ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(職業安定分科会雇用対策基本問題部会港湾労働専門委員会)> 第36回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会港湾労働専門委員会(2019年2月25日)
2019年2月25日 第36回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会港湾労働専門委員会
職業安定局建設・港湾対策室
○日時
平成31年2月25日(月)10:00~
○場所
経済産業省244会議室
○出席者
公益代表
鎌田座長 |
労働者代表
玉田委員、松永委員 |
使用者代表
後藤委員、溝江委員、鶴岡委員 |
事務局
北條雇用開発部長、吉野建設・港湾対策室長、山本建設・港湾対策室港湾労働係長 |
○議題
(1)新たな港湾雇用安定等計画の策定について
(2)その他
○議事
○山本建設・港湾対策室港湾労働係長 皆様おそろいですので、ただいまから、第36回「港湾労働専門委員会」を開催いたします。
私は、建設・港湾対策室港湾労働係長をしております山本と申します。冒頭は事務局のほうで進行させていただきますので、よろしくお願いいたします。
マスコミの方への留意事項を申し上げます。カメラなどの撮影をされる場合は、議事が始まる前までにお願いいたします。
初めに、配付資料の確認をお願いいたします。
お手元のタブレット端末をごらんください。資料は「00 議事次第」、「01 資料1」から「06 資料6-1」、「07 資料6-2」まで、参考資料は「08 参考資料1」、「09 参考資料2」までの合計10種類です。足りない資料がありましたら、お申し出いただければと思います。
続きまして、本日の委員の出欠状況ですが、公益代表委員の小畑委員、同じく渡邉委員、労働者代表の柏木委員の3名が御欠席となっております。
また、本日の専門委員会には、オブザーバーとして国土交通省港湾局港湾経済課の坂本港湾運送サービス活性化対策官に御出席をいただいておりますので、御紹介いたします。
なお、北條雇用開発部長は、国会関係等の用務により、途中退席させていただきますので、御了承ください。
それでは、以後の進行は座長からお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○鎌田座長 鎌田でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、議事に入ります。
議事次第にありますとおり、本日の議題は1つであります。前回からの引き続きということで、新たな港湾雇用安定等計画の策定について、事務局より御説明をお願いいたします。
○吉野建設・港湾対策室長 建設・港湾対策室長の吉野でございます。皆様、おはようございます。
年度末に向けてお忙しい中、本日は御出席をいただきまして、ありがとうございます。
それでは、議題になっております新計画に関しまして、私のほうから御説明をさせていただきます。
まず、資料2をごらんください。策定のスケジュールになっております。昨年10月以降、昨年は4回、そして、本日で5回目になりますけれども、専門委員会を開催させていただいております。資料2の真ん中にありますが、今年に入ってから、地方の港湾労働部会、6大港それぞれの港湾部会に当室として御説明に伺って、さまざまな御意見を頂戴しております。後ほど御紹介したいと思っております。
本日、我々事務局としましては、新たな港湾雇用安定等計画(案)の取りまとめをいただき、この後、本日の午後になるのですが、雇用対策基本問題部会に諮問をさせていただきたいと考えております。その後、3月には大臣告示ということでございまして、官報掲載をさせていただき、4月から新たな港湾雇用安定等計画の適用を開始したいと考えているところでございます。
続きまして、資料3をごらんいただきたいと思います。今、御説明をいたしましたが、今年の1月から6大港のそれぞれの港湾労働部会、公労使の委員の方々で構成される部会でございますけれども、そちらのほうにお伺いをして、御意見を頂戴していきました。それぞれの部会での御意見、我々事務局の見解について御紹介をしたいと思います。
まず、東京の部会です。東京に関しましては2点ほど御意見がございました。2つとも労働者代表委員からの御指摘でございます。まず、港湾倉庫の関係でございます。これについては、倉庫の適用基準等々、対応していただきたいという御意見を頂戴しております。それに関しましては、右側に書かせていただきましたが、今回の新たな計画(案)の中で、港湾倉庫に関しては、より適正に制度を運用していくという観点から、港湾倉庫に該当するか否かの調査、貨物量の算定の基準等に関しまして、各港湾の実績を踏まえつつ検討を行うと記載をさせていただいております。これからも関係各位の御意見を伺いながら検討していきたいと思っております。
続きまして、2つ目がいわゆる全港・全職種適用の部分でございます。計画のほうに盛り込むようにお願いをしたいという御意見を頂戴しました。これに関しましては、右側に書かせていただいておりますけれども、港湾雇用安定等計画は、昨年12月26日の専門委員会における公益代表委員の意見、御見解を頂戴しながら進めてきたところですが、港湾労働法に基づきまして、現在、指定されている6大港の事項を定めることにしたいと思っております。一方、報告書につきましては、専門委員会の中で、さまざまな議論がありました。その中でも、この事案に関しましては相当時間をかけて議論を重ねたと思っております。その結果、報告書の中で、労働者代表委員の意見も記載した上で、報告書に関してはその進捗状況を確認していくということも付記した上で、計画については原案どおりでお願いしたいと思っているところでございます。
続きまして、神奈川の部会でございます。幾つかここに関して御意見を頂戴しております。まず、使用者代表委員の方からいただいた御意見として、いわゆる波動性の関係で、企業外労働力の活用。これはいわゆる港湾労働の4つのルールの部分を今の報告書案の5ページ目の中に書かせていただいているのですが、従来そういった4つのルールを守っていきましょうということでございますけれども、そこを反映していただきたいという御意見でございました。同じように記述はしておりますが、我々としましても、そもそもの港湾労働法の趣旨に基づいて、従業主の方々にも理解を求めながら、これから取り組んでいきたいと思っているところでございます。
