ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(日本年金機構評価部会)> 第14回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録
2012年4月16日 第14回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録
○日時
平成24年4月16日(月)9:56~11:56
○場所
厚生労働省22階 専用第14会議室
○出席者
本田部会長、大山部会長代理、石井委員、岩瀬委員、木間委員、斎藤委員、長沼委員、西沢委員 |
○議題
(1)平成23事業年度の業務実績に関する評価の進め方について
(2)平成24事業年度における業務運営に関する計画について
○議事
○事業企画課長
それでは、定刻より若干早いですが、ただいまから、社会保障審議会日本年金機構評価部会を開催いたしたいと思います。
委員の皆様におかれましては、本日も、大変お忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、すべての委員に御出席いただいておりますので、定足数を満たしておることを御報告させていただきます。
それでは、部会長よろしくお願いいたします。
○本田部会長
おはようございます。それでは、議事次第に沿って進めてまいりたいと思います。
本日の主な議題は、議事次第にございますように、まず、1つ目は、「平成23事業年度の業務実績に関する評価の進め方について」でございます。この議題につきましては、まず事務局より、評価の進め方や評価の基準案について御説明をいただきまして、委員の皆様に御審議いただきたいと思います。
また、2つ目は、「平成24事業年度における業務運営に関する計画について」でございます。この議題につきましては、日本年金機構より、先般、策定された平成24年度計画につきまして、部会に御報告をいただくことになっております。
それでは、1つ目の議題について、まず事務局より資料の説明をお願いいたしたいと思います。
○事業企画課長
それでは、議事次第の議事1、「平成23事業年度の業務実績に関する評価の進め方について」御説明をさせていただきたいと思います。
資料は、議題1に対応する資料として、資料1-1「平成23事業年度の業務実績に関する評価の進め方について」、資料1-2「日本年金機構の平成23事業年度の業務実績に関する評価の基準(案)」、資料1-2(参考資料1)として「日本年金機構の平成23事業年度の業務実績に関する個別的な評価について(案)」という表をつけさせていただいております。また、資料1-2(参考資料2)として、機構の「平成23年度計画」を資料として置かせていただいております。更に資料1-2(参考資料3)として「日本年金機構の平成22事業年度の業務実績に関する評価の基準」を参考までに置かせていただいてございます。
まず、資料1-1をご覧いただきたいと思います。「平成23年度の業務実績に関する評価の進め方について」でございます。本日は、資料1-2の評価基準について御議論をいただくということでございまして、本日の位置づけとしては、23年度の機構の業務実績の評価の機構府の回になるわけでございます。本日の御議論を踏まえまして、評価基準をまとめて、これに基づき日本年金機構において、23年度の実績報告書をまとめて準備いただくことを予定してございます。
具体的なスケジュールとしては、まずは、これは昨年のスケジュールを踏襲してございますが、6月中旬頃に、日本年金機構の実績報告書の案を御説明いただこうと考えてございます。22年度の実績報告から、なるべく議論の時間をとる意味でスケジュールを前倒しして、まだ、実績報告書が完全にフィックスされる前に一度日本年金機構から案を御説明いただくということでございます。案の段階で日本年金機構から実績報告書(案)を御報告いただいて、委員に御議論いただいて、各委員からいただいた御意見を踏まえて、6月末までに機構から実績報告書を提出していただくということでございます。この実績報告書には、本日御議論いただく評価基準を踏まえた機構としての自己評価も併せて出していただくということを予定してございます。
7月に入りまして、2回ほど評価部会で御議論をいただき、7月下旬に評価案につきまして諮問させていただいて、評価部会としての答申をまとめていただくというスケジュールを考えてございます。このスケジュール全体は、先ほど申し上げましたように、昨年の評価のスケジュールを踏襲しているものでございます。
続きまして資料1-2をご覧いただきたいと思います。具体的に機構が自己評価をし、更に、この評価部会で御議論いただく評価の基準でございます。資料1-2をご覧いただきますと、評価の概要は23年度の業務の実績全体について評価を行うものとするということでございますが、2.をご覧いただきたいと思います。評価につきましては、年度計画に掲げた項目ごとに行う個別評価と業務実績全体の状況について行う総合評価の2つを併せて行うということとさせていただきたいと思ってございます。
具体的に個別評価につきましては、○1ですが、23年度計画の個別項目ごとに以下の視点から行うものとすることとさせていただきたいと思っております。21年度の事業実績に関する評価に当たっては、年度の事業計画の項目ごとに評価に当たっての視点を設定しておったようでございますけれども、委員からの御指摘もございまして、前回22年度の評価から事業計画の項目をある程度大括りをし、メリハリをきかせるような形で項目立てを再構成してございます。具体的には、資料1-2(参考資料1)をご覧いただきたいと思います。
こちらの横の表になっている形のものですが、23年度事業計画と今回設定してございます個別評価に当たっての視点の対比をしたものでございます。基本的には22年度の評価に当たっての評価の視点をまた踏襲して設定をしてございますが、当然1年、機構も年度が改まれば22年度の実績も踏まえて新たに23年度の計画を立てるという形になってございますので、22年度計画から23年度計画には当然書いてある事項・項目が変わってございますので、そういったものを個別評価に当たっての視点にも反映させるという形でつくらせていただいております。
具体的に申し上げますと、まず資料1-2(参考資料1)の1ページ目でございますが、年金記録問題への対応に関する事項については、実はこの大項目についてだけ、項目立てを若干修正させていただいております。具体的には、もともとございました1の(5)の「年金記録の訂正や再裁定後の支給等を迅速に行うための体制整備」でございますが、前回は評価の視点に当たっても重点的な項目として1つ立てて評価をしていただいておりましが、22年度の終了段階で本部への送付期間を合わせて3ケ月程度で処理するということが既に達成されており、23年度の事業計画におきましては、その3ケ月程度で処理することを23年度は維持するという計画になってございますので、今回の評価基準におきましては、年金記録の確認作業全体の中で、それらと併せて評価するような形に組み替えてございます。
その一方で、23年度において重点的に取り組む事業としておりました「ねんきんネット」を通じた情報提供、厚生年金基金記録との突合せにつきましては、特出しの項目を1つ立てて評価をすることとしてはいかがかと思ってございます。
以上が、記録問題関係の事業計画と評価の視点の関係でございます。
2ページ以降でございますが、各項目については、項目立てについての変更は特段行ってございません。ただ、先ほども申し上げましたように、23年度計画に新たに取り組むということで計画に記載されたものについて、23年度の評価の視点にその計画の変更を反映させる形での修正を2ページ目、3ページ目、4ページ目についてはさせていただいております。
具体的には、右側の個別な評価に当たっての視点の中で、赤字下線で書いてある部分については22年度の評価の視点から若干修正をさせていただいているものでございます。具体的には2ページで申しますと、3号不整合記録の1号への種別変更手続を確実に実施することが23年度計画で盛り込まれておりますので、それらを反映させる形になってございますし、次の3ページ目で申しますと、「5.お客様の声を反映させる取組に関する事項」の「○3現場主導のサービス改善」に関連するところですが、評価の視点におきまして、「サービス・業務改善コンテスト」により全国展開に相応しいとされる取組についての全国展開の推進など、23年度から事業計画に記載されたものを評価の視点に反映させるという形にしてございます。
3ページの「6.電子申請の推進に関する事項」ということで、磁気媒体の拡大というような事項を記載させていただいています。
4ページ目も同様の修正を加えさせていただいてございますけれども、例えば1に書いてございますのは、22年度に業務改善工程表、システム再構築工程表を策定してございますので、その取組についての進捗状況を項目として記載に追加をして、機構から、それについて御報告いただければと思っております。
更に5ページ目で申しますと、1の1つ目の括りでございますが、事務処理誤りに係る「総合再発防止策」を22年度に策定されてございますので、それに関する取組についてを評価の視点に記述を追加しています。
以上、全項目の御説明は省かせていただいておりますけれども、個別の評価の視点については以上のとおりとさせていただきたいと思ってございます。
最後にでございますが、もう一度、資料1-2をご覧いただきたいと思いますが、今、ご説明申し上げたのが、1ページ目の下から2ページ目、3ページ目、4ページ目、5ページ目と続きます個別評価に当たっての評価の視点でございますけれども、最後に6ページ目をご覧いただきたいと思います。こうした個別評価と併せて総合的な評価もしていただくわけでございますけれども、最後の記述でございますが、総合的評価は個別評価の結果を踏まえ、23年度の計画の達成状況についてまとめの評価を行うということでございますが、機構の年度計画の前文にも、東日本大震災の被災状況を踏まえた適切な対応を行うことが記載されておりますので、この総合評価の中で、東日本大震災による被災状況を踏まえた対応について取り組まれたかどうかというものも総合的評価の中で評価をしていただければと思ってございます。
私から議題1の評価の今後の進め方について御説明をさせていただきました。以上でございます。
○本田部会長
ただいまの説明等につきまして、御意見なり、また御質問がありましたら、よろしくお願いをいたします。斎藤委員。
○斎藤委員
最後の「総合的な評価」のところに震災のことを書いていただいたのは大変適切でよろしいことだというふうに思っております。組織の力、経営の力というのは想定外、予期せぬ出来事が起きたときにどのくらい迅速に対応できるかというところで真価が問われるわけで、個別の評価をするだけではなく、組織の評価をするという意味で、「(2)総合的な評価」というところに震災が入っているのは大変よろしいことではないかと思っております。
