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2010年7月6日 独立行政法人評価委員会調査研究部会(第46回)議事録

○日時

平成22年7月6日(火)9:00~11:00


○場所

経済産業省別館8階827会議室


○出席者

   田村部会長、鈴木部会長代理、田宮委員、岩渕委員、政安委員、酒井委員、市川委員


○議事

(以下、議事録)
 
○田村部会長
 定刻になりましたので、ただいまから第46回厚生労働省独立行政法人評価委員会調査研究部会を開催させていただきます。委員の皆様方には、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日は武見委員、清水委員、中村委員が欠席となっております。本日の議題は、お手元の議事次第のとおり、医薬基盤研究所の平成21年度業務実績に関する個別評価を行います。最初に、事務局から評価の進め方についてご説明いただきたいと思います。

○政策評価官室長補佐
 政策評価官室で室長補佐をしております安里です。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。例年と進め方は特に違いはありませんが、改めまして、個別評価の進め方についてご説明いたします。お手元の資料1-1-?@をご覧ください。こちらに、本日の調査研究部会における個別評価項目に関する評価の進め方をまとめています。
 例年どおりですが、最初に理事長から、法人全体の業務実績を説明していただきます。そのあと各個別項目を4つ程度のパートに分けて、法人から実績と自己評価を説明していただきます。パートごとに質疑応答を行って、委員の皆様にはSからDの評定と、その評定理由を「評定記入用紙」に記入いただければと思います。「評定記入用紙」は資料3-2として用意しています。例年見ていただいております「平成21年度業務実績評価シート」もありますが、皆様の記入のやりやすさと事務局の集計のしやすさを考えて、別シートとしていますので、こちらに記入いただくようにお願いいたします。
 今年度の評価については、やり方の手順は変わっていませんが、評価の際に留意していただきたいことが追加でありますので、ご説明させていただきます。資料1-1-?@の下に太い点線の枠で囲んでいる部分がありますが、昨年12月16日の独立行政法人評価委員会総会において、長妻大臣から、業務経費に冗費が生じていないか、法人の諸手当や法定外福利費が適切か、サービスの質を高める努力をしているかなどについて、厳正な評価を行っていただきたいと要請を申し上げました。こうした要請を踏まえて評価をしていただければと思っています。大臣から要請がありました点については、資料1-1-?Aを付けていますが、そちらに要素を括り出して紹介しています。
 また、例年、法人に作っていただいております平成21年度業務実績評価の別添資料、資料3-3があります。こちらは、例年ですと、政・独委の評価の視点に対応した事項を抜き出した形でまとめていますが、こちらに大臣から要請があった事項も含めて記載していますので、評価の際にご参考にしていただければと思います。対応する評価項目としては、例えば「機動的かつ効率的な業務運営」または「財務内容の改善に関する事項」です。先ほどご紹介した「評定記入用紙」の「機動的かつ効率的な業務運営」は最初の頁に、「財務内容の改善に関する事項」は最後の頁に表われてきます。こうした形で個別の評価をしていただいて、個別の評価が終わりましたら、各委員の評価を踏まえた評価書案を起草委員の方に作成いただきます。各委員の起草担当の法人は、資料1-2として「起草委員一覧」を付けています。ご確認いただければと思います。昨年度から変更はしておりません。
 評価書案の作成については、各法人の所管課と起草委員とで調整しながら案文の作成を行っていただきます。起草委員において作成いただいた評価書案については、8月11日午後1時半から予定しています総合評価を行う部会で、皆様にご審議いただく予定になっています。
 評価の進め方の最後の3点目、個別評価をご欠席された場合の取扱いについてご紹介いたします。調査研究部会については、いまご出席いただいていますので関係ありませんが、今後、別の法人を担当するときにご欠席になる場合もあるかと思いますので、ご紹介させていただきます。
 資料でいきますと、1枚めくっていただいた後ろのほうに3とまとめて書いてあります。まず、起草担当以外の法人の個別評価を欠席となっている場合は、評価をしていただく必要はないとしています。ただ、ご自宅等で、資料を送らせていただいていますので、送付させていただいた資料を基にご評価いただけた場合には、評価結果に反映いたしますので、欠席された部会の開催日からおおむね3日後までに政策評価官室まで、評定記入用紙のご提出をお願いします。なお、今年度の調査研究部会の個別評価に当たっては、起草委員ご担当の皆様はご欠席となる会はないと認識しています。評価の進め方については以上です。
 事務局として用意しましたもう1つの資料をご紹介いたします。資料2-1は、法人が行いました自己評定の一覧表です。調査研究部会で調査する3法人について、あらかじめ法人で自己評価をしていますが、その評価の一覧を付けています。また、参考までに、昨年度の評定結果を一覧できる形で右側に比較できる形で付けています。
 平成20年度は評定の結果です。自己評定のところは今回審議いただく年度、平成21年度についての法人の自己評定を書くことになっています。労働安全衛生総合研究所については、いまの時点でまだ自己評定が確定していませんので記入しておりませんが、1枚めくっていただきますと、本日の医薬基盤研究所についての情報が記載されています。
 続けて、資料2-2を付けていますが、こちらは過去3年間の評価結果をグラフ化したものです。各法人の自己評価の状況や他部会での評価の結果を視覚的資料として作成しましたので、評価の際に参考にしていただければと思います。事務局からは以上です。

○田村部会長
 ありがとうございました。それでは、医薬基盤研究所の個別評価に入らせていただきます。最初に、山西理事長からご挨拶と平成21年度の業務実績概要のご説明をお願いします。

○医薬基盤研究所理事長
 おはようございます。本日はお忙しいところ、医薬基盤研究所についてのご議論をしていただき、誠にありがとうございます。我が研究所も創立後約5年を経過しまして、確実に成果を上げています。私個人としても、5年前からやっていますが、5年前に比べますと、研究が随分進みまして、いろいろな成果を上げていくことができました。不断の進展があったと私たちは高く評価しています。
 この研究所は、過日もご説明しましたように、今後は次世代ワクチンの研究とか、iPS細胞を用いた創薬応用の研究、難病研究といった、厚生労働省にとって非常に重要な課題に特化して研究を進めています。我々の研究所は、決して大きな研究所ではありませんが、オンリーワンとか小さいけれどもピカリと光るとか、こういうのをキャッチフレーズにして、所員一同頑張って研究をしています。
 特に平成21年度は、完璧な成果を上げていまして、その一部をご紹介します。1つは、日本の主要製薬会社13社と共同で進めています、いわゆる毒性評価、トキシコゲノミクスと言いますが、このプロジェクトにおいて、将来有望なバイオマーカー候補を見付けていまして、中には企業でも実際に活用するということになっています。このような連携が評価されて、産学連携功労者表彰の中の日本学術会議会長賞をいただいています。これはこのプロジェクトの評価の話だけなくて、基盤研全体の橋渡しの研究というのが非常に大きく認められたものと思って喜んでいます。
 また、昨年もご紹介しましたように、我々の研究所は小さいですが、スーパー特区に関して2つの主任者を出していまして、研究が中間段階に入っています。そのうちの1つ、iPS細胞から肝細胞への分化誘導に成功して、これは将来それを用いた毒性評価に非常に重要な経緯になるものと思っています。もう1つのワクチンの研究に関しても、ご存じのように新型インフルエンザが昨年出ていますが、これに対する早急な対応の研究も現在進みつつあります。これらの研究をさらに進めるとともに、独法評価委員会におかれては、委員の皆様から積極的なご助言、ご支援、またご協力をいただければと思っています。
 また、ご案内のとおり、今年は4月22日に厚生労働省の省内仕分けを受けましたし、27日には行政刷新会議の仕分けを受けました。事前に何回もヒアリングを受け、膨大な資料を準備して、何回も職員が東京に行ったりして、研究や法人の中身についての議論は行ってきましたけれども、なかなか噛み合わないところがあったことは残念なことだと思っています。実は、仕分けの結論自体においても、2つの仕分けで必ずしも一致したような結果をいただいていませんので、今後は厚生労働省のご指導の下にこの仕分けの結果について対応していきたいと思っています。
 また、我々基盤研には、業務運営に関する重要事項を審議する機関として、外部の有識者、難病団体の代表者、医薬品による副作用被害を受けた方々の代表者により構成されてる運営評議会がありますが、ここでも仕分けの結果をご報告して、非常に多くの点でご意見をいただき、我々は非常に勇気づけられております。特に難病団体の代表の方などは要望書を出したということを伺っております。これは基盤研究所の業務は、いずれも非常に重要な業務であるため、スピードダウンしないようにというご意見をいただいたというこでありまして、身の引き締まる思いがいたしました。
 今後の具体的な対応は、先ほど申しましたように、厚生労働省の議論を待つことになると思いますが、医薬基盤研究所としては、いままでの成果を生かして、今後とも精一杯研究に邁進していきたいと思いますので、この委員会の先生方に関しては、温かいご支援とご助言、ご協力を今後ともよろしく申し上げます。以上です。

○田村部会長
 ありがとうございました。続きまして、評価の参考に資するため、行政刷新会議事業仕分けと省内事業仕分けでの医薬基盤研究所に関する審議の概要と結果について、事務局からご説明をいただきたいと思います。

○政策評価官室長補佐
 お手元に参考資料1、2、3、4と4種類の資料があります。参考資料1が省内の事業仕分けの結果、参考資料2が行政刷新会議による事業仕分けの結果です。資料1と2はそれぞれ基盤研の部分を抜き出したものです。資料3と4は全法人分をまとめた資料になっていますので、参考にしていただければと思います。この資料3と4の中にも基盤研の情報は入っています。
 まず、省内事業仕分けからご説明したいと思います。事業仕分けと言いますと、昨年の秋に行政刷新会議が行ったものがあります。厚生労働省の長妻大臣から、省内でも事業仕分けをしっかりやっていこうではないかというお話がありまして、今年度4月から省内でも事業仕分けということで、7月1日まで基本的に月・木と毎週行う形で続けてきました。省内事業仕分けの対象は、独法から始まって、特別民間法人、それから厚生労働省が所管している予算事業の形で続いて実施しました。独法については、、厚生労働省所管は、原則としてすべてやる形で実施されました。「のぞみの園」という法人だけは馴染まないのではないかという議論等があり、実施していませんが、それ以外の法人はすべて対象にして実施しています。
 省内事業仕分けの方法は、法人に、自ら考える改革案を作ってきていただいて、それを示したうえで、仕分け人の方として、各分野の専門家の有識者の方と、例えば公認会計士の方や、一般的な企業経営に知見のある方や、経営の観点のある方と、それから一般の方ということで、厚生労働行政モニターをされていた方、一般の国民の方ですが、その方々の中から希望をとって1名参加していただいて、仕分けを実施するという形になっています。
 基盤研の場合には、仕分け人の方は6名いらっしゃって、それぞれ基盤研の事業が多くありますので、全体をまとめてではなくて、お手元の参考資料の1を見ていただければと思いますが、基盤的技術研究について、生物資源研究について、それから1枚めくっていただいて、研究開発振興事業について、承継事業について、最後に組織・運営体制についてと項目を分けて議論をしていただいています。
 時間もありませんので、詳細の内容は資料を見ていただければと思います。いろいろなご意見がありまして、実は、政策評価官室のほうは、省内事業仕分けの事務局にもなっていましたが、初めての試みで、なかなか十分に事前に仕分け人の方に説明をする時間等がとれなかったこと等もありますので、もしかしたらコメントの中には、お詳しい先生方から見ると、まだ内情を知らないというようなことではないかなというようなことも、もしかしたら入っているかもしれません。
 この省内事業仕分けのほうは、行政刷新会議の仕分けと違って、その場で結論は出していません。行政刷新会議のほうでは、仕分け人の方が見解を述べたあと、まとめ役の方が、全体としてはこういう結論だというのを示して、それに沿って改革を進めてくださいという形になりますが、省内事業仕分けのほうは、例えば、「改革案では不十分なのか」、「改革案が妥当なのか」、不十分な場合は、「どういう点で不十分なのか」ということを表明していただいて、コメントも言っていただきますが、最終的な改革の方向性については、仕分け人の方の意見も踏まえて、政務三役の中で議論して、今後決定するということになっていますので、最終的な決定はまだなされていない状況です。法人のほうが省内事業仕分け用に用意しました資料もこちらの参考資料3の中に入っていますので、もしよろしければ、ご参照いただければと思います。
 行政刷新会議の事業仕分けについてですが、春に第2弾ということで実施されましたが、第2弾の前半が独立行政法人となっていて、全体としては4日間行われました。基盤研も対象になっていて、そちらの評決の結果を参考資料の2として付けています。そちらもご参照いただければと思います。以上です。

