ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会)> 第20回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録(2017年6月29日)




2017年6月29日 第20回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録

政策統括官付参事官付国際分類情報管理室

○日時

平成29年6月29日(木)14:00~16:00


○場所

厚生労働省 共用第7会議室(6階)


○出席者

明石定子委員、安西尚彦委員、池田仁惠委員、今井健委員、井本滋委員、大西健児委員、
岡本真一郎委員、柏井聡委員、加藤真介委員、門脇孝委員、木下博之委員、桑原聡委員、
柴原孝彦委員、滝澤始委員、東條美奈子委員、冨永悌二委員、中島亜矢子委員、
中原慎二委員、中谷純委員、名越澄子委員、冨士幸蔵委員、松本万夫委員、宮園弥生委員、
矢久保修嗣委員、鷲見幸彦委員  <五十音順>

○議題

1. 委員長の選出について
2. ICD-11改訂に関するWHOの動向について
3. ICD-11に対する日本からの意見について
4. ICD-10(2013年版)提要の修正について
5. 死因選択検討ワーキンググループについて
6. その他

○議事

  事務局

定刻になりましたので、これより第20回社会保障審議会統計分科会疾病傷害及び死因分類専門委員会を開催いたします。委員の先生方におかれましてはお忙しいところご出席賜りまして誠にありがとうございます。わたくし本日進行役を務めさせていただきます政策統括官付国際分類情報管理室国際統計調整官の高橋と申します。どうぞ宜しくお願い致します。

はじめにお手元の資料の確認をさせていただきます。最初に議事次第がございまして、次に配布資料になります。

資料1: ICD-11改訂の動向

資料2-1: 各学会からのICD-11に対する意見概要

資料2-2: ICD-11開発にかかるWHOからの加盟国への意見募集に対する回答骨子案

資料3: 今後のICD-11に対するWHOへの意見提出について

資料4: ICD-102013年版)提要の改正案

資料5: 死因選択検討ワーキンググループについて

資料6-1: ICD-10対応標準病名マスターについて

資料6-2: 標準病名マスター更新時のICD-10コードの検討について

参考資料1-1: ICD-11開発にかかるWHOからの加盟国への意見募集について

参考資料1-2: 意見照会先リスト

参考資料2: ICD-O3 3.1について

机上配布資料1: 社会保障審議会運営規則

机上配布資料2: 疾病傷害及び死因分類にかかる委員会の設置について

机上配布資料3: 社会保障審議会統計分科会疾病傷害及び死因分類にかかる 委員会運営要綱

机上配布資料4: 世界保健機関国際統計分類WHOWHO-FIC概念図

机上配布資料5: 我が国におけるICD検討体制

机上配布資料6: 疾病傷害及び死因に関する分類にかかる部会審議の際に出された 意見に基づく報告

最後に資料番号はございませんが疾病傷害及び死因の統計分類提要1巻から3巻まで。こちらは、各机に1セット準備しております。こちら備品ですので会議終了後は机上に残しておいていただくようお願いいたします。資料の確認は以上でございますが、お手元の資料について過不足等ございましたらお知らせください。

では、本日の委員会、本年2月27日第6期の委員の方が任命されて最初の委員会になりますので、委員の皆様方、恐縮ですけれども一言ご挨拶を頂ければ有難く思います。

 

  明石委員

外科学会の代表で参加させていただいております。どうぞ宜しくお願い致します。

 

  安西委員

千葉大学の安西でございます。薬理学会を代表して参加させていただいております。宜しくお願い致します。

 

  池田委員

東海大学産婦人科の池田でございます。不慣れでございますがどうぞ宜しくご教示の程お願い致します。

 

  今井委員

東京大学の今井と申します。医療情報学会から参りました宜しくお願い致します。

 

  井本委員

杏林大学乳腺外科井本と申します。癌治療学会から参りました宜しくお願い致します。

 

  大西委員

荏原病院の大西と申します。日本感染症学会から参りました宜しくお願いします。

 

  岡本委員

慶應義塾大学の岡本です。日本血液学会から参りました宜しくお願いします。

 

  柏井委員

愛知淑徳大学の視覚科学の柏井と申します。日本眼科学会から参りました。

 

  加藤委員

徳島大学病院の加藤でございます。整形外科学会から参っております。

 

  門脇委員

東京大学の門脇です。日本内科学会から参っております。

 

  木下委員

香川大学の木下でございます。法医学会から参りました宜しくお願いします。

 

  桑原委員

千葉大学桑原でございます。神経学会から参りました。宜しくお願いします。

 

  柴原委員

東京歯科大学から参りました柴原です。歯科医学会と口腔科学会両方から来ました。

 

  滝澤委員

杏林大学の呼吸器内科滝澤です。呼吸器学会で参りました宜しくお願いします。

 

  東條委員

北里大学の東條と申します。日本循環器学会から来ました宜しくお願い致します。

 

  冨永委員

東北大学の冨永でございます。日本脳神経外科学会より参りましたどうぞ宜しくお願い致します。

 

  中島委員

東京女子医科大学付属膠原病リウマチ痛風センターから参りました。日本リウマチ学会の代表としてきました。どうぞ宜しくお願い致します。

 

  中原委員

帝京大学の中原でございます。日本救急医学会の代表として参りました宜しくお願いします。

 

  中谷委員

社会医療法人愛心館の中谷と申します。WHOFICICT議長をしております。

 

  名越委員

埼玉医大総合医療センターから参りました名越と申します。日本消化器病学会から参りました。宜しくお願い致します。

 

  冨士委員

昭和大学の冨士と申します。泌尿器科学会から参りました。

 

  松本委員

埼玉医大の国際医療センター心臓内科です。日本診療情報管理学会の代表としてまいりました宜しくお願い致します。

 

  宮園委員

筑波大学小児科の宮園です。日本周産期新生児医学会から参りました宜しくお願い致します。

 

  矢久保委員

明治薬科大学の矢久保でございます。日本東洋医学会を代表してやって参りました宜しくお願いします。

 

  鷲見委員

長寿医療研究センターの鷲見です。日本老年医学界を代表して来ました宜しくお願いします。

 

  事務局

ありがとうございました。本日のご欠席は、石井委員、井関委員、宇於崎委員、神庭委員、小崎委員、小林委員、鈴木委員、土屋委員、戸倉委員、本多委員、松原委員、森内委員の12名でございます。それから、本日、明石委員と鷲見委員は所用の為15時頃退席予定と伺っております。なお、出席委員が三分の一を超えておりますので会議は成立しておりますことをご報告申し上げます。

それでは、議事に先立ちまして中井参事官よりご挨拶申し上げます。

 

  中井参事官

統計・情報政策担当の政策統括官付の参事官をしております中井と申します。委員の皆様方におかれましては、大変ご多忙のところ本専門委員会にご出席を賜りまして誠にありがとうございます。平成18年に社会保障審議会統計分科会の中の専門委員会として本委員会が発足して約10年となります。このたび、第6期目がスタートすることになったわけでございます。多くの委員の皆様方におかれましては、引き続きこの委員をお願い頂けるとともに、今回14名の委員に新たにご就任頂いているところでございます。ご就任頂きまして重ねてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。

さて、本委員会はICDに関する普及や改善などの業務について、ICD専門委員としての専門的な立場でのご協力を頂くこととなっております。現在ICD-10は、1990年の採択から四半世紀が経過しており、WHOではICD-10改正作業と並行してICD-11への改訂作業も進めているところでございます。皆様方ご承知の通り、昨年10月には我が国が事務局となりまして、ICD-11改訂会議を東京で開催し、各国の指導的立場にある専門家の方々による実りある議論が交わされたところでございます。このICD-11の改訂についても、厚生労働省は委員の皆様方のご協力を頂きながら、日本WHO国際統計分類協力センターの一つとして改訂プロセスに貢献しております。この点につきましてもあらためてお礼申し上げます。

また、直近のICD-10改正版である2013年版については平成28年、昨年の1月からの施行により、本年の1月より人口動態調査を皮切りに順次患者調査など政府統計に使用されていくこともこの場を借りてあらためてご報告させていただきます。

最後に、委員の皆様方におかれましては、本日の専門委員会において専門的見地から忌憚ないご意見を賜りますとともに、今後ともご協力ご尽力を賜りますよう何卒お願い申し上げて私からの挨拶とさせていただきます。本日はどうぞ宜しくお願い致します。

