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2013年6月26日 第27回ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会 議事概要

医政局研究開発振興課

○日時

平成25年6月26日(水)17:00~19:15


○場所

航空会館 B1階 B101会議室


○出席者

(委員)

永井委員長 青木委員 位田委員 梅澤委員 貴志委員
木下委員 小島委員 竹内委員 中畑委員 中村委員
前川委員 松山委員 水澤委員 湊口委員 山口委員
小澤参考人 島田参考人

(事務局)

厚生労働省医政局研究開発振興課

○議事

議事概要

すでに厚生科学審議会科学技術部会に付議されたヒト幹細胞臨床研究実施計画のうち、継続審議となっていた理化学研究所、先端医療センター及び新潟大学医歯学総合病院からの申請、先行審議となった九州大学病院からの申請、変更案件の鳥取大学医学部からの申請について審議された。
 その結果、継続審議の理化学研究所、先端医療センター及び新潟大学医歯学総合病院の申請は持ち回り審議となった。その他の申請については、次回審査委員会以降も継続して審議していくこととされた。
 (審議された臨床研究実施計画の概要は別紙1~5参照。)

(別紙1)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年6月26日審議分

<研究課題名>:滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)シート移植に関する臨床研究

<申請年月日>:平成25年2月28日

<実施施設及び総括責任者>:理化学研究所 高橋 政代

<対象疾患>:滲出型加齢黄斑変性

<ヒト幹細胞の種類>:iPS細胞(自家皮膚線維芽細胞から樹立)

<実施期間及び対象症例数>:登録期間:2年10ヶ月、観察期間:移植後1年 6症例

<治療研究の概要>:先端医療センターとの共同研究。採取した皮膚組織から樹立したiPS細胞より網膜色素上皮シートを作製し、全身麻酔下に脈絡膜新生血管を抜去後、網膜下にシートを移植する。まず安全性の評価を主に行う。iPS細胞由来網膜色素上皮シート移植に起因する免疫拒絶反応や腫瘍化の程度を確認し、また移植手術手技より生ずる有害事象を調べる。

<その他(外国での状況等)>:海外ではES細胞を用いた臨床研究が始まっているが、ヒト幹細胞臨床研究として、網膜細胞の移植が実施されたことはない。研究者は、免疫不全マウスを用い3度造腫瘍性試験を行い、またラットとカニクイザル網膜下へ網膜色素上皮細胞シート等を移植し、安全性を確認してきた。

<新規性について>:iPS細胞由来細胞を用いた臨床研究であるところ。

(別紙2)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年6月26日審議分

<研究課題名>:滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)シート移植に関する臨床研究

<申請年月日>:平成25年2月28日

<実施施設及び総括責任者>:先端医療センター 栗本 康夫

<対象疾患>:滲出型加齢黄斑変性

<ヒト幹細胞の種類>:iPS細胞(自家皮膚線維芽細胞から樹立)

<実施期間及び対象症例数>:登録期間:2年10ヶ月、観察期間:移植後1年 6症例

<治療研究の概要>:理化学研究所との共同研究。採取した皮膚組織から樹立したiPS細胞より網膜色素上皮シートを作製し、全身麻酔下に脈絡膜新生血管を抜去後、網膜下にシートを移植する。まず安全性の評価を主に行う。iPS細胞由来網膜色素上皮シート移植に起因する免疫拒絶反応や腫瘍化の程度を確認し、また移植手術手技より生ずる有害事象を調べる。

<その他(外国での状況等)>:海外ではES細胞を用いた臨床研究が始まっているが、ヒト幹細胞臨床研究として、網膜細胞の移植が実施されたことはない。研究者は、免疫不全マウスを用い3度造腫瘍性試験を行い、またラットとカニクイザル網膜下へ網膜色素上皮細胞シート等を移植し、安全性を確認してきた。

<新規性について>:iPS細胞由来細胞を用いた臨床研究であるところ。

(別紙3)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年6月26日審議分

<研究課題名>:重症虚血肢患者に対する体外増幅自己赤芽球移植と自己骨髄単核細胞移植による血管新生治療の比較試験

<申請年月日>:平成25年5月13日

<実施施設及び総括責任者>:新潟大学医歯学総合病院 南野 徹

<対象疾患>:既存の治療に抵抗性の末梢動脈疾患・難治性血管炎

<ヒト幹細胞の種類>:培養自己赤芽球あるいは自己骨髄単核細胞

<実施期間及び対象症例数>:平成30年3月31日まで。自己赤芽球移植群24症例、自己骨髄単核細胞移植群24症例

<治療研究の概要>:移植の14日前に40~60mlの骨髄を採取し、主に赤芽球を培養増幅して、末梢動脈疾患患肢に筋肉内注射する。医療用エリスロポエチン製剤を併用する。あるいは、500~1000mlの骨髄を採取し、骨髄単核細胞を分離し、筋肉内注射する。両血管新生治療の治療効果および安全性を無作為化並行群比較試験にて検討する。

<その他(外国での状況等)>:本邦ではG-CSF動員自家末梢血単核球移植や自家末梢血単核球移植、皮下脂肪組織由来間葉系前駆細胞移植による臨床研究が実施されている。

