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2015年8月3日 第15回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会議事録

大臣官房統計情報部企画課国際分類情報管理室

○日時

平成27年8月3日(月)15時00分~17時00分


○場所

厚生労働省 仮設第2会議室


○出席者

石川広己委員、大谷俊郎委員、大日方邦子委員、鎌倉やよい委員、才藤栄一委員、
齊藤秀樹委員、島田洋一委員、中村耕三委員

○議題

1.ICFの普及等について
2.その他

○議事

○事務局

 予定の時刻となりましたので、第 15 回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会を開催いたします。各委員におかれましては、お忙しいところ、また、大変暑い中御出席を賜り、誠にありがとうございます。私は、本日進行を務めさせていただきます統計情報部企画課国際分類情報管理室長の渡です。どうぞよろしくお願いいたします。

 事務局よりお手元の資料の確認をさせていただきます。

 まず最初に議事次第、委員名簿がございます。

資料1 国際生活機能分類( ICF )一部改正( 2011 2015 )仮訳(案)

資料2 第 14 回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会での意見

資料3  ICF 普及・活用に向けたイメージ図

資料4 第5回 ICF シンポジウム(案)

参考資料1  ICF の概念図とコードの概要

机上配布資料1 国際生活機能分類

机上配布資料2 国際生活機能分類—児童版

机上配布資料3 生活機能分類の活用に向けて

机上配布資料4  Practical Manual

机上配布資料5 社会保障審議会運営規則

机上配布資料6 生活機能分類に係る委員会の設置について

机上配布資料7 世界保健機関国際統計分類( WHO-FIC

机上配布資料8  ICF コアセット 臨床実践のためのマニュアル

配布資料は以上です。

続いて、本日の委員の出席状況ですが、出江委員から欠席の御連絡を頂いております。また、石川委員については遅れて御出席されると御連絡を頂いております。なお、企画課長ですが、出席を予定しておりましたが、国会関係の業務で欠席となっております。大変申し訳ありません。なお、出席委員については、 3 分の 1 を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。

 それでは、中村委員長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。

 

○中村委員長

 それでは、議事を進めます。議事 1 は「 ICF の普及等について」です。事務局より、資料の説明をお願いいたします。

 

○事務局

 資料 1 を御覧ください。国際生活機能分類 (ICF) 一部改正 (2011 2015) をまとめて仮訳したものです。左側が現行で、皆様に机上配布としてお配りしております ICF 国際生活機能分類が基になっております。右側に、改正の内容を記載いたしました。空欄になっているものは、変更がないということです。例えば一番上ですと、例示の所の英文に下線が付いている部分が変更箇所です。それに該当するものを、事務局仮訳として同じように下線を付しております。備考欄ですが、一番上には「 CY と同じ記載」と書いております。これは、かつて WHO は生活機能分類 (ICF) の派生分類である ICFCY 児童版を作ったのですが、現在は児童版から本体に合体させたいという意向があり、まとめる作業を 2011 年から行っております。ですので、本体の所に CY と同じ表記のこの部分を追加してほしいということで、それが承認されたということです。備考欄に書いてあるのは、そういった意味です。改正年は、 2011 年から 2015 年まで、それぞれの年に承認されたものということで記載しております。

 本日は、これを一つ一つチェックすることはいたしません。お持ち帰りいただいて、後に電子媒体でお送りさせていただきますので、内容を御確認いただき、年内を目途に事務局まで御意見をお寄せいただきたいと存じます。公表の方法については、現在検討中ですので、また追ってお知らせいたします。資料に関しては、以上です。

 

○才藤委員長代理

 質問してよろしいですか。これは、この会議で決めれば正式な厚労省のバージョンになるのですか。それとも、ほかにどこかでプロセスがあるのですか。

 

○事務局

 こちらの会議で最終的なプロセスとなります。

 

○才藤委員長代理

 了解しました。

 

○中村委員長

 ほかにありますか。確認いたしますと、年度内を目標に皆さんから御意見・訂正等あれば、事務局へ連絡して訂正をして、それが全部まとまれば公表の方法を考えていくということですね。

 

○事務局

 はい。 12 月までに御意見を頂いて、公表は年度内を目指します。

 

○中村委員長

 そして、この旧という所の内容が少し変わるのですね。

 

○事務局

 はい。

 

○中村委員長

 それから、この CY をこちらへ移行するプロセスにあると。

 

○事務局

 そうです。基本的には、 CY の内容を ICF 本体に組みこむのが WHO の意向なのですが、やはりそうは言っても、同じ表記ではどうもうまくいかないらしく、全くイコールの表記ではない部分が出てきますので、英文に対してこの和訳でよいのかを御覧いただきたいと思います。

 

○才藤委員長代理

 基本的には、このアンダーラインの付いた所同士を見ればいいのですね。

 

○事務局

 そうです。

 

○中村委員長

 御質問はありますか。現時点では、方向性と今後の進め方の確認がとれればいいのかと思いますが。では、よろしいでしょうか。

 

○島田委員

 これは、英語訳に対する意見ですか。それとも、英語に対する意見ですか。

 

○事務局

 英語は WHO が作っているものですので、基本的には WHO の決めたものと考えていただいて、和訳、事務局仮訳に対してだけ御意見を頂きたいと思います。

 ただし、今回のこの案件については、和訳についてお願いしておりますが、英語そのもの、分類そのものについては、別のルートで WHO に対して意見を言っていくということはもちろんあり得ます。今回の作業でお気づきになったことがあれば、ご指摘ください。委員長とご相談の上 WHO に別途意見を提出する等対応を考えたいと思います。

 

○島田委員

 CY をまとめるとなると、結局、相当な労力でしょうから、 CY をまとめて、英訳をまだ全部は読んでおりませんが、そうした場合に、きちんとそれが CY に反映されているかどうかを見なくてはいけないのですか。

 

○事務局

 CY を作るときに、仮訳をこのように検討会を開いて議論していただいていますので、 CY を議論したときの和訳はそのまま使わせていただこうと考えております。ですので、備考に「 CY と同じ記載」と書かせていただいております。それで書いていない部分は、今度はこの委員会の承認ということで認めていきたいと思っていますので、その内容を御覧いただきたいということです。

 

○島田委員

 基本的に、英語ではなくて英訳を見てくださいと。

 

○事務局

 はい、そうです。恐らく、今、先生が御懸念の、 CY ICF 本体にきちんと反映できているかという観点については、 WHO の会議で確認をしながら行っており、まだ作業が終わっているわけではなく、作業は順次しているところです。

 

○島田委員

 以前、出江先生から聞いたときには、まだ WHO 自身もしっかりまとまった改訂になっていないですよね。今、やっている最中ですよね。

 

○事務局

 そうです、今やっている最中です。

 

○島田委員

 ということは、一番こちら側に「 CY と同じ」と書いてありますが、これが変わる可能性がありますか。

 

○事務局

 いえ、 CY のときに変えた内容を、 ICF の赤本に採用していいですかということを議論して、それは認められています。ですので、例えば一番上ですと、 2011 年に ICFCY と同じ内容を ICF 本体に入れていいですかということを議論して、それは認められている。これは、基本的に WHO で認められた内容と考えてください。

