ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 国立研究開発法人審議会(高度専門医療研究評価部会)> 第4回厚生労働省国立研究開発法人審議会高度専門医療研究評価部会(2015年8月17日)
2015年8月17日 第4回厚生労働省国立研究開発法人審議会高度専門医療研究評価部会
医政局医療経営支援課
○日時
平成27年8月17日(月)15:00~18:00
○場所
厚生労働省 省議室(9階)
○出席者
委員
永井部会長 内山部会長代理 祖父江委員 花井委員 深見委員 福井委員 藤川委員 本田委員 |
○議題
(1)国立研究開発法人国立循環器病研究センターの中期目標期間実績評価について
(2)国立研究開発法人国立国際医療研究センターの中期目標期間実績評価について
(3)国立研究開発法人国立成育医療研究センターの中期目標期間実績評価について
(4)その他
○配布資料
【国立循環器病研究センター】 | |
資料1-1 | 中期目標期間実績評価書(案) |
資料1-2 | 中期目標期間実績評価説明資料 |
【国立国際医療研究センター】 | |
資料2-1 | 中期目標期間実績評価書(案) |
資料2-2 | 中期目標期間実績評価説明資料 |
【国立成育医療研究センター】 | |
資料3-1 | 中期目標期間実績評価書(案) |
資料3-2 | 中期目標期間実績評価説明資料 |
○議事
○医政局医療経営支援課長補佐
それではただいまから、「第4回高度専門医療研究評価部会」を開催させていただきます。本日は、お忙しい中をお集まりいただきまして、有り難うございます。
まず、はじめに、本日の会議資料の御確認をお願いいたします。資料1-1から資料3-2、それぞれ、循環器病研究センター、国際医療研究センター、成育医療研究センターの評価書(案)と説明資料のセットがセンターごとにございます。よろしいでしょうか。
それでは、永井部会長から議事の進行をよろしくお願いします。
○永井部会長
それでは、国立循環器病研究センターの第1期中期目標期間実績評価について御議論をお願いします。評価項目1-1から評価項目4-1に係る業務実績及び自己評価について、法人から御説明を頂いて、その後に質疑応答という流れで進めていきたいと思います。時間が限られていますので、ポイントだけお願いします。
○国立循環器病研究センター理事長
まず、理事長から一言御挨拶を申し上げます。5年間にわたり御評価を頂きました。我々にとっては、非常に緊張感を持って受けたこの評価委員会の中で、大変建設的なアドバイスを頂きましたし、また、エンカレッジしていただくようなことも多々頂きました。そういうこともあって、この5年間は、我々としては想定以上に成果を収めたものと思っています。この5年間の中では、以前にも申し上げましたように、1年目は組織改革、意識改革、そして2年目は、赤字を覚悟で先行投資をすることによって基礎体力をつけるという形で5年間をやってきました。
この中で、御評価はいろいろ頂くわけですが、あえて1つだけ申し上げておきたいのは、こういういろいろな評価をする指標は大変大事ですが、今の独法制度、あるいは専門医制度の中で、どうしても若い医者が専門医獲得のために知識及びテクニックの取得に走ることがあります。これを、やはり我々としては、アカデミックフィジシャンと言うか、研究志向の医者を育てたいということがありまして、いろいろやってきた結果、この前申し上げたように、臨床医をやりながら博士号を取得する。まだ2人ですが、やっとそれが出てきました。今後、臨床をやりながら研究をして、そして博士号というのは1つの結果ですが、そういう研究志向の医者がこの施設の中で増えるのを期待しています。
もう1つ、なかなか結果としては出ませんが、若い医師、研究者に実績がなくても研究費を与えてやっていく方法を取っています。これは、上司がやっている仕事以外の仕事、自分で考えた仕事をやるということと、1年間結果が出なくてもいい、ただ頑張ったそしてこれからどうするという意思が明確に見える人に対しては、更に次の年も研究費を与えるという形でやっています。これの結果が出るのは、恐らく5年後10年後だろうと思いますが、私は、こういうことをすることによって、若い医師に研究をしていくアカデミックフィジシャンとしてのモチベーションと基礎ができればと思っています。ただ、こういうものは、それでどういう結果になったかというのは5年10年待たないと分かりませんので、評価の対象にはならないかもしれませんが、そういうこともやっているということを御理解いただけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。
○国立循環器病研究センター研究開発基盤センター長
それでは、評価項目1-1と1-2について御説明します。資料1-2の4ページを御覧ください。評価項目1-1「臨床を志向した研究・開発の推進」です。これは、独法と同時に、まず研究所と病院以外の第三の組織として、研究開発基盤センターが設置されたというところから改革が始まっています。これは、臨床研究部とか先進医療治験推進部、知的資産部などが中に含まれているものでして、内部の連携だけではなくて、外部との連携をプロモートしていく役目を果たしています。その結果、病院と研究所の間での共同研究の数が370件ということで、かなりの数に上っています。
それから、外部との連携ということで、これは早期・探索的臨床研究拠点整備事業との関連もありますが、アカデミアで初めて総合的な医療機器開発支援体制等を整備したこと。それから、外部との連携で、右上のグラフを御覧ください。共同研究の数が平成21年度に、独法前に比べて3倍以上、それから中期計画に比べても2倍以上の目標を達成することができています。
それから、研究だけではなくて、これは皆さんにも何回も御説明していますが、循環器病センターの持っている知的資産である循環器病食というのを事業化することで、それを更に発展させることで健康生活認証事業等、企業との共同研究というのが非常に増えています。 それから、開発の規格評価体制の整備ということで、国際規格である臨床検査室の国際標準規格を取得したこと。それから、恐らく日本のアカデミアで初めてだと思いますが、医療機器の品質保証のための国際標準規格、これは、普通は一般の医療機器メーカーが持っている規格ですが、それを構築することができています。
特許に関しても、一番右下のグラフにありますように、目標を達成することができています。特許収入は後でまたお話があるかもしれませんが、これは非常に増加していて、各大学の実績の中の平成26年度の我々の実績を見ますと、他施設の25年度実績との比較になります東大、京大、大阪大学、日本大学、九州工業大学に次いで6位に位置するということで、非常にたくさんの収益、特許収入を上げています。
それから、これとは別に食事業のお話をしましたが、このロイヤルティ収入等は、印税も含めて、平成24年度から、平成24年、平成25年、平成26年の間で本格的に事業をしていますが、その3年間で5,600万円という収入を得ていることもあって、こういう内部の整備、研究所と病院の研究の増加、対外的ないろいろな共同研究の増加、それからいろいろな基準をしっかりしたこと、ロイヤルティ収入、特許料に結び付く産学連携という数のほうも出ていまして、この5年間の期間評価はSと自己評価をしています。
評価項目1-2「病院における研究・開発の推進」ということで5ページを御覧ください。これは、先ほども述べましたが、早期・探索的臨床研究拠点整備事業、5つの拠点のうち、ただ1つ医療機器ということで我々を指定していただいていますが、それを用いることで、人員を配置して病院における研究・開発を推進するという整備をして、たくさんのプロジェクトが現在進行していることになります。PMDAとの連携もやっていまして、革新的医薬品・医療機器・再生医療製品等実用化促進事業ということにも採択させていただき、PMDAと積極的な人材交流であるとか、これは今まで実現しなかったのですが、若手研究者との意見交換会とか、PMDAの方々に循環器病研究センターに来ていただいて研究現場、開発現場を見ていただくことも含めて、レギュラトリーサイエンスの質の向上も我々はしています。
更に、教育ということでは、クリニカルリサーチプロフェッショナルコースということで、これは、製薬企業等も含めて臨床研究の専門家を養成する大学院マスターコースというようなものを大阪大学とともに作らせていただき、EU準拠のプログラムに拡充して、この4月にサイトビジットも受けさせていただき、アジアで初めてCentre of Excellenceということで指定された実績も上げています。
それから、この5年間で、皆さんも御存じだと思いますが、いろいろな臨床研究や非臨床試験も含めてデータの品質管理、元のデータまできっちり遡っていけることも非常に重要な問題として取り上げられましたが、それに関しても、我々はREDCapというヴァンダービルト大学からライセンスを頂いて、こういうものを動かして実際に研究に応用しているということ。それから、医療機器開発を手始めにアカデミアでまれな試みとしてデータの信頼性を保証するための信頼性保証システム、一番右下に書いてありますが、そういうこともしています。
実績に関しては、右上のグラフです。治験依頼から契約締結までの期間ということで、目標設定の30%を短縮することができて実績も上がっていますし、前回お話ししましたとおり、医療機器に関する治験の数も循環器病センターでは着実にこなしてきていると言えると思います。拠点の整備、それから外部への教育、倫理に関しても、病院、研究所、事務から独立して倫理研究室を建てていただいたことで、そういう臨床研究に関する品質をしっかり獲得することも含めて、治験に関する実績も含めて自己評価Sとしました。
○国立循環器病センター理事
続いて、評価項目1-3「担当領域の特性を踏まえた戦略的かつ重点的な研究・開発の推進」です。主立った成果として、論文による発表、また、研究・開発ということで幾つか6ページに上げてあります。その中でも、ANPを用いた血管の制御、保護によるがんの転移の抑制ですが、これはがんの領域の適用ですが、血管保護ということで循環器病センターの下で研究対象から出てきたものでして、特に、臨床研究での知見からメカニズムを含めた基礎的研究であり、平成26年度中に先進医療Bの承認を得ています。そういうことで、非常に大きな、画期的な成果が上げられたと思っています。それ以外にも、疾病に着目した研究ということでも、いろいろな因子、そのメカニズムの解明で基礎的な研究も進んでいます。
それから、循環器病の実態把握ですが、ここに上げられています。2番目の致死性の不整脈患者に関する世界最大規模のデータべースを作成、という大きな成果も上げています。医療機器の開発という面では、国循型のVADの改良開発、それから、超小型軽量の体内植込型VADシステムの開発ということで、この面でも非常に先進的な機器の開発が推進されています。それから、右ページの下にありますが、臨床研究及び治験の実施件数ですが、これについても年々増加していまして、目標に比べて中期で非常に増加していると言えます。それから、ここの表には上げていませんが、文部科研の採択率、これも全国平均からいきますと非常に高い率で採択されています。このように研究・開発面で非常に大きく進展したということで、期間評価としてSを付けています。
○国立循環器病研究センター病院長
引き続いて、病院長の内藤から、評価項目1-4から評価項目1-9の5か年の成果を、資料に沿って御報告します。センターの理念である循環器病の究明と制圧のための病院診療の基本スタンスは、高度医療を安全、安心とともに提供するだけではなく、次の医療、次世代の医療を患者とともに作ることと思っていまして、標的疾患は、動脈硬化症とそれに関連する心筋梗塞、脳卒中を中心に、難病指定の循環器病、重症心不全、成人先天性心疾患、高齢者の弁膜症などに急性期医療に加えて、予防から先制医療、ケア医療を低侵襲的かつ効果的に提供することを目指してきました。
評価項目1-4については資料7ページを御覧ください。高度先駆的な医療の提供については、承認された先進医療や後述の心臓移植等に加えて、平成22年当時ではアジア発の本格的ハイブリッド手術室を設置し、患者に優しい低侵襲的医療としてのカテーテル治療や、内視鏡手術支援ロボット(ダヴィンチ)の使用等を行っています。カテーテル治療では、慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対する経皮的肺動脈形成術や、バージャー病の治療は我々が世界に先駈けて確立したものであり、最近では、MRIを用いて心筋梗塞の原因となる冠動脈壁不安定プラークの描出という難課題にも成功しました。
標準化推進のための医療の提供については、体制の整備として、Cardiovascular Care Unit、ハイケアユニットなどの整備、走るICUと呼ばれる高規格ドクターカーの導入などがあり、循環器病救急医療のモデル化を推進しました。また、センター内だけでなく、本邦の心臓リハビリテーション推進を主導したことも強調したいと思います。期間評価はAです。
評価項目1-5「患者の視点に立った良質かつ安心な医療の提供」については資料8ページです。まず、病院中央部門の強化として、同じ資料の13ページのように、総合入院センター、診療支援部などが設置され、診療クラークの増員等とあいまっての患者支援、連携医登録の推進などに大きく寄与しています。また、平成27年1月より、外来予約を従来の30分枠制から1患者1枠制に変更し順調に好評運用。待ち時間は平成26年6月の29分から平成27年6月には20分に短縮しました。
チーム医療の推進では、国内発の取組である循環器病終末期医療の緩和ケアチームの活動は飛躍的に活発化し、厚労省の医療体制整備事業にも採択されました。医療連携では、連携医登録は順調に増加し、センター主導の脳卒中と心筋梗塞の地域連携パスも推進されています。
医療安全では、まず体制整備として医療安全室、感染対策室、褥瘡対策室など7室を束ねる平成23年度新設の医療安全管理部が推進の基盤となりました。更に、副院長以下の多職種によるセンター特有の「重症回診」を網羅的に運用して、死亡例や重症例に対する治療内容やプロセスを検証。病院長は全死亡例を把握しています。
医療倫理では、医学倫理研究室を設置し、診療等の倫理的問題のコンサルテーション、未承認や適応外診療の検討フロー公開と相談対応等を実施し、病院からの依存度は非常に高まっています。期間評価はAです。
評価項目1-6「医療政策の一環として、センターで実施すべき医療の提供」については9ページです。まず、センターが今後も主導すべき心不全、重症心不全医療では、スペシャリストが共存するセンターの特性をいかす組織横断的な総合心不全クリニックを開設。これにより、シームレスな心不全診療の基盤が整備されました。また、移植部を移植部門、移植医療部の二階建てとし、阪大から福嶌教偉医師を部長招聘して体制を強化しました。
実績として、心臓移植は症例数で国内トップを争い、生存率は推定世界一です。植込型左室補助人工心臓治療を推進し、重症心不全患者の著しいQOLの向上が実現。これは、重症心不全治療の新しい局面をもたらし、今後の在宅治療、destination therapyの時代がスタートしたと考えられます。
その他の取組では3点を強調します。まずは、診療科の狭間に置かれ医療難民化する、いわゆる成人先天性心疾患の対応はセンターの使命の1つで、専門外来を運用。専門修練医特別研修コースを設置し人材育成を実施。思春期教室の開催等を行ってきました。
