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2017年1月25日 第28回 社会保障審議会生活保護基準部会
社会・援護局
○日時
平成29年1月25日(水)13:00~15:00
○場所
厚生労働省共用第6会議室
○出席者
駒村 康平 (部会長) |
岩田 正美 (部会長代理) |
阿部 彩 (委員) |
小塩 隆士 (委員) |
栃本 一三郎 (委員) |
山田 篤裕 (委員) |
○議題
・平成29年度における生活保護基準の検証作業の進め方
・その他
○議事
■駒村部会長 こんにちは。出席予定の委員がそろったようですので、少し早いですけれども、始めたいと思います。ただいまから第28回「社会保障審議会生活保護基準部会」を開催いたします。
まず、本日の委員の出欠状況について、事務局よりお願いいたします。
■鈴木保護課長 それでは、本日の委員の皆様の御出欠でございますが、宮本委員、岡部委員より御欠席の御報告をいただいております。
以上でございます。
■駒村部会長 それでは、本日の議事に入りたいと思います。
前回の部会におきまして加算制度についての議論を行いました。その関係で事務局から資料が提出されています。また、岩田委員からも関連した資料が提出されていますので、まず岩田委員から御発言をお願いいたします。
■岩田部会長代理 一番先で申しわけありませんけれども。
前々回のこの会議で発言したことを図示したということにすぎませんが、こういう色つきのものがあると思うのですが、それをご覧下さい。この部会ではもちろん共有されていることではありますが、生活保護というのは大変誤解されていて、組み合わせ体系になっているということと、それぞれの扶助や加算の根拠というのが一定ではないということについての一般的な理解が非常に少ないと思うのです。
例えば基準の見直しというか、検証しろというときでも、その検証の根拠というのが、生活扶助のことなのか、住宅扶助のことなのか、教育扶助のことなのかによって違いますし、幾つかの扶助はやりようがないというのがあるのです。そういうことの基本的な理解のもとに、例えば政府の大もとのところとか財務省とか、そういうところでいろいろやって欲しいことを投げてくるわけですけれども、そういうことができる体系なのかどうかということを少なくとも私たちでは確認して、絶えず社会啓発といったら変ですが、生活保護体系というのはどうなっているのかということについて理解を求めていかないとだめだと思うのです。
例えば年金についてもいまだに誤解がありますけれども、厚労省が2011~14年に「社会保障の教育推進に関する検討会」などを開催して、正しい理解を求めて年金教育ということを打ち出されたことがありました。こういう最低生活保障についても中学や高校でも副読本ぐらい作ってもいいぐらいですが、ともあれ非常に複雑な制度なのです。
私がまず申し上げたいのは、生活保護の基準改定というのは、従来生活扶助についてなされて、ついでにというか、加算も検証するというような形でなされたのですが、前回住宅扶助が突如出てきて、もちろん生業扶助の問題、それから一時は医療扶助のことも題には挙がったことがあるのですけれども、それぞれ根拠が違う。生業扶助は非常に複雑なので、少し議論の余地があると思いますが、介護扶助、医療扶助、教育扶助、出産扶助、葬祭扶助については、生活保護が独自に決めるというよりは、社会の中で決まっている最低限のところに落ちつくというような形になって、他制度とリンクしているので、こちらが独自に議論の余地があるのかどうかということがまずあって、そこを共有して議論を進めていくということが大事ではないかと思う。
住宅扶助は、前回の議論のときも申し上げましたけれども、かつて第2種公営住宅家賃の最高額というのが上限としてあったわけですが、それ自体がなくなってしまったので、何にしていいかわからないわけですけれども、幸い最低居住水準というものがありますので、それを満たす住居が当該居住区域で確保できる金額というのを公正家賃ということで議論したと思うのですが、そういうものを導入するということが今後も考えられていくだろうと思います。
一番問題は生活扶助で、本体部分と加算は全く違う原理で動いています。本体部分は一般扶助という設定なので、御承知のように、第8次改定ではマーケットバスケットで、理論値でやりました。しかし、それも標準世帯から展開していって、どの世帯にも適応できる基準表をつくる。そういう一般扶助としてのやり方でやっていったわけです。級地は級地の問題としてありますけれども。
ところが水準がなかなか上がらないものですから、エンゲル方式にして格差縮小にしていった。格差縮小のところで相対方式ということで、一般消費者というか、低所得層と特に乖離しないということで水準を上げていって、その格差が適当水準、つまり水準が均衡したということを第4条1項で確認したということです。これが今日まで私たちの参照基準になっていて、きょうの資料にもありますように、この議論でもここは当面は変えないということなのですね。
ところが、標準世帯からの展開というやり方は残っているといいますか、一般扶助でやるとそういうふうになっていきますので、合理的に展開できているかどうかというのがもう一つの問題になっていく。
もちろん、参照する低所得層とはどこか、あるいは一般消費者層はどこかということが絶えず検証されていかなければならないと思うのですが、ここは後で事務局からの御説明でも確認したいと思うのですが、世帯人員については、前回のスケールメリット、さらにもっと前から少しずつ補正されていて、前回でかなりよくなったと思っているのですが、年齢別のところと1類、2類という基準、もともとのその区分それ自体がよかったのかという疑問があるのです。
これは後で見ていただければわかると思いますが、年齢区分は、子どもは大体学齢で区切っていて、大人は何となく区切っているという感じですね。特に60代前半、後半を一緒にしているので、今日の厚労行政の中での高齢層の定義と少しずれてきているのです。そうすると、前回回帰分析で検証したといっても、要するに、その年齢層の平均値が1に対してどのぐらいかという検証をやったことになるので、その年齢区分が違ってしまうと、違うことになってしまうのではないかというおそれがあります。
それから、1類と2類は、この基準部会の初めのころ、作業部会の中で何が1類で、何が2類かというのを見せていただいたことが一度だけあるのですけれども、これも非常に昔につくった区分が生きているので、今から見ると、えっというのが入っているのですね。ですから、1類、2類というやり方をするのか、1類も2類も一緒にしていった指数みたいなものをつくるのか、それはわかりませんが、いずれにしても、ここはもうちょっとやりようがあるかなと思っています。これはあくまで水準均衡でいくのだ、一般扶助でいくのだとすれば、今のところのもう少し納得いくような区分や検証というのが必要ではないかなと思うのです。
しかし最も大きな問題は、生活扶助本体と各種加算との関係です。今回出ている有子世帯の問題については、加算の問題と、それから一般扶助の中に子どものニードというのをどのぐらい入れていくかというのが両方まざっていると思うのです。
ところが、生活扶助本体というのは、あくまで標準世帯の水準均衡でやっていきますから、つまり、どんな世帯も必要なものという前提です。それに対して、加算というのは、カテゴリー別、ニード別類型といいますか、通常よその国の公的扶助は大体こちらでいくわけですけれども、こういうやり方でやられているものが多いわけですね。もちろん、制度にリンクしているものもあれば、リンクしていないものもある。そうすると、本体の方の一般的な最低生活費という観念と加算としての特別なニードをどう考えていくかという理論的な整理というのは、いずれどこかで説明していかないといけないのではないかなと思う。加算は割合簡単につけたり外したりしてきた経緯もあり、非常に扱うのが難しい部分で、ここが今回の場合も非常に大きな問題になっていく。
もちろん、本体の方にもうちょっとニード原則というか、理論値みたいなものを入れていくのだという考えを、今回例えば相対比較でやるのだけれども、特に子どものことに関しては理論値を入れるのだというやり方をやるというのは、あり得るだろうと思います。
私から見ると、これまでの部会でも、何らかのお題が来るわけです。お題が来ると、そのお題についてやるのですが、今回のお題は今までのものとちょっと違います。普通のこの体系に沿っていない。だから、有子世帯ということで、子どもの貧困に焦点が当たっていますから、当然全てにかかわるのです。教育扶助にもかかわる、生業扶助にもかかわるかもしれない。ですから、そういうやり方をやったことがないので、理論的にも整理しながらやらないと、上がったからいい、下がったから悪いというような単純な話ではなくて、体系全体の問題になるかなと思っています。
私のこの体系図で間違っているところがあれば、また御指摘いただきたいと思いますけれども、生業扶助をどうするかというのは大問題。それから級地の問題もありますし、ここに書きませんでしたが、勤労収入の認定・控除の問題がありますけれども、それ以外、例えば出産とか葬祭扶助とか医療扶助、介護扶助というのは、要するに、最低限だと社会が合理的にみなすものの実額、そういうものを出していく。あるいは他制度が決めている水準、生活保護層も国保並みの水準でいくということは、ちょっとどうしようもないと思うのです。
だから、それはそういうものだというふうに。医療費を減らしたければ、今、また新しい試みが出ているようですが、基準の問題ではないアプローチでやるしかないのではないかなと思います。
以上。
■駒村部会長 岩田先生、ありがとうございます。整理していただきました。
加算の点については、きちんと理論的に位置づけを考えた方がいいのではないかということと、これまでの議論の振り返り、展開をお話しいただいたと思いますけれども、今の岩田先生の御発言の中で議論すべきポイントはありますでしょうか。では、阿部委員、お願いします。
■阿部委員 1点、岩田先生のお考えもお聞きしたいと思うところなのですが、先ほど各種加算のところでは、これはニードに基づくものであり、特に子どものところは理論値でやることも検討すべきではないかといったことをおっしゃいました。理論値でやるということは、恐らくマーケットバスケット方式のようなもので積み上げということを明示していらっしゃると思うのですが、具体的にその理論値をつくっていくときにはどのような手法があるかということを、記録に残すためにも御説明いただければいいかなと思いました。
