日本発達障害ネットワーク副理事長の小林です。
日本発達障害ネットワークは、発達障害関係の全国及び地方の障害者団体や親の会、学会、研究会、職能団体などを含めた幅広いネットワークです。本日は私、小林が主に意見を述べさせていただきますが、大塚晃副理事長もオンラインで参加していただいておりますので、必要に応じて助けていただきながら御報告・質疑に対応させていただきたいと思っております。
それでは、提出いたしました報告書に沿って御報告させていただきます。
まず「I 地域における障害者支援について」です。
障害の重度化・障害者の高齢化の地域での生活支援やサービスの在り方についてですが、知的障害・自閉スペクトラム症のある人の10~20%が、自傷・他害、睡眠障害、食行動の異常など何らかの行動上の課題を持つと言われています。これらの行動は、早期から表出するものは持続性が高く、なかなか軽減していかないため、早期発見と治療、家族支援プログラムが重要です。適切な発達支援や家族支援を実施できる支援者の確保をしていくことが急務と言えます。また、明らかに障害が基礎にあり、社会生活上に課題、例えばひきこもり、対人トラブル、犯罪の加害・被害などを指しますが、これらを抱える成人の発達障害者等が福祉制度を適切に利用できていません。これらの人たちは、支援における専門性と時間が必要にもかかわらず障害支援区分においては低く評価され、いわゆる重度とみなされていません。重度の捉え方を変え、既存の制度・サービスなどが十分活用されるよう、体制の整備が必要です。例えばですが、自立生活援助事業がひきこもりなどの社会生活上の課題のある方についてもサービスが受けられるよう、対象の拡大が必要であると考えます。
地域での自立生活への移行や継続を支えていくための相談支援の在り方についてです。現行のサービス等利用計画は、既に利用しているサービスの後追いで、ストレングスモデルに基づく本人中心の将来計画になっていません。地域生活を可能とするために、サービスの調整のみならず地域の社会資源の改良や開発が重要です。そのためには協議会、自立支援協議会などにおいて、地域での相談支援体制の構築に取り組む必要があると思います。
「II 障害児支援について」を御報告いたします。
障害児通所支援の在り方についてです。児童発達支援の法的規定には「知識技能の付与集団生活への適応訓練などの支援」とされ、放課後等デイサービスの法的規定には「生活能力の向上のために必要な訓練」とされています。いずれも「訓練」となっており、その内容についての統一的意見がなく「訓練」ということで支援者の考える行動を子供に強いる傾向が見られます。「訓練」という言葉を使わないで、その支援内容を統一していくためにも、障害児通所機能の役割・機能の抜本的な見直しが必要です。特に放課後等デイサービスについては、家族の就労等の保障の観点から、事業の役割・機能を検討する必要があると考えます。
具体的には、次のようなことを日本発達障害ネットワークとしては話し合ってまいりました。発達障害のある児童生徒においては、不登校との関連が多くの調査から指摘されています。適応指導教室に通えない子も多く、学習機会の喪失だけでなく、ひきこもりのリスクを防ぐために居宅訪問型児童発達支援の対象の拡大が必要です。また、保育所等訪問支援の対象を児童自立支援施設や少年院にも拡大することが重要と考えます。
学校不適応の発達障害児のために地域活動支援センターIV型の新設を提案したいと思います。
また、障害児支援の質の向上に向けて、児童発達支援・放課後等デイサービスにおけるPT、OT、ST、公認心理師などの心理指導担当職員等、専門職の協働によるモデル事業を提案いたします。
「過齢児」をめぐる課題ですが、本来はみなし規定を延長することなく「過齢児」の成人期にふさわしい暮らしの保障と適切な支援を行っていくべきであると考えております。
「III 障害者の就労支援について」です。
多様な就労ニーズへの対応、加齢等の影響による一般就労から福祉的就労への移行に向けてですが、障害者が働くことの定義を明確にし、その目的や意義を見直すことで新しい多様な働き方を考えていくことを提案します。すなわち、障害者の働く定義の再考が必要であると考えます。
次に連携機能の視点ですが、雇用と福祉との連携強化においては、その人らしく働くためには、適切なマッチング作業を行う必要があり、専門的支援技術者の企業配置を積極的に行うべきであると考えます。次に、教育と福祉の連携強化においては、就労前、就労準備支援の必要性についても加えて御説明いたします。就労準備に向けて、障害についての自己理解を含め、職業選択や適性評価等ライフステージに沿った支援の継続性が保障されるよう、教育と福祉との連携強化ができる体制づくりが必要であると考えております。
「IV その他」です。
介護保険施設等の居住地特例の対象についてですが、介護保険施設などが多い市町村の介護保険給付費が増大するリスクを緩和するため、現行の居住地特例は引き続き必要であると考えます。今後の地域共生社会を考えれば、65歳以降の障害者も居宅のサービスが担保され、充実した地域生活が実現できるものと考えます。このことから、相談支援専門員と介護支援専門員の連携は必須であると思います。
最後に、障害福祉サービス等の制度の持続可能性への提案です。日本発達障害ネットワークは、このことについて今回の法の見直しに向けて重要な視点であると話し合っておりました。それは障害福祉サービスの質の向上と、そのための外部評価の導入についてです。障害福祉サービス制度の持続可能性を確保しつつ質の高いサービス提供ができるよう、福祉サービスの第三者評価を積極的に活用している事業所を報酬上評価します。とりわけ、障害児福祉サービスの質の向上に向けて、既存の第三者評価とは異なる枠組みで、簡便であり、かつこれまでにないコンサルテーション機能を持ち、第三者が主に臨床サービスの質を評価する外部評価の導入が必要であると考えております。
以上です。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの4団体からの御意見につきまして委員の皆様から御質問などがございましたら挙手をお願いいたします。
御発言につきましてはできるだけ簡潔にお願いいたします。
なお、このグループについては、最大午後2時までを目途として御議論いただきたいと考えてございます。
いかがでしょうか。
会場はよろしいですか。
○竹下委員 はい。
○菊池部会長 オンラインからございませんでしょうか。
いかがでしょうか。ございませんですか。
ございませんようでしたら、ここで閉めさせていただいてよろしいですか。
ということで、4団体の皆様、本日は大変貴重な御意見をいただきましてどうもありがとうございました。
それでは、次のグループに移りたいと思いますので、御準備のほうをお願いいたします。
まず、一般社団法人日本自閉症協会様からお願いいたします。
○今井氏 ただいま御紹介いただきました日本自閉症協会の今井です。よろしくお願いします。
お手元の資料はございますでしょうか。パワーポイント形式の2枚のものでございます。
I、地域生活の問題です。大きくマル1からマル4に書かせていただきました。
1つが、明らかに精神あるいは発達などに障害があって、社会生活上に課題を抱えるものについてです。ここで言う社会生活上の課題とは、対人トラブルとか、依存の問題であるとか、ひきこもりや犯罪の手先になってしまいがちだという方たちへの支援の問題です。
3つ書かせていただきまして、1つは福祉制度の対象にならない問題の改善が必要です。一般的には相談が現在あるサービスなのでございますけれども、これは、今の相談支援事業はサービスコーディネートが主体でありまして、個々の人に深く寄り添うことはやはり構造的にも事業採算的にも合わないという問題であります。また、見守りとか居場所づくりは、知的や身体の場合には、行動援護や生活介護といったサービスの対象なのですが、そうでない精神発達の場合には対象外になりやすいのです。
次に、では、障害対象になりましたと言っても、障害支援区分の問題があります。大変、要支援度が高い、非常に手間がかかるとか、支援戦力というものが非常にパワーが要るのですけれども、支援区分では低い評価になって、あるいは場合によっては非該当ということになっています。
では、a、bがありました、障害対象にもなりましたと言っても、cの問題、現実にそれを行える事業者、十分な質と量がないので、ある意味、cを現実化するためにはaとbが必要だと言ってもいいかと思います。
次、マル2です。強度行動障害問題です。
質の高い、このような人たちを支援できる支援者を確保しにくい問題です。今回、報酬上の評価となって専門性は取り入れられたわけですが、ここで言っている専門性、主に国家資格的な専門性ですけれども、それが現場で求められている支援スキルとはかなり違うという問題であります。
bとしまして、この強度行動障害に関しては、そうならないための予防とそうなった人の回復という2つがあります。やはり前者の予防の取組の強化が根本的に大事だろうと思っています。では、それはどこで発生しているかと言うと、学校とか日中活動の場で発生していることが多いのです。家庭だけではないのです。そこの取組の強化が必要です。
c、虐待防止との関係です。実は行動障害児者は適切な支援、私などから見て適切に支援していても、それが虐待とみなされる場合が多くて、やはり事業者がそういう人は受け入れたくない。もともと、そういう支援が必要な人が一人でも入るとほかの人の支援にも影響するということで、一切、そういう支援、そこで言う支援の内容は、例えばパニックになったときにカームダウンルームに一時入ってもらうとか、そういうことでいろいろなことがあるわけですが、そういうことはしないのだというところが結構多いのです。これは「過齢児」問題も同じであります。
では、一方で医療のほうでやっていただけたらと。現実にそういう研究会も動き始めておりますけれども、これまでの経験では薬漬けで鎮静化させることになりやすくて、やはりここはもう少し、制度的というよりも実践的に解決する必要があると思っています。
dと書きました物理的環境整備と支援をバックアップする体制です。そのための経済的負担対策。意外とやれるのがこっちではないかと思っております。生活空間の環境ストレスを適切にすることが本人並びに支援者にとっても有効です。ストレスフルな環境に置いておきながら支援をしてもそんなに成功しない。経験的にも、1つの法人の中に施設が2つあって、後でつくられたほうでは非常にトラブルが起こりやすい。前のほうはそうではない。なぜ、その2つが生じるのかということが経験的に分かっておりまして、こういうことは手が打てるのではないかと思っています。
3番目、2枚目です。居住支援の拡充です。これは量的にも質的にも急務だと思っています。80/50問題の根底にあります。また、家庭内暴力にも関係します。
私どもは多様な生活スタイルが選択できることが重要だと考えておりまして、入所施設が駄目だとか、グループホームでも駄目だとか、訪問系だとか、何かどれかを中心的にやっていくことは正しくないと思っております。
ただ、非常に古い時代、昭和の時代、前の東京オリンピックのときの入所施設の改革は必要だと思っています。令和の新時代の地域での入所施設の役割という、その転換が要るだろうと思っています。
c、グループホームのサテライトの利用です。利用期間の制限があります。知的障害など継続的な支援が必要な場合は利用制限を撤廃していただきたいと思っています。
紙はcまでですが、1個、口頭で追加させていただきます。居住支援、特にグループホームに関しまして、都会ではなかなか土地が手に入らないという問題があります。そこで税金上あるいは相続税対策も含めた経済的メリットを地主さんに与えるような仕組み。これを検討いただきたいと思っております。これは都会の問題かもしれません。
マル4です。福祉事業を担う地域生活をやるためには人材育成がとても重要です。そのときに、従来は現場職員の問題にしがちですけれども、私自身はそう思っていなくて、現場職員の良い悪いを決めているのもトップの人事権でありますから、トップマネジャーをどのように育てるかということを政策自身の中に入れる必要があると考えております。
大きな2番目、障害児支援です。
「過齢児」問題は先ほど書いたとおり、これは送り出し側の問題ではなくて受入側の問題です。在宅も同様でございます。ともかく受入先の増強が重要です。
III、障害者の就労支援です。
ここは実は細かいことを書いていまして、実務的に解決できるのではないかと思っているのですが、今回の報酬改定も影響しておりまして、福祉サービスの利用料ですが、特例子会社などに勤めていて、所得額が増えると、急に本人の利用負担がぽんと上がり、その上がる額のほうが所得増よりも多いのです。ここは軽減措置を見直さなければいけないのではないかと思います。