高齢者、非リウマチ性の新興の弁膜症については、前述の心不全クリニックと同じ組織横断的な弁膜症クリニックを開設。経カテーテル大動脈弁植込術TAVIなどのカテーテル治療や、最小侵襲心臓手術(MICS)等を推進しました。
心臓病合併妊娠の取扱いは、国内1位、世界3位を継続し、超重篤循環器疾患合併妊娠例にも最後の砦としての対応を続けています。期間評価はSです。
評価項目1-7人材育成に関する事項は10ページを御覧ください。リーダーの育成に関しては、国循開設翌年の1978年にスタートして、現在までに全都道府県から1,800名ほどの修了者を輩出。その中から百数十名の大学教授を生み出したレジデント専門修練医養成システムが、独法化後、更に進展したことが強調点です。
具体的には、レジデント専門修練医は高いレベルの人数を維持。最近では特に専門修練医数の増加が目立ち、スペシャリストを目指す人材が増加しています。国内初となる国循特有の専門修練医特別コースを開設したことも、これに関連し、重症心不全、移植、それから成人先天性心疾患、新生児小児集中治療科、心臓リハビリテーションの各新設コースに相当数の応募があります。若手医師スタッフ等の研究支援については、従来、部長等の大型研究に使用された循環器病研究開発費を若手研究者にも配分する若手開発研究費を平成23年度から開始。応募数は著しく増加してきています。職員のキャリアパス充実と学位授与機能保管のための連携大学院制度と社会人大学院進学を推進し、平成26年度末で連携大学院は15大学、大学院生19名となりました。
今回の報告で最も強調したい点は、センターの最大の問題点の1つであった病院の臨床に携わる医師の学位取得が、上記の連携大学院制度の使用により初めて達成されたことで、平成26年度に2名が熊本大学から博士号を授与されています。以上、期間評価はAです。
評価項目1-8「ネットワーク構築の推進、情報の収集・発信に関する事項」については資料11ページです。ネットワーク構築の推進については、中期目標期間中の最終年度に行われたレジストリやビッグデータ管理の運用部局としての循環器病統合情報センターの設立と、日本循環器学会の循環器疾患診療実態調査、JROAD管理のセンターへの移管が最大の報告事項で、JROADのデータ運用では、Quality lndicator達成率の解析等がスタートしました。情報の収集・発信では、まず、ホームページビュー数が予想を大きく上回り増加したことが注目され、平成26年度は平成22年度の6.6倍となりました。また、市民公開講座や国循フェスタの開設も重要と思います。東日本大震災被災地の循環器病予防目的でスタートした国循の減塩プロジェクトが、国循病院食のかるしおレシピ本の大ヒットとともに、国民の循環器病予防の動きに発展したことも中期目標期間中の情報発信における最大の成果の1つです。
具体的には、まず、かるしおレシピ本は、平成26年度に第四弾を出版、累計出版数37万部を達成しました。また、かるしお認定制度を開始し、認定商品や弁当販売など、食品業界と連携して国循のヘルスケア戦略の事業化が大きく進展しました。御当地かるしおレシピ大会、エス・ワン・グランプリを2回開催し、全国かるしおの輪が広がっています。以上、期間評価はSです。
評価項目1-9、国への政策提言、医療政策の推進等に関する事項については12ページです。政策提言では、センター主導のガイドライン、提言について2点を強調します。第1は、植込型補助人工心臓の早期承認、保険償還に向けての活動。第2は、虚血性脳血管障害患者に対するrt-PA静注療法適応時間を、発症3時間から4.5時間に延長する指針の改定です。公衆衛生上の重大な危害への対応では、東日本大震災への対応と関連研究の遂行が中期目標期間中の最大の課題の1つとなり、以下の対応を実施しました。
まず、震災自体への対応としては、発災の3日後に対策本部を立ち上げて、多くの対応や提言を行い、中からかるしおレシピが生まれたことは前述のとおりです。支援内容や提言などは、ホームページアップとともに冊子にまとめ関係機関に配布しました。また、大規模災害時の医療について、厚労科研3班、内藤班、橋本班、木田班が連携して研究を推進。東日本大震災と阪神淡路大震災の循環器疾患に及ぼす影響を分析して、拠点病院向けと実地医科向けの2種類のチェックリストを作成し配布しました。国際貢献については、米国CDC認定による血清脂質測定標準化事業の開始。国際的医師主導治験への日本代表機関としての参加。明美ちゃん基金によるミャンマーへの医療支援の開始などが成果です。以上、期間評価はAです。
○国立循環器病研究センター企画戦略局長
続いて、評価項目2-1以降について、企画戦略局長の三石から御説明いたします。時間が限られていますので、赤字の部分を中心に御説明いたします。
まず、評価項目2-1「効率的な業務運営体制」です。平成23年度に病院の中央部門の組織強化を図るということで、特に強調したいのが4にあるような、統合入院センターの設置による病床利用を含めた経営の効率化及び患者サービスの向上というところです。右の図にあるように、中央診療部門長を兼任する副院長直下の組織として、病床運用統括室を含めます総合入院センターを設置して、病床利用率の向上などの実績を図ってきました。
続いて、事務部門の改革です。そちらも赤字にあるように、対外戦略強化のために、それまでの企画戦略室を企画戦略局へ格上げをしまして、特に、移転建替プロジェクトについて進展させたことを上げています。御存じのように、今度の移転先については、吹田市と摂津市という2つの自治体にまたがる地域に移転をさせるということで、自治体調整、それから経済界や関西のアカデミアとの調整、様々な複合的な要素がありましたが、そういうものを1つ1つクリアしながら、移転建替プロジェクトについては、この後詳しく述べますが、進展させることができました。そこを強調したいと思います。
そして、その他の所の一番最後の赤字の所です。情報システムについてです。平成24年度にCIO、最高情報責任者を置いて、情報統括部を中心に新たなネットワークシステムを構築しました。こちらの委員会でも高く評価を頂いた、いわゆる4階層のネットワークシステムでして、データを利用する研究者にとっての利便性、それから何と言っても、個人情報の保護という情報のセキュリティ、この安全性と利便性という、ややもすれば相反するような概念を両立させた4階層ネットワークを構築することができて、実際に臨床データなどを使う現場の研究者にとっても、現在高い評価を頂いています。
ということで、全体を総合しまして、評価項目2-1については期間評価Aとしています。
続いて、14ページ、評価項目2-2「効率化による収支改善、電子化の推進」です。まず、最初に、経常収支です。右側に数字があります。経常収支率については、この5年間の累計で99.7%ということで、ほぼ計画どおりの水準になっています。ただ、ここで強調したいのが、2にあるように、医業収益を取り上げますと、前回の診療報酬改定ではマイナス改定、それから消費税の引き上げというマイナス材料がありましたが、右側の数字に医業収益を書いていますが、平成22年度から平成26年度にかけて堅調に増えてきました。5年間の、いわゆる医業収支差、医業利益については累計32億円に達成しています。
一方で、平均在院日数については、やはり平成21年から平成26年度にかけて暫時短縮を図るという実績を達成しました。ここで、全国の病院との比較ということで、恐縮ですが、もう1つA3の追加の資料を御覧ください。これは「病院経営力ランキング」ということで、『日経ビジネス』が今年の6月に出している、全国のDPC病院の経営力ランキングです。こういう分析、いろいろなデータがありますが、これを取り上げましたのは、DPCデータを使っているということで、公表データに基づいて分析したものです。右上にその出し方があります。基本的には、DPCの参加病院の各種データの指標ごとに偏差値を算出して、それを加重平均して総合得点で並べたものです。したがって、総合得点の点数というのが、いわゆる経営力としての偏差値ということになります。最初のこのペーパーは、その100位を並べたものです。私どもの国循については、右にある78位に位置しています。なお、この100位以内には、6NCで入っているのは私ども国循だけですし、また、臨床中核病院ですとか早期・探索臨床試験事業ですとか、そういう高度先進あるいは研究を行っています病院は、私どもが確認した中ではこの100位以内には入っていない中で、入っていますのは私ども国循だけということです。
特に、この総合得点、偏差値58.40ですが、その中の一番右端「収益力」、これはDPCの入院総収入額とか、あるいは1日当たり単価などです。ここが62.5ということで、大変高く評価をされたものです。なお、地域ごとに見ますと、裏面ですが、大阪府内では関西医科大に次いで2番目、関西でも6番目に国循が位置しているということです。このような形で、病院の収益力向上についても、具体的な数字で裏付けられているかと分析をしています。
最初の14ページに戻ります。一方で、経費の節減という意味では、特に、材料費の中では、後発医薬品の利用促進を国の目標に先行して達成しています。また、医業未収金の比率の大幅な縮減についても、大幅に目標を達成しています。ということで、これらを総合しましてA評価としています。
続いて、15ページの評価項目2-3です。「法令遵守等内部統制の適切な構築」です。まず、コンプライアンス体制の構築の所では、コンプライアンス委員会を平成24年に外部の弁護士を室長に任命しまして、委員会を平成25年度に設置しています。また、監事1名を弁護士という形で体制の強化を図りました。また、昨年12月の元情報統括部長の起訴を受けて、再発防止に取り組むということから、6NCに先行して、最も厳格な契約執行体制などの強化を図っているところです。特に、契約審査委員会に対しては、外部委員を2名に増やして審査体制の強化を行うとか、また、恣意的な公募型企画競争などが行われないようにするために、その手続の透明化、あるいは公正性の確保という観点から、マーケットサウンディングと、かなり事務手続としては負担のかかる作業ではありますが、こういう他の6NCでもないようなシステムを導入しまして、透明性、公平性の確保を図っています。また、兼業の件については、兼業委員会だけではなくて、利益相反マネジメント委員会において、その兼業が利益相反の疑いがないかどうかを二重にチェックを行うという新たな仕組みも導入しました。これらを総合評価しましてAとしています。
続いて、評価項目3-1「財務内容の改善に関する事項」です。冒頭、研究開発基盤センター設置の意義の話をいたしましたが、これらの成果を受けて、具体的な数字として、ここでは特許収入額、それから寄付の受入額、さらには、企業などとの共同研究の収納額を上げています。右側に平成22年度から平成26年度の実績がありまして、平成22年度に比べて平成26年度はどの程度増えたかという数字が赤字で書かれています。例えば、特許収入額であれば9.18倍、寄付受入額であれば約5.95倍、それから共同研究収納額については約2.84倍という形で、飛躍的にそういう外部資金の獲得の実績を残しています。これらを評価してSとしています。
最後に、16ページ「その他業務運営に関する重要事項」です。この点では、2点強調します。まず第1点目は、人事の面です。特に幹部医療職、あるいは研究職への女性の登用です。独法の最初の年、平成22年4月1日には、いわゆる女性の役員、部長は看護部長の1名だけでしたが、この5年間の間で、現時点においては、幹事、執行役員を含めて6名の女性を登用しています。また、看護師の確保対策ということでメンタルヘルス対策にも力を注いできまして、実際に、今、新人看護師へのメンター的な役割を担うような職員の配置ですとか、あるいは、早期に適性に応じた配置転換を行うことで看護師の離職を防止するということから、例えば、新採用の看護師については退職率が飛躍的に減るという実績を残しています。
もう1点強調したいのが、移転建替です。平成23年度のセンター移転建替構想、これを具体化するということで、実際に平成25年に新大阪駅近くへの移転を決定しまして、更には、平成26年度については、実際にそれを応援支援する経済界、アカデミアなどの形成会議の設置をし、更には、具体的なオープンイノベーションセンターの策定ですとか、単に病院、研究所のみならず、商業施設、あるいは都市型居住ゾーンを含めた全体としての街づくりのゾーニングの策定というものも、平成26年度に実施しています。
こういうことで、単に構想だけではなくて、その構想を平成30年度の移転建替に向けて、より着実に具現化すべく様々な準備が進んでいるところを強調しまして、全体としてS評価としました。以上です。
○永井部会長
それでは御質問、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。前回も最後にお聞きしましたが、減価償却の積み立てがトータル25億円、病院で1.6億円ですか。財務諸表を見せていただくと、積立率は大体、取得額の38%これは適正なのですか。これは一体どのくらいを目標にしてやっていけばいいのか。これはいろいろな法人で頭が痛いところですが、これから病院の移転であるとかいろいろなことを考えると、経費がますますかかってくる。でも財投でいろいろ融資は受けられるのでしょうが、そうは言ってもなるべく自己資金を貯えておかないといけないですね。その辺りの積立金というものをどのように考えていらっしゃるかをお話いただけますか。
○国立循環器病研究センター企画戦略局長
まず1点、前回、減価償却の数字について間違った数字を申し上げてしまいましたが、訂正させていただきたいと思います。平成26年度の病院の減価償却の費用は、平成26年度については1.6億円は桁を1桁間違っており16億円です。比率的には全体の7.3%ということで、ただ前回も申し上げましたが、移転建替を控えて不要不急のものはできるだけ控えるということから減価償却費は徐々に抑えているので、当初平成22年度に減価償却比率は10.2%でしたが、これが徐々に減って平成26年度は7.3%になっております。
そして御質問の点は、おっしゃるように基本的には今後の新たな医療機器等については財投、又は今後の病院収益などで賄っていきますが、一方で先ほどオープンイノベーションセンターのお話をしましたが、今後は企業と一緒になって医療機器の開発などを行っていく中で、幾つかの医療機器についてオープンイノベーションセンターの整備の形で何とか国の補助金なども得られないかということも今、当局と調整しております。そういった単に病院収入あるいは財投だけではなくて、補助金の活用といったものも含めて全体として必要な機器の整備などを図っていきたいと考えています。
○永井部会長
しかし補助金頼みではなくて、なるべく自立していくというのが大事なわけですから、少なくとも病院についてはある程度自立運営ができるように、また新たに資産を購入すればそれだけまた積立金も増えざるを得ないわけです。その辺りの戦略をお聞きしたかったのですが。
○国立循環器病研究センター企画戦略局長