○田村部会長
 ありがとうございました。これからの進め方ですが、医薬基盤研究所の個別評価につきましては、評価シートの個別項目を4つのグループに分けまして、グループごとに評価を行ってまいりたいと思います。まず、グループ1、全体的事項関係で、評価項目としては1から5に該当します。これについて評価を行いたいと思います。所要時間は法人からのご説明が10分、委員の評定と質疑15分、合計25分で行いたいと思います。それでは、法人のほうからご説明をお願いします。

○医薬基盤研究所戦略企画部長
 医薬基盤研究所の木下です。私のほうから概略のご説明をさせていただきます。医薬基盤研究所の平成21年度業務実績について、資料3-1が平成21年度業務実績評価シートとなっております。主な内容についての説明用の資料として、資料3-5をご用意しておりますので、同資料により業務実績のご説明をいたします。
 冒頭の目次の頁をご覧ください。業務実績報告は5つの部に分かれています。まず、医薬基盤研究所の事業体系図、次に業務運営に関する全体的事項のPart1、さらに基盤的技術研究、生物資源研究の個別的事項についてのPart2があります。ここまでは戦略企画部からご説明をいたします。基盤研以外の外部の研究機関に対する研究開発振興に関します個別的事項についてはPart3で研究振興部から、財務、業務運営に関するPart4は総務部からそれぞれご説明をいたします。
 1頁の医薬基盤研究所の事業体系図についてご説明いたします。まず、基盤研のミッションについてです。基盤研は、大学などの基礎研究と企業の新薬開発などの間を結ぶ橋渡し研究を推進することをミッションとしております。この橋渡し研究を実施するに当たり、複数の製品に活用できる共通の基盤的な技術の開発を目指しており、安全性を確保しながら難病患者などの切実な要望にお応えをし、画期的な創薬などに向けた基盤的研究を実施しております。創薬などを巡る現状と課題としましては、他の産業分野とは全く異なっていまして、新薬開発には約20年程度の期間と巨額の投資、1,000億円程度と言われておりますが、巨額の投資が必要です。しかも成功確率は0.005%と極めて低いことが上げられます。このように、創薬は最先端の知識と技術の結晶で、先進国にしか実現できるものではありません。このような現状に鑑みまして、創薬に特化した公的研究機関としての私ども医薬基盤研究所の存在意義があるわけです。
 このため当基盤研では、中段に掲げております3つの業務を実施するとともに、これらの業務を適切に運営するための組織に関する事項を事業体系図に載せております。1番目の業務は、研究所自らが、創薬に向けた基盤的研究を実施する基盤的技術研究業務です。この研究概要については後ほどPart2でご説明をさせていただきます。2番目の業務は、創薬研究に不可欠な生物資源の資源化と提供を行う生物資源研究業務です。この研究概要についても後ほどPart2でご説明をさせていただきます。3番目の業務は、大学やベンチャー企業などに対して研究・開発資金を提供するとともに、研究の進捗について指導、助言を行う研究開発振興業務となっています。この業務についてはPart3でご説明いたします。最後に、適切な業務運営のための組織・予算の項目については、効率化係数による削減ですとか、業務改善の取組状況などのご説明をさせていただく予定です。Part1とPart4とでご説明をさせていただきます。
 それではPart1ですが、3頁をご覧ください。Part1は、5つの事項から構成されています。まず、評価シート1、機動的かつ効率的な業務運営の項についてです。4頁をご覧下さい。本項の自己評定はAとしております。これは理事長のトップマネージメントによる業務運営に関する迅速な方針決定、研究テーマごとのプロジェクト制の推進、非常勤職員などの有効活用、人事の透明化、業務改善の推進などにより、機動的かつ効率的な業務運営について、中期計画を上回る成果を達成したことによるものです。
 5頁は平成21年度において、平成20年度末に立ち上げましたプロテオームリサーチプロジェクトについて、非常勤職員、派遣職員などを活用しつつ、研究体制の充実を図り、機動的かつ効率的な業務運営を図っております。
 6頁は当研究所の業務を俯瞰したものですが、基盤研の業務内容については国の各種の産業ビジョン、革新的医薬品医療機器創出のための5ヶ年戦略など、国の政策に基づき研究開発を推進しており、研究型の独立行政法人の役割である国の政策課題の解決に向けての研究開発への取組み、というミッションを果しております。
 7頁は当研究所の業務運営につきまして、幹部会、将来構想検討会、リーダー連絡会などの組織体制を通じて、理事長による業務の進捗管理、運営方針の迅速な決定・実施などのトップマネージメントを実施しております。このうち、将来構想検討会におきましては、平成21年度が当研究所の第1期中期計画の5年目に当たる関係で、外部の専門家からなる基盤的研究等外部評価委員会の評価結果などを勘案した上で、次期中期計画、22年度から始まっておりますが、次期中期計画の策定に向けて、研究プロジェクトなどの現状や課題、業務の必要性などの検討を実施いたしました。その結果、第2期中期計画におきましては研究の重点を、難病治療等基盤研究、次世代ワクチン開発基盤研究、毒性評価系構築に向けた幹細胞基盤研究にシフトしております。また、当研究所に対する国民ニーズの把握などの観点から、外部の有識者からなります運営評議会、基盤的研究等外部評価委員会、研究振興業務関連委員会などにおきましてご意見を伺っております。8頁は当研究所の研究評価、個人評価などの評価・進行管理に関する資料を提示しております。
 次に評価シート2、業務運営の効率化に伴う経費節減等の項についてです。9頁ですが、本項の自己評定はAとしております。これは、一般管理費が予算額に対して95.5%、事業費は予算額に対して95.3%の執行と経費節減に努め、中期計画に掲げました削減目標を上回って達成したこと。それから人件費についても平成17年度基準額に比べて10.5%、対前年度比では6.4%、の削減と人件費削減の取組みが着実に進展したことによるものであります。
 10頁の左側の図は、平成21年度において一般管理費のうち、研究開発振興業務については平成16年度予算に対して32.2%削減、研究開発振興業務以外の業務については平成17年度予算に対して15.1%削減しております。右側の図は、事業費のうち研究開発振興業務については平成16年度予算に対して80.7%の削減、研究開発振興業務以外の業務については平成17年度予算に対して11.8%の削減となっております。なお、事業費のうち研究開発振興業務の削減率が大きくなっている主な理由は、外部の研究機関に配付いたします研究費について、指定研究から競争的資金である公募型研究へ組み替えたことによる影響であります。一般管理費事業費の詳細については後ほどPart4でもご説明いたします。
 11頁は給与水準についてです。国家公務員の給与水準と比較し、当研究所の研究職員の平均給与は94.4%、事務職員の平均給与は109.0%となっておりますが、他法人と比較した場合は研究職員で93.4%、事務職員で101.9%となっています。事務職の平均給与について、対国家公務員で数値が上回る要因としては、1つ目にほとんどが国、具体的には東京からの出向者で、このために地域手当の受給者割合が高くなっていること。2つ目に非常勤職員などを積極的に活用している関係で管理職の割合が極めて高くなっていること。3つ目として職務の専門性により大卒割合が高くなっていること。このようなことからラスパイレス指数が高くなっていますが、当研究所としては、引き続き国家公務員の給与改正に準じた見直しを実施してまいる所存であります。
 12頁は、総人件費改革への取組状況です。人件費の支給総額は基準年度の17年度と比較して10.5%の削減となっています。人件費の削減については中期計画に掲げた削減目標を大幅に上回って達成しております。人件費がこのような大幅の削減となった理由として、定年退職を行った研究者の後任として総人件費改革の対象とはならない若手研究者の雇用を行ったことなどが挙げられます。
 次に13頁の社会的・政策的要請への対応状況についてです。1つ目は厚生労働科学研究費補助金を受けて実施しております「生物資源・創薬モデル動物研究推進事業」についてです。平成21年度についてはリサーチ・レジデント派遣事業などを実施しております。2つ目は大学やバイオベンチャーの方々を対象とした薬事規制解説パンフレット(改訂版)の作成を実施しております。3つ目として、感染症予防ワクチン開発のための各種ガイドライン(案)の作成をしております。
 14頁の研究費の不正使用等の防止については、平成21年度も引き続き公的研究費の不正使用等防止に関する措置を実施しております。
 15頁は利益相反に関する取組状況についてです。こちらは厚生労働省から示されました指針に基づき、関係規程の整備や委員会設置などの対応を実施しております。
 次に評価シート3、戦略的事業展開、外部評価の項について、16頁をご覧ください。本項の自己評定はSとしております。これは所内の情報交換と部門間の連携の強化、事業の公平性、透明性の確保、難病対策などの国の政策課題の解決を目指した研究分野の重点化などを推進し、中期計画を大幅に上回る成果を達成したことによるものです。
 17頁は先ほど理事長からもお話がございましたが、平成21年度までの成果を基にしまして平成22年6月、トキシコゲノミクス・インフォマティクスプロジェクトが内閣府から日本学術会議会長賞を受賞しております。
 18頁は平成21年度にはスーパー特区、先端医療開発特区の採択課題2課題について研究の推進に取り組んでいるところです。
 19頁は第2期中期計画の開始に先立ち、厚労科研費の取得により「難病研究資源バンク事業」を開始しております。
 20頁の研究業務の外部評価の実施について、業務運営全般についての提言を行う観点、研究所が自ら行う研究評価の観点、他の研究機関に対する資金配分機関としての評価の観点から、各種委員会などを設置し、それぞれの立場からご評価をいただいております。
 21頁、平成21年12月に実施された総合科学技術会議の調査によりますと、私ども基盤研は、研究者1人当たりの競争的資金の獲得金額が、2年連続日本一となっています。
 22頁は所内の共同研究について、累積合計で17件の所内共同研究を実施しております。
 23頁は所内における研究情報の交換・共有を促進するため、従来から実施している所内研究発表会、研究成果発表会に加え、研究者による当番制の定例研究発表会を実施し、研究連携に役立てております。また、テレビ会議システムも活用しています。
 次に評価シート4、情報公開、成果の普及及びその活用の促進の項について、24頁の本項の自己評定はSとしております。これは査読付論文、論文数、特許出願数、講演会実施回数が中期計画における目標を大幅に上回っていたほか、学会発表、ホームページのアクセス数、研究所の一般公開など、研究成果の公表普及について中期計画を大幅に上回る成果を達成したことによるものです。
 25頁の内部統制については、会計監査人の協力を得て、規程の制定、委員会の設置、窓口の設置など具体的に実施しております。
 26頁のホームページのアクセス件数は、21年度は約130万件に達しています。
 27頁、一般公開・講演会の開催などについては、大阪本所の一般公開では毎年600名以上の方が来場されており、大阪北部バイオクラスターの中核機関である当研究所のイベントとして定着しております。
 28頁は論文投稿、学会・シンポジウム等での発表、特許出願状況についてです。査読付論文は中期計画を大きく上回る138報、うち論文の質の高さを表しますインパクトファクター2以上の論文が96報、学会発表数が429回、特許出願が8件となっていまして、中期計画における目標数をそれぞれ大幅に上回って達成しております。
 29頁は薬用植物新品種3種類の育成に成功したことのご報告になります。
 次に評価シート5、外部研究者との交流、共同研究の推進、施設及び設備の共用の項について、30頁の本項の自己評定はSとしております。これは製薬企業13社、及び国立医薬品食品衛生研究所との官民共同研究である「トキシコゲノミクス・インフォマティクスプロジェクト」が、日本学術会議会長賞を受賞するなど、民間企業等との共同研究の実施、連携大学院の推進などの点で中期計画を大幅に上回って進捗したことによるものです。31頁は学術会議会長賞を受賞したことのご報告です。
 32頁では平成19年度に設置しました800MHzのNMRについて、順調に外部利用がなされていることのご報告です。本装置は、LC-NMR/MSという日本発のシステムです。タンパク質の構造解析のほか、微量物質の解析など威力を発揮するものとして期待されており、順調に外部利用されております。
 Part1については以上です。