マル2です。鬱病などで退職して、就労支援サービスを受けたい人がいるときに、この利用料の計算方法なのですが、前年の、つまり勤めていたときの課税所得を基準に決められてしまうので、1年間待とうという人が出てきてしまうのです。せっかく身についていた生活習慣が後退して、トータルで損だと思うのです。ここも事務技術的に解決できることではないかと思っております。よろしくお願いします。
以上です。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
続きまして、社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会様からお願いいたします。
○長井氏 全国重症心身障害児(者)を守る会でございます。法改正に係る発言の機会をいただきましてありがとうございます。本日は長井と安部井で御説明をさせていただきます。
資料6を御覧いただきたいと思います。
当会からの要望は1点に絞っております。重症心身障害児者が、生涯にわたり発達し続けるためには、福祉サイドからの支援を障害者総合支援法に書き加えていただきますようにお願いしたいと思っております。
資料には、まず、一生涯学ぶことの必要性を書かせていただきました。
平成29年4月に文部科学大臣から「特別支援教育の生涯学習化に向けて」と題したメッセージが出されております。これは当時の松野大臣が特別支援学校を視察した際に保護者と懇談いたしました。医療的ケアを必要とする当会の会員が「学校を卒業してしまったら学びの場がなくなり、社会とのつながりや交流の場も無くなってしまうのではないかと危惧している。できることなら、特別支援学校に留年したい」と話したことから、これに驚いた大臣が、その不安を取り除くために生涯学習の推進が図られることになりました。
平成30年3月には、厚生労働省の方もオブザーバーで参加されました、「学校卒業後における障害者の学びの推進に関する有識者会議」によって「障害者の生涯学習の推進方策について」という報告書が出されております。次のページの後ろのほうにURLをつけてございますので、もしお時間がありましたらそちらをお読みいただきたいと思います。
この報告書には「重度・重複障害者が、学校卒業後も生活年数を重ねることで感情の表現なども豊かに成長することに鑑みると、ICTを活用した意思伝達、意思表示装置を使用した学習や、タブレット端末を活用した音楽に関する学習、身体活動等に関するプログラム開発を行っていくことも重要」ということが書かれてございます。さらに「学校に就学している間にできていた学習や周りとの交流を卒業後も継続したいとの希望が極めて強いことも念頭に置いて、学びの場づくりを進める必要がある」ということが書かれてございます。それから、重要なのは「社会福祉法人、NPO法人等には、今後も実質的に障害者の最も身近なところで学びの場づくりの担い手としての役割を果たすことが期待される」と書かれてございます。
学習とか教育と言いますと、行政から見ますと文科省の仕事ではないかと思われますけれども、しかし、卒業後のライフステージということを考えますと、障害福祉サービスを提供する社会福祉法人やNPO法人にもその担い手になることが期待されているわけでございます。
(現状と課題)として文章にまとめましたが、重症心身障害児者は自ら動けないために発達に不可欠な刺激や情報を得ることが困難でございます。その支援は大きな課題とされてまいりました。近年、支援技術の進歩に伴いまして重症児者への取組が盛んになりまして、どんなに障害が重くとも、何歳になっても重症者は発達できる秘められた能力を持つことが明らかになってまいりました。学ぶことは生きる力にもつながり、自己肯定感とともに根源的な喜びとなり将来の夢や希望につながっていきます。その潜在能力を引き出し、可能性を最大限に引き伸ばす本人支援が求められております。
ペーパーは裏側に移ります。長い時間をかけて能力を伸ばす重症者が、社会の中で多様な存在の一人として、少しずつでも自己実現する姿こそ社会を変える生産性があると思っております。
軽度の障害の皆様は社会参加の機会が得られたり、スポーツや創作活動などが様々な場で提供されておりますが、障害が重く外出することが困難で通所することもできない重症者は特別支援学校の卒業とともに、長い時間をかけて学んできたことが継続されないだけでなく、社会との接点が皆無に等しい状態になります。開催場所まで移動できずに機会が得られない。そういった重症者には自宅への訪問支援が望まれます。
昨年度でございますが、文科省ではGIGAスクール構想によりまして1人1台の端末が貸与されることになっています。卒業いたしますと端末も返却いたしますので、返却された後は自分で用意しなければいけなくなります。せっかく得られた機械の操作とか、ソフトの更新など、親だけの努力では補い切れないものがございます。専門性のある指導者がいなければ本人の成長を阻害してしまう。こういうことが起きます。特別支援学校卒業後は障害福祉サービスにバトンタッチされてまいります。そこをしっかり、この障害者総合支援法に書いていただきたいと思っております。
(障害者総合支援法に望むもの)としてまとめましたが、現在、東京都内でも居宅に出向いて個別の支援をしている団体がございますが、活動への財政的支援、それから、人材育成の方策も皆無の状態でございます。自主活動として細々と実施しているのが現状でございます。
国の制度として地域生活支援事業がございます。その中のメニューとして「家庭・教育・福祉連携事業」がございますが、これは個別支援になっておりません。本人が主体となる本人支援のサービスが求められております。
つきましては「療養介護」「生活介護」等の個別給付支援制度に書かれている「その他の必要な日常生活上の支援」などに生涯学習相応の支援を明記していただき、加算報酬を設けていただくことや、生活介護には、児童にあります「居宅訪問型児童発達支援」同様の事業、例えば「居宅訪問型生活介護」などの創設をお願いいたします。支援者としては、特別支援学校教員のOBになっていくことも考えられるのではないかと思っております。
続いて、安部井から補足の説明をしていただきます。
○安部井氏 全国重症心身障害児(者)を守る会の安部井でございます。私からは地域における障害者支援として全く支援がないという現状があることをお伝えしたいと思います。
長い時間をかけて横軸に伸びる発達をしている重症心身障害者は感染症に非常に弱く、特に人工呼吸器を利用している場合には外出が困難な状況にあります。学校卒業後、居宅訪問による発達支援を生涯学習の視点から支援を行っている団体はありますが、ほぼ無償に近いボランティア活動となっています。
また、医療的ケアがある重症心身障害者の中には生活介護事業所には所属していても通所できる状態にはなく完全在宅という状況にある人がいます。事業所の配慮から、職員が自主的に居宅に訪問し、個別支援を行っています。それは全くの無償で、事業所と職員の努力で実施している現状です。
これらの支援が継続されていくためには、法の下にバックアップしていただく必要があります。医療的ケア児と同様に、重症心身障害者への本人支援を目的とした居宅訪問型生活介護に個別給付が行われるよう支援法の中に書き加えていただくようお願いいたします。
以上です。
○長井氏 よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
続きまして、全国重症心身障害日中活動支援協議会様からお願いいたします。
○木村氏 一般社団法人全国重症心身障害日中活動支援協議会でございます。まず、改めまして、このような貴重な機会をいただきましたこと、心より御礼を申し上げます。
本日は末光茂会長と事務局長の私、木村で対応させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速、障害者総合支援法見直しについて意見を申し上げます。
常時介護が必要な在宅の重症者の生活は、家族による手厚い介護・看護の上に成り立っています。これらの家族が担っている介護・看護は現行の医療・福祉サービスではその全てを賄い切れないほど膨大です。
私どもは、機会あるごとに、重症児者に必要な支援の質と量について訴え続けてまいりましたが、今なお正しく理解されているとは言い難いと考えております。この場では、私どもが考える重症児者に必要な支援の質と量に基づき、障害福祉サービスの在り方等についてにてお示しいただいた検討項目につきまして意見を申し上げます。
検討項目の1番目は、地域における障害者支援について、特に重症心身障害者、以下、重症者と略させていただきますが、重症者の自立生活の実現と継続に向けての展望と課題についてです。
重症者が家族介護によらない自立生活を実現し継続させることは条件さえ整えば十分可能ですが、そのためには施設や医療機関への入所・入院よりも多くの費用を要する。この現実を、関係者が正しく理解し共有することが不可欠と考えます。
その根拠等について、この場では4点挙げたいと思います。
第1は、重症者のケアの特殊性です。重症者は重度の知的障害に加えて、脳性麻痺による全身性障害や嚥下障害等の複数の障害が重複しています。このため、車椅子の乗降、部屋の移動、入浴など、様々な場面で支援者2人がかりでの介助が必要になります。食事介助では嚥下障害のある方は1時間以上を要する事例も少なくありません。現行制度では重症者のケアの特殊性を評価した人員基準や報酬区分がないため、障害支援区分が同じならば人員も報酬も同じです。しかしながら、独立歩行が可能で嚥下障害のない重度知的障害者と重症者とでは必要な支援の質と量は明らかに大きく異なっています。それは重症児者の支援に取り組んでいる私どもだけではなく、まだ重症児者を受け入れることができていない事業所をも含めた共通認識です。
第2は、現行のグループホームの人員基準では、重症者の自立生活は極めて危ういという点です。私どもが特に心配しますのは夜間の人員配置です。もし火災が発生したときに、夜勤者が2人ならば全員救助できる可能性がありますが、1人ならば誰一人救助できない可能性がある現実を重く受け止める必要があります。実際に発生した高齢者のグループホームの火災事例は大きな教訓とすべきです。現行制度で重症者のグループホーム等が実現するためには2つの条件が必要です。その一つは、利用者に医療的ケアを要する人がいないか、もしくは訪問看護等にて対応可能な程度であること。2つ目は、現在、特例的・経過的取扱いとして認められている個人単位の重度訪問等を併用できることです。重度訪問等の時間数は自治体により1人一月当たり200~300時間です。すなわち、グループホームの人員基準に加えて利用者1人当たり1人を大きく超える介助者などがいて初めて成り立っていると言えます。
第3は、重症者の24時間支援において最大の課題は医療的ケアへの対応であるという点です。たんの吸引など、介護職員に認められている医療的ケアのみの場合には理屈上はグループホームでも対応可能ですが、現実の問題として医療機関や看護職員に頼れない、この夜間に介護職員のみで対応するのはリスクが大き過ぎます。実例として、療養介護を運営する法人のグループホームであっても、経管栄養等の医療的ケアが必要な状態になった場合には当該グループホームを退所する誓約書を利用者と交わしている実態があります。これらの現実から、医療的ケアを必要とする利用者が1人でもいる場合にはグループホームに1人以上の看護職員を常駐させざるを得なくなり、複数名の看護職員を雇用する必要性が生じます。
第4は、これらのことを踏まえた上での重症者の24時間支援に必要なサービス提供体制についてです。安定した地域生活を実現するためには、居住支援、日中活動支援、重度訪問等の3つ以上のサービスを組み合わせることが必須であり、それらをコーディネートする相談支援と各サービスを隙間なく連続して利用できるよう、移動あるいは送迎の保障が欠かせません。重度重複障害者の24時間支援に先駆的に取り組まれている法人の例では、9人の重度重複障害者の自立生活を支えている人員は障害福祉サービスのみで常勤換算で26人を超えています。
検討項目の2番目、障害児支援については、特に重症児者の家族の就労をも含む社会参加をめぐる諸問題について意見を申し上げます。
重症児とその家族が抱える多様で敏感な諸問題はそれぞれが複雑に絡み合っており、それへの対応は決して一様ではありません。現状では、出産直後から就学前までの重症児の母親はそのお子さんの将来を思って医療やリハビリに奔走している方々が多く、また、実際に重症児を預かってくれる保育園はないに等しいことからも、自身の就労は諦めるというよりも選択肢さえない状態です。次第に障害の状況が安定し、将来への見通しがつき始める学齢期から成人期以降に向けて徐々に家族の就労及び社会参加のニーズが高まっていくと考えられます。したがいまして、家族の就労を含む社会参加の問題は決して障害児支援の問題にとどまらず、重症児者の場合にはまさに児者一貫、重症者の家族の問題でもあるという点が重要だと思います。
