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2011年9月30日 第3回社会保障審議会短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会 議事録
年金局年金課
○日時
平成23年9月30日(金)
10:00~12:00
○場所
中央合同庁舎第5号館 厚生労働省
低層棟2階 講堂
○議題
1.開会
2.議事
(1)(ヒアリング)独立行政法人労働政策研究・研修機構
研究所長 浅尾裕氏
(2)今後のパートタイム労働対策に関する研究会報告書について
(3)事業主団体・労働組合等へのヒアリングについて
3.閉会
○議事
○遠藤部会長 皆様、おはようございます。定刻になりましたので、ただいまより第3回「短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会」を開催したいと思います。
皆様、お忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます。
本日はお手元の配付資料の座席表では藤田政務官に御出席いただく予定でございましたけれども、政務のため残念ながら御欠席となりましたことを予め御了承いただければと思います。
次に、本日の委員の出欠状況でございますが、岩村委員、岡崎委員、久保田委員、齋藤委員、白波瀬委員、高岡委員、福田委員からは御欠席の御連絡をいただいております。
なお、岡崎委員の代理として堀川参考人、久保田委員の代理として藤原参考人、福田委員の代理として浜野参考人の御出席につきまして御承認いただければと思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、配付資料につきまして事務局から連絡をしていただきたいと思います。お願いします。
○梶尾年金課長 おはようございます。年金課長でございます。
お手元の資料ですけれども、議事次第、座席図、名簿の後に、資料1-1と資料1-2ということでJILPTの浅尾所長の説明資料とその附属資料でございます。
次に、資料2-1、2-2、1枚紙で2-3ということで、「『今後のパートタイム労働対策に関する研究会報告書』概要」と本体、そして1枚紙は関係する平成20年の法律の内容でございます。
資料3は「事業主団体・労働組合等へのヒアリングについて」というものがございます。
最後に、参考資料ということで、昨日の年金部会の資料2であります「第3号被保険者制度の見直しについて」という資料でございます。中身はこれまでの第3号被保険者制度に関する検討結果などが付いておりますけれども、後ろの方、25ページ以降に夫婦共同負担という保険料を夫婦で共同負担しているという考え方に立ちます提案についての論点等を記載しているものでございます。参考までにお配りさせていただきました。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、恐縮ですけれども、カメラの方はここまでということでお願いしたいと思います。
議事に入らせていただきます。
本日は議題が3つ程ございまして、まず最初に、委員の皆様から御要望の多かった短時間労働者の実態把握に関しまして、独立行政法人労働政策研究・研修機構からのヒアリングを行いたいと思っております。
第2に、労働政策との連携を図っていくために、厚生労働省雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課に「今後のパートタイム労働対策に関する研究会報告書について」の説明をお願いしたいと考えております。
3番目に、次回以降に事業主団体・労働組合等へのヒアリングを予定しておりますけれども、その内容に関する議論を行いたいと考えております。
さて、これまでの議論でございますけれども、その中で適用拡大の対象となる短時間労働者の実態に関するデータを示すべきという御意見が多かったと思いますので、まずこうしたことに関する研究の蓄積が豊富にございます独立行政法人労働政策研究・研修機構からのヒアリングを行うことといたしまして、委員の皆様との質疑応答の機会を設けたいと考えております。本日は同機構の浅尾裕研究所長にお越しいただきました。まずは浅尾所長から配付資料を基に発表をお願いしたいと思います。
それでは、浅尾所長、よろしくお願いいたします。
○浅尾所長 事務局の方から短時間労働者、所定労働時間の短い方々の就労実態について何かデータがないかという御照会をいただきまして、それほど深いものは今無いのですが、最近実施しました調査の中で、所定労働時間を調べているものがありますので、週所定労働時間だけ集計した結果を御提示することとさせていただきたいと申し上げまして、本日この場でデータの御提供をすることは大変ありがたいことと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、JILPTで行いました調査の中で所定労働時間を把握しているものが3つばかりございましたので、それを今回集計の対象にしたところでございます。
1つ目が「日本人の就業実態に関する総合調査」でございます。これはJILPTが、定期的に日本人の就業実態を把握するために定点観測的にやろうということで、実はこれが第1回目の調査でございまして、これから定期的にこのような調査を継続的にやっていくことを考えているところでございます。
2つ目が「短時間労働者実態調査」でございまして、これは後ほど御説明があると思いますが、改正パート労働法の施行後2年を経過した時点でのパートタイム労働者に関する雇用管理等の実態を把握することを目的に、特に厚生労働省の関係部局の方からの御要請に基づき実施したものでございます。
3つ目が「多様な就業形態に関する実態調査」でございまして、これはJILPTのプロジェクト研究の一環といたしまして実施したものでございます。
それぞれの目的、調査の概要、実施結果、有効回答等はそこに上げてございますが、1番目の「日本人の就業実態に関する総合調査」は、いわゆる人口を対象にした調査でございまして、自営業とか無業も調査した中に入っているという特徴がございます。
2番目の「短時間労働者実態調査」はパート労働法の関係でございますので、事業所調査と個人調査がございますが、個人調査の方はいわゆる短時間労働者を対象にしたものでございます。
3つ目の「多様な就業形態に関する実態調査」はいろいろな雇用形態の実態把握を目的としたものでございますので、非正規だけでなく正社員も含めた調査になっております。この点だけは御承知置きいただければ幸いでございます。
2ページ目でございますが、それぞれの調査で週所定労働時間がどのように把握されているかということを書いておきましたので、御参照いただければ幸いでございます。
3ページ目以降は集計結果でございます。これは人口全体を対象にいたしました「日本人の就業実態に関する総合調査」の方からの図でございますが、そこで集計してみますと、今回特に関心があります週所定労働時間20時間台の方々、この調査は20歳以上65歳以下の方々を調査させていただいたのですが、人口の5%程度がそのような週所定労働時間で働いていらっしゃるという結果になっております。
男女別に見ますと、女性の方が多くなりまして、女性の中には8.0%の方がそのような週所定労働時間で働いていらっしゃるということでございますが、男女計での人口比較といたしますと、男性が0.8%、女性が4.2%でございます。そのようにやはり女性の方がものすごく多いということがわかると思います。
年齢別に見てみますと、男性は60歳代の高年齢者の方々のところで割合が多いということが言えると思いますし、女性は高齢者もそうですが、特に中年層、30歳代後半~50歳代にかけての中で、こういう週所定労働時間20時間台の方々が占める割合が高くなっているという傾向がございます。
下の方で性別と未既婚で集計したところ、やはり女性の中では既婚者の方々の方がこういう週所定労働時間20時間台が多くなっているというデータになっております。
4ページ目が20代からこういう形で分析しております結果でいうと、1つやってみたんですが、ライフステージ別にやってみますと、やはり男性は高齢期の方々の中で多い、女性は子育て期の方々が多いということがわかります。
図表2の女性の方の下から2番目は、いわゆる母子家庭、母子世帯の方々。その方々が多くなっているということがございます。
次の5ページ目でございます。ここ以降は週所定労働時間別に集計したものを御紹介したいと思います。
1つは年齢でございますが、図表3の上段は男性、下段が女性でございます。週所定労働時間20時間台だけを御紹介いたしますと、60歳代の方々が半数以上を占める、高齢者の方が多くなっているということでございます。女性の方々は先程と同様になりますが、20時間台は中年期の方々、40歳代50歳代の方々の占める割合が高くなっているということが言えようかと思います。
この図表は結構わかりやすいですけれども、これから、わかりにくいグラフが出てまいります。そのときは別添でわかりにくそうなグラフのバックデータを附属資料として付けておりますので、少し字が細かく見づらくて恐縮でございますが、御参照いただければ幸いでございます。
元に戻りまして6ページ目でございますが、学歴で見ますと、週所定労働時間の短い方々は男性につきましては高卒の方々が多いということが言えようかと思います。これは高齢者の方が多うございますので、世代効果の方が出ている面もあると思います。女性につきましても高卒が多いと言えますが、それとともに短大卒も週所定労働時間30~35時間未満と比べると多くなっているということが言えるかと思います。
