ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 研究開発及び生産流通部会)> 第13回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産流通部会議事録(2016年11月16日)
2016年11月16日 第13回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産流通部会議事録
健康局健康課
○日時
平成28年11月16日(水)14:00~15:15
○場所
厚生労働省省議室(9階)
○議事
○事務局 それでは、ただいまより、第13回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会」を開催いたします。
本日は、御多忙のところ御出席をいただき、まことにありがとうございます。
本日の議事は公開でございますけれども、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては御協力をお願い申し上げます。
また、傍聴の方は、傍聴の際の留意事項の遵守をお願いいたします。
初めに、本日の委員の出欠状況について御報告を申し上げます。本日は、委員10名のうち、伊藤委員、加藤委員、釜萢委員、坂元委員、野口委員、福島委員、細矢委員、森委員、山口委員の9名に御出席をいただいております。
また、西島委員からは御欠席の旨の御連絡をいただいております。
現時点で、厚生科学審議会の規定により定足数を満たしておりますので、本日の会議が成立したことを御報告申し上げます。
冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
それでは、議事に先立ちまして、配付資料の確認をさせていただきます。
議事次第、配付資料一覧、委員名簿、そして資料1から7まで御用意してございますので、配付資料一覧と照らしまして不足しております資料がございましたら、事務局におっしゃっていただければと思います。
次に、審議参加に関する御報告を申し上げます。
本日の議事内容におきまして個別に調査審議される品目はございませんので、本日の議事への不参加委員はございません。
それでは、ここから伊藤部会長に議事の進行をお願いいたします。
○伊藤部会長 それでは、議事に入りたいと思います。本日は、1件の審議事項と4件の報告事項がございます。
議題(1)の審議事項として「ワクチンの安定的な供給体制確保のための備蓄プログラム整備事業について」ということですが、事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、事務局より御説明させていただきます。資料1をごらんいただければと思います。
ことしの4月に発生いたしました熊本地震におきまして、ワクチンの製造販売業者である化血研が被災いたしまして、一時的に一部のワクチンの製造が困難となりました。このことも踏まえまして、大規模地震を含む自然災害が発生した場合においても、ワクチンの安定供給体制を確保し、予防接種法に基づく定期接種を持続させることができるよう、公募により選定したワクチン製造販売業者において、免震機能を有し、かつ市場流通可能なワクチンを適切に保管管理可能な倉庫、以下、単に免震倉庫と申し上げますけれども、こちらを整備するための経費につきまして、平成28年度第2次補正予算において要求を行いました。そして、この予算、約21.57億円でございますけれども、10月11日に成立したところでございます。
本事業をより実効性のあるものとし、また、ワクチンの安定供給に資するように本事業を最大限に有効活用するため、補助を実施する場合には一定の備蓄を条件とするということを考えておりまして、また、その他の条件等について定めることが必要となっているところでございます。
資料の2.では、「補助要件に係る論点」として、その他を含めて大きく5つの論点を掲示いたしました。1点目は「補助の対象について」でございます。補助の対象は、一義的にはワクチンの製造販売業者が適当と考えておりますけれども、いわゆる販社も含む卸売販売業者につきましても、要件に合致し、補助対象事業者を選定する評価委員会、これは本事業の執行のために一定の専門家を選任して組織する予定というものでございますけれども、この評価委員会が適当と認めた場合には対象としてはどうかと考えております。
また、選定する補助対象事業者の数でございますけれども、予算の範囲内であれば、複数事業者の選定についても排除しないこととしてはどうかと考えております。
ただし、予算執行上の条件といたしまして、選定された事業者に対しては免震倉庫建設費用として全額補助が前提となるという制約がございます。
それから、2点目の論点は「備蓄の対象について」でございます。国として安定供給の責任を明確に有するというと、定期接種に使用するワクチンということになろうかと思いますけれども、一方、公衆衛生上の観点から、任意接種のワクチンや抗毒素であっても、ワクチン等の供給不足を避けるべきというケースもあり得ると考えられます。このため、公衆衛生上の観点から、厚生労働省の要請があった場合、または当該事業者からの申請に基づき厚生労働省が必要性を審査し、かつ認めた場合に限りましては、備蓄の対象は任意接種のワクチン及び抗毒素も含むこととしてはどうかと考えております。
さらに、新たに建設する免震倉庫につきまして、ワクチン等の安定供給に資する目的を踏まえますと、厚生労働省の要請があった場合には、その当該事業者が製造販売したり、あるいは取り扱ったりするワクチン以外の製品を一時的に備蓄するということについても可能としてはどうかと考えております。
それから、裏に行っていただきまして、3点目の論点は「備蓄の方式について」でございます。備蓄の方式は、通常の流通分を一定期間備蓄し、出荷、あるいは払い出し分が順次新製品に入れかわる、いわゆる流通備蓄方式としてはどうかと考えております。
それから、4点目は「備蓄量について」でございます。製造販売業者やいわゆる販社におきましては、安定供給に資するために、通常、一定量の在庫を有しているのではないかと考えられますけれども、それでも状況によっては不足感が生じる事例が生じているところでございます。
ワクチンの供給が危機的な状況に陥るリスクをさらに低減するために、せっかく免震倉庫をつくるわけでございますから、その流通備蓄の量を上乗せするということを要件にしてはどうかと考えております。
その具体的な適正量の見極めというのはなかなか難しいところでございますけれども、熊本震災においては、発災後6カ月程度で化血研の大半の製造設備が復旧したということがございますので、その6カ月分というものが備蓄量の一つの目安ではないかと考えております。
ただ、ワクチンによりましては有効期限が短いものもございまして、その場合、その出荷のおくれにより廃棄されるリスクが高まるという一般的な問題もございますので、有効期限が短いものは、その6カ月分というところから、流通備蓄期間を短縮してはどうかと考えております。