家族の就労をも可能とするサービス提供体制をどのように構築するかについては、現行の重症児者対象の生活介護や児童発達支援をベースにつくり上げることに加えて、医療型短期入所を活用した就労支援型の日中一時支援、さらには保育園や入所施設、あるいは有床診療所や病院など、既に12時間以上開所している既存の施設に必要な人員と設備を整備して受け入れる方法など、慎重かつ多角的に検討する必要があると考えます。サービス開始直後は、例えば1家族しか利用者がいないなどの事態も想定されますが、現実的な問題として大切なことは、仮にその家族が利用をやめたとしても、当該施設の運営や存続に大きな支障を生じさせないための制度的なバックアップが前提条件になるのではないかと考えます。
重症児者のケアは、年齢に応じたニーズに相違はあるものの、医療的ケアやADL全介助などの共通点も多く、年齢にかかわらず原則1対1のケアが必要です。にもかかわらず「定員規模と人員・報酬体系」などについて、児と者で整合性が取れていないことは大きな矛盾であると考えます。
重症児者の日中活動の定員と報酬の関係を表したグラフを御覧いただきたいと思います。当協議会の会員で収支が黒字なのは子供のみの定員5人の児童発達支援と、もう一つは大人のみの定員20名を超える規模の大きい事業所です。逆に赤字であった、特に大きいのが定員5人の大人のみの生活介護と、定員が10~20人の多機能型です。大人だけなら定員が10人を超えてくると徐々に赤字が減少していくのですが、定員10人以上の多機能型では単価の低い子供を受けるほど赤字が増大しています。
このような児と者で大きく異なる矛盾を解消することを前提に、家族のさらなる負担軽減に向けた今後の課題を3点申し上げます。
第1点は、重症児者が利用回数の制限を受けることなく、身近な場所で通える日中活動支援事業所のさらなる拡充と、それを実現するための重症児者に特化した人員基準と報酬単価の見直しです。
第2点は、利用回数や利用人数の制限を受けることなく、希望者全員に送迎及び入浴サービスを実施することと、それを実現するためにその労力と利用者の受益に見合った各種加算の見直し及び創設です。
第3点は、やはり医療型短期入所は施設も定員枠も不足しています。重症児者の地域生活の命綱でもある短期入所の拡充は今後とも大きな課題であり続けると考えております。
以上でございます。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
では、続きまして、特定非営利活動法人全国精神障害者地域生活支援協議会様からお願いいたします。
○戸高氏 全国精神障害者地域生活支援協議会、略称[あみ]の代表の戸高です。
我々の団体は、1997年に全国の精神障害者の方の支援をする事業所、作業所、グループホーム、地域生活支援センターが集まって発足しております。今日、このような機会をいただきありがとうございます。
説明につきましては、事務局長の近藤のほうから説明させていただきますので、よろしくお願いします。
○近藤氏 では、近藤です。意見について御報告させていただきます。よろしくお願いいたします。
まず「I 地域における障害者支援について」というところで、生活支援についてどう考えるか。自立生活の実現・継続ニーズを支えるサービスというところです。
うちとしては、まずとにかく質と量をしっかり整備するという、当たり前のことではありますけれども、そのように書かせていただいております。
まず、量につきましては、やはり今の総合支援法というか、自立支援法になってからですが、いろいろな仕事がどんどん増えてきて、専門職でありながらいろいろな仕事が多岐にわたって増えているということで、業務時間もどんどん増えています。そういう中で、やはり人数が少ないとしっかりした支援が届かない。届いても十分なところまで行かないということは会員の事業所さんからもよく声を聞きます。これは私どもの支援者の能力という部分が低いところもあるのかもしれませんが、現実的にも1人の職員が抱える作業量を考えること、支援する細かな配慮はやはりとても大変なものがありまして、そのようなことを効率的かつ効果的という表現をよく厚労省の方はされますけれども、ちょっとそこを超えている部分が正直あるのではないかと思っている次第ではあります。
2番としましては、この総合支援法以外の、法外の社会資源とつなげていくことで量が増えないかということです。例えば社会福祉協議会さんが今、活動をいろいろされているコミュニティーソーシャルワーカーや地域の様々な民間のインフォーマルな資源とか、そういうところとつながって福祉事業所もいろいろなことをやっていく、行政もつながっていくという、精神障害にも対応した包括ケアシステムが今後動いていくかと思いますが、地域でみんなで支えていくものを法律の中だけで、ここだとお金がつくとかつかないとか、加算がどうだとかというところではなく、もうちょっと広く考えていくことが今後必要ではないかと思っております。
次、質についてですけれども、これはちょっといろいろミスプリントがあって申し訳ございませんが、三障害一元化に平成18年からなりまして、それによって進んだこともすごく多いのですが、精神のみならず全てだと思うのですが、障害特性が制度上、とても見えづらくなったということです。そのことによって細かな支援がとてもしづらくなったり少なくなってきているのではないかということです。加えて、精神の場合は障害が変わります。午前と午後で状態が変わったりという揺らぎ、可変性がある中で、やはり支援の区分、その人の区分を午前中やるか、午後やるか、調査のタイミングでそういうものは全部変わります。そのような区分とかでは推し量れない要素とか、いろいろあるのですけれども、そういうものがまず一つ非常に多いということがあります。そこを区分だとかというところで区切ってしまうことが非常に質を落としてしまうことになる。
併せて、それを支援する常勤職員の配置が重要かと考えております。非常勤職員で配置することで、うちの事業所自身もそういうことで対応はしておりますが、やはり本来的には常勤職員がきっちり、しっかり継続的に関わることが、特に精神だけではないと思うのです。これは人としての関わりだと思うのですけれども、そういうものが継続的に行われることが質の向上にはつながると思っております。ですので、常勤換算ではなく、やはり常勤をきちんと配置するという仕組みに持っていくのはいかがかということが2番目になります。
3番目の質としては、先ほど言いました総合支援法以外での共同事業をつなげていくというところですが、先ほどのものと重なりますが、やはり加算ではなく、その辺、きっちり基本報酬をつけていくとか、そういうことが必要だと思いますし、あとは市区町村の自治体の支給決定の際ですけれども、調整基準であったり、非定型の基準。こういうものも自治体によって配慮してくださる場合もありますが、そうではなく一律に、この人の支給決定はここまでですというふうになってしまったり、もうちょっと広がりがあるような、そういう支給決定の仕方が必要ではないかということになります。
2番ですけれども、官民協働による居住についての支援ということです。
居住支援協議会の設置ももちろん大切ですし、そことの関わりがとても今後必要になってくるのはないか。まず、地域で住めることがとても大切ですし、民間の不動産会社等々のつながりもとても必要になります。併せて、あとはグループホームの拡充。この4月からの報酬改定で小規模のグループホームは夜間の支援体制がとても組みづらい報酬体系になってしまいました。要は、あまり報酬が出ないので、夜間、人をつけることがとても難しいということです。そういうことにならないように、やはりもうちょっとグループホームの報酬単価をもっと上げていくべきではないかということがここに書いてございます。
2枚目のほうですが、相談支援の在り方についてどう考えるか。地域生活支援事業の在り方です。
まずは基本相談です。地域の住民からの基本相談を受ける窓口がやはり脆弱だと考えております。ここは今の体系、支援法では報酬上、何もお金がつかないところですので、ここについて積極的に地域からの相談を受けて社会資源につなげることがあまり行われていない。そこの中でやはり地域で埋もれてしまう方が非常に多いのではないか。まず、窓口をもっと増やして、身近な場所で行き届いた支援が展開されるものが必要だと思っております。
併せて、2番目に相談支援事業所。ここはもともと単価が低いところで、この4月、かなり上がった部分もありますけれども、まだ低い。やはり処遇改善の対象にしないとということで、法人で困っているという話は全国で聞きます。処遇改善加算の支給対象にすべきではないかということです。
3番目としてはコーディネーターです。先ほど言いました「にも包括」と言われる包括ケアシステム、または地域生活支援拠点の事業など、地域を取りまとめるコーディネーター役がきちんと置かれることが必要であって、それは拠点での加算だけではなくて、ちゃんとした位置づけで基本報酬をつけるようなものが必要ではないかということ。
4番目、地域移行ですが、今は体験利用というものが法制度の中で組まれていますが、これは退院しようと思った人に対しての体験利用だけなのです。そうではなくて、長く入院していて、本当に自分が退院できるのかどうかというところからトライアル体験ができるような、そういう仕組みの創設。あとは、以前やっていました地域体制整備コーディネーターです。地域の人間が当事者、ピアも含めて病院に入っていて、退院したい方を掘り起こしていく。そういうサービス事業を再びやるのはいかがかと考えております。
あと、地域活動支援センターの事業ですけれども、これは自治体事業なので、その自治体のお金のあるなしというところで非常に規模、質が変わってくる。この辺の部分でやはり地域生活支援事業の予算をもっと増やしていくことがとても必要なことと考えております。
障害者の就労です。
まず、1のところは、先ほど言いましたように、障害特性に応じたものというふうにもっとすべきではないか。すみません。ここで「一般就労から福祉的就労への移行」と書いてありますが、これは間違いで、逆です。今、福祉から一般にというふうな流れなのですが、それではなくて、逆に戻っていく部分があったり、障害の程度、状態によって日ごとで使うサービスが異なるぐらいのものがあってもいいのではないかということが一つ。
あとは、工賃でこの人の所得保障という流れがいっぱい支援法はあるかと思いますが、本来的に所得保障は別枠で考えるべきであるということがあるかと思います。
就労については3番目、3枚目の資料になりますが、ニーズと就労内容が反映する体系の想定ということですけれども、この4月にできたのはB型の新しい類型ですが、こちらにつきましては当初、9月の報酬改定の会議でも、平均工賃では評価しづらいような実態があるし、平均工賃が高い低いで利用者を選んでしまう事業所がある。要は、利用者をそれによって排除するような動きが出てしまうのではないかという説明が厚労省のほうからありまして、それで新しい類型が今回出たのですが、結果的にその新しい類型は一番報酬が低いものになります。つまり、ここで論点として厚労省が出していたものを解消するような枠組みではないと私どもは思っております。
国の方にも聞いてみましたところ、ここについては就労継続支援なので、どうしても工賃を優先しなくてはいけないのだと言われまして、そうであれば、そこではない枠で新しい類型をつくるべきだと思います。併せて国の方からは、これについては報酬改定では限界があるのではないか。法の改正だというお話もいただきました。ですので、ぜひこの場でその意見は述べさせていただきたいと思います。
あと、すみません。就労継続支援のA型。
○菊池部会長 恐れ入ります。時間が来ておりますので、簡単におまとめいただけますか。
○近藤氏 分かりました。申し訳ございません。長くなりまして、すみません。
雇用施策です。福祉施策ではなく雇用施策に移行とA型を入れるということ。
それから、受入れスキルの強化ということで、事業所の強化ではなく、受入側の企業に対してのスキルの強化方法を考える必要があるのではないかということ。
その他ということです。
居住地特例については、現行のとおりでいいのではないかということ。
それから、持続可能な制度というところですけれども、やはり精神科入院医療の費用をもうちょっと地域のほうに持ってくることで、これは財布が違うというお話もありますが、いや、これは併せてそういうものを考えるべきであろうと考えております。
長々とすみません。以上となります。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまいただきました4団体の皆様からの御意見につきまして委員の皆様から御質問等がございましたら挙手をお願いします。
御発言につきましてはできるだけ簡潔にお願いいたします。
14時50分をめどに御議論いただきたいと考えております。
まず、会場からはよろしいですか。
○竹下委員 はい。