7ページ目は、配偶者の有無でございますが、男性の方々は週所定労働時間が短くなると無配偶者の方々の割合が高くなるという傾向がありますが、女性の方は逆に週所定労働時間が短い方々は有配偶者、結婚されている方の割合が高くなるという傾向がございます。
8ページ目は、末子年齢でございますが、男性はやはり高齢者が多くなりますので、末子年齢の方も高い方々が多くなっているのは当然かと思います。女性につきましては、むしろ週所定労働時間が短い方々が末子年齢が相対的に低い層が多くなっているということが言えるかと思いますが、週所定労働時間30~35時間未満に比べますと20時間台の方々は7~12歳の小学生と、16~18歳、高校生の子どもを持っていらっしゃる方々の割合が相対的に高くなっているという結果が出ております。
次の9ページ目に参ります。左下の方にどういうライフステージを考えていたということを若干書いておりますが、そういうふうに見て参りましても、これまでと同様に高齢者の方々が多くなっているということが言え、半数以上がこういう方々です。女性は子どもさんを育てていらっしゃる時期の方々が多くなっているということがございます。子育て期の方々の3分の2が週所定労働時間20時間台で働いていらっしゃるということがございます。
10ページ目が就業状況でございます。産業構成がそこにございます。若干見にくくなって参りますが、そこに書いた建設業、運輸業、卸売・小売業、対個人サービス、医療・福祉が多くなっております。女性は卸売・小売業、対個人サービス業が多くなっておりますが、相対比較から言いますと対個人サービス業、卸・小売業、医療・福祉の3業でそれぞれ多くなっていることが言えるかと思います。
11ページ目でございます。企業規模でございます。男性の場合は相対的に規模の小さい企業で働く人の割合が高くなっているわけでございます。女性の場合も揃ってそういう傾向が見られますが、男性よりは規模の大きいところで働く方々も相対的に割合が高くなっているということが言えるかと思います。とりわけ週所定労働時間20時間台の方々を見ますと、100人未満の企業で働く方々が32.0%、次いで1,000人以上の企業が23.6%となっております。
12ページ目は、雇用形態です。法的には短時間労働者なのですが、職場ではどういう呼び方をされているかというと、「パート」という方が多うございます。特に男性の場合、いろいろな形態の方々が含まれている、いろいろな呼称の方々が含まれているということが言えるかと思います。特に正社員という取扱いの方も10%程度いらっしゃるということでございます。女性の場合につきましては7割、大部分が「パート」という呼称で呼ばれていることになっているわけでございますが、その他の方々もいらっしゃるということでございます。男性の場合に比べまして、正社員と取り扱われている方は非常に少ないということがございます。
以上が、どんな方々が週所定労働時間が短い層で多いのかということを見てきたわけでございますが、13ページ目以降は更に細かく分割いたしまして、週所定労働時間20時間台を2時間毎に集計してみようということで行ったものでございます。
ここで取り上げておりますのは、3つの調査の構成比を出したものでございます。週所定労働時間24~26時間未満の層が35~40%ぐらい、20~22時間が30%程度ということで相対的に多くなっております。
次にそれと同じようですが、構成は簡単でございまして、1日5時間で4日働くと20時間、4時間を5日働くと20時間になりまして、そういう週の所定時間と1日の所定労働時間をモデル推計しますと、20~22時間層か24~26時間層に入ってくることが多うございます。そういう書き方がこうなっているので、余り就業実態がどうのこうのというような理由はそれほどないのではないかと最近は考えております。
14ページ目は、1週間の出勤日数でございます。男性は1週間の出勤日数が少ない人が占める割合が高くなっている。週の所定労働時間はそれほど変わらなくて、出勤日数が少ないという形で週所定労働時間が短い方々が多い。特に20時間台では3日という方が半数以上を占めております。女性の場合につきましては、女性の傾向は男性ほど極端ではないということでございます。特に週20時間台の方々も52.8%については週5日勤務、週休2日制でフル出勤という形で働いているということが言えるかと思います。
駆け足で恐縮ですが、15ページ目は残業の有無でございます。男性は週所定労働時間20時間台では、16.1%の方々が残業をしたと答えておりますので、余りしていないのではないかと思います。女性の方々は32.5%の方々が残業していると答えていらっしゃいまして、20時間台を2時間毎に区分してもそれほど変わりはないということでございます。3分の1ぐらいの方々が残業があると答えていらっしゃいます。ただ、今日はデータを出しておりませんが、週の残業がせいぜい5時間の方が非常に多いという、それほど長い時間やっているわけではないということでございます。
16ページ目が就業の背景です。主たる生計維持者かどうかということで集計したものでございます。男性は7~8割、多くの方が自分こそが生計の維持者だと答えていらっしゃいますが、女性は逆に7割8割の方が配偶者が主たる生計の維持者であると答えていらっしゃるということでございます。
17ページ目は、短時間労働という勤務を選択した理由の中で生計維持の観点からどうなっているかということを見たものでございます。これは複数回答ですので、こういうグラフにするには問題があるのですが、敢えてこういうグラフにしたところでございます。男性は6~7割の方が主たる生計維持者として働いていると答えています。それに対して女性は主たる生計維持者や不可欠な生計維持者という方々は男性よりは少なくなっておりますが、家計の足しにするためという方が5~6割と多くなっているという傾向がございます。
18ページ目は違う調査で恐縮ですが、生計維持目的の就業選択が企業規模別にどんなことになっているかを見たいために集計したものでございます。細かい違いはございますが、大きな違いは企業規模別に見ても特にないということが言えるかと思います。細かい点はいろいろございます。
19ページ目が選択理由でございますが、短時間労働を選択した理由として「都合の良い時間(日)に働きたいから」を上げた方が男女とも多くなるのは当然かと思います。2番目に「就業調整ができるから」を上げた方々は、男性の場合は所定労働時間が短くなると高くなるという傾向になります。女性も見られますが、週所定労働時間20時間台の中を見るとそれほどの違いはないということが言えようかと思います。
20ページ目が年収と就業調整でございまして、図表18は年収の構成比を見たものでございます。ある意味では当然でございますが、週所定労働時間が短い方々は年収が低い方が多いということが言えようかと思います。御関心があると思う人は130万円未満の層の割合で書いておりますが、男性は週所定労働20時間台で44.3%、女性で90.2%となっております。
21ページ目は就業調整をしている割合でございます。これは先程の調査項目とは別に、就業調整をしていますか、していませんかという調査項目がありまして、それを集計したものです。男性は週所定労働時間20時間台の方々は30.9%、女性は41.6%となっております。女性につきましてはやはり20時間台層を細かく分けてもそれほど大きな違いはないということが言えるかと思います。
次の22ページ目が、就労調整をしている方々についてその理由というか、目的を聞いたものでございます。図表20の一番上がいわゆる103万円目的と言われる方々です。これは、男性は余りおらず、女性は6割の方々がこういう理由といいいますか、目的を上げていらっしゃいます。
中段のグラフは男性と女性に分けておりますが、男性が通常の労働者の週所定労働時間の4分の3というものを念頭に置いた就業調整でございます。余り大きな違いはありませんが、週所定労働時間が長くなるほど多くなっているということであります。女性の方の2番目が、税制上の配偶者の取扱いがなくなるということを念頭に置いて就業調整をしている方々が週所定労働時間20時間台で34.0%になっています。
下段のグラフが、男性の方は年金の支給調整を念頭に置いて就業調整をしているという方々でございます。やはり週所定労働時間が短くなるほど多くなっておりますし、女性の方のデータは130万円の年収において就労調整をする方ですが、大体4割台の半ばぐらいの方々がそういうふうな目的で就労調整をされていると書いていらっしゃいます。
余計なことですが、130万円も多いんですが、女性の方では103万円の方がかなり多いということが言えるかと思います。
23ページ目は余計なデータですが、この調査で厚生年金、健康保険は組合健保や協会けんぽのことですけれども、厚生年金や健康保険に加入していますかという加入状況を調査したものです。詳しくはデータをご覧いただければ幸いでございます。
24ページ目は、他にどういうものがあるか調査項目を見ていたんですが、1つは民間企業の話ですけれども、「正社員との取扱いが異なって納得できないものは何ですか」という問いです。その中で退職金や企業年金が納得できないと答えた方の割合でございます。女性は週所定労働時間20時間台の方々の2割近くのが企業の中で退職金や企業年金の取扱いに対する不満といいますか、納得していないということが言えるかと思います。
