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2017年10月18日 第5回歯科口腔保健の推進に関する専門委員会 議事録
医政局歯科保健課 歯科口腔保健推進室
○日時
平成29年10月18日(水) 10:00~12:30
○場所
厚生労働省17階専用第20会議室
○議題
1 各項目の進捗状況について
2 既に目標に到達している項目について
3 「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」中間評価報告書(案)について
4 その他
○議事
○岩田歯科医療専門官 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第5回歯科口腔保健の推進に関する専門委員会を開催いたします。本日は、全ての委員の方々にお集まりいただく予定となっております。お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。今回の専門委員会は公開となっておりますが、カメラ撮りについてはここまでとさせていただきます。お手元に議事次第、委員名簿、座席表、ほか資料は1から4まで、参考資料も1から4までお配りしております。乱丁落丁等ありましたらお知らせいただければと存じます。それでは初めに田口歯科保健課長より御挨拶申し上げます。
○田口歯科保健課長 おはようございます。歯科保健課長の田口でございます。本日は委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。また、日頃から厚生労働行政に対しまして、御理解、御協力をいただきまして、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。
さて、御案内のとおり、口腔の健康の保持・増進については、健康で質の高い生活を営む上で、基礎的な重要な役割を果たしているということから、平成23年に歯科口腔保健の推進に関する法律が公布・施行されています。また、この法律に基づきまして、平成24年に策定されました「歯科口腔保健の推進に関する基本的な事項」においては、口腔保健の保持・増進に関する健康格差を縮小するという大きな目標を掲げ、歯科疾患の予防や社会的な環境の整備等の様々な施策を行っているところでございます。この委員会においては、これまで歯科口腔保健の推進に関する基本的な事項に関し、その中間評価として、各目標の進捗状況を評価していただき、更には目標達成に向けた取組等についても、幅広く御意見をいただきました。本日の専門委員会では、この中間報告の評価報告書について、たたき台を事務局のほうから提出をさせていただいています。この報告書について、皆様方から御忌憚のない御意見をいただければと考えていますので、何とぞよろしくお願いします。簡単ではございますけれども、冒頭の御挨拶と代えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○岩田歯科医療専門官 それでは、以降の議事運営について、三浦委員長よろしくお願いいたします。
○三浦委員長 皆様おはようございます。報告書に向けて具体的な議論を本日させていただく予定です。御案内のとおり、ボリュームのある議題となっておりますので、早速議事に移らせていただきます。本日は、平成28年歯科疾患実態調査の結果公開を受け、ちょうど9月に結果が公開されたところですが、前回の委員会にて提示していた各指標の直近の実績等についての進捗状況を、まず御確認をしていただきたいと思います。その上で、今回の中間評価の実績値において既に目標を達している項目について、どう考えるかを中心に御議論いただければと思っております。目標に達している項目についての議論は、前回の専門委員会でも少しし始めているところですが、本日はその議論を深めていきたいと思います。それでは、議題1、各項目の進捗状況について、事務局から資料1、資料2の説明をよろしくお願いをいたします。
○本田口腔保健専門官 それでは、事務局より資料1と資料2について御説明をさせていただきます。前回の専門委員会で各指標と各領域において、委員の先生方に分析・評価をお願いしまして、その御報告を頂いておりました。その時点では、まだ全て結果が出ているわけではありませんでしたので、評価保留としていたものがあります。歯科疾患実態調査の結果ですが、9月15日公表になっておりますので、直近の実績値を更新しまして、評価保留としておりました項目について評価をしておりますので、その内容を事務局から御報告させていただきます。
まず、資料1の3ページと資料2の2ページ、別紙3を御覧ください。こちらの項目は中学生・高校生における歯肉に炎症所見を有する者の割合の減少についてです。前回の報告では直近の実績値として、歯科疾患実態調査の平成23年の値、25.5%で報告しておりましたが、こちらを28年の結果、19.8%で更新しました。評価については、改善しており、目標を達成しておりますので、1としております。
次に資料1の5ページ、資料2の別紙5を御覧ください。こちらの項目は40歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少についてですが、前回の報告では、年齢階級別の値を参考値として出しておりました。こちらを更新しまして44.7%として、評価については悪化しておりますので、Cとしております。
次に資料1の7ページと資料2の4ページの別紙7を御覧ください。こちらの項目ですが、40歳で喪失歯のない者の割合の増加についてです。こちらも前回は年齢階級別の値を参考値としてお示ししておりましたが、こちらを更新しまして73.4%として、改善しているが目標には達していないとして、評価をa2としております。
次に資料1の9ページ、資料2の5ページの別紙9を御覧ください。こちらの項目ですが、40歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少です。前回は年齢階級別の値を参考値として示しておりました。9ページも、前回の報告としては、年齢階級別の値を参考値としてお示しをしております。こちらを更新しまして直近値、実績値として59.4%として、評価は悪化しておりますので、cとしております。
次に資料1、10ページと資料2の6ページの別紙10を御覧ください。こちらの項目ですが、60歳で24歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加についてです。前回は直近値として、平成23年の値、65.8%で報告しておりましたが、平成28年の値、74.4%へ変更しまして、評価は改善しており、目標を達成しておりますので、a1という評価にしております。
次は最後の項目で、16ページをお願いいたします。16ページの項目を更新をしております。こちらの項目ですが、過去1年間に歯科検診を受診した者の割合の増加についてです。前回の報告では、国民健康・栄養調査の平成24年の値、47.8%でお示ししておりました。こちらを直近の実績値、平成28年の52.9%に更新し、評価としては、前回はa2の評価で報告をしておりますが、実績値は更新をしましても、同様のa2という評価になっております。
今お伝えしました評価を踏まえまして、評価を一覧で御覧いただけるように図式化したものが、参考資料の3になります。そちらのほうも参考に御覧いただければと思います。また、今御確認いただきました資料1、様式1ですが、実績値の更新に合わせて、また前回御報告いただきました内容についても、趣旨を明確化するために、分析や評価の記載を一部修正をしております。また、資料2の図表ですが、一部男女別のデータを追加しているものがあります。こちらについては、健康日本21第2次において、それぞれの指標の傾向を把握するために、直近値のみ、男女別のデータを示すことができるものに関しましては示すということになりましたので、追加で作成しています。こちらも参考までに追加でグラフを入れておりますので、御覧ください。事務局からは以上でございます。
○三浦委員長 御説明ありがとうございます。基本的事項は、非常に項目が多くて、年代も多岐にわたっているので、委員の先生におかれましては、資料の確認、大変だったかと思いますが、今事務局から御説明ありましたとおり、非常に分かりやすい図式化した資料、参考資料3として御提示いただいているので、この辺りを見つつ、今御説明がありました資料1を中心に、何か御質問、確認等がありましたら御意見をいただきたいと思います。特に評価票の作成を担当していただきました先生におかれましては、文言を含めて、詳細に見ていただければと思いますし、担当されていない委員の皆様方におかれましても、今までの議論を踏まえて、質問、コメント等ありましたら御意見を頂きますと、大変有り難いところです。よろしくお願いをいたします。いかがでしょうか。
特に今御確認があったところは、歯科疾患実態調査、国民健康・栄養調査の直近値を基に、リニューアルしたものになります。大枠の傾向としては、これまで議論していたものと余り大きな変更はないところですが、一部評価票の書きぶりも修正されているということですので、お目通しをいただいて、御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。資料1の3ページの「中学生・高校生における歯肉に炎症所見を有する者の割合の減少」ですが、28年歯科疾患実態調査の値を入れ込んだというところですが、ここの部分の表記についてはいかがでしょうか。見ていただくと分かるとおり、余り変わっていなかったのが28年では減少しましたよというようなところですね。
○田中委員 これは中高生のデータが改善したということですけれども、それは何か効果を出した結果、改善したというように分析しているのでしょうか。
○三浦委員長 この辺り、事務局、何かコメントはありますでしょうか。下がったというところで、何か施策でアプローチしたからというようなところが明確になっているのか、それとも今それを検討しているのか、そこら辺のところを教えていただけますか。
○本田口腔保健専門官 ここにおいては、分析の表記の中に、何が効果を出したのか具体的な内容が記載されているわけではありません。様々な取組の結果だと思いますが、これといって要因というものがまだ見えてくるような状況ではありません。具体的に何が要因なのかというのは、皆様の御意見を頂きながら、検討していくことになろうかと思っております。
○三浦委員長 ありがとうございました。
○大津委員 中学生・高校生における歯科疾患の実態調査なのですけれども、我々、歯科疾患の実態調査をやってみると、なかなか中学生とか高校生は、来る人が少ないのです。平成17年、平成23年、平成28年の人数的にはどうだったのか、もしも分かったら教えていただきたいのです。、対象といいますか、分析した人数とかは余り変わっていなかったのかというところを知りたいのですが。
○三浦委員長 ありがとうございます。平成28年の歯科疾患実態調査の状況確認みたいなことですか、御質問の趣旨は。
○大津委員 分かったらで。
○本田口腔保健専門官 歯科疾患実態調査の調査人数等については、現在公表等をしているものはありませんで、23年から28年、どういう傾向であったのかというところも、お示しできるものがございません。。そこは前回もいろいろ御指摘いただいた部分ではありますし、特に歯科疾患実態調査の進め方等については、これからも検討を重ねていくということになっております。