言葉足らずで恐縮ですが、そういう意味ではまず病院収益をきちんと確保することです。結局、正に病院に使う医療機器でして、当然機器を購入すればそれによって病院の収益の確保にもつながるわけですので、病院収益をきちっと確保して自前で機器を整備するということが大前提だと思います。そういう意味では、最初の病院経営のところでも御報告しましたように、なかなかマイナス改定などいろいろ厳しい状況ですが、病院収益をある程度確保する枠組は現在の体制の中でもできつつあるのかなと思います。更に努力していく必要がありますし、更に言えば今度移転する場所はいわゆる新大阪の近くですので、病院経営の環境としては今よりも悪くなることはないと思っておりますので、そういったことも含めて病院経営にますます努力してまいりたいと考えております。
○祖父江委員
どうもありがとうございました。非常に素晴らしい結果を教えていただいたと思います。最初に理事長から最初の1年間は意識改革をやられて、その後、先行投資をやりながら5年間のトータルで非常に良いものが出てきているというお話をいただきました。正にそういうものが非常にたくさん出てきているのではないかと感じたところです。やはり今後、先ほど総長先生もおっしゃいましたが、フィジシャンサイエンティストを育てていきたい、5年とは言わず、もっと長期10年、20年かけてです。そういう非常にロングスパンのことをやっていきたいというようなお話をいただき、非常に心強く感じたのです。それも1つですし、この中で例えばバイオリソース、レジストリー、それから治験に向けてのいろいろな品質管理を含めたいろいろなベースが作られつつあるのです。ご存じだと思いますが、例えばデューク大学のメディカルリサーチセンターなどは50万例ぐらいのコホートを常時維持しているということから、ああいうことが非常にうまく回っていることもありまして、今後やはりナショナルセンターでないとできない、むしろこういう息の長い長期的な展望をいろいろ持ってやっていただけるといいなと思っています。その辺の何か構想、どういうところにあるのか。先ほど一端を少し教えていただきましたが、これがまず1つです。
○国立循環器病研究センター理事
これまで本来であれば、10年前からこういったシステム化はやるべきであったと思います。ただこれまではいろいろなプロジェクト型でせいぜい長くても5年、5年経てば終わりというような形の予算、経費でやってきたわけです。そういう面で1つは、我々はバイオバンクということで、独法型どおりに始めた。それから統合情報センターという形で、我々の所だけではなしに、循環器学会を始めとして、あるいは脳卒中、それを集めるようなシステムを作っています。その中でやはりすぐにそれが結び付いて何か金が入ってくるようなシステムにならないわけです。10年経てばずいぶん違ってくると私は思います。ところがそういう中で、研究所長として言わせていただければ、その中でこの5年間、いわゆる交付金がどんどん減って7割ぐらいになっているわけです。そういう中でやはり交付金というのは基盤的なもの、それから研究開発あるいは人材という面で必須なわけです。そういう中でどうにか今やっているのが現状です。ですからもちろん急激には増えなくても、継続的に事業をやっていくためには一時的なグラントでなしに、そういった長期な交付金、そういったベースになるものを投資、やはりそれを国のほうとしても考えていただきたい。それなくしてはできないと私は思います。これまでやはりそういった人材を育成してもやはり3年、5年経ち、グラントが切れればポジションがなくなって外に移るというような繰り返しであったということです。基盤的なシステムはできつつあるので今後、次の中長期6年間では成果はぐっと上がると思っています。
○祖父江委員
私も全く同感で、やはりナショナルセンターでないとやれないようなロングタームの研究は是非、どういう仕組でやっていったらいいのか。今おっしゃったようにやはりヒト、モノ、カネがないとやれないので。
○国立循環器病研究センター理事
ですから特に独法化してからはナショセン間の連携といいますか、そういった面でもバイオバンクでも6ナショセンで疾患別で一緒にやっています。それから今後、ゲノムの研究も一緒にやっていく形で、これまでとは違った6ナショセンが連携するということは今後ぐっと進んでいくと思っています。
○祖父江委員
ありがとうございました。細かいことですが、1点だけ教えていただきたい。先ほどお2人の学位取得者が出たとおっしゃいましたが、ちなみにこのテーマ、やはりナショナルセンターでないとできない研究で、学位が取れるという領域が広がってくると非常に素晴らしいと思います。このお2人はどういうテーマで取られたのですか。
○国立循環器病研究センター病院長
2人はいずれも心臓内科の若手医師で、1人は不整脈関係の仕事です。もう1人は血管内治療に関する仕事です。
○深見委員
平成22年度から比較すると、本当にどの項目も非常に大きな改善が見られて、非常に高い評価につながるのではないかと思います。お伺いしたいことは3-1の財務内容の改善に関する事項というところです。非常に特許収入及び寄付受入額が伸びているということですが、特許収入等々を考えてみても、伸ばそうと思ってもなかなかすぐには伸びないような収入だと思うのです。これが今回非常に大きく伸びたのは何か改革と関係して伸びたのか。それともたまたまと言っては何なのですが、そういうタイミングであったのかという点。また寄付収入も非常に大きくなっているのですが、こういったこともそういった改善の努力によってどこからかというところも少し教えていただきたいのです。改善の努力によってこういう成果につながっているのか、その点をまずお伺したいと思います。そしてこれが今後、平成27年度以降になりますが、こういった努力をすることによって、継続的にまた伸び続け得るものなのか。この辺りをお伺いしたいと思います。
○国立循環器病研究センター研究開発基盤センター長
まず、特許収入に関してですが、これは2つぐらい要素があるのだと思います。1つは非常に良い特許が出てきたということです。寒川先生がやられているANPに関するがんの転移抑制薬などです。そこでかなり大きなお金が一時金として入ったことがかなり大きなことです。それ以外には2つぐらい良い特許がありまして、1つはvon willebrand factorという血液凝固を調整する因子なのですが、それを切断する酵素の特許がずっとあって、収入を見ていただくと平成22年度からずっと割と平均してきているのはそれで獲得していたものです。
それから3つ目は、動脈硬化の危険因子を測定するようなキットというか、LOX-1という因子なのですが、そういうものを測定するような特許が出て、それがキットとして売り出され始めたというのが出てきたのが、たまたま今年になったというようなことがあって、割と良い特許なのだけれども、そういうものが組み合わさって、特許の収入が増えてきていることになります。
もう1つは、私は研究開発基盤センター長をさせていただいていますが、知的資産部というのがあって、そういう企業との交渉を良い条件でやっていく、どこか落とし所があると思うのです。企業の側は何とかうまく商売にしたいと思っているし、こちらも実現させていかないといけないということで、やはり落とし所というか、どういう所でお互いに身になるかをうまくやっていけたということで、それで少しずつ、今年は一時金というようなことがあって、もっと増えている。来年以降はそれがどうなるかということはまだ分かりませんけれども、それ以外のものも先ほどお話しましたが、共同研究がたくさん出てきて、我々のところが職務発明として認定するときには、企業との連携をかなり重要視しています。そうでないとものになっていくものにならないというような、そういう目効きも含めてやってきているのが積み重なっていって、それが右上がりになっていく可能性があるのではないかなと思います。共同研究の収入が増えてきているのは、最初にお話したように共同研究の数が増えてきていて、それに伴って増えてきているということもあります。
寄付に関しても、将来的に我々と一緒に研究開発をしていると自分たちが良くなっていく、それから特任のような形で職員を増やす、良い臨床をやっている先生方を雇うための寄付であったりなど。そういうものが増えてきていることがあって、寄付が増えてきているのではないかなと私は思っております。そういう意味で外部との連携をしっかりやって、質の良いものをやる。それからそれをうまく運用していくというようなノウハウのようなものがだんだんたまってきて、右肩上がりになっているのではないかなと思っております。
○花井委員
ありがとうございます。この5年間政府の単年度予算主義など、政治の変化のいろいろな右往左往の中でやはりこれだけの成果を上げてこられたというので、大変敬意を表したいと思うのですが、この評価方法自体の是非はここでは言えないのですが、一方で今度何かS評価の水準、クライテリアが上がってきたので、例えばこの5年間で国循の研究成果の結果、世界的にガイドラインそのものが一部変わったのような、そういう最大の目玉の5年間のアウトプットというのはどれか。素人だからいろいろたくさんあるのですが、そういうのは一体、この循環器領域でインパクト、実際上のインパクトというのはどれが素晴らしいか。もちろん移植は数字として出ていて、すごいと思うのですが、成果としてこれはやはりすごいというのがあれば教えてください。例えばこの研究によってガイドラインが一部それで改定したのだというようなことがあると、非常に分かりやすいのですが、そういうものはございますでしょうか。
○国立循環器病研究センター病院長
まず我々の主導で非常に大きかったと思うのは、rt-PAという脳塞栓症の血栓を溶かす薬を使う。それの時間が発症から何時間という決まりがあったところ、3時間という決まりを4.5時間まで延ばすという指針の改定があり、それを我々の施設が主導できたことが非常に大きい。それから治療法として非常に大きかったのは、慢性血栓塞栓性肺高血圧症というかなり難治性の病気に対して、バルーンでの治療法、これも我々の施設が先頭を切って世界で初めて確立し、これがガイドライン等の改定につながったことが大きいかと思っております。
○永井部会長
今の移植の9ページのグラフ、これはあまり感心しないと思うのです。年度別累計、同じ数を足しているわけで、年度別の実績は分かるのだけれども、年度別に累計したらどんどん増えていく。要するに積分を取ったらいけないということです。微分。これは増えていないのです、同じなのです。だから年度別は。累計したらそれは増えますけれども。気をつけて見れば分かるのですけれども、そういう表現は気をつけられたほうが良いと思います。
○福井委員
私も十分所期の目標以上のパフォーマンス、アウトカムを出されていると思います。2点ほど伺いたいのですが、1つはこういうことができたということではなくて、循環器病センターがあることによって、特に脳卒中と心臓病で今までは期待できなかったような、国民の健康に影響を与えたというようなアウトカムが出るといいなと思います。例えば、確か脳卒中での死亡率は今でも減り続けていますね。そういう死亡率の低減に循環器病センターがどれくらい貢献したかなど、そういったデータが出せるといいなと思います。
もう1点、研究費について。AMEDが発足しましたが、今まで循環器病センターなどで行っていた研究助成金の配分機能は全くなくなるのでしょうか。
○国立循環器病研究センター理事
もともと研究費の配分機能はセンターにはございません。
○福井委員
そうですか。
○国立循環器病研究センター理事長
今、福井先生がおっしゃった脳卒中の死亡数が減っているという、これは良いことなのですが、そういう形でメッセージが伝わるのは大変危険だと思っています。むしろ脳卒中は死なないことによって、非常にハンディキャップを負った要介護者、そして認知症の患者さんがどんどん増えることがあります。もちろん救命しないでいいという意味ではありませんけれども、脳卒中はどんどん死亡率が減っているので、脳卒中対策はもうかなり進んでしまったというような理解が時にされることがあります。確かに死亡数は減ったけれども、後遺症を持つ患者さんが増えるという形になっているのは、脳卒中というものをもっと危機的に考えなければいけないと思っております。ちょっとあえて申し上げました。
○祖父江委員
私も同感です。それで脳卒中を中心に今、循環器全体ということになっていると思うのですが、やはりこういう医療政策のようなこと、国全体で総合的に進めようと思うと、今ちょっとお触れになりましたが、法律化のようなことです。脳卒中基本法、あれはちょっとうまくいかなくて、今、循環器全体という方向で動いていると思うのです。そういうことについては何か、今後もやっていかれようとしているのかどうか。がんなどは非常に法律ができていて、いろいろな施策を打ちやすい、打って出やすいということがあると思うのですが、循環器についてはどうお考えなのかをお聞きしたいです。
○国立循環器病研究センター理事長
もちろんそういう基本法というものは非常に重要だと思います。おっしゃるように脳卒中対策基本法と循環器病対策基本法と2つの流れがあって、大変難しいところにあると思います。センターは両方を扱っていますので、そこでどういう形でコミットするかは非常にセンシティブでなければいけないと思っております。脳卒中対策基本法もどちらかというと、部外の方が先導されて、あるいはOBの先生方が先導されてという形でやってきておりますし、両方一緒にしていったほうがいいのか、あるいは別々のほうがいいのかというのは我々の立場では両方を抱えておりますので、少し慎重にゆきたいと思います。ただどちらにしても是非、できてほしいと思っております。
○藤川委員
意見ですが、事務方から評価の基準、評定の基準について先に資料を頂きまして、その中で昨年度まではAが標準で、今期からはBが標準だと頂いております。大変素晴らしい成果はあるのはよく分かっておりますけれども、こんなにSが付くのかなというと、なかなか厳しいかなというところもあるのかと思います。例えば、2-3、2-1などを見たときに、2-1は全て5年間A、2-3は今年以外Aで今年がBと自己評価されているわけですけれども、他省庁などで見ると、去年の評価を全て1つ洗い替えて、1つ下げるようなことをした上で、今年の評価を見るというようなことをしているので、そういう横串と言いますか、そういう目線で言うと、期間評価として今の評価が付くのかはちょっと難しいのかなという意見を持ちました。
○国立循環器病研究センター理事
これをSがどうAがどうではなしに、我々自身はやはり全体として、期間全体としては当初から比べるとぐっと進んでいるということで自己評価をやっているわけです。平成25年度までと平成26年度では基準が違ってしまうと、それでは期間全体をどう評価するかという場合に、なかなか難しいところがあると思います。期間全体を委員会でどのように判断するかは、全体を統一して考えていただく以外にありません。我々自身は、「途中で基準が変わるというような評価法があるのか?」というふうに思います。事務方が、評価自体をどのように考えているのかと非常に疑問があります。
○永井部会長
よろしいでしょうか。それでは国立研究開発法人国立循環器病研究センターの評価は以上といたします。事務局から今後の流れについて御説明、御連絡をお願いします。
○医政局医療経営支援課長補佐
本日、御議論いただきました期間評価については、この後、各委員側の御意見等を踏まえまして、厚生労働大臣より評価を行います。決定した内容については後日、委員の皆さま方にお送りして、法人に通知いたします。以上でございます。
○永井部会長
では、どうもありがとうございました。ここで5分休憩を取りたいと思います。
(休憩)
○永井部会長
