ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会)> 新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会(第5回)(2016年3月10日)




2016年3月10日 新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会(第5回)

○日時

平成28年3月10日(木) 16:00~18:00


○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)


○出席者

委員

松原委員 秋山委員 泉谷委員 磯谷委員
井上委員 岩佐委員 岡井委員 奥山委員
加賀美委員 木ノ内委員 草間委員 笹井委員
塩田委員 菅野委員 辰田委員 中板委員
西澤委員 浜田委員 平井委員 平田委員
藤林委員 卜蔵委員 星委員 松本委員
武藤委員 山田委員

オブザーバー

法務省
警察庁

厚生労働省

とかしき副大臣 香取雇用均等・児童家庭局長
吉本大臣官房審議官(雇用均等・児童家庭局、少子化対策担当) 濱谷大臣官房審議官
横幕総務課長 源河総務課調査官
大隈家庭福祉課長 一瀬母子保健課長
竹内子ども家庭福祉推進官 田村虐待防止対策室長
大津総務課長補佐 小松虐待防止対策室長補佐
芦田虐待防止対策室長補佐

○議題

(1)報告案について
(2)その他

○議事

○小松室長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第5回「新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会」を開催いたします。委員の皆様にはお忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

  本日、加藤委員、作本委員、佐藤委員、藤川委員、藤平委員より、御欠席の御連絡をいただいております。また山田委員におかれましては、途中の退席との御連絡をいただいております。

  カメラの撮影は一旦ここまでとさせていただきます。なお、本日、御議論の後、とかしき厚生労働副大臣から御挨拶させていただく予定です。その際は、改めて撮影可とさせていただきます。カメラの方々はここまでとさせていただきます。
                                               (報道関係者退室)
○小松室長補佐 初めに、委員会の運営に当たり、委員の皆様へお願いがございます。

  視覚・聴覚障害をお持ちの方などへの情報保障の観点から、御発言等をされる場合には、発言者は挙手をする。挙手をした発言者に対し、委員長から指名する。指名を受けた発言者は氏名を名乗ってから発言するとしたいと考えておりますので、御協力をお願いします。

   最初に、資料の確認をさせていただきます。

   配付資料は、本日の座席表、議事次第、報告案、委員の机上には、一億総活躍対策に関する資料等を参考に置かせていただいております。資料の欠落等がございましたら、事務局までお申しつけください。