○三浦委員長 検討会案件としては別の案件になってしまうのですが、歯科疾患実態調査に関しましては、大津委員から御指摘のとおり、10代の方の調査参加率というのはなかなか厳しく、今後も同様な傾向が継続して続く可能性が高いというような状況です。この辺りは、今後改善していかなければいけない課題ですので、また歯科疾患実態調査に関わるところの改善に向けての何かの話合いのところで、議論として反映できたらと思います。そのほか何かお気づきの点がありますでしょうか。
今、最初の項目で1例として挙げておりますけれども、それ以外、5ページ、歯科疾患の予防における目標の「40代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少」、ここも値が悪化しているというようなところですが、ここの表記についても、よろしいでしょうか。なかなか厳しい結果であるところなのですが、ここの対応についてはまた後ほどお話をしたいと思います。
あと、7ページですね。40歳で喪失歯のない者の割合の増加、ここはベースライン値と直近値の比較においての分析結果が書かれておりますけれども、喪失歯のない者の割合は非常に改善しているところなので、余り問題はないかと思いますが、よろしいでしょうか。
合わせまして、9ページ目、60歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少というところで、ここも評価としては悪化しているというようなところですが、ここの書きぶりのところ、何かお気づきの点等がありましたら、御指摘いただければと思います。
○和泉委員 60歳代の推移が数値的には少し少ないのですよね。ですからc、悪化しているのですけれども、その前の変わらないという表現でもいいのかもしれません。それから、後の年代では多分もっと分かれると思うのですが、60歳代では悪化しているというか、例えば59.4%、51.7%の前は54.8%ですので、ほぼ平行状態を保っているという見方もできるかもしれません。これは全体の議論も踏まえて、また評価していただきたいと思います。
○三浦委員長 ありがとうございました。評価のところの書きぶりですね。
○和泉委員 はい。
○三浦委員長 調整をさせていただきたいと思います。そのほかお気づきの点とか大丈夫でしょうか。そうしましたら、リニューしたデータとしては10ページですね。こちらは60歳で24歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加ですけれども、この辺りはなぜこのようになったのかという考察も○の2番目に記載があるということです。その辺り、よろしいでしょうか。
ほかにリニューしたデータは16ページ。歯科口腔保健法の項目からいうと、非常に重要な目標値の1つではあるところの、過去1年間に歯科検診を受診した者の割合の増加のところです。ここが28年の国民健康・栄養調査が入りまして、順調に割合が伸びているようなところですが、ここについての書きぶりはいかがでしょうか。
○高野委員 記載には問題ないのですけれども、別紙14のグラフが、直近の数値を反映していないようにも思うのですが、これでよろしいのでしょうか。
○三浦委員長 これは事務局いかがでしょうか。
○本田口腔保健専門官 別紙の14の52.9%、28年で52.9%は反映していると思います。
○三浦委員長 多分、高野委員の御質問は、年代別総数の棒グラフがあって、評価票は直近の値で52.9なのですが、別紙14の一番左のバーの総数のグリーンのカラムのデータが47.8のままなので、平成28年のデータに修正する必要があるということかと思います。
○本田口腔保健専門官 失礼しました。男女別のデータについてですね。。
○三浦委員長 そうですね。男女別のグラフですが、これは直近値を反映したものでしょうか。
○本田口腔保健専門官 はい。
○三浦委員長 データについて少し齟齬があるかと思います。
○本田口腔保健専門官 分かりました。確認いたします。ありがとうございます。
○三浦委員長 どうも御指摘ありがとうございました。重要な点かと思います。そうしましたら、事務局、必要に応じて資料の差替えをよろしくお願いいたします。あと、お気づきの点はございますか。ここの部分の書きぶりについて、今、御意見いただいたような資料の一致、記載等の一致の御指摘も頂ければと思いますが。それ以外の項目は、前回の委員会でかなり時間をかけて揉んでいだきましたので、多分大丈夫かと思いますけれども、また後でお気づきの点がありましたら、御指摘を受ける時間を取りたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。それで、今日なかなか案件のボリュームがあるので、先を少し急がなければいけない関係がありまして、議題1は一度ここで終了させていただければと思います。
続きまして、議題2、目標の設定の変更に移りたいと思います。事務局より資料3の説明をお願いします。
○本田口腔保健専門官 では、事務局より資料3について御説明をいたします。先ほど評価について御報告いたしましたが、この中間評価において、既に目標を達成している項目については、現行の目標を維持するのか、それとも変更するのかという部分を整理していきたいと思います。目標を達成している項目は全部で6項目あります。参考資料2ですが、こちらは目標の一覧になっております。そちらを御覧いただきますと、オレンジで示しているものが目標を達成している項目になります。それを併せて御覧ください。
資料3に戻りまして御説明いたします。まず1つ目の項目は、中学生・高校生における歯肉の炎症所見を有する者の割合の減少です。最初に記載している内容ですが、指標と目標値の策定時に、どのように目標値が決められたのか、その目標値の考え方をお示ししております。また、その下にアンダーラインでお示ししておりますのは、現状がどうであるのかを記載しております。また、一番下に○、こちらもアンダーラインでお示ししておりますが、目標値の設定についての事務局案を御提示しております。中学生・高校生における歯肉に炎症所見を有する者の割合の減少、ここについては、今回の評価では減少を示しており、既に目標は達成されておりますが、平成11年、平成17年のデータを見ますと、平成11年は23.3%、平成17年は25.1%の微増、増加傾向を示しております。変化しやすい項目なのではないかということで、事務局案としましては、今後も引き続き慎重な評価が必要であり、現行の目標を維持してはどうかと考えております。
2ページです。60歳で24歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加と、80歳で20歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加、この二つの項目についてお示ししております。資料2の6ページの別紙10と別紙11を御覧いただくと分かりますように、増加傾向を示しております。今後も増加することが見込まれるのではないかと考えております。したがいまして、平成11年から平成28年のデータより、今後も増加することが見込まれるため、新たな目標を設定してはどうかという事務局案を御提示しております。
3ページです。目標を達成している項目は全部で6項目ありますが、そのうちの3項目が、こちらの社会環境の整備における領域の中に含まれております。また、都道府県数を指標としている項目にもなっておりますので、まずは、社会環境の整備における目標については、基本的な考え方を整理する必要があるのではないかと考えております。その考え方を最初にお示ししております。生涯を通じた歯科口腔保健に関する施策を総合的に推進するために、社会環境の整備は重要であり、歯科疾患の予防と、ほかの領域を支える要素となっていることから、目標を達成しました都道府県数を指標としている項目については、健康格差や地域格差の縮小を目指す観点から、基本的に、47都道府県が達成することを目指してはどうかと考えております。
各項目をご覧ください。3歳児でう蝕がない者の割合が80%以上である都道府県の増加について、この目標は23都道府県でしたが、直近の実績値は26都道府県となっております。新たな目標としましては、47都道府県へと変更と考えております。
4ページです。12歳児の1人平均う歯数が1.0歯未満である都道府県の増加について、目標は28都道府県でしたが、直近の実績値は28都道府県であり、目標を達成しているということですので、新たな目標として47都道府県へ変更してはどうかと、このような案を御提示しております。
5ページです。こちらは、歯科口腔保健の推進に関する条例を制定している都道府県の増加という目標です。ここについては、前回の専門委員会で、条例を制定していない自治体において、口腔保健の施策の推進状況を把握してはどうかという御意見を頂戴しておりました。対象の自治体においてヒアリングを行っており、そこの内容が参考資料4になっております。4自治体に対して行ったヒアリングの内容をこちらにまとめて記載する形にしており、この内容を簡単に申し上げます。全ての自治体におきまして、健康増進関連の計画の中に、歯科口腔保健対策についての計画が明記されておりまして、目標も立てられております。それに基づいて施策を推進しているという御報告を頂いております。また、現時点では条例を策定する予定はないという状況であることも御報告いただいております。条例を制定した都道府県について、目標は36都道府県でしたが、平成26年には41都道府県が条例を策定、平成27年には43都道府県が条例を制定しておりまして、既に目標を達成している状態です。先ほど申し上げましたが、基本的な考え方に基づいて、新たな目標としては47都道府県へ変更してはどうかと考えております。ただし、今回、中間評価で自治体の状況を把握しまして、参考資料4の形で御報告しておりますが、最終評価においても、各都道府県の歯科口腔保健の推進に関する目標・計画の策定状況であるとか、その目標に向けての政策の推進、また目標の達成状況等を考慮すべきであろうということで、このような内容で事務局案を御提示しております。以上です。
○三浦委員長 事務局、説明ありがとうございました。それでは、既に目標を達成している項目が6項目もあるということで、これは、地域歯科保健に関わる全ての方々の協力、努力のたまものかと思います。次に向けてどうしていったらいいのかというところで、目標に関して見直しを考えるべきかどうかという議論というところです。それでは、事務局がまとめてくださいました資料3に従って、項目別に御意見を頂きたいと考えております。
まず、資料3の1ページに記載のある、中学生・高校生における歯肉に炎症所見を有する者の割合の減少についてですが、いかがでございましょうか。これまでのデータ推移を踏まえて、事務局案としては、現行の目標を維持してはどうかという御提案ですが、委員の皆様方の御意見を頂きたいと思います。よろしくお願いしたいところですが、何か御意見ございますでしょうか。そうしたら、評価御担当が、ここは山下先生かと思うので、山下先生、何か御意見がありましたらよろしくお願いします。
○山下委員 これに関しましては、先ほど大津委員、あるいは和泉委員からの御指摘もあったと思うのですが、この評価指標自体の精度と言いますか、信頼性といったところをどう考えるかということで、ある程度の変動を、変動していないと考えられないこともないと。そういう意味では、この歯科疾患実態調査のまずは受診率です。受診数もありますが、受診率を併記して、ある程度この受診率に変動がない状況でこういう変化が起こっているのかどうなのかといったことを。従来から、例えば年齢別の、全体もそうなのですが、年齢別における受診率等はほとんど公表されておられませんので、こういったデータを今後我々が使うに当たっては、そこはやはり非常に慎重に扱う必要があるのではないかと。