資料に記載させていただきましたが、目安として考えられるものとしては、有効期限が2年を超えるものについては少なくとも6カ月分を、1年から2年のものは少なくとも5カ月分を、1年以下のもの、ただ、季節性のインフルエンザワクチンは特殊なのでちょっと除きますけれども、1年以下のものというのは少なくとも4カ月分というのを目安にそれぞれ流通備蓄するということを求めてはどうかと考えております。
なお、今、御説明させていただいているのは免震倉庫の補助要件としての議論でございますけれども、この流通備蓄量に関しましては、その免震倉庫の有無というところとは別に、ワクチン供給全体の問題として議論すべきところもあろうかと思います。ただ、この点につきましては、免震倉庫の補助要件という議論とは別に、別途整理すべき議論であると考えております。
それから、その他の要件といたしまして2つ、小さな論点を挙げさせていただいております。厚生労働省からの求めに応じ、備蓄ワクチンの状況等に係る報告等を行わせることとしてはどうかと考えておりますし、また、事業の実施に当たり、実施主体が必要な資質を有することを要件としてはどうかと考えております。
最後に、御参考として今後の手続の予定を御説明申し上げます。今後、専門家を含めた評価委員会、先ほどちょっと触れさせていただきましたが、この評価委員会を組織し、必要な要件等を確定した後、公募を実施いたします。そして、公募により、その実施主体というのを選定してまいりまして、その後、実施主体はその免震倉庫の具体的な設計に入り、そして竣工し、最終的には運用開始となるということで手続的には考えてございます。
以上、ちょっと長目に御説明させていただきましたけれども、本日は、先ほど御説明させていただきましたこの免震倉庫の補助の要件に係る論点につきまして、先生方の御意見をいただければと考えてございます。
御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○伊藤部会長 ありがとうございました。熊本の地震があって、ワクチンの供給について、不安になることから予算化されたと思いますが、たくさん質問がある案件ではないかと思うので、事務局に御質問していただければいいと思いますが、皆様方、いかがでしょう。
○福島委員 済みません。基本的な質問なのですが、現在、ワクチンメーカーさん、あるいは卸さんで、免震機能を有しない倉庫にワクチンを保管していらっしゃる会社はどれぐらいの割合あるのでしょうか。
○伊藤部会長 事務局でお答えいただけますか。
○事務局 済みません。お答えさせていただきます。
割合という点ではなかなかお示しするのは難しいのですけれども、熊本では免震倉庫があったという事実はあるのですが、ほか、いろいろ、免震のところもあれば免震でないところもあるという感じかと思います。
○福島委員 ありがとうございます。健康危機管理の観点から非常にすばらしい事業だと思うのですけれども、予算的に複数の事業者に補助するのがなかなか難しい金額ということをお聞きしておりまして、1社、あるいは2社ぐらいになるということで。もし免震機能を有していない設備にワクチンを保管していらっしゃるところが多いのであれば、ニーズが高いところに対してはどうなるのかなというのが少し懸念でございます。
○伊藤部会長 いかがですか。
幾つかあると思うのですけれども、まずは、大体21億円という額で何人分ぐらいの保管ができるのかわからないと、これで十分とか十分でないとか言いにくいと思っているのですけれども、事務局での試算では、これでどれぐらいカバーができるとお考えなのでしょうか。
○事務局 実際に公募によっての話になるので、どういった提案がなされるかというのにもよるかと思うのですけれども、大規模であれば1施設ぐらいだろうし、それよりも小さい規模であれば複数になるかもしれない、ちょっとそれは公募次第というところかと思います。
○伊藤部会長 坂元先生。
○坂元委員 この要件のその他の中になると思うのですけれども、事業の実施に当たり実施主体が必要な資質を有することという中にぜひ入れていただきたいのは、1つは、その企業が災害時にちゃんとBCPを持っているかどうかというのは必須条件だと思うのですね。それを持ってないメーカーにやっても、災害時、そこから運び出すことができるとか、そういう人員的な管理とか運用がしっかりされているということは一つのそこのメーカーに対する補助に対しての条件だと私は思うのと、これは多分言っても仕方のないことかもしれないのですけれども、今、国で、首都直下とか南海トラフの被害想定をかなり出しているときに、例えば一番危ないところにある倉庫に対して補助を出すということが適当かどうかも、だから、その被害想定もあわせて、少ない予算なので、できるだけ安全なところと、しっかり災害時にその倉庫の管理運営ができて供給ができるという、ちゃんとそういう計画を有しているところをやはり優先にして補助を出すべきだと考えています。
○伊藤部会長 貴重な御意見だと思うので、今後、選定するときに参考にしていただければと思うのですが、ほかにございませんでしょうか。
○山口委員 海外のメーカーなんか、ビッグファーマだと、フェイルセーフティで複数の施設を例えばプエルトリコに持っていたりするので、多分、災害時にも対応できると思うのですけれども、今回の地震のときにいろいろ意見をお聞きしたときにも、複数の施設を持つこと自体がなかなか難しいというので、そういう意味では、この備蓄ということがやむを得ない、備蓄で地震の対策とかするのはやむを得ないかなという気がします。
ただ、もう一つ、そのときに、1社しかもっていない製品、そういうものがある製品、それだと、地震で壊れてしまえばもう供給能力が全面的になくなってしまうので、そういう意味では、複数の代替があるよりも、1つしかないものを優先したほうがいいのかなという気がちょっといたします。
○伊藤部会長 ほかに。
細矢先生、どうぞ。
○細矢委員 はしかがはやるとどうしてもMRワクチンが不足するというような、災害とは関係なしにこういったものが不足するということが起こっていまして、こういったときにも、この備蓄というのが対応すると考えてよろしいのでしょうか。
○伊藤部会長 事務局でお答えいただけますか。
○事務局 今、せっかく免震倉庫をつくるので流通備蓄量をふやそうというところに関して、別にこれは震災のためだけにとっておくというものではないので、そのようにふやせれば、それはいろんな場面で活躍するだろうというのはございますが、そういった不足感が出たときの全体のときの議論というのは、またより大きな形で議論していけたらと思っております。