 

  事務局

円滑な議事の進行のため、写真撮影等はここまでとさせていただきますのでご協力の程宜しくお願い致します。

では、議事に入ります前に事務局より委員会運営について説明させていただきます。本委員会の運営については社会保障審議会の運営に準ずること。会議は原則公開であること。議事録も原則公開されることとなっております。

では、議事に入らせていただきます。委員長が選任されるまでの間、事務局にて議事を進めさせていただきます。

まず、議題1の本委員会の委員長の選任を行いたいと存じます。委員長は委員のご選任により選任することとなっておりますので、委員の中からご推薦を頂きたいと思いますが、各委員の先生方いかがでしょうか。

 

  名越委員

よろしいでしょうか。

 

  事務局

名越委員お願い致します。

 

  名越委員

この委員会は、やはりICDの改正、そしてまたICD-10の改正とICD-11の改訂に関しまして非常に深く関わっておりますけれども、これまで各学会のご協力の下にICD-11の改訂作業が進められてまいりました。中でも内科学はチェアーがずっと日本人でありましたし、それに日本内科学会の総会の集会の時に、内科のTAGの対面会議も行われたというように今まで非常に大きく貢献していただいております。そして、また今後も内科学が広い領域をカバーしておりますので、是非内科学会に益々けん引していただきたいと考えております。従いまして、私は内科学会の現理事長でいらっしゃいます東京大学の門脇孝先生を推薦させていただきたいと思います。宜しくお願い致します。

 

  事務局

今、名越委員より門脇委員推薦のご発言がございましたけれどもいかがでしょうか。

では、本委員会の委員長は門脇委員にお願い致したく存じますので門脇委員はお席の移動をお願い致します。

 では、続いて委員長代理の選出にあたりましては、委員長の指名によるものといたしまして一任頂きたいと思いますがよろしいでしょうか。

 はい、ありがとうございます。それでは、委員長代理につきましては後日ご報告したいと思います。

では、門脇委員長、以後の議事進行宜しくお願い致します。

 

  門脇委員長

それでは、本委員会のミッションが順調に達成されますよう委員の先生方にはご協力方どうぞ宜しくお願い致します。

それでは、お手元の議事次第にしたがって、議事の2、ICD-11の改訂に関するWHOの動向について事務局からご説明をお願い致します。

 

  事務局

はい、はじめに資料1をご覧ください。

ICD-11 改訂に関するWHOの動向としまして簡単にご説明いたします。ICDとはご承知の通り、WHOの勧告により国際的に統一した基準で定められた国際疾病分類になります。現行ではICD-10が使用されておりますが、並行してICD-11の改訂作業が進んでまいりました。資料を一枚めくっていただきまして、スライド番号2をご覧ください。ICD-11開発の当初の目的としまして、まずは30年ぶりの改訂となります。従いまして、最新の医学、公衆衛生の分野における知見を導入するとのことで多くの専門家が検討に携わってこられました。本日いらっしゃる先生方、学会の皆様には多大なご協力を頂きましたことに、あらためて感謝いたしたいと思います。また、従来の疾病、死亡の統計だけではなくて、プライマリケアや臨床、研究など幅広い活用を想定した分類を目指しております。その他、伝統医学の章の導入や、分類のための病名コードだけではなく、疾病概念を含めた情報体系、電子環境での活用を前提としたシステムを目指しております。スライド番号3をご覧ください。改訂スケジュールとしましては、2007年に改定作業の開始を発表致しました。その後、多くの専門家にご参加いただき開発が進んでまいりましたが、昨年2016年、WHO執行理事会総会に状況を報告し、10月に東京でICD-11改訂会議が開催されました。ここで加盟国レビュー用の版が公表されております。これを受けまして、WHOから加盟国への意見募集がなされ、国内では各学会からもご意見をいただくとともに、今後フィールドテストによる検証を行い、2018年の公表を目指しております。具体的な内容につきまして、ページをめくっていただきまして、スライド番号4と5にICD-10と比べた章の構成を示しております。新たな章としましては、第4章の免疫機構、第7章睡眠・覚醒障害、第17章性保健健康関連の病態、第X章としましてエクステンションコード、第27章生活機能パターンに関する補助セクション、第28章に伝統医学の病態、モジュール1というものが追加されております。スライド番号5の※印にありますけれども、全体の構成としましては、これまで長年構成されてきた基本的な形を維持ということで、第1~4章、そして1822章といったものについては、公衆衛生上まとめることが適当な病態として、スペシャルグループの章と名付けております。その他の章、部位別の疾患につきましてはボディシステムの章とされまして、病態の位置づけは一般的には前者、スペシャルグループが優先されるということがレファレンスガイドに記載をされております。コード数は約14,000から約15,000に増えると見込まれております。続きましてスライド番号6になりますが、ICD-11改訂に向けたWHOの検討組織として、昨年10月までは専門分野ごとのトピックアドバイザリーグループ、TAGという委員会を中心とした検討組織があり、内科をはじめ日本からも議長、メンバーとして数多くご参画いただいておりました。スライド番号7になりますけれども、昨年10月のICD-11改訂会議でも公表がありましたが、WHOによって組織改正が発表され、医学・科学諮問委員会MSAC、また、分類・統計諮問委員会CSACなどによる体制となる事が発表されました。これらの各委員会の運営につきましては、メンバーを含め検討中となっておりますが、MSACの議長には日本から元内科TAG議長の田嶼尚子先生が就任をされております。

続きまして、ICD-11における議論の最近の動向について、いくつかご紹介をしたいと思います。一つ目、脳血管疾患についてのご紹介です。ICD-10及び昨年10月に公表されたICD-11ベータ版では、循環器の疾患の章に分類をされておりましたが、その後動きがありまして、今年の4月2日版が公表され、神経系の章に移動しております。

続きまして、認知症に関しての動きです。ICD-10では認知症の詳細不明や、血管性認知症というものは精神の章、そしてパーキンソン病などの原疾患がわかっているものについては、一義的に神経系の疾患の章にコードし、認知症のコードは二次的なコードとされておりました。このようなダガー・アスタリスクというようなルールで運用がされておりました。ICD-11の案に関しましては、当初は血管性認知症を神経の章に移動して、認知症の詳細不明については精神の章に残す方向での提案がなされておりましたが、その後、昨年10月版では神経の章にまとまる案が提示されました。さらに今年の4月にかけて、精神の章にまとめた上で、パーキンソン病等の原疾患があるものについては、神経の章もコードすることという指示が明示された案となっております。この複数のコードの使用に関しましては、認知症に限らず関わるところもあるかと思いますので説明をしたいと思います。これは、4月2日版のレファレンス・ガイドの案に記載されているものを仮訳しておりますので、少々わかりにくい表現になっておりますけれども、Code alsoUse additional code,if desiredというような2つのルールが示されております。Code alsoにつきましては、まず一定のカテゴリーについて一緒にコードされなければならない義務的な追加的な情報を示しているとしております。追加的な情報、コードについては第一次製表、ここでは疾病分類とか死因分類とかそういったものを想定していると思いますけれども、そのようなものに関係するために追加的に情報をコードしなさいとの指示になっております。2つ目のUse additional code,if desiredについては、特定の診断ために追加することが出来る任意的な追加的詳細を表すと示されております。例になりますが、下にDimentia due to Huntington diseaseとありますけれども、Code alsoという指示がありまして、まずDementia syndromeの方から一つコードを選ぶということとHuntington disease神経系のコードになりますけれども、これを追加してくださいとの指示があります。一方で、Huntington diseaseを見ますと、Use additional code,if desiredというような指示がありまして、これは任意的なコード追加ということで、精神のコードDimentia due to Huntington diseaseというものが示されております。