 

○島田委員

 はい。

 

○事務局

 同じ記載は、あくまでもこの和訳について同じ記載と。過去の検討会で検討して決めた和訳と同じ記載という意味になっております。分かりにくくて申し訳ありません。

 

○鎌倉委員

 1 つ確認させてください。和訳に「 CY と同じ」と記載されているものに関しては、既に論議されて決定されたものがここに書いてあるということになると、今回書いていない所だけを見るということになりますか。それとも、両方見るということでしょうか。

 

○事務局

 基本的には、 CY で議論されたと書いていないものを中心に御覧いただければ結構です。

 

○才藤委員長代理

 備考で「 CY と同じ記載」という所は見なくていいということですか。

 

○事務局

 基本的には。ただ、見過ごせないほどおかしいところがありましたら、それはおっしゃってください。

 

○鎌倉委員

 記載のない所だけを見ればいいということですね。

 

○事務局

 はい、そうです。

 

○中村委員長

 分かりました。委員の先生方からいろいろ御質問を頂きましたので、内容と我々の作業が理解できたかと思います。ほかに何か追加することはありますか。あるいは御質問はありますか。

 なければ、資料 1 に関してはここまでにして、次に進みたいと思います。事務局から、資料 2 の説明をお願いいたします。

 

○事務局

 資料 2 を御覧ください。こちらは、前回 5 18 日に開催いたしました第 14 ICF 専門委員会での委員の皆様からの御意見等をまとめた紙になります。資料 2 に沿って、説明いたします。議題としては、「 ICF の普及等について」です。

 「現状と課題」。 ICF のコンセプトは、医療的側面からだけでなく、環境因子等を加えていくという考え方であり非常に重要であるが、このコンセプトのために、分類は広範囲をカバーしており簡便なものではない。使用を進めるためには具体化させ、シンプルにし、データを出した上でメリットを説いていく必要がある。

 ICF 分類は、全体に配慮しつつ部分的に使うこともできるので、戦略として使いやすい心身機能・身体構造から、また、特定のある種の疾患なり状況の中から使用することをモデル事業的に始め、広めていってはどうか。

 数年の期間で戦略的に目標を立てて進めることが必要であり、医療現場から始めて障害や生活に関わるところへ普及していくのがよい。

 次に、「具体的手法・戦略」について頂いた御意見です。1.特定の疾患を念頭に置いたモデル作り→脳卒中や大腿骨頸部骨折などの具体的疾患を例とし、評価や情報収集の実質的な方法を検討。2. ICF について我が国における研究や報告、政策的活用事例等の確認→俯瞰的にみて利活用。3.ロードマップの作成→普及のためのアプローチを戦略的に実施し、利活用のためのエビデンスを収集。

 次の○は、「その他の御意見」として頂いたものです。医療介護連携が 2025 年までに展開しようとしている中では、必要となる分類である。高齢者医療確保法の医療費適正化計画で臨床効果のデータベースなど構築されれば、治療による状態の変化の評価に ICF が使えるのではないか。地域医療の場で介護職、医療職等多職種が連携するための医療記録 ( 手帳など ) において、評価に用いれば有用ではないか。教育は進めるべき。 ICF の評価項目が、例えばリハビリテーション総合実施計画書等の公的書類で活用されれば、効果的に普及できるのではないか。 ICF の普及には広報も重要であり、統計の中だけでなく、様々な政策の中で「 ICF 」という言葉を明示的に使うことで普及につながる。ということで、前回いろいろ御意見を頂きましたが、こちらで 1 枚にまとめてみたものです。

 次に、資料 3 です。今後の方向性ということで、「 ICF 普及・活用に向けたイメージ図」を、頂いた御意見を基にして仮に作ってみたものです。比較的取り組みやすい心身機能・身体構造の領域から開始する。医療的側面だけでなく、活動、参加、環境因子等の側面にも配慮して進める。

 具体的取組として、前回の会議の繰り返しのような形になってしまいますが、これまでの関連施策、研究等の確認。特定の疾患を念頭においた簡易版作り。

 現状・課題としては、「 ICF 」の概念は共感を得て、理解されているが、項目は余り活用されていない。多様な視点を含む分類で、使いづらい。様々な医療現場で、既に ICF 以外の評価指標が利用されている。だから、教育は重要であるというようなことでした。

 次のステップとして、簡易版を用いた有用性確認のための一次的活用。簡易版の多様な疾患・状況への展開というようなところで書かせていただきました。

 タイムスケジュールのイメージとして入れていますのは、 2016 年に ICD-11 WHO 執行理事会に提出されます。それから、 2018 年に ICD-11 が世界保健総会で承認をされる見込みであると。これは、現在、 WHO 側で言っている ICD-11 側の状況です。

 ICD のことを書いているのはなぜかということですが、 ICD ICF を関連付けて使うのだという方向で ICD の改訂が進んでおりますので、その関係で見て、 ICF も今後の議論を進めていかなければならないと考えておりますので、このような書き方をしております。資料については以上です。

 

○中村委員長

 資料 2 3 は、前回のこの分科会において出ました意見を、現状と課題、具体的な手法・戦略、その他の御意見、そしてまた、それを受けた今後の「 ICF 普及・活用に向けたイメージ図」の整理を事務局でしていただきました。これで決まったということではありませんが、こういう意見が前回出ました。これについて、更に説明なり今後の方向性について少し議論をさせていただければ有り難いと思います。

 

○才藤委員長代理

 私は、これを事前に 1 回見せてもらったので責任があるのですが、これを読んでいて少し違和感があったのはこの絵です。

 

○中村委員長

 イメージ図ですね。

 

○才藤委員長代理

 イメージ図で、「比較的取り組みやすい心身機能・身体構造の領域から」というので、これがイコール医療的側面みたいな感じに見えるのですが、リハビリテーション医療というのはそもそも活動、参加がターゲットなので、例えば総合計画書には、活動も参加も入っているのです。ですから、医療は心身機能・身体構造で、福祉その他が活動、参加、環境因子というような区切りになるのは避けていただきたい。この図はちょっと極端に両側に無理矢理分けている感じがします。

 前回議論したのは、医療現場から始めるのがいいだろうということです。それは、入るのと出るのがはっきりしているし、それなりに経済的にも担保されており、きちんとした構造化がされているという意味でです。心身機能と身体構造がはっきりしているからというのではなく、少なくともリハビリテーション医療に関しては、活動、参加も当然ターゲットになっているので、以上の2つの分け方はやめてほしいと思います。

 

○中村委員長

 貴重な御意見をありがとうございました。これは基本案ですので、この場で訂正なりをすればいいとすると、例えば「比較的取り組みやすい医療現場から開始する」という文言にするということでしょうか。

 

○才藤委員長代理

 そのほうがいいと思いますね。

 

○中村委員長

 その下の文章はいかがですか。

 

○才藤委員長代理

 もちろん、医療現場だけでなく、 ICF そのものは社会全体や人間の生活というものを扱っているので、「活動、参加、環境因子にも重点を置いた検討を進める」というような話にしたらどうですか。要するに、医療が活動、参加と別になっているという絵は、どうしてもまずいと思います。

