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2013年3月27日 第14回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録

厚生労働省大臣官房統計情報部企画課国際分類情報管理室

○日時

平成25年3月27日(水)15:00~17:00


○場所

厚生労働省仮設第3会議室


○出席者

菅野健太郎委員長、飯野靖彦委員長代理、落合和徳委員、柏井聡委員、
嘉山孝正委員、神庭重信委員、木下博之委員、高橋姿委員、土屋了介委員、
中田正委員、中谷純委員、名越澄子委員、根本則道委員、馬場志郎委員、
肥塚直美委員、松本万夫委員、水沼英樹委員、望月一男委員、渡辺賢治委員、
渡辺重行委員<五十音順>

○議題

(1)ICD-11改訂の動向について
(2)WHO分類改正改訂委員会(URC)への提出案件について
(3)国際疾病分類-腫瘍学第3版(ICD-O-3)の一部改正について
(4)その他

○議事

○事務局
 予定の時刻となりましたので、第14回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会を開催いたします。各委員の先生方におかれましては、お忙しいところご出席賜り誠にありがとうございます。私は、本日進行を務めさせていただきます、統計情報部企画課国際分類情報管理室長の谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 
 本日のご欠席は、岡野委員、清田委員、滝澤委員、玉岡委員、戸倉委員、針谷委員、森内委員、矢永委員、横田委員の9名でございます。名越委員につきましては、遅れてご出席されるとご連絡をいただいております。
 続いて、お手元の資料の確認をさせていただきます。
《資料の確認》
 以上でございますが、落丁、過不足等ございましたら、事務局までお願いいたします。

○委員長
 ありがとうございます。資料の確認をしていただきましたが、ございますでしょうか。
 今日、こういうところで初めてやるわけですが、だいぶ窮屈なところでございまして、いよいよ予算が削減されたのか、力関係でこうなったのか、また押し戻していただければなと思います。大変だとは思いますがよろしくお願いします。
 今期、今回2回目になりますけれども、昨年、藤原先生がお亡くなりになりまして、急遽私が委員長を務めさせていただくことになりました。よろしくお願いします。委員の方々の紹介は、基本的にはよろしいかもしれませんが、今回初めてでいらっしゃいます方は。

○馬場委員
 泌尿器科学会からです。高橋悟先生が、前期までいらっしゃっていました。馬場でございます。よろしくお願いします。

○柏井委員
 眼科学会から来ました、柏井でございます。前委員は新家先生でした。よろしくお願いします。

○委員長
 厚労省の方もご紹介ください。室長もころころ変わったりしますので。

○辻田企画課長
 企画課長です。辻田といいます。どうかよろしくお願いいたします。

○事務局
 ICD室長の谷でございます。よろしくお願いいたします。

○委員長
 少し安定していただければなと。
 それでは、早速でございますが、時間も限られておりますので、議事に入らせていただきたいと思います。議事次第に沿って進めていきたいと思います。
 最初に議事の1番目、「ICD-11の改訂の動向につきまして」、これにつきましては、資料に従いましてご報告をいただくことになっておりますので、よろしくお願いいたします。

○事務局
《資料1-1に沿って説明》
 全体の流れといたしましては、レビューの実施というのが今年度は出てきておりますので、先生方はTAGの中で入力していただいた定義の部分に対しまして、レビューが入るということになっております。また、今年度においては、まず最初に精神TAGと漢方(伝統医学TAG)が先行してフィールドテストに移っていくと思われますが、その後、追随しながら全体のフィールドテストを実施するということになっております。具体的にどういう内容でやるかにつきましては、まだWHOの方からは、漢方(伝統医学TAG)と精神TAG以外に関しては連絡がないという状況でございます。あわせまして、レビューについてもどういう方針でということについては打診がない状態でございます。分かり次第先生方にご報告させていただければと思っております。
 以上でございます。

○委員長
 ありがとうございます。何か質問はございますか。

○中田委員
 ICD-11、確か2015年の総会に出されるということですが、今までの感じで、スケジュール通りに進んでいて、2015年には総会に出されるという感じですか。その辺のスケジュール感を。

○事務局
 実は、少しテンポとしては遅くなっているのが現状でございます。実際には、フィールドテストの説明は昨年度の末には行われているということと、レビュアーについても委嘱が行われているということですけれども。日本からはWHOへレビュアーのリストをお送りして登録をお願いするとしているのですけれども、CV等の要求が来ていないというのが実態。一部のTAGでは出来ているのですが、その他が来ていないという状況です。現状から、2015年にどこまで出てくるかというのは、はっきりしないというところでございます。2014年のWHO-FICの会議、バルセロナだと思いますが、そちらの方で概要が出てくるという話だったのですが、先日の内科TAGの会議にあたって、前もってWHOに、どういうものが2015年に出てくるのかという質問をしたところ、おおむねいくつかのリニアライゼーションということで、分類の代表的なものが出せるだろうということで、実質的な完成版の11が出てくるかどうかについては言及はなかった、ということです。代表的なものとしても、具体的にどういうものが、というのは、死因とかの要するに荒い分類じゃないか、と言われている状態で、はっきりした回答がないという状況で、2015年のWHAに完成版がかかっていくかということについては、判断がつかないところです。

○中田委員
 2015年になってみないとわからないということですか。

○事務局
 2014年のWHO-FICの年次会議である程度どういうものが出てくるかについては、我々協力センター側には提示すると言っています。その段階で、ある程度の、どの辺まで進んだかについては、明確にわかると思うのですが、その後については釈然としないということでございます。

○委員長
 また、私の方で後ほどご説明させていただきたいと思っております。
 他にございますか。ないようでしたら、配布資料にありますとおり、内科TAG以下こちらに沿って、それぞれのWGからご報告をいただければと思います。
 まずは内科TAGでございますけれども。これは私の方で。各学会からの資金の拠出もございまして、厚労省のお金も少し獲得していただいて、内科TAG、第5回目の対面会議になりますけれども、2月6日、7日に行うことが出来ました。
 全体のことだけ申しますと、資料1-2-1(別紙)にございますように、高久日本医学会長、伊澤統計情報部長、WHOウースタン氏の出席をいただきまして、内科の進捗状況報告、他、やるべきこと等を2日間にわたって討議いたしました。様々な、先ほどの先生のご発言のようなことも、内容としてございました。
 一応αドラフトのフェーズが終わって、βに公式的には進んでいるわけですが、内科TAGの中ではまだ呼吸器、循環器が必ずしもうまく進捗ができていない状況でございましたけれども、ほぼ全て、呼吸器、循環器も含めて、αのいわゆるリニアライゼーションのフェーズが終了しつつあります。また、それをサポートする学会の体制がほぼ確立してきたということもございまして、ようやく内科全体の足並みがそろいつつあるということがございました。長い間かかりましたけれども、各学会の尽力をいただき、また、厚労省の尽力もありまして、整合性がとれたということでございます。先行する腎臓、リウマチ、消化器に他のWGがおいついてきました。先ほどの、呼吸器、循環器もサポート体制がしっかりして、国内の学会を中心として作成し、それを国際的に承認するということでございます。レビュアーシステムを行って行く状況になっています。一部のWGでは定義、レビューにかかる部分ですが、定義についてもすでに作業にとりかかっている、かつ完成しているということが報告されました。
 各WGについてですが、消化器WGは、三浦先生の担当ですが、構造については、終了でございます。定義についても、WHOに対するレビュアーの推薦についても終わりました。
 それから、もうひとつ消化器病学会がサポートしているのが肝・胆・膵のWGです。これもほぼできておりまして、こちらについては、αのフェーズがほぼ済んでいるということでございます。
 内分泌WGについては。