○田村部会長
 ありがとうございました。委員の皆さまには評価シートへの評定等の記入をお願いいたします。質問等ございましたら適宜ご発言をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○鈴木部会長代理
 膨大な成果を説明していただきありがとうございました。私は評価シートに記載された21年度の実績を拝見して1、2質問させていただきたいと思います。
 まず、先ほど少し触れられましたが、平成20年度にテレビ会議システムを導入されて、そしていま内部委員会等に活用されているということですが、実際皆さんどのようにこのシステムを実感していらっしゃるかというところに関心がありますが、内部委員会以外にも主な目的としてはどのようなものがあり、そして年間を通して使用状況、使用頻度等はどの程度のものでしょうか。
 第2点は、評価シート4-2の成果の普及の<5>のヒトiPS細胞培養実習というのがあり、これは7回行われているということが書かれています。これは7回シリーズで、1人の方が7回出席するとこれで終了ということになるのかどうかということ。それから17人の方々はどのようなバックグラウンドの方であるのかと、また、どのような地域から参加してきておられるのかということを伺いたいと思います。
 第3点としては評価シートの19頁、<5>の連携大学院のことです。21年度は新たな連携大学院の開発はなかったようですが、どのくらいの目標を設定し、これを進めていらっしゃるのかということについてお教えいただきたいと思います。以上です。

○医薬基盤研究所戦略企画部長
 順番にお答えいたします。まず1点目のテレビ会議システムですが、実際に使っておりますのが、例えば倫理審査委員会とか、発明委員会、そういうものにも使っております。その他、私どもの本所は大阪にありますので、大阪と筑波のセンターとの研究の打合せにも使っております。将来的には各種研修、セミナーなどでも使えるようになればいいのかと思っております。いまのところ実績としまして、手元に詳細がありませんが、5、6回ぐらい、2月に1回のペースで使っているかと思います。
 2点目の評価シート4-2のヒトiPS細胞の関係については、私どもの細胞バンクのほうでiPS細胞の分譲をしておりますけれども、ご案内のとおりiPS細胞については培養が非常に難しいところがあります。購入者の方、分譲を受けられた方々がご自身の研究所に持って帰られて、培養ができなければ意味がありませんので、そのための研修を行っております。1回講習を受けていただければ大体のノウハウのトランスファーはできるということですが、1回当たり何日か日にちがかかっていたと思います。主な利用者ということですが、先ほどお話しましたとおり分譲を受けておられます研究者の方々が中心になっていまして、日本全国に散らばっています。
 3つ目は評価シート5-1のところですが…

○医薬基盤研究所理事長
 連携大学院に関しましては、3年目ぐらいでほぼいまと同じ体制が取れておりまして、5年目は新規の連携大学院のものはありません。しかしながら、研究者も非常に入れ替わっておりまして、連携大学院の教授、准教授も入れ替わって新しい人に代わったりしておりますので、そういう変更はあります。

○田村部会長
 だいたい何校ぐらいを目標にしているとか、そういう設定はおありですか。

○医薬基盤研究所理事長
 目標は、いまのところ近隣の大学ですが、なかなか遠いところは難しいので、特別に目標というのはありませんけれども、もう1つ2つ近隣のアクティブな大学とできればというふうに思っておりますけれども、これは研究者を我々がリクルートしたときにできることでありまして、いまのところ具体的な計画はありません。

○市川委員
 2、3ご確認したいのですが、1つはこの研究所の目的として大学等の基盤研究と企業との間の仲立ち、特にその場合においては基盤的というか基礎的な研究に対して展開していき、企業の方に、あるいはほかの大学に提供するというようなところが位置づけになるかと思いますが、そういう意味ではいまやられている仕事は大変面白い。特にiPSに関しては研修をやったりと、トキシコも含めてみんなに使ってもらうようなシステムと、こういう展開というのは非常に目的に適っていいと思います。私がいちばん聞きたいことは、こういうことを含めて、積極的に世に見える形になっているかどうかと。例えばここで熊本かどこかで何かiPSに関してされたのがあるわけですが、そういうところがどの程度あるのか、ということが1点目の質問です。

○医薬基盤研究所理事長
 非常に重要なご質問だと思っております。たしかにこれは仕分けのときもそうですけれども、なかなか橋渡しということを理解していただけないということですが、1つの例として先ほど申しましたトキシコの話は、本当に橋渡しの最たるものだというふうに企業等に喜んでいただいております。こういう研究は、特に第2期からはトキシコとワクチンと難病ということで、本年度はタンパクのところで評価していただくのですが、これをシフトしまして、難病というふうに特化したものにしておりまして、これはより大学、企業等に我々の研究が橋渡しできるのではないかというふうに、これは積極的に力を入れるつもりでございます。

○市川委員
 そうすると、企業のほうはあとに出るのでしょうけれど、ベンチャーみたいな形の1つの何かというのが多分ターゲットになるのかという予想をしますが、大学の場合はどうやってフィードバックされるのかというのが。例えば連携大学院が1つのやり方かもしれないけれども、研究者の交流とか、何かその辺の具体的なことは。

○医薬基盤研究所理事長
 研究者の交流に関して、この5年間で実は他大学、これは薬系、医系の大学に教授で転出した人が5人おられます。そういうところから、また今度は大学等からこちらに転出されて来られた方も5人おられるのですが、そのような交流を進めていまして、大学でも橋渡しの研究に非常に興味をもっている先生も随分おられますので、そういう人をリクルートしてきて、より応用面に力を入れたいというので、人の入れ替えというのはかなりこの5年間で進んだというふうに思っています。

○市川委員
 もう1点は、スライドの21の研究所の競争的資金の獲得額というのは、これも大変すごい活躍をされておられ、1人当たりの実績として、1,580万円というのはかなりすごいと。かなり高いレベルの研究者が揃っていらっしゃるのかと思っています。
 逆にいうと、これも多分どこかでご説明があったのかもしれませんが、1,580万円の仕事を年間にやるためには、自分の力、かなりの力をそれに注ぎ込むという格好になっていき、本来の業務とのバランスというのは。よく科研費ならどのくらいのコントリビューションするのですかと、何割何割というのを書くわけだけれども、いま境目がわかりにくいから、それはそれでいいとは思いますが、こういう研究所における科研費の取扱いということにおいては、どういう形で理解すればよろしいのでしょうか。

○医薬基盤研究所理事長
 その類はよく質問されるのですが、この研究の内容はかなり我々の研究所のミッションに適合したものの外部資金、それと比較的ほかの研究者と共同研究も随分多いので、必ずしも全部ここで使っているわけではありませんが、それ以外に例えば個人個人の研究者の獲得率も非常に高いというので、やはり基盤研のミッションに適合した研究費を獲得しているというふうに理解していただいたらいいと思います。特別に全然違うところから研究費を取ってきて、それに力を注ぐということを我々はしておりません。

○市川委員
 基盤研の業務として、科研費を含めてのものが入ってくるということですか。

○医薬基盤研究所理事長
 例えば、私も個人的にワクチンの主任をやっておりますけれども、基盤研でももちろんワクチンをやっており、みんなと一緒の班に入っていただいて、厚労科研費を取ってきてそれを皆さんと同じように、いまの我々のミッションをもっとアクティベートするような研究を進めておりますし、トキシコも同じです。そういうふうにして、よりアクティブなための研究費でありまして、全く違う、我々のミッションでないような研究費は獲得しておりません。

○市川委員
 それは基盤研の研究者のレベルアップになってきているところで、そこに科研費が入ってくるという理解でよろしいですか。

○医薬基盤研究所理事長
 はい、そうです。

○酒井委員
 利益相反に関することですが、どんなシステムをいま構築されて、具体的にこの1年間の中でどのくらいのこれに関する活動になっているのかということを教えていただけないかということが1点です。
 もう1つは、いまの市川委員の質問と似たようなことですが、大変素晴らしい研究成果の発表がたくさんあるわけですけれども、研究所内の基盤研究であるとか、そのほかによる成果と、こういった競争的資金によって獲得したことによって出た成果との比率のようなことが、もしわかれば教えていただけますか。

○医薬基盤研究所戦略企画部長
 それでは先に利益相反についてご説明をいたします。15頁の資料になりますが、ご案内のとおり元々厚労省のほうから利益相反に関する指針というものが出ております。厚労省の指針ですと厚労科研費だけを対象にということですが、私どもはすべての研究についてこの利益相反の規程を適用しております。それと私どもの本所の所在地である大阪地区でいちばん利益相反を厳格に運用されているのは大阪大学さんです。そのため、基盤研の利益相反の委員として、大阪大学の利益相反委員会の委員をされている方にもご参画をいただいき、個々に意見交換をしているところです。
 実績として昨年度はまだ1回しか開いておりませんけれども、できるだけ外から見たときにわかりやすいようにということを心掛けて、実施しておるところです。

○医薬基盤研究所理事長
 2点目に対しては、100%はっきりしたことは言えないのですが、基盤的研究部と生物資源を合わすと多分我々の事業所としての研究費というのは3億ぐらいですか、3、4億ぐらいだと思うので、これは全体に比べて多いです。それから全体のものは例えばトキシコゲノミクスの研究費とか、タンパクの研究費は非常に高額な研究が含まれており、あるミッションがしっかりしたもとに行われておりまして、一人ひとりの研究費というのは、これは平均ですから必ずしもこのように多くないと思っています。研究そのものに関しましてはやはり事業費のほうが多いということは事実です。

○田宮委員
 すみません、これから出てくるかもしれませんが、この3つのミッション3番目の難病患者の切実な要望に答えてというのが明文化されているのが目にとまりました。これはこのあとに出てくるということでよろしいですか。

○医薬基盤研究所戦略企画部長
 ミッションとしましては、大項目としてはいちばん上にあります中身であります。難病患者さんの要望に応えた研究成果はこのあとPart2でたくさん出てまいります。

○田宮委員
 わかりました。あともう1点、ご説明があったかもしれませんが、パワーポイントの9頁に、業務費は80.7%削減されたというところの80.7削減というのはすごく大きいと思うのですが、これの説明はありましたか。

○医薬基盤研究所総務部長
 そちらにつきましては、これは配分している研究委託費の研究費があり、削減対象除外となります競争的研究資金に振り替えまして、それが要因となって、80.7%の減額となっています。53億ほど振り替えております。

○田宮委員
 競争的資金に振り替えたと。

○医薬基盤研究所総務部長
 はい。指定研究がありまして、これを競争的研究資金に振り替えて。外部への配分資金です。それが削減対象除外となります。

○田宮委員
 名目として。

○医薬基盤研究所総務部長
 はい。

○医薬基盤研究所理事長
 10頁のスライドの内容ですが、16年にはその競争的資金というのが入っていたのです。

○田宮委員
 事業費の中にですか。

○医薬基盤研究所理事長
 はい。これは実は基盤研になる1年前の話ですが、事業費の中に入ってたのですが、その指定研究の分というのが、競争的資金というシステムに変わりましたので、その分が落ちたということで80.7%と非常にたくさん落ちているように見えるということです。実はこの13億プラス競争的資金があるというふうに理解していただいたらと思います。