それともう1つは、よく思うのですが、う蝕に関しては、学校保健統計調査を補完的に使っている、あるいは、もうメインにn数が非常に多いということもあって、かなり安定的な数値が出ていると思います。そういう意味で言うと、歯肉の所見を本当は使いたいところですが、学校保健統計調査は指針でやっていますので、極めて所見があるという数値が少なく出ていますので、非常に使いづらいという現状があります。ですから、学校保健の審査を全学年にやるのは非常に難しいと思うので、例えば12歳と18歳とか、そういう区切りのところでは、プロブを使ったような審査ができるような状況があると、学校保健統計の数値も、歯科疾患実態調査の結果を補完するような形で使えるのではないかということもありますので、今後やはり、指標をどうするのかといったことも少しお考えいただければとは思っております。以上です。
○三浦委員長 御意見を頂きましてありがとうございました。未来に向けての御意見も非常に踏まえていた内容だったかと思います。また、今後どのように評価指標を考えていくのか、ここら辺は、中間評価の報告書案のところでまた御意見を頂くことになるかと思いますが、まずもって、ここで目標値に関する考え方です。ここについては現行のままで宜しいでしょうか。
○山下委員 これは正に和泉先生の御指摘のように、このぐらいの変動を、下がっているとか上がっているということを我々はこの数値からは判断しづらいという意味では、こうやって今後も見守っていくというのが適切な御意見ではないかと思います。
○三浦委員長 ありがとうございます。中間評価の役割は、PDCAサイクルを回して、更に良い状態にしていくというところですので、そういった観点からも、現行の目標を維持して、引き続き慎重な評価を行っていくという対応にしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。大丈夫でしょうか。ありがとうございました。
引き続いて2ページに移ります。60歳で24歯以上と、80歳で20歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加についてです。ここの部分については、先ほど事務局の説明にありましたとおり、過去のデータ推移からここまでずっと一貫して増加傾向になろうとは当初予想していなかったところなのですが、平成28年のデータにおいても、一貫して増加傾向にありました。更に改善を図るためには、目標値を情報修正したらいいのではないかという御提案です。この点について、まずどれぐらい上乗せするかは後ほど議論するとして、まず上方修正すべきかどうかについて、委員の皆様方の御意見を頂ければと思いますが、この点についていかがでしょうか。8020運動とダイレクトに関わってくるデータかと思います。ここの部分の評価御担当は高野委員だったかと思いますが、何か御意見ございますでしょうか。
○高野委員 結構ばらつきなく評価されておりますし、平成5年からずっと追って行っても大体上昇傾向はありますので、これはこれである意味では徹底しているので、目標値を新たに設定するのは合理性があるのではないかとは思います。
○三浦委員長 御意見ありがとうございました。こちらの別紙資料においても、きれいな、特に8020に関しては、これほど高い相関係数でいいのでしょうかという、6ページの別紙11です。今後、もう少しこの傾きは緩やかになってくる可能性もありますが、やはり確実にこの状態がしばらく堅持されるのではないかと推察できますので、より国民の歯科口腔保健状態を上げるために情報修正する方向性でよろしいでしょうか。
( 異議なし)
○三浦委員長 ありがとうございました。そうしましたら、引き続いて3ページから、しばらく社会環境の整備における目標の事柄が続きます。まず最初に、3ページに記載してあります、3歳児でう蝕がない者の割合が80%以上である都道府県の増加というところについて、御意見を頂ければと思います。これは、健康格差の縮小に関わる項目です。データとして、都道府県間でかなりう蝕有病状況に地域差が見られます。これを縮小していきたいというところで設定した項目です。それで、目標値を作ったときは、実現可能性も含めて遠い目標ではなく、実現ができそうな目標というところで設定をしていたところですが、順調に達成したことを踏まえ、そもそも社会環境の整備は全ての人材が頑張ってやらなければいけないので、それを考えると、全自治体に求めるという形ではどうだろうかという御提案ですが、その件について委員の皆様方から御意見を頂きたいと思います。全部ですから、ある意味、チャレンジングな目標になるということですが、それでいいのか。ただ、目指しているものは、健康格差の縮小の概念から言うと合っているところなのですが、この辺り、自治体からの委員もこの専門委員会に参画していただいているので、自治体からの御意見も伺いたいと思います。よろしくお願いします。それでは大津委員。
○大津委員 3歳児でう蝕がない者が80%以上である都道府県を全都道府県にするという目標ですが、社会環境の目標に関しては理想値を目標値とするというところでいいのではないかと思います。大分県は3歳児の虫歯等がかなり多い県です。平成19年度には、1人平均の虫歯本数がワーストワンにもなったことがある県です。平成27年の値ですが、大分県でも虫歯のない者の割合が76.3%まで上がっていっております。前回の調査、平成23年のときには69.5%であったものが76.3%でありますので、あと5年すれば何とか80%以上になるのではないか、大分県のように、虫歯の多い県が達成できそうですので、47都道府県というのも理想値ではありますが、目標値として可能である値だと思っております。以上です。
○三浦委員長 御意見ありがとうございました。
○前田委員 私、ちょっとニュアンスを変えて恐縮なのですが、正に三浦委員長がおっしゃるとおり、なかなかチャレンジングな目標値だと思っております。実際、目指すというところでは賛成なのですが、一方で、現状が今、47都道府県で8割を平成34年に超えそうなのかどうかという、一応、回帰分析をやってみて、平成34年で現実的なのは、今の推移から見ると何都道府県なのだけれど、47にするかどうかという形で議論していただいたほうが、ほかの数値の考え方と同じようになるかと思いますので、できれば、その伸びを考えるとこのようなものなのだけれどみたいな前提があったほうがいいかという形で思っております。
○三浦委員長 貴重な御意見ありがとうございました。やはり基礎データがあって、指標設定の考え方はいろいろありますが、実現可能性も含めて検討するためには、もう少し推計値等も必要ではないかという御意見、非常に重要な御指摘だと思います。そうしましたら、森田委員、山下委員、田中委員の順でお願いします。
○森田委員 もう47にして、どこも頑張りなさいよというのは全然いいことだと思うのです。これもちょっとデータが古いかも分からないですが、2000年ぐらいにやったときのデータなどを都道府県別とか市町村別に見ると、社会格差というのは基本的に全然違う背景がいっぱい、健康格差にはいろいろな地理的な背景とか。
○三浦委員長 そうですね。
○森田委員 いっぱいあるわけで、それを十把一絡げに、北も南も西も東も一緒にできるよねというのは、果たして何と言うのですか、理論的に可能なのかという部分は少し気になります。もちろん、私の結論は47でいいと思うのですが、いや、そのようなことを言われてもね、そんなに社会経済格差があるのにどうするのというのが健康格差なのですから。
○三浦委員長 はい。
○森田委員 そこら辺は書きぶりになるのかも分かりませんが、ちょっと注意が必要かと思います。
○三浦委員長 御指摘ありがとうございます。そうしましたら山下委員。
○山下委員 私はまた逆の立場で、やはり健康格差というからには、底辺と言ったら申し訳ないのですが、下の部分をどれだけ押し上げられるかということが一番重要になってきて、良いところがどんどん進んでいっていても、これはますます格差が広がるだけではないかと思います。そういう意味では、やはり47都道府県が、これは確かに実現可能性というのを考えないといけないとは思うのですが、ある意味極端な話を言えば、もっと悪い県があれば75%を全部洗い上げていくとか、どちらかというとそちらのほうに視点を置かないと、良い所がどんどん良くなっていくという話で、非常に何か全体的には上がっていって良くは見えるのですが、格差の是正にはつながらないのではないかというのをちょっと私は思っております。
○三浦委員長 御意見を頂きありがとうございます。次の基本的事項をスタートさせるときに、格差をどのように評価するかというところの視点、御指摘であったと理解しております。今の事柄についての目標。
○山下委員 これは、ですから、47都道府県が目指すという方向性はよろしいのではないかと私は思っています。
○三浦委員長 ありがとうございました。田中委員、よろしくお願いします。
○田中委員 私は、健康格差をなくすという意味で47都道府県を目標にするのはいいと思いますが、実際、現実に都道府県ごとの健康格差は、この問題についてどうなのか。先ほど大分県の話がありましたが、最も低い都道府県の現状というのは何%ぐらいなのですか。
○山下委員 沖縄と南九州で。
○田中委員 どのくらいですか、この辺。
○三浦委員長 事務局、正確な数字が今、出ますでしょうか。大体の傾向としまして、一番状況がいいのは1、2歳児に関しては新潟県。3歳児は愛知でしたか。
○森田委員 何せ新幹線沿いが少ない。
○三浦委員長 そうなのです。
○森田委員 福岡から東京までの間が、ずっと帯状に常にいつ測っても少なくて、そこからこう行くと、どんどん増えていくという。
○三浦委員長 ちょっと苦戦しているのが沖縄と佐賀。
○森田委員 そうですね。
○三浦委員長 南のほうとか、やはり地域差は明確にあって、九州沖縄ブロックと、あと東北ブロックはどちらかというと苦戦している所が相対的には多いような傾向にあります。もちろんそのブロックの中でも状況が良い所もありますが、ざくっと言うとそういう状況です。
○大津委員 平成23年度の3歳児のデータがあります。平成23年ですからかなり前のデータですが。
○三浦委員長 ありがとうございます。
○大津委員 虫歯を持つ者の割合は、一番多い所が青森、それから沖縄、佐賀、大分と続いています。それから福岡、長崎、秋田、山形という、やはり九州と東北地方が多くなっております。
○三浦委員長 このような現状で、理想的な姿、47都道府県を目指すというのは、方向性としては良いのではないかという御意見を今、多く頂いているのですが、前田委員からは、基礎データもやはり分析が必要ではないかという御意見を頂戴しているところです。いかがいたしましょうか。一応、47都道府県とし、目標値の上方修正を図りたいとは思いますが、分析もやはり必要かと思いますので、事務局、時間的にはどうでしょう。そういう分析とかを各委員の先生方に提示して御確認していただくことは大丈夫でしょうか。
○本田口腔保健専門官 事務局です。ありがとうございます。今、頂きましたこの分析に関しては、次回の専門委員会を、まだ日程等細かくは決まっておりませんが、年明けに開催する予定になっております。その時点で参考に出していただけるような形で、分析等を委員の先生方にお願いします。報告書を御提示させていただく時期ですので、その時点で分析結果を参考に出していただいて、もしそこで御意見等があるようでしたら、また頂戴するという形にできればと思います。
○三浦委員長 ありがとうございました。そうしましたら、また御担当の先生には御負担をかけて大変申し訳ないところなのですが、次回のこの専門委員会において、参考資料として、追加の分析として提示をしていただくということで、取りあえず今の時点では、情報修正は47都道府県で仮置きをしておくということです。それで、そこのデータを見てまた適宜修正が必要になってくる場合もあるかもしれません。そのときには、具体的な数値等々、分析結果も出ているところなので、ではどれぐらいの目標にするのかを議論を詰めていければと思います。そのような形でよろしいでしょうか、委員の皆様方。そうしましたら、そのような形にさせていただければと思います。
