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2014年12月11日 第61回社会保障審議会年金数理部会 議事録
年金局
○日時
平成26年12月11日(木)14:00~16:00
○場所
厚生労働省 専用第22会議室(18階)
○出席者
山崎部会長、宮武部会長代理、浅野委員、牛丸委員、駒村委員、佐々木委員、野上委員 |
○議題
1.平成25年度財政状況について
-国家公務員共済組合・地方公務員共済組合・私立学校教職員共済制度-
2.その他
○議事
○清水首席年金数理官 定刻になりましたので、ただいまから第61回「社会保障審議会年金数理部会」を開催させていただきます。
審議に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
議事次第、座席図のほか、次のとおりでございます。
資料1「平成25年度財政状況-国家公務員共済組合-」。
資料2「平成25年度財政状況-地方公務員共済組合-」。
資料3「平成25年度財政状況-私立学校教職員共済制度-」。
配付資料は以上でございます。
次に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、翁委員、田中委員が御都合により御欠席でございます。それから、駒村委員は若干おくれるとの御連絡をいただいております。御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
それでは、以後の進行につきましては、山崎部会長にお願いいたします。
○山崎部会長 委員の皆様には、御多忙の折、お集まりいただきまして、ありがとうございます。社会保障審議会年金数理部会は、被用者年金制度の安定性及び公平性の確保の観点から、毎年度、財政状況の報告を受けることになっております。本日は、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度の平成25年度の財政状況についての報告を聴取いたします。
カメラの方はここで退室をお願いします。
(報道関係者退室)
○山崎部会長 初めに、国家公務員共済組合の平成25年度の財政状況について報告を聴取します。
どうぞ席をお移りください。
(財務省神谷企画官、同 相澤共済計理官、国家公務員共済組合連合会長谷川資金運用部長、同 工藤年金企画部長 報告者席へ移動)
○山崎部会長 本日は、お忙しい中、財務省大臣官房の神谷企画官(主計局給与共済課担当)と相澤共済計理官、国家公務員共済組合連合会の長谷川資金運用部長と工藤年金企画部長に御出席いただいております。ありがとうございます。
それでは、説明をお願いいたします。
○神谷企画官 財務省の神谷でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、今、部会長からもお話がありましたように、国家公務員共済組合からも同席させていただいております。
それでは、国家公務員共済組合の財政状況につきまして、資料1に沿いまして順次御説明申し上げます。
まず、1ページ目でございますが、国共済の収支状況について、直近5年間の推移を記載したものでございます。平成25年度について御説明申し上げます。右から2番目の平成25年度の欄をご覧ください。まず、収入でございますが、収入総額は1兆9,064億円であり、前年度に比べて98億円、0.5%の減少となっております。国共済の会計につきましては、法令上簿価ベースを原則としておりますが、時価ベースでは、その下の括弧にありますように2兆739億円、前年度に比べ778億円、3.6%の減少となっております。
次に、収入の内訳をご覧いただきますと、まず、保険料収入につきましては1兆552億円、前年度に比べて168億円、1.6%増加しております。国共済の保険料率は、厚生年金と同じ引き上げ幅で0.354%の引き上げが行われており、その結果、保険料収入が増加しているところでございます。
次に、国庫・公経済負担は2,796億円であり、前年度に比べて40億円、1.4%の減少となっております。この減少の要因でございますが、後ほど支出のところでも御説明いたしますように、基礎年金拠出金の減少に伴うものでございます。
追加費用は2,982億円、前年度に比べて378億円、11.2%減少しております。この減少につきましては、自然減のほか、平成25年8月から一元化法によって給付が削減されたことによって、その支出見合いの収入も削減されたということによるものでございます。
なお、追加費用のこの5年間の推移を横に見てみますと、21年度に3,000億円台であったものが、22・23年度には4,000億円台に増加して、24年度には3,000億円台に戻っておるということになっております。これは、平成19年の被用者年金一元化法案が21年7月に廃案になった影響でございまして、20・21年度には、この廃案になった法案に沿いまして追加費用を減額しておりました。22・23年度には、法案が廃案になったことに伴って従前の水準に戻して増えたということに加えて、前々年度の減算分の精算を行うということで、追加費用の総額が一時的に増加したということでございます。
運用収入でございますが、1,844億円で前年度比209億円、12.8%の増加となっております。国共済の場合、有価証券の売却損及び運用に係る費用が支出のその他という項目に含まれるということでございますので、それを除いた正味の運用収入では1,753億円、さらに、評価損益を加味した時価ベースでは3,428億円となっております。これは利回りにいたしますと、一番下の行にありますように、簿価ベースで2.41%、時価ベースでは4.61%ということになってございます。
次に、下のほうの支出でございますが、支出総額は2兆2,015億円で前年度に比べて970億円、4.2%の減少となっております。その内訳でございますけれども、給付費は1兆6,216億円、前年度に比べて419億円、2.5%の減少となっております。この減少は、25年8月の追加費用の削減、10月の特例水準の解消のマイナス1.0%のほかに、退職共済年金の支給開始年齢が60歳から61歳に引き上げられたことが主な要因となっております。
基礎年金拠出金は5,431億円であり、前年度に比べて82億円、1.5%の減少となっております。これは、精算分が減少しているため、全体の額も減少したということでございます。
次にございます年金保険者拠出金28億円は、旧JR、旧JT、両共済に対しての支援のための拠出金でございまして、前年度とほぼ同水準となってございます。
その次にございます財政調整拠出金は、平成25年度に215億円が計上されておりますが、これは財政単位を一元化している地方公務員共済との間の財政調整でございます。平成23年度には収入側の財政調整拠出金のところに97億円というものがございましたが、24年度以降は国共済から地共済ヘ拠出しているという状況になっております。国共済と地共済の財政調整では、国共済、地共済それぞれの2・3階部分の賦課保険料率である独自給付費用率に着目して、毎年度、両者の独自給付費用率が均一になるように財政調整拠出を行っております。23年度までは国共済の独自給付費用率が地共済を上回っていたために、地共済から国共済に拠出していただいたという状況でございましたが、24年度においては給付の伸びが、地共済のほうが国共済に比べて高く、また、支え手の組合員数の減少が地共済のほうが国共済より大きかったということから、独自給付費用率の大小関係が逆転し、それ以降、国共済から地共済に拠出が行われております。
平成25年度には、以上のような収入及び支出がございましたが、これを差し引いた収支残はマイナス2,951億円であり、年度末積立金は7兆2,676億円となっております。また、時価ベースで収支残はマイナス1,277億円、年度末積立金は7兆6,150億円でございます。
ページをおめくりいただいて、2ページ目は、ただいまの25年度の収支状況を概念図としてあらわしたものでございますので、説明は省略させていただきます。
次に、給付状況について3ページで御説明させていただきます。平成26年3月末の国共済の受給権者数は、右から2番目の列の一番上の欄にありますように124万5,000人であり、前年度に比べて3,000人、0.2%の増加となっております。
年金総額につきましては、すぐその下の欄になりますけれども、合計で1兆6,801億円であり、前年度に比べて1,064億円、6.0%の減少となっております。この年金総額には、日本年金機構が支払っている基礎年金給付費は含まれませんが、昭和61年3月までに裁定されたものの1階部分に相当する分は含まれております。
続きまして、4ページをご覧ください。4ページの下段の表をご覧いただきたいのですが、平成26年3月末の欄をご覧いただきますと、一番上のところ、14万3,745円が退職年金の受給権者に係る平均年金月額でございます。前年度に比べて9,399円、6.1%の減少となっております。先ほど申し上げましたとおり、この平均年金月額には、日本年金機構から支払われている基礎年金は含まれておりません。そこで、厚労省から提供されたデータを用いて基礎年金額を含む平均年金月額を推計したところ、その3つ下の欄にございますように18万6,842円となり、前年度に比べて7,079円、3.7%の減少となっております。
次の5ページ目は、平均年金月額等を男女別にあらわしたものでございますので、説明は省略させていただきます。
6ページ目は、組合員期間が原則20年以上の退職年金に関しまして、新規裁定者の平均年金月額をお示ししたものでございます。平成25年度の欄をご覧いただきますと、一番上にございます12万8,188円が男女平均の平均年金月額であり、前年度に比べて3,973円、3.2%の増加となっております。
2番目、3番目のブロックは、これを男女別に見たものでございまして、平均年金月額は男性が13万823円、女性が11万88円となってございます。
7~9ページは、退職年金相当受給権者の給付状況を年齢別にお示ししたものでございますが、説明は省略させていただきます。
続いて、10ページ目をご覧ください。この表は、退年相当の受給権者数について、年齢構成と平均年齢をお示ししたものでございます。一番右のところでございますが、構成割合を男女計で見ますと、60歳以上65歳未満というところから、80歳以上85歳未満の各階層に16~20%ずつ分布している状況になっております。平均年齢は、下のほうにございますが、男女合計で74.6歳、男性が74.3歳、女性が76.2歳となっております。
次に、組合員の状況について御説明します。11ページ目をご覧ください。平成26年3月末の欄をご覧いただきますと、一番上の105万5,000人が組合員数であり、前年度に比べて2,000人、0.2%の減少となっております。男女別では、男性が80万7,000人、女性が24万8,000人となっており、全体の約8割を男性組合員が占めている状況で、徐々にではございますが、女性組合員の割合が増加している状況にございます。
組合員の平均年齢は41.2歳、男女別では、男性が42.3歳、女性が37.7歳となっております。
標準報酬月額の平均は39万8,127円であり、前年度に比べて1,572円増加しております。男女別では、男性が41万5,003円、女性が34万3,205円となっております。
標準報酬月額総額は5兆84億円であり、前年度に比べて531億円の減少となっております。
また、標準賞与総額は1兆4,416億円であって、前年度に比べて67億円の増加となっております。
これを合算しました標準報酬総額は6兆4,500億円となり、前年度に比べて464億円の減少となっております。