7番目は今後の就労希望でございまして、週所定労働時間の短い方々で「現在の会社で短時間労働を続けたい」という方々は多いわけでございますが、一方、「正社員に変わりたい」と書いた方々も少なからずいらっしゃるということでございます。女性の場合だけいいますと、14.6%ぐらいの方々が「正社員に変わりたい」という御希望でございます。ただ、この調査は「短時間労働者実態調査」の方の調査結果でございますので、調査対象の関係でパートさんだけの調査になっているという面がございます。そこは実態としてはもうちょっと高いのではないかと思います。
26ページ以降は、今度は正社員も入りました「多様な就業形態に関する実態調査」の方からの集計でございます。ここからは正社員も入っているということで御記憶いただければ幸いでございます。
26ページ目は職業別構成でございます。週所定労働時間20時間台の方々を見ますと、「専門的・技術的な仕事」や「事務的な仕事」の割合が高くなっていますが、相対比較から言いますと「保安の仕事」や「サービスの仕事」も男性の場合には高くなっていると言えようかと思います。女性の場合は「事務の仕事」や「専門的・技術的な仕事」、「サービスの仕事」の割合が高くなっています。相対関係からいくと「販売の仕事」も相対的に高いということが言えるかと思います。
27ページ目がちょっとややこしい図でありますが、仕事に含まれる業務の性格ということを集計したものでございます。図表24の上段がいわゆる判断業務、2番が専門的な業務、3番目が定型的な業務。仕事の中でこのような性格の業務がどれだけ含まれていると思いますかということを調査したものでございます。細かい点は割愛させていただきまして、週所定労働時間が短い方々も定型業務だけではなく、判断業務や専門的な業務に携わっていると考えていらっしゃる方も多いということが言えるかと思います。
役職には余りついていない方が多いということが28ページ目に出ております。
29ページ目は、転職とこれまでのキャリアでございまして、週所定労働時間が短い方々は転職を経験されている方や回数が多いということが言えるかと思います。
30ページ目は、そういう転職を経験された方々が初めて就いた職、初職といいますが、初職においては正社員の方も結構いらっしゃるということが言えるかと思います。ですが、初職の場合、相対的には正社員で勤労年数の短い方が多いとは言えますが、5年以上、10年以上の方々も結構いらっしゃるということが言えるかと思います。
31ページ目は、こういう方々の仕事に対する姿勢とか意欲を聞いたものですが、「指示されたことは着実にこなそうとしている」という調査項目でございます。指示待ち、それは完璧にやろうとしているということでございます。2番目は会社貢献を一応考えていると、3は自ら「スキルを高めようとしている」ということでございます。細かい点は割愛させていただきますが、週所定労働時間が短い方々におきましてもこういう指示待ちだけではなくて仕事への貢献を考えた方々もかなりいらっしゃるということが言えようかと思います。
11番目もちょっとややこしい集計になりますが、事業所がパートをどのような理由で活用するかどうか、その理由を該当するか該当しないかによって週所定労働時間別の構成比を集計した上で、その差をとったものでございます。図表29の真ん中の段は「長い営業時間に対応するため」とか「1日・週の中の仕事の繁閑に対応するため」ですが、週所定労働時間の短い方々をより活用しようとするのはある意味で当然かと思いますけれども、上の方の「1専門的業務に対応するため」とか、ほんのわずかになりますが、下の右側の「働く人のニーズに合わせるため」、要するに専門的な職業の方々を確保するためとか、働く人々のニーズを考慮するというところにも多少所定労働時間が短い方々を意欲的に活用するという結果になっています。ただ、右上の雇用量調整においてパートを活用している事業所かどうかについては、こういう週所定労働時間は関係ないということですので、当然といえば当然のことですが、事業所が週所定労働時間の短い方々を活用するに当たっては、やはり事業上の理由があるということが言えようかと思います。
駆け足で恐縮でございますが、私の説明はこれぐらいにさせていただきます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
ただいまの御報告につきまして、御質問、御意見がございましたら御自由にどうぞ。
佐藤部会長代理、どうぞ。
○佐藤部会長代理 確認が2つと質問です。
確認は、3、4ページのところのデータは、人口全体なので無業者も入れたところの比率ですね。例えば計のところの20~30時間が5.0%というのは無業者23.5%が入っているから、実際、無業者も自営などを除けばもっと増えるということですね。だから5.0%だけ独り歩きするという話です。
あと無回答が結構多いので、縦で見るときには、つまり比率が縦に比較できないですね。
もう一つ、11ページのところを見ると、1割くらい「公務」が入っていますね。後ろのデータは全部「公務」も込みになってしまっているのか。ただ、これは多分パブリックセクターに雇用されている非常勤の方だと思うので、女性の場合、20~30時間はそんなに多くないんですけれども、一応後ろの方のデータも入っているということですか。
○浅尾所長 それは入っていません。
○佐藤部会長代理 後ろは落ちているわけですか。
○浅尾所長 後ろは民間企業職員ということ。
○佐藤部会長代理 あと23ページ、ここは質問ですけれども、厚生年金や健康保険のどれに加入しているか、というのは多分個人調査で聞くのは結構難しいのですが、女性の場合、20~30時間を見ると厚生年金と健康保険は大体対応した形になっている。男性の方が厚生年金の被保険者として加入が16.1%で、健康保険の場合は46.7%。僕は制度のことはよくわからないですけれども、男性の場合、年金は入っていないけれども、被保険者として健康保険に入っているというのが46.7%もいて、厚生年金が16.1%とすごく少ないのです。女性の方は大体対応しているのでいいのですけれども、どう理解していいのか。あるいは制度的にはそうなのかちょっとわからないですけれども、それがもしお分かりであれば。
○遠藤部会長 浅尾所長、もしお考えがあればお聞きしたいと思いますし、あるいは他の保険者の方からも御意見があればお聞きしたいと思います。
それでは、事務局。
○西辻保険課長 事務局の保険課長でございます。
厚生年金と比べて、特に男性の方ですけれども、同じ時間帯、20~30時間ぐらいの方で、保険の方は健康保険に被保険者として加入している方が多いのではないかという御指摘だと思いますが、制度としては適用要件としては前回、前々回御説明しておりますとおり、厚生年金と健康保険は今、同じ基準でやっておりますが、健康保険の場合は会社を辞めた後も、本人が希望したらその被用者保険に一定期間残ることができる任意継続被保険者という制度もございますし、その辺りがひょっとしたら影響しているのかなということが制度的には考えられるところでございます。
○佐藤部会長代理 そうすると定年後の勤務延長とか再雇用で短時間になっているものも入っているのか。でも、働いているんですね。
○遠藤部会長 小島委員、どうぞ。
○小島委員 年齢が高い人です。
○佐藤部会長代理 高い人ですね。でも、辞めていなくて働いているんですよ。
○西辻保険課長 辞められて短時間勤務になるんですけれども、辞める前の会社の健康保険に引き続き1年半。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
小島委員、どうぞ。
○小島委員 被用者保険の1つに派遣健保というものがあって、派遣健保に加入している派遣労働者の方の中で、必ずしも厚生年金に入っていない人もいるということです。数は余りないと思いますけれども、そうした影響もあると考えます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
他にございますか。
霜鳥委員、どうぞ。
○霜鳥委員 20~30時間未満が5%という数字がありましたが、人数の規模として、その対象者の絶対数はどれくらいであるかなどの数字はお持ちでございましょうか。5%という数字はあるのですけれども、これは大体どれくらいの人数でしょうか。
○遠藤部会長 浅尾所長、お願いします。
○浅尾所長 該当者数が最初の1ページにございまして、全体が5,092人でございますので、この5%でございます。該当者数としては250人程度ではないかなと思います。
○霜鳥委員 確かに回答ではそうだと思いますが、正式に20~65歳の人口にこの5%をかければよろしいということになるんでしょうか。
○浅尾所長 多少考えないといけない部分はあるかと思いますが、原理的にはそうでございます。
○遠藤部会長 他にございますか。
中島委員、どうぞ。
○中島委員 例えば20ページの年収と時間数との関係などで、男性の方が女性に比して相対的に年収と時間数が高いようですが、男性の場合は、特に60歳よりも上の場合は、いわゆる企業の再雇用が入っていると理解してよろしいでしょうか。
○遠藤部会長 浅尾所長、いかがでしょうか。
○浅尾所長 それはかなり入っていると思いますが、高齢者の雇用安定法には再雇用の義務規定がありまして、かなりの部分、多分4割ぐらいだと思いますが、再雇用の形で就業継続しているということがございますので、雇用調査でも60~65歳の方々の多くの部分は、そういう再雇用による方々だと考えることができると思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
佐藤部会長代理、どうぞ。
○佐藤部会長代理 説明いただいたんですが、確認で5ページを見ていただくと、男性の場合、20~30時間未満は60歳以上が53.8%なので、今の定年年齢の分布を見れば大体この層は定年後の人が相当程度多いだろうと思いますので、そうだろうと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