  なお、本専門委員会は公開で開催し、資料及び議事録も公開とすることにしておりますので、よろしくお願いいたします。

   それでは、この先の議事につきましては、松原委員長にお願いいたします。
○松原委員長 お忙しい中、御参画いただきまして、感謝をいたします。
  久しぶりの専門委員会になりますが、少しこの間の経緯を整理させていただきたいと思います。この委員会は、子どもを取り巻く社会の変容、そして、子育て家庭を取り巻く状況のさまざまな課題、そういったものに対応するために、新たな子ども家庭福祉のあり方について包括的に検討すること等を目的として設置されました。昨年9月7日の第1回委員会では、皆様方に御議論を重ねていただき、お考えを取りまとめいただいて、次期通常国会にしかるべき法案を提案できればと考えていると塩崎厚生労働大臣より直接の御挨拶がございました。このお話を受けて、実際にかなり詰めた作業をお願いしてきました。特に奥山委員と松本委員におかれましては、ワーキンググループの座長をお務めいただき、非常にお手伝いをしていただいたことを感謝しております。
   法改正について、通常国会を目指すという大臣の意向を踏まえまして、前回は12月10日になります。この委員会で最終報告案については大臣と調整させていただいた上で、改めて皆様にお諮りをいたしたいというように私の方でまとめさせていただきました。実際に打ち合わせ等に入らせていただいたのですが、年末であり、そして、年が明けましてからは、国会会期中ということで、なかなかまとまった時間を取ることができませんでした。そういった経緯の中で、12月10日から数えますとほぼ3カ月の期間が空きましたことについてはお許しをいただきたいと思います。
   ようやく案をまとめることができましたので、本日お示しする報告案、これは後ほど事務局より御説明をいただきたいと思いますが、子ども家庭福祉の体系の再構築が急務であるという強い問題意識のもとに、ワーキンググループ等を含めて、短い期間の中に13回にわたる御議論をいただきました。あるいは参考人からの御意見をいただきました。こういったものを踏まえて、やはり子どもの最善の利益を最優先として、これは大きなところだと思います。理念、国、都道府県、市区町村の役割に加えて、制度の全体像及びそれぞれの方向について、この報告書の中で取りまとめていくことが一定程度できたのではないかと考えております。
   本日は、この報告案について御意見を伺い、委員会として取りまとめたいと考えております。冒頭申し上げましたように、大臣の思い、我々の思いは、この専門委員会の報告というものを出しっ放しにするのではなくて、現実的な法改正というところに結びつけたい。そのことを考えますと、少し時間がかかったということについては御批判を受けるとしても、できれば本日、取りまとめをきちっとしていく中で実際の法案提出に結びつけていくような日程も確保したいと思いますので、皆様方の御協力をよろしくお願いしたいと思います。
   それでは、実際の議事に入りまして、本日は報告案についてという議事が1つ、その後は残りその他ということになっておりますので、まず事務局の方から報告案の説明をいただきたいと思います。
○横幕総務課長 総務課長でございます。
  お手元に報告案をお配りしておりますので、これについて御説明をさせていただきたいと思います。
   今、委員長からお話がございましたとおり、前回12月10日でありましたけれども、委員長から御指示をいただきまして、私ども大臣と相談させていただきながら作業を進めてまいりました。その過程で、これも今お話がございましたとおり、委員長と御相談を重ねながら作業をさせていただいたものです。
   その作業の考え方をこれから御紹介したいと思いますけれども、前回が12月10日でございましたが、そのもう一つ前が11月27日の会議でありましたけれども、そのときにこの委員会の報告のたたき台という形でペーパーが出されておりましたので、これを1つのベースとして整理するというようにしております。
   まず、1つですけれども、今回は私ども、この委員会の皆様方から今後の施策のあり方全体についての方向を示していただくということをお願いしております。法律、制度、それらの運用、予算を含めた事業など、施策のあり方全般についての今後の方向ということでお願いしております。
   他方、これまで御議論いただいていたところから出てきた11月27日のたたき台の中では、1つ具体的な条文のイメージというのがあちらこちらに入っておりましたけれども、いわば今後の方向性を示していただいた上で、具体的な条文に落とす作業、これは示された方向に基づいて私ども事務局の方で整理させていただくのが私どもの職務だと思っておりますし、現に内閣法制局等と相談をさせていただきながら条文化をしていくということになりますので、そういった具体的な条文のイメージといったところは本日お配りしているペーパーの中からは落としてございます。
   もう一つ、項目ごとにロードマップが記載されているところが多くございました。今回はさらに検討を要する課題というように整理されているところが幾つかございますので、そういったところに絞って本文に溶け込ませるという形で、わざわざロードマップという表記をつけることなく、本文に検討を要する課題については溶け込ませるといった方針で作業しております。
   全体といたしましては、これまで、これも委員長から今お話がございましたとおり、議論をずっと重ねていただきましたので、それらから出てきていた今後の施策に関する方向、趣旨、そういうものを変えることがないようにする。その上で、分かりやすくする。全体として整合のとれたものにするといった観点から、11月27日のたたき台をベースとして構成、表現を改めて整理をさせていただいております。
   その際に踏まえましたこととして、1つには、11月27日の後、12月10日の委員会を含めまして、委員の皆様からいただいた御意見、関係者、関係団体からいただいた御意見を踏まえるというのが1つ。
   もう一つ、関連する法令が非常に多くございますけれども、そういった法令全体との整合性あるいは非常に多くの施策と関連しますが、そういった関連施策とのバランス、これらを踏まえることとしております。また、いろいろな方向をいただく中で、今後そういったものを具体化していくわけですけれども、その具体化のために必要と考えられる条件でありますとか環境、こういったものも念頭に置く。さらに、この委員会でこれまで議論をいただいたわけですけれども、さまざまな御意見がありましたので、必要と思われる場合には少数意見を盛り込んだところもございます。
   これらを通じまして全体として眺めましたときに、一部あるいは抽象的に過ぎるのではないか、あるいは具体的に過ぎるのではないかといった部分もございましたので、表現の面で調整をさせていただいたところもございます。
   最初と最後に「はじめに」と「おわりに」という部分がございましたが、これは委員長の方から御指示をいただいてつけ加えてございます。
   こういった考え方のもとで作業させていただいたものが、本日お配りをしている報告案ということでございまして、大臣と相談して、委員長とも相談をさせていただいて、お配りをさせていただいております。
   本日お配りしているものは、あらかじめ委員の皆様には事前にお目通しをいただいているものでありますので、具体的な変更点はかなり微細にわたるところもございますので、以上、考え方を御報告するということで事務局からの御説明とさせていただきたいと思います。
○松原委員長 ありがとうございました。
   中身については、今お話がありましたように、私の方と大臣との間に立って事務局はいろいろ調整をしていただきましたし、最終的には各委員の方々の御意見も一度お配りをして反映できるような形をとりましたので、もう最初からこの項目についてどうという形で全員の方にお話を伺うということはいたしませんので、既に皆様方お目通しという前提で、どこの箇所からでも結構です。また、こうやってまとめて見て、あえてお気づきの点があれば御指摘をいただき、私の方でそこは勘案をさせていただいて、議事録で残す部分、あるいは報告書に反映する部分のことについては、また皆様に御相談をし、確認をしたいと思います。どなたからでも結構です。御発言をお願いいたします。
   では、山田委員は先に出られるということですので、山田委員、お願いします。
○山田委員 とても細かいことなのですけれども、3ページ目の「(3)国・都道府県・市区町村の責任と役割の明確化」の2行目ですが、「子どもは能力が未成熟である場合があり」の「能力」という表現は適切ではないのではないかと思うのです。例えば発達が未成熟であるとか、そうしないと誤解を招く表現なのではないかと思いました。
○松原委員長 (3)の2行目ですね。ありがとうございます。
   例えば発達途上にありとか、そういう表現の方がよろしいという御提案ですね。
○山田委員 そうです。
