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2016年8月29日 第6回水道事業の維持・向上に関する専門委員会 議事録

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部水道課

○日時

平成28年8月29日(月) 14:00~16:30


○場所

中央労働委員会講堂


○出席者

委員(50音順)

浅見委員 石井委員 浦上委員 岡部委員 小幡委員
滝沢委員長 永井委員 平井委員 藤野委員 望月委員
山口委員 湯谷委員 吉田委員 渡部委員 渡辺委員

厚生労働省

北島部長 橋本審議官 長田課長 宮崎課長 松田室長
小柳補佐 久保補佐 倉吉補佐 山田補佐 國武補佐

○議題

(1)アセットマネジメントの推進について
(2)水道料金の適正化について
(3)官民連携の推進について
(4)その他

○議事

○久保補佐 それでは、定刻までまだ少々ございますが、皆様お集まりということで、ただいまから第 6 回水道事業の維持・向上に関する専門委員会を開催したいと思います。委員の皆様におかれましては、御多用中にもかかわらず、また台風の心配もある中、お集まりいただき、誠にありがとうございます。

 それではまず、委員の皆様の出欠状況についてお知らせいたします。本日、小幡委員がまだお見えになっていませんが、 15 分ほど遅れていらっしゃるとの御連絡を頂いております。それ以外の委員の皆様につきましては全員御出席ということで、定足数を満たしていることを御報告いたします。

 それから、本日の配布資料の確認を行います。お手元にクリップ留めの資料があろうかと思いますが、まず、一番上が本日の議事次第、次が委員名簿です。資料 1-1 でアセットマネジメントの推進に係る主な論点及び意見、資料 1-2 、横向きの資料で、アセットマネジメント ( 長期的視野に立った計画的資産管理 ) の推進について、資料 2-1 は、水道料金の適正化に係る主な論点及び意見、資料 2-2 は、水道料金の適正化について、資料 3-1 として、官民連携の推進に係る主な論点及び意見、資料 3-2 は、官民連携の推進についてです。資料 4 1 枚紙で、現在の水道法のコンセッションに関する論点整理という、望月委員からの資料です。クリップ留めの資料はここまでとなっております。

 このほかに委員の皆様のみ机上配布資料として、前回の第 5 回の専門委員会の議事録案、さらに黄色い紙のファイルがあるかと思いますが、中身が水道事業の基盤強化方策に盛り込むべき事項の概要版と本体。それから指定給水装置工事事業者制度に係る課題解決の方向性と対策案のイメージ図と報告書本体。さらに、前回まで紙で配っていた本審議会の生活環境水道部会の運営細則と、専門委員会の設置についてという紙が中に入っていると思いますので、御参照いただければと思います。この黄色のファイルにつきましてはこれまでと同様で、お帰りの際にはそのまま机の上にお置きいただければと思います。ここまで資料に不足等あれば申し付けください。

 ここで毎度のことながら、傍聴の皆様にお願いですが、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。御協力をよろしくお願いいたします。

 では、以降の議事進行を滝沢委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○滝沢委員長 それでは早速ですが、議事を進めてまいります。本日もよろしくお願い申し上げます。本日の議題は、前回の議論の続きとなるアセットマネジメントの推進、水道料金の適正化、第 3 回の続きとして、官民連携の推進の 3 題となっております。今回もそれぞれ事務局から資料に基づいて説明を受け、それから皆様に御議論いただく運びにしたいと考えています。また、最後の議題である官民連携の推進におきましては、本日、望月委員から御提出いただいた資料がありますので、併せてこちらも御説明いただきたいと思います。

 それでは 1 つ目の議題ですが、「アセットマネジメントの推進について」、事務局から説明をお願いします。

○倉吉補佐 資料 1-1 、アセットマネジメントの推進に係る主な論点及び意見として、これまで委員の皆様方に頂いた御意見を、事務局においてまとめております。特に前回、第 5 回においての御意見を赤字で記載しております。時間の都合もありますので、 1 1 つの御意見の紹介は差し控えますが、かいつまんで説明いたします。

1 ページ、更新需要と財政収支の見通しの試算の実施を促進するためにどのような方策が考えられるかです。小見出しで、水道施設台帳の整備についてとしまして、水道事業の状況を住民や水道事業者が認識するために、台帳整備は法律で義務付けるべきではないか、一方、小規模の上水道事業者や、固定資産台帳が整備されていないと考えられる簡易水道事業者については、データの整備についての財政的な支援に加え、データ収集についても柔軟な対応策が必要ではないかとの御意見がありました。また、台帳の整備は広域化の促進に不可欠であるとの観点からも、法律での義務付けや、促進策を実施するべきとの御意見がありました。

2 ページにまいりまして、小見出しで、「水道施設を計画的に更新していくことの必要性の明確化」については赤字の部分ですが、小規模事業体と大規模事業体では、施設の計画的更新の基準が異なるのではないかという御意見や、アセットマネジメントの義務付けや、小規模事業体への支援の必要性についての御意見がありました。次のページですが、広域化の推進のためにもアセットマネジメントは重要であるといった御意見がありました。

 その下の小見出し、国による支援のあり方についてですが、こちらも赤字の部分をご紹介しますが、小規模事業体には職員が少ないことから、民間のコンサルタントの活用が重要ではないかとの御意見が多くございました。

 3ページにまいりまして、更新需要と財政収支の見通しの試算結果を活用させるために、どのような方策が考えられるかについて、小見出しの水道施設の維持修繕・点検についてでは、管路等の点検結果も実態把握のために重要な要素であるとの御意見がありました。

 小見出しの、「試算結果の公表・住民に対する広報について」では、最後の赤字の部分になりますが、試算結果の公表は重要であるが、利用者の興味を引くような公表の方法にするといった工夫が必要ではないかとの御意見を頂いております。資料 1-1 については以上です。

 続いて資料 1-2 、アセットマネジメント ( 長期的視野に立った計画的資産管理 ) の推進についてです。次の 2 ページですが、前回もお示ししておりますが、水道事業基盤強化方策検討会で示された基本的な方向性です。○の 3 つ目、 4 つ目ですが、長期的な更新需要を把握した上で、財源確保を考慮しつつ水道施設の更新等を計画的に行うこと、また、更新需要の見込みといったものを需要者へ情報提供することを義務付けてはどうかといったことが提案されておりました。

 次の 3 ページも前回にお示ししたものになりますが、平成 27 年度に実施したアセットマネジメントに関する現況調査結果です。更新需要と財政収支の見通しの試算実施状況と、実施されていない場合の理由についてですが、上水道事業者の約 35 %がこうした試算を行っておらず、その理由としては、人員、時間がない、予算がない、資産データがそろわない、といったものでした。

 次に、更新需要と財政収支の見通しの試算結果の活用状況と活用されていない要因ですが、既に試算を実施した事業者のうち約半数が、試算結果を実際の更新の計画などに活用することができていないという状況でした。その理由は「更新需要の精度が低く、施設整備計画や財政計画の根拠として使用できない」といったもので、さらにこれらの点を分析していくと、アセットマネジメントの前提となる必要な情報整備がなされていないこと、また、日常の運転管理・点検調査や施設の診断・評価が不十分であるといったことが分かってきております。

 これらの現状と前回に御議論いただいた内容を踏まえ、主な論点と対応案を、次の 4 6 ページに記載しております。まず 4 ページですが、論点の 1 つ目、水道施設台帳の整備についてですが、水道施設台帳は、試算管理の本当に基本であるので、こうしたデータの不存在といったものは、アセットマネジメントの実施のみならず、水道施設の維持管理、災害対応においても問題になると言えるかと思います。

 また、広域連携、官民連携の推進においても、こうしたデータの整備は非常に重要であります。こうしたことも踏まえ、かつ、他の社会資本、河川や下水道などには、施設台帳の整備について、既に規定があることも踏まえ、水道においても水道事業者に対して、台帳の整備を義務付けてはどうかとしております。

 ○の 2 つ目です。義務付けに際して、中小規模の水道事業者においては、やはり人員的予算的に余裕がないことが考えられます。そこで例として記載しておりますが、広域連携の一環として、職員の OB や民間のコンサルタント、また他の事業体からの人材の活用などにより、台帳を整備する体制を厚生労働省のほうで支援することで、台帳の整備を進めるべきではないかとしております。

 また、台帳に記載する内容です。大まかにですが、施設の取得年度、構造材質、数量、図面等として、データが一部欠損している場合には、職員の OB への聞き取り、現地調査等により概略を把握することとしてはどうかとしております。

 次の 5 ページ、 2 つ目の論点として、施設の維持修繕・点検について掲げております。これについては、アセットマネジメントの一環として非常に重要でありますが、それだけではなく、平成 24 年度の中央自動車道の笹子トンネルの事故以降、政府全体の流れとして、平成 25 11 月には関係省庁において、「インフラ長寿命化基本計画」というものが決定されております。社会資本の適切な維持管理をしっかりやっていこうと、政府全体においても固められる形となっております。

 少し紹介させていただきますと、国民の安心・安全を確保し、中長期的な維持管理・更新等に係るトータルコストの縮減や予算の平準化を図るとともに、維持管理・更新に係る産業の競争力を確保するための方向性を示すものとして、「インフラ長寿命化基本計画」を策定し、国や地方公共団体等が一丸となって、インフラの戦略的な維持管理・更新等を推進するといったことが政府の目標としても掲げられております。

 それらを踏まえ、他の社会資本でも法令上に規定されるような状況になっておりますが、水道事業者においても水道施設の維持修繕・点検を行うとともに、その結果を次の点検のときまで保存するといったことを、法令上に規定してはどうかと考えております。

 ○の 2 つ目、施設の維持管理の方法についても提案しております。施設の状態を把握して対策を行う状態監視保全です。点検調査や診断結果に基づいて、施設の状態に応じて更新等の対応を行うといった状態監視保全を、まずは基本としてはどうかということです。ただし、管路等の埋設構造物、それ以外にもなかなかその種の状態の把握だけでは分からないようなものについて、時間計画保全では、法定耐用年数や供用年数に基づいて、周期で更新を行っていくものですが、これを基本としてはどうかと提案しております。

 ○の 3 つ目ですが、水道施設の点検方法・内容の具体的なものになります。適時適切な方法で実施すべきということについて法令に規定して、具体的な内容については、水道事業者のほうで自ら保有する施設の状況等を勘案して、既に日本水道協会のほうで、水道維持管理指針等で定められているので、これらを参考に定めていただいてはどうかとしております。

6 ページが、論点の 3 つ目として、更新需要や財政収支の見通しに基づく計画的な更新について掲げております。○の 1 つ目、やはり水道台帳の整備や施設の維持修繕・点検に加えて、将来にわたって自らの経営を安定的に継続するためには、水道事業者は、更新需要や財政収支の見通しの試算結果に基づいて、その施設の計画的な更新・耐震化や規模の適正化を実施するよう努めることを法令上位置付けてはどうかとしております。

 また、○の 2 つ目ですが、簡易水道事業者についてです。簡易水道事業者は、規模が小さいなど固定資産台帳を整備されていない所が多いのではないかと考えられるのですが、まずは水道台帳の整備、また施設の維持修繕・点検などによって現状の資産管理を行うとともに、水道事業が将来にわたり安定的に経営するためには、更新需要や財政収支の見通しに基づく計画的な更新に努めることは、上水道事業者と変わらず重要なことであると考えられます。簡易水道事業者についても、こういったことに努めることが望ましいということで提案しております。

 少し細かくなりますが、その下に、更新需要や財政収支の見通しに基づく計画的な更新とは、何を指しているのかということを掲載しております。この計画的な更新とは、まず中長期的な更新需要と財政収支の見通しの試算を行っていただく。その後、あらかじめ施設の重要度や健全度を考慮して、具体的な更新の施設や更新時期を明確に定めていただく。また、それに則り、施設の更新を計画的に実施していただくことになろうかと思います。