他によろしゅうございますか。
短時間労働者の実情に迫る多様なデータをお示しいただきまして、大変参考になったと理解しております。浅尾所長、どうもありがとうございました。
引き続きまして、2番目の議題でございます。「今後のパートタイム労働対策に関する研究会報告書について」を議題にしたいと思います。
この報告書そのものは厚生労働省雇用均等・児童家庭局長が学識経験者の参集を求め開催されたもので、今後のパートタイム労働対策に関する研究会というものがございまして、その報告書という位置付けになっております。これにつきまして担当部局であります短時間・在宅労働課から大隈由加里均衡待遇推進室長にお越しいただいておりますので、御説明をいただきたいと思います。
大隈室長、よろしくお願いいたします。
○大隈均衡待遇推進室長 今、御紹介いただきました雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課でパートタイム労働法を担当しております大隈と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
私の方から、今後のパートタイム労働対策に関する研究会の報告書を御説明させていただきたいと思います。もう既に御案内とは思いますが、念の為、まず資料2-3ということで、現在のパートタイム労働法につきまして簡単に御紹介してから報告書に入りたいと思います。
資料2-3、1枚紙でございますけれども、ご覧いただければと思います。
このパートタイム労働法は平成5年から施行されておりますが、平成19年に改正されておりまして、今の法律は平成20年4月1日より施行されてございます。
法律の内容は大きく4つの柱がございまして、1番としてはまず労働条件の文書交付・説明義務ということで、事業主が文書で労働条件を明示するでありますとか、待遇についての説明義務もございます。
また、2つ目の柱の均等・均衡待遇の確保でございますが、これは全てのパートタイム労働者について賃金、教育訓練、福利厚生といったものについて正社員と均衡のとれた待遇の確保に努めていただくということになってございます。また、特にパートタイム労働者の中でも正社員と同視すべき方については差別的取扱いを禁止しているところでございます。この「正社員と同視すべきパートタイム労働者」でございますが、これについては職務の内容と人材活用の仕組み、これはいわゆる転勤ですとか配置転換でございますが、こういったものが正社員と同じであるということ、労働契約の期間の定めがない無期労働契約であること、こういったパートタイム労働者の方を正社員と特に同視すべきとして、正社員との差別的な取扱いを禁止するということになってございます。
3番目の柱といたしましては通常の労働者への転換の措置、周知でありますとか、試験制度でありますとか、こういったものも事業主に義務付けているところでございます。
また、4つ目の柱といたしまして、パートタイム労働者からの苦情につきまして、まずは事業所内で解決するという努力義務、それから、義務規定に関しての苦情につきましては都道府県労働局での紛争解決援助ですとか調停も制度として整備しているところでございます。
この法律につきましては、平成19年の改正時に施行3年後に見直しをするという規定が法律の中に設けられておりまして、そういったことを踏まえまして、今回、学識経験者の方にお集まりいただきまして研究会を開催したところでございます。
研究会の開催要綱、参集者でありますとか、開催経過につきましては資料2-2、少し大部の報告書でございますが、83、84、85ページの辺りをご覧いただければと思います。
参集者といたしまして佐藤先生にも入っていただきながら、専門家の先生から御議論いただきまして、今年の2月から10回ほど開催いたしまして、先般15日に報告書をとりまとめたところでございます。
報告書の内容につきましては、第1現状等の総論、第2今後の在り方ということでございますが、まずパートタイム労働の現状につきまして御説明をしたいと思います。
資料2-2、大部のものの54ページをお開きいただければと思います。この辺りから簡単にパートタイム労働の現状を御説明したいと思います。54ページの上の方の1番のグラフでございますが、これは御案内のとおり、現在パートタイム労働者は1,414万人いるということでございます。そして、雇用労働者全体の26.6%、4人に1人が週35時間未満の労働者であるということでございます。そのうち、下の黒いところ、約7割を女性が占めているというところでございます。
55ページの下の方のグラフ、4番でございます。これはもう既にこちらの特別部会の方でも御説明があったようでございますが、卸売・小売業、サービス業、製造業、医療・福祉、こういったところにパートタイム労働者が多い状況であるということでございます。
また、隣の56ページの6番でございます。これも御承知のとおりだと思いますが、企業規模100人未満のところにパートタイム労働者の半数の方が勤務いただいているという状況でございます。
57ページの7番の図表でございますが、これは男女別、年齢別にパートタイム労働者の属性を見てございます。男性につきましてはさまざまな年齢層で、また55歳以上で4割を占めるという状況でございます。他方、女性の方は35~54歳層が合わせて約半数を占めるという状況になってございます。
隣の58ページの9番、上の方のグラフでございますが、これはパートタイム労働者の平均勤続年数でございます。女性は大体5年を超え、男性も平均勤続年数は伸びてきておりまして、4年を超えているところでございます。
図表9番の右側の円グラフでございますが、これは勤続年数の分布をとっております。勤続年数5年以上のパートタイム労働者は、男性では4分の1、女性では約4割で、勤続年数も伸びているということが見てとれるかと思います。
また、パートタイム労働者の待遇の関係でございますが、58ページの10番のグラフでございます。これは年齢別に正社員とパートタイム労働者の1時間当たりの所定内給与額でございます。一番下の四角の点が打ってあるところが女性のパートタイム労働者の年齢別の1時間当たりの所定内給与、その上の一番下の線が男性のパートタイム労働者の時給、上の方の2つは男性の一般労働者、女性の一般労働者の時給でございますが、パートタイム労働者、特に女性の方につきましては年齢が変わっても時給が上昇することはない、年齢が余り評価されていないということが見てとれるかと思います。
また、59ページの図表の11番でございますが、これは勤続年数別に男性、女性、一般労働者、パートタイム労働者の1時間当たりの所定内給与を見ております。これも一番下に黒い実線がございますが、これが女性のパートタイム労働者の勤続年数別の時給、下から2番目の薄い実線が男性のパートタイム労働者、上の方の2つの実線は一般の男性、女性の労働者の1時間当たりの時給でございます。パートタイム労働者につきましては勤続年数が変わっても、特に女性の方で賃金が余り上がっていないということが見てとれるかと思います。
こういったことも踏まえまして59ページの12番でございますが、男性・女性それぞれに一般とパートタイム労働者の1時間当たりの時給の格差を計算いたしますと、女性についてはパート労働者は一般労働者の約7割、男性についてはパートタイム労働者は一般労働者の55%程度の割合になっているということでございます。
60ページの上の方の13番のグラフでございますが、これはパートタイム労働者の労働組合の組織率でございます。少しずつ上がっておりまして、現在、22年の数字では5.6%の組織率でございます。
下の方のグラフでは、労働組合がパートタイム労働者に関しましても各種取組を行っているということが見てとれる表になってございます。
こういったパートタイム労働者の全体の状況を踏まえまして、更に今回の研究会の中ではパートタイム労働法の施行後2年間の状況を調査いたしまして、その結果を検討したわけでございますが、法律の施行後2年間の状況につきましては、61ページ以降でございます。
61ページの上の15番でございますけれども、これにつきましてはパートタイム労働法の平成20年施行の後、何らかの措置を実施したという事業所が約6割になってございます。
また、その下の16番でございます。「H22」と書いてあるグラフでございますけれども、労働条件の明示、これはほとんど100%近い事業所で行っている。更に61ページの「H22」と書いた棒グラフの隣の縦の棒グラフですが、そこを見ますと、文書によって労働条件を明示している割合が9割近くになっておりまして、パートタイム労働法の一定の効果ではないかと考えられます。
また、パートタイム労働法の施行の効果といたしましては、66ページの上の方の25番のグラフでございますが、これはパートタイム労働者の賃金決定の際に考慮している要素につきまして事業所に調査いたしましたところ、能力、経験ですとか、職務の内容といったものを考慮する事業所が、地域での賃金相場、最低賃金を考慮すると答えた事業所よりも増えておりまして、こういったものも平成18年の別の調査と比較いたしましてもかなりパートタイム労働者の能力、経験等が考慮されてきている、パートタイム労働法の一定の効果ではないかと考えております。
他方、その下の66ページの26番でございますが、これは各種手当の事業所における実施状況でございます。例えば真ん中より少し右ぐらいにあります退職金などにつきまして、右側の黒い方が正社員に実施、左の方の白っぽい棒グラフがパートにも実施ということですが、例えば退職金などにつきましてはまだまだ実施率に差があるというような状況が見てとれるところでございます。