その次ですが、適用港湾・適用職種の対応の部分ということで、計画の中に記述をしていただきたいという御要望でございます。これに関しましても、先ほどと同様の回答ぶりになるのですが、計画については原案どおりとさせていただきたいということでございます。
一番下ですが、これは働き方改革の部分です。ここに関しましては、当然魅力ある職場づくりの推進について、港湾労働法のみでなく、国土交通省が所管する港湾運送事業法との関係も含めて、実効性があるものとなるため、関係省庁と連携して検討していく必要があるという御意見でございました。これに関しましては、我々も当然のごとくと思っておりますので、国交省を初めとして関係の機関と連携をしていきたいと思っているところでございます。
次のページに参ります。これも神奈川ですけれども、いわゆる労働力の需給調整の色分けの部分です。これに関しまして、労働者代表委員の方から、今の色分けでは不十分で、いわゆる事業区分に応じた色分けができないかという御意見を頂戴しております。右側のほうに我々の見解を書かせていただいておりますが、昨年の10月から色分けを施行させていただいています。従いまして、まだ緒に就いたばかりということもございますが、今後の施行状況なども踏まえて、また、御意見を頂戴しながら検討してまいりたいと思っております。
そして、公益代表委員の方からは港湾雇用安定等計画の記述方法について、「講ずる」や「図る」などの表現が用いられており、表現が不明確なものなので、例えば「実施する」とか「実行する」など、より具体性なり実効性・信頼性を確保する表現とならないかというような御指摘がございました。法律上は「何々に関する事項」ということの港労法上の書きぶりになっておりますので、現在の形を踏襲させていただいているところでございますが、今後の検討過程におきまして、より具体的な取り組み内容等々が出てくれば、その部分でまた皆様とも御相談をしながら、次期計画に関しての課題とさせていただきたいと思っているところでございます。
続きまして、愛知の部会でございます。愛知から2つ御意見を頂戴しました。まず、1つは全港・全職種適用の話でございます。この中で、2月末と書いてありますが、本日の専門委員会で労使一致した場合は計画の中に書いてもらえるのか。また、5か年計画ですから、5年間は一部改正等ができないのかというような御意見を頂戴しております。まず、全港・全職種適用の話に関しましては、計画に関しての部分は従来お答えをしているような形で、計画については原案どおりとさせていただきたいということ。そして、本日の港湾労働専門委員会の御議論も踏まえて、当然ながらそこは対応していきたいと思っております。5年間というこの計画ですが、当然ながら計画に甚大な影響を与える事案が発生すれば、手続上、その部分の改正も可能だと思いますが、前提としてこの港湾労働専門委員会の中で御議論いただきたいと思っているところでございます。
愛知の2つ目ですが、港湾倉庫の取扱い、ここは冷蔵倉庫等の具体的な名称も出ておりますけれども、そういった適用に関しての御意見を頂戴しております。これに関しましても、先ほど東京でもありましたが、倉庫の関係につきましては、これから各港の状況、皆様方にも御意見を頂戴しながら検討をしてまいりたいと考えております。
続きまして、大阪の部会でございます。大阪につきまして、一番下ですが、働き方改革の部分です。いろいろな法律があって、4月1日から施行される部分もありますが、準備期間がない。港湾の波動性等を含めて、特殊性を理解してほしいという御意見を頂戴しております。事務局としましても、港湾運送事業の波動性など、この専門委員会の中でもいろいろと議論をしていただきました。しかしながら、労働者保護、魅力ある職場づくり、これからの問題を解決していくためには、当然我々行政はもとより労使を含めた業界内での検討も必要だと思っているところでございます。
続きまして、次のページでございます。大阪の御意見として、一番上が、使用者代表委員の方から、いわゆる現在の港労法の6大港の中で足並みが揃っていないのではないかという御意見を頂戴しております。いわゆる斉一化は我々も重要だと考えておりまして、担当者会議を含めて様々な場面でいろいろな御意見を聞きながら、情報を把握しながら、取り組んでいるところでございます。けれども、まだまだそこは完全ではない部分があると思いますので、引き続き各港の実情も勘案した上で、こういった6大港の足並みを揃えていくような形、斉一化できるような形で、我々としても取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
その次の部分、幾つか細かい部分で御意見を頂戴しております。港湾労働法に関しての地方港の劣悪な労働環境の部分、賃金、労働時間の職種間格差についての改善、港湾指定倉庫の適用状況、一般派遣との線引き、外国人の受け入れ、それから、働き方改革ということで御意見を頂戴しております。
港労法の関係に関しましては、先ほど来の回答と同じでございます。それから、職種間格差の改善は当然港湾運送業界の将来を考える上で避けては通れない課題だと認識しておりますので、労働環境の改善、魅力ある職場づくりのために、関係者が一体となって取り組むべきだと考えております。
倉庫の関係も、これも先ほど来申し上げているとおりです。そして、一般派遣との線引きですが、御存じのとおり、港労法の中で港湾労働者派遣が定められておりますけれども、現場において様々な疑義等が発生した場合には、ハローワーク及び労働局に御相談をいただきたいと思っているところでございます。
外国人の関係ですが、御承知のとおり、今年の4月から、新たな在留資格ということで特定技能が施行されます。港湾業界での対応に関しましては、行政はもとより港湾労使の皆様方の議論が当然ながら必要だと考えているところでございます。そして、働き方の部分も、先ほどお話ししたとおり、行政、労使を含めた業界内での検討が必要であり、我々も当然しっかり考えてまいりたいと思っております。
一番下の「準」港湾労働者のような派遣制度の導入を検討してほしいというのは、括弧書きで補足しましたが、これは労使間でこれからまた議論をするので、意見としてお聞きいただきたいという御発言がございましたので、この部分に関しましては、御意見として頂戴したというところでございます。
次のページ、これも大阪でございます。港湾倉庫の適用について、現計画では不十分なので、安定計画に盛り込めない場合は、報告書に書いてほしいという御意見があったのですが、そもそも計画の中で、港湾倉庫の部分は検討をこれからしていきたいということを明記させていただいておりますので、この中で様々な議論をさせていただければと思っております。
