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2012年9月19日 第22回ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会 議事概要
医政局研究開発振興課
○日時
平成24年9月19日(水)10:00~12:30
○場所
厚生労働省 19階 共用第9会議室
○出席者
(委員)
永井委員長 | 青木委員 | 位田委員 | 春日井委員 | 木下委員 |
小島委員 | 島崎委員 | 高橋委員 | 竹内委員 | 中畑委員 |
中村委員 | 松山委員 | 湊口委員 | 山口委員 | 山中委員 |
(事務局)
厚生労働省医政局研究開発振興課 |
○議事
議事概要
すでに厚生科学審議会科学技術部会に付議されたヒト幹細胞臨床研究実施計画のうち、継続審議となっていた新潟大学医歯学総合病院からの2件、横須賀共済病院、札幌北楡病院、国立長寿医療研究センターと愛知学院大学歯学部からの申請、先行審議となった昭和大学藤が丘病院、国立成育医療研究センター、東海大学、榊原記念病院、岡山大学病院、順天堂大学医学部、国立国際医療研究センター、信州大学医学部附属病院と慶應義塾大学医学部の件について審議された。そして、国立成育医療研究センターからの照会事項につき審議がなされた。
その結果、継続審議の新潟大学医歯学総合病院からの2件、国立長寿医療研究センターと愛知学院大学歯学部の申請は了承され、岡山大学病院、国立国際医療研究センターと慶應義塾大学医学部の申請並びに国立成育医療研究センターからの照会事項は持ち回り審議となった。その他の申請については、次回審査委員会以降も継続して審議していくこととされた。
(審議された臨床研究実施計画の概要は別紙1~16参照。)
(別紙1)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年9月19日審議分
研究課題名 | 自己培養骨膜シートを用いた歯槽骨再生研究第2相臨床試験 |
申請年月日 | 平成23年9月16日 |
実施施設及び総括責任者 | 新潟大学医歯学総合病院 吉江 弘正 |
対象疾患 | 従来の治療法では十分な歯槽骨欠損の回復が見込めない慢性歯周炎 |
ヒト幹細胞の種類 | 自家培養骨膜シート |
実施期間及び対象症例数 | 厚生労働大臣意見発出日から平成28年3月31日まで 30症例 |
治療研究の概要 | 自己口腔内粘膜下から骨膜小片を採取し、Cell Processing Centerで6週間培養し、シート状に成形する。骨欠損部に骨系細胞供給源として骨膜シートを、足場としてハイドロキシアパタイトおよび自家骨を、増殖因子として多血小板血漿を併用して移植する。 |
その他(外国での状況等) | 研究責任者らは、犬の骨欠損モデルを作製し、3者併用療法の歯周組織再生効果を確認している。 歯周組織を再生させる細胞療法として日本では、それぞれ歯根膜幹細胞を、脂肪組織由来幹細胞を、骨髄幹細胞を用いる方法が報告されている。 |
新規性について | 自家培養骨膜シートを用いた歯周組織再生療法の報告はなく、用いる幹細胞に新規性が高い。 |
(別紙2)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年9月19日審議分
研究課題名 | 自己培養骨膜シートを用いた歯槽・顎骨再生研究第2相臨床試験 |
申請年月日 | 平成23年9月16日 |
実施施設及び総括責任者 | 新潟大学医歯学総合病院 高木 律男 |
対象疾患 | 従来法では回復することが期待できない重度の歯槽骨・顎骨欠損 |
ヒト幹細胞の種類 | 顎骨骨膜細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 厚生労働大臣意見発出日から平成28年3月31日まで 30症例 |
治療研究の概要 | 自己口腔内粘膜下から骨膜小片を採取し、Cell Processing Centerで6週間培養し、シート状に成形する。骨欠損部に骨系細胞供給源として骨膜シートを、足場としてハイドロキシアパタイトおよび自家骨を、増殖因子として多血小板血漿を併用して移植する。 |
その他(外国での状況等) | 研究責任者らは、犬の骨欠損モデルを作製し、3者併用療法の歯周組織再生効果を確認している。 歯周組織を再生させる細胞療法として日本では、それぞれ歯根膜幹細胞を、脂肪組織由来幹細胞を、骨髄幹細胞を用いる方法が報告されている。 |
新規性について | 自己顎骨骨膜細胞を用いた歯槽骨・顎骨再生療法の報告はなく、用いる幹細胞に新規性が高い。 |
(別紙3)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年9月19日審議分