■駒村部会長 岩田委員、お願いします。
■岩田部会長代理 それは本体も含めてということになりますか。
■阿部委員 子どものニーズを加算の部分だけと本体のところと切り離してマーケットバスケット方式みたいな形でやることができるのかというところですね。
それが無理なのであれば、本体のところに含まれるもの、例えば被服費などもそういったところに入ってくると思いますけれども、それも含めて子どものニーズというのを改めて全部理論値としてつくり出す必要があるということかなと思いますが、そこら辺はどのようなことをお考え。本体と切り離して加算の部分を理論値でやるのか、それとも本体と一緒にしてやるのか、どちらにしても具体的に理論値でやる場合はどういうふうなやり方をやっていけばいいのかということ。どのようなデータを使ってというところを御説明いただければなと思いました。
■駒村部会長 岩田先生、お願いいたします。
■岩田部会長代理 ですから、水準均衡がちょっと違う時代に入ってきたので、例えば下の方がふえていくと、第1・十分位とかその辺でやっていいのかという議論がありますので、部分的にマーケットバスケットのような方法、あるいはエンゲル法則のような方法で別の検証もしてみるということは必要だと思うのです。
先ほど言った1類の年齢別は、明らかにカロリーですね。どうしてあれが検証してもああなるのかというのは、私もよくわからないですけれども。
だから、一般家計でもどういうふうにそれが出ていて、あるいは出ていないのかというのは、実態生活費で検証するとともに、部分的な、例えば阿部先生がなさっているようなミニマム・インカム・スタンダードのような方法、幾つかのパイロット的な調査なども参照しながら決めていくというやり方はあるかなとは思うのです。でも、そうなると、1類の考え方をどうするかということになりますね。
つまり、第8次改定のときは、圧倒的に食べるということですね。そういう時代ですからね。だから、今の必要というのをどういうふうに考えていくかというのを検証していく必要はあると思うのですけれども、一応食べていくという形にしておいて、もう少し学校教育や社会的な活動に子どもが参加できるとか、そういう観点からプラスアルファしていくか、何か別のやり方を考えるしかないかもしれませんね。
■阿部委員 子どもの部分の1類費のところということですか。生活扶助の本体の1類の子どものところの部分にそのような理論値を入れるような形にしていくというような。
■岩田部会長代理 例えば生活保護受給世帯の家計調査で見ると、母子世帯は家計構造が違うのです。母子世帯の家計構造は一般世帯の家計構造と非常に似ているのです。例えば生活保護の高齢世帯などの家計構造は昔の家計構造で、エンゲル係数が非常に高い。社会活動も余り活発でないというふうに出てきます。これは昔からそうなのです。昔からというのは、私が研究し出したころということです。
その場合、やはり子どもがいると無理をした消費をせざるを得ない。そちらへ回そうとする。これは合理的で、子どもにとっていいかどうかという問題とはまた別で、代償的消費というか、同じものを着せてあげたいとか、同じものを持たせてやりたいというのが部分的に入ってきたりしますので、解釈は非常に難しいのですけれども、でも、子どもは人並み、みんなから落っことしたくないというのが家計にあらわれているのです。平均的にはね。だから、そういうものを積み上げていくしかないと思いますが、そうなると、落っこちっ放しの高齢世帯はいいのかということもありますね。これは一般の年金生活者でも低めているということだと思うのです。水準均衡しているというわけですからね。少なくとも第1・十分位の真ん中、平均値はかなり不活発な生活だということになりますね。
だから、最低限というのは、贅沢はしない。けれども、病気になったら医療にかかれるし、社会活動がある程度できるというような何かは持っていないと、単に比較だけで済むかということは出てくると思います。
■阿部委員 ありがとうございます。
■駒村部会長 大事な部分の議論だったと思います。これから検証の作業に入っていきますので、今のお二人の議論、岩田先生から本体の年齢区分の議論もありましたし、そことかかわって子どもの需要の捉え方を多角的に捉えていきましょうということもお話がありましたので、これは後ほど本体、今後の作業の方針を議論する際に一つ参考になるのかなと思いました。
いかがでしょうか。ほかの委員から御発言があればと思いますが。
きょうは、まだ資料が用意されていまして、今、岩田先生のお話の中で、加算がそもそもできるきっかけというのは、他制度とのバランスの中で生まれてきた部分もあると。今日それをどう評価するのかというのがこの部会の一つの重要な役割になっていますので、前回委員の皆さんから各種加算の経緯について御質問がありましたので、岩田先生の議論、必要に応じて後で水準の議論がありますので戻るとしても、事務局から資料1について御説明をお願いできればと思います。
お願いします。
■清水保護課長補佐 それでは、資料1について御説明をさせていただきます。
1ページをお開きいただきまして、この資料自体は、各種加算におけるこれまでの改定方法等について簡単にまとめたものでございます。
1ページ目につきましては、福祉年金制度に関連して創設、改定がされた経緯がございます老齢加算、母子加算、障害者加算について記載してございます。内容については、前回口頭で申し上げた内容をまとめたものでございますので、詳細な説明は割愛させていただきますけれども、昭和35年、福祉年金創設時に老齢加算が福祉年金と同額の加算として創設された。母子加算、障害者加算もその時点でそれぞれの福祉年金と同額ということで、金額の改定がされたということでございます。
また、昭和51年につきましては、福祉年金に準拠する方式から生活扶助改定率に準拠するという改定方式の変更がなされた。
次いで、昭和59年、水準均衡方式導入時ですけれども、今まで生活扶助基準の改定率に準拠していたものから、役割が違うというところから、生活扶助基準本体と異なった取り扱いをするものとして整理がされてきたというところでございます。
続いて、2ページ目でございます。左の2つ、児童養育加算と放射線障害者加算につきましては、他法の手当の並びで創設、改定が行われてきたものでございます。児童養育加算につきましては、児童手当の同額の加算として設定されてきました。また、対象範囲についても児童手当と並んで改定されてきておりまして、当初は第3子以降のみということで、これは多子世帯への手当ということで、名称も「多子養育加算」と呼んでございましたけれども、その後、児童手当の対象拡大等に準じて児童養育加算の対象範囲、金額等も改定されてきたという経緯がございます。
放射線障害者加算につきましては、原爆被爆者の方に対して、原爆被爆者援護法に基づく手当、具体的には健康管理手当等を勘案して改定を行ってきたというものでございます。
妊産婦加算と在宅患者加算につきましては、生活保護独自の加算ということでなってございまして、これは制度創設当初、先ほどお話のありましたマーケットバスケット方式で基準を算定していたときから、もともと消費カロリー、追加の栄養補給の観点から加算を設けたというところで、以降、栄養所要量ですとか生活扶助基準改定率とか、昭和59年からは物価の伸び等によって改定を行ってきたというものでございます。
また、介護施設入所者加算につきましては、介護保険制度創設に伴いまして、介護施設入所者の裁量的日常経費ということで、嗜好品ですとか理美容代ですとか、そういった本人の嗜好とか選択に要する費用に充てられることを想定して算定されたものでございます。
簡単ではございますが、一覧表として整理をいたしておりますので、また追加等の御依頼があれば御指摘いただければと思います。
以上です。
■駒村部会長 ありがとうございます。
では、資料1について議論をしていただきたいと思います。
今も説明がありましたように、多くの加算は、きっかけは別制度の導入あるいは水準の見直しに連動している部分があるというところだったと思いますが、資料の再確認あるいは追加の資料等々、あるいは議論がありましたらお願いします。いかがでしょうか。山田委員、お願いします。
■山田委員 非常にわかりやすい詳細な資料を御作成いただきまして、ありがとうございます。
今、話がありましたように、他制度との連動という中で他制度の水準との連動というのも重要だと思うのです。具体的には例えば母子加算だと老齢福祉年金の1.3倍とか、障害者加算だと老齢福祉年金の1.5倍。
もしくは例えば老齢加算、廃止されてしまいましたけれども、福祉年金に準拠していたのだけれども、1類基準額の一定割合、具体的には65歳以上の男女平均額の2分の1ということで、他制度と連動するばかりでなくて、給付水準というのも、ある一定の倍率で連動させるということで、1.3倍とか1.5倍とか、あとは65歳以上の男女平均額の2分の1という水準自体がどういう考えを背景に決まったのかということについて、きょうでなくて結構ですので、その背景について、わかる範囲で補足的にお示しいただければと思います。
私からは以上です。
■駒村部会長 ほかにあれば。では、栃本委員、お願いします。
■栃本委員 今の山田委員の指摘とも関係あるのですけれども、他制度との関係でできたものについての水準ということなのですが、水準の設定は科学的かつ合理的につくられたかどうかというのは、年金制度そのものをとってみても疑問です。理屈はそれぞれ作りますが。それぞれの時代とか要請がありますので。例えば岩田先生が御提出いただいたもので、生活保護体系を中心に位置付け基準にしていますが、それ以外のデモグラント、社会手当関係、児童手当、児童扶養手当、特別児童扶養手当というのは別の社会保障全体の体系で、それらについて、これは事務局だけでなくて我々がつくるべきことでもあるかなと前回申し上げたところなのです。理由は生保とは違ってそれぞれ別の判断、準拠すべきものについての判断がありますからそれは研究の対象です。きょうお示しいただいたもので、国民年金の中に福祉年金をして、福祉年金で母子福祉年金、母子年金というのがあって、それがそれぞれの時期で水準をどういうふうに合わせるかというのをやりましたね。