大阪の最後ですが、公益代表委員の方から1つ御提言を頂戴しました。いわゆる港湾労働者だけのことを議論するのではなくて、他の産業も踏まえていろいろと検討するべきではないかというような御提言を頂戴しております。我々としましても、いただいた御提言を踏まえて、他の産業の動向も当然留意しながら、取り組んでまいりたいとお答えをしているところでございます。
次に、兵庫の部会でございます。兵庫につきまして、最初のところはいわゆる全港・全職種適用の話でございます。これは使用者代表委員の方から出ております。意見として、計画に書き込むのは労使間の議論が必要であって、時期尚早ではないかと。もう少し話し合いをするべきと考えると。その下の部分も、今度は労働者代表委員の方からですけれども、計画の中に盛り込んでほしいという御意見を頂戴しております。これに関しても、我々事務局の見解としては、他の部会と同じ文章を記載させていただいております。いずれにしましても、これからの検討課題ということで、引き続き議論をしていきたいと考えているところでございます。
最後、次のページですが、福岡の部会でございます。福岡のほうからも、幾つか御意見を頂戴しています。まず、一番上の派遣制度の部分です。使用者代表委員の方から御意見を頂戴しまして、関門港は制度を有効に活用している中で、一方で、直接雇用の日雇いの方も増えているということ。これに関して、原因等々を含めて実態把握に努めていただきたいという御意見を頂戴しております。今回の港湾労働派遣制度に関しましては、計画及び報告書の中にも書かせていただきましたが、やはり日雇労働者の使用割合の減少に向けて、より制度の活用を図るために、国・団体・安定センター、事業主の方も含めて、さらなる活用促進を検討するということを書かせていただきました。そういった中で、直接雇用の日雇労働者の減少傾向に向けて、これから我々としても必要な対応を行っていきたいと考えております。
次に、働き方改革。ここに関しまして、使用者代表委員の方から御意見を頂戴しております。これも港湾労働の特性を考慮していただきたいという御意見でございました。我々の見解としまして、先ほど来述べておりますが、これはやはり避けては通れないので、行政はもとより労使を含めた検討が必要であろうと考えております。
3つ目、真ん中ですが、これも港湾労働者派遣ですが、労働者代表委員の方から、関門港、特に門司港では派遣労働が上限7日では少ないという声を聞くので、そこの部分の実態把握を含めて対応をお願いしたいという御意見を頂戴しております。派遣の上限日数につきましては、皆様も御記憶があるかもしれませんが、この専門委員会でも、平成27年にいろいろと御議論をいただきました。その結果、現在の7日という上限ということで進めているところでございます。
今後、状況の変化があるかもしれませんが、その都度御意見を頂戴いただければ、必要に応じた対応を我々としてもさせていただきたいと思っておりますが、現状においては7日ということでやっていきたいと思っております。
その次に、働き方改革の部分でございます。将来的な労働力不足への対応について御説明いただきたいという御意見がありました。これに関しましては、当然この専門委員会の中でもさまざま御議論をいただいたということも踏まえまして、今回、報告書と計画の中においても働き方改革の部分の事項を改めて立てさせていただき、記載をさせていただいております。これから人口減少の中で人手不足ということ、若い担い手確保ということが非常に課題になってくると思いますので、魅力ある職場づくりをはじめとして、港湾の仕事が日本の産業を支えていく重要な業界であるという、いわゆる魅力発信の取り組みなども含めて必要だろうと思っておりますので、今後の議論の中で対応策も出てくると考えておりますということを御説明申し上げております。
そして、全港・全職種適用の話でございますけれども、これに関しましても、他の部会と同様にお答えをさせていただいたということでございます。
以上、6大港の港湾部会を回らせていただいて、皆様方から御意見を頂戴し、我々事務局の意見を記載させていただいております。
参考資料1をごらんください。御参考までに、各労働局から、今、申し上げた各港湾労働部会での御意見の報告を受けております。それから、この計画を策定する際には、関係都府県からも御意見を頂戴するということになっておりますが、都府県からの特段の御意見はなかったということで御紹介をさせていただきました。
続きまして、資料4ですが、報告書(案)になります。これに関しましては、昨年12月26日に御提示させていただいた報告書(案)と変更はございません。
続きまして、資料5でございますが、港湾雇用安定等計画(案)の清書版となっておりますので、この説明は割愛させていただきます。資料6-1と6-2を御説明したいと思います。
資料6-1ですが、港湾雇用安定等計画(案)変更ポイントということで書かせていただいております。実は、大臣告示を行う関係上、省内で文言等の調整をするということを従来行っておりまして、幾つか修正がございました。この専門委員会の中で御議論いただいた内容の根幹を覆すものではないのですが、表現ぶりで記載を一部修正しておりますので、御説明させていただきます。
まず、該当ページは1ページ目ですが、「改善が進みつつある」という記載の部分を「一部の事項について改善している」ということで、表現を変更させていただいているのが1ページ目の左側の真ん中あたりの修正になります。
これも1ページ目ですが、「他の産業に比してなお改善の余地のある状況」という今までの記載部分を「荷待ちのために待機時間が発生しやすいこと等の港湾運送事業の特性もあり、全体としては、他の産業に比してなお改善の余地のある状況」ということで、少し詳しくここは書かせていただいたというところがございます。これも1ページ目の真ん中あたりでございます。
続きまして、3つ目の変更ですが、資料6-2の2ページ目になります。「改善が進みつつあるものの、なお改善すべき状況にあるが」を、「更に改善すべき状況にあるが」と少し端的に修正をさせていただいているのが2ページ目の左側の真ん中少し上あたりの部分でございます。
4つ目の変更ですが、これも2ページ目の真ん中あたりですが「規制改革の影響」という標題の部分を「規制改革の影響を踏まえた取組の継続」ということで、少し具体的に書かせていただいたということと、「施策を引き続き講ずる」という部分を「今まで施策に取り組んできたところであるが、これらの取組を引き続き講ずる」ということで、ここも少し詳しく書かせていただいているということを記載させていただいております。