下の表の右下にございますように、総報酬の組合員1人当たりの月額は男女計で51万1,232円であり、前年度に比べて1,900円の減少となっております。
次の12ページ目は、組合員の年齢階級別、加入期間階級別の分布表でございます。一番右側が男女合計で見た年齢階級別の分布でございますが、5歳階級で見ると、40歳以上45歳未満が16.4%と最も高く、次いで35歳以上40歳未満となっております。また、加入期間階級別の分布ですが、平均年齢の上あたりにございますように、5年未満が17%、5年以上10年未満が14.6%という順になっております。
続く13ページは、これを男性について見たものでございます。まず、年齢構成につきましては、一番右にありますように40歳以上45歳未満が16.6%と最も高くなっております。加入期間につきましては、20年以上25年未満が一番多いという状況になっております。
次の14ページが女性組合員の分布でございます。年齢構成につきましては、25歳以上30歳未満の割合が19%と最も高くなっておりまして、加入期間につきましては、5年未満が28.4%と一番多くなっております。
15ページ目をご覧ください。この表は組合員の標準報酬月額等級の分布表でございます。男性では標準報酬月額は44万円である者が9.7%と一番多くなっておりまして、女性では32万円が8.4%、全体で見ますと41万円が9.1%で一番多いということになっております。
次の16ページをご覧ください。これは積立金の資産構成を示しております。時価、簿価を並べて書いておりますが、以下、時価ベースの数字を御説明申し上げます。
25年度末における積立金の合計は、先ほど申し上げたとおり7兆6,150億円でございますけれども、その98.1%は固定資産として運用を行っており、7兆4,672億円となっております。残りは流動資産等でありまして、現金・預金467億円に未収収益等を含めて1,567億円となっております。
固定資産の内訳は、財政融資資金への預託金が4兆920億円、有価証券等が3兆379億円、不動産が1,606億円、各省共済組合や福祉経理への貸し付けである貸付金が1,768億円となっております。
有価証券等は、平成15年度より包括信託という契約形態がとられていまして、これをさらに運用形態別に見ますと、委託運用が1兆4,902億円、自家運用が1兆5,477億円となっております。委託運用は、主に国内株式及び外国株式への運用でございます。自家運用は全て国内債券による運用になっております。
有価証券等の残高をいわゆる4分類別で見ますと、特記事項の欄にございますように、国内債券は委託運用と自家運用を合わせて1兆6,729億円、年金積立金総額の22.0%になっております。また、国内株式は6,098億円であり、積立金合計の8%、外国債券は1,012億円、外国株式は6,540億円となっております。なお、預託金を国内債券に合計した形にしますと5兆7,649億円ということで、年金積立金総額の75.6%ということになってございます。
17ページ以降の表では、実績と平成21年財政再計算に基づく将来見通しとの比較を示しております。
17ページ目は、収支状況についての比較表でございます。まず、収入の欄をご覧いただきますと、将来見通しの収入は2兆910億円であったのに対して、実績では1兆9,064億円と1,846億円少なくなっております。これは保険料で将来見通しと実績に乖離が生じているためでございまして、賃金上昇率の実績が将来の見通しを下回ったことなどによるものと考えております。
なお、1点補足いたしますと、収入のところにその他というものがございまして、将来見通しが6,395億円になっているのに対して実績が5,816億円と両者の差が579億円となっておりますが、これは地共済からの財政調整拠出金がなくなったこと、収入がなくなったことと追加費用の削減に伴うものでございます。
次に、支出でございますが、計の欄をご覧いただきますと、将来見通しは2兆2,445億円であったのに対して実績は2兆2,015億円と430億円少なくなっております。この乖離の要因でございますが、給付費におきまして、将来見通しが1兆7,296億円であったのに対して実績が1兆6,216億円と1,080億円少なくなっていたことが挙げられますが、これは年金改定率がマイナス実績となったことや、追加費用の削減が要因と考えられております。
これに対しまして、基礎年金拠出金においては実績が将来見通しを329億円上回っております。これは、基礎年金拠出金の国共済の按分率が将来見通しの前提よりも高いことや、実績には精算分が含まれているということによるものでございます。
また、支出のその他の欄をご覧いただきますと、将来見通しが48億円となっているのに対して、地共済への財政調整拠出が生じましたことなどから実績は369億円となっております。こういう点も支出の乖離の大きな要因となっているところでございます。
続きまして、18ページでございますけれども、組合員数及び受給者数について、将来見通しと実績の比較表でございます。25年度末の組合員数は、将来見通しが97万2,000人であったのに対して実績は105万5,000人となっておりまして、実績が上回っておりますが、これは、将来見通しでは保守的な考え方に基づいて組合員数を見込んでいたことが主な要因となっております。
受給者数につきましては、将来見通しが129万5,000人に対して実績は121万5,000人と、特に通退相当のところで乖離が大きくなっておりまして、将来見通しでは年金受給要件を満たせば即時に受給者になるとしているのに対して、実際には受給要件を満たしてから支給開始までにタイムラグがあるためと考えております。
新規加入者、新規裁定者、脱退者、失権者につきましては、ご覧のとおりになっております。
19ページ以降では、各種財政指標について実績と財政再計算の結果を比較しております。
19ページ目で年金扶養比率について比較しております。25年度の年金扶養比率は、実績は上の表の左下の欄にございますように1.52となっており、前年度に比べて0.02増加となっております。財政再計算結果では、下の表の下から2番目の欄にあるとおり1.45となっておりまして、実績のほうが0.07高くなっております。この主な要因は、組合員数の実績が将来見通しよりも多かったことによると考えております。
20ページの表は年金扶養比率を補完する指標でございますので、説明は省略させていただきます。
21ページでございますが、総合費用率についてでございます。25年度につきましては、実績は上の表の左下にあるように23.7で、下の表にある財政再計算の結果の20.9と比べて2.8高くなっております。この相違の主な要因は、賃金上昇率、財政調整について見込みと実績に差異が生じていることによるものと考えております。この乖離の要因については、次ページ以降の他の指標についても同様でございます。
22ページ目でございますが、厚生年金相当部分に係る総合費用率でございます。25年度につきましては、実績に基づく推計値は21.6であり、再計算に基づく推計値の19.1と比べて2.5高くなっております。
23ページ目は独自給付費用率でございます。25年度につきましては、実績は19.4、再計算17.3と比べて2.1高くなってございます。
24ページは厚生年金相当部分に係る独自給付費用率でございます。25年度につきましては、実績に基づく推計値は17.3で、再計算に基づく推計値の15.6と比べて1.7高くなっております。
25ページは保険料比率でございまして、25年度については、実績は69.2、財政再計算結果の78.6と比べて9.4低くなってございます。
26ページ目は収支比率でございますが、25年度につきましては、実績は簿価ベースで123.1であって、財政再計算結果の111.1と比べて12.0高くなっております。
最後になりますが、27ページは積立比率でございます。平成25年度につきましては、実績は簿価ベースで5.0、前年度に比べて0.1低下しております。財政再計算結果では25年度は5.3と見込まれておりましたので、実績のほうが0.3低くなっております。
説明は以上でございます。
○山崎部会長 ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等がありましたらどうぞ。
佐々木委員。
○佐々木委員 2点、おわかりになれば教えていただきたいのですが、1つは、今、27ページでありました財政状況の基本的な指標の一つである積立比率ですが、再計算結果と対比して大体ずっと、前回以降沈んでいるのですが、この主な原因が何かわかりましたら教えていただきたいと思います。
もう一つは、これは後の地共済さん等の御説明と関係するのですが、先ほど独自費用についてを共通化というか、財源調整されるということですが、例えば基本ポートフォリオとか運用方針についての統一化とかお話し合い、そういうのは他の共済さんとあるのかないのか、そこのところを関連して、おわかりになれば御説明いただきたいと思います。
以上です。
○神谷企画官 先に2点目の運用方針について、お答えさせていただきます。
来年10月からの被用者年金一元化に向けまして、GPIFと3共済の間で今、モデルポートフォリオというものを作成しております。これはもともと役所側から積立金の基本指針というものを今年7月に出しまして、来年10月に向けて、実施機関であるGPIFと3共済側でモデルポートフォリオを作成し、そのモデルポートフォリオに即しまして、各実施機関が基本ポートフォリオを作成して、各大臣の承認を受けるという手続になります。25年度時点では、まだ運用方針の統一化ということにはなっておりませんが、来年10月の被用者年金一元化に向けては、そういう作業を行っているところでございます。
○佐々木委員 では、基本的にはモデルポートフォリオに沿って各共済が、若干独自色を出すのかわかりませんけれども、それに沿って検討するということですね。
○神谷企画官 おっしゃるとおり、まず役所側が4大臣の連名で出しました積立金の基本方針の告示に基づいて、実施機関4団体でモデルポートフォリオを作成していただいて、それに即した形で各実施機関が、独自性や今までのノウハウなどを踏まえて基本ポートフォリオを策定し、それを役所側に持ってきていただいて承認手続をする。仮に実施機関の策定した基本ポートフォリオに問題があるということであれば、場合によってはその根拠となったモデルポートフォリオについて、積立金の基本方針の告示に合致しているかどうかという観点で、必要があれば見直しを命じるということになりえます。現状及び今後については、そのような状況になっております。
○佐々木委員 ありがとうございました。
○山崎部会長 どうぞ。
○工藤年金企画部長 財政再計算との比較と実績ということですと、最近特に国家公務員の給与改定が見送られてきているということ、さらに平均7.8%の削減をしたことが、結果的には保険料収入に結びつかなかったということが大きな原因かと考えております。したがいまして、その収入不足分を積立金から取り崩して充当しなければならず、これが積立金が再計算上よりも少なくなっている要因かと考えております。
○佐々木委員 再計算対比では、要するに収支の出が非常に大きかったということですね。
○工藤年金企画部長 賃金がもっと将来的に上がっていくだろうという前提だったわけでございますけれども、この5年間はほぼ横ばい、平成24年度においてはかえって下がってしまったという見込みとの差から、保険料収入に結びつかなかったというところが一番大きな要因になっているのではないかと思っております。
○佐々木委員 わかりました。ありがとうございました。
○山崎部会長 浅野委員、どうぞ。
○浅野委員 いくつか質問があるのですが、1点目は、これは簿価ベースと時価ベースで表示をしていただいていると思うのですが、基本的には評価する時にどちらのほうで見るのが適切なのかというのが1点目です。