一つ、タイミングと内容でどうなのかと思いつつの発言ですが、AIJの問題はどうなのでしょう。直接年金機構にかかわるものではありませんが、年金全体に対する信頼感という問題に対して、直接の責任はないものの、危機管理の一環で何かするべきであったのか、そのあたりは私にもよくわからないのですが、ほかの委員の方の御意見を伺いたいと思います。
○本田部会長
ただいまの質問に対して2点、いわゆる東日本大震災対応の問題ともう一つはAIJの問題が出ましたので、分けて、もしそちらからお答えがございましたら。
○事業企画課長
まず震災の問題につきましては、いいことだという御意見だったと思いますので、機構のほうでも、3月11日の発災以来、苦労をしてきて、あるいは東北地域だけではなくて、全国的な支援体制を取り組んでいただいていると思いますので、そういったものも、6月の段階の報告の中で機構からしっかり説明いただければと思っております。
次にAIJの問題でございますけれども、正直申しまして、機構の取組としてAIJの問題が何か関係するかというと、機構は資金の運用をしているわけでもございませんし、また、公的年金資金の運用はGPIFというところが行ってございますけれども、そちらのほうも、別にAIJと関係しているわけでもないということでございますので、機構の評価という中で、AIJの問題はないのではないのかなという感じが正直してございます。
○本部部会長
いかがですか。
○斎藤委員
AIJの問題は是非という強い気持ちはなくて、どうなのかなという疑問だけですので、今の御回答で問題ありません。
○本田部会長
まさに年金制度改革問題は厚労省は一生懸命やっておられるけれども、あの問題はこちらのほうでもかなり、AIJ問題の個別的な、けしかる、けしからんではなくて、制度的な問題も含めて、厚労省でこれからよく検討してもらわなければならない課題で、評価部会のほうで取り上げて議論するものでもないのかなという感じがいたします。どんな感じですか、皆さん。
それでは、ほかに何か御質問なり、御意見ありましたら。西沢委員お願いします。
○西沢委員
4つ、質問と意見もまじえまして、資料1-2の3ページ目で、「電子申請の推進に関する事項」で、参考資料だったと思いますけれども、オンライン利用率ということで、65%という数字があったと思うのですけれども、私の不勉強かもしれませんが、定義を教えていただきたい。人数ベースでやっているのか、事業所ベースでやっているのか。多分中小企業ほど利用率が低いと思いますので、一部大企業がやっていれば数字は上がりますけれども、事業所ベースではもっと少ないのかという質問と、これに付随しまして、どういった取組をオンライン利用率でされてきたのかといったことも、今後の議論の中で教えていただきたいというのが1点。
2点目が、3ページの同じところに書いてあります「市町村を通じて報告を受ける国民年金関係届出書等の磁気媒体化の検討」ということがありますけれども、磁気媒体化を検討するということは、これまで全部市町村から紙ベースで行われてきたのかという現状と、あと、検討というのは、検討すること自体は、別にいつ、いかなる状況でもできるのであって、もう少し評価するというのであれば、具体的なスケジュールを決めたとか、業務プロセスを決めたという評価基準になるはずではないかと思いました。
3点目が、4ページ目に行きまして「運営経費の抑制に関する事項」ですけれども、これは、例えば民間企業ですと退職給与引当金のようなものがあって、経費を各期にならすことがあると思いますけれども、こういった日本年金機構ですと、例えば一時的に退職者が膨らむと経費がどんと出てしまうというようなことがあって、一見業績が悪く見えてしまうようなことがあるかもしれませんが、例えば償却費にしてもそうですが、経費をならすような民間企業の会計に準じたような方法を、済みません、これは不勉強かもしれませんが、もうとっているのであればいいのですけれども、とってなければ、適正に毎期、毎期の評価、運営費を評価できるような会計ルールを併せて報告していただきたい。
あと、これに付随しまして、市場化テストのところを資料を読んでいて、これは私の印象ですけれども、何となく市場化テストも、安かろう、悪かろうになっているような印象があります。安いところを利用して余り成果が上がっていませんと。それはかえってコストのむだ遣いになってしまっているわけで、入札したときに若干高くてもパフォーマンスいいところがあればそれはいいのであって、どうしてもこういった行政コストですと、他業者対比安かった、あるいは前年対比安かったといった比較でしかしにくいのかもしれませんが、コストパフォーマンスで評価していかないと、お金をどぶに捨てるような形になってしまってもいけないので、ここの評価部会で、単に前年比削れ、同業他社比高いではないかという評価の仕方ではなくて、どれくらいパフォーマンス上げたかといった観点で評価していかないと見誤るかなという印象があります。
4番目としまして、6ページ目の「総合的な評価」にかかわるところでありますけれども、ほとんどの計数なりが、日本年金機構全体として出していただいていますけれども、恐らくブロックごと、年金事務所ごとにばらつきがあると思います。恐らく日本年金機構のミッションとしましては、全国均質なサービスを提供できることが重要だと思いますので、どこどこがよかった、ここが悪いけれども、レベルアップをするといった業績評価、地域性に着目した業績評価の視点があってもいいのではないかと思います。仮に例えばあるブロックが特別状況が悪ければ、そこにお金を振り向けるといったことは本部の役目であると思いますので、そういった観点での評価の視点がつけ加わったらいいと思います。
以上です。
○本田部会長
ありがとうございます。今、4点ありましたけれども、まず、電子申請関係のほうを。
○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
それではただいまご質問がありましたのでお答えしたいと思いますけれども、最初に電子申請の推進に関する事項の関係で、オンライン利用率、23年度末で65%ということで書いておりますけれども、まず電子申請の関係につきましては、政府全体で電子政府、オンラインの申請を推進するということでありまして、23年度までは、平成20年にオンライン利用拡大行動計画というものがつくられておりまして、これに基づいて計画的に各政府の分野について目標値を設定して、これの達成に向けて取組を進めると、こういうスキームで政府全体で取り組んでおります。この65%という数字は、社会保険でありますと、具体的な社会保険関係の手続、この件数を分母にしまして、このうち、どれだけをオンラインの利用、いわゆる電子申請なり、磁気媒体なり、電子媒体を使った手続にしていくのか。これを分子にしてこの目標値が決められているものであります。
昨年、行動計画の改定がなされておりまして、新たに23年度から25年度の目標値が決められている。いずれにしましても、これに基づいて評価をするということであります。
それから、市町村の磁気媒体化の検討ということで、23年度の年度計画を書いております。これは御指摘のとおり、市町村から各種の届出をいただいているわけでありますけれども、これにつきましては、現在、紙媒体で機構に市町村からいただいている状況になっています。市町村の中にはシステムで一度紙媒体に出力した上で機構に報告をいただくという形になっています。これにつきましては、また、実績のときに報告する形になろうかと思いますけれども、これを実際にシステムで処理をされている市町村につきましては、これを媒体でそのままいただくために、こちらのシステムの仕様を変える必要がありますし、市町村のシステムについても改修をいただくということで、23年度から取組を進めているところです。
それから、コストの関係で、市場化の関係について御指摘がありましたので申し上げておきますと、これは後ほど23年度の実績の取組についても報告をしたいと思いますけれども、確かに市場化テストにつきましても、国民年金の保険料の納付督励について、民間の業者を使って取組を進めているものでございます。確かにコストがかなり削減をされてきておりますけれども、実際にはなかなか実績が上がっていないということで、おっしゃられましたように、安かろう、悪かろうというような状況にあるかと思っておりますが、ことしの10月に市場化テスト事業の契約更改の時期になっておりまして、少しコストをかけてもいいのですけれども、いずれにしまして実績が上がるように適切に業者を選定するということで、現在、仕様書といいますか、実施要項の見直しをしているところでございます。
それから、全体の総合評価の関係で、事務所ごとのばらつき、あるいはブロックごとのばらつきについての評価ということをおっしゃられましたので少し触れておきますと、私が担当しております事業管理部門、適用とか徴収の関係については、実際に実績を評価する際にブロック単位とか、そういった地域性についても、少し評価書の中には整理ができる範囲でやっていきたいと思っているところでございます。
以上であります。
○本田部会長
いかがですか。3番目の市場化テスト問題については、官民競争入札監理委員会で問題になりまして、機構のほうとも調整しながら、24年10月からかなり改善していくことになっておりますので、御報告だけしておきます。
長沼委員。
○長沼委員
何点かお伺いさせていただきます。
最初に【資料1-2】の1ページで、「1. 年金記録問題への対応に関する事項」の関係です。これに関する資料として、【資料2-4】の18ページがあります。例えば、「対策の作業進捗状況」欄に、黄色便のことが記されています。黄色便を送付、未回答約85万人、未送達約12万人と記されている。そうしたものは、次の19ページの「未統合記録約5,095万件の解明状況」のどこに区分されているのか。黄色便を送りました、でも未送達になったり、あるいは回答がいただけないものは、19ページの「未統合記録約5,095万件の解明状況」の、「今後、更に解明を進める記録約967万件」に分類しているのか、それとも「特別便などによって、解明作業が進展中の記録約967万件」に分類しているのか。平成25年度が中期目標の最終年度と理解している。未統合記録解明のために、何回も送付しているのに、回答すらいただけないというものについて、解明状況の処理の区分をどうしていくのか。いつまでも未解明ということで、再々送付しているとコストもかかるし、以前お話いただいたような1,000万件程度のものが、今、岩盤に突き当たっているというのが、いつまでたっても解明が進まないということにもなる。評価する際に、黄色便等で未回答、未送達になっているものを、どこの区分のところに位置づけて評価していくのか。