 なお書きで 2 つ目のポツを書いておりますが、この計画的な更新に際して、一律にこの基準で更新していただきたいというものがあるわけではなくて、各水道事業者の実情に応じて、規模や将来の人口予測などそれぞれ事情は違うかと思うので、その中で水需要予測に見合った適切な規模への見直し、又は長寿命化、災害対応といったことを、全体を検討した上で必要な施設を選定し、更新や規模の縮小などを行うことが重要と考えております。

 こちらについてもこういった試算や計画的な更新を努力義務と位置付けるに当たり、やはりその中小規模の水道事業者は、人員的・予算的な余裕がないのではないかと考えられるので、こちらも水道台帳の所で記載したものになりますが、例えば広域連携の一環として、職員の OB や民間のコンサルタント、また他の事業体からの人材の活用によって、試算や更新の工程を定める体制の整備を厚生労働省で支援するといったことや、こちらの試算等については、総務省が進めている経営戦略に対する財政措置といったものも活用していきながら、更新需要や財政収支の見通しを作成し、計画的な更新を進めることがよいのではないかと提案しております。

 また、 4 つ目の論点になりますが、更新需要や財政収支の見通しの公表についてです。こちらは、将来にわたって水道事業を持続可能なものとするためには、やはり財源を確保しつつ、適切な施設更新を行う必要がある。これらについては、簡易水道を含め、水道事業者たる市町村が説明責任を果たし、住民の理解を醸成していくことが必要になるかと思います。そうしていただくためにも中長期的な更新需要と財政収支の見通しの試算を行っていただいた場合には、公表するよう努めることとしてはどうかとしております。

 また、その試算の結果は、水道事業経営の見通しを含めて提示するなど、住民に対して分かりやすく発信するといったことが望まれます。さらに、例えばですが、総務省が進めておられる経営戦略の策定・公表をもって中長期的な更新需要の試算の公表としていただくこともよいのではないかと思っております。

7 ページですが、更新需要の試算に必要な施設データの案として、論点 1 の水道施設台帳の整備に関連するものになりますが、簡単にまとめております。台帳に記載することが望ましいであろうというデータの一覧を真ん中の表に載せておりますが、施設の種類として、貯水施設、取水施設等それぞれの代表的構造物を載せております。それらについて主たる必要情報として、取得年度、図面等による所在地、構造形式・材質、形状寸法・容量・能力、台数・基数・延長といったものを記載していただくことがよいのではないかと挙げております。これらを台帳に記載していただくイメージでございます。

 また、資産データの一部が欠損している場合は、過去の工事記録の整理や、職員 OB への聞き取り調査、また現地調査といったことを行うことによって概略を把握して、台帳に反映させることを考えております。施設データ整備のあり方については、今後さらに検討を行うこととしておりますが、現状では水道台帳に記載することが望ましいと考えており、御紹介させていただきました。この後ろは、参考資料となっておりますので、説明は省略します。説明については以上でございます。

○滝沢委員長 それではただいまの資料 1-2 4 6 ページ、主な論点と対応案と書いた 3 枚のスライドがありますが、これについての皆様の御意見をお聞きしたいと思います。 7 ページ目は今の段階では案ということでよろしいですね。事例として示しているだけであると御理解いただければと思います。

 それでは、 4 6 ページの 3 枚になりますが、御意見がありましたら順不同で御発言を頂きたいと思います。いかがでしょうか。

○小幡委員 前にも申し上げたと思いますが、まず 4 ページからですが、台帳の整備というのは、 1 つの社会資本整備として、水道だけが欠けていたので、これはやはりどうしても法的にも義務付けを行うべきところだと思います。アセットマネジメント全体にいえることなのですが、水道事業者の中で、どんどん先を走っている安心な所と、全く台帳さえもないというような所と、非常に差が激しいと思います。したがって、法的な義務付けをしてまで引っ張っていかなければいけない最低限のことは、どうしても必要性があると思いますので、台帳などを持っていないような、小規模な事業者にも、最低限の台帳整備は必要ではないかと考えます。

 ただ、今までやっていないので、義務付けられても恐らく大変だというのが実態ではないかと思うのです。そこで 2 つ目の○にもありますが、やはり何らかの支援策というのは必要ではないかと。ただ義務付けられてもどうやっていいか分からないし、なかなか取り組まないことになると、結局法的に義務付けた意味がなくなりますので、小規模の事業者については、支援策とセットにしていただければと思います。

5 ページにありますが、維持修繕・点検も非常に大事なことで、水道というのも 1 つの施設ですので、当然ほかの社会資本と同様にやっていかなければいけないことだと思います。 6 ページのアセットマネジメントの計画的な所ですが、これは努力義務にするのか、努めるということを法令上書くか、あるいは本当に義務付けるかというところだと思うのですが、本来は、義務付けてまでやってほしいところだと思うのです。

 ただ、これも先ほどの話と同じですが、恐らく非常に差があって、義務付けられても全然大丈夫、もうやっていますという所も恐らくたくさんあると思います。しかし、台帳さえもない事業者にとって見れば、これまで義務付けられても余りに遠いというのが実態としてあります。

 したがって、余り無理なものを法令上義務付けることにしても、かえって法令違反をたくさん出すことになってしまいますので、そこは実態を踏まえるならば、努めるでもやむを得ないかという感じもいたしますが、その辺は、私には実態が分かりませんので、どの程度の実現が、支援策をセットにして可能なのか、そのアセットマネジメントもレベルがいろいろあるということでしたので、簡易なものぐらいは、何とか義務付けられるのであれば、本当は義務付けのほうがよいのですが、そこは実態を踏まえながら、手が届きそうな所を法令上の義務付けにせざるを得ないと思います。

 ただ、 3 2 つ目の簡易水道の所ですが、これは文章的に少しよく分からないのですが、結局は努力義務にするのでしょうか。簡易水道事業者も、やはり結構数が多くて大事なので、この方々にもきちんとアセットマネジメントをやってほしいことには変わりないと思うので、簡易水道事業者であるからしなくてよいというのもまずいという感じはしております。ここは書き分けているのか、その辺は少しよく分からないので、後でまた事務局に質問したいのですが、できれば簡易水道事業者についても、少なくとも努力義務であるならば、きちんと書いておいたほうがよいと思います。以上です。

○滝沢委員長 前半 4 ページ目については留意事項ということで、御指摘いただいたと思いますが、 6 ページ目の今の点ですが、これについては 3 ポツの 1 つ目の○と 2 つ目の○ですね。簡易水道のほうはどういう趣旨で書かれているのかといった御質問だったと思うのですが、いかがですか。

○倉吉補佐 分かりにくい記載となっており恐縮でございます。簡易水道事業者については、上水道事業者と同様に、こういった更新をやっていただくことが必要だということで、上水道事業者だからとか、簡易水道事業者だからということで区別をすることなく、どちらについても努力義務という提案をさせていただいております。

○小幡委員 そうであれば結構です。

○滝沢委員長 ありがとうございます。

○湯谷委員  6 ページの○の 2 つ目のところです。資料の記載では「努めることが望ましい」ということですが、施設の計画的な更新については、上水、簡水に関係なくやっていくべきだと思いますので、表現としては、「望ましい」ではなく「努める」が適当だと思います。ただ、その前段では、台帳が整備されていないとか、人員がいないという状況ですので、その方法とか、財政的な取扱いでの配慮が必要かと思っております。

4 ページの 1 ですが、台帳整備については、人材の活用ということでは、コンサルの活用が現実的ではないかと思っております。そういう意味では、広域連携の一環としてというのは、コンサルの活用とどう結び付くのか、この点について、後で教えていただきたいと思います。

 施設の維持修繕・点検についてですが、資料 1-2 16 ページに、管種とか、埋設状況に応じて、管路の更新年を決めているようですが、そこは管路の重要度も考慮すべきだということと、あと、プラスして機械的な更新というよりも、重要度を判断した中で、長寿命化の視点を入れていくべきではないかと思います。既に多くの大規模の事業者では、長寿命化について検討・実施しておりますので、これらの事例を取りまとめて情報提供することも必要ではないかと考えております。

5 ページの 3 つ目の○ですが、施設の点検・内容等について、これも台帳の整備と同様に、例えば施設の重要度によって簡略化するとか、そういった小規模事業体への何らかの配慮は必要ではないかと思います。以上です。

○滝沢委員長 ありがとうございます。 4 ページの最初の点は、御質問だと思いますが、「広域連携の一環として、職員 OB やコンサルタント」という所ですね。広域連携と職員 OB 、コンサルタントが少し結び付かないのではないかという御指摘と理解してよろしいですか。

○湯谷委員 はい。

○倉吉補佐 「広域連携の一環として」と書かせていただいている背景としましては、水道の台帳の整備や、アセットマネジメントの試算をしていくことで、広域連携、官民連携の前提条件が整っていくことにつながりますので、その支援体制の整備の仕方として、広域連携の一環という形を取ることを考えているという趣旨でございます。広域連携の一環でデータの整備等をしていただく中での支援と位置づけて、その手段そのものと広域連携とを結び付けているものではありません。

○滝沢委員長 よろしいですか。重要度を長寿命化といった御意見もありましたが、この対応案の中でどこまで書き込めるかは、まだ分からないと思いますが、その点も少し配慮して御検討いただければと思います。

○石井委員 今の 4 ページの一番前段の所、「台帳の整備を義務付ける」、これは私も大賛成です。台帳、データの共通化も古くて新しい問題で、これがなかなか進んでこなかったということで、先ほど厚労省から御説明がありましたように、広域化とか統合の足かせとして、データの共通化、台帳の整備がなかなか思うように進んでいなかったところが原因にあると私も理解しております。

 そういう中で、こういう台帳のみならず、 6 ページの更新需要とか、財政収支の見通し、こういったものも個別の、台帳の中でも特に固定資産に関するものが明確に分からないと資産管理ができない。これを誰がやってもできるようにというところで考えますと、特に施設の維持修繕・点検にも関係してくるのですが、これが進んでこないことになります。

 したがって、データの共通化は、デファクトスタンダードという民間事業者で共通化するのか、あるいは、デジュールスタンダードと言って、公的部門で共通化するのか、いろいろな共通化の仕方は、 JAS とか、 JIS とか、 ISO とか、いろいろありますが、ここでは法令で書いていただければ、共通化は民間事業者も大変やりやすくなると思っております。ですから、今回、 4 ページの 2 つ目の○で「職員 OB やコンサルタント、他の事業体からの人材の活用」、そういうところが書き込んでいただいておりますので、そういう方々に協力をいただきながら、要するに大きい所から小さい所まで法令に基づく整備をしっかりやっていただければ、今まで議論してきた基盤強化のための 1 つの大きなフォローの風になるのではないかと思っております。特に経済産業省でも、水道の CPS IoT の推進を積極的に進めております。

 そういう所では共通化の問題が 1 つのネックになっておりまして、これを共通化できれば、小規模水道事業体で抱えている簡水についても、大きな事業体から少し支援の手を伸ばしていただいて、そこから放射線状に支援していただけるようなツールも、クラウドとかいろいろな形を使ってできると思います。是非、 4 5 6 ページの情報公開、それから、共通化と同時に、 6 ページの最後の見通しの公表、これをバリアを設けないで公表していただければ、大変有り難いと思っております。以上です。ありがとうございます。

○滝沢委員長 ありがとうございました。共通化という非常に重要な課題について、御意見を頂きました。

○永井委員 先ほど倉吉補佐からも、例えば「広域連携の一環として」という表現の説明がありました。これは、「広域化を前提とした」と読み換えていいものかが 1 つです。