引き続いて4ページです。これもちょっと似た、ほとんど内容的には先ほどの、年齢が違うだけで、抱えている問題点としては同じではないかと思います。こちらは12歳児の1人平均う歯数が1.0歯未満である都道府県の増加というところです。ほぼ永久歯の状況、永久歯う蝕と乳歯のう蝕、大体同じような挙動を示すのですが、やはり相違があるために、3歳児と12歳児の両方を目標に設定しているところです。多分、議論の内容とかは同じです。健康格差の縮小を目指すという意味では、理想的な値として47都道府県を目指したいのですが、そこら辺の実現可能性を見ておく必要があるのではないかというところになるかと思います。こちらについても、3歳児と同様の対応をさせていただいてよろしいでしょうか。
( 異議なし)
○三浦委員長 そうしましたら、一応、仮置きで47都道府県に上方修正をすると便宜上置かさせていただきますが、鋭意、追加分析を御担当の委員の先生にしていただき、そして、そのデータを基に、47都道府県でいいかどうか、あるいはもう少し下げたほうがいいのではないかというのを、次回の委員会で討議し、そこで確定を図るという形にしたいと思います。
引き続いて5ページです。これは少し前回の専門委員会で議論をしたところでした。歯科口腔保健の推進に関する条例を制定している都道府県の増加というところです。既に皆様方も御存じのとおり大変順調な状況で、43の自治体で既に条例を制定していただいているところです。それで、新たな目標値として、ここまでくると、情報修正と言っても数的には47を目指すしかないような状況なのですが、事務局の提示してくださった参考資料4にありますとおり、条例を置いていない所でも何もやっていないわけではなく、きちんとしっかり取り組んでくださっている自治体もあるというところで、この点を含めて書きぶりを考えなくてはいけないということと、あと最終評価に向けて、そういうことも加味してあげる必要があるのではないかという御提案でした。それで、この件についても御意見を頂きたいと思います。一応、事務局案は47にしますが、そういった、今、条例を置いていない所のそれ以外の対策等を総合的に踏まえて、いろいろ評価をすべきではないかという御提案ですが、この件についていかがでしょうか。田中委員、よろしくお願いします。
○田中委員 こういう条例を制定している自治体が増えているのは歓迎すべきことであると思うのですが、目標は条例の制定ではなく、その地域の健康状態の向上なわけです。実際に今、まだ条例を制定していない4都道府県の県民の歯科の健康状態は、やはり悪いのかという点です。悪いのだったら、やはり条例制定は非常に意味があると思いますが。という現状と、実際、残り4県に制定してもらうには、厚生労働省が働き掛けていくことになるかと思いますが、それは現実的なのかどうか、その2点を伺いたいです。
○三浦委員長 事務局、お願いします。
○本田口腔保健専門官 御質問ありがとうございます。まずは、条例を現時点で制定していない自治体におきましては、様々な状況、理由等があり制定していないということと、あとは、条例を制定していなくても計画等作成され、様々な施策等が進められています。もちろん目標を立てて、順調に進んでいる自治体もありますし、今、正に目標に向けて頑張っていらっしゃる自治体もあるということです。今回のヒアリングの内容につきましては、今いい結果を出しているかどうかという観点で確認はしていませんので、まずは計画の策定や推進が自治体としてできているかどうかを確認させていただいていました。ですので、資料3にも記載していますが、やはり最終的な評価をする時点では、どのような目標を立てて、どのような状況であるかということ、また、こちらが基本的事項で立てている指標について、そこの自治体がどのような位置であるとか、そのようなところは見ていく必要があるのではないかと考えています。
また、2つ目の御意見としてあった、積極的にこちらで働き掛けるべきではないかというところに関しては、まず、今回このようにヒアリング等を行わせていただいていますので、それ自体がかなり意識として担当者含め入っているのではないかと思っています。ただ先ほども申し上げましたように、そもそも条例を策定する目的というのが、やはり各自治体が目指すべきものがあって、条例があることによって推進ができるというところで策定をするのかどうかをそれぞれの自治体が判断しているところがあります。やはり各県の計画や目標の状況、そこについて、どのような推進をしているのか、その結果どうであったのかを見つつ、各地方、ブロックを私どもも回らせていただくこともありますので、そのような場を捉えながら様々な県の状況を把握し、必要に応じてお話し等をさせていただく機会等はございます。
○前田委員 本県富山県は、条例はあります。それなりに条例に基づいてやっているというように答弁もしやすいので、非常に施策としてチェックしやすいので、お勧めかどうかというと、各都道府県さんに作られたらどうですかとお勧めです。一方で本県の条例は、知事から提案したわけではない、議員さんから出していただいたところがあります。議員から出すか知事から出すか、そもそも条例が気運醸成のような動きもありますから、条例そのものにこだわりたいところもありつつ、ないところであれば別のところで歯科保健計画をしっかり立てていますとか、そのようなところで許してあげられないかという形で、100%悪いわけではないが、目指してねみたいなメッセージになればいいかなと思っています。
○三浦委員長 貴重な御意見、ありがとうございました。
○高野委員 この条例を作らない所もそれなりに計画も立てているので、逆に実質的に43+4でも達成していると考えていいぐらいな結果だと思います。ただ、中身的に条例を出した、又は計画を立てても、どのように動いているというところで違う評価をすべきではないかと思いますので、ちょっとその辺も検討していただければと思います。
○本田口腔保健専門官 御意見ありがとうございます。御意見頂きましたように、条例を制定する目的というのが、しっかりとそこの自治体が施策等を推進するためというところですので、様々な内容、状況を把握しながら最終評価に向けて判断していく、評価をしていく必要があるのかと存じます。ですので、高野委員から頂いた御意見、やはり条例を制定したあと、どのように推進しているかも内容を見ていく必要はあるかと事務局でも考えています。ありがとうございます。
○山下委員 先ほど田中委員から御指摘があったように、県民というか、都道府県民の健康状態をどう考慮するのか、その内容につきましては、ここに目標の達成状況を考慮するべきではないかというようなことで、ある程度担保されているような気がしますが。ただ、具体的に、これはどのように考慮することになるのですか。要するに、47都道府県がこれを目指します。ただし、ここを考慮するところの考え方が今一つ見えてこないのですが。
○本田口腔保健専門官 御意見ありがとうございます。そこにつきましては、今、具体的にどのように見るかというところまで定めているわけではありませんので、そこのところも検討して、最終評価に向けて御意見を頂戴しながら検討してまいりたいと考えています。
○三浦委員長 ここまで順調に伸びてきていると、質についても踏み込んだものを、質評価についてもやるべきではないかという御意見だったかと思います。この辺りは、中間評価はこの形で評価していくところですが、最終評価に向けての提案、その次のタームに向けての枠組み設定、そういった意見にも反映できるところなので、あとで報告書(案)で、また御意見を頂ければと思います。大津委員、自治体関係ですので、この件について何か御意見等ございますか。
○大津委員 歯科保健計画は法律に定められて、各県全て作られていると思います。ですから、歯科保健の推進に関することとしては、全て計画で足りるのではないかと思っています。条例を制定するというのは、ほとんどが議員提案で、確か知事部局から出ているのが3つか4つくらいだったと思いますが、そういったところで、この条例に関しては書いているとおりに行っていただければと思います。
○三浦委員長 ありがとうございました。やられていない所でも、重層的にいい取り組みをしている所もあるというところで、また、ここはおおむね事務局案のとおり47都道府県への情報修正をしますが、その内容も具体的に評価をしていく方向性で行きたいと思います。御意見頂き、ありがとうございました。お陰様で、この目標に関する整理の所の御意見を頂く作業が今、終わりました。続きまして、議題3。
○田口歯科保健課長 1点よろしいでしょうか。今、御意見を頂いた目標に関する整理ですが、例えば環境整備に関する目標は、47都道府県にするのがいいのではないかという新たな目標値を出していただきました。60歳で24歯以上の有する者の割合をどうするか、ここもまた、今後新しいデータに基づいて設定を見直すという合意形成は頂いたと理解しています。この値そのものがどのような形になるかは、健康日本21での目標値とも重なってくる部分もありますので、そちらとの並びもあり、今回、具体的な数字をどうするかは、先生方にも御議論いただいておりません。この部分については先ほど事務局からも説明がありましたが、今後2月に向けて、中間評価の報告書の取りまとめを行う過程の中で、委員の先生方に御意見を頂いて、仮置きでもいいですから、2月に御議論いただくときに間に合うように、この60歳と80歳での自分の歯の有する割合を設定していただければと思っています。それでよろしいでしょうか。
○三浦委員長 御説明いただき、ありがとうございました。今、事務局から御説明がありましたように、この基本的事項は、健康日本21第2次と調和を図る形で設定されているために、健康日本21第2次での社会環境の整備に関する議論、考え方の影響をかなり受けるという構造的に必然的なところがあります。それで、追加の御説明をしていただいたところですが、健康日本21第2次で、この社会環境の整備についての目標値の考え方の流れをもし事務局で把握しているようでしたら、情報提供いただけると多分、議論の整理に役立つと思いますが、その辺りはいかがでしょうか。
○本田口腔保健専門官 ありがとうございます。今申し上げた60歳で24歯以上、80歳で20歯以上、この点につきましては、先生方に御意見を頂戴した上でどの数値に定めていくか、次回の専門委員会の中で定めるべき事項と思いますので、そこは併せて御担当いただいた先生に分析をお願いする形で、その分析の結果等をお示しして、次回の専門委員会で決定してまいりたいと考えています。
○田口歯科保健課長 すみません、また補足になりますが、資料3で健康日本21の目標値と、ここで議論していただいている基本事項での目標値の中で重なっている部分は、今御議論いただいた60歳で24歯以上の有する者、それから80歳で20歯以上の自分の歯を有する者、この2つと、それから3歳児でう蝕がない者の割合の都道府県の数、12歳児での1人平均のう歯数が1.0未満である都道府県の数、それが多分、健康日本21と重なっている部分だと思います。
ということは、今御議論いただいた、この重なっている部分については、先ほどお話いただいたように、具体的な数は基本的にはやはり47にするほうが望ましいのですが、もう少し具体的なデータを少し調査した上でと頂いていますので、ここの部分は健康日本21との議論を少し合わせながら、次の2月のときに、また再度きちっとしたものを出すこと。それから条例の数に関しては、基本的な事項、単独での考え方ですので、ここの部分については47都道府県に目標値を見直す形で、ここの委員会の中では、そのような形でする考え方でやらせていただけたら有り難いと思います。
