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2015年12月21日 医道審議会保健師助産師看護師分科会
医政局看護課
○日時
平成27年12月21日(月) 16:00~18:00
○場所
全国町村会館 ホールA
(東京都千代田区永田町 1-11-35)
○議題
保健師助産師看護師学校養成所指定規則改正について
○議事
○看護課長補佐 それでは、定刻より少し早いのですが、委員の先生方、おそろいですので、ただいまより「医道審議会保健師助産師看護師分科会」を開催いたします。
本日は、御多忙のところ、御参集いただきましてありがとうございます。
本日、委員の出席状況ですが、阿曽委員、池ノ上委員、大滝委員、佐伯委員、中村委員、春山委員、林正委員の御都合がつかないということで御欠席と伺っております。
また、本日も文部科学省の医学教育課の斉藤看護教育専門官にオブザーバーとして御出席いただいております。
それでは、カメラは、ここで退室をお願いいたします。
( カメラ退室)
○看護課長補佐 それでは、中山分科会長に、以降の議事進行をお願いいたします。
○中山分科会長 皆さん、お忙しい中、今日はありがとうございます。先週に引き続きまして、毎週月曜日のこの時間に皆さんと会議を持つことになってしまいました。これから、私が議事進行をさせていただきますが、本日の議題も前回と引き続きまして「保健師助産師看護師学校養成所指定規則の改正について」となっています。内容的には、前回と同様、通信制の入学要件等を見直すということになるかと思います。
皆様に、前回は、本当に忌憚のない御意見をいただいております。今回も活発な御意見をいただきまして、よりよいものにまとめ上げていければいいなと思っておりますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。
それでは、事務局のほうから、今日の資料のことについて確認をお願いいたします。
○看護課長補佐 お手元の資料の確認をお願いいたします。
まず、議事次第、座席表、委員名簿。
資料1「看護師学校養成所2年課程通信制の入学要件の見直しについて(案)」というもの。
参考資料1「医道分科会保健師助産師看護師分科会(12月14日開催)主なご意見」。
参考資料2「追加で提出いただいたご意見」。
あとは、井部委員提出資料「看護師2年課程(通信制)への進学者の就業年限と就業内容に応じた教育(実習)内容についての研究結果」をお配りしております。
乱丁、落丁等ございましたら、事務局にお申しつけください。
○中山分科会長 ありがとうございます。
先週までの議論の資料は、これに全部入れてくださっていますね。
○看護課長補佐 はい。
○中山分科会長 これが先週までの資料になっておりますので、必要なときには見ていただければと思います。
それでは、初めに、資料1と参考資料1、2につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○看護課長補佐 まず、参考資料1から御説明いたします。
参考資料1の前回の分科会の主な意見でございます。
まず、入学要件における就業経験年数の短縮について、大きく制度を変えると通学制に影響が出る。受験者の状況を見て徐々に変えていったほうがいい。まずは7、8年。何年から5年にするということを打ち出すのではなく、受験者の状況を見て検討していくべき。5年に短縮するという根拠がない。
看護の役割のうち、いろいろな人とコミュニケーションをとりながら業務に当たることは、10年とは言わず、5年でできるようになる。看護師免許取得後の勤務の中で能力を獲得していけばよいので、現在の教育内容の見直しを検討した上であれば、5年で問題ない。
勉強するなら早いうちがよく、何年働いたからよいということはない。5年でよいのではないか。
対面による授業や実習の充実があれば、5年でもよい。
続いて、入学要件見直しに伴う教育の充実について、年数を短縮するのであれば、教育内容の充実が必要である。具体的に対面による授業については、看護過程をしっかり教育する必要がある。
通信制の実習形態に修正を加えてもよいのではないか。
実習病院の確保は難しく、指導者側にも莫大なエネルギーがかかる。OSCEや通信制の特性を生かし、シミュレーション演習を充実させるなどが現実的ではないか。
就業経験の確認については、入学時に、これまでの就業状況のチェックは必要である。
就業場所や就業経験を限定するのはよくない。
その他といたしまして、研究では就業年限というところに焦点が当たっているので、就業していた施設の内容によって技術習得に差が出ているのか、データがあれば教えてほしいという御意見がございました。
これについては、井部委員提出資料の中で、井部先生に、追加で分析していただいておりますので、御確認いただければと思います。
続いて、参考資料2でございます。
15日までに追加で提出していただいた御意見です。
入学要件における就業経験年数の短縮について、関係者が合意できる年数とすべき。教員の増員や面接授業の増加等を考慮して、1年程度短縮する。全体としては2年から3年程度の短縮であれば、一定の根拠はあると考える。
5年とした場合に、通学課程に与える影響が大きく、准看護師が免許取得後すぐに進学する道が閉ざされる可能性がある。
年数の短縮については、就業している准看護師の看護師への早期の移行を推進することにつながることから、必ずしも反対ではない。
5年が適当と考えるが、根拠となるデータはない。
教育の充実については、カリキュラムの変更は必要である。
年数を5年にするのであれば、抜本的なカリキュラム見直しが必要となる。
全日制・定時制とのバランスも考えながら、カリキュラムを見直し、看護教育の質を担保する必要がある。
対面による授業について、対面による授業の日数の追加は14日必要である。
2年課程では看護過程やフィジカルアセスメントに関する教育の充実が必要である。
看護過程やコミュニケーションの学習だけではなく、技術面も演習を行うべきである。
学習の効果を上げるためには、対面による講義やグループワーク等によって他者の考えを学ぶ等、思考プロセスの反復や演習が有用である。
臨地実習が補えない点は、シミュレーション学習やOSCEで補う。
理論や技術を統合する力や問題解決する力に重点を置く教育内容になるとよい。
学内で学習した問題解決法などを、連続した実習とフィードバックによって学習するのが適当。
学習効果を高めるためのICT環境の整備、演習授業の充実のためのシミュレーター整備等もあわせて必要である。
また、臨地実習については、見学実習ではなく、学内で学習した問題解決法などを、できれば2~3週間連続した実習とフィードバックによって学習するのが適当。
見学実習は廃止し、それにかわる臨地実習をカリキュラムに加えるべき。
通信課程で大事なことは、実践の場で考えられる論理的思考や系統的思考をいかにイメージして学習できるかであり、対象がいる実習場所で看護力に気づかせることが大事である。
続いて、専任教員の定員について、年数を短縮するのであれば、相応の増員が必要である。
専任教員の増員にあわせて、添削指導員の増員及び事務担当の配置を進め、教員が教育に専念できる体制整備が必要である。
学生定員に対する教員人数を設定してはどうか。例えば、学生40名に対し1名の教員が必要であれば、学生200名の学校では、教員10名ぐらいが妥当ではないか。
教員の増員は望ましいが、実現可能か。
就業経験年数の確認については、実務日数または時間数も確認するべき。
勤務場所の確認は、問う必要はないのではないか。
就業経験を十分に確認し、入学可否を判断すべきである。
施行の時期につきましては、養成カリキュラムの見直し、教員の確保に一定の時間を要することから、養成所において対応が可能となるよう配慮しつつ、できるだけ早い時期に速やかに実施すべき。
教員の確保には困難が伴うと予想されることから、指定規則改正後2~3年の準備期間が必要である。
このような御意見をいただきました。
この前回の分科会の御意見と、追加でいただきました御意見を踏まえまして、事務局で資料1としまして「看護師学校養成所2年課程通信制の入学要件の見直しについて(案)」を作成しております。
まず、入学要件における就業経験年数の短縮については、激変緩和措置として、まずは就業経験年数を7年以上に短縮してはどうか。
入学要件の見直しに伴う教育の充実については、入学生の実技能力、必要な知識や思考過程を確認した上で、身につけるべき技術を学生が習得できるよう、学校養成所における教育の充実を図ることとしてはどうか。
具体的には、対面による授業日数を10日間追加し、フィジカルアセスメント、根拠に基づいた看護を実践するための問題解決プロセスを学ぶ内容、健康教育において効果的なコミュニケーションについて学ぶ内容を含むものとして実施してはどうか。