よろしいですか。それでは、国立国際医療研究センターの第1期中期目標期間実績評価について、御議論いただきたいと思います。評価項目1-1から4-1に係る業務実績及び自己評価について、法人から御説明いただきまして、その後に質疑応答という形にしたいと思います。それでは、法人からよろしくお願いします。
○国立国際医療研究センター理事長
国立国際医療研究センターです、よろしくお願いします。まず最初に、私から簡単に御報告を申し上げたいと思います。第1期中期目標期間は当センターが独立行政法人となった最初の5年間ということで、私どもとしては、自立した組織として、自らが自らを律して活動を行うという方針を周知徹底するとともに、独立行政法人の特色を活かして、例えば任期制の導入による優秀な人材の確保、あるいは産学共同研究の推進による研究費の増大に努めてまいりました。その結果、研究論文数並びにその引用数の増加、あるいは世界に誇る幾つかの研究成果を挙げることができたと思っています。
一方、センター病院、あるいは国府台病院、それぞれにおいて、入院棟、外来棟が新しく完成しまして、病院における基本的な療養環境の改善・整備というのは完了したと思っています。それとともに、センター病院ではDPCを導入しまして、必要な人員配置等により、上位の施設基準を取得するなど、医療の質の向上と、病院経営の効率化に努めてまいりました。
また、特定機能病院の名称を取得して、更に医師主導治験を開始し、先進医療新規技術3件を取得して実施するなど、高度医療を実践するとともに、研究・開発を目指す病院としての第一歩を踏み出したと考えています。
また、センターとしてグローバル医療戦略を策定し、国際医療協力局のみならず病院・研究所等を含め、センター全体として国際医療協力並びに国際感染症の制圧に取り組むということで、実際にエボラ出血熱対策やデング熱の流行時等においては、ナショナルセンターとしての責務を果たすことができたのではないかと考えています。
しかしながら当センターにおきましては、この期間において運営費交付金は、当初予定されていた額に比して12.6%、累計で52億円も減少しています。その結果、各種の経営努力にもかかわらず、この期間における経常収支はマイナスとなりました。国の政策に即した研究・開発等を支える運営費交付金についての抜本的な改革を、厚生労働省全体で御検討いただくよう要望したいと考えています。
それでは、評価説明資料に沿って、宇都宮企画戦略局長と前田統合事務部長から、具体的に御説明を申し上げます。よろしくお願いします。
○国立国際医療研究センター企画戦略局長
続きまして宇都宮です。資料2-2に基づいて、御説明させていただきます。ポンチ絵などが描いてある資料2-2です。まず目次ですが、こちらにあるように過去5年間の経緯と期間評価はこのように記したということでして、これからその理由等について御説明させていただきます。
まず1ページ目の評価項目1です。「臨床を志向した研究・開発の推進」ということですが、平成23年度から4年連続でSということで、期間評価もSとさせていただいています。その具体的なものについては下のほうですが、まず「主な取組状況」という所を御覧ください。研究所と病院等、センター内の連携強化ということですが、御存じのようにこちらの国際医療研究センターにおきましては、病院と研究所のみならず、国際医療協力局、看護大学校、また、病院についても2つあるということで、非常に多岐にわたった組織となっていますが、まずそれらが一体となって、臨床を志向した研究・開発を推進するのだということで、例えば3の「グローバル医療戦略」、6の「臨床研究推進のための戦略会議」、こういったものを立ち上げて、一体となって研究開発を推進する体制を整備しているところです。その結果、7ですが、研究所と病院の共同研究については右側のグラフにあるように、中期計画を上回る共同研究数を数えています。そして2ですが、日本で唯一ACCと国際医療協力局が協力しまして、WHO西太平洋地域事務局のHIV/エイズ分野のテクニカルパートナーに選定されて、研究や国際会議等を開催しているといった成果を出しているところです。
1枚おめくりいただいて2番、センター内だけで連携していても当然意味がないわけで、外との連携を強化するということです。2の1にありますように、この期間に7つの大学との連携協定を締結しました。235は企業との連携についての取組を示しています。4はJAXAとの共同研究を進めようということで、取り組んでいるところです。こういった取組の結果、10に赤字で書いてありますが、数値目標、中期計画で10件というのがありますが、平成23年度以降は非常に大きく上回って、共同研究を外部機関と進めているところです。
更には8を御覧いただきたいのですが、HIV/エイズに関して平成25年度に、唯一の国内施設として、米国の国際共同臨床治験への貢献が認められて、平成26年度も米国主催での新たな多施設共同臨床試験に参加ということで、海外との協力も進めているということで、右側の下「グローバル(国際共同)治験の推移」のグラフにありますが、海外との共同研究というものも順調に伸ばしてきているということです。
なお、この上の共同研究数と下の治験の数とは、これは内数ではなく別の数ですので、具体的な共同研究ということを全て入れるのであれば、上と下を足した数が、我々の実績となるということです。そして、3番と4番のような体制を整備しているということですが、先ほど申しましたように、日本で唯一という成果もあるということで、Sとさせていただいています。
3ページの評価項目2ですが、こちらについては平成22~25年度はA、平成26年度は基準が変わったこともありBとなっていますが、期間評価としてはAとさせていただいています。具体的なものについては、まず1つ目の臨床研究機能の強化ということで、2にありますように病院に臨床研究連携部門を設置するなどして、体制を整えつつ、臨床研究というものを進めているということで、先ほども申しましたが、エイズに関する実績もある。ただ、4にありますように、治験申請から症例登録までの期間、これが数値目標を達成できなかったということもあり、評価が若干下がっているということです。そうはいっても、3にあります医師主導治験を2件実施しているということで、これは右側に具体的な治験の詳細が書いてあります。それから、こちらは書いてありませんが、後ほど説明する先進医療などについても、病院で取り組んでいるということがあります。
2番の倫理性・透明性の確保については、1に記述があるような体制を整えているということ。それから、5倫理性・透明性の確保のために、適切な実施及び管理体制を確認することを目的として、内部監査の充実。更に、これは成育医療研究センターとの相互監査ということも実施しているということです。そして、3の倫理に関する教育の充実ということについては、右側に実際の講習会参加人数の推移を見ると、伸びてきているところです。
続いて4ページの評価項目3ですが、「担当領域の特性を踏まえた戦略的かつ重点的な研究・開発の推進」ということで、これは特に平成24年度以降はSということで、期間評価もSとさせていただいています。主な取組状況ですが、まず疾病に着目した研究ということで、1当センターで世界で初めて開発した、新型インフルエンザH1N1型及び死亡率の高い高病原性鳥インフルエンザH5N1型の迅速診断キットの技術を用いて、タミフル耐性インフルエンザ等の迅速診断法開発ということで、右側に具体的なものが書いてありますが、正にSの基準の世界初というものを、こちらで満たしている。更に4ですが、C型慢性肝炎の治療効果に強く関係する因子が、ヒトのIL28B遺伝子及びその近傍に存在することを発見して、インターフェロン治療の効果予測として、世界で初めて報告ということで、これは右側の下のほうの図に分かりやすく示してあります。それから11ですが、これは前回も御説明しましたが、エボラ出血熱に対してファビピラビルによる治療・予防についての多施設共同研究計画というものも計画しているという、これらインフルエンザ、糖尿病、肝炎、HIV、エボラ、マラリア、それぞれの分野で非常に大きな成果を挙げているということです。
5ページですが、1314は数値目標のことについてです。13については右側にありますが、中期計画を上回る論文、平成22年度以降は論文を増やしてきているところです。14については、右側の一番下のグラフですが、治験を含む臨床研究の実施数についても、特にここ3年間は中期計画を大きく上回る成果を上げているということです。参考として、その真ん中にあります、論文の被引用数というものも、順調に伸びてきているということがあります。
それから、2番目の均てん化に着目した研究としては、特にエボラ出血熱、国際的に大変問題となりましたが、これについての診療手引を作成し、公開したということ。それから、3番の国際保健医療協力に関する研究としては、まず平成28年のサミットに向けたユニバーサルヘルスカバレッジについての研究を実施しているということ。3ラオスにおいての調査などを踏まえて、政策変更に寄与したこと。8WHOの協力センターとして、共同研究を推進ということですが、実はほかのナショセンには言いにくいのですが、6ナショセンで唯一協力センターとして、うちのセンターが認定されているということです。
続いて6ページの評価項目4ですが、「高度先駆的な医療、標準化に資する医療の提供」ということで、これは平成23年度以降、Sが続いていますが、期間評価もSとさせていただいています。まず1番目の高度先駆的な医療の提供としては、1右側の下のほうのグラフを御覧いただきたいと思いますが、年間150例以上という目標に対して、それを上回る件数を実施しているということです。
2は先ほども申しましたが、エボラ出血熱に対するファビピラビルの多施設共同研究ということです。34は糖尿病の話で5は先進医療ですが、平成26年度は3件を取得したということです。特に1番目のFDGを用いたポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影による不明熱の診断。それから、腹膜偽粘液腫に対する完全減量切除術におけるうんぬんという、この2つについては先進医療のBという、安全性がまだ確定されていない、非常に困難な、それだけ高度な施設でなければ認定されない先進医療でして、平成26年度に当センターが認定されたということです。※がありますが、平成27年度現在では先進医療技術は9件、そのうちBというものがこの2件を含めて3件ということです。
それから、2番の医療の標準化の推進ということですが、学会等が作成した診療ガイドラインへの採用件数というものは延べ36件、これは右側の上のグラフを御覧いただきたいと思いますが、平成22年度はゼロでしたが、その後、非常に数を伸ばしていまして、平成26年度は16件、延べで36件ということです。
続いて7ページの評価項目5ですが、「患者の視点に立った良質かつ安心できる医療の提供」については、ずっとAできまして、平成26年度に残念ながら医療事故があったということもありましてB、しかしトータルとしてはAとさせていただいています。まず取組状況として、患者の自己決定の支援ということで、セカンドオピニオンについて各年度とも年間180件以上、これについてはすぐ右側にグラフがありますが、御覧いただけば分かりますように、中期計画を大きく上回っているところです。
また、患者等参加型医療の推進ということで、患者さん自身に様々な情報を申告していただくということ。それから、2ですが、満足度調査を毎年実施していまして、それは右側の下のほうの表にあります。5点満点の点数ですが、特に外来について、平成21年度に比べて平成26年度の満足度が上がっている状況です。患者さんの声を聞きながら、我々もサービスの改善に努めているということです。
8ページ目、(その2)ですが、入院時から地域ケアを見通した医療の提供ということで、特に患者さんを抱え込むということではなくて、近隣の地域の医療機関と連携してケアに当たるということで、特に紹介率、逆紹介率について、右側にグラフがあります。センター病院について、それから、そのすぐ下は国府台病院ですが、紹介率、逆紹介率とも順調に伸びてきているところです。なお、一番上の所は平成25~26年度ですが、厚労省の基準が変わったということで、計算式が少し変わった結果として、数字が少し変わっていますが、いずれにしても変わらず伸びているという状況です。
5番が医療安全管理体制の充実ということです。これまでも充実させてまいりましたが、特に昨年の事故以後、我々としてはここに力を入れてきたということで、1に書いてありますように、平成26年度に検査マニュアル整備、研修医等への指導体制見直し等を行うとともに、医療安全マニュアルの大幅改定・各部署への医療安全担当者(リスクマネージャー等)178人の大幅な配置増ということで、一層、安全体制の充実ということに努めているところです。
また、2ですが、これは目標にありました医療安全ポケットマニュアルを毎年改定しているということ。4医療安全研修会・感染症対策研修会は毎年3回以上実施ということでして、これは右側の一番下の表ですが、医療安全研修会、感染症対策研修会の開催状況が書いてあります。なお、センター病院で平成24年に安全研修、感染研修の数が少し増えていますが、この年は特集的に各部門ごとに取組状況などを発表させて、研修を行ったということで、平成24年度だけ少し回数が多くなっているということです。
それから、4の下のほうに書いていますが、受講回数の増加や未受講者の補講により、平成26年度の受講率はほぼ100%ということで、そのすぐ右側にグラフがありますが、研修会の参加者数も順調に増加しているということで、これは実は下の表の回数に反映されていないのですが、例えば同じ内容の研修について受講できなかった人のために、1日2~4回と、実際にはここに書いてある回数よりも多く開催しています。また、どうしても受講できなかった人のための補講なども実施していまして、それの成果もあって、受講者数はほぼ100%になっているということです。また、6番の1にありますように、平成26年度からは医療品質管理センターの設置などもしています。
続いて9ページの評価項目6ですが、トータルとして、期間評価Sとさせていただいています。これについては、救急医療と国際化に伴う医療の2点がありますが、1番目の救急医療については、まず平成22年度にセンター病院が救命救急センターの指定を受けたということ。それから、2にありますように、都内の救急搬送件数は5年連続1位ということで、これは右側の真ん中のグラフに書いてあるように、毎年1万1,000件程度の搬送がある。その5年連続1位という下に括弧書きでありますが、平成26年度は3次救急搬送件数が、都内としては搬送件数が減少しているのですが、当センターについては1,051件から1,075件と、わずかではありますが、そういった周りが減っている中で、3次救急の搬送も増加しているということ。それから、3ですが国府台病院について、これは数値目標がありますが、重症身体合併症の精神の患者さん、5%以上を毎年受け入れて、平成26年度は13.9%という、2倍以上の受入率になっているということです。
2番の国際化の話ですが、1のエボラ疑似症、これについては皆さん先生方が御存じのように、昨年本邦1例目を収容し、また、トータルとして昨年度は4例診療ということで、国のこういった国際感染症施策に大きく貢献しているところです。2のデング熱についても同様です。また、5のワクチン接種や渡航相談、いわゆるトラベルクリニックにおける活動ということですが、これは右側の上と下のグラフにありますように、こういった海外渡航者に対する疾病の予防・治療ということに、大きく貢献しています。6に書いてあります黄熱ワクチン接種、これは本来、検疫所が行って、国としての国際証明書を発行することになっていますが、その委託もこちらで受けて、国際証明書の発行をしているということです。