それからもう一点。本日提出しました資料2の10ページに別紙15、16があり、これは先ほど委員の先生方から頂いた、例えば3歳児の80%以上の都道府県の数や12歳児の1本未満の数というもので、山下先生からは、やはりきちんと精査するほうがいいという話がありましたし、前田委員からも、達成可能性も含めてという話がありました。3歳児の80%以上の都道府県の数を見ると、平成25年から平成27年まで、実は平成26年でずっと止まってはいるのですが、この中身を見ると、今、詳しいところはよく分かりませんが、上と下の格差が、かなり縮まってきている可能性もありますし、それから8割に少し近づいている。もともとは80%の下が60%ぐらいまであったのが、例えば今、一番低い所でも70%ぐらいになるという経年的な部分もあるので、ここはもう少し詳細なデータを出した上で、また先生方に御議論いただければなと思います。12歳児でも同じようだと思いますが、12歳児は比較的平成27年、平成28年と数としては上がってきている部分もあるので、ここの部分も都道府県での分布といいますか、実際に1人平均の虫歯の本数がどうなっているかも少し詳細にデータを出した上で、また先生方に御議論いただければと思います。
○三浦委員長 どうもありがとうございました。今、事務局の田口課長から御説明があったとおり、健康日本21第2次と重なっているものと、ちょっと基本的事項、単独のものの取扱いが少し変わってくるところは否めないところです。基本的には、社会環境の格差の問題につきましては、高みを目指す方向性で、ある程度まで御意見いただきたく思いますが、具体的なデータを示していただいて、次回決めていくような形で整理していきたいと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございました。そうしましたら、ここで目標に関する整理が終わります。
続きまして、議題3、中間報告書(案)に移ります。今回、中間報告書(案)についても、なるべく早い段階で具体的な御意見を頂きたいということで、事務局側で中間報告書(案)を準備していただいているところです。それでは、事務局より資料4の説明をお願いいたします。
○本田口腔保健専門官 では、資料4の説明をさせていただきます。議題1で、データの更新を踏まえて評価の御報告をさせていただいたところですが、前回の専門委員会で、先生方から分析評価を頂きました内容と、今回御報告しました内容とで傾向が大きく異なるものではありませんでした。もともとの予定では骨子案をお示しする予定でしたが、専門委員会の開催回数も限られているところですので、今回までに頂いております御意見を踏まえて、報告書(案)を作成いたしました。こちらを基に更に御意見を頂戴したいと思っております。
まず、目次です。今回の報告書(案)の構成をお示ししております。2ページで「はじめに」として、まず基本的事項の策定の趣旨をお示しし、2として中間評価の目的と方法、こちらについては5月開催の内容を反映させております。3ページ、3の中間評価の結果にはまずは全体の目標値達成状況の評価をお示しして、その後に具体的な内容、各領域の内容は4ページ以降で、領域別の評価としてお示しをしております。この領域別の評価の中には、今まで分析いただいた内容評価、また今後の課題として先生方から頂戴しました御意見を踏まえた内容で記載をしております。
(2)領域別の評価について御説明いたします。1)口腔の健康の保持・増進に関する健康の格差の縮小についてです。この領域についてはここに記載しておりますが、領域の2)~5)の目標計画を達成すること等により、口腔の健康の保持・増進に関する健康格差の縮小を目指しており、現時点では本領域には具体的な目標計画が特に設定されておりません。ですので、本領域に関しては研究結果等を踏まえながら最終評価での評価の在り方や、平成34年度以降の計画策定に向けて具体的な評価指標・評価手法等を検討する必要があるという内容にしております。
2)歯科疾患の予防の領域です。アとして、指標の達成状況と評価をお示ししております。この内容も既に御説明しておりますので割愛いたします。5ページのイでは、指標に関連した主な施策・取組を記載しております。6ページのウでは、今後の課題の記載をしております。実際に分析等を踏まえて、これまでに頂いた御意見を反映しております。歯科疾患の予防の領域に関しては指標も非常に多い状況ですので、ライフステージごとに分けて課題を示しております。
○の1つ目です。乳幼児期において、課題としては3歳児う蝕の状況については改善の傾向にある一方で、社会経済的因子によるう蝕発生状況の健康格差や、多数のう蝕保有者の増加など二極化が生じているという報告から、集団を対象とした予防対策や、小児科・教育機関や地域の行政機関等との連携及び包括的な対策を横断的に検討する必要があるとしております。○の2つ目、学齢期においてです。12歳時う蝕については集団応用のフッ化物洗口の効果として有病者率の改善が認められるが、地域差もあることから、引き続き取組の継続・推進について検討する必要があることを記載しております。○の3つ目です。成人期においては具体的な指標が悪化するなど改善傾向が見られない状況にあり、歯周病の予防については日頃のセルフケアに加え、専門的な指導や管理も必要なことから、定期的な歯科健診が普及するような取組が必要である。平成28年歯科疾患実態調査は、歯周病検診マニュアルの改訂により評価が見直されておりますので、今後の調査結果を注視する必要があることを記載をしております。7ページの○の4つ目、高齢期においては、現在歯数の増加に伴い歯周病だけではなく、う蝕にも罹患する可能性が高まることから、現在歯が健全な状態や機能を維持するための取組が必要であるということです。また、その他としてはデータの信頼性の向上のため、歯科疾患実態調査の被調査者数の確保の取組を検討する必要があること。また、40歳、60歳の未処置歯を有する者の割合の減少については、引き続き目標に向けた取組の継続・推進を検討する必要がある。このような内容を課題として示しております。
3)生活の質の向上に向けた口腔機能の維持・向上の領域です。アとイに関しては、先ほどの領域の記載と一緒です。8ページ、ウの今後の課題についてです。乳幼児期と学齢期、成人期、高齢期というライフステージに分けて記載をしております。まず、乳幼児期及び学齢期においての課題としては、3歳児の不正咬合等を健診で発見することの意義、どのような異常を見つけることが将来の健康につながるのか、顎の大きさなど遺伝の影響があること、乳歯列であっても一定の割合で不正咬合の有病者が現れることに留意すること等も含め、意義が不明瞭であるという御意見、また不正咬合等がある場合にどのような取組が求められるか必ずしも明確ではないという意見があることから、不正咬合の予防法や指導内容についてのエビデンスの更なる蓄積が求められること。また、不正咬合の診断基準については、既に日本小児歯科学会から3歳児歯科健康診断における不正咬合の判断基準が提言されておりますが、より再現性のある基準、歯科医師による診断基準の統一化(その方法の開発も含む)やライフステージに応じた口腔機能の評価手法、及び治療手法の確立が期待されることを課題として記載しております。また、成人期及び高齢期において、口腔機能に着目した取組は個人に対するアプローチのみではなく、老人クラブ等の集まりの場をいかしたアプローチをするなど、歯科保健活動の工夫が期待されること。また、60歳代における咀嚼良好者については国民健康・栄養調査の在り方や、食事中の様子についての3つの質問がありますので、そちらにより口腔機能の評価ができるものと考えられますので、補完的な使用を検討する必要があるのではないか。このような内容を課題として示しております。
次に4)として定期的に歯科検診又は歯科医療を受けることが困難な者に対する歯科口腔保健の領域においてです。9ページのアとイは同じような構成になっております。ウの今後の課題としては、歯科専門職による口腔ケア研修の開催が定期的な歯科検診の実施に結びつくという報告があるため、今後施設内外での口腔ケア研修により一層積極的に行うことが必要であること。また、歯科訪問の際に、合わせて定期的な歯科検診を実施する方策等について検討する必要があること。今後、各都道府県の状況について、定期的にその状況を把握する必要があるのではないか。このような内容を課題として示しております。
次に、社会環境の整備の領域においては10、11ページに記載をしております。今後の課題としてはライフステージに応じた取組を進めるに当たり、国、都道府県、市町村の各自治体単位で関係部局と連携した施策・取組の推進が求められること。12歳児の一人平均むし歯数など、都道府県間の地域格差は継続して認められることから、引き続き各地方公共団体において地域の実情に応じた歯科口腔保健施策の取組の充実、また取組を進めるに当たっての体制の充実が求められること。次に、乳幼児期より学齢期のフッ化物応用や、歯科保健指導等の取組の実施状況は都道府県によって異なることが考えられるため、効果的な都道府県等の事例の収集及び分析等が必要であること。また、食育に関する取組については、乳幼児期より学齢期における口腔機能の獲得や、成人期及び高齢期の口腔機能の維持向上など、全てのライフステージにおいて重要であるために、個人に対するアプローチのみではなく、家族単位でのアプローチ等、推進が求められること。このような内容を課題として示しております。
4 番の目標の点については、本日御議論いただいておりますので、その内容をここに記載することになります。
次に、「おわりに」として中間評価の総括を挙げております。その中で、それぞれの領域においても整理をしておりますので、内容を御説明いたします。
1) 口腔の健康の保持・増進に関する健康格差の縮小としては12ページです。口腔の健康保持・増進に関する健康格差縮小の達成状況を評価するに当たり、現在、本分野に関する研究を実施している研究班での研究の内容や、専門家等の意見を参考にして、健康格差の具体的な評価や指標、評価手法等を早急に定める必要があると考えております。並行して、先行研究や既存のデータを活用して健康格差の実態に関する参考資料を集めたり、歯周病の有病率や健康行動等をアウトカムとした健康確保の実態把握に努める必要があると考えております。
2)歯科疾患の予防についてです。歯周病に関しては状況が悪化傾向にありますが、その原因が必ずしも明らかではありませんので、より実態を正確に把握して、原因を確認して明確にした上で最終評価を行う必要があると考えております。また、歯周病について、若い世代からの歯周病予防に関心を持たせるための取組が必要であると考えております。
3)口腔機能の維持・向上についてです。口腔機能低下に関する重要性は、今、広く認識されてきておりますので、歯科疾患のみならず咀嚼機能等を含めた口腔機能に関する指標や取組を強化していく必要があると考えております。また、口腔機能の実態については平成34年度以降に設定すべき目標を念頭に入れ、適切な評価の在り方についても検討を進めていく必要があると考えております。
4)定期的に歯科検診または歯科医療を受けることが困難な者に対する歯科口腔保健の領域についてです。現在、指標としては検診の内容で指標を立てておりますが、その検診を推進するのはもちろんのこと、ますます高齢者の人口が増加する実態を踏まえ、要介護者等の口腔内の実態を適切に把握することと、また要介護者等の口腔内の評価で必要な視点を整理する必要があると考えております。