 

○中村委員長

 そうすると、例えば下の文章の例としては、「医療、活動、参加、環境因子等に配慮して進める」ということでしょうか。

 

○才藤委員長代理

 そうですね。「バランスをもって」とか、そんなことではないかと思います。

 

○中村委員長

 「等にバランスをもって進める」とか。

 

○才藤委員長代理

 よいと思いますね。

 

○中村委員長

 それがいいですかね。文章としては、「医療、活動、参加、環境因子等の側面」。

 

○事務局

 それぞれの側面のバランスを取るとか、そういうような形でしょうか。

 

○中村委員長

 そういう文章にしてはどうかという御意見です。御異論はありますでしょうか。

 ほかに、お気付きの点でも結構ですし、全体に提示されましたものについて、御意見の追加等ありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

 

○島田委員

 全体に出た脳卒中とか大腿骨頸部骨折の話なのですが、これはあくまでも例であって、臓器として見てはいけないので、やはりシステムとして見ていかなければ ICF は成り立たないものですから、今、才藤教授がおっしゃったのは、正にそのとおりです。つまり、どうしても ICD のほうに主にあたっている人たちは臓器別に見よう、疾患別でもいいですから臓器として見ようとする考えですから、 ICF がシステムとして見る仕様になってくると、やはりこれを何らかの形で明記するような、それを知らしめる文言でなければいけないということです。

 

○才藤委員長代理

 そうですね。

 

○中村委員長

 そうすると、例えばこの「具体的手法・戦略」の所の1.「脳卒中や大腿骨頸部骨折などの具体的疾患を例とし、 ICF のシステムの利用に向けて評価や情報収集の実質的な方法を」というような文章でしょうか。

 

○島田委員

 これは、これで結構なのです。これは 1 つの例ですから。例えば、大前提となる 2 つの文章が出ておりますが、そこの部分で臓器を臓器別という感覚も出してはいけないので、そこなのですね。

 

○事務局

 資料 3 の、先ほどの議論のバランスと同じような感じでということでよろしいですか。

 

○島田委員

 そうです。ですから、医者が臓器でもってきたら駄目ですので、そうではない概念だということをしっかり明示すると。

 

○才藤委員長代理

 そうですね。

 

○中村委員長

 そうすると、今の島田委員の言われた内容が、この中にプラスされるような文章を入れていただくということですね。

 

○事務局

 はい。

 

○島田委員

 現場としては、 ICD ICF は何が違うのだと。何で ICF にしなければいけないのだということがはっきり分からないと、なかなか普及に関してもイメージ的に困ると思うのですね。これをやはり、ここで今すぐ文言は出ませんが、分かるようなフレーズにしたほうがいいと思います。

 

○中村委員長

 ありがとうございます。その点については、御異論は特にありませんでしょうか。では、そういう文言が入るようにお願いしたいと思います。

 この文章ができましたので、考え方がまとまりやすくなったと思いますので、そのほか御議論いただきたいと思います。御意見がなければ、私から「簡易版」という言葉がイメージ図に 3 箇所出てまいりますが、この簡易版について御意見があれば、あるいは事務局から。

 

○才藤委員長代理

 そうですね、簡易版というのはちょっと軽すぎるかもしれませんね。何かいい言葉があると。応用版とかそんな感じですよね。要するに、 ICF そのものではないけれども、そのいいところを利用したようなという話ですよね。

 

○中村委員長

 応用版なり何らかの言葉がいいと。

 

○才藤委員長代理

 いい言葉を。

 

○中村委員長

 簡易版ですと、軽い印象もありますね。中期イメージとして見ますと、資料 2 の「その他の御意見」に、高齢者医療確保法や総合実施計画書等の公的書類との関連性などが議論されているのですが、今回のこの普及・活用に向けたイメージの中期の所には、これらがまだ入っていない形ですよね。

 

○才藤委員長代理

 私も入れたいのですが、抵抗がありましたよね。

 

○中村委員長

 そうしますと、中期イメージとしては、まず応用版なりで展開して、有用性を確認する、現場の課題を抽出するなどの作業を行う。それをもって、次のステップを考えるという、そういう構図にこの絵はしてあるように思いますが、その点も御議論いただけたらと思います。

 

○才藤委員長代理

 私としても、それは完全に同意です。それが入ったほうがいいと思います。表現の仕方はよく考えていただいて、要は、ほかの所に進出するという話ではなくても入ったほうが、私はいいと思います。恐らく、それが日本での ICF を決めますよ。

 

○中村委員長

 この点については、島田委員、あるいは石川委員からも御意見があったわけですが、この点はいかがでしょうか。

 

○島田委員

 私もその意見に賛成です。もしそれが取り入れられなければ、絵に描いた餅になる可能性があると思うのです。そこに踏み出せるかどうかにかかっているのだと思いますよ。

 

○中村委員長

 長期のイメージの所の先には、恐らく「その他の御意見」で出ました、今の制度とのすり合わせといいますか、そこに入れるだけの実力、内容のあるものにしていくということですよね。それをやっている人たちが同意するようなものを作らなければいけないということになるのだろうと思うのですが。まだ今のところ日本に成功例というか、きちんとした形のもの、国として出しているものがないので、それを頑張って作るということでしょうか。

 

○才藤委員長代理

 そのとおりだと思います。恐らくそれが出ると、ほかの、先ほどの環境因子や参加の部分、あるいは場合によっては個人因子などの解析もできますし、足掛かりができると思うのですが、その前がない限り、本当に少数の何かをちらちらとやって、発表はしましたよというだけに終わると思うのですよ。ですから、そういう意味では、この中期目標で具体的な一言があったほうがいいと思いますね。

 

○中村委員長

 いかがでしょうか。大谷先生、何か御意見はありますか。

 

○大谷委員

 実際に、現場でこの ICF に近いものを使っている人たちと議論をしてみたのですが、こんなことを言ったら大変問題発言かもしれませんが、私の予想に反して、非常にいいという評価が出てきました。それが出てきた理由は、私の前だから言っているわけではなくて、非常に手間と時間が掛かって大変だけれども、一度作ってしまうと患者の全体像が把握できると。つまり、生活の部分だけの記述、機能部分だけの記述ということではなくて、正にこれがコンセプトだと思いますが、全体像が 1 回把握できてからスタートできるので、そういう面ではいいと。ただ、余りに大変すぎて、 1 人で 20 人ぐらい担当患者を抱えている PT 、あるいは OT が、それぞれについてこれをきちんと作成していくと、それこそ膨大な残業になってしまうと。ですから、今、才藤先生が言われたように、例えば学会発表のレベルで、データをどうしても 20 人分まとめろというときには、非常に活用されていますが、私が知っている範囲では、少しずつ少しずつ現場で取捨選択し、デフォルメして、現場バージョンを作りつつあるというような感じがしました。

 そのこと自体はいいことなのかもしれませんが、共通のプラットフォームを作るという意味では、やはりどこを捨ててどこを取り残すのかという議論を最初にしないといけないのかなという感じをもちました。