もう一つは、この表にはないけれども、この表だと、児童扶養加算については児童手当の関係でという形になっているのだけれども、当たり前のことだけれども、児童扶養手当というのもあって、児童扶養手当のときの議論というのは、国民年金の中に設けた拠出制の年金、61年までのあれよりもっと昔の、福祉年金を国民年金の中に入れてしまったわけです。わかりやすく言えば。その中で母子福祉年金と母子年金、それと児童扶養手当との関係でその水準がどうかとか、そういう議論もあったわけです。だから、そこら辺はかなり研究テーマでもあるし、事務局にオフィシャルバージョンみたいものを出すのはなかなか難しいとは思うのだけれども、ただ、一つは、前回もその前もそうだけれども、ワンペアレントファミリーなどの場合に、さくっと理解すると、児童扶養手当との関係はどうかなとか、そういうことにもなるわけだ。だから、そこら辺をかなり切り分けて。岩田先生に先ほどの表をつくっていただいたわけだけれども、それなども参考にしながら見ていくといいのではないかなと思います。
だから、水準との整合性というのは難しいことは難しい。けれども、我々研究者も含めて、おさらいするものは必要だと思いますね。
■駒村部会長 では、岩田先生、お願いします。
■岩田部会長代理 加算で特に福祉年金との関係なのですが、最初は福祉年金も低いし、生活保護はずっと低かったのです。今、考えるよりずっと生活保護の水準というのは低くて、関係者はみんな上げたくてしようがないのだけれども、上げられない時代が長く続いて、そこにこういう福祉年金ができた。これは一種の公的扶助ですから、生活保護にも恩恵がなければかわいそうではないかみたいな話になったのだと思うのです。
ただ、私が思うのは、両者が少し膨らんできて、その水準を調整したわけでしょうけれども、母子加算としないで、児童扶養手当を全部または一部収入認定から外すというようなやり方を、なぜしなかったのか。手当は手当であればそれはその世帯に帰属しているものなので、生活保護から出ても、これは自分が母子世帯として生きていくために子どもと自分がもらっている社会保障であって、生活保護のときも全部を認定していないのだというような感じがはっきりしてよかったのではないかなと思うのです。
障害者加算でも、もっと一般的な手当として当然持つべきである。児童手当はもちろんそうですよ。それを収入認定の問題として議論したということはこれまでなかったのですか。保護課の中でというか、あるいはこういう。
■駒村部会長 では、事務局から確認をお願いします。
■清水保護課長補佐 たしか昭和51年のときの報告書をまとめるときに、具体的な議事内容までは確認していないのですが、その中で同じように収入認定どうするかという議論、そういった御意見はあったというような記載はございます。ただ、そうすると、生活保護そのものの制度の体系、収入は基本的には全部収入として認定をするという体系からすると、その考え方がちょっと大きく変換することになるというところで、その時点では意見は意見として、同額の加算を設けるという形でこれまで設計がされてきたというような記載は残っていたかと思います。
■駒村部会長 よろしいでしょうか。どうぞ。
■岩田部会長代理 これは一番最初のときに申し上げましたけれども、要するに、バーターといいますか、収入認定しておいて、ほぼ同額の加算をつけるというやり方でいくわけですが、これは当該世帯にとっても、社会から見た場合も非常にややこしいというか、わかりにくいですね。
それはどうしてかというと、私の理解では、生活保護というのが社会保障の中で孤立しているのです。生活保護が入ってくると、全部生活保護で面倒をみるみたいな、そういう世界があって、もちろん年金などは違いますけれども、社会保障の収入として適正な収入認定もしながら、その人が権利を持つ年金とか手当というのがあって、生活保護はそれを補足していく。だけれども、そのときに特別なニーズ、これこそ有子世帯と障害、あるいは介護というようなニーズに応えるということになると思うのです。
だから、先ほどの阿部先生の子どもの問題も、生活保護世帯だけにやるのか、それとも子ども全般に、児童手当も含めて、手当でなくて、もっと具体的なサービス、なるべく安いあるいは無料のサービスや現物支給としてやっていくのかという問題は残ると思うのです。できれば子どもは同じように扱う。生活保護の子がそこから落ちないようにする仕掛けはつくらないといけないですが。
手当にしてしまうと、よくありがちな議論ですけれども、親が使ってしまうのではないかとか、そういうことがありますね。そういうのは実際なくはないわけです。
子どもに関しては、もちろん基本的な手当というのはこのぐらいはついた方がいいと。児童手当はこのぐらいで、児童扶養手当はこのぐらいだというのがあって、なおかつ親が関与しない。例えば学校生活の就学援助みたいなものをもうちょっと一般に広げていくとか。今、奨学金や何かは無償のものが広がりつつありますが、そういう形の方が生活保護だけにやるというよりはいいのではないかなという感じもしているのですね。
■駒村部会長 ここは非常に大きな議論なわけです。手当を1回取り上げて扶助に張りかえてあげているということが、生活保護制度の中に閉じ込めているというものです。そこのところは見直せないのか。
課長、これはかなり考え方が変わってくると思うのですけれども、今後、直ちに全てのという話にはならないかもしれませんが、一つの考え方として議論に値するかどうかというところで岩田先生からお話があって、小塩先生からも関連、そういうことですね。お願いします。
■小塩委員 関連する質問で、私も事務局の方にお聞きします。
今、説明していただいた中身を見ますと、加算の創設時にはいろいろな根拠があったのですが、昭和59年以降は基本的には物価の伸び率で改定してきたということで、それぞれの加算の根拠自体は余り振り返ってこないまま現在に至っています。この会議は去年から始まっていますが、そこにどこまで踏み込むのでしょうか。後で検証作業の具体的な中身の議論に入ると思うのですが、加算全てを見直すというところまでは考えていないというお考えなのでしょうか。
■駒村部会長 今、お話ししたように、これを見ると、福祉年金とのバランスから始まって、格差縮小の時期を経て、水準均衡になったところで一律に。最初のページの加算3つというのはほぼ同じロジックで、児童扶養手当は児童手当との関係があるわけですけれども、考え方としては似た考え方になっている。
あとのものは現物の動向を意識しているようですが、ただ、インデックス自体は同じものにしてしまっている。
一番最後のものは介護保険導入にあわせてのものであったということで、一方で他制度があり、他制度が変化していき、さらに生活保護の基準の考え方も変化していく中で、その金額とインデックスがこんな流れになっていますという話だったのですが、部会としては、全体を見ていく。インデックスの水準も考えていく。全部を一応守備範囲として考えていくと。
それから、先ほども議論があった、これらの性格そのものを先ほどの手当との関係でどうするかという岩田先生からの問題提起。今、大きな話は2つあるのですけれども、この辺で課長の御意見も聞きたいと思います。
■鈴木保護課長 まず、後にありました小塩委員からの御指摘で、加算制度は、先ほど岩田委員の御発表にもありましたように、例えば医療扶助、介護扶助のような、他制度で水準が決まっているものに関しては、基本的にはここでは議論する必要はないと思っております。
一方で、今日リストに示させていただきましたような加算に関しましては、部会の射程には入っていると考えます。それを何も検証しないということは違うのではないかと思いますが、今日的に見てもその内容と水準が妥当であれば当然見直す必要はないということですし、今日的にどういう考え方で検証するかということも含めて、実際の加算で見ている特別なニーズと、それからその費用が妥当かどうかということを検証した結果、何らかの補正が必要だとか、見直しが必要ということであれば、それは当然見直しをしていくということに基本的にはなるということで、特に有子の場合は、この後、今後の進め方にもありますけれども、今回は少し丁寧に見ていこうということでございます。
もう一つの岩田委員からございました大きな制度間の役割分担ということでございますが、生活保護制度は他法他施策優先ということでありますので、一般政策が充実していけば、当然一般政策が優先されるというのが一つ大きな考え方としてあります。
ただ、一般政策を活用したときに、それを収入認定としてこちらの生活保護制度の最低の生活保障ということの中で見るのか、それともそれを受けてそのまま収入認定しないという形かというのは、部会長おっしゃるとおり、かなり物事の本質にかかわる。特に最低生活とは何かということから生活保護の水準が決まっていることからすると、最低生活以外の給付金があるということは一体何なのかということを整理しないと、外にあるということになりますと、全体の保障すべきものが変わってきてしまいますので、そこは簡単にすぐ変えられるということではないかもしれませんが、議論をしていく価値はあると思います。
■駒村部会長 ちょっと待ってください。
今のお話も先ほど岩田先生の前振りのところがあって、下の層がだんだん落ちていく中での今の最低生活の認め方と、子どもに対して、それをどう考えていくのかというところで他の政策との配慮、それをどのぐらい考えていくのかというのもちょっとかかわってくるのかなと思っています。
では、課長が終わった後に栃本さんに。
■鈴木保護課長 子どもの関係で今回有子の扶助加算ということで検証をお願いしたいと御提案差し上げていますが、その過程でマーケットバスケット的な必要な費用を積み上げるやり方もあれば、水準均衡というものを基礎とするやり方、両方概念的にはあり得ると思います。現に教育扶助あるいは学習支援費、高等学校就学費の中では、実際に要した費用という形はかなりマーケットバスケットに近いものだと思っております。
どの水準を保障すべきかということに関して、合理的な根拠たり得るものが見出せれば、それを組み合わせて、全体として子どもの貧困対策も含めた観点で子どもの最低生活ということが保障されるようなことを、1類費、2類費に加算を足した形で、最終的には全体の高さの中で考えていく、そういうことになろうかと思います。現実にはかなり活用できるデータも一定の制約がありますので、その範囲でできるだけ論理的に根拠があるような形にしていきたいなと思っている次第です。
■駒村部会長 では、栃本委員。
■栃本委員 先ほどもお話ししたように、児手課にいたら、児童手当の額はどういうふうに決まっていったかとか、どういう経過で額が決まっていくか、あと児童扶養手当もどういう過程で決まっていくかというのがありますね。