○松原委員長 確かに「能力が未成熟」というとね。分かりました。御提案を入れさせていただきたいと思います。事務局の方で、それでは、私、口頭で申し上げます。「対象である子どもは発達途上であり」としましょうか。
   それでは、武藤委員、手を挙げてらっしゃいました。どうぞ。
○武藤委員 武藤です。
   まず、7ページの「6.支援の対象年齢」のところであります。
   ここには文章的には、今回の改革においては「少なくとも現行制度の下で成人年齢に達する20歳未満を支援の対象とすべきである」。この支援の対象ということと法律明記の問題があるのではないかと思います。いずれにしろ、20歳までの子どもたち、その後にも出てきますけれども、少なくとも大学等々に行く子どもたちや自立支援が必要な子どもたちは、22歳ぐらいまでは必要だろうということで明記したのですが、他の法律との関係が多分あるのではないかと思いますが、児童福祉法の中にも、できればしっかりと法律の中にも年齢要件の拡大、拡充の問題、それを位置づけるべきなのではないか。これは意見になります。
○松原委員長 ありがとうございます。
   ここは随分、この専門委員会でも議論をしたところだと思います。武藤委員御指摘のような見解のもとに整理をしてきましたが、支援を必要とする子どもはいると思いますし、その先のいわゆる成人期への支援施策の橋渡しも重要なところですので、御意見として議事録に残させていただきたいと思います。大切な点だと思います。
   他にいかがでしょうか。
   松本委員、どうぞ。
○松本委員 1つは、これは後で松原委員長からもう少し詳しい御説明をというように思いますけれども、今回の報告案、たたき台のところの一つの特徴は、先ほど総務課長さんからも御説明がありましたけれども、ロードマップを入れていた点だと思うのです。それを今回の整理の中で溶け込ませたという形になっています。かなりこれは報告書の作り方の大きな変更だと考えているのです。
   この点、私はむしろロードマップというようにしてきちんと分けて書いておいた方が今回の報告書の特徴が出るのではないかと考えて、12月まではそういう心づもりで議論しておりましたので、ここをどういうようにお考えかということは御説明いただければ。これと合わせて、これはこの委員会の本日の最後のところで確認すべきことかもしれませんけれども、今後どういうように進めていくのかということの具体的な例えば委員会なりワーキンググループなり、何かそういうこと継続ということはお考えかどうかということです。これは最後のところになるかと思います。これが1点であります。
○松原委員長 すみません、1点ずつ答えた方がよろしいかと思います。非常に今のは大きな問題ですので。
   確かに我々幹事会でも委員会でも、いきなり制度をぽんと作って提示をしてしまうと、例えば基礎自治体であれ、施設であれ、準備ができないので、大体何年間ぐらいに何をやって何を実現していくのかということを明示した方が現場にとっても分かりやすいし、そして、実現をしていきやすいのではないかと考えてロードマップを作ったと思います。
   ただ、事務局と御相談する中で、これなら一定の期間の中に実現できそうだということが見えてきましたし、報告書の一番後ろのところに、これはたたき台のところでもそうでしたけれども、一応の進捗の目安というか、こういう順番でやってほしいということは示していますので、むしろ今すぐやるべきことというのはかなり見えてきたのかなというように思っておりますので、その点でロードマップとさせていただきました。
   今後ということでは、私、冒頭に申し上げましたように、これは非常に私としては1997年、2004年に次ぐ、法律的には大きな改正になると思います。ただ、これでおしまいということではなくて、まだ未着手の課題もありますし、これをどう充実していくかということについては、社会的な関心を常に向けていかなければいけないのだろうと思っています。したがって、これは厚生労働省の方でどうお答えになるかはまた厚生労働省のお考えがあるかもしれませんが、委員長としては構成メンバーをどうするかは置きまして、この全体の施策の進捗状況とか、新たな課題について議論をするような組織は継続的に続けていくべきではないかなと思っております。
   2点目、どうですか。
○松本委員 分かりました。
   2点目です。これは中の文言に関わるのですけれども、特に10~11ページで「2)新たな子ども家庭福祉に関する見直しの要点」というところの後、11ページの「(3)通所・在宅支援の積極的実施」とあります。これはたしか第2ワーキンググループのところで中心的な話題になっていたことの一つであります。このところは通常、在宅措置の創設というようにたしかなっていました。こういうように支援というよりはもう少し公的な枠組み、制度的な枠組みを生かしているような制度を新たに作るべきではないかというような観点で議論がなされてきたと考えております。あるいはワーキングの取りまとめ等、あるいは報告書のたたき台等でも、そういう観点でここでの合意があったと考えております。
   少し後退しているような印象を受けるわけですけれども、これはむしろ措置の創設、そういう意見もあったとは書いてあるのですが、もう少し前に出しても良いのではないか。いろいろな御判断があってのことかと思いますけれども、専門委員会としてはそういうところでの一定の合意があったというように考えますと、もう少し前に出して良いのではないかと思っております。
○松原委員長 専門委員会での御議論は私も確認をしたいと思います。ただ、措置という言葉にいろいろな含意がありますので、かえって施策を狭めてしまうのではないかという懸念もありましたので、より幅広にさまざまな施策が実施できるような形で、この積極的実施という言葉を使わせていただきました。ですから、松本委員がおっしゃるような意味での専門委員会のお考えというのは、この言葉でむしろ積極的に表現させていただいたということで御理解いただければと思います。
○松本委員 では、3点目ということで、よろしいですか。「おわりに」のところであります。
   たしか私、12月10日の前回の委員会の最後のところで、本当は議論できなかったことというようにしてもう少し終わりのところで盛り込むべきだというように申し上げました。その一つが当事者観点、当事者参加の問題であります。もう一つが貧困対策や精神保健等というように発言しました。それは入れていただいているのだと思います。感謝いたします。
   ここで「貧困対策や精神保健施策等」とありますけれども、他にも例えば障害児者福祉も大変大きな問題、関連領域のような気がいたしますので、例えば障害児者福祉というようなことも並べるということはいかがかということは御検討いただければ。精神保健だけが先に前に出てしまうというよりも障害者福祉ということも並べる、あるいは保育施策、保育一般ということも含めて、少し広くとっておくということは御検討いただければ。これは意見です。
○松原委員長 ありがとうございます。
   まさにこの委員会は新たな子ども家庭福祉のあり方ですから、そう狭めたものではないと思っています。そして、保育のことについては、少し本文の中に書いているかと思うのですけれども、障害児者福祉ということについては、なかなか議論をしてこなかった部分ですので、御指摘ですので、もし他の委員の方々からの反対がなければ、確かにこのことも大きな問題ですので、課題ですので、文言を入れさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
   では、他の委員の方、いかがでしょうか。
   菅野委員、お願いします。
○菅野委員 何点かありますけれども、まず1つずつという形で発言させていただきます。
   17ページのところ、(8)の少し手前の部分、4行です。ここは一時保護所のありように関して、多様な問題を抱えるに至ったのはというように書かれている部分です。ここのところで、今のような一時保護所の状況というのは第三者評価がないからというようにここでは読めるのです。一時保護所というのは歴史があって、例えば行政改革が進んだ時代は、各児童相談所に一時保護所があったものを統合化して1カ所集中管理したりというような歴史もあるのです。今のようなシェルター機能を優先したような一時保護所として設計されていない一時保護所もたくさんあります。そんないろいろな歴史を経過しているので、第三者評価が入っていないからこの状態なのだという書きぶりに関しては再考を願いたいし、この第三者評価に関しては「(9)子ども家庭福祉に関する評価制度の構築」というところがあると思うのです。そちらの方に一時保護所のことを触れていただいた方が良いのではないかなというように思います。
   以上です。
○松原委員長 分かりました。
   別に私も第三者評価を入れればそれで良いとは思っておりませんし、どうしましょうか。事務局の方で何か代案はありますか。
○菅野委員 第三者評価自体は必要だと思いますので、それに反対するわけではなくて。