 もう 1 つ、そうなると、ここに書いている文が、「全て広域化を前提とした」という記述なのかが、 2 つ目です。

 もう 1 つです。「コンサルタント、他の事業体からの人材の活用」と書いていますが、これは言葉ではいいのですが、後ろの「厚生労働省が支援」と書いていますが、支援の中身が、例えば財政支援も含んでいるのかをお聞きしておかなければ、「他の事業体からの人材を活用する」というのは書けますが、実態としてはその辺の意味がなかったらどうかと思いましたので、この辺をお聞きしておきます。

○倉吉補佐 支援についての御質問かと思いますが、施設台帳の整備等について、広域連携の一環としての支援ということで、施設台帳整備をするに当たって、「財政支援」と書いてはおりませんが、その意図としましては、財政的なものが必要だろうと認識をしておるところです。

 厚生労働省だけでそういった財政的なところを決定してしまうことが、なかなかできないものでして、関係省庁とこれから調整をしていく必要があります。そういったこともありまして、ただ「支援」ということで書かせていただいておりますが、厚生労働省としては財政的な支援が必要だというふうに強く認識しておりますので、これについては関係省庁と今後協議をさせていただきたいと思っているところです。

 施設台帳の整備について、こういったやり方があるのではないかといったことを、説明会等々を開いて支援していくことについては、全ての事業者を対象に行っていきたいと思っておりますが、財政支援になってきますと、全ての事業者の方々に対して財政的な支援をというところは、なかなか厳しいところもあるかと思っております。そういった意味では、広域化をある程度は念頭に置いた状態でということになってくるかと思っております。以上です。

○滝沢委員長 よろしいですか。

○吉田委員 資料の 4 5 ページについてですが、水道事業は、大きな装置産業です。その装置である水道施設を適切に長期的な視点で管理するためには、水道台帳も必要だろうという議論かと思います。

 忘れてならないのは、将来のこともそうですが、日々お客様に水道を供給するためには、自らの施設の状況を把握しておくことは必要になりますので、日々の業務運営上も施設台帳は必要になると考えています。

 しかし、法制度等を作り込むときに気を付けていかなくてはいけないと考えられることは、台帳を作ることが目的でなくて、 5 ページの維持管理にも関わってきますが、それをどう長期的な視点又は日々の維持管理に活用していくかという視点が、非常に重要だと思います。恐らく大規模事業体の視点と小規模事業体の視点は、若干違いがありますので、実態を見た上で台帳の在り方について検討していく必要があると思います。

4 ページには、そうした台帳を作り込むのに、今、議論になっていましたが、人的な支援が有効だろうということで、私もこれが有効だと思います。一点、調整したほうがいいと思うのは、今、総務省でも「公営企業経営支援人材ネット」が動き出しています。いろいろと知見を持った方が登録して、その方々が経営戦略の作成を手伝うときには、費用を負担するというシステムになります。特に小さな事業体からすると、そうしたものを活用しようとするときに、片方は総務省、片方は厚生労働省というと、使い勝手が悪くなるのではないかと思いますので、できれば連携を取っていただくと、活用しやすくなるのではないかと思います。

6 ページの更新需要、財政収支の見通しの公表については、これは、本来は小幡委員からもありましたように、説明責任ということで、義務化ということがあるのかもしれませんが、実態を考えると、努力義務になるのだろうと私も考えています。ただし、これについても、総務省の経営戦略も公表しなさいということになっていますし、今回の更新需要と財政収支の見通しについても公表することになります。事務局の説明では、経営戦略の公表をもって代えることができるという説明がありましたので、これまでもそのような説明をしていただいていますが、今一度、特に中小事業体に向けて、その辺を丁寧に説明いただくことが必要ではないかと思っています。

○滝沢委員長 御意見ありがとうございました。

○渡部委員 松江市の渡部です。 6 ページの今の簡易水道事業者は、こういうふうに具体的に明記していただく形では、底上げをしていくという観点においても、非常にいいのではないかとは思っております。ただし、簡易水道事業者に対しては、そこをより手厚く、財政支援も含めてですが、中小事業体でもいろいろな段階があるわけですから、その辺を少し差別化ではないですが、支援を含めて少し明記をしていただければ、努力義務にはなっていますが、進んでいくのではないかと思っています。

 もう 1 つは、 4 ページの概念上の問題ですが、「中小規模の水道事業者」という言い方をここでしておられるわけですが、例えばここの中には、簡易水道も入っているのだろうか、これだけで見ればそう読み取れるかとは思うのですが、あえて 6 ページに出してあるのであれば、当然、水道施設の台帳整備についても、簡易水道事業者をどうしていくのかを、より明確に出していただければ、それが国からのメッセージというか支援になることもあるので、言葉の問題として、中小規模の水道事業者は上水道だけのことを言っておられるのか、その辺を少し聞きたいと思っておりまして、是非、「簡易水道事業者」という言葉を明記していただければいいかと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

○滝沢委員長  4 ページの中小規模の水道事業者の中に簡水が含まれるのかどうかということですが、現時点ではお答えできますか。

○倉吉補佐 こちらについては、台帳の整備については、水道事業者全体ということで、簡易水道事業者も含めた形で台帳の整備をお願いしたいと思っております。記載が不足しておりまして、恐縮です。

○滝沢委員長 ありがとうございます。アセットマネジメントですが、本件についてほかに御意見はいかがでしょうか。

○岡部委員 アセットにしても水道施設台帳にしても手段だと思うので、目的ではないことをうまく整理して表してほしいと思います。

 台帳の共通化の話がありましたが、台帳にしてもアセットにしても、先ほど吉田委員からもありましたが、規模によってかなりやり方が違うと思いますので、共通化するにしても、アセットと同じようになるかもしれませんが、段階があると思います。小さい所が余り細かいデータ整理を強要されても、少し厳しいと思いますので、目的に応じたアセットをお願いしたいと思います。

5 ページの施設の維持修繕・点検ですが、 1 つ目の○の最後に「その結果を次期点検まで保全する」と書いてあるのですが、私たち民間のほうでも、調査や診断などをお請けすることがよくあるのですが、これからかなり長寿命化などが起こってくると、 1 点のデータだけだと非常に判断しかねますので、経時的な変化、若しくはここで一言で書くのであれば、「その結果を次期更新」とか、更新するまで取っておいたほうがいいかと思いますので、その辺りも御検討いただければと思います。以上です。

○滝沢委員長 ありがとうございます。アセットマネジメントに関して、ほかに御意見はありますか。

○望月委員 望月です。委員の皆様の御意見はごもっともかと思っております。 1 つ非常に細かい所ですが、 4 ページの台帳整備は非常に重要であるということで御意見が出ているところだと思います。ただ、整理の仕方も、小規模自治体にとっては非常に負荷がかかるため、そこへ支援を行うということは重要ですが、一方で、私が過去にいろいろ事業体と話している中でも、「台帳はあります」とおっしゃって、実際見てみると、何々工事一式という風に書いてあって、「いや、これでは少しよく分からないですよね」ということもあったりすることもあります。そのため、基本的な整理方法などは、これは今回の大きな枠の中の話というよりは、もう少し実務的な話だとは思いますが、具体的に各水道事業体が進めていく中で、どのぐらいのレベル感というか、粒的なものでもって整備していったらいいのかといったところも、厚労省からいずれガイドライン等々でお示ししていただくのも必要になってくるのかと思いますので、将来的にはそういった整備もしていただけるといいかと思っております。

○滝沢委員長 ありがとうございます。

○浦上委員 近畿大学の浦上です。先ほど手段と目的という話もありましたが、台帳の整備にしてもアセットマネジメントにしても、これはあくまでも手段なので、最終的な目的は何かというと、前提として、今、整備・拡張ではなくて維持・更新という時代に入ってきているところですから、要するに整備されたものをこれからどうしていくのかというときに、台帳とアセットマネジメントがないと、将来の財政計画・投資計画が立てられないと。結果として、それが後で話がある適正な料金の根拠になるところですから、そこまでが 1 つのストーリーであって、そういう意味では台帳とアセットマネジメントはあくまでも手段ですので、これが目的になって、例えば民間のシンクタンクを入れて台帳整備するとか、アセットマネジメントをやるとか、それが目的ではなくて、それはあくまでもその先の更新計画・財政計画を立てるため、また水道を維持していくための手段であると。そこまでをきちっとつなげられるような前提で支援をしていかないと、お金を付けてそこで終わりということには絶対にならないようにしていただければと思います。

 先ほど大きな事業者と中小の事業者というところで、アセットマネジメントができている、できていないとか、実際に数字として上がってきているわけですが、大きな事業者は当然、都市部にあって、先行して水道が整備されていて、正に今、整備・維持・更新というところに直面しているので、既にアセットマネジメントもやられていますし、きちっとした財政計画・投資計画もできていると。ところが、地方の中小事業者は、恐らく後発の、後から整備された所なので、もしかしたらまだ余り更新に重きが置かれていないかもしれないので、そこに手を早く打つ必要があるかと思います。そういう意味で、台帳の整備とかアセットマネジメントがとても大切になってくるかと思います。

 もう 1 つ、スピード感をもっと意識していただければと思うのですが、人口が減少し始めていると。特に、人口が地方部から急速に減少し始めるときに、当然、人口が減少すれば、また原単位がどんどん減少していますので、料金収入も急速に減少してくると。そうすると、費用と収入のバランスが崩れてくるのが地方部から、いわゆる中小事業者からというところなので、アセットマネジメント、台帳整備とか、そういったものは中小事業者から早急に着手されなければ、そういった人口減少に対応するスピード感が、余り感じられない議論になってしまっているのではないかというところがありますので、もう少し本当に人口が 3 分の 2 になる、 3 分の 1 になるというところが、非常に危機感として出てくるような、何か議論になればと思います。

 当然、小さな事業者は、自分で何もできないところも、非常に認識していただけるような、誰かが手を貸してくれれば、誰かがお金を出してくれれば、そこでは何とかできるのだというのではなくて、それを踏まえて自分で意思決定をしてくださいというときに、意思決定ができなければ、要するに頭脳がなければ、その頭脳もどこかに委ねるという判断に至るような何か議論につながっていただければと思います。以上です。

○滝沢委員長 ありがとうございました。特に、ほかに御意見がなければ、アセットマネジメントに関しまして、多くの御意見を頂きましたが、事務局が用意いたしました 4 5 6 ページ、この原則的な部分に対しては、皆さんは賛同の御意見を頂いたように思います。ただ、記載の仕方、その他、細かい部分については、たくさんの御意見を頂きましたので、一度、事務局で整理をしていただければと思います。よろしくお願いします。

2 つ目の議題に移ります。 2 つ目の議題は、「水道料金の適正化について」ですが、これについて、資料 2-1 2-2 に基づきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○倉吉補佐 資料 2-1 、資料 2-2 について御説明いたします。まず、資料 2-1 「水道料金の適正化に係る主な論点及び意見」としまして、こちらも事務局においてまとめさせていただいたものです。こちらも前回の御意見を赤字で記載しております。かいつまんで御説明させていただきます。「持続可能な水道を保つための水道料金を算定するために必要な要素・方策は何かについて」です。小見出しの「料金算定について」、赤字の部分ですが、水道料金の算定においては、衛生基準を適切に保つという視点を外してはならない。また、料金の設定に当たり、第三者の視点から、本来必要な水道料金の水準が示されるような仕組みがあってもよい、といった御意見がありました。

 また、小見出し、「資産維持費について」です。水道が供給されなくなる状況を避けるため、料金原価への資産維持費の算入は必要である。また、日本水道協会におかれましては、資産維持費として、対象資産の 3 %を標準とするといったことを示しておりますけれども、住民や議会などとの関係から、実際に 3 %を見込めている事業体は少ないので、考え方や定量的な目標を国が示してはどうか。また、設定方法等については、社会環境や地域の実情に配慮した示し方ということが必要ではないか、などの御意見がありました。

 続きまして、「料金の見直しの議論について」です。水道料金の改定をずっと行っていないような事業体においては、改定作業のノウハウがないということに留意すべきである。また、 3 年から 5 年ごとの料金の見直しについては、中長期の 10 年、 20 年スパンの財政推計や経営状況を明らかにした上で行うべき、などの御意見がありました。