次のページから、認知症関係の動きは疾患ごとに追わないと難しいところがあるので、参考として挙げております。見方としましては、疾病ごとにICD-10、昨年の10月版、今年の4月版、そして最新版であって随時更新されているWEB上で確認されたコードを示しております。例えば、アルツハイマー病に関しましては、ICD-10では神経のコードが付されておりました。10月版でも神経のコード、そして4月版では精神のコードに変わって、最新版では神経のコードという風に変遷をたどっております。一方、アルツハイマー型認知症に関しましては、ICD-10では神経のコードと精神のコード、2つ付いたうえで、先ほど申し上げましたダガー・アスタリスクのルールで紐付けられておりました。10月版の案では神経のコード、4月版では精神のコード、そして最新版では精神のコードとなっております。そのほか、レヴィ小体、パーキンソン病、パーキンソン病による認知症ハンチントン病、ハンチントン病による認知症と血管性認知症、認知症、認知症症候群を挙げております。先ほどのアルツハイマー病と対照的な動きとしましては、やはり原疾患がわかっているものとしてパーキンソン病、こちらに関しましては、パーキンソン病に関しては神経のコードが付くということになっていますけれども、パーキンソン病による認知症に関しましては、最新版では精神のコードが付いたうえで神経のコードを付けるというような指示がなされております。このほかのコードの動きのご紹介ですけれども、6ページ、その他としまして、例えば大腸癌、骨肉腫、こちらに関してはICD-10も今の現在版も癌のコードが付くというような状況でございます。糖尿病性腎症に関しては、最新版を見ていただきますと、腎疾患のコードが付き、糖尿病については任意に付加するコードということが指示されております。一方で腎合併症に伴う糖尿病に関しましては、最新版では内分泌のコードが付きますが、慢性合併症については任意に付加するコードとなっております。続きまして、7ページの急性心筋梗塞では、ICD-10でも最新版でも循環器のコードが付きますが、急性心筋梗塞にSTnon-STの細分が追加されております。心不全に関しましては、最新版で循環のコードが付いておりますが、エクステンションコードに急性・慢性というようなコードがあります。ただ、急性・慢性の別を付加する指示というのは現時点では付いていないという状況でございます。脳梗塞に関しましては、先ほど申し上げましたように、循環器の章から神経の章に移動されております。消化器関係では、肝硬変に関しては消化器のコード、肝硬変のコードを付けた上で一定の肝疾患からもう一つのコードを適宜選択との指示があります。胃潰瘍に関しましては、消化器のコードを付けた上で、解剖学的部位や急性・慢性の別は、任意に付加するコードとされております。SLEに関しましては、ICD-10では筋骨格系、軟部組織の章に位置付けられておりましたが、今回新しく設けられました免疫疾患の章に移動となっております。資料1の説明については以上になります。

 

  門脇委員長

はい、ありがとうございました。以上の説明に関しましてご質問等はございますでしょうか。今回脳血管疾患あるいは認知症等で大きな変化があったということをご説明いただきました。また、追加的な情報の中にも義務的なものがあり、また任意的なものがあるというご説明もいただいたかと思います。先生方のそれぞれの学会にも関連が深いと思いますがいかがでしょう。

それでは、今の資料についての後程またご質問等もする機会も設けたいと思いますので、とりあえず議事の3に移りたいと思います。ICD-11に対する日本からの意見について事務局から説明をお願い致します。

 

  事務局

では資料2-1そして資料2-2と併せて参考資料の1-1、1-2をご覧ください。

まず参考資料1-1の説明になりますけれども、WHOの方から加盟国への意見募集がなされたことを受けまして、厚労省よりこの2月、関係団体に意見照会をしております。意見紹介先を参考資料1-2、ご意見を頂きました組織に下線をしておりまして、本日までに20を超える組織からご意見を頂きました。印刷の関係で資料に反映できておりませんけれども、日本精神神経学会からも提出がありましたので下線を追加いただければと思います。具体的なご意見につきまして、概要として資料2-1にまとめております。まず、1に全体にかかる内容、2に個別の章にかかる内容をまとめております。個別に関しましては章ごとに様々な具体的なご意見を頂いております。印刷の関係でこれも資料に反映できておりませんけれども、日本精神神経学会からは、Gaming disorderにつきましては、既存の医学的遺伝子に基づいて新たに盛り込まれた疾患単位ということで、現行のICD-11案に入っておりますが、今後も診断や治療の拡充が必要ということで、引き続き盛り込んでいただきたい、また Description の内容については更なる検討が必要とのご意見を頂きましたので、追加してご紹介しておきます。これらの会から頂いたご意見を踏まえまして、日本からの意見提出の回答案、骨子案ということで、たたき台を資料2-2の方にお示ししております。WHOから参考資料1-1にありますように、ICD-11の進展、適用に当たってのニーズ、優先されるデータについて意見を求められることから、そのような観点でまとめております。

簡単にかいつまんで説明をしたいと思いますが、一つ目、優先されるデータとしまして、日本をはじめ、世界的に高齢化の進展により生活習慣病や認知症対策などが政策課題となっており、さらに慢性的な病態を抱えながら生活することがより一般的となっている中、こうした複合的な病態のモニタリングを可能とする分類体系が望まれると考えます。

2つ目、データの新たなオプション、情報の幅及び深さの改善としまして、(1)ICDに対しては、統計的利用に限らず様々な環境や場でニーズへ応えていくことを期待したいと考えております。二つ目、柔軟なコーディングへの期待と留意点としまして、複合的な疾患への対応が必要となる事から、エクステンションコードやクラスタリング等のコードの組み合わせにより柔軟なコーディングが可能となり、より詳細で多様な病態を把握することが期待できることについて評価をしたいと考えております。一方でこれらの使用方法が明確に示されておらず、具体的な説明及び周知が必要と考えております。例えば、糖尿病による合併症、とくに慢性合併症のコーディングとして合併症をポスト・コーディネイトすることとなりますが、いずれのコードを使用するかについてどのように共通認識を持つか。新生物のコーディングにつきましては、従来コーダーは索引の指示に従って適切なコードを選択しておりましたが、電子的な環境で検索システムによるコーディングに変更することとなり、その有効性について検証が必要ではないか。また、医学的観点からも悪性上皮内、良性いずれの可能性もある腫瘍が特定の正常に位置づけられている等の懸念のある個所も見受けられ、例えばですけれども、膵管内乳頭粘液性腫瘍、またインスリノーマ等の内分泌腫瘍が挙げられております。全体としましてフィールドトライアルで十分な検証が必要ではないか、またエクステンションコードのコードがランダムで分かりにくいといったようなご意見もいただいております。新たに、第27章生活機能パターンに関する章が設けられましたが、実際の使用にあたりましてはまだ課題が大きいと考えられるため、今後議論が深まることを期待しています。また、伝統医学の章が設けられたことに関しまして、我が国では西洋医学と共に漢方医学が使用されており、こうした新しい章が設けられたことを評価したいと考えております。伝統医学におけるデータ収集、研究が進むことに加え、他章とのコードの組み合わせにより西洋医学、伝統医学の連携が可能となる事を期待しています。WHOへの要望としましては、ポスト・コーディネーション等のコードの組み合わせや表記方法について標準的な使用方法や周知、エクステンションコードの整理や多様なシステムとの連携に対する支援を挙げております。

3つ目の章のアップデートとしまして、まず総論的な課題としましては、ICD-11案については医学の進歩や知見の集積を踏まえて、より詳細な情報が分類に盛り込まれていることを評価しますが、分類全体を通じて課題の残るところが散見されているため、引き続き改善が望まれると考えております。例えば、表記の統一や誤字脱字の精査、また一般的な医学用語の使用、地域性や人種を踏まえた分類の改善、遺伝子診断等、知見の集積により従来の分類の整理では難しくなる点については、分類体系の更なる改善が望まれると考えております。

また、個別の課題としましては、まず一つ目、認知症の位置付けにつきましては、国際的にも懸案となって議論が重ねられてきております。病因に関する医学的な知見の集積を踏まえながら、臨床の実際にも配慮したような分類となる事を期待しております。照会対象となりました昨年10月の時点から複数回変更が加えられているとことから、個別の具体的な課題についてはWHOのプラットホーム上に意見を提出することとしたいと考えております。また、この他にも多くの個別の課題が見つかってきております。説得力ある意見を提出するためには、専門的な知見が必要な内容も多く、これらについては、別途学会から直接WHOへ提出することとしたいと考えております。