5つ目ですが、これは3ページ目の修正になります。左側の「様々な課題が散見されるところである」という部分を「様々な課題への対応が求められている」というふうに修正させていただいているのが3ページ目の真ん中あたりでございます。
そして、同じく3ページ目の計画期間のところです。従来「平成31年度から5年間」と書かせていただいていた部分ですが、ここは「平成31年度から平成35年度まで」ということで、修正をさせていただいております。
続きまして、7番目の変更部分ですが、4ページ目でございます。これは港湾労働者の年齢構成の部分の御説明でしたが、高齢化が進んでいるということをより明確に書くということで、このような記載ぶりとさせていただいております。他の産業の伸び率に比べて、港湾労働者の5年前と比べた伸び率のほうが進んでいるということで、「港湾労働者の高齢化は他産業と比べ急速に進展している」と文言を修正させていただいているところでございます。
最後、8番目の変更でございます。これは6ページ目の左側の部分ですが、いわゆる直接雇用の日雇労働者のところです。ここに関しまして、「従来2%台後半で推移しており、直接雇用の日雇労働者が減少している状況にはないところ」と書かせていただいていた部分を「横ばいとなっており、これまで当該割合が減少するよう努めてきたところではあるが減少に結びついていない状況にある」ということで、より明確に書かせていただいたというところでございます。
それ以外にも、文言の適正化等々修正をさせていただいておりますが、根幹の内容は変更させていただいておりませんので、この計画(案)ということで、今回、御提示をさせていただいているところでございます。
御説明の最後になりますが、参考資料2でございます。毎回計画を策定するときに港湾運送事業雇用実態調査を行っているのですが、これに関して、幾つか修正させていただいている部分がございます。口頭で申し上げ大変恐縮ですけれども、1ページ目の調査対象事業所の部分で、横浜港が321と記載しております。最初の時にお示ししたのが320だったということで、事業所のカウントの仕方が不適切だったということで、修正をさせていただいております。
それに伴いまして、2ページ目なのですけれども、有効回答事業所の回答率の部分も90.9%と記載しております。前は91.0%だったのですが、ここも修正をさせていただいております。
それから、23ページをごらんください。港湾派遣労働者及び日雇労働者の利用の部分ですが、ここも幾つか計算ミス等もありましたので、修正をさせていただいております。
30ページになりますけれども、港湾労働者の過不足状況の部分ですが、ここも幾つか計算ミス等がありましたので、修正をさせていただいたということで、この最終版を今回、お示しさせていただいているということでございます。大変申しわけございませんでした。
事務局からの御説明は以上でございます。
○鎌田座長 ありがとうございます。
それでは、本件につきまして、御意見、御質問がございましたら、御発言をいただきたいと思います。
○玉田委員 議論の仕方は、もう報告と計画についてどうかというところまで行っているのですか。それとも、今の報告についてですか。
○鎌田座長 とりあえず今の報告について、何か御質問等があれば、全体として自由に発言いただいて結構だと思います。
玉田委員、どうぞ。
○玉田委員 そうしたら、特に地方からの意見で、新しい角度などもあるなと思うので、ぜひこれから計画を実施する際にお願いしておきたいと思うのは、名古屋の例でありました冷蔵倉庫。ここの厳密な意味での適用。つまり、エプロンから外は港湾労働というか、ここの部分だと思うのです。今、実態的にはもうエプロンはほとんどなくなってしまって、直接着くという実態ですから、逆に言えば、そこから庫内間の、私たちはそろばんというのだけれども、あれは何というのですか。ベルトコンベアみたいなもの。
ベルトコンベアでおろしてフォークリフトに積むまでが港湾労働のはずなのですね。実態的なエプロンという意味ではね。それが今、実際は、極端に言えばデバンのところからもう港湾労働ではなくなっているケースもあるので、ここのところは厳密な意味での適用を徹底していただきたいというふうに、名古屋の例から思いましたので、ここは改めて強調しておきたいということ。
それから、神奈川の4つのルールというのは、多分、1番目が常用で、2番目が常用派遣で、3番目が職安、4番目が直接雇用と、こういう意味だと思うのですね。ここはぜひ徹底してほしいという部分と、大阪から6大港の足並みを揃えてほしいという意見がありました。この辺がきちんと整合されないと、多分、地域によってアンバランスが生まれるということになると思うのです。特に日雇い依存率の関係でいったらそういうことが生まれると思うので、ここは地域の意見としてぜひ受けとめていただきたいということを強調しておきたいと思うのです。
この2つを特に強調して、その上で計画を実施するということになると思いますので、この点は強調しておきたいと思います。
○鎌田座長 今のことについて、事務局のほうでどうぞコメントしてください。
○吉野建設・港湾対策室長 ありがとうございます。
まず、倉庫の関係ですけれども、港湾倉庫に関しましては、先ほど来御説明申し上げているのですが、いわゆる今後の港湾倉庫の指定に関しては、関係者の皆様方のお力もお借りしながら、我々としても、より制度の適正な運営に関して検討していきたいと思っています。その議論の中で、当然今、玉田委員がおっしゃったような冷蔵倉庫は、基本的に冷蔵倉庫の中は港湾労働法の適用範囲ではないのですけれども、御指摘は、そこから外の部分の解釈が、恐らくいろいろと最近の状況も含めて変わってきている部分もあるということだと思います。そういったことも踏まえて、各港の状況もお聞きしながら、我々としても対応していきたいと思っておりますし、議論の俎上に上がった場合には、真摯に対応していきたいと思っています。
それから大阪の6大港の中の話ですが、これも先ほど少し見解の中でお話ししましたが、我々も常に斉一性といいましょうか、港によって差があってはいけないということを念頭に置きながら、担当者会議を開いて、各港の状況をお聞きしながら取り組みをさせていただいています。まだまだ十分ではないところがあると思いますので、この部分に関しましては、引き続き各港の状況をお聞きして、6大港の中の斉一性をとりたいと思っております。
以上でございます。