○菊池部会長 それでは、オンラインで白江委員、井上委員、お手が挙がっています。まず、白江委員からお願いします。
○白江委員 全国身体障害者施設協議会の白江と申します。
日中活動支援協議会様にお尋ねしたいことの1点でございます。最後のところで、医療型短期入所は重症児者の地域生活の命綱ということなのですが、私どもは福祉型の短期入所をやっておりまして、人工呼吸器を含む医療的ケアの方も受入れをしているのですが、なかなか福祉型では進んでいない実態がございますが、やはり福祉型の活用もしっかり考えていくべきではないかと思っているのですが、そのあたり、どのようにお考えでしょうか。
それだけです。以上です。
○菊池部会長 いかがでしょうか。
○木村氏 回答してよろしいですか。
○菊池部会長 はい。お答えをお願いします。
○木村氏 当協議会として議論して共通の結論を得たということは決してないのですけれども、心配しておりますのは、先ほどのグループホームの話ではないのですが、看護師が夜間常駐しているのかどうかというところで、そこで医療的ケアがないからであれば、だんだん慣れてくれば安心してお預けできると思いますけれども、やはり医療的ケアがある方で看護師がいない状態のところにお預けするということは私としてはちょっと心配をしているところです。
私からは以上ですが、もしも末光会長から補足があればお願いしたいと思います。
○菊池部会長 末光様からございますでしょうか。
○末光氏 今、木村局長がおっしゃられたとおりでありますが、我々、重症心身障害児施設あるいは肢体不自由施設も福祉型での受入れをしておりますが、背景には当然、医療があるということでございます。
ただ、やはり全国、どの都道府県でも重症心身障害児、医療ニーズのある方を受け入れる重症児施設あるいは肢体不自由施設は数か所に限られております。住んでおられる場所がそういうところから離れている、片道2時間も3時間もかかるような方につきましては、近くのお世話になっている医療機関で医療型の短期入所をやっていただけたらという要望があり、実際に私どもは岡山県あるいはその他の幾つかの県でもやっております。そういう意味で、医療機関が福祉的ニードの短期入所を受け入れていただくという道があってもいいのではないか。そのような思いを込めてお願いをしたと考えております。
○菊池部会長 白江委員、よろしいですか。
それでは、続きまして、井上委員、お願いします。
○井上委員 日本知的障害者福祉協会の井上でございます。日本自閉症協会と[あみ]の方に2点お伺いしたいと思います。
日本自閉症協会の方に関しては、資料のIのマル2の「強度行動障害を有する児者に対する支援の強化」の中で「行動障害児者は支援方法が適切でも虐待とみなされる場合が多く」という記載があるのですが、誤解が生じるといけないと思いますので、もう少し具体的に何か事例等があれば、教えていただければというのが一点でございます。
全国精神障害者地域生活支援協議会[あみ]の方にですが、大変様々な良い提案をいただいていると思いますが、その中で特に「地域移行の動機、意欲喚起を高める支援力を」というところで、入院されている方々に意欲喚起のための体験や促しをされるというニュアンスで捉えたのですが、もう少し具体的に教えていただければありがたいと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 それでは、まず会場の今井様からお願いします。
○今井氏 では、今井から、資料の下のほうにある、虐待しているとみなされやすいから事業者が受けたがらないという問題です。
では、どんな事例があるかというと、これも児童のほうなどが特にそうなのですけれども、例えばミトンをつけるのは虐待だと形式上はなっているわけです。あるいはつなぎの服を着るのは虐待となっています。私の息子らもつなぎを着ておりました。服を脱ぐという行為をやらないようになるのは約2~3年かかりました。でも、本人がそれを求めたりしているのです。動悸が出てくるから、それは分かるのです。でも、成人でもそういう例があるのですが、やはり特に自傷を防ぐためには本人からの意思が分かるのですけれども、それを防いであげることは大事なのですが、そういうつなぎとかミトンとか、あるいは寝ているときに覚醒しないように緩く拘束するということは虐待とみなされる場合が非常に多いです。
もちろん、みなされないような手順で紙に書いて、合意して、では、もう一か月間やりましょうね、2か月間やりましょうねとやるのですけれども、外見的には見られるので、もともとそういうものには手を出さないというのが圧倒的な施設です。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、近藤様、いかがでしょうか。
○近藤氏 御質問ありがとうございます。
地域移行の動機、意欲喚起というところですけれども、先ほどお伝えしましたように、精神科の長期入院というものは、皆さんも御存じだと思いますが、世界的にも問題にはなっているところかと思います。そして、10年、20年という入院生活を続けていらっしゃる方の場合は、もう自分は今さら地域には出られないだろうと思われている方がやはり少なくないということです。
10年、20年の間、ずっと社会生活の営みがなかった。病院の中だけで、ベッドの上で暮らしていた。そういう方が、いや、そうは言っても今、世の中はこうなっていて、こういうサービスがある、こういう人たちがいる。こうで、そういうものを病院のほうに言って、支援者、あとは当事者の方、入院していた方々が、私は退院したらこういう生活ができるようになったのだという実体験を伝えていく。そういうものを合わせていきながら、本人がもしかすると自分は退院できるのではないか。そういう意欲をまず持っていただくところ。諦めているところから掘り上げていく作業です。
そこをやっていくことがとても大切で、今の指定一般のほうには体験は入っているのですが、あれは退院したい方に対してつくサービスですので、そうではない、その前の方に対しても、そのような体験というか、地域を見て、匂いを嗅げる。そういう機会がとても必要ではないかと思って書かせていただきました。
以上となります。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、齋藤訓子委員、お願いします。
○齋藤(訓)委員 ありがとうございます。日本看護協会の齋藤でございます。
私は日本自閉症協会の市川様と事務局にも1点ずつ御質問があります。
資料の2枚目のマル4のところに福祉事業のトップの人材育成への助成をお願いしたいという御意見があり、これはトップマネジメントの向上のためなのだという目的が一文で書かれているのですけれども、市川様にお伺いしたいのは、このトップというのは法人のトップなのか、それとも、事業所のトップなのかということ。それから、例えばどのような内容を教育や研修等に含めるとこのトップマネジメントの向上に至るのかということを、もし御見解があればお伺いしたいです。
それから、事務局に対しての質問ですが、この福祉事業のトップの人材の研修等につきまして、実際に助成の実態があるのか。それから、実施の実態がどうなのか。もしデータがありましたら、本日ではなくてもいいのですが、御回答をお願いしたいと思います。
○菊池部会長 今日お話しくださっているのは今井様でいらっしゃいます。今井様からよろしくお願いします。
○今井氏 今日、市川は欠席で、今井が出ております。よろしくお願いいたします。
○齋藤(訓)委員 失礼いたしました。
○今井氏 「助成」と書きました。つまり、必要性は皆さん、認識されているのだと思います。
どの層かと言うと、特にやはり現場を仕切っている、例えば施設長とかが一番重要で、例えれば、高校野球で言えば監督。やはり良い監督のところには良い選手が集まってくる。そういう関係なのだと思います。極めて重要です。
ただし、その人事権もやはり福祉法人全体が持っておりますから、誰が実力がある、誰が正しい福祉的な感覚を持っているかというものを判断するのは最高人事権を持っている人ですので、法人長も重要だと考えています。天下りが一概に悪いとは言いませんが、時には弊害が出ていると思っております。
では、助成とは何かということですが、実はここは私も曖昧でございます。行政的にマネジャーを質的に育成することが研修等で成功するかと言うと、なかなかそうはいかないと思います。これはスポーツ界も、それから、いわゆる民間企業などでも、業界同士でそのために交流会などを皆さんやっていますので、何か、既に福祉分野でのトップマネジメントを向上させるための施策で成功しているものがあったら、ぜひそれを入れてもらいたいという気持ちもあって、ここに書きました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
事務局から。
○源河企画課長 事務局です。御質問いただきましてありがとうございました。
今、今井さんからの御回答にもありましたように、福祉事業のトップと言ってもすごく幅広いと思いますし、人材育成の助成というものもすごく幅広い概念だと思いますので、にわかには答えられないのですが、ちょっと確認した上で次回以降御報告させていただければと思います。
○菊池部会長 それでは、持ち帰りということで事務局にお願いいたします。
それから、岡田委員、大濱委員からお手が挙がっています。まず、岡田委員からお願いします。
○岡田委員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
全国精神障害者地域生活支援協議会[あみ]の方に1つ御質問がございます。「III 障害者の就労支援について」の3です。「ニーズと支援内容が反映される体系の創設」というところなのですけれども、この前提にはニーズに対して支援内容が反映されていない現状があるというところからの御提案だと思いますので、そのあたりのことをもう少し詳しく教えていただきたいということと、別体系を創設して位置づけるという何か具体的なお考えがおありでしたら教えていただけたらと思います。
よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 近藤様、いかがでしょうか。
○近藤氏 御質問ありがとうございます。
こちらについては、先ほどお伝えしましたとおり、この4月から報酬改定で新たにできました就労継続支援B型の新しい類型がそこに当たるものだと思っております。もともと、先ほど言いましたように、就労継続支援B型というものは3年前の平成30年の報酬改定のときに平均工賃額で基本報酬を変えていくというふうになりました。そのことによって工賃が上がる事業所もありましたし、働く機会が増えていった利用者の方もいらっしゃいます。
ただ一方で、そういうものに乗っかりづらい障害をお持ちの方も数多くいらっしゃいます。それで先ほどもお伝えしました、去年行われました報酬改定検討チームの第15回のときの資料とかにも書いてあるのですけれども、精神障害の方が増えている、難病の方が増えている、若年性認知症の方が増えている、65歳以上の利用者が増えている。そういう地域の実情に応じた多様な就労ニーズに対して平均工賃では実態を十分に反映できないというふうに、そのとき、厚生労働省の資料に出ておりまして、併せて重度障害や精神障害など、障害特性によって利用日数や作業時間が少なくならざるを得ない利用者。1週間に1時間しか働けないとか、1日1時間働くことがやっとだとか、そういう方を受けていると、要はB型の事業所は平均工賃が下がってしまうことになります。
そうなると、そういう利用者を受け入れないで1日に5時間も6時間も働いてくれる利用者を取ろうとするような事業所が増えてくる可能性がある。そういう危惧を私ども[あみ]のほうからもお伝えしましたが、このときの資料でもそういう利用者を排除する動きにつながるおそれがあるというお話がありました。その中で最終的に新たに類型を創設してみてはどうかというところで今回の新しい類型ができたという流れだと思います。
ですが、やはりまずは多様な就労支援ニーズというところですけれども、これは就労ニーズだけでB型が動いているかと言うと、様々な生活支援、家族、対人関係、いろいろな支援を行いながら生産活動につなげているという支援が非常に現場として多いと思います。単に皆さんが通ってきて働いて、それで幾ら稼いだ。それで帰ります、また来週来ますということで動いている。そういうレベルのB型はどれほどあるかというふうに、私どものほうではちょっと少ないかなと思っておりまして、いわゆる友人とのやり取り、お金のこと、食事のこと、健康のこと、いろいろな不安を取り除く作業から生産活動につなげていくとか、そういうことは日々の現場ではとてもあります。そういういろいろなニーズが本来ある。