○田宮委員
 競争的資金というのは基盤研からの。

○医薬基盤研究所理事長
 競争的資金というのは、削減効率がかからないのです。

○医薬基盤研究所総務部長
 削減対象除外の経費になります。

○医薬基盤研究所理事長
 ちょっとスライドが変に見えますが、これプラス競争的資金があるというふうに理解していただいたらありがたいですけれど。

○田宮委員
 すみません、競争的資金というのはどういうものですか。

○医薬基盤研究所総務部長
 それは研究委託費です。基盤研から外部の方に、研究振興部の業務の資金でして、そちらについては競争的研究資金に振り替えて外部に配分したということで、それは削減の対象除外の経費になりましたので、その分が大きく減っていると、表上はそういう形になっております。。

○田宮委員
 実績としては、基盤研が外に向かって提供したというか、そういうことですか。

○医薬基盤研究所総務部長
 はい、そうです。提供した金額です。その分が、いま指定研究というものと競争的資金というのがありまして、指定研究は削減対象になりますが、競争的資金に振り替えたことによりその削減対象除外、効率化係数がかからない経費になりました。

○田宮委員
 削減対象にならないので出ていないということですね。

○医薬基盤研究所総務部長
 はい、その分が減った形で、一応、16年度の予算ではその分が入っておりましたので。ちょっと見た目には削減されているように見えます。

○田宮委員
 質が保てるのかなと思いまして。競争的資金は十分にほかのところで提供しておられるということですか。

○医薬基盤研究所総務部長
 振り替えた金額がおよそ53億です。その分が、表には見えてこないのです。

○田宮委員
 そうですか。

○医薬基盤研究所振興部長
 53億分を抜いた事業費で比較しますと、13%の減となっていますので、他の経費並みの減少率です。

○田宮委員
 そうですね。途中で枠組みが変わったわけですね。それで同じ比較をするとちょっとミスリードをするかなという気がいたしました。

○政安委員
 パワーポイントの12頁の人件費のところですが、目標額が20年度と21年度はあまり差がないのに、かなり減っているという説明をいただいたわけですが、中期目標を立てるときに定年される方がいるとか、そういうことを想定されなかったのでしょうか。

○医薬基盤研究所戦略企画部長
 これにつきましても第1期中期計画期間中に国の方で制度変更がありまして、平成20年度に研究開発力強化法が施行され、その関係で若手研究者については人件費削減の対象から外してもよいということになりました。その後、基盤研で定年の方が退職した際に今度は若手研究者を採用いたしましたので、その者は総人件費改革の削減枠から外れて、見た目大きく下がっているということです。

○政安委員
 ありがとうございます。

○田村部会長
 よろしいでしょうか。それでは次にグループ2の「基盤的研究・生物資源研究関係」の項目について評価を行わせていただきます。所要時間はグループ1について少し延長しておりますけれど、グループ2については、法人からのご説明25分、委員の評定と質疑15分、合計40分で行わせていただきます。それでは法人からのご説明をよろしくお願いします。