研究課題名 | 末梢動脈疾患患者に対するG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植治療のランダム化比較試験 |
申請年月日 | 平成24年4月16日 |
実施施設及び総括責任者 | 国家公務員共催連合会 横須賀共済病院 豊田 茂雄 |
対象疾患 | 末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症・バージャー病) |
ヒト幹細胞の種類 | G-CSF動員自家末梢血単核球細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 試験予定期間:平成21年1月より5年間 10症例 |
治療研究の概要 | G-CSF皮下注射後にアフェレシスにより自己末梢血単核球を採取し、下肢へ筋肉内注射を行う。有害事象発生の有無などによる安全性評価に加え、下肢虚血重症度の推移、潰瘍サイズ、下肢虚血性疼痛、生理学的検査などにより治療効果を評価する。 |
その他(外国での状況等) | Horieらは、「下肢虚血患者を対象としたG-CSF動員自家末梢血単核球移植の臨床効果と安全性に対する多施設後ろ向き調査」を実施した。全国162例を検討し、本治療の安全性を示している。 InabaらやAsaharaらは、「慢性重症下肢虚血患者を対象としたG-CSF 動員自家末梢血CD34陽性細胞移植による下肢血管再生治療」を開始し、その臨床効果が示されている。 |
新規性について | 本研究は多施設共同研究であり、当該施設では10例の末梢動脈疾患患者を対象に、TASCII及び日本脈管学会編の診断・治療指針に準じて行われる「推奨療法」あるいは「推奨療法及びG-CSF動員による末梢血から採取した自家末梢血単核球細胞移植治療」のいずれかをランダムに割り付け、本併用療法の推奨療法に比した有効性を検討し、また同等の安全性を有しているかを検証する。 |
(別紙4)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年9月19日審議分
研究課題名 | 末梢動脈疾患患者に対するG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植治療のランダム化比較試験 |
申請年月日 | 平成20年9月4日 |
実施施設及び総括責任者 | 特定医療法人北楡会 札幌北楡病院 堀江 卓 |
対象疾患 | 既存の治療に抵抗性の末梢動脈疾患(慢性閉塞性動脈硬化症・バージャー病) |
ヒト幹細胞の種類 | 自家末梢血単核球細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 厚生労働大臣意見発出日より3年間 144症例(推奨療法群72症例、推奨療法+細胞移植治療群72症例 |
治療研究の概要 | G-CSF皮下注射から4日目に自己末梢血を採取、アフェレシスによりCD34陽性細胞を採取、末梢動脈疾患患肢に筋肉内注射し、末梢血管再生効果を見る。北野病院等を含む計19施設による多施設共同研究を予定。 |
その他(外国での状況等) | Inabaら、Asaharaらは、G-CSFで動員された末梢血単核球からCD34陽性細胞を単離・純化し、慢性重症下肢虚血患者に対して臨床研究を実施。一方、Kawamuraら(平成17年)はCD34陽性細胞を単離・純化することなく、G-CSF動員による末梢血由来の単核球細胞を重症下肢虚血患者への移植を報告している。その他、Huang、Ishida(平成17年)、Hoshino(平成19年)による同様の臨床研究の報告がある。 |
新規性について | 本研究は用いる幹細胞、対象疾患としての新規性はないが、計19施設が参加予定の多施設臨床研究として実施され、推奨療法群あるいは推奨療法及びG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植併用治療群のいずれかを無作為に割り付け、この併用治療の有効性と安全性を推奨療法との比較によって評価するものであり、プロトコールとしての新規性を認める。 |
(別紙5)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年9月19日審議分
研究課題名 | 自己歯髄組織由来幹細胞を用いた抜髄後歯髄組織再生療法開発 |
申請年月日 | 平成24年4月12日 |
実施施設及び総括責任者 | 国立長寿医療研究センター 中島 美砂子 |
対象疾患 | 不可逆性歯髄炎 |
ヒト幹細胞の種類 | 培養自己歯髄組織由来幹細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 厚生労働大臣意見発出日より2年間半 5症例 |
治療研究の概要 | 20歳以上55歳未満の歯髄炎患者において、抜髄後根管充填を行う際に、不用歯より採取・培養した自己歯髄由来幹細胞をG-CSFと共にコラーゲンゲルに懸濁して移植する。細胞培養は共同研究機関である愛知学院大学歯学部にて行う。移植後6週間観察し、有害事象の有無等を評価する。 |