2点目なのですけれども、16ページの資産構成のところで、これは昨年の構成割合に比べますと自家運用の国内債券が3ポイントぐらい減っていて、外国株式が2ポイントぐらい簿価ベースでふえているのですが、これを変更するときには何か、こういう理由で変更したというものが多分あると思うのです。ちなみに、今回のこのあたりの変更の理由は何なのかということと、運用利回りが簿価ベースで2.41、時価ベースで4.61なのですが、これは何かベンチマークがあるのではないかと思うのですけれども、それに比べるとどのような評価をされているのかということです。
その次に、17ページと18ページで、17ページの一番右の年度末積立金は財政再計算に比べて実績ベースが下回っているということなのですが、一方で組合員数は見通しよりふえていますし、受給者数は見通しより減っているということでは、普通に考えると積立金のほうが多くなるのではないかと思うのですが、これは先ほど御説明があった、給与が上がらなかったからというのが主因という理解でいいのでしょうか。
それと、最後の27ページです。これは今年度の話ではないのですけれども、積立比率の決算の実績が23年度から24年度は物すごく落ちていまして、0.7ポイント落ちているのですが、一方で財政再計算時はそれほど落ちていないということで、ここは何かこの年度で大きな特殊要因があったということなのでしょうか。
基本的な話が多いかもしれないのですが、よろしくお願いします。
○山崎部会長 はい。
○相澤共済計理官 収支や積立金について、時価ベースと簿価ベースのどちらで評価すべきかということについてですが、国家公務員共済は、会計につきましては簿価ベースで表示することになってございますが、一方で含み損益等といった問題もございますので、収支や積立金の運用につきまして時価ベースでも表示しております。そうしたことから、どちらで評価するのが適正かという問題はなかなか難しいと思います。簿価ベース及び時価ベースと両方の数値を見る必要があるのではないかと思います。
次の御質問については、資産構成の変動の原因ということでございましょうか。
○浅野委員 どのような理由でこういう、結構大きなポートフォリオの変化かと思ったのです。
○長谷川資金運用部長 連合会資金運用部でございます。
昨年度の25年12月に基本ポートフォリオの変更をいたしました。内外株式につきましては各3ポイントアップ、外国債券につきましては2ポイントアップといったところを反映した格好で資産移動が、なされております。これは直近の金融市場動向等を踏まえたうえでの基本ポートフォリオの変更ということでございました。
もう一点、ベンチマークの関係でございます。我々は毎年度、運用の状況をホームページで開示いたしておりまして、特に委託運用につきましては、政策ベンチマーク、例えば国内株式でまいりますとTOPIXでございますとか、国内債券でまいりますと野村BPI総合といったようなものと比較をいたしております。この4資産でまいりますと、25年度の状況を申し上げますと、国内債券、国内株式は若干のマイナスでございました。一方、外国債券、外国株式はプラスでございまして、トータルでは若干のプラスという結果でございまして、こういった結果をホームページでも開示させていただいているということでございます。
○山崎部会長 はい。
○工藤年金企画部長 先ほどの17ページの関係で、年度末積立金の計画と将来見通しとの差でございます。例えば、ここの表でいきますと、平成25年度につきまして再計算との比較をしているということでございます。収入の保険料のところをご覧いただきますと、1,300億円ほど計画と実績との差があるということでございます。右のほうの収支残をご覧いただきますと、やはり1,400億円ほどの収支残の差が出てきているということで、先ほど申し上げましたように、保険料収入の差がほぼ収支残のほうに影響してきている。これに24年度までの累積もございまして、年度末積立金の数字でいいますと6,000億円弱の差が出てきていると、そんな状況と御理解いただければと思っております。
○山崎部会長 浅野委員、よろしいですか。
○浅野委員 27ページで質問させていただいたのですけれども。
○神谷企画官 先ほどの最後の点でございますけれども、我々公務員給与の削減というのは、復興財源に充てるための削減ということでございますが、削減が行われたのは24年度、25年度の2カ年でございますので、その影響というのもあるのではないかとは思います。詳しい分析は実施しておりませんが、それも一つの要因であると考えております。
○浅野委員 わかりました。ありがとうございます。
○山崎部会長 続きまして、野上委員。
○野上委員 2つほど質問させていただきたいと思います。
まず、単純な質問のほうなのですが、4ページの老齢・退職年金平均年金月額ということで受給者の平均の額が出ておりますが、去年と比べるとマイナス6.1%ということで、単年度の動きとしては大きくなっていると思うのですが、何か要因でつかまえておられるものがあったらお教えください。
2つ目の質問でございますが、24年度、25年度と2年続けて、26年度も多分、運用のほうはかなり好調ということで大変よかったと思うのです。ただ一方で、リスク管理ということで、例えばリーマンショックが起こったときにいくらというような報道もありますが、100年間管理するということを基本にしている年金の中では、例えばバブル崩壊とか、あるいは1929年の大恐慌とか、そこら辺も100年の中には入ってきているのですけれども、そこら辺の試算自体もリスク管理としてやられているかどうか、これは単純にやっておられるかどうかということで結構です。
以上でございます。
○相澤共済計理官 まず、1つ目の御質問の年金額が下がっていることについてですが、平成25年度には、25年8月に恩給期間に係る追加費用が削減されたこと、特例水準の解消のために年金額が1%減少したことといった改正がございました。他にもいくつか要因はあるかと思いますが、こうした改正の影響で下がっているといった状況でございます。
○野上委員 その辺の動きは承知しておるのですけれども、6.1を説明し切れるのかなという質問なのです。
○相澤共済計理官 それ以外の要因ですが、昭和61年以降の期間についての年金の定額部分については基礎年金になっていますので、国家公務員共済からは支払わずに日本年金機構から支払われているのですが、昭和61年以前の期間についての年金の定額部分については国家公務員共済が支払っています。時間の経過と共に、定額部分を国家公務員共済が払っている方が減っていき、国家公務員共済から払っていない方が増えていますので、そういった影響もあって、次第に年金額が減少していくといった状況もございます。しかしながら、どの要素がどのくらい影響するかという影響度は分析してございません。
○野上委員 わかりました。
○長谷川資金運用部長 それでは、リスク管理の点でございますけれども、もともと国共済につきましては、平成17年度に負債でございますところの年金給付債務に着目いたしましたALMの手法で基本ポートフォリオを策定しておりまして、結果、非常にリスク抑制的な資産構成割合になっているということでございます。当時の内外株式は各5%、今は各8%でございますが、かなりリスク抑制的になっている。
その結果なのでございましょうが、平成25年度は他の公的年金制度あるいは企業年金に比べると時価利回りは低いわけでございますけれども、例えばということで申しますと、平成20年度のリーマンショックの折は、我々はマイナス3.89%ということでございました。これは、企業年金はマイナス18%程度という状況でございまして、他の公的年金制度と比べてもかなり谷が浅かったという状況にございました。
それ以降、当然のことながら、今できる限りのリスク管理はシステムも含めてやらせていただいております。今後、先ほどございましたモデルポートフォリオを踏まえて各基本ポートフォリオの策定ということになってまいりますので、その過程においては、よりリスク管理の高度化というのをブラッシュアップしていきたいと考えておりまして、そこは人的な面、それからシステム的なより一層の整備といったようなことを考えているところでございます。
以上です。
○野上委員 単純な質問のほうは、バックテストでバブル崩壊と1929年の大恐慌を対象にしておるかどうかということです。
○長谷川資金運用部長 いわゆるヒストリカルデータを使ってということでの御質問でございましょうか。それを直接やっているわけではございませんけれども、いわゆる正規分布を前提とした格好で、例えばそれに標準偏差したときの最大損失額、あるいはショートフォール確率といったようなものはとらまえてやっております。
ちなみに、平成20年度のリスクというのももうわかっておりますので、それを踏まえた格好でどの程度になるかというのも当然やっております。
○野上委員 ただ、今申し上げたようなイベントは、どちらかというと正規分布以外の。
○長谷川資金運用部長 テールリスクでございますね。
○野上委員 そういう質問なのです。
○長谷川資金運用部長 テールリスクという意味でのリーマンショックを踏まえたところについてはやっております。
○野上委員 逆に、ほかのものはやっていないと。
○長谷川資金運用部長 シミュレーションベースで、一応踏まえてはおります。
○野上委員 そのときに、例えば今後、運用をほかの制度と収れんしていくときに、今よりさらに体制強化をされる予定があるかどうか。
○長谷川資金運用部長 そこは先ほど申し上げさせていただいたところでございまして、人的、システム的な面も含めて体制整備、リスク管理の高度化を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○野上委員 どうもありがとうございました。
○山崎部会長 牛丸委員、簡潔にお願いします。
○牛丸委員 既に資産構成、資産運用についての質問がありましたが、16ページのところで簡単に、単純な御質問です。
預託金の占める比率が50%を超えておりますが、過去から現在といいますか、この状況、預託金の占める比率がどう動いてきているかということを教えていただきたい、これが1点です。
もう一つは、先ほど運用に関して変更があったというお話がありましたが、ここにある委託運用と自家運用のルールというのでしょうか、これを委託、これを自家運用とか、そのようなルールがあるのかどうか。パーセンテージというのでしょうか、そういったものがあってこういう割合になっているかとか、その辺のことを教えてください。
○長谷川資金運用部長 まず、自家運用と委託運用という点で申しますと、自家運用は国内債券だけでございます。国内債券が委託運用と自家運用に2つあるのはなぜかということで申し上げますと、自家運用に関しましては、これはALMと申しましたが、資産サイドのデュレーションの長期化、負債サイドに極力マッチングさせて、実質的な金利リスクを中立化するということと、それから、期間プレミアムをとることによりまして、株式のリスクプレミアムに代替するものとして位置づけたということがございます。
自家運用のところは、今申し上げたデュレーションリスクをとる運用を主体としております。委託運用のところの国内債券につきましては、ごくごくわずかではございますが、一定のクレジットリスクをとるということで考えて位置づけてございます。
それから、全体のウエイトということで申しますと、基本ポートフォリオで一定の資産構成割合が出ますので、これを踏まえて内外株式、外国債券は委託運用でやっております。そこでパーセンテージが決まりますので、規定されるという位置づけでございます。自家運用の中では預託金が主体でございまして、ここも自家運用の中でどの程度の預託金あるいは、国内債券で占めるかといったようなことを基本ポートフォリオの中で決めてございます。