私どもが2年前に全国調査をさせていただいたところ、精神のB型の利用者の満足度を調べましたら、そこでの満足度は平均工賃が高い低いではなかったのです。それは厚生労働省の方にも資料としてお渡しはしております。うちのホームページでも見ていただければ、そこの報告書がございます。B型に求めているのは、自分のリカバリー、回復していく力とか仲間をつくっていくところ。そういう場で一緒に作業しながらそこで時間を過ごすことに対して、そこに対してニーズを求めている、満足感を求めている方が非常に多かったというのが調査結果で出ました。
ですので、事業所によっては工賃を上げるために面接の時間を減らしたりミーティングの時間を減らして作業時間を増やしていくという動きが2年ほど前から出てきている事業所が幾つかあります。利用者にとってはそうではなくて、もっと話を聞いてほしいのですと。作業ではないのですという方が少なからずいらっしゃるということです。そういうニーズをやはりきちんと受け止めるような場所が必要であろう。それが新しい類型にできればいいと思ったのですが、最終的には平均工賃というところの工賃額で報酬の基本単価を決めたので、平均工賃の一番低いところよりさらに低い単価が新しい類型になってしまった。この単価がもうちょっと高かったりすれば、ここの中でいろいろな支援を丸めてやっていく事業所はもっと出るのではないか。
ただ、厚労省の方は、就労継続支援なので平均工賃で評価するのが第一前提だから、近藤さん、それは無理ですよとはっきり言われました。それであれば報酬改定ではなく、法改正で新しい類型をつくる。いわゆる有期限ではなく無期限でやるような、生活訓練のようなサービスなのかもしれませんし、それはいろいろな議論が必要かと思いますが、そういう形で働くことの意味合いがいろいろな意味合いがあるというところ。そこをやはり受け止めるサービス体系が必要と考えているということになるかと思います。
以上となります。
○菊池部会長 どうもありがとうございます。
それでは、大濱委員、お願いします。
○大濱委員 脊損連合会の大濱です。ありがとうございます。
全国重症心身障害日中活動支援協議会の方にお伺いします。重症心身障害者の24時間支援に必要なサービス体系の提供ということで、居住支援、日中活動支援、重度訪問介護等の組合せとあります。グループホームの場合、外部からの重度訪問介護を入れることは可能だと思いますが、3つのサービスの組み合わせということは、重度訪問介護だけではやはり難しいということでしょうか。そのあたりを少し説明していただけるとありがたいです。
○菊池部会長 どうぞ。
○木村氏 御質問ありがとうございます。
必ずしもグループホームのことについて詳しくないのですが、障害福祉サービスのメニューにはなくても、一部、全国各地でやられていて容認されている一つに、個人の重度訪問を4人とか6人とか持ち合わせて、それで親元を離れて自立生活をなされている方がいらっしゃるやには伺っていますし、札幌にもそのような方がいらっしゃいます。それはもともと必ずしもグループホームではなくて、個人で家を借りて、複数人の皆さんで重度訪問をやる。
ただ、自分の契約している方ではない方の重度訪問のヘルパーさんからケアを受けることになったりするのでしょうけれども、そうではなくて、私がここで書かせていただいたのはグループホーム等とさせていただきましたが、あくまでも今の制度に基づく、障害福祉サービスに基づくグループホームをやる場合に、個人が持っている、個人単位の重度訪問を利用する場合には、人員基準は半分になるけれども、引き続き、その重度訪問は使ってもいいですというように今回の報酬改定では確認がされたというふうに理解しておりますので、そのような意味で書かせていただいております。
その意味で、居住支援としてのグループホームと日中活動支援がありますが、それだけでは重症心身障害の方の地域生活は無理ですから、それらを結ぶ、あるいはそれらを、足りないところを補足するための重度訪問を削られることなく、全部ついて、やっと地域生活が実現するという趣旨で書かせていただきました。
よろしいでしょうか。
○大濱委員 はい。ありがとうございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。御質問はございませんでしょうか。
なさそうですので、ここまでとさせていただきます。
4団体の皆様、本日は大変ありがとうございました。貴重な御意見をいろいろいただきました。ありがとうございました。
予定よりは少し早いのですが、次のグループに移らせていただきたいと思います。
御準備のほうが整わないということがありましたら、適宜、順番を入れ替えながらということも考えたいと思いますが、少しお待ちください。
それでは、続きまして、資料9に基づきまして、一般社団法人全国肢体不自由児者父母の会連合会様からお願いします。会場にわざわざお越しいただきましてありがとうございます。
○石橋氏 では、意見発表をさせていただきます。本日はありがとうございます。全国肢体不自由児者父母の会連合会の副会長を務めております石橋から意見表明をさせていただきたいと思います。
「I 地域における障害者支援について」。
地域での生活支援についてでございますが、生活環境、施設・グループホームの整備が進まず、制度・支援サービスは市区町村で隔たりがあり、国の障害福祉計画の設定目標とそれを補完する支援制度が、地方の義務負担としての位置づけがなく自治体の裁量で支援制度を制定、市町村で格差が生じているのが実態です。障害者の重度化・高齢化に加え親の高齢による介護力の低下もあって、地域の実情に応じ、住み慣れた地域で、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むために、医療や介護のみならず、障害福祉サービスを含めた様々な生活支援サービスが、利用者の選択に基づき適切に提供できる体制にしてはどうか。国が定めた訪問介護給付に関わる国庫負担基準の上限を撤廃し、市区町村の居宅介護、重度訪問介護、重度障害者等包括支援の訪問系サービスを同一の支給量にしてはどうか。令和3年度障害福祉サービス等報酬改定における地域移行支援は、病院もしくは入所施設からの移行に対処する施策にとどまり、全肢連の会員のほとんどは、家族と共に地域で在宅生活を過ごしている実態を反映した地域移行施策を確立してはどうか。
相談支援の在り方についてですけれども、社会福祉基礎構造改革以前の相談事業は一貫して福祉事務所が担っていた。支援費制度で利用している事業所でも取り扱えるよう報酬単価がつき、基幹相談、地域相談、そして、日常的に利用している事業所から相談事業が切り離され今日に至っています。介護保険の形態を一部取り入れておりますが、障害児者に密着していない相談支援は、身近なものとなっていないので、次のことについて配慮してはどうか。身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に位置づけられている相談員の充実、障害福祉サービスを受けるための計画相談支援専門員が全国的に足りず、セルフプランに頼っている現状であり、セルフプランで作成するサービス等利用計画を減らすために計画相談支援専門員不足の解決。
地域生活支援事業等の在り方についてですけれども、地域包括ケアシステムにおいて障害児者の地域への移行を障害福祉計画、障害児福祉計画の成果目標とすることを周知する。65歳に達した障害者のサービス利用計画に携わる相談支援事業所に、個々の障害者の状況に応じ障害者総合支援法に基づくサービスが提供できることを含めて周知の徹底を図ってはどうか。移動支援についてですが「社会生活上必要不可欠な外出、社会参加のための外出」の移動の目的に重度訪問介護、同行援護、行動援護となっていますが、市区町村の裁量で除外扱いや時間・回数などに制約が生じています。国において一定の基準を設け地域での利用に差が生じないようにしてはどうか。通勤・就労を除外としていますが、障害者総合支援法3年後の見直しで改正されるとなっていたが、依然としてガイドヘルプサービス事業の一環となっており、市区町村で利用格差があるとともに、通学・就労等の利用は障害者の自立生活に直接つながる事業で合理的配慮に欠けている点を急ぎ改善するため、関係省庁と個別給付に向けて検討してはどうか。医療的ケアを要する障害児者の移動支援に行動援護を利用しているが、支援の範囲に移動中の介護のほか、移動先での介護(排泄介助、医療的ケア、3号研修の範囲内)を新たに設けてはどうか。
「II 障害児支援について」です。
放課後等デイサービスは、支援学校では補えない養育訓練・他者との触れ合いから社会生活を学ぶ適応訓練という面がありますが、学齢児は個別支援計画の作成をセルフプランで立てる傾向が強く、これら必要なプログラムは個別支援計画に基づいているので、専門性を持つ指導者が必要で人的配置基準などを精査して改善を図ってはどうか。
「過齢児」に関わる課題でございますが、当会と関係あるのは移行期医療です。発症時からの状況を含めて、成人での対応ができる医療機関が地域生活周辺にないため、移行を求められても応じられず、困っているのが現状です。特に、乳幼児から受診してきた公的病院等は条例で小児科は満18歳までと規定されていることで、担当医が認めても受診できない状況を、医師と患者の意向判断でできるようにしてはどうか。
「III 障害者の就労支援について」です。
就労継続支援A型で一般就労に行ける対象者が少なくなっており、また、養護学校生徒の重度化が就労継続支援A型に進む生徒の減少もあり、就労継続支援B型に事業そのものが転換している傾向があると思っております。福祉的就労に移行せざるを得ない状況にあることから、受け入れる福祉的就労事業所の運営(経営)と工賃の課題に取り組んではどうか。
連携についてでございますが、1日の短時間労働の対象に身体障害者(肢体不自由者)を含めてはどうか。障害者雇用の職場確保のため非常勤雇用の障害者を除いて障害者雇用率を算出し、障害者の雇用促進を図ってはどうか。
「IV その他」です。
居住地特例のことですが、障害当事者の地域とは、生まれ育ったところであり、65歳を迎えて介護施設等の利用もその地域であることが前提であります。また、現在、介護保険施設等で短期入所が利用できることを踏まえ、居住している地域の整備を促進するためにも居住地特例の対象とすべきと考えます。
制度の持続可能性についてですけれども、障害の重度化、当事者の高齢化を鑑みて、サービス等利用の持続性より、将来を見据えた継続性に配慮したサービス等利用計画の作成とそれに見合う受給量の算定が必要と考えます。障害福祉予算は、中期的な視点に立った地域ごとの必要量を調査し、障害福祉計画を立てる。現状の障害年金・特別障害手当だけでは最低限の生活を送ることは難しく、希望する地域で安心して生活ができるように安定した所得保障を講じる。最後に、新型コロナウイルス感染症で命の選別をすることなく、素早く対応できる予防体制並びに感染症対策を構築する。
以上でございます。ありがとうございます。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
続きまして、全国肢体不自由児施設運営協議会様からお願いいたします。小﨑委員、よろしくお願いいたします。
○小﨑委員 全国肢体不自由児施設運営協議会の小﨑です。このたびは意見表明の機会をいただきありがとうございます。部会構成員ではありますが、団体代表として私から発表いたします。
まず「I 地域における障害者支援について」です。
現代においては、従来からの肢体不自由という障害種別から思い浮かべられがちな「手足に障害があるのみで、それ以外は何の問題もない子ども」はむしろ少ないです。しかもその少ない子供たちの多くは家庭から地域の学校に通学して定型発達児と共に生活することができています。当協議会を構成する、主として肢体不自由児を対象とする医療型障害児入所施設の利用児のうちで、在宅障害児に対するリハビリテーションや小児整形外科的治療等を目的とする有期有目的入所利用を除いた、被虐待、ネグレクトなど養護性の高い障害児でなおかつ重症心身障害児(以下、重心児)に該当せず、肢体不自由児と認定された子供の多くは軽度から中等度の知的障害や発達障害を併せ有しています。その合併障害の組合せや程度は様々で、必要な支援内容も個別的かつ多岐にわたっています。そのため、多様な専門性を持つ多職種の職員が求められ、障害の態様によっては人員も時間も重心児と同じか、あるいはそれ以上の負担がかかることがあります。この問題については、一定の評価をいただき、今回の改訂においては、重度重複障害児加算の見直しと強度行動障害児特別支援加算の新設につながりました。
しかし、比較的軽度の障害を有する入所児童は、その潜在能力から将来施設を離れて地域での生活を送ることを期待され得るのですが、そのためには運動面、知的発達面、社会参加面など多くの切り口で目標を設定し、達成が困難な場合には目標を再設定するなど根気よく課題を繰り返すといったアプローチが求められます。このような対応や医療的合併症による障害の重度化への対応を可能にするためには、多様な専門性と十分な経験を有する職員を手厚く配置する必要があります。しかし、現状の主として肢体不自由を対象とする医療型障害児入所施設の基本単価では、このような多職種が協働するチームを配置するには不十分であります。このことより、主として肢体不自由を対象とする医療型障害児入所施設の基本単価のさらなる改善を求めたいと思います。