それから、【資料1-2】の4ページ「3.業務運営の効率化に関する事項」の「2.運営経費の抑制に関する事項」です。【数値目標】の記載欄で、「年金記録問題対策経費、年金相談等事業経費などを除く」ということですが、それはそれとしても、実際に年金記録問題対策経費で、平成23年度に、どの程度費用がかかっているのか、年金相談等事業経費で、どの程度費用がかかっているのか、ということについては、それはそれで明記していったほうがいいと私は考えています。だんだん年が経つにつれ、費用はかけるけれども、解明が進まないという事態に立ち至ると思います。「年金記録問題対策経費や年金相談等事業経費など」は、運営経費を抑制する対象には含めてはいないが、年金記録問題の対策経費でこれだけの費用がかかっているということは、評価部会としても明確に数値を出していったほうがよろしいかと思っていますので、それが1点目です。
次に、2点目です。【資料1-2】の2ページ「2.提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」で、「1.適用事務に関する事項」の【数値目標】の記載欄です。この記述ですと、「重点的加入指導など各種取組」について、「中期計画期間中のできるだけ早い時期に平成18年度の実績を回復することを念頭に、適切に設定した目標」ということなのですが、例えば未適用事業所に対する立入検査事業所数、認定による加入手続の事業所数、総合調査事業所数は、こちらの取組状況の中には事業所数は記載されているのですが、数値目標の中には入れ込んでいるのか、入れ込んでいないのかをお伺いしたいと思います。もし入れ込んでないとすれば、数値目標に立入検査事業所数や総合調査事業所数を数値目標に入れて、23年度の評価をしていくべきではないかと考えています。
次に、3点目です。同じく【資料1-2】の4ページ「2.保険料等収納事務に関する事項」の箇所です。「(1) 国民年金の納付率の向上」の【数値目標】の記載欄で、「ア、イ、ウ、エ、オ」とありますが、例えばウの次に、今の西沢先生の御質問とも関連しますが、例えば「平成23年度の現年度納付率が前年度の現年度納付率よりも向上した年金事務所の数及び低下した年金事務所の数」というものを【数値目標】で掲げて、向上した年金事務所の数の増加はいくついくつと記し、低下した年金事務所の数はいくついくつに抑えるという形で、数値目標を掲げるべきではないのでしょうか。国民年金の納付率については、日本年金機構というオールジャパンでの、マクロの目標値はすでに出ています。しかしながら、312の年金事務所では、納付率にだいぶ高低があります。それぞれの年金事務所ごとに、国民年金の納付率の数値目標を掲げ、前年よりもこれだけ上回る年金事務所の数を増やすというのを評価の数値目標として入れ込むべきではないのかと考えていますが、その点、お伺いしたいと思います。
同じく、「2.保険料等収納事務に関する事項」の「(2)厚生年金保険・健康保険等の徴収対策の推進」の項目で、【数値目標】が記述されています。しかしながら、ここで記されているのは、口座振替実施率だけなんです。「口座振替実施率:前年度と同等以上の水準を確保(行動計画に記載)」という表記です。いつも質問していますが、例えば、滞納事業所数、差押え事業所数、収納率、これも現年度分及び滞納繰越分に合わせて数値目標を設定して、それぞれ前年度以上の収納率とするとか、不能欠損額についても、前年度以下の水準を目指すというような形で、数値目標に23年度の評価する際に入れ込んだ上で、今後の評価をしていくべきではないかと考えるのですが、その点、お伺いします。
最後に、4点目です。【資料1-2】の3ページ「3.給付事務に関する事項」です。例えば、年金の裁定請求書に、住民基本台帳のコード番号を記入する欄があります。この住基コードの番号を記載していただければ、加給年金が発生しない人など、独身の方で自分だけしか年金の給付がない、配偶者加給がないというような場合ですと、住基コードの番号を記載していただければ、戸籍抄本も添付しなくていい、住民票も添付しなくていいということで、申請する人にもメリットがあります。また、今後日本年金機構で裁定請求書を提出された方の住基コードの番号も把握できるわけですから、現在、どの程度、住基コードの番号を書いていただけているのかわかりませんが、申請者にとってもそういう添付書類を省略できる、日本年金機構側でも住基コードの番号を把握できるというメリットがあります。年金の裁定請求書に住民基本台帳のコード番号を記入してもらう件数などを数値目標の1つとして入れていくべきではないかと考えているのですが、いかがでしょうか。
○本田部会長
ありがとうございました。今、4点ありましたけれども。
○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
記録関係についてお答えしたいと思います。この後、御説明する24年度の計画の中で、また聞いていただいたほうがいいかと思いますが、私どももこれまでできるだけの「特別便」、「黄色便」等の各種便で手を打っておりますけれども、1つはなかなかお手元に届かないという方もいらっしゃいます。これにつきましては、住基とぶつけて新しい住所がわかった方には、送付をもう一回やろうという取組をやろうと思っています。
それから、回答のない方につきましても、これまで現役の方には「定期便」等で勧奨をしておりますけれども、更に受給者の方につきましても、これは「ねんきんネット」の関係で、来年また個々人にダイレクトメールを予定しておりますので、そういった中で、更に勧奨は進めていきたいと思っております。そういったいろんな取組をしていこうと思いますが、お話がありますように、どうしてもどなたの記録かわからないものも残ってこようと思います。これにつきましても、また、24年度計画のほうで書いてございますけれども、「気になる記録のキャンペーン」をやりまして、再度いろんな一般広報媒体も活用しまして、是非気になる方はお申し越しくださいという取組を来年やろうと思っております。
また、全般的に申し上げますと、もちろんいろんな記録問題は大事でございますけれども、コストベネフィットという観点も当然大事だろうと思っています。一例で申し上げますと、一番お金がかかっていますのは紙とコンピュータの突合でございますけれども、これも今年度は受給者の方をとにかく精力的にやりましょうということにしていますけれども、現役の加入者の方の分をどうするのかという議論もございます。ここは、今、サンプル調査などもやってございまして、そういった結果を見て、これは記録回復委員会のほうになろうと思いますけれども、そちらでいろいろご議論をしていただいて、最終的にはもちろん政府のほうで方針を決めていただいて、どういうふうにやるのか、どこまでやるのかということはコストベネフィットを踏まえて検討いただきまして、年金局から御指示を受けて進めていきたいと考えております。
○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
それでは、適用・徴収の関係について御質問があった件であります。まず1点は、サービスその他、業務の質の向上に関する事項の厚生年金の適用の促進、目標との関係で御質問がありました。年度計画においては、適用の促進の関係で、重点的加入指導等についての各種の取組につきましては、この資料にありますように、18年度の実績を回復することを大きな目標にしてございまして、これに基づきまして、これは事務所ごとに行動計画、本部としても全体の行動計画をつくって、これを進捗管理しながら取組を進めているところでございます。各事項につきましては、トータルとしての、例えば重点的加入指導、立入検査等、あるいは事業所の調査の関係につきましては、各事業所のものを積み上げた全体としての年間の目標値を持ってございまして、これに向けて取組を進めています。
したがいまして、実績の評価をする際の報告書におきましては、このあたりの実際の各種取組についての年間目標値との関係について達成できているかどうかということも少し記載をしながら報告書はつくりたいと思っているところでございます。
それから、2番目の保険料の収納の関係、まず(1)の国民年金の納付率の関係であります。これも具体的な数値目標につきましては、資料の2ページにあります、こういったものが数値の目標になっているところでございます。
したがいまして、今、委員から御指摘がありました23年度の現年度納付率が前年度の現年度納付率に比べて改善した事務所数が幾つかあるのかということで、これを目標にしたらどうかという御指摘があったかと思いますけれども、これは具体的な目標にはしておりませんので、そういう形では目標に取り込むことは難しいかと思っておりますけれども、実際に23年度の現年度納付率が前年度に比べて上がった事務所数が幾つあったのかということにつきましては、実績報告書の中で記載をしたいと思っております。
同じく収納の関係で(2)の厚生年金の徴収の関係であります。これも具体的な数値目標につきましては、2ページにあります口座振替の実施率が具体的な数値目標になっているところでございます。今、委員から御指摘がありましたように、実際の滞納事業所数をどうするのか、不納欠損額等々について、具体的に目標設定をしたらどうかという御指摘がありましたけれども、これを年度計画という形で目標設定するのは今後の課題かと認識をしますけれども、今はこういう整理にしているということでございます。これも少し実績の分析をする際の報告の中で、今、御指摘のございました点も踏まえて、記載というか、実績報告書をつくりたいと思っているところでございます。
それから、3ページの給付事務の関係で、裁定請求書の住基コードについての目標設定ということもありましたけれども、これも、今、そういう形での目標設定はしておりませんけれども、住基コードの収録については取組を今進めておるところでございますので、また、そこは実際の状況については、実績の報告書の中で整理をしていきたいと思っているところであります。
以上であります。
○本田部会長
いかがでしょうか。
○長沼委員
確かに平成23年度において、先ほど申し上げた形で、目標を設定して取り組んできたのであれば、そういう形で評価するということはできるが、評価の段階だけでは、いろいろと難しいというのは理解します。今後、できれば、平成24年度の目標の中に、そういうような各年金事務所ごとですとか、日本年金機構全体の中で、どれだけ前年度を上回る納付率を年金事務所に達成してもらうか、というような数値目標を掲げていただければと思います。
表記の関係で1点、気づいたことを述べさせていただきます。例えば、【資料1-2(参考資料1)】の2ページ、2の1.(1)「○3ハローワークや市町村との連携」と記載されている。一方、その下の「2.保険料等収納事務に関する事項」の(1)の「○5」では、「○5市区町村、各種団体との連携・協力」と記載されている。「市町村」と書いてあるところと、「市区町村」と書いてあるところがある。これは厳密な意味で、ここは市町村と記述しているのか、それともただ単に、市区町村と記述すべきところを市町村となっているだけの話なのか。