対面による授業の充実のため、専任教員の定数を現行の7名から10人に増員してはどうか。ただし、学生総定員数が300人以下の場合は、例えば8人としてはどうか。
准看護師として、これまでの就業形態、就業場所、就業日数・時間について、学校養成所で入学時に把握し、個々の学生の教育内容に生かしていくこととしてはどうかというものでございます。
施行の時期等についてです。入学要件における就業経験年数の短縮を行うためには、前述のとおり教育内容の見直しが必要であり、学校養成所における体制整備等に一定の時間を要すると考えられることから、その施行の時期については、平成30年4月としてはどうか。
また、施行後、2年課程への入学者の動向、今後の教育内容の見直しの状況等を勘案し、入学要件における就業経験年数を5年以上にすることを含めて検討して、その結果に基づいて、施行後3年をめどに必要な見直しを行うものとしてはどうかとしております。
以上でございます。
○中山分科会長 ありがとうございました。
皆さんからいただいた意見をもとにしまして、事務局のほうで、今日の検討の材料としてつくってもらった案が資料1でございます。
皆さんの意見に基づき参考資料1と参考資料2をつくっていただいたのですが、何か抜け落ちている点、私は、こんな発言をしたのだけれども、載っていないとかがございましたら、先に御発言いただければと思います。
また、井部委員から、少し詳しい資料を出していただいていますが、このことについても、何か質問があれば、出していただければと思いますが、皆さん、ございますでしょうか。
それでは、よろしいでしょうか。参考資料1と参考資料2以外の御意見が、新たに加わっても問題ございませんので、資料1に基づいて、検討していこうと思います。
それでは、事務局のほうから提案いただいております、資料1につきまして、どこのところからでも結構ですので、皆さんから忌憚のない御意見をいただきたいと思います。
どうぞ。
○坂本委員 2番目の入学要件の見直しに伴う教育の充実のところですけれども、このことについては賛成しますが、10日追加するという、この10日間という根拠というのは、どういうふうにして出てきたのでしょうか。協会としての要望は、一応14日間と出させていただいたのですが、10日というのは、どういう根拠なのでしょうか。
○中山分科会長 これは、事務局に答えていただいていいですか。よろしくお願いします。
○看護課長補佐 内容としましては、資料1に記載されている、フィジカルアセスメント、根拠に基づいた看護を実践するための問題解決プロセスを学ぶ内容、健康教育において効果的なコミュニケーションについて学ぶ内容を含むものとして実施していただくこととしておりますが、今回の対面授業の10日間については、全領域に関連する基本的な内容となっておりますが、専門領域と統合分野の8領域で、それぞれ1日ずつで8日間と、あとは学生の準備状況や、各学校養成所の理念とか目標に照らし合わせて授業を展開するための2日間を合わせて、全体として10日と考えております。
○中山分科会長 ありがとうございます。
14日というのは、多分根拠があったと思いますが、坂本委員、どうぞ。
○坂本委員 看護過程が大事だと思っていますので、それについて、恐らくグループワークも必要であり、そういうものを入れると、大体5日間というのを出しました。
それから、フィジカルアセスメントも重要だと思っておりますので、シミュレーター等を用いて、実際に練習するということで3日間、それから、紙の上での事例演習というのが基礎、成人、老年看護と3分野ありますので、1例ずつ経験したとしたなら2日ということで、14日というのを出させていただいたのですが、実効的な状況を考えて10日ということであれば、それについては賛同します。
○中山分科会長 10日でも、大きな支障はないと考えるということですね。
○坂本委員 はい。
○中山分科会長 これは、もう一度確認ですか、今ある臨地実習、紙上事例演習、これが24事例程度、それから、病院見学実習16日、面接授業24日と、これに加えて10日ということでしょうか。
○看護課長補佐 今、部会長がおっしゃっていただいたように、病院見学実習、今の臨地実習は、紙上事例演習24事例と、あとは病院見学実習の16日、面接授業24日が臨地実習の枠になっておりますが、そこに限らず、講義の49単位の中でも対面による授業を行っていただいても構わないということでございます。
○中山分科会長 臨地実習という、このコラムだけではなくて、講義も含めて全体で10日という案だということですね。
○看護課長補佐 はい。
○中山分科会長 わかりました。全体で10日だということだそうです。
御意見ございますか。坂本委員のほうからは、14日が10日になったとしても大きな支障はなさそうだということの御発言だったのですが、ほかにありますか。
どうぞ。
○釜萢委員 前回も発言させていただきまして、皆様の共通認識として、2年課程の中で、通学、これは、全日制、定時制とありますが、通学と通信においては、特に実習の内容が根本的に違うということがあります。
そのことを踏まえて、今後、通信課程のカリキュラムあるいは教育内容をしっかり、さらに充実して、優れた看護師を養成すべきだということについては、皆様の御了解というか、共通の御同意だろうと、私は認識しております。
その中で、やはり、通信のカリキュラムあるいは今の授業も、なかなか通信制という大変制約の多い条件の中で、これをこなすというのは、なかなか難しいところがあるので、過去の経緯からしましても、通学と同じような実習条件を課してやっていくということは、現実的には難しかったということもあって、それで現状ができていると考えております。
その中で、では、入学時の実務年限をどうするかということについては、今後の改革の中で、2年制全体の養成が滞りなく行われて、准看護師の人がしっかり看護師として資格を取っていくという大きな流れに資すものであって、バランスが崩れないということが担保されることが非常に重要だと認識をして発言しました。
その中で、今日、お示しいただいた案で、まず、激変緩和措置として、30年の4月1日を施行日として、7年以上に実務年限を短縮するということですね。
何年ならば大丈夫かという根拠については、前回の検討の中でも、なかなかこの根拠は難しいし、どういう経験をそれぞれの学生が積んできたかということによっても変わるので、ここは難しいということだったと思いますが、とりあえず、7年以上というお示しいただきました案に、私どもは賛成いたします。
その後で、さらに通信制のカリキュラムあるいは実習の内容について検討していく中で、さらに実務年限の短縮が可能なのかどうか。そして、通学制の方々の動向にどういう影響が出るかということをしっかり見きわめていこうという案でありますので、妥当だろうと思いますが、施行時期のところの2つ目の、一番下の○ですが、施行後、2年課程への入学者の動向、今後の教育の内容の見直しの状況等を勘案し、入学要件における就業経験年数を5年以上とすることを含めて検討し、その結果に基づいて、施行後3年を目途に必要な見直しを行うものとしてはどうかということでありますが、確認をさせていただきますが、平成30年4月1日から3年を目途に見直しを行った状況で、これは、7年のままでいくということも含めて、7年が妥当という結論に達するということも、あり得るというふうに考えておりますが、それで、よろしいでしょうか、事務局、お願いします。
○中山分科会長 事務局のほう、求められていますので、お答えください。
○看護課長補佐 御指摘いただいたとおり、今回の見直しについては、施行後3年をめどに必要な見直しをするとしております。
この見直しの際には、改正が施行されるまでの2年間、平成28年、29年になるかと思いますが、そこと、後は改正後の、少なくとも3回、平成30年、31年、32年の入学生と、5回分の2年課程の入学生の動向を見ること。
あとは、平成28年度から開催される予定の看護基礎教育の教育内容の見直しの検討と、新たに通信制における教育内容、これらについての内容を十分に踏まえて検討する必要があると考えております。
その結果に基づいて、就業経験年数のさらなる短縮については、必要な見直しを行っていくという予定で考えております。
なので、その検討の結果、7年のままということもあるかもしれませんし、5年に短縮するということもあるかもしれませんし、あくまでも検討次第ということと考えております。
○中山分科会長 よろしいですか。
○釜萢委員 どうもありがとうございました。