○細矢委員 そうしますと、例えばワクチンもいろんな種類がありますし、いろんなメーカーがつくっているわけですけれども、その倉庫のあるところだけに備蓄を要望するということになってしまうわけですか。全てのワクチンはやはりある程度流通備蓄としてとっておくべきではないかと思うのですね。そうすると、倉庫は1個2個というのではやはりなかなか厳しいのではないかと思うのですけれども、全てのメーカーのワクチンをある程度備蓄できるような、共通して使えるような倉庫というイメージではないのでしょうか。
○事務局 今、倉庫の要件として議論しているのはその倉庫そのもののということで、全体のワクチンの流通備蓄、ストックをどのようにふやしていくか、あるいはどうするかというところについてはちょっとまた別の次元の話で考えていかなければいけないと思っておりますが、一方で、今、この資料1を見ていただきますと、その備蓄の対象というところで、下のほうの○になりますが、「厚生労働省の要請があった場合には、当該事業者が製造販売する又は取り扱うワクチン以外の製品を一時的に備蓄することについても、可能としてはどうか」というのが一応ありますので、その議論の行く末によってはそういうところを活用するというのも考えられるのかなというのは思っております。
○伊藤部会長 では、森先生、どうぞ。
○森委員 倉庫をつくった場合、どのようなワクチンを備蓄するかというのが非常に重要になるかなと思いました。ワクチンメーカー、あるいは販売業者さんを選んだ時点で、それが決まってしまうとよくないし、どのようにされるのかと思ったのですけれども、いかがでしょうか。
○江浪予防接種室長 今回この備蓄の倉庫について予算要求させていただいた背景は、熊本地震の際に化血研が被災したということがきっかけでありまして、今、国内のワクチンメーカーは、どの社が被災をしても極めてワクチンの流通に対して影響が大きい現状になっています。
この部会のほうでも幾つか御意見いただいたと思うのですけれども、ではどのように備蓄倉庫を持つことができるかと考えたときに、現状一番対応しやすいのは、今回、化血研が自社分で持っていた倉庫が免震だったということがありますけれども、そういうワクチンメーカー自身が保有する倉庫自体を免震化するということが1つ効果的なのだろうということで、そういった形のものを提案させていただいております。
ただ、この提案の中に入っていますとおり、メーカーだけではなくて、いろんな段階の倉庫がございますので、そういった中で幅広くその候補を出していってもらおうと思っています。この倉庫の補助事業だけで我が国におきますワクチンの備蓄の全体がカバーできるとは今回考えにくいなと思っておりまして、いつ災害が起こるかわからない中で、限られた予算の中でできることをやっておくというのが今回のものであろうと思っております。
今回の事業に対してどういう社が応募してきて、その結果、どういうところのワクチンが備蓄することができるかという実績はまた出てきますので、そういったことを踏まえて、我が国全体、どのように備蓄なり安定供給というものを考えていくのかということをさらにこの部会のほうで御議論いただければと思っております。
○森委員 そうしましたら、実際選ばれる業者さんの数はまだ決められていないということで、委員会の結果、その数を決められていくということでしょうか。
○江浪予防接種室長 はい。
○伊藤部会長 ほかにありますでしょうか。
では加藤先生。
○加藤委員 加藤と申します。
3つ質問があるのですけれども、1つは、今回、免震倉庫だということで、倉庫自身が地震に強くなるのはわかるのですけれども、ワクチンというのは4℃ぐらいで保存しなければいけないというので温度管理というのも大事だと思うのですけれども、これは電源設備も含めて、耐震というか、震災に強いものを考えていらっしゃるのかというのが1つ目ですね。
2つ目は、備蓄という考え方、私も大変いいと思うのですけれども、昨今、ワクチンを打った後の不適当な事例として、有効期限が切れていたのにもかかわらず医療機関で接種したということがあって、今回このように備蓄を義務づけていると、当然その期間、ワクチンの有効期限が減ってしまいますので、こういった事象がふえやしないかということになりますので、それに対する、エンドユーザーに対するケアも必要なのではないかなと思うのが2点目。
3つ目は、今回、1社か2社かなのですけれども、先ほどもおっしゃっているように、これは全国的に展開しなければいけないような事例だと思いますので、今後もこのような補助金を継続されるおつもりなのかどうかという3点についてお聞かせください。
○江浪予防接種室長 それでは、私のほうからお答え申し上げます。
今回、備蓄倉庫の件、御議論いただいたときに、先ほどBCPの御指摘もございましたけれども、倉庫だけあって、中のものは壊れませんでしたというだけでは本来目的としている機能が果たせないということは御指摘のとおりだと思いますので、そういった周辺のものも含めてどのようにちゃんと災害があったときにも維持できるのかという体制も確認しながら事業のほうを進めていきたいと考えております。
有効期限切れの関係に関しましては、先日、この厚生科学審議会の予防接種ワクチン分科会のほうに、予防接種に関する間違い報告ということで実績を御報告申し上げておりますけれども、有効期限の関係の課題もあるという認識をしてございます。その関係に関しましては、また別の場面ではございますけれども、例えばもう少しわかりやすい有効期限の示し方はないのかという御指摘もいただいておりますし、それは少し薬事行政のほうの話でもあるのですけれども、あるいは、いろいろな間違いを防ぐための取り組みというのをより強く広くやっていかなければいけないのではないかという指摘もありますので、そちらのほうに関しましてもしっかり対応していきたいと思っております。
今後の補助のあり方でございますけれども、今回、熊本地震での経験も踏まえまして、限られた予算の中でありますけれども、今回こういった形で予算のほうを確保させていただきましたけれども、今後これにつきまして新たな要求が続けられるかどうかというところに関しましては、いろんな課題もあるところであります。
これは先ほどいただいた御質問の中にもあったかと思うのですけれども、ワクチンを例えば保管している倉庫について、免震でないところがあるのでしょうかというようなこともあるのかなと思いまして、どこまでが本当に公的にかかわり、補助を出し、どこまでをメーカーのほうにもやっていただくのかというところも、この部会の中でも御議論いただくのかなと思っております。
今回、災害がありまして、次の災害が起こる前に少しでも対策を進めておかなければならないという意味で、今回このような予算要求をさせていただきましたけれども、今後のあり方に関しましては、また幅広い観点から御議論いただければと思っております。
○伊藤部会長 ありがとうございます。ほかにございますか。
どうぞ。
○山口委員 1点質問させてください。
1ページ目の一番下のところに、当該事業者が製造販売するワクチン以外のものも備蓄する。この辺に関しては要件は考えておられますでしょうか。要するに、要件というのは、何でもいいというわけではなくて、恐らく、必要不可欠な、例えば血液凝固因子製剤とかそういうものがもしそこでつくられていれば、そういうのは当然優先されるべきものになるのかなという気がちょっとしたものですから。