また、67ページの資料28番でございますが、これは教育訓練の関係でございます。下の方のグラフになりますが、平成22年、それぞれの項目について黒っぽい棒グラフが正社員に対する実施率、白っぽいところがパートタイム労働者に対する実施率でございます。特にキャリアアップのための教育訓練についてはまだ正社員とパートタイム労働者との間で実施率に差がある。棒グラフでいいますと左から4つ目になりますが、まだ実施率にも差があるということがわかるかと思います。
隣の68ページの上の方の29番でございますが、上から2段目の平成22年、これは正社員への転換措置でございます。実施している事業所がまだ半数程度ということで、これなどについてもまだまだ推進していく必要があるのではないか、まだ法律上の課題としてあるのではないかと考えているところでございます。
少し飛びますが74ページの41番でございます。これはもう既にこちらの特別部会でも御説明があった数字でございますが、平成22年でも25%の方が就業調整をしている。理由といたしましても、税、社会保険制度、企業の手当の支給基準といったものを踏まえての就業調整がまだ行われている、こういった論点につきましても研究会の中でも御議論があったところでございます。
こういった現状を踏まえまして報告書の内容でございますが、資料2-1の概要をご覧いただければと思います。
こういった現状を踏まえまして資料2-1の1ページの「2 検討に当たっての基本的考え方」ということでございますが、今後のパートタイム労働対策を検討するに当たっての基本的な考え方としては、大きく(1)にありますように、現行のパートタイム労働法もパートタイム労働者についての働き、貢献に見合った公正な待遇の確保を趣旨としておりますが、まだ課題もあるということで、更にそれを進める必要があるであろうというのが1つ目。
2点目といたしましては、(2)にございますように、今後、労働力供給が制約される我が国におきまして、パートタイム労働を積極的に活用していくことが雇用機会の拡大といった観点からも重要ではないかということでございます。
こういった基本的な考え方につきまして今後のパートタイム労働対策の在り方でございますが、3ページでございます。この報告書はさまざまな考え方を幅広く整理するという形になってございますが、研究会の中で、やはり一番大きな論点となりましたところが、3ページの一番下に書いてあります通常の労働者との間の待遇の問題でございます。特に先ほど御説明いたしましたように、正社員と同視すべきパートタイム労働者については差別的取扱いを禁止する。その同視すべきかどうかを判断する3要件として、職務、人材活用、無期というものがありましたが、果たしてこういった3要件を設けて一定の限定したパートタイム労働者についての差別的取扱い禁止でいいのかどうかというところが議論になりまして、1の(1)の1の標題にもなっておりますように、「パートタイム労働者であることを理由とする合理的な理由のない不利益取扱いの禁止」、諸外国の法制なども踏まえてこういった法制に転換していくことも必要ではないかというようなことが大きな論点となったところでございます。
2つ目の大きな論点といたしましては4ページでございます。(2)、こういったパートタイム労働者の不利益な取扱いを禁止するという法制とともに、パートタイム労働者全体の待遇を改善するため、他方でパートタイム労働の実態も非常に多様であることから、4~5ページのところですが、事業主の方が自主的にパートタイム労働者の雇用管理の改善を計画的に進めていただく、行動計画を策定していただくというような取組が重要ではないかという御意見がございました。この計画の中でパートタイム労働者の待遇の改善、教育訓練の実施、通常の労働者への転換といったメニューを様々選んでいただきまして、行動計画に基づき実施していただく。そこに政策的なインセンティブを付与し、取組を推進していくといった枠組みが今後重要ではないかという御意見があったところでございます。
一番大きな論点となったところはそういったところでございます。
また、9ページでございますが、「6(2)税制、社会保険制度等関連制度」でございます。就業調整はパートタイム労働者本人の職業能力の発揮や待遇改善の機会を阻害しているのではないかといった御議論も研究会の中でございまして、働く方に中立的な税・社会保険制度の構築を早急に図ることが必要であるという提言として盛り込まれてございます。
簡単ですが、研究会報告書は以上のような内容でございまして、今週の27日より労働政策審議会雇用均等分科会の方の公労使の3者の場に移りまして、今後のパートタイム労働対策を議論していくということになってございます。
簡単でございますが、説明は以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
佐藤部会長代理は研究会に参加されていて、何か補足はございますか。
○佐藤部会長代理 先程、雇用者に占めるパート労働者が増えてきて、今は26.6%という御説明があったんですけれども、あれは35時間未満です。皆さん御存じだと思いますが、パート労働法でいうパートタイマーは報告書の5ページの注11にありますように、その会社の通常の労働者、正社員を念頭に置いていただければいいんですけれども、その人の1日の所定労働時間より短いか、あるいは同じでも週の所定労働時間が短いということですので、例えば週所定労働時間が37.5時間の会社、そうするとそれが1分でも短ければパートタイム労働法の対象になるということですので、そういう意味では多分26.6%よりは多いであろうと思います。いわゆるパート労働法の対象となるパートタイム労働者はもっと比重が高いのではないかと思います。
もう一つは、今回の就業調整のことで、就業調整がパートタイム労働者の全体の労働時間とか賃金にどう影響するかというのは、いろいろと事務局から資料を出していただいたのですけれども、報告書の26ページの先行研究でいろいろな労働経済学者の推計ですと、就業調整をしている人としていない人だと、している人の方が22%ぐらい労働時間が短くなる、賃金も時間給が6%ぐらい低くなる。そういう意味ではそういう仕組みがあることによってより短い時間、かつ賃金も低くなっているということが、いろいろな研究であるのですけれども、そういう結果が出されている。そういうことを踏まえた上でパートタイマーの方の処遇改善、あるいはキャリアアップという点ではこの辺の取組が大事であろうということはこちらの研究会でも議論させていただきました。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、御意見、御質問を承りたいと思います。
中島委員、どうぞ。
○中島委員 2つ質問させていただきたいと思います。
まず1つは、この報告書の63ページの20、施行状況のグラフがございますけれども、平成22年におけるいわゆる正社員との賃金差の理由のうち46.6%が「そういった契約内容で労働者が納得しているから」との回答結果があります。これはパートタイム労働法でいうところの「合理的な理由」に当たるのかどうかをこの研究会の中で何か御議論をしているようでしたら少し教えていただきたいと思います。
それから、68ページ、30のところに、正社員への転換の実績ということで転換制度の問題がございます。転換に当たっては奨励金の制度など事業主にインセンティブを与えるサポートがありますが、これらの効果が出ているかどうかという評価や分析が必要であると思います。例えば69ページの31のところに正社員の転換措置を実施している、いないというのがあるのですが、その中に「その他」という項目があります。奨励金の制度などを使ったことによってこういうことをしたというようなことが含まれていると考えてよろしいでしょうか。
○遠藤部会長 大隈室長、お願いいたします。
○大隈均衡待遇推進室長 まず1点目でございます。パートタイム労働者が納得をしているということが取扱いを異にする合理的な理由かどうかということでございますが、現行のパートタイム労働法につきましては、先程申し上げた3つの要件に該当していれば、これは差別的な取扱いを禁止しておりますので、例えパートタイム労働者が、私は時給が低くていいんですと仮におっしゃっていたとしても、そうではなくて制度としてきちんとそういう方は正社員と同じ制度を適用していただきます。
今後のパートタイム労働対策についてでございますが、パートタイム労働者の納得性を向上させることも重要ではないかということも議論されておりまして、そういう中で労使協議というようなものも企業の中で行いながら納得性の向上を図っていくというやり方もあるのではないかといった論点もありまして、正社員と異なる制度を適用するかどうかに当たり、パートタイム労働者の納得性は合理的理由にはなりませんが、同時に納得性をどうやって向上させるかというような方策も研究会の中では御議論いただいたところでございます。
正社員転換制度でございますが、中島委員御指摘のとおり、正社員転換制度を導入した場合に、現在、奨励金を支給しております。地方の都道府県労働局の方に照会などがございましたとき、あるいは事業所に訪問に行ったときに正社員転換制度が導入されていないというときには、こういった奨励金もございますということで併せて御紹介をいたしまして、制度をとっていただきつつ奨励金も支給していくということでございます。ただ、何件支給したところで何件導入したかというところは、今、ちょっと手元にはないのですが、当然そういった奨励金の制度も紹介しながら転換制度を導入していただけるように指導なりをさせていただいているところでございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
