ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 独立行政法人評価委員会(独立行政法人評価委員会調査研究部会)> 独立行政法人評価委員会調査研究部会(第47回)議事録




2010年7月13日 独立行政法人評価委員会調査研究部会(第47回)議事録

○日時

平成22年7月13日(火)17:00~20:00


○場所

厚生労働省専用第21会議室


○出席者

   田村部会長、鈴木部会長代理、武見委員、清水委員、岩渕委員、政安委員、酒井委員、市川委員


○議事

(以下、議事録)
 
○田村部会長
 定刻になりましたので、ただいまから第47回「厚生労働省独立行政法人評価委員会調査研究部会」を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、田宮委員、中村委員がご欠席です。本日の議題は、お手元の議事次第のとおり、国立健康・栄養研究所の平成21年度業務実績に関する個別評価を行わせていただきます。早速ですが、国立健康・栄養研究所の個別評価に入らせていただきます。最初に、徳留理事長からご挨拶と平成21年度における業務実績概要のご説明をよろしくお願いいたします。

○国立健康・栄養研究所理事長
 独立行政法人健康・栄養研究所理事長の徳留でございます。評価委員の先生方におかれましては、かねてより私どもの研究所の調査研究業務に対しまして、的確な評価を賜りまして誠にありがとうございます。本日は、第2期中期計画5年間の第4年度に当たります平成21年度の業務実績についてご報告いたします。
 第2期中期計画においては、人々の健康・栄養状態およびQOLの向上への貢献を目的に置いて、重点調査研究として、まず第1に生活習慣病の予防のための運動と食事の併用効果に関する研究。2つ目に日本人の食生活の多様化と健康への影響に関する栄養疫学的研究。3つ目に「健康食品」を対象とした食品成分の有効性評価及び健康影響評価に関する調査研究の3つの研究を中心に行っております。これらの研究を精力的に行って、このような研究に対して世界各国から高い評価を受けております。
 さらに、健康増進法に基づく国民健康・栄養調査、特別用途食品などの許可や収去に関する試験業務など、国民の信託に応えるべく、行政及び社会のニーズに沿った優先性の高い調査、研究、業務、ミッションを遂行しております。
 独立行政法人を見る国民の目が厳しい中、昨年度の評価の視点を踏まえて、またこの4月に行われた省内事業仕分けの結果も受けて、法人経営の観点から適切な人員配置、一層の経費節減に努め、効果的・効率的な業務運営を心がけているところです。
 平成21年度の私どもの研究所の取組状況については、研究企画評価主幹の阿部から、後ほどご説明いたします。評価委員の先生方におかれましては、評価のほどを何とぞよろしくお願いいたします。

○田村部会長
 続きまして、法人から具体的な業務実績のご説明を行っていただく前に、事務局から提出されております資料について、ご説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 説明いたします。本日、事務局からの資料を3点お配りしております。1つは資料1、「評価の視点変更資料」です。それから、参考資料1、参考資料2をお配りしております。
 資料1は、国立健康・栄養研究所の評価の視点の変更についての資料です。昨年度3月に開催した第45回部会において、評価の視点の変更について議題とさせていただいたところですが、数値目標の妥当性等に関して、十分ご審議いただくことができませんでした。本日、法人より提出いただいたバックデータ等を評価項目ごとにまとめたものを、この資料1としてお配りしております。
 本日は、実績の評価になるわけですが、評価に合わせて評価の視点で改定されているものについてもご意見がありましたら、質疑の中に含めておっしゃっていただければと思います。本来であれば、先にこれをやってから評価ということになるのですが、平行して進めさせていただいて、もし本日ご議論がなければ、これを了承いただいて、もしまたこれではどうだろうというご意見がありましたら、これは持ち帰らせていただいて、またご相談させていただくと、そのような形にさせていただければと思っております。大変恐縮でございますが、よろしくお願いいたします。
 続きまして、参考資料1の説明です。参考資料1は前回の部会でも説明させていただきましたが、省内事業仕分けの関係です。繰り返しになりますが、省内事業仕分けは行政刷新会議の事業仕分けとは異なりまして、その場で何らかの結論が出るものではなく、仕分け人の方にお示しした改革案について十分か不十分かをご判断いただきますが、その結果を受けて、厚生労働省のほうで改革案を改めて考えていくというような作業になっております。国立健康・栄養研究所についても、省内事業仕分けの場での評決の結果は参考資料1に表れておりますが、これで何かの決定がなされたものではありません。現在、この仕分けの結果を踏まえた改革案の検討の作業が続いているところです。なお、国立健康・栄養研究所については、行政刷新会議の事業仕分けの対象とはなりませんでしたので、お配りしておりますのは省内事業仕分けの関係となっております。
 最後に、参考資料2ですが、こちらは昨年の政・独委の2次意見です。2次意見の中で、国立健康・栄養研究所は個別に意見をいただいており、その内容を備忘録を兼ねて配らせていただいておりますので、ご審議の際に参考にしていただければと思います。以上です。