○鎌田座長 玉田委員、何か追加でありますか。
○玉田委員 結構です。
○鎌田座長 では、それ以外の点について、御意見、御質問はありますか。
○玉田委員 事業者の皆さんに聞きたいのだけれども、働き方改革の部分で、いろいろな議論をこれから、もちろん労使で話をしなければいけないことがいっぱいあるのですが、この中にも地方の意見が結構出ていましたね。どういう感じなのですか。
結局港湾の場合は1年間の猶予があるのかな。そうなのだけれども、一方で、人手不足があるのと、それだから残業が増えるということはいけないよと。なので、もちろん人手不足を解消しなければいけないのだけれども、残業規制がされる部分でどう対応しようかということで戸惑いがある。一般的に言うとそんな感じですか。
○後藤委員 そうですね。
○鎌田座長 まず、地方で出された点について、事務局で働き方改革について何か補足があれば言ってください。
○吉野建設・港湾対策室長 ありがとうございます。
今、玉田委員がおっしゃったように、幾つかの港の使用者代表委員からも、働き方改革に関しての御意見は頂戴しています。先ほど御紹介したとおり、港湾の特殊性、波動性の部分を何とか考慮してもらえないかというような御意見もありました。
あと、港湾の魅力をより外にPR、発信すべきだろうという積極的な御意見もありました。そういった中で、働き方改革を報告書、計画の中に書かせていただきましたが、今、港湾で人手不足が非常に問題になっているという声は、直接私もお聞きしませんけれども、当然高齢化が進む中で、これからはどうしてもそこは避けては通れないと思います。
そんな中で今の若い人たちがどういうところに就職したいかというところで選ぶポイントが、やはり休暇制度とか労働時間とか、そういった部分に非常にポイントを置いて就職活動をしている学生さんたちが多いということはよくお聞きするところであります。労働時間に関して、港湾の場合は他の産業に比べると多いというのが現実としてあるわけですので、ここの部分をどのように、波動性、特殊性を克服しながらどうやって対応していくかということが非常に問題になってくると思います。
これは従来申し上げているとおり、我々行政も含めて、当然我々だけでもうまくいかない部分もありますので、国交省を含めていろいろな関係省庁とも連携しながらやっていく必要があるのだろうと考えているところであります。
○鎌田座長 この場で事業者の方も、この点について、何か御発言があれば、御発言いただきたいと思うのです。
○鶴岡委員 最大の問題は、総労働時間の問題もあるのですけれども、法律上に規定されている半年が例えば80時間、その残りの半年が45時間という規定があるのですね。港湾の場合に、1年を通して我々が調整できる問題ではないので、この半年ごとの6か月・6か月というこの規定は、我々は働き方改革に対して、私はこれが一番厳しいのだろうと。もちろん総労働時間に対しての問題もあります。それから、待機時間の問題がいろいろあります。ただ、この6か月・6か月はどうやっていくのか。まずはこれが一番の問題かなと。
あとは確かに今の若い人たちが、休暇であり、時間がないことが前提で言ってくる。これも確かにそのとおりです。ですから、賃金以前の話で、まずは休暇。それから、労働時間の問題。これがまず、就職の第一の要になっているのですね。これが未来永劫続くと私は思えないのですけれども、ただ、現状はそういうことです。
では、仮にこういう人たちを例えば1日8時間以上働かせない。残業なしだと。休暇はこうだよと言っても、現行の働いている人たちをどう区別するのですか。現状働いている人たちは、やはり港湾の働く魅力は、ある意味はやはり賃金の問題がある。総収入と言ったほうがいいのかな。総収入の問題があるので、時間外をしない人たちとどう区別するのですか。
ですから、一概に魅力ある港湾と言っても、現状いる人たちを全てその枠にはめること自体は非常に厳しいし、無理にこれを進めると、下手をすると、現状いる人たちも離れていく可能性がある。ですから、我々使用者側としても、本当に痛いところで、確かに高齢化をしているけれども、今の若い人たちとどうこれを馴染ませるのか。これは本当に労使で頭を突き合わせても、なかなか答えが出てこないのですね。ですから、総労働時間が720時間でしたか。
○後藤委員 720時間です。
○鶴岡委員 これ自体も難しいのですけれども、ただ、先ほど申し上げたように、6か月・6か月のこの波動性を我々では調整し切れない。仮に720時間ということは、月間60時間ですね。60時間にこれを下げられるかというのは非常に難しい問題がありますが、では、1年を通して毎月60時間ならいいのであればいいのですけれども、やはり今度の法律はそうなっていないので、その辺がまずはネックかなと思います。
○後藤委員 私も同じ意見です。それ以前に今、室長のほうから、今は需給が成り立っていると。うまく回っているというお話なのですけれども、1年後になったら、今の時間外の件で、これは必ず需給が、バランスが狂うのですね。必ず人が足りないという問題が出てくるのですよ。
だからといって、この1年以内に求人をしても、入ってくる人は先ほどの御説明があったように、これはもうほとんど入ってこない。そうすると、今の働き方改革法案に対応するとするならば、非常に港湾が混乱するという現状ですね。必ず1年後には、みんな時間外がやれないという問題が出るものですから、人がそれで入ってこない。そうすると、必ず港湾はいろいろパニックになるなと私は思っております。今は足りていますよ。時間外や何かで調整をしていますからね。これは必ず来年、今は1年間あるからということでみんなちょっと余裕を持った考え方でおるかもわかりませんけれども、来年の4月から本当に適用された場合、非常に困る事業所も出てくる。
そういう面で、うちの会社は、それではどうなるのだということで、かなり私も検討はしていますけれども、いろいろとまだまだ改善できないこともあるということで、1年でどうやって改善しようかということで考えていますが、来年の1年後に必ず従業員が足りなくなる。それをどうするのだと。人が来ないのだよ。魅力ある職域でも何でもないのだよ。そうすると、その中で、機械化全て反対ということで労働組合は言うけれども、そういう面も多少は入れながら、魅力ある港湾をつくらなければいけないと私は思っているのです。もう全て機械化反対、反対という、労働組合の委員長が言っていますね。そんなことで、魅力ある港湾などできないですよ。やはり今の若い人は、スマートフォンだとか、そういうものが得意なのです。だから、そういうものにある程度置きかえられるものはやっていかないと、港湾などは絶対に、こうなるともう人は来ないと思う。若い人はね。今はみんなそういう世代なのです。