中島委員、よろしいですか。
他にございますか。
貝谷委員、どうぞ。
○貝谷委員 大変興味深く拝見しました。56ページの下の6番のグラフなんですけれども、パートタイムの方がどういう企業規模別の分布になっているかを御説明いただきました。先程、最初の御報告にもありましたけれども、この場合の企業規模別というのは一般的にいわゆる法人としての企業ということかなとも思いますが、私はよくわかりませんけれども、チェーン店とか、恐らく企業の形態も全国展開している場合ですと、それぞれの一つひとつの事業所は大変小さくても、企業全体としては非常に大きな企業もありますし、そういう意味では企業規模と実際そこで働いている方々の職場の雰囲気というんでしょうか、規模がある程度一致するのか、あるいはそこは法人ということでくくっているのか、その辺りが分かればありがたいと思います。
○遠藤部会長 お願いします。
○大隈均衡待遇推進室長 委員御指摘のとおり、企業規模別で見ておりますので、企業として全体でくくっておりますが、それぞれそこに事業所が幾つもありますので、事業所ベースで見ますと更に小さい事業所で働いているパートタイム労働者の数はもう少し増えてくるのかもしれませんし、いろいろな施行の実態などを踏まえましても、やはり中小企業などでかなりのパートタイム労働者の方が戦力として活用されていることは、施行の現場の実感として感じているところでございます。
○遠藤部会長 貝谷委員、どうぞ。
○貝谷委員 社会保険の適用を拡大していくというのは、社会保険の適用ということを考えた時に、法人としての企業ということで一括適用してのケースは勿論多いと思いますし、個々の事業所単位での適用ということも両方あると思うので、これは事務局にお願いですけれども、事業所単位というんでしょうか、そういうものが多少分かるようなものがあれば、併せて今後資料として御提出いただければありがたいと思います。
○遠藤部会長 関連で、佐藤部会長代理。
○佐藤部会長代理 56ページのものは労働調査で、基本的に会社全体の従業員数、ただ正直言って、僕も東京大学で何人働いているか、多分これでいえば1,000人以上だろうと。ですから、そういうばらつきはあると思うのですけれども、勤務先の職場は5人しかいなくても、ほかにもあってというところは規模が大きいところです。会社全体です。確かに御指摘の企業と事業所規模のクロス表みたいなものは他のデータでわかるものもあるので、会社全体は大きいけれど規模が小さいところとかいうのはある程度ほかのデータで補足できると思います。
○遠藤部会長 そういう御指摘がありましたので、事務局としてそのようなデータがあれば少し整理をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
他に御質問、御意見はございますか。
それでは、大隈室長、どうもありがとうございました。
これまで2つの議題で様々なデータを出していただきまして、パート労働者の実態がある程度わかったかと思いますけれども、3番目の議題といたしまして「事業主団体・労働組合等へのヒアリングについて」を議題といたします。
今回のヒアリングは、有識者からのパートタイム労働者の実態について、いろいろな御報告を受けたわけでありましたけれども、次回は適用拡大によって影響を受ける業種の関係者へのヒアリングを考えているわけであります。それに伴いまして、ヒアリング対象団体をどこにするかということ、あるいはどういう内容を質問するかということについて議論をしたいと思っております。それに先立ちまして、事務局に原案をつくっていただきましたものですから、まずはそれを事務局から説明していただきまして、それをベースに御審議いただきたいと考えております。
それでは、事務局、御説明をお願いいたしたいと思います。
○梶尾年金課長 資料3「事業主団体・労働組合等へのヒアリングについて」という資料につきまして御説明をいたします。
まず、ヒアリングの日程でございますけれども、来月10月13日と24日の午前中に2回ということで企画してはどうかと考えています。ただ、この後の御議論をいただきまして、必要に応じて追加の回数も考える可能性もあるということかと思っております。
次に、ヒアリングの対象の団体の案でございますけれども、これまでの報告の中でもパート労働者の多い業種というようなことを念頭に置きまして、事業主団体については外食関係の団体であります日本フードサービス協会、流通・小売関係の団体であります日本チェーンストア協会、日本スーパーマーケット協会、日本百貨店協会といった団体、またこれらの中小規模の業界であります全国生活衛生同業組合中央会というところが候補になるのではないかと考えております。また、労働組合につきましては、こういった業種における労働組合ということで全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟、UIゼンセン同盟など、こういうことでどういった団体がよいかは検討ですけれども、そういった労働組合が考えられるのではないかということです。あとその他ということで、地域保険の国民健康保険を実施されている団体の中央団体であります国民健康保険中央会が候補になるのではないかということでございますが、その他にもこういった団体があればというのを御提案いただければと思います。
ヒアリングではどういった項目をお伺いするかということの案を2ページ以降に記載しておりますけれども、抽象的な項目だけというよりは、ある程度問題意識を明らかにしてお伺いした方がいいのではないかということで、項目を整理してみました。こういった項目について文書での回答を求めるとともに、ヒアリングの現場で説明と質疑応答をお願いし、特に事業主団体・労働組合には全体、後半の方は実態等について、そういったことをお伺いし、それ以外の団体は関係する項目についてというような整理ではどうかということです。
まず「(1)パート労働者の社会保険適用について」は、この問題についての考え方を教えてくださいということで、前回の資料3「適用拡大に関する考え方」というところで御議論いただきましたけれども、ああいったことについてどういったふうに考えておられるかというようなことです。
「1パート労働者に対する社会保険の適用拡大の必要性についてどう考えるか」「2被用者には、被用者にふさわしい年金・医療保険を確保すべきとの考え方について、どう考えるか」ということで、年金についての問題意識、医療保険についての問題意識を記載しております。
3は「適用拡大する場合の新たな適用基準のあり方についてどう考えるか」。その際、企業の事務負担の軽減とか、行政による適切な適用の観点から適用基準をできる限り簡潔なものにするのが適当という指摘もあるわけですけれども、そういったことについてどう考えるかということ。
4は考え方の大きな2個目に書いてありましたけれども、「社会保険制度における、働かない方が有利になるような壁を除去し、就労促進型、少なくとも中立なものに転換すべきとの考え方について、どう考えるか」。これは現行の適用基準による就業調整の発生が労働者の能力発揮や企業の生産性向上の機会を損ねたり、社会経済にマイナスの影響を与えているという可能性への見解も含むものであります。
5は「社会保険適用拡大に併せて第3号被保険者・被扶養配偶者の認定基準(年収130万円)の見直しを行うことについてどう考えるか」ということ。
6は前回の考え方の3番に書いてありました「企業の社会保険料負担を業種や雇用形態によって異ならない公平なものにすべきとの考え方について、どう考えるか」ということが大きな(1)です。
3ページは(2)で、ここはそれぞれの業界等における実態を教えてくださいということで、就業実態、雇用管理の実態についてということです。
1はその業種でのパート労働者のうち、その役割が家計においては補助的なものという方の割合はどれくらいか、一方で生計の中心、あるいは生計維持の必要性から就業している方の割合はどの程度ですかということです。
2は就業調整はどの程度の頻度で生じているか。それは企業経営への影響がありますかということ。
3は「労働時間の長いパート労働者と、労働時間の短いパート労働者とで、職務内容や人材活用の仕組み、賃金など処遇の面でどのような違いがあるか(雇用管理を分けているか)」というようなこと。
4は社会保険適用の有無でこれを分けている場合に、それはどうしてですかと。適用拡大が実施された場合はそれに合わせて変更するということが考えられるかということをお尋ねしてはということでございます。
4ページは適用拡大が行われた場合の影響についての見解になりますけれども、「1適用拡大が行われた場合の企業経営への影響はどうか。企業の規模や経営形態により違いはあるか。影響がある場合に、事業主は一般的にどのような対応をとると考えられるか」ということで、これも短期的にはどうか、中長期的にはどうかということをお伺いしてはということです。
2は適用拡大を実施した場合に労働者の方で時間を調整するという可能性はどの程度、あるいはどういった属性の方に生じると考えているか。
3はその際、就業調整が生じる一方で、より長い時間働くことを希望する人もいるのではないか。それは手取りの確保ですとか、あるいは就業調整の必要がなくなるということでやる。そういった方もいると思われるけれども、そういうことについてどうお考えかということです。
4は事業主側の方で時間の調整をするという可能性は考えられるかです。