○田村部会長
 これからの進め方ですが、国立健康・栄養研究所の個別評価については、評価シートの個別項目を4つのグループに分けて、グループごとに評価を行ってまいりたいと思います。まず、グループ?Tですが、「国民に対して提供するサービスその他業務の質の向上に関する事項関係」で、評価項目の1から5に該当いたします。これについて、最初に評価を行います。所要時間は、法人からのご説明は20分、委員の評定と質疑20分、合計40分ということで行ってまいりたいと思います。それでは、法人のほうからご説明をよろしくお願いいたします。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 研究企画評価主幹の阿部でございます。資料2-5に基づいて、説明させていただきます。最初に、ご承知とは思いますが、独立行政法人国立健康・栄養研究所の全体の事業概要について、もう一度、確認をさせていただきます。この研究所は、重点調査研究として3項目が中期目標で掲げられております。1つは、生活習慣病予防のための運動と食事の併用効果に関する研究。2つ目として、日本人の食生活の多様化と健康への影響に関する栄養疫学的研究。3つ目は、「健康食品」を対象とした食品成分の有効性評価及び健康影響の評価に関する研究です。このほかに、法律に基づく業務があります。国民健康・栄養調査の集計業務と、特別用途食品等の表示許可等に係る試験業務です。この部分は、現在、昨年発足いたしました消費者庁の所管として移動したものです。
 重点調査研究以外の調査研究として、若手研究者を中心に据えまして、関連研究領域の基礎的な研究も推進しております。また、食育推進基本計画は、政府の中では内閣府を中心にしてやっておりますが、これに資する調査研究の推進も行っております。超高齢化社会を見据えた高齢者の食介護に関する調査研究も行っているわけです。もう1つ重要なのは国際協力と産学連携に関する業務と情報を収集し、判断し、整理して発信するという業務です。最後に、この間仕分けにも入りましたが、栄養情報担当者(NR)制度の認定をこの法人として行っているということです。
 Part?Tから説明いたします。ここの部分は、この研究所の研究内容に係るもので、中には非常に専門的な部分もありますので、なるべく簡単に説明させていただきますが、もしご疑問等がありましたら、後ほど質問を承りたいと思います。1.「生活習慣病予防のための運動と食事の併用効果に関する研究」です。これは3頁の上側ですが、この行動変容理論に基づく介入と申しますのは、メタボ検診とその事後指導がどれだけ効果があるかということを確認している部分です。これは肥満者235名を対象にして、これに対して介入し、ちゃんと指導を行って、運動と食事療法をした上で、改善があるかどうかというものを見たものです。
 右の上のほうの棒グラフでは体重減少の割合と糖代謝指標があります。これだと体重が減少すると糖代謝の指標も非常に改善していくという結果が出ています。この下のほうの腰椎と大腿骨頸部の骨密度です。この辺りになるとちょっと面白い結果が出てまいりまして、いちばん右の大腿骨近位部の所で、8.8?s以上やせた方は骨密度が下がっているということが示されています。ですから、簡単に言いますと、急に体重を落としますと、骨密度も下がってくるということで、これらに関するきちんとした運動療法等が、今後の課題として出てくることを示すものです。これはまだコホートの研究ですから途中ですが、途中でもこのような有益な結果が出ているというものです。
 この下のグラフは、「エクササイズガイド2006」で示された身体活動量が妥当であるかということを確認しているものです。きちんと週23エクササイズと1万歩の活動をしますと、腹囲、中性脂肪、HDL-コレステロールは下がってまいりますので、かなり効果があるということを示す結果が出ております。血糖値に関しては、この結果では変わっていないというところです。
 次の頁です。「エクササイズガイド2006」で示された身体活動量の妥当性に関する介入研究です。これは平成21年度はまだ介入途上でありまして、1,000名の割り付け介入を実施するというところで818名の割り付けを実施したところで、基本的にこの影響を評価するのは平成22年度以降ということになります。
 4頁の下のグラフですが、食事摂取基準で使用されている、日本人の食事と運動のレベルに関して、特に運動のレベルに関してDLW法というのはダブルラベルドウォーターで二重標識水というものです。これで検査をしますと、極めて精密に身体活動レベル、PALと申しますが、Physical Activity Levelがわかるというものです。これは特に「子どもの身体活動レベルについて、基礎的なデータをはじめて得ることができました」、という段階のものです。これは中学生なのですが、今後、子供の活動レベルをもう1回きちんと把握した上で、さらには高齢者の運動レベルについての基準をまた別に作る必要があるか、ないかということまで検討する上で、非常に貴重なデータになるということです。
 5頁の上の所です。これは運動をしますと、肥満や糖尿病予防にどのような効果があるかということを研究したものです。この結果で、運動は筋肉での糖・脂質の代謝を促して、肥満や糖尿病を防ぐというような、考えようによっては当たり前みたいなことを書いてあるわけです。そのメカニズムについて、分子レベルでこれを解明しているというものです。これは酵素ですが、LKB1活性が必須であるというところが新たにわかってきているという部分です。
 5頁の下です。これは高脂肪食と糖尿病・メタボリックシンドロームの発症のメカニズムに関して、分子レベルで研究が行われている部分になりますが、ここではかなり大きな発見がありました。6頁の上のほうですが、高脂肪食を摂ってまいりますと、Irs2というのがあります。これはレセプターサブストレートといいまして、インスリンの受け取る基質のようなもので、これが下がってまいります。そうしますと、毛細血管の拡張能も下がってきて、間質ですから細胞内のインスリン濃度が下がってきて、糖の取り込みが下がっていく。すなわち、糖が取り込まれなくなるので、血液の中の糖はそのまま上がりっぱなし、ということが原因としてわかったということです。さらに、わかっただけではなくて、5頁に戻って血管内皮インスリンシグナル改善薬と書いてあります。これはある物質が、このインスリンを上げる部分に関して非常に有効だということを確かめておりまして、その物質が次の世代の糖尿病の治療薬として極めて有望だというところまで、これはきております。ここは食品と栄養の研究所ですが、こういう基礎的な研究から新薬の芽が出ているということです。物質名は、現在、臨床の部門と治験に入る準備をしており、これは株価等に影響がありますので、こちらのほうにはまだ出しておりませんが、そういうところまできています。
 その下です。さらに運動で増加する新規PGC-1αアイソフォームというのがあります。これは次の頁の上にあるPPARγコアクティブβというものの、個ファクターの1つの種類なのですが、実はいろいろな種類があるということを発見したことだけでも、この世界では極めて重要な発見になるわけです。運動によって、筋肉で発現が増加してくるということがわかりました。今後、これの発現の内容、そのメカニズムをさらに研究いたしますと、運動と脂肪組織での生理変化がさらに詳しくわかってくるというものです。
 7頁の上の段です。ここにPPARγ2というのがあります。これは細胞内でRNAを受け取る核内受容体です。これが飽和脂肪酸が多い脂肪食、飽和脂肪酸と申しますのは、炭素鎖に二重・三重の結合がないものをいって、基本的に悪いほうの脂というものです。特に動物の脂、肉などの脂にかなりあります。病気との関連が濃いと言われた脂ですが、これらの脂を吸収して、このPPARγ2が発現しますと、脂肪肝の発症に至るという研究結果です。発現しないようにこれを抑制いたしますと、脂肪肝発症は予防できるということですので、ここにありますように食事による脂肪肝発症防止の可能性が示された。したがって、つまりPPARγ2の発現を抑制する方法を見つければ、かなり脂をたくさん摂っていても脂肪肝などにならないという予防に使える可能性がある、ということがわかったものです。
 7頁の下の欄です。これは若手の研究者の仕事ですが、脳出血予防のための食事療法の考案ということです。これはネズミでの実験ですが、食事制限をいたしますと、血中にあります炎症性のサイトカインが下がる。要するに食事制限をいたしますと、食事制限による炎症の抑制が考えられるので、それによって脳出血が減少するということです。そういうことがわかりました。これは脳出血などの危険性のある方について、食事制限の有効性を示唆するということで、今後はもう少し人の中での確認というか、そちらのほうの分野での研究が必要であろうということです。
 8頁です。これは遺伝子多型と栄養素等摂取量・身体活動量等の諸因子との相互関係についての研究と書いてあります。2型の糖尿病に関して、ここのグループはずっと感受性遺伝子を調べております。リスクアリルというのがありまして、アリルというのは1対の遺伝子のことを言うわけですが、リスクアリルがどの遺伝子系をどれだけ持っていると、どのぐらい糖尿病になりやすいかということが、この研究から明らかになりつつあるということなのです。ですので、これが完成しますと、人の血液等を調べてこのリスクを持つ遺伝子系、対のアリルを調べていきますと、将来的には「あなたはどのくらい糖尿病になりやすいですよ」ということがわかる。それにより、運動や食事摂取、肥満予防等のいわゆるテーラー・メードの予防が可能になるという重要な研究になると思います。ここまでが1の生活習慣病予防のための研究部分です。
 8頁の下、2.「日本人の食生活の多様化と健康への影響に関する栄養疫学的研究」《重点調査研究?U》です。9頁の上の段です。1つは、「日本人の食事摂取基準(2010年版)」これは厚生労働省が作成し、かつ公表するものです。この研究所の機能として、このような国の基準策定について、専門家集団として、きちんと策定についての科学的根拠を出すために協力をしているということです。この摂取基準作成のために30回以上のワーキンググループを開催して、文献は世界中から2,252件、全部調べてレビューをいたしました上で、それを整理してこの委員会に提供して、その上でこの食事摂取基準ができましたということです。
 9頁の下段です。ビタミンK2補給による閉経後女性の骨代謝及び脂質代謝の変化というところです。ビタミンK2を補給しますと、血清オステオカルシンという、骨の代謝に影響があるホルモンの一種ですが、これについては、閉経後女性の骨代謝が改善するという結果が出てきております。ビタミンKの目標量及び推定平均必要量は、閉経後の女性は骨粗鬆症等が相当進行してまいりますので、予防のために将来的に決定するための根拠になる研究ということになります。
 10頁です。これは基礎的なデータとしてこちらできちんと把握をしましたというものです。3~5歳児のミネラル摂取量に関する調査です。これは将来的に小児のミネラルの食事摂取基準の基礎資料となります。この研究所の1つの機能として、いろいろな基準を決めるときの本当のデータベースになる部分も、きちんと最終確認をするというところのものです。
 10頁の下段ですが、もう1つの重点調査研究の中での重要な仕事は、これは法定業務でもありますが、国民健康・栄養調査の集計業務があります。集計と申しましても、企画段階から参加して、国民健康・栄養調査について、精度管理とか方法論についての研究も行っています。それを調査するのは自治体でして、自治体の保健所職員、栄養士の方々、保健師の方々が主体になるわけですが、その方々に技術研修セミナーを開催しております。そのために、またあとで出てくるかもしれませんが、「食事しらべ」という調査のためのソフトウェア、それから食事の分量の基準になる部分も、この研究所が研究の上で決めているというものです。
 11頁です。《重点調査研究?V》3.「「健康食品」の食品成分の有効性評価及び健康影響評価に関する調査研究」です。11頁の下のほうですが、これは食品由来成分の生理活性についての研究の一部です。ビタミンEの同族体としてトコトリエノールというのがありますが、これの生体の利用率の上昇についてということと、大豆由来のBBIについて、これの検査法を開発しましたというものです。検査法の開発というのは、このような食品由来成分の測定に関して、非常に重要な部分となります。
 12頁です。次は、一般的な野菜からの抗酸化物質摂取量の計算です。抗酸化力というのがしばしば言われておりますが、食品の抗酸化力をどのようにして比較するかというのは非常に重要な課題です。これはORAC法といいまして、Oxygen Radical Absorbance Capacityというものですが、ラジカルな資源をどれだけ吸収するのかという方法で測定していきます。標準としてどのぐらい野菜に含まれる抗酸化力を摂取しているのかということを、まず決めなければなりません。これで、こちらのグループが日常の食事からどのぐらいの抗酸化物質を摂取しているかということを、いま算出したというものです。これを基準にして、何をどのぐらい食べていれば、どのぐらいの抗酸化物質を摂っているかということが、今後、計算可能になるという基礎を成すものです。
 12頁の下ですが、もう1つは大豆イソフラボン代謝産物です。これは大豆イソフラボンの代謝産物にエクオールというのがあります。これは女性ホルモン様作用を起こすと言われているもので、腸内細菌の中で産生されるものです。これについて、エクオール含有食品を摂取しますと、骨代謝マーカー、先ほどのオステオカルシン等も含めて、閉経後の女性の骨代謝を改善する可能性が明らかになったということで、将来はこのエクオールを使った骨粗鬆症の予防が可能になるかもしれないという研究成果です。
 13頁です。健康食品に関して、国立健康・栄養研究所は健康食品の安全情報ネットを作成して、ネットワークで公開をしております。健康食品というのは有象無象に山のようにありますので、科学的根拠はどこにあるのかということ。それから、健康被害についての情報を継続的に収集して、それを評価した上で、このようなネットワークで、この情報を整理し、公開しているというものです。これは下の「健康食品の安全性・有効性情報」の利用状況という所にもお示してあります。一般公開ページをご覧いただいても、健康食品のいろいろな成分について、有効性・安全性がすべて網羅されているということになります。我が国で唯一、かついちばん信頼できるデータベースとして栄養士の方々、薬剤師、薬局の方々、プロフェッショナルの方々を中心にしまして、土・日も全部含めて、1日8,000件以上のアクセスがあります。
 14頁の上ですが、このような活動の中で、いろいろな健康食品に関する調査もしております。平成21年度は子どものサプリメント利用に関する調査をして、その情報を提供したところ、非常にマスメディアにも取り上げられて、こちらに新聞記事への掲載というのがザーッとありまして、非常に反響が大きかったということで、報告をさせていただきたいと思います。
 次に、「特別用途食品・栄養療法エビデンス情報」です。このような特別用途食品や栄養療法については、これを行う病院の栄養士、医師、薬剤師等のプロフェッショナルを対象としているものですが、これはまた新規に一般の方々もご利用できるように、一般公開をしたというものです。
 15頁、4.「重点調査研究以外の調査研究」があります。これは特に若手の研究者の育成として、こちらの予算を使って行っているものです。中期計画の中で、関連研究領域における基礎的・独創的・萌芽的研究を実施ということで、研究所内で公募をして、それを審査・評価した上で行っているものです。
 15頁の下段で、創造的研究とありますが、平成21年度は血管内皮細胞におけるインスリン情報伝達経路と生活習慣病。先ほどご紹介しました、毛細血管のインスリン抵抗性の話と、このグループの中でお金を使って、若手がさらにこの中の一部を研究したというものです。それから、先ほどの腸内細菌叢に着目した大豆イソフラボンの生体利用性に関する研究。運動トレーニングによる自発的身体活動量増加メカニズム。生活習慣病と関連した運動行動の変容に影響を及ぼす遺伝的要因の解明。先ほどの特定栄養素欠乏による脳血管障害への影響及びそのメカニズムの解明ということで、先ほどの脳卒中自然発症マウスの作出が、ちょっと説明いたしましたが、食事制限によって脳卒中を予防できる可能性が高いということをお示ししたものです。
 16頁は先ほどの骨粗鬆症モデルや血管内皮細胞のインスリン情報伝達経路のものですので、省かせていただきます。
 17頁の上です。これは面白いと申しますか、萌芽的な研究になりますので、紹介いたします。生活習慣病と関連した運動行動の変容に影響を及ぼす遺伝的要因の解明です。いま遺伝子多型というのが、この分野で非常に流行と申しますか、研究が競争対象になっているところで、好ましくない摂食行動の基になっているのはレプチン遺伝子とか、グレリン遺伝子とか、ここに書いてありますが、脳生理活性に関与する物質、あるいは脳腸ペプチドと言われる、神経系を介して脳に影響を及ぼすような物質だと。そこで、遺伝子に影響を受けているのではないかということで、もう1つは身体活動についても、そのような遺伝的要因があるか、ないかということをここで研究対象としたということです。特異的被験者というのは、身体活動量の非常に少ない方々で、それにSNPチップ、これは55万個の遺伝子多型を測れるチップなのですが、これでいま調べている最中です。「個人の運動行動に影響を及ぼす遺伝的要因を明らかにする端緒が得られた」と書いてあります。まだ明らかになっているわけではありませんが、これを繰り返していけば何らかの傾向は出てくるかもしれないという萌芽的な研究です。ご参考までにご紹介をいたしました。
 次に、食育推進基本計画についてです。17頁の下段です。これについては、左のほうは小児肥満要因のDOHaDというのがあります。これは低体重で生まれてきた子どもたちが、小児から肥満になっていく可能性が高いという傾向があるということで、母子手帳等を全部把握して、本当かどうかというところも含めて、確認をしているものです。そういう傾向が明らかになれば、当然、妊娠期の母体、母親から食育をきちんとしていって、予防することができるということです。食育推進にかかる基礎データをこのようにして集めておりまして、内閣府と連携して今後の食育に活かしてまいりたいというところです。
 18頁ですが、高齢者の食介護に関する研究です。K市在住の高齢者と書いてありますが、これは九州の政令市です。高齢になりますと、家事遂行能力がどのように衰えて、摂食に影響が出てくるかというようなことをここで調べております。これは非常に社会的な要請の高い研究だと思います。このようにデータから高齢者が摂食障害を起こしていく原因が明らかになってまいりますので、これによってそれを予防することによって、高齢者の食に関する総合支援対策を作るときに非常に役に立つというものです。
 18頁のいちばん下で、5.「論文、学会発表等の促進」です。平成21年度計画、これは中期計画の中で全体が学術論文が250報以上、口頭発表750という中期計画の中で目標があります。そこの中で、年度に直しますと、原著論文が50報以上、学会発表150回以上ということになるわけですが、平成21年度は原著論文が92報で、インパクトファクター2.0以上の原著が42報でした。学会発表は計211回ですので、目標は大幅に上回っております。
 最後に、このPart?Tで申し上げたいのは、内閣府が国内の研究機関について、特に論文刊行数と引用度について、統計をとっております。これは先生方等にお配りしたかったのですが、出していないと思いますが、論文の引用数で見ると、理科学研究所が5万5,602報で最も多いわけです。引用度、1つの論文がどれだけたくさん引用されているかというところを見ると、国立健康・栄養研究所が3.33で最も高く、その次が理科学研究所というところになります。論文の1人当たりの数としても、国立健康・栄養研究所は第2位か第3位ぐらいで、ずっときております。これは10年間の平均値ですので、基本的な研究所のポテンシャルを示しているかと思います。小さな研究所ですが、研究成果は頑張ってかなり上げているのではないかなというのが、企画評価主幹としての私の意見です。Part?Tについては以上です。