3 ページの、「持続可能な水道を保つための水道料金の設定に関する関係者の理解の醸成に向けて、どのような方策が考えられるか」についてです。赤字の部分ですが、現行の料金水準が、水道事業を持続するには不十分であることを、マスコミも活用しながら住民に説明する必要がある。また、出前講座なども行って、水道の現状を住民に丁寧に説明していく必要がある。そうした自治体での好事例をもっと国などから展開していき、住民と一緒に考えていくといった形が望ましい、などです。

 最後に、「民間企業が水道事業の運営に関わることを前提にした料金原価の算定方法を検討すべきではないか」についてです。水道料金の設定について、一定のルールの明確化といったことが重要ではないか。また、資産維持費の会計上の取扱いを明確にしてほしい、などの御意見がありました。資料 2-1 については以上です。

 次に資料 2-2 、「水道料金の適正化」についてです。 2 ページは前回も御説明させていただきましたことを簡単にこちらでまとめさせていただいております。まず、左上の青い部分ですが、料金の基本的な考え方として、水道料金の算定方法は総括原価方式を取っております。原価 ( 人件費、動力費等々 ) ですけれども、そういったものに支払い利息と資産維持費を基礎として定めるということになっております。また地方公共団体が水道事業を経営する場合、水道料金は議会の議決を経て条例で定められなければならないこと。また、独立採算制を採用しなければならない。水道料金を変更した場合にはその旨を厚生労働大臣に届け出なければならないとなっております。また、水道法第 1 条の目的規定には、清浄にして豊富低廉な水の供給ということがうたわれております。

 その下の紫の部分ですが、こちらはちょっと毛色が違いますけれども、いわゆる成長戦略として平成 28 6 2 日に閣議決定されたものですけれども、官民連携の推進の一環の関連として、地方公共団体が安心して公共施設等運営権方式、いわゆるコンセッション方式というものを活用できるよう、民間企業が水道事業の運営に関わることを前提にした料金原価の算定方法等について、水道法に規定することを検討ということが示されております。

 右側の料金に関する現状ですが、 1 つ目、人口減少や節水意識の向上により、水道事業者の給水収入は減少傾向にあります。また、給水原価、供給単価を上回る料金回収率が 100 %を切っているというものですが、こういった水道事業者が全体の 52 %になっております。また、将来の施設更新等に充当するための費用を料金収入で確保できていないと思われる水道事業者も全体の 51 %となっております。その一方で、平成 22 26 年の 5 年間で水道料金の値上げを行った水道事業者は、年平均で全体の約 4 %となっております。

 矢印の下ですが、こうした現状を踏まえますと、十分な更新費用を総括原価に見込んでいない場合が多いと考えられますので、こうしたことでは老朽化がどんどん進行してまいりまして、将来急激な水道料金の引上げを招くといったおそれがあります。このため、中長期的な更新需要と財政収支の見通しの把握に基づいた適正な料金の改定というのを今から行っていただくということで、引上げの抑制・世代間平準化ということが図っていけるのではないか、ということを書かせていただいております。

3 ページ目から、主な論点と対応案を書いております。 1 つ目として、持続可能な水道を保つための水道料金を算定するために必要な要素・方策についてです。 1 つ目の○ですが、水道料金の原価に将来の更新に必要な財源としての資産維持費を計上すべきであり、水道事業者による当該試算の一助となるよう、中長期的な更新需要と財政収支の見通しを踏まえた資産維持費の設定の必要性や算定事例について、国が示すべきではないか、とさせていただいております。また、今後の取組になるかと思いますけれども、複数の資産維持費の算定事例といったものを検証するなどさせていただき、様々な算定方法を例示してはどうか、としています。

 資産維持費について、簡単に御説明させていただきます。参考資料の 7 ページを御参照いただければと思います。資産維持費の計上の流れとして書いておりますけれども、まず資産維持費というものは、物価上昇による減価償却費の不足とか施工環境の悪化等の工事費の増大といった将来のリスクというものに対応して、資産を維持したり適切な水道サービスを継続していくために総括原価への算入が認められているものになっています。内部留保として持っていくものというものになっております。

 資産維持費の計上の流れというものを左に縦で書いていますけれども、まずアセットマネジメントを実施していただき、中長期的な更新需要の把握等をやっていただく中で、経営戦略の中で投資計画、財政計画というものも作成いただくと思います。そうした中で現行料金の財政でやっていけるのかといったことを検討していただいて、新しい料金原価ではどういうことでやるのかという中で、資産維持費の算定というものが挙がってくるような形になっております。資産維持費の考え方の 1 つとして、日本水道協会のほうでも示していただいておりますけれども、「対象資産×資産維持率」というのが一般的な 1 つの算定方法として挙げられるかと思います。

 右側の、対象資産というのは、償却資産額の料金算定期間期首及び期末の平均残高とするという形で、対象資産に対して資産維持率というのを掛けた形で資産維持費を算定いただくというのが 1 つのやり方ですけれども、日本水道協会のほうで示していただいているものとしては、 3 %を標準とすると。標準としながらも各水道事業者の創設の時期、施設の更新状況等を勘案して決定するということで、必ずしも 3 %でなければいけないというものではないといったこと。また、その定め方についても、「対象資産×資産維持率」というやり方だけではなくて、例えば、自己資本構成比率の目標値を達成するための所要額ということで求めていただくこともできるという形で定められております。

3 ページに戻りまして、こういったことで資産維持費としての設定は必要であるということ。また算定事例についても、日本水道協会で示されていただいているもの、またそれ以外にも算定事例として、小さめの字ですが、 10 年後に適正な内部留保資金を確保するためとか、料金算定期間における自己資本構成比率の目標を達成するためなど、そうした形で算定をいただくということが考えられるかと思っております。参考資料についてのページ数をこちらに記載しております。

2 つ目の○、水道料金は現在の施行規則に書かれていますけれども、おおむね 3 年を通じ、財政の均衡を保つことができるよう設定されるものであることを踏まえ、認可権者から水道事業者に対して、例えば持続可能な料金水準について、地域の実情に応じて水道事業管理者、第三者を交えて、定期的な 3 5 年ごとの議論を促すことができないかと思っております。こちらは地域の実情に応じてと書いていますとおり、必ずしもその水道事業管理者、第三者を交えていただくということではなく、既にその料金について審議会等の枠組みを持っていらっしゃる事業体もあると思いますので、そこは地域の実情に応じてということでよろしいかと思いますけれども、定期的な議論を行っていただきたいということで、そうしたことを促すとともに、アンケート等を実施し、見直し議論の実施状況や料金に資産維持費といった将来の更新に必要な費用を見込んでいるかについてフォローアップをしてはどうか、ということを記載しております。

4 ページの、 2 つ目の論点として、持続可能な水道を保つための水道料金に関する関係者の理解の醸成について、対応案を 2 つ書いております。 1 つ目は、先ほどのアセットマネジメントの推進のところで御議論いただいたことと同様の内容となりますけれども、将来にわたり水道事業を持続可能なものとするためには、財源を確保しつつ、適正な施設更新を行っていく必要があります。このことについて、簡易水道事業者の方を含め、水道事業者たる市町村等が説明責任を果たして住民の理解を醸成していく。そのために中長期的な更新需要と財政収支の見直しの試算を行った場合には、法令上公表するよう努めることとしてはどうかとしております。

2 つ目の○は、水道法の目的に「清浄にして豊富低廉な水の供給」ということがうたわれておりますけれども、この「低廉」という文言が、「安全」な水を、「強靭」な施設で、将来にわたり「持続」的に供給することを前提としているという点について、示し方については御議論があるかと思いますが、まずは明確にしてはどうかと提案させていただいております。

 続いて 5 ページは、先ほどのいわゆる成長戦略の中で掲げられている検討項目になっております。民間企業が水道事業の運営に関わることを前提にした料金原価の算定方法についてです。こちらについては、前回提示させていただいたものとほぼ同様のものを書かせていただいております。民間企業における料金原価の算定方法の考え方を、以下のとおりとしてはどうか、としています。黒いポツの 1 つ目、水道事業における料金原価の算定方法は、民間企業でも地方公共団体でも総括原価方式であり、総括原価の基本構造は同一とすること。黒ポツの 2 つ目、民間企業特有の事情として、総括原価に配当金を含めるということ。また営業費用に法人税等の公租公課を含める、といったことを考え方として示してはどうかとしております。

 なお、現行の水道法令上は、そうしたことが明らかにされていないことが現状不明確であることの一因になっているかと思われますので、こうした考え方について、水道法の施行規則とか「水道事業における官民連携に関する手引き」の改定等によって、民間企業が水道事業を運営する場合は、水道法の公益性というのが前提になってきますけれども、そうした民間事業特有の状況を踏まえて、総括原価に含めることができる項目について明確にしてはどうか、と提案させていただいております。説明は以上になります。

○滝沢委員長 先ほどと同じですけれども、オレンジ色のタイトルが付いているスライドの 3 5 ページになるかと思います。こちらについて皆さまの御意見をいただきたいと思います。

○石井委員 前回私は欠席しましたので、前回の論点及び意見を今お聞きしまして、大変ポイントを絞った貴重な御意見が出されたと思っております。特に資料 2-1 の最初の所で、 1 ポツはもちろんのこと、衛生基準を適切に保つという視点、これは大事なことです。そして、適切な水道料金の設定に向けて、第三者の視点から本来必要な水道料金の水準が示されるような仕組みがあってもよいということ。それからまた資産維持費、これも大賛成です。

 私が日水協の取りまとめ役として、平成 20 年度の水道料金制度特別調査委員会で資産維持費 3 %という計算を出させていただいたわけですが、このときも幅をもたせて、ほかの公益事業料金について、例えば当時航空運賃が幅運賃というのを導入したときで、いろいろなアローワンス、キャップは総括原価で、その下は事業体によってそれぞれの条件が違うので、アローワンスを設けましょうという議論がありました。ただ、そのときに一番議論になったのは、しっかりとしたパーセンテージを書いてほしいという要望です。そうでないと議会で説明ができないと、かなりの事業体の代表の委員の方からの要望があり、先ほどの期首の取得原価と期末の償却が終わった段階、例えば管路であれば 50 年とか、躯体であれば 60 年とか、電気設備では 20 年、 30 年といろいろその機器によって違うのですが、そういうときの全体的な計算の中で一番近いところで、カレントコストを求めたわけです。計算上、時価会計でそこに一番近いのが 3 %弱だったのです。いろいろなシミュレーションをしました。

 あのときから日水協では資産維持費のガイドラインを我々も作りましょうというお話はさせていただいていたのです。資産維持費算定ガイドラインみたいなものを、今日もそのお話がありましたので非常にうれしく思っております。こういったものがないとなかなか、大規模それから中核市以上の事業体は理解できるのですが、 5 万人以下の水道事業体の中で資産維持費の話をしても、なかなか最後まで御理解いただけない所が多いので、何かの形でメルクマールを作りたいというのが常々思っていたところです。ですからそれを導入していただければ大変有り難いと思っております。

 あと、第三者の視点からということです。これをやらないと包括委託のみならず、これから官民連携のところでコンセッションが出てきますけれども、民間事業者がいろいろな性能発注で、自分で創意工夫をしてやりたいと思っても、この水道料金の設定が足かせで事業体が必要とする料金を得られないのです。地域によって事情はありますけれども、首長が選挙が近いとかいろいろあるのですが、そうすると全然民間事業者が性能発注をやろうとしてもモチベーションが上がらないのです。それからまた、耐震化や更新費用も捻出できないのです。様々なことが全部この料金に関わっており、財政基盤や収支、そして財源の裏付けができていないということになってしまって、これが長年足かせになってきております。