先ほどの年金にしても、年金の成熟策をとったからこうこうで、それに対応してこうこうというのがありますから、その場合の額と、もう一つは、生活保護の方は消費に着目してなのですけれども、手当の方は金が入ってくるという別のディメンジョンなので、消費で全体を見るというところに突如手当の額というのが入り込むという形で、それでもやもや感と前回お話ししたのですが、そういうことを念頭に置かなければいけないという理解でいいと思うのです。
もう一つは、いずれにせよ、一般施策というか、社会保障施策の中で児童手当とか児童扶養手当が存在しているということ自身は、生活保護世帯に限らず、そういう方々について一定の手当てすべきものが必要だということがあるから、そういう意味で言うと、額のことは別として、一般世帯から生活保護に入られている方にとっても、それらのニードというのがあり得べしだと。
しかしながら、先ほど岩田先生が話されたように、一般扶助の中で対応して、全体的なところでやっている部分との関係性がすごく難しいからということだと思うのです。
もう一つ、先ほど言い忘れたのですけれども、前々回かそのころも言いましたが、きょうの表で介護施設入所者加算というのがある。これは措置から介護保険になって、裁量的な日常的な経費について創設されたわけなのですけれども、その後、従来だと養護老人ホームというところで生活保護。今の実態から言うと、養護老人ホームに行くのではなくて、生活保護の方で対応して、それでという形になっていますね。しかも、その場合、アパートを借りられたり、場合によってはサービス付高齢者住宅とかそういうところで生活されるわけなので、ついひと昔前の施設と在宅と区分と大分違っていますね。
施設にかわり得るものとしての居住系の中での生活というのを生活保護の方々も必要とされているので、その場合、介護保険の動向、これからの方向性というのも、今、フルスペックの介護保険なものだから大変なわけで、これから生活支援とかそういうものについて、介護保険からはなかなか難しいということもあるでしょうから、そういう意味で、ここでは介護施設入所者加算という形で施設に限られているわけだけれども。僕は勉強不足だからそういうふうに理解してしまっているのですが、施設イコール加算、施設でない場合は加算なしということについてどうするかということも、将来御検討されたらいいのではないかなと思いました。
■駒村部会長 どうもありがとうございます。
では、岩田委員、お願いします。
■岩田部会長代理 先ほど課長さんがおっしゃった、結局、生活保護というのは最低生活というものを規定していくと、他の手当との関係で整理できるというのは、おっしゃるとおりだと思うのです。
ただ、それを生活保護用の加算とかそういう用語で残していくのか、一般的な社会保障、手当として流通させていくのかというのはかなり違いがあって、恐らくヨーロッパなどでは戦後すぐは日本の生活保護に近いようなやり方をしていた。例えばイギリスだと70年代ぐらいに変わって、生活保護が補足手当になっていくわけです。そのときに国民扶助を特殊な地位ではなくて、全体の所得保障の中のある位置に置くことができた。
最低生活保障というのは、生活保護だけがやっているのではなくて、社会保障全体がいわば協力し合って最低生活と特別なニーズへの保障をする、そういう社会保障体系だということがはっきりしたわけです。日本はもう遅いですけれども、何とか見直しができないかなと思うのが一つあります。
とはいえ、歴史的に言えば、例えば他人介護加算のように生活保護の中で育ってきたというか、非常にいい、介護の問題に対する現金給付みたいなものがなされてきたというのが、事実上障害福祉にとっては非常に大きな役割を果たしたということもあるので、歴史それ自体を批判したりする気は全然ないのですけれども、ややわかりづらいので、整理できるものは整理して、年金は成熟したので、年金は加算でも収入認定もなくて、いわばその差額を生活保護が出ていくという形になって、今、低い年金がどんどんできてきますから、どうなるかわかりませんけれども、そうなりましたね。児童手当などは必ずしもそうなっていないわけです。
だから、事実上こういう加算みたいなものがつく必要はあると思うのですが、児童扶養手当だとすれば、生活保護に根拠を示せと言えないでしょう。根拠を示せと生活保護制度に今、言われているわけですね。実は59年のときか何かも根拠のことをちょっとやったことがあるのですね。なぜ幾らつけるかと。その根拠というのが書いてあるのですけれども、それを読むと、みんなすごく笑ってしまうと思うのです。
例えば高齢者だったら、やわらかいものを食べた方がいいとか、母子の場合も勤務が夜にまで及ぶかもしれないから、お総菜などを買ってこなければならないとか、すごく細かいのですよ。でも、そういうのを見てしまうと、一般国民は、そんなの、うちだってそうだとなりますね。だからといって賃金が変わるわけではないと。
ですから、そういうのでつつかれるようなものを残すよりは、一般制度とバーターなら一般制度に依拠して、こちらはいじらない。そちらの問題だと。だけれども、生活保護は全面的に収入認定をしないというような方向で行かないと、例えば母子世帯の貧困率は非常に高いですから、有子世帯の貧困問題というのは解決できませんから、そうやっていくしかないわけです。
ですから、どちらも結局、同じなのですけれども、建前上生活保護の加算となると、その加算の根拠を示せとか、基準の検証をしろというのが生活保護行政のほうに投げかけられるわけです。そうしない方が生活保護行政にとってもいいのではないかなというのが私の考えです。社会保障全体でセーフティーネットを編んでいくのだという考え方に日本はなっていないのですよ。これは年金の問題でもありますけれども。
■駒村部会長 先ほどの資料の続きで、かなり生活保護の位置づけが変わる、性格が変わるような考え方もあるのではないかと。いずれにしても、59年の根拠というのは、このときの時代背景の中で先人がいろいろ考えた根拠だと思いますが、現代的に見ると、この根拠自体はなかなか難しいかもしれない。
ただ、その根拠が現代的に見てもやや疑問であるとしても、その加算が必要でないと言い切れるわけでもないし、現時代における考え方できちんと整理する必要があるということで、先ほど課長がおっしゃったように、現時代における子どもの健全発達に必要なものは一体何なのかをマーケットバスケット的な考え方。それが本当に最低生活というよりは、現代の子どもたちの生活、健全な発達に必要なものは一体何なのかと考えると、それ相応の存在価値もあるし、相応の水準も考えられるのではないか。こういったことも含めての作業になっていくということになるのではないかなと思います。
阿部委員、そんな感じの整理が今ついていますけれども、そこにおける現代の子どもの健全発達に必要なものは一体どういうものなのかということを少し考えなければいけなくなるということだと思います。よろしいですか。
■阿部委員 1点だけ。先ほどの社会保障との全体の関係のときに、これと似たような議論を住宅扶助のときにやったのですね。それは最低の住居が何かという問いに対して答えるのはこの部会ではないという話で、それは国交省が決めているもの以外のものを決めることはできないですよという議論をしたというふうに思います。それと同じような考え方をして、今、子どもの健全な育成に必要なものとして児童手当とか児童扶養手当というものが設けられているのであれば、そちらのほうに議論を預けるというのは一つのやり方かなとは思うのです。
それを住宅扶助のときにやりましたし、そうすることによって、私たちが全て決めなくてもといいますか、決められるものかなということもあるのですね。それは生活保護の子どもたちとか生活保護に入っている人たちの最低生活と一般市民の最低生活は違うものなのかということだと思うのです。なので、今、岩田委員がおっしゃったことを私たちはもう一度念頭に置いておくべきかなと思いました。
■駒村部会長 2つぐらいの考え方があって、新しい生活保護、他制度の考え方を完全に引き受けるのか、こちらはこちらでというのは、まだ並列しているところだと思います。
この経緯を見ると悩ましいのは、社会保障全体的には改善の歴史の中で、ついてこられなくなった生活保護がパテのように加算で穴埋めをしたというイメージですけれども、今後は必ずしも社会保障、一般施策がよくなるという保障もないわけで、むしろ厳しくなる展開があるかもしれないのも含めて、この関係をどう考えるかというのはちょっと。
■阿部委員 こちらがくさびになるかもしれない。
■駒村部会長 ええ。逆にこちらがくさびになるかもしれないという考え方もあるわけですね。例えば年金の水準も今後どうなるかという話もあるわけですけれども、生活保護の定める最低生活というのはこういう水準なのだとなれば、逆にこちらがくさびになる意味も出てくると思いますので、これはきちんと頭を整理しなければいけないテーマかなと。児童手当も児童扶養手当も同じ話なのかもしれないということだと思います。
この辺はちょっと大きな話なので、どちらで行くということは、生活保護制度の位置づけ、性格も変わってしまう話だと思いますので、一つの切り口だけではないということできょう議論があったということだと。
あと、先ほど山田委員から御質問がありました1.3倍、1.5倍という、この辺のころの議論は、資料があればまた追加でいただき、なおかつ研究者のほうも、こういう時代にどういう議論が行われて、本当にこういうのは根拠があったのかどうなのかは、研究者としても大事な研究かと思いますけれども、何かありましたら、またお願いできますか。どうぞ。
■清水保護課長補佐 母子加算、障害者加算のところで1.3倍、1.5倍というところでありますが、これはそもそも福祉年金が、老齢福祉年金の1.3倍額程度が母子福祉年金、1.5倍が障害福祉年金ということで設けられていたものですから、生活保護でも同額、つまりは同率の加算として設けられたというところで、昭和51年のとき、独自の金額設定になったときも、1.3倍、1.5倍というところを継続して使用したというところでございます。そもそも福祉年金がなぜ1.3倍か、1.5倍かというところは、今、手元にはございませんので、また、もしわかれば報告させていただきます。
■駒村部会長 タマネギの皮むきみたいに剥いても剥いても先があるわけですけれども、そもそも1.3倍、1.5倍、当時の根拠があって差をつけたのかどうかというところ、あるいはもしかしたら何か別の参照するものがあってそう判断したのか、もしあればということだと思います。
山田委員、そういう感じでよろしいですか。
■山田委員 結構です。ありがとうございます。