 

○中村委員長

 ありがとうございます。前向きな動きが日本にも起こっているということだろうと思うのです。ただ、乗り越えなくてはいけないものがあるということでしょうか。

 

○島田委員

 英語版を扱っているネイティブのイメージの人たちにとっては、文章自体は余り違和感もないのです。ですから、割と入りやすいということです。我が国は和訳して日本語にしますから、非常にとっ付きにくい文言が次から次へと出てきて、それが ICF のコモンデジ……難しくなっているというのも 1 つだなと思っています。

 

○才藤委員長代理

 ただ、例えば海外でも、データとしてまとまったものはないのです。今回も ISPRM で議論になったけれども、例えば我々がこれを総合計画書などに入れれば、世界で一番大きいデータになるぐらい進んではいないのです。だから、そういう意味では、英語・日本語の問題は確かにあるし、例えばすぐ出てくるのが、最初のときにセックスの項目が聞けないではないかという話がどんどん出てくるわけです。だから、そういう話は乗り越えなくてはいけない話ですが、いずれにしろ何かで出さない限り進まないし、ある程度の簡易版を作らなくてはならないでしょう。

 

○島田委員

 今の発言については、いわゆる簡易版、運用編でもいいのですが、それを作るときに、和訳自体が入りやすい和訳にしないと、やはりとっ付きにくいのです。

 

○大谷委員

 追加ですが、先ほどの私の発言で、意見を聞いた相手というのは、理学療法士の中で大学院に入ってきて、研究としてこれを使って、更にその先を行こうという意識を持った人たちなので、必ずしも一般的な大多数を代表したという意見ではない可能性はあります。

 

○島田委員

 用語の簡略化とか、何を言いたいか、直感的にすぐその項目はこれだという工夫がないと、全部読んでいると、意外と一般には大変なんですね。私はそれを問題の先生に聞いたときには、英語版は言葉がスムーズに、ネイティブにとっては入りやすいことになっていると思います。

 

○才藤委員長代理

 あとは、簡易版に関して言うと、 2 つあるわけです。 1 つは WHODAS というアンケート版です。もう 1 つはコアセットです。 WHODAS を使う手もあるかもしれないと思います。これは逆に言うと、最初から 1 つに狙い打ちするのではなくて、 2 つぐらい動かして、その中で生き残るのを使う方策もあると。ただ、性格は違うので、場面は違ってくるけれども、いずれにしろ、普及させるという意味では、やり方はあると思います。

 WHODAS WHO の直系ですよね。コアセットは、どちらかと言うと、そこからスピンアウトしている部分のグループですね。どちらを取っていくかは議論をして、その中でやるけれども、残るものを作っておかなくてはいけない。最初の段階で二度手間みたいな話は、私はあってもいいと思うのです。

 

○中村委員長 

 重要なことをやっていくときに、現場から聞いたものを挙げていかなくてはいけないわけですが、それだけでまとまるかと言うと、私はなかなか難しいのではと思います。医学会が関与して、包括的にというか、今の ICF の置かれた状況と何が課題かをここで議論されたことを踏まえた上で、簡易版なり応用版を考えていかないと、現場で応用版を考えてくださいというのでは、なかなかたどり着かず、なかなか現実的ではない気がします。その意味で、リハ医学会の感覚といいますか、考え方は非常に重要と思います。

 ほかに御意見はありますか。今までに出ましたのは、資料 2 3 で掲げたことは、大筋これでよくて、幾つかの追加する文言がありますが、今後、大筋この資料 2 の内容で少し言葉を加えて、資料 3 のイメージで進めていくということでよろしいでしょうか。もう少し具体的な話になりますと、「有用性の確認のための一次的活用」ということを考えると、まず簡易版作り、実際の歩みとして考えていかないと、先へ進めないということですね。これは基本的な考えで、そういうのが前回の意見でもあったと思います。

 前回の議論で、 ICF 以外の評価がされているものについて少し置き換えも可能というご意見が、才藤先生からありましたね。これをもう 1 度御説明いただけますか。

 

○才藤委員長代理

 御説明します。この間も少し話しましたが、あと、厚労省側と打合せをして、今、一応トライアルとしての研究の申請をしているところです。

 こういうことです。今、臨床の場面で、特にリハビリの場面で使うセットとして、 ICF が入り込むためにどうしたらいいかを逆算をして考えていくと、すでに使われているものとして総合計画書があります。これは義務付けられていて、患者の同意を取るために、まずリハビリが始まる前に作ります。それから、 1 か月ごとに取らなくてはならない。それで、退院時はもちろんです。そういう評価が、患者に説明するための義務付けられたセットがあるのです。これは幸いなことにというか、現場は今でも面倒がっているのですが、 ICF の概念に準拠したセットなのです。ですから、 ICF との親和性は高い。これを利用すべきだろうというのが 1 点です。

 そのほかに、 FIM と言って、アメリカで生まれて世界標準的な評価がある。実際には、著作権とか使用料などの問題でもめている点もありますが、ある意味では国際標準の、いわゆる ICF でいうと活動の部分の評価系があります。まともなリハビリ病院では、大概それを取っています。そのほか、例えば心身機能とか、身体構造に関して言えば、 SIAS とか、 Fugl-Meyer とか、幾つかのものを各自の所で取っています。

ICF の使い方の 1 つとしてクオリファイアと言いますが、要はそういうものを最終的に ICF で表現してもいいよという考え方があります。そうすると、例えば FIM をとると、それは自動的に ICF のある項目の何点という格好に置き換えられる。そういう格好にしていくと、ある項目は総合計画書を直接取らなくても、 FIM を取っていると、そこに点数が入ってくるわけです。だから、総合計画書の項目数は 50 ぐらいあって結構面倒なのですが、ある意味では FIM を取っていると、そこに入ってきて、今までの総合計画書よりも取る項目が楽に実際に増える。かつ、 FIM よりも、先ほど言った家族の問題とか、性生活の問題とか、そういう広い範囲のものが入り込む。このように置き換えていくモデルが、多分、一番可能性が高いかと思います。

 1 つ例を挙げると、今、リハ医学会は結構データベースに投資をしていて、リハ医学会と各療法士協会と年間に多額のお金を使ってきた。今、これは転換期を迎えている。

 ところが、総合計画書等を使えば、これはそもそもインセンティブなわけです。これがない限り、保険診療ができないわけですから。まずはそこに乗せていくことを考えるべきだろうと思います。そして、皆が欲しいからくりを付けて、使いやすい総合計画書になりますよという形に持っていければいい。幸いなことに、これは現在でも 1 種類ではないのです。ですから、 ICF に準拠したより分かりやすいバージョンが出てくれば、それは多分そちらに誘導できるでしょうし、特にリハ医学会等がそれを推薦すれば、そちら側に誘導できるだろうと思うのです。