だから、私は、そんな今、機械を入れるのがどうのこうのと言っても、そう簡単には入らないのですよ。そういう機械はもう3年ぐらいかかるのです。RTGや何かにしても、すぐにメーカーも簡単にはできないのです。それだけの能力もない。だから、労働組合側には、今からぜひそういう面で目を開いてほしいと、私はそう思っている。必ず来年の4月から大変なことになる。
鶴岡委員、どうですか。
○鶴岡委員 一応猶予が1年ということですけれども、今、社労士とも話していますが、正直に言うと、決してこの1年間何もしなくていいという話ではないのですね。今、東京でも取り組んでいます。就業規則、いろいろなものを全て改変していかないと、まず間に合わない。それから、36協定についても、これも直していかなければいけない。
ただ、あくまでも現行の給与を、給与という言い方はおかしいかな。収入を減らさないようにするにはどうしたらいいのかと。時間外を同じようにアカウントをどうしたらいいかということを今、議論しています。ですから、例えば組合と我々がやっている労使協定「8・7・45」、実を言うと、これが法律上「8・8・45」になっているのですよ。ですから、デイリーの1時間がはっきり言いますと、20日あれば20時間はクリアランスがあるのですけれども、ところが、では、組合との協定はどうするのですかという問題もあるのです。1つのことを言えば、36協定を優先するのか、法律を優先するのか。現行の法律の働き方改革を見ていくということ、労使の取り決めが優先されないのですね。あくまでも法律が前提条件としての36協定になってくるので、この辺は我々で、労使でしっかり話し合わなければいけないとは思います。
いろいろな問題を含めていますし、それと、後藤委員からの機械化の話についても、これもただでできる問題ではないので、非常に莫大な追加投資を必要とする。それと、実際と、果たしてバランスがとれるのかどうかという検討もしなければいけない。今、後藤委員が言ったのは機械化の話です。例えば遠隔操作の問題だと思います。自動化ではないのですね。あくまでも人間はかかわるけれども、作業をする環境が屋外か室内かというような論議だと思うので、決してこれは人を減らす話ではない。労働環境を改善するということなので、今の後藤委員の話は、その辺は自動化とはちょっとまた別かなとは思います。
ですから、組合が言っている自動反対というのと、またちょっとその中の一部の話なので、こういうことも考慮していかなければいけないのだろうと思いますけれども、まずは港湾の特性をどう働き方改革に合わせるのかということは、正直に言って、我々労使だけでは解決しないとは思います。我々がコントロールできる範囲外の話なので、それで国交省にもこの間も申し上げたように、国として厚労省だけではなくて、国交省としてもどのように取り組んでいくのかということは、お互いに大事だと思うのです。この辺は両省庁にお願いしたいと思います。
あと、細かく言えば、我々を取り巻く環境から言えば、もちろん経産省も入っていれば、農水省も入っているし、税関の問題も入ってくる。ですから、財務省の問題も入ってくる。非常に多岐にわたるのですね。この辺の時間の問題、いろいろなものも全て考慮しなければいけない。その上に、取り巻くトラック業界なり倉庫業界なりとどう取り組んでくのか。最終的にはエンドユーザーがどう理解してくれるのか。こういう取り組みをしないと、我々だけでは、これはとても解決できないというのが現状だと思います。
○鎌田座長 あと、何かございますか。
○玉田委員 公益代表委員の大阪だったかな。他産業のというのがありましたでしょう。機械化の問題とか、いろいろありますが、要は、波動性の問題は、本当に私たちの側ではどうしようもないというのは決定的なのですね。
そういう意味では、他産業もという視点が、大阪の意見は、それだとすればね。だけれども、それを議論したら、多分、審議会の性格にもとるとか言われて、はねのけられてしまいそうな感じもしますけれどもね。それと、コンビニが今、夜中、深夜をやめようみたいな議論があるではないですか。物流は今も夜中に港から配送しているではないですか。ああいったことからも変わる可能性はあるかなとは思うのです。ただ、我々が独自で努力したら何ができるかは、これは確かに、本当に悩ましいなと。これは共有できるものはあると思っています。
だからといって、今のは時短、残業代が切られるから、このまま放っておいていいかというと、当然労働者の側から言ったら総収入が減るわけだから、これをどうバランスをとるのかというのが絶対に出てくると思いますけれどもね。収入の問題と労働時間の問題をひとまとめに議論するというのは、論理的には私は正しくないと思いますけれどもね。そう思いますが、長い間実態的にはそういうことで来ているから、そこはどう整合するかは議論になると思いますね。
○鶴岡委員 一番ネックは待機時間ですよ。待機時間を残業と捉えるのかどうか。払うお金は一緒にしても、届ける数字として実労働時間。待っているということ。これが今は全て残業になっている。この辺の区別をしていかないと。
○溝江委員 それも整合性とおっしゃいましたけれども、地区ごとに違うわけでしょう。労働局の判断もね。だから、大阪だったら待機時間は賃金には反映させるけれども、労働時間ではないという考え方が強いわけで、そこら辺をきちんとした一つの考え方、それが欲しいなと。そういう意味でしょう。
○鶴岡委員 組合がどうのという問題ではなくて、これは役所の問題なのですよ
○玉田委員 拘束時間のこと。
○鶴岡委員 厚労省側の判断がそのようになってしまう。
○溝江委員 労働組合側を向きながら行政側に言っているわけですけれどもね。
○後藤委員 拘束時間になってしまう。
○玉田委員 でも、放っておいたら、皆さん方、拘束時間は仕事をしていないのだから、賃金をカットするぞとなるのでは。
○溝江委員 ならないです。
○鶴岡委員 それをやったら大ごとになってしまう。
○溝江委員 それを守らんことには、賃金の収入自体が変動するではないですか。その収入を変動させないために、一方では労働時間を減らさなければいけないわけでしょう。収入は減らしてはいけないわけでしょう。要するに、労働時間をいかに残業に結びつけないかということを模索しないといけないわけですよ。かつ、もう一点は、年間収入、月間収入、これを波動させない。この2つに関連性を持って解決しないといけないわけです。細かいことですよ。そこに問題があるわけです。法律と現状とここですよ。