そのことに関連しまして、この実務年限の短縮についての報道が夏になされたときに、もう5年、実務年限を半分にするというような報道がなされまして、そのことで非常に現場はびっくりしたと、あるいは混乱して非常に今後存続が危ぶまれるという通学制の学校からの悲鳴も聞こえてきましたが、ぜひ、今回の方向を厚労省としてお決めになるのであれば、誤解のない内容で発表についてしっかりとしていただきたいと思っておりますが、その点についても、ちょっと御回答いただければと思います。
○看護課長補佐 平成27年6月30日に日本再興戦略が閣議決定された7月5日、看護師資格への准看護師実務10年、半減へというような新聞報道がございました。
今回の見直しに際しては、就業経験年数とか、施行時期、教育内容の充実といった内容については、当事者であります、通信制の学校養成所には、直接説明をさせていただきますとともに、文部科学省や、日本看護学校協議会、日本看護協会、日本医師会といった関係団体に協力を得ながら、誤解がないように周知していきたいと考えております。
○釜萢委員 どうもありがとうございました。
5年以上とすることを含めてという記載がなされるとすれば、ぜひ、その点を特にお願い申し上げておきます。
○中山分科会長 ありがとうございます。
どうぞ、発言してください。
○坂本委員 対面による授業を充実させるということで、大変うれしく思っていますが、専任教員を増やしていただくということも、ぜひ、賛成ですのでしていただきたいということですが、その下に、先生方から伺った話によると、紙上で評価していくというか、査定していくのが結構時間がかかると伺っていたのですけれども、さらに個々の学生の教育内容に、学校養成所入学時に把握して、個々の学生の教育内容に生かしていくということについて、何か具体的な状況というのはあるのでしょうか。
○中山分科会長 真ん中の「具体的には」の➂のことについての質問かと思いますが、何か事務局、答えられることがありますでしょうか。
○看護課長補佐 今回の就業形態とか、就業場所、就業日数・時間についての確認については、この内容について、ガイドラインの中に加えていきたいと考えております。
○坂本委員 ということは、具体的にこうしなさいということではなくて、先生方、養成所のほうに任せるということですね。
○看護課長補佐 はい。
○坂本委員 それでよろしいと思います。
○中山分科会長 これも、厳密に何とか、時間数が何とかと、そういうことにはならないので、大体の目安を出すということですね、ガイドラインみたいなものを出すということは、要するに、この間の議論にパートタイムで少しの時間しか働いていないけれども、10年やっていたから10年の経験というような方々も入っていたのではないかという御意見があったと思いますが、7年に大体見合うような経験をしているかどうかということを考えながら、そして、また、就業場所については問わないということで、学生の経験とか、個性とかというバックグラウンドも生かして、考えていくということでいいかということだと思いますが。
○看護課長補佐 現在もカウントの仕方については、准看護師として10年(120カ月以上)業務に従事した旨の就業証明書と書いてあり、入学願書の提出に准看護師として業務に従事した期間が10年(120月)に満たない者は、入学時に就業証明書を提出させ、業務従事経験を確認することと書いてありますが、ここについて、もう少し具体的にと考えております。
○中山分科会長 わかりました。坂本委員、それでよろしいですか。
○坂本委員 ちょっと気になるところなのですが、平成30年4月1日からなのですが、今、大学の教員ももちろんそうですし、看護師の教育者がなかなか不足しているというところで、増やそうということになって、その増やすことについては賛成なのですが、具体的な準備期間というのが2年で行けるというか、そういう形では、ある程度把握されているのでしょうか。
○中山分科会長 確保の問題ですね、一番頭の痛い問題で、2年ということで、見通しは立っているのでしょうかということですが。
○看護課長補佐 通信制看護学校協議会からは、2年が必要だと伺っております。
○坂本委員 わかりました。
○中山分科会長 学校との話し合いの中では、2年ぐらいあれば、何とかなるだろうという大体の見通しが立っているということですね。実現できるかどうかは別にしても、見通しは立ちそうだということで2年という線を出したということですね。
○看護課長補佐 はい。
○中山分科会長 ほかに、どうぞ。
○上泉委員 通信制を担当していた教員あるいは添削を担当していた人と話をしましたら、やはり、最も難しかったところとしては、看護過程の展開であるということでした。
ということで、資料1の「具体的には」というところで、看護を実践するための問題解決プロセスを学ぶ内容を対面により行うということは、大変有意義なことではないかと思います。
また、それを講義と臨地実習の双方において行えるということは非常に大事なことではないかと思います。
ただ、その方が、例えば、どこで勤務していたかによって、技術の獲得状況が異なるというのが、井部先生のデータにありまして、無床診療所の方々の得点が、多くの項目において低いというようなデータがありました。
そのように、背景によって、学んでいることが異なるのであれば、通信制を受けるまでの間に、何らかの研修とか、そういったことは求めることはできないのかと思いました。
受験までの条件として、何回か、例えば、看護協会などで研修を企画するとかということを通した上で、この通信制を受けるというようなことはどうかなと思ったのですけれども。
○坂本委員 私も、最初はそう考えたのですけれども、恐らく、この学生の数を考えると、それは、なかなか難しいのではないかと思いました。先ほど、行政のほうから答えていただいた、個々の学生の教育内容に生かしてほしいということのガイドラインみたいな通知を出していただいて、そこの学校の先生方が、入ってから考えていくということで、協会は、それはノーということではありませんけれども、先生方にある程度はお任せするという形でよろしいのではないかと、思います。
○中山分科会長 私も思いつきで、余りいい発言ではないのですが、例えば、病院見学実習、16日の実習のあり方にも、学生のバックグラウンドを加味して組めるなら組むということでもいいのかなと、坂本委員の発言から思ったのですが、そういう形で、通信教育を受けている間に、経験をしていないことについては、経験をさせてもらえるような機会があれば、一番いいのかなという感じもしました。入学前に要求することは、ちょっと逆に難しいかなという感じがしますが。
この間、井部委員のほうからも、調査の中でも実習については非常に難しい、病院側の協力が非常に得られにくいということがつらいというような御発言があったので、そういう意味では、実習のあり方については、各病院の協力ということが、もう少し得られるような方策を考えていかないといけないのかなという感じが、逆にしたところです。
関委員、どうぞ。
○関委員 まず、資料1ですけれども、前回、ある意味では意見がかみ合わない、ある部分は激しくぶつかった部分がありました。だからといって、多数決で決める内容ではないので、お互いがどこまで、ちょっと言葉が適切かどうかわかりませんけれども、折り合うかということが大事なことだと思いますし、そういう意味においては、この案は、私は実によくできている案だと思って、基本的には、この案に私も賛成です。
しかも、施行時期等の最後のところで、もう一遍考え直す、つまり、資料を集めて考え直すということがあります。このことは、以前、釜萢委員からも基本的なエビデンスがあって、物事決めていくのがいいという御意見があって、私もそのとおりだと思いますので、そういう意味で、ここで見直すことができますので、よいと思います。ちょっと過激な言い方をすると、通信教育で対面教育を入れるということ自体が矛盾なのです。つまり、対面教育ができない理由をお持ちの方が通信教育を受けているわけですから、その中で対面教育をやるというのは矛盾なのです。
我々医療の教育においては、対面教育は極めて大事で、前にも医学部教育では、対面通信教育はあり得ないと言ったのは、そういう意味でございます。
ですから、学生さんにもいろんな事情があって、対面教育が受けたくても受けられない方というのもいらっしゃると思うのですけれども、私が思うのは、せっかく情報を集める期間が2年なり、3年なり、あるいは5年なりありますので、どういうことをしたら、少し対面教育的な教育が可能か、対面教育で得られる技能を獲得できるようなサポートができるのか、逆にどういう方法だと全然だめなのか、あるいは、どこに問題があるからうまくいかないのかということも、明らかにできるように、私は具体的には看護教育のことはよくわからないので、具体的なことは何も言えなくて、言いっ放しで恐縮なのですが、そういう情報が得られるようなことを行い、この3年間で情報をとって、改善できるところは改善してゆくのがよいと考えます。対面教育の代替をどのように行うかという問題は、結局、急いでもきっと答えは出てこないし、今は誰も答えがわからないので、今やれる中で、例えば、通信制をとっているいろんな学校の中でも、多少うまくいっているところと、うまくいっていないところがあるとすれば、どこが違うのかとか、そういう分析することにより、通信教育の改善が少しできるのではないかと思います。そういう分析ができるような情報を学校の先生方に、恐縮ですけれども、上げていただくように行政のほうから指導なさったらいかがでしょうかね。ちょっとお話を聞いて、そう思いました。