 話を元に戻すと、からくりとしてそういう 1 個のパターンを作り上げるように逆算していけばいいのだろうと思います。その際、例えばコアセットの中のディスアビリティセット、今、リハビリテーションセットと言われていますが、それを使うのがまずはすぐ思いつくことです。我々も実際にそれの置換え版みたいなものは試しています。また、それではなくて WHODAS のほうがいいと言うのであればそれを試してみて、 2 つを幾つかの施設で実際に使ってみる。これは、しっかりした研究になりますし、具体的進展にもなります。

 ですから、応用するのであれば、クオリファイアという概念をうまく使って、ほかのものから変換させるツールとしての ICF を持ってくれば、少し垣根が下がるというか閾値が下がると思います。実際、リハ医学会では、出江先生がトップとして委員会で議論を進めつつあります。

 

○中村委員長

 どうもありがとうございました。資料 3 の「現状・課題」の中の 3 つ目に「医療現場で既に ICF 以外の評価指標が利用されている」ということと、資料 2 の「その他の御意見」の上 2 つが関係しています。現実的に動いているもの、あるいはインセンティブが既にあるもの、つまり先ほどの将来の長期の所に入れていけるものとの関係についての方針を持っていないと、止まってしまって、うまくいかないだろうということです。今のところは中期的なことですが、長期をにらむと、「その他の御意見」の医療介護連携、地域での医療記録、リハビリテーションでやっている総合実施計画書といったものを見据えてやっていく必要があるというのが、今の才藤委員からの御意見で、そうするにはどうすべきかというお話を頂いたわけです。

 そうして、既に使われている、主に FIM 等を使って、しかし最終像はそれを転換して ICF の最終像として出ていくというイメージの研究が必要ということです。それができるかどうかは、幾つかやってみないといけない。したがって、その例となるものを作った上で、スモールグループで試し、フィージビリティを確認して、それで皆さんにお話をしていくという展開はどうかというご説明だと思います。それにはリハ医学会の方に活動していただくという、そういう戦略といいますか、進め方の話ですが、今のこの話に御意見等がありましたらお願いいたします。


○島田委員  FIM が非常に普及していますが、 FIM 自体が ICF の活動版であるという感覚を、いかに啓蒙するかに掛かってきていると思うのです。ということは、医師はもちろんのこと、療法士、看護師の方々、そういうところに広く広めなくてはならない。となれば、最終って少し行き過ぎですが、取り過ぎですが、最終的には、石川委員が前回おっしゃったように、インセンティブがない限りは、そういうものは普及しないと思います。

 となると、最終目標になりませんが、例えばそこに総合計画書みたいなものを活用する。そういうものが入ってこないと、なかなか。では、活動版だけれども、確かにアイディアは分かりますと。でも、それだけ付けるのは大変だと。そして今、 FIM から流用できるものがあるわけですから、その啓蒙をどうするかと。最後には、啓蒙した後にインセンティブがありますということになれば、これは流れとしてこう行くことですが、それが最後がなければ、何もなくなるかもしれない。

 

○中村委員長

 石川委員、いかがですか。これは先生が前回に言われたことで、「その他の御意見」の所に書かれていますが、今の議論はいかがでしょうか。

 

○石川委員

 この前の会議との間に、私がびっくりしたのは、私の法人は看護師が 400 人ぐらいいるのですが、そのうちの 3 分の 1 ぐらいが集まる看護活動の勉強会みたいなものが 1 年に 1 回あるのですが、そこで、自分たちの活動の中で ICF を使うという演題が幾つかあるのです。そうしたら、その演題の抄録などを見てみると、東京都医師会の前の会長の野中先生の論文などを引用して、看護師が訪問看護活動の中に取り入れているという論文を、自分たちは書いて発表しているわけです。

 これは現場ではそうやって走り出している所もあるということと、この間も言いましたが、私は千葉県医師会の理事のときに置いてきた、千葉県の全域の脳卒中の連携パスを作ったわけですが、そこで FIM が採用されて、人口 300 万人をカバーする急性期から在宅までの連携パス。彼らがやっている人口 300 万人の半分をカバーしようというところに使っている連携パスは、全部 FIM でやっているのです。現場でやっている人たちがこれだけいながら、要するにそれに対してどうやって ICF を置き換えていくのかというところでは、先ほど来、むしろ私もこの間言いましたように、どうやって点数にしたりして誘い出していくかどうかです。

 自分でやっていることで、かかりつけ連携手帳といって、これはいろいろな日本医療情報学会では何回も発表している題材ですが、これはかかりつけというふうに、自分たちは勝手に、この患者のかかりつけだということで付ける業者は、全部使ってもいいということなのです。医師、歯科医師、訪問看護師、ケアマネージャー、訪問看護ステーション、何でもいいからかかりつけ連携手帳に、要するに関わったら 1 行でも 2 行でも書く。なるべく短いほうがいいということで、約束ごとでやっています。歯科医師などが訪問したときに、歯式と言って 10 書いて 1 から 8 までやると、右上の歯の表現ができるわけです。こちらも 10 のうちの、 4 象限の 1 つ。そこでう歯があってやると、これは見ただけで訪問医療にすごく役立つのです。そういうのを、こういう 1 冊の本にアナログでやっていこうと。

 人口 10 万人の市で、今まで全くやったことのない地域包括ケアシステムを立ち上げるときに、私はこれを導入するのですが、これに記入するのを ICF でやれれば実際にはいいかなと。ところが、そこまでいくのに、どうやって勉強していただくかとか、まず、そこからやらなくてはいけないと思うと、実に足取りが重たいということがあるのです。

 それで、 ICF のことをいっぱい研究している筒井孝子先生と、実証実験をやることについて、今週の金曜日に相談することになっていて、できればモデル地区にして、かかりつけ連携手帳で、関わったら、そうやって評価できるところは ICF でやってということを、前は FIM だったですが、今度は ICF で実験をしてみようかと思っています。全く何もやったことのない地域包括ケアシステムの地域ですから、私がこの間、市民と医療従事者にそれぞれの立上げキックオフ集会の講演をしたばかりなので、まだ真っさらなのです。ですから、そういう点では一から入れ込むのはいいかなと思っていますが、膨大なので、どこで先生方にそういう話を披露しようかと思うと、ちょっとためらっていたのですが、そういう話があります。

 

○中村委員長

 現実に看護師のほうで、研究とはいえ ICF が使われているということですね。

 

○石川委員

 そうなのです。やっているということなのです。だから、もし、あれでしたら、そういう現象をよく御存じだったら、教えていただければと思ってはいるのです。

 

○中村委員長

 そういうふうに地域へ行けば行くほど、在宅へ行けば行くほど、家族関係とか、そういう環境因子のところに、しっかりとした情報がなければならないということですね。病院での場合よりもある意味もっと大事な話になると思います。

 

○石川委員

 もう 1 つ言わせていただきたいのですが、実はこれは、各業種がということですが、薬局は御存じのようにおくすり手帳をやっていますよね。そうすると、あれは薬局のレセコンから細いラベルが印刷されて、コンパクトな処方箋が出てくるわけです。今、これは私たちは全部作り付けているのですが、普通の診療所で、別に大きなあれがなくても、レセプトコンピュータからそのソフトを入れると、簡単な診療記録といいますか、ラベルみたいなもので出るような。

 