○肥塚委員
 田嶼先生がチーフとなってやっていただき、定義もほとんど終わって、レビュアーも提出しているということで、学会で委員会を開いて行っているところです。

○委員長
田嶼先生が頑張って、猛烈な勢いで、追い越そうかといところでございますけれども。MEとのコネクションも十分にできていますよね。

○肥塚委員
 脇先生がやってくださってます。

○委員長
 たくさんのメールのやりとりなど、活動状況は一目で分かる感じです。
 では、腎臓WGの方。

○飯野委員
 資料はありませんが、定義はある程度終了。レビュアーはこれからという状況。日本腎臓学会からバックアップ体制ができておりまして、メールでやりとりをしていまして、systic diseaseのところで、電解質をどこまでいれるかを議論しているところでございます。

○委員長
 あとは、循環器WGですが。

○渡辺重行委員
 資料1-2-1ですけれども、ようやく分類の方は完了しまして、定義はまだですのでこれからですが、今までは循環器の関連学会が、循環器外科とか血管外科とか、22くらいの関連学会があったのでそちらの協力をえて、幅広く知識を網羅してということで進めていたのですが、それが逆に遅かったという反省もありまして、今回の定義については、循環器学会の用語委員会を中心に、いっきに進めてしまおうと言うことで、4月いっぱいを目指して始めているところです。レビュアーは日本循環器学会理事会として選定してもらっているところです。

○委員長
 ようやく内科も足並みがほぼそろいつつあるというところでございます。
 ほかによろしいですか。
 では、その他のWGについて事務局から。

○事務局
《リウマチWGについて、資料1-2-1(6)に沿って説明》
 補足でございますが、内科TAGの中で、WHOの担当者のウースタンの方からiCatを再度開いて変更が出来るということでお約束いただいたところなのですが、ジュリー及びミーガンに対するIDとパスワードが提供されておらず、現状、ジュリーとミーガンがWHOにメール等の書面で送って修正依頼をかけているという段階であるとのこと。こちらとの約束に齟齬があるので、今後指摘していかなければならないと認識しております。

《呼吸器WGについて、資料1-2-1(8)に沿って説明》

《小児科TAGについて、資料1-2-2に沿って説明》

○委員長
 小児科もそうですが、内科とのオーバーラップがございます。一番問題になったのは「稀な疾患」がすべてのグループにオーバーラップするというところがあります。しかもなかなか強硬で譲らない。どちらをプライマリTAGとするのか。一応それぞれの領域をプライマリとするという口約束は取っているのですけれども、さきほどのように、土壇場になると違うことになっていたりするので困るわけです。基本的にはこちらに権限が与えられてリニアライゼーションのインプットができるはずだったのですが、そう約束したにもかかわらず、なされていないということで、次に進めないという状況があります。これは厚労省のほうから再度プレッシャーをかけていただいて。そうでないと次のフェーズの仕事になりませんので、よろしくお願いいたします。
 先ほどの中田委員のご質問ですが、このような状況でございまして、もともとαに移行するのが少し遅れたのですね。βのフェーズといわゆるフィールドテストの期間がございますが、なし崩し的にというと変ですが、一応βの期間をフィールドテストの中に食い込ませながらやっていると。しかし、最終目標として2015年というのは、一応まだ変えていない状況ですので、フィールドテストの期間を変えたり等、様子を見ているという可能性がございます。また、言い方が微妙になっておりますのは、ICD-11といわなくなっていて、ICD-2015といってきているので、テンタティブバージョン風のニュアンスを出してきている。そこは、我々としては、国内的に、法令改正を伴うICD-11になるのかならないのかということになりますと、国内的な体制の準備が違って参りますので、はっきりさせろと言ったが、結局言わなかったのですね。口を割らなかった。若干、認識としては、後退しているニュアンスを感じ取ったわけです。もちろん、そうは向こうは言いませんけれども。そのようなやりとりがございました。
 続きまして、そのほかご報告いただけますか。精神TAGを。

○丸田国際WG協力員
《資料1-2-3に沿って説明》

○委員長
 ありがとうございます。重要なことは、このグループはフィールドテストがすでに定着されているということでございます。いままでも改訂の時にフィールドテストを計画されてきているわけです。そういたしますと、フィールドテストのネットワークシステムであるとか、あるいはそれを行う施設の認定といった問題があるわけでございますけれども、そこについてはどのようなコンセプトで、例えばこういった施設を選ばれたとかありますでしょうか。

○神庭委員
 精神神経学会の下にICD-11委員会がありまして、その委員会のメンバー機関、全国80の大学の地域・分布を考えて、こちらからお誘いしたところもありますし、案内を出して応募してきたところもございます。その他、自治体病院、国立病院、民間の精神科病院、クリニック、など、広く、色々な患者さんのケースに対応できるようにバランスよく検討したということです。七者懇談会という精神科関連の団体がございまして、そこを通すと全会員にいきわたるようになっております。公募という形をとっております。

○委員長
 βフェーズのリニアライゼーションの形のものを、実際に患者さんの病名にあてはめるわけですけれども、コーディングする人のトレーニング等は。ドクターはそういうことはあまりやらないが、そういう人のトレーニングをやらないとうまくいかないと思いますが、そういうトレーニングコースなんも設置しているのですか。

○神庭委員
 フィールドテストのトレーニングに関しては、ジュネーブの精神と行動の障害WGのチーフであるジェフリー・リードさんをお招きして対面で打ち合わせをしたのですれども、特別なトレーニングは必要ない、つまり、リライアビリティは今回は日本では検証しないということです。むしろ、使い勝手の良さ、感触について、生の臨床家の声が聴きたいということです。