○横幕総務課長 20ページから21ページにかけて評価制度の構築というものがございますので、今の御意見を踏まえると、例えば17ページの最後の4行のところを(9)と一緒にするような形で考えてみるということもあろうかと思います。
○松原委員長 そうさせていただきます。
   そのことに関連してでしょうか。どうぞ。
○奥山委員 私は反対です。やはり一時保護所のところにきちんと第三者評価が必要ですということを入れてほしい。それによってこうなった一因ですと書いてあるので、多数ある中の一因と考えれば良いのかなと思ってそのまま放っておいたのですけれども、ただ、一因かどうかは別として、ここに第三者評価が必要だということは入れるべきだと私は思います。
○松原委員長 分かりました。
   どうぞ。
○菅野委員 別に残されることに関しては構いません。ただ、この書きぶりだと本当に第三者評価は最近始まったことなので、いろいろな歴史を経ている中で今、一時保護所はすごく大変な状況になっているし、これから改善のためにはもちろん第三者評価というのは必要になるし、標準化していくという意味ですごく大事なことだと思いますので、削除してくださいということではなくて、原因がそこだけのように読めるところだけ直していただければ結構ですので。
○松原委員長 折衷案をとらせていただいて、17ページのところは「ことから」までのところを削除して、もうフラットに一時保護所等への第三者機関による評価の仕組みを構築するべきであると表現させていただいて、また後ろの方に、今、事務局が言った部分は移していただくということで整理したいと思います。2回出てくることになります。
   それで、菅野委員、2点目があるのですね。
○菅野委員 今、一番のポイントはそこだったのです。それと「(7)児童相談所の強化のための機能分化」の中の「(ウ)支援のマネージメント機能の強化」というところがあると思います。全体を通してですが、基本的に児童相談所、措置に伴う事例のマネージメントは児相業務となるのかなと考えるのですけれども、在宅支援事例、市町村が支援を提供する虐待及び非行事例の進捗管理のところで、何となくそこにも児童相談所が口出しをするというようなイメージで読めてしまったのです。そこの部分に関しては、そこまでは不要なのではないかなという。ずっと在宅支援で基礎自治体が中心にやられているところのマネージメントに関しては、そちらの方でやってもらった方が良いのではないかなというように考えました。具体的な文言がどうのこうのということではなくて、感覚的なところです。申し訳ないです。
○松原委員長 趣旨としては、児童相談所が親子分離したケースについては、きちっと児童相談所が関わり続けてくださいということですので、そう御理解いただければと思います。
○西澤委員 私の理解は全然違っていて、要は児童相談所、市町村という上下関係を何とか崩したいという思いがあってのこれの文章だと思うので、だから、支援マネージメントを市町村が実際やるのだけれども、各市町村で行っている進捗状況を児相と対等な関係の機関、組織を創設して、そこがバックアップするという意味合いだったと私は理解していますが、違いますか。
○菅野委員 ごめんなさい。では、私の読み間違えなのかもしれません。児童相談所の強化のための機能分化のところで、児童相談所がそれをやるのではなくて、別にちゃんと機関を設定するという意味ですね。
○奥山委員 奥山です。
   ここが多分言葉足らずのところがあるのかなと思っています。これは恐らく児童相談所が分離もそうですけれども、分離以外でも在宅として児童福祉司指導をかけなければならないなど、そういう措置をするようなケースに関して、支援そのものは市町村がやるのだけれども、マネージメントを児相がという考え方だったと記憶しています。
○松原委員長 どうぞ。
○西澤委員 西澤です。
   それは機関を分離するのか、機能を分離するのかはそれぞれまだ今後検討の余地はあるけれども、別組織にするという話ではなかったのですか。児童相談所がやるという話でしたか。
○奥山委員 児童相談所を分割したとしたら、支援マネージメント機関がやるという意味です。
○西澤委員 だから、そこを児相と言うとまた分からないようになるのです。だから、そこは分離機能、機関分離で行っていくという話ですね。
○奥山委員 ここのところに市町村が支援を提供するということでぼんと書かれているので、多分今の児相にしても、分離の措置をしたケースという感じではなくて、市町村が最初から入ったケースに関しても児相が口を出すのではないかというように誤解されたのではないかという意見です。
○西澤委員 了解しました。
○松原委員長 ということで大丈夫ですね。ありがとうございます。
   もう一点ありますか。
○菅野委員 あとは雑感みたいな感じになってしまうので、個々の文言にならないので、またそういう機会があればお話しさせていただきます。
○松原委員長 本日は副大臣がお見えになるということもあって、そう時間は延長できませんので、先に報告書の中身についての御指摘、御意見を受けたいと思います。
   他にありますか。
   西澤委員、どうぞ。
○西澤委員 若干確認とか文言のこととか、いろいろ強弱があるのですが、1つは先ほどの武藤委員の質問というか発言にも関連するのですが、22歳までの継続者支援を可能にする枠組みを整備する必要があるという27ページの下から数行目の「このため」からですが、これは確認です。「里親委託等の措置を受けていた者について」という表現になっているので、これには例えば児童養護施設であるとか、そういったところのいわゆる社会的養護の支援を受けている子どもたちがこの「等」の中に含まれるというように理解してよろしいでしょうか。
○松原委員長 それで結構だと思います。
○西澤委員 それと、もう一つ、これは全体を通じてなのですが、先ほどロードマップの話がありましたが、ここは本当に長期的な展望を持ってやらなければいけない施策であるとか、制度設計であるとかがいろいろ混じっていると思うので、先ほどは委員長の見解として、今後、そういった進捗状況をしっかりと見ていくような組織なり何なりを作っていくことについて、厚労省としては、今後の計画、こういったある意味長期的なビジョン、中長期のビジョンを出していただいたと思うので、これを実際に実行していくための計画が今のところどのようにお考えかを最後のところで結構ですのでお聞かせいただければと思います。
   もう一つは、本当にしようもない文言、すみません、私は日本語にこだわりが強いもので、8ページの上から数行目のところで「18歳(措置延長の場合は20歳)到達後も、少なくとも22歳の年度末まで」という表現は、日本語としてはいかがなものかと。22歳に達した年度末までとか、22歳の年度末という概念はないような気がするので、これは言葉の調整をお願いしたいと思います。
   尻馬に乗って、先ほど松本委員の方から、障害児者福祉というのも並列して書くべきだというようにおっしゃっていましたので、私もそれはもっともだと思っておりますので、この報告書とは関係ないのですが、社会的養護等の調査に障害児施設の子どもたちのことも入れていただきたいなと。あれは全然入っていませんので、それをお願いしたいと思います。すみません、尻馬に乗りました。
   以上です。
○松原委員長 ありがとうございます。
   それでは、少しお待ちください。1つ、事務局に質問が出ておりますので、西澤委員、後でということですので、後でやりますか、今、答えますか。
○横幕総務課長 本日はまず御報告、この御意見について取りまとめていただきたいというのが最大の私どもの願いでありますけれども、御意見をいただいたら、まずはできる限り速やかに、この御意見の中で最大限法案として提出させていただく。そして、それを成立できるようにできる限り努力していく。これがまず第一番のことだというように思います。
   その上で、いただいている御意見の中では、法律の事項以外のこともございます。いろいろな事業面のこともございますし、今回の法律の先の課題も幾つかいただいていますので、それについてはこれからいただく御意見も踏まえて、どうやって進めていくかというのを皆さんの御意見を伺いながら検討させていただきたいと思います。
○松原委員長 それでは、平井委員、どうぞ。
○平井委員 すみません、今、西澤委員と、最初に武藤委員からも年齢の問題がございました。私も関連してといいますか、確認なのですけれども、7ページの一番下の行から「支援の対象年齢を少なくとも20歳未満に引き上げるのが妥当である」。最終的には先ほどもありましたように、22歳到達の年度末ということになると思うのですけれども、現状ではここの文章ですが、「22歳未満」なのでしょうか。やはり22歳の到達した年度末とか、そこらあたりをお聞かせいただきたいと思います。
○松原委員長 これは専門委員会でも一応議論があったと思いますけれども、年度途中で22歳になったから、はい、さようならというわけにはいかないので、今、西澤委員が文言修正していただきましたが、22歳になってその年の3月まで、年を越えるから、その年度末までというように理解をしております。