○中山分科会長 事務局のほうでつかんでいる範囲で、通信教育の中の見学実習とかには、やはり、ばらつきがあるのでしょうか。見学だけしかできていないところと、臨床の方々から指導を受けながら、いろんなことができているとか、その辺の情報は、あるのでしょうか。通信教育の課程によっての違いみたいなものは。
○看護課長補佐 日数については、看護課でも確認をしております。
内容については、十分な確認はできてはおりません。
○中山分科会長 市川委員、どうぞ。
○市川委員 通信制については、全ての条件がすごく厳しいので、全体的に、総論的には、例えば、就業経験についても、前回は5年という声が多かったけれども、そこには合理的な理由は、別に持ってはいないというところで、何年にするかというところは、厳しいことはわかります。
もう一つは、実習に関しても、私のところも1つの病院で、この通信制の実習を去年まで受けておりましたが、多分、実習内容を少し充実させていくときに、数日間増やして、論理性とか、系統的思考を強化するというのは、3年課程でも、今、四苦八苦している中では、非常に現場の教員あるいは臨床側の指導者が苦しむ状況をつくるのではないかという危惧があるのです。ですから、そこの中で、数日間は対して影響がないのか、それとも、一般大学の通信教育というのは、いわゆるスクーニングみたいなものがありますね。ああいうふうな形で、教室の中で学習するのを、むしろ、そこに教員を充実させて、そこでシミュレーション等を充実させていくほうがいいのかなという気もするのです。ちょっと私などは無責任ですけれども、2日間の見学実習は、指導者もつかずに、学校側の教員も来なくて、何とか形だけでしていて、みんな何だかわからないという実態で、そこに少し内容を入れていくとなると、臨床側の担当の準備なのか、教員側の準備というところでは、かなり厳しい問題が出てくる懸念があります。
○中山分科会長 ありがとうございました。
前回、中畑委員からも出たと思うのですが、そういう意味では実習は厳しいので、対面とか、演習にして、そこで看護過程の展開なり、フィジカルアセスメントをきちんとやるという方向性のほうが、効果が上がるのではないかと、たしか御発言をいただいたのではないかと思います。
○中畑委員 確かに、今のように8分野2日間ずつの見学実習を繰り返すのであれば、それは、ずっと同じかなと思います。
本当に乱暴な意見かもしれませんが、参考資料2の追加で提出していただいたご意見の「臨地実習について」の一番上のご意見にもありますが、私も全分野、見学実習ということではなくて、ある特定の分野の連続した実習、期間は今と同様の日数16日という方法になると、そこで看護過程の展開をきっちり行い、理論と技術を統合する力を高めることのほうが、より効果的ではないかと思います。全分野この方法となると学生も実習を受ける病院もとてもではないですけれども、非現実的な話になります。
○中山分科会長 この病院見学実習のところは縛りを設けないで、学生の特色を生かしながらの実習をしていくという、そういうことでしょうか。
○中畑委員 そうですね。実習は、従来の履修方法ではなく1つの分野で定まった時間、地域的に学生の履修可能な病院で履修するということはできるのではないかと思います。一度に大勢の学生が実習に来るということにはならないのではと思います。
○中山分科会長 どうぞ。
○坂本委員 この対面授業というのは、このことを言っていらっしゃるわけではないですね。
○中畑委員 違います。実習です。
○坂本委員 実習ですね、ここで十分やっていただくということは必要なのですね。実習については、いろいろあるわけですね。
○熊谷委員 私も臨床の立場での発言になるのですが、今日、いただいた資料1の案については、私もおおむね理解できます。
それで、先ほどから出ているように、私も当院でも実習を引き受けております。そうすると、2日間ずつ8領域に行きますが、やはり、教員の先生もおつきではないので、最後に、今日の、カンファレンスまでいかないのですね。本当に感想を述べ合うというところで、もう少し学習になるような実習にする必要があるのではないかと思っていて、これを、今日の資料1の「具体的には」の➂のところで、准看護師の教育の中で、とりあえずは、8領域の実習は終えていますので、その上に、自分の就業経験が加わっていますから、そこを生かして、何か1つの領域の中で、きちんと対面の授業を受けた後に、連続した実習をしていただいて、それで、先生にもかかわっていただくというような、そこの充実ができると、とても充実するかなと思いました。
それから、当院には、今、通信制に行っている人もおります。ちょっと話を聞きますと、やはり、10年以上は、当然たっているのですね。例えば、もっと、定時制等に行くチャンスというのはあったかと思うのですが、なぜ、それを使わずに、今、もう15年、20年近いのですね。今、通信制かというと、やはり、家庭の事情等で、定時制を選ぶことができなくて、とりあえず、仕事ができていたからいいやということで、何十年のたった、そこで、こういった通信制ができて、周りの人たちがぽつぽつ取り出した中で、これだったら家庭と仕事で両立が、学習という3つが何とかできるかなと、やはり、幾つかの選択肢の中から、これを選んだということを言っておりました。
当院に来ている通信制の学生さんの年齢なのですけれども、大体50歳とか40の後半なのですね。そうなると、やはり、何かそこまで定時制等の手立てがあるでしょうけれども、それを使わずに、通信制を使われたということにも何か理由があるかなとお察しします。
ただ、私が思っているのは、こういう通信制を使うに当たっても、できれば、早い、余り長い時期まで待って、入学というふうになると、また、早くに、そういう選択ができることも、1つは准看護師の方々にとってメリットになるのではないかと思いました。
○中山分科会長 ありがとうございました。
かなり年齢は高いということですね。
どうぞ。
○島田委員 資料1で、質問、確認をした上で、3点ほど述べたいと思います。先の会議で検討された5年以上という短縮案が7年以上になったことですが、根拠は明確ではないけれども、段階的に、前向きに短縮を考えて、質のいい、実践レベルの保障される看護師を養成していきたい、と言う趣旨でした。
一つは、今回のご意見に、7年という短縮案も選択肢に残るけれども、一応、5年という1つのスキップは意味があり、施行後3年をめどに継続検討されるだろうという解釈であれば、資料1の提案に賛同します。
二つ目は、短縮とは別に、いかに教育の中身を改善するかについて、1つは、通信の特性を生かした改善策を検討したほうが良いかと思いました。
例えば、井部委員様の提出資料の2ページの項目に、バイタルサインの観察と、バイタルサインの解釈という調査内容があり、観察のほうは経験年数で有意差はないが、解釈のほうは、10年前と11年以上等に差が出てくると解釈しました。つまり観察は年数に関係なくできるけれども、その解釈、判別力のほうが、若干経験が長い方が、できるということを指しています。そのため経験を入学要件に置いていると考えますが、現実的に個々の学生たちが、自分なりの通信という学習方法を選択したわけですから、その特性を生かすなら、まず、リピート学習ができるような教育教材を使えるようにしたら良いかと思います。
例えば、対面学習に限界があるならば、個々の学生が自分の時間を使って、到達レベルに行くまでリピート学習ができる教材、e-learningやビジュアルが非常に優れている医学教材を学校内でも自宅でも使えるように教材環境の整備というものが、今後、求められるのではないかと思いました。
三つ目は、見学実習はだめだという意見についてです。もちろん、体験できるに越したことはないですが、現在、患者様たちから同意をもらうということの難しさや侵襲を来すような実習は控えるということになっています。私は、見学がいいとか、実際体験できることがいいという前にきちんと評価の方法を考えて、基礎教育で何がどこまで到達できるのか、この辺の評価基準みたいなものをスタンダードに検討して設けられるほうが、良いのではないかと思いました。