○中村委員長

 それは貼れるのですか。

 

○石川委員

 はい、それはラベルにすれば貼れるのですが、ラベルプリンターは結構高いので、そうではなくて、小さな紙が出て、検査データとか、そういうのを配出できるソフトをもうやっているのです。私はずっと IT をやっているので、これを総合すると、看護は介護事業のほうではコンピュータはかなり導入されています。それも簡単に、ラベルでこのぐらいのあれでできるようになっています。つまり、 PHR(Personal Health Records) とか、それの 1 つのプラットフォームになるということです。

 正直言いまして、我々は 2025 年までに医療・介護の ICT 化を進めようともくろんでいるのですが、募ったところ、 2025 年までに ICT 化は日本中で 20 %もいかないのです。どうやってもお金が足りないのです。ですから、できないところはアナログで、だけど医療・介護連携は必要だ。だけど、できるところは ICT 化して、 PHR に近付いていこうと、そういうことを考えてやっているのも 1 つでもあるわけです。

 

○中村委員長

 どうもありがとうございます。そういういろいろな医療情報といいますか、疾患情報だけではない情報が必要となり、統合されていくことがありますので、そういう動きの中で、 ICF コンセプトで世界標準として比較ができるものを作っていくところに寄与できればと思います。時間は要すると思いますが。

 

○鎌倉委員

 今、看護の領域というお話でしたので、教育には ICF の概念は入ってきていますが、中身までは入ってきていないのが現状かと思います。訪問看護ステーションで ICF 関係の研究報告ということですが、まだ、ごくごく一部だろうと思います。ただ、看護の領域ですと生活ということは欠かせません。例えば医療を中心にして、そこから始めるというお話ですと、看護師は患者さんが入院した最初の段階で情報収集をします。その情報収集の項目が各病院ばらばらです。どういったことが情報収集されているのか、今、看護の理論からある程度生活の視点でということで組み立てられてはいますが、画一的に統一されているわけではないという状態があります。

 ただ、それがどう変わったかを比較していきたいという思いはありますので、そういったところに ICF が入ることができれば、例えば理学療法士が全部やるのは大変だとしても、分担する形でチーム医療の中で、看護はここの情報を収集するとか。そういう分担しながら 1 つのものができてくる可能性があるのであれば、多少なりとも全体を構築していくことが可能かとお話を伺いながら思いました。

 

○中村委員長

 どうもありがとうございました。

 

○才藤委員長代理

2 つあると思うのですが、 1 つは、 ICF は全体としては概念として受け入れられています。しかし一方、どの項目を使うのかどのスコアを入れるのというところでは、多分まだ厳しいものがあります。従って、 ICF のこの項目を使ってみましたといった使い方になるのです。そうすると、メモにはなっても、統計にはならないのです。

 更に言うと、 WHO とかヨーロッパのグループと議論しなくてはいけないことが沢山あります。結構駆け引きも必要なわけです。

 また、実行には、講習会をし、サーティフィケーションをしないといけません。というのは、妥当性は信頼性を超えられないからです。だから、これらの手続をしない限り、 ICF は実際に使ったことにならないので、先ほどから言っているように項目を絞り、島田先生が言ったようにきちっと言葉を組まれたものにし、組まれたものでいいですねと、そして、 WHO のグループなどに認証をもらいながら進むという手続をしない限り、膨大な時間の無駄になると思うのです。

 とにかく研究で使うには、勝手なことを言って、業績がちょっと増えたよねというような話になりますが、日本の医療や社会福祉の中に組み込むには、腹を括って進まないと駄目だと思います。

 FIM がいいのは、ベーシックな ADL に限ってある点です。病院で必ず取れる項目を取ったまま付けろという明快なルールがあり、マニュアルもできている。その講習会が全国でいくつもあり、毎年、 1 か所につき 2 回ぐらいずつ行われています。現実性が全く違うと思ってください。だから、 FIM ICF に簡単に置き換えられるというようなことは考えないでほしいと思います。手間を掛けないといけないです。

 

○中村委員長

 どうもありがとうございます。才藤先生、これは項目を現実的なものにするときに、かなり作業が要るということですね。

 

○才藤委員長代理

 そうです。

 

○中村委員長

 配慮した作業で、統計的に最終的に使えるものにならなければ、単なるメモになってしまうということですね。

 

○才藤委員長代理

 はい。先生、できれば、ヨーロッパは相当やっているので、彼らのものの中でいいものを使っていくのが現実的だと思うのです。例えば日本版の、日本リハ医学会セットみたいにして作るのは、これは面白いかもしれないけれども、そうするとほかの国と比較できないわけです。だから、それこそ WHODAS かコアセットの中のどれか。コアセットの中だとすると、疾患別のセットか、あるいはリハビリテーションセットと呼ばれているもの、これに焦点を当てていくべきと思います。概念が普及すれば、それこそ老健でとるものなど、先に展開していきます。

 

○中村委員長

 考え方としては、具体的に言うと、あるモデルを作って、その中に、拡張したときにキャリブレーションとして合わせられる項目を入れておく。モデルはある領域としての 1 つの塊で、必要なものを入れる、だけど、後で合わせられる項目を必ず入れておく。そこを共通にして拡張していく、こういうコンセプトでしょうか。

 

○才藤委員長代理

 そうです。それが一番よいでしょう。ただ、そこで共通になるのはジェネリックと言われているところですが、これがなかなか厄介と思います。ジェネリックのセットをキャリブレーションに使うのか、それ以外をうまく組み込むのかは、プロセスの中で我々の知恵を出し合わなくてはならないかと思います。

 

○中村委員長

 ほかに御意見はありますか。なければ具体的な方針として、今、才藤委員から御提案があったものを実際に御検討いただいて、案として、この委員会に御提案をいただく。それを皆さんで見ていただいて、もちろんその中に才藤委員の一推しもあるかと思いますが、それについて御説明いただいて、それで進めていけるかどうかを検討する。そして次のステップへと進んでいければいいかなと思っていますが、方向性としてはよろしいでしょうか。本日は非常に具体的な話にまで議論することができましたので、大変有り難いと思います。

 それでは、今回は、具体的な案を才藤委員にお願いして、その結果は資料として提出いただくということにしたいと思います。その際、できれば前もって見ていただく方法ができればいいかもしれないですね。前もって読んだ上で次の委員会をやるというのが、もしできればですが。途中でいろいろ課題があれば、変更も致しますが、なければそうやって進めていければと思いますが、よろしいでしょうか。そして、そのときに、今日出た議論をもう 1 回まとめて、少し整理していただくことにしたいと思います。

 それでは、資料 3 に基づく議論は、今日はここまでにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

 次の議論として、「シンポジウム ( ) 」について御説明ください。

 