さらに加えて申し上げると、預託金につきましては、これは現在まだ義務預託というものが法でございまして、34%相当部分は積まないといけないという格好になっております。したがって、最低限はそこのベースということでございますが、現在の運用では5割を目途に預託金を積むという格好の位置づけでございます。
以上でございます。
○山崎部会長 きょう欠席の翁委員から質問は入っていますでしょうか。
○清水首席年金数理官 事務局から質問させていただきます。
翁委員からの御質問ということでいただいているのは2点ございまして、資料1ページの支出のその他の前年度との違いは何かと、これが1点目でございます。
2点目は、今まででかなり確認的な御質問になるかと思うのですが、運用利回りについて、時価ベースで既に公表されている厚生年金の実績8%と比べるとかなり低いがなぜかと、この2点でございます。
○相澤共済計理官 まず、1つ目の質問でございますが、支出のその他の部分でございますが、平成23年度までは大半が信託の運用損でございまして、24年度につきましては、同じく信託の運用損も入っているのですが、それ以外に前期損益修正損としまして基礎年金交付金の受け入れ過大の返還分を計上してございます。25年度はその返還分はなくなりましたことや、信託の運用損が前年度に比べて大幅に減少したことにより、支出のその他の部分は24年度に比べて大幅に減少いたしました。
2つ目の御質問でございますが、資産構成割合の違いによるもので、国家公務員共済は厚生年金に比べまして国内債券の割合が高く、かわりに国内株式や外貨建て資産の割合が低くなってございます。25年度は、例えば国内株式については、厚生年金も国家公務員共済も共に20%近く時価利回りとなっておりますが、そうした高い時価利回りとなった資産の割合が多いか少ないかということで大分差が出ているということかと思います。
○山崎部会長 ありがとうございました。
以上で国家公務員共済組合の財政状況についての報告の聴取を終了します。
御説明の方には、お忙しい中をありがとうございました。どうぞ席をお移りください。
(企画官、共済計理官、資金運用部長、年金企画部長 関係者席へ移動)
○山崎部会長 続きまして、地方公務員共済組合の平成25年度の財政状況についての報告を聴取します。
どうぞ席をお移りください。
(総務省赤松福利課長、同 福嶋数理官、地方公務員共済組合連合会酒巻企画管理課長、 同 大須賀数理課長 報告者席へ移動)
○山崎部会長 本日は、お忙しい中、総務省自治行政局公務員部福利課の赤松課長と福嶋数理官、地方公務員共済組合連合会の酒巻資金運用部企画管理課長と大須賀年金業務部数理課長に御出席いただいております。ありがとうございます。
それでは、説明をお願いいたします。
○赤松福利課長 総務省福利課長の赤松でございます。
お手元にお配りしてございます資料2「平成25年度財政状況-地方公務員共済組合-」に基づきまして御説明をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、資料を1枚おめくりいただきまして、1ページでございますけれども、収支状況でございます。地共済の収支状況につきまして、これは国共済と同様に過去5年間の推移を書いておるわけでございます。25年度の欄について御説明をさせていただきます。
一番上の収入総額でございますけれども、5兆8,025億円でございまして、前年度に比べまして5,711億円、10.9%の増加となってございます。なお、時価ベースの収入総額でございますけれども、その下に括弧書きで書いてございます7兆3,137億円となっているところでございます。
以下、順に内訳を書いておるわけでございますけれども、まず1点目、保険料でございますが、2兆9,524億円、前年度対比で263億円、0.9%の減少となってございます。
その下の公経済負担でございますけれども、6,572億円でございまして、対前年度比299億円、4.4%の減少でございます。
また、追加費用でございますけれども、7,391億円でございまして、対前年度比1,387億円、15.8%の減少でございます。これにつきましては、かなりぶれがございますが、理由につきましては国共済の理由と同じでございまして、19年法案の関係でかなりぶれが出ているということでございます。
続きまして、運用収入でございますけれども、1兆2,445億円でございまして、対前年度比8,669億円、229.6%の増加となっているところでございます。また、有価証券売却損等の費用を除きました正味の運用収入でございますけれども、1兆2,369億円となってございまして、さらに、評価損益を加味した時価ベースの運用ということになりますと2兆7,480億円となっておるところでございます。
続きまして、基礎年金交付金でございますけれども、1,836億円でございまして、対前年度比602億円、24.7%の減少ということになっておるわけでございます。
その下の財政調整拠出金収入でございます。国共済のほうで支出ということで御説明をしていただいたところに対応するところでございまして、25年度におきましては、国共済から地共済に215億円の財政調整拠出金が拠出されておるところでございます。
次に、支出でございますが、支出総額は5兆9,381億円でございまして、対前年度比1,590億円、2.6%の減少となっておるところでございます。
1つ目の項目、給付費でございますけれども、4兆5,574億円、対前年度比682億円、1.5%の減少となってございます。
その下の基礎年金拠出金につきましては1兆3,574億円で、対前年度比56億円、0.4%の減少となってございます。
年金保険者拠出金でございますけれども、75億円で、対前年度比35億円の増加でございます。
先ほど申し上げましたように、25年度につきましては、地共済から国共済への財政調整拠出金はございません。
その他でございますけれども、159億円で、前年度に比べて886億円の減少となっておるところでございます。
以上を合わせまして、総収入額から支出総額を差し引きました収入残でございますけれども、マイナスで1,356億円、対前年度比7,301億円のマイナス残の縮小となっておるところでございます。時価ベースで申し上げますと、収支残はプラス1兆3,755億円となっておるところでございます。
その下の年度末積立金でございますけれども、36兆6,803億円となってございます。
積立金運用利回りでございますけれども、3.42%でございます。時価ベースでまいりますと39兆8,265億円、利回りは7.28%となっておるところでございます。
以上が地方公務員共済組合の財政状況の概要でございますが、これのいわゆる財政状況の入り繰りを2ページで国共済と同様に整理してございます。これにつきましては省略をさせていただきまして、3ページ、給付状況について御説明をさせていただきます。
平成26年度3月末というところで一番右の欄、伸び率の横の欄をご覧いただきたいと存じます。まず、受給権者数でございますけれども、退年相当で197万8,000人、通退相当につきましては25万5,000人、障害年金が5万人、遺族年金が63万7,000人ということでございまして、合計で291万9,000人でございまして、対前年度比4,000人、0.1%の増加ということになっているところでございます。
また、年金総額でございます。これも受給権者と同様の区分で整理をさせていただいてございますけれども、退年相当給付が3兆6,047億円、合計が4兆6,856億円、前年度比3,094億円、6.2%の減少となっておるところでございます。減少の理由でございますけれども、これにつきましても国共済のほうと基本的に同様かと考えておるところでございますが、25年度におきまして特例水準の解消ということがございまして、追加費用の減額、あるいは退職共済年金の支給開始年齢の引上げというようなことが影響していると考えておるところでございます。
また、全額支給、一部支給、全額停止の区分ごとにそれぞれ表を整理させていただいておるところでございます。
続きまして、4ページでございますけれども、表が2つございます。上の表につきましては、退職給付につきまして減額、増額別にあらわしたものでございまして、減額支給の受給者につきましては、26年3月末現在のところを見ていただきますと6万1,000人、その年金総額でございますけれども、退年相当給付の901億円及び通退相当給付の1億円となっておるところでございます。増額支給は2,000人該当がございまして、合計で36億円となっておるところでございます。
その下の表につきましては、まず退年相当というところで上のほうの半分ぐらいは整理をしておるわけでございまして、上から申しますと、退職年金平均年金月額といたしまして15万1,896円ということでございまして、対前年度比1万1,020円、6.8%の減少でございます。前年度と比べまして減少している主な理由でございますけれども、特例水準の解消でございますとか追加費用の減額というところが影響していると考えておるところでございます。
3段ほど下をご覧いただきますと、基礎年金を含めました平均年金月額を記載してございまして、金額は19万2,607円、前年度比で8,554円、4.3%の減少、それから、2段ほど下でございます退職年金平均加入期間は424月となっているところでございます。
その下の区分で通年相当というところで整理をしておるところでございまして、老齢基礎年金を含めずに計算した平均年金月額は2万5,360円、平均加入期間は102月となっておるところでございます。
おめくりいただきまして、5ページでございますけれども、今、御説明申し上げましたところの平均年金月額と平均組合員期間につきまして、それぞれ男女別に整理をし直させていただいたものでございます。
続きまして、6ページにつきましては、新規裁定に係るものにつきまして記入をさせていただいておるところでございまして、これも25年度のところをご覧いただきたいと存じますが、退職年金平均年金月額については13万6,160円、前年度比3,737円、2.8%の増となってございます。そこから3つほど下にございます退職年金平均加入期間は442月となっておるところでございまして、以下、ここでは男女別に整理をさせていただいておるところでございます。
続きまして、7ページでございますが、これは退年相当につきまして、支給区分別、年齢別に整理をさせていただいたものでございます。少し字が小さくて見づらい点もあろうかと存じますが、右から2番目のところでございます。前年度比較のすぐ横でございますけれども、平成26年3月末の欄ということで御説明をさせていただきます。
上から7段目ぐらいでございましょうか、60歳の受給権者でございますけれども、9,000人ということでございまして、対前年度比で6万5,000人、87.4%の減少、その同じく7つか8つぐらい下にございます62歳の定額部分と加給部分、あるいは、これもその7つぐらい下にございます64歳の定額部分と加給部分でございます。この減少率を見ていただきますと、この部分がかなり大きく減少しておりまして、8割ぐらいここだけが減少をしておるわけでございます。これはいずれも影響につきましては、退職共済年金の支給開始年齢の引上げに伴うものだと考えておるところで、ここは少し数字としては特異な数字になっているところです。
8ページ、9ページにつきましては、これらをそれぞれ男女で整理させていただいたということでございますので、省略をさせていただきます。