○事務局 一応ここに「厚生労働省の要請があった場合には」ということで、こちらのほうからお願いする場合という担保がついております。血液凝固製剤というと血液製剤なのですが、一応ワクチンということで考えておりますが、ちょっと御指摘を踏まえてまた考えたいと思います。
○伊藤部会長 ほかにございますか。
福島先生。
○福島委員 済みません。確認になるのですが、1ページ目の中ほど、「選定された事業者に対しては、免震倉庫建設費用として全額補助が前提となる」と書いていらっしゃいます。このような免震構造を有する倉庫の設置を促進するという意味からは、部分補助という選択肢も可能なのかなと思うのですが、ここで全額補助としていらっしゃるのは、補正予算要求においてそういう条件をつけられたことと、あと、先ほど山口委員がおっしゃいました厚生労働省の要請、国の要請があった場合に、その製品を国の要求のもと保管していただくというような意味もあって全額補助としていらっしゃるのでしょうか。
○事務局 お答えいたします。これは予算の都合上という形になります。
○伊藤部会長 ほかに何か、よろしゅうございますか。
これが卸の人たちを対象にするのであればいろんな複数のワクチンでしょうし、化血研のような製造をされているところのストックということであれば、特定のワクチンで特定の倉庫という話になってしまうのだろうという気がするのですけれども、それはどちらを前提に考えていらっしゃるのでしょうか。その提案において、また今後選定するので、今はニュートラルですと言われるのであればそれはそれでだと思っておりますが。
○事務局 資料の2の(1)に書かせていただいたとおり、先ほど室長からのお話もございましたけれども、もともと今回の震災を発端にしているところもあって、一義的にはワクチンの製造販売業者というのが念頭にあったところですが、販社とか卸売販売業者についても、最終的に要件に合致すればそれは排除しないということで、ちょっと門戸は広くあけるということを現時点では考えているところです。
○伊藤部会長 ほかに何か御質問とかございますか。
今、幾つか委員の方から御指摘をいただいて、BCPとか電源とか、そういう最終的な選定要件については、今いただいた御意見を入れていただくということだろうと思っております。全体としてですけれども、こういう危機対応について予算化をして、ある意味で、これはモデル事業のような形で進めると考えられているのだろうと思っておりますが、それはそれで是とするということで、皆さん、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○伊藤部会長 それでは、今いただいた御意見をもとにして最終的な選定をしていただいて、より安定的なワクチンの供給に向けての一助にしていただきたいということで皆さんの御意見をまとめることができると思いますので、よろしくお願いいたします。
では、審議課題については以上ですが、よろしくお願いいたします。
引き続いて、報告事項、議題(2)予防接種に関する基本的な計画に基づくPDCAについてとその他について御説明をいただければと思います。よろしくお願いします。
○事務局 それでは、事務局より御説明させていただきます。報告事項については、まとめて先に御説明させていただければと思います。
まず、報告事項の1つ目、資料2でございますけれども、「予防接種に関する基本的な計画に基づくPDCAの今後の進め方について」ということで御説明させていただきます。
資料2の1ページ目をごらんいただければと思います。「予防接種法第三条第一項の規定に基づく予防接種に関する基本的な計画」、いわゆる基本計画に基づくPDCAサイクルによる定期的な検証の今後の進め方というものにつきましては、基本方針部会のほうで議論するということとされまして、9月16日に基本方針部会が開催されて議論が実際になされたところでございます。
今回お示しした資料でございますけれども、その基本方針部会で提示された資料でございまして、この内容で基本的に了承がなされたところと理解していますが、本研究開発部会に関するところもございますので、本部会に関係するところを中心に簡単に御説明させていただければと思います。
資料の真ん中ほどにある「基本計画に基づく取組の整理と検証の方法」でございますけれども、まず(1)といたしまして、主として基本方針部会において検討を行うけれども、副反応や研究開発等に関する事項につきましては、副反応検討部会及び研究開発及び生産・流通部会で検討を行うこととされております。
本研究開発部会に関連する事項としてどういったものがあるかということでございますが、この資料2の4ページ目から、基本計画の固まりごとに、どの部会で議論することがそれぞれ適当かという分類がなされております。
研究開発部会につきましては、第三の四、ページ番号で言いますと6ページ目の中ほどに「新たなワクチンの開発」というところがございます。それから、その下に第四の一で「予防接種に要する費用」というところがございます。それから、その次、7ページに行っていただいて、第五という大きなくくりがございますけれども、「予防接種の研究開発の推進及びワクチンの供給の確保に関する施策を推進するための基本的事項」ということで7ページから8ページ目にかけて並んでおりますけれども、こういったところが割り当てられているところでございます。
第五の関連で申し上げますと、8ページ目のところにございますけれども、「ワクチンの生産体制及び流通体制」ということで、流通体制に関する話題というのも含まれておりますので、今議論いただいた部分も若干出ておりますが、その安定供給に係る対策につきましても、また本部会において議論を深めていただければと考えているところでございます。
資料2の1ページ目に戻っていただきまして、引き続き、取組の整理と検証の方法の(2)でございますけれども、各部会において、これまでの取り組みの評価を行った上で今後必要な取り組み等についての意見をとりまとめることとされておりまして、また、(3)として、基本方針部会において、各部会における検討結果を整理し、基本計画に基づくPDCAサイクルによる定期的な検証の今後の進め方を検討し、基本方針部会として分科会に報告することとされております。
こちらの当面のスケジュールとして提示されているのが、ことしの秋ぐらい、今も含めますけれども、研究開発部会においても検討を開始して、来年春ごろには分科会における議論全体のとりまとめを目指すこととされているところです。
PDCAに関する御説明は以上でございます。
○事務局 続きまして、資料3について御説明させていただきます。「ワクチン・血液製剤産業タスクフォース顧問からの提言」という資料でございますが、1ページおめくりいただきまして、まず、その位置づけのほうから御説明させていただきます。