最後の四点目ですが、通信制の場合には、専門基礎科目を入学前後にどちらでも取得できるという非常に柔軟性をもたせていることは聞いています。実際に通信担当教員の意見は、せめて看護基礎教育の前に専門基礎は履修済みが望ましいという改善意見もあるようです。従来の模擬演習というやり方ではなくて、状況設定、シミュレーション、臨地場面に即した実践力を反映した方法と所用期間を考えたら良いかと思います。
以上です。
○中山分科会長 今の島田委員のことから考えると、病院見学実習というような形にこだわらないで、臨床能力がつくようなシミュレーションなど、いろいろな教材も含めて、そういうようなものの充実で補えるのではないかと受けとめていいのでしょうか。
○中山分科会長 関委員から、通うということができなくて通信にしているのだから、それに通ったり、実習をたくさん課すというのは逆行ではないかという御意見があったのですが、そういうことも含めると、この10日間増やす対面授業のあり方をもう少し綿密に検討しろということになるかと。
○島田委員 実習期間の長短ではなくて、現在あるやり方の中で、もう少し充実して強化していくためには、そういう改善点を検討してはどうかと思います。
○中山分科会長 ありがとうございました。
ほかに御意見ございますか。どう考えても教育の中身のほうに、どんどん踏み込まれていくような感じがしますが、臨床経験の年数のことについては、今までの議論からすると、7年以上ということでも、その後、見直すのなら大丈夫だというような御意見かと思います。この点について、違う意見をお持ちの先生はいらっしゃいますか、ここはいいですか。
それから、入学要件の見直しに伴う教育の充実ということについては、いろいろ出ました。実施の時期についても2年ぐらいの猶予で学校のほうがよければ、これもいいということで、皆さん、了承でしょうか。
それから、見直しということは当然だと思いますし、先ほど、課長補佐の習田さんからもありましたように、カリキュラム改正の問題も控えているようですので、抜本的な改正あるいは臨床経験は何年ぐらいが適切かというのは、そういう改正の時期とも抱き合わせながら、検討していかざるを得ない時期が来るのではないかなと思います。どんな基礎教育の改正ということが盛り込まれるかわからないのですが、その影響は、2年課程も十分受けるということです。基礎教育の3年制の改正が基本になろうかと思いますが、2年課程も、当然、それに伴って影響を受けるということですね。
○看護課長補佐 はい、そのとおりだと思います。
○中山分科会長 ですから、検討を始めるということは、5年後ぐらいには、それがもう出るということでしょうかね。その時期にあわせて、もう一度考えざるを得ないということなのだろうと思います。ですから、7年でやって、関委員からも出ましたように、データをきちんと積み重ねて準備を整え、カリキュラム改正の時期と鑑みながら、根本的にどういうふうにしていくのかということを見直さなければならないという筋書きが見えてきた感じもするのですが、ほかに御意見ございますでしょう。
教育の充実につきましては、教員を増やすということも大変ですが、教材の中身の問題も相当出ています。この辺のところについて、御意見があれば、出しておいていただければと思います。
井部委員、どうぞ。
○井部委員 私は、紙上事例演習ワークブックみたいなものを拝見いたしました。今、シミュレーション教育として、片仮名に置きかえてやって注目されていますが、ある意味で紙上事例演習という手法はシミュレーション教育を先取りしていたのではないかと思いました。
紙上事例演習を、もう少し確立して、教員の紙上事例実習、つまりシミュレーション教育をしていくということからすると、先進的な取り組みとなるのではないかと思いましたので、それは、教材の開発、それから、教育の方法などについて、積極的に取り組むといいと思いました。
○中山分科会長 今、井部委員から、教材の開発と教育の方法をもう少し通信教育に見合ったものを確立していくことということなのですが、それをするには、教員が、それができる能力を持つということが、必要になってくるかと思います。教育に当たる専任教員についての研修のようなことについて、看護課のほうは、どのように考えていますでしょうか。
○看護課長 教員になるには、専任教員養成講習会をお受けいただいておりますが、現在は都道府県で実施いただいておりますが、その後の教員の継続教育については、通信制は県内に2校ということですので、県内で企画実施するのは、とても難しいのではないかと思っております。
ですので、私ども厚生労働省の看護課で、通信制の専任教員の方を対象にして、少しそのあたりを強化していくような方法をともに考えていき、実行していきたいと思っております。
○中山分科会長 看護課も、その措置については考えてくれているということですが、そうなればいいでしょうかね。
ほかに、関先生。
○関委員 今のシミュレーションというのは、私は先程も言ったように、看護のことはわからないのですけれども、例えば、周産期新生児学会がやっているNCPRの講習は、インストラクターをまず最初につくるところから始まって、インストラクターをつくってから、講習会を実施し、人形を用意してシミュレーションしています。
インストラクターもe-learning等を行い、技能の維持を確認して更新をしていくということをやっています。
今度は、5学会と2団体で、母体の蘇生も同じようにやろうと計画しています。そのときもNCPRを見習って、まずインストラクターを養成して、インストラクターが教育を実施するようなシステムを考えています。
この試みは今年の後半から始まったばかりなので、今、インストラクターを養成するところをやっていて、私もこの年でインストラクターの養成の講習をこれから受ける予定です。したがって、もしシミュレーションをやる場合には、教員の質と数が重要ですね。学生に対するインストラクターの数は非常に大事なので、インストラクターの数の担保はなかなか大変だけれども、数を十分に担保して、質も向上できれば、通常は通信教育での講義をやり、いわゆる対面のときにかなり効率的な実技演習がインストラクターと学生とのマンツーマンの指導で、例えばロールプレイをやることが可能になると思うのですけれども。実際に、そこまでやるのは大変なのかなと思いますけれども、先生の数と質を担保すれば、通信教育でも、限られた時間とは言え、充実した対面教育を行うことは可能なのかなと思いました。
○中山分科会長 ありがとうございました。
どうぞ。
○釜萢委員 今のことと関係して、参考資料1の今の部分、対面によるところの3つ目の○のシミュレーション演習の話が出ましたけれども、その上にOSCEですね。客観的臨床能力試験ということが出てまいります。
それで、医師の場合には、入学して4年生から、今度、5年、6年の実習をする前に各大学の教養試験のレベルを統一し、そして、そこにOSCEもなるべく、まだOSCEと言えるほどではないのだけれども、そういう要素を組み込むと。
それで、卒業の時点で、できれば、OSCEが幅広く導入されればよいと、でも、何年からできるかというところまで、まだ、はっきりしないというのが医師のほうの状況でありますが、看護師の試験についても、ここにOSCEというのが出ていますけれども、せっかくこれだけ先生方がおられるので、ちょっと看護師の養成におけるOSCEについて教えていただけると、大変参考になると思いますが、いかがでしょうか。
○中山分科会長 ありがとうございます。
宮本委員、このことは国家試験の中でも出てきたりすることがあったと思うのですが、個人的な見解で結構ですので、どうぞ。
○宮本委員 医師がOSCEで試験をしていることは、よく存じ上げておりますけれども、看護の中では、今、大学ごとに導入しているところもありますし、まだ、導入できていないところもあるというのが現実だというふうに思います。
それで、医師の場合は、たしか臨床に出る前に共用試験をされるわけですね。看護の場合は、どちらかというと、3年もしくは4年の中で、いつからなら出ていいということではなく、なるべくアーリーで、今、出ていきましょうというようなこともあって、必ずしも教養試験のような形でOSCEをしようという話に、まだなっていないように私は思っていますが、ただ、学生の動機であるとか、やはり、実習に出るときの保障という点で、OSCEを積極的に導入しようという動きはあるとは思っています。
○釜萢委員 今、発言をさせていただきましたのは、医師のほうでも、実はOSCEをしっかりやろうとすると、とっても大変で、なかなか現実的ではないのですね。本当に、本格的に卒業時点でやろうとすると、1年ぐらいかけないと、とても学生全部をできなかったり、それだけの、例えば、模擬患者さんを用意するとなっても、これもとても大変なことなので、今、4年から5年に上がるときの教養試験と一緒にやっているのは、OSCEといってもそんなに厳しいものではないのですけれども、ですから、これは、今後大いに検討していかなければいけない大事なテーマだとは思うのですけれども、先ほどのシミュレーション演習も含めて、今後の検討課題であろうなと思ったものですから、発言をさせていただきました。