次に、10ページでございます。退年相当の受給権者について、年齢階級別に整理をさせていただいてございますけれども、60~64歳の階級が一番多く、年齢階級が高くなるにつれて減少しているということでございます。細かい話になるのでございますけれども、60~64歳と65~69歳につきましては同じ数字になってございますが、実際これは1,000人単位で、厳密に言いますと60~64歳の階級の人がわずかながら上回っているような現状でありまして、一番多いということを言わせていただいております。平均年齢は、男性が72.9歳で女性が73.7歳、男女平均で全体平均が73.2歳ということでございます。
その次、11ページ以降の資料でございますが、組合員の現状ということで整理をさせていただいてございまして、まず11ページでございます。一番上の組合員数でございますが、これも26年3月末現在で283万2,000人ということで、対前年度比1万人、0.4%減少ということになってございます。
その下でございますが、平均年齢は男性が44.3歳、女性が42.1歳、全体で43.5歳となってございます。
平均給料月額につきましては、32万8,349円、3.8%の減少となってございます。
区分的に、その下の表でございます。標準報酬月額総額ということで書いてございますが、地共済につきましては、標準報酬制というのを現在採ってございませんで、給料制というのを採用してございます。給料ベースを標準報酬制に換算したもので記載してございますが、13兆9,944億円でございまして、前年度と比べて4,991億円、3.4%の減少となっているところでございます。
標準賞与総額につきましては、4兆2,160億円、対前年度比522億円、1.2%の減少。
総報酬ベースの標準報酬総額でございますが、18兆2,105億円で、対前年度比5,513億円、2.9%の減少。
組合員数の年度間平均でございますが、男性が174万人、女性が109万7,000人ということで、合計283万6,000人となっているところでございます。
また、標準報酬総額の年度間平均でございますが、男性が54万9,876円、女性が51万1,408円、全体で53万5,004円となっておるところでございます。
次に、12ページでございます。組合員数を年齢階層別組合員の期間別ということでクロス表をつくりました。当然のように年齢が高くなると加入期間が増えていくので、下半分に寄っていくという表には当たり前のようになってくるわけでございますけれども、これを年齢階層別で見ますと、右側の合計のところを見ていただきますと、50~55歳のところが421.90となっておりますが、切り上げで42万2,000人、55~60歳未満が1,000人単位でいきますと43万4,000人ということになってございまして、50~60歳未満の範囲の人数の割合が比較的高く、この2つの階級で全体の3割を占めておるということになっておるところでございます。
また、組合員の期間別で見ますと、20~25年未満の範囲というのが最も多く、全体で約15%、正式には14.7%となっておるところでございます。
続きまして、13ページと14ページでございます。これがそれぞれ男女別に区分をしたものということでございます。
続きまして、15ページでございますが、給料月額の分布というところでございます。地方公務員共済組合の場合は、先ほども申し上げましたように、現在、標準報酬制というのを採っておりませんで、給料制というのを採用しております。従来から基本給の1万円単位の数字で報告をさせていただいておるところでございますが、平均給料月額は、一番下の欄を見ていただければ、男性が33万5,000円、女性が31万8,000円、平均が32万8,000円となっておるところでございます。
続きまして、16ページでございます。積立金の運用状況というところでございます。まず、資産構成について御説明をさせていただきます。25年度末における数値でございますが、長期給付積立金の総額でございます。表の中ほどに合計欄ということで書いてございます。簿価ベースで36兆6,803億円、時価ベースで39兆8,265億円となっております。内訳を書いてございますが、有価証券等が簿価ベースで33兆1,665億円、時価ベースで36兆3,127億円となってございまして、これが資産全体の9割を占める状況になってございまして、この有価証券の運用の中でも包括信託というところが主でございまして、簿価ベースで31兆5,028億円、時価ベースで34兆6,149億円となってございます。
有価証券等の資産区分でございますが、これについては特記事項のほうでそれぞれの4資産区分及び短期資産ということで記載をさせていただいておるところでございます。
次に、17ページ以降でございます。25年度の決算と21年の財政再計算における将来見通しの比較ということでございます。
まず、17ページでございますが、収支状況の比較でございまして、収入からでございますけれども、保険料につきましては将来見通しが3兆5,287億円ということになってございましたが、実績が2兆9,524億円でございまして、この乖離でございますが、主な要因のところで書いてございます。賃金上昇率の影響でありますとか、これは思ったほど伸びなかったということでございますし、地方公務員の給与削減の影響というようなところにより発生したものと考えております。
その次の運用収益でございます。将来見通し8,425億円に対しまして、実績は1兆2,445億円となってございまして、これは運用利回りが将来見通し2.2%に対しまして、実績が3.42%ということの理由でございます。
このようなことから、収入総額でございますが、将来見通し6兆798億円に対しまして、実績が5兆8,025億円となっておるところでございます。
続きまして、表の右側の支出でございます。給付費の将来見通しでございますが、4兆7,558億円のところ、実績では4兆5,574億円でございます。理由でございますが、受給者数の実績が将来見通しよりも少なかったためと考えておるところでございます。
また、基礎年金拠出金につきましては、将来見通し1兆2,967億円に対しまして、実績は1兆3,574億円となってございます。
以上のようなことから、支出総額は将来見通しの6兆1,124億円に対しまして、実績では5兆9,381億円となっておるところでございます。
これが数字でございまして、18ページが組合員数、受給者数の比較ということで整理をしておるところでございます。まず、組合員数でございますけれども、将来見通しが276万6,000人のところ、実績では283万2,000人となってございます。
受給者数につきましては、将来見通しが292万4,000人のところ、実績が282万6,000人となってございます。
新規加入者及び脱退者数につきましては、新規加入者の見通しが10万6,000人、脱退者数の見通しが14万3,000人でございましたけれども、実績では新規加入者は13万4,000人、脱退者数が14万4,000人となってございます。
また、新規裁定者でございますけれども、将来見通し22万8,000人に対しまして、実績が26万4,000人、失権者数につきましては、見通し20万5,000人に対しまして、実績が22万1,000人になっておるところでございます。
あと、年金種別ごとの数値、通年相当、退年相当、障害年金、遺族年金は、右のほうに整理をさせていただいておるところでございます。
19ページ以降でございますけれども、財政指標を比較したものを見通しと実績について整理させていただいておるわけでございます。まず、25年度の年金扶養比率でございますけれども、1.43となっており、前年度と同じ比率になってございます。また、追加費用を考慮いたしました保険に係る年金扶養比率でございますが、1.64で前年度に比べ0.05ポイント減少しておるところでございます。
括弧内でございますけれども、これは受給者による年金扶養比率ということでございまして、再計算におきましては受給権者ではなしに受給者による年金扶養比率というのを作成してございますので、受給者ベースで比較をいたしますと、年金扶養比率につきましては、見通しの1.41に対しまして括弧内の実績で1.45、また、保険に係る年金扶養比率では、見通しの1.65に対して実績は1.67となっておるところでございます。
続きまして、20ページでございますけれども、年金種別費用率ということで、老齢費用率、障害費用率、遺族費用率について、それぞれ記載をさせていただいてございます。
21ページ、総合費用率でございます。上の表にございます25年度における総合費用率の実績でございます。総報酬ベースで23.7、前年度に比べて1.7%の上昇となってございます。また、給料ベースを標準報酬に換算したものでは30.9で、対前年度比2.4%の上昇、下の表は将来見通しとの比較ということになってございますが、25年度は20.3%と見込んでおりましたものが、実績は23.7%ということになっておるところでございます。
続きまして、22ページ、厚生年金相当部分に係る総合費用率でございますが、将来見通しが18.3であるのに対しまして、実績は21.5となっておるところでございます。
続きまして、23ページ、独自給付費用率でございます。これにつきましては、上の表をまずごらんいただきますと、25年度の実績を見ていただきますと総報酬ベースで20.0となっており、対前年度比1.6ポイントの上昇。なお、給料ベースを標準報酬に換算したものでは26.0となっておるところでございます。将来見通しとの比較でいきますと、将来見通しは下の表になってまいりますけれども、25年度のところでございますが、17.3ポイントに対しまして、実績が先ほど申しましたように20.0ポイントとなっておるところでございます。
続いて、24ページ、厚生年金相当部分に係る独自給付費用率でございますが、将来見通しで15.3のところ、実績では17.8となっておるところでございます。
25ページは保険料比率でございまして、25年度の実績68.3ポイントに対しまして、将来見通しでは80.28ポイントとなっておるところでございます。
26ページ、収支比率でございますけれども、25年度の実績が103.0ポイントでございます。前年度に比べまして20.1ポイント減少しております。これは運用収入が前年度から大幅に増加をしたことが原因になっておるところでございまして、時価ベースで見ますと75.8ポイントとなっておるところでございます。将来見通しと比較いたしますと、将来見通しの100.6に対しまして、実績は先ほど申しましたように103.0となっておるところでございます。
最後に27ページ、積立比率でございますが、25年度の実績で8.5となってございます。前年度に比べまして0.6ポイント減少しておるところでございます。なお、括弧書きで入れてございますが、時価ベースで計算しますと8.9となってございます。また、将来見通しと比較いたしますと、将来見通しについては8.8のところ、実績は申しましたように8.5、時価ベースで8.9となっておるところでございます。
非常に早口で申しわけございませんが、地共済の財政状況については以上でございます。よろしくお願いをいたします。
○山崎部会長 ありがとうございました。
ただいまの説明に関して何か御質問等はございますか。
佐々木委員。
○佐々木委員 1点だけお聞かせいただきたいのですが、先ほど国共済の方の御説明もあったかと思うのですが、4ページ目と6ページ目に関連することを御説明いただきたいと思うのです。
4ページ目で、平均年金月額が今年は6.8%マイナスになったということになっていますが、これは22年3月末の17万3,490円と比べると、率は出ていませんが4年間で13%ぐらい減っているわけですね。今年はその半分ぐらい大幅に減ったということになろうかと思うのですが、6ページ目を見ますと新規裁定の分は平成21年度と25年度はほぼ横ばい。ですから、恐らくモデル的にはこの平均年金月額が新規裁定のほうへ収れんしていくかと思うのですが、今年はこの4年間と対比しましても非常に、4年間のうちの半分以上減少しているのです。先ほどちょっと御説明もあったかと思うのですが、この辺の内容について、おわかりになれば御説明いただきたいと思います。