本タスクフォースにつきましては、昨年来の一般財団法人化学及血清療法研究所、化血研の事案をきっかけに明らかとなりました、我が国におけるワクチン・血液製剤産業・行政におけるビジョンや国家戦略が不明確であること、企業のガバナンスの問題や、特定企業・団体等に過度に依存している脆弱な供給体制といった諸問題について対処していく必要があるということで、厚生労働省の内部の検討会という形で昨年の12月に設置されたところでございます。
事務次官をトップに、医政局、医薬局、健康局が合同で議論を行いまして、顧問という形で、この資料の一番最後のページにつけてございますけれども、4人の顧問の先生に参加いただいて議論をしてきたところでございます。
検討状況については公表してございませんけれども、企業規模、市場構造、価格設定、生産体制、承認制度など幅広い論点を含めて、かつ国際的な観点をも鑑みながら、我が国のワクチン・血液製剤の安定供給体制をどうすべきかと。それについて企業、厚労省、承認機関というところのあり方についてどのように検討していくかということについて、既存の施策にとらわれず、ゼロベースで検討して、タスクフォースとして一定のとりまとめを10月にいただきましたので、10月の18日に厚生労働省としてプレスをさせていただいたところでございます。
本文につきましては、次のページをおめくりいただきますと、ワクチンのパート、7ページ目以降が血液製剤のパート、そして10ページ目にそれらの製造を担うメーカーのガバナンス体制についてという形の項目立てで記載をいただいてございます。
この文書につきましては、ワクチン・血液製剤産業行政の関係者に幅広くヒアリングを行って、そういったヒアリングの結果に基づいて顧問の先生方の検討がとりまとめられたものと考えてございます。
この顧問からの提言ということでございますので、先般御提案をいただいたところでございまして、今後これらの提言の一つ一つについて、どのようなスケジュール感で、どのように議論を進めて具体化していくかにつきましては今後の検討課題と考えてございますけれども、まずはとりまとめられたということを、本日、本部会にも御報告させていただくものです。
事務局からは以上でございます。
○事務局 引き続きまして、報告事項の3番目、資料4から6になりますけれども、前回の部会以降発出させていただいた通知、あるいは事務連絡につきまして御説明させていただきます。
まず資料4をごらんいただければと思いますが、御紹介する通知は資料4から6の3つございますけれども、まず1つ目の資料4でございます。こちらは、8月3日に発出をいたしました季節性インフルエンザワクチンの供給に関する通知でございます。
こちらにつきましては、前回開催いただいた部会におきまして、今冬シーズンのインフルエンザワクチンの供給に係る施策ということについて先生方に御意見をお伺いしたところでございますが、その内容を踏まえて、この通知を発出したというところでございます。
それから、資料5に行っていただきまして、こちらは9月9日に麻しんの広域的な発生状況を踏まえて発出させていただいた事務連絡でございます。乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン、いわゆるMRワクチンの供給に関しまして、定期接種の確実な実施に努めること等につきまして協力の要請等を都道府県等に対して行ったものでございます。
それから、資料6になりますけれども、こちら、3つ目でございますが、ことしの10月からB型肝炎ワクチンの定期接種が開始されるということを踏まえまして、また、熊本地震による影響に関しまして、化血研がB型肝炎ワクチンに係る情報を更新したということを踏まえまして、9月28日になりますが、事務連絡として発出したものでございます。
発出した通知等に関する御説明は以上でございますが、引き続き、最後に「その他」といたしまして、資料7、化血研に対する報告命令等について御説明を申し上げます。
本年の10月4日になりますけれども、医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課及び医薬品審査管理課から、報告命令等を行ったということについてプレスリリースが出されたところでございます。
この中で、乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンにつきまして、承認書の内容と一部異なる製造を行っていたということが記載されてございますけれども、同じプレスリリースの中で、最終製剤の品質及び安全性に対して影響を与えないことを確認しているということについてもあわせて記載がなされてございます。
化血研の日本脳炎ワクチンに関して、現在、特に出荷を停止しているということもないと理解しておりまして、本件に関して、その供給に支障はないという認識でおりますので、その旨について御報告をさせていただければと思います。
報告事項に関する御説明は以上でございます。
○伊藤部会長 ありがとうございました。中身は結構盛りだくさんだと思いますが、あっさり御説明をしていただいたとは思っております。
まずは、事務局に御説明内容についての御質問がありますでしょうか。
資料2にあるPDCAサイクル、ちょうど今、中間年で、今後どんな形で動かしていくのかというのが一番大きい問題で、この部会として何を取り組んでいくのかというのは、大変優秀な人たちが事務局なので考えてくれるだろうとは思っておりますが、私どもとしてもやはり知恵を出すというところの努力をしていかなければいけないと思っております。皆さん、御意見とか、今後この部会で何を議論していこうかというのがあれば教えていただけますでしょうか。
では、細矢先生。
○細矢委員 先ほどちょっと話題にしたのですけれども、流通在庫、備蓄というのが、審議事項のところでうまくいけば、1のところですが、在庫が十分にあればもうこういう問題はないのかと思うのですけれども、この資料5のところで出てきたように、麻しんの流行があれば必ずものが足りないという状況が起こっています。それに対して厚労省から出ているこの通知というのは非常にいい文ではないかと。都道府県でちゃんとその状況を把握しなさいと。足りない場合には調整してください。それがだめな場合には厚労省がちゃんと調整しますよと書いてあるのですけれども、これが本当に、前回もお話ししたのですけれども、実際に機能しているかどうかというのを確認してもらいたいと思うのです。
都道府県に対して簡単にアンケートでもとって、例えばそういった、3日以内でしたか、状況が把握できるような体制を整えることという文面とか、それから、地域間の調整を行うことといったことが実際に行われたかどうかですね。それだけでも聞いてもらうと、実際に都道府県が動いたかどうかというのがわかるのではないかと思いますので、これは1つ、PDCAになるのではないかと私は考えます。