○事務局

 次に資料 4 「第 5 ICF シンポジウム ( ) 」について御説明いたします。

 昨年度の第 4 ICF シンポジウムについては、才藤先生や出江先生、リハビリテーション医学会の皆様に御協力を頂き、 ICF コアセットを中心とした、どちらかというと疾患というか、「心身機能・身体構造」に着目をしました。第 5 回を考えるに当たり、今回は前回とは違う視点、側面で例えば、「活動・参加」とか「環境因子」などの面から見た ICF について、それぞれ題材になりそうなものがないかということで、今回御議論いただくに当たり、たたき台が必要だろうということで、たたき台として資料を提出させていただきました。それぞれ作っておりますが、どこから着想を得たかといいますと、資料 3 の中のものなのですけれども、それぞれ具体例を見ながら作った資料です。

 資料 4 に戻っていただきまして、 1 つ目の案としては、スポーツという観点から何かないかなということで例を出してみました。ちょうど今話題のオリンピック・パラリンピックということで、プログラム例を並べてみました。 2 つ目の案としては、高齢者の地域活動への「活動・参加」の視点ということで考え、プログラム例を少し並べてみました。 3 つ目の案は「環境因子」の面から、福祉用具や支援機器に焦点を当てまして、プログラム例を並べております。それぞれ ICF 全体にどうつながっていくかということを考えて、テーマ案を出しています。これもあくまでたたき台ですので、委員の先生方に御意見を頂きながら、本年度行うシンポジウムについて、方向性をお決めいただければと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。

 

○中村委員長

 資料 4 に基づきまして、今回の第 5 回の ICF シンポシジウムをどのようなことに焦点を当てて行うかということですが、たたき台として案 1) 、案 2) 、案 3) を頂きました。これを基にして、委員のほうから御意見を頂ければ有り難いと思います。

 

○才藤委員長代理

 季節はいつですか。

 

○事務局

 年度末の 2 月、 3 月ぐらいを考えておりますが、まだ具体的に決めていません。

 

○才藤委員長代理

 大体いつもそうですか。

 

○事務局

 いえ。ばら付いているのですが、周知期間が必要ということで、半年ぐらいの周知期間を取りたいということがありまして、今議論していただきたいと。

 

○中村委員長

 年度末。

 

○事務局

 はい。

 

○中村委員長

 できれば年度末。そうすると、具体的な、例えば登壇者とか、そういうのは別にしましても、方向をどれでいくかということは、できれば今日、決めておきたいということです。御意見を頂きたいと思います。

 

○才藤委員長代理

 私は案 3) がいいかなと思うのです。なぜかというと、案 1) は東京オリンピックが来るのはまだちょっと先なので、 2 年ぐらい先がいいかなと思います。案 2) に関しては、多分、リハ医学会の先ほど言ったようなことがもう少しできてくると、その展開も含めて議論をしたほうが、シームレスになるかなと。案 3) については、かなり独立していて、特に環境因子というのは、 ICF でしか出てこない概念なので扱いやすいと思います。それに、例えば支援機器はロボットなども日本ではいま流行っています。

 

○中村委員長

 ありがとうございました。補装具、支援機器は重要な環境因子の 1 つであるという御意見です。ほかにありますでしょうか。

 

○島田委員

 案 2) は、もうちょっと慣れてからすべきだと思います。

 

○中村委員長

 なるほど。今の話がもうちょっと進んでから。

 

○島田委員

 それから、案 3) につきましては、大分日本も進んでいますので。確かに失敗もないと思います。

 

○中村委員長

 ほかにございますか。

 

○大谷委員

 個人的には、案 1) に日頃非常に親しんでいるのですが、これは今年度やるのは、ちょっと違う気がするのです。

 

○中村委員長

 どういう意味で。

 

○大谷委員

 何か今、政治的にいろいろこう、問題が、世間を騒がせているので、本当にこれをやりたいニュアンスがぼける可能性があるのではないかと。

 

○中村委員長

 なるほどね。

 

○才藤委員長代理

 レガシーなどという視点も正にそうですよね。

 

○中村委員長

 そうなんですか。

 

○鎌倉委員

 前回、高齢者の地域活動ということで意見を出させていただいたのですが、今回の議論を聞いていますと、もうちょっと焦点化して、何ができるかを示さないと、今年の段階で行うというのはちょっと難しいのかなと。ただ、今、地域包括ケアは、どっちの方向に進もうかと、非常に模索しているところですから、そういうところで ICF の概念をバーンと出していくのも、 1 つはいいのかなと思ったのですが、具体策はどうかと聞かれたときに、具体策を示すことがつらいなと思いました。

 

○中村委員長

 ありがとうございました。

 

○島田委員

 ICF 自体が環境因子ということを出せるというのは、一番の強みなんです。その強みを今回認識していただくということがいいのではないかなと思います。

 

○中村委員長

 大日方委員は御意見いかがでしょうか。

 

○大日方委員

 先ほどの話にもありますように、ちょっと案 1) に関しては、国立競技場の話とかもありますので。ただ、 2 月、 3 月までには片が付くと思うのですが。町づくりや交通バリアフリーの議論がまとまるのが、恐らく今年中ぐらいなので、ある程度何ができるのかという、現実的なことが見えてからでもいいかもしれませんね。

 そういう意味では案 3) の、先ほど皆さんから出た支援機器の話というのは、私も同じ身というか、義足を使い車椅子を使うという、正に支援機器を駆使しているので、面白いと思います。

 

○中村委員長

 ありがとうございます。ほかに。

 

○齊藤委員

 私も今の話を伺っていて、特に高齢者の場合、外出という問題をどういうふうに保障していくのかというのが、すごく大きな問題だと思います。特に最近は、歩行の支援をする機器みたいなものが、随分テレビなどでも紹介されています。ああいうものがあると、非常にそういうものをサポートしていただける。そういう環境の因子が変わってくると、これでいうところの参加などがしやすくなりますから、今まで考えられないことが起こり始めているなという感じがします。

 そういう意味では、シンポジウムの考え方としては、案 3) で賛成ですけれども、先ほど石川委員や才藤委員からお話がありましたように、これから ICF をどのように現場で使っていくかという段階で、一番興味があるのは、地域包括ケアシステムをどのように定着させていくのか。その中で特に医療職との会話といいますか、医療職との共通理解をどのように図っていくかというのが、介護やケアマネ職にとって非常に大きな部分だと思うのです。これがない限りは、共通の理解や言語がない中で、一緒に共同して作業しようというのは、やや空回りしていくようなことになりかねないですから。

 石川委員から先ほど話があった、今、現場サイドで進めておられることに大変興味を持ちましたし、それがもう少し具体的になって、バージョンは WHO からすると低いのかもしれませんが、低いバージョンから少しレベルアップしていって、教育も含めてできていくということが、現実的に日本において定着しやすい条件を整えていく、そういう必要性も、一番求められている状況ではないかと思います。

 これは専門職側の話が主だったのですが、家族や利用者のサイドからしても、今自分がどういう状況にあって、どういう方向を目指していこうかということを共通理解するということも、大変意味があるものと思っていまして、どのようにこなれていくのかということが正しく、専門職の方々だけではない、利用者側にとっては、非常に大きな利益になっていく部分だと思いますから、是非、簡易版といいますか、バージョンとしては低いものであっても、取り入れていただければ有り難いなと、先ほど来から先生たちの話を伺って思いました。

 