それから、【資料2-4】の9ページの下のほう○4で、下から4行目、「節目年齢を除き、基本的に様式を『はがき化』し、読み易く確認し易くする」という、この易くというのが漢字なんです。次の11ページ見ていただくと、真ん中辺です。「今後の記録の正確性確保対策」の箇所で、「1 ご本人による記録確認」ので、(1)の記述では、「確認していただきたいポイントをわかりやすく表示」と、ここは全部平仮名表記で、書いている。「わかり易い」という表記も、漢字で、分別の分で、「分かり易く」と書いてあるところもある。表記方法がいろいろとさまざまである。これは本質的なものではないので、事務局に任せるが、「わかり易く」というのも、個人的には私は全部平仮名のほうがいいと思っている。先ほどの「市区町村」なのか「市町村」なのかについては、表記の統一性をよろしくお願いしたいと思います。
それから、口座振替の勧奨に関しては、口座振替を進めていくには、勧奨をしっかりとやっていただくのがいいと認識しています。しかしながら、日本年金機構から市町村に電子メールで送付されてくる「かけはし」のことしの1月号を見ると、「口座振替勧奨状の送付(2月上旬)」ということで、「現年度に未納がない現金納付者に対し口座振替勧奨状を送付します」と記述されている。いうことで、「現年度に未納がない現金納付者に対し口座振替勧奨状を送付します」ということですが、未納があっても、未納だからこそ口座振替をしてください、という趣旨で口座振替勧奨状を送ったほうがいいのではないかと私は考えています。あわせて、ことしの3月の「かけはし」を見ると、「国民年金保険料を前納する場合の額等について」の記事が掲載されています。3月に、例えば1年分を口座振替で前納すると3,770円お安くなります、1年前納を、現金で納付すると割引額は3,190円どまり、だから1年前納の口座振替で納付すると「最もお得」ですと、日本年金機構でもPRはしていただいています。しかしながら、市町村にこういう情報を3月にいただいても、例えば志木市が市民向けに情報を発信する「広報しき」ですと、3月に情報をいただくと4月号に出せなくて5月号になってしまいます。市民の方が、1年前納で納付しようとすると、2月末日までに志木市の窓口に書類を持ってきていただかないと口座振替の手続が間に合いません。
確かに政令等の告示の時期という問題はありますが、納付率の向上を進めていくためには、「口座振替による1年前納が最もお得」という情報を周知していく必要があると思います。厚生労働省の告示の時期など、課題はいくつかありますが、市町村が周知に協力するのは、全くやぶさかではありません。そのためには、情報をもっと早くいただかないと広報に掲載できないということがありますので、今後の取組の中で、見直しが可能であれば、ぜひ検討をお願いしたいと思います。
○本田部会長
ありがとうございました。何か。
○日本年金機構副理事長
表記の問題を御指摘いただきました。1つ、23年度の計画のほうで「市町村」、「市区町村」と、今、計画のほう、資料1-2(参考資料2)をもう一回確認しましたけれども、意味はどちらも市区町村ということでございますので、昨年度の計画なので今からは直せませんけれども、御指摘のとおりでございます。今年度の計画についても「易い」という言葉について御指摘いただきました。これも御承認いただいた計画なので、今さら直せませんけれども、今後つくる際には十分そこは留意をしたいと思います。
それから、「かけはし」の記事の関係でおっしゃられて、できるだけ早く私どももお知らせをする。その際には市区町村に御協力いただくというのが大事であると思っています。制度的にいつ額が確定するかというところもございますけれども、できるだけ早く情報提供して協力連携できるようにお願いできたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
それから、目標について、23年度について、評価の時点で加えるのは難しいのは御認識いただいているということで、今後24年度というお話がありましたけれども、24年度の実際の計画自体はもうでき上がっているということ。それから、具体的にこれを踏まえた適用・徴収については、行動計画という形でまた計画をつくっておりますが、これも年度計画を踏まえた行動計画はほぼでき上がっているという状況でございますので、先ほどもちょっと申し上げましたが、少し今後の検討課題ということで、そういう意味では、25年度以降という形になるのかもしれませんが、今後の課題ということで受けとめたいと考えています。
それから、国民年金の口座振替の勧奨について、未納がないものだけではなくて、未納があっても、その有無にかかわらず勧奨すればいいではないかというお話がありました。現在どういう形で、私どものほうで取組をしているのか、確認をした上で、未納があるものについても、勧奨しても差し支えないものであれば、御指摘の趣旨を踏まえて対応したいと思います。
○長沼委員
こだわるわけではないんです。事業年報を見ると、例えば差押件数を見ても、茨城県の中で5つ年金事務所がありますけれども、土浦年金事務所ですと、差押えの件数が平成22年度は196件だったのが、平成23年度は24年2月末現在ですが、92件ということで、実績件数ベースで半減している。下館年金事務所ですと、平成22年度は19件だったのが、23年度では43件ということで増えている。例えば埼玉県内の年金事務所を見ても、熊谷年金事務所ですと、差押えの実績件数は平成22年度が43件であったものが、23年度は110件と増えていたりする。要するに、各年金事務所で、差押えの実績件数1つとってみても、前年度に比べて倍増しているところもあれば、半減しているところもある。我々評価部会で見ているのはトータルだけなんです。ですから、もう少し評価をする際に、がんばっている年金事務所と必ずしもそこまで取り組めていなかった事務所のデータを評価部会に出していただいて、その上で評価していくのがよりきめ細かい、適切な評価となるのではないか。スタートしたときはオールジャパンでの評価でしたけれども、評価部会で何回かやっていく中で、もう少しきめ細かな評価も今後は必要なのではないかと考えていますので、その辺の見せ方ですとか、資料の提示のあり方についても、ぜひ、工夫をしていただければと思います。
○本田部会長
機構全体の目標は当然事務所ごとの積み上げがあって初めて実現可能だと思いますし、なおかつ、私はそれぞれの事業組織ごとに把握されているのだろうと思います。恐らく312事務所全部、私は皆様当然のことながら数字をお持ちだと思いますので、なぜそうなるかも含めて今度の報告の中でいただくということで、長沼委員、よろしいですか。
○長沼委員
はい、了解いたしました。よろしくお願いします。
○本田部会長
時間の関係もあります、岩瀬委員。
○岩瀬委員
評価基準についてなんですけれども、こういう取組をしたとか、こういう執行をしたというだけではなくて、これだけの費用をかけて、これだけの成果が出た。それに見合った成果がどういうものだったかというのも基準に入れていただくと、何となく全体の仕事の結果、取組の状況というのはよく見えてくるのではないか。費用対効果の関係を基準に入れられるものなのかどうかというのをお聞きしたいのです。すべての項目においてです。
○事業企画課長
基本的にはここでの評価というのは、事業計画、年度の計画に対して実施できたかどうかということだと思います。費用対効果という視点というのは、そもそもその事業自身をどうやってやるのかとか、やるべきなのかという、先ほど矢崎理事からお話ありましたけれども、紙とコンピュータの突合せ事業をどこまでやるのかというのを費用対効果で図るのだとすれば、それはまさにやるか、やらないかというときに、矢崎理事から、回復委員会でというお話もありましたけれども、そういうことだと思うんです。
それでやると決めて、計画としてこれはやるのだと、幾らのコストをかけても、予算もありますけれども、このぐらいのコストをかけて、こういった事業をやるのだというのを決めた後のいわば評価というのは、それをちゃんとできたかどうか。あるいは更に効率化の努力ができたのかどうか、そういう視点になるのだろうと思っていまして、そういう意味で言うと、今、この評価の基準の中でも、そもそもそういうことをやるべきかどうかというのはちょっと違うのだと思うのですけれども、やると決まっている計画に沿ってできているのかどうかという形の中での評価ではないのかと。
○岩瀬委員
ですから、やると決めたことをやった。それがどれだけ実効的なものだったかというのをはかる意味で、ただ、やりました、やろうとしたけれども、できなかったというのではなくて、その中身をもう少し客観的に、かつ容易に把握できるよう、数値その他の定量的な目標を評価項目に組み込むべきではないかと考えます。この点、年金局として実施の可能性等を検討していただき、結果がでましたらお考えをお聞かせください。もちろん、客観的にそのような評価項目を定めることが困難である事業計画については除いていただいて結構です。
○本田部会長
石井委員。
○石井委員
時間がありますので、質問内容は後日またメモにしてでもお送りしたいと思っていますが、今の岩瀬委員との関係があるかと思うんですが、資料2-4の106ページのところに「職員の状況について」というのがあります。そこに定員と現在員というのがあって、欠員が925人あると書いてあったりするのですね。結局この機構は、我が国の公的年金をきちんと管理すると、一言でいえば、というための機構だと思います。中身としては質、安全、コストの適正化ということだと思うんですね。それを評価するという意識をきちんと持っていこうという建て付けだと思うのです、評価部会の役割等は。
現実にこの機構の実態を考えると、年金システムを維持するための“人とシステムコスト”の固まりみたいなものなので、実はそこをきちんと見やすくしていくという作業が評価としては必要なのではないかと私自身は思っています。そういう観点から、職員の状況と外部委託の状況、総体としてかかってくるコスト、例えば予算などですと、事業経費の中身が保険事業、オンラインシステム経費、年金相談、年金記録問題対策というふうにして区分されていますが、それぞれその中に人件費が幾らかかっているのか、システムコストがどのくらいかかっているのか。それぞれの業務に関して、私はここのところは理解不完全ですが、106ページの職員さんが、雇用形態別にして当機構の直接的な職員であると。だとすると外部委託で何人人が入ってきているのか。それぞれの職員がどの業務に関して張りついている。あるいは外部委託の方たちがどの仕事に就いているかというようなことをもう少しマトリックス的に全体が見えるような形をつくっていただくのが、まず評価の入り口としては情報として必要ではないかと感じましたので、簡単なメモをまとめて、申し訳ありません、御依頼をさせていただければと思います。今日、ここで回答は全く必要はございませんが、“人とシステム”のコストで、実は年間三千数百億円かかって年金制度を維持しているのだということを、もう少しわかりやすく見えないのだろうかと思ったりいたしましたので、よろしくお願いいたします。