また、短期入所サービスは地域で生活する障害児者に対する在宅支援として大きな役割を果たしているところであります。しかし、特に学童期における短期入所の需要は、週末や連休、学校行事シーズンなど、当該児またはきょうだい児の地域生活のリズムの影響を受けて大きく変動します。施設運営上、最大需要時期に見合った空床を常に確保しておくことは現実的ではありませんので、結果として「希望通りの時期に利用できない」という不満を利用者側に生じさせることになります。
他方で、今回の改訂で感染症や災害への対応力の強化がうたわれています。入所系サービスでは、災害時において発災時に入所利用している障害児者への安全確保や支援の継続がまず求められていることは言うまでもありませんが、地域の障害児者への支援についても可能な範囲で行うことが期待されていると考えています。このためには、平時から設備面・人員面での余裕を持たせ災害対応に生かすとともに、平時には短期入所等の利用増につなげるといった方策の検討の余地はないでしょうか。人員的な余裕については、平時にはその人員を在宅支援に弾力的に運用してもよいというような自由度を与えていただけると、地域での支援の充実にも役立つことが可能と考えています。地域支援のニーズについては地域ごとの状況が異なる面も大きいので、全国一律に人員や支援内容が定められた制度設計とすると、参加できる施設が限定的にならざるを得ないということも予想されます。
次に「II 障害児支援について」です。
入所系施設利用児の在宅児・定型発達児とのインクルーシブな日中活動の場として、通所系サービスや学童保育などサービスを超えた施設の利用もオプションとしてあってもよいのではないかと考えます。この際、送迎の人的・経済的負担をどうするかという検討はもちろん必要です。
また、昨今の状況への対応としては、新型コロナ感染症のために通所できないでいる障害児を、そのニーズに応じて、医療施設としての水準で感染予防環境を整備した医療型障害児入所施設で療育支援を行うことも考えられます。
今回の改訂において、障害児入所施設利用児の地域移行におけるソーシャルワーカーの役割が報酬に反映されたことは大変ありがたいと思います。しかし、ソーシャルワーカーの障害児地域移行における役割は、単に当該児が入所した後から始まるのではありません。既に入所前の段階から退所後の児の生活の在り方を意識して、関係各部署・機関との連絡調整に当たっています。とりわけ、家庭養育困難な家庭においては、レスパイト的な短期入所利用の調整を実施するなど、措置または契約入所に至らない段階での「地域生活の継続を支援する」という活動の比重も大きいものがあります。また、緊急一時保護などを要する状況では集中的な取組が要求されますが、結果的に他施設での入所に至ることもあり、そうすると、そのときの入所児に対する報酬加算のみでは、このようなケースの場合に、彼らの活動が報酬に結びつかないことになります。
次に、いわゆる「過齢児」への対応においても、ソーシャルワーカーの果たす役割は極めて大きく、児の置かれた家庭環境によって10歳前後の時期から「18歳以降」の当該児の将来を見据えた対応を開始することもあります。入所施設退所以降の生活(施設変更、在宅を含みます)は、試行的な施設変更などを実施しながら行うことも多いことを踏まえて、移行期間中には、もとの施設は当該児が移行先施設を試行利用中も入所施設を確保しなければなりませんが、これに対する一定の評価も必要ではないかと考えます。
また、障害状況によっては、者に移行した後のサービス提供体制を関係者間で事前に合意しておくために、18歳以前に障害支援区分の暫定的な判定を実施しておくなどの措置が必要となるケースがあるのではないかと考えます。このようなケースについては、行政も含めた柔軟な対応が可能となるように求めます。
次に「III 障害者の就労支援について」です。
障害児入所施設の長期利用者が、成人以降に施設を離れて地域社会で暮らしていくためには、就労・雇用の問題を含んで地域社会への参加の在り方についても考える必要があります。医療型障害児入所施設の立場からは「雇用・福祉施策の役割分担」だけではなく、教育の果たす役割についても今後検討が必要かと考えます。
「IV その他」です。
家庭事情・障害状況等、複雑な背景を有する障害児とその家族を支援するには、単独の施設ではもちろん限界があります。多施設・多機関の連携の必要性は以前より指摘されているところではあり、業務の効率性の向上の見地から、各種ITツールの導入が進められています。しかし、現状では旧来の電話・ファクス等も依然として多用され、情報共有に困難を来していることも多いです。業務の効率化を公的に支援して、サービスを支える職員の働き方改革を行って、初めて制度の持続可能性について議論できるのではないかとも考えます。なお、情報共有に当たっては、個人情報の保護に極端に重点を置いてしまうと使い物にならないこともあることも留意すべきかと考えます。
最後に、現在進行中のコロナ禍の影響については、感染防止を最優先とするために、短期入所や有期有目的入所を大幅に制限せざるを得ない状況があります。結果として、外泊を禁止・制限して長期入所サービスにより比重を置いた運営を強いられています。このままでは、コロナの問題が解決しても、地域生活を送っている障害児の発達を集中的に支え促進する医療型障害児入所施設の有期有目的入所支援の機能が損なわれたままになってしまうおそれがあります。
私からは以上です。御清聴ありがとうございました。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
続きまして、一般社団法人全国児童発達支援協議会様からお願いいたします。
○加藤氏 一般社団法人全国児童発達支援協議会会長の加藤と申します。今日はこのような貴重な場をいただいてありがとうございます。
今日は会を代表して、私が会長ということで当会場に参加させていただいておりますが、主たる発言者は政策委員長をしています副会長の北川が札幌からリモートで参加させていただきますので、よろしくお願いします。
今日のこのヒアリングのメンバー、参加者の団体を見ますと、今日の場合は児という言葉がキーワードになっているような気がしないでもないのですけれども、我々は本当にピュアに子供だけを、在宅の発達支援を必要とする子供たちとその家族を支援する支援者の団体であります。
今、子供たちは御案内のようにコロナ禍で大変な事態になっておりますが、もともと昨今、子供たちにとっては大変育ちにくい、学びにくい。そういう社会環境になっているとは思われますが、とりわけ支援を必要とする子供たちにとってみると、そういう厳しい社会であればあるほど最も育て上の困難さが彼らにこそ収れんするということが懸念されます。そういう中での今回の我々、子供を代表した視点での発表になろうかと思いますが、よろしくお願いします。
それでは、政策担当の副会長の北川から発表させていただきます。北川さん、よろしくお願いします。
○北川氏 全国児童発達支援協議会政策担当副会長の北川です。どうぞよろしくお願いいたします。
CDSは、先ほど会長が言いましたとおり、障害のある子の通所支援事業所の集まりですので、IIの障害者支援に特化して意見を申し上げたいと思います。
NIPT等の出生前診断で陽性の診断を受けた8割の妊婦さんが妊娠を中断される現状の中で、日本の中で障害のある子供、また、障害のある方々と家族が本当に生まれてきてよかった、愛するに値する。そういう意味で本当に障害児・障害者施策は良いものにしていかなければいけないと思います。児童発達支援センターは、この胎児期からこれから関わっていくことを求められています。そういった意味で私たちは障害児支援の今後の在り方をこの見直しに関するところで意見を出していきたいと思います。
これまで国では平成20年、平成26年、そして、昨年の障害児入所施設の検討会も合わせて3回の子供に関する検討会を行ってまいりました。特に平成26年の障害児支援の在り方に関する検討会では、子供の最善の利益、家族支援の重視、それから、インクルージョンの推進を理念として、地域における縦横連携体制、児童発達支援センターを中核とした重層支援体制をつくっていくこと。それから、子供だけではなく、ライフステージごとの支援を充実させていくこと。また、特別に配慮された支援が必要な子供たちのために強度行動障害の研修であるとか、医療的ケア児の支援。それから、家族支援の充実など、とても大切な内容が提言されました。
この内容が果たして十分に実施されているのかどうか。それを検討・分析した上で、平成26年から今、8年もたっておりますので、子供の取り巻く課題である晩婚問題とか高齢出産、働くお母さんたちの増加、子供の虐待、それから、貧困など、子供と家庭を取り巻く状況が複雑化している、この子供と家族の課題を解決するために、これまで発達に心配のある子供、困り感の高い子供と家族を支援してきた障害児支援は地域の中で何ができるのか、何をしなければならないのか、今後の方向性を検討していく必要があると思います。
また、こども庁創設の議論も始まりました。障害児施策の支援が子供施策から落ちないように慎重に検討されることを望みます。
それでは(2)です。児童発達支援センターの発達支援の地域拠点としての役割の明確化です。
児童発達支援センターは、まず、センター以外の児童発達支援事業所との機能や役割があまり明確になっておりません。児童発達支援センターの役割として、まず、専門的な機能。それから、発達支援評価機能。3番目に、コンサルテーション機能。4番目に、同じ子供機関への専門的支援機能。5番目に、他施策等との連携支援機能などがあると思います。特に今、妊娠から出産、子育てまで切れ目のない支援体制の中で児童発達支援センターもその大切な役割を担う機関として、医療・保健・福祉等の関係機関と連携・協働して、地域の子ども・子育て支援の一翼を担うことが求められていると思います。
これらの機能をしっかりと果たしていくために、私たちは、児童発達支援センターには子供の育ちを保障するような、その子供の育ちに関する専門職がまだ位置づけられていません。ですから、OT、PT、ST、心理、ソーシャルワーカー、看護師、それから、生活モデルの支援のために保育士。それらの配置が必要になってくると思います。
3番目です。児童発達支援センターが発達支援の地域拠点として、本当の一元化を求めたいと思います。
平成24年の児童福祉法改正によって、障害区分されていましたけれども、児童発達支援センターに一元化されました。でも、現状はやはり障害種別が残存しております。職員配置や設備などが報酬も変わってきています。地域では様々な障害のある子供を受け入れています。それから、身近な地域で一定水準の発達支援が受けられるようにするという当初の目的の実現のために一元化を求めます。特に医療型児童発達支援センターと福祉型児童発達支援センターを一元化するということです。障害のある子が本当に身近な地域で支えられていくように、障害で分担するのではなく、地域の発達に心配な全ての子供たちが児童発達支援センターで身近な地域で対応できるようにしていただければと思います。
それから、放課後等デイサービスは、本当に思春期の大切な役割だと思います。障害特性に配慮すること。それから、発達障害で不登校などの子供が増えています。そのためのセーフティーネット機能としての役割、被虐待児も増えています。それから、本当に思春期の時代、保護者を支える機能などがあります。今は学籍のない子供が利用できませんので、ぜひ学籍のない子供も利用できるようにお願いしますし、不登校の子供の受入れを十分にしていただければと思います。
5番目、保育所等訪問支援事業は非常にインクルージョンを推進するために大切な事業でありますが、現在、18歳で切れてしまって、高校生の途中で行けなくなってしまうという状況がありますので、高校教育の場にも年度末まで訪問支援ができるようにお願いします。
6番目、居宅訪問型の児童発達支援ですけれども、医療的ケア児だけではなく、不登校やひきこもりの子供たちに対しても居宅訪問する必要があるので、その充実を地域の発達支援センターの機能として位置づけていくことも大切だと思います。
以上です。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
続きまして、一般社団法人日本ALS協会様からお願いいたします。
○岸川氏 日本ALS協会事務局長の岸川と申します。
まず、会長の嶋守の挨拶を代読させていただきます。
日本ALS協会会長の嶋守です。本日はこのような機会を設けてくださりありがとうございます。
詳細は意見書に基づき岸川常務理事に説明してもらいますが、障害当事者の私からまず一言発言させてください。