○委員長
 翻訳等も先生のところではしないのですか。

○神庭委員
 翻訳は、すでに一つのカテゴリーについて送ってこられまして、精神神経学会のICD委員会が中心になって翻訳をして、それを配布します。最終的なICD-11のマニュアルは、その翻訳が下敷きになりますので、今回の翻訳は大いに生かせることになります。

○委員長
 では、それは配布された上での話。

○神庭委員
 そうです。

○事務局
 精神は、フィールドテストを行うのは初めてではありませんよね。

○神庭委員
 ICD-10のときは、テストリテストをやって、大変だったのです。

○事務局
 2回目なので、ある程度ノウハウは蓄積できているので、多分ほかの分野とは少し違って、必要ないところは落としてできるという状態なのではないかと思います。

○神庭委員
 そういうことだと思います。

○委員長
 ほかのところはこういうことはやっていないので、今後システムを作る必要が出てくるかもしれませんね。進捗がそこまでいっていませんが。精神科は、DSNVが先行してあるし、定義がICD-10の時にありますので、それを修正していく形になると思います。

○神庭委員
 であろうと思います。ICD-10と11のドラフトでよりいいほうを使っていくという形のようです。

○委員長
 ちょっと状況がほかとは違うということだと思います。先行しているチームの状況ですが、問題点もあればフィードバックしていただければありがたいですね。どうもありがとうございました。

○水沼委員
 翻訳は他の科でも厚労省から依頼されることになるのですか。

○事務局
 そうなると思いますが。

○水沼委員
 私は産婦人科ですが、ある程度委員会のようなものを作って待っている必要があるということでしょうか。

○事務局
 精神は、ICD-11の改訂チームのヘッドであるウースタンとは別に、精神と行動のグループのヘッドがついているのですね。ICD-11の改訂チームの方は、ウースタンから、どういう日程で今後実施するのか、猶予期間を含めて、アナウンスがない。フライングで日本の協力センターとして、チームを作ってくださいというお願いを出す根拠がなく、苦しんでいるというところです。各学会へお願いすることは可能ですが、我々も予算的裏付けがないということもあって、ぜひやってください、予算はこちらから、といえないのが辛いところです。

○委員長
 WHO内部で特殊な構造を持っていますので、ジェフ・リードが別にやっている感じなのですよね。そういう動きも参考にはなる、ということでございます。腫瘍のほうも独立して動いている感じになりますので、若干ですね、統一的に動いているという姿ではない。したがって、非常に作業が困難を極める。調整が難しいと。
 続いて筋骨格系TAGの報告をお願いします。

○望月委員
《資料1-2-4に沿って説明》

○委員長
 基本的に日本が動かないと全然動かないという、内科も同じでございます。先生よろしくお願いします。
続きましては、先ほど来、話題になっております腫瘍TAGについて。

○西本部長(国立がん研究センターがん対策情報センターがん統計研究部)
 落合委員に代わりまして、私、国立がん研究センターの西本が腫瘍TAGの状況について報告いたします。資料1-2-5です。腫瘍TAG、この半年余り毎週電話会議を行う形で進めております。他のTAGと違っていわゆるホリゾンタルTAGという形で、それぞれのTAGから出てくる用語を合わせながら全体像をどう構築すればよいかという難しい作業を進めておりますが、NCIのコロラドさんが議長になってからは割と全体の整理が進んできまして、「3)進捗状況」をご覧いただければと思いますが、かなり検討が終了しておりまして、iCatへも入力がされてきております。ただ、現状、腫瘍TAG側からiCatに入力するのではなくて、iCatはもう閉められているので、基本的構造が変わる部分については、WHOへ依頼をして変えるというめんどうくさい作業がずっと発生しております。中枢神経系、女性生殖器、甲状腺に関しては、それぞれのTAGから上がってくる情報をもらおうということで保留としている部分がございます。卵巣はほぼ相談が終わったということでございます。女性生殖系でいいますと乳腺、卵巣の修正が終わっております。
 内科TAGとの兼ね合いで、消化管に関しては三浦先生から詳細な御指摘がございまして、それについては1月から2月にかけてかなり修正をする形で、腫瘍の分類が変わってきております。肝・胆・膵については1月にいったん話が終わっておりまして、名越委員からWGからの意見の御報告をいただきまして、それをTAGの方へあげたのですけれども、いったん話が終わった段階だったものですから、iCatに入っている分をどう修正するかというコメントをもらって、必要な部分は変えようということになっております。これは4月以降、おそらく話が出てくると思います。それぞれの分類自身、部位・組織系で大きく分かれる形で、4桁のコードで分類されるという構造になっております。問題は、7桁のうちの後半のポストコーディネーションについては、これから相談することになっておりますけれども。先々週にUICCのステージを入れるかどうかの議論があって、今のところ、ステージは、UICCでいれてもよいのかという議論が主体で、反対論が強かったです。もともとは、UICCのステージと、治療が終わった段階とは別のグルーピングをしようという意見が出ておりました。今、検討の状態で、この部分については宙ぶらりんの形になっております。それから稀な疾患TAGから遺伝性腫瘍の分類が出てきたりするのですけれど、これについても、遺伝性腫瘍はまとめて、部位に分けずにくくってはどうか、という方向で話が進んでおります。現状、いくつかの部位を除きまして、WGあるいは国内腫瘍TAG検討会の先生方からいただいた意見を含めて、挙げてはおりますけれども、なかなか今までの構造を変えたくないという委員も多い状況です。特に今やっているのはプレコーディネーションの部分なので、統計上の構造にあまり影響を与えたくないという、どちらかというと疫学をやっている方たちの反論がつよい、という状況で進んでおります。組織系については少し大雑把ではありますけれどもこのような形になって進んでおります。今のところ、5月、6月くらいには、プレコーディネーションにあたる部分についてのiCatの登録が終わる、というスケジュール感で進んでおります。以上です。

○委員長
 ありがとうございました。
 内科系で主に関わるのが、血液。Malignant neoplasms of haematopoietic and lymphoid tissues、これについては終了となっておりますけれども、ほぼ調整が終わっているということですか。

○西本部長
 このあたりの内科TAGのメンバーの議長が入られて、それぞれ相談するという形で話がすすんでおります。

○委員長
 あとは、肝・胆・膵については。

○西本部長
 これから微調整を、名越委員の協力をえてさせていただきたいと思っております。

○委員長
 腹膜も、名越委員ですね。腹膜腫瘍、婦人科とミックスしたようなもの。そのへんは今後またよろしくお願いしたい。それから婦人科系統、内分泌でいうと甲状腺腫瘍。それから、神経内分泌腫瘍(NET)を、WHOの方で、carcinoidと言わずにこういう形でまとまるだろうと。先ほどポストコーディネーションの話がありましたが、ステージングは、我々の理解ではポストコーディネーションの方にいくと思っていたのですが。