<新規性について>:重症虚血肢に体外増幅自己赤芽球を投与するところに新規性がある。

(別紙4)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年6月26日審議分

<研究課題名>:高密度スキャフォールドフリー脂肪由来幹細胞構造体を用いたモザイクプラスティ施術における骨軟骨柱ドナーサイトに対する骨軟骨組織再生の第?相探索的臨床研究

<申請年月日>:平成25年6月7日

<実施施設及び総括責任者>:九州大学病院 岡崎 賢

<対象疾患>:離断性骨軟骨炎もしくは遊離期の骨軟骨骨折、膝関節特発性骨壊死症患者

<ヒト幹細胞の種類>:自己脂肪組織由来幹細胞

<実施期間及び対象症例数>:実施期間:病院長の実施許可通知から3年間 5症例

<治療研究の概要>:安全性の評価を行う。皮下脂肪組織を採取し、脂肪幹細胞分離装置を用いて脂肪組織由来幹細胞を分離・採取する。この幹細胞を拡大培養し、細胞凝集塊を作製し、さらに枠型に流すことにより、細胞だけの立体構造体(試験物)を作製。モザイクプラスティ手術時に、ドナーサイトに試験物を移植する。

<その他(外国での状況等)>:米国Genzyme Biosurgery 社は、平成9年、自家軟骨細胞培養・移植法を開発し、FDA の認可を受け商品化した(Carticel®)が、従来の治療法を超える有用性は示せていない。我が国では平成24年7月にジャック®が承認された。信州大学、東海大学、大阪大学からの臨床研究および広島大学を中心とした多施設研究に大臣意見が発出されている。

<新規性について>:細胞のみで厚みのある立体構造体をモザイクプラスティ手術時に移植する点。

(別紙5)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年6月26日審議分

<研究課題名>:自己皮下脂肪組織由来細胞移植による乳癌手術後の乳房再建法の検討

<申請年月日>:平成23年2月28日

<実施施設及び総括責任者>:鳥取大学医学部附属病院 中山 敏

<対象疾患>:乳癌に対する乳房温存術後(術後1年以上経過した症例)の乳房変形

<ヒト幹細胞の種類>:ヒト皮下脂肪組織由来間質細胞(ADRCs)

<実施期間及び対象症例数>:実施期間:平成25年3月31日まで 5症例

<治療研究の概要>:この臨床研究では、乳房温存術後の陥凹変形に対し、自己皮下脂肪組織由来細胞移植による乳房再建術を行い、治療の安全性、乳房形態への効果、生活の質への効果を検討、評価する。
 局所又は全身麻酔下に脂肪採取を行い、脂肪組織分離装置を用いてADRCsを得る。採取された細胞溶液と脂肪組織を混合し、注入用機器を用いて移植する。

<その他(外国での状況等)>:本治療法は、国内において九州中央病院・九州大学において実施されており、19例の安全性・有効性が報告されている(RESTORE研究)。ヨーロッパにおいて本研究と同じADRCを用いた乳癌術後の70症例に対し、施行された乳房再建の試験であるRESTORE2のうち、半年を経過した32症例についてthe San Antonio Breast Cancer Symposium(平成21年)において有効性・安全性が発表された。

<新規性について>:本研究は、ADRCsを用いた本疾患に対する臨床研究として「ヒト幹細胞臨床研究実施計画」として初めての申請。本治療手技に関して申請機関に新規性がある。

厚生科学審議会科学技術部会 ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会委員名簿

  氏 名      所 属 ・ 役 職

  青木 清     上智大学生命倫理研究所長
  位田 隆一   同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科 特別客員教授
  梅澤 明弘   国立成育医療研究センター研究所 副所長
  春日井 昇平  東京医科歯科大学インプラント・口腔再生医学 教授
  貴志 和生   慶應義塾大学医学部形成外科 教授
  木下 茂     京都府立医科大学大学院医学研究科視覚機能再生外科学 教授
  小島 至     群馬大学生体調節研究所 教授
  島崎 修次   国士舘大学大学院救急システム研究科長
  高橋 政代   理化学研究所神戸研究所網膜再生医療研究チーム チームリーダー
  竹内 正弘   北里大学薬学部臨床医学 教授
  戸口田 淳也  京都大学再生医科学研究所組織再生応用分野 教授
○永井 良三   自治医科大学長
  中畑 龍俊   京都大学iPS細胞研究所 副所長
  中村 耕三   国立障害者リハビリテーションセンター 総長
  前川 平     京都大学医学部付属病院輸血細胞治療部 教授
  松山 晃文   (公財)先端医療振興財団再生医療実現拠点ネットワークプログラム(JST)開発支援室長
  水澤 英洋   東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 教授
  湊口 信也   岐阜大学大学院医学系研究科再生医科学循環呼吸病態学 教授
  山口 照英   国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部 研究員
  山中 竹春   国立がん研究センター 生物統計学室長

 (敬称略)

○:委員長


<照会先>

医政局研究開発振興課
電話:03-5253-1111(内線)2587

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