ALS患者は、進行に伴って全身が動かなくなり、話すことも難しくなる重度の障害者です。私たちが望む障害者政策の在り方を一言で表すとすれば、頑張らなくても生きていける社会の実現です。多くの障害者が生きるために頑張らざるを得ない状況に置かれている中で、この考え方はALSを超えて多くの障害者の共感が得られると思います。そのためには、せっかく整備された制度を利用しやすくするための工夫と制度の一層の改革が欠かせません。
まず、利用しやすい制度ですが、例えば、私たちの要望を踏まえて入院時に重度訪問介護を利用できるように制度改正していただきありがとうございます。ところが、実際にこの制度を使おうとすると、いろいろな壁に突き当たることがよくあります。病院がヘルパーの付添いを認めなかったり、個室なら認めると言われ差額ベッド代を請求されたりといったことが起こります。そのたびに障害者は頑張って制度や事情を説明しなければなりません。個々のケースに応じて支給時間を決定するとされている重度訪問介護も介護保険優先の原則についても、自治体担当部局の理解が十分でないときは障害者自らが頑張って制度の趣旨を説明することを求められ、こうした事例は頻繁に起こっています。
次に、制度の改革です。この面での課題はまだ多いのが現状ですが、一例として就労における重度訪問介護の利用があります。昨年の障害福祉サービス報酬改定のヒアリングでも取り上げさせていただきましたが、雇用主に何らかの負担を求めるべきとの議論があるやに理解しています。でも、私たち重度障害者の雇用を実現するために雇用主は既に多大な工夫と労力を使っているので、この上、さらに負担を求められては、いつまでたっても重度障害者の雇用は普及しません。
去年、京都で起きたALS患者嘱託殺人事件では、生きる意味を見出すことの難しさが浮き彫りになりました。ALSに限らず、生きる意味を頑張って追い求めている障害者は少なくないと思います。就労による社会参加はその一つの答えになるべきもののはずです。今回の見直しを通して、障害者が頑張らなくても生きていける社会の実現をよろしくお願いします。
では、私のほうから意見の陳述をさせていただきます。
「1.難病患者も障害者であることを明確に示すべき」。
障害者総合支援法では、第4条の定義で難病患者も障害者であると定義づけられていますが、定義文の後に(以下「難病患者」)などと追記して分かりやすく言い換えたほうがよいのではないでしょうか。
併せて、障害者基本法・障害者差別解消法の障害者の定義についても難病患者も障害者であることを明記すべきと考えます。すなわち、障害者基本法第31条3項の記載と対応して、第2条の障害者の定義にも「難病患者」を追加・明記して整合を取るべきと考えます。
障害者差別解消法については、障害者差別解消法のQ&A集の問9-3の記述に対応して、第2条の障害者の定義にも「難病患者」について明記して整合を取るべきと考えます。
なお、民間の事業者に合理的配慮が義務づけられることに対応して、紛争解決の手段について「司法救済の相談と裁判規範性のある規定を入れてください」という意見が寄せられています。障害者基本法第4条の「差別の禁止」の規定を具体化するためにも盛り込むべきと考えます。
「2.就労における重度訪問介護の利用について」。
ICT等による障害者支援機器の進歩により重度障害者の就労可能な分野が広がっています。重度障害者にとって就労による社会参加は地域で尊厳を持って生きていく上で大きな意味を持ちます。
今年4月から地域生活支援促進事業として「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」が実施されていますが、一方で就労中の重度訪問介護サービスの利用は「費用の額の算定に関する基準」において「経済活動に係わる支援については認められない」とされています。この辺の考え方の整合を取らないと現場が混乱するのではないかと危惧をしています。
本来は「費用の額の算定に関する基準」も見直して「就労における重度訪問介護の利用」も推進するように動くべきと考えます。重度訪問介護支援の下で就労可能な障害者が生産的・創造的な活動を行うことは社会にもメリットがあることと考えます。
「3.グループホームにおける個人単位での居宅介護等の利用について」。
個人単位で居宅介護等を利用する場合の特例の経過措置が何回か延長され、現在は令和6年3月31日まで延長されていると理解しています。これは恒久化すべきではないでしょうか。
「4.入院時における重度訪問介護の利用について」。
入院時の重度訪問介護の利用に消極的な病院もあると聞いています。全国の利用実態と課題や利用者の意向や状況などを調査して、入院時の重度訪問介護の利用が円滑に行われるようにお願いします。
また、入院時の重度訪問介護でのサービス提供は、意思疎通とそれに対応するための見守りの支援に限るのではなく、体位交換など身体介護や有資格者による経管栄養なども可能にすべきと考えます。
障害支援区分4以上等の制限が設けられていますが、個別の状態や状況に応じて適切なサービスが利用できるようにすべきと考えます。
「5.介護保険優先に関して」。
介護保険優先という言葉が独り歩きして、介護保険を使い切るまでは障害福祉サービスの支給をしない。結局、介護保険にない障害福祉のサービスの利用ができないなどの弊害が出ていますので、改めてこの辺の考え方の周知が必要と考えます。または介護保険優先原則を撤廃し、個別の状態や状況に応じてサービスが利用できるようにすることはできないのでしょうか。
「6.令和3年3月23日付告示 厚労省告示89号『厚生労働大臣が定める医療行為』について」。
今、述べた告示で、今まで医療的ケアのカテゴリーに入っていた行為が医療行為となっています。児童福祉施設のみの適用と聞いていますが、児童福祉施設以外にも適用されると誤解される可能性が高いので、拡大解釈にならないように、しっかりと周知すべきと考えます。
以上です。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの4団体からの御意見につきまして委員の皆様から御質問がございましたら挙手をお願いいたします。
御発言についてはできるだけ簡潔にお願いいたします。
16時をめどとして御議論いただきたいと考えてございます。
まず、会場からは竹下委員、お願いします。
○竹下委員 日視連の竹下です。
日本ALS協会にお聞きしたい点があります。最後に説明いただいた重度訪問介護の適用の問題で2つだけ教えてください。
一つは、病院での利用の場合に病院がその利用を認めなければ利用できないというお話があったかと思うのですが、それはどういう根拠でそうなってしまうのかについて教えていただきたいというのが一点です。
もう一点は、現実に重度訪問介護が病院を含めて利用が拡大した中で、ヘルパーさんの訓練といいますか、場所ごとの対応できる訓練というものは重度訪問介護の適用範囲を広げたことによって研修内容等についても対応できるというか、訓練内容が変わったのかどうかについて教えてください。
以上です。
○菊池部会長 日本ALS協会様、いかがでしょうか。
○岸川氏 では、最初のポイントです。病院が重度訪問介護のヘルパーが入ることを認めないという件については、基本的に病院との合意によって派遣するというスタンスになっておりまして、病院側が何らかの問題、万が一の事故のことを考えて入れない。あとは、これは私の考えなのですけれども、医療行為ということで、そういうことをヘルパーさんがやるのではないかという心配があって入れないのではないかと思っております。
2点目、入院中に重度訪問介護のヘルパーが入るというのは、逆に看護師さんなどよりも患者さんと一緒にずっと過ごしているヘルパーのほうが患者さんの状態をよく知っております。かてて加えて医療的行為については、例えば喀痰吸引等、研修をちゃんと修了したヘルパーが担当することになっております。あと、コミュニケーションの手段は、先ほど言いましたように、患者さんとずっと一緒にいるヘルパーが一番よく知っているわけです。そういう意味で、研修とか何か、そういうこと以前の問題で、常日頃一緒に生活を共にしている重度訪問介護のヘルパーさんが入るのが望ましいということになります。そういうことがありまして、制度的にもその辺が認められてきているということと考えております。
以上です。
○菊池部会長 よろしいですか。
○竹下委員 はい。
○菊池部会長 それでは、オンラインで、白江委員、阿部委員、井上委員、大濱委員、斉藤幸枝委員の順番でまいります。まず、白江委員、お願いします。
○白江委員 ありがとうございます。全国身体障害者施設協議会の白江と申します。
全国児童発達支援協議会様に1点お尋ねいたします。(3)の、地域拠点として、真の一元化を求めますというところで書いてあるのですが、私も大変同感するところは多いのですが、実際にこれを実現するための課題としてどういったことがあるのか、どういうふうに御認識されているのかというところを教えていただければと思います。
以上です。
○菊池部会長 いかがでしょうか。
北川さんのほうからですか。お願いします。
○北川氏 今の児童発達支援センターの職員配置が保育士と児童指導員中心で、OT、PT、ST、心理などの専門職が配置されていません。ですから、この専門職の職員が配置されることでたくさんの障害のある子供たちを受け入れて専門的な発達支援ができると思っております。
以上です。
○菊池部会長 よろしいでしょうか。
○白江委員 はい。ありがとうございました。
○菊池部会長 それでは、阿部委員、お願いします。
○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部です。
日本ALS協会の方にお尋ねします。お話の中でICT等による障害者支援機器の進歩はいろいろな可能性があるというお話をいただきました。ICTによる意思伝達装置は既に補装具ということになっているのだと思います。意思伝達装置に関しては、補装具なのですけれども、まだ地域の格差もあるように聞いていますが、その辺についてICT支援機器、また、意思伝達装置ということでお話しいただきたいと思います。
これは先ほどの全国重症心身障害児(者)を守る会での学習面においてICT支援機器のお話が出ておりましたので、それも併せて、これからの可能性、また、可能性とともに現状はどうなのかということで御意見をいただければと思いました。よろしくお願いいたします。
以上です。
○菊池部会長 いかがでしょうか。
○岸川氏 ありがとうございます。
意思伝達装置については、昨今は視線入力によるコミュニケーションの機器が発達というのですか、どんどん改善されております。それに加えてALSについては、割合は少ないのですが、完全閉じ込め症候群、TLSという状態になることを心配されている方がいらっしゃいます。
ただ、そういう方に対するコミュニケーション支援として、例えば脳波とか血流とか、あとは直接、脳にセンサーを置いて意思を知るという研究も進んでおります。そういうこともありまして、体は動かないけれども、意思については幾らでも表明できるという状況がどんどん生まれておりますので、そういうところを、実はそういう補装具については、支給基準についてこういう技術の進歩に追いついていないところがあります。その辺についても、もう少し現在の技術の進歩に合わせて補装具の支給基準なども見直していただければと思っております。
当然、あとは地域間格差についても案外聞かれます。その辺については、今後こういうふうにリモートでいろいろな情報が得られるということで少しずつ狭まっていくものと思いますし、それに併せて、先ほど言いましたように、最先端の技術を皆さんに届けるようにそういう制度をつくっていただきたいと思っております。
以上です。
○菊池部会長 よろしいでしょうか。
○阿部委員 はい。ありがとうございました。
○菊池部会長 それでは、井上委員、お願いします。
○井上委員 ありがとうございます。日本知的障害者福祉協会の井上です。
全国肢体不自由児者父母の会連合会の方に1点だけ御質問させていただきますが、会員の方のほとんどが家族と共に地域で在宅生活を送っていらっしゃるという記述がございます。お父さん、お母さん方が高齢になってくると在宅での生活が難しくなって、様々な支援サービスを使って生活することになっていくのだろうと思いますけれども、貴会の会員の皆さんが今後どのような暮らしや生活を望んでいらっしゃるのか、把握されていれば教えていただければと思います。
以上でございます。よろしくお願いします。
○菊池部会長 よろしくお願いします。
○石橋氏 ありがとうございます。
特別支援学校、養護学校を卒業した後の在宅生活は、一般的に生活介護事業所に通いながら在宅で介護ヘルパーを入れて生活しているのがベースだと思います。その介護者の親のレスパイトということで短期入所を利用している。その短期入所がなかなか地域の自分の住んでいるそばにないということでそういう関係の要望が最近増えているのが現実です。