○伊藤部会長 ありがとうございます。事務局の方に伺うと、こういう文章が何で書けるのかというと、厚生労働省はきちんとつかまれているらしいというのはわかっておりまして、ただ、現場のところにまではっきり伝わってないのが現場の混乱につながっていて、例えば私自身が絡んでいる東京都医師会なんかでも、足りているというところと足りてないというところが地区医師会単位でばらばらというような状況になっています。、流通部会だけではなくて、基本方針部会なんかでもお話をさせていただいているのですけれども、流通というか、在庫の見える化をすると、医療機関というか、都道府県もしくは市町村にどういう形で在庫が、ストックあるのかがわかると、医療現場が安心されるのではないかと思います。
あともう一点は、ある大学病院なんかでは、2カ月分しか在庫がないじゃないか、3カ月分ないとうちは不安なのだという話があったり、開業医の先生のところにはあした打つワクチンがないのだという話もあったりと在庫に対する考え方もばらばらですので、そういった点を統一したりとかこういうIT化の時代なので、わかるような形をどうにか構築してくれないかと思っています。それがこの流通部会の総意として意見がまとまれば事務局も対応とか考えていただけるかと思っています。
感染症ですので、いつアウトブレイクが起きるかわからないという中で、ランニングストックをどの程度、どのようにしていくのかというのが余り公開はしにくい話かもしれませんけれども、でも、ある程度わかっていることというのは必要だろうと思っていたりもしますが、そういった点について御意見いただけますでしょうか。
○釜萢委員 医療現場において予防接種のワクチンをどのように卸に発注するかというと、通常は、定期接種のワクチンについて考えてみますと、そんなに先々の予約分までは注文しないわけですね。入ってこなくなるというおそれが余り感じられない時期においては、せいぜい1週間先ぐらいまでの分が医療機関に、これは、診療所の場合ですと1週間分ぐらいあれば問題ないだろう、そのぐらいの、毎日、必要があれば発注していますから、1週間先ぐらいまでのものがあればいいと考えていたところが、例えばMRのように、定期接種以外に希望者が今後来るかもしれないということになって、少し先の分までやや多目に発注をかけておこうという思いが働きますと、どうしても発注量は少しずつふえる。その少しずつは、それぞれの医療機関ごとでは余り大きな変化ではないけれども、まとめてみるとばっと出てしまう。
一方で定期接種のワクチンの供給量というのは、必要な量の何倍もメーカーがつくるわけではない。そうなると無駄になってしまいますから、おのずから生産量はある予測のもとにつくられているという中で、予測を上回る需要が生じてしまうと足りない感が出てきて、それを今度は、今までであれば、当然卸から来るという予想のもとに、1週間先までの予約の分の手配でいいと思ったのが、1カ月、場合によって、2カ月まではちょっといきませんけれども、大体1カ月とかいうことになると、その先は来ないではないかというと非常に不足感というのが出てくる。それが医師会あたりにとても足りないという情報が寄せられて、さあ困ったというので、都道府県医師会を通じて日本医師会にもそういう不安の声はたくさん寄せられてくるわけですけれども、ですから、まずは、今、部会長が言われたように、医療機関からどのように発注されて、そしてどのように納品されたかという情報はかなりリアルタイムでわかっているだろうと思いますので、それをある程度利用して、不安をかき立てないような何か仕組みを考えるということが必要になってくるかなと感じております。
それで、もし都道府県、あるいはもう少し狭いエリアでも、明らかに足りないというのがそこではっきりしてきた場合には、それに対してどのようにその地域で限られた在庫を融通するかというようなことも場合によっては考えなければいけないかなと思います。
ただ、一度医療機関に納品されたワクチンは基本的には返品はできないし、ほかのところに流通というか、渡すわけにはなかなかいかないものですから、そこがちょっと難しいところですけれども、卸から医療機関に納品される時点で少しコントロールが働けば、もう少し整理できるのかなと感じております。
以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。ほかに御意見がございますか。
坂元先生。
○坂元委員 先ほど細矢先生がおっしゃった、都道府県がどの程度関与しているかというのは多分かなり温度差があって、かなり関与しているところと余り関与してないところがあるのではないかなあというのは、例えば実際に予防接種をやっているのは市町村が実施主体なので、市町村が結構日ごろ、問屋さんとやりとりして供給を調整しているというところがあるのですけれども、都道府県が、端的に言えば、市町村を集めて予防接種の連絡会議みたいのを持っているか持ってないかとか、そういうところのポイントがかなり必要だと思うのですね。実際、ふだんからやってなければ、市町村がどういう業務をやっていて、どこの問屋とどのようにやっているかというのは恐らく全くわからないだろうと思います。都道府県自身が予防接種をやってないので、なかなか現場感覚ない部分があるので、都道府県は、法律上、市町村の予防接種業務をガバナンスするということがあるので、それは日ごろから市町村との連絡会議というのをちゃんとつくって、それがあるかどうかですね。そこが私は重要かなあという感じはします。
○伊藤部会長 市町村の話まで広がってきたのですけれども。
○細矢委員 済みません。しつこいですけれども、やはりそこだと思うのですね。都道府県は、通知は国から出せるのですけれども、市町村に対して直接というのはなかなか難しいので、都道府県でそれぞれの地域をちゃんとガバナンスしなさいというふうに通知を出しているのだと思うのです。ですから、そこが本当に実際に行われたかどうか、協議会も含めて、連絡会も含めてそういうものがあるかどうかみたいなことを聞いておくというのは、それは必要なんだよと都道府県に言うことになりますので、ぜひ何らかの形で聞いてもらいたい。温度差があって、本当にいいところはちゃんとこうやっているというのがあれば、それを見本にして全国に広げていけばいいわけですから、ぜひ考えていただきたいと思います。
○伊藤部会長 ありがとうございます。流通だけに終始するわけにもいかないでしょうけれども、ほかに何かございますか。
事務局としては、何か対応策をお考えいただくことと、今回のMRの不足に関しては、事務局のほうでも随分対応されたと理解しておりますが、いかがでございましょう。
○江浪予防接種室長 予防接種室長の江浪です。私のほうからお答え申し上げたいと思います。
PDCAの関係に関しましては、基本方針部会のほうでヒアリングのほうからキックオフということで、少し議論を持ったという経緯もございます。そういった中で、やはり論点ごとに我々としてもある程度資料を出して御説明申し上げて、また御意見いただく、ヒアリングをしていくという進め方も1つ考えられるかなとも感じているところであります。