○本田部会長
ただいまの資料できますか。
○日本年金機構副理事長
職員、共通管理的な部分もありますので、どういったセグメント的な整理ができるかという部分もそこはあろうかと思いますけれども、御趣旨自体はよくわかります。1点だけ申し上げると、外部委託先でどれだけ人を雇っているかというところは、いろんな外部委託ありますから、そこら辺のデータはなかなか簡単には出ないのかなと思っております。いずれにしても、石井委員から、また、いただいたものを踏まえて、できるだけの努力はしたいと思っております。
○本田部会長
それでは、時間がありますので、いろいろと御意見いただきました。今日の御意見を反映できますように、事業報告の中でも触れていただきたいと思います。ただ、評価の進め方につきましてはおおむね御了承いただいたということにしてよろしいですか。
(「はい」と声あり)
○本田部会長
それでは、了承ということにさせていただきます。これから年金機構と事務局のほうで、次回に備えてやっていただきたいと思います。
それでは、次に「平成24事業年度における業務運営に関する計画について」、日本年金機構より御説明をお願いいたします。
○日本年金機構理事長
24年度の計画、御報告をさせていただきますが、その前に、この場をおかりして2つですが、お詫びの報告を申し上げさせていただきたいと存じます。
1つですけれども、この2月の定期支払いの際に、所得税の源泉徴収のデータ、この一部を委託業者のほうで入力を漏らしたという事態が生じました。このためにお客様個々人の所得税が過大に評価され、多く集められて手取りの年金額が減ってしまうと、そういうような事象が生じました。3月に、ひと月遅れになりましたけれども、お客様には余分に徴収をいたしました税のお支払いはいたしました。いずれにせよ、約7万人のお客様に大変な御迷惑をおかけいたしまして、深くお詫びを申し上げたいと存じます。今、再発防止のための検証の作業を行っているところでございます。
2つ目でございますが、この1月と3月、年金事務所、奄美大島と大阪の貝塚ですが、保険料等の現金が紛失するという事態が生じました。いずれも年金事務所の金庫の管理が十分に行われていなかったという状況によって起こった事態でございますが、管理の再徹底に取り組んでいるところでございます。これも本当に申し訳ございません。今、この2件につきましては、警察において捜査が行われている段階でございます。
それでは、本題の御説明に入らせていただきます。機構が発足いたしまして3年目に入っておりまして、25年度までの中期計画、ちょうど中間段階にございます。その折り返しのところになります24年度の計画につきましては、去る3月30日に厚労大臣から認可をいただいており、その内容を報告させていただきますが、その前に、既に、今、幾つもお話出ましたけれども、23年度の取組の実績につきましてポイントを絞って御報告をさせていただきたいと存じます。
お手元の資料の細かい点では資料2-4、既に何ケ所か御検討いただきましたけれども、資料2-4の内容でございます。大きく4点、記録の問題、国年・厚年の適用・徴収、年金相談・お客様サービス、更には内部統制、この4点でございます。
まず第1の記録問題の対応でございますけれども、工程表をつくり、処理期限の目標を定め、計画的な取組を進めてきております。おおむね順調に目標を達成しつつあると思っております。特に重点課題でありますコンピュータと紙台帳の突合せにつきましても作業は順調に推移していると。あと、先ほどもお話ございましたけれども、被保険者のほうの作業をどうするか、これが今後の問題だと思っております。
更に、昨年2月に「ねんきんネット」サービスを新しくスタートさせておりますけれども、昨年の10月には、年金加入記録の確認のサービス等も加えまして、ネットにアクセスが必要なID、これもこの3月末ですと約80万近くの登録をいただいております。この2月には地域コミュニティ紙で、女性(奥様)の皆様に、非常に役に立っているという評判もいただいております。
第2の点でございますが、国民年金と厚生年金の適用・徴収、給付の状況でございます。まず国年の保険料の収納率でございますが、過年度の納付につきましては、年度目標は見込めるのですが、現年度の納付率、これにつきましては、23年度の途中までは何とか前年度並みの水準を維持できたのですが、不整合3号の問題が生じまして、これの影響により、目標の達成がちょっと厳しいというような状況に追い込まれております。
次に厚年の関係で、まず未適用事業所対策ですが、いろいろやってきております。加入指導、立入検査、こういう目標につきましては、それぞれ全体、個々の事務所で行動計画をつくっており、ここで定めた目標を上回っているところでございますが、その結果、実際に適用の増に結びついた事業所、これも22年度の数値を上回っているところであります。厚生年金保険料の収納につきましても、対前年度の同月比を若干上回る状況が確保されております。
更に、年金給付のサービススタンダード、申請からお支払いまでということでございますが、老齢、遺族、障害、いずれにつきましても、前年度実績を上回る見込みでございます。特に障害厚生年金のスタンダード、これが非常に悪い状況が続いており、22年度におきましては達成率が7.7%、非常に低い状況でございました。23年度はようやくですけれども、44%近くに回復をしつつある状況でございます。
大きく3つ目の年金相談とお客様サービスの点でございます。象徴的に相談窓口の待ち時間については、相談件数は22年度を大きく23年度は上回っているものの、1ケ月の待ち時間平均が、1時間以上の事務所は、22年度は4ケ所でしたが、23年度は1ケ所に減りました。更に30分以上1時間という待ち時間のところですが、これも22年度は43ケ所でしたが、23年度は26ケ所と減少しまして、待ち時間という面では大きく改善されているのではないかと考えております。
コールセンターの状況を見ますと、昨年の6月に年金額のマイナススライドがございまして、非常に相談状況が増加し、応答率が悪かったのですが、その後、発送文書を分散して送るとか、電話の混雑時の音声アナウンスも改善いたしまして、それによって結果的に見ると、年間を通じた23年度の応答率は22年度を上回るというような見込みが達成できるのではないかと思います。また、応接のマナーの向上ですとか、お客様の声をもとにしたわかりやすい文書の作成など、さまざまなサービス改善を行っており、少しずつはよくなってきているのではないかと私ども思っております。
第4点、最後でございますけれども、内部統制の取組でございますが、冒頭に申し上げたような不祥事がございましたけれども、これは引き続いて粘り強く組織の風土を改めるとか、更に具体的には事務処理の誤りを減らしていく、いろんな手だてを組み合わせながら、誤りなき統制に取り組まなければいけないと思っております。システム改善や研修のところにも力を入れてまいっているつもりでございます。
以上、非常に粗い報告でございますけれども、23年度はこういうような姿勢で取り組んでまいりまして、24年度は、特に3年目を迎えることもございまして、私どもといたしましては、組織の目標として基幹業務、適用・徴収から記録管理、相談、給付というところに力を入れる年にしたいと思っております。そのために、今、申し上げた業務をもっと深堀をして効率を上げていく。更に具体的に事務処理誤りをもっと減らす。3番目として人材育成、組織風土改善、これらに取り組むことを24年度の大きな目標とし、これらを踏まえて、24年度の計画実施に取り組みたいと思っております。
以上、簡単ですが、あらあら御報告させていただきまして、24年度の内容の説明につきましては、担当から申し上げさせていただきます。
○日本年金機構経営企画グループ長
それでは、後ろから説明をさせていただきます。
24年度計画のポイントにつきましても、時間の関係もございますので、ポイントを絞って御説明をさせていただきたいと思います。資料2-3をご覧いただきたいと思います。
まず、今年度の計画をつくるに当たりましての基本的な認識を説明させていただきます。言うまでもなく私ども日本年金機構は、国民の信頼回復ということを命題に背負ってスタートしたわけでございますので、この間、一貫して、そのためにどういった取組を行っていくかという観点から、特に当初の2年間で記録問題の解決に精力的に取り組んできたわけでございます。これは当然引き続きの重要課題ではございますが、おおむね順調に計画的に対応できております。更なる真の国民信頼の回復のためには本来の基幹業務をしっかりと正確・確実にやっていくことが求められる。そうしたことから、特に今年度は基幹業務に、より注力をしていきたいと、そういった観点からこの計画をつくっているということでございます。
まず資料の1ページから2ページ以降にかけてですが、記録問題につきましては、繰り返しでございますが、工程表に基づく計画的な処理がおおむね順調に推移をしております。
そうしたことから、まず2ページから3ページにかけて記載している従来からの重点課題である「(4)紙台帳とコンピュータ記録の突合せ」を24年度を目途に受給者の突合せを進めるといったことに継続的に取り組むということ。それから、未解決事例の対応が次なる焦点ということでございまして、(4)の2つ目のところにございますように、紙台帳検索システムを活用した持ち主検索の作業の実施ですとか、更にその下の「気になる記録の確認キャンペーン」ということでの呼びかけということによりまして、未解決事例の対応というものに期していきたいということでございます。
それから、今後、記録の正確性を確保していくといったことが新たな記録問題を発生させないために重要であるということから、3ページから4ページにかけての(8)○2の「ねんきんネット」の各種の充実の取組や、5ページの(10)「基礎年金番号の正確性の確保」対象として、○2に記載していますように、新規発生防止に資するようなシステム改善といったようなことに取り組んでいくということでございます。
6ページ以下がいわゆる基幹業務の関係でございますが、国民年金の適用業務の関係につきましては、特に1(1)○2に記載の「第3号被保険者の記録不整合問題」への適切な対処をしっかりと図っていく必要があると認識しております。
厚生年金等の適用関係につきましては、7ページから8ページにかけてでございますが、様々な未適用対策の取組について、もともと中期計画の目標の中で「18年度実績」要は記録問題が起こる前の水準という意味なのですが、そこまで回復をすることとしておりますが、中期目標期間は25年度まででございますので、24年度中にこの18年度水準を回復したいと考えております。ちなみに23年度の状況につきましては、各種の取組、昨年度は立入検査の取組が不十分というような評価もいただきましたが、立入検査実施件数も含め計画した実施目標を達成している状況でございまして、これを今後更に加速をしていきたいということでございます。