○中山分科会長 ありがとうございました。
宮本委員のほうから、基礎教育の中で、この問題は大きくなっていますことと、国家試験のあり方についても、いろいろ言われているのですが、やはり、ペーパーでしかないので、どんなに頑張っても、臨床能力ということの測定には限界があるということは言われてきました。OSCEの導入の問題が看護界にも出ては来るのですが、実際問題として、それができる体制に、教員のほうがあるかというと、それが、難しくてできていないというのが現状かと思います。
ただ、私の個人的な意見になるのですが、准看護師から看護師になるときに、一番大きいのは、看護師の能力として、臨床判断をしていくことだと思います。今回、先ほどのバイタルサインのところでも解釈の問題が非常に弱くて有意差が出ているということがありました。状況の判断をどのようにしていくのかという能力では、先生方が強調しているように、看護過程のような思考過程も必要でしょうし、また、観察したことを統合して、判断していく能力も必要ですし、それをどのように、通信教育の中で育成していくのかということが大きな課題で、臨床経験が10年でも、7年でも、5年でも構わないから、その能力が習得できるような教育を准看護師から看護師になるときはしていきたいというのが、看護界の思いではないかなと思っています。それを通信教育の中でどのようにできるのかというのは、まだ課題もあるのですが、課題を残しながらも、できるだけ判断ができる看護師を育成していきたいというのが、皆さんの合意ではないかと思います。
1つだけ、事務局に聞きたいのですが、先ほど、10日間の対面を増やすということは、臨地実習でもいいと言ったのですが、紙上事例演習とか、病院見学実習とか、対面授業、こういった中身、要するに、16単位にかわる、臨地における実習が720時間あるのが、通信の場合は、違う形になっているのか、この中身については、ここが検討するのですか、それとも、このままもういくということなのですか、そこを確認したいのですが。
○看護課長補佐 済みません、今の確認ですが、講義の19単位と、臨地実習の16単位の中身についてですか。
○中山分科会長 はい。
○看護課長補佐 ここについては、現段階では、このままで。
○中山分科会長 このままなのですね。教育方法についても紙上事例演習にするのか、病院見学実習とか、対面授業とか、これもこのままの形で置くということですか、それにプラスアルファーを10日したいということの発想なのでしょうか、そこだけちょっと確認させてください。
○看護課長補佐 このままの内容にプラスして10日間の対面による授業になっています。
○中山分科会長 わかりました。
どうぞ。
○島田委員 見学実習も意味がないわけではないと言いたかったのは、ベテランの人の背中や手を見ながら、学生は何を見て学んだのかということが大事です。記録にただ見学したと実習が終わるのではなくて、どう考えて、どんなエビデンスに基づいたケアだったのかどうか、なぜそのケアが効果があるのかということを考えさせて見学を終わらせるということに意味があるのだと思うのです。また、対面指導ができないかわりに遠隔授業があると思うのです。対象学生が40であれ、50であれ、これから電子カルテは完全に移行していきますし、そういう電子機器を自分で使いこなせていける看護師でないと、医療安全から見ても危ないと思うのです。教員と対面しなくても、学生は自宅にいながら、自分の職場にいながら、1つのビジュアル画面の中で、ベッドサイドケアの実践を、複数人、数カ所の学生たちが発言できて交換学習ができるのではないかと思うのです。
だから、遠隔授業等により学生たちのピア学習の交流ができれば、1人の教員が解説するより、もっと実践的な判断力の学びにつながるのではないかなと思いますので、そういう教材や環境整備をお願いしたいと思います。
○中山分科会長 わかりました。
多少難しいところがあるかなと思うのは、通信制のほうが1学年の学生数が多いのですね。100とか、逆に、進学コースのほうが40とか。そういうことからすると、通信制のほうが小グループにするのが難しい。それから、学生の住む地域もばらついているということで、先生が言うように、遠隔の機材を使えれば、多少できるのでしょうが、今の通信教育課程の中では、難しいのかなと思います。将来的には、遠隔の機器を使っての教育ということは考えられていくと思うのですが、この時点では、難しいかなという感じはしますね。
ほか何か御意見ございますか。
そうすると、先週の資料のところに出ている臨地実習16単位の考え方としまして、8領域、それぞれ各2単位を実習すると、これも変わりなしということですね。後ろについている65単位、看護師2年課程、ページ数がないのですが、現行の教育内容も変えない。ただ、教員体制、専任教員7人以上というところが1人増やしたいということですね。
○看護課長補佐 はい、そのとおりです。
○中山分科会長 わかりました。
カリキュラムの改正は、この時点では行わないと考えていいですね。このままの考え方ですね。
○看護課長補佐 はい。
○中山分科会長 どうぞ。
○坂本委員 しかし、それは、10日間は追加するのですね。
○看護課長補佐 はい、そのとおりです。
○坂本委員 この枠外でね。
○看護課長補佐 はい。
○中山分科会長 どうぞ。
○井部委員 この時点で言いにくいかと思いますけれども、カリキュラムの改正は、どちらの方向に改正される見通しでしょうか。
つまり、在宅実習のようなものを重視する方向に行くのかなと、地域とか、在宅とかという方向に、もう少しシフトするのかなと思いますけれども、いずれにしても、カリキュラムを改正するということは、現状のカリキュラムを改正しなければならない要因があると思いますので、そこは、どういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。
○看護課長補佐 今の看護師の基礎教育のカリキュラムについては、平成18年度に検討を行って、21年度から適用したものになっています。なので、検討した段階からは、もう既に10年が経過しているところです。
それで、2025年に向けて、ますます少子高齢化が進んで、医療提供体制が変化していく中で、今、在宅というふうに御指摘がありましたが、時代に対応した看護教育を見直していく必要があると考えておりますので、在宅を充実するというような方向性は、その方向性なのかなとは考えております。
○井部委員 ありがとうございました。
そうなりますと、そこをある程度見越してやっていく必要があるかと思います。私もカリキュラムの改正は必要だと思います。今のように、病院中心の考え方から、脱却をしていく時代に来ているなと思います。
○中山分科会長 どうぞ。
○釜萢委員 カリキュラム、看護基礎教育の教育内容のことの検討が、まだ、はっきり、いつからどうということは伺っていませんけれども、そういう方向が出てくるのだろうと思いますが、井部先生が、今、指摘されたように、社会の要請に応えて優れた看護師の養成がしっかり行われるということは、ぜひ必要で大賛成でありますが、過去のカリキュラムの改定を見てみると、レベルが上がってきたということは、そのとおりなのですけれども、行政に携わっておりましたものとしては、ますます難しくなって、なかなか行政のハードルが高くなってきたなという感じがあります。
それは、さらに優れた看護師を育てるということは、もちろん、大事なのだけれども、一方で、ある程度、看護師さんを同じようにきちんと育てて地域に出していかなければいけないという思いからすると、余りカリキュラムの変更が、ハードルが高くなってやりにくくならないようにはしていただきたいと思っております。
○中山分科会長 ありがとうございます。
これは、カリキュラム改正のほうに、議論を譲るといたしまして、今日のところで、ほかに追加したいことがございますでしょうか。
熊谷委員、どうぞ。
○熊谷委員 確認をさせてください。
先ほども出たことで、カリキュラムは、今回、改正をしないという中で、そうなると、さっきから出ております、実習のことなのですが、病院の見学実習も、このままするということで、それは、理解をしました。
ただ、課題があって充実させたほうがいいという意見があるので、例えば、そこを教員の先生の量的、質的確保というようなことになるのかなと思うのですが、やはり、やるのであれば、ここで、先ほども島田先生のほうから出たように、経験したことを、ちゃんと看護して概念化していくことが、すごく大事なことなので、そこを教員を確保するということで対応するのか、ガイドラインでもう少し見学実習の狙いとかを充実させるような方向が必要かなと、それは、思っています。