3つ目にスペシャリティの作成について挙げております。特定の疾患につきましては、多様な側面を持つために分類の中で複数の箇所に位置付けられるよう、ダブルペアレンティングの考え方が導入されたことは評価できると考えております。しかし、その考え方が十分周知されておらず、混乱を招いている場面も見受けられます。今回ICD-11MMS、死因疾病統計による分類については、統計を主眼とした分類体系となっているため、臨床的視点からの要望にそぐわない箇所も見受けられます。各国や各専門分野、プライマリケア等の用途別のニーズに十分に応えるために、ナショナルまたはスペシャリティ・リニアライゼーションの作成が必要となると考えております。既に特定の分野からも要望が出てきておりますが、スペシャリティ・リニアライゼーションの作成や維持管理にあたってのルールについて明らかではないため、適切な説明を希望したいと考えております。WHOの要望としましては、ダブルペレンティング等の新たな考え方についてよりわかりやすく説明を行うこと。用途別のニーズに応えるため、ナショナル/スペシャリティ・リニアライゼーションの定義や方針を明確にすること。上記に示した課題を踏まえ、適切な分類となるよう改めて分類を見直すこと。必要な場合は用語の選択等について十分な説明を行うことを挙げております。

四つ目に多言語性についてですが、より多くの国で活用できることから評価が出来ますが、一方で、随時改訂される場合は使用国における翻訳の負担についてどのように対応するか検討が必要と考えております。WHOへの要望としましては、ICD-11の改正頻度を検討する際、翻訳負担に十分配慮すること。今後、自動翻訳機能や翻訳サポート機能の充実について検討することを挙げております。

五つ目に、国内適用におけるWHOの支援です。分類に対する共通理解の醸成としまして、ICD-11が国際比較可能で、システム間での相互運用可能な分類として関係者が使用していくためには、分類に対する共通認識を図る必要があると考えております。しかし一方でこれまで関係者への説明が不十分と感じられる面もありまして、現在の分類の理解が困難な点もあります。今後は共通認識が醸成されるようWHOに対して関係者への説明に力を注ぐことを期待したいと考えております。二つ目に政治的リーダーシップの必要性としまして、世界各国の公衆衛生、保健医療システムの情報基盤として最大限に生かすために政策的なリーダーシップが必要となり、そのためにはICD-11の新たな機能やICD-10からの主な変更点、データの連続性に関する分析資料など、関係者への説明資料の作成やWHOに説明の機会が有用と考えております。WHOへの要望としましては、必要な資料のセットや説明資料を作成し、説明の場を設けるなど国内適用にあたってのサポートを挙げております。資料2の説明については以上になります。

 

  門脇委員長

はい、ありがとうございました。これまでの説明についてご質問等はございますでしょうか。資料2-1は各学会からのICD-11に対する意見の概要をまとめたものでありまして、資料2-2はそれを踏まえた上でICD-11開発にかかるWHOからの加盟国への意見募集に対する回答で、厚生労働省の事務局からWHOに提出するという運びになるものであります。

 

  中原委員

帝京大学の中原です。非常に基本的なことを伺いたいのですけども、資料2-1の内容が各学会から出てきた意見でこれがまとめられて資料2-2のような形になってWHOに送られるという理解でよろしいでしょうか。

 

  事務局

はい、そのような理解です。

 

  中原委員

そうするとですね、説明の中にも少しあったのですが、専門的な内容については各学会から直接WHOにというそういうことになるでしょうか。

 

  事務局

そのような方向で、今回提案させていただければと考えております。

 

  門脇委員長

この点につきましては、次にご説明いただく資料3の1ページ目をご説明いただいた方がわかりやすいかと。

 

  事務局

先に資料3の方ご説明いたしましょうか。

 

  門脇委員長

宜しくお願い致します。

 

  事務局

それではすみません、資料3の説明をいたします。現在ICD-11の意見提出については、WHOの改正提案プラットフォームというものが設けられております。ICD-11に対する意見提出の説明の前に、2ページ目をご覧ください。ICD-10でどのようにしていたかをまずご説明したいと思います。これまでICD-10に関しましては、既に出来上がっているICD-10のアップデート、改正に対して意見を出すということで、まず各学会から厚生労働省ICD室に改正意見の募集をしておりました。その募集の基準、考え方としましては、医学医療の進歩に伴って現在の分類が学術的な合意と食い違っているもの、根拠が明確であること。また、発展途上国も含め世界的な対応が必要となるもの。そして、その分野を専門とする学会の総意が得られているもの。このような考え方で意見を募集しました。いただいた意見については、このICD専門委員会で審議をしまして、学会と相談をしながら、特段の国内調整を必要とせず、国際的な議論にも十分耐えられるエビデンスが準備でき、WHO内での合意形成が見込まれるものを選定しまして、ICD専門委員会として合意が得られたものを厚生労働省または日本のWHO-FIC協力センターとしまして、改正意見をWHOの改正改定委員会URCに提出するというような枠組みがありました。また各国からも様々な意見がURCに提出されてきますが、これらのURCに提出された改正提案に関して日本としてどのように対応するかにつきましては、二つ目になりますが、専門的見地から意見を要するものを一覧にまとめて、ICD室から専門委員へ各個別に可否について意見照会をしております。先生方のご意見を踏まえまして、WHO-FIC協力センターとして投票を、またはURCの議論に参加をしてきたというような経緯があります。

資料3の1ページ目に戻っていただきます。今回ICD-11に関しましては、ICD-10の枠組みとは異なりまして、このようなURCという枠組みがなく、現在WHOICD-11の開発が同時進行で進みつつ、改正提案プラットフォームで随時意見が提出できるような状況となっております。従いまして、今回、厚生労働省ICD室で意見を取りまとめましたものについては、WHOへ資料2-2の内容を提出をしたいと考えております。また並行して、個別の具体的なご意見、資料2-1の方になりますが、専門的な知見が多く関わってくるとのことで、1の流れになりますけれども、学会等から改正提案プラットフォームにご提出を頂けないかというのが今回の事務局からの提案ということになります。

 

  門脇委員長

はい、中原委員宜しいでしょうか。

 

  中原委員

今までもいくつか個別の非常に細かい点で意見を救急医学会から出してきているのですけども、どうもどこかで消えてなくなるというか、いつもなしのつぶてであったので一体どういう風にしたら良いものだろうというのが我々の疑問でしたので、今回もいくつか細かい点で意見を出させていただいたのですけども、直接出した方が確実ということであれば今後は会員からの意見集約についても直接WHOの方へ出すという風にしたいと思います。

 

  門脇委員長

事務局にお伺いしたいのですけども、先ほどの資料3の1ページ目にありますように、直接学会から出すルートとそして厚生労働省の事務局からWHOへ出すものと両方行うのが良いという考えでよろしいでしょうか。

 

  事務局

個別の件につきましては、基本はダブルではなくて学会から出して頂くという考え方になります。

 

  門脇委員長

わかりました。個別には学会から出して、厚生労働省の事務局としては色々な学会から出されたものを少しコンセプトとしてまとめてそれを提出するというそういう意味ですね。

 

  事務局

そうですね、厚生労働省から出すものとしましては、資料2-2の内容で考えております。

 

  門脇委員長

はい、だいぶクリアになってきたと思いますが宜しいでしょうか。他にいかがでしょう。

 

  加藤委員

よろしいですか。WHOに提出した際に向こうから何かレスポンスは返ってくるのでしょうか。過去に一度出したことがあるのですけども、無のつぶてだったんですけども、今まで厚生労働省の方から出した場合には、きちんとした返事が返ってきているのでしょうか。

 

  事務局

は厚生労働省が提出したというものではないですが、学会から出したものについて、ものによっては返ってくるものもありましたし、返ってこないのは、おそらくまだ検討中という状況ではないかと思われます。プラットフォームに入ったものは、すべて公開されて記録をされており、WHOの審議組織の中でそれを振い分けしたり検討したりというようなフローに入っていきます。ただ、世界中から多くの意見が提出されているので、迅速にレスポンスされていないというのは我々も重々承知をしておりまして、大変申し訳ない思いではあり、WHOの審議組織の中のフローがなかなか反応悪いというのは確かにあるのですが、そうはいっても、やはり記録として残す形でプラットフォームに入力していただくことが重要と考えております。資料3の3ページの説明になってしまいますが、これからフィールドテスト用のICD-11β版という4月2日版が出ました。そしてこれからフィールドテストというのが国別分野別で行いつつあります。これの検証結果の報告というのを9月末までにと聞いております。WHOではこの検証結果を反映しまして来年の公表に繋げると聞いております。WHOからプラットフォームにいつまでに出しなさいというのは特に明示された文章があるわけではないのですけれども、少なくともこのフィールドテストの結果は出される9月目途までには、個別の課題がありましたら、プラットフォームに入れていただきたいと考えております。これ以降に提出された意見においても、ICD-11が公表された後、ICD-10と同じように改正の作業というのは順次行われていくと考えておりまして、その中で検討されると考えておりますので、何か具体的な課題がありましたら、プラットフォームに提案をしていくということが大事かと考えております。