○医薬基盤研究所戦略企画部長
 Part2について引き続きご説明いたします。基盤的技術研究と生物資源研究のご報告になります。まず、33頁の基盤的技術研究につきましては6つの項目からなっておりまして、生物資源研究については5つの項目です。当研究所が自ら行う研究は基盤的技術研究を中心としまして、5年間のプロジェクト制を採用しています。その関係で、第1期中期計画の最終年度である平成21年度には、各プロジェクトでこれまでの研究進展に伴いまして様々な特筆すべき成果が得られております。
 まず、評価シート6、(1)医薬品安全予測のための毒性学的ゲノム研究の項について、34頁の本項の自己評定はSとしています。これは世界に類を見ない大規模高品質のトキシコゲノミクス・データベースを完成拡充させ、有用な毒性予測システムとしての揺るぎない評価を確立したということ。また、トキシコゲノミクス関連ガイダンスの作成にも寄与できる充実したデータベース、利用者の要望を重視した使いやすいデータベースを目指して改良を進め、ヒトへの臨床応用が可能なバイオマーカーの発見に成功するなど、中期計画を大幅に上回る成果を達成したことによるものです。なお、以上のようなこれまでの5年間の産学官の連携活動の成果が、先ほどご報告しました日本学術会議会長賞の授与という形で表われております。
 34から37頁までは、トキシコゲノミクス・インフォマティクスプロジェクトの研究成果になっています。このプロジェクトでは医薬品安全性予測向上のための研究ですとか、レギュラトリーサイエンスへの展開等に関する研究を進めています。35頁をご覧下さい。本プロジェクトではバイオマーカー探索に当たり、?Tから?Wまでのカテゴリーに分け、非臨床段階から臨床段階までの医薬品開発で利用できる安全性バイオマーカーの探索研究を進めています。36頁は平成21年度にはカテゴリー?Wの非臨床バイオマーカー候補13種類、カテゴリー?Vの非臨床レベルでの応用が期待されるバイオマーカー10種類、カテゴリー?Uの臨床バイオマーカー候補2種類、カテゴリー?Tの臨床レベルでの応用が期待されるバイオマーカー1種類の特定に成功するなど、画期的な研究成果を達成しております。詳細については37頁をご覧ください。なお、この研究内容については、日本トキシココロジー学会田邉賞を受賞しております。
 次に、評価シート7、(2)ヒト試料を用いた疾患関連タンパク質解析研究、(3)疾患関連タンパク質の有効活用のための基盤技術開発について、38頁をご覧ください。本項の自己評定はSとしています。これは、ヒト試料を用いた疾患関連タンパク質の解析研究において、新規解析方法の開発や、新規タンパク質の特定を推進したこと、また機能性タンパク質創製技術を用いて、世界に先駆けて創製しましたレセプターサブタイプ特異的なTNFアンタゴニスト変異体が難病の一種である多発性硬化症モデルに対して効果を発揮したことなど、中期計画を大幅に上回る数多くの研究成果を達成したことによるものです。
 39頁から41頁までがプロテオームリサーチプロジェクトの研究成果となっています。このプロジェクトでは、新しい治療法や、病態、病期などを診断可能とする新規の疾患関連タンパク質などの探索に取り組んでいます。40頁をご覧下さい。平成21年度には、中期計画において定められている定量法を確立する疾患関連タンパク質の数、および疾患により変動する新規タンパク質の発見数について、それぞれ中期計画の目標数を大幅に上回って達成しています。41頁は大腸がんのバイオマーカー候補タンパク質や、頭頸部扁平上皮がんの予後を予測するバイオマーカー候補タンパク質を発見するという画期的な成果を挙げています。
 42頁から47頁までは創薬プロテオミクスプロジェクトの研究成果となっています。このプロジェクトでは、ファージ表面提示法という独自の創薬基盤技術を駆使しまして、疾患関連タンパク質の有効活用のための基盤技術の開発研究を実施しております。この中で特に抗体プロテオミクス技術の開発については、日本DDS学会永井賞を受賞しております。
 43頁では、機能性タンパク質創製技術を用いて、世界に先駆けて創製しましたレセプターサブタイプ特異的なTNFアンタゴニスト変異体が、難病の一種である多発性硬化症モデルに対して効果を有することを明らかにしております。この研究内容は日本DDS学会ベストポスター賞ほかを受賞しております。
 44、45頁では先述の機能性タンパク質創製技術を用いて実施しました、粘膜免疫・全身免疫の両方を誘導できる粘膜ワクチンの開発研究についてのご報告です。16種類のTNFスーパーファミリーのうち、TNF-α、およびTL1Aが粘膜アジュバントとして有望であることを明らかにしております。この研究内容については、日本免疫学会ほか、3つの学会賞を受賞しております。
 46頁では平成19年度に独自開発しました抗体プロテオミクス技術に、Tissue array技術を融合することで疾患関連タンパク質の網羅的探索、および臨床検体でのバリデーションまでを一挙に達成する研究を進めています。この研究内容はバイオビジネスコンペJAPAN奨励賞ほかを受賞しております。
 47頁では独自の抗体プロテオミクス解析により、肺がん組織で特異的に発現する分子である肺がん関連バイオマーカータンパク質候補6種類を世界に先駆けて見出しております。
 48頁から49頁までは代謝シグナルプロジェクトの研究成果となっています。このプロジェクトでは糖・脂質代謝のシグナル伝達機構を解明し、新たな創薬の基盤技術の構築を目指して研究を進めています。
 49頁をご覧ください。平成20年度には安全な摂食制御薬の開発に向けて、タンパクリン酸化酵素(SIK)ファミリーのうち、SIK2を阻害すると活性酸素耐性を介して、神経変性を防止できることを解明しております。このような技術を基にして、近々起業を行うこととしております。
 50頁から52頁までは、バイオインフォマティクス・プロジェクトの研究成果です。このプロジェクトでは、バイオインフォマティクスの手法を用いて、タンパク質の構造・機能や、相互作用の予測研究を進めております。
 51頁では、従来の計算機シミュレーションと比較して、より高精度でタンパク質間の相互作用部位を特定するアルゴリズムの開発に成功するという画期的な成果を上げていることのご報告です。
 52頁は新規創薬ターゲット同定支援のための統合的データ解析ツールの開発に関するご報告です。こちらでは主要な公共データベース16種類の統合を行い、遺伝子群が与えられたときに絞り込み作業を効率的に行えるシステムの確立に成功しております。
 次に評価シート8、(4)新世代ワクチン・抗ウイルス剤開発基盤研究、(5)新世代抗体産生基盤研究の項についてです。53頁をご覧ください。本項の自己評定はSとしております。これは新世代ワクチン・抗ウイルス剤開発の基盤研究におきまして、ヒトヘルペスウイルス感染機構に関する分子解析の実施に成功したこと。水痘ウイルス及びムンプスウイルスに対する効果を有する多価ワクチンの開発に世界に先駆けて成功いたしましたこと。インフルエンザワクチン経鼻接種による防御免疫機構の解明を世界に先駆けて行いましたこと。SOCS分子を用いて悪性胸膜中皮腫治療効果を世界に先駆けて解明したことなど、中期計画を著しく上回る数多くの画期的な研究成果を達成したことによるものです。
 54頁から59頁までが感染制御プロジェクトの研究成果となっております。このプロジェクトでは、新興・再興感染症に対処するための新世代ワクチン・抗ウイルス剤の開発につながる基盤研究を実施しております。
 55頁ではヘルペスウイルスのウイルス粒子構成因子の役割解明に関する研究についてのご報告です。この研究では、ヘルペスウイルス粒子の侵入段階、成熟ウイルス粒子の形成段階、他の細胞へのウイルスの伝播段階のそれぞれで、抗ウイルス剤のターゲットとなり得ることが明らかになっております。
 56頁では、ヘルペスウイルスのウイルス粒子構成タンパク(gM)の役割解明に関する研究をしております。この研究では野生体と成熟変異体でウイルスの細胞間伝播の比較実験を実施した結果、gMがウイルスの細胞間伝播において重要な役割を果たしていることを明らかにしております。
 57頁をご覧ください。こちらでは組換え水痘ウイルスのワクチン効果を確認するため、組換え水痘ウイルスをモルモットに経鼻接種する実験を実施しております。この結果、水痘ウイルス及びムンプスウイルスに対する中和抗体の産生が確認されておりまして、多価ワクチンとしての有用性が確認されるという、世界に先駆けた画期的な成果を上げております。
 58頁では、組換え水痘ウイルスに関してムンプスウイルスのHNタンパク質の発現を確認しており、多価ワクチンの生産・安定供給につながる画期的な成果を上げております。なお、現在特許出願中でございます。
 59頁では、インフルエンザHAワクチンとインフルエンザ不活化全粒子ワクチンを経鼻接種することによる鼻と肺粘膜におけるIgA抗体価の比較実験を実施しております。この結果、全粒子ワクチンによる経鼻接種が交叉防御効果を誘導することが明らかになっており、最も実用化に近い画期的な成果が上がったと考えております。
 60頁から63頁までが、免疫シグナルプロジェクトの研究成果となっております。このプロジェクトでは、免疫系統に関与するサイトカインシグナル伝達制御因子SOCSを用いた抗がん剤、難病治療薬などの開発につながる基盤研究を実施しております。SOCSにつきましては、私どもの研究者が世界に先駆けて発見した分子でございます。
 61頁では、SOCS-3分子を悪性胸膜中皮腫へ導入することにより、癌の増殖抑制、転移抑制などの抗腫瘍効果を発揮し得ることを確認しており、画期的な成果が上がっております。現在この研究成果に基づき、製薬企業、大学などとの共同研究による臨床試験を進めることとしております。またSOCSを有効成分とする抗がん剤については、すでに特許出願中となっております。
 62頁では、抗がん剤に効果を示す卵巣がんと、効果を示さない卵巣がんを2D-DIGE法などにより比較解析し、タンパク質Annexin A4の過剰産生により抗がん剤に抵抗性を示すことを世界に先駆けて明らかにしました。現在製薬企業との共同研究として、このAnnexin A4の働きを抑制する物質の探索を進めております。
 63頁では、関節リウマチや難病の一種であるクローン病におきまして、LRGが疾病の活動性と相関しており、炎症マーカーとして有望であること。及びLRGが血管新生促進作用を有することなどを明らかにしており、画期的な成果を上げております。これらについては、現在、特許出願中であるほか、製薬企業との共同研究により臨床試験を実施する予定です。
 64頁から65頁までが免疫応答制御プロジェクトの成果となっております。このプロジェクトでは、自然抗体産生を増強するアジュバントの開発を目指しております。65頁では、Btk欠損マウス及び対照群に対して、インフルエンザHAワクチンを経鼻投与した実験系と、Btk欠損マウス及び対照群に対して、インフルエンザHAワクチンを皮下投与した実験系で結果を比較しております。経鼻投与ワクチンの効果発現には、自然抗体の役割が重要であることを明らかにしております。
 66頁から67頁までは、免疫細胞制御プロジェクトの研究成果です。このプロジェクトでは、人工リンパ組織を用いて新たな免疫系賦活システムを構築することにより、難治性感染症や悪性腫瘍などの治療応用を目指した基盤研究を実施しております。
 67頁では、人工リンパ組織における抗腫瘍効果を担う細胞が、抗原特異的キラーT細胞であることなどを証明しております。
 次に評価シート9、(6)遺伝子導入技術の開発とその応用の項についてです。68頁をご覧ください。本項の自己評定はSとしております。これは機能性に優れた次世代アデノウイルスベクターによる遺伝子導入技術の開発と性能評価を実施し、世界に先駆けて外来ペプチドの挿入機能やmiRNAによる遺伝子発現制御機能を付与した画期的なアデノウイルスベクターの開発に成功したこと。幹細胞からの高効率な肝細胞への分化誘導法の開発に成功したこと。アデノウイルスベクター投与後の自然免疫誘導メカニズムの解明に成功したことなど、国内外で非常に高くご評価をいただいております。多岐に及ぶ幹細胞研究を展開し、中期計画を大幅に上回る質の高い数多くの研究成果を上げたことによるものです。
 68頁から74頁までは遺伝子導入制御プロジェクトの成果となっております。このプロジェクトでは、遺伝子治療や非臨床での毒性評価の際に用いる遺伝子導入技術の開発とその応用研究を実施しております。なお、このプロジェクトは画期的な遺伝子導入・発現制御技術の開発に対して、この分野で最も権威ある賞である日本DDS学会永井賞を受賞しております。
 69頁では遺伝子導入効率を高めるため、既存のファイバー改変アデノウイルスベクターのファイバー部分をさらに改良して、FG・HIループの両方に外来ペプチドを挿入できる新たなアデノウイルスベクターを世界に先駆けて創製しております。
 70頁では、種々のアデノウイルスベクターを用いて、VA-RNAのインターフェロン産生に及ぼす影響について検討した結果、VA-RNA欠損アデノウイルスベクターの作製を行うことで、副作用の少ないアデノウイルスベクター開発が可能となることを世界で初めて発見しております。この研究成果は、バイオフォーラム優秀発表者賞などを受賞しております。
 71頁では、スーパー特区研究(ヒトiPS細胞を用いた新規in vitro毒性評価系の構築)に関する研究のご報告です。先ほどご報告した改良型アデノウイルスベクターを用いて、ヒトiPS細胞から高効率で初代培養肝細胞と同等の薬物代謝酵素活性を有する分化誘導肝細胞の作製に成功するという、極めて画期的な成果を上げております。詳細については72頁以降でご説明をいたします。
 72頁では、改良型アデノウイルスベクターを用いて、ヒトiPS細胞へSOX17遺伝子を導入することにより、さまざまなヒトiPS細胞から従来よりも効率よく内胚葉系細胞へ分化誘導が可能となったという画期的な成果です。この部分でSOX17を入れるというのが、この技術のポイントとなっております。この研究成果については、日本DDS学会優秀ポスター賞など受賞しております。
 73頁では、改良型アデノウイルスベクターを用いて、ヒトES細胞やヒトiPS細胞由来の内胚葉系細胞へHEX遺伝子を導入することにより、従来よりも飛躍的に効率よく肝幹細胞を分化誘導可能となったという、極めて画期的な成果に関する報告です。ここではHEX遺伝子を導入するということが、この技術のポイントとなっております。この研究成果は、肝細胞研究会優秀演題賞を受賞しております。
 74頁では、改良型アデノウイルスベクターを用いて、HEX遺伝子を導入することにより得られた肝幹細胞から胎児期に相当する機能性のある肝細胞を分化誘導することができたという、極めて画期的な成果に関する報告です。この研究内容は、現在特許出願中であるほか、極めて画期的な成果であるとして、新聞報道されておりますし、多数の企業から共同研究の申込みが来ているところです。
 次に評価シート10、(1)遺伝子、(2)培養細胞、(3)実験用小動物の項についてです。75頁をご覧ください。本項の自己評定はAとしております。これは細胞バンクの収集供給数、細胞の品質管理などにおきまして、中期計画における達成目標を上回る業務実績を達成したことによるものです。
 本項の生物資源研究については、76頁をご覧ください。当研究所では高水準の生物資源研究による研究開発支援として、霊長類、遺伝子、実験用小動物、培養細胞、薬用植物の収集、品質管理、提供を行っております。また77頁に示してあるように、メディカルバイオリソースデータベースの整備も行っておりまして、国内のさまざまな有用な疾患関連バイオリソースの所在情報データベースを省庁横断的に構築しております。
 78頁から79頁までは、遺伝子資源研究室の成果です。神経疾患関連遺伝子などのヒト疾患関連遺伝子の資源化、霊長類cDNAクローンの開発、カニクイザル統合データベースの維持・管理などにおいて、中期計画を大幅に上回る成果を達成しております。
 79頁では、カニクイザル統合データベースのヒト難病・疾患研究利用についてのご報告です。当研究所の霊長類医科学研究センターでは、世界でも極めて希な拡張型心筋症や、黄斑変性症などを自然発症している遺伝性疾患モデルザルを保有しておりまして、先ほどのカニクイザル統合データベースには、これらのサルの遺伝子情報も含まれております。この霊長類の遺伝子情報と、ヒト疾患関連遺伝子情報を組み合わせて用いれば、ヒトの臨床研究に入る前の段階で、前述の遺伝性疾患ザルを用いて、ヒト難病・疾患研究を進めることが可能となります。
 80頁から83頁までは、細胞資源研究室の成果についてです。80頁をご覧ください。細胞資源研究室では、細胞資源の収集・供給、高度な品質管理、情報管理を実施しております。
 81頁はヒトiPS細胞の分譲、品質管理における細胞バンクの役割について概観をしております。82頁をご覧ください。平成21年度は新たに60種の細胞資源化をしたほか、年間5,710アンプルの細胞資源を分譲しております。また、新規登録細胞に関する各種情報をデータベースへ登録するとともに、利用者の方々へ提供しているほか、ヒト由来研究資源などの研究倫理及び共同利用体制構築に関する基盤整備を実施しております。
 83頁、細胞資源研究室では、ヒト幹細胞資源研究の進展に寄与するため、無血清培地の開発も実施しております。84頁から87頁までは、実験小動物の研究についてです。84頁、実験小動物の研究室においては、政策的に重要な難病などに特化して、疾患モデル動物の開発を実施しておりますほか、実験小動物バンク事業を実施しております。
 85頁をご覧ください。平成18年11月にバンクを開設し、平成21年度末に分譲可能系統が122系統。分譲件数は33件。実験動物サポートサービスは210件となったところです。
 86頁は疾患モデル動物についてのご報告です。難病の1つであるライソゾーム病モデルなどのヒト型マウスを作製しておりますほか、新規プリオン病モデル、生活習慣病モデルなどの疾患モデル動物の開発・研究を実施しております。
 87頁では、基盤研オリジナルの自然発症した原発性ネフローゼマウスを用いて、病態進行が穏やかで、個体差が小さく、維持繁殖容易な改良型ネフローゼマウスを作製した旨のご報告です。この改良研究が成功したことに伴いまして、平成21年度分譲開始から、大手製薬会社による薬効評価系への利用が増えております。
 次に評価シート11、(4)薬用植物の項についてです。88頁をご覧ください。本項の自己評定はSとしております。これは我が国唯一の総合的薬用植物研究センターとして、薬用植物の収集、保存、維持、供給、品質管理に加えて、それらに必要な技術や評価に関する研究で、中期計画を大幅に上回る成果を上げたことによるものです。
 とりわけ、日本で唯一の特徴を有する薬用植物統合データベースを整備して公開を開始したほか、シャクヤクやカンゾウ、ハトムギなど、さまざまな新品種を開発し、種苗法に基づく登録申請を行うなど、これまでの研究成果を大きく進展させております。
 89頁から94頁までは、薬用植物資源研究センターの成果となっております。89頁に示しておりますとおり、薬用植物資源研究センターは、ナショナルレファレンスセンターとしての役割を担っておりまして、先述のとおり、薬用植物遺伝子資源の収集等を実施しているほか、薬用植物に関する情報の整備、提供を実施しております。
 90頁では、薬用植物資源の収集・維持管理に関する業績データをお示しております。主なものとしては、約4,000系統の植物を栽培・維持し、種子交換・保存用として895点の種子を採取・調製するなど、中期計画における目標を大幅に上回る成果を達成しております。
 91頁では、国内唯一の薬用植物統合データベースの公開を開始したというご報告です。この統合データベースには、薬用植物資源研究センターが保有する重要薬用植物119種類に関するデータが登録されておりまして、生育・栽培情報や植物情報、生薬情報の相互参照が可能となるほか、直感的な検索・操作が可能で、全体を俯瞰的に把握できるなどの特徴を有する画期的なものとなっております。
 92頁は、新品種3種類の育成に成功したことのご報告です。寒冷地向けハトムギ新品種「北のはと」については、すでに種苗法の登録も終わり、大規模機械化栽培を目指した商業生産実験を実施しており、約9haの規模で生産した結果、約9tの収穫物が得られております。また温暖地向けハトムギ新品種である「はとろまん」については、種子島研究部から種苗法の登録申請中です。さらにシャクヤク新品種、「べにしずか」についても品種登録出願中となっております。
 93頁では、薬用植物の閉鎖系栽培施設、いわゆる植物工場ですが、そこでの栽培研究に関するご報告となっております。植物資源については、生物多様性条約の締結や、資源ナショナリズムの台頭によりまして、従来、大陸から容易に輸入できた薬用植物が輸入できにくくなっております。このため漢方処方の7割程度に配合されているウラルカンゾウについては、安価に国内生産できるようにするべく、筑波研究部で溶液栽培のための装置、手法の開発に取り組んでおります。その結果、グリチルリチン含有量が日本薬局方規格値を達成する画期的な培養法の開発に成功しております。現在、特許出願中でございます。
 94頁は、未利用植物資源のリーシュマニア治療薬の開発状況のご報告です。平成21年度はミャンマー、ペルー、ソロモン諸島、UAEなどの未利用植物資源から新規スチルベン化合物3種類を含む計7種類の活性化合物を得ることに成功しております。
 次に評価シート12、(5)霊長類の項についてです。95頁をご覧ください。本項の自己評定はSとしております。これは我が国唯一の医科学実験用霊長類センターとして、医科学研究用霊長類リソースの開発、収集、維持、品質管理、供給及びそれらに必要な技術や評価に関する研究で、中期計画を著しく上回る成果を上げたことによるものです。とりわけ画期的な成果としては、世界に類を見ないカニクイザル心筋梗塞モデルの開発に成功したほか、当センターで樹立したカニクイザルES細胞を用いた神経系細胞への分化機構の解明や、風疹ワクチンの安全性評価モデルの確立など、研究面で著しい成果を達成しております。また、世界で初めてヒト由来の遺伝子導入は全く行わず、すべてカニクイザル遺伝子を用いたiPS細胞樹立に成功したことも特筆すべき成果です。
 96頁から101頁までが霊長類医科学研究センターの成果となっております。96頁では、同センターの有する霊長類研究リソースをカニクイザルの繁殖・育成、高品質化と、霊長類を用いた医科学研究の2つに分類して、資源の高度化を図っております。
 97頁では、高品質カニクイザルの繁殖、育成、品質管理、供給を実施しており、生産供給頭数などのデータのほか、国際的にも極めて貴重なスーパーSPF個体の推移についてもお示しをしております。
 98頁は、妊婦に接種可能な安全かつ効果的な新規風疹ワクチン開発を目指して、妊娠カニクイザルを用いた風疹ワクチンの評価を実施しております。その結果、カニクイザルは風疹ワクチンの安全性評価モデルとして利用できることが明らかになるという画期的な成果が得られております。
 99頁は、Ag85B発現SHIVを作製し、各種の検討を行った結果、Ag85Bを発現する高度弱毒エイズ生ワクチンの構築に成功するという、画期的な成果が得られております。
 100頁では、急性期、慢性期ともに、ヒトと同様の病態を示す画期的な世界に類を見ないカニクイザル心筋梗塞モデルの開発に成功しております。
 101頁では、カニクイザルiPS細胞の樹立の検討を進めており、ES細胞と同様なPheno typeを示すことが明らかとなっております。今後は移植可能なiPS細胞の樹立を目指すこととしております。
 Part2については以上です。