本日、委員のほうから事前にいろんなことを調べたりしたらどうかという御意見ありましたので、我々のほうで少し論点を整理したり、例えば今回のMRの関係であれば、県によっては、非常に御苦労いただいて、いろいろ調査していただいて対応いただくところもあれば、なかなかノウハウがなくて十分対応できなかったところもあるようにも感じておりますので、特にうまく対応できた例があれば、それを非常によい例としてヒアリングを行うなど、我々のほうでもしっかりした議論ができるような準備を進めていきたいなと考えております。
○伊藤部会長 ありがとうございます。ほかの点、例えば開発の品目についてとか、委員の方々から御意見とかございますか。
前回、多分議論をして、あらかた、現在の開発の細かいところについて教えていただいたとは理解しておりますが、開発については、今すぐに進むというか、劇的に進む話ではないのかなあと思う反面、どこかでその確認はする機会をつくっていただければと思っているところでございます。
PDCA以外、タスクフォースの話とか、季節性のインフルエンザの話とか、さまざまあるのですけれども、そこら辺は、皆さん、御質問とか大丈夫でしょうか。
○山口委員 多分、今、御質問しても、これからの検討かと思うのですけれども、このワクチン・血液製剤タスクフォースの顧問からの提言という中には、かなり現在の審議制度とかそういうのもさらに踏み込んでいるところが、例えばPMDAに国家検定をやってもらうとかそのようなことも書かれていて、多分、これはすぐにやろうと思ってもできない話なので、これからこれの対応を厚労省としてどれを優先順位にするかとか、そういう対応をこれから考えられるということでよろしいのでしょうか。
○事務局 お答えさせていただきます。
このタスクフォースの提言につきましては、10月の終わりに分科会のほうにも御報告させていただいたところでございまして、このタスクフォースの提言を受けてどのように進めていくのかということについて同様の御質問をいただいたところでございます。
まさにこの提言というのは、厚生労働省としてどのようなスケジュール感で、どのような形、どのような審議会で進めていくのかということについてもう少し時間をかけて整理することが必要と考えてございますので、当然、この健康局だけではなくて、省全体として対応していく必要があると考えてございます。
○伊藤部会長 ほかに何かございますか。
このタスクフォースの6ページのところ、<研究開発・生産体制の拡充>というのが、多分ここに一番かかってくるだろうと思うのですけれども、この中では定期接種の将来見通しなどを明らかにすることによって、開発の意欲を増してあげたりとか、あともう一点は、国際的な対応についての記載が多いのかなあという気がしております。当然、我が国は、国民に対してだけではなくて、国際的な貢献もワクチンというのはできるものということの視点からこういった提案が来ているのだろうなあと思ってはおります。
また、厚生労働省というか、この健康局として整理された上で何らかの提示をされるという認識をしておりますので、今後、厚生労働省の提案がされるとは思っております。という理解でいいのですね。
○正林健康課長 はい。先ほどの説明にちょっと追加したいと思いますが、今回、このタスクフォースは、二川次官がトップで、そのもとに我々とか、あるいは顧問の先生方が入って議論を進めていました。特にいろんな人から意見を聞けということだったので、我々、事務局となって、メーカーであるとか、あるいは患者団体であるとか、いろんなステークホルダーにずうっとヒアリングしてきました。私自身も、多分何十人もお会いしたと思います。
顧問の先生にそのヒアリング結果を見ていただいて、もともとこれはゼロベースで議論をスタートさせ、まとめろという宿題でしたので、顧問の先生方からはかなりゼロベースで、余り事務局で修正もせずに、かなり率直なる御意見を書いていただいたという経緯がありますので、最初に私ども事務局でやりたいのは、これをちゃんと咀嚼をしようと思っています。どういう背景で、どういうおつもりで書いたかということを、まずこの内容について咀嚼し、その上で、まさに議論の優先順位であるとかそういうことを考えながら、適宜、この審議会、分科会しかり、それぞれの部会にいろいろ御議論いただけたらなと。ちょうど今、PDCAサイクル回そうとしていますので、恐らくその中でも同じテーマが挙がる可能性があるので、そんなやり方でこれから進めていきたいなと思っています。
○伊藤部会長 ありがとうございます。この機会、きょうは比較的時間があるみたいですので、事務局に御質問とかあるようでしたら。
○山口委員 タスクフォースの関係でちょっと追加で。恐らくこのタスクフォースで書いているのは、国際競争力ということで書いてあるのですけれども、もう一つは、もともとは記載のおかしなことがあったということからこれが出てきているのですけれども、恐らくグローバリゼーションがなかなかやってなかったのかなという、要するに、グローバルなスタンダードになかなか到達してなかったというところがあるのかなと。要するに、割とガラパゴス化していたところがこれの大きな要因であっただろうと。
だから、やはりグローバルな視点に立たないといけないのと、それからもう一つは、普通の医薬品のほう、バイオのやつはみんなICHの中で割とグローバル化しているのですけれども、ワクチンとか血液製剤というのはグローバル化してないのですね。そういう国際的な議論をする場が今まで持ててなかったので、その辺が多分大きなもう一つの問題点だったのかなという気がしております。ぜひその辺をちょっと取り入れていただければなと思います。
○伊藤部会長 ほかには。
○正林健康課長 今のにちょっとだけレスポンスすると、もうおっしゃるとおりでして、そもそも、この「はじめに」のところで「護送船団方式」なんていう言葉が出てくるぐらい、従来の日本のメーカーはやや内向きで、余り外に出ていくという発想が、それほど積極的な姿勢が見られなかったというのが議論のスタートになっていまして、まさにグローバルなスタンダードを持ってとかグローバルな視点を持ってというのがこの顧問の先生方の主たる御意見でありますね。
○伊藤部会長 釜萢先生、加藤先生の順で。
○釜萢委員 今回のこのワクチン・血液製剤産業タスクフォースというものが厚労省の事務次官を中心につくられて、そして、顧問という方がおられて、こういう議論がこのように提言が行われるということはこれまでにもあったことなのでしょうか。
○正林健康課長 次官がトップになってタスクフォースというのはあったと思います。それから、そこに外部の顧問の先生が加わることもありました。従来ですと、一応トップたる次官がとりまとめをするのですけれども、いろいろもっと自由なことを書いてもらおうといったときに、どうしても我々役人が書くと余り新しい発想が出てこなかったりするので、今回は次官の判断で、顧問の先生の御意見をまとめようということになりました。