 

  門脇委員長

そうしますと、各学会から出たものも改正提案のプラットフォームの中には載って検討されるけれども、その検討のどれぐらいスピーディに行われるのかどうかというのはちょっと分からない部分があるということですね。

私聞き逃したのですけれども、学会からまず出すとすると目途としては何月までご説明しておりましたか。

 

  事務局

意見提出の目途としては、フィールドテストに合わせるという意味で9月末までにと考えております。

 

  門脇委員長

9月末ということですね。

 

  事務局

はい。

 

  門脇委員長

それは各学会にはそういう形でご案内は既にされているのでしょうか。

 

  事務局

このICD専門委員会で、このような方向性でいいかということをご承認いただけましたら、WHOへの回答案と共に、各学会にもご連絡をしたいと考えております。

 

  門脇委員長

はい、良く分かりました。他に委員からご質問等いかがでしょうか。今井委員。

 

  今井委員

今井でございます。資料2-2に戻りまして、少しやや詳細なことを伺いたいのですけども、資料2-2の柔軟なコーディングの部分の話、あるいはダブルペアレンティングの記述があったと思うのですが少し伺ってもよろしいでしょうか。

一般的に特に合併症とかですと、Aという疾患に起因してBという疾患に移行した場合、合併した場合どちらに注目するかによって複数の観点が存在し得る。そういう疾患がもしプリコーディネイトされていれば、確かにダブルペアレンティングの考え方に基づいてどちらかに分類して辿って行っても最終的に同じ病態にたどり着くことができる。これはいいと思うのです。しかし、すごく気になるのは資料2-1におきまして、糖尿病性腎症あるいは腎合併症を伴う糖尿病というものがICD-10では同じE-14.2というコードが振られていたのですけれども、ICD-11の方では見方によって、例えば腎症の方の考え方で言えば糖尿病については2に付加するコードとなった。糖尿病の観点からすると慢性合併症、腎合併症については任意に付加するコードとなった。つまり、これはポスト・コーディネーションでの対応にしなさいという風に移行されたように見えます。つまり、ポスト・コーディネーションに移行してしまったものについては元々同じ病態であったことを同定するというか、これとこれは同じ病態を指しているのだよということを検証する枠組みは用意されているのでしょうか。もしプリコーディネイションであればダブルペアレンティングでどちらの観点であっても辿り着くって言うのはわかるのですけども。ポスト・コーディネーションについてはいかがなのでしょうか。後から同じ病態であることが判定できるルールは用意されているのでしょうか。

 

  事務局

直接の回答にはならないかもしれないのですが、おそらくそのような観点も含めてフィールドテストで検証していくことになるのかなと思っております。フィールドテストは、各分野や国でも、このような病態に関してはどのようにあコードするかというのを、診療情報管理士さんを中心にテスト検証し、適切にコードが振られるかをこれからやって行くことになります。この中で、ポスト・コーディネーションの妥当性や適切性というのも確認していくのかなと考えております。先生ご指摘の糖尿病による合併症というのも、資料2-2の※印の例示でも挙げましたけれども、もしかすると専門的にはもう少し検証しないといけないところもあるかもしれません。その点については、是非、専門家なり学会の方ともご相談をしたいと考えております。

 

  門脇委員長

はい、今井委員とりあえずよろしいでしょうか。他にいかがでしょう。

 はい、桑原委員。

 

  桑原委員

神経学会からですが、先ほどアルツハイマー病の最近の動向というのを示して頂きましたけど、昨年10月の段階では神経系の疾患で、今年の4月版で精神系の疾患に入って最新版ではもう一回神経に戻っているわけです。神経学会の中では4月版に対する反対意見が出ていたところで、知らない間に最新版でまた元に戻っているのですけど、この頻繁に変えるのをやめていただきたいという要望はできるのでしょうか。それをしてもらわないと議論にならないとも思うのですが。

 

  事務局

その点については、ICD-11の案が同時進行で変わっていく状況で意見を出すというのは、本当に難しいと感じています。ICD-11が未完成であり動いているというような状況で、WHOのやり方は難しいと考えていますが、ICD-11のβ版、随時更新するWebでは、ノーティフィケーションという通知機能がありまして、変更があればお知らせしてくれるというような機能があります。例えば、そのようなものを登録したらきちんとメールで随時教えてくれるとか、大きく変わったものについてはきちんとアナウンスする機会を設けるとか、我々の方でも周知できるところはしていきたいと思いますし、WHOにお伝えできるものがあればしていきたいと考えております。

 

  門脇委員長

はい、ありがとうございます。たしかに桑原委員のような疑問は多くの学会が持っていると思うので、厚生労働省の方から各学会に、そんなに頻繁にやるわけにはいかないと思いますけれども重要な観点ですね、重要な変更などについて情報提供いただけるといいかなという感じがいたします。今の事とも関連するのですけども、先ほどの資料2-2の3ページ目に、その一番上にスペシャリティの作成ということで各国独自のニーズですね、各専門分野のニーズに十分に応えるためにナショナルまたはスペシャリティ・リニアライゼーションの作成が必要となるということで、このナショナルとスペシャリティ・リニアライゼーションというのはこれまでは行われていたのですか。そしてまた今回新たなものとするとどんな物なのか少しイメージを説明していただければと思います。

 

  事務局

ナショナルとスペシャリティ・リニアライゼーション、まずナショナルの方ですけれどもICD-10に関しては、カナダやオーストラリアで国として修正した分類が作られています。

 

  門脇委員長

日本ではされていない。

 

  事務局

日本ではしておりません。スペシャリティに関しましては、例えば眼科や皮膚科で、ICD-11の案の段階のものだと思いますが、以前作られたものがあると聞いておりますが、日本ではなくて、国際的にスペシャリティを作られているというような例はあります。

 

  門脇委員長

例えば日本の中で先ほどの話ですけれども、糖尿病性腎症について糖尿病学会と腎臓学会で今合同委員会を作ってこのあたりの疾病分類についても議論しているのですが、そういったものに基づいて日本の中でナショナルそしてスペシャリティ・リニアライゼーションをするということは可能でしょうか。

 

  事務局

そちらに関しては、WHOでまだ考え方は示されておりません。ナショナリティ且つスペシャリティというような考え方だと思うのですけれども、そもそもナショナル、スペシャリティに関する考え方、ICD-11における考え方が、どのように作成したらいいかとか手続きが明確になっていないこともあり、説明をして頂きたいということを今回要望したいと考えています。

 

  門脇委員長

そうですね確かに要望項目には入っています。他にいかがでしょう。

 

  名越委員

よろしいでしょうか。先ほどの議論にちょっと戻させていただくのですが、これまでこのプラット・フォームに意見が出た場合にはメールで、この分野でしたらメールで送ってほしいというのはメールで来ているのですけれども、WHOが勝手に変えたことに関しては全くメールが来ていないですね。ですから是非、変えたことに対してメールなり或いはそういうシステムをきちんと構築してほしいということも是非この資料2-2の要望書にWHOへの要望ということにきちんと書いていただいた方がよろしいのではないかという風に考えます。

 

  事務局

ありがとうございます。その点については少し検討して、追加させていただきます。

 

  門脇委員長

はい、宜しくお願いします。他にいかがでしょう。

 

  名越委員

もう一点よろしいですか。それと改正提案プラットフォームに各学会から意見を出すというのは、今WHOの審議組織が全くできていない状況で審議依頼をすればそちらの審議組織に今後将来的にはいくかもしれないのですけれども、WHOの中で取捨選択する可能性が非常にあるかと思われるのですが、とにかく改正提案プラットフォームに出しておいて証拠を残しておくという意味で是非出してほしいというふうに理解すれば宜しいでしょうか。

 

  事務局

両面あります。審議組織の中のフローがまだ完成されていないというのは我々も聞いていまして、ただ誤字脱字とか、簡単な修正に関しては、WHOの事務局の方で処理をしてくれるというのもあるようです。出せるものは早く出して、重要な物はWHOの中の審議する時間もかかるでしょうし、MSAC,CSACの組織がもう少ししっかりしないと進まない可能性はあるのですが、まずは証拠を残しておく、そして次の議論に進めるためにも土台として入れていただきたいというのが両面あります。

 