具体的な取組といたしましては、まずは未適用事業所の把握ということが重要になってまいります。23年度には雇用保険との全数突合というのを行いましたが、当然24年度にはその結果をきちんと活用した効果的な対策をやっていくということ。更に(2)○1のアに記載していますように、法人登記簿情報といったものとの突合せといったようなことも進めていきたいと考えています。そういったことも踏まえまして、7ページ下ほどでございますが、3年以内に把握された未適用事業所の半減というような具体的な目標を掲げているところでございます。
続きまして、8ページから9ページにかけてでございますが、国民年金の保険料収納率の関係でございます。これにつきましては、最終納付率の関係につきまして、23年度はおおむね目標を達成しているというような状況でございますが、そういったことを含めまして、目標の上方修正ということで、最終納付率を2年間で4~5ポイント上積みをするという目標を5.5ポイント上積みする目標にする。それから、その前の年の1年間の上積み目標につきましては2~3ポイントから4ポイントというように上方修正をしております。また、現年度納付率は、先ほど理事長から御説明をいたしましたとおり、不整合3号問題の影響ということで、少し厳しい状況ではございますが、中期計画の当初の目標である60%台というところまで何とか回復にこぎ着けたいというような目標を設定してございます。
また、実際に国民年金収納率に非常に大きな影響を及ぼすのは市場化テストの実績ということになるわけでございますが、2(1)○2のところにあるように、24年10月に契約更改の時期に当たっております。ここにつきましては、繰り返しの説明になりますが、先般内閣府の官民競争入札監理委員会の評価の中でも、まずは業者との連携等々一定の改善が見られるということと、一方で引き続き更なる「安値入札の是正」が必要といった評価、指摘も受けておりますので、そうした評価も踏まえ、適正な業務の質を確保できる業者選定というものに努めるということでございます。
それから、10ページ、○4強制徴収につきましても着実に実施をしていくということが必要であろうと考えてございます。
11ページの下ほど、厚生年金の徴収対策の関係でございますが、めくっていただきまして、12ページ○2のところですが、滞納事業所に対する指導なり、滞納処分の関係につきましては、特に早期対応が極めて重要でございますので、新規滞納事業所に対する確実な滞納処分の実施ということを特に掲げてございます。
更に強制徴収の関係につきましては、先般、国税庁委任案件の初めての実績が出てございますが、更にこの仕組みを積極的に活用するということで考えております。
次に、給付の関係でございます。サービススタンダードにつきましては、おかげさまで、障害厚生年金を除く、その他の種別につきましては、ほとんど90%近い、あるいは90%を超えるラインの達成率ということで順調に改善をしているというようなことでございます。また、障害厚生年金も90%という数字にはまだ遠いのではございますけれども、22年度から大幅に改善をしているということ。また、これも分析的に言いますと、12ページの「なお書き」に、年金事務所等から本部への年金請求の送付期間の短縮化というようなことを書いておりますが、本部の中での審査体制の強化により、本部内で想定している審査期間はおおむねサービススタンダードレベルまで到達をしておりまして、年金事務所等からの送付期間に少し時間がかかっているというような分析結果も出ております。そういった部分を更に掘り下げて目標達成に努めたいということでございます。
それから、13ページ、下ほどでございます。年金相談等の関係でございますが、おめくりをいただきまして、「マイナススライド」、「年金確保支援法に基づく後納制度の施行」云々といろいろ書いてございます。要は24年度の状況認識として、お客様からの問い合わせが予想される案件が目白押しということでございます。そういった状況認識の中で、いかに目標を達成していくかというのが課題でありまして、専用ブースの設置、専用コールセンターの設置などにも取り組んでいきたいということで考えております。
また、○1で相談窓口体制の強化というようなことが書いてございます。待ち時間の短縮というのはおおむね順調に達成が図られているものの、まだまだ相談体制の基盤自体は脆弱な部分を持っております。また、現実問題、有期雇用職員の方にかなり依存をしているような構造がございます。正規職員を中心とした相談体制の強化に計画的に取り組んでいきたいということでございます。
また、○3でございますが、引き続き待ち時間短縮の取り組むということ。
ねんきんダイヤルの関係も、先ほど理事長から御説明をさせていただきましたとおり、お客様への文書を御案内したときにコールが集中し、それによって全体の応答率が引きずられるという傾向がございます。そういった状況によりきめ細かい対応するため、混雑予測でございますとか、文書発送の分散化などに取り組んだ結果、23年度実績が一定上がってきておりますので、それを更に引き続き取り組んでいくということでございます。
飛んで17ページでございますけれども、下ほどのウのところでございますが、公的年金業務の信頼、確保、回復のためには根っこの制度に対する信頼が重要でございますので、そういったことにいま一度力を入れて取り組んでいきたいということでございます。
それから、19ページの「お客様サービス」の関係でございますが、この2年間にさまざまな取組の基盤を整備してまいりましたので、それを引き続き取り組んでいくということですが、更に21ページ、上から3行目のところで、より効果的にお客様の声をサービス改善につなげていくということで、今でもお客様の声の集計・分析をやっておりますが、それをより効果的に行うためのシステム導入といったことにも取り組んでいきたいと考えております。
それから、21ページの下ほどでございますが、電子申請の関係につきましては、おめくりをいただきまして22ページのところでございますけれども、電子媒体申請の届出の拡大でございますとか、先ほども話題になりました市町村から報告を受けるものについての電子媒体化をより具体化を進めていきたいということでございます。
業務の効率化の関係につきましては、22ページ1の○1にございますような工程表をつくって、個別具体の課題を明確にしてスケジュール管理を行っておりますので、それを引き続き進めることが基本かと考えてございます。
最後に25ページ、内部統制の関係でございますが、基盤としての仕組みは既に初年度に整備をしておりますが、それをいかに実行していくかという意味では根っこの職員の意識改革や組織の風通しが重要であるという認識の下に組織風土改革の取組、あるいは引き続きのリスク管理、コンプライアンス確保の意識啓発に継続的に取り組んでいくということであります。
また、26ページ、○5でございますが、今年度の重点目標の1つである事務処理誤りというものにつきまして、既に「再発防止対策」を取りまとめておりますが、それに加えまして、更なる分析に基づく新たな対応というものに精力的に取り組んでいきたいと考えております。
最後に28ページ以下のところの人事政策の関係でございますが、○1のイにございますように、幹部登用試験の実施などを今年度から予定をしております。
また、○3の人材育成の関係でございますが、これまで評価部会でも御指摘をいただきましたように、いかに研修後のフォローアップとか、効果測定をやっていくかといったようなこと。それから、引き続きの課題といたしましてマネジメント研修の継続的な取組、また、23年度に「基礎課程」ということでeラーニングをスタートさせておりますが、更に今年度には中級向けの「応用課程」の開講などにも取り組んでいきたいと思っております。
以上、非常に内容多岐にわたりますので、かなり省略をさせていただいた部分もございますが、特に重点と考えている部分につきまして説明をさせていただきました。
以上でございます。
○本田部会長
それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見なり、また、御質問等がありましたらお願いします。木間委員。
○木間委員
ただいまの御説明の中にはありませんでしたが、11ページの○8に「特に大学生などの若年層に対しては、『ねんきん月間』をはじめ、様々な機会を通じて啓発の取組を強化する」とあります。それから、○10には「社会保障と税の一体改革の検討状況を踏まえつつ、厚生労働省と連携を密にして更なる収納対策の強化を図る」とあります。
これらに関連して質問と意見を申し上げます。昨年から厚労省の政策統括官が「社会保障の教育推進に関する検討会」を開催しています。この検討会は目の前の制度の理解をどうするかという個別の制度についてというよりも、社会保障を支えている社会のあり方、理念、哲学といったことを検討なさるようでありますが、この検討会の開催要綱を見てみると、社会保障の教育推進に役立てることを目的として、教育現場で役立つ副教材・パンフレットを作成するとありました。この検討会の検討状況も視野に入れて、24年度は啓発の取組をなさろうとしているのかという点をお尋ねします。
消費者問題の分野について言いますと、消費者教育の必要性が唱えられたのは昭和30年前後のことでありました。昭和40年代には消費者教育が学校教育に取り入れられるようになりました。当時は命を脅かすような消費者被害が次々と発生しておりましたので、消費者教育の重要性を消費者行政も文部行政もそして現場でも共有できたからなのかもしれません。都道府県の消費生活センターなどが副教材を作り、中学や高校の先生には夏休み期間中に消費者問題の研修を行いました。また、生徒には実習や見学を実施するという試みも積み重ねてきました。
私は若い頃、こうした副教材作りや研修などにかかわりました。小・中・高の教科書には「消費者の権利」といったことも、昭和40年代の頃から取り入れられるようになりました。年金の分野におきましても、若年層に対するさまざまな機会を更に拡大していただきたいと思います。
以上です。
○本田部会長
今の点につきまして。
○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
私のほうで一般的な年金の啓発といいますか、そういうものを担当していますのでお答えいたしますが、正直申し上げまして、機構になって地域に出張っていろんなことをやるというのは弱体化しています。かつては中学校、高校の3割近くのところへいろんな御説明に伺っていましたが、そういった予算もなくなりましたし、コーディネートしていた各県の事務局もなくなりました。現場の声などを聞きましても、「何とかこれを少しでも復活させたい、広い意味で収納率を高めていくためにも、若い方々に正しく年金の知識を得てもらう、これが迂遠のようですが、現場の実感としての一番効果がある。」ということです。何とかこれを少しでも復活させたいという気持ちで新たに、「地域年金展開事業」ということで、要するに学校に限らず自治体も含めて広い意味で地域をフィールドとしていろんなことをやっていこうということで新たにパッケージの予算をつくって取組むこととしています。