以上、1点です。
○福嶋数理官 先ほども御説明をさせていただいたことと重複になってしまいますが、私どもの分析では一応、25年度のところでの下がり方につきまして、特例水準解消ですとか追加費用の減額等の影響が大きかったことによって下がっているのではなかろうかと推測をしておるところでございます。
○山崎部会長 よろしいでしょうか。
○大須賀数理課長 6ページのほうの数字なのですけれども、平成25年度は年金の支給開始が60歳から61歳に変わっていまして、理論的に言えば新規開始がほとんどないという状態になっていまして、6ページの統計そのものが非常に限定されて、だから、従来の全員を対象とした統計ではなくて、一部の人を対象にしております。対象となった人につきましては、地共済につきましては、特定警察職員等は支給開始年齢の引き上げを6年遅れてやっていまして、その方々がまず対象になっている。ほぼ9,000名ぐらいなのですけれども、そういう一部の方と、もう一つ、実際の事務処理の関係で、平成24年度に60歳になった方で平成25年度に裁定処理がずれ込んだ方が一部ありまして、そういう意味では、全体ではなくてごく一部の人だけ対象になったので、見ていただきますと、その結果としましても、6ページの4段目に平均組合員期間がありまして、それが延びている。それが原因で年金額は上がっているのですけれども、その理由は、全体ではなくて一部分になってしまっているので、特性が少し変わっているという状況になっております。
○宮武部会長代理 消防も一緒ですか。
○大須賀数理課長 警察と消防の方です。
○山崎部会長 佐々木委員。
○佐々木委員 ということは、今は61歳ですが、徐々に65歳まで延びていくわけですね。そうすると、この平均期間というのも当然また延びていくことになるわけですね。442月という新規裁定の分も延びていくということで、年金額も多少増えていくと考えてよろしいのですか。
○大須賀数理課長 この442月はそちらではなくて、ごく一部の人に限定したので、比較対象が違っているということになります。
○佐々木委員 私が御質問したのは、これからフルに全員が65歳になっていくわけですね。そのときには、この期間は当然延びていくわけですね。それは違いますか。
○大須賀数理課長 それは公務員の方の定年延長というか、雇用の制度にも影響してくるとは思うのですけれども、皆さんが年金開始まで勤められれば延びてくるとは思います。
○佐々木委員 一般的には延びるということですね。
○大須賀数理課長 そうですね、延びるか否かは。
○佐々木委員 年金額も増えてくると考えていいのですか。
○山崎部会長 共済組合員として加入期間が延びるかどうかはまた別ですね。60歳になって受給権が発生して、それ以降、厚生年金の適用事業所という方も実際には多いのだろうと思います。その場合には共済の加入期間は延びない。
○佐々木委員 61歳で切り替わるということですか。
○山崎部会長 どうですか。
○赤松福利課長 基本的な考え方として、組合員期間が延長されるのではなしに、そこで切れて支給だけが延びて、支給の時期が延びると。そこは雇用と年金を接続しないといけないのではないかというのが今、これは非常に大きな問題になっていまして、そこでどういう雇用形態でやるのかということが一つ問題になっています。常勤ということで延長するなら御承知のようになりますし、例えば非常勤ということもありましょうし、あるいは民間のところで働くことになってしまうと、そもそも共済から外れることになりますので、そこは一概に今の段階ではなかなか申し上げられないということになろうかと思います。
○山崎部会長 したがって、ここでは地方公務員共済組合の加入期間に係る年金額ですね。その人の生涯の年金額はまた別に加算されるということだと思います。
○佐々木委員 ありがとうございました。
○山崎部会長 宮武部会長代理。
○宮武部会長代理 基本的なことで恐縮ですが、一元化された場合には、今の基本給ベースから総報酬ベースに切りかえられるのですね。そうしますと財政的には主にどんな影響が考えられますか。非常に漠たる質問で恐縮ですけれども、例えば賦課限度額などは当然変わってくるわけですね。
○福嶋数理官 来年10月からの一元化に際しましては、私どもも標準報酬制を採用させていただくわけでございますが、細かいところ、将来その標準報酬制を採用したことによってどの程度のことが変わるかという細かい分析はまだわからないところもあるかと思います。現状、給料制をとっているところでも、現在1.25という数字の手当率制を採用して計算しておりまして、これにつきましては、ほぼ大体、各年、私どもの給与の実勢の手当と相応になっておるところでございますので、細かいところはまだわかりませんが、そんなに今と何か目につくような形での影響というのは、今のところは考えられないところでございます。
○宮武部会長代理 ということは、今は基本給で計算なさっていて、厚生年金等は当然、総報酬ですとか、総報酬の中身は基本給プラス、それこそ交通費まで入っているわけですので、それで1.25倍で済むのかどうかと思うのです。
○福嶋数理官 その点につきましては、実勢が現段階ではわかりかねるところはあるのですが、押しなべて見ますと、今のところはほぼ現状の1.25と変わらないのではなかろうかという見方をしておるところでございます。
○山崎部会長 今のお話は、60年改正のときに諸手当等が大体25%相当あるとみなしたのですが、その後の実績も余り変わっていないのではないかというお答えでしょうか。
○福嶋数理官 さようでございます。毎年、私どものほうで地方公務員の給与の実勢との統計調査と比較をしておりまして、それで見ましても、この1.25という手当率につきましては、各年ほぼそれに見合った形で推移しておりますので、数字上の見かけでございますが、余り変わりはないのかなというのが今の認識であります。
○山崎部会長 ほかに質問はございますでしょうか。
浅野委員。
○浅野委員 2点あるのですが、1点目は16ページの運用資産のところなのですが、特記事項のところをごらんいただいて、国内株式の割合が14.4%、外国株式が9.8%ということで、これは印象なのですけれども、比較的リスク性資産が高いかなと思うのです。これは何か基本ポートフォリオというのがあって、それに基づいてやっているということなのかどうか、その基本ポートフォリオはどのような考えでこういう割合を設定しているのかというのを教えていただければと思います。
もう一点が、18ページで、受給者数が将来見通しよりも減ったという御報告でしたが、受給者数というのは比較的もう年齢が決まっているので、そんなに見通しとずれることはないのではないかと思うのですけれども、このずれた要因というのは具体的には何なのでしょうか。
以上、2点です。
○酒巻企画管理課長 地共連で資金運用部企画管理課長をしております酒巻と申します。
私から1点目の御質問に関しまして、まず前提といたしまして、こちらの取りまとめは地方公務員共済組合全体の取りまとめでございますけれども、その中で、各単共と我々地共連とそれぞれ独自に資産を持って運用していると。我々地共連は、毎年度、各組合の積立金の増加の一定割合をプールして運用していって、足りなくなったところが出た場合にそこに支出するという目的で運用しておりまして、今のところ枯渇団体はほとんどありませんので、基本的にほぼ全額を運用に回すという前提で、一元化後はまた地共連が管理運用主体として地共済全体の運用状況の管理という立場を任されるのですけれども、今のところはそういった立場に我々はなく、全団体がそれぞれ主務官庁の承認をいただいた基本運用方針、その中に基本ポートフォリオを定めておりますが、それに沿って運用しているということです。
ここで地共連の状況を申し上げますと、地共連の場合は、先ほど申し上げましたように恒常的な支出が多くないことから、比較的運用に回せる部分、フルインベストメントに近いような形で運用ができると。まず、ポートフォリオを定めるに当たりまして、目標運用利回りとしましては財政検証で与えられた目標運用利回りを長期的に達成するような割合で定めようとなっていまして、それを満たすようなポートフォリオを組んでおります。平成25年度時点で適用されている基本ポートフォリオの中心線は、国内債券が64%、国内株式14%、外国債券10%、外国株式11%、短期資産1%ということで、基本ポートフォリオの中心線は国内株14%と外株11%で合計25%となっております。
地共連は地共済全資産の45%ほどを占めておりますので、地共連の保有状況はこの表でもかなり割合が高く反映されているということで、団体によりましては収支状況などからかなり債券とか短期資産に偏ったようなところもありますけれども、地共連につきましては、そういった形で比較的運用にも余裕がありまして、リスク性資産は数字で見るとやや高目の印象を受けると思いますが、そのような状況になっております。
○浅野委員 ありがとうございます。
○山崎部会長 どうぞ。
○大須賀数理課長 もう一つのほうの受給者数なのですけれども、将来予測につきましては保守的な計算を実施しておりまして、受給者につきましては受給資格の年齢に達したら即座に年金開始するという前提で予測していますので、その結果、ちょっと大き目の数字になるような傾向が発生しております。
○浅野委員 ありがとうございます。
○山崎部会長 野上委員。
○野上委員 国共済と同じ質問をさせていただきたいのですけれども、リスク管理でございますが、地方自治体のほうでは100年安心と言われたかどうか知りませんが、長期の年金資産でございますので、100年ぐらいのイベントは対象にしてテールリスクを管理するべきかとは思っているのです。リーマンショックとかは当然視野に入っていると思うのですが、例えばバブル崩壊は回復するまでかなり時間がかかっております。さらに、1929年の大恐慌とかを視野に入れられて、バックテスト、あるいはテールリスクをキャリブレーションするときに、そういうリスクも対象にして考えておられるか、その点について、やっておられるかどうかという単純なお答えで結構ですので、よろしくお願いします。
○酒巻企画管理課長 地共連におきましては、ヒストリカルデータをもとに、特にリーマンショックは直近で非常に大きな下振れがございましたのでということで、そのときの当方の基本ポートの実際の数字のぶれ、リスクのぶれなどの数字をもとに、日々そういった数字を定期的に収集し内部の運用関係者の集まる会議で報告して、情報を共有しているところでございます。そこからさらにさかのぼりまして、バブルの話ですとか、そのころまだ地共連は基本ポートフォリオを組んで運用していなかった状況で、所管省庁さんの定めによりましてもっとリスクの少ない運用をしてまいったということで、今、基本ポートフォリオ運用をここ10数年している中で一番下がったリーマンショックというのを主眼に置いてやっておるところでございます。
○野上委員 バブル崩壊とかは今のところ視野に入れていないということですね。
○酒巻企画管理課長 はい。
○野上委員 国共済さんと比べてリスク性資産がかなり大きいので、入れられたほうがいいように思うのですが、その辺の見識を。
○酒巻企画管理課長 リスク管理につきましては、今、ガバナンスにつきまして、特にGPIFさんのガバナンスについて議論されている中で共済のリスク管理も話題に上るということで、こちらもそういった議論の状況は承知しております。一元化で運用形態も非常に変わりますので、そこが一つの転換点かなと思っておるのですけれども、既にリスク管理の専門員として、今年新たに金融機関の専門家を配置したりしまして、そういった人の体制の強化はいろいろ図っております。さらに来年度以降に向けてシステムの増強ですとか、そういった手法の開発などもコンサルティング会社に依頼して取り組みは既に進めているところでございますので、御指摘いただいた点も踏まえながら検討してまいりたいと思います。