ただ、具体的には、➁を読むと、教員の増員は、対面による授業の充実のためと、目的はこうなっているのですが、ここのあたりについてはいかがでしょうか。私は、実習の充実というところに対しても教員の増員が必要だというふうに思うのです。
今、現実、先生は臨床に来られない、来ていらっしゃらないので、ぜひ、そこは対面による授業の充実や臨床実習のためというふうに入れていただきたいと考えます。いかがでしょうか。
○中山分科会長 この授業の中に実習も含まれていると考えていいのでしょうか。それとも、これは完全に講義、演習ということでしょうかということだと思いますが。
○看護課長 10日間の対面授業の増というのは、講義の部分であっても、通信制特有の臨時実習のどちらでも10日間を使っていただくということですので、それを充実させるために、教員の増が必要であると考えております。
例えば、見学実習ですと、1校当たり、100施設にお願いをして実施されておりますので、そういうところの調整、それから、見学実習の後、先ほどおっしゃった現場と思考を結びつける面接授業の充実にも、増員された先生たちとともに進めていただきたいと思っているところでございます。
○中山分科会長 井部委員、どうぞ。
○井部委員 その意味では、実習の指導教員を雇用して専任で置くというのは、非現実的だと、私は思います。100箇所もある実習施設に複数名実習指導に行くというのはできないと思います。ですから、受け入れ側の病院、多くは病院で実習するわけですので、病院側の協力を、盛り込んでもいいのではないかなと、この資料1を見て思いました。
○中山分科会長 まさに、病院側の協力体制でしたね。この教育に対する病院側の協力体制をもう少し強化するということですね。
○井部委員 はい。
○中山分科会長 それを努力目標としてはやってほしいということ。
○井部委員 「具体的には」の➀、➁、➂、➃ぐらいにつけたらいいのではないかと思います。
○中山分科会長 どうぞ。
○熊谷委員 今の話ですが、今の指定規則の中で、通信制の学生さんの実施を引き受ける実習病院というのは、実習病院として指定されているところとなっていますね。それで、中畑先生とか、当院とか、あと、市川先生のところもそうですが、そうなると、かなりの実習を引き受けている中で、これをやっていくというのは大変厳しいですので、通信制の実習については、もう少し要件を広げていただいて、実習病院をふやすというような考え方はないでしょうか。ちょっとすごく任務が重いなと思いました。
○中山分科会長 この点、看護課のほうは、どのように考えていますでしょうか。
○坂本委員 すみません、実習のところを、これだけの学校がある中で、病院がどういうふうにしようという姿勢は、具体的にどういうふうにするというのは、なかなか難しいし、学校の先生方が、ある程度コミュニケーションをとりながらつくっていく場もあると思いますので、余り具体的には書かないほうがいいのではないかなという気がするのですが、協力をするということは、もちろん書いてもらっていいのですけれども、広げていくということについては賛成ですけれども、こちらがどうして広げろというような具体的なことについては、ちょっと難しいのかなという気がします。
○中山分科会長 要するに、教育の充実のためには、臨地実習の協力体制をできる限り強化するぐらいでとどめるということでしょうか。それでないと、現実的ではなくなってしまう可能性のほうが高いということです。ただ、何も書かないというわけにはいかないので、臨地実習の協力体制を強化してほしいというのは、この教育の充実の中には盛り込むということでいかがでしょうか。
それよりも、教員が1増えることによって、思考過程を学び、フィジカルアセスメントをして、臨床判断ができるようになるとか、そういうことを盛り込んで、対面教育を充実させてほしいということになるかなと思うのですが、現実的過ぎますか。そのぐらいが、現実的にはできることかなという感じがするのですが。
どうぞ。
○市川委員 私も今、中山分科会長がおっしゃったように、多分、限られた中での優先順位をつける中では、対面授業の充実というのを出していったほうがいいかなと思うのですね。
それから、私も見学実習に関しては、全く触れないというのもどうかなというところはあるのですけれども、余りそこを触れてしまうと、返って実習を受ける病院側を尻込みさせてしまう現実はあるのだろうと思います。今もかなり頑張って実習を受けていらっしゃる病院のほうが多いのだろうと思うのです。
ただ、そこで1つ入れるのは、やはり、見学実習の中でも、基本的なところの、例えばなのですけれども、バイタルサインでも、その根拠を考えるとか、何かそこに少し入れないと、多分、准看護師として働いている皆さんは、一つ一つの行為の実施をするのはオーケーなのですけれども、それ以上のことは考えていないので、非常に准看護師と看護師が働いている現場にかかわる教育の者から見ると、そこを考えるということは、ほとんどない、仕事の仕方を身につけた人たちに、そこを1つ論理的に統合させていくのは大変な努力が必要だというのをよく聞きますので、私も皆さんがおっしゃった意見に賛成です。
○中山分科会長 だから、広げるよりは、一つ一つを丁寧にやるということのほうが、今、必要なのかもしれないという感じはしてきました。だから、余り広げる部分はいじらないで、深める部分のところを補強するということのほうがいいかなという感じがしないではないです。
どうぞ。
○坂本委員 7年にするということになって、あと、見直しを検討するのでしょうけれども、そうすると、多くのことを追加していくのだと思いますが、私は先生方は、すごくやられていると思うのです。
そういう意味からすると、7年で様子を見るということにおいては、10日追加して、そして見ていただくということで十分ではないかと思います。
余りいろんなことを、今度、カリキュラムの話し合いの後、また、いろいろ考えることがあったとしても、今、ここの状況の中で、少し短縮しながら状況を見ましょうというときに、余りたくさんのことは盛り込まないほうがいいと思います。
○中山分科会長 ほかにございますが、今、盛り込む内容を坂本委員に整理してもらったのですが、緩和措置の7年、言ってみれば、7年以上に短縮するということと、それから、対面での授業を10日追加する。教員の定数は、10人で増やす。これを実施する時期、施行の時期は、平成30年4月1日で2年の猶予を持たせる。
それから、一番下のところの2年課程の入学ということについては、入学する学生の動向とか、今後の看護師学校養成所の教育内容の見直し、カリキュラム改正の状況等を考えて、就業年数5年というのが、議論に出ていましたが、このことも含めて検討した結果、7年以上とし、この緩和措置をした後、多分3年ぐらいで、カリキュラム改正の時期とほぼ一致するので、そのときに、もう一度見直しを行うということが、入学要件の見直しの資料1のところから押さえておかなければいけないこととして出ているのですが、これでよろしいですか。それに追加するとすれば、今、非常に困難になっている臨地実習の病院見学実習については、もう少し充実させるためにも臨床側の協力をお願いする、臨地実習体制の強化には努力してほしいということを加えるということぐらいかと思います。
看護課にお願いしたいのは、教員を増やすということに関しては、教員の、新たな教育方法の開発、教員の教育力を上げるような研修を充実することによって、改正したことがより充実する方向に持っていける体制をつくってもらいたいと、このぐらいが、出てきたことかと思うのですが、これにまだ加えることはありますでしょうか。
井部委員、どうぞ。
○井部委員 インタビュー調査をしたときに、教員の何人かが「これは移行教育ではないのか」おっしゃっていました。准看護師の移行教育の一環であると認識している人たちが結構いましたので、配ってくださった資料の中では、平成11年4月に准看護師の移行教育に関する検討会報告書が出され、これは、実施されずとなっているので、通信制の課程は継続するという理解でよろしいのでしょうか。どうも通信制課程の教員との認識のそごが多少あるように、私は思いました。そこははっきりしておいたほうがいいのではないかと思います。
○中山分科会長 私も受けている方々が、みんな自分が移行教育を受けている、病院の方々も移行教育に出しているという形で、移行教育なので、私も分科会長ですけれども、移行教育の平成11年のことと、平成15年のことが混同しておりました。そこは明確に記録として残しておいていただきたいと思いますので、この平成15年3月を受けてということだと、今、井部委員が言ったように、移行教育ではないという位置づけでいいのでしょうかということですが、そのことについてお答えいただいたほうがいいかと思います。