○才藤委員長代理

 そのとおりだと思います。それは ICF が多分持っているポテンシャルとしてよいところだと思います。別に医学と関係ないところはたくさんありますし、そこでお互いの共通の言葉が使えると大きいです。今年やると多分、まだ発散した状態と思うので、楽観主義の下に、ちょっと次ぐらいにというか、オリンピック時には絶対やらないといけないですよね。そうすると 2 3 回ぐらいのうちに、考えていけば順番としていいかなと思います。

 

○中村委員長

 ありがとうございます。そうしましたら、今、齊藤委員のほうから、医療とあるいは専門職との共通言語といいますか、それはもともと ICF の根本的なところですので、包括ケアが必須問題であるという御意見を踏まえて、また、高齢者の外出という点からも、支援機器がいいのではないかという御意見を頂きました。ほぼ 3 番でいいのではないかという方向だと思いますが、それでよろしいでしょうか。

 

○石川委員

 私は余りよく分からないので言うのかもしれないのですが、介護保険の導入のときに、私も地区医師会で一生懸命やっていまして、そのときに、時間を合計して介護必要度などをやるとか、時系図でやるとか、クモの巣が出てきて、これで介護の量を測ったりとかいうことがあって、全くこんなことをやってというようなことだけれども、とにかくこれを導入しようといった、非常に過渡期的なときから知っているわけです。医療が介護保険を導入するときと、地域包括ケアシステムというのは、それに似たような感覚の時期なのです。というのは、正直言いまして、在宅在宅だとか、地域へ地域へ、あるいは住居中心だとか、そういったところに医療が持っていくという流れは、正直言って全然できてないのです、日本の中で。これはどうしたらいいんだろうというぐらい、ちょうどその介護保険の黎明期のときと同じような感じがするのです。ところが、これはやらなければいけないというようなことになっていまして、特にもう 1 つの病床の機能分化と地域包括ケアシステムというのは車の両輪で、うまくいかないと、医療介護の相当の部分というのは大変混乱するのではないかと言われているわけです。私たちとしては、黎明期みたいな混乱期、どこから手を付けていいか分からないような中に、今、地域包括ケアというのがいて、是非、 ICF の研究をされている方、あるいは先進の方たちの知恵をそこに出していただきたい。介護保険がコンピュータで 1 人の介護の様子を、病態を作るのだと、介護像を作るんだというようなことでやってきましたよね。ああいうことをどんどんやっていただいて、 ICF を地域包括ケアシステムの中に入れていただきたいのです。

 それを今年、来年ぐらいでやらないと、 25 年に間に合わないのですよね。特に平成 30 年は、医療介護同時改定で、大きいことを起こすようなつもりでやらないと駄目なのです。そういうような状況になっていますので、是非そこまでは、今まで ICF を研究されていた方、あるいは、これをいろいろな所で実際に落とし込もうとした方たちが、知恵を出していただきたいと強く要望します。そうするとそこでは、私たち余り勉強していないのですけれども、医療や介護をやっている連中とジョイントして、そこに落とし込むと。要するにわけが分からない、何だこんな難しいもの、大変だよという意見を聞きながら、介護保険もやったじゃないですか。実際そうなんですよ。それでも、今ここまで来ているということを見ると、ちょっとその苦労は今年やる必要があるのかなと思っています。私の場合には案 2) のほうを、是非、そういうのを知恵を落とし込んでいただいてと思います。

 

○中村委員長

 具体的な日程を見たときに、もうちょっと急がないといけないのじゃないかというご意見と思います。

 

○才藤委員長代理

 けれどもやはり手を替えてきちんとやらない限り、定着しないですよ。概念としての ICF だけでは、メモとして、お互いに議論するにはいいかもしれないけれども、厚生労働省のデータにもならないし、比較にもならないでしょう。覚悟して、この問題をやっていかない限り進まないと私は思います。


○中村委員長

 ICF に関わってこられた方には、ある程度すでに認識している難しさがかなりあるということですね。その上で、今の石川委員の高齢者の地域活動の視点というものを考えに入れる必要性についてはいかがでしょうか。おおむね案 3) なのですが、案 2) の視点も少し考えるということは可能でしょうか。完全にアシスティブテクノロジーだけの話にならないで、ということですが。

 

○才藤委員長代理

 高齢者の在宅生活という環境因子に対して、 ICF ではどう考えるかというような視点は、正に今の話に入るので、いいのではないでしょうか。

 

○中村委員長

 石川先生、そういうことで考えていきたいと思います。ありがとうございました。

 それでは、第 5 回の ICF シンポジウムについては、 3) を中心にしますが、包括ケアにも意義があるようなところを入れるということに致したいと思います。また案が固まってまいりましたら、御提案を頂きたいと思います。

 それでは、全体を通して非常に活発な御意見を頂きまして、ありがとうございました。形が見えてきましたし、委員の皆さんのイメージも固まってきつつあるのではないかと思います。

 

○才藤委員長代理

 6 月に、第 9 回国際リハビリテーション医学会というのがベルリンでございました。そこで、日本リハビリテーション医学会が第 13 回を 4 年後に主催することが決まりました。中村先生にも推薦状を書いていただいて、プレゼンで勝ちました。なぜそんな話をするかというと、 ISPRM は、今、ヨーロッパに中心があるのですが、 WHO とのコラボレーションがものすごく強くて、 ICF の委員会というのが 2 つあり、 2 つ目の委員会が 4 つぐらいに分かれていて、学会そのものが ICF だらけなのです。どうしてこんなに好きにしたのかなと思うぐらい、 ICF だらけです。ですから、そういう意味では、 2019 年の国際医学会は、 ICF がオンパレードになるはずです。そういう意味では、それまでにこの委員会でもきちんとやり、日本リハビリテーション医学会でもきちんとデータを出し、日本はこんなにトップにいってますよというところまで、是非いきたいと思います。日本リハビリテーション医学会としても ICF に関しては本気で考えていますので、是非よろしくお願いします。

 

○中村委員長

 どうもありがとうございました。国際リハビリテーション医学会の招致、誠におめでとうございます。本当に良かったと思います。日本で開催するということは、日本の国のリハビリテーションがどうなっているかということを世界に示すということですので、そういうときに、世界的に ICF という概念が議論されているときに、日本はどのように取り組んでいるか、是非リハビリテーション医学会として、世界に示してほしいと思います。そのために実質的な活動が進みますように、この委員会も協力できればと思っております。

 

○才藤委員長代理

 厚労大臣の推薦状も頂きました。

 

○中村委員長

 本当におめでとうございます。

 ほかにございますか。なければ、次回の予定等々、お願いします。

 

○事務局

 本日は活発な御議論をいただきましてありがとうございました。次回の ICF 専門委員会については、後日、事務局より日程調整の御連絡をさせていただきますので、よろしくお願いします。また、本日御議論いただきました、特にシンポジウムの内容について、いろいろ御相談をさせていただくかと思いますので、そちらについても、御協力をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 

○中村委員長

 どうもありがとうございました。それでは、閉会いたします。


(了)

大臣官房統計情報部企画課国際分類情報管理室
疾病傷害死因分類係:03-5253-1111 内線7493

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