■駒村部会長 資料1に関してほかにありますか。では、岩田委員、お願いします。
■岩田部会長代理 生活保護の中での子どもの貧困対策ということになりますと、どうしても生活保護は所得保障のシステムなので、もちろん施設や現物保障というのはありますけれども、つまり、何が足りないとか、何か必要だとか、そういう話になると思うのですが、まず生活保護有子世帯の生活実態を十分知らないと議論できない。というのは、理論上、一応生活保護は水準均衡していると言っているわけですよ。水準均衡しているのに何で有子世帯の子どもの貧困なのという話ですね。しかも、加算がついているわけですね。なおかつ例えば保育所とかそういうサービスを使う場合に生活保護世帯は有利なわけですね。理論上おかしいではないですか。生活保護を受けていない母子世帯はこんなに困っているというならともかく、生活保護というのは理論上全部ついているわけです。なぜ貧困なのか、何に困っているのか、それを知らないと、ただ加算額が妥当かどうかという検証をしてもしようがないような気がするのです。
だから、もうちょっと所得保障のあり方、あるいはアメリカで以前実験がありましたけれども、子どもに貯金をさせるというか、生まれたとき国が一部出して。ブレアのときにちょっとやったチャイルド・ファンドのような方法。キャメロンがやめてしまったのですけれども。それでお金をどんどん足していって、18歳になるとその子が使えるというような資産保障の方が効果があるという研究もあるのです。これは子どもの自立、夢とかそういうものもありますね。
それから、生活保護世帯の子どもは結構年齢が高いというか、平均すると中学生ぐらいですか。自立していく、大人になっていく時期で、そのときに選択肢がたくさんあるということが非常に大事だと思うのですけれども、そういう問題は単純に手当の問題で解消できないと思うのです。59年のときの加算の説明にあるように、要するに、やわらかいものを食べろとか、おかずを買ってくるとか、そういう話ではない。もうちょっと根本的な、子どもの選択肢を狭めている条件を改善するには何が必要かというふうに持っていかないと、子どもの貧困対策はいろいろあるから、生活保護でもこういうふうにやりましたよというのは、何となく文脈的にわかりますが、生活保護行政にとってよくないのではないかなと思うのです。
だから、私たちがもうちょっと生活保護有子世帯の実態。特に子どもの実態は意外とわかっていないのではないでしょうか。問題は学校へ行ってからなのか。保育所ぐらいまではまあまあで。そんな気もちょっとしているのです。だから、その辺をわかってから議論した方がいいのではないか。
■駒村部会長 子どもの健全発達というところも、現金給付だけなのかと。困窮している世帯、子どもを抱える課題とか環境とか、それに対してどういう支援、実態はどうなっているのか、これはこれでやっておかないと、お金の政策だけなのかというお話もあったと思いますので、これは部会の守備範囲なのかどうかという話があると思いますし、いずれにしても、加算の額の議論をやる以上、一方ではそういう政策がある、それが出てくるということが想定されないと話もうまく進まないということになると思いますので、今の岩田先生のお話も今後の議論の中でちょっと覚えておかなければいけないテーマだと思います。
ほかの委員はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
そうしましたら、次の議論に入りたいと思います。平成29年の検証に向けての各検討課題の議論を踏まえて、来年度の検証作業について、今後部会は入っていくことになります。これについて事務局が資料2を出されていますので、事務局から御説明いただけますでしょうか。
■清水保護課長補佐 それでは、資料2の説明をさせていただきたいと思います。資料2については、これまでの部会での議論を踏まえまして、平成29年度、今後の検証作業の進め方について案として作成した資料になります。今後の検証作業につきましては、本日も既に御議論、御意見をいただいておりますけれども、その上で整理をしまして、来年度の検証に取り組むということにできればと考えてございます。
順に資料を説明させていただきます。
1点目、生活扶助基準に関する検証のところでございますが、基本的な考え方としては、水準均衡方式の考え方、一般国民の消費水準と生活保護基準の均衡が図られているかという観点から検証を行うということを基本としつつ、比較する際には生活の質の観点にも考慮するなど、多角的な視点から行うことといたしたいと考えております。
(2)平成29年度の検証作業の具体的な検証作業というところでございますが、マル1番については生活扶助基準の水準の検証ということで、具体的には比較対照とする一般国民の消費水準を決めるためにどのような検証を行っていくかという点でございますが、全国消費実態調査を年収五十分位に分類いたしまして、変曲点とか抵抗線といった収入分位ごとの消費の変動について細かく分析を行ってみたいということで提示させていただいております。また、その際、生活実態、生活意識に関する調査も用いまして、先ほど申しました生活の質についても考慮に入れた検証を行ってはどうかということで記載してございます。
また、なお書きの部分でございますが、どのような消費水準の算出方法、従来のような特定のモデル世帯なのか、1人当たりの消費なのかというところでございますけれども、これまでの部会の議論では結論までには至っていない点であろうかと思いますので、世帯人員1人当たりに換算する方法などを試しながら、引き続き検討を行うということと記載してございます。
マル2番、年齢・世帯人員・地域別の基準額の体系の検証というところについては、平成24年検証時の回帰分析を用いた検証、手法を行うことを基本といたして、また、手法の細部につきまして具体的に何か改善すべき点があれば、改善をしながら直近データ、平成26年の全国消費実態調査のデータを用いて置き直した場合に、どのような傾向になるかについて検証を行いたいということで記載してございます。
2番目のポツでございます。その結果、その基準の体系が世帯類型ですとか、そういった実態と大きな乖離をしていないかどうかということの確認はまたしていく必要があるということで記載してございます。
1枚おめくりいただきまして、2ページ目のマル3、生活扶助基準見直しによる影響の把握というところで、これは前回見直しの生活保護世帯に与えた影響の把握についてということで、当初独立した論点として別個挙げておりましたけれども、今回基準の議論の中で、基準の検証を行う上では、前回の見直しの影響というのは把握する必要があるという御意見もいただいておりまして、これは生活扶助基準検証の課題の中に入れ込んだ形で、マル3ということで整理を入れてございます。
具体的な検証の内容といたしましては、社会保障生計調査、家計簿の調査等をもとにしまして、生活保護世帯の消費の構造ですとか、生活実態等の変化についてどのような影響があったのかという検証を行いたいということで記載してございます。
マル4番、新たな検証手法の検討については、今日の社会経済情勢にふさわしい方法の開発の必要性ということは、これまでも御指摘をいただいておる点でございまして、いろいろな手法の研究、また現行方式を補完する方法など、調査研究事業を活用して、計画的に検討を進めていくという旨を記載させていただいております。
大きな2点目、有子世帯の扶助・加算に関する検証というところで、先ほどの議題、資料の方でもさまざまな御意見をいただいておりますけれども、基本的な考え方といたしましては、これまでの部会でも一般世帯との均衡だけではなくて、子どもの貧困対策を踏まえて、保障すべき子どもの健全育成にかかる費用、範囲、水準について、生活扶助基準との関係も踏まえながら一体的に検証を行うこととさせていただいております。
平成29年度の検証作業ということで、マル1といたしまして子どもの健全育成にかかる費用ということで、a)は消費実態を踏まえた分析ということで、子どもの健全育成にかかる費用等について、全国消費実態調査、生計調査等をもとに、子どもにかかる費用が大人にかかる費用、消費傾向に違いがあるのか等々、子どもにかかる費用というものを把握した上で、一般世帯との比較などの分析を行いまして、子どもの健全育成にかかる需要の把握、分析を行うということで記載してございます。
3ページ目、b)でございます。これは先ほども御意見が出たところでございますけれども、生活実態を踏まえた分析ということで、子どもの健全育成にかかる需要の検討というのは、消費実態だけでは十分に把握できないということが考えられることから、家庭の生活実態に関する調査等も用いまして、社会生活への参加状況、健康状態と生活の質についても考慮する必要があるのではないかということで記載させていただいております。
「また」の部分ですけれども、生活の質を考慮する際には、被保護者調査をもとに、生活保護受給世帯の傷病や障害の状況、またそういった生活保護有子世帯特有の生活課題はどういったものなのかということも分析を行いつつ、それも踏まえた検討を行いたいということで記載してございます。
c)子どもの就学・就労の観点からの分析というところで、一般有子世帯と生活保護受給有子世帯の就学の状況の差、また就労の状況の差なども踏まえまして、子どもの自立助長に資する扶助・加算の内容についても検討を行うということを記載してございます。
就学費用の把握につきましては、文部科学省で実施しております子供の学習費調査も活用いたしまして、学校教育費用、またクラブ活動費用など、学校外活動の費用も含めた就学費用について、費用の範囲、水準の検証を行いたいということで記載してございます。
※のところでございますけれども、それぞれの分析に当たりましては、ふたり親世帯とひとり親世帯の消費実態の差ですとか、そういった生活実態の差等々についても分析することによりまして、ひとり親世帯の費用、課題等についても分析を行いたいということで整理してございます。
大きな3番、勤労控除及び就労自立給付金の見直しの効果の検証というところで、基本的な考え方といたしましては、基礎控除の見直し、また就労自立給付金の創設など、これまでの取り組みの効果の分析をいたしまして、さらなる就労促進対策が考えられるかというところを検討するということにしてございます。
4ページ目に移ります。具体的な平成29年度の検証作業ということで、マル1番については基礎控除の見直し効果の検証ということで、これは今年度の部会でも就労収入の変化がどうだったかというところは、既に資料を提出させていただきましたけれども、その際にも新規就労者に与える影響ですとか、就労日数、時間等への影響ということも見る必要があるのではないかという御意見をいただいておりますので、そういった観点を踏まえながら、就労インセンティブとの関係について検証を行いたいということで記載してございます。