 ですから、本専門委員会の最初の頃、私も申し上げましたけれども、国が一部でもいいですから、以前望月委員からもお話がありましたように、イギリス流のオフワットのケースといった、料金規制の重要性というものを考えなければならないと思います。ここでは水道課が全部やることではなくて、専門家がたくさんおりますので、例えば電気通信とか電力や都市ガスなどでも行われているような中立機関が必要であると考えます。特に、自由化が始まった電力や都市ガスは、系統とか料金のスポットあるいは需要・供給を決めるときの料金設定の中立機関を作っていますので、それに近いような小さく組んで大きく育てているようなそういう仕組みを是非作っていただければよいのではないかと思います。

 条例で事業体が料金を決めて、そして国に届け出るような仕組みだけだと、何かそこでは難しい。上げたくても上げられないという要素が出ますので、そこでもう一踏ん張り、他の公益事業のような形も検討することが必要であると思います。ほかの公益事業でやっているような細かい料金査定ではなく、事前相談でもいいですし、届出のための事前協議や報告が必要であると思います。

 事前届出のための協議を事業体と国がやっていただけるようなそういう仕組みも是非検討していただきたいと思います。もちろん水道課だけではなくて、公認会計士とか弁護士とか学者とか消費者団体の代表の方とかに入っていただいて、中立な立場で検討し、料金についてもうまくマッチングできる制度が求められています。

 それから今日の資料の 5 ページの所はしっかり書いていただきました。民間企業が水道事業を経営する場合には、総括原価に配当金、あるいは営業費用に法人税等の公租公課を含める。これは他の公益事業の中では当たり前のことです。他の公益事業では、公営もやっているし民間もやっているし両方ほとんどやっていますので、こういった資本調達コストにはお金がかかります。もちろん公営の事業体がやってもお金がかかるのですね。資本コストというのは誰がやってもお金がかかりますので、これは最低限必要なことです。もちろん、事業体の場合には収支相償が実現できればよいのです。かつ資産維持費をしっかりビルトインをさせるということをやっていただければ、官民連携がかなり進んでくると思っています。

 最後ですが、資産維持費等の導入に当たっては、算定のガイドラインを是非作っていただければと願っております。

○滝沢委員長 資産維持費、それともう少し踏み込んだ御提言を頂きました。ほかに御意見ありますか。

○平井委員 神奈川県の平井です。資料 2-2 3 ページに書かれています、原価に将来の更新に必要な財源としての資産維持費を計上すべきというお話でしたが、ごもっともだと思います。それからその次の 4 ページにありますけれども、持続可能な水道を保つための水道料金に関する関係者の理解の醸成について、これも全くそのとおりだと思っております。

 この資料を拝見させていただいて、思ったことを言わせていただきたいのですが、全体として水の供給側の視点がちょっと強いのかなと思います。例えば水を供給するためのトータルの費用については、水道料金の算定の基礎にするべきとされています。ごもっともですが、ただ、その料金が決まるのは単価ではなくて総費用と人口の見通しによって決まってくるはずなので、そうすると水を供給するときに、 1 1 つの御家庭がどれだけの水道料金になるかということは、実は人口が非常に関係してくるものだと思います。

 私が地方行政をやってきた経験上、市町村の方とお話をさせていただくと、実はこの人口の見通しというのは、かつてからそうだったのですが、もう減り始めている所でも実はいろいろお考えになって見通しを立てられる。分かりやすく言えば少し上ぶれをして見通しをお持ちになる所が多いです。どうしてもそういう傾向は出てくるわけです。これだけ人口減少が進んできますとさすがにそうは言っていられないとは言いながら、では、現実に即した形の将来の人口を見込んでいるかというと、どうしても上側にバイアスがかかった人口の見通しをお持ちになるのではないかと思います。

 ですから、それを無理やり是正しろというのは無理だと思いますけれども、少なくともこの文言の中で、例えば 3 ページでも、「中長期的な更新需要と財政収支の見通しを踏まえた」と書かれていますので、この財政収支の中には当然のことながら収入の基になるのは、人口数・世帯数ですから、そこの見通しというのも含意はされているとは思いますけれども、各水道事業者にあっては、特に小さい所を中心に、「将来の人口動向を見据えた上で中長期的な更新需要と財政収支の見通し」というような、人口面、水の需要面での記述も少し足していただけるとよいのではないかと思っております。

○滝沢委員長 御意見ありがとうございました。ほかに。

○湯谷委員  3 ページの 2 つ目の○で、「定期的な議論を促す」というように書かれていますが、認可権者としてどのように行うのか、具体的にお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。

 それと、 1 つ目の○の資産維持費、これは計上すべきということですが、おおむね 3 年を通じ、財政の均衡を保つと施行規則に書いてありますけれども、資産維持費を考慮して料金を設定していくと、その分は内部留保されて、施設の更新のときに使われるわけですから、 3 年間の断片では黒字になると思います。ただ、財政の均衡ということを、解釈の話にもなるかと思いますけれども、収支がゼロということであれば、この期間はある程度長期に見る必要があるのではないかと思いますけれども、その辺のお考えを教えていただきたいと思います。

 それと 5 ページ目の、民間企業における料金原価の算定の考え方ということで、これはこれでよろしいかと思いますが、ただ、ここで明確にする趣旨というのが少しよく分からないと思います。具体的に例えば水道ビジョンとか、法律の中で民間経営を進めていくということであれば、こういう話も出てきて、規則等に盛り込んでいくということが分かるのですが、そうでなければ、後のほうでコンセッションの話も出てきているので、その関連もあるかもしれませんけれども、この辺の打ち出し方は少し考える必要があるのではないかと思います。

○滝沢委員長  3 点御質問を頂きましたけれど、御回答いただけますか。

○倉吉補佐  1 つ目の御質問が、認可権者からの水道事業者に対する定期的な議論を促すというのはどういう手法で行うかというお話だったかと思いますけれども、まずは厚生労働省から水道事業者に対してこういった形で水道料金がおおむね 3 年を通じて財政の均衡を保つことができるように設定されるものである、ということが施行規則に定められていますので、おおむね 3 年ということをもって、定期的な議論を 3 年~ 5 年毎にやっていただきたいということで、通知を出させていただくようなイメージを考えております。そうした厚生労働省の通知等を参考にしていただきながら、都道府県におかれましても、認可していただいている水道事業者に対して、そうした通知等をしていただくようなイメージを考えております。

2 つ目のご質問についてですが、 3 年を通じ、財政の均衡を保つこととは、必ずしもプラスマイナスゼロというよりは、 3 年間を通じて、予測される範囲での財政の均衡を保つということできちんと資産維持費を積んでいただいている事業体においては、湯谷委員のおっしゃるとおり、黒字の形になるかと思います。

3 点目の、論点を上げさせていただいている経緯を御説明いたしますと、先ほどの資料 2-2 2 ページに掲げておりますが、 3 つ目の論点で後ほども出てまいりますけれども、「日本再興戦略 2016 」、いわゆる成長戦略といったところで、政府全体の取組として、官民連携、 PFI の一類型であるコンセッション方式というものを重点的に進めていくということがうたわれております。

 その中で、コンセッションを進める分野、重点分野の中に水道事業も位置付けられているというような状況があります。そうしたことを踏まえての閣議決定の内容になっていますけれども、水道事業に民間企業が関わってくることがこれから想定され、重点分野ですので、きちんと民間企業が入ってこられるような環境整備が必要であろうと。そうした流れの一環として民間企業が水道事業の運営に関わることを前提にした、料金原価の算定方法を水道法に規定することを検討するようにと日本再興戦略 2016 のほうに定められたという経緯があります。その経緯を踏まえ、今回の専門委員会の場において論点として提示させていただき、御議論をお願いさせていただいているという経緯があります。

○滝沢委員長 よろしいでしょうか。ほかに御意見はありますか。

○藤野委員 主婦連合会の藤野です。 4 ページに「清浄にして豊富低廉な水の供給」という言葉が出てきます。清浄にして豊富低廉な水というのは、やはり日本の水の特徴と言いますか、水に恵まれた国日本が持っているものという理解があります。しかし、この「低廉」という言葉がこれからどうなっていくかが料金と大きく関係しているのです。先ほどの人口のこともありますが、やはり市民の理解を得る、それには市町村等が説明責任を果たしていく、そのとおりだと思うのです。「安全」な水を、「強靱」な施設で、将来にわたり「持続」的に供給することを前提というのは、これまで市民がしっかりその言葉を考えてきていないような気がします。当たり前ということで、安全が当たり前で、当然いつも蛇口を捻れば水が出て、それがいつまでも続くということがごく普通に思われている幸せな社会が現在あるのだと思います。

 しかし、それが脅かされつつあるというか、将来にわたってもう少し考えないといけないという、ここがいろいろな意味で利用者の理解を得る大事なポイントではないかと認識します。私は、この低廉という言葉はとても大事で、これから仮に、倍に値上がりするときに、今から思えば低廉ではないとなったとしても、将来的に安全でいつでも水が届くということをどこまで理解できるかで、それを受け入れられるか。また今の社会情勢の中で、ほかのサービスの料金がいろいろ発生している中で、公共料金の安さと言うか、料金の改定が大きく進んでこなかったことは非常に有り難いことだということを、もう少し市民がしっかり理解することが大事だと思います。この点はとても大事なポイントで、これから利用者の理解を得る上で、もっとここを踏み込んで料金の適正化を市民が考えていくポイントにしていただきたいと思います。ここをさらっと書いていますが、もう少し大事なポイントではないかと思っているということです。

○滝沢委員長 小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 ここに書かれていることに関連してですが、私は、水道料金は条例主義で民主的な住民の決定によるので、値上げはなかなか難しいのではないかというお話を前回少ししました。ただそうは言っても、これは住民に分かっていただくしかないので、やはり諦めないで、水道が持続可能であるためには値上げは必要なのだということを住民に分かっていただくしかない。そこは無理だと思わないで必要な値上げはしてくださいということの後押しのために、国がいろいろな事例を示したりとか、社会全体としても、水道料金は今までは必ずしも資産維持費を計上していなかったから安かったが、これからはそうではないから高くならざるを得ないのだということを、世の中に、やはりマスコミにお願いして発信していく。そういうことが浸透していくと、それぞれの自治体が値上げを実際にしていくときに、住民の理解も得られやすくなると思います。是非、 1 1 つの自治体ももちろんやらなければいけないのですが、全体の雰囲気といいますか、今まで必ずしも施設の維持更新のための費用を含めて水道料金は決められていなかった場合も多かったが、本来は違うということをやはり世の中に広く発信していって、そういうものなのだと、住民の、皆さんが分かってくださる。その上で、それぞれの自治体が必要な値上げをしていく、それが大事ではないかと思います。

○滝沢委員長 ありがとうございます。では順番にお願いします。

○山口委員 山口です。今の藤野委員、小幡委員の意見にもつながる部分ですが、この適正化の中で、低廉であるというときに、今、維持更新にどちらかというと負担が見込まれるときに、値上げが念頭に置かれますが、そのとき低廉ということがどうなのだということもあるのですが、水道事業について、全般的な明確な内容が、全体像がきちんと住民に説明されてきたかというと、そういう情報としては今まで余り明確に伝わってこなかったのではないかと思います。料金の適正さを住民から見てどう評価するかというときに、やはり客観的なデータを基に、合理性をどう説明していくかということになると思います。

 今、ここでも挙げられている、中長期的な更新需要と財政収支の見通しの試算を行うことで、継続性に対する評価を加えていくとか、そういう事実に関するデータをきめ細やかに住民にも分かりやすく提示して、その内容について理解を求めていくことが地道な努力としては必要になってくると思います。住民から見たときにも、適正さということが値上げをして当然ということではなくて、値上げがどうして必要なのかということを、幅広く理解が共有される形で適正化が図られていく方向が望ましいのではないかと考えます。以上です。