○平井委員 22歳は分かるのですけれども、ここの7ページの一番下、「支援の対象年齢を少なくとも20歳未満に引き上げるのが妥当である」というところの部分が20歳未満なのか、年度末なのかという。
○松原委員長 これはあまり考えていなかったのは、子ども全体に及ぶ話なので、他のところには影響が及びますが、御指摘の点、趣旨はよく分かるので。
   どうぞ。
○横幕総務課長 整理の考え方としましては、8ページの上の方、年度末というのは支援の必要性を考えて年度末となっておりますけれども、この7ページからの6番のパート全体としては、対象年齢ということで成年年齢との関係でどう考えるかというところですので、20歳というところをどう考えるかということです。
○松原委員長 では、対象年齢は20歳未満だけれども、実態的に何か支援が提供される場合には、その年度で考えるというような理解をしていただいて良いですね。
   今、実際に児童養護施設でもそうですね。18歳になって追い出しているわけではなくて、卒業までお子さんがいらっしゃいますものね。
○平井委員 年度末まで延長ができるということで良いのですか。
○松原委員長 年度末までということで良いですね。実際の支援はね。
○平井委員 今は20歳で切れていますか。良いのですね。
○松原委員長 他にいかがですか。
   それでは、木ノ内委員、岩佐委員、加賀美委員の順でどうぞ。
○木ノ内委員 全国里親会の木ノ内です。
   今回、都道府県と市町村に機能を分けていただいたというのは非常に良いのですけれども、里親家庭の場合には、社会的養護の担い手であると同時に、生活するという意味では地域社会の中で暮らしているわけで、そういう意味で、あまりきちっと分けたことがかえって弊害になる危険性もあるかなと思って、例えば22ページの2の下の3行目あたりに「地域子ども家庭支援拠点」を整備するということがあります。ここに入れるのかどうかは分かりませんけれども、例えば要保護児童対策地域協議会が里親を見守り家庭として位置づけているような地域もあるのですけれども、こういったところで社会的養護の担い手というだけではなくて、里親家庭を地域で守ってくれるような視点をどこか入れていただくかすると良いなと思いました。
○松原委員長 ありがとうございます。おっしゃるのはよく分かりました。どういう表現にして良いか。議事録に残させていただきます。
   それでは、岩佐委員、どうぞ。
○岩佐委員 幾つかあるのですけれども、最初に話がややこしいので、もうそこのところは委員長に取り扱い一任で、私はとりあえず言いたいことだけまず言わせてもらいます。
   今回の児童相談所とか市町村の役割分担とか1つのモデルがかなり具体的に書かれていて、これから検討する上で非常に有益だと思っているのですけれども、他方で、このシステムが良いと自分で言い切るには、実際の例えば件数は都道府県ごとに何件あって、それがこういう仕組みになると何件がどうなってとか、そういうような検証を自分の中でしないと、これが良いと言い切るのには躊躇がある。
   恐らく、全国でも状況がかなり違うというようなこともあったりして、モデルとしては本当にすごく苦労されて、これから進めるためにとても重要なことだと思っているのですけれども、思いとしてはそういうものを持っております。それを入れるとか、それが反対意見だと言われるとそれも違うので、ややこしい発言なので、もう取り扱いは一任いたしますけれども、そのように思っております。
   私自身は自分に身近に考えるということで、これを例えば大阪でどうなると考えたときに、通告が窓口で一本化されたときに、今までやっていた市町村の役割がどうなるのかとか、中核市が児相を全部必置になったときに、今までもよく施設がどこに入るかとかいって、大阪でも大阪府と堺市と大阪市があって調整がややこしいのに、これに中核市で3つも4つもまた出てきたら、1個の施設をどこかに入れるのかに6つぐらいみんな集まって一回一回決めなければいけないのかとか、そういういろいろな実務的なことを考えたときに色々なことがあるというような思いを持っております。
   そういう意味では、先ほど松本委員からも出ましたけれども、今後の作業の中で、さらにそれを具体的なものを検証しながら、でも、改革していかないといけないことは間違いないので、是非みのりのあるものにしていっていただきたいという、これがややこしい発言です。
   ややこしくない発言で細かいところなのですけれども、1つは、一時保護の関係のところで17ページ「原則として個室対応を基本とし」ということもあって、これはこれで良いようにも思うのですが、結構あまり個室化し過ぎたときに子ども同士の交流の問題とかもいろいろあるので、個室は個室が良いと思うのですけれども、法律家の私が言うのも何なのですが、合わせて一時保護所の中での子ども同士の交流とか、そういうところも目配せが要るかなと思いました。
   あともう一点、ややこしい発言なのですけれども、都道府県の児童福祉審議会について、これも従前からこういう流れで話が出ていたと思うのですが、一種、徹底した第三者機関でケースをチェックするみたいな形で書いていただいてはいるのですが、例えば私は大阪市の審議会におりましたが、大阪市の審議会の実情というのは、どちらかというとケースバックアップ会議みたいな感じがあって、もちろんバックアップの中で児相が違うと思うことは私もはっきりそれは違うと申し上げますし、ヘルパーに対応しているつもりはないですけれども、直接関係する人がそこに立ち会わなくて、判断だけして結論が決まったら児相が従うみたいな形でケースが上手くいくのかなとか、何らかのそういうオンブズパーソン的な機関が要るだろうというのは分かるのですけれども、今の審議会が果たしている役割との関係で、一気にこう書いてしまって良いのかどうかというのが引っかかりを持っております。いっぱいあるのですけれども、とりあえず。
   あと1点だけごめんなさい。12ページの先ほど少し触れたところなのですけれども、中核市の関係で反対意見ということで「地方分権、自治体の自主組織権の観点から、『必置』とすべきでない」という意見もあるのですが、私としては、それに加えて一定広域的に対応する場面というのもあり得るので、先ほどの施設の調整等もそうなのですけれども、その辺の地域実情みたいなものもあるのかなとは思っております。
   以上です。
○松原委員長 児相の件については、議事録に残す対応をさせていただきたいと思います。
   ややこしい話のことについては、私は各地域の実情があると思います。ただ、それがあるからといって、旧体制に残しておくことはできないので、まずはこういう体制でやってみてどうなのだということをきちっと評価していくべきではないかということで、ややこしい問題に合わせて2点はそれで私の見解を示させていただきます。
   保護所については、個室対応というのは別に日中の子どもの交流を全くさせないという意味合いではないですので、そのことはこういう専門的ですから、皆さんお分かりだというように理解したいと思います。
   それでは、加賀美委員、どうぞ。
○加賀美委員 先ほどの年齢のところで気づいたことを先に申し上げます。
   支援の対象年齢というところの文脈の中で、7ページ「今回の改革においては」という後に社会的養護のもとにあるというような文言を入れておかないと、どうもそこが先ほどの議論の中で整理されていないなと思いましたので、もともとここは社会的養護の子どもに限ってというような議論になったと思うので、そういう言葉を入れておいた方が良いような気がします。御検討ください。
○松原委員長 社会的養護のことについて、後ろの方にもう一回出て来るので、そことの調整。
○加賀美委員 後の方に出てくる。だから、冒頭でここに入れておかないと年齢のところが。
○松原委員長 少し確認をさせてください。誤解のないようにしたいと思います。
○加賀美委員 最後の委員会で、ある意味では大事なところをポイントとして確認しておかなければいけないと私自身が思って、あえて発言をさせていただきます。
   この委員会の冒頭で大臣から、保護中心のあり方から養育中心のあり方に転換するという意味合いの御発言があったと思います。そのことから、新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会という名称になったと思います。その新たな子ども家庭福祉とは一体何なのかということと関連する話でありますが、確認の意味です。
   それは保護中心というと、私も含めて、ここにおられる多くの委員の方々は、長いこと、いわゆる保護中心のパラダイムというか枠組みの中でお仕事をされて、現在もされておられるわけですが、その枠組みの中心が今日では虐待問題である。その虐待問題がこんなに広がり過ぎてしまってというところから、全ての子ども家庭を視野に入れた社会システムをどう形成するかというところからこういう話になったと思います。