マル2番、未成年者に対する自立支援策の検討ということで、これは先ほどの有子世帯の扶助加算の検証とも重なる部分もございますが、そういった未成年者に対する就労インセンティブを設ける趣旨、また、子どもが自立をする時期等も踏まえながら、将来に向けた就労につながるような仕組みのあり方の検討を行うということで記載してございます。
マル3番、就労自立給付金の創設効果の検証ということで、こちらについてはアンケート調査を実施しまして、当初の目的でございます保護再開防止への効果というものの検証を行うということで記載してございます。
4番、級地制度に関する検証ということで、基本的な考え方といたしましては、昭和62年に見直した以降検証が行われていないということで、当時から大きく社会状況も異なるということから、まずは調査研究事業によりまして、そういった生活水準の地域差、どういった要因があるのかという分析を行った上で、その結果を踏まえて級地制度のあり方を検討するということを記載してございます。
平成29年度の検証作業といたしましては、この調査研究事業の内容の検討、実施ということで記載してございますけれども、部会での議論を行うための基礎データの収集、分析手法の候補を挙げていただくなどという観点から調査研究事業を実施したいということで考えてございます。
調査研究事業の主なテーマというところでございますが、生活水準の地域差を構成する要素やその推定方法ということで、まずは消費にかかるデータの理論値を算出する方法、どういったものがあるかということの精査。また、測定する生活実態を踏まえた地域単位というのはどういったことが考えられるのか。また、消費の回帰分析による理論値では十分にあらわれないその地域の生活水準の差はどういったものがあるのか、どういった観点で把握していくのかというところがテーマとしては考えられるかなということで挙げてございます。
5ページ、大きな5番、その他の扶助・加算に関する検証でございますけれども、基本的な考え方ということで、これまでも加算について、そもそもの位置づけが何かというような議論もされてまいりましたが、生活扶助基準本体では賄い切れない特別な需要に対応するという前提のもと、それぞれに対応する特別な需要、生活課題というのが何か、そのための費用はどんなものが必要かという観点から検討を行うということを記載してございます。その際、他法他施策との関係についても十分に留意しながら検証を行うということで整理をしてございます。
2番目の「○ あわせて」のところでございますけれども、今回岩田先生からも資料を御提出いただきましたが、全体の整理ということで、生活扶助本体との関係ですとか、それぞれが対応する扶助・加算の性格、検証する場合の考え方もそれぞれ異なってくるかと思いますので、全体の体系の整理というものも継続して検討を行うということで記載してございます。
平成29年度の検証作業というところで、マル1番の有子世帯の扶助・加算の検証は再掲してございます。
マル2番といたしまして住宅扶助基準見直しの影響の把握ということで、前回の見直しの結果、実際に転居になったケースがあったかどうか、どれぐらいあったのかという影響を把握することによって、基準見直しが住生活にどういった影響を与えたのかということの検証を行いたいということで挙げてございます。
資料2の説明は以上でございます。
■駒村部会長 ありがとうございます。
では、資料2、今後の検証方法に関する、方針に関する議論、メモでありますので、割と大事なところで、皆さんの方から御意見をいただきたいと思います。お願いいたします。山田委員、お願いします。
■山田委員 これまでのいろんな議論を拾っていただいた進め方だと思うのですけれども、先ほどの議論とも関係するのですが、いわゆる一般世帯では必要なもののために、生活保護では1類とか2類に当たる消費部分がかなり圧縮される可能性があるわけです。ですから、例えば子どものニードみたいなものを無視して1類、2類の水準みたいなものを議論すると、一般世帯では子どものためのニードを優先して、1類、2類に当たる部分を削っている部分を反映してしまって、つまり圧縮されている部分を参照してしまう危険性もあるので、先ほど来の議論を私もなるほどなと思って伺っていたのですけれども、ここの検証においてもそういったことは留意してやっていかなくてはいけないなというのをちょっとつけ加えさせていただきます。
■駒村部会長 文面に一言入れるとかいうところはありますか。どこか加筆した方がいいとか、今の趣旨が明確にとれるように、どこかに一言入れておくというのがありますか。
■山田委員 入れるとしたら、もう既にそういうふうに読めるというところではありますけれども、例えば2ページの大きな2の(1)の○の一番最後の文章、「生活扶助基準の検証と一体的に検証を行う」ということですけれども、それは実は生活扶助基準に関する検証についても似たようなところで、特に子どものニードについては、1類費、2類費が、一般世帯では子どものニード、具体的には例えば学校外活動費などがそうだと思うのですが、圧縮されている可能性も考えなくてはいけないというのを、1のところのマル2番のどこかに入れていただくという形でしょうか。適切な入れ場所についてはまた御検討いただければと思います。
■駒村部会長 ほかの委員はいかがでしょうか。小塩委員、お願いします。
■小塩委員 幾つかコメントとか質問があるのですが、まず言葉の問題です。2ページ目のマル4の「新たな検証手法の検討」のところに、「経済は成熟期を迎えている」という言葉があります。もう少し明示的に貧困リスクが高まっているとか、あるいは子どもの貧困という非常に重要な問題が出てきたので検証方法も見直しましょうといった問題意識があった方がいいかなと思いました。それは言葉の問題です。
あと、手法についてなのですが、一般有子世帯と生活保護受給有子世帯を比較するというのは、もちろんベースになるわけですが、それだけで話が終わるのかなという気がします。というのは、生活保護を受給していなくても貧困で困っている世帯もいるわけです。ですから、統計を見て、特に貧困層の問題を議論する場合は、生活保護を受けている、受けていないを区別しないで、所得の低い層の状況を見るということもあわせて必要だろうと思います。
それから、所得が低い層で生活保護を受けている人と受けていない人との間で状況がどう違うのかというのも、特に現行の生活保護の仕組みの効果を見る場合は重要だろうと思います。
さらに、何に注目して比較をするのかということです。生活保護の場合はもちろん消費水準がメーンになると思うのですが、既にここに御指摘されていますが、いろんな生活実態を多角的に見るということが極めて重要だと思うのです。その場合、もちろん生活意識というのは重要だろうと思うのですけれども、もう少し踏み込んだ議論ができないのかなと思います。特に子どもの貧困を議論する場合でしたら、健康状態をしっかりと調べるということが重要だと思います。あるいは健康状態そのものではなくても、受診抑制がどこまで一般世帯と違うかとか、あるいは虫歯の数がどうかとか、貧困に置かれたときにどういう状態になっているのかをもう少し客観的なデータで把握する必要があると思います。
そのほか、社会参加がどう違うのかとか、あるいは学習機会が奪われているのかどうかとか、もう少し踏み込んだ議論をする必要があると思います。
ここで質問なのですが、今回家庭の生活実態及び生活意識調査、社会保障生計調査のデータを使うという、非常に重要な作業がこれから行われるということなのですが、そうしたデータで申し上げたようなアウトカムはどこら辺まで把握できるのか、教えていただければなと思います。
以上です。
■駒村部会長 ありがとうございます。
いろいろ重要なコメントがあって、最後のところは私も気になるところでありますので、これに足りない調査があれば、それも使っていただくということ。
今の小塩先生の話に加えるとすれば、先ほど岩田先生からもお話がありましたけれども、子どもに対して、イギリスみたいに資産を渡して、そして将来展望を持たせると。低所得世帯、困窮世帯の子どもたちは、社会とのかかわりや自分の展望に関してどういう意識を持たれているのか、非認知能力にもかかわる部分かもしれませんけれども、社会的な関係性がどうなっているか。子どもの健全育成、発展に着目するとするならば、こういうのがあった方がいいので、現時点でそういうものがなければ、先ほど岩田先生の話もあったように、子どもに着目したところは大変重要になりますので、これは扶助の基準の見直しに関する一つの大事な材料として必要になるかもしれないということはちょっと意識しておいていただきたい。
今あれば、そういう資料もあわせて使えればと思います。事務局のほうで今の。
成熟の話は、何でこんなにマイルドにする必要があるのか。こういう表現ではなかったと思っていますので、この辺はもうちょっと明瞭にして。
あと、小塩先生のコメントに対してお答えするところがあれば、お願いします。
■清水保護課長補佐 1点、家庭の生活実態、生活意識の調査というところで、今、先生御指摘のような内容が含まれているかどうかというところでありますけれども、例えば食事で言えば、食事を2食以上とか3食とれているかとか、食事の内容、肉、魚とかたんぱく質がとれているか、野菜がとれているかというところ。また、受診状況ということで言えば、歯医者等にかかっているかどうかというところとか、社会生活の観点では、親族ですとか近隣とのつき合いがどういった状況なのか。また、例えばレジャー、泊まりがけの旅行に過去年何回行っているのか、新聞とかパソコンの利用状況とか、貯蓄の状況、貯蓄をしているかどうかというところと、どういった理由でやっているのかどうかというところは調査項目としては入ってございます。
また、子どもの観点からも、子どもに対して例えばお小遣いを上げているかどうかとか、習い事の状況についても調査項目として挙がってございますので、そこでどういったデータが分析できるかというところは、また調査結果をまとめて御報告させていただければと思っております。
■駒村部会長 たしか去年の年末ぐらいに栄養に関する調査を厚生労働省がやられていて、所得階層別にも栄養の摂取、野菜とか肉とかの摂取状況がかなり違うのだというようなレポートもあったと思いますので、そういうのも含めて、厚生労働省内であればアクセスかなと思う。他省庁のものでもあれば検証していただきたいなと思います