  門脇委員長

ちょっとよろしいですか。すみません、資料3の1ページ目にまた戻るのですけれども、日本の学会或いは厚生労働省の事務局から出された改正提案プラットフォームに載ったものがどのように審議されるのかということが、我々非常に関心事なのですけれども、WHOの審議組織を見るとそこにCSAC或いはMSACがあって、このMSACの議長が内科学会から出た田嶼先生だということなのですけれども、田嶼先生には日本の意見等について情報共有してその中で積極的に議論をしたり、取り上げていただくということは可能なのでしょうか。

 

  事務局

日本人であり、普段からご相談させていただいておりますので、日本からこういったご意見が出ているというのは、共有させていただくのは大丈夫だと思います。

 

  門脇委員長

ありがとうございます。すいません。松本委員ですね宜しくお願いします。

 

  松本委員

松本でございます。只今、門脇先生がおっしゃったようなことで少しお話をさせていただきたかったのですが、今までICD-10の時にはURCでたとえば限られた国が投票権を持って決めていったということが現実でございます。色々な意見を集めていただいて、WHO-FICの年次会議で最終的に決まるという風なことでアップデートが行われていたわけであります。そういったシステムが、名越委員がおっしゃったように全くできていない状況が今現状のICD-11だという風に理解しました。ということはそういうような審議機関の中に、田嶼先生一人お入れになりますけれども、これだけ日本がICD-11にかなり投資をしてございます。ということでその中に日本人が一体何人いるのか、そういうようなことを少し検討いただきたいというように思います。むしろ、厚生労働省の方々がWHOの中に入っていただいて積極的にICD-11を作っていただきたいという風にお願い申し上げたいなと思います。

 

  門脇委員長

今の点は多くの委員が感じられていることではないかと思いますが、お答えいただけますか。

 

  中井参事官

今のご意見については総論でしか現時点では答えられないのですけれども、WHOも含めた国際機関に対する貢献度と比較して、そこに我々として人を出すという取り組みが弱いという問題意識は厚生労働省として持っております。そういった中で時間がかかるかもしれませんが、全体として国際機関に対して人材を送るという取り組みを進めていきたいとの問題意識を持っておりますので、今日頂いたご意見もそうした検討の中で承って考える材料にさせていただければということでございます。ありがとうございます。

 

  門脇委員長

はい、ありがとうございます。他にいかがでしょう。それではまた今の点について質問頂くこと後程でも結構ですので。

 

  事務局

申し訳ありません事務局より資料の補足です。先ほど加藤委員から実際プロポーザルを入れて結果がどうなるのかというようなご質問もございましたが、資料3の5ページ目以降をごらんいただけますでしょうか。

 

  門脇委員長

資料3の残り部分のご説明をお願いします。

 

  事務局

プロポーザルへの意見提出方法についてになりますが、4ページからになります。先ほど申しましたように、ICD-11に関してはいくつか固定版は出ており、さらに随時更新されるオレンジ色のWEB版があり、大変わかりにくい構造になっておりますが、まずは最新版のオレンジ版で確認をして頂きたいと思っております。その中で現状を確認いただきまして、ログインをする必要があるのですが、既存のプロポーザルを確認したり、プロポーザルを作成していくというような手順があります。5以降は実際のブラウザの現状の確認や、作成方法を絵にしているものですけれども、詳細につきましては、別の機会を設けて実際にどうやって入力するか説明するような機会も設けられたらなと考えております。7ページにありますけれども、プロポーザルの一覧が並んでおりますが、WHOの対応状況というのがこちらで示されておりまして、対応済みについてはImplementedと示されております。対応途中のものはそうでないという区分けがありまして、このような形で進捗状況はある程度見えております。意見提出については慣れないと難しいかと思いますので、是非、説明する機会を設けましたら先生方にもご案内をしたいと考えております。

 

  門脇委員長

その説明の機会はこの委員に対する説明、或いはもう少し、意見照会をしている学会すべてを対象みした説明の方がいいような気がするのですが。

 

  事務局

そうですね、後程ご案内しようと思っていたのですけれども、9月の1日、2日にWHOの方も呼びまして、先生方を集めての会議を開きたいと思っています。そこでICD専門委員会の先生方だけではなく、やはり学会、関係される方々に広くご案内をして、正式な場というよりは、実際の作業もお見せできるような形での会議を開きたいと考えております。

 

  門脇委員長

ぜひ、日本医学会に加盟している学会128、全部がこのICDに関係しているかどうかわかりませんけれどもご案内いただいて、ここの委員にご説明いただいても今度は委員が各学会、関連学会に説明しなくてはいけないということもありますので、是非各学会から少なくとも一人は参加可能な形にしていただけるといいなと言う感じがいたします。この資料3の説明はよろしいですか。

 

  事務局

以上になります。

 

  門脇委員長

今の資料3についてよろしいでしょうか。それでは、先ほど頂いた意見も踏まえて厚生労働省事務局より先ほどの意見を追加してWHOに意見を提出していただければと思います。また、各学会におかれましては厚生労働省の方からも各学会にご案内を頂けるということですので9月末を一つの目安に、それ以降も受け付けられるわけではありますけれども、一つの目途がないとなかなか進まないと思いますので、意見提出につきご協力いただきますよう宜しくお願い致します。

それでは、議事の4、ICD-102013年版)提要の修正案について宜しくお願いします。

 

  事務局

では、お手元の資料4をご覧ください。ICD-102013年版につきましては、昨年夏に書籍として発行しまして皆様のお手元にも緑の本が置いてあるかと思います。その後、誤植を含め多数修正のご意見を頂いておりまして、専門委員会にもお諮りをしたいと考えております。昨年12月の前回のICD専門委員会のおいてもご了承を頂いておりますが、それ以後にご指摘を頂いたものについて資料4にまとめております。内容例示、総論、索引とそれぞれリストになっておりますが、今回の内容は主に誤植や、より適切な和訳という修正になります。はじめの内容例示につきまして、お配りした資料に漏れている修正点もありましたので追加でご紹介をしますけれども、その他の明示された糖尿病という表記の下に、細分類はE-10の前を参照との指示が英文にありますが、日本語が抜けておりましたので追加したいと思います。同様の和訳が、E-13,E-14で抜けており追加したいと思います。また、めくっていただきまして、内容例示の8番に続けてですけれどもV9494の各項目というものの下に、V90の前の4ケタ細分類項目を参照というものが英文にありますが、日本語が抜けていましたのでこちらも追加したいと思います。資料の修正については、後程先生方にもお送りをしたいと思いますのでご了承いただければと思います。また、索引の修正になりますけれども、まず1番と3番と5番のシンスプリントとの和訳に関しまして、学会からもご指摘がありまして、脛副木というものを削除しまして過労性脛部痛、脛骨過労性骨膜炎に修正したいと考えております。また、5番の肝細胞癌を伴うもの、混合型につきましては、内容例示で日本独自にC22.7となっておりましたが、索引に反映されておりませんでしたので修正をしたいと考えております。説明は以上になります。

 

  門脇委員長

ただいまのご説明にご質問ご意見等はございますでしょうか。それでは資料4についてご承認いただけますでしょうか。はい、ありがとうございました。

それでは議事の5に入ります。死因選択検討ワーキンググループについて事務局からご説明をお願い致します。

 

  事務局

それではお手元の資料5、別紙1、別紙2をご覧ください。こちらの資料は昨年12月開催されましたICD専門委員会において了承されたものですが、委員の交代もありましたことから改めて説明させていただきます。死因選択検討ワーキンググループにつきましては、社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会におきまして、疾病、傷害及び死因の統計分類をICD-102013年版)に準拠させるための改正にかかる審議の中で、我が国にふさわしい原死因選択の法則について検討することが必要であるとのご意見を頂きまして、専門的な見地から検討を行うためICD専門委員会の下に設置をされました。ICD部会の意見につきましては、机上配布資料3にあります報告書をご参照頂ければと思いますが、3ページに死亡統計における死因についての中長期的課題というところで触れられております。その後、平成28年7月にかけて本ワーキンググループは5回開催されまして、ICD-102013年版を導入するに当たりまして、死亡統計に比較的大きな影響のある事例を中心に審議を行い、本委員会に報告をしてまいりました。この2013年版については、昨年から適用となっておりますが、より妥当な死亡統計の作成や公衆衛生の向上に生かしていくとともに、今後益々進行する社会の高齢化を考慮すると、基礎疾患の情報や介入の状況、複合的な要因などを把握するような分析が中長期的な課題と考えられております。これらを踏まえましてワーキンググループの設置要綱及び運営要綱を改正し、当面継続するということを昨年12月のICD専門委員会で確認ご了承いただいたところです。ワーキンググループのメンバーにつきましては、本ICD専門委員会の一部の委員にご参画を頂いております。今後新しくメンバーを選任、お願いをすることになりますが、メンバーとしましてお願いをすることとなった際はどうぞ宜しくお願い申し上げます。資料の説明は以上になります。