ですから、そのポイントとなっているのは、待機時間。これは払うのだと。労働していないのだと。そこを法律側としてどう解釈していただけるかなのです。
○玉田委員 難しいね。賃金は発生するけれども労働時間ではないというわけでしょう。
○溝江委員 拘束時間と言われたら労働につながるのだけれども、待機して何も、電話もとっていないし、ゆっくりしているだけだと。連日そうなのですよ。ベッドもあるし。
○鶴岡委員 理解してほしい。要するに、収入を減らさずに働き方改革をクリアするための苦肉の策なのです。ただ、これを厚労省としてよしとするかどうかは、また別の話。現状はだめなのです。拘束時間になってしまう。
○玉田委員 それはそうだろうね。
○鶴岡委員 そうなのです。現状はだめなのです。
○溝江委員 拘束時間は拘束時間でいいのですよ。だけれども、労働時間ではないと。ここをはっきりさせたらいいのですよ。収入と。
○後藤委員 実労働時間だね。実労働時間と、その辺が全然違う。
○北條雇用開発部長 ちょっとよろしいですか。今のお話は労働基準局の担当なので、私から責任を持った回答はできませんけれども、私の知っている範囲でコメントだけ申し上げたいと思います。
今、問題になっている待機時間が労働時間であるかどうかということについては、今のところ労働時間とカウントされております。そこでの残業代は残業手当ということになります。それが労働生産性を全体的に低下している事情だという問題は大きな問題で、これは似たような問題がトラック業界であるのですね。トラック業界の方々とお話ししていると、やはり荷待ちだとか荷受けのところで相当な時間が発生してしまっていて、非効率になっている。これをどうしたらいいのだということの議論が随分進んでいるのですね。
このときに、荷物を出すほうとか受けるほうの事業主の方の理解を得ないと、トラック業界だけでは、これは十分できないなという議論に行き着いてしまって、そこのところで今、取り組みがいろいろなものが始まっています。私が聞いている範囲では、例えば工場から荷物が出てくるときの情報をコンピューターで管理をして、その時間に間に合うようにトラックが荷受けをする。そこをできるだけ待機時間を短くするとか、その一つのトラックに積み込む量を複数の工場から出てきた荷物を一つに混載するとか、そういうものを全部コンピューターで管理しようではないかという議論が始まっていて、それは少しずつ成功している事例もあるのですね。そういう他産業の好事例も参考になるかなと今、お話を聞いていて思いました。
その前に波動性の話もありますけれども、港湾の場合、特に波動性が強いわけですが、波動性のある産業は港湾だけではなくて、この前聞いた話だと、旅館業も結構そうだと。例えば土日は結構忙しいですし、平日はそれほどでもない。季節によって随分違うし、でも、平日でもどっとお客さんが入ってきて、予約が入ってきてしまって人手不足になってしまうとか、相当波動性の問題が議論されている。その中でも、やはりいろいろな工夫で、雇用管理面で工夫をされていて、例えば仲居さんにスマホを持たせて多能工化を図るとか、いろいろな取り組みをやったりとか、それはそれなりに各産業でいろいろな工夫をされているという話を聞いています。
そういったいわゆる生産性を向上させるための、人を切る意味の生産性向上ではなくて、利益を上げて、その利益を労使で、果実を両方で分かち合うという意味の生産性向上。それをやるという意味で労使が話し合って、各産業でいろいろな工夫をされている事例がありますので、そういうものも厚生労働省のホームページなどに出ておりますので、ぜひ参考にしていただいて、御議論を深めていただければというふうに、感想として申し上げたいと思います。
○鶴岡委員 我々の問題は、今、おっしゃった旅館にしても、飲食店にしても、これは昔から水物だと言われている。ただ、我々の場合は本船が、グローバルな時間で動いているのですよ。ですから、日本の時間に合わせて入港してくれるのなら、これはいいです。そうではないのですよ。世界の中のスケジュールで船が動いている。その時間で入港してくる。その時間に合わせて出港させなければいけない。こういう問題があるので、これは我々ではどうにもならない。
では、そこを一つの意見として2シフトにする、3シフトにするという意見もあります。しかし、残念ながら、これも2シフト、3シフトにするだけ人がいないのです。2にしたり3にしたりすると、当然今の労働者は総収入が減ります。では、これはどうするのだと。現行の労働者の総収入を倍にしなければいけない。それでは、とてもではないけれども、経済的に会社はもちません。だから、ワールドワイドに動いている船の、まさに時間をどうしてくれるのだと。こういう話を前回もしたと思うのですけれどもね。最大の波動性はそこにある。確かに今、ウイークリーの入ってくる大体の本船スケジュールはわかりますけれども、しかし、それが夕方の3時に入って、その日のうちに出さなければいけない船をどうやるのですかと。では、3時から出勤させればいいではないかと。そんなに都合よくみんな働いてくれませんよ。
○鎌田座長 これも私の感想ということになりますが、ここしばらく全港・全職種の適用という、ある意味では港湾に関する固有の問題を話してきました。本日のところは、働き方改革のことについて、多くの御意見が出されたと思います。猶予というようなお話もありましたけれども、1年は割と早くて、しかも1年後に法適用するということになれば、時間はそうないということでありまして、そして、今、私が双方からいろいろ課題をお聞きしたところ、非常にどれも今までの働き方は本当に変えていかないと、うまくこれを乗り切れないだろうなという感じがしております。
それが恐らく他産業においても同じ問題を抱えているということで、ぜひ行政を含めて、それから、労使の皆さん、しっかりとこのところは議論をして、魅力ある職場をつくっていくという観点から、御努力をお願いしたいと思います。
そういうことで、他にもしなければ、港湾労働専門委員会報告書(案)に関しては、(案)を取った形で雇用対策基本問題部会に報告し、加えて、新たな港湾雇用安定等計画(案)をもって同部会へ報告するということを御了承いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
玉田委員。