○田村部会長
 ありがとうございました。委員の皆様は、評価シートへの評定等の記入をお願いいたします。また、質問等がございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

○田宮委員
 たくさんの成果をお出していただいて素晴らしいと思うのですが、1点、前にも確認させていただいたと思うのですが、このパワーポイントの中に、原著論文の記載が下にあるものとないものが散見されます。これはペーパーになっているものは記載があって、ペーパーの記載がないのは、まだペーパーになっていないと考えてよいのか。それとも、あるけれども記載されていないのか。非常にたくさんの成果が出ているものですから、これだけのものが全部ペーパーになっているとしたら、本当にすごいと思います。その辺を伺いたいのです。
 これだけたくさんの成果は、基盤研の内部から出ていると伺っていると思いますが、本当に全部内部の研究者によるものなのか。例えば、ファーストオーサーはみんな内部の方なのかとか、その辺はどのぐらいの割合で、外との共同によるものなのか。その2点です。ペーパーの件と共同の件をお願いします。

○医薬基盤研究所戦略企画部長
 それではお答えさせていただきます。実際にペーパーになっているものにつきましては、参考資料として提出しております資料の中に記載させていただいております。先生がご指摘のとおり、あまりにもたくさんありますので、全部書くわけにはいかなかったものですから、代表的なものを書かせていただいております。
 資料の構成上、例えば、34、35頁辺りをご覧いただくとおわかりいただけるのですが、概要としてどんな研究をやっているのかを書かせていただきまして、それに対して、今年度の研究成果はこうですということを書いたりしております。全頁に論文を書くことはなかなか厳しいところがあります。その関係で取捨選択をして代表的なものをお書きしております。できるだけすべて書きたいとは思っておりますが、この点については努力をしていきたいと思います。
 共同研究の関係については、34頁、35頁などが代表例です。こちらのほうは、まさに製薬企業13社と国立医薬品食品衛生研究所との共同研究となっております。ただ、ハブの研究機関は私ども医薬基盤研究所でして、私どもの所に皆さんが来ていただいて、データベースの構築や、数年前まではウェットの実験などを実際に行っていただいておりました。今回ご報告をさせていただいている内容については、まさに私どもの研究者が中心となってやっている研究成果についてご報告をさせていただいております。以上です。

○田宮委員
 ペーパーが書いていないのも、パワーポイントにあるのはほとんどペーパーになっているということでよろしいですか。

○医薬基盤研究所戦略企画部長
 全部が全部ではありませんが、ほとんどなってございます。公表できるものだけを載せましたので、そういう意味では大丈夫なものだけを出しております。

○田宮委員
 わかりました。

○市川委員
 関連かもしれないですが、バイオマーカーを含めて、いろいろすごい成果が上がっているわけですが、非常に有用性の高い業績だと思うのです。こういうものは、時間の軸もありますが、いわゆる公開性というか、誰でも使える状態になるのか。あるいは国内国外を含めて、そういうような所に対しての見通しというのはどうなるのでしょうか。
 特許とかいろいろなことがあるのでしょうが、有用性というか、この研究所のあり方として、基礎研究に対してはいろいろやってあげるとか、何か考え方はあるのですか。

○医薬基盤研究所理事長
 公開については、最初のプロジェクトのトキシコに関しては、終わってから、実は第1期の分は、研究期間終了後3年間は共同研究機関内のみの公開、その3年間が満了後、共同研究機関以外の方にも公開することになっております。基本的には、公的な共同研究はある一定の期間の後にはすべて公開するというのが我々のスタンスです。ただ、無料で使えるかどうかは別にして、公開はするというのは我々のスタンスです。

○市川委員
 共同研究の場合、共同研究をされている方に対しての付加価値みたいなものはどういう関係に。

○医薬基盤研究所理事長
 ある一定の期間だけは。

○市川委員
 一定の限りで、その方が優位に使えるということでフィードバックされているのですか。

○医薬基盤研究所理事長
 そうです。

○田村部会長
 ほかにはいかがですか。

○市川委員
 細かい話ですが、リン酸化のバイオマーカータンパクは7,000種類出されているということで、世界1というようにトップレベルでプロテオミクスされたわけですが、それは急速に目標を達成されて、もう1万種類以上のいろいろなタンパク質の解明をされているのですが、そういうものをまず見つけて、そのあとにリン酸化タンパク質の疾患との関連とか、あるいはその次の発展というように、ザッとやっていくと、ある構造があればいくつか見つかってくると思うのですが。その辺の役割を含めて、見解はどうなっているのですか。

○医薬基盤研究所理事長
 第2期が始まっているところですが、これはいま網羅的に見つけているというのが現実です。ちょうど中間点より少し前ぐらいになっていると思いますが、それを今度はどういうふうにして、バイオマーカーとして有用性があるかということは、これからの研究で、まだ途中段階であるということで、網羅的に見つけているということです。

○鈴木部会長代理
 2つほど質問させていただきます。まずプロテオームリサーチプロジェクトで、最新鋭の高性能質量分析機器について。これは評価シートでは、次世代質量分析計を使った研究であると書いてあります。この次世代の質量分析計というのは、非常に威力を発揮しているように思うのですが、これは今後非常に大きな貢献をしていくのではないかと思います。やはり、この装置を持っていることの優位性というのは大きいものなのでしょうか。いまどれぐらい国内ではこの装置を保有している所があるのでしょうか。それが第1点です。
 もう1つは、免疫シグナルプロジェクト、61頁でSOCS-3を用いた悪性胸膜中皮腫に対する新規治療法の開発について。これは非常に広い、また強い反応が社会からあるものと思います。たしかに画期的な治療法の開発につながるものではないかと思います。1つご質問をしたいのは、SOCS-3を用いた癌の治療法というのは、ほかの癌に比べて悪性胸膜中皮腫は格段に効果が大きいということなのかどうか、ということを教えてください。

○医薬基盤研究所理事長
 最後のSOCSからいきますが、SOCSに関しては、この方法は、その部分に入れやすいというので、ほかの癌はこれからの検討だと思いますが、中皮腫で胸腔に入れるやり方がやりやすいという方法で、今後の臨床研究につながると。また、この治療法が難病の1つでなかなかないということが1つだと思います。ほかの癌に関しては、これからです。

○医薬基盤研究所戦略企画部長 
 続きまして、1つ目のご質問の次世代質量分析計の件については、1年数カ月前に導入した機械です。そのときに導入したポリシーとして、ここのPRP(プロテオームリサーチプロジェクト)の方針というのが、網羅的に疾患関連のタンパク質を見つけてこようということでしたので、実は、同じ試料を使っても、質量分析計のメーカーが違うと、見つかってくるタンパク質が全然違っております。このため、私どもは様々なメーカーの最先端の質量分析計を取り揃えたということでございます。これらを用いて網羅的にいろいろなタンパク質を同じ試料から見つけましょうと。違うタンパク質を見つけましょうということで研究を進めております。私どもがこれらの質量分析計を取り揃えた当時、このようにいろいろな最先端の機械を、種類を換えて持っておられる機関はございませんでした。先生のご質問に直接お答えにはなっておりませんが、何台どこのメーカーの機械が売れているかまではわかりませんが、全体としてそういうシステムを構築したのは私どもが初めてであるということです。以上です。

○田村部会長
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。それでは次にグループ3、「研究開発振興関係」で、これは評価項目が13から16になります。これにつきまして、評価を行わせていただきたいと思います。このグループにつきましては、所要時間は法人からのご説明は15分、委員の評定と質疑は15分、合計30分ということで行わせていただきたいと思います。それでは法人からのご説明をよろしくお願いします。