最後ですが、社会環境の整備の領域については、ライフステージに応じた取組を進めるに当たり、国、都道府県、市町村、各自治体単位で関係部局と連携した施策・取組を推進していく必要があること。また、平成34年度以降の目標の検討に備え、歯科検診を受診した目的や理由など、データ収集が必要であること。さらに、8020運動に続いて、国民の歯の健康作り運動を推進していくための次期の目標設定に向けて、実態把握、課題の整理等、またエビデンスの蓄積を進めていく必要があることを考えております。以上です。
○三浦委員長 中間評価報告書(案)で、目標値の設定については今日の議論を踏まえて目標の整理のところはこれから追記がなされるところです。大体の骨格がここに提示をされているところです。特に委員の皆様方に御意見を頂きたいのは、やはりPDCAサイクルを回して歯科保健の向上を図るために、全ての項目は重要なのですが、中間の評価のところで変わらない項目、逆に悪くなっている項目については具体的な対応策を盛り込まなければならないところです。今、事務局から説明がありましたとおり、その具体的な項目は3ページの下から3行目から4ページにかけてです。変わらない項目が3項目、悪化している項目が3項目、合わせて6項目です。ここについては、特に注意深く盛り込んでいく必要があります。大枠のくくりとしては口腔機能に関するもの、あと要介護高齢者・障害者等への歯科保健サービス提供に関するもの、そして歯周病に関するもの。この3領域になろうかと思います。
記述について、今まで先生方から頂いた御意見、御指摘は可能な限り盛り込んだ形になっているかと思います。併せて不足のあるところ、修正が必要なところを御指摘を頂ければと思います。特に、具体的な対応策についての主体になる部分、「今後の課題」に書き込めるところに関して、是非委員の先生方から御意見を頂ければと思います。
そうしましたら、お手元の資料のページ順に、歯科疾患の予防についてです。う蝕に関するものは比較的良好なのですが、やはり先ほど申しましたように、歯周病に関するところをどうするのかを今後の課題にどのように盛り込むか、特に重点的に御意見を頂きたいと思います。具体的には6ページ、今後の課題です。歯科疾患の予防は先ほど事務局から説明のように、非常に項目数も多く長尺ではあるのですが、今後の課題を中心として御意見を頂ければと思います。こういった書き込みもできるのではないかということ、あるいは表現で気になるところがあるから修正してほしいとか、そういったものを含めて幅広に御意見を頂きたいと思いますが、いかがですか。どうしても歯周病と言うと、和泉先生にコメントを頂かなければいけなくなってしまうのですが。
○和泉委員 このデータを見てショックだったのですが、確かに成人期においてということで40代が悪化している。60代も先ほどお話しましたように少し悪化ですが、変わらないと見てもいいだろう。そうなった場合に、成人期において、日頃のセルフケアに加え専門的な指導・管理も必要なことから、定期的な歯科検診が普及するような取組ということなのですが、この「普及するような取組」はもう少し突っ込んで、もうちょっと後ろから押すような何か表現が欲しいと思っているのです。例えば、自治体がもう少し積極的に、強制的にそういうことを取り組んでいくとか。ただ、自己管理・自公啓発、それをお願いするだけでは絶対に改善しないと思いますので、もしできることでしたら、もうちょっと積極的な内容があるといいと思います。
もう1つ、ここに平成28年度の歯科疾患実態調査は少し検診内容が変わったということなので、こういうふうに書いてくださって、今後の調査結果を注視すべきと。これは素晴らしい内容だと考えています。ですから、もし具体的なということでしたら、後押しをするような書きぶりをしていただければと思います。
○三浦委員長 御意見頂きまして、ありがとうございます。定期的歯科検診や歯周病検診をより具体的に、ぐっと後押しをするような書きぶりに修正ということで、こちらは事務局、対応は大丈夫ですね。
○本田口腔保健専門官 ありがとうございます。この内容についてこちらで検討しまして、報告させていただきます。
○三浦委員長 前田委員、よろしくお願いします。
○前田委員 正に和泉委員のおっしゃるとおりだと思いました。冒頭、データ分析のときに、田中委員から何が良かったのかという御発言もありましたが、やはり具体的にこういう事業が、例えば先進的な都道府県でやられている効果的みたいなものがもしあれば、仮にそれはデータに基づかなくて、エンピリックなものであっても、この委員会の中でそれがいいと認められれば、それなりの記載となると思います。その記載に基づいて、こういうものが良いらしいですよと言えるほうが、恐らく各自治体なども要求しやすいと思います。そういう意味では、こういうのが目玉ですみたいなものを少し記載を頂けると、やりやすいと思います。
○高野委員 関連なのですが、中学生と高校生の歯肉の炎症がかなり改善して、これは変動があるということなのですが、中学生と高校生はそもそも同じような傾向を示しているのですか。要するに、一括してその割合の減少として表現しておりますが、それでよろしいのですか。関連があるといけないのですが、詳細なものを見て今後の展開をするときに参考とする意味で、そういう分析もあってもいいのかなと思ったものですから。
○三浦委員長 貴重な御意見頂きまして、ありがとうございます。ここの成長期のところについては基本的事項、それから健康日本21でも、ライフステージごとで組むときに一緒のくくりにしていたところで、この記述になっているという理解です。そういった事柄も踏まえて、少し書きぶりを考える必要はあるかもしれないと思うところです。この辺りはまたデータ等を見て、次回でより具体的な表現でお示しできればと思います。
○森田委員 これは細かいことかも分かりません。フッ素の歯磨き剤も随分高濃度になったので、そこら辺も少し入れていいのかどうか分からないのですが、それも1つあるかと、虫歯の予防に関してです。
和泉先生の言われたことと重なるかも分からないのですが、今、コモンリスクアプローチというのが一応言われていますので、歯医者さんだけが大事だよ大事だよと言ってもしょうがない時代なので、いろいろな医療の分野の方からの後押しがあったほうがいいかと思います。
○三浦委員長 ありがとうございます。フッ化物の歯磨き剤濃度を上昇させている。これはやはり絶対盛り込みたいところです。
あと、コモンリスクアプローチからの考え方をやはり入れるべきではないか、学術的なところも踏まえてというような御発言でしたが、この件についていかがですか。和泉先生、コモンリスクアプローチの視点をここの中に入れ込むところについて。
○和泉委員 具体的にということでしたら、そういう考え方を踏まえて具体的なことをやったらということで少し加える、具体化すると考えます。ただ、余りここで長く書けない。ほかの項目の中でも、例えば歯周病と離れているのですが、11ページの食育に関する取組ということで、個人に対するアプローチとメディアで家族単位でのアプローチの推進などいろいろアプローチの方法を書かれています。それをどう特筆するか、どう整理するかというのも1つありますので、余りここだけで具体的にというよりも、もう少しアバウトというとおかしいですが、そこにいろいろなものが後で各単位で加えられるというような表現でいかがですかということなのです。
○三浦委員長 御意見どうもありがとうございました。コモンリスクアプローチの考え方自体は非常に重要で、健康格差の縮小においても重要な考え方です。どちらかというと、ここの細かい項目ではなく、11、12ページの「おわりに」と書いた、何かここら辺のところでの反映のほうが良さそうな気がします。その辺り少し入れ込めるかと思いますので、そのような対応をしたいと思います。そのほか御意見等ありませんか。
○田中委員 乳幼児期や学齢期の場合は、乳児の検診であるとか、学校での検診という枠組みがあるわけですね。政策的には非常に進みやすいと思うのですが、成人の場合はそういう仕組みがなくて、個人の意識を高めていくという非常に難しいわけですね、アプローチの仕方が。具体的に個人の意識を高めていく、定期的に歯科検診を受けていくことを進めていくための何か有効な手立てというのはあるのですか。今まで、例えば都道府県にこういうやり方で普及させてくださいというような方法というのはあるものなのですか。
○三浦委員長 事務局、いかがですか。
○本田口腔保健専門官 御質問ありがとうございます。先ほど前田委員から頂いた御意見に対してですが、好事例、こういう取組というのは効果的であったと、そういう情報提供などは、こちらではあまりやっていないかと思います。ですので、ここは自治体のほうでの取組がかなり参考になる部分もあるようなものがあれば、今後もそういう情報提供を含めて示していくべきかと思います。具体的に何かというところでは、こちらから働き掛けというのは行っていない状況です。
○三浦委員長 ありがとうございました。田中委員の御質問は非常に重要な示唆が入っているかと思います。今までの議論の中で、自治体での良い取組から学べることも非常に大きなところかと思うので、そういったものをどこかで集約することをやっておいたほうがいいかとは感じるところです。この中間評価報告書はそこへ向けて良い助走となる可能性があるので、そういったような事柄、自治体でのグッドプラクティス等々も含めて好事例を集約することも必要であるみたいな、そういう文言を盛り込みたいと思います。そんな感じでよろしいですか。
○大津委員 歯周疾患検診のことなのですが、健康増進法による歯周疾患検診は主として市町村が取り組んでいるのですが、今度、国のほうで保険者努力支援制度という制度が出来まして、歯周疾患を行っているところは、確か25ポイントでしたか、ポイントが付くようになっております。そのせいか、大分県も今まで歯周疾患検診に取り組む市町村がこれまで全国でも少なかったのですが、ここ1、2年で急に増えてきております。歯周疾患検診は受診率がまだ一桁のところも多いですが、検診に取り組む自治体が増えているのも、こういった保険者努力支援制度でポイントが付くというインセンティブがあるからではないかと思います。国のほうも、恐らくそういったところにも取り組んでいただいていると思います。
○三浦委員長 そういった新しい政策も書いておくというのは、非常に重要なところかと思います。そういった制度を活用して進めていくというところで、記載についても、ポイント制についても何らかの形で反映できたらと思います。そのほか、歯科疾患の予防の部分で、特にないですか。
○山下委員 1つ、まずは歯周病が増加傾向にあるというか、これはどこまで明確なものかはよく分かりませんが、歯の残っている方が非常に増えている中において、やはり歯は残っているけれども歯周病が増えているという現象も起こり得ていると思うのです。そういう意味で、目標は今まで60歳で24歯以上とか、80歳で20歯以上ということですが、これはやはり健康な歯がきちんと残っているという意識をもう少し、今後書きぶりを少しずつ変えていったほうが、ただ残せばいいというようなイメージが残ってしまいますので、その辺はいかに健康な状態で歯を残していくのかという意識を、国民全体に持っていただくことが非常に重要なのではないかと思いました。
先ほどの歯周疾患検診についてですが、これは非常に市町村の正に格差で、一番高いところは20%程度の受診率があるところがあれば、1%とかそういう状況がありますので、その辺の分析といいますか。そういう非常に高い受診率を出している自治体の例をきちんと分析した上で、各自治体に広く、こういう取組を推奨するというようなことをやっていくべきなのではないかという気がいたします。