○野上委員 見直されるということで、100年くらいのイベントは対象にされるように御指摘させていただきたいと思います。
○山崎部会長 それでは、御欠席の翁委員からの質問がありましたらお願いします。
○清水首席年金数理官 翁委員から御質問を1ついただいております。
資料1ページの収入及び支出のその他の前年度との違いは何かという質問でございます。よろしくお願いいたします。
○福嶋数理官 ただいまの御質問についてでございますが、収入のほうにつきましては、先ほどの国共済さん、財務省さんの御説明にございましたが、基礎年金交付金の返還分などが24年度の入りとして、これは雑収入として入っておりまして、25年度はその分がなくなったということによる違いが大きな要因かと考えております。
支出のほうのその他につきましては、株価等の金融市場が好況でございましたので、資金運用におきまして、25年度は運用損ですとか売却損、こういったものの損が少なくなったことによる影響かなと考えております。
以上でございます。
○山崎部会長 以上で地方公務員共済組合の財政状況についての報告の聴取を終了します。
説明者の方々には、お忙しい中をありがとうございました。どうぞ席をお移りください。
(福利課長、数理官、企画管理課長、 数理課長 関係者席へ移動)
○山崎部会長 お待たせしましたが、続きまして、私立学校教職員共済制度の平成25年度の財政状況につきまして報告を聴取いたします。
どうぞ席をお移りください。
(文部科学省渡部私学共済室長、同 元平室長補佐、日本私立学校振興・共済事業団松澤 数理統計室参事、同 酒井資産運用室長 報告者席へ移動)
○山崎部会長 本日は、お忙しい中、文部科学省高等教育局私学部私学行政課私学共済室の渡部室長と元平室長補佐、日本私立学校振興・共済事業団の松澤数理統計室参事と酒井資産運用室長に御出席いただきました。ありがとうございます。
それでは、御説明をお願いいたします。
○渡部私学共済室長 文部科学省私学共済室長の渡部でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
早速ですが、資料3「平成25年度財政状況-私立学校教職員共済制度-」につきまして御説明したいと思います。
1ページ目の25年度の財政状況等の概要ということで収支状況でございますが、初めに、25年度の欄をご覧ください。収入につきましては、前年度に比べ1,199億円、21.2%増加して6,854億円となっております。2段目の括弧書きで時価ベースでの収入総額を示しておりますけれども、これが前年度に比べて257億円減少して7,681億円となっております。
次に、内訳といたしまして、掛金につきましては、前年度より138億円増加して3,813億円、国庫負担金が11億円増加して1,059億円となっております。
次に、運用収入でございますけれども、簿価ベースで申し上げますと、前年度に比べ1,024億円、129.2%増の1,816億円となっております。それから、正味運用収入の額が括弧書きにございますように1,811億円、これの時価ベースの額が2,638億円となっております。
収入増の主な要因といたしましては、掛金率が0.354%引き上がっていること、加入者数が前年度に比べ8,000人ほど増えておるということ、最大の要因といたしましては、信託運用における運用収入が大きかったということでございます。
次に、下のほうの段の支出の欄をご覧ください。25年度の支出総額は前年度に比べ27億円、0.5%増加して5,614億円となっております。このうち給付費は68億円、2.4%増の2,867億円、基礎年金拠出金は20億円、1%増の2,083億円となっております。これは、加入者数の増に伴う按分率の増が要因として考えられます。
年金保険者拠出金につきましては25億円減少して、658億円となっております。
その他につきましては、36億円、84.8%減少の6億円となっておりますが、これは信託運用損の減少等によるものでございます。
次に、収支残の欄でございますけれども、簿価ベースですと前年度比1,172億円増加して1,240億円となっております。時価ベースですと前年度比284億円減少して2,067億円でございます。
年度末積立金でございますが、簿価ベースでは前年度比1,240億円、3.6%増の3兆5,463億円、時価ベースですと前年度比2,067億円、5.7%増の3兆8,472億円となっております。
積立金運用利回りでございますが、簿価ベースで5.36%、時価ですと7.27%となっております。
次に、2ページ目につきましては、先ほどの収支状況につきまして図式化したものでございますので、説明は省略させていただきます。
3ページ目をご覧ください。給付状況でございますが、初めに、受給権者数、年金総額等についてお示ししております。平成26年3月末の欄をご覧ください。受給権者の数でございますが、前年度と比較して11万6,000人、2.8%増加して42万800人でございます。このうち、いわゆる退年相当が12万5,500人、通退相当が22万6,000人となっております。短期間での退職者が私学の場合は大変多いということで、通退相当の方の人数が多いのが特徴的なこととして言えようかと思っております。
次に、年金総額の欄でございますけれども、前年度と比較いたしまして64億円、1.9%減少して3,309億円となっております。このうち退年相当につきましては57億円減少しまして2,174億円、通退相当は18億円減少して619億円となっております。この減少の理由は、後ほど申し上げます平均年金月額の低下、それから、平成25年度からいわゆる報酬比例部分の支給開始年齢、特別支給の年金の支給年齢が60歳から61歳へと引き上げられたということ等が考えられます。
次に、4ページをご覧ください。退職給付についての減額支給及び増額支給の内訳がございます。上段の表でございます。減額支給の人員は平成25年度末では800人、年金総額は10億円でございます。増額支給の人員は6,500人、年金総額は69億円でございます。
次に、下段の表は退職年金の平均年金月額等でございます。退年相当の平均年金月額は、前年度と比較いたしまして4,844円、3.2%減少して、14万4,339円となっております。この減少の理由は、先ほど国共済、地共済からの御説明にもございましたように、25年度の10月からの特例水準の解消や、いわゆる特別支給におけます1階部分、定額部分の支給が25年度からはなくなったことが考えられます。
基礎年金を含めた平均年金月額につきましては、前年度より2,285円、1.2%減少して18万8,205円となっております。
次に、5ページは先ほどの4ページの下段の表を男女別にしたものでございますので、説明は省略させていただきます。
次に、6ページは退職年金の新規裁定者の平均年金月額でございます。加入期間20年以上の新規裁定の退年相当の平均年金月額は、前年度と比べまして2,905円、2.1%増加して13万9,204円となっております。また、平均加入期間は408月でございます。
次に、7ページをご覧ください。こちらは、平均年金月額の支給年齢別、それから、年金額の構成要素別の一覧でございます。特徴的なところでご覧いただきますと、特別支給の64歳の欄でございますが、ここの平均年金月額につきましては、いわゆる定額部分の支給が終了したため、前年度に比べ5万6,709円減少して、11万5,275円になっております。
その下にございます65歳以上の本来支給分の平均年金月額でございますが、こちらは15万1,470円でございまして、さらに、これに基礎年金額の推計値を加算した額は21万153円となっております。
次に、8ページ及び9ページは、先ほどの7ページの資料を男女別にしたものでございますので、省略させていただきたいと思います。
次に、10ページは、退職年金受給権者、退年相当の年齢構成でございます。年金受給権者数は全体で12万5,500人でございますけれども、その年齢構成としては、65歳以上70歳未満の割合が23.8%で最も高い割合を示しております。また、平均年齢につきましては、男性71.8歳、女性73.2歳という状況になっております。
次に、11ページをご覧ください。加入者状況でございますが、初めに、加入者数、加入者の平均年齢等の上段の表でございます。加入者数につきましては50万6,800人で、前年度に対しまして8,000人、1.6%の増加になっております。このうち特に女性の増加が大きく、7,000人増の27万9,300人となっております。要因といたしましては、特に大学と幼稚園の加入者がふえており、私立大学病院の女性看護師や私立の幼稚園、私立認定こども園の教員の増加といったものが考えられます。
また、加入者の平均年齢は42.1歳でございまして、男性は47歳、女性は38歳となっております。
標準給与月額の平均でございますけれども、前年度と比べ1,324円減少して36万4,137円となっております。
下段の表でございますけれども、標準給与月額総額の26年3月末の状況を見ますと、前年度と比べ271億円増の2兆2,109億円でございます。標準賞与総額につきましては前年度に比べて29億円増の6,462億円、そして、これらを合わせた標準給与総額につきましては2兆8,572億円となっております。
加入者数の年度間平均につきましては、前年度と比べ8,000人増の50万9,000人でございます。
最後に、総報酬ベースの標準給与総額の年度間平均でございますけれども、これが1人当たり月額2,467円減少して46万7,764円となっております。
次に、12ページをご覧ください。加入者の分布でございますが、一番割合の高い年齢層が25~30歳のところでございますけれども、合計15.1%で一番高くなっております。以降、50歳代まで10%前後で推移しておりまして、60歳以上の加入者も相当程度、11.7%、いるところでございます。加入期間別の分布を見ますと、加入期間5年未満の割合の方が一番高くて36.5%、また、10年未満で見ますとトータルで58.9%となってございます。
次に、13ページは男性の加入者の分布でございます。こちらは若年層、30歳未満の割合が低く、30歳代から60歳代前半までの各層にほぼ均等に分布しています。また、60歳以上65歳未満で加入期間5年未満の方、左側の下のほうでございますけれども、こちらの割合が比較的高いところでございます。
次に、14ページは女性のほうの分布状況でございます。男性のほうと異なりまして、30歳未満の方の割合が高い傾向にあります。また、加入期間10年未満の方がトータルで67.5%ということで、幼稚園教諭など短期離職者が多いという特徴をあらわしておろうかと思っております。
次に、15ページをご覧ください。標準給与月額別の分布状況ですが、男性は23.1%の方が上限の62万円のところに張りついており、その全体平均が44万437円ということでございます。一方、女性は20万円台のところを中心に分布しておりまして、平均額は30万1,995円という状況でございます。
次に、16ページは積立金の運用状況でございます。資産構成ですけれども、平成25年度末の積立金につきましては、簿価ベースですと合計3兆5,463億円、また、時価ベースですと3兆8,472億円となっております。このうち有価証券と包括信託で、簿価ベースの場合ですと76.3%、時価ベースですと78.2%を運用しております。
また、運用利回りにつきましては、簿価ベースですと5.36%、時価ベースですと7.27%となっております。