○医薬基盤研究所研究振興部長
 研究振興部長の北窓です。よろしくお願いいたします。研究開発振興業務について、説明資料の102からのPart3をご説明いたします。研究開発振興業務には4つの評価項目が設けられています。まず本体事業が終了している承継業務を除いた3つの研究開発業務について、事業ごとの概要をご説明いたします。
 最初の基礎研究推進事業については、資料103をご覧ください。この事業は、大学や国立試験研究機関等の創薬等研究プロジェクトを支援対象としています。平成21年度は、95のプロジェクトに約80.9億円を交付いたしました。
 次の実用化研究支援事業については、資料104をご覧ください。ベンチャー企業の創薬等研究プロジェクトを支援対象としており、平成21年度は新規案件はなく、継続案件のみとなりましたが、7社の研究プロジェクトに約8億円を交付いたしました。この事業は財政投融資、特別会計からの出資金を受け、平成16年度に開始されています。本事業の成果により得られた収益の一部を納付していただく仕組みですが、事業開始当初は委託費の交付が先行するため、売上納付金が入るまでの間、繰越欠損金が増加することとなり、平成21年度末で約62億円の繰越欠損金が計上されています。このため平成21年度からは繰越欠損金の増加を抑えるため、新規募集を休止することといたしました。こうした状況にはありますが、平成21年度には初めて売上納付金を計上することができました。
 3番目の希少疾病用医薬品等開発振興事業について、資料105でご説明いたします。この事業は、厚生労働大臣から指定を受けたオーファンドラッグ・オーファンデバイス、すなわち医療上の必要性は高いにもかかわらず、患者数が少ないため開発が滞るおそれのある医薬品医療機器の研究開発を促進するため、開発企業を対象として助成金交付を行うものです。平成21年度は11社、13品目に対して約6.4億円を交付いたしました。
 次の資料106は、ただいまご説明した3事業を研究開発段階に応じて示した図です。基礎研究推進事業は、治験にまだ入っていない実用化に向けた段階のもの。実用化研究支援事業は、委託中に治験を開始できる見込み段階のもの。希少疾病用医薬品等開発振興事業は、治験を開始した段階のものとなっています。
 次に資料107をご覧ください。評価シート13、国民の治療上の要請に即した研究開発の振興による国民保健の向上について、平成21年度の業務実績をご説明いたします。?@有望案件の発掘につきましては、技術マップ・知財マップの充実・活用、ベンチャー企業の情報収集を行ったほか、学会等に参加し、創薬科学等の最新のトレンドを把握いたしました。?A社会的要請に基づいた案件の採択につきましては、評価委員に対してアンケート調査を実施し、公募テーマの設定に反映させたほか、採択に当たっての評価を改良いたしました。
 次の頁をご覧ください。?B国家政策上、重要性が高いテーマの選定・採択については、厚生労働省担当課と公募テーマの設定に当たって事前相談を行うことにより、その実効に努めてまいりました。ところで、国民保健の向上という観点からは、プロジェクト研究の成果がいかに実用化され、医療現場で患者さんの役に立ったかという視点が欠かせません。平成21年度は、実用化につながった実績として、基礎研究推進事業では採択プロジェクトによって開発された医療機器が薬事法による承認を取得しました。具体的には、次世代型呼吸循環補助装置が承認され、医療現場に届けられています。この製品は日本が得意とする工学の技術を活用し、従来の同様の製品に比べ、大幅な小型化を図るとともに、従来製品の欠点であった装置通過時の血液凝固、血液漏れの問題を解決いたしました。2009年秋から冬にかけて発生した新型インフルエンザへの対応として、例えば、重症化のため入院して人工呼吸器を装着することになった岡山のお子さんの患者に使われ、また外国にも輸出されるなど、優れた性能の人工呼吸器です。資料110に写真を載せていますのでご覧ください。
 また希少疾病用医薬品等開発振興事業では、本事業の活用により、直近では資料111に掲載しているさまざまな医薬品が承認に至っており、特に長年待ち望まれていた「新生児けいれん」の治療薬、「クローン病」の治療に使う医療機器が開発、上市され、医療現場や患者さんから感謝の声が医薬基盤研究所に届いております。これらの実績は直接的に国民保健の向上に寄与したと評価できると考えております。
 ?C研究内容を重視した案件の採択につきましては、基礎研究推進事業において、募集テーマに応じた評価項目を設定するとともに、評価項目及び評価ウエイトを見直し、評価を実施いたしました。資料109は基礎研究推進事業の新規採択プロジェクト数を示しております。平成21年度に募集した平成22年度採択プロジェクトは、3分野で合計21課題を採択しています。
 以上が評価シート13にかかる説明ですが、基礎研究推進事業と希少疾病用医薬品等開発振興事業において、国民保健の向上に寄与する成果が出ていることや、評価の見直しを行う、より適切な案件の採択に努めたことから、自己評価をSといたしました。
 次に資料112をご覧ください。評価シート14、知的財産の創出及び製品化の促進についての実績を説明いたします。?@プログラムオフィサー制度については、従来理事長が併任していたプログラムディレクターに、国立循環器病センター名誉総長の北村総一郎先生を迎えたほか、6名のPOの常勤化を進めるなど、体制の強化を図りました。これにより、研究プロジェクトに対する指導・助言機能の強化が図られ、委託契約条件の付与、打切り等を実施するとともに、事業の実施体制を拡充し、より綿密な研究の進捗管理を実施いたしました。研究者からも知財戦略に関して、当研究所のPOの助言・指導が非常に役に立ったという声も寄せられています。
 ?A政策目的の実現に適した評価方法の確立につきましては、新規項目を追加し、定量的指標を用いた評価を実施いたしました。?B外部評価者の活用等による実効性のある評価の実施につきましては、専門委員を増員・拡充し、書面評価及び面接評価の二段階評価の強化を行いました。?Cバイ・ドール方式による研究成果の活用については、平成21年度の大きな成果としては、基礎研究推進事業では、先ほど申し上げました薬事法の承認取得につながる事例を認めたこと。実用化研究支援事業については、売上納付金を初めて計上したことが挙げられます。
 特許及び論文については、資料115に示すように、基礎研究推進事業において95件の特許出願及び485件の論文発表がありました。特許出願数については、目標の10%程度増を大きく上回る49.2%増となっています。論文発表については6.8%増で、目標とする10%増には及びませんでした。また先ほども述べたように、次世代型呼吸循環補助装置、いわゆる人工肺について、本事業で支援した研究プロジェクトの成果を活用し、2009年5月に薬事法の承認を取得することができました。
 次の頁の?D研究成果等の公表については、基礎研究推進事業において、シンポジウム形式による成果発表会の開催をしたほか、権威ある専門誌に論文が掲載された研究成果を医薬基盤研究所ホームページで発表するなど、成果の公表に努めました。基礎研究推進事業及び希少疾病用医薬品等開発振興事業では、パンフレットの作製も行っております。
 資料114に戻っていただいて、下の実用化研究支援事業では、収益が得られた案件が1件ございました。さらに当研究所において繰越欠損金に関する計画策定委員会を開催し、委託先企業の収益見通しについて確認をしております。
 資料117は、基礎研究推進事業の年間スケジュールを示していますが、公募開始を早め、採択前調査の実施時期も早めております。進捗状況等報告会は7月に実施いたしました。
 資料118に基礎研究推進事業の医薬品等開発に向けた進捗状況例を示します。1例目は、平成18年度採択の京都大学山中教授の人工万能幹細胞の創薬および再生医療への応用に関する研究ですが、ウイルスベクターを用いずに、iPS細胞の樹立に成功し、今後薬効・毒性の評価などの研究の進展が期待されます。
 2例目からは、平成20年度に採択されたいくつかの研究を示していますが、癌に対する分子標的治療薬の開発。次世代抗体医薬の研究、心臓外科手術時の移殖心臓弁等の研究。「貼るワクチン」の研究等がそれぞれ進行しています。資料119から資料123にそれぞれの詳細の資料を掲載いたしましたのでご覧ください。
 続いて資料124から資料127にかけては、実用化研究支援事業採択案件の進捗状況です。全部で19プロジェクトを採択いたしましたが、医薬品等の開発状況は、早い所では臨床試験の第?V相を実施しており、近い将来、上市の見込みのある案件及び保有する知的所有権を実施許諾した案件も出てきています。なお、先ほど申しました収益が得られた案件は、知的所有権の実施許諾によるものです。
 資料128は、希少疾病用医薬品等開発振興の助成金の交付実績を示しています。平成21年度は11社、13品目に6億4,000万円を助成いたしました。事業が開始された平成5年度から平成21年度までの累積助成品目総数は142品目で、これまでに承認された累積品目数は87品目となりました。
 ここまでが評価シート14にかかる説明ですが、実用化研究支援事業において収益が得られた案件を1件確保したことや、基礎研究推進事業において特許出願数が大幅に目標を上回ったこと。プログラムオフィサー制度の体制強化等により、A評価としております。
 次に129をご覧ください。評価シート15、利用しやすい資金提供についての実績を説明いたします。基礎研究推進事業については、公募時期の早期化とともに、引き続き全国7カ所で公募説明会を開催いたしました。公募締切から採択決定までの期間は、中期目標期間前5年間より0.76カ月短縮し、3.77カ月となりました。中期計画の目標としていた0.5カ月程度の短縮を大幅に上回る成果を達成できました。また不採択者も含めて応募者全員に審査結果及び応募研究プロジェクト全体の得点分布も新たに通知いたしました。参考として、応募件数・採択件数の推移を資料130に付けています。毎年多くの応募をいただいております。研究費使用のルールについても大幅に見直し、研究者にとってより利用しやすい資金となるよう努めました。評価シート15につきましては、採択決定までの大幅な期間の短縮を達成できたことから、S評価としております。
 最後に資料131をご覧ください。評価シート16、承継業務の適正な実施について説明いたします。承継業務について簡単に説明すると、出融資事業にかかる資金の回収です。本体出融資事業は、平成15年度に廃止され、平成16年度からは承継業務となり、平成17年度に医薬基盤研究所設立時に当研究所がこれを引き継いだものです。承継業務のうち、出資事業につきましては、平成21年度末時点で約256億円の繰越欠損金が計上されています。この繰越欠損金につきましては、旧医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構が実施していた出資事業により生じたものであり、同機構から事業を引き継いだ医薬品医療機器総合機構を経て、当法人が承継したものです。15設立された研究開発法人は、現在2法人を残すのみとなっております。平成21年度は、昨年度に引き続き、プログラムオフィサー等による法人の実地調査を行い、現況を確認するとともに、事業化・収益化を図るよう指導を実施いたしました。また出資法人から研究成果報告書や収益予測等の資料提出を求め、妥当性の評価を行うとともに、成果管理委員による面接評価を行いました。これらの結果を踏まえ、2社の存続を決定いたしました。2社においては、導出先において製品化に向けた開発が進行中です。なお、当研究所においては、繰越欠損金に関する計画策定委員会を開催し、存続2社の収益予測を確認いたしました。
 融資事業につきましては、償還計画に沿った資金貸付金の回収を着実に実施しております。32件の融資のうち、30件については回収が終了し残りは2件です。
 このように、評価シート16につきましては、実地調査や面接評価による収益最大化のために取り組み、及び繰越欠損金に関する計画策定委員会を開催し、存続2社の収益予測を確認したことから、A評価としております。研究開発振興業務については、以上です。

○田村部会長
 ありがとうございました。委員の皆様におかれましては、評価シートへの評定等の記入をよろしくお願いいたします。質問等ございましたら、適宜ご発言をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○酒井委員
 PO制度のことですが、どういうきっかけでPO制度を導入されようとお考えになったのか。それから、いま6名の方が常勤で活動をされているということですか。その方々たちは何をするのかということについては、所内の中で明文化されているのでしょうか。教えていただきたいと思います。

○医薬基盤研究所研究振興部長
 まず、プログラムオフィサー制度の導入については、総合科学技術会議のご指導もございまして、競争的研究資金を配分するファンディングエージェンシーである当研究所に配置したものです。
 プログラムオフィサーは、現在は常勤で6名で、役割については明文化されております。研究の進捗管理及び評価委員に対する書類での意見の提出等を行っていただいております。

○岩渕委員
 繰越欠損金の説明がよくわからなかったので、もう少しわかりやすく説明をしてもらいたいのです。どういうふうな状況になったのか。

○医薬基盤研究所研究振興部長
 繰越欠損金については、特別会計からいただいて、当研究所で委託研究としてベンチャー及び企業に交付したものです。成果で、実際に製品化等されたあかつきに収益が出た場合は、当研究所に収益金を回収させていただく。その回収金が出るまでは、委託費をそのまま欠損金として計上しなければならないという制度上の仕組みがあります。収益が出るまでは繰越欠損金として拡大していくということです。

○岩渕委員
 事業仕分けとか、省内の仕分けでは、これはどういうふうな扱いになるのですか。結論だけ教えてください。

○医薬基盤研究所研究振興部長
 事業仕分けには、省内と行政刷新会議がありますが、これらの結果を併せて、今後は厚生労働省で整理をしていただくものと考えております。実用化支援事業については、事業の廃止と言われておりますが、現在、資金を回収しているものがありますので、これをどのようにするかについては、厚生労働省で今後ご検討されていくものと考えております。承継業務については事業本体はすでに終了しておりまして、回収業務が残っておりますので、これについての回収は引き続き行っていくと理解しております。

○田村部会長
 よろしいですか。ほかに何かご質問はございますか。

○田宮委員
 最初に質問した件で、もう少し詳しく伺いたいのですが、最初の1頁にある「難病患者等の切実な要望に応えて、画期的な創薬に向けた」というところが目にとまったものですから、それに呼応するものがいまの説明なのかなと思って伺っています。もう少し具体的に、切実な難病患者等の要望をどんなふうに把握されて研究と関連づけられたのか、教えていただければありがたいと思います。