評価項目7ですが、人材育成については、平成26年度はSとさせていただいたのですが、期間評価としてはトータルでAということにさせていただいています。これについては、まず1番目のリーダーとして活躍できる人材の育成として、1~3にあるような国際保健臨床関係の独自のプログラムを実施しているということ。7センター病院の初期臨床研修第1志望者、5年連続全国上位。8国府台病院についても千葉県上位ということで、具体的な人数については、そのすぐ右に3色のグラフで書いてあります。
それから、2番のモデル的研修・講習の実施という所では、先ほどから出ているエボラ対策の関係ですが、第一種感染症指定医療機関を対象とした研修の実施などを行って、国全体として対応力を高めていくということに、大きく貢献しているということ。それから、右側の2に書いてありますが、西アフリカにエボラ出血熱対策で派遣される医師を対象とする派遣前研修ということで、実際に西アフリカ地域に行く方々に対する研修も行っているということがあります。一番下の10ですが、センター外の医療従事者向けの各種研修、この数値目標については、そのすぐ下に書いてあるグラフのように、中期計画を大きく上回る研修を行っているということです。
続いて11ページの評価項目8ですが、これについては5年連続A、期間評価もAということです。まず1番目のネットワーク構築の推進としては、HIV/エイズ、肝炎、児童精神、これらについて、拠点病院などについての会議を開催するなど、ネットワークを構築推進している。国際保健についても新たなプラットフォーム、ポストMDGS(ミレニアム・ディベロップメント・ゴール)についての、こういうものを開設しているということ。それから、2番目情報の収集・発信として、これはメディア等の所に書いてありますが、エボラ出血熱やデング熱に対する取材が増えて、応需件数が大幅に増加、これは右側の下のグラフですが、平成26年度は260件。また、そのすぐ上ですが、ホームページのアクセス数も順調に伸びて、中期計画を大きく上回っているということです。
続いて12ページの評価項目9、国への政策提言ということですが、これは平成24年度以外はSということで、期間評価をSとさせていただいています。まず「国への政策提言」ということですが、1にありますように、これは政府の健康医療戦略推進専門調査会、あるいは厚労省のエイズ動向委員会等々、それから参議院、厚生労働委員会、国会など、そういう所に出席して、専門的な立場からの提言を行っているということ。それから、2、これは政策研究の懇談会を開催して、中間取りまとめを行ったということ。それから、4はWHOの総会執行理事会、世界基金理事会等、国際会議に政府代表団の一員として出席しまして、政策的な提言、発言についての支援をしているということです。
その下、公衆衛生上の重大な危害への対応ということで、まず1ですが、新感染症の発生に向けた訓練ということでは、そちらの表にありますように、訓練を行っていますが、特に平成26年度は23回となっています。これは3ですが、先ほど少し触れましたが、エボラの疑い例の発生を切っ掛けとして、全国の一種感染症指定医療機関について、こちらから19施設に出向いて、ワークショップを開いて、徹底的に研修を行ったということです。そのすぐ上の2に書いてあるように、先ほども申しましたが、エボラの疑い例についての診療実績というものも当然あります。また、右側に国際貢献がありますが、やはり1のエボラ出血熱対策、先ほど触れたとおりです。それから、2実際の国際協力の派遣、5年間で540人というものについては、下の左側ですが、中期目標の400人を大きく上回っている。それから、7アジア、アフリカ等の開発途上国から1,305人の研修生を受け入れ、これも右側の下の図ですが、中期目標の800件を大きく上回っているということです。また、3ですが、各国の保健省アドバイザー、これは大臣官房の顧問、事務次官顧問として派遣して、政策提言を行っているということもあります。
13ページの評価項目10ですが、HIV/エイズについて、これは平成25年度と平成26年度はSで、期間評価もSとさせていただいています。中期計画の概要に書いてありますように、「エイズ治療・研究開発センターはHIV裁判の和解に基づき国の責務となった被害者の原状回復に向けた医療の取組を被害者の意見を反映しつつ着実に実施し」ということで、国の仕事をこちらのほうで請け負って、着実にさせていただいているということです。具体的な取組として、1にありますように治療成功率が、UNAIDSが推奨する90%を大きく上回って97.7%ということ。2、先ほども少し触れましたが、唯一の国内施設として、米国の国際共同治験に参加。3平成26年度も米国主催の新たな多施設共同臨床試験に参加。4日本で統一した神経心理検査バッテリを作成して、ブロック拠点を含む多施設によるネットワークを利用してエイズ関連認知症の共同研究を開始したということ。8エイズ拠点病院の医師・看護師等を対象にした研修会などを行ったということで、右側の上のグラフですが、参加人数も特に平成26年度は1,000人を超える増加ということです。11ブロック拠点病院では逆紹介がほとんどないのですが、こちらのセンターでは均てん化を非常に強く進めていまして、5年の平均で逆紹介率は39.2%まで達しているということです。なお、右側の下のグラフですが、英文の論文数についても平成26年度は31件など、増加傾向にあるということです。その他、被害患者さんへの対応について、丁寧に行っているということです。
○国立国際医療研究センター統括事務部長
評価項目11から説明いたします。14ページ評価項目11、6つのナショナルセンターの幹部看護師となる人材を育成している国立看護大学校です。教育の充実に関し、1平成25年度から研究課程部前期課程に感染管理看護学を開講し、2平成27年度から研究課程部後期課程(博士課程)を開講するため、認可基準に適合するカリキュラム及び教育体制を整備し、平成27年2月に認定されました。4看護学部の受験倍率は、平成22年度から5、6倍を維持して、卒業生の94%がナショナルセンターに就職しております。良質な学生を確保するために1オープンキャンパス及び公開講座を数値目標3回に対し、各年度7回実施しております。以上により自己評定をAとしております。
15ページ、評価項目12です。センターの使命を果たすことができるよう、効率的な業務運営体制としました。病院に複数の副院長を設け、また診療運営組織を部門制とし、部門長を設け、役職任期制を導入しました。人材企画統括職を設置し、看護師・薬剤師の人材確保・育成をセンター全体で図りました。国府台病院・看護大学校の事務の一部を新宿の戸山地区へ一元化し、事務部門全体を効率化しました。また、平成26年度までに外国人患者への診療支援等を円滑に行う国際診療部の設置準備を終了しました。こうした業務運営体制の構築化等を総合的に勘案し、自己評定をAとしました。
評価項目13、16ページです。5年間の損益計算において、経常収支率が100%以上となるよう、経営改善に取り組んでまいりました。経常収支率は100%に僅かに及ばず、98%でした。期待される医療ニーズに応え、1日当たりの新入院患者数を5年間に両病院で14%増加させ、また、救命救急センター、地域周産期母子医療センター、特定機能病院に位置付けられました。医業収益は5年間に228億円から約293億円へ約65億円増加、率にして28%増加しました。また、給与制度を適切に構築・運用し、材料費、一般管理費、建設コスト等の費用削減を行いつつ、収益の確保も図ってきております。運営費交付金が当初計画より52億円程度削減される中で、これらを踏まえて、自己評定をBとしています。
評価項目14、18ページです。法令遵守等の内部統制のため、理事長直轄の監査室において抜き打ち監査を含む内部監査を実施し、また、監事による業務監査、会計監査を監査法人による外部監査を実施してまいりました。コンプライアンス室を設置し、法令の専門家を配置し、体制の強化を図り、コンプライアンス研修も実施してきています。研究の適正実施を図るため、研究ガイドラインや民間研究費の適正会員のための規定も整備しています。契約についても原則として1社競争等により競争性、公正性及び透明性を十分確保される法律により実施してまいりました。法令遵守等、内部統制体制を適切に構築し、不適切な事案等を防止しており、自己評定をAとしました。
評価項目15、19ページです。外部からの資金である受託研究、競争的研究費、寄付金を、この5年間で大幅に増加させ、また負債については約定どおりの償還を行い、新規借入れを行い、5年間で433億円の施設整備・医療機器整備を行いました。外部資金からの自己収入を着実に伸ばしており、また投資に関し、借入金の着実な償還を含め、着実に整備を進めていることを踏まえて、自己評定をAとしました。
評価項目16、20ページです。その他主務省令で定める業務運営に関する事項です。ここでは業績評価制度の導入、2交替制の導入、女性が働きやすい環境の整備等を実施して、自己評定をBとしています。説明は以上です。
○永井部会長
それでは、ただいまの御説明について、御質問、御意見をお願いいたします。
○花井委員
5年間を通じて大変大きな成果を残していることについて、非常に敬意を表したいと思います。実は、評価の方法がどうこうといろいろあるのですが、認定評価の基準が変わって、Sについては、一応研究開発法人なので、研究成果の最大化に向けた特に顕著なとか、そういう活動の創出というのが挙がっていて、素人には分かりにくい部分です。この5年間を通じて、この研究成果はその領域、特にここは診療機能がかなり多岐にわたって充実しており、ほかのナショナルセンターとは違う雰囲気があると思います。
その中でどの領域でもよろしいのですが、これは画期的にこの領域の1つの、例えばガイドラインの根本的な治療が変革されたとか、そういった成果はあるのでしょうか。あれば教えていただきたいのです。
○国立国際医療研究センター理事(清水)
御質問ありがとうございます。研究所長の清水です。一部お答えしたいと思います。例えば、4ページに比較的分かりやすく書いたのですが、新型インフルエンザを迅速に診断するというのは、非常に重要なことで、これのキットを開発し市販したことは非常に大きな貢献だと思います。
その下に「インターフェロン治療の効果予測」というのがあります。新型肝炎の患者さんの30%はインターフェロンを使っても副作用ばかり出て、実際は効果がない。それを何とか事前に診断することはできないのか、その治療効果を予測できないのかという研究を行い、IL-28Bという遺伝子を調べることによって治療予測ができるようになった。これはまだ保険収載されていないかもしれませんが、かなり多くの大学で既にこの方法を導入して、肝炎の患者さんに使うということをホームページなどでも発表しておられます。世界的にも初めてのもので、かなりインパクトを与えたものの代表例として挙げさせていただきました。
○花井委員
IL-28は私どももこれはと思ったのですが、どうも抗ウイルス剤で、インターフェロンの出番がなくなるかもしれません。しかし、確かにそうだなと思います。そうすると、全体としていろいろな領域がありますが、主に感染症領域が高い研究成果が出ているという理解でよろしいのですかね。
○国立国際医療研究センター理事(清水)
エイズのことも先ほど申し上げましたような幾つかの成果を出しております。生活習慣病のような多くの遺伝子あるいは多くの環境因子が絡んでいるようなものは、これ1つですぐ治療方針に結び付くのは非常に難しいと思っています。しかし、そういう多因子疾患というのは、今、始めなければいけないものですので、基礎的研究、それからいろいろな患者さんのゲノムを解析することで、どういう形の人がなりやすいかという研究を進めており、それらはかなりインパクトの高い雑誌に発表しております。
○本田委員
今の花井さんの御質問に関係しているのですが、評価項目の3の部分で、特に特筆たるところを教えていただいたのですが、例えば、評価項目の1とか4とか、Sを自己評価で付けておられるところは、どこがSなのかを、私は素人ですので教えていただければ有り難いのです。
特に数字的なもので見ると、1、4だけに限らないのですが、中期計画の目標値が初年度からクリアされているような設定が多いのが気になっていて、どうすごいのかとか、この設定はどうなのかとか、その辺を教えてください。
○国立国際医療研究センター企画戦略局長
まず、Sについてです。私はそこを強調して説明したつもりだったのですが、余り伝わってなかったようで失礼いたしました。まず評価項目の1ですが、1ページの2日本で唯一、エイズの治療センターと国際医療協力局がWHOからも選定されたというところです。当然その右側、あるいは次のページにあるように、中期計画を上回る数字の達成ということもありますが、やはり日本で唯一ということ。それから2ページの8HIVエイズに関して、やはり唯一の国内施設として米国の国際共同治験への貢献が認められているということなどが非常に大きいのではないか。
右側の下の図ですが、グローバル治験についても順調に伸ばしてきて、平成26年度は11件にもなっているといったこともあります。
評価項目の4についてはSということですが、これも当然中期計画の数値を上回っているということもありますが、6ページの2にありますように、エボラ出血熱に対してファビピラビルの共同研究を行うというのは世界で一番先進的な取組ですし、5の先進医療についても、新規の技術を3件取得。そのうち2つは非常に難易度の高いBということで、Bについては、この5年間で3件取得しているということなどがあるのではないかと思います。
その下の標準化の1ですが、先ほども成果がどのように反映されるのだみたいなお話がありましたが、診療ガイドラインへの採用件数が5年間で延べ36件にもわたっているということも評価に値するのではないかと考えています。
○本田委員
例えば、診療ガイドラインとか、どのセンターもこれだけ載ったとか、これだけと数はおっしゃるのですが、すごく根本的に治療を変えたとか、そういう成果はあるのですか。
○国立国際医療研究センター病院長
根本的な治療を変えた成果は何かという御質問につきましては、評価項目4の6ページ、先ほど国際医療局長の説明にもありましたが、先進医療技術の中で腹膜偽粘液腫に対する完全減量切除等における術中マイトマイシンC腹腔内投与という治療法は、年間発生数が1年で50症例前後と極めてまれなケースに属するもので、発見が遅れて非常に広範囲に腹腔内に大きな腫瘤を形成することになる腫瘍です。これに対して、従来は治療法がほとんどなかった中で、手術治療で完全減量切除を行うとともに、この技術的な開発とともに腹腔内のマトマイシンC投与を行って、これを制御するという治療法を開発して、これが先進医療技術として現在は実施されています。この治療法は、イギリスに1施設、当施設で1施設ということで、現在、世界では2施設でのみ行われ、開発されて遂行されています。
更に、この治療法は大腸がん等の腹膜播種がおこったような、すなわち従来は全く外科的な治療法がなかったものに対して、新たな治療法を開き、抗がん剤との併用によって、末期の大腸がんの治療にも、これは成功したという結果はありませんが、新たな治療法に結び付くものだと思っております。非常に狭い範囲ですが、医療の実際的な成果ということでは、これを挙げさせていただきました。