○三浦委員長 御意見頂き、ありがとうございました。自治体の良い取組、特に歯周病対策においては有効な示唆を与える可能性があるということで、御意見、非常にありがたく思っています。また、単に歯を残すだけではなく、8020達成者が5割を超えている現状を踏まえると、次はその内容、どういった状態で残しているのか。そういったところへの取組も、今後考えていかなければいけないというところです。この辺りも一部既にこの案の中に記載がありますが、その辺りをより強調して、取りまとめるようにしたいと思います。そのほか、何かお気づきの点とかございますか。よろしいですか。
○高野委員 ちょっと話が外れるかもしれませんが、疾病に対する、例えば糖尿病手帳などがありますよね。そうなったときの健康の履歴を取っていくのですが、健康な人がずっと健康な状態のときの、自分がどこまで健康で、どこから疾病になっていくということで、それは義務付けるわけではないのですが、そういうものを自分で記録していくというのを、見せるというのも必要ではないかなと思いました。
○三浦委員長 具体的な御提案、ありがとうございました。歯の健康手帳等、一部の自治体でやられていたときもありますが、今の時代に合った、そういった記録の継続した見える化ですよね。そういったものも考えるべきではないかという御提案だったかと思います。御意見、ありがとうございました。
○山下委員 よろしいでしょうか。この場に相応しくないかもしれないのですが、歯科検診を定期的に受けることを推奨していくというのは、非常に大事なことだと思うのですが、そのインセンティブという考え方もあるのですが、逆に受けないことのペナルティと言ったらおかしいのですが、要するに国民に自分の健康を守る義務が今は課せられているわけですが、そういう中で、そういう考え方というのは、やはりちょっとあり得ないですか。
これは非常に的外れかもしれませんが、実質的な検診の率を上げていくという中で、やはり義務化みたいなところの感覚といいますか、明らかに歯科疾患というのは予防が可能な状態だと思うのです。それを、ある程度の定期的な検診、これは感覚はいろいろあるでしょうけれども、そこの中の保健医療政策等の中で、そういったものの取り組み方というのは、あくまでも本人の意思に任せていくというのも1つですが、そろそろエビデンスもかなりありますから、そういったことに基づいた中の、義務化と言うとちょっときついのですが、国民にもその辺をしっかり考えていただく時期に来つつあるような気がするのです。すみません。これは今回の議題とはちょっと外れていますが、その辺は厚労省等では難しいでしょうか。
○田口歯科保健課長 なかなかいきなりそれを導入するというのは難しい部分もあるのだろうと思いますが、諸外国では先生も御存じのように、例えば歯科の疾患に限って言うと、定期的な検診などをきちんと受けている人と受けていない人で、その人が疾患になったときの治療費に差が出るという、そういう制度を導入している国もありますが、将来的には今先生がおっしゃったように、歯科の場合、ある程度こういうことをやると歯科疾患ではかなり予防ができるという部分もありますので、そういうところをきちんと明確にして、例えば制度的にそれを位置付けようと思うと、かなり国民の方々の理解も当然必要になってくるだろうし、医療制度全体の部分についても、どう考えるかということも出てくるので、ちょっとハードルは高いだろうと思います。
○岩崎委員 今のことに関連するお話です。保険者では、特定健診・特定保健指導を実施していることは皆さん御存じだと思いますが、健保組合では、平成30年度から保健事業を一生懸命努力している所にはインセンティブを付与する制度が出来ることになりました。制度の総合評価の指標に歯科検診という項目も入っており、歯科検診を実施していると点数を獲得できるということになります。健保組合の保健事業でも、歯科検診を推進していく方向性にあります。
また、特定健診の質問票は22項目あるのですが、その質問票に「食事をかんで食べる時の状態はどれにあてはまりますか」という口腔機能についての項目が入るようになります。その質問票にお答えいただく方が40歳以上で、おおよそ2,700万人ぐらいいます。もしKDBやNDBに入るそのデータが利用できれば、5歳刻みで分析ができます。歯科口腔機能についての分析として利用できるのではないかと思います。
先ほど田中委員から、いい取組をどこかで周知できないかというお話があったと思うのですが、47都道府県に設置されている保険者協議会という場があります。国保、全国健康保険協会、健保組合等の地域・職域の人たちが集まり、健康課題を提案・討議する場ですので、歯科口腔について提案いただければと思います。
○三浦委員長 貴重な情報提供を頂きまして、ありがとうございます。本当に以前よりビッグデータを使えるチャンスが歯科にも巡ってきたというところで、その辺りの分析によって、また次の展望が開けるところもあろうかと思います。どうもありがとうございました。
そうしましたら、次の項目に行きたいと思います。7ページ、「生活の質の向上に向けた口腔機能の維持・向上」ですが、ここについて、その次のページの8ページ目、「今後の課題」です。ここの書きぶりを中心に、御議論をしていただければと思います。ここの部分、「乳幼児期及び学齢期についての口腔機能」という所で、この部分は木本委員からコメントを頂きたいと思います。よろしくお願いします。
○木本委員 先ほどの議論の中で非常に残念なのは、学齢期までのう蝕の数であるとか、非常に状況は良くなってきていますが、成人のところで歯周病が増えてしまった、あるいは余り変わっていないという見方もありますが、そこのところで今抜け落ちているのが、やはり思春期から成人期に至る過程での空白地帯といいますか、そこのフォローがどうしても抜け落ちている。ただ、その前段階でのライフステージということも大事なのですが、そこのライフステージの中で、ライフスタイルの多様化のところでもフォローできなくなってきていると。
ちょうど学童期というのは、集団の指導や健診が非常に効果的な時期なのですが、実は思春期になると集団を嫌うのです。個を大事にする時期になると、非常にそれがフォローしづらくなってくるというところを、何とかしなければいけないというのが、先ほどの議論の延長線上で申し訳ありませんが、そういうところをいかに制度化するかということが、今、皆さんの議論の中で重要なところではないかなと感じています。
そして、この課題のところでは、不正咬合であるとか口腔機能把握というのは、私どものほうでは3歳児の不正咬合の判断基準というのを作っているのです。実際、機能的なところでの、評価をどうするかというところで、今、実は当学会のほうで、乳幼児の健診ガイドというものを作っているのです。ちょうど大幅な改定の時期に来ていまして、その中に少し口腔機能のところの評価であるとか、先ほどの判断基準を健診のところで明確化して、そのマニュアル的なものを入れていこうという動きがあるのです。というのは、実はこの不正咬合のところも、判断基準、診断基準で大きく比率が変わってくるところです。不正咬合の分類の中では、ちょっとした歯のねじれとか、いわゆる叢生と言われるものを含めるか含めないかというところと、大きく噛み合わせが受け口であるとか、横にずれているというものを、どこを早めにアプローチすればいいかという判断基準を、それを放置した場合に、成人に咀嚼機能の異常が来ますよというようなところの判断基準を早期に示すということが、まず必要なところですので、是非この乳幼児健診のところでは早期の対策が練られるような、練ることができるような基準を示したいというのが、私どもの考えです。
ただ、実は乳幼児健診に携わる者、学校健診等に携わる者、要するに学校歯科医の先生等も、やはりそこの部分の標準化というのですか。基準の標準化というのが、もっと必要だろうというところは、非常に感じているところでして、その部分の対策というのも少し立てるべきだろうと考えています。私どもとしましては、そちらの基準のほうを、それとマニュアル的な指標をもう少し整備したいというところで、アプローチしているところです。以上です。
○三浦委員長 ありがとうございます。小児の口腔機能の評価というのは、非常に難しい問題でして、小児歯科学会から力強い御支援も頂けるという、そういった提言もされているところでありますが、診断基準の統一化に向けて、そうしたら木本委員、この書きぶりで特に問題はないですか。
○木本委員 そうですね。表現の仕方としては、これで結構です。そちらのエビデンスの蓄積等、私どもが非常に取り組まなければいけないところも入っていますので、その辺のところでまたフォローさせていただければと思います。
○武井委員 高齢者の口腔機能を高める研究を行っている中で、やはり小児から口の機能を高めておくことが重要であるということを認識しています。検診で口腔機能の低下を説明することも大切だと思いますが、日常の中で、食育的なことで、保護者たちが子供の口腔機能の低下に気付けるような、エビデンスのある方法を見える化していただけることが、重要ではないかと考えます。
○木本委員 今作っている指標も、実は日本歯科医学会と協力して作っていますが、その中で他職種ですね。保育関係者、教育関係者、あとは保護者の視点という、視点を変えて気付き、誰が気付くのかというのは非常に大事なところで、子供の養育・生育に関わる職種の方々が気付く視点の、そこも少し、誰が気付くかというところも少し踏まえながら、視点を変えた書き方をしようとして、今作っていますので、もう少しお待ちください。
○三浦委員長 そういった食育の視点からも、生活の場の視点というのは非常に重要な御指摘かと思います。このところについて温泉川委員、何か御専門の見地からありますか。
○温泉川委員 私は産婦人科なのですが、妊娠中の歯科検診、これは補助券みたいなのがついていますので、そういうものを使って、また成人というか、そこが空白だというところがありますので、是非その辺りで、行っていただきたいと思っています。
○三浦委員長 貴重な御意見、ありがとうございました。そうしましたら、乳幼児及び学齢期についてはこれぐらいとし、次に成人期及び高齢期についても、御意見を是非頂きたいと思います。成人期・高齢期の口腔機能というと、赤川委員にコメントを求めたいと思うところなので、よろしくお願いします。
○赤川委員 前回言った意見がちゃんと入っておりまして、これで結構かと思うのですが、特に60代のところですけれども、国民健康・栄養調査の質問を使っていただいたら、より。というのは、この最初の質問だけだと非常に主観的なわけでして、もう少しこれがあったらいいのかなと思います。最後の行ですが、「補完的な使用を検討する必要がある」というのは、何か検討するだけで使ってもらえなさそうなので、「補完的に使用する」というぐらいに書いてもらえないかなと思いますが、いかがでしょうか。
○三浦委員長 ありがとうございました。書きぶり等は、また事務局と相談の上、調整したいと思います。貴重な御意見を頂きまして、ありがとうございます。そうしましたら、時間の関係もあって次に行きたいと思います。8、9ページにかけて、「定期的に歯科検診又は歯科医療を受けることが困難な者に対する歯科口腔保健」という項目があります。これは基本的事項の枠の中だけの項目設定ということになりますが、歯科口腔保健法の特色を表している目標値の1つというように、代表的な項目としてよく取り上げられるものです。
それで、9ページのウの今後の課題ですが、今まで頂いた御意見を基に書いてあるのですけれども、もう少しあってもいいのかなと個人的には思うところでして、委員の皆様方から御意見を頂ければ非常に有り難く思いますが、いかがでしょうか。ここの部分は前回の専門委員会で田中委員から、ここの部分は枠組みを整えて適切にアプローチすると、伸びしろがある項目ではないかという御意見も得ていたところです。この辺り、評価を担当していただいている武井委員、何かありますか。
