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2012年3月27日 遺伝子治療臨床研究作業委員会議事概要
厚生労働省大臣官房厚生科学課
○日時
平成24年3月27日(火)13:00~17:15
○場所
厚生労働省 専用第21会議室(17階)
○出席者
(委員)
【全議題】 島田委員長、荒戸委員、大橋委員、小澤委員、小野寺委員、山口委員 |
【岡山大のみ】 安藤委員、加藤委員 |
【岡山大、千葉大】 谷委員 |
【千葉大、その他】 那須委員、水口委員 |
【千葉大のみ】 中野委員 |
○議事
議事概要
(概要は以下のとおり。)
岡山大学病院より申請のあった遺伝子治療臨床研究実施計画(対象疾患:頭頸部・胸部悪性腫瘍)について第1回の審議が行われた。
まず、実施計画について総括責任者より説明を受けた後、委員間で実施計画の妥当性等について審議が行われた。その結果、本計画は概ね了承されたが、ウイルス検出法のバリデーション、放射線治療との組み合わせとしての評価等について確認した後、科学技術部会に報告することとされた。
引き続き、千葉大学医学部附属病院より申請のあった遺伝子治療臨床研究実施計画(対象疾患:悪性胸膜中皮腫)について第1回の審議が行われた。
まず、実施計画について総括責任者より説明を受けた後、委員間で実施計画の妥当性等について審議が行われた。その結果、遺伝子を搭載したベクターの安全性に関する評価、患者説明文書に研究状況等を適切に記載すること等に関する各委員の意見について、事務局で整理し、申請者に検討を依頼することとされ、その結果を基に再度審議することとされた。
引き続き、その他の議題として、九州大学病院より申請のあった遺伝子治療臨床研究実施計画(対象疾患:網膜色素変性)について第2回の審議が行われた。前回の審議時に未提出であった品質管理試験の実施状況、及び増殖性レンチウイルスに関する追加の照会事項に対する回答について検討された。その結果、両者に関する各委員の意見について、事務局で整理し、申請者に検討を依頼することとされ、その結果を確認した上で、科学技術部会に報告することとされた。
(各遺伝子治療臨床研究実施計画の内容は別紙1から3参照。)
(別紙1)遺伝子治療臨床研究実施計画の内容 平成24年3月27日審議分
研究課題名 | 頭頸部・胸部悪性腫瘍に対する腫瘍選択的融解ウイルス Telomelysin を用いた放射線併用ウイルス療法の臨床研究 |
申請年月日 | 平成23年11月14日 |
実施施設及び
総括責任者 |
実施施設: 岡山大学病院
総括責任者: 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学 教授 藤原 俊義 |
対象疾患 | 頭頸部・胸部悪性腫瘍 |
導入遺伝子 | 腫瘍選択的融解ウイルスTelomelysin(OBP-301) |
ベクター | 腫瘍選択的融解ウイルスTelomelysin(OBP-301) |
実施期間及び
対象症例数 |
厚生労働大臣による了承の日より3年間
12例(低用量3例、中用量3例、高用量3例とし、最大耐量ではさらに3例追加。また、副作用の発現状況により最大24例。) |
治療研究の概要 | 本研究は、外科的切除により根治不能な局所的に進行した、あるいは外科的切除後に再発し追加切除が困難な頭頸部・胸部悪性腫瘍(頭頸部癌、食道癌、肺癌)の症例を対象として、腫瘍選択的融解ウイルスであるTelomelysin(OBP-301)を腫瘍内局所投与し、同時に局所放射線治療を行った場合の安全性と治療効果の検討を目的とした臨床研究である。
|
その他(外国
での状況等) |
2006年10月より、米国にて各種進行固形癌を対象としたTelomelysinの第 I 相臨床試験が行われ、腫瘍内単回投与を受けた16例の進行固形癌患者では、投与部位の局所反応と発熱などの全身症状はみられたが、重篤な有害事象は認められなかった。 |
(別紙2)遺伝子治療臨床研究実施計画の内容 平成24年3月27日審議分
研究課題名 | 切除不能悪性胸膜中皮腫を対象とした NK4 遺伝子発現型アデノウイルスべクターによる臨床研究 |
申請年月日 | 平成23年10月27日 |
実施施設及び
総括責任者 |
実施施設: 千葉大学医学部附属病院
総括責任者: 千葉大学大学院医学研究院 呼吸器内科学 教授 巽 浩一郎 |
対象疾患 | 悪性胸膜中皮腫 |
導入遺伝子 | NK4遺伝子 |
ベクター | アデノウイルスベクター |
実施期間及び
対象症例数 |
厚生労働大臣による了承の日より3年間
9例(低用量3例、中用量3例、高用量3例) |
治療研究の概要 | 本研究は、切除不能で化学療法無効あるいは化学療法拒否の悪性胸膜中皮腫の症例を対象として、NK4遺伝子(NK4は、悪性胸膜中皮腫の進展に関与しているHGF/c-Metのシグナル伝達や血管新生を阻害する。)を搭載したアデノウイルスベクター(Ad5CMV-NK4)を胸腔内投与する遺伝子治療臨床研究であり、当該遺伝子治療の安全性を検討することを主たる目的とする。
|
その他(外国
での状況等) |
国内外において、NK4遺伝子を治療に用いた臨床試験の例はない。
ただし、米国では、悪性胸膜中皮腫の症例に対して、他のアデノウイルスベクター(単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子あるいはインターフェロン・ベータ遺伝子を搭載したもの。)を胸腔内投与する遺伝子治療(第 I 相試験)が実施され、その結果が2005年及び2007年に報告されている。これらの試験では42例に対して遺伝子治療が実施されたが、いずれにおいても重篤な有害事象は報告されていない。 |