   そうすると、この委員会の中の一番大事なポイントは、10ページの「2)新たな子ども家庭福祉に関する見直しの要点」、この(1)(2)(3)、ここのあたりが最も肝になるところだというように改めて申し上げて、これをどう直せという話というよりも、このことをどう実現するかということが最も大事なので、1番目の就学前の保育・教育の質の向上、0~6歳の子どもたちのアタッチメントの基盤整備を強調しておりますけれども、そういう保育・教育システムをどうするのかであるとか、2番目の市区町村における支援拠点、これがいわゆる新たな子ども家庭福祉の一番先頭に立って市町村がその財政基盤を明確に構成されて、そして地域の支援拠点となって全ての子ども家庭を支援していくシステムを作っていくということ。
   3番目に、これは支援拠点の仕事として、通所、在宅措置の創設というように先ほど松本委員からも御指摘があったのですが、それを支援というように新たに変えた。これは変えたこと自体は私は承知しておりましたので、そういう意味で新たな福祉施策とすれば、保護のパラダイムから養育のパラダイムへというイメージであれば、支援という言葉でも構わないかなと改めて思ったところなのですが、いずれにしても、虐待通告を受けた子どものうち、95%の子どもの支援が十分にできていない。そのための仕組みを考えていくということで、地域の子ども家庭支援拠点が中心になって在宅での家事援助や養育支援を積極的に進めていく。そういう構造を作っていく必要があるということだと思います。
   以上、今後の法案と省令あるいは予算の問題において、ここのところが今回の法改正の中で中核になるところだということを十分御理解いただいているとは思いますけれども、今後とも厚労省として注力をしてお進めいただきたいということを改めてこの場でお願いしておきたいということでございます。
   以上です。
○松原委員長 ありがとうございます。委員長としても受けとめさせていただきました。
   岩佐委員、どうぞ。
○岩佐委員 すみません、今の加賀美委員のお話をお聞きして、確かに1、2、3がすごく重点項目で、これが先行してとは言いませんけれども、これをやっていくのだという流れが見えると、私の先ほどの懸念も少し後ろになるというか、どうしても制度改革のときに切った張ったというか、最後のかなり深刻な虐待のケースについてこうする、ああするという話だけが制度としては少しいじりやすくて、そこだけがいじられて、結局市町村にお金もつかないで、やり方とか枠組みが悪くなってしまうとか、そのあたりが私も正直心配なところもあって、逆に今、加賀美委員が言われたように、この報告書全体のベースがそこなのだと、そういう中でもちろん他のことが合わせてついてくるのだというように言われると、そこはそういうものなのだと改めて私も思いましたので、先ほどの発言に絡めて一言だけ。
○松原委員長 その岩佐委員の発言のお答えが加賀美委員の御発言だと思っております。
   他にいかがですか。
   では、平田委員、藤林委員の順で。
○平田委員 平田でございます。
   内容を変えるとかではなくて、具体的な検討に入られるときに少し頭の中に入れていただきたいということでお話をさせていただきます。
   まず、12ページの「(5)特定妊婦等への支援」のところにつきましては、支援メニューの増加の中で産前産後の母子ホーム、新たな枠組みの提案という具体的な取組の検討を行う際に、これから市町村行政の中で社会的養護の施設が役割を担っていくときに、社会的養護の施設はこれまでは国、都道府県とのお付き合いが主で、市町村との縁が薄い。加えて施設の数の少なさ、偏在しているということもあります。市町村で社会的養護の施設の機能を有効活用していただきたいということと、特に母子生活支援施設においては、この特定妊婦の対応については力が発揮できる機能を持っています。新たな機能ではなく、現在の母子生活支援施設の機能を生かすために、特定妊婦の受け入れを認める方向での検討をしていただきたいというのが一点です。
   もう一点は、16ページの一時保護のところになります。
   下から7行目のところに、アセスメントの内容に立脚したものであるという一時保護の方向性を示していただいておりますので、特に乳児は身の安全確保のみならず、乳児であってもきちんとしたアセスメントをもとに次の支援を行われるような方策としていただきたい。
   それに10ページ、11ページ、28ページという関連が出てくるのですが、先ほど加賀美委員からも出ました在宅通所という支援の場合に、自立支援となると年齢の高い高学年のお子さんが対象とされています。しかし、乳児院は、単年度の一時保護委託が2,000名を超えておりますし、新規の入所数も2,000を超えております。そのうちの半数が地域に帰っていますので、約2,000名のお子様が2歳、3歳で再度地域に戻り生活をされています。この家族も地域の支援拠点や通所、在所の見守り支援につなげられるような形を一緒に考えさせていただければと思います。
   以上です。
○松原委員長 ありがとうございました。
   それでは、藤林委員、お願いします。
○藤林委員 意見というか確認なのですけれども、5ページの「3.理念」で上から15行目ぐらいのところ、子どもは安全で安定した家庭で養育を受けることができるという中で、家庭において適切な養育を受けることができないときは、家庭における養育環境と同様の養育環境において継続的に養育を受けることができるという同様の範囲が読みようによって非常に広がったりもするのかなと思うのです。
   多分、24ページ以降の書きぶり、例えば24ページの上から2行目の代替養育は、家庭環境(家庭養育)で行われるべきであるとか、25ページ「(2)就学前の子どもの代替的養育の原則」のところを見ますと、ここで言っていることは、いわゆる里親、ファミリーホームまたは養子縁組を指しているのかなと思うのですけれども、それは分かりにくいので、ここは例示を入れる方が良いのかなというのが私の意見です。
   このような家庭養育を受けることができる、または家庭養育を原則といったことがもし法律上に明記されていくとすると、ここから先はこの報告書から離れていくのですけれども、そうなりますと、もしこれが法文上に明記されていくということになりますと、前回たしか議論になったと思うのですけれども、23年7月に出された社会的養護の課題と将来像の例えば里親、ファミリーホーム、グループホーム、施設系の3分の1、3分の1、3分の1というような目標というのがそのままで良いのか、整合性という観点で、そこはもし法改正が進んでいくのであれば、そこは見直していくべきではないかというのが私の意見であり、そこはもう一つの社会保障審議会の中でも是非御議論いただきたいなと思うところです。
   以上です。
○松原委員長 後者は御意見として伺いたいと思います。
   前半の方の同様ということについて例示するかどうか少し事務局と相談しますので、御一任ください。
   他にいかがでしょう。すみません、御発言されていない方を先にしますので。
   秋山委員、どうぞ。
○秋山委員 秋山です。
   17ページの一時保護のところですけれども、上から6行目のあたりに学習権の保障ということが記載されています。当たり前のことですけれども、健康面、発達、心理面の保障というところも加えていただければ良いかなと思います。
○松原委員長 ありがとうございます。文言上の工夫をさせていただきます。
   武藤委員、どうぞ。
○武藤委員 1点目は17ページのところの上の方の一時保護委託のことであります。今、一時保護所を中心にやっているということをどちらかというと一時保護委託をもう少し進めていこうということで、乳児院、小舎制の児童養護施設や地域小規模への一時保護委託が望ましいと考えている。考え方としては非常にこれで良いと思っています。ただし、今度東京でも施設での小規模化されたところでの一時保護ということを開始するのですけれども、一時保護は結構いろいろな子どもたちが来るということなので、それに対する基盤の整備、あと合わせて児童相談所等のバックアップ体制というか、そういう部分を十分強化しながらも一時保護委託という部分を進めていった方が良いのではないかなと思いますので、そんな文言を少しどこかに入れていただけると良いのかなと思います。これは意見です。1点。
   2点目は、25ページのところの一番上に、就学前の子どもたちの代替的養育の原則ということで(2)のところに触れられています。ここのところでは、要は実親がなかなか子どもが小さい場合には里親委託に同意をしないというような事例が非常に多く見られるということなので、この24ページの下の方にも書いていますけれども、実親交流まで含めた仕組みが必要だと思っておりますので、そういうことも合わせて、ここの(2)のところにもそういうことも書きながら、代替的養育の促進というか、そういう部分を進めていった方が良いと思いますので、実親の支援という部分を十分するということをしながらやっていく方が良いのではないかなと思います。それも意見です。