5は事業主側の方として個々の労働者の時間を減らす代わりに人数を増やすという対応は考えられるか。ただ、それはパート労働者全体の人数に限りがあることとか、雇用管理が大切であるという面があるけれども、どういうふうな見解なのでしょうかということです。
6は適用拡大を実施した場合、保険料負担増分についてどのように対応するのかと考えられるか。価格転嫁なのか、賃金なのか、あるいは事業主で負担するということで、どういうふうに考えられるかということです。
7は適用拡大で短期的には保険料負担が増加するわけですけれども、中長期的には労働者の定着率の高まりや職業能力を高めて企業の生産性に貢献する可能性という指摘についてどういう見解かをお尋ねしてはということです。
最後の5ページは適用拡大による影響を緩和する方策としてはどんなことが考えられるかということで、そういう影響の緩和について社会保険制度の中でどんなような工夫がされるべきと考えられるかということ。
あるいは時間、「適用拡大を実施するまでに十分な移行期間を設けることにより、雇用管理の仕組みを見直して適用拡大による影響を緩和することができる可能性について、どう考えるか」ということ。
3は「当面の負担が大きくなる業種や企業に対する雇用政策、産業政策として取り得る方策として、どのようなものが考えられるか」。こういったことについて影響が考えられるような事業主団体・労働組合等にお伺いしてはというようなことで案をつくってみたところでございます。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、ただいま事務局原案が出されたわけでありますが、少し内容的に異なることがありますので、分けて御審議いただきたいと思います。
まず、日程でございますけれども、これはこういうような形でということです。
2番目のヒアリング対象団体の案が出ておりますが、これについて御意見、御質問はございますでしょうか。
坪田委員、どうぞ。
○坪田委員 ここに出ています事業主団体・労働組合という切り口でヒアリングしていただくのは特に異存はないんですが、やはり先程から出ていますように、短時間労働者の方が比較的規模の小さい企業に大勢いらっしゃるということなので、中小の小売業とかサービス業、あるいはものづくり、製造業、旅館・ホテルといった業種の中小の経営者の声も聞いていただく機会をつくっていただきたいと思います。
もう一つ、働く人の意見についてです。確かに労働組合の方からのヒアリングもよろしいかとは思いますが、難しいかもしれませんが、やはり無組織労働者の声を聞く機会も是非つくっていただきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
実行可能性もありますので、検討は必要かと思いますけれども、御意見として承っておきますので、このことについて何か事務局で今、コメントできることはございますか。
○梶尾年金課長 現時点ではございません。
○遠藤部会長 わかりました。
他にございますか。
瀬戸委員、どうぞ。
○瀬戸委員 ただいまの坪田委員との関連にもなるんですけれども、やはり中小企業という立場をお考えいただきまして、例えばビルメンテナンス業なんかもかなりパートの方を雇用して事業を実施しているというケースもありますので、是非そういったものも御検討の中に加えていただければと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
他にございますか。
藤原参考人、どうぞ。
○藤原参考人 経団連の藤原です。
前回2007年の改正時にもやはりヒアリングをかなりやっていまして、そのときにお呼びしたところで外れているところが結構あるんです。この案に入っていないところがたくさんある。全部呼ぶ必要はないと思うんですけれども、そのときにかなり強く反発をされていたところからは丁寧に聞いておいた方がいいのではないかということで、具体的には今、メンションがありました全国ビルメンテナンス協会、日本給食サービス協会、日本人材派遣協会が強く反対されていたと記憶しておりますので、こういうところもお呼びしてはどうか。それから、最初に浅尾所長から御説明があった、男性の高齢者の短時間労働が多くある業界としてはタクシーがございます。全国ハイヤー・タクシー連合会も是非事情をお聞きすることが必要なのではないかと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
御意見として承っておきたいと思います。
ほかにございますか。
小島委員、どうぞ。
○小島委員 パートタイム労働者の分布を業種別に見ますと、女性の場合は医療・福祉部門が卸・小売に次いで17%と高いので、その業種も組合もヒアリング対象に加えるべきです。
○遠藤部会長 わかりました、ありがとうございます。
他にございますか。
平田委員、どうぞ。
○平田委員 業種的には今、出ているところと重なるんですけれども、理由としましてなんですが、まずビルメンテナンス業界ですとかそういったところ、企業に占めるパート労働者の比率では非常に高く出ておりますので、企業における影響力と考えたときにはやはり必要かなと感じております。
もう一方で、先程、人材派遣業界とありましたが、業務請負もどうかなと思っています。と申しますのは、やはり製造関連で今、業請さんを使ってというところが非常に多くて、そこが吸収しているのかなと思いますのと、適用拡大が行われたときに、例えば今の4分の3要件が2分の1になったときに企業としてどういう対応をするかという調査を以前に私どもで行ったんですが、そのときの回答の一定割合に業務請負やそういった人材サービスを活用するという答えが出ておりまして、そういったところに労働需要が流れていく可能性があるかなと思っております。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
他にございますか。
中島委員、どうぞ。
○中島委員 ヒアリング対象先に国保中央会を入れていただきまして大変適切だと思います。地域保険ということで是非聞いていただきたいと思います。
併せて、切り口が変わってしまうかもしれませんが、パートで働く方が主たる生計者の場合とそうではない場合ということもありまして、例えば就業調整ができるタイプの方は主たる生計者が別にいるという前提になります。できましたらパートでありながら自らが主たる生計者であるシングルマザーの団体などを是非ヒアリング対象に入れていただくといいのではないかと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
多様な御要望が出たわけですけれども、佐藤部会長代理、どうぞ。
○佐藤部会長代理 今までの皆さんの意見なのですが、多分福祉関係で訪問介護、ヘルパーなどは圧倒的に短時間が多くて、前回のヒアリング以降すごく数が増えてきているので、かつここはかなり大事な部分なので入れた方がいいかなという気がします。
あと派遣と請負は一般的にはフルタイム勤務なので、優先順位からいえば低いかなと。一般的には派遣や業務請負は大体フルタイムが多くて短時間はそんなに多くないので、残業はないですけれども、そういう意味では伺っていて福祉関係はちょっと考えたらいいかなという気がします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
大体御意見が出尽くしたかと思いますけれども、当然制約もありますので、すべてに対応できるとは限りませんが、皆様の御意見を承った後、事務局と相談をしながら具体的な案に進めていきたいと思います。
次に、質問の内容でございますけれども、ヒアリング項目につきまして御意見をいただければと思います。これは(1)~(4)まで通しでどこでも結構ですので、御意見があればお願いいたします。
平田委員、どうぞ。
○平田委員 「(2)パート労働者の就業実態・雇用管理の実態について」のところに関しまして、こういうのはどうかなと思いました。何かと申しますと、具体的にはパート労働者の働き方、仕事内容ですとか責任などが正社員と比べて実際どうなのかということを質問に加えてはどうかなと思っています。
また、その際に勤続年数等の平均を聞くのも、貢献度というところではいいかなと思っています。と申しますのは、やはり事業における重要性、その企業が存続したり、あるいは運営していくことにおいてパート労働者がいかなる役割を果たしているかということと、被用者保険ということを考えたときに労働者性が関連するのかと思うんですけれども、その辺りのところが1つ論点になるのかなという感じがいたしまして、はっきりはしないんですが、そういうふうに思っております。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
他に御意見はございますか。
加藤委員、どうぞ。
○加藤委員 前回の議論で想定される主な論点として社会保険の適用事務のことが上げられておりましたので、社会保険の適用事務がどれくらい負担になるのかといったようなことを聞いてみてはどうかなと。そして影響の緩和策ということで、事務負担を緩和するような具体的なアイデアみたいなものがあれば、また聞いてみてはどうかなと思いました。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