 

  門脇委員長

はい、ありがとうございました。以上の説明に関しましてご質問等はございますでしょうか。

はい、ありがとうございました。本ワーキンググループの委員については事務局と相談をして委員長が指名することとなっておりますが、具体的には私に一任いただけますでしょうか。ありがとうございます。それではそのように進めさせていただきます。

 議事の6としてはその他ということでありますけれども、その他に案件が2点あると伺っています。まず1点目の標準病名マスターについて事務局からご説明をお願いいたします。

 

  事務局

それではお手元に資料の6-1、6-2及び机上配布資料6をご用意ください。この病名マスターの検証につきましては、まず任期を継続していただいているICD専門委員におかれましては、ご多忙の中これまで当方からの意見照会にご協力いただきまして誠にありがとうございます。この場をお借りして御礼を申し上げます。今般、一部委員の交代がございましたので、委員会においてICDの確認をするに至った経緯をあらためてご説明させていただきます。先ほど説明がありましたけれども、机上配布資料6というのは、この平成2611月にICD-102013年版を告示するためにご審議いただいた部会というのがございました。疾病、傷害及び死因分類部会という部会がございまして、そこで提言を頂いたものです。その中に、病名とICDコードが適切に関連付けられるように精査する必要があるとのご指摘を頂いたものでございます。報告書の2ページ目になります。病名とICDコードの対応につきましては、資料の6-1をご覧ください。これは厚生労働省標準規格として標準病名マスターというものがございます。これは医療機関等における医療情報システムの構築、更新に際して標準化であるとか、相互運用性を確保しておくことは必須であるという観点から制定されたものでございます。2万を超える病名情報を識別する病名コードの他、それぞれの病名表現に対応するICD-10コードも付されているものでございまして、一般に広く使われているものでございます。現在ではレセプト電算処理用の傷病名マスターと統合されております。6-1の3ページ目の作業の流れ図をご参照いただきますと、病名マスターの作業班で作業がまず行われます。そこから新規、修正分のみ当室にICD-10コードの妥当性の確認が依頼されます。それを分野ごとにICD専門委員の先生方にご相談して確認をさせていただいて、それからコードを確定とするということを行ってございます。資料の6-2をご覧ください。これは平成28年4月から平成29年4月までに415件の依頼があって、そのうち15件については専門委員からコメントが付されました。1件については、付したICDコードが当初案から変更になったということでございます。これらの検討結果は、平成29年6月の公表版に反映されてございます。このマスターの改正スケジュールですけども、標準病名マスターの作業班というのは毎月検討を行い、標準病名マスターのリリースは、現在年2回6月と1月に行っております。これにつきまして当室から依頼がございましたら委員におかれましては、ご多忙の中恐れ入りますがご協力いただきたく存じます。どうぞ宜しくお願い致します。説明は以上でございます。

 

  門脇委員長

はい、ありがとうございました。以上の説明に対してご質問等ありますでしょうか。

それでは先ほどお願いがありましたように、厚生労働省の方から依頼がありましたら委員におかれましてはご協力方宜しくお願い致します。

引き続きまして2点目のICD-O3 3.1について事務局から説明をお願い致します。

 

  事務局

それではお手元に参考資料の2と同じく机上配布資料の4をご用意ください。国際疾病分類-腫瘍学、ICD-Oと通称で呼んでおりますが、世界保健機関と国際がん研究機関が作成する腫瘍に関する国際分類でございます。机上配布資料の4の図に概念図が載せてございます。WHOが作成した中心的な分類としてICDICFICHIというものがございますが、このICD-O3は派生分類、刊行はWHOでありまして中心分類を細分化したものということでございます。この分類は、わが国ではがん登録に使用されております。ICD-O第3版は、2000年に公表されました。その後、WHOとしては医学的知見を反映したコードの修正であるとか、使われなくなった用語の削除、またより一般的な用語への修正等を行われまして2011年に改正内容がWHOWEBに公表されました。我が国はこれを基にICD-O2012年改正版として公表させていただきまして現在使用させていただいているところでございます。その後WHOはまたこの改正内容を反映させ、また少し修正を加えて3.1版として書籍、WEBではPDFになりますが公表されております。この内容を反映した日本語版を国立がん研究センターから刊行する予定でございます。現行で出版しております紫のこの本ですけども、それからの変更点について参考資料の別紙として記載してございます。そちらをご覧ください。資料の作り方が悪く非常に細かくて申し訳ございません。こちらの比較表に2012年版と3.1版との比較表を用意してございますので、この表の見方を少し説明させていただきます。左側の列というのがICD-O32012年改正版、既に出版されているもの。右側の列がICD-O3.1版、今回WHOが公表したもので変更箇所を下線で示してございます。上段が日本語の訳で下段が英語、WHOからの原本を抜き出したものでございます。参照ページと記載がありますのは、ICD-O32012改正版というのを出版しておりますけれども、そのページでございます。一番右側に、変更内容と記載があるところでございますけれども、これの中に第一選択用語であるとか、同義語という言葉が出てきますので、それの例示は標題のすぐ下に、例として記載してございます。例えば8148/0上皮内腺腫瘍の高度異形度というのは、ボールドで示しております。これを第一選択用語と申します。その下に上皮内腺腫瘍の3度というのがありまして、これは一時下げてあります、これが第一選択用語の同義語という意味でございます。その下のものが前立腺上皮内腫瘍の3度、これは位置が第一選択用語と同列の位置にございますのでこれは第一選択用語の同等語、位置下げしていないというものでございます。その下のPIN3というのは、この同等語から位置下げがありますので同等語の同義語と言う意味です。その説明を変更内容として記載してございます。説明は以上です。

 

  門脇委員長

はい、ありがとうございます。なかなか理解するのが難しいところもあるのですけれども、結局、第一選択用語とその同義語、それから同等語と同等語の同義語という4種類があるということですね。

このような和訳版が国立がん研究センターから刊行される予定となっているということですね。はい、よろしいでしょうか。どうもありがとうございます。

この後事務局から連絡事項等をということですが、全体を通して先生方からご質問、ご意見等ありましたらこの機会に是非お願いしたいのですがいかがでしょう。

 

  矢久保委員

東洋医学会の矢久保でございます。今まで2018年、来年のWHOの総会で審議されておそらく採択されるというように聞いております。そうすると早ければ翻訳が出来て、次の年2019年4月から施行されるのという希望的観測を伝統医学の立場からは思っていたのですけども、今回は公表ということなので、そこから先のロードマップがどのようになるのか、もしわかれば教えていただきたいのですが。

 

  門脇委員長

事務局お願いします。

 

  事務局

はい、WHOで公表、固まったものが出ましたら、その後、国内適用になるかと思いますけれども、ICDに関しましては、我々日本では統計法の告示に位置付けております。従いまして、2013年も同じプロセスを経ているのですが、厚生労働省の審議会や、総務省の審議会にも諮ったうえで告示改正をする作業があります。2013年の例では、1年というわけではなく、やはり2~3年かかった経緯はあります。2003から2013に変更するというだけでそれくらいかかっておりまして、ICD-11は分類の構造やコード自体がかなり変わっておりますし、和訳も各学会の先生方にご相談をしながら確定をしていくという作業が見込まれておりますので、1年というのはなかなか難しいのかなと、少し時間をかけて国内で審議した上で告示改正をしていくと考えております。

 

  門脇委員長

はい。

 

  矢久保委員

そうすると、WHOからは勧告ではなく、公表というかたちで、発表されます。そうすると国際的には受け止め方が違うことが推測されます。日本としては公表であっても原則は受け入れるということでよろしいでしょうか。

 

  事務局

WHO の公表の仕方にもよるかと思います。そこでどのようなメッセージを出してくるかということになるかと思うのですが、基本的にはWHOがこれを使ってくださいということで公表してくるのであれば、それを我々の方としても導入するということを考えております。