(別紙3)遺伝子治療臨床研究実施計画の内容 平成24年3月27日審議分
研究課題名 | 神経栄養因子(ヒト色素上皮由来因子:hPEDF)遺伝子搭載第3世代組換えアフリカミドリザル由来サル免疫不全ウイルスベクターの網膜下投与による網膜色素変性に対する視細胞保護遺伝子治療臨床研究 |
申請年月日 | 平成22年9月29日 |
実施施設及び
総括責任者 |
実施施設: 九州大学病院
総括責任者: 九州大学病院 眼科・科長 九州大学大学院医学研究所 眼科学 教授 石橋 達朗 |
対象疾患 | 網膜色素変性 |
導入遺伝子 | 神経栄養因子(ヒト色素上皮由来因子:hPEDF)遺伝子 |
ベクター | アフリカミドリザル由来サル免疫不全ウイルス(SIV)ベクター |
実施期間及び
対象症例数 |
厚生労働大臣による了承の日より5年間
20例(低用量5例、高用量15例) |
治療研究の概要 | 本研究は、未だ有効な治療法が確立されていない網膜色素変性患者の片眼を対象として、神経栄養因子であるヒト色素上皮由来因子(hPEDF)遺伝子を搭載した組換えアフリカミドリザル由来サル免疫不全ウイルスベクター(SIV-hPEDF)を網膜下投与することに対する、安全性を明らかにすることを主たる目的とする臨床研究である。
|
その他(外国
での状況等) |
本研究に使用されるベクターは、九州大学独自で開発されたものであり、国内外で本ベクターによる臨床試験は実施されていない。
米国では、PEDF遺伝子を導入したアデノウイルスベクターを用いた加齢黄斑変性を対象とした臨床試験が実施され、現在までに28名に施行されているが、重篤な合併症は報告されていない。 |
遺伝子治療臨床研究作業委員会委員名簿
【 岡山大学病院 】
「頭頸部・胸部悪性腫瘍に対する腫瘍選択的融解ウイルス Tlomelysin を用いた放射線併用ウイルス療法の臨床研究」
氏 名 所 属
荒戸 照世 ((独)医薬品医療機器総合機構レギュラトリーサイエンス推進部研修課長)
安藤 暢敏 (東京歯科大学市川総合病院長)
大橋 十也 (東京慈恵会医科大学DNA医学研究所教授)
小澤 敬也 (自治医科大学医学部教授)
小野寺 雅史 ((独)国立成育医療研究センター研究所成育遺伝研究部長)
加藤 孝邦 (東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室教授)
斎藤 泉 (東京大学医科学研究所遺伝子解析施設教授)
○島田 隆 (日本医科大学医学部教授)
谷 憲三朗 (九州大学生体防御医学研究所長)
山口 照英 (国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部研究員)
○委員長 (五十音順 敬称略 平成24年3月27日)
遺伝子治療臨床研究作業委員会委員名簿
【 千葉大学医学部附属病院 】
「切除不能悪性胸膜中皮腫を対象とした NK4 遺伝子発現型アデノウイルスべクターによる臨床研究」
氏 名 所 属
荒戸 照世 ((独)医薬品医療機器総合機構レギュラトリーサイエンス推進部研修課長)
大橋 十也 (東京慈恵会医科大学DNA医学研究所教授)
小澤 敬也 (自治医科大学医学部教授)
小野寺 雅史 ((独)国立成育医療研究センター研究所成育遺伝研究部長)
斎藤 泉 (東京大学医科学研究所遺伝子解析施設教授)
○島田 隆 (日本医科大学医学部教授)
谷 憲三朗 (九州大学生体防御医学研究所長)
中野 孝司 (兵庫医科大学内科学呼吸器・RCU科主任教授)
那須 保友 (岡山大学病院新医療研究開発センター教授)
水口 裕之 (大阪大学大学院薬学研究科分子生物学分野教授)
山口 照英 (国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部研究員)
○委員長 (五十音順 敬称略 平成24年3月27日)
遺伝子治療臨床研究作業委員会委員名簿
【 九州大学病院 】
「神経栄養因子(ヒト色素上皮由来因子:hPEDF)遺伝子搭載第3世代組換えアフリカミドリザル由来サル免疫不全ウイルスベクターの網膜下投与による網膜色素変性に対する視細胞保護遺伝子治療臨床研究」
氏 名 所 属
荒戸 照世 ((独)医薬品医療機器総合機構レギュラトリーサイエンス推進部研修課長)
大橋 十也 (東京慈恵会医科大学DNA医学研究所教授)
小澤 敬也 (自治医科大学医学部教授)
小野寺 雅史 ((独)国立成育医療研究センター研究所成育遺伝研究部長)
斎藤 泉 (東京大学医科学研究所遺伝子解析施設教授)
○島田 隆 (日本医科大学医学部教授)
中澤 満 (弘前大学医学部附属病院眼科診療科長)
那須 保友 (岡山大学病院新医療研究開発センター教授)
水口 裕之 (大阪大学大学院薬学研究科分子生物学分野教授)
山口 照英 (国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部研究員)
○委員長 (五十音順 敬称略 平成24年3月27日)
<照会先>
大臣官房厚生科学課
研究企画官 尾崎 (内線3803)
バイオテクノロジー専門官 松倉 (内線3820)
電話 03(5253)1111(代表)
03(3595)2171(直通)
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