○佐藤部会長代理 今のものに関連して、今回は賛成なんですけれども、雇用保険についても20時間で1か月の雇用期間で適用しているわけです。ですからみんなやっているわけですよ。現状では勿論社会保険を適用する窓口が違うわけですけれども、つまりコメントとして短時間の人を増やすと手続が増えるという議論があったんですが、それも雇用保険の方でどれくらい手続しているかも持っていると思うんです。ですから併せてその辺も伺えると、実際もう雇用保険については労働保険をやっているわけなので、ここで聞くかどうかは別として、今のお話を伺っていて僕はフォローしておいた方がいいかなと思いました。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
他にございますか。
霜鳥委員、どうぞ。
○霜鳥委員 3.ヒアリング項目(案)(4)の1ですけれども、「その際、社会保険制度の中ではどのような方策が考えられるか」と書いてありますが、これは恐らく適用の関係を全体としてどういう対策をとるかが非常に重要なので、別に社会保険とここでは考えない方がいいと思っております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
他に何かございますか。
坪田委員、どうぞ。
○坪田委員 例えば4ページの「6適用拡大を実施した場合に、事業主は保険料負担増分について、当面どのように対応するか」という設問について、これはもともと反対している方にそういう聞き方をしても仕方がないのではないでしょうか。何かこれは違和感がありますし、適用拡大による影響を緩和する方策までも聞くのは、答えられるのかどうか、私には理解できません。
○遠藤部会長 わかりました、ありがとうございます。
そういう文言上の問題でも結構でございます。
小島委員、どうぞ。
○小島委員 今のご意見は、適用拡大に反対している事業主はそうでしょうけれども、適用拡大やむなしと思っている事業主もあると思います。そういうところは答える、その時はどうするかというのがありますので、初めから質問項目自体を削るという話ではなく、答えられなければ答えなくていいだけだと思います。
○遠藤部会長 わかりました、ありがとうございます。
他にございますか。
藤原参考人、どうぞ。
○藤原参考人 まず、項目の前に進め方といいますか、議論の土台づくりを事務局にお願いしたいと思いまして、ここで質問項目を上げているものは前回の2007年のときの議論にもかなり各団体からお伺いしているところがございます。ですからマトリックスみたいな形で各項目についてもう既に埋められるところはたくさんあると思うので、そういうものをまず埋めていただいて、その時と状況が違うのかどうかというような聞き方をできる限りしていただくと、私どもも一々各団体から一から十まで全部聞くことをしなくても済みますし、各団体でどういう意見の違いがあるのかも横を見ればわかってくるということになるので、そこを是非事務局の方に整理していただきたい。その上で各団体に御質問していただきたいと思います。
それから、追加の項目としてといいますか、少し丁寧な質問の仕方をしてはどうかなということで、前回も申し上げましたけれども、今回は厚生年金だけではなくて医療保険、介護保険についても適用拡大をするということなので、そこの影響をもう少し意識してもらえるように質問項目を考えてはどうかなと。例えば医療ですと、高齢者医療への拠出金とか介護納付金が完全に乗ってきますので、こういうものも含めて負担をどう考えるかということを質問していただきたいですし、もっと言えば健康保険組合に対する財政への影響をどう見ているのかということについても是非お伺いしたいと思っています。
これも前回申し上げましたけれども、健康保険特有の問題として複数の事業所で働いている方についてどういう所属にするのか、どの保険者に所属するようにするのかということについても、もしお考えがあれば伺っておいた方がいいのではないかなと思います。
先程どなたか御発言がありましたけれども、パートで働いている方御本人のお考えをやはりどこかでお伺いしたいと思いますし、これからヒアリング対象になる団体の方でもそういうものを是非汲み取っていただいて、バイアスがかかっているから仕方がないという意見もあるかもしれませんけれども、なるべく現場で働いている方の御意見がこちらの方で聞き取れるような形で御質問していただければと思います。
先程どうせ反対するんだから書けないのではないかとか、言わないのではないかとかいう部分が幾つかあるとは思うんですが、そこが出てくるというのは結局この適用拡大の目的が何なのか、またはその優先順位は何なのかというところがまだ我々の方でもはっきりしていないということなのではないかと思っています。今日の最初の浅尾所長のお話を伺っていて、セーフティーネットが既にある方、例えば年金の3号被保険者とか、年金をもう受給しているような男性の高齢者、こういう方々と本来入るべきセーフティーネットではないところに入っている人とか、足りない人とか、こういう方々と少し分けて考えるとか、どちらを優先すべきなのかということも整理をしながら議論を進めていくべきではないかと思います。
以上です。
○遠藤部会長 いろいろな御指摘をされました。1つ確認させていただきたいのですけれども、今後もう少し整理をして議論をということでありますが、実はスケジュール的には既にヒアリングをする日程まで決めているわけです。従いまして、できれば本日中に皆さんの御意見をお聞きして、ここでまとまるものであるならばまとめて、まとまらなければ部会長預かりのような形で決めたいと考えております。また、かなり原点に戻って御議論するような印象を受けたものですから、そうなるとちょっと日程的にどうなのかなということなので、その辺はどうお考えなのか確認させてください。
○藤原参考人 原点に戻す必要はなくて、短時間労働というふうに最初この部会ではなっているわけですが、もともと集中検討会議では非正規労働者への適用拡大となっていて、それが短時間労働と括られているわけですが、短時間労働の中でまず適用拡大をすべき人は誰なのかということを考えれば、私は別に構わない、根っこから戻すような話ではないと思います。私も先程かなり意見めいたことを言ってしまいましたけれども、やはり適正なセーフティーネット、または相応しいセーフティーネットに入っていらっしゃらない方を優先すべきではないかというのが、私の今のところの考えです。
○遠藤部会長 わかりました、ありがとうございます。
ただいま藤原参考人がおっしゃられたようなことについてでも結構ですが、何か御意見はございますか。多様なことをおっしゃられたわけであります。特段ございませんか。
中島委員、どうぞ。
○中島委員 先程、藤原参考人からヒアリング方法のご提案がありましたが、これだけの質問項目を全部口頭で聞き取るのはかなり困難だと思います。過去のものを土台にというのは、その後、法改正とかいろいろな変化がありますから難しいかもしれませんが、少なくともヒアリングにおいでいただく団体なり個人に対して事前にペーパーでお出しいただくような形で私たちが見せていただけると、その場で聞けないことでも目で追いながら質問などができるのでよろしいかと思います。
○遠藤部会長 わかりました。それは今後の審議の仕方として非常に有効な方法の御提案だと思いますので、また検討させていただきたいと思います。
他にございますか。
今、多様な御意見を承ったわけですけれども、何か事務局の方でコメントはございますか。
○梶尾年金課長 質問項目につきましては幾つか御意見をいただきましたので、調整をしまして、また座長とも御相談させていただいて、1回目のヒアリングまで13日ということですので、特に早目にお送りした方がいいと思いますので、調整をしたいと思います。
あとヒアリング対象につきましては御意見をいただきましたので、回数の追加も含めて検討したいと思っております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
そうするとヒアリング項目については修正を早急にいたしまして、第1回のヒアリングに間に合わなければいけませんので、その間は本特別部会は開きませんから、そういう意味では先程申し上げましたように部会長預かりということにさせていただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。
ありがとうございます。
ヒアリング対象については、今、決めなくても多少、もう一回くらいは議論できるということでございますか。その辺はどうですか。
○梶尾年金課長 10月13日につきましては内々に準備を進めておりますので、それを行いつつ、今日の御意見を踏まえてこういった団体を含めたというリスト化をしまして、次回以降の会議でもお諮りできるのではないかと思います。
○遠藤部会長 そういうことで、ヒアリング対象についてはここでも少し御議論がいただけるということでありますので、そのように対応させていただきたいと思います。
ありがとうございました。
それでは、そのような形の準備を事務局には進めていただきたいということで、次回はヒアリングを行うということでございます。
次回の日程等について、事務局から何かございますか。
○藤原総務課長 本日はどうもありがとうございました。
まさしく今、御議論いただきましたヒアリングということで、次回は10月13日、木曜日の9時半、9時30分からを予定してございますので、どうかよろしくお願いいたします。詳細は追って御連絡を差し上げます。
○遠藤部会長 そういうことでありがとうございました。
それでは、本日の審議はこれにて終了したいと思います。どうもありがとうございました。
<照会先>
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企画法令第2係
電話番号: | 03-5253-1111(内線3336) |
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