○武井委員 具体的に書かれていると思います。前回も報告させて頂きましたが、都道府県又は市区町村の歯科医師会や歯科衛生士会への健診及び保健指導の依頼が増加しているので、それらの情報を少し入れる必要があると考えます。
また、ヒヤリ・ハットが多いことが報告されており、医療安全についても課題として上がっていたと記憶しています。さらに、訪問診療を行っている80%の施設が、今後も訪問診療をしていきたいということからその中で歯科検診を行うことが、歯科健診の実施率を高める大きな施策になると考えています。
○三浦委員長 具体的なコメントを頂きまして、ありがとうございます。私どもがやっていた調査においても、武井委員から御紹介があったとおりのところでして、訪問歯科診療の際に、やはりこういった歯科検診の機会をどのように作り出していくかが、非常に大きいところかなと思います。
○田中委員 そういう介護施設へのアプローチも大事だと思いますし、要介護者にどのように歯科検診を受けてもらうかということになると、やはり要介護というのはケアマネージャーがキーパーソンですので、その方たちの協力を得るというのが非常に大事だなと思うのです。
今はどのようにケアマネージャーの人たちが歯科検診に取り組んでいるかというのを、私はよく知らないのですが、そこが今はどうなっているかということと、今後、ケアマネージャーとか、そういう介護保険に携わっている方たちに、どのように協力を得ていくかということを、もう少し明確にできるといいかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○三浦委員長 貴重な御意見を頂きまして、ありがとうございます。ケアマネージャーに対するアプローチは、かねてから重要性が指摘されており、様々な報告書等で触れられているのですが、かなり地域によって差があるというところです。それで、全国的にしっかりと網羅的に調査したということではないのですが、ケアマネージャーを巻き込んだほうが効果があるという知見は報告されているところです。なので、そういった介護関係者へどのように働き掛けるかというのは、非常にこの部分の、いわゆる障害者、要介護高齢者等に対する歯科保健サービスの提供体制の整備というところにおいては、非常に大きなところかと思います。そのようなことも、やはり盛り込むべき必要があろうかと思いますので、対応したいなと考えます。ありがとうございました。
○赤川委員 ここの要介護者の実態把握というのは、後半の一番最後の部分にも盛んに書かれているにもかかわらず、これが50%で19%、この策定時の現状の数字がちょっと違っていると思うけれども、19.2ではないかなと思いますが、いずれにしてもここはすごく大事で、50%でも半分です。その中でたった19%しかやっていない、たった2割しか実態把握ができていないということで、いろいろな課題の解決があるのでしょうけれども、例えば非常に乱暴なお話をするかも分かりませんが、一番確実に増えそうなのは、例えばデイケアやデイサービス、あるいはショートステイの人たちの検診をすることだと思うのです。
ところが、これは恐らく介護保健法でそういうルールが決められていて、できないのでしょうけれども、これを何とか解釈とか、私はそこはよく分かりませんが、何とかしてそこを法に触れない程度の解釈をして、うまく何か実現ができたら、この数字は大幅に変わるような気がしますが、ちょっと乱暴ですかね。意見だけですが。
○三浦委員長 ありがとうございました。今般の基本的事項、基本的にデータとしては施設要介護者のデータなので、今頂いた御意見というのは多分、在宅にもそういったところの視点をしっかりと持って、まず把握をした上でアプローチすべきではないかという御意見だと理解しているところですが、在宅要介護の方々に対するアプローチというものも、やはり反映させる必要があろうかと思います。
○武井委員 先ほど強調しなかった部分ですが、三浦班の研究結果によりますと、訪問歯科診療を対象施設の80%が利用していると答えているので、もっと積極的に訪問した歯科医師、歯科衛生士が、定期的な歯科検診の必要性をアピールしていくことが重要ではないかと考えます。また、三浦班の報告書によりますと、施設の職員の皆さんは、口腔ケアの研修を希望しております。研修を利用して、定期的な歯科検診の必要性を啓発して実施率を高めることが大切であると考えます。
○三浦委員長 ありがとうございました。施設のほうは調査結果もある程度積み重なっているので、少しその先が見えてきたかなと。赤川委員から御指摘があったように、ショートステイとか、いわゆる在宅の要介護のところが、やはり残っているところなので、この辺りを今後対応する必要があろうかと思います。貴重な御意見を頂きまして、ありがとうございました。
そうしましたら、次に9ページの終わりから、歯科口腔保健を推進するために必要な社会環境の整備ですが、ここは先ほど重層的にかなり討議をしたところなので、あっさりめで行きたいと思いますが、何かお気付きの点がありましたら、お示しをしていただければと思います。10~11ページの所ですかね。ここに関しては先ほど濃密に議論していただいたとおり、目標値を上方修正する可能性が高いというところですので、そのことを踏まえて見ていただければと思いますが、大体頂いた意見を網羅的に入れていただいていると理解しているところですが、不足等がありましたらコメントを頂ければ幸いですが、よろしいでしょうか。
○山下委員 都道府県の比較が、どうしてもう蝕に偏っているような気がするのですが、先ほどから出ている歯周疾患検診、あるいは後期高齢者歯科検診ですかね。その実施状況とか、受診率等の都道府県での比較といったものも、今後はやはり見ていかないといけないのではないかなという。要するに歯周病に関する比較というか、そういったものがちょっと抜けているような気がします。
○三浦委員長 ありがとうございました。可能な限り取り込んで、修正したいと思います。4は先ほど議論したとおりで、5の「おわりに」という所の総括的な記述の部分に議論を進めていきたいと思います。まさしく今日の議論の中でも、今後に向けてのコメント、御提言等を頂いているところですが、最終評価等に向けた取組として、事務局案を5つの領域に分けて、提案をしていただいているところです。その記載内容について、お気付きの点等、既に一部頂いているところがありますが、そのほかの部分でお気付きの点等がありましたら、コメント等を頂ければと思います。いかがでしょうか。
そうしましたら、座長からで恐縮なのですが、何らかの形で是非反映していってほしいと思っている事柄があります。今後の歯科口腔保健の推進のためには、自治体の方々による歯科保健事業というのは必須の要件でして、ここと関連している案件で、実は都道府県及び市町村における歯科保健業務指針というのがあります。これは、まさしく自治体で歯科を担当している方々の、業務のガイドラインです。平成9年に発出されていたところなのですが、その後、一度も改正をしていません。したがいまして、歯科口腔保健法の内容を反映されていないまま、業務指針がそのままあるというところで、これを実態に合わせて改正することは、自治体における歯科口腔保健の取組を強化することにもつながります。是非この案件について、何らかの形で盛り込む、あるいは対応していただけると、歯科口腔保健の推進が更に一層進むのではないかと思っています。この辺り、大津委員は何かありますか。
○大津委員 今後、地方自治体とかいろいろな機会で、歯科検診を行う必要があるのですが例えば産業保健の分野は、なかなか我々は入っていけないところです。でも、これからは産業保健の分野が大変重要になってくると思います。歯周疾患もかなり増えているというデータも出ていますので、そういったところも何らか取り組んでいかないといけないのではないかと思います。それから、自治体における指針ですが、行政に関わる者の集まりの中でも、まだ平成9年から変わっていなかったのかという意見も聞いておりますので、そこのところもやはりお願いしたいと思っています。以上です。
○三浦委員長 ありがとうございました。そうしましたら、こちらのほうを対応することによって、環境整備にもつながるというところで、それで書き込む形でよろしいでしょうか。書き込む、ないしは実際に対応していただくとか、そういう形でよろしいでしょうか。ありがとうございます。
あとは、11~12ページ目の5項目の部分、あるいは最後の「おわりに」の前文というか総括文ですね。ここについて御指摘いただけますと、大変有り難いと思いますが、いかがでしょうか。一応、一番最後の行、ちょうど「口腔の健康保持・増進に関する健康格差の縮小」の所ですね。これは、これまでもこの専門委員会で議論していく中での大目標なのですが、この大目標をダイレクトに評価する評価指標というのは、この基本的事項の最初のタームでは置けなかったところです。置きたかったけれども、置けなかった。それは健康寿命のように、総合的な評価指標が、歯科の場合はなかなかなかったというのが大きいところですが、そのことを踏まえまして、12ページ目の最初の所、「健康格差の具体的な評価指標や評価手法について、やはり学術的なところから更に進めていかなければいけない」というような記述を記載しているところです。
あとは、歯周病ですね。いろいろ話題が出てきた有病状況や、これまでも頂いた具体的な健康行動ですね。どういった健康行動をすると、どれぐらい疾病改善の効果があるかとか、そういったエビデンスもできる限り集積したいという事柄を踏まえての記載と理解しています。この辺りも含めて、御意見を頂ければと思います。あと、それぞれの専門分野のところでお気付きの点がありましたら、11~12ページの所の御意見を頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。武井委員、よろしくお願いします。
○武井委員 歯周病の予防が、全身の健康に貢献しているというエビデンスが出てきていますね。例えば糖尿病等、その辺のことをもう少し書く必要があるのではないかと思います。
○三浦委員長 ありがとうございます。この辺りが、先ほどコモンリスクアプローチのところをここら辺に置いたらいいのではないかという話もあった上で、うまくつなげて書けるかなと思います。御意見を頂きまして、ありがとうございました。そのほか、お気付きの点等はありませんか。
○高野委員 少し離れるかもしれませんが、歯科においてがんの周術期に対する対応とか、認知症に対する対応などをしているので、その辺の評価項目に入っていないかもしれませんが、そういうものを含めた対応というのが、進んできているということを含めていただければと思います。
○三浦委員長 御意見を頂きまして、ありがとうございます。ほかに何かありますか。まだまだ御意見はあろうかと思いますが、時間の関係があります。それでは、この辺りで本日の議論を終了させていただきます。活発な御議論を頂きまして、ありがとうございました。最後に今後のスケジュールなどについて、事務局からお願いします。
○岩田歯科医療専門官 本日はありがとうございました。次回の専門委員会の日程ですが、年明け頃を想定しておりまして、詳細な日時、場所については追って御連絡いたします。また、今御議論いただきました資料4の中間報告書(案)につきましては、年度末に取りまとめることを予定していますが、今日から1か月以内をめどに、引き続き事務局まで御意見を頂ければと存じております。御意見の提出方法につきましては、こちらからまたメールで御連絡いたしますので、よろしくお願いします。
○三浦委員長 では、本日はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
厚生労働省
医政局歯科保健課歯科口腔保健推進室
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