この間も出張で四国へ行ってきたのですけれども、四国などでも地方厚生局とタイアップして、少しでもそういうことができないかと取組もうとしています。その中には大学とか高校に行って年金を説明することがありますが、先般、山梨の高校でも、実際年金事務所が行って、私も出ましたけれども、熱心に聞いていただけますし、アンケート結果でも反応がいいのですね。また、まず、地域の年金事務所が行くためには材料・パンフが要るわけですが、乏しい予算と人の中で3月にパンフレットをつくりまして、それを、今、地方のほうに配っています。これも実際使ってみますと、わかりにくかったりいろいろあると思いますので、それをまた見て直していこうと思っています。
そのパンフレット自体も一般の方に御参加頂く文書モニター会議というところにかけたのですけれども、そのとき、言われたのは、理念などもいいんだけれども、若い人たちは「本当にこの年金制度大丈夫なのか、払ったら損するのではないか、あるいは未納が多くてつぶれるのではないか、民間の生命保険に入っていればいいのではないか」、こういう素朴な声に正面から答えてほしいというのがモニターの方からありました。確かに難しいのですけれども、なるべくそういうのも答えるようなパンフレットを、また、後でお渡ししますが、つくりました。もちろん、省のほうで文科省と社会保障教育について検討しているというのは承知していたのですけれども、副読本を結構時間をかけておつくりになるということと、それからおっしゃいますように、社会保障全般なので、よくも悪くも年金はワン・オブ・ゼムになりますので、それはそれでやっていただくことはいいことだと思いますけれども、我々としても今申し上げたようなアプローチをしていこうと思っています。
これも御承知だと思いますけれども、中学校のカリキュラムが大分変わって時間数も増えたということもありまして、時間も増えますし、教科書も入手してみたのですが、かなり社会保障の記述が厚くなっています。ある教科書ですと、イギリスのベバリッジの話や憲法25条が書いてあります。それはそれでベースとしての社会保障教育は厚生労働省さんと文科省さんにどんどんやってもらうのは非常にいいことだと思います。
我々機構としては、もう少し社会へ出る高校生、大学生等、年金に近い層、人も金も余り要りませんので、そこに重点を絞ってできるだけやってみたい。今年度とにかくできるだけやってみようと思っていますので、それをまたやって、更に厚労省さんとも相談して、更にできたら拡充していきたいと思っています。
済みません、長々となりました。
○本田部会長
斎藤委員。
○斎藤委員
「ねんきんネット」のことなのですが、3年目に入るということで、ねんきんネットに関して見方を変えていただく時期かなという気がしております。年金記録問題の対応として、ねんきんネットというのは大変役立って一定の効果を上げていると評価しております。ただ、ねんきんネットというのは記録問題だけではなくて、カスタマーサービスとして大変重要なツールになっている。これから紙ではなくネットにどんどん移っていくというのは間違いのない傾向ですから、ねんきんネットを更に顧客との対話の場にするといった顧客満足あるいは顧客対話、どういう言い方が正しいのかわかりませんけれども、そのような形で充実を更に図っていただけたらと思います。ホームページの充実もこの計画の中に入っておりますが、ホームページは一般的な情報提供ですけれども、ねんきんネットの場合には個人に対する訴えかけになります。例えばある方がログインなさったら、その方のお住まいのそばの年金事務所の混雑ぐあいがどうかがすぐにわかるとか、いろいろな工夫があると思います。そういう違った角度で検討していただけたらと思っております。
○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
全くおっしゃるとおりだと思います。諸外国の年金機関を見ても、ICT技術を活用して、先ほど出ました届出もそうですが、カスタマーサービスなどもほとんどネットへ移行しています。ですから事務所からコールセンター、コールセンターからネットというふうにシフトしていくという戦略が必要だと思うのです。諸外国がそうやって効率化、先ほどの話ではありませんけれども、地域に出張って、フェース・トゥ・フェースの福祉の用語でいうアウトリーチを展開していくのです。うちも余力がないのですけれども、そういう諸外国と比べると遅れていますので、あと2年、中期計画の間にそっちへ持っていけないかと思っています。
そういう意味では、まさにおっしゃるように、年金ネットというのは非常に重要なツールだと思っていまして、もちろん記録問題としても使っていかなければいけませんけれども、今、おっしゃるような、いろんなサービスができないか。例えばここにもちょっと書いてありますけれども、振込通知書などもネットで見れるようにするとか、あるいはいろんな再交付申請もネットでできないか、いろんなことをできるだけやっていきたいと思っています。
私どもなかなか知恵もないところもありますので、むしろ、こういうことをやったらもっと便利になるとか、こういうICTの使い方があるというのがあれば、また是非教えていただければと思います。
○本田部会長
長沼委員。
○長沼委員
先ほど国民年金の納付の関係で、不整合3号の影響で、目標の達成がちょっと厳しい、というお話もありました。第3号被保険者の不整合記録問題については、昨年の3月には、だいぶ報道されており、社会保障審議会の特別部会ができて、報告書が出された5月ぐらいにはひと段落をしたと記憶しています。昨年の11月に評価部会を開催したときの資料では、平成23年度の納付率は、平成22年度の対前年同月比と比較すると、納付率の隙間がほとんどなくなってきていた。
いま、平成24年3月30日にプレス発表された「平成24年1月末の国民年金保険料の納付率」のデータをみると、全国ベースでは、0.7ポイント納付率が下がっている。ちょうど11月末ぐらいまでのデータだと、0.2ポイント程度の下落にとどまっており、10月末であれば、前年同期と比べて、ほぼ変わらないという状況で推移してきていた。私が思うには、無年金や低年金の人に、年金が加算してもらえるという報道が、昨秋ぐらいから、だいぶ頻繁に出てきていたと記憶している。市町村の窓口で、資格取得や納付勧奨の手続を進めても、年金の額が低くても加算してもらえるのでしょう、というような反応が出てきているという話を担当から聞きました。ですから、現年分の納付率が落ちてきている理由は、私は不整合3号の問題というよりは、この秋頃から下落してきている状況と時点を踏まえると、無年金でも低年金でも年金が加算してもらえるという報道が影響しているのではないかと考えている。実際に、加算されるのは老齢基礎年金や免除期間の部分であっても、一般的には正確に伝わるわけではないですから、そういうものが影響して、現年分の納付率が低下しているのではないかと考えているのですが、その辺は、どのように判断されているのか、お伺いします。
それから、先ほどお話のあった、【資料2-3】10ページの「強制徴収の着実な実施」ということで、「一定の所得」がある方について強制徴収していくということですが、「一定の所得」というのは、いくらぐらいを考えられているのか。以前お話があったように、1,000万円なのか、500万円なのか、あるいは違う金額なのか。「一定の所得」が低ければ低いほど、どうしても対象者の数が増えてしまい、現在の年金事務所の職員体制ではその対応が厳しいと思います。1,000万円なら1,000万円の所得のあるところにターゲットを絞ってやることによって、それが報道されたり、いろいろと口コミで伝わっていったりして、滞納すると大変なのだ、差押えされるかもしれないということで、納付につながっていくのではないかと思います。この「一定の所得」の基準額、現時点でどの程度を目安にされているのか、お伺いします。
最後に3点目です。【資料2-3】の同じページで、収納対策強化指定年金事務所の指定ということで、指定という文言がつきました。【資料2-4】の「平成23年度の行動計画」では、38ページをみると、ただ単に収納対策強化事務所と記載されていました。しかも、数十か所程度を指定し、指導を徹底するという記述があります。一方、平成24年度は収納対策強化指定年金事務所の指定ということで、どういう基準で、どの程度、何ケ所ぐらいを指定して納付率向上に取り組んでいく予定なのかについて、お聞かせ願いたいと思います。
以上です。
○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
ただいま長沼委員から3点、御質問いただきましたので、お答えしたいと思います。
まず1点目は、国年の今年度(現年度分)の納付率の状況であります。資料をご覧いただいたほうがよろしいかと思います。資料の2-4、33ページをご覧いただきたいと思います。先ほど理事長からも御説明いたしましたけれども、ここに折れ線のグラフが書いてあります。色分けしておりませんが、「▲」でつないだものが23年度の数字でありまして、一番下であります。これを見ていただきますとわかりますけれども、10月(11月末)の数字でありますけれども、これが23年度56.5ということでありまして、直近で言いますと、12月(1月末)の数字が57.2ということで、10月ぐらいまではほぼ前年度と同じぐらいで納付率推移しておりましたけれども、11月(12月末)、12月(1月末)の数字でありますけれども、これが前年度から少し離れて乖離をしてきているという状況であります。
これは長沼委員の分析もありましたけれども、実は不整合3号につきましては、昨年の11月末から1号被保険者について、本来、3号の方については種別変更すると。直近2年間にそういう不整合期間のある方について、システムで抽出をしまして、これは種別変更する取組をしました。これはどういうことになるかといいますと、国民年金の納付率は、納付対象となる月数で実際の納付月数を分子にして納付率を出しますけれども、要するに3号だった方について1号にしますので、分母の納付対象月数が拡大をします。特に今まで3号だった方を1号にしましたので、すぐに納付に応じていただけるわけでも必ずしもないということでありまして、11月末から、こういった種別変更の取組を始めましたので、実際に12月末の数字、1月末の数字は、まさに不整合3号の種別変更の影響が直接的に出ているのかと思っております。
もちろん委員がおっしゃられたように、低年金者についての年金の加算というような話等も影響はなかったとは言いませんけれども、基本的には今申し上げましたような種別変更の影響が直接的に乖離の大きな要因になっているのだろうと分析をしています。