○深見委員
5年間で大変いろいろな点で改善が見られているのではないかと思います。既に質問したことと、いろいろなところで絡んでくるのですが、例えば評価項目1で、産官学との連携というのがあります。大学との連携は見えますし、先進医療等の技術で早期診断等々を見れば、企業との連携もしているのではないかとも推測できるのですが、実際に産官学という視点で企業とどのように連携して、5年間連携が進んできたのかというところを、少し御説明いただけますか。
それから企業と連携することによって、寄付金等の増額等々も、そういうことをすると多分増えてくるのではないかと思いますが、実際にそういった企業との連携がもたらした成果もいろいろな所に及んでいるとは思いますが、その辺りをもう少し教えていただけたら有り難く思います。
○国立国際医療研究センター理事(清水)
今、企業との共同研究の数ははっきり申し上げられないのですが、これは毎年かなりの数の企業との共同研究で資金が入り、行っています。更に、ナショナルセンターは独法化後まだ期間が短いということで、大学で言われるような寄付講座など企業との連携が少ないといろいろな所から言われていたのですが、この度、ニコンが連携ラボを作ることができましたし、小野薬品工業、島津製作所などが新たな機器開発や創薬で、今後、共同研究のラボを作る申し出が来ております。そういう意味では、着実に進んでおります。それらは単に研究費を増やし、実際に研究ができる人数を増やすだけではなく、成果をすぐ社会に実装するという意味で非常に大切なことだと思っております。
○国立国際医療研究センター企画戦略局長
補足ですが、保健医療協力の面では、2ページの5に、保健医療事情に関する企業向けセミナーと書いています。これは単に海外に売り込みたいという企業に対するセミナーというだけではなく、途上国向けのものを開発したいという企業などの意向も聞きながら、今どういう状況だということを説明しているものです。これまでカンボジア、ベトナムについてセミナーを行いました。昨年度ではなく、今年度ですが、アフリカのザンビアで、ああいった途上国でも使いやすい、また壊れにくい機器の開発をしようということで、企業とザンビア政府と連携をしようということも進めています。
○福井委員
救急などの目の前の地域医療から、感染症の予防、中長期的なアウトカムを目指した研究まで、非常に幅広く、しかも素晴らしい活動をされていると思います。
単なる意見ですが、正直なところ評価が非常に難しいものですから、もし可能でしたら、いろいろな成果について、命を救う、あるいは生存率を低くしたとか、質で調整した余命を延ばしたとか、そのようなところまでうまくつなげられるようなデータがあるといいなと個人的には思っています。
感染予防なども、もしこのセンターがなければ日本でこのぐらい重大な感染症が蔓延したかもしれないということを示すようなデータが将来出せるのではないかと思いながら伺っていました。全体的には素晴らしい成果を出されていると思います。
○藤川委員
先ほどこの5年間で特に重大な研究の成果は何ですかということで、4ページのインフルエンザのキットとインターフェロンというお話があったと思いますが、これは何年度の成果ということになりますか。
○国立国際医療研究センター理事(清水)
C型肝炎のこの仕事に関しては、最初の論文は2009年に出て、その後、さらにそれの数を増やしたり、別の方法で効果精度を上げるという仕事が2013年に論文になっています。インフルエンザの論文は2010年に発表し、製品化は12年です。
○藤川委員
直近の平成26年度ではないと思うのですが、例えば評価項目3において、5ページで言いますと、掲載論文数、被引用数、臨床研究実施数等が、この3年ぐらいを見ると、伸びている傾向が見られる。これは努力が5年の中期計画がある中で、いろいろ仕組みを作って伸びていくようなものを作り上げたという成果だと思います。
他方、「どれが研究の成果だったのですか」というのをお伝えいただいたときに、今期ではなくて、何年か前の成果だったということになると、5年間の中で後半に向けて、いい成果が出てきているということではないのかなという気がしてしまったのです。全体のプレゼンテーションとして、5年間で、こんなことがありました、あんなことがありましたというよりも、5年間の仕組みをこう作って、後半でこういうことが出てきましたというプレゼンのほうがいいのかなという気がしました。
というのも、去年、4年分の見込評価をするときに「平均値を取ることは不満だ」とおっしゃるセンターが多かったと。確かに5年の計画でやっているのだから、後ろのほうで良くなれば、それを評価してほしい、そうですねと委員側もそれに同意したところがあったので、新しい評価になってからは平均値ということは余り言われなくなったと思います。それからすると、「後半で良かったですよ」という御意見がもっと出てこないといけないのではないかと思った次第です。
○国立国際医療研究センター理事(清水)
後半にもいい仕事は、もちろんたくさん出ております。例えば、今年も322の論文のうち、The New England Journal of MedicineとかLancetなどに、国際保健に絡んで、いろいろな疫学的な研究調査も出てきております。また、生活習慣病の研究においても、今まで欧米のデータは随分あるのですが、アジアの患者さんの、危険因子があるかという仕事は、この1年あるいは2年前にNature Geneticsなどに発表されているということもあります。研究が他者にも評価され、社会に実装するにはそれなりの時間がかかりますので、今回特に紹介したのは前半の仕事が多いのです。最近の傾向としては、病院からの研究発表が増えていること、また、企業との共同研究論文が増えていることなどが特徴です。
○国立国際医療研究センター理事長
そのことに関して追加と言いますか、おっしゃるとおりですが、まずは基本的に論文を書くと言ますか、一定の安打を打つみたいなのが大事で、それが2塁打になるか、ホームランになるかは、いろいろなその他の条件に依存するところがありますので、着実に発表する論文を増やしていくことが基本ではないかと考えております。
○永井部会長
1つ私から。財務で法人化されてから減価償却費をどのぐらい積んでおられて、それは必要とする減価償却費に対して積立率は何パーセントぐらいなっているか教えていただけますか。
○国立国際医療研究センター統括事務部長
減価償却費につきましては、法人化になった平成22年度には20億円台でしたが、整備が終了した現在は、毎年40億円台の減価償却で、すなわち1年当たり20億円台の費用増となっています。
内容は病院の病棟、外来の建物ですが、建物のほかに設備整備、医療機械あるいは空調などの整備の償却が非常に多くなってきています。
○永井部会長
最近は40億円ぐらい。結構大変ですね。
でも、それは累計で、いわゆる取得した額に対して何パーセントぐらいになっていますか。これは極めてまちまちで、私学などですと、100%積まなければいけないということになっていますが、実際はとてもそこまで行っていなくて。ただ、それは1つの経営の指標にはなりますね。ですから、今後、運営費交付金が減っていく中で、自己資金を充実させなければいけないわけですから、それがどのぐらい充足されているかを教えていただきたいのです。
○国立国際医療研究センター統括事務部長
先ほど御説明しました中で設備につきましては、この5年間で400億円台の建物、医療機械等の投資を行っております。それ以前の建物もありますが、現在40億円台の減価償却を行っています。
○永井部会長
累積ですから、使ってしまったら、また減るわけですから。そこの数字を押さえておく必要があると思います。
○国立国際医療研究センター病院長
私の認識している限り、病院につきましては、減価償却は100%の積立てで、100%で償却しております。
○永井部会長
確保している。先ほどの別のセンターですと、30数パーセントでしたが、また調べて。これはある程度多いに越したことはないのですが、100%ならいいのかという問題も当然あるわけで、それは今後の借入金の問題になってくると思います。財投で借りられるうちはいいのですが、それが減ってきたり、運営費交付金が減ってきたら、ある程度は自己資金で、特に病院は回していかなければいけないわけです。そのときの余裕を持っておく必要があるのだと思います。
○国立国際医療研究センター財務経理部長
中嶋でございます。今のキャッシュの件ですが、中期計画は終わりまして、国からの選考、要するに出資いただいた件につきましては、全て終わっている中で、当センターは70億円近くのキャッシュがあるということで、現在、医療機器については、基本的に全て自己資金でやらせていただいておりますし、今後第3期の整備計画についても自己資金という形で計画をしておりますので、基本的にキャッシュフローにつきましては、しっかり確保していると考えております。
○永井部会長
よろしいですか。それでは、以上で国立国際医療センターの第1期中期計画の評価を終わらせていただきます。それでは、事務局から連絡事項等をお願いいたします。
○医政局医療経営支援課課長補佐
本日、御議論いただきました期間評価につきましては、このあと各委員の御意見を踏まえまして厚生労働大臣による評価を行います。決定した内容につきましては、後日、委員の皆様方にお送りいたしまして、法人のほうに通知いたします。以上です。
○永井部会長
それでは、ここで5分間休憩を取らせていただきます。どうもありがとうございました。
(休憩)
○永井部会長
では、これから国立成育医療研究センターの第1期中期目標期間実績評価について、御議論をお願いいたします。1-1から4-1まで、まとめて御説明を頂きたいと思います。それでは、法人からよろしくお願いいたします。
○国立成育医療研究センター理事長
本日は、私ども成育医療研究センターの中期目標期間実績評価をする機会を頂きまして、誠にありがとうございます。時間も押しておりますので、早速担当の者から説明をさせていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○国立成育医療研究センター臨床研究開発センター長
2ページの1-1「臨床を志向した研究・開発推進1」を御覧ください。まず、中期計画の概要です。1番目は、研究所と病院等センター内の連携の強化。2番目は、産学官等と連携強化。3番目は、研究・開発の企画及び評価体制の整備。4番目は、知的財産の管理強化及び活用の推進です。主な取組ですが、まず研究病院等あるいはセンター内の連携の強化ですが、上のグラフを御覧ください。これは、研究所内で臨床に向けた臨床研究、疫学研究に関する系統的なレクチャーシリーズですが、平成21年が52回に対して、26年度は95回と、83%このセミナーの数は増えております。下のグラフを御覧ください。これは、病院研究所による新規共同研究数ですが、これも平成21年の22回から平成26年の31回と、41%増えております。
次のページを御覧ください。2番目の産学官等との連携の強化です。平成25年5月9日に臨床研究中核病院整備事業による臨床研究中核病院の指定を受けました。それから、小児治験ネットワークを介した治験等の実施ということで、「小児治験ネットワークは平成26年度末で33施設が参加し、小児治験ネットワークIRBの開催をした平成24年から通算して、企業主導治験17件、医師主導治験1件の治験参加施設数は、延べ92施設となりました。産学連携の基盤整備ですが、横のグラフを御覧ください。これは、企業及び他の研究機関との共同研究ですが、平成21年度は16件に対して、平成26年度は26件と、62.5%の増加です。右上ですが、研究・開発の企画及び評価体制の整備ということで、成育の研究費ですが、理事会で基本方針を決定することで、これまで以上に採択・評価の透明性を高めました。
次の、知的財産の管理強化及び活用推進ですが、職務発明委員会における審査件数が、知的財産の権利化につながるシーズ探索、あるいは知的財産管理や契約行為等に関する相談支援機能強化を図るため、平成23年度から顧問弁理士による知財に関するセミナーや個別相談を実施しております。平成26年度の職務発明委員会における審査件数は、10件でした。
4ページを御覧ください。評価項目1-2の「病院における研究・開発の推進」です。中期計画の概要は、臨床研究機能の強化、倫理性・透明性の確保です。主な取組状況ですが、臨床研究機能の強化ということで、相談体制を構築いたしました。それから、臨床研究開発センターに組織改変しまして、下の図にありますように開発企画部、臨床研究推進部、データ管理部、臨床疫学部、臨床研究教育部の5部からなるように改組いたしました。臨床研究の実施支援ですが、医師主導治験の実施・先進医療取得を目標とした開発シーズ14件の支援を実施いたしました。
次の倫理性・透明性の確保ですが、倫理委員会の講習会としては、平成26年度は10回行いました。それから、審査した研究に関する情報ですが、平成26年度に倫理審査委員会及びIRBにおいて審査した研究に関する情報を、倫理審査委員会は17回更新、IRBは10回更新いたしました。以上です。
○国立成育医療研究センター研究所長
評価項目1-3について説明いたします。5ページを御覧ください。まず、重点的な研究開発戦略の考え方として、成育では再生医療の確立は非常に大きなテーマとなっております。これまで成育では、ヒトES細胞7株を樹立してまいりましたが、将来的な臨床応用のためにそれに向けた安全性の検討、それから効率よく同定するシステムの開発を着々と進めてきておりますので、こういったものを下敷きにしながら将来的な臨床応用を目指していきたいと考えております。
6ページを御覧ください。同じく再生医療としては、ヒトIPS細胞から視神経細胞、正確には網膜神経節細胞を作成することに世界で初めて成功いたしました。これは、非常に大きな研究成果だと考えております。右上に、その図が書いてあります。次に、ヌーナン症候群という先天奇形症候群がありますが、この新しい病因遺伝子を次世代シーケンサーを使って同定することに成功しております。それから、未熟児網膜症の新しい眼科手術法の開発で、未熟児網膜症で失明する患児の8割以上の子どもの失明を回避できたというような臨床的な研究もあります。これらの研究は、大学等と連携して研究開発を行っており、既に連携大学院協定を締結したものは東京大学、東京医科歯科大学、早稲田大学、東京農大、三重大学、そして平成27年度には東北大学と協定を結ぶことを進めるなど、大学との連携を積極的に進めております。こういった研究を進めてきた結果、原著論文数としては6ページの右下にグラフがありますが、平成26年度は5年前に比べて論文数は30%増の334本の発表を行っております。特に、英文論文数は302本ということで、前の年より60本増えております。これに伴い、これらの論文の被引用回数も前年度に比べて1,500回以上増えているという順調な伸びを見せております。