○釜萢委員 先日の分科会でも議論が出たと思いますが、分科会はもちろんですが、それぞれの部会でもいろいろこれまで議論を積み重ねてきたという経緯があって、そして、それはそれなりにやってきたという自負がある中で、また新たなこういう提言が出て、示唆に富む部分がたくさんあるわけですけれども、少し戸惑いを感じている面もあるというところは申し上げておきたいなと思っております。
○伊藤部会長 加藤先生から先に。
○加藤委員 「護送船団方式」ですとか「国際化」という言葉があったので、ちょっとそこについては私の意見を述べさせていただきたいと思いますけれども、日本のワクチンのメーカーさんはもともと、例えば化血研であれば熊本大学が、阪大微研さんであれば阪大が、北里であれば北里で、そもそも学術的なものを公衆衛生に還元しようという、ビジネスというよりもより社会に貢献したいという気持ちで多分日本はスタートしているのですね。その気持ちをないがしろにしながら、でかい、GSKだとかMSDみたいな、ああいうメーカーのやり口を取り入れるべきだという考え方が本当にいいのかどうかというのは、やはりもう一度よく考えたほうが私はいいと思います。
私は、今まで日本が歩んできた道というのは非常に崇高なものであり、日本の技術を使って東南アジアで幾つかのワクチンのプロジェクト進んでいますから、そういったものは単純に技術を移転してやるよりも、その国のワクチンの生産量を高めるという意味で随分貢献していると思いますから、必ずしもここに書いてある言葉がよいとは、やはり今おっしゃったように、確かにディスカッションが私は必要だと思います。
それから、2つ目の国際化というのは、確かに医薬品業界ではICHがあったりPIC/Sがあったりして国際化は進んでいますけれども、ワクチンについても血液製剤についても、WHOを中心として動いているのですね。ICHやPIC/Sというのはどうしてもメガファーマに引っ張られるのです。そちらの意見が強くなってしまって、必ずしもいいと言えない。ところが、WHOというのは、我々日本が出ていっても、むしろ逆に発展途上国に利用されて、我々にいいものをつくってくださいというような形になっていますから、必ずしもICHやPIC/Sがいいのではなくて、WHOを利用したような国際的な枠組みが起きて、日本も厚労省もお金を随分WHOに出して貢献していますから、これについてもよく考えて、日本は本当に国際化をないがしろにしてきたのかということについてもやはり考える必要があるように、私は弁護させていただきたいなと思います。
次に、今度はタスクフォースなのですけれども、私はちょっとこれは作為的なことがあるような感じがしています。要するに、本来であれば、なぜ今回化血研でこんなことが起こったのかということをしっかりと掘り下げて、それに対する解決策を出してくるのがタスクフォースの主たる目的だと思うのですけれども、そういったものを錦の御旗にしながら、いろんなことが詰め込んであって、今までのたまってきたものを一気にこの中に入れ込んだなという印象を持ちます。
これに書いてないことで私も1つ申し上げますと、例えばワクチン行政は審査管理課が承認をやっていて、監視指導・麻薬対策課が国家検定をやっていて、副反応になると結核感染症課さんがやっていて、結局、課がばらばらであって、先ほど、一貫した国のポリシーがないといっても、実は課がばらばらだから、逆に言うとポリシーが統一できないのもある程度仕方がないのかなと思うのですけれども、この中には、ではそれを一つの課にまとめてちゃんとやりましょうということは何も書いてないのですね。だから、そういう意味で言うと、本当にこれに従って検討してやっていけばいいかというわけでなくて、もう一度、これを参考にしながら日本のワクチンのPDCAを考えるというのが私はいいのではないかなと思います。
以上です。
○伊藤部会長 事務局、何か検討されますか。
○正林健康課長 日本のメーカーは歴史的に、もともと大学からスタートして、そこの研究所がやがて一般財団になったり株式会社になったりという歴史的な経緯があって、今回、我々、いろんな関係者にヒアリングしたときに、大体異口同音に同じ意見が出たのは、日本には非常にいいワクチンのシーズがちゃんとあると。ただ、それが実際に実用化される段階で海外に持っていかれたりとかそういうことが多々あって、もう少し、せっかくいいシーズを日本のメーカーとしてもちゃんと生かせるような、まさに海外に向けてもそういうグローバルな視点を持ってということをおっしゃる方々が割と多かったです。もちろん、日本のメーカーのいいところ悪いところ両方あって、今回のこの報告書というのはそれがやや混在している感はぬぐえないのですけれども、今回いただいたこういう提言ですので、できるだけ日本のメーカーのいいところを伸ばしつつ、できてないところをもう少し反省しながら改善していくという、そんな形でこれから議論を進めていければなと思っています。
○伊藤部会長 ありがとうございます。
では、坂元先生。
○坂元委員 これはタイトルがワクチンという書き出しでなって、でも、中身を読むと、ワクチン、予防接種。ワクチンのことを言いたいのか予防接種の制度を言いたいのかという、いろいろ中身がちょっと整理できてないなということと、産業と行政のあるべき姿という、産業と行政というのは一くくりで話せるのかどうかということと、端的に言えば、前の分科会のほうでも言ったのですが、行政という中にもやはり国と地方があって、それから現場があるとか、これは恐らく実際に折衝をやっている現場の立場に立った感覚で書かれてないというのは、私も市町村の人間なので、これを読んだ限りは、一体何を目指したいのかというところ、例えば予防接種率を上げたいとかそういう、本来予防接種が何を目指しているかということの観点と、ワクチンの製造とかそういうものはどうあるべきかというところがかなり混在してしまっているなあという印象をちょっと受けます。
○伊藤部会長 意見出し始めるといつになっても終わらないような気がしますので、この辺で。ただ、この文に対して、今までワクチンのこういう議論をしてきた者として、別の意見もあるということを皆さん思っていらっしゃるということだろうなと思いますので、今日のご意見も含めて事務局で整理された上で今後提示されるのだろうとは思います。
ワクチンとか医薬品というのはやはり国民の安全を守る、ある意味、安全保障の一環なので、供給とか開発についても必要性が高いという認識を皆さんお持ちで議論されていると思っております。
ほかにございますか。
では、時間、4時までセットされてはおりましたけれども、少し早いのですが、もし議論がなければこれで本日の議事は以上となりますが、今後のことについて、事務局からよろしくお願いいたします。
○事務局 次回の本部会の開催につきましては、また追って御連絡させていただければと思います。
○伊藤部会長 それでは、本日の予防接種・ワクチン分科会の研究開発及び生産流通部会を終了させていただきます。
本日はどうもありがとうございました。
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