○西本部長
 含むのですけれども、基本の定義をUICCにするのかしないのかのテクニカルな問題で、議論が生じています。

○委員長
 遺伝子の部分は、遺伝子異常はポストコーディネーションでという話が内科TAGの時にありましたが、これだと別に設けるということになっているのですか。

○西本部長
 そうではなく、遺伝子に関しては、中身で細分化するというよりは、部位で細分化し、後はポストコーディネーションで、実際の遺伝子変異をカバーするという構造になる可能性が高いと。

○委員長
 それほど大きな違いではないということでしょうか。

○西本部長
 はい。

○委員長
 他にご質問は。

○名越委員
 Neoplasmの方でご意見いただいたときに、血液疾患は血液のところに入るから肝・胆・膵からは除くと。リンパ腫なのですけれども。ザルコーマはザルコーマに戻すということになっていまして、ただ、肝・胆・膵の方では、肝臓の悪性リンパ腫は肝臓に入れたいと、いうことで、neoplasmでは肝・胆・膵に入れなくても、肝・胆・膵グループの方では(悪性リンパ腫を肝胆膵に)入れるということにして、うまくコーディングがいくのかどうか、ジュリーに問い合わせていてまだ返事がないのですけれども。そのあたりは大丈夫なのでしょうか。

○委員長
 TAG同士で話をしていないので、腫瘍TAGの進捗がわからなかった。肝胆膵が先行していて、後になって追い付いてきている状況で。話し合いをしないといけないですね。

○西本部長
 ペアレンタルな構造を、どっちをとるか、また、統計を取るときにどちら側でとるかということに関連してくると思います。おそらく今の状況で、今までの統計の整合性からいうと、リンパ腫はリンパ腫でカウントするというのが死因側の考え方です。その部分と疾病側の考え方を、どこでどう整合をつけるかというのは、結構大きな問題です。おそらくWHO側がそのあたりを調整していくということしかないと。TAG同士だけでは多分なく、全体の問題になってくると思います。

○委員長
 ここも横断的なTAGでございますので、肺がんだと、肺とがんというような臨床業務になりますけれども、腫瘍の方に入ると。

○嘉山委員
 中枢神経系が検討中となっていますが、中身は何ですか。

○西本部長
 提案がいままで上がってきた部分も含めて、構造したコード表が出てきまして、実際にはこの部分もう少し細分化した方がいいだろうとかいうような意見をいくつかの専門家からいただいて、電話会議の中で2週間かけて決めていく。ちょうど今週から来週にかけて、中枢神経系がテーマに上がっております。

○嘉山委員
 メンバーはどういった構成ですか。

○西本部長
 腫瘍TAGのメンバーは、NCIのメンバー。ヨーロッパ、オーストラリアなどの全国、国際的に疫学者が3分の1。あとは分類学者というか、今までICDに関わってきた人たち。がん登録にかかわってきたメンバーです。

○嘉山委員
 日本の脳神経学会や神経病理学会はどういう貢献ができるのでしょうか。

○西本部長
 先生から国内腫瘍TAG検討会へいただいたご意見は、私から腫瘍TAGへ提案させていただいております。

○嘉山委員
 これはお願いなのですが。脳腫瘍はステージングがなく特殊な面もあるので早めに情報を伝えていただかないと。この間の血管障害の時は、大騒ぎで1週間ぐらいでやって大変でした。厚生労働省も大変だと思います。早めに我々に連絡していただきたい。

○西本部長
 形ができあがった段階でお知らせするようにします。

○嘉山委員
 日本脳神経学会もICD-11対応の委員会を作っています。みんな待っているが注文がこないので、何をすればいいか分からない状態。仕事はやりますので。

○西本部長
 わかりました。

○委員長
 西本先生、連絡の方をよろしくお願いします。すべての学会にかかわるのが腫瘍ですね。神経は内科に入っておらず別のTAGがございますので、神経系の腫瘍については我々としては手だしできていないものですから。

○嘉山委員
 腫瘍TAGには関係ないですけれど、世界の死因の一番は血管病であるわけですから、あまりにも血管の分類がひどいものですから、直して送り返したんですけれども。血管はどこで扱っているんですか?

○委員長
 血管は循環器ですね、基本的には。

○嘉山委員
 循環器で頭までやっているんですか?

○委員長
 微妙なところ。神経は神経内科だが、内科ではない。WHOの構造上。神経のTAGが別にあって。日本では、首から下は循環器。静脈瘤などは消化器がやったりしてますけれども。頭から上の血管については関与していないというのが実情ですね。

○嘉山委員
 全部ばらばらなんですね。脳卒中学会からは入ってない。

○委員長
 神経学会からはこの委員会にも入っていますが、今日は委員はみえていないですね。内科としても、循環器としては、首から上については担当外という感じで。神経内科のTAGがありますが、日本からは誰が出ているのでしょうか。

○事務局
 中瀬先生です。

○委員長
 中瀬先生が神経TAGの中に入っています。

○嘉山委員
 疾病の患者数としては、多いので。

○委員長
 役所が中に入っていただかないと連絡がつかないと思うので、よろしくお願いします。
他にご意見なければ。よろしいでしょうか。それでは続いて、眼科の柏井委員。

○柏井委員
 資料1-2-6を見ていただくと、眼科の深刻な状況がわかると思います。背景を説明いたしますと、眼科の場合は、ICD-9の作成には関与したのですが、ICD-10にはまったく関与しなかったということがございます。現状のICD-10では、かなり古い30年から40年前の病名が中心です。それで我々は、ICD-11で大幅に内容を改訂したのですが、iCATのプラットフォームが遮断される直前に、かなり大幅な内容が変わりまして、おそらく、ICD-10の分類を残そうとする一部の保守的なグループの方々がやったと。ゾンビのように。おまけに稀な疾患TAGのグループが、眼科の中に、新しい「稀な疾患」だけの分類を作ったり、非常に混乱した状態でありました。先週20日のRSGの時に問題提起いたしまして、眼科に関して初期の構造を再現するということを約束していただきました。一応、WHOの全面的な協力を得て、眼科の構造を復元するということになっております。構造を確定するのにもがいているという状況です。現在、眼科のWGでは全員で、iCatを元に戻すための洗い出し作業をしているという、状況です。