その他(外国での状況等) | 平成21年に自己歯髄間葉系細胞を増やし、歯槽骨再生を行ったとの報告がなされているが、歯髄再生を行った臨床研究は未だ報告がない。当研究者はイヌ抜髄モデルにおいて歯髄再生を確認している。 |
新規性について | 研究責任者らが開発した、自己歯髄組織由来幹細胞を用いた歯髄組織再生療法に新規性がある。 |
(別紙6)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年9月19日審議分
研究課題名 | 自己歯髄組織由来幹細胞を用いた抜髄後歯髄組織再生療法開発 |
申請年月日 | 平成24年4月18日 |
実施施設及び総括責任者 | 愛知学院大学歯学部 中村 洋 |
対象疾患 | 不可逆性歯髄炎 |
ヒト幹細胞の種類 | 培養自己歯髄組織由来幹細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 厚生労働大臣意見発出日より2年間半 5症例 |
治療研究の概要 | 20歳以上55歳未満の歯髄炎患者において、抜髄後根管充填を行う際に、不用歯より採取・培養した自己歯髄由来幹細胞をG-CSFと共にコラーゲンゲルに懸濁して移植する。移植後6週間観察し、有害事象の有無等を評価する。当施設ではアイソレータを用いて細胞培養を担う。 |
その他(外国での状況等) | 平成21年に自己歯髄間葉系細胞を増やし、歯槽骨再生を行ったとの報告がなされているが、歯髄再生を行った臨床研究は未だ報告がない。当グループではイヌ抜髄モデルにおいて歯髄再生を確認している。 |
新規性について | 国立長寿医療研究センターで開発した、自己歯髄組織由来幹細胞を用いた歯髄組織再生療法に新規性がある。 |
(別紙7)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年9月19日審議分
研究課題名 | 自己骨髄間葉系細胞移植による末梢動脈疾患(慢性閉塞性動脈硬化症・バージャー病・膠原病)への血管再生治療 |
申請年月日 | 平成24年8月24日 |
実施施設及び総括責任者 | 昭和大学藤が丘病院 鈴木 洋 |
対象疾患 | 慢性閉塞性動脈硬化症、バージャー病、膠原病による重症虚血下肢 |
ヒト幹細胞の種類 | 自己骨髄間葉系細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 平成25年1月1日より4年間 10症例 |
治療研究の概要 | 重症化した末梢動脈疾患患者より、骨髄を少量採取し間葉系細胞を培養増幅し、虚血下肢に移植し、安全性と治療効果とを評価する。当施設では、骨髄・血液採取、細胞移植を担当する。 |
その他(外国での状況等) | 小動物だけでなく、ウサギモデルにおいても平成24年に培養骨髄間葉系幹細胞の移植により血管新生効果が報告された。また中国において平成23年に、培養骨髄間葉系幹細胞によるヒトでの臨床研究において有効性が示されている。 |
新規性について | 培養骨髄間葉系細胞を血管再生療法に用いることに新規性がある。 |
(別紙8)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年9月19日審議分
研究課題名 | 自己骨髄間葉系細胞移植による末梢動脈疾患(慢性閉塞性動脈硬化症・バージャー病・膠原病)への血管再生治療 |
申請年月日 | 平成24年8月21日 |
実施施設及び総括責任者 | 国立成育医療研究センター 梅澤 明弘 |
対象疾患 | 慢性閉塞性動脈硬化症、バージャー病、膠原病による重症虚血下肢 |
ヒト幹細胞の種類 | 自己骨髄間葉系細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 平成25年1月1日より4年間 10症例 |
治療研究の概要 | 重症化した末梢動脈疾患患者より、骨髄を少量採取し間葉系細胞を培養増幅し、虚血下肢に移植し、安全性と治療効果とを評価する。当施設では細胞培養を担当する。 |
その他(外国での状況等) | 小動物だけでなく、ウサギモデルにおいても平成24年に培養骨髄間葉系幹細胞の移植により血管新生効果が報告された。また中国において平成23年に、培養骨髄間葉系幹細胞によるヒトでの臨床研究において有効性が示されている。 |
新規性について | 培養骨髄間葉系細胞を血管再生療法に用いることに新規性がある。 |
(別紙9)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年9月19日審議分
研究課題名 | JOKER(重症虚血性心不全に対する自家心臓幹細胞治療)試験 |
申請年月日 | 平成24年8月28日 |
実施施設及び総括責任者 | 東海大学 細田 徹 |