 

  矢久保委員

はい、ありがとうございます。

 

  門脇委員長

その場合、ナショナル・リニアライゼーションとかそういうことは出来るわけですよね。

 

  事務局

そうですね、その点も一緒に審議会で検討していくということになるかと思います。

 

  門脇委員長

他にいかかでしょう。

 

  井本委員

癌治療学会から参りました。あのすごく基本的な質問で申し訳ございませんがICD-11になると項目が増えたりとかしますけれども、項目も増えますけれどもICD-10からICD-11に移行すると言うのはどういう作業なのでしょうか。自動的にWHOの中で細分類化されるのですか。その仕組みそのものが良く分かっていないのですけども。ICD-10ICD-10までで、ICD-11に移行したらそれはまた別のそのどういったらいいのでしょう、ストックって言いますかその過去の症例の分類というかそういうのは自動的にされるのですか。例えば免疫の項目が出来るということなのですが、それはそういう風に何かコードが自動的に付くのですか。その辺の仕組みというのがわからなくてお伺いしたのですけど。

 

  事務局

ICD-10 からICD-11になるとなった場合にWHOとしては、まずICD-10からICD-11のマッピングを作ると聞いています。ICD-10のこういった項目については、ICD-11のこの項目に当たると。ただし、過去のデータをICD-10からICD-11に置き換えるようなことはされないと思います。また、各国がICD-11をいつから導入をしていくかということで、WHOは色々なヘルスデータを各国から報告を受けていますけれども、時期によっては、ICD-10のデータで報告するところもあれば、ICD-11を早く導入できればICD-11のデータで報告する。各国の導入状況によって。ある時期はICD-10ICD-11が混じったデータになってくるかと考えております。

 

  井本委員

そうすると、しばらくコンフュージョンした状況が生まれてむしろわかりにくいですかね。

 

  事務局

そのあたりの過渡期をどうするのかというのは、WHOとしてもおそらく考えているのではないかと思うのですが、公表に向けて、そのあたりの説明も是非してもらいたいなと考えております。

 

  門脇委員長

結局WHOで公表して各国でまたそれを具体的に施行すると言う、なかなか足並みをそろえるのは難しくて国際的にみるとICD-10を使っているところとICD-11を使っているところが混在するみたいな時期と言うのはどうしても避けられないと考えて宜しいですか。

 

  事務局

そうですね、やはり世界各国に勧告して使ってくださいということでありますが、途上国含めて一斉にスタートというのはなかなか難しい状況ですし、例えばICD-9からICD-10の時も、アメリカは最近までICD-9を使っていたと聞いていますので、国の状況でICD-10ICD-11が混在するのではないかと考えています。

 

  門脇委員長

はい、他にいかがでしょう。

 

  東條委員

WHO の要望のところについてなのですが、資料2-2のところで四角の2のところのWHOへの要望のところの2なんですけれども、「エクステンションコードのコード付けについて再考すること」ということが要望になっていますけれども、「再考すること」というのを要望するよりは、こういう風にしてほしいというのを具体的に示さないとやはりこちらの意図していることが伝わらないのではないかと思うのです。ですので、たとえば循環器に関して問題になっている「心不全が慢性なのか急性なのかというのは分類できない」とか、あるいは「慢性心不全の急性増悪とかそういったことが反映された方が良いのではないか」という意見があったのですけれども、それがエクステンションコードがあれば、それは解決するので循環器学会としては要望を出さなくもていいのではないかということでまとまったのです。そういう意味では、そういったエクステンションコードを複数いくつまで付けられるのかとか、そういったところのルールを決めてほしいということであって、「エクステンションコードをやめて欲しい」と言うような意味に取られてしまうのでは困ります。その辺りのところの文言をもう少し工夫していただければと思います。これは要望です。

 

  門脇委員長

さきほどの資料2-2に対する要望ですね。事務局宜しいでしょうか。

 

  事務局

表現に不備がありまして、先生のおっしゃる通り、エクステンションコードの付け方、考え方が明確でないといったところが混乱の元ですし、我々はそこを明確にしてほしいと考えております。1と2が混ざってしまうかもしれませんが、少し表現を検討させていただきます。

 

  門脇委員長

あの2-2についてはお持ち帰りいただいていろいろ気が付かれることもあろうかと思いますので、その場合にはまた事務局に連絡させていただいて宜しいでしょうか。それではそのようにして頂ければと思います。

他に全体を通じて委員の先生方からご意見ご質問等はございますでしょうか。もしなければ・・・はい、中原委員。

 

  中原委員

帝京大学の中原です。WHOへの要望と言うよりは、要はWHOが作ったコード、コーディングその分類をどう使うかということに関して厚生労働省にこういう風に使ってほしいなという要望というのはこちらから出すというのは可能なのでしょうか。あるいはそういうことを出して検討していただけるのでしょうか。

 

  事務局

このWHOの意見募集とは離れてということでしょうか。

 

  中原委員

そうですね、WHOに言ってもしょうがないので後はどう使うかですから、こんな風に使ってほしいなというものをご検討いただけるのか、或いはもうWHOで決めたものはそのまんまなんだということなのか、いかがでしょうか。

 

  事務局

もしそのようなご意見がありましたら、併せて是非頂ければと思います。実際の国内適用の検討は、先ほど申しましたように、WHOが公表してからかなり時間をかけてすると思っておりますが、随時そのようなご意見は是非頂きまして、ナショナリティの検討であるとか、そのようなところに是非組み入れて検討させていただければと思っております。

 

  門脇委員長

ナショナル・リニアライゼーションの一つということでよろしいですか。それも。

 

  事務局

もしそのようなご要望が、WHOの分類ではなくて、ナショナルモディフィケーションがどうしても必要だということがあれば、検討しないといけない課題かと思います。まずどのようなニーズがあるのかといったところについて、ご意見を頂ければと思っております。

 

  門脇委員長

そうですね、おそらく一般論でいうとこのWHOのものは発展途上国であるとか、まだ発展していないところも含めた分類ですので、我が国のようなところではより精密な分類に対するニーズが出てくるのではないかなと思うのです。そういう点では、どう日本の中でそれをどう活用していくかということについても、今後ご意見をいただければという風に思います。

他にいかがでしょう。はい、それでは事務局からその他何か連絡事項がありましたらお願い致します。

 

  事務局

はい、3点ほどございます。まず1点目といたしまして、現在進めておりますICD-11の改訂について、こちら先ほどの議事3の中でも少しお話がありましたけれども、このたびWHOICD改訂担当官を厚生労働省にお招きして改訂の最新の動向などにつきましてWHOからご説明いただきますとともに、WHO担当官と会議参加者との対面でのディスカッションを行う場を設けることにしました。日程は9月1日の金曜日と2日の土曜日の二日間で、場所は厚生労働省省内の会議室を予定しております。この会議は日本国内の意向を直接WHOに確認提案できる貴重な機会となりますので、是非、本委員会委員の方々にもご参加いただければと考えております。会議内容等の詳細につきましては、追って委員皆様方にメール送信させていただきますのでどうぞ宜しくお願い致します。

続いて2点目といたしまして、本日ご用意しました委員名簿についてですけども、新任委員の方の所属以外は昨年末時点での所属を記載しております。年度が替わっておりますので、その後に所属の変更など名簿の修正が必要な場合は事務局の方までご連絡をお願い致します。

それから最後3点目でございます。次回の委員会開催につきましては今のところ未定ですが、議題がまとまりましたら委員会開催の日程調整の依頼をさせていただきますので宜しくお願い致します。事務局からの連絡事項は以上になります。

 

  門脇委員長

はい、ありがとうございました。只今の説明についてご質問等はございますでしょうか。先ほど9月1日、2日の会議というのはWHOの担当官がお見えになるわけですけれども、日本側からはどういう方がこの会議の参加対象になるのでしょう。この委員会のメンバーということですか。それとももう少し広く。

 

  事務局

先ほども申しましたように、専門委員会はもちろんですけれども、もう少し広く各学会の方にお声かけしたいと思っております。

 

  門脇委員長

それではこの機会もご活用いただければと思います。よろしいでしょうか。

はい、ありがとうございました。それでは以上で本日の専門委員会を閉会いたします。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

政策統括官付参事官付国際分類情報管理室
疾病傷害死因分類係:03-5253-1111 内線7493

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