○委員長
 インプットで混乱が起こったことは、内科の方でも同じです。適当なことを入れるということがありますので。こういう、まだらな状況があって、それを修正するという作業が急に発生したと。αドラフトに見かけ上は戻す、ということで理解しています。今後、それを修正しつつβに移行するという形が必要かと思います。柏井委員、よろしくお願いします。
 続いて伝統医学TAG、渡辺委員。

○渡辺賢治委員
《資料1-2-7に沿って説明》
 フィールドテストでは、日本病院会の協力をお願いしたいと思っています。

○委員長
 伝統医学は定義なんかも難しいだろうと思います。
 日本でのフィールドテストはどういうふうにやるのでしょうか。たとえば、病名は通常の病名がありますよね。

○渡辺賢治委員
 コーディングのルールですが、日本の場合、ICDの1~22章のものを一つ、23章を一つ。日本の場合は、ディスオーダーというものを使わないので、症の中からひとつ、ということになっております。

○委員長
 両方使うということですか。

○渡辺賢治委員
 両方使います。

○委員長
 対応については、いつから作られるのですか。

○渡辺賢治委員
 前にWHO-FICで発表したことがあるのですけれども、対応に関して言うと、結構独立性が高いので、対応性はあまり高くないという風に思っております。

○委員長
 国内にこの章が入った時に、コーディングの方々が作業するのが若干難しいような気がするのですが。実際に、フィールドテストでコーディングされるとすると、ご検討いただいたほうが良い。
厚労省側としてはどんな感じですか。

○事務局
 まずは、無事にフィールドテストまで行き着くことが大切だと思っております。ICD-11全体のパイロットスタディになる可能性が非常に高いものですから、そこは漢方だけでなく、全体にフィードバックできる体制をとりたいと思っております。

○委員長
 そうしないと日本のシステムにフィットしていかない。そういうこともケアされていらっしゃるということで、少し安心しました。
よろしいでしょうか。続いて中谷委員の情報TAGについて。

○中谷委員
 資料はございません。医療情報TAGについてご報告させていただきます。医療情報TAGは、昨年3月に開催されて以降、開催されておりませんで、現在休止中でございます。この間に、医療情報TAGの議長のマーク・ミュッセン氏、RSGの議長のクリス・シュート氏、ウースタン先生との個別の打ち合わせを行った中で、電子化したICDのポテンシャルを最大限活用するために、特定の事項に注目して、ジェノミクスを中心とするところなんですけれども、そこについてのサブ構造をデザインして、今その検証を行っております。その分野では、日本がイニシアチブをとって、日本のスタンダードを世界のスタンダードにしたいということで、進めているところでございます。
 以上でございます。

○委員長
 ここが進まないと、最初の夢の様な話に比べて、梯子をはずされたような感じになっている。当初の夢がしぼんでいるなと。お金がつきたのでしょうか。ちょっとそこは、今後進める時に困りますので。

○中谷委員
 医療情報TAGのメンバーとして心苦しいところがございまして、申し訳ございませんと、ウースタンの代わりに申し上げます。

○委員長
 日本は、むしろWHOに対してこんなことができますよとの示すくらいの勢いでやれと、内科TAGの中では、この間も申し上げましたけれども。当初、リニアライゼーションで再分類が可能だなどとウースタンが語っていた夢のようなことが、日本では実現に近づいているというぐらいの感じでやると、医療情報化の流れに沿って、ICD専門委員会がうかびあがっていく一つの契機になるのでは。会議室もこんなところでなくて、あちらで開催できるようになるだろうと。頑張っていただきたい。よろしくお願いします。
 後は、事務局から簡単に進捗についてご報告をお願いします。

○事務局
 まず、皮膚科TAGでございますが、戸倉委員より情報をいただいた内容についてご報告いたします。
 皮膚科TAGは、国際皮膚科学会連名にWHOが2008年に依頼して組織されたところで、イギリスのマンチェスター大学のロバート・チャーマー教授を中心に、ICD-11のうち「皮膚・皮下組織疾患」の手直しを現状行っているということです。今年は、3月2日にアメリカで討論が行われましたが、内容についてはまだ報告があがってきていないということです。
 また、歯科TAGの岡野委員、外因TAGの横田委員からは、今回は特に進捗はないというご報告いただいております。以上です。
 また、会場につきましては、年度末で会議が多く、ここも取れずに外部でやっているところもございますので。できれば本省内で、いい場所をとれるように頑張りたいと思うので、ご了承願います。

○委員長
 チャーマー。ジュネーブに1年3ヶ月だか滞在してひとりで頑張っている人ですね。
 以上がだいたいの進捗状況でございます。精神科のように独自に進んでらっしゃるところもありますが。
 特に御質問等ないようでしたら、次の議事に移りと思います。資料2ですが、事務局から。

○事務局
 資料2をご覧ください。昨年URCに提出いたしました、ID1934「胸腔内子宮内膜症」と1935「非ST上昇型心筋梗塞」の2件につきましては、URCから、内容を、意見に基づいて修正した上で再度提出してほしいということでした。今回、そちらの方の意見について、まとめたものでございます。今回、こういった内容で出し直すということで、内容確認を、専門の先生のところでしていただいた上で、申請したいと思っております。ちょっとはっきりわからないのが、1934の方は、子宮なので産婦人科なのか、それとも胸腔内ということで他の学会なのか、判然としないのですが、どちらの学会に依頼したらいいかという点が一点です。1935「非ST上昇型心筋梗塞」については、循環器学会の方に意見をお願いしたいと思っておりますが、いかがでしょうか、というところですが。

○委員長
 後半は循環器でしょうね。ちょうど渡辺重行委員が帰られてしまいましたが。察知して帰られたのか。前半は産婦人科でしょうか。

○水沼委員
 ただ、これは産婦人科で診断しろと言われても難しい。病理学的には、産婦人科の子宮内膜ということでいいのだと思うのですけれども、実際の運用ということになった場合は、どうやって子宮内膜と診断するかということになると、これは呼吸器でないと難しいところがある。

○委員長
 では、呼吸器にあたっていただいて。

○落合委員
 コーディングそのものはこれでよいと思います。全体の子宮内膜症と同じくくりでよいと思うのですが、一応呼吸器にも聞いていただいた方がいいと思います。

○事務局
 わかりました。そうしましたら、URCの意見出しは、3月末までの登録になっているので、呼吸器学会及び循環器学会への照会は、29日午前を締めとして確認を行っていただこうと思います。本当のショートノーティスですが、よろしくお願いします。
 資料2の次のページですが、今回、個別学会を通さずに個人として上がってきたものは少し検討することとして今回は申請せずに、学会ということで意見が出てきたものが5件あります。内容については、整形分野から子宮筋腫といったものまで多岐にわたりますので、専門学会の先生の御意見をこの中で聞いていただいた上で、WHOに登録したいと思います。急に今回出てきているということもあるので、こちらは29日までには難しいと思っておりますが、こちらの検討をお願いしたいと思っております。
 たこつぼ型心筋症が循環器学会、子宮平滑筋腫が産婦人科学会と癌治療学会、Potter sequenceが産婦人科学会、Convulsion associated with gastroenteritisが日本消化器病学会、スポーツによる消耗が整形外科学会、といったところでどうかと思っておりますが。