対象疾患 | 重症慢性虚血性心不全 |
ヒト幹細胞の種類 | c-kit陽性ヒト心臓幹細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 厚生労働大臣意見発出日から平成28年3月31日まで 6症例 |
治療研究の概要 | 待機的に冠動脈バイパス手術を行う症例より、切離される右心耳を利用し心臓幹細胞を単離する。バイパス手術後も左心室駆出率が十分に回復しない症例にカテーテルを用いて幹細胞を投与する。安全性と心不全に対する治療効果を確認する。当施設では、細胞培養を担当する。 |
その他(外国での状況等) | 冠動脈内注入法による陳旧性心筋梗塞に対する心臓内幹細胞の移植には、研究責任者が関与しているSCIPIO試験のほかに、コロニースフィア形成により精製した幹細胞を用いるCADUCEUS試験があり、平成21年から開始され、それぞれ安全性と有効性が報告されている。 |
新規性について | c-kit陽性ヒト心臓幹細胞を国内で初めて臨床応用する。 |
(別紙10)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年9月19日審議分
研究課題名 | JOKER(重症虚血性心不全に対する自家心臓幹細胞治療)試験 |
申請年月日 | 平成24年8月28日 |
実施施設及び総括責任者 | 榊原記念病院 井口 信雄 |
対象疾患 | 重症慢性虚血性心不全 |
ヒト幹細胞の種類 | c-kit陽性ヒト心臓幹細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 厚生労働大臣意見発出日から平成28年3月31日まで 6症例 |
治療研究の概要 | 待機的に冠動脈バイパス手術を行う症例より、切離される右心耳を利用し心臓幹細胞を単離する。バイパス手術後も左心室駆出率が十分に回復しない症例にカテーテルを用いて幹細胞を投与する。安全性と心不全に対する治療効果を確認する。当施設では、バイパス手術と細胞投与を担当する。 |
その他(外国での状況等) | 冠動脈内注入法による陳旧性心筋梗塞に対する心臓内幹細胞の移植には、研究責任者が関与しているSCIPIO試験のほかに、コロニースフィア形成により精製した幹細胞を用いるCADUCEUS試験があり、平成21年から開始され、それぞれ安全性と有効性が報告されている。 |
新規性について | c-kit陽性ヒト心臓幹細胞を国内で初めて臨床応用する。 |
(別紙11)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年9月19日審議分
研究課題名 | 機能的単心室症に対する心臓内幹細胞自家移植療法の第2相臨床試験 |
申請年月日 | 平成24年8月29日 |
実施施設及び総括責任者 | 岡山大学病院 王 英正 |
対象疾患 | 機能的単心室症由来の小児心不全 |
ヒト幹細胞の種類 | 心臓内幹細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 登録期間:厚生労働大臣意見発出日より4年間 34症例(ランダム割振試験) |
治療研究の概要 | 機能的単心室症の小児心不全患者に対して、姑息的心修復術を行う際に心筋組織を採取し、心臓内幹細胞を精製、培養する。術後一カ月後に心筋内幹細胞を心臓カテーテルにより冠動脈内に注入し、移植する。有効性の評価を主要エンドポイントとする第2相試験 |
その他(外国での状況等) | 小児心不全(内訳:左心低形成症候群1例、拡張型心筋症3例、大動脈炎症候群に発症した心筋梗塞1例)に対して、平成21年以降、骨髄幹細胞等の冠動脈注入による症例報告がなされている。心臓内幹細胞を冠動脈内注入した虚血性心不全への臨床試験(SCIPIO試験とCADUCEUS試験)が論文発表され、本治療法の安全性と有効性が報告された。 |
新規性について | 従来の単心室症に対する修復術と心筋再生医療を組み合わせて有効性の検討を行っている。 |
(別紙12)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年9月19日審議分
研究課題名 | 末梢動脈疾患患者に対するG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植治療のランダム化比較試験 |
申請年月日 | 平成24年8月30日 |
実施施設及び総括責任者 | 順天堂大学医学部 田中 里佳 |
対象疾患 | 末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症・バージャー病) |
ヒト幹細胞の種類 | G-CSF動員自家末梢血単核球細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 試験予定期間:平成21年1月より5年間 5症例 |