○松原委員長 ありがとうございます。
○武藤委員 最後、もう一点だけよろしいですか。すみません。
   27ページの上のところであります。施設ケアの充実強化というところで、ここに書いているとおり、施設において子どもが抱えるそれぞれのニーズに個別的な対応に応じてケアの提供、そのための小規模化の促進と小規模グループケアが適切に運営できるようインセンティブを強化するとともに、職員の配置。ここはとても重要で、今、既に家庭的養護推進計画だとか都道府県推進計画が今年度から始まっていますけれども、都道府県ごとに非常にそれに対する計画の格差が出てきております。15年後の目指すところということを都道府県ごとに%なども含めて目標数値しているのですけれども、その中で課題となっているのが、施設整備の見通しが立たないということだとか、職員の確保、育成が困難だということが明確に出ているのです。そういう意味からすると、ここの職員の配置の充実という部分についても今回一定の配置が改善できたのですけれども、より小規模化を進めるということであれば、もっと丁寧な配置だとか、次のところに書かれていますけれども、専門性の向上だとか、そういうことも含めてやる必要があるのではないか。これも意見であります。
   以上です。
○松原委員長 関連した部分ですか。
   どうぞ。
○奥山委員 今のことに関連しまして、17ページの基盤の整備は特に里親家庭の基盤の整備ということを重視していただきたい。一時保護里親を作るという話も出ていたわけですから、やはりそこを中心に書いていただきたいと思います。
   25ページのところは、確かに実親支援は非常に重要で、それを入れることはとても重要だと思うのですけれども、ここできちんと原則家庭養護であるということによって親の反対を防ぐということが必要なのではないか。原則これは家庭養護なのですということをみんなが言って、親が反対しようが何しようが家庭養護ですと言えるような形を作っていかなければいけないというのが原則だろうと思います。
   ということで、そのことは今のことにつけ加えさせていただきたいと思うのですが、もう一つ言って良いですか。
○松原委員長 今のことだけ整理させていただきます。どうぞ、その後も御発言いただいて結構ですので。
   武藤委員、奥山委員、ありがとうございました。ただ、今回の報告書は、制度をどういうように変えていくかということを中心に書かせていただきましたので、その中でどういう運用をしていくかということについては、今後の課題だと思います。もちろん、そういうバックアップですとか里親への支援、一時里親の支援が必要だというのは重々分かっておりますが、まずそういうことを実現していこうということを今回の報告書では書き、実際に制度化していくということに重点を置かせていただきたいと思います。
   では、引き続き奥山委員、どうぞ。
○奥山委員 奥山です。
   最後に、皆さんがおっしゃっている今後なのですけれども、確かに今、法改正のためにということで相当突っ走ってきて、委員長初め事務局の方々、本当に苦労されたと思って敬意を表したいと思います。ただ、「新たな子ども家庭福祉に関する専門委員会」だったのですが、法改正のための専門委員会みたいになってしまったなと思っているのです。この委員会で私は理念をきちんとまとめられたというところが非常に重要だったのではないかと思うのですけれども、その理念を広めていくことであるとか、現場でこの理念を実際に使っていくとか、制度だけではないところが重要であると思うのです。
   なので、今回は制度に関してものすごい勢いでやってきましたけれども、それ以外のところでも新たな子ども家庭福祉を作り上げていくということを考えると、この先どうなるのか検証していくことや、法だけではないものを作っていくところというのは必要なのではないかということを意見として言わせていただきたいと思います。
○松原委員長 委員長としてもそれは賛成でございます。
   他にいかがでしょう。
   辰田委員、どうぞ。
○辰田委員 八王子児童相談所の辰田です。
   15ページの8行目なのですが、「また、児童相談所において、資料提供等の協力を得にくいという指摘があり」というところで、今回、児童相談所が求める機関として地方公共団体プラス医療機関、学校等を載せていただくことはありがたいと思っています。ただ、児童相談所の資料提供の協力を得にくいところについて、必要な事項の報告を求めることができる止まりになってしまうのです。
   子どもを守るために必要な情報で、保護者の情報が特に医療機関のところは不可欠であって、医療機関の方に認識してもらう、そういった工夫をしていかないと、結局提供がまた得られない、そこで判断、アセスメントができないということになりますので、工夫を盛り込んでいただければと思います。
○松原委員長 これは実際の法改正あるいは運用でどういうようにいけるか、是非事務局に御検討いただきたいと思います。児相の苦労もよく分かります。
   他にいかがでしょうか。
   草間委員、どうぞ。
○草間委員 草間です。
   私は1点あります。提案です。「おわりに」の書きぶりについてです。今回の制度改正というのは虐待があるとか、何らかのおそれがある場合に、どのような新たな子ども家庭システムを作っていくかということに主眼が置かれています。その中で必要な施策を打っていくということになります。その際、翻って見てみますと、今の子どもたちの状況というのは虐待だけではなく、その背景にある貧困家庭の増加とかというのが大きく関係しているわけです。私は子どもの貧困問題にも最近関与しております関係で考えると、虐待と子供の貧困の問題発生は、非常にオーバーラップする部分があります。そういう意味で考えれば、虐待の増加も含めてですけれども、貧困家庭の増加で子どもの取り巻く環境は変わってきているということを、「おわり」の中に盛り込んでみてはどうかを提案したいと思います。
○松原委員長 ありがとうございます。
   一応貧困対策の方では文言では入れておりますので、大切なことだと思います。
   他にいかがでしょうか。
   中板委員、どうぞ。
○中板委員 要望について、改正等々を踏まえて変えていただいて、大変ありがとうございます。11ページです。先ほど新たな子ども家庭福祉の見直しの要点のところの(3)までだったのですが、(4)もとても重要だと思っておりまして「(4)母子保健における虐待予防の法的裏付け」というところですけれども、小さいところで大変申し訳ないですが、「特定妊婦の発見と対応」というよりは、後ろの特定妊婦への支援のところでの母子生活支援施設あるいは母子ホームでの措置対応とは違って、非常にソフトな対応というか支援の方がよろしいのかなと。「特定妊婦の発見と支援」という形で、妊婦さんへの支援で出産まで何とか安全に支援していくということが重要かなと思っております。
   それと「また」のところですけれども、母子保健情報は虐待対応に不可欠でありというところなのですが、こちらは何度か申し上げていたと思うのですが、母子保健情報は虐待の有無、重症度あるいは要保護なのか、要支援なのかといったことを判断する上でとても重要ということで、そこは書き加えていただいたらありがたいと思いました。
   あと20ページ「(9)子ども家庭福祉に関する評価制度の構築」ということで、評価制度はとても重要だと思っております。書かれて大変よかったなと思いますけれども、行政機関である児童相談所や市区町村における業務内容は何たらかんたらで、最後に「的確に評価できる機関による第三者評価制度が必要である」。また、こちらは今度、委託をした機関のサービスの質を担保するための評価も必要である。
   確認なのですけれども、別々に考えるのか、それとも委託した責任というか行政責任も含めて包括的な第三者評価制度というように考えるのかというところを教えていただけたらありがたいです。
○松原委員長 いずれ子どもの権利擁護機関というのが分野横断的に出てきますので、全体をカバーできると思うのですが、スタートはなかなかそこまでいかないなと思います。他のものについては今、事務局が聞いていただきましたので反映させていただきたいと思います。
   さて、とかしき副大臣がお見えですので、もし特段の御意見がなければ、今までいただいた御意見、議事録に残す部分、文言修正をさせていただく部分、私の方で表現等を一任していただく部分、それぞれもう繰り返しませんが、出てきたと思います。ここの御議論をもって、あとは委員長一任にさせていただいてよろしいでしょうか。
                                                                                                   (「異議なし」と声あり)
○松原委員長 ありがとうございます。
   それでは、御挨拶をお願いしたいと思います。