次に、17ページは財政再計算における将来見通しとの比較でございます。初めに、収支状況の比較でございますけれども、収入の将来見通しは合計で5,918億円でございましたが、実績はこれより936億円多い6,854億円、時価ベースですと、括弧書きでございますけれども、7,681億円となっております。内訳といたしましては、掛金につきまして将来見通しよりも268億円少ない3,813億円という数字になっております。これは、見通し上は賃金上昇率2.6%で見込んでおりましたけれども、実績ではこれがマイナス0.7%であったということが要因として考えられます。
それから、運用収入が1,816億円ということで、将来見通しよりも1,034億円多い結果が出ております。時価ベースですと2,638億円ということで、将来見通しよりも1,856億円多くなっております。
支出の将来見通しですけれども、これは将来見通し上は合計で5,404億円でございましたが、これに対して実績は210億円多い5,614億円となっております。このうち給付費につきましては、実績が2,867億円で、将来見通しよりも261億円少ない形になってございます。これは、見通し上はいわゆる年金の待期者が100%受給するという前提で再計算上は計算しておりましたけれども、実態としてはそこまでいっていなかったということでございますので、その分の差が生じておるところでございます。
その他の欄でございますが、ここが665億円で、将来見通しよりも279億円多くなっております。これは、いわゆる年金保険者拠出金が見通しよりも272億円多かったことによるものでございます。
この結果、収支残につきましては、将来見通しが514億円であったのに対しまして、実績はこれより726億円多い1,240億円となっております。時価ベースですと2,067億円という状況でございます。
年度末積立金につきましては、見通し上は3兆6,186億円でございましたけれども、実績のほうは簿価ベースで3兆5,463億円、時価ベースで3兆8,472億円となっております。
次に、18ページをご覧ください。加入者数、それから受給者数の見通しとの比較でございます。加入者数の実績は50万6,800人でございまして、将来見通しよりも5万500人増えております。これは、見通し上は学齢対象人口の減少に比例して私学共済の加入者も減少するという前提で推計しておりましたけれども、実態といたしましては加入者が伸びておるといったことから、このような違いが生じているということでございます。
受給者数は、将来見通しが56万8,300人でございましたけれども、実態は16万7,600人減の40万700人でございました。これは先ほども申し上げましたけれども、待期者が100%年金を受給する前提で計算上は推計しておりますけれども、それがそのとおりにはなっていないということを反映したものでございます。
次に、新規加入者の数でございますが、将来見通し4万5,300人に対し、実績は6万4,300人となっております。また、新規裁定者は見通しが3万4,100人に対しまして、実績は4万8,600人となっております。
その下の段の脱退者でございますが、見通しが4万8,200人に対しまして実績は5万6,300人、また、失権者につきましては、見通しが1万2,700人に対しまして実績が3万7,000人という状況でございます。
19ページは、財政指標の比較を示しております。初めに、年金扶養比率でございますが、上の表にございますように、平成25年度末の年金受給権者ベースでの年金扶養比率は4.04で、下の表にございます将来見通しの25年度の見込みよりも0.08ポイントほど高くなっております。
なお、私学共済の場合は追加費用がございませんので、年金扶養比率と横の保険に係る年金扶養比率は全く同じ数値になってございます。
次に、20ページをご覧ください。こちらは給付種別ごとの費用率ということで、説明は省略させていただきたいと思います。
次に、21ページは総合費用率、1~3階全体の費用率でございます。25年度の実績は上の表にございますように15.6%で、将来見通し、下の表のところにございます25年度の数値14.4%よりも1.2ポイントほど高い結果が出ております。この要因といたしましては、まず分子となります基礎年金拠出金あるいは年金保険者拠出金が見通しより多かったこと、それから、分母となる標準給与総額が見通しより少なかったということでございます。
拠出金関係が見通しより多かった要因といたしましては、基礎年金拠出金の場合は、加入者数の伸びが将来見通し上マイナスだったのに対しまして、実績はプラスであったこと、年金保険者拠出金に関しましては、前々年度の精算分として272億円を加算することになったことによろうかと思っております。また、標準給与総額が見通しより少なかった要因といたしましては、先ほど申し上げましたように、賃金上昇率が見通しの2.6%に対しまして、マイナス0.7%だったということが影響しておろうかと思っております。
次に、22ページをご覧ください。厚生年金相当部分に係る総合費用率でございます。下の表にございます将来見通しでは、13.4%が25年度の見通しでございましたけれども、実績は上の表にございますように、これより0.9ポイント高い14.3%となっております。
次に、23ページは独自給付費用率でございます。下の表の将来見通しでは、25年度は11.3%でございましたけれども、上の表の実績では、これより0.7ポイント高い12.0%となっております。
次に、24ページの厚生年金相当部分に係る独自給付費用率でございますが、下の表の将来見通しでは、25年度は10.3%でございましたけれども、実績のほうはこれより0.3ポイント高い10.6%となってございます。
25ページの保険料比率をご覧ください。25年度の実績は86.8%で、将来見通しよりも7.0ポイント低い状況になっております。
26ページは収支比率でございまして、25年度の実績は78.5%で、将来見通しよりも10.9ポイントほど低くなってございます。これは、いわゆる見込みよりも黒字の額が大きかったことをあらわしておろうかと思っております。
27ページは、積立比率の状況でございます。25年度の実績は7.7ということで、将来見通しよりも0.5ポイントほど低い値になってございます。ただし、時価ベースですと8.1で、将来見通しとほぼ同じような数字になっている状況でございます。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。
○山崎部会長 ありがとうございました。
ただいまの説明に関して何か御質問等はございますか。
佐々木委員。
○佐々木委員 1点だけ御質問します。
前回もそうだったのですが、11ページ目の加入者の状況で、先ほど看護系の大学とか認定こども園で特に女性が増えているということで、これは22年3月からずっと増加傾向にあるということです。人口減が大方の制度では問題になっているのですけれども、私学共済さんは増えているというということですが、この前は大手予備校が非常に大幅にリストラをやるということで、これから私学が減っていくのだろうと。やはり経済的な問題で私学から公立へシフトするとか、そういったいろいろな問題はこれからより私学共済さんのほうで鮮明にあらわれてくる可能性があるのではないかと思うのです。
これは再計算の問題かもしれませんが、その辺について内部で議論されているとか、決算を見てそういった状況についての今後の見通しとこれまでの実績の乖離といいますか、予想と5万人ぐらい違うわけですね。その辺のところはどう議論されているのか、もしありましたらコメントをいただければと思います。
○渡部私学共済室長 21年の財政再計算までは、まさに学齢人口の減少に比例して加入者も減っていくと推計しておりましたけれども、実態はこれに反しており、特にここ数年の傾向といたしまして、いわゆる私立大学におけます保健医療系の学部ですとか学科の増加、あと幼児教育といったところも伸びております。この傾向はすぐにはやむ感じもしないものですから、そういった最近の状況も踏まえまして、26年の財政再計算を今年行いました。そこでは当面10年間はこれを学校種別ごとに分析いたしまして、伸びるところは伸ばす、伸びていないところは減らすとか、そういった形で推計をした上で、さらにそこから先につきましては、これまでどおり学齢対象人口の減少を受ける形で減っていくという見方をしてございます。
○佐々木委員 ありがとうございました。
○山崎部会長 いかがでしょうか。
野上委員。
○野上委員 1つは、各制度同じ質問で恐縮なのですが、リスク管理でテールリスクを計測するときに、バックテストあるいはテールリスクのキャリブレーションをするときに、100年に1回ぐらいのイベントまで対象にされているかどうか。具体的にはバブル崩壊とか、1929年の大恐慌みたいな回復にかなり時間を要するようなイベントまで入れておられるかどうかという点をお聞きしたいと思います。
2点目は、以前お聞きした質問なのですが、待機者の方の年金についてでございます。被用者年金が一元化する中でかなり状況は改善するというお答えを以前いただいたように記憶しておるのですが、その状況には変化がないかという点。
以上、2つでございます。
○酒井資産運用課長 1点目の御質問につきまして、私学事業団のほうからお答えさせていただきたいと思います。
私どものリスクにつきましては、許容できる最大損失を上回る損失をリスクとして捉えまして、今やっている方法なのですが、過去10年間の標準偏差の平均、それと、過去最大の損失を被りましたリーマンショックを含めた国際金融危機を大きな軸としてリスクの管理をしているということ。それと、金利上昇シナリオを複数用いましてシミュレーションを数多く行って、そういった形で資産配分の最適化、あとリスク管理を行っているというのが現状でございます。先生御指摘のバブル崩壊のように回復にかなりの時間を要するイベントを想定した対応というのは現在正直行われておりませんので、今後検討させていただきたいと思っております。
以上でございます。
○渡部私学共済室長 2点目の待期者、実際は100%請求してこないという状況にございますけれども、確かに私学の場合、1年ですとか1年未満の期間の方もかなり多うございまして、どこまで意識啓発をするかということもございます。もちろん一元化になりまして、いわゆるワンストップサービスで、それぞれの各機関でそういった申請を受け付けるなどといったことも今後進んでまいりますので、改善する可能性はあるかと考えておるところでございます。
○野上委員 ありがとうございます。
○山崎部会長 ほかにございますか。
それでは、どうもありがとうございました。以上で私立学校教職員共済制度の財政状況につきましての報告の聴取を終了します。
説明者の方々には、お忙しい中をありがとうございました。どうぞ席をお移りください。
(私学共済室長、室長補佐、 数理統計室参事、資産運用室長 関係者席へ移動)
○山崎部会長 それでは、本日の審議は終了いたします。
次回の日程につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○清水首席年金数理官 次回の年金数理部会は、12月19日金曜日の午前10時から、本日と同じ専用第22会議室にて開催し、厚生年金保険及び国民年金(基礎年金)の財政状況について説明を受ける予定となっております。また、平成26年財政検証・財政再計算時のレビューに必要な資料についても御確認いただきたいと存じます。
以上です。
○山崎部会長 それでは、本日はこれまでにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
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