○望月委員 もう皆様からいろいろ御意見を頂いているので、私が同じようなことを繰り返すのもいかがかなと思ったのですが、やはり料金の話は非常にセンシティブなところもあります。私がイギリスに調査に行っていろいろ聞いてきた中で、イギリスも最初は公営でやっていて、それを流域ごとに公社化をして今は完全に民営化となっていますが、それぞれ 20 年くらいのスパンをかけて進めています。最初は、公営のところから公社化したときは、料金の値上げはそれほどなかったのですが、その 20 年間でも、やはり更新投資がなかなか進まなかった。どんどん老朽化していって、だんだんそろそろまずいのではないかという中で、イギリス政府は完全民営化という形にしました。

 この流れを踏まえると、民営化したから値段が上がったというよりも、今までずっと更新投資をしていなかったツケがそこで一気に回ってきて、料金が値上がってしまったという時代を迎えています。ただ、それを 10 年、 20 年と続けていく中で、だんだん適正な料金は何なのか、適正な更新投資をどの程度していったらいいのかということを、先ほど出ていたオフワット等を中心に料金の適正化を進めて行って、一定の期間後は、料金は少しずつ下がったのです。そういうことを繰り返していく中で、 20 年、 30 年、 40 年とやっていってようやくそこまできています。

 日本の場合は、広域化も進めながら料金の適正化も進めながら民間の活力を活用するという、いろいろなことを進めていかなければいけないという非常に重い課題があるという中で、料金の適正化というもの、今、委員の皆様がおっしゃっていたように、そもそも独立採算で利用者負担なのですと、その料金はどういうところから成り立っているのですかというところの理解を進めていくことが非常に重要で、それは先ほど言われたマスコミの力を借りてというのもありますが、やはり水道料金に関しては、料金の位置付け、どういう内訳で、どういう積み上げでこの料金になっているのだということをどこかにきちんと明確にすることが重要だと思います。それは民間がやろうが公共がやろうが、必要なコストをきちんと入れていかないと水道事業というのは回りませんというのを、このタイミングで明確にしていくのは非常に重要な点ではないかと思った次第です。以上です。

○滝沢委員長 ありがとうございます。料金関係で、では順番にお願いします。

○浅見委員 今の望月委員の御意見と若干近いところもあるのですが、今回の料金に関しては、広域化と、今後の将来見通しに合わせてどのようにしていくかを考えていかないと、合併すると料金が上がるから合併したくないとか、広域化したくないといった逆の動きになってしまうと非常に疎外されてしまう部分があると思いますので、それを配慮できるようにということを考えておいたほうがいいのかと思っています。

4 ページに、「水道事業者たる市町村等が説明責任を果たし」とあるのですが、ここの市町村等の「等」かもしれないのですが、やはり県や国の中で、ある程度中立的に料金設定に関して何らかの考え方を助言できるようなという考え方は、非常に重要だと思われるので、是非、効率的なことを目指す余りに、アメリカで起こっているような大きな水質低下が起こって健康被害が出るとか、そういうことが起こらないように十分な配慮をお願いしたいと思います。

○吉田委員 日本水道協会の吉田です。最初に石井委員からもお話がありましたが、今日の議論の中でも度々出てきます資産維持率は、平成 20 年度の水道料金算定要領の改訂のときに整理していただきました。その後、料金に関してはいろいろと資産維持率以外にも、社会状況は変わっているので、直近では平成 27 年に日本水道協会で要領を改訂しています。重要なのは、変更したものをいかに多くの水道事業者に、小規模事業体も含めて理解を頂いて、それを住民に説明できるようにしてもらうかということになります。前回の委員会でもお話しましたが、水道料金の算定要領を分かりやすく説明する手引きを作っているところです。

 そうした取組等を水道事業者や認可権者でもある都道府県に対して周知していただければ、より各事業者が住民説明もしやすくなるのではないかと思いますので、御配慮を願えればと思います。

○浦上委員  2 点あります。まず 1 点は、「清浄にして豊富低廉な水の供給」という所です。今、日本の人口、先ほど人口の話もありましたが、横浜で水道が 1887 年に設置されて 100 年、人口が 4,000 万人から大方 1 2,000 万人、 3 倍に増えました。明治時代の当時は、水系伝染病とか、要するに防火用水とかの必要性もあって、恐らく水道法は、きれいな水を、そして安く、要するに衛生面において水を使ってもらわないと衛生的な生活が送れないという思いが込められて、「清浄にして豊富低廉な水」という表現になったのかと思います。

 では今、 1 2,000 万人から、 100 年後 4,000 万人まで 3 分の 1 になるところで、今、我々が直面している状況は何かと言うと、衛生的な、あるいは防火に関しての水道の本来役割として考えられたものがほぼ達成されて、これから急激に減っていく人口に対して水道はどうあるべきかというところに我々は直面しているので、そのメッセージが込められるような表現にここで変えてしまったほうがいいのではないかと思います。

 そうでないと、先ほどから、住民の皆さんに理解していただくというときに、この一文があるだけで、やはり安いのでしょうということがどうしてもネックになってくるのであれば、これから 100 年、人口が減っていく中で、水道はどうあるべきかというときには、やはり安心・安全で、かつ適正な料金、要するに、費用をきちんとカバーできる適正な料金を水道として住民の皆さんに負担していただくのだ、というメッセージが込められるように、思い切って変えてしまえばいいのではないかということが 1 点です。

 もう 1 点、水道料金の適正化というのは、要するに料金水準のお話です。資産維持費等、当然将来必要となる費用をいかに料金として徴収していくかといういろいろなアイデアがここで出てきていますし、官民連携とか民間が仮に水道をやってくれるようになった場合に、民間がどうやって水道料金を徴収するかというようなアイデアが出てきています。実は、ユーザーからすると、水道料金と言えば料金表、料金体系になります。人口が減っているので料金収入が減っているというのも正しいのですが、もう 1 つは、高齢化で原単位が非常に減ってきている。高齢世帯では、もう 3 5 トンとか、要するに料金表で言う基本水量の部分でほとんど使っていない所で、その構成割合が非常に大きくなっているために、料金表の逓増型の部分がどんどん低いほうへ来て、結果として減収減益というところが顕著になってきています。

 事業者にしてみれば、どのぐらいのレベルで料金を徴収するのかということと、どうやって料金を徴収するのかというと、体系のところでの今の基本水量付きの逓増型従量料金制というところで非常に悩ましい思いを抱えているところかと思います。そういう意味では、消費者の皆さんにとって水道料金といったときに、やはり料金体系のところで消費者のほうは見ているので、どれぐらいのレベルの料金を取るのかという議論も大切なのですが、料金体系としてどのような体系が望ましいかというものを何か示していく必要があるのではないかと。例えば 1 つは、定額制みたいなものがあってもいいのではないかという思いはあります。定額制になれば、もしかしたら、一律の料金を固定的に徴収できるのでという、将来的にはそういうものもあってもいいのかと思います。以上です。

○永井委員  4 ページ目の水道料金の適正化に関する部分です。これは、関係者の理解の醸成についてということで 2 つほど記載されています。やはり料金改定をするならば、それぞれの住民にしろマスコミにしろ、同じような都市、あるいは他市町村と比較されるのです。ですから、それが比較されるだけでそういう気持ちにならないという場合がありますから、この辺をどうクリアーさせるのか。それから、私は何と言っても、今後の持続可能な水道を維持する場合、直近的には水道サービスに見合う料金があると思うのです。サービスに見合わなくて、しょっちゅう断水したりとか濁水したりだとかいうような施設であれば、料金を上げるとなれば大変叱られますから、そのような意味では、ここに書いてあるように、将来的にもきちんと強靱な安全な水を供給しますと。そういうところを整備するとするならば、それなりの然るべき料金体系があるべきだと思っています。繰り返しますが、水道サービスに見合う料金というのをどこかの形で表現として入れられないかというのが、 1 つ私の意見です。

○滝沢委員長 いかがでしょうか、ほかに御意見よろしいですか。では、短めにお願いします。

○石井委員  2 点あります。先ほど永井委員から大事なところが指摘されました。つまり、水道サービスに見合う対価、正に、水道料金は最初から水道料金なのです。ところが下水道は使用料を取っています。ではこの違いは何かと言うと、料金というのはサービスに対する対価ですから、それに見合うものに対してそれだけのコストを払ってもらいます。浦上委員も言われていましたように、そうした点をやはり明確にしていくことが改めて大事だと思います。

 もう 1 点は、先ほどの資産維持費の件なのです。これは、湯谷委員から御指摘もありましたが、収益的収支で利益は出るのですが、通常の総括原価の中に資産維持費を積み立てるものです。資産維持費は未処分利益として処理するものではありません。企業会計では、株主総会で利益処分案が出て処分が決められます。一方、ここでの資産維持費は営業費用に支払利息と同様に資産維持費として加算するのです。資本剰余金の中に積み立てることになります。通常、よく行われている収益的収支で利益が出たものを資本的収支の中で穴埋めするということではないのです。ですから、地方公営企業会計制度の仕組みの中で進めることができるのです。以上です。

○岡部委員 この 2 ページ目の料金の基本的な考え方で、今、石井先生からも御説明がありましたが、資産維持費というのが原価に入るということでいいのですね。

○石井委員 そうです、総括原価として原価項目の中に入ります。

○岡部委員 それと、この料金算定方法というのが、公営企業の場合もそうですが、例えばコンセッションをやるときに、資産維持費が正式に認められるというか、できたら裏付けを何かしっかりしていただいたほうがいいと思います。料金算定要領に従うことでいけるならばそうですし、何かもう少し法的な根拠があればいいのかと思います。

2 つ目としては、関係者の理解ということで、「法令上公表するように努める」ということがあるのですが、実際、事業体では広報の係がいないとか、予算がないという話が非常に多いので、水質検査結果のように何か具体的な公表する項目が規定されないと実際にはなかなか進まないと思うので、ご検討いただきたいと思います。

 最後です。 5 ページの所で、民間企業の場合の料金原価の考え方ですが、先ほど公租公課なども含めるということでしたが、占用料などもよく話題になるので、検討していただきたいと思います。道路の占用料ですがどのようになるのでしょうか。これはまともに払うとかなりの金額になると聞いています。以上です。

○滝沢委員長 現時点でお答えがあればということですが。

○岡部委員 具体的に、コンセッションでしたら多分占有料は本来かからないのですが、完全民営化ですとおそらくかかってくるということがあると思います。

○倉吉補佐 御質問の中の道路の占有料については、申し訳ございませんが、今回はそういうところまで検討が及んでいません。調査いたしましてからまた御回答をさせていただければと思っています。

 あと、自治体、事業体から、中長期的な更新需要の見通し等の公表する項目につきましては、あくまでイメージでございますが、前回のアセットマネジメントの資料などで出したような形で、中長期的な更新の需要がこういう形で存在していますということと、財政収支の見通しをグラフ等々で示していただくことが考えられるかと思っています。公表する項目については、引き続き、御意見を頂ければと思っております。

 もう 1 点、民間の水道料金の算定についての、算定方法の裏付けというような御質問もあったかと思います。実際、現状でコンセッションを実施している事業体がないということもありますので、全くゼロからのスタートのときに、国からそういう算定の方法といいますか、そういうものを明確に示せるかというとなかなか難しいのではないかということがあります。先ほど石井委員からも、電力とかガス事業についてはそういう目安というご指摘がございましたが、そこもやはり実態として、多くの民間企業の方が参入されている中でそういう基準ができているところもあるかと思いますので、今すぐにそういうことを国が示せるかと言うと、なかなか難しい状況であるかと思っているところです。

 この場でもう 1 点お話させていただきます。浦上委員と永井委員から「低廉」の文言についても御意見がありました。当省としましては、やはり「低廉」という文言については、現状でも水道事業というのは非常に公益性の高いものであるということがありますので、低廉という言葉自体を変えることは、なかなか難しいのかと思っているところでございます。