(報道関係者入室)

○とかしき副大臣 厚生労働副大臣のとかしきなおみでございます。
   本日は第5回「新たな子どもの家庭福祉のあり方に関する専門委員会」ということで、本日は専門委員会の報告案をおまとめいただきまして、本当にありがとうございます。
   本来であれば、ここに塩崎大臣がお邪魔をして御挨拶申し上げたいところではございますけれども、実は同じ時間で官邸で東日本大震災からの復興のための施策の推進を目的とする復興推進会議がありまして、出席がどうしてもかないません。とは言いましても、塩崎大臣は、この委員会に対しては大変思い入れが強うございまして、私にきちっとメッセージを読んでこいと預かってまいりましたので、読み上げさせていただきたいと思います。
   松原委員長を初めとする委員の皆様には、昨年9月、この「新たな子どもの家庭福祉のあり方に関する専門委員会」を立ち上げて以降、短期間の間に新たな児童虐待防止システム構築検討会ワーキンググループ及び新たな社会養護システム構築検討ワーキンググループを含め、数多くの会議において精力的に御議論いただき、これらを通じ、今後の新たな子どもの家庭福祉についての基本理念や国、都道府県、市町村の役割に加え、制度全体像及びそれぞれの方向性を示していただきました。このことにまずは深く感謝を申し上げたいと思います。
   9月7日の第1回の委員会でも申し上げましたとおり、今こそ全ての子どもは適切な養育を受けて発達を保障される権利を有するとともに、その自立が保障されるべきという理念を明確にする。国、都道府県、市町村の役割と責任の分担を整理し、明確にしていく。里親委託や特別養子縁組制度の利用を促進するといった課題に取り組むべきと考えております。
   このような課題を正面から捉え、子どもと家庭が抱えている問題に的確に対応できているかどうかという観点から、現行制度を抜本的に見直すことを目的として、新たな子ども家庭福祉のあり方について御議論をお願いしてきたところでございます。
   厚生労働省といたしましては、この委員会の意見をしっかりと受けとめさせていただき、この通常国会に児童福祉法等の改正案を提出したいと考えております。
   また、いわゆる司法関与のあり方については、一人でも多くの要保護児童を適切に保護するためには、どのような裁判所の関与のあり方が望ましいのかという観点から、さまざまな御意見を頂戴したところでございます。
   本専門委員会において御議論いただいている間にも、重大な児童虐待事案が発生して尊い命が失われていることから、特に緊急性、必要性の高い要保護児童の保護措置の実効性を高めるために、司法関与を一層強化する制度の導入に向けた検討会を立ち上げることとしております。この検討会は厚生労働省はもとより、法務省及び最高裁判所、さらに必要に応じては関係団体の協力を得て速やかに議論を開始し、より実効性のある児童保護のための新たな制度を着実に導入させていただきます。
   合わせて、特別養子縁組制度につきましても、この見直しについてさまざまな御意見を頂戴しているところでございますが、この検討会において、同制度の活用方法や見直しのあり方を議論していただくこととしたいと考えております。同制度を児童保護、行政の観点からどのように活用していくかは、何より子どもの確かな未来を作るための制度に設けられた趣旨等を踏まえつつ、検討会における議論を重ねていただき、同制度を規定する民法を所管する法務省とよく協議していきたいと考えております。
   改めて、本日までの御議論に深く感謝を申し上げ、御挨拶とさせていただきます。
   3月10日、厚生労働大臣、塩崎恭久。
   以上でございます。
   本当にありがとうございました。
○松原委員長 ありがとうございました。大臣の熱い思いをとかしき副大臣を通じまして伝えていただきました。
   13回にわたる委員会、拙い進行で十分な議論をしていただくことができな かったかもしれません。また、まとめにおいては不十分な点もあったかもしれませんが、皆様の御協力を得て、報告書として委員長一任というところまでこぎつけることができました。
   今後、大臣の思いも受けまして、是非事務局の方ではこれを法改正案にきちっと具体的に取りまとめていただくということ。先ほど来出ております引き続き議論が必要な部分がたくさんあると思いますので、しっかり検討を進めていっていただきたいと考えております。
   それでは、13回にわたるあり方委員会、専門委員会を閉じたいと思います。
   本日はどうもありがとうございました。


(了)

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