それから、2点目でありますけれども、国民年金の強制徴収の着実な実施ということで、一定の所得についてどういう線引きをしているのかという御質問でありますけれども、ここは実は10ページの24年度の年度計画の文章を読んでいただければわかりますけれども、「一定の所得があり、保険料免除や学生納付特例の対象とはならない者」ということでありまして、23年度は強制徴収の対象者については、所得が500万円以上と考えていましたけれども、24年度の取組におきましては、特に所得については幾らということでの基準は設けない形にしています。ただ、実際の取組においては、すべての対象者、かなり人数も多くなりますので、ある程度所得の高い層を中心に重点的に優先順位をつけてやることはありますけれども、基本的にはこの所得について、幾ら以上だから強制徴収の対象にするという位置づけにはしてないということであります。
それから、3点目、同じく10ページにあります収納対策強化指定年金事務所の件でありますが、これは23年度の年度計画においては、御指摘のとおり、指定年金事務所ということは年度計画上位置づけておりませんけれども、行動計画で指定年金事務所の制度、初めての取組ということで始めております。23年度は実際に29の年金事務所を指定しまして、ブロック本部からも強力にいろんな指導をするという形で納付率の改善に取り組んできた経緯がございます。
29年金事務所について、そういう形で、もともと悪いところを指定して、できるだけ指導強化をするという取組をしてまいりましたけれども、我々が想定したほど29の指定年金事務所の成績がよくなったということでは必ずしもない状況にありますので、今年度につきましては、少しどういったところをまた指定をするのか。それから、実際の取組指導についてどういうことをするのかということを、もう一度練り直して、取組をしたいと考えているところでございます。
以上であります。
○大山部会長代理
1つお願いと1つ感想なのですが、今の3号のお話を伺って、実は国民年金の納付率はもっと悪かった。今までの数字より悪い、本来は悪い話が事実だったということの確認でショックだなと思ったというところが1点です。
2つ目、これはお願いなのですけれども、「ねんきんネット」のお話、先ほど来いろいろ出てきて、年金の記録の問題を含めてさまざまなこの先のことを考えると、ネットでID・パスワードも出されてきているようでありますけれども、一方では、事務局コードの収録の話を含めて対応なさっていると思います。ところでということでちょっとお聞きしたいのは、ID・パスワードを含めた発行の仕方、すなわち情報をいろいろ多くの人に提供していくときに、記録問題の解消につながってきた例があるのかというのを実は教えていただきたいと思っています。基本的に年金の記録をお持ちというふうに、何らかの形で記憶を持っている方がいらっしゃるとは思うのですけれども、申し出てくるのがなかなかいろんな意味で大変ということもあって、あるいは言ってもどうせ年金もらえないから変わらないと思っていらっしゃるかもしれないし、さまざまな要因があるとは思うのですけれども、これだけ記録台帳との突合せも含めて御苦労なさって、経費とともに手間暇、費用をかけてやっているわけでありますので、一回全体を見る意味で、ねんきんネットなのか、あるいはかつては公的雇用サービスで申し込むような話もありましたし、その辺のところは記録問題解消との関係を一度整理して教えていただけるとありがたいと思います。これはお願いです。
○日本年金機構記録問題対策部長
今、後半のほうの御質問ですが、先生がおっしゃられたのは、「ねんきんネット」を使って、どのくらいの人が実際回復したのかという具体的な件数とか、そういうことですか。
○大山部会長代理
回復した例があれば、そこはどういうきっかけでうまくいったかというのを含めて、例があれば知りたいと思ってものですから。
○日本年金機構記録問題対策部長
この場で簡単に御説明しますが、例えば去年稼働開始当初、沖縄県の60代の女性の方ですけれども、御自身が「ねんきんネット」が始まったというので、息子さんと一緒に自分の記録を見ていたら、昔、働いた時の記録が抜けているというケースがありました。ねんきんネットというのは、年齢別に20歳のときから時系列で一覧表が出ていますので、この女性は、結婚する前だけど、働いていたという記録があるということで、コザの年金事務所に行かれまして、その申立てをされました。実際被用者年金が見つかりました。ねんきんネットの場合、表示が非常にわかりやすくなっていますので、そういうふうに活用されている例を把握しております。
ただ、1点申し上げますと、先ほど矢崎が申し上げましたように、これからねんきんネットは年金機構の第三の窓口として、記録問題だけではなくて、一般の業務ツールとして育てていきたいと、このように思っております。
○大山部会長代理
ありがとうございます。そこまでそういう例があるのであれば、次に確認なのですけれども、ID・パスワードの発行の仕方について、ある意味、記録とつながってない方のような場合、御本人は多分年金をお払いになったことがあるという前提でいいと思うのですが、そうすると基礎年金手帳はもらってはいるんだけれども、手元で年金番号がわかってないとか、何でも結構なんですけれども、何かの形でID・パスワードの発行というやり方について、今は提供、例えば定期便、何らかの通知の中に入れて今回やろうというお話もありますけれども、それは相手が捕捉できている人の例ですね。そうでない方に対するものがこの後、だんだん残ってくるのかなと。そういったところに対してはどういうふうに。それが結局最後は住民票コードとの収録との関係にもいくのかなと思うので、次のステップまで、今日でなくて結構ですから、またお考えいただければと思います。
○日本年金機構記録問題対策部長
はい。
○西沢委員
資料2-3で意見と、もう一つ、リクエストですけれども、資料2-3の11ページ目で、木間委員も御質問されましたけれども、周知活動を集中的に行う。特に大学生・若年者に関してはといいますけれども、私の印象だと、周知をしても、残念ながら年金制度に対する漠然とした不安感や不信感は、周知だけで払拭できるものではないと思うのです。年金制度の実像がわかると不信感、不安感が払拭されるものではなくて、制度にはメリットもあれば、今、課題も抱えているわけであって、両方がバランスよく伝わることが必要で、それによって不信感が軽減されることはありますし、すばらしい取組だと思いますけれども、日本年金機構の方が説明される際にも、納付率アップのためのセールスマンであってはいけないと思うんですね。メリットだけを伝えるというのではなくて、デメリットなり、現状の抱える課題なりもバランスよく是非伝えていただく上で、ただ、若い方は障害基礎年金に入らないと障害基礎年金もらえないといった知識もまだお持ちでないでしょうし、年金を払うことによって賦課方式で高齢者の年金が支えられているということも御存じないでしょうから、そこを単なるセールスマンでなくて、バランスよく伝えていただくというのがお願いといいますか、意見です。
もう一つ、お聞きしたかったのは、冒頭理事長がおっしゃった7万人の方がというのは、初動として報告いただいたと思うのですけれども、どういった経緯で起きたのかとか、レポーティングを後ほどしていただけたらと思います。単に責めるということではなくて、もしかしたら職員の方が忙しすぎてそうなっていったのかもしれませんし、そこはフェアに後ほど教えていただけたらと思います。
○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
1点目ですが、皆さんにもパンフをお送りしたいと思いますけれども、その中では当然ながら日本の平均寿命の延びや高齢化とか、そういった現象があるということとか、おっしゃいますように、賦課方式は世代、世代の支えといった表現を使っていますけれども、そういう話とか、それがマクロ経済スライドにどうつながっていくかとか、それから、当然社会保険方式ですので、制度に加入しないと障害年金も出ませんとか、あと人生スゴロクみたいなやつとか、年金に関するエッセイ募集をやっているのですけれども、若い方とかお年寄りのエッセイなども載せてそれなりに工夫はしています。一度また見ていただいて、いろいろお知恵をいただきたいと思います。
ただ、正直言って、わかりやすくコンパクトに作ったつもりですが、これでも大学生で難しくて読まないのではないかと言われている面がありまして、いろいろこちらは気持ちがあって、いろんな情報を詰め込んでしまったのですけれども、これが果たしてよかったかどうか、また現場の声も聞いて改良したいと思います。
○日本年金機構副理事長
2月の定期支払いにおける源泉徴収の過徴収の問題ですけれども、端的に直接の原因ということで申し上げますと、実は毎年秋に税金がかかると思われるぐらいのラインの年金の方について扶養親族の申告書をお送りする。基本的には前の年と状態が変わってなければ、そのマルだけつけて出していただくとといった格好になっております。その種のものについては基本的に機械で処理をして、要は変わってないということで源泉徴収額を決めていくということをやるのですけれども、その機械処理がはじかれるものがあるのですね。例えば汚れているとか、そういうことではじかれるものについては、別途その情報を入力してテープをつくります。そのテープを読み込ませてお支払いをするという流れになるわけですけれども、つくられたテープのうち1巻、委託先の事業者の段階でのあれなのですけれども、1巻読み込ませるのを失念したというのが原因でございます。
私どもとしても、今、先ほど理事長申し上げたように、直接の原因はそうですけれども、そのほかに過程でいろいろ問題がなかったのかということも含めて、今、検証いたしておりまして、とりあえずの手は打っておりますけれども、更に手を打たなければいけないところがないのかというのを詰めてまいりたいと考えております。
○本田部会長
それでは、時間も参りましたので、これで終わりにしたいと思いますが、今日もいろいろと委員の皆さんから機構に対しましてアドバイスやら、また、質問があったと思いますが、是非それを活かしてやっていただきたいと思います。今日の意見等も踏まえて、6月の事業報告ということになりますので、そこはよろしくお願いをいたしたいと思います。
それでは、次回の日程につきまして、事務局から。
○事業企画課長
次回の日程につきましては、6月中旬を予定してございますけれども、後日、改めて日程調整をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○本田部会長
それでは、本日の会議はこれをもちまして終了します。本当に今日はどうもありがとうございました。
※(連絡先)
厚生労働省年金局事業企画課
03-5253-1111(内線3574)
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(日本年金機構評価部会)> 第14回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録