治療研究の概要 | G-CSF皮下注射後にアフェレシスにより自己末梢血単核球を採取し、下肢へ筋肉内注射を行う。有害事象発生の有無などによる安全性評価に加え、下肢虚血重症度の推移、潰瘍サイズ、下肢虚血性疼痛、生理学的検査などにより治療効果を評価する。 |
その他(外国での状況等) | Horieらは、「下肢虚血患者を対象としたG-CSF動員自家末梢血単核球移植の臨床効果と安全性に対する多施設後ろ向き調査」を実施した。全国162例を検討し、本治療の安全性を示している。 InabaらやAsaharaらは、「慢性重症下肢虚血患者を対象としたG-CSF動員自家末梢血CD34陽性細胞移植による下肢血管再生治療」を開始し、その臨床効果が示されている。 |
新規性について | 本研究は多施設共同研究であり、当該施設では5例の末梢動脈疾患患者を対象に、TASCII及び日本脈管学会編の診断・治療指針に準じて行われる「推奨療法」あるいは「推奨療法及びG-CSF動員による末梢血から採取した自家末梢血単核球細胞移植治療」のいずれかをランダムに割り付け、本併用療法の推奨療法に比した有効性を検討し、また同等の安全性を有しているかを検証する。 |
(別紙13)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年9月19日審議分
研究課題名 | C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変患者に対する自己骨髄細胞投与療法の有効性と安全性に関する研 |
申請年月日 | 平成24年8月31日 |
実施施設及び総括責任者 | 国立国際医療研究センター 柳瀬 幹雄 |
対象疾患 | C型肝炎ウイルスによる肝硬変症 |
ヒト幹細胞の種類 | 自己骨髄細胞中に含まれると想定される幹細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 厚生労働大臣意見発出日から平成27年3月31日まで 34例(細胞投与群17例、標準的治療群17例) |
治療研究の概要 | 山口大学医学部附属病院との共同研究。肝移植以外の治療法では改善が見込まれないC型肝炎ウイルスに起因する肝硬変を有する20歳以上75歳以下の症例に対して、全身麻酔下で自己骨髄細胞採取・投与を行う。骨髄液400mLを採取後に血球分離装置を用いて無菌的に単核球分離を行い、得られた単核球を経静脈的に投与する。治療6カ月後にChild -Pughスコア、血液生化学検査、腹水量の推移等で治療効果を判定する。 |
その他(外国での状況等) | 肝線維化モデルマウスによる実験で、骨髄より採取された細胞を経静脈投与することにより、肝機能の回復、生存率の上昇を示している。骨髄由来細胞が障害部に遊走し、コラゲナーゼ、MMP9等が産生され、線維化が改善することで肝機能が回復したと考えられている。臨床研究においては末梢静脈、経肝動脈的、経門脈的投与が報告され改善効果が認められている。 |
新規性について | ランダム化比較試験を原因を絞った肝硬変に行うところに新規性がある。また高度医療申請を目指している。 |
(別紙14)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年9月19日審議分
研究課題名 | ヒト皮下脂肪組織由来間葉系前駆細胞を用いた重症虚血肢に対する血管新生療法についての研究 |
申請年月日 | 平成24年9月11日 |
実施施設及び総括責任者 | 信州大学医学部附属病院 池田 宇一 |
対象疾患 | 閉塞性動脈硬化症、バージャー病、膠原病による重症虚血肢 |
ヒト幹細胞の種類 | ヒト皮下脂肪組織由来間葉系前駆細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 登録期間:厚生労働大臣意見発出日より5年間 40症例 |
治療研究の概要 | 重症化した末梢動脈疾患の患者のうち、既存の治療で十分な効果が得られない症例に対して、皮下脂肪組織由来間葉系前駆細胞(ADRCs)による血管新生療法を行う。皮下脂肪組織から脂肪吸引法にて脂肪組織を吸引し、ADRCs分離装置を用いてADRCsを分離する。虚血肢の骨格筋内40~60カ所に移植し、治療効果と安全性を評価する。 |
その他(外国での状況等) | 平成13年UCLA大学のZukらにより、皮下脂肪組織から間葉系前駆細胞が発見同定された。研究責任者らにより、ADRCsの移植により、移植細胞と虚血組織から血管新生増強因子が分泌され、骨髄から血管内皮前駆細胞が放出され血管新生を増強する機序が明らかにされた。ADRCs分離装置は欧州CE Markを取得し、循環器疾患に対する臨床研究が開始されているところ。 |
新規性について | ADRCsを新たな細胞供給源として血管再生療法に用いることに新規性がある。 |