○嘉山委員
 Convulsionは、てんかん学会にも聞いた方がいいですね。

○事務局
 わかりました。
 机上配布資料1へ今後の日程としてまとめてございます。日程としては3月31日を目途にURC事務局へ提出。目途というのは毎年少しずれがあるので「目途」としております。その後7月上旬から中旬にネットでの投票。9月中旬から下旬にかけて第2回目の投票が行われて、そこでコンセンサスが得られたもの、多数の同意を得たものについては採択、全員で否決されたものはリジェクトとされ、本会議へ行かずにそこで決定されます。もう少し議論が必要というものについては、10月に北京で開催されるWHO-FIC年次会議の中で対面で決めていく、という流れになります。そういったことで1枚目に載せています。
 今までのやり方として、WHO-FICの年次会議が毎年10月の第3週頃に組まれるが、そのあとに意見徴収を先生方に行い、その後意見をまとめる、としておりましたが、このような意見が出ておりますと、委員会に諮るのは今回初めてです。件数の検討というのをメインでやられていました。そうなると、実質上、中身がわからないけれども専門委員会がお墨付きを与えている、というのは公明性を欠くことでございますので、今後は早い日程で日程調整をしながら、専門学会の意見を付したものを提出していただき、その上で、この専門委員会において申請についての可否を決定して、WHOへ登録する、という流れを考えております。
 申請する意見の中身ですが、机上配付資料1の2ページにありますとおり、各学会に提出された意見のうち、特段の国内調整を必要としないもの、というのを要件としてつけております。国際的コンセンサスを得ていくということを考えると、科学的・社会的理論武装が必要です。一度提出してリジェクトされてしまいますと、しばらくは受け入れてもらえない、ということが事実上あるので、準備をして、確実に認めさせていくことが重要かと思います。これについては、ある程度ルールを設けていかないと、日本として押していけない、ということでございます。従いまして、日本としては、医学的進歩にともない現在の分類が学術的合意と食い違っているというものについて、根拠、推計数であるとか論文、各国が出している統計数値などを付して、明確にしていったもの、ということ。また、ICDは先進国だけでなくユーザーとしての発展途上国も多いものですから、発展途上国も含めた世界的に対応が必要なもの、というのが、国際的コンセンサスを得るには重要になってきますので、こういった主眼が確実にあるもの、というのが必要かと思います。また、日本から提出する意見としては、各専門学会の意見として総意が得られるようなものということが必要です。専門家の中でコンセンサスなく出てくるというものは、結果的に、内部の意見齟齬などで、違う意味でしこりが出てくる可能性がありますので。
 提出の時期、どういったものを出すかということについては、委員長ともご相談させていただいて、早めに明確化できればと思っております。先ほども申し上げましたとおり、来年度のWHO-FIC年次会議に申請するものについて、今年の6月程度から作業のスタートをしてみては、と思っております。日本医学会の関連の専門分科会ですので、日本医学会の協力も少し得ながら、やっていければと思っております。
 以上でございます。

○委員長
 出すときには、英語にして根拠を示して文献もつける、という形でございます。会議の投票権を持っている人は、医療のプロフェッショナルとは必ずしもいえない、ということです。実は知らなかったりもするので、十分に一般的に広まっているのだということを教えてあげるというスタンスで、各学会からお出しになると通りやすいかもしれないですね。機能性ディスペプシア。今度、薬が認可されますが、それを出したときには、こんな言葉は聞いたことがない、という委員がほとんどだった。ニューイングランドジャーナルにこれだけ出ているのだということを教えてあげると、次の年には通る。そんなようなことがありましたので、知っているようで知らないのだと思います。タコつぼ型心筋症なんて絶対知らないでしょう。各学会で、素人に近い人に教えてあげるような、理由書あるいは文献をつけて。ニューイングランドジャーナルとかランセットとかよく読まれている雑誌の論文などがあれば、それをつけると、それが分類されていない事態に彼らは驚いて受け入れる、ということがありますので、そのあたりをご注意いただければと思います。
 役所としては、学会に英語にまで直して出していただけるとありがたいということですか。

○事務局
 専門用語の翻訳が、役所では厳しいところがあるので、そこはお願いしたいと思います。また、投票の後に、各国から意見が出てきます。それに対して、どう違うのかという意見を返していかないと、そのままダメになってしまうので、その際のご協力も合わせてお願いしたいと思います。

○委員長
 中間投票の結果をみてからということになりますね。あれは補強も出来るのですか。

○事務局
 できます。内容修正も場合によっては可能です。

○委員長
 ということでございます。この件は、今までは日本は沈黙を守っていて、私が委員になるまでは1回も提案をしたことがなかったのが、提案して通るものが出てきたという点で進歩ではあるのですが。お役所の方のリソースはそれほどないので、学会の協力をお願いして、適当な病名が世界的に認知されるようにお願いしたい、ということでございます。

○事務局
 もう1点、病名は、科学的なバックグラウンドがあるというのは当然なのですが、コーディングという観点も当然必要となってきます。そこは、協力センターの中に診療情報管理学会がメンバーとして入っているので、協力を得ながら、コーディングとしてどうかという点について、医学的根拠と調整しながら進めていきたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。

○委員長
 学会はコーディングは得意でないので、そこはお互いに連絡し合って調整できれば。そこは仲介してください。
 もう一つは、こういったことを延々とやって、世界では改正されているのが、日本では全く反映されていない、ということ。2006年に、2003年版として、2005年までの小改正の内容を入れたものをようやく出したけれど、その後2回も大改正が行われていると。2012年がおそらく出るのではないかと思いますが。先ほど言いました「機能性ディスペプシア」は、世界ではもう直っているのに、日本のものにはまだないのですね。「ディスペプシア」のままになっている。各学会に頼んだ以上は、失礼にあたる。ICD-11が出たとしても、翻訳したり、法改正をしたりなどとしていると、2018年とかになっていくので、少なくともアップデートに関しては、本にしていただかないと。もうずっと遅れているわけですから。古い分類を使い続けている、という仕組みが残っているので、役所も努力をしていただく必要があると思います。頑張っていただかないと、話にならないです。日本だけ世界に遅れてしまっている。各学会のご協力をお願いする以上は、やったことに対して成果物を出していただくことをお願いします。
 続いて、資料3のICD-O-3。これは改正が進んでおりますけれども。事務局の方から説明を。