○田村部会長
 委員の皆様におかれましては、評価シートへ評定等の記入をお願いいたします。また、質問等ありましたら、適宜ご発言をいただければと思います。いかがでしょうか。

○酒井委員
 いろいろありがとうございます。2点あるのですが、1点は皆さん方がやる研究成果について、皆さん方がこのごろ橋渡しという言葉を使われるのです。例えば先ほどの薬のほうへ成果を持っていこう。皆さんの所で治験までやろうというような進め方と、逆に興味を持つのですが、高齢者の栄養障害のようなことでいけば、当然QOLといいますか、社会性の意味がそれぞれ違うと思うのです。その辺のところの整理というのは、皆さん方の所では、かなり整理がついて進んでいるのでしょうかというのが1点目です。
 もう1つは、最後に論文のことをおっしゃったのですが、インパクトファクターの高い雑誌に投稿しようということと、その雑誌に投稿した結果、皆さん方の論文が同時に今度は非常に引用されているという意味のことをおっしゃったのでしょうか。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 まず最初のブリッジですね。研究と研究成果を社会還元していくということだと思うのですが、例えば先ほどの薬を重視していくためには、今度治験にかけなければならない。先ほど申しましたように、ここの研究所は企画の基礎的な部分を担当するという所ですので、基礎的なメカニズムについてはここがやって、もちろん私どもの臨床段階は医学部の大学の研究室がそれを引き継いでやっていくという方法でやっています。臨床系の人のほうは、ここの研究所としてやっていくにはノウハウもスタッフもございませんので、そこは研究者が昔から臨床系の人たちとも共同でやっておりますので、そちらのほうにお任せすると。
 高齢者の研究について、社会的な要請の非常に高い研究分野についてです。これはまだ研究途上のものですが、基本的にこの研究所の研究の目的として、このような社会的な研究を国や自治体の政策の作成に活かすというところがあります。これについては、当然今後ともこのようなある程度の結果が出ましたら、それを基にして、自治体や国としての高齢者の政策形成に活かせるように、研究所として今後どのようなことができるかということについては、今後真剣に取り組んでまいりたいと思います。
 インパクトファクターと引用度、サイテーションインデックスのお話でした。インパクトファクターの高い雑誌に投稿しているのかという話ですが、実は理事長は学者でございますので指導等もありまして、基本的には欧文誌に、きちんとインパクトファクターの付いている所に出せというところで、研究者には指導が入っているわけですが、栄養系の雑誌と申しますのは、そんなにインパクトファクターが高いものはないのです。医学系は非常に高い。それから、基礎分子生物学的なものは高いものがあります。だから、そこをどうやって選ぶかというのは研究者の自由と申しますか、研究テーマと研究結果によってやっていると思います。だから、研究所としては、なるべく国際的に評価の高い雑誌に載せて、サイテーションインデックスもちゃんと上がるようにというところで、頑張っていると思います。