 浦上委員もおっしゃったように、 1 2,000 万人が 4,000 万人になっていくと人口が 3 分の 1 になるかもしれないといった状況で、水道事業を継続するために、どういう料金が適正かどうかということがありますが、どういう料金にしていく必要があるかというのは、国民全体で考えていく必要があるかと思っています。永井委員がおっしゃったように、水道サービスに見合った料金というものを何かしら、水道法の中なのかどういった形になるかということもありますが、事務局でも検討をしたいと思っています。以上です。

○滝沢委員長 ありがとうございます。たくさんの御意見を頂きましたが、本日、もう 1 件議題があります。今、頂いた水道料金に関する御意見については、改めて事務局で整理して、次回以降、説明を頂ければと思います。

 それでは、 3 件目の議題「官民連携の推進について」、資料 3-1 3-2 について、まず事務局から説明を頂きたいと思います。

○松田室長 それでは、資料 3-1 3-2 を御用意ください。資料 3-1 については、第 3 回のときの各委員の皆様の御意見を追加しております。赤い文字が追加した所で、ざっと紹介いたします。 1 つ目は、官民連携を阻害している要素はあるかということで、日本では広域化と官民連携を両方同時に進めるのがよいのではないか。インセンティブとして財政支援や具体的なメリットを打ち出すことが必要。あるいは中小事業体については、技術、人等が不足しているということで、民間委託や包括委託を強化していくことも重要という御意見です。

 その下です。支援策ですが、その中で出た御意見としては、官公需適格組合制度や、公共工事の品質確保の促進に関する法律での地元の情報に精通した者を活用するという方針も重要。将来の姿として参考にできるモデルケースが必要ではないかという御意見です。

 次のページのコンセッション方式の導入に係る課題についてです。ある程度広域化を進めてからでないとなかなか進まないのではないか。広域連携や官民連携の推進の大きな方向性を示しつつ、足下では様々な課題があるということで 1 つずつ解決するということ。運営権者に認可が移り、運営権者の責任が重くなるということで、所有と経営の分離についても検討が必要ではないか。先ほどもいろいろ御意見が出ましたが、水道料金の議会の関与の方法を整理すべきという御意見です。

 その下です。これは事業の継続性ということもありましたが、民間企業が運営を継続できなくなった場合に、最終的に市町村が事業を担うという案も提示してありました。 1 つは広域化の理念に逆行するのではないか。利用者として良いことばかりなのであろうかということで、もっと慎重に検討すべき。最後の御意見の部分ですが、ここでもどの方策が良いのか、ある程度時間を掛けて検討しないと判断できないということ。コンセッション方式を採用すると、数十年もたてば公共のほうにノウハウを持った職員がいなくなるということで、単純に自治体に戻しても事業を行うことができないのではないかという御指摘がありました。

 今回、こういうものも踏まえて、その後、いろいろ検討を進めまして、資料 3-2 に御指摘や御議論の多かったコンセッション方式の課題を整理しております。

3 ページです。コンセッションの経緯ですが、水道分野の状況です。前回も紹介しておりますが、政府の閣議決定文書等で水道分野においてもコンセッション制度を推進することとされております。水道については事業基盤の強化のために広域化を進めつつ、官民連携を効果的に取り入れていくことが不可欠ということで、コンセッション制度についても、これまでの様々な官民連携手法に加えた新たな選択肢として検討・活用されて、厳しい財政状況の下で効果的・効率的な水道事業等の運営につながるということが期待されていると思います。

 一方で、このコンセッションについては、政府の方針であるアクションプランにおいて、平成 28 年度までを集中期間とする目標があります。そちらでは、水道は 6 件という目標なのですが、現状では 2 件ということで十分に進んでいないという状況にあります。この理由としては、リスク面での不安、水道事業継続性の不安が挙げられております。こういう状況から、厚生労働省でもコンセッション事業の活用を希望する地方公共団体が議会や住民の意向を踏まえて、コンセッションを含めて官民連携の具体化を進められるように、更に必要な措置を精査していく必要があるという状況にあると思います。

4 ページです。水道以外も含めたコンセッション事業の重点分野の進捗状況を示したものです。水道は中ほどに赤枠で囲ってあります。大阪市、奈良市が具体化に向けて進んでおります。水道以外にも様々な取組が進んでいて、一部は実際に運営事業を実施中です。

5 ページです。水道分野をもう少し詳しく示したものです。先ほど触れた大阪市と奈良市については、条例案の議会審議の段階に至っております。ただし、赤枠で囲ってあるようにどちらも成立には至らず、慎重な意見が多いという状況かと思います。その他の自治体では、厚生労働省で計画策定等への予算の支援を行っており、そういうものも活用して官民連携の活用に向けた検討を進めているという状況です。

6 ページです。改めてコンセッション方式の概要を示しております。記載してあるとおりですが、利用料金の徴収を行う公共施設、水道でいえば水道施設の総体について、施設の所有権を公共主体が有したままで、施設の運営権を民間事業者に設定するという官民連携方式です。サービスを提供する、つまり、水道を供給する代わりに利用料金を徴収するという、水道の運営の権利を設定するということになるかと思います。これで、民間事業者によって安定的で自由度の高い運営を可能として、利用者ニーズを反映した質の高いサービスを提供するという効果が期待されております。

7 ページです。先ほども紹介した PPP/PFI 推進アクションプランという所で、具体的にコンセッション事業等の重点分野に水道が位置付けられて、目標が設定されているという状況です。

8 ページです。ここからは具体的に幾つか論点を整理しております。先ほど来、触れておりますが、先行事例がまだないということで制度に係る課題も指摘されております。その主立ったものは、一番上の囲みにある日本再興戦略 2016 という所に位置付けられており、今回は大きく 3 つに分けて紹介いたします。

1 つ目です。上の四角囲みの (2) 新たに講ずべき具体的施策という所に書いてあります。先行案件を形成するために、一定のものに限って、交付金等により地方公共団体の新たな負担感を最大限になくす仕組みの導入を検討するとなっております。

 この点については、水道事業における官民連携の導入に向けた調査、検討及び計画作成等に関する支援の事業を進めております。それに加えて平成 28 年度の第 2 次補正予算案で、水道事業におけるコンセッション事業の推進に資する施設耐震化費用ということで、生活基盤施設耐震化等交付金により事業費の一部を交付するという支援策を新たに設けようとしております。これと併せて、コンセッション事業等導入の前提となるデューディリジェンスと書いてありますが、資産評価です。先ほどのアセットマネジメントに類するものとお考えいただければいいと思います。そして、官民の役割分担の検討等に係る費用を支援する内容を盛り込むということにしております。

 この内容をまとめたものが 9 ページです。ここは内閣府や下水道部等、様々な部署での支援策をまとめた表です。この中の共通というところで導入可能性調査や資産評価の調査の支援です。水道の所では、特に更新投資で、実際にコンセッション事業をこれから始めようとするとき、資産評価をしたときにどうしても実施する前に緊急的に整備なりが必要な部分があるのではないかと。そういう部分について整備の支援をする予算です。

10 ページ、続いて、日本再興戦略の 2 つ目の取組です。課題として大きく 3 点上げられております。赤い文字で (1)(2)(3) と書いてある所です。 (1) については、地方公共団体が関与できる根拠を残す仕組みについての御指摘です。水道事業の認可について、第三者委託制度や現行の制度も踏まえて、どのように考えるのかということを精査していくべきだという論点になっております。

(2) については、国が重点的に経営状況や水質等を点検する仕組みについての御指摘です。その対応については、下に赤文字で書いてあります。現行制度でも、認可権者及び施設管理者双方から適時にモニタリング等を行うことができるため、水道法に新たな規定を盛り込まなくてもよいのではないかと考えられます。 (3) については、民間企業が運営に関わることを前提にした料金原価の算定方法についての御指摘です。この点については、先ほど議論で検討をしていただきました。

11 ページです。今の (1) の部分の認可に関する論点です。前回も資料を提示しましたが、上の四角で現状の認可の特徴を整理しております。水道は公益性が高く地域独占性が強いということで、認可を受けた特定者のみに経営の特権を設定するというものです。こういうことから、給水区域には重複した認可は与えられておりません。コンセッションに当てはめて考えると、経営主体となる運営権者が認可主体となる必要があるということで、民間サイドに認可が移ると考えております。ただし、一番下の囲みに水道法の抜粋が載っておりますが、完全に自治体の関与がなくなるというものではなくて、市町村の同意が必要になるということです。また、認可に際しても条件を付すことができるという仕組みがあります。

 こうした内容を踏まえて、より具体的な論点を 3 つ挙げております。 1 つ目は、中ほどに 3 つの○が並んでおり、仮に地方公共団体が、水道法上の権利・義務の一部を担うという契約が結ばれた場合、水道法上の責任について認可主体である民間事業者のみに限定すると現行で整理している部分について、どのように考えればいいのかということです。例えば、通常予期できない大きな災害があるとき、施設の復旧の費用を自治体側が確保するとか施設を新設するという、なかなか予見できない部分があったときに自治体側が分担するという考え方も検討されている部分があると思います。

2 つ目は、仮に水道法上の責任を民間事業者のみではなくて、地方公共団体の両者で分担することを可能とする制度を設けるとした場合に、一方で、分けることにより責任関係が不明確になることも想定されるということで、水道事業の一体的な実施の観点から、この点をどのように考えるべきかです。 3 つ目は、第 3 回に出した論点です。運営権者の不測の倒産時等で水道事業の継続性確保の観点から、どのような認可制度が考えられるのかです。 12 ページです。これは前回お示ししたもので、水道事業者のアンケート結果です。ここでもリスク面の不安や継続性確保の懸念があります。

13 ページです。先ほど少し触れましたが、第三者委託ということで、水道法においては業務委託についての制度があり、これを議論の前提という部分で紹介いたします。平成 13 年の水道法改正で導入されたものです。 2 つ目の○にありますが、特に中小水道事業者にとって技術的に困難になりつつある浄水場の運転管理や水質管理等の技術上の業務については、法令上の責任を伴った形で技術的に信頼できる第三者に委託できるという制度です。

14 ページに、それを模式的に示したものがあります。左の枠囲みの中に水道事業者の責務、義務が列記されております。さらに、このうちの点線の囲みの中に管理の技術上の業務があり、この部分については契約によって受託者に委託する。その際に水道法上の責任を伴う業務の実施も受託者側が受けるというものです。ちなみにコンセッションでは、このような技術上の業務だけではなくて、料金を徴収して水道水を常時供給していく義務を負うことになると思いますので、水道事業の経営の、ある意味根幹に関わる部分も含まれてくるということです。

15 ページです。こちらは国の監督なりモニタリングの仕組みです。運営権者に対して、四角の囲みが 3 つありますが、真ん中の運営権者に対して右側から地方公共団体、つまり施設管理者からは PFI 法に基づいてモニタリング等がなされます。別途、運営権者が認可を受けるということであれば、左から国等が水道法に基づく監督等を行うという、両面からの監督、モニタリングの仕組みがあります。

 一般的な立入検査の違いとしては、運営権者である民間事業者が相手となった新たな事業スキームになるということ、その場合の料金については、地方公共団体以外であるために変更の認可対象となるということが自治体と異なった部分になっております。下に※で書いてありますが、特に初期においては、モニタリングのタイミングに合わせて必要な報告聴取を行うということが考えられると思います。

16 ページです。実際に国でどのような立入検査をやっているのかという概略を示しております。主な内容と書いてある所で、水道関係法令や通知による指導等の遵守状況を検査するということでやっており、太字で示した部分を中心にチェックしております。現状では、 5 10 年程度に 1 回検査を行ってきております。コンセッションについては、最初は重点的に検討するということもあり事業開始後 1 年目、それから 3 5 年目ごとという実施が想定されるのではないかと考えております。