○玉田委員 ちょっと本体のほうの議論で、今回の計画の最大の特徴は、報告書と一体的に読む、あるいは一体的に計画を進めていく。そういう性格なのだろうなと思っているのです。ぜひここは議事録に残るということもあって強調しておきたいということと、もう一点は、そのために、進捗をきちんとチェックするというのがあるではないですか。そこは今までの慣例的に言うと、毎年1回専門委員会を開く、あるいは地域でも開くということだったのですけれども、そこにこだわることなく複数回も含めて進捗がきちんとチェックできる体制あるいはそういうやり方で進める。ここは御確認をいただきたいと思うのです。
○鎌田座長 事務局、この点についてはコメントがありますか。
どうぞ。
○吉野建設・港湾対策室長 ありがとうございます。
玉田委員がおっしゃったように、今回の計画(案)の検討の中において、この計画と報告書の位置づけは相当御議論をいただいたと思っておりますし、私のほうからも、この報告書の中での書きぶりを「はじめに」のほうにも書かせていただいておりますけれども、進捗状況を確認していくということの文言も入れさせていただいているところであります。
そういったことも踏まえて、今後の話になりますけれども、進捗状況の確認の方法等を含めて、皆様方ともまた御相談をしながら、なおかつ、今回はこういった形で計画(案)の策定に相当時間を費やしましたので、今、現行の計画の進捗状況の御報告は、正直、まださせていただいていないというのも事実でございますので、そういった機会も当然我々としてはセットしていく必要があると思っております。
そういったことを踏まえて、また皆様方と今後、御相談をさせていただきたいと思っております。
以上です。
○鎌田座長 玉田委員、よろしいですか。
○玉田委員 結構です。
○鎌田座長 では、今、労働者代表委員からの御発言を踏まえまして、行政でそういう対応をするということでございますので、それを受けて先ほど申しましたように、報告書(案)と計画(案)について、御了承いただくということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○鎌田座長 ありがとうございます。
それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
事務局から報告文(案)の読み上げをお願いいたします。
(報告文(案)2種類配付)
○鎌田座長 事務局、これについて説明があるのですね。
○吉野建設・港湾対策室長 読み上げをさせていただきたいと思います。
それでは、お手元に2種類のかがみ文がございます。読み上げをさせていただきたいと思います。
まず、1つが計画(案)の部分になります。案として、港湾労働法第3条の規定に基づく港湾雇用安定等計画の案について、港湾労働専門委員会において事前に審議した結果、下記のとおりその結論を得たので報告する。
記としまして、港湾雇用安定等計画を別紙案のとおり策定することについて、おおむね妥当と認めるということがまずは1つでございます。
もう一つは報告書です。こちらはもう(案)を取って雇用対策基本問題部会のほうに提出をさせていただきたいと思います。案としましては、労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会港湾労働専門委員会は、平成30年10月9日以降、港湾労働法に基づく新港湾雇用安定等計画の策定等に向けて平成31年2月25日までの間に5回にわたり検討を重ねてきたところであるが、今般、その結果を別紙のとおり取りまとめたので、報告する。
以上で報告書として雇用対策基本問題部会に御報告したいと思います。
以上でございます。
○鎌田座長 それでは、ただいま提案されたとおりでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○鎌田座長 ありがとうございます。
それでは、この報告文を付した上で、雇用対策基本問題部会に報告することといたします。
本日、予定されておりました議題は以上でございます。それでは、今後のスケジュール等について、事務局からお願いいたします。
○山本建設・港湾対策室港湾労働係長 スケジュールにつきましては、資料2をごらんください。先ほど冒頭でも申し上げましたけれども、本日の午後に雇用対策基本問題部会がありまして、そこへ専門委員会報告書を報告するとともに、計画(案)について審議・決定されることになります。その後、3月に計画の告示をしまして、平成31年4月1日より新たな計画を適用する予定となっております。
最後になりますけれども、事務局を代表しまして、雇用開発部長の北條より御挨拶を申し上げます。よろしくお願いします。
○北條雇用開発部長 事務局といたしまして、一言御挨拶申し上げます。
委員の皆様方におかれましては、昨年10月以来、御多忙のところを大変真摯に御議論いただきまして、ありがとうございました。
本日、新たな港湾雇用安定等計画をおまとめいただきまして、厚く御礼を申し上げます。
今回の計画におきましては、港湾労働法の施行状況や港湾運送事業雇用実態調査などを踏まえまして、御審議をいただきました。
専門委員会におきましては、委員の皆様方の活発な御意見をお聞きするとともに、公益代表委員の御見解をいただきながら、本日を迎えることができたわけであります。
現行制度のあり方についても、さまざまな貴重な御意見を賜り、我々事務局といたしましても、新たな計画(案)はこれからの港湾労働対策の推進に当たっての指針となり得るものだと考えております。
今後の制度運用につきましては、今回の検討過程において、皆様方からいただいた貴重な御意見、御提言の趣旨を十分に踏まえつつ取り組んでまいりたいと思っております。引き続き、皆様方を初め、関係各位の御意見をお聞きしながら、港湾労働対策に努めてまいりたいと思っております。
今後とも御支援、御協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
大変ありがとうございました。
○鎌田座長 どうもありがとうございます。
それでは、本日の委員会はこれで終了したいと思います。皆さん、本当にありがとうございます。
これから課題が山積でありますので、なお今後とも御議論をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日の会議に関する議事録の署名委員につきましては、労働者代表は玉田委員、使用者代表は後藤委員とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、本日の委員会を終了いたします。どうもありがとうございました。
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