○市川委員
 特に酒井委員の最初のほうに関連することですが、いろいろなお仕事をされていて大変素晴らしいと思いますが、いろいろな仕事のお答えとしては、いろいろなことに対して基礎研究をやっていくと。それで、応用に関してはそれぞれ使っていただければいいと、いまおっしゃったと思うのです。基礎研究というのは、ある意味では限りなく大学および研究所の研究になっていくかと思うのです。この研究所そのものが、本来、栄養と運動ということを軸として基礎研究をやっていかれていると。
 当然全然私が言うことではないのですが、そういう観点から見た場合に、いろいろな形で例えばインスリンの話にしても、IRS-2の話にしても、あるいはPGC-1αの話、その次のPPARγ2の話、このような話というのは、私も同じように感じたのですが、ある意味では薬のほうへの観点が非常に強く説明をされたような気がするのです。本来はこういうものと食事、あるいはスポーツとがどういう関係があるのだろうというような研究もたぶんされていらっしゃる、あるいはそのための材料提供をされているのではないかと。ならば、むしろそういう所がどれだけあるかということをご説明いただいたほうが、私の理解だけれども。でないと、この研究の内容そのもので比較をしたら、世界にはもっと素晴らしい仕事があると私は思います。特にPGCに関しては、いまトピックであるわけだし、ノックアウトもできて、たくさん素晴らしいことが行われていると思います。
 だから、基礎研究として比較したら、非常に損であろうと。むしろこの研究所がやっている所は、その背景に大変素晴らしいものを持っていらっしゃるわけだから、それを少し出されたらいいのではないかということを感じましたというのが1点です。それは私のコメントなのですが、もしその辺について何かあったらということです。
 もう1点、遺伝の研究に関して、少し私も気になる。個人的に気になる聞き方で悪いのですが、もちろんレプチンにしても何にしても、それは遺伝制御であって、本来飢えに耐えるための何かという、生物本能ですから遺伝の研究でいいわけですが、エクササイズという方向に持っていったときに、それのファクターを見つけていって、どうするのだろうなというところを申し上げる。だから、それと栄養との関係をつなぐならば遺伝をやるのはいいかもしれないけれども、何か「遺伝でそういうことは決まっていますよ」ということをおっしゃられたら、果たして国民として「どうしたらいいのだろう」と。これはやはり、そこまで考えてこういう発表をされていただかないと、網羅的にやれば何か出ることは確かですが、1つの変異をあるリセプターの変化だけでも、遺伝子としては900とか1,000動くわけです。そういう網羅的な研究をされていって、そこから何か発表されるときには、よほど気を付けて発表されないと、少しインパクトが大きすぎるのではないかと。だから、「もうエクササイズをやっても駄目ですよね」という受け答えになるのか、「こうやったら糖尿病になるのですよ」という言い方になってしまうことも、独り歩きとしては起きる可能性があるので、またこれもコメントに近いかもしれないけれども、それについてもう一歩踏み込んでお答えいただければと思います。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 わかりました。

○国立健康・栄養研究所理事長
 大変貴重なコメントをありがとうございます。阿部研究企画主幹から説明しましたが、私どもの研究所はベーシックなサイエンスに加え、応用科学といいますか、総合的に健康増進、疾病予防、QOLの向上という観点の業務及び調査研究をやっております。もちろん基礎的な研究は大変重要です。そして、先生がご指摘になったとおり、それを「橋渡し」という意味では製薬に持っていく場合もありますし、国の施策の情報にもなります。そして、いま先生がおっしゃった最も大事なことは、国民に公正・中立なデータを提供するということではないかと私自身も考えます。私たちが調査研究しました研究データをよりわかりやすく、そして公正・中立な情報を国民に提供するというのが私たちの研究所の最大のミッションではないかと考えています。
 それから、遺伝子、あるいは遺伝子多型の研究ですが、テーラーメード治療、あるいはテーラーメード予防というのは大変大事です。先生のご指摘のとおり、遺伝子そのものは変容できませんので、遺伝子と生活習慣のインターラクションというのが非常に大事です。私どもは変容できる要因にもっと注目して、それを国民の皆様に提供して、健康増進、疾病予防、あるいはQOLの向上に持っていく方向性というのが重要ではないかと思います。そういう意味で、市川委員の大変貴重なご指摘、ありがたいと思っております。

○田村部会長
 ほかに何かご質問・ご意見はありますでしょうか。

○鈴木部会長代理
 研究所がここにきて小児を対象にしたアプローチを強化されているということが随所に感じられて、私も大変うれしく思っているところですが、それに関連して3つほど質問させていただきます。第1点は、効果的な栄養教育手法の開発、これは評価シートの8頁にある件です。業務実績の?Bに、「内閣府の食育推進のための基本資料として提供を行った。また、その考え方を内閣府と連携してパンフレット(英文・和文)を作成し、国の内外に配布した」とあるのですが、この内閣府の食育推進基本計画の中に、小児の食育の重要性についてどのぐらい言及されているのか。私はそのオリジナルをまだ拝見していませんので、1つお尋ねしたいと思います。
 第2点は、評価シートの12頁になりますが、「開かれた研究所への対応」という所で、いろいろなこれまでおやりになっていた事業に加えて、「今年は小学生に対して健康や栄養に関する知識や関心の普及・啓発を図る目的で、試験的な出前授業を実施した」と。これも私は興味を持ちましたので、これについてもう少し詳しくご説明いただければありがたいと思います。
 もう1点は、評価シートの1頁、あるいはただいまご説明の資料でいうと4頁です。DLW法によるPALの測定というのは、この研究所の代表的な研究手法であると思うのですが、これが国内初、あるいは初めて中学生を対象に測定したとある。これは私としては非常に意外な感じを持ちました。どうしてこれまで行われなかったのかなという疑問を持ちましたので、それもお答えいただければありがたいと思います。以上3点です。

○田村部会長
 1点目から、よろしくお願いします。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 まず、8頁の内閣府と連携してパンフレットを作成して国内外に配布したという内容ですが、これは要するに食事の仕方についてのパンフレットを作成して配った。これは内閣府ですが、それの作成に関与したと。要するに専門家としてのアドバイスを行ったということです。申し訳ございません。いま現在パンフレットがありませんので、またあとでお届けをさせていただきたいと思います。食育について、基本的に内閣府がこれの委員会等をやりまして、私どもの食育プログラムの専門家がこれに参加をしており、内閣府の方々と一緒にやっているというところです。
 12頁です。「小学生に対して健康や栄養に関する知識や関心の普及・啓発を図る目的で、試験的な出前授業も実施した」ということです。これは実は私どもの研究所は、総合的な学習の時間として中学校や高校の学生たちを積極的に受け入れております。これはどこの小学校かいま特定できませんが、都内の小学校だったと思いますが、小学校に出前して授業を行ったということなのだと思います。すみません。ちょっといまここで確認できません。

○鈴木部会長代理
 そういうことだとパッシブな受け身的なコンタクトだったと思うのですが、これはむしろ非常にアクティブだと思いましたので、少し今後どのように展開しようとなさっているかとか、そういうことをお伺いしたかったのです。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 この総合的な学習の時間が、例の教育改革で少しずつ削られているというところもありまして、大体ここの中学校、高校生の研究所の見学者の数というのは、大幅には減っておりませんが、横這いになっております。またあとのPart?U、Part?Vのほうでちょっと出てまいります。こういうのは基本的には依頼があればすべて対応するというところでやっておりますが、やっている方々についてあまり大幅にインターネット等で宣伝をいたしますと、おそらく対応不能になるだろうというところで、現在のレベルでやっているのではないかと思います。
 先ほどのDLWのPALの話ですが、これは初めてだというのは大変意外に思われるかと思います。私も意外に思ったのですが、子どもと言いましても中学生ですが、この人たちについてやったものは、確かに初めてです。私も作成するときに担当者に確認いたしました。1つの理由は、DLWのダブルラベルドウォーターというのは、ものすごく高価なものです。100?t10万円で、80人分やるとすると1,000万円ぐらい。1人100?t1杯飲んで追跡していきますので、相当の費用がかかるということで、ほかの研究施設でも費用の観点からそう簡単にできないということです。ここは中で一生懸命やり繰りいたしまして、大体年1,000万円から2,000万円ぐらいずつ、DLWの測定を行っている。それで少しずつ基礎データを集めているというところです。

○国立健康・栄養研究所理事長
 阿部主幹が申し上げたとおりですが、内閣府の食育推進計画に対しまして、私どもも積極的に参画しております。先ほど申し上げた「親子ためのの食育読本」については、栄養教育プログラムの部長とともに私どもが監修いたしました。6月中旬だったと思いますが、内閣府が取り組んでおります第5回全国食育推進大会にも、私どもも積極的に参画いたしました。
 9頁ですが、鈴木委員からご指摘のあったとおり、子どもの食育は将来にわたって大事なことですので、学校栄養士あるいは栄養教諭に対して、セミナーあるいは教育、啓発等にも力を入れているところであります。