ほかに。岩田委員、お願いします。
■岩田部会長代理 4ページの4の級地制度なのですけれども、これは調査研究事業というのを部会として立ち上げるということなのかどうかということ。
それから、地域差というのを生活水準だけで見ても難しいので、購買行動というか、消費行動というか買い物圏域についてある程度わかっていた方がいいですね。こういう定期的な調査は多分ないと思うのですが、総務省か何かでちょっとやったことがあるかなとも思うのですけれども、それが地域差がどのぐらいあったり、階層差がどのぐらいあったりするかというのは把握しておいた方がいいかなと思う。生活水準の差だけで級地というのはちょっと難しいかなという感じがしますね。
それから、今の子どものこともそうなのですが、地域差は一方ではますます小さくなって、似たような商品やサービスやそういうもので暮らすようになっているのですけれども、他方で、地域独特の制度とか慣行があって、例えば先ほどの子どものことや何かでも、都会だったら余り気にもしないような、七五三をちゃんとするとか、そういう行事で結構お金を使うとか、そういうのがある地域もあるでしょうし、それから、今、御飯を二度食べているかというのが出てきて、1回は給食があるということを当然前提にしているのだと思うのです。
ところが給食のない地域というのがあるのですよ。私はびっくり仰天しました。しかもあってはいけないような低所得層の多い地域なのですよ。そこの地域こそなければいけないのですけれども、ないのですよ。だから、子どもはお昼、ほったらかしですね。そういうのは級地の問題なのか、どういうふうに考えていいのか。文科省にしっかりしてもらうのか、ちょっとわかりませんが、そういう妙な地域差みたいなものが気になるときがあるのですね。だから、こちら側では余り級地を細かくしない方がいいとも思うし、こちら側では何かかなり違うなと思うこともあって、なかなか悩ましいのですけれども、調査研究事業ということでかなり本格的におやりになるのだったら、水準だけでやっても余り意味がないので、購買行動とか、生活様式とか、生活圏域とか、そういうのでめぼしい調査研究、研究者のものでもいいと思うのですが、よそであればそういうのも参照しながら考えていってもいいのではないかと思います。
■駒村部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。阿部委員、お願いします。
■阿部委員 既にいろいろな議論の中のものを取り入れていただいているので、かなり包括的な原案見直しの方法になっていると思います。そのことは非常に高く評価したいと思います。
その上で、幾つか加えていただきたいことと検討していただきたいことがあり、1つが子どもの定義なのです。何となくこれを見てみると、生活、教育の話と。小中学生以下の話だけをしているのかなと思うのですけれども、特に小中学生以下のいろんなニーズに関しては、さまざまな加算ですとか、いろんな教育扶助で見られているというところもあって、それよりも高校生以上で自立ができているかどうかというのを見るのが非常に重要かなと思うのです。そうしたときに、子ども、何歳までなのかというのを見るというのがどこにも書いていないので、そこはちょっと広目にとる必要があるのではないかなということ。
あとは、世帯から切り離されているお子さんというのも、その年齢層になってくると出てくるかもしれない。なので、そこら辺がどのぐらいいらっしゃるかわからないのですけれども、本当はそこまで見るべきではないかなと思うのです。それが1人、単身で生活保護にかかるという状況になっているのであればいいのですが、そうでない形で切り離されてしまっていて、年齢が高くなってとか、家を出てしまってとか、高校を中退してしまってとか、生活保護受給世帯の中から見えないような子がいるかもしれないということです。
そういったところで、元生活保護にかかっていた子どもたちみたいな観点も少しどこかで見られればいいかなと思います。なかなかデータでは見られないのですけれども、それはもしかしたらヒアリング調査ですとかそういった形になるかもしれませんが、本当に自立できていったのかどうかといったところ。高校生以上で比較的年齢が低い子どもたち、まだ未成年ぐらいの子どもたちというのもちょっと念頭に置いていただきたいなと思いました。データで見るのは非常に難しいですけれども、観点としては重要かなと思いました。
2点目は、生活の質も見て、生活実態を踏まえた分析をなさるということで、そこは非常によいことだと思うのですが、そのときに子どもの生活の質だけでは恐らくだめかなと思います。というのは、先ほどから何度も出てきていますように、大人、親とかの生活の質を下げてでも子どもの生活の質を守ろうというインセンティブが恐らく働いているかと思いますので、そうすると、世帯の中の大人の生活の質も見なければいけないということになります。それを見る必要があるといった点も踏まえて、2の(2)の特にbのあたりをやっていっていただければなと思いました。
3つ目が、費目ごとに見るときなのですけれども、例えば教育加算で教育のことだけを見たときに、授業料とか学校に払わなければならないお金ですとか、そういったものだけを見ていると、恐らくその子どもの教育のために必要なお金の全てはカバーされないだろうと思います。例えば工業高校に行けば作業着が必要である。作業着は恐らく被服費として入ってきているということがあるので、検証作業で1類と一緒に、「生活扶助基準の検証と一体的に検証を行う」という一文が入っているのですが、その後で加算のことを見ていくときに、教育費というので塾代とかドリル代とか、家計調査の中で費目として上がってくるもの以外のところにも発出している。例えばお弁当をつくるお金が要るとか、交通費が要るとか、いろんなところに波及してくると思いますので、そこら辺を見る必要があるということをどこかに加えていただければ。費目を必ずしもかちっかちっと切れるものではないといったところを一言加えていただければいいなと思いました。
■駒村部会長 今のうちで悩ましいのは15歳から18歳ぐらいですか。家から離れてしまっている人たちの状況。これは調査とかはあるのでしょうか。先生、御存じであれば。
■阿部委員 量的な調査というのは余り存じ上げないのですけれども、例えばそういった子どもたちがどれぐらいいるのかということを把握することができるのか。その子たちが今、何をしているのかを把握することができるのか。いわゆる児童養護施設のアフターケアの話が出てきている中で、恐らく生活保護も同じような状況があるのだと思うのですが、そこが今、全くわからないので、もし何かあればというふうに思いました。
■駒村部会長 施設から離れた子どもたちは多分把握できていないとは思いますけれども、施設にいる子どもたちは把握されていると思いますが、施設にもいないし、親元にもいない、親から離れてしまっている人たちについて、どこにどういう調査があるか、ちょっと意識しておいていただきたいなと思います。
阿部委員ももしひっかかったら、いただければと思います。聞き取りとかサンプル調査みたいなものがあれば、また材料になると思いますので。
ほか。では、栃本委員、次に山田委員、お願いします。
■栃本委員 2点あって、今の児童養護施設とか自立援助ホームを使っていた人たちのその後の調査というのは、いろいろ調べてみても、きちっとした調査というのはないですね。一部限定的な調査はあるけれども。おっしゃるとおり、すごく興味深いというか、生活保護世帯のことを比較すると、非常に参考になる部分がすごくあるのです。地域的に限定されていますがその後の経緯・仕事の常態について調べてみたことがあります。
もう一点は、進め方の文章についてです。今回検証の進め方ですごいことを書いてしまっていると思うのです。どういうことかというと、「一般国民世帯と生活保護受給世帯の生活の質を考慮するなど、多角的な視点から行う」と書いてあって、生活水準とかそういうのでなくて、生活の質という形にしていますので、「生活の質」という言葉自身がクオリティーに関する部分だから、非常に難しいですね。もちろん、生活の質を指標化している研究というのは、昔から数十年、あることはあるのだけれども、それは指標化しているだけなのであって、この文章「一般国民世帯と生活保護受給世帯の生活の質を考慮する」という部分で「生活の質を考慮する」と言った瞬間から相当難しい、大上段に振りかざして、すごいことをやるということなのだなと。褒めているのですよ。褒めていることで言っているのですけれども。
先ほどイギリスの生活保護というか、公的扶助制度の話がありましたけれども、私もヨーロッパについて、各国、EUの最低生活水準のメジャーメント、収入ベースか消費ベースかといったことについて『COUNTING THE POOR』という分厚い本を読んでみてちょっとおもしろかったのだけれども、最低生活水準という概念でなくて尊厳に値する水準という形で、ドイツの社会扶助法の規定が変わっていますね。人間の諸権利とか最低生活というのはもちろん重要なのですよ。それの言葉に変えて、人間の尊厳に値する水準という形に変わっていますよ。
そういう意味で、今回、「生活の質を考慮するなど、多角的な視点から行う」というのはすばらしいことだと思う。それの一里塚になると思うのです。
ただ、どこまでできるかというのは、調査の項目であるとかそういうこともあるし、ただ、今回新しいバージョンなので、昔の検証作業についての進め方とか、去年とかおととしの分厚いやつは見ていないけれども、そこで果たして「生活の質を考慮するなど」という文言が入ったかどうかというふうに思うのだけれども、前は入っていなかったのではないかと思うのです。だから、これを入れたというのはすごいことだなということを想いました。だから、社会関係の形成であるとか、時間の使い方であるとか、緊張処理、テンションリリースのためにどういう形でやっているか。それらは労働の再生産過程の中では極めて重要なことだから、そういう意味では本当に質という部分だと思うのです。
あと、先ほど私も言おうと思ったのだけれども、「経済は成熟期を迎えている」というのは、ぜひ先生に違う言葉でどう言ったらいいのかなというのを考えていただきたいですね。
■駒村部会長 小塩先生。貧困、格差拡大といったことをはっきりと言うと。