親の介護力というものは高齢でなくても、現実は若い方々の生活力というか、経済力とか、そういうことから一つは自分も生活しなければならないということでグループホームを志向する親が増えておりますけれども、現実のグループホームでは医療的ケアがありますとなかなか難しいというところで今、そういうことに関する調査研究も進めているということです。
以上でよろしいでしょうか。
○井上委員 ありがとうございます。
○菊池部会長 それでは、大濱委員、お願いします。
○大濱委員 脊損連合会の大濱です。
まず、全国肢体不自由児者父母の会連合会の石橋さんと、あと、日本ALS協会の嶋守さん、岸川さんにお聞きします。入力に時間がかかるかと思いまして、まず、嶋守さんにお聞きしたいのは、頑張らなくても生きていけるということを盛んにおっしゃっていました。全くそのとおりだと思っていますが、私たちが実際にALSの方を支援していると、やはり支援者、介護する人がなかなかいなくて、どうしても介護シフトに穴が空いてしまいます。
そうなると、やはりALSの御本人はすごく頑張らなくてはいけない状態に陥りがちですが、介護者がどうしても確保できないという中で、頑張らなくても生きていけるような社会体制はもちろん必要ですが、そのあたりについての嶋守さんの考えをお聞きしたいのが1点目です。次の質問の間に入力していただければ大変ありがたいです。
全国肢体不自由児者父母の会連合会の石橋さんにお聞きしたいのは、地域間格差をなくすために国庫負担基準の上限を撤廃するということを御提言されていると思いますが、その後段の訪問系サービスを同一の支給量とするという意味がいま一つ分かりませんでした。これは居宅介護、重度訪問介護、重度包括支援の支給量を全国一律にして、各市町村で一定の時間数を決定するということでしょうか。このあたりの御説明をお願いしたいと思っています。
以上です。
○菊池部会長 それでは、御質問の順番に、まず岸川様からお願いできますでしょうか。
○岸川氏 すみません。これは今、嶋守のほうで多分、文字盤か口文字でお答えを考えていると思いますので、次の方にお答えをいただいて、その後に回していただきたいと思います。少し時間がかかると思いますので、御了解をお願いいたします。
○菊池部会長 了解しました。
それでは、恐縮です。石橋様、お願いできますか。
○石橋氏 全国肢体不自由児者父母の会連合会の石橋です。質問ありがとうございます。
ここの訪問系サービスを同一の支給量にしてはどうかという、そのベースになるデータは現在、昨年行いましたグループホームに関する実態調査のまとめを終えて、それの解析に入っておりますから、詳細はその資料に基づきまして、また事務局にお答えしたいと思いますが、いずれにしても市町村の裁量が甚だ大きいことが一面あるということから、ある意味では訪問系サービスを同一の支給量にしていただくのが一つの解決策になるのではないかということから書かせていただきました。
以上でございます。
○大濱委員 大濱です。ありがとうございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
1つ目の御質問に対して、いかがでしょうか。お待ちしますので。
○大濱委員 その前に、大濱です。質問してよろしいでしょうか。
○菊池部会長 どうぞ。
○大濱委員 日本ALS協会の資料の6番目の令和3年厚生労働省告示第89号の医療行為について、厚生労働省から御説明いただければ大変ありがたいです。
○菊池部会長 事務局ですね。お願いします。
○河村障害児・発達障害者支援室長 御指摘ありがとうございます。
日本ALS協会さんの資料の2ページ目の6番に「厚労省告示89号『厚生労働大臣が定める医療行為』について」と書かれておりますのは、今般の報酬改定において、障害児の通所サービスで医療的ケアを行うための看護師を配置したときに、新たに追加的に基本報酬を設定して高い評価を行うということをしたのですけれども、その基本報酬を中心とする各種の障害児通所サービスについて、一定の医療的ケアについて、こちらの告示のほうで定めて、必要なお子さんが通った場合に報酬を払うという性質で書かせていただいたものでございます。
こちらの告示の表題が文字どおり書いていただいた「定める医療行為」という表題でありましたので、様々な医療的ケアについて何か医療行為と解釈される範囲が変更されたのではないかという誤解を招いてしまったのですが、そちらについては既にQ&Aを出させていただいておりまして、何か従来の医療的ケアに関する医療行為の範囲を変更するものでありませんということで周知をさせていただいておりまして、恐らく日本ALS協会さんのほうでも同じような誤解を招いてしまったのかと思いますので、必要でしたらURL等をお送りいたしますので、いずれにしても何か医療行為の範囲を変えるものではございません。
ありがとうございます。
○菊池部会長 そういうことでございます。
岸川さんのほうでいかがでしょうか。少し時間がかかりそうですか。
○岸川氏 そうですね。
そうしたら、嶋守のほうで準備する間に、私は家内が患者ですので、その辺でやはり介護職の確保というものは非常に身につまされるものがあります。
というのは、やはり例えば我々、ALS患者家族にとっては介護保険とともに障害福祉のサービス、その後、当然、医療保険にいろいろな制度などもありますが、障害福祉サービスの重度訪問介護というものが非常に重要になっております。
ところが、重度訪問介護の事業所は検索すると幾らでも出てきます。それで、そこに電話して、重度訪問介護のヘルパーさんがいらっしゃったら、ちょっとうちに来ていただけるとか、そういうことで相談したいのだけれどもと言ったら、担当者がいないとか、今、手いっぱいだということで、ほとんど重度訪問介護は、看板はあるのですが、実際はやっていないところが多いのが現状であります。そういう意味で、特に重度訪問介護のヘルパーさんの確保というものは非常に苦労しております。
基本的にALSの患者さんのヘルパーさんは、いわゆるヘルパーのことも大事なのですけれども、人と人との付き合いというのですか。そういう側面も強いものですから、なかなか長時間、そして、人付き合いの範疇にも入るようなサポートをしてくれるというのはなかなか見つからないのが現状だと思います。逆にそういう仕事だからこそ生きがいとかやりがいはあると思うのですが、その辺をもう少し世の中に広めていければと思っております。
○菊池部会長 ありがとうございます。
○岸川氏 嶋守さん、いかがでしょうか。準備中であれば、例えばまばたきをお願いいたします。対応が難しいということであれば、まばたきを2回。
後ろにいるヘルパーさん、いかがでしょうか。
無理ですね。恐縮です。
すみません。嶋守のほうから、今回の質問に対してはちょっと、今、お答えできる状況ではないということです。申し訳ありません。
○菊池部会長 了解しました。
○岸川氏 後でまた大濱さんには嶋守のほうから連絡をするということで御了解いただければと思います。よろしいでしょうか。
○大濱委員 大濱です。分かりました。ありがとうございます。
○菊池部会長 もし後からでも嶋守様からお答えいただけるようでしたら、ぜひ私も含め委員の皆さんにも共有させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 それでは、斉藤幸枝委員からお手が挙がっています。お願いします。
○斉藤(幸)委員 ありがとうございます。日本難病・疾病団体協議会の斉藤でございます。
全国児童発達支援協議会の方にお伺いしたいと思います。(4)の放課後等デイサービスの機能の明確化を求めますということで5点ほど書かれております。本当にどれもこれも必要でいいものかなと思いますが、現在の放課後等デイサービスを行っている施設の状況等々を考えますと、これらの機能をしっかりと持つのにはスタッフの幅の広さとか、それから、人数等々の問題がかなり生じてくるような気がいたします。抜本的な改革をしてデイサービスを行うべきとしたら、そのイメージ等がありましたら教えていただければと思います。
以上です。
○菊池部会長 いかがでしょうか。
○北川氏 放課後等デイサービスの課題はいろいろありますし、この社保審などでも言われていることは存じ上げておりますが、私たちとしてはやはり継続的支援がなかなか日本の子供施策でない中で、この放課後等デイサービスが乳幼児期から放課後学童、18歳まで支援ができるというところで本当に大事なサービス形態だと思っています。
特に思春期になって育ちが難しくなったり、不登校だとか、虐待を受けていたり、それから、そういう虐待から来る発達障害の子供たち、発達障害のような状況を示す子供たちなどにとってもサポートができるというところで非常に大事なところだとは思っていますけれども、そのためにはやはり丁寧な支援だとか発達支援機能だとか、そういうことがもっと充実していく必要があると思います。
そういう意味では、保護者が働いていても私たちは成長発達に必要な発達支援を行う。そういう必要な子供たちであれば単なる居場所というよりは発達支援を行う必要があるとは思いますが、全部の時間、発達支援を行うというよりは、そういう居場所機能も、ある程度、必要になってくるのかなと思います。
やはり子供のいろいろなニーズによっての支援が変わってきますので、それに合わせた制度体系を今後考えていく必要があるのかなと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
○斉藤(幸)委員 ありがとうございました。
○菊池部会長 あと、久保委員からお手が挙がっていますが、ほかの委員からはよろしいですか。そろそろ時間も近づいてまいりましたので、お手を挙げられる方は今、お示しいただければと思いますが、よろしいですか。
それでは、久保委員、お願いします。
○久保委員 ありがとうございます。全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
全国児童発達支援協議会さんにお伺いしたいと思います。児童のことを中心にお話をしていただきましたので、それはそうだろうと思っておりますけれども、18歳が近づいてきますと児童のところから卒業していって成人のところのサービスを利用していくことになっていくと思います。そこで、放課後等デイサービスは18歳まで使えますが、その後も引き続き、保護者の方の就労も含めて、今の放課後等デイサービスを御利用になっている18歳までの方のその後のことをどのように考えておられるのかということで、日中一時支援などはどのようにお考えでしょうか。少し御意見をいただきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 いかがでしょうか。
○北川氏 子供の事業所の協議会ですので、18歳までのサービスというところでいつも話し合われていますけれども、もちろん、大人との連携、大人のサービスとの連携、成人期のサービスとの連携は非常に重要だと思っております。ですから、デイサービスそのものも小学生と中高生で本来変えていく必要もあるのではないかとは思いますが、小さな市町だとそれがなかなかできなかったりするので、現状に合わせて放課後等デイサービスの役割をどう考えていくかというのはこれからの課題だと思っています。
やはり大人の支援との連携が高校生ぐらいになったら非常に重要ですので、その辺は相談の方々とも連携しながらとか、大人のサービスを試行的に使えるようにとか、日中一時支援とかも含めて、そこで18歳まではお母さんたちは働けて、それ以降、就労ができなくなるということもありますので、大人の支援サービスの充実も含めて一緒に考える機会などがあったらいいのかなと思います。
以上です。
○久保委員 ありがとうございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
よろしいですか。
ほぼ時間が尽きてまいりましたので、この辺で閉めさせていただきます。4団体の皆様、本日は大変貴重な御意見をありがとうございました。
それでは、時間もまいりましたので、本日はここまでにしたいと思います。
最後に、今後のスケジュールなどにつきまして、事務局からお願いいたします。
○源河企画課長 事務局です。本日は御多忙の中、御議論いただきましてありがとうございました。
次回の部会は、5月24日月曜日13時より、こちらの会場にて開催いたしますので、よろしくお願いします。
以上です。
○菊池部会長 1週間後となります。まだ都府県の緊急事態宣言は続いていますので、今日と同じようなやり方になるかと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、本日はこれで閉会といたします。どうもお疲れさまでございました。
 

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