○田村部会長
 よろしいでしょうか。

○武見委員
 いまいろいろとご意見が出たことで、私は去年も同じようなことを指摘した気がするのですが、報告いただくときに、先ほど例えば基礎研究であれば、大学とか研究機関でももっとできるだろうという話もあったと思いますが、国の独立行政法人の研究機関であることの特徴のある研究がどれなのかということが、食事摂取基準の部分やガイドラインの策定など、見える部分もありました。そういうところが国の機関として求められる部分だと思うのですが、そこに直接的に関与するものはわかるのですが、全体として不透明な感じを私は受けました。
 そこを明確に示してくださることが、これだけたくさんの仕事があることの意義を、私たちがきちんと評価できることだと思います。ちょっとわからなかったのですが、野菜の抗酸化能を測定するということがありましたが、あれは食品学系ではたくさんやっている仕事ですし、それをやることと、それが人にどう影響するかというのは、かなり距離のある話が出てくるところで、貢献度というか、距離がすごくランダムに説明されてしまっているのが、残念だった気がします。その辺を整理して、ご報告いただければと思います。何人かの意見と重なりますが、そこが出てこないと、分野が全く異なるようなところに対しての、この研究所の意義がなかなか伝わらないのではないかということを思いました。意見です。

○田村部会長
 次に進みます。グループ?U「研究成果の還元、社会的・行政ニーズ及び国際協力等に関する事項関係」です。評価項目としては6から13に該当します。これについての評価を行います。所要時間は、法人からのご説明は15分、委員の評定と質疑に15分の合計30分です。法人からの説明をお願いします。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 業務実績概要資料2-5の19頁からご説明します。まず、下段の6.「知的財産権の活用」です。知的財産権については、中期目標として、毎年5件ずつやっていくことです。平成21年度の実績は、特許等については延べで4件、審査請求が1件です。意見書というのは、1度審査で棄却されたものについて、もう一度お願いしますという意見書を提出したもので、それが1件です。あとHF NetとFOSDU Netは商標登録で出しています。民間企業等との共同研究が11件、民間企業からの受託研究が7件、合計共同受託研究が18件ありました。
 20頁で7.「講演会等の開催、開かれた研究所」についてです。平成21年度は、厚生労働省が2010年版の「日本人の食事摂取基準」を公表した年で、これについての普及啓発事業を大々的に行っています。全国6ブロックで講習会を開催し、7,000名が参加しています。講演会は24都道府県で86回行っています。一般向けの公開セミナーですが、「栄養・食生活と『健康食品』~『健康食品』との付き合い方を中心に~」ということをテーマにして、1月30日に有楽町の読売ホールで行い、700名近い参加者がありました。専門家を対象とした研修として国際栄養シンポジウムを主催し、「米国のビタミンD問題からアジアの糖尿病まで」ということで、諸外国の最新情報の提供と意見交換を行っています。専門家向けのセミナーで、地方自治体の栄養士等を対象としたものを延べ13回開催し、412名の参加がありました。
 オープンハウスが下段にあります。平成21年9月12日に9時半から16時までやっています。216名の方々が来所されました。このときにアンケート調査をしていますが、7割ぐらいの方たちが「役に立った」と言ってくださっています。ただ、「PR不足」を指摘される声もありました。
 先ほども出ましたが、「総合的な学習の時間」で、中学校、高等学校への対応です。中学校は7校37名、高等学校は6校69名の生徒さんが、平成21年度にこちらの見学に訪れています。健康と栄養に関する知識、関心の普及に努めています。
 21頁の8「研究実施体制等の整備に関する事項」です。平成21年度、これも平成20年度から引き続きですが、基本的にこの研究所は重点調査研究と、法律に基づく行政のミッションの両方が重点としてあります。この部分に研究員と技術補助員を重点的に配置し、国のミッションをきちんと果たすべくやっています。
 プログラム、運営費交付金と外部研究資金の執行状況については、定期的にモニタリングをした上で、年度中間の予算補正、人員の追加配置等に反映しているところです。大学、民間等との共同ですが、これは大学、民間企業、団体へ、延べで90名の研究者を派遣しました。連携大学院はここにあるように、国立大学法人お茶の水女子大学をはじめ、8つの大学と連携大学院をしています。研究員、研修生ですが、104名の受入れを行いました。35歳未満の若手研究員としては、43名の受入れを行っています。
 21頁の下は9.「健康増進法に基づく業務に関する事項」です。いちばん最初に申し上げましたが、行政ミッションとしての国民健康・栄養調査の集計業務です。中期目標の中では、調査票のすべてを受理してから7カ月を目処に結果を返すということです。基本的にはこれは全部クリアしていまして、さらに平成21年度は平成20年度から5日間短縮しました。報告期間に関しては、全く問題のない状態でやっております。基本的には、調査に向けた準備段階からすべて関与をしていまして、平成20年度実績に書いていますが、技術セミナーを開催し、「標準的図版ツール」、「重量目安表」、これで業務支援ソフトの「食事しらべ」等を作成しました。平成21年度は、それに若干の修正を加えた上で、きちんとこの業務をこなしています。
 22頁の研究所ホームページによる情報提供です。先ほども申し上げましたが、コンテンツとして45ありまして、全国の自治体等で活用されています。自治体以外でも、一般の方々をはじめ、プロの栄養士の方々、薬局薬剤師の方、病院の薬剤師の方から、健康・栄養部分について特に健康食品のいろいろな栄養成分について、いちばん信頼できる情報源であるという評価をいただいています。
 23頁の上段です。もう1つの行政ミッションは、特別用途食品等の分析業務とそれに関連する研究部門です。これは現在消費者庁に移管された部分です。平成21年度、特定保健用食品、その他の特別用途食品について、計40検体の成分分析をお願いされ、遅滞なく報告しています。厚生労働省が収去した食品成分分析が99検体ありましたが、全く遅滞なく報告をしています。
 これについては、もう1つ分析業務との関連研究があります。この1つは、分析の精度の向上と、特定保健用食品等については、登録試験機関がありますから、それらの4施設について、製造管理のための分析精度の確認と適正化について、中心たる研究機関として、信頼性確保のために、分析精度の管理システムの一環として行っているということです。
 24頁は10.「社会的・行政ニーズへの対応」です。いろいろな社会ニーズの把握のために、関係団体との意見交換会をやっています。平成21年度は6回実施しました。国立病院機構、国立スポーツ科学センター、江戸川保健所、ヤクルト本社中央研究所、農水の独立行政法人である食品総合研究所、それから毎年やっております国民生活センターです。極めて重要な部分ですので、国民生活センターは、健康食品に関するいろいろな苦情や問題、健康被害等も受け付けることがありますので、こちらとはかなり意見をしっかりと交換していかなければならないと考えていますので、今後とも定期的にやっていきたいと思っています。それから、消費者庁が発足しましたので、消費者庁及び厚生労働省との意見交換も行っているところです。
 24頁の下段で11.「国際協力、産学連携等対外的な業務」についてです。平成21年度は国際共同研究として、ベトナム、フィリピン、米国国立衛生研究所(NIH)との共同研究を実施しました。平成21年度の特記事項として、WHOCC、指定研究協力センターの設置に向けた申請手続きを進めていると書いていますが、もう正式にWHOCCの申請をしました。いま現在、WHO側で審理を行っているところかと思います。
 人材育成として、毎年若手外国人研究者を招へいしていますので、平成21年度も研究者を2名受け入れています。そのほかに視察訪問が2件で、JICAの国別の研修がイエメンから1件です。それから先ほどのもう1つは、国際シンポジウムを開いたことです。第24回日本国際保健医療学会学術大会においても、ブース出展による研究所の紹介を行っています。
 産学連携については、主にJAXA宇宙航空研究開発機構との連携をしていて、機能性宇宙食研究会を立ち上げています。先ほどの運動による骨代謝の変化とか、それを栄養成分でどれだけ補えるかというところで、宇宙に出ると骨が痩せたり、いろいろな変化が起こるということで、それを食事でどれだけカバーできるのかということで、この研究会に入っている食品会社とも共同し、国際宇宙ステーションで使うべき、機能性宇宙食の開発をしようと、いくつかやっているところです。
 25頁の12.「NR制度に関する事項」です。平成21年度のNR認定試験受験者は1,072名、合格者は613名です。NR認定者数の累計が4,093名になっています。第7回資格確認試験は、合格者が123名です。NRの方々について、スキルアップのための研修会を全国6カ所、合計7回開催しました。このNR認定制度については、先ほど評価官室から申し上げたように、省内仕分けの中で、厚生労働大臣から、消費者団体等の意見を聴いて調査をして、その報告をするようにということで、いま調査の結果について取りまとめ中です。
 26頁は13.「情報発信の推進に関する事項」です。これはホームページについて、「保健指導に関するFAQ」をさらに充実させること、新たに「エネルギー代謝」を作成し公開したこと。『健康・栄養ニュース』はメールマガジン希望者に電子配信していますが、この希望者はかなり増えています。これを希望しましても、アクセスのない方々については随時切っていっているわけですが、それでもだんだん数が増えています。26頁の下は利用者の視点に立ったホームページの見直しということで、いろいろな意見をいただいていますので、それに基づいて随時ホームページの見直しをしています。
 27頁の上は、コミュニケーションチャンネルとして「健康・栄養フォーラム」を充実したという話です。FAQも充実させました。最新研究成果の公開とありまして、掲載数が研究所の最新論文の解説で平成20年度は100件、平成21年度は13件となっています。平成20年度はこれを作成して公開した年になりますので、いきなり100件ということで、平成21年度はそれに新たに加えて13件ということです。最新文献の紹介も、平成20年度は406件で、平成21年度は221件ですが、平成20年度は作成した年なので、それまで貯めて公開する前の段階だったので、406件がポンと出たということです。この部分については以上です。