(別紙15)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年9月19日審議分
研究課題名 | 角膜上皮幹細胞不全症に対する培養上皮細胞シート移植 |
申請年月日 | 平成24年9月11日 |
実施施設及び総括責任者 | 慶應義塾大学医学部 坪田 一男 |
対象疾患 | スティーブンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡、角膜化学傷/熱傷、膠様滴状角膜変性症、先天性無虹彩症 |
ヒト幹細胞の種類 | 角膜上皮幹細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 厚生労働大臣意見発出日より2年間 5症例 |
治療研究の概要 | 同種角膜輪部上皮細胞(海外ドナー由来)を採取。同種骨髄間葉系幹細胞をフィーダー細胞として、フィブリンコートウェル上で培養し、シート化したものを移植する。今回はさらに改良培地を用いる。 |
その他(外国での状況等) | ヒト幹細胞臨床研究として、大阪大学・東北大学にて「角膜上皮幹細胞疲弊症に対する自己培養口腔粘膜上皮細胞シート移植の臨床試験」及び京都府立医科大学・先端医療センターにて「難治性角結膜疾患に対する培養自家口腔粘膜上皮シート移植に関する臨床試験」が施行されている。 |
新規性について | 本研究は角膜上皮シート移植としては、フィーダーとして異種細胞であるマウス3T3細胞を用いない等で新規性が認められていた。 |
(別紙16)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成24年9月19日審議分
研究課題名 | 慢性肉芽腫症に対する造血幹細胞を標的とした遺伝子治療臨床研究 |
申請年月日 | 平成24年8月28日 |
実施施設及び総括責任者 | 国立成育医療研究センター 小野寺 雅史 |
対象疾患 | 造血幹細胞移植の実施が困難な慢性肉芽腫症(gp91phox欠損症 |
ヒト幹細胞の種類 | 自家末梢血由来CD34陽性細胞 |
実施期間及び対象症例数 | 厚生労働大臣意見発出日より5年間 5症例 |
治療研究の概要 | 患者末梢血単核球をアフェレーシスにて採取し、さらにCD34陽性細胞を分取する。5日間培養し、レトロウイルスベクターを用いてCYBB遺伝子を導入する。これら細胞を末梢静脈より点滴にて投与し、長期的に感染症の有無を確認する。 |
その他(外国での状況等) | 米国国立衛生研究所との共同研究であり、すでに同一の方法で3名に対し本臨床研究は行われている。造血幹細胞遺伝子治療は欧米を中心に100名以上に行われ、我が国でも5名に対して行われている。 |
新規性について | 本研究に用いる幹細胞やその採取法ならびい対象疾患に新規性はない。遺伝子治療臨床研究として平成24年6月14日に厚生労働大臣の承認を受けている。 |
厚生科学審議会科学技術部会 ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会委員名簿
氏 名 所 属 ・ 役 職
青木 清 上智大学生命倫理研究所長
位田 隆一 同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科 特別客員教授
春日井 昇平 東京医科歯科大学インプラント・口腔再生医学 教授
貴志 和生 慶應義塾大学医学部形成外科 教授
木下 茂 京都府立医科大学大学院医学研究科視覚機能再生外科学 教授
小島 至 群馬大学生体調節研究所 教授
島崎 修次 国士舘大学大学院救急システム研究科長
高橋 政代 理化学研究所神戸研究所網膜再生医療研究チーム チームリーダー
竹内 正弘 北里大学薬学部臨床医学 教授
戸口田 淳也 京都大学再生医科学研究所組織再生応用分野 教授
○永井 良三 自治医科大学長
中畑 龍俊 京都大学iPS細胞研究所 副所長
中村 耕三 国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局長
前川 平 京都大学医学部付属病院輸血部 教授
松山 晃文 (財)先端医療振興財団再生医療研究開発部門 再生医療開発支援部長
水澤 英洋 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 教授
湊口 信也 岐阜大学大学院医学系研究科再生医科学循環呼吸病態学 教授
山口 照英 国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部 研究員
山中 竹春 国立がん研究センター東病院臨床開発センター 室長
(敬称略)
○:委員長
<照会先>
医政局研究開発振興課
電話:03-5253-1111(内線)2587
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