次のページを御覧ください。もう少し具体的な研究の内容について御紹介いたします。まず、アレルギー疾患、これは小児領域で非常に患者の数も多いということで大きな問題です。そのアトピー性皮膚炎の発症予防に対して、出生直後から皮膚の保湿を続けることで、アトピー性皮膚炎の発症を予防できるという介入試験を証明いたしました。アレルギー疾患発症の一次予防を証明した水準1のエビデンスとして、また食物アレルギーの発症を抑制する可能性があるということで注目されております。それから、卵子X染色体の活動を維持する仕組み、これは生命の根源に関わる非常に大きな仕組みですが、これに関してもヒトのタンパクのメチル化修飾が重要であることを明らかにしております。それから、次にKagami-Ogata syndromeと書いてありますが、これは成育の研究者が病体解明をし、そして臨床像も明らかにした疾患ですが、これに対して国際的にKagami-Ogata syndromeと命名されました。日本人の名前が付いた症候群が生まれたということで、これも非常に大きな研究成果ではないかと考えております。それから、小児腎疾患に関しては、初発小児ネフローゼ症候群の患者を対象とした初期ステロイド投与法のランダム化比較試験の結果を発表いたしました。これによって、コクランレビューの小児ネフローゼ症候群の初期治療法の改訂に至るという研究成果を出しております。
次のページを御覧ください。そのほか成育では、幾つかのコホート研究、成育コホート研究、それから成育母子コホート研究、エコチル調査事業といったものが動いております。成育コホート研究は、1,550名の妊婦とその赤ちゃんを対象とした出生コホート研究で、62.3%という高い追跡率を維持しております。そのほか、これとは別に成育母子コホート研究という1,500組の妊婦と赤ちゃんを対象としたものも順調に進んでおります。それから、環境省が中心となって実施しているたエコチル調査事業においても、メディカルサポートセンターとして詳細な調査研究を行っているところです。
8ページの右を御覧ください。臨床研究実施件数に関しても、非常な増加をみせております。平成26年度の臨床研究実施件数は219件ということで、5年前に比べて143件、188%の増化となり順調な右肩上がりを示しております。以上、評価項目1-3について御説明いたしました。
○国立成育医療研究センター病院長
続いて、評価項目1-4、「高度先駆的な医療、標準化に資する医療の提供」について説明いたします。私どもの病院で特徴的なものは肝臓移植で、右側の図にありますように、年度で表しておりますが、年々症例数が増えて、現在は小児だけでいえば日本でトップ、成人も入れて日本で2番目の数まできました。ただ、小児の生体肝移植だけでいえば、単一施設では世界最多の数を誇るまでに数が増えてまいりました。昨年度の生存率は、93.3%となっております。そのほか、数が増えてきたことにおいて、昨年度においては小児の生体におけるドミノ肝移植を行い、成功しております。また、幹細胞を赤ちゃんに入れて、生体肝移植までのBridge to Transplantationして、このような治療を行い、よい効果をみております。ただ、ここに書きましたように、肝移植後のEBウイルスリンパ増植性疾患予防は、研究所で肝移植前及び移植後にEBウイルスの定量、解析等をやりながらこのような研究を進めているのですが、この中において過程におけるEBウイルスの感染の迅速な結果を出していただけることが、やはり私どもの肝移植の成績がいい1つの大きな原因となっていると思っております。これは、病院だけではなく、研究所との共同作業による成果と、私どもは考えております。
次に、10ページですが、私どもの特徴的なものは、やはり胎児治療だと思っております。これも、この5年間、着実に症例数及び適用の疾患を増やしてまいりました。そこで、昨年度、最初は双胎間輸血症候群に対するレーザー手術を少しずつやっておりまして、次には胎児胸水に対するシャント術をやっておりましたが、現在は無心体双胎に対するラジオ波凝固術、昨年度からは胎児の横隔膜ヘルニアに対する胎児手術を始めており、少しずつ疾患も対象手術も増やしております。現在のところ、順調な発展を遂げております。このようなほぼ複数以上の手術をしている胎児治療病院は、当院だけであると思います。なお、マスコミにも載りましたが、出生前医学的診断検査、NIPTに関しては、やはりうちの病院とほかの病院と一緒にやっており、昨年度は1,129例ということで、いろいろとデータを解析して、今後また社会に還元する準備をしております。
次に、免疫不全に対する治療ですが、やっと昨年度慢性肉芽腫症患者に対する根治療法としての遺伝子導入治療を行うことができました。ここまで至るには、やはり12年前に北大で行われた遺伝子治療があったのですが、一旦途切れてしまったところをまた再開するに当たって、ここ数年間いろいろな準備をした結果、昨年度日本では2回目、又は慢性肉芽腫症患者に対しては、日本で最初の造血幹細胞移植による遺伝子治療を行い、その効果を確認しております。
次は、小児難聴の診療等ですが、積極的に小児の難聴等の治療を行っており、人工内耳の基準に関しても我々が貢献しております。なお、ここには書きませんでしたが、2、3、4歳において、小児の難聴の原因の1つとして、先天性風疹症候群の可能性があるのではないかということも少しずつデータで出しております。
次に、小児劇症型心筋炎は、突然子どもが胸痛、不整脈が出て心臓の重症心不全で亡くなってしまう病気ですが、これは体外人工補助心臓におけるECMO治療を入れますと、時間を何とか凌げば助かることがだんだん分かってきました。データの実績、データの解析を日本でやっており、日本で最大の症例数を誇っており、大変いい成績をしております。特に私どもは、ECMOチームをつくり、救急搬送からICに至るまで、又はICにおけるECMO治療をチームで行っており、日本で最も良い治療成績を誇っております。
次に、1-5、「患者の視点に立った良質かつ安心できる医療の提供」です。セカンドオピニオン外来は、ここ5年間平成21年ぐらいからやってきたのですが、次第に患者が増えてきており、昨年度は若干減っておりますが154件です。ただ、この7、8割は大学病院、又はほかの小児病院、又は大きな総合病院からの紹介で、小児病院のための小児病院、大学病院のセカンドオピニオンの先ということで、最終の治療を行うための医療施設としての地位を確立しているのではないかと思っております。また、昨年は小児がん拠点病院に指定されたことから、がん相談窓口の設置をしております。それに関わり、小児がん患者における緩和ケアサポートのケアチームの充実等、現在ソフト面においてもいろいろな人の手配などをやっております。また、退院支援チームを形成し、重症患者が亡くなることは非常に少なくなりましたが、退院は逆に言えば在宅介護を必要とする患者が増えてきたために、これは入院時早期からチームとして退院における支援を行うチームを結成して、なるべく速やかに地域への退院、又は地域への転院を促すということで、そのチームによる活動を行っており、平成22年辺りは22件でしたが、積極的に行おうということで昨年は263件の患者においてこのようなことを活動しております。
次に、1-5ですが、「患者の視点に立った医療の良質かつ安心できる医療の提供2」です。医療安全に対して積極的に取り組むということですが、残念ながら私どもの病院で一昨年末梢血幹細胞の移植における患者取違え事件を起こしました。その重大な事件を起こしたことに鑑み、医療安全管理室を設置し、室長として医師を置きました。その下には、師長又は師長及び看護師、事務を置き、医師が主導権を握った医療安全管理体制を整えることにより、今は院内においては医療安全に関する完全なガバナンスができていると思います。それに伴い、医療安全ポケットマニュアル、またeラーニングのテスト等を定期的に行い、きちんとした取組を行っているのではないかと自負しております。
次に、平成26年に病院機能評価というものを受審し認定されております。そのほか、医療連携・患者支援センターの設置等を行うことや、患者満足度調査を毎年行い、その結果としては下の図にも示しておりますように、まだまだ不十分なところはありますが、今後はまた医療だけではなく、アメニティ、又は患者の信頼性を高めるような努力をしていかなければと思っております。
次に、1-6、「その他医療政策の一環として、センターで実施すべき医療の提供」です。1つは、小児がんがありますが、これは関東甲信越の中心病院だけではなく、日本の中心病院ということで、国立がん研究センターと一緒に中央機関を努め、国の小児がんの診療のレベル、又はその研究レベルを高める努力をして、かつ中心的な機関として役割を果たしつつあります。
次に、周産期ですが、これは最初に私どもの病院が設定された13年前は、年間分娩数800例を想定して私どもの病院は作られたと聞いておりますが、それがどんどん増えており、昨年は2,200件の分娩を誇るまでになってまいりました。その6割は、ハイリスク分娩で、これは日本でも最大のハイリスク分娩を担っている病院だろうと思っております。また、小児の救急においては、とにかく断わらない救急ということで、365日24時間救急診療科、又はそれに対して総合診療等が一生懸命頑張っており、昨年度は2万8,000人の患者を受け入れ、約3,000台の救急車の搬入を受け入れております。また、最も強調すべきは、最重症例の受入数は多分日本で最多の数を診ていると思います。
次に、人材育成、とくにリーダーとして活躍できる人材の育成です。昨年度だけで言いますと、2人の教授を出しておりますが、その前でいえば国内では横浜市大の教授や、その前でいえば新潟大学の小児科の教授に私どもの病院の医長から転出しております。そのほか、成育医療関連セミナーにおいては、いろいろな職種を対象にした一般的な入門的セミナーを行い、臨床研究を自ら実施できるような人材を育成することを目的に、実践的なセミナーを新しく企画して実施しました。また、そのほか成育医療に関わる指導的人材の育成ということで、これは放射線科技師、又は看護師、検査技師等を含めた他職種の研修会を行っており、昨年は46回の研修会を行っております。また、地域、特に世田谷区ほかも含めて、在宅医療等、いわゆる医師会との連携も含めた講習会等も行っております。
次に、1-8、均てん化と情報の収集・発信等ですが、私どもの病院は小児ベッド数100床以上を持つ日本小児総合医療施設の協議会全ての全国の小児病院プラス大学病院、又はそれに準ずる小児ベッド数100床以上を持った病院の協議会、現在は32の病院が加盟しておりますが、そこの中心病院として、ここを中心に活動を指導的に行っております。例えば、「小児治験ネットワーク」活動。これは、実際に小児治験に関しては多施設のネットワークとしては日本で最初に活動させた治験ネットワークです。そのほか、小児感染管理についてのネットワークも、これは昨年度から具体的に活動を開始し、小児病院のITCをネットワーク化して情報交換して、小児の感染管理を行うという事務局も具体的に活動し始めました。この5年間、「妊娠と薬の情報センター」を設置し活発な活動を、やっと昨年度においては全国29箇所でネットワークを作って、妊娠における薬の情報を提供するような体制を作ることができました。最初は、本当に参加病院が少なかったのですが、ここまできました。
次は、新しい事業としては、小児の薬の情報収集ネットワークです。これは、自動的に小児の薬に対する副作用等を電子カルテ等から収集するシステムを整えて、何とかそれを解析する方向でいった事業ですが、やはり個人情報をどうするかとか、違うベンダーのところをどうするかなど、いろいろ大きな障害がありましたが、やっと昨年小児医療施設、小児病院等を含めて9施設。小児科ですので、診療情報がないと不十分ですので、診療所も含めて日本医師会の協力を求め、40施設まできました。これは時間がかかったのですが、ここまで形になってきました。そのほかは、当然のことですが成育医療の情報の発信、メールマガジンです。あとは、センターとして紹介冊子の作成を行い、ホームページもきちんとやっております。
次に、1-9、国への政策提言等、国の医療政策の推進等に関するところです。一応私どもの病院からは、種々の政府、中央官庁の会議等に呼ばれることが多いのですが、特に少子化危機突破タスクフォース、あとは指定難病の選定作業の支援、予防接種、薬事行政の副反応に関する委員会への出席等で、多くのドクターが出席をして貢献しているかと思います。あとは、東日本大震災のときは、当然のことながら私どもの所からはDMATが出動しておりますが、それ以外では震災で親を亡くした子どもたちの心のケアをどうやっていくかは、私どもの病院の心の診療部が中心となって今でも活動を続けております。そのほか、国際貢献においては、海外からはいろいろな所で講演の提案があり、特に川崎病に関しては日本がトップですので、それに関してはいろいろ講演を行ったり、生体肝手術に関しては特にイスラム諸国からの要請が多いものですから、私どもの病院の医師が数か月に一回程度招聘され、ほぼボランティアで技術指導を行っている状況です。
○国立成育医療研究センター企画戦略局長
「効率的な業務運営に関する事項」について説明をします。評価項目2-1ですが、効率的な業務運営体制として、当センターでは的確かつ迅促な意思決定及びガバナンスの強化を図るため、法人設立時より外部から組織運営経験の非常に豊富な理事、監事を採用したほか、26年4月には女性の理事1名を登用しました。また、病院運営については、特に責任体制を明確化することを目的として、重要事項を担う複数副院長制を平成25年に導入しました。このように適切かつ効率的な組織運営体制及びガバナンス体制の構築を進めてまいりました。また、平成25年度末から急激に経常収支が悪化したこともあり、幹部・役職者等で構成する経営改善ワーキンググループを設置し、収支改善策等の検討を進めているところです。
評価項目2-2、「効率化による収支改善・電子化の推進」についてです。当センターでは、職員の適正配置による診療報酬の上位設置基準の取得等による収入増を図るとともに、一方で人権費・材料費等のコストの縮減にも努め、収支改善を図ってきたところですが、残念ながら中期計画期間中の経常収支率は100%ちょうどという状況でした。
次のページを御覧ください。同じく評価項目2-2の具体的な取組についてです。経費節減についての取組としては、医薬品・検査試薬等については、他のNC、NHOとの共同購入、あるいは薬剤については、同種同効医薬品の整理による使用医薬品の集約、あるいは後発医薬品の採用促進、また医療材料については、在庫管理の徹底と、そういったことによる材料費の縮減に努め、平成26年度は平成21年度に比べて-1.5億円(23.5%)の節減を図りました。
一方で収入の確保を図るため、徹底したレセプトチェックをはじめ、定期的な支払いの督促、妊婦に対しては分娩預り金制度の導入、あるいはクレジットカード支払いの導入、そういったことにより未収金の発生の防止に取り組んだ結果、平成26年度の医業未収金比率は0.05%と大幅に改善し、目標を達成しました。
電子化の推進の関係では、当センターでは情報管理部を設置し、情報の解析、あるいは文書管理の強化に対応できる体制を維持しているほか、新たに財務会計システムを導入し、月次決算を維持データと組み合わせて多角的な観点から分析を行い、経営改善に活用しています。
20ページですが、評価項目2-3「法令遵守等内部統制の適切な構築」についてです。当センターでは、弁護士資格を有する者を室長とするコンプライアンス室を設置し、ホットライン、相談窓口の開設、ハラスメント研修会等の研修会の開催などを通じて、コンプライアンス活動の推進を図っています。これらにより職員の組織に対する信頼、あるいは帰属意識が高まり、結果的に離職防止や労働意欲の向上につながったと考えています。