○田村部会長
 委員の皆様は、評価シートの評定等の記入をお願いします。質問等がありましたら、適宜ご発言いただきたいと思います。

○清水委員
 数値のことで確認させていただきたいのですが、いまご説明いただいた資料の19頁です。共同研究11件、受託研究7件とありまして、件数的には昨年を上回っています。それと、目標の10件を上回っているとあるのですが、数値から見るとかなり減少しています。金額的には、昨年の6割程度となっているかと思うのですが、これは研究所としては増やそうとしたけれども増やせなかったのか、何か方針があって抑えているとか、そういった状況、認識についてお伺いします。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 32頁をご覧ください。20番に「外部研究資金その他の自己収入の増加に関する事項」とあります。共同・受託研究は平成20年度は8,300万円で25件、平成21年度は6,300万円で28件です。28件ですと、先ほどのものと件数が違うという話かもしれませんが、まず先にこの部分については、10件分の助成金がありまして、共同・受託研究に入らない助成金の部分について、こちらに計上しました。
 もう1つは、この競争的研究資金、共同・受託研究費について、件数は上がっていますが総額は下がっています。これについて、抑えているということはありません。私どもは、なるべくたくさんの資金を入れたいと考えているのですが、企業側、民間のほうから経済情勢が厳しいせいか、件数が増えても1件当たりの委託件数は安く上げようということで、下がってきています。競争的研究資金についても、これも獲得した部分について件数は増えていますが、額は若干下がっているということで、1件当たりの研究費が下がっているということで、いま研究費の大枠もそんなに増えていませんので、仕方がないと考えています。

○田村部会長
 ほかにございますか。

○鈴木部会長代理
 24頁の「国際協力、産学連携等対外的な業務」の関係で、2つ質問させていただきます。まず、産学連携のところでは、「共同研究・受託研究を推進するとともに」と記されていますが、先ほど清水委員から引用がありましたように、共同研究11件、受託研究7件ということで、どういうテーマの研究がどのように行われているかが、どこかに開示されていれば教えてください。よくわかりませんでした。それが第1点です。
 第2点です。これはご説明ではなかったのですが、評価シートの19頁の「アジア地域における学術的ネットワークの構築」の?@でフォローアップ共同研究事業を取り上げています。「評価の視点 変更資料」によると、実績としては、平成20年度に開始して1名、平成21年度は0とあります。
 私は、我が国で研修を受け、帰国された方を支援することは重要な事業ではないかと思うのです。これをどのように強化しようとなさっているか。その方策をお聞かせ願います。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 まず、民間企業との共同研究、受託研究分です。こちらの資料には具体的な内容は掲載していません。私の手元にありますが、これについてご紹介します。
 例えばオムロンヘルスケアは、エネルギー消費量及び身体活動量の評価方法に関する研究です。日本ウェルエイジング協会は、レインボー体操の介護予防効果に関する研究です。シマノは受託研究で、自転車運動の糖対謝、脂質代謝の効果に関する研究に対して、事前、事後評価の方法論についてのアドバイスという内容です。
 公的な部分で、国立極地研究所生物研基盤グループでやっているのは、南極越冬隊の生活習慣と健康状態の関連に関する予備的研究です。先ほどのJAXAは、平成21年度の宇宙飛行士の栄養状態の解析評価が委託されています。宇宙飛行士が、向こうに行って食べたものを全部提供していただきまして、その栄養分析を戸山の研究所の中でやりまして、向こう側に返しています。あと協和発酵バイオから、閉経後女性におけるビタミンKの機能性評価に関する研究です。体重計のメーカー、タニタからは、皮下脂肪、内臓脂肪量に関する研究です。任天堂からは新型テレビゲームのエネルギー消費量の定量に関する研究等です。これは全部公開の内容ですので、後ほどこの一覧表をお渡しします。

○鈴木部会長代理
 研究所年報に載っているのですか。ファイルの中の最後に綴じ込んでいる。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 この年報がございます。「民間企業等の共同研究等」とありまして、これは額は書いていませんが、研究報告ですので、どことの研究、助成費によってこのような研究方法、もしくは論文を出しているというリストです。

○鈴木部会長代理
 これを拝見しましたら、問題ありません。どこにあるのかがよくわからなかったのです。

○国立健康・栄養研究所理事長
 鈴木先生からの大変貴重なご指摘をありがとうございました。私どもは国際共同研究だけでなく、特にアジアの若手研究者の育成が大事ではないかと考えています。そういう意味で、2年置きですが、アジア栄養ネットワークというシンポジウムを開催しており、アジアの若手の方を招へいし、栄養研究者を養成しています。
 そして、その後母国に帰って、私どもの教育の実が上がっているかを検証する意味で、フォローアップ事業というものをやっております。そこに「フォローアップ事業」というものを挙げさせていただきました。
 平成21年度の事業ではありませんが、その延長線上にありますが、国際栄養科学連合と、日本栄養改善学会、日本栄養食料学会、それと私どもの健康・栄養研究所が一緒になり、アジアの若手の研究者を招へいしまして、ワークショップを近々開催する予定です。その一環として、アジア栄養ネットワークも開催することにしています。
 それと、先ほど阿部主幹が説明しましたが、WHOのコラボレイティングセンターについても、アジアにおける私ども健康・栄養研究所の位置づけをして、特にアジアの若手研究者の育成にもフォーカスを当てて申請書を書いているところであります。

○岩渕委員
 NRですが、省内仕分けで廃止とか、民間へ譲渡または委託という意見が非常に多いということです。いままで養成は大変熱心にやられてこられたと承知していますが、今回の資料でも、その活用という点でいうと、健康食品相談を一緒にやったということぐらいで、もっといろいろな活用の仕方も考えているでしょうし、先ほどは認定をやるというような言葉も聞こえたような気もします。それも含めて、今後どのようにしていこうとしているのか。その辺りをわかりやすく説明してください。

○国立健康・栄養研究所理事
 さまざまな健康食品の問題が社会問題としてあるということで、NR栄養情報担当者に取り組んできました。現在4,000名を超えたNRの方々がいます。これは研究所は試験業務と、この人たちのフォローアップをする事業をやってきています。
 こういう数あるアドバイザリースタッフの中で、私どものNR、あと2、3ありますが、公正中立的な立場でやっていくことは、私どもは大変重要なことであると考えています。しかし、4月の仕分けの中で、資料にありますようなご意見が出たのも事実です。
 一応その場の整理として、厚生労働大臣から、実態把握、必要性、存在意義等について調査を実施した上で、その方向性を考えるようにという整理をいただいています。実態調査を5月に準備しまして、6月に主幹から申し上げたような、消費者団体あるいは関係団体の調査を行っていまして、ただいまその取りまとめ中ということです。
 私どもとしては、このNRの取組についてを何とかご理解を得ていきたいと考えているところですが、現時点ではそのようなことだとご理解をいただきたいと思います。