○事務局
 資料3でございます。ICD-O-3は、総務省の告示に基づく中身ではございませんので、今回、専門委員会でお諮りして、了解が得られ次第世の中に配布を開始したいと思っています。資料3-3の横表になっているものが、WHOから出された元表でございます。これに基づき、資料3-2が、その修正をかけた日本語のもの。国立がん研究センターを含め関係学会の協力を得て作成したものでございます。これは見え消しの形をとっておりますが、実際に出版される時は見え消しではなく反映版になると思います。こういった内容でO-3の改正を出していきましょうということでございます。それに合わせて、O-3の前文のところにつきましては、WHOの指摘だけでは理解しにくい部分もあるということで、そこを補足した内容として前文の訳を入れようと考えています。今回、がん対策基本法で改定を含めた動きがあって、がん登録も実際に動き始めます。できるだけ早い段階に、一番新しいもので登録を始めたい、ということで、ユーザーが理解できる内容として修正をしていただいております。この内容につきまして、この委員会の中でご了解いただき出版という形をとりたいと思っております。いかがでございましょうか。

○委員長
 新たに出版をするのですか。

○事務局
 出版をするのは出版社ですが、我々は「こう決まりました」と発表をすることになります。

○嘉山委員
 これは決定なのですか。

○事務局
 これは最終案でございまして、この委員会で了解がとれた時点で決定となります。ご意見はいますぐに、というわけではございませんが。

○嘉山委員
 私は、脳腫瘍の専門委員会の責任者を10年やっていますが。WHOはこれを使っているのですか。

○事務局
 はい。

○嘉山委員
 41ページは全部×。WHOの分類にも全然ないですし。いまどき「ばら状神経膠腫」なんて、明治時代の分類じゃあるまいし。43ページも、WHOの分類にも全然ありませんよ。全く現場と異なっています。日本でなく、世界でも。

○西本部長
 基本的には、がん登録でこの考え方、このコードで登録いただいておりますけれども、実際に古い用語もいっぱい残っていて使い勝手が悪い状況というのは、私どもも認識はしています。ただ、それなら、日本版を作ってがん登録をするのかという議論になってしまいます。当面、O-3の後O-4をどう作るのかという議論も今のところ全然ありません。少なくとも、血液腫瘍を中心として2008年にブルーブックが出た時点で、それに少し合わせようということで、WHO側が作ったのが資料3-3です。嘉山委員ご指摘の部分は確かにあると思いますが、それはむしろ日本側から提案できる場をつくらないと、なかなか反映できないと思います。先ほど菅野委員長の方からお話がありましたけれども、コーディングの仕方に関しまして、がんについては、WHOの中で3つのグループが動いております。1つはブルーブック。IARCと言われ、病理の先生が中心に動いているのがブルーブックを作っているグループ。ICD-O-3を作っているのは、同じIARCだけれどDIVISIONが違い、基本的には今まであまり交流がなかった。それと、ICD-10の全体の疾病分類を作っているグループ。それぞれの間で、データや情報の共有がない状況で今まで動いてきたのが、今回少なくともブルーブックと少し合せようという提案で出てきたのが経緯ということです。2010年からIARCの中で委員を募って修正をしたらしいのですが、日本側には全然情報が入らない状況で残念ながら動いていて、このアップデートが出てきました。実は、地域がん登録やがん登録のデータを国際的に比較するために、アメリカでも2012年からこれを採用して動いています。比較性を担保するためには、日本のがん登録側もできるだけ速やかにアップデートにまず乗らないとならないというのが第一段階だと考えております。プラス、ご指摘にあったように、私どもも、脳腫瘍に関しましては、脳神経外科学会の先生からは、精密に登録をされておりますので、専門学会からも意見も頂いております。臨床的な部分との整合性をどうとるかというのは、今後の課題だと思っております。これについては、おそらく国際的に発言していく場を作っていただくのが、次のステップだと思っております。まずは国際的なアップデートに合わせて、その上で、ご指摘にあったところの対応をしていくという段階になるのかなと思っております。

○委員長
 嘉山委員。ICD-11へ向けて、ということでいかがですか。これには、carcinoidなんかがまだ残っております。これもNETでWHOの方はやっていこうと、その辺のところがでておりませんので、嘉山委員のほうでご提案いただいて。腫瘍の方も、脳神経の方はまだできていないようですので。

○嘉山委員
 WHOの脳腫瘍のキャップは日本の女性になっている。東大医学部を出て、病理をやっている先生。その先生が中心でやっていますから、こんなのを見たら、笑われますよ。病理のグループが入っていないのでしょうね、ここには。

○西本部長
 ディビジョンがちょっとずつ違っているので。

○嘉山委員
 アメリカで本当に使ってるの。

○西本部長
 がん登録のSEERとか、NBCRは、基本はこれを使っています。

○嘉山委員
 脳腫瘍の場合はがんセンターで全部登録しているのですけど、僕が委員長で、この前解散したのですよ。ですから、意見を反映させるルートを作ってください。

○西本部長
 そこは是非。私もやりたいと思っておりますので。ご協力をお願いしたいなと。

○委員長
 ブルーブックが一番進んでいて、これはちょっと遅れているということだろうと思います。今後風通しを良くするというのが、この委員会の一つの目的ではないかと思います。嘉山委員、今日ご出席いただいて、活発な意見をいただいて、ありがとうございます。

○落合委員
 ひとつよろしいでしょうか。国内腫瘍TAG検討会をやっている立場からですが、ICD-11の議論をやりながら、今これが出てくると非常に混乱すると思います。前の3版が出た時にICD-10との整合に少しふれています。ですから、これから出すものは、11の議論との整合性について、わかるようにしないと、現場では、非常に昔のものに逆戻りするかのように思ってしまう。

○西本部長
 がん登録は、紫本で登録をしていただいております。

○落合委員
 つまり、色んな学会に、ICD-Oとは切り離して、ICD-11についての議論をお願いしている状況なので、ICD-11にむけての議論は進んでいるけれども登録は現状これでやっていて、その中での改正・改善なのだということが分かるような形で出版していただかないと、現場で混乱を招きます。いったいこの通達は何かと言うことになってしまうので、そのあたり考えていただきたい。