17 ページです。先ほどの 3 つ箱があった右側の施設管理者側からのモニタリングについてです。これは PFI 法に基づいた権限があるということです。

18 ページです。 3 つ目の論点です。これは前回の第 3 回でも紹介しました。上の四角囲みにありますが、水道事業において、期中の設備投資費用を準備金等の形で積み立てる措置を検討するということです。これに対して、下にありますが、平成 29 年度の税制改正要望において、コンセッション制度を活用した水道事業等の経営安定化のための準備金に対する税制上の特例措置の創設を要望するという方向で考えております。

 最後のページです。今申し上げた要望していこうとしている内容の案です。右のグラフを御覧いただくと、水道事業では青い部分に更新投資と書いてありますが、特に管路等、施設、設備が非常に多くて、それに対する更新投資も毎年発生するということが基本です。ただし、コンセッションでは契約期間が限定されますので、契約が始まってから更新投資(償却費)が積み上がっていくという構図になります。

 それ以前の施設については、緑色の部分の運営権対価という所で、一定額で手当されるという形になります。そのために青い部分が事業の後半で積み上がって逓増していきます。そうすると事業期間後期に赤字経営になるという構造的な課題があるということで、この要望は、契約期間内の費用負担の平準化を図るための要望です。これは税制上の要望ですが、それと併せて一番下の四角にありますが、逓増する償却費を事業期間前期に準備金として積み立てる制度を併せて創設するとともに、前半で積み立てた部分については損金算入するとか課税の留保を行うという特例措置を想定しております。以上です。

○滝沢委員長 それでは、望月委員の提出資料について、恐縮ですが 5 分程度で御説明いただければと思います。

○望月委員 日本経済研究所の望月です。お手元に現在の水道法のコンセッションに関する論点整理ということで、 1 枚の紙をお渡ししております。今、資料 3-2 10 11 ページに論点として出ていた認可の関係が、今後のコンセッションを進める上での課題ということで私のほうで整理いたしました。

 議論の前提と書いてありますが、コンセッションはまだ実施されておりませんが、大阪市や奈良市では実施していこうという方向で検討していますし、そのほかの自治体でも複数、御検討が進んでいるというところがあります。これら事業体が進めていく中で、今から説明するような課題があると思っているところです。

 下のチェックの 1 2 点目にフランス、イギリスはどうなのかということを示しております。フランスの場合は、上から 3 行目に DSP と書いてありますが公役務の委託という形で、基本的に自治体が水道事業をやり、それを民間に委託することができます。ただ、議会の承認も受けてくださいということで、かなり自治体が中心に水道事業を実施するという形でやっているのがフランスです。

 一方で、 2 点目のチェックの中のイギリスですが、こちらは完全民営化で、民間事業者が認可を受けてやるという形になっていて、かなりフランスとイギリスは様相が違う状況です。日本の場合はフランス型に近いかと思いつつ、イギリスのような認可の制度があるということで、この 2 つのハイブリッドみたいな形になっているということが、日本の水道における現状の法制度の位置付けかと思っております。

 上から 4 つ目のチェックの所に書いてありますが、コンセッション方式については、 PFI 法でコンセッションが位置付けられており、料金を民間が徴収して水道事業をできますということで地方自治法上の特例としておりますが、ただ、料金は議会の承認が必要になりますという形になっているのと同時に、水道料金の変更自体は水道法上、認可ということになりますので、議会の判断と認可を必要とするという、この両方のチェックが必要になるというところが、非常に制度上の矛盾を抱えているところなのかと思っております。

 この部分が水道事業体、大阪市や奈良市、そのほかの事業体が、若干不安に思っている部分だと御理解いただければと思います。具体的にどういうことが起こっているのかということは裏面を見ていただければと思います。丸数字1として書いておりますが、コンセッション方式においては、全部を民間事業者にやってもらうという考え方もあるのですが、特に水道においては、やはり公共側が担っていかなければいけない部分を分担するということも想定されております。

 下に注釈でありますように、一番大きいのは災害時です。災害が起こって復旧工事をした場合には、全部民間ではなくて自治体側も一定の役割を担うであろうと。あるいは広域化を進めていく中で、例えば、隣の自治体と連絡管を作りましょうということについては、そこは公共が担いますという形で、公共と民間で分担するということも想定した上でコンセッションを入れるということが大いに考えられます。

 ただ、水道法上、コンセッションをやることになると、利用者から利用料金を徴収するために認可を取得しなければいけないということで、 PFI 法のコンセッションの契約上では官と民で分担しているにもかかわらず、許認可を取るということイコール全部の責任が運営権者側にいってしまうということで、実態と制度上の責任がマッチしないということが問題点として出てきているところがあります。

 あともう 1 つは、公共側で一部災害時の責任を担っている場合に、民間事業者側が事業を継続できなくなってしまった場合、やはり最終的に自治体側で責任を持っていく形になると想定されます。コンセッションになると民間事業者が認可を取っています。公共側が認可を取っていないとなると何かあったときに、即座に公共側で責任を持つという根拠がなくなってしまうということが出てきて、そこも自治体側がなかなかコンセッションに一歩踏み込めないという不安の部分になるかと思います。

 丸数字2においては、コンセッションを進めていく中で、先ほども料金の話がありましたが、民間事業者が認可を取っていく中でどういう料金体系になっていくのか、あるいは料金原価、資産維持費をどのように見ていかなければいけないのかということが、まだまだ議論としては残っているということで、ここの明確化が必要になるということが書いてあります。

 丸数字3については、水道料金の設定の関係で、先ほども申し上げておりますように料金自体は議会の承認が必要という形になってきます。一方で、認可上の承認も必要になってくるということで、ここがうまくマッチしないということが考えられます。例えば、適正な料金として認可を受けて、このぐらいの値上げは適正で必要な料金レベルです、となっても、議会がそのような値上げは認めませんとなったときにこれは非常に困る話になるのかと思います。こういう場合にどういう措置をしておかなければいけないのかということも、論点として先ほどの資料 3-2 とかぶる所がありますが、特に認可制度の部分での論点の課題出しをしております。以上です。

○滝沢委員長 官民連携の推進については、本日、論点の紹介という形になり十分な議論の時間を取れずに恐縮です。次回以降も引き続き本件については御意見を頂くように考えております。限られた時間ではありますが、残りの時間一杯まで資料 3-2 10 11 ページを改めて御覧いただき、これら 2 ページについて何か本日お気付きの点があれば御意見をお聞きしたいと思います。また、改めて御意見を頂く機会を次回以降設けたいと思いますが、もし、本日の時点で何かこういう点にも留意したらということがあればお願いいたします。

○渡辺委員 全管連の渡辺です。官民連携については是非とも進めていただきたいと思いますが、 1 つ提案があります。水道事業体の職員の減少状況を見ると、管路更新事業についても、なかなか工事発注がなされなくて遅れてしまうのではないかという危惧があります。従来のような官側が設計、積算して入札するということではなくて、例えば、設計、工事込みの発注、いわゆるデザインビルドを管工事の部分についても行ってはどうかという提案です。以上です。

○滝沢委員長 ほかに御意見はございますか。

○吉田委員 日本水道協会の吉田です。 11 ページの主な論点の所に 3 つの論点が挙げられています。いずれも発注者側と受注者側の責任分担や役割分担をどのようにするのかということだと思います。例えば、 2 番目の論点で、仮に水道法上の責任を両者で分担することを可能とする新たな制度を設けるとした場合、責任関係が不明確になることも想定されるとあるが、具体的にどのような所が不明確になるということを想定しているのかを挙げていただけると、実質的な議論ができるのではないかと思います。できればそうした点について次回示していただければと思います。以上です。

○滝沢委員長 ほかに何かありますか。

○石井委員 関連ですが、 11 ページの主な論点の所は非常に重要だと思います。水道法では、第 6 条の 2 で市町村の同意を得た場合に限り水道事業を経営することができるものとすると書いてあります。実際に民間事業者がやる場合、今論点の中で吉田委員からも御指摘がありましたように様々なケースが考えられます。ケースをというお話があったのですが、今日の御説明の中では空港は 6 分の 7 ということで、コンセッションの目標の 6 を超えるような所が出てきています。これはなぜかと私も少し調べてみました。要因の 1 つは、空港法や航空法という基本法があります。それに付随して、数年前に特例法を設けて民活空港運営法という法律ができております。これに基づいて、きちんとした役割分担ができていて、特例ですがこういう制度がフォローの風になっていると思います。

 水道法の場合には、いろいろ問題点もあるとよく理解できたので、次回に向けて具体的な問題点の事例があるとすれば、その事例と同時に、水道法においても特例法の規定を設ける可能性について、お教えいただければ有り難いと思います。以上です。

○浅見委員 今もお話がありましたが、うまくいっていなかった海外の事例等についても御紹介いただかないと、今後の議論のときにうまくいかなくなってしまうことをどのくらい考えておかなければいけないのかという議論が、なかなかしにくいかと思っております。というのは日本の中でも、今、第三者委託だけについてもなかなか採算が取りにくい所は、委託に手を挙げてくださる所がないということも結構あります。そういうところは今回の議論の対象になるのか。ただ、日本全体として考えていくと、やはり全体がうまくいくように、なるべく広い範囲で受けていただける所を探していくという形になるかと思いますので、いろいろな事例を御紹介いただければと思います。

○永井委員 すぐに終わります。 10 11 ページの前に資料として左側にコンセッションで「期待される効果」が目に入りました。先ほどから話がありますように、水道事業、いわゆる歴史的な背景を含めて、なぜ市町村経営になったのかというところを押さえておくと、何か経済財政一体改革の貢献だと。 2020 年までの基礎的財政収支の黒字化に寄与するのですよと。これは水道事業を利用するのですかと。すなわち住民の利益が一番先にくるべきであって、どうも今の政権の戦略に利用されるということで、本当に水道事業はコンセッションになじむのか。官民連携はいいところがたくさんありますので私は全然否定しませんが、コンセッションだけは政府の意図がある中で、本当に推進していいのですかということも含めて疑問を持ったので、もしも、この点に何か見解があれば次回お示ししていただければと思います。

○滝沢委員長 ありがとうございます。何か御意見ございますか。

○岡部委員 水団連の岡部です。今も御意見がありましたが、今回、コンセッションについて議論するのか、余り幅広く議論すると少し拡散するような気がします。今、永井委員からありましたが、いいか悪いかの議論とか、仮に日本でコンセッションを水道でするとしたら、先ほどの認可の問題や料金、議会の問題がいろいろあると思います。実際にコンセッションを進めるに当たっての問題点等を少し整理して議論したほうがいいかと思います。

 前にも言いましたが、現実的には DB とか DBO は比較的に官民連携の中でこれから役に立っていくのではないかと思います。それはそれとして、コンセッションをどのように検討していくのかということであれば、そこに焦点を絞って検討するのも 1 つの方法かと思います。以上です。

○滝沢委員長 次回に向けて論点を絞っていただきたいという御意見だったと思います。もしほかに御意見がなければ、ちょうど時間がまいりましたので、本日いただいた多くの御意見については改めて事務局で整理して、また次回以降、紹介したいと思います。それでは司会進行を事務局に返したいと思います。

○久保補佐 本日も長時間にわたり活発に御議論いただき、ありがとうございます。次回の専門委員会は、 9 21 ( ) の午前中を予定しております。今も座長からおまとめいただいたように、官民連携の続きの議論、その他、積み残しの課題について御議論いただければと考えております。

 以降は事務連絡です。本日の議事録については、前回までと同様に委員の皆様に案の中身について御確認いただき、その後ホームページに公開ということになりますので、また御協力よろしくお願いいたします。

 それでは、第 6 回水道事業の維持・向上に関する専門委員会を閉会いたします。本日もお忙しいところ、どうもありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(水道事業の維持・向上に関する専門委員会)> 第6回水道事業の維持・向上に関する専門委員会 議事録(2016年8月29日)

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