○田村部会長
 よろしいでしょうか。

○岩渕委員
 結構です。

○田村部会長
 ほかにございますか。
 次にグループ?Vで、「業務運営の改善及び効率化に関する事項関係」で、評価項目の14から19に該当します。これについて評価を行います。所要時間は法人からのご説明に15分、委員の評定と質疑に15分の合計30分です。法人からのご説明をお願いします。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 28頁の14「運営体制の改善に関わる事項」です。平成21年度実績で、運営会議というのは、研究所の運営に関する重要事項について、ここにある理事長以下の構成員によって、意志決定及び情報共有の場として、原則、定例は月に1回開いていますが、平成21年度は仕分けや消費者庁の発足など、いろいろな運営に関わる重要事項がありましたので、その都度、臨時の運営会議を開いて、その上で意志決定を行っています。
 研究企画委員会がありまして、これは各研究部門のプログラムリーダーが集まりまして、研究等の企画立案をするものです。先ほどの創造的研究の募集、その内容の評価に関してのプレの状態とか、各研究部門について何か取りまとめをする作業の依頼などは、すべてこの研究企画委員会で行った上で、運営会議に報告もしくは議事として諮る方式でやっています。これも基本的には、月1回が定例会で、平成21年度はいろいろと変化した事項がありましたので、その都度に臨時の研究企画委員会を開催し、重要事項について審議をしました。
 COIです。COI委員会は昨年度は1回開催しました。この1回は「プレ」と申しまして、私どもは内部規定で「審議対象を大幅に拡大」と書いてありますが、これは厚生科学課長通知による、例えば一般企業からの研究費の受入れ、講演謝金等の額について、私どもはそれよりも10分の1ぐらい低い額でも、すべて報告対象としました。それについて、プレに審査をした上、外部委員を含めたCOI委員会を組織していまして、その中できちんと審議を行い、リスク管理に努めたということです。この部分については、この研究所の中では全く問題はありませんでした。
 情報の共有化ですが、これは所内のイントラネットが完全に機能しているので、各プログラムの研究・業務の内容、予算の執行、例えば評価委員会の資料の作成やそれらの指示、そちらの取りまとめも、すべて所内イントラネットを活用して行われています。
 研究所のセミナーですが、これは若手研究者とベテラン研究者が、研究に関する議論、交流を深めるということで、所内セミナーは月に1回確実に実施しましたし、外部専門家を招へいして行う外来セミナーを2カ月に1回ずつ6回開催していました。
 次に、15.「研究・業務組織の最適化に関する事項」です。平成21年度は、役員は理事が併任していた国際産学連携センターのセンター長ですが、ここと下のプロジェクトリーダーについて公募により研究者に採用し、この業務推進体制の強化を図ったということです。
 先ほどの外部からの競争的研究資金の獲得については少し申し上げましたが、法定業務を実施するプロジェクトに対して、必要な人材を雇用した、これは重点配分の話で、先ほど申し上げました。
 民間企業、大学等からの研究者の受入れは、延べで104名に及んでいるので、これらの研究者の受入れと派遣の機能が両方相俟って、組織の活性化、研究者の活性化と人材の養成に寄与していると思います。
 内部評価委員会、外部評価委員会ですが、これも後ほど内部評価のフレームワークは説明いたしますが、これも規定どおりにきちんと行いました。
 16.「職員の人事の適正化に関する事項」です。研究所にとって必要な人材は、基本的にすべて公募としているので、平成21年度は研究員2名を採用しています。常勤研究員34名のうち女性研究員は11名になっておりまして、たしか以前に総務省から調べがきたと思いますが、女性研究員比率というのは、国の研究機関の中でも極めて高いほうではないかと思います。それから、重点研究のメタボリックシンドロームの若手研究員1名を、もちろん任期付で採用しています。
 研究職については、フレックスタイム制を導入しています。実験研究等が始まると、もう時間は関係なく、夜中でも朝でも、ずっと籠もりっきりになる形態ですので、ワーク・ライフバランスに配慮をして、フレックスタイムでやっています。
 事務職員ですが、総務省が行う研修会等は、7回延べ9名と書いていますが、必ず参加しています。案内が来れば、独法として必要なものは必ず参加するということでやってきました。
 30頁の17.「事務の効率化・合理化に関する事項」です。経費節減について、また後ほど出てきますが、自動車運転業務委託期間を短縮しまして自転車を導入しました。自転車2台で動いています。先ほどの事務職員の資質向上ですが、国が行う研修、独立行政法人向けの運営セミナーには、必ず参加しています。それと、所内LANシステムはこのように活用しています。基本的に、これでどうなったかと申しますと、3,500万円の削減を行いまして、対前年度、年度当初時点で3名の職員の削減を行いました。
 18.の「評価の充実に関する事項」の部分です。これは内部評価、個人評価、外部評価です。外部評価委員はここにありますように、五十嵐先生を中心にして、毎年年度末に外部評価委員会を開催して、評価をいただいています。
 31頁の上の部分に、内部評価のフレームワークがあります。基本的に、各プログラムから中間報告を受けまして、それについて年度末の報告について、最終的に内部評価は、各プログラムリーダーが評価した上で、理事長による評価を行って、それが各年ごとに期末手当、昇給等への反映が行われるシステムでやっています。
 31頁の19.「業務運営全体での効率化」です。これは数値目標について、昨年度も平成20年度分については出したわけですが、平成21年度の実績を見ても、中期目標の期間をずっと見ていくと、平成17年度比で、最終年度までに一般管理費を10%以上の削減も、すでに平成21年度までだと15.0%の削減になっています。人件費については、基本的に5%以上の削減が、平成17年度比で平成21年度まで6.7%の減ということで、基本的には中期目標は達成しています。以上です。

○田村部会長
 委員の皆様には、評価シートへの評定等の記入をお願いします。質問等がございましたら、ご発言いただきたいと思います。

○清水委員
 確認させていただきます。30頁の上のほうにある「事務等の効率化・合理化に関する事項」の具体例として、「自動車運転業務委託契約に係る期間を短縮し自転車を導入」というのが唐突に出てくるのですが、これはどのような業務をするのに自転車が必要で、自動車をやめたのでしょうか。

○国立健康・栄養研究所事務部長
 従前、平成21年度当初までは、公用車を1台委託で運用していましたが、平成21年度については、例年12カ月分を計上していたのですが、数カ月間の委託でやめました。その後の移動については、電動自転車で運用しているということです。

○清水委員
 それは誰がお乗りになるのですか。

○国立健康・栄養研究所事務部長
 自転車ですか。

○清水委員
 いえ、自動車に変わって自転車になったわけですよね。どなたがお乗りになるのですか。

○国立健康・栄養研究所事務部長
 自転車は一般職員が多いです。私たちは戸山でございますので、例えばここに来る場合も、従前は公用車を使ったケースがありますけれども、地下鉄でここに来ています。あるいは近隣の役所等に行くときは、いま申し上げた自転車を活用して移動しています。ですから、いま現在は公用車の運用は1台もございません。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 私もときどき電動自転車を使いますが、例えば郵便局に行って郵便を出したり、いろいろなものを受け取ったり、研究費の出し入れ等、あるいは旅費など、銀行回りとか、事務職員はしょっちゅう外へ出ますので、そのときに電動自転車は大変重宝しています。電動自転車なので坂道も楽ですので、どのくらい健康に寄与するかはわからないです。

○清水委員
 これも参考までにですが、いまの関連で評価シートの29頁の(3)「業務システムの効率化」で、「効率化を図るためにCIOを中心に」とあるのですが、効率化の責任はCIOにあるのですか。CIOは情報総括責任者ですね。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 ここは研究所ですので、先ほどのホームページの情報発信とともに、情報センターを持っていますので、情報センタープログラムの責任者が情報のプロでして、ここが情報総括責任者になっています。その中で、業務の効率化と申しますのは、要するにイントラネットの充実です。それはセキュリティのチェックから、大量の文書、添付文書が出てきますので、それらの管理など、そのような業務をしています。それで業務の効率化を常に図っているということです。

○清水委員
 はい。そうだと思ったのですが、一言だけ抜けているのかと思って発言しました。業務の効率化のためにイントラネットの充実をさせるために、CIOが出てくるのかなと。ワンクッションそれがないとわからないと思います。

○国立健康・栄養研究所理事
 補足です。CIOは政府全体で、関係機関も含めて、書きぶりは「情報・システムの効率化」ということで、専任するように、その責任の下に進めるようにと。4年ぐらい前に出てきまして、そのとき私が情報センター長も兼ねていましたので、CIOで、責任者でした。実質は、情報センターのIT支援プログラムで実際にやっている人が、CIOの補佐官という形でやっております。
 どちらかというと、日常的にそのようなことをやっていて、業務・システムというのが、政府側から出てきた表現ぶりをそのまま使っているということで、ご理解をいただきたいと思います。

○田村部会長
 ほかにございますか。

○鈴木部会長代理
 資料の30頁の17が、いちばん近いのではないかと思います。私は健康・栄養研究所の事務部の改革というのは、事務部の中の業務の効率化というだけではなくて、事務部と研究部門のコミュニケーションが非常によくなって、研究部門の活動がしやすくなったという報告を受けたことがありまして、それが事務部の改革のいちばんこの研究所の優れたところだと思っていたのですが、そういうことはあまり強調されないのですか。具体的にはどのような改革がされて、そのような結果になったのかというのを知りたいと思っているのです。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 いま私どもは処遇のところに、研究支援の業務係がありまして、これは研究者の支援を専門にやる部署です。ですから、それが外部研究費を受け入れた場合に、その会計責任者として全部やってしまうので、その点では事務と研究部門の役割分担というか、事務のサポートは非常に充実していると思います。これも私どもは常態となっているのと、それに加えて、私も去年この研究所に来たのですが、非常に小さな研究所ですので、先ほどの研究企画会議や運営会議にしろ、非常に研究プログラムリーダーと、研究所幹部、理事長以下、事務部門も、風通しのいい状態ですので、研究企画委員会、運営会議を定例でも、臨時でも、やるというとすぐに集まりまして、その中での情報交換はスムーズです。しかも、プログラムリーダーからプロジェクトリーダー、いわゆる一般の非常勤の研究者に至るまで、きちんと情報がその日のうちにすべて行くところが、非常にコンパクトでよくできているところだと思います。
 よそはどうなのかは私はわかりませんが、私たちの感覚ではそれが当たり前だと思ってやっているので、評価されているのであれば、それは書いたほうがいいのかなというところです。