○看護課長 前回資料の資料2の4ページにございます。通信制創設までの経緯の説明資料の左下にございます、平成11年4月の准看護師の移行教育に関する検討会で言われた移行教育と、現在、行っております、2年課程通信制は同じではございません。ですので、ここで言う移行教育とは違うということを御理解いただきたいと思います。
○中山分科会長 要するに、教育方法として通信教育を新たに加えたという形で、位置づけとしてはいいということですね。
○看護課長 はい。
○中山分科会長 今まで、全日制、昼間通うのと、それから、夜間があって、それに通信制の教育を加えたのが平成15年3月の改正だったと位置づけているということですね。
井部委員、それでよろしいでしょうか。
○井部委員 はい。
○中山分科会長 どうぞ。
○釜萢委員 そのように認識をしております。
ですから、ちょっと紛らわしいのは、11年4月のときに、時限措置として実施されたのですね。ということになっていたのですね。でも、実施はされなかったのです。
したがって、通信制の制度が、平成16年から始まって、そんなに未来永劫続くというふうには思っていなかったというか、そんな認識ではなかったと思うのですけれども、だから、早く看護師になれる人たちに、いろいろなルートをつくってあげようということで、ある時期には、しっかりとした通信でない方向で、看護師を養成するほうがいいというコンセンサスもあったのではないかと思うのですけれども、現状としては、この制度については、今、2年課程で資格を取っている人の3分の1ぐらいが、この通信で資格を取っているわけですから、このまま続くというふうに、私は認識しておりますけれども、いかがでしょうか。
○中山分科会長 それで、特に問題ございませんかね。
では、平成15年ということで、通信制の教育というのは移行措置ではないということで位置づけていいということです。
ほかに何かございますか。
井部委員、どうぞ。
○井部委員 今回の調査は、業務経験を何年にしたらよいかという調査なのですけれども、准看護師の人たちは、まず、一番多かったのが、5年が適切だというのが32.6%、(n=2,208)次いで9年が32.3%、その次が7年というのが12.1%でした。
先ほども御意見がありましたけれども、5年というのは、その調査の直前に新聞報道されたので影響があったと思いますけれども、業務経験年数は短い回答ではということでした。
○中山分科会長 そういう意味では、9年と7年を合わすと、50%近くなるということですね。
○井部委員 そうです。
それで、教員はどういうふうに回答しているかといいますと、5年というのが一番多かったのですね。それも、先ほどのマスコミの影響を受けていると思いますけれども、5年が48.3%、(n=116人)で約半数、次いで7年が15.5%、それから、8年が14.7%、9年が11.2%ということで、業務経験年数は、短い年数の回答は少なかった。業務経験はなくてもよいと回答したのは1.7%です。
○中山分科会長 ありがとうございました。
その7年にした根拠はと言われると、この検討会としても弱いのですけれども、規制緩和の要請が来ていますので、緩和措置として短縮をするということで7年、それも3年ぐらいをめどに抜本的なカリキュラム改正の時期もにらんで、検討し直すということでいければと思っておりますが、それでよろしいでしょうか。
どうぞ。
○坂本委員 今、釜萢先生から説明いただいた移行教育であるのか、ないのかというところなのですが、釜萢先生から説明していただいたので、ある程度は理解するのですけれども、平成6年の養成所検討報告書が出て、そして、申請がなくて、そして、11年に准看護師の移行教育に関する検討会報告書が出て、実施されずにいて、そして、15年にこういうふうにしようということになった、この根拠は何ですか。
○中山分科会長 私も全然わかっていないのですが、看護課、この経緯はわかりますか。
○看護課長 平成6年の報告書を受けて、8年に指導要領等を変えたのですが、5年経過しても養成所で手挙げするところがなかったという中で、看護協会の通常総会で、2年課程の通信教育制を弾力的に運用して実施することで、新たな対策を見出すことなどを提案するということを決定され、それを私どもに要望いただきましたので、いわゆる臨地実習の部分を、現行のように見直しをして、指定規則も10年以上という形に直して、16年から実施したということでございます。
○坂本委員 その意味は、移行という概念が入っていたのではないでしょうか。
○看護課長 准看護師から看護師への移行というのはあったかと思いますけれども、この資料の下にある移行教育の意味合いではなかったと理解しております。
○中山分科会長 それで、5年という時限もつけなかったのですね。
○看護課長 つけておりません。
○中山分科会長 大体まとまったと思いますが、これでよろしいですか。
もう一度読み上げる必要はありますか、いいですか、先ほどの記録をしていただけましたか。
○看護課長補佐 はい。
○中山分科会長 それでは、ありがとうございました。
資料1の看護学校養成所2年課程通信の入学要件の見直しについては、この案で取りまとめをいたしたいと思います。
本当に、忌憚のない御意見をいただきましてありがとうございました。
まだまだ問題は多いかと思いますが、皆さんからもあったように、現実的に一歩一歩進めていくよりほかに、今、手立てはございませんので、少しでも充実させながら、前進できていけばと思っています。
多分、2025年を超えたところで、需要と供給の見通しの問題も含めてどうするかという抜本的な問題を検討しなければいけない時期が来ると思います。当面2025年に向けてどのように質の高い看護師が就労し続け、これを乗り切るかということが、私たちの課題でもあります。2年課程を、通信制の入学要件を見直すことによって、少しでも意欲のある准看護師の学ぶ機会が増えればいいなと思っております。本当に検討ありがとうございました。
では、私のほうは、これで終わります。事務局に、マイクを返したいと思います。
○看護課長補佐 ありがとうございます。
2回にわたり御議論いただき、ありがとうございました。
今後のスケジュールについて御説明いたします。
本日、取りまとめていただいた改正事項についてですが、就業経験年数と教員数については、省令改正事項になりますので、国民の皆様から御意見をいただくパブリックコメントという手続をいたします。
それを受けまして、その後、平成27年度内に省令改正の交付をいたします。そして、先ほど取りまとめていただきましたように、就業経験年数の短縮と教員定数の増員については、平成30年の4月施行ということで予定しております。
○中山分科会長 1つだけいいですか。パブリックコメントを出す段階で、委員にもどういう形で取りまとめたかをお知らせできると考えてよろしいですかね。パブリックコメントにどんな形で出されるのかというのを、自分で調べなくても、知らせてもらえるということでいいですかね。
○看護課長補佐 はい。
○中山分科会長 わかりました。一応、パブリックコメントのときに、どのような取りまとめになったのかということをお知らせすることになるかと思います。
○看護課長補佐 最後に医政局長から御挨拶申し上げます。
○医政局長 委員の皆様方には、2週間にわたりまして、分科会におきまして、熱心に御議論賜りましたことに、心から御礼を申し上げたいと思います。
看護師の2年課程通信制の入学要件でございます。就業経験年数の短縮ということとあわせまして、質を確保するための教育の充実ということについて、一定の方向性を出していただきまして、まことにありがとうございます。
先ほど事務局のほうから、申し上げましたように、今後、施行に向けまして、まずは法令の改正ということで、パブリックコメント、省令改正等の手続を進めて、円滑な施行に努力してまいりたいと考えておりますので、引き続き、御指導賜りますように、よろしくお願い申し上げます。
まことにありがとうございました。
○中山分科会長 ありがとうございました。
もう一遍、事務局に確認、きょうは、資料を持って帰っていいのですね。
○看護課長補佐 はい。
○中山分科会長 お持ち帰りいただいていいかと思います。
それでは、きょうの医道審議会保健師助産師看護師分科会を、これで終了いたしたいと思います。どうもありがとうございました。
<照会先>
厚生労働省医政局看護課
看護教育指導官 佐山 理絵(内線:2595)
看護教育係長 勝又 明子(内線:2595)
代表番号: | 03-5253-1111 |
直通番号: | 03-3595-2206 |
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