○西本部長
 出し方の問題ですね。

○落合委員
 出し方の問題です。

○委員長
 事務局の方で、そこはしっかりお願いします。

○事務局
 嘉山委員から出されたご意見につきましては、途中経過ではございますが、WHOから出されたものなので、国の方としては、ICDの方は遅れておりますが、こういったものはできるだけ早く現場に戻すという意向で、早めに出させていただきたいと思っております。内容をご精査いただきたいて、可能な限り、WHOの発表内容と同じものにしたいと。分類自体が古いものについては、そもそもの分類をかえないといけないので、それについてはご容赦いただければと思います。中身については、またご意見をいただければと思います。
落合委員のご意見につきましては、前書きを入れることになっておりますので、こういった現状の中で、なぜ今なのか、どういう状況なのかという説明を入れるということで、対応させていただいてよろしいですか。

○落合委員
 ぜひ、そこにきちんと分かるように入れていただきたいと思います。

○委員長
 基本的にはWHOが出したものの訳をしているということなのですよね。

○事務局
 そうです。単純に和訳を行う必要があることから変更しないということです。

○落合委員
 分類上これをつかっているというのは仕方がないと思います。検討が進んでいる中で、これを出す意味というのが、きちっと分かれば。

○嘉山委員
 菅野委員長、落合委員がおっしゃったように、紙を入れてくださいよ。仕方ないことだということを言わないと。

○事務局
 前書きがございます。我々どもの部長の名前で書いているものですので、そこに入れさせていただきます。

○委員長
 他にございますか。それでは、そのあたりは、注意書きをしないとということですね。今後改訂をするということが示されればいいかなと。
 議題は,以上でしょうか。そのほか何かございますか、事務局から。

○事務局
 今回、議題には上げていませんが、当部で所管しております人口動態調査に関しまして、病名からコードを振る際に、ICDにない病名が記載されてくることがございます。そういった病名に対しましても、現状のICDの中のどれかをふらないといけない、ということになっておりますので、コードの特定の作業の際に発生した疑義について、今後、随時、ご担当の先生にサジェスチョンをいただいて、統計の適正化を図りたいと思っております。また、病名のコードに加えて、原死因の選択についてもお願いしたいと考えております。同じような病名が並んでいても、患者によって、それぞれの状況によって、原死因が変わってくるということがごく当たり前の話としてありますので、そういった原死因選択についても、専門的な内容が増えておりますので、同様に先生方のご意見をいただければと思っております。お忙しい中に作業をお願いすることになりますが、ご協力をよろしくお願いいたします。だいたい新規の病名に関することが中心になってくると思います。複雑な病名が書かれている。発生件数としては、月に数件程度になると思いますが、こういったご協力の方をお願いいたします。ご対応いただいた内容については、専門委員会の中で個人情報を伏した状態でご報告させていただきたいと思っております。
 次回のICD専門委員会でございますが、おおむね11月を開催予定としております。机上配布資料の最後のページをご覧ください。全体の我々の会議の概要となっております。煩雑になるので電話会議は入っておりません。点線のものは昨年はこういう状態でやったということです。今回URCの意見徴収の変更にともなってICD専門委員会も少し前倒しする必要があるかなと考えておりますが、調整し次第、委員の皆様方にご連絡したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○委員長
 死因の問題は、死亡診断書記入マニュアルという薄い冊子を厚労省が作ってお配りしていると思いますが、ご認識でしょうか。あれに従って書いているはずですが、班研究をやるととんでもない、ということがあります。かなり間違っていると。そういう結果があるのですね、実は。

○事務局
 そういったことと、ICDにない病名が書かれているものと。また、原因がわからない症例が必ず現場ではでてきますが、それについて、先生方が一生懸命書いてきてくださるので、それをわからないというわけにもいかないので、そこのご協力をということです。

○委員長
 内容は抽象的でしたが、具体的な問題が個別にあるので、その際はよろしくご協力をということでよろしいですね。
だいたい以上ですが、今日は狭い部屋だったせいか、活発な議論がなされましたね。

○土屋委員
 机上配付資料3について、WHOの協力センターの業務としてのスケジュールは全く異存はないですが、これをこなしていくと先ほどの嘉山委員の疑問は解決できない。実は、私が専門にしている呼吸器の外科でもですね、WHOの肺癌組織系分類というのがあるのですね。臨床ではほぼそれを使っている。世界肺癌会議(IASLC)というのがございまして、これは学会ですけれども、日本肺癌学会も構成員で、世界中の肺がん学者が2年に1回、6000人集まってそのもとで委員会を作って、分類を作っている。世界中の肺がんを扱っているほとんどの病院が参加しているので、それが、WHOの組織分類に提案して、WHOのお墨付きの分類表というのがあります。これ(ICD-O-3)とは別にですね。従って、臨床の現場では、それが便利で使われている。IASLCからUICCにまであがっていって、アメリカの統計センターで統計分析をして、新しい分類もそれに基づいて行っていて、UICCがそれを追従するということで。ほとんど世界中のデータが一元化されているので、実際にはほとんどの病院が臨床業務ではICD-O-3を使っておらず、登録で請求されるから、事務がこのコードを入れていると。医者はまったく興味がない。というのが現状です。先ほどの嘉山委員のご発言というのは大変重くて、厚労省もこの委員会としては、別の機会を作って、このスケジュールとは別のスケジュールで結構ですから、WHOに日本としてどういう要求を突きつけていくか検討していただきたい。非常に大きなお金をはらっているのに、全然無駄な作業をこうやって大勢集まってやっているのでは非常にもったいない。もっと実用的なものを。がん登録も学者がつかえるようなものにしないとよくない。私ががんセンターの院長時代にがん登録に大反対したのは、こういう分類でやられても、臨床に還元できないから。ただ、登録で数が出るだけでは意味がない。是非そういうことを、社会保障審議会の本会議でご認識いただいて、統計分科会と専門委員会に下ろしていただいて、大上段に構えた議論をどこかでやっていただかないと、無駄なお金が出ていきますから。これは立派な印刷ですが、ほとんどの現場では使われていないです。是非お願いします。

○事務局
 検討させていただきます。

○委員長
 他にございますか。厳しい意見がございましたが。やはり、大きく言えば電子化を進めて、ナショナルデータベースを作ったりとか、努力を日本ですべき時期に来ていると。優秀な人材がそろっていて、それぞれ献身的に協力しているわけですから、日本型のICD-11を目指す、WHO側へ還元してあげるくらいの意気込みで頑張っていただきたい。1兆円くらいの予算を取ってください。1兆円の医療費の無駄遣いはそれでなくなりますから。
 どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

統計情報部企画課国際分類情報管理室

疾病傷害死因分類係: 03-5253-1111 内線7493

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