○医薬基盤研究所研究振興部長
 ありがとうございます。委員ご指摘の1頁の内容につきましては、研究開発振興業務に加えて、研究所自らが実施する研究についても該当するものです。研究開発振興業務の関連でご説明いたしますと、111頁に希少疾病用医薬品等開発振興事業でのオーファンの助成金交付後の開発状況をお示ししておりますが、いずれも、患者さん5万人未満の難治性の疾患に対して、開発を助成することができました。

○田宮委員
 「切実な要望に応えて」というと、オーファンドラッグであるとか、いままであまり
数からいったら遅れていたようなことを、ここで進められたということですか。

○医薬基盤研究所理事長
 資金の提供はそうなのですが、前にお話したように、難病団体との懇談会みたいなものをもちろん持っておりまして、我々の研究の内容を説明させていただくようにしているのです。資金提供以外の我々の研究も、難病のほうにシフトしております。今度、実は第2期から特にそうですが、難病という大きいカテゴリーの中に、いままでの研究をかなりシフトして、難病の団体との懇談会も行っております。

○田宮委員
 その懇談会のことはどこかに書いてありますか。

○医薬基盤研究所理事長
 これは第2期なので、平成22年度から始まりましたから、これは平成21年度です。平成22年度から新しいカテゴリーにしてやっているところです。

○田宮委員
 是非進めていただきたいと思います。

○医薬基盤研究所研究振興部長
 加えまして、委員からご質問があった件で、こちらの基盤研の第1期のレポートがお手元に届いていると思います。40頁に、希少疾病用医薬品等の開発振興事業の実績を掲げております。ここに2つ図入りで書いておりますが、高フェニルアラニン血症に対する薬とムコ多糖症?T型に対する薬については、このように成果が出ておりまして、患者さんが辛い治療から開放されています。これらの薬については、開発の当時から厚生労働省にもいろいろと患者さんの団体からご要望があった品目であると伺っておりますので、ご参考までにご紹介をさせていただきます。

○田村部会長
 よろしいでしょうか。ほかに何かございますか。評価シートの記入のほうもよろしいですか。それではグループ4、「予算収支計画、その他運営業務関係」については、評価項目が17から18になりますが、これについての評価を行わせていただきたいと思います。所要時間は、法人からのご説明が10分、委員の評定・ご質疑は15分、合わせて25分ということで進めさせていただきます。それでは法人からのご説明をよろしくお願いいたします。

○医薬基盤研究所総務部長
 総務部長の古村です。事業報告Part4、財務内容の改善、その他業務運営に関する重要事項について説明いたします。説明資料132頁からです。これはPart1でもご説明しましたが、まず133頁をご覧ください。当研究所は、医薬品医療機器総合機構、国立医薬品食品衛生研究所、国立感染症研究所の3つの組織の一部を一緒にして、新たに立ち上げた法人です。
 そのことから、医薬品医療機器総合機構からの研究振興業務につきましては、平成16年度予算を基準として効率化を図り、削減を図ることとなっております。また、その他業務につきましては、平成17年度予算額を基準として効率化を図り、節減を図ることとなっております。
 効率化の対象となる一般管理・事業費のそれぞれが、基準となる平成16年度、平成17年度の予算額に対する平成21年度の実績を示しているのが133頁です。資料に記載のとおり、大きく目標は達成いたしました。
 一般管理費については、平成16年度の予算2億5,500万円から、平成21年度実績1億7,300万円と、32.2%を削減いたしました。目標15%の減額を大きく上回った結果となっております。また、平成17年度からの予算につきましても、16億6,800万円から、平成21年度実績14億1,700万円と15.1%の減額と、削減目標12%を上回た削減となっております。事業費につきましては、平成16年度の予算、67億8,100万円から、平成21年度実績13億1,000万円となっております。これにつきましては、研究振興部の基礎研究推進事業における研究委託費につきまして、削減対象となる指定研究費から対象除外となる競争的研究資金に52億7,400万円ほど振り替えております。その結果、-80.7%と、5%を大きく上回った削減となっております。これを考慮しても、13%の減額ということで、削減の目標は達成したものと考えております。平成17年度からの予算につきましても、7億8,400万円から、平成21年度実績6億9,100万円と、11.8%の減額となりまして、目標-4%を上回った実績となっております。一般管理費・事業費とも節減に努めて、計画的な執行に努めた結果であると考えております。
 次に134頁です。これは運営交付金以外の自己収入として、競争的研究資金、受託研究費、共同研究費等の獲得状況を表しております。平成20年度に対して、全体として件数も金額も増え、件数で35件、金額で1億700万円増加しております。これは第1期の中期計画値の最大の金額となっています。135頁にも記載のとおり研究者1人当たりの獲得も2年連続日本一ということで、これは当研究所として獲得に努めたということでご報告申し上げます。
 136頁については、開発振興勘定にかかる未処分利益についてです。平成21年度の未処分利益は6億500万円となっております。これにつきましては、希少疾病用医薬品等開発振興勘定の助成事業の企業の売上納付額から当該事業にかかる経費を除いた金額が相当します。その他、当該事業年度は、中期計画の最終年度に当たりまして、独立行政法人会計基準の規定により、運営交付金の期末残高の5億4,900万円を全額収益に振り替えて、運営交付金収益に含めたことから、かなりの利益が生じた形となっております。
 これらの金額につきましては、平成21年度末までの積立金と併せて、厚生労働大臣の承認を受けた額を除いた金額を国庫納付することとなっております。なお、財務に関しては監事監査、及び監査法人からは監査報告書に「適正に処理されている」と報告をいただいております。また、報告書のほうに監査報告書を添付しております。定期監事監査におきましては、違法、合法はもちろんのこと、業務の適正さ、妥当性、合理性、効率性について着目した監査が行われました。その結果を申し上げますと、研究成果について、国民に理解しやすい形で情報提供を行っていくことが重要であるということ。また、今後はさらに製薬企業、研究機関など、外部機関との連携、協力が強化されることが望ましいということ。理事長をトップとして、研究者間において、研究ポリシーや研究の進め方について継続的に議論が進められることを期待するということなどの報告をいただいております。シート17、財務内容の改善につきましては、中期計画に掲げる目標を上回る目標を達成していることから、A評価とさせていただきました。
 続きまして、評価シート18、その他業務運営に関する重要事項についてです。137頁をご覧ください。研修の実施につきましては、国内外の専門家を招いてセミナーを実施したほか、他の機関との共同セミナーに研究者を参加させるなどの研修を行うとともに、所内研究発表会、研究成果発表会を実施いたしました。さらに平成21年度からは、基盤的研究部、薬用植物資源研究センター、霊長類医科学研究センターを含めた生物試験研究部の、各研究プロジェクトの当番制による「定例研究発表会」を新たに開催いたしました。これによりまして、所内の情報交換をより進めることができたとともに、研究職員の連携が大きく図れました。
 人事評価制度の実施については、業務評価シート及び人事評価マニュアルを策定、説明の上、本格実施いたしました。評価結果につきましては、平成21年度の賞与に反映したところです。138頁、職員の採用状況については、平成21年度におきましては、研究者2名を広く公募を行い、公正を期するため、内部職員による人事委員会を開催し採用したところです。
 次に140頁のセキュリティの確保についてです。当研究所につきましては、IDカードによる入室の管理システムを導入しております。そのため、新任職員へ指導するなど周知徹底を図っております。また、RI区域及びES細胞室の入室管理の強化を図っております。情報セキュリティ、個人情報保護等につきましては、研修を実施し、職員の周知徹底を図り、所内共用LANシステムの活用と情報セキュリティの維持を図っております。
 最後に、施設及び設備に関する事項です。薬用植物資源研究センター、及び霊長類医科学研究センターがかなり老朽化している関係で、そちらの整備の工事、改修工事をそれぞれ行っております。以上のとおり、評価シート18につきましては、セミナーへの積極的な参加、実施、プロジェクト当番制による「定例研究発表会」を新たに開始したということ。人事評価制度を本格実施し、賞与に反映したこと等、中期計画を上回った実績を達成したと判断したことから、A評価とさせていただいております。簡単ではございますが、以上です。

○田村部会長
 ありがとうございました。委員の皆様におかれましては、評価シートへの評定等の記入をお願いいたします。質問等ございましたら、適宜ご発言をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

○酒井委員
 今日の初めから、いろいろご説明のあったことをまとめていただいたわけですが、これだけの基盤研究、その他の研究があり、競争的研究資金がこれだけ獲得されていて、職員の方たちの、特に研究員の方たちの労務管理というか、もしくは健康管理はどうなっているのでしょうか。これは私たちの専門でもあるのですが、特に若い人でメンタルな面でもいろいろ弱い人もいるということの中で、これだけの業務量を抱えて、どんな管理をされているのか。もしくは現状はどんなものなのか、お答えいただければ聞かせていただきたいと思います。

○医薬基盤研究所理事長
 詳しく、数とかは総務からいたします。私は全体的に確かにメンタルのケアは非常に重要だと思っています。この5年間で少なくとも、休職を含めて、短期ですが、非常に少ないですがされた方もおられました。我々はもちろん正式といいますか、人件費でやっている職員プラス随分たくさんのプロジェクト研究員、ポスドク、非常勤職員がおられますので、産業医に来ていただいて、必ずコンサルトするようにということで総務部からアナウンスしています。これは総務部から話していただければいいのですが、いま何人コンサルトされているかわかりませんが、いつでもオープンにコンサルトするようにと言っております。いまのところ何人コンサルトしているかは掴んでおりませんが、そのように、いつでも産業医とコンサルトするような場を設けておりまして、ドクターにコンサルトするというふうにしております。

○医薬基盤研究所総務部長
 数は把握しておりませんが、産業医に来ていただいて、相談を受けたいという受付はしております。また実質的な職員数は常勤の職員としては83名ですが、非常勤職員を含めて、全体で245人の職員がいるということをご報告申し上げます。

○酒井委員
 そういうところから、個別事例というよりも、産業医の先生から、例えば理事長宛に、こういう研究の仕方等で、こういう改善をしたほうがいいというアドバイスはあるのですか。

○医薬基盤研究所理事長
 少なくとも、私にはございません。私から聞く必要があるかもしれません。そう言われますと、私自身がお聞きしていませんので、お聞きしたいなと思っていますが、直接、産業医が私のところに、そのような報告はいただいておりません。

○田村部会長
 ほかに何かご質問はございますか。よろしいでしょうか。評定等の記入は終わりましたでしょうか。まだ終わっていない方がいらっしゃるかと思いますが、政策評価官室から、それについてのご説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 記入が終わっていない委員の方につきましては、本部会が終了したあとに、会場にお残りになっていただいて結構です。また、評価シート及び評定記入用紙をお持ち帰りいただいて、ご自宅等で記入されて、また後日郵送いただくか、メールでいただくことも可能ですので、事務局まで一声かけていただければと思います。

○田村部会長
 ありがとうございました。本日の議事は以上となります。次回の開催等につきまして、事務局からご案内をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 次回は7月13日(火)、夕方5時からとなっております。場所は厚生労働省の本省に戻りまして、専用第21会議室となっております。議題は、国立健康・栄養研究所の個別評価、その他となっております。
 また、冒頭でご説明しましたが、参考資料3と4という形で、省内事業仕分けと、行政刷新会議が行った事業仕分けの結果の全独法分を付けております。調査研究部会の今後の開催の際には、それぞれ対象となっている法人につきまして、本日、参考資料1と2でお付けしたように、抜粋した形の資料をその都度配付させていただきますので、この資料3と4は、本日お持ち帰りいただくか、その都度もらえるのであればいいということであれば、置いていただいても結構です。事務局からは以上です。

○田村部会長
 本日は、以上とさせていただきます。長時間にわたり、熱心なご審議をいただきまして誠にありがとうございました。
 


(了)
<照会先>

政策統括官付政策評価官室

独立行政法人評価係: 03-5253-1111(内線7790)

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