■栃本委員 貧困の問題とかそういうのもあるのだけれども、経済的要素というのは重要なのですけれども、経済的要素以外のものにも着目したというのが円熟した社会というか、成熟した社会の一つのポイントだから、そういう意味で、生活の質というのと比較というのも、だからこそそれが入っていると思うのです。だから、停滞期と言っただけではダメで、あれなのですけれども、格差とかそういうことでなくて、人間が生存するために何が必須アイテムかということを考えたときに、高度成長のとき、やはり経済経済という部分はあったのだけれども、それ以外のものがかなり重視されている社会に到達していることでもあるからということがあると思うのです。
もう一つは、先ほど岩田先生が話された部分なのですが、これも前、その議論をするときに申し上げましたけれども、4ページ目の「生活水準の地域差を構成する」という部分で岩田先生が話されましたが、私もメモ書きで書いたのは、生活様式とか消費様式とか、そういうものがすごく重要だと思うのです。これは実は生活の質にもかかわることだし、成熟社会というものにかかわることなので、貨幣経済で生きていかなければいけないのだけれども、それでない部分での生き方というのも全くないわけではないから、そこら辺も勘案するということも必要だと思うのです。それも新しい視点というか。だから低くていいとか、そういうことを言っているのではないですよ。そうでなくて、そういう視点も持つということは本当に大事だと思いました。
以上です。
■駒村部会長 では、山田委員、お願いします。
■山田委員 先ほどの議論で、2ページ目の下から2行目「一般有子世帯と生活保護受給有子世帯」というところで、生活保護を受けていない貧困の有子世帯もという話だったと思うのですけれども、私はこれでいいと思うのです。というのも、貧困の有子世帯と比べてしまうと、一体どちらがベンチマークなのかという議論にもなりますし、冒頭来の議論にも出ておりますように、子どもとしてどうしても必要なニーズが満たされなくてはいけないという考え方をすると、ここは一般有子世帯のままでよろしいのではないかと思います。
例えばひとり親世帯の貧困層と生活保護世帯を比べてしまって、その結果をどういうふうに読み解くかというより、一般的な子どものニーズを考えれば、一般有子世帯と比較すべきではないか、このままでよいのではないかと思います。
■阿部委員 そこは私も同感です。下と比べないで欲しいというのはある。
■駒村部会長 水準の議論になったときにはそういう話でしょうと。
ほかにいかがでしょうか。では、小塩先生。
■小塩委員 所得の低い世帯どうしで比べるということは、その政策の効果を見たいためです。所得が同じ層で生活保護を受けている、受けていないということ、制度によってどう違うかというのを見るためには、両方見ないといけないのかなと。
■駒村部会長 基準の議論ではなくて、いろんな政策の実態の評価としての話であって、参照の話をしているわけではないということは確認が必要ですね。
■小塩委員 はい。
■駒村部会長 岩田先生、お願いします。
■岩田部会長代理 先ほど阿部先生がおっしゃった高校生ぐらいの子ども、中高が多いのですね。中学生、高校生の状態がどうかというのに一つのウエートを置いて、どうしても生活保護基準の検証なので、それにどのぐらいの費用を加算できるかという話に結局、集約されてしまうとは思うのですけれども、せっかくの機会ですから、子どもたちがどういうふうに家を出たり、家にいたりしているかということは、もうちょっとはっきり知りたいと思うのです。
福祉事務所レベルでこれまで話を聞きますと、一つは世帯分離の問題があって、これは形式的な場合と自主的な場合があるように思います。この辺は言いにくいのですが、生活保護受給そのものが家族関係や、家族の中で例えば精神障害を疑われるような子どもがいるのだけれども受診しないということで、生活保護申請がなかなか進まないというときに、生活困窮者支援みたいなものが入って、それを整理して、つまり、家族を整理して生活保護受給に結びつける。それぞれ別々。だから、単身化が進むのは当然だなと思いますけれども、そういう整理がどうもあるような感じなのです。
他方、ちょっと前ですけれども、中学校を出るとどこかに一斉に就職させてしまうわけです。これもちょっと内緒の話なのですが、生業扶助を使って一斉にやって、ばっと出して、子どもたちを切ってしまうのです。そうすると、短くて5~6年、長くて10年ぐらいすると体を壊して戻ってくる。それでまた生活保護。
今、そういう集団就職的なものは少なくなっていると思うので、例えば中学校で学校が就職に熱心だというところは非常に少ないと思うのです。そういう子どもたちが一体どういうふうに職場を探していくのかということも含めて、かなり悩ましい。そのころになると親を批判したりすることもありますから、常に家族が一致して貧困に立ち向かっているというわけにはいかないですね。
だから、そこの内実を知るのは非常に難しいと思うのですけれども、林さんの本、この間出たのがありますね。あれは割合いいケースですが、自己肯定感が必ずしも低くはないとか、いろいろおもしろい知見がありますけれども やはりわかっていない部分なのでしょう。
若者論は、年齢がもうちょっと上ですね。34歳ぐらいまで行きます。だから、そこの真ん中がわかっていないのです。でも、そこでドロップアウトしていくというか、うまくステップアップできないといいますか、自分の人生を歩み出し切れない子どもたちの問題があるのは事実だと思うのです。これは生活保護の開始年齢とも関係していて、分離して、子どもは子どもで単身で、16歳以上になったら特別に生活保護で行けるというふうにはまだなっていませんから、どうなっているのかなと思いますね。
■阿部委員 そこにちょっと足していいですか。でも、そこが結局のところ貧困の連鎖をとめるかどうかというところだと思うのです。それまでの子どもの生活の質の問題ももちろんありますが、結局のところ、中学校を出た後に高校に進学するところまでは見るわけです。高校進学率はわかっていますが、その後、中退率が高くて、その子たちが今どういう生活をしているのか。多くの場合は家から出ていると思います。なので、そこが一番重要な。
例えば福祉事務所ではケースワーカーさんは自分のケースで、前、この家には15歳の子がいて、中学を卒業したけれども、今はその子はいなくなったなというのがわかっているわけです。それを算定するときに。そういったデータとかを集めることはできないのかなと思うのですが、いかがでしょうか。
■駒村部会長 基準部会の守備範囲、議論もありますが、生活保護全般的にできるというわけでもないですけれども、しかしながら、大事な部分で、貧困の連鎖とか、先ほど栃本さんからお話があった施設を出た後の子どもたち、東京都の調査ではすごく生活保護率が高いなどというデータもありますし、もし今みたいな数字があれば、自立に向けて家を出る瞬間、施設を出る瞬間がどうなのかという実態把握をしてもらわないと、その前にどういう政策を行うかということがわからないわけですから、これは問題意識として厚生労働省、特に援護局のほうには持っていただいて。
ただ、基準見直しの議論になると、これは一応時間もある話ですので、部会としては、新たな検証手法の検討というのが1個のテーマになっていますから、これはそちらの方の開発、自立助長につながるような支援。特に先ほど先生のおっしゃったショッキングな話、5年、10年たったら体を壊してもとになってしまうなどという話は、そのときは保護施策があったかもしれないけれども、長期的に見れば貧困の連鎖を生んでしまっているわけですから、その辺をどう評価していくのか。見た目の話ではなくて、中長期的に意味のある支援になっているか、保護政策になっているかというのは関心を持っていただきたいと思いますので、調査テーマに提示していただく。現時点では我々も含めて、どういう材料があるのかというのをまず提示していただく。その上で、保護課にも課題として、場合によっては新たな検証方法の中に一言入れてもらうような形で意識してもらいたいと思います。
ほかいかがでしょうか。
私の方から5ページ目の住宅扶助の見直しのところなのですが、転居があったかどうかだけでは本当はわからないのではないのかなと思っていて、家主さんが応じてくれれば転居しなくてもいいわけですけれども、家主さんが応じてくれなければ転居せざるを得ないという話ですが、家主さんが応じないで転居しない方法としては、新しい家賃の差額分をいろいろな名目で別費目でとってしまって、実質的な扶助水準が下がっているだけであるということも起き得るのではないかと思います。ただ、これを今の被保護者調査等々で把握できるのかどうなのかということになると思います。要するに、価格転嫁されてしまっているだけではないかということなのですけれども、場合によっては、これはヒアリングとかサンプルとか、特に家賃に対する粘着性とか、家主の交渉力が強いような地域などを念頭に置いていただいて。転居数を数えれば影響が大きかったか、少なかったかなどという単純なことは言えないのではないかという心配はしていますので、それはちょっと留意していただきたいなと思います。
ほかいかがでしょうか。
よろしければ、本日の今後の検証方法に関して議論が出尽くしたと思います。きょうの御意見を踏まえて、事務局に検証方法に関する方針については文言修正をやっていただく。文言修正については私の方で確認させていただくということで一任させていただいて、本日の方針に加筆したものに従って検証作業に入っていくということになるかと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
■駒村部会長 事務局のほうは、今のいろんな議論を本文に加えて修正していただいて、またこれは文言修正、御相談したいと思います。
それでは、最後に次回の開催について、事務局から御連絡をお願いします。
■鈴木保護課長 ありがとうございました。
今後の作業、部会の進め方でございますけれども、前回御報告しましたが、今後検討作業班というのを設けさせていただきまして、部会長と御相談しながら、実際のデータのつくり込みというか、議論に供するためのデータを整理する作業ということに入らせていただきたいと考えております。
したがいまして、しばらくお時間をいただきまして、一定の議論に供せるような熟度に上がってきたところで順次また議論を再開していただく。そんなふうに考えておりますので、また準備ができましたら開催の御案内をさせていただきたいと思っております。
■駒村部会長 それでは、本日の議論は以上とさせていただきたいと思います。
御多忙の中、どうもありがとうございました。
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