契約事務については、外部の有識者を含む契約審査委員会により、きめ細かな審査等を通じて適正な運用に努めています。また計画的な内部監査、外部の会計監査人による外部監査、更に契約監視委員会による点検等を通じ、適切な内部統制体制の構築を進めています。
21ページを御覧ください。評価項目3-1「予算、収支計画及び資金計画」についてです。当センターでは、公的研究費あるいは受託研究など、外部の競争的資金の獲得に努めています。そのため、受入体制を構築しながら研究者の積極的な申請を促し、右下のグラフにも示しましたが、平成26年度の獲得額は22.5億円、平成21年度に比べて約5億円増の外部資金の獲得をしています。これにより、当センターの研究機能の充実強化及び優れた研究成果の創出につながったと考えています。
施設・設備の整備については、劣化診断等の結果に基づき、施設全体の状況を踏まえて計画的に実施しました。また、大型医療機器等を導入するに当たり、採算性、あるいは複数診療科での共同利用、使用頻度等を基準として、厳重な審査を行い、内部資金等を活用して、効果的・効率的な導入を図りました。
最後に、評価項目4-1、「その他主務省令で定める業務に関する事項」です。適正な人事評価制度、またNHOとの人事交流等を促進し、優秀な人材の育成、定着を図ってまいりました。また育児短時間勤務制度、時間外勤務制限の導入、院内保育所の開設、こういったことを通じて女性の働きやすい職場環境の整備にも努めました。
医師事務補助、いわゆる医療クラークについては、その導入効果を検証しながら、計画的な導入を図り、医師の負担軽減、あるいは診療業務の効率化を進めており、現在16名の医師事務補助を採用しています。また、良質な医療を効率的に提供するために、医療安全あるいはチーム医療の推進等の観点から、必要な人材を確保・配置してまいりました。なお、医長職以上の職員の採用に当たりましては、原則、公募制として、公平性・透明性を図りつつ、優秀な人材の確保に努めてまいりました。以上です。
○永井部会長
ありがとうございました。御質問、御意見をお願いします。今、臨床研究中核拠点の公募をしていますが、今度の新しい法律の下での中核拠点は応募されたのですか。
○国立成育医療研究センター臨床研究開発センター長
今年度の応募はしていません。
○永井部会長
それは間に合わなかったのですか。
○国立成育医療研究センター病院長
小児の治験のマーケットが成人と比べて大変小さいことから、条件になっているCRCの数とか、ほかの職種の必要数が私どもにとっては余りにも多過ぎて、受託数に比べて余りにも多過ぎるということで、基準に合わないと考えています。
○永井部会長
これはまた厚労省と相談されたらよろしいのではないでしょうか。基準が少し成人を対象にした何かの平均値らしいのですが。
○国立成育医療研究センター病院長
そうですか。
○内山部会長代理
今の小児というキーワードとも関連するのですが、我が国では小児医療には一定の制限がある中で、国立成育医療研究センター病院においては救急医療、周産期医療、更に肝移植を中心とする先進医療などを展開し、また研究所からは様々な知見を輩出しており、敬意をもって活躍を評価しています。大学医学部の小児科は、せいぜい多くて2講座、ほとんどが1講座で、そういう中で教育、臨床、研究、更に地域医療の確保が求められており、きゅうきゅうとしています。そのような状況の中でナショナルセンターとして全国で、特に小児という制約の中で今後も大きく羽ばたいていただけることが、我が国における小児医療の発展につながるのではないかと、大いに期待しています。評価になりますと、ほかのナショセンとの比較とか、また今年は評価方法が変わって厳しくなったとか、それなりに制約はあるのですが、そのような状況でも国立成育医療研究センターの活躍は、評価の結果に関わらず称賛されるべきものと思っています。今後益々の活躍を期待しています。これはコメントです。
○福井委員
細かい点ですが、9ページの「小児の臓器移植医療」に「単一施設での小児生体肝移植症例数は世界最多」と書いてありますが、2番目、3番目の施設ではどのぐらいの数なのでしょうか。つまり、圧倒的な1番なのでしょうか。
○国立成育医療研究センター病院長
圧倒的ではないと思います。多分、アメリカでしたらフィラデルフィアだと思いますが、40例とか50例です。ただ、脳死肝移植も含めればもっと数が多いので、これはあくまでも生体肝移植の数としてお考えいただけたらと思います。
○福井委員
もともと生体肝移植は日本で広まっているもので、海外では余りそちらのほうに意識が向いていないということもありえますね。
○国立成育医療研究センター病院長
そのとおりです。ただ、説明の最後に申しましたように、イスラム諸国は脳死を認めていませんので、私どもの技術が必要ということで、そのためにイスラム諸国へのいろいろな技術提供ということで、3か月に1度ぐらい行っています。
○深見委員
周産期から小児という本当に限られた所で非常に努力している姿勢が見受けられて、高く評価したいと思います。そういう意味で全国ネットであると思うのですが、例えば地方の大学病院の小児科ではできなくて、移植等々はもちろんあると思いますが、いろいろな所で、ここだからできるということもたくさんあるのだと思うのですが、そういった中で、先ほど緩和医療ということが出てきたのですが、そういう全国から集まってくるような患者さんたちをきちっと支援していく緩和医療ではなくて、そういうサポートが全国ネットの役割としてどの程度きちっと充実しているのかということです。
産婦人科・小児科がすごく減っている中で、こういった分野を目指す若いお医者さんたちにとって、どの程度ちゃんとアピールしきれているのかと、そこに本来もっといいところのアピール性がもう少しできていないのではないかと、そういう心配もあるのですが、そこはいかがですか。
○国立成育医療研究センター病院長
最初の御質問ですが、緩和ケアだけに限ってのことですか、それとも全体として全国から集まってくる患者ということでしょうか。
○深見委員
全体的な。緩和医療というだけではなくて、全国からそういう集まって治療をすると、家族を含めた、そういった支援はどうなっているのかと。
○国立成育医療研究センター病院長
1つは、私どもしかできない、私どもだからできる医療の一番大きなところは、小児に対する全ての外科治療ができるというところだと思います。頭から、骨から、全部、全ての外科の専門医がそろっている。これは残念ながら面も含めて大学病院にはないところだと思っています。そうすると、全国から患者が集まってくるところがあります。その1つは、搬送です。搬送に関しては、相手方の病院に対しては、こちらがきちっと責任をもって搬送先に送る、搬送を行うということです。
もう1つは、親御さんがどうしても付いて来なくてはならなくて、泊まらなくてはいけないということがあります。親御さんがいないと子供は不安を感じますので、親御さんがきちんと負担が小さい形で滞在できる施設。日本で最初にできたドナルドマクドナルドハウスが私どものところにあります。残念ながら、現在、利用を希望される親御さんに対して、どうしても部屋の数が足りないとお断りすることが多くなりましたので、今年度は病院職員又は地域のボランティアの方々から寄付を募ってやっと2部屋増室する工事を10月から始める予定です。ただ、それだけでもまだ間に合いませんので、ボランティアの方々の御協力で、別に近くにマンションを借りて親御さんたちが安く泊まれる所を2部屋作っています。また、難病子供ネットワークがあり、それは親御さんたち、患者家族団体ですが、そことは密接な関係を取っていまして、私の所も毎年1回御意見を頂く機会もありますし、また倫理委員会にも出席いただいているのですが、そこで親の会の方々、難病ネットワークからも逐次、要望、委託の形で、ソフト面でも何かと貢献していただき、負担のない形で連携を図っています。
ドクターへのアピールですが、確かに先生がおっしゃいますように、足りないところがあったとは反省しています。そういうこともあり、昨年度から「成育サマーセミナー」を開催していて、小児科を目指す若手の小児科医を対象としたセミナーを、1泊2日ですが、それを正規で行うということで、全国から集まっていただきます。今年は2年目ですが、約50名、内部から20名、計約70名の皆さんが参加して行いました。
そのほか、救急医療若しくは周産期医療、新生児、そのほかの分野においては積極的に受入れを行っていますので、それは確かに私どもから積極的に他の施設へのアピールをしていけば、もう少し受入れ人数が増えるのではないかとは思っています。一応そのような形で努力はしていると思っています。
○国立成育医療研究センター理事長
補足をしてよろしいですか。例えば、私どもは3年目、4年目、5年目の研修医、いわゆる後期、あるいは専門研修医と言いますが、それを毎年14人受け入れているのですが、以前は希望者が1.5倍ぐらいしかなかったのですが、今は3倍ぐらい、3人に1人しか受け入れることができません。それだけ人気も高くなっています。それから、日本小児科学会は毎年4月か5月に学術集会をやりますが、4年前までは成育医療研究センター全体で演題が大体25題ぐらいしかなかったのですが、本年度は60数題ということで、3倍近く演題も増えていて、プレゼンスは医者の中でも高くなっているとは思います。ただ、御指摘のように一般の方とかあるいは一般の小児科医に対して、もう少しアピールすることは、これからも必要ではないかと考えています。
○花井委員
大変分かりやすい、特に1-3の所は、毎回どれが画期的なのでしょうと思いつつ聞いたのですが、ここにIPSからの神経の樹立とか、新しい疾病概念とか、小児ネフローゼ症候群に対する臨床研究の結果治療を大きく変えたと書いてあって、この辺がかなり高い特筆すべき成果かと読み取りました。本当に敬意を表したいと思います。
これは意見というかお願いですが、16ページに指定難病選定作業への支援をされて、小児科でかかるのだけれども、キャリーオーバーして、成人以降も切れ目のない支援が必要な305疾患と書いてあって、実はこのキャリーオーバーした小児で結構専門的にやると、散り散りになって難民化するという問題があり、私で言えば血友病ですが、小児科で見てもらう。たった5,000人ですが、データベース化が全然できなくて、結局、小児科ではそこにカルテがあって、出ていったら、どこか大学病院に行けるのだけれども、割と少数の疾病にもかかわらず、その症例のデータが集約できないという問題がある。
今でもその問題意識は学会でも議論されていて、はっきり言うと、どこも音頭をとれないと言うのです。こういったことは正にナショナルセンターの役割と思っていて、305疾患、全ては存じ上げないのですが、これをデータベース化するに関しては、今もネットワークの話なので、別に成人医療機関は関係ない。特に小児の時点でかなり専門性があって、キャリーオーバーすると専門性が希薄になってくるというところの疾患のデータベースというか、コホート研究とか、そういうことをナショナルセンターがやってくれないとできないという状況があるので、お願いですが、是非、音頭をとっていただいて。予算はもっとほかの大きな予算も持っていたり、それにちょっとたかって、またいろいろな所にたかってもよいと思うのですが、音頭をとって、そこでいろいろやることをナショナルセンターに是非やっていただきたいと思います。これはお願いです。そういうのは何か考えていらっしゃいますか。
○国立成育医療研究センター病院長
私から。1つは、小児慢性特定疾病事業が今度また拡大されましたが、その1つの大きな目標としては、今、先生がおっしゃってくださいました、小児慢性特定疾病のデータベース化という精度の高いデータベース化をすることが、私どもの大きな目標の1つです。今度、できれば電子化をして、それで申請をしてもらうことによって、疾病の重なり具合とか何かいろいろな正確性を保つことができないかと今考えています。その事務局もうちの病院に置いて、今後新しい申請の仕方も含めて、小児慢性特定疾病に関しての登録を何とかデータベース化できないかと、これは厚労省と今一緒に考えています。
○花井委員
要するに、小慢は各所でやっていて、例えば小慢であったり、一応、研究所で申請しているから、その後違う研究事業につながったら、本当はみんなそれに登録する。ヨーロッパでどうしているかと見たら、結構、そういう公的な所で全部そこで一括して名簿を作ってしまったりしているのです、当時、プライバシーがなかったのかもしれないのですが。
日本は小慢で出しているのに、研究としてそこで出しているのに、全然データベース化してなくて、カルテとの連携もできないというのが、ちょっと変な状況にあるので、是非、ナショナルセンターもこの辺を国とやっていただいて、本当にそれを願います。
○国立成育医療研究センター病院長
今その方向で動いているので、よろしくお願いします。
○花井委員
よろしくお願いします。
○藤川委員
16ページですが、評価項目1-9です。「国際貢献」が右下に書いてあるのですが、以前、同じ病気であっても小児と成人では全く対応が違うのだということを伺って、なるほどと思った次第ですが、国際貢献において、記載されている事項としては余りたくさん書いていないという思いがあるのですが、国際医療センターは国際貢献をするということで、いろいろな受入れをしてみたり、あちこち行ってみたりということをされているけれども、そこで小児と成人は違うのだとすれば、棲み分けというか、それとも連携があるのか、そういうあたりを教えていただけませんか。
○国立成育医療研究センター病院長
国立国際医療研究センターとの役割分担としては、今、きちんとした形ではしていないのが現状だと思います。ただ、心臓もそうですが、各分野でヨーロッパ等、ほかの地域から研修を受け入れたいということはあります。研究所にはたくさんいます。病院側も内分泌代謝科、神経内科、循環器科、外科系も含めて各診療科で、全部ではありませんが1人か2人は必ず外国の方がいる形にはなっています。ということで、そのことは書かなかったのはあれですが、結構な人数の方が海外から研修にきて、インドネシアなどからもたくさん来ています。
○国立成育医療研究センター理事長
資料3-1の49ページに少し詳しく書かせていただいています。研究所は、松原研究所長から説明します。
○国立成育医療研究センター研究所長
研究所もアジアの国を中心として、外国からの研究員ポスドクレベルの方をいろいろ受け入れています。数字はすぐに出てこないのですが、かなり国際色豊かな研究所ではあります。一部の社会医学の研究部では、ラボミーティングは英語でやっているくらい外国の方が多いのが現状です。
○藤川委員
恐らく国際医療センターではなくて、小児に対する国際的な貢献は、そちらでやられるのかとは思うのですが、もう少し充実して書かれればいいのかとは思いました。
○永井部会長
よろしいですか。ありがとうございました。以上で国立研究開発法人国立成育医療研究センターの第1期中期目標期間実績評価に係る意見については、終了します。今後の流れについて、事務局からお願いします。
○医政局医療経営支援課課長補佐
本日、御議論いただきました期間評価については、各委員の御意見等を踏まえて、この後、厚生労働大臣による評価を行います。決定した内容については、後日、委員の皆様にお送りした後に法人へ通知します。また、委員の皆様方の資料については、そのままにしてお帰りいただければ、後日、事務局からお送りします。以上です。
○永井部会長
以上で本日は終了します。どうもありがとうございました。
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