○市川委員
 公募制で任期付の人事というのは、ある意味では施策的な意味もあるし、人事の流動化においては大変いいことだと思います。これもずっと前から議論があったかと思いますが、研究者、特に若手研究者の育成ということに関して、例えばこちらの研究所として実際に運用していったときに、5年で動かしていったときに、重点項目以外の研究で、その他の研究は若手がやっているわけですよね。いいものを取り上げて若手研究者を出していく、外部資金を獲得するために維持しなければいけないということを考えた場合に、将来的にでもいいのですが、任期付というのがこちらの研究所の運用において、いいのか悪いのか、そういう意味での評価ができていればお聞きしたいと思います。
 それから、その中には当然任期付で終わった人が、どちらにいかれているのか。せっかくここでいい環境において、いろいろなことを学ばれて、若手研究者として育成された人が、社会でこちらの栄養と健康に関してのフィールドで、社会に還元されているのかも含めて、何人かすでに変わっていると思うのですが、もしわかりましたら教えてください。

○国立健康・栄養研究所理事長
 大変貴重なご指摘をありがとうございます。人事の流動化、活性化という意味では、任期付というのは、私たちはある程度活用する必要があると思います。国立大学法人あるいは公立大学法人では、教授を含めて任期付になっています。私どもの研究所は、いわゆる常勤スタッフは任期付ではありません。そこがちょっと違うところです。若手研究者は任期付で、ご指摘のとおりです。
 勿論、常勤の研究者が退職する場合には、任期付若手研究者を常勤にするようにしています。多くの大学との連携、大学院を組んでいまして、そういう大学との連携を取ることによって、若手研究者の流動性を高めています。そういう意味では任期付というものの、いい面での活用だと思います。常勤スタッフの異動がない場合に、優れた若手研究者の処遇をどうするか、理事あるいは研究主幹とか私どもを含めて、大変頭の痛いところであります。それは私ども研究所だけではなくて、他の研究所、大学でもそういう悩みをもっていると思います。私ども研究所は業務研究調査をやり、それを継続することが最優先ですが、若手をいかに育てていくかということも非常に大事な任務であります。先生のご指摘された重要な課題について、いつも頭を悩めているところです。何かいい知恵がありましたら是非拝借いたしたいと思っております。非常に重たいご提言というか、ご質問、コメントではないかと思います。ありがとうございます。

○田村部会長
 ほかに何かございますか。よろしいですか。
 それでは次にグループ?W「財務内容の改善に関する事項関係」で評価項目20から22についての評価を行います。所要時間は法人からのご説明10分、委員の評定と質疑10分の合計20分ということで進めてまいりたいと思います。それでは法人のほうからのご説明をよろしくお願いします。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 32頁下段20「外部研究資金その他の自己収入の増加に関する事項」からご説明いたします。先ほどもご覧いただきましたけれども、競争的研究資金は、文部科研費、厚労科研費を中心に、平成21年度3億300万円、52件です。20年度に比べ件数は増えて若干、競争的研究資金の獲得額が減っておりますので、1件当りの研究費が少しずつ下がっているという傾向にあります。共同・受託研究についても同じです。平成21年度6,300万円で、20年度から2,000万円下がりました。これは企業からのお金も随分と少なくなっているので、もう少し開拓しなければならないかという思いでいるところです。
 33頁、21の「経費の抑制に関する事項」は、コスト管理の徹底として、各プログラム/センターごとの予算執行状況というのがあります。これも結構厳しいものがありまして、月別に集計・分析を行い、各プログラム/センターにこれをお知らせをし、不要不急と申しますか、ちょっと余っているから、あるいは余裕がありそうただからということが一切ないようにしておりますので、これをやられているところは、相当厳しい状態で頑張っているのではないかと思います。施設設備の共同利用の促進は、共同機器のメンテナンスというのもありますが、これはヒューマンカロリーメーターは共同で使っている部分ですので、きちんとこちらでメンテナンスをしているわけですが、使える部分については機器購入を抑制するという方向で、これも研究部門からは色々言われているところもありますけれど、何とか使えるものは使えるというところで頑張っているところです。外部委託ですが、国民健康・栄養調査のデータ入力作業は外部に委託しており、コホート研究等における検体検査も外部委託をしているというところです。
 それから会計担当監事により、月次監査を実施しておりますので、この中で契約内容をチェックする等の適正化に努めております。何か問題があれば、この月次監査の結果が直ぐに運営会議や研究企画委員会に上がってくるということになっております。いままで、こういう部分でリスクもしくは何か大きな問題が起こったということは、平成21年度はありませんでした。
 22の「その他の業務運営に関する重要事項」の情報セキュリティの確保について、これも内閣府が出したセキュリティ対策についての基準があったと思いますが、これを受けて、対策実施手順書がここにできておりまして、新規職員は必ずセキュリティ対策についての講演・講義を受けなければならないということと、1年間に1回それのチェックが入ります。それと、セキュリティ監査会社によるセキュリティシステムのチェックを受けて、問題点があれば速やかに改善を行います。ほかのセキュリティ監査会社と申しますのは、ネットなどにウィルスを送り込んだりといろいろと試すそうですが、それらにきちんと対応できているのかということで、問題点を見つければ速やかに改善し、情報セキュリティの確保に努めております。以上でございます。

○田村部会長
 ありがとうございました。委員の皆様は評価シートへの評定等の記入をよろしくお願いします。また、ご質問等ありましたらいただきたいと思います。

○清水委員
 今月27日にヒアリングをお願いしていますので、詳しくはそこでご説明いただきたいと思いますが、お願いしておきたい点を4点ほど確認させてください。冒頭に配られてご説明がありました参考資料2の、指標の取り方というのについて政・独委から指摘を受けております。これは過去の内容と違いますが、2年ほど続けて取り方が間違っているというようなことがありましたので、今回は是非、そこの間違いがないようにとお願いしたいということが1点です。27日には特に前年度との比較で、増減が著しい項目についてはお聞きしますので、内容について答えていただけるような体制でお願いしたいと思います。
 それからいつもお願いしています当期総利益とか、運営費交付金債務残高というようなものの要因分析は、具体的な数字を示していただいた上で、ご説明いただきたいと思います。
 4点目ですが内部統制に関する事項は、たしか今年の重点項目ということで、この評価別添資料にも載っておりますが、いまの評価シートの説明資料のほうでは、例えばCOIの審査委員の審査対象、委員会の審議対象が増えたとか、あるいは会計担当監事による定期的な監査を書いてありますが、そういうことだけではなくて、全体として、研究者さんとして内部統制というのはいろいろな要素があると思うのですが、どう評価していらっしゃるかということをお聞きしたいと思います。先ほどの監事の報告が特に問題なかったということですが、問題がなかったことが、私は何か問題のような気がします。問題がないほうがおかしいと思います。そういったところを研究者さんとして、どう認識されているかということをお聞かせください。その4点を特によろしくお願いします。

○田村部会長
 この件よろしくお願いします。ほかに何かございますか。

○酒井委員
 共同研究・受託研究のことでちょっとお伺いしたいのですが、受託研究を皆さん方が引き受けてやる、また増やしたいというふうにおっしゃっているのですが、経費的には受託研究についてのコストパフォーマンス的な考え方はおありになるのでしょうか。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 基本的に、まずこの共同研究・受託研究で特に民間からくるものに関して、これはセレクションいたします。と申しますのは、この研究所は第1として行政のミッションをもっておりますので、その行政のミッションの遂行に影響を及ぼすような受託研究、並びに共同研究については、研究者あるいは金が入っても、例えば研究者の人材がいないというような余力がない場合にはこれは受けません。
 それともう1つですが、実は健康食品関係に関して、健康食品を売らんがために、これらに関してこういう結果を出してもらいたいというようなことが結構ありまして、これはすべてこのお金でこれだけお願いしますというもののすべてを受けるということではないのです。まず基本的にこの研究のミッションで、自分のところの元々の中期目標の目標研究ができるかできないか、それから先ほどのような公益性、中立性に影響を及ぼすのかどうなのかということを、まず受けるというか、オファーを受けたプログラムの中で判断をいたしまして、それで「これはうちの研究余力があって、しかも公平性や公益性に合致しているのでいいですよ」というのが、研究企画委員会に挙がってきまして、それでOKというような話になって出てまいります。
 研究企画委員会にまず、その公益性などから排除すべきものが挙がってきたことはありませんけれど、それはもうプログラムレベルで、この研究はちょっと受けられませんよというのが排除されているということですから、セレクションされているということです。

○酒井委員
 ありがとうございます。そこはわかりましたけれども、コストパフォーマンスという意味で伺ったのは、収支決算報告書を見せていただきますと、受託研究は、収入と支出が全く同額で出ているのです。ということは例えばですが、それを受けるときの皆さん方の人件費というような感覚のものはないと、つまり受けたお金を全部使って研究されているという意味なのでしょうか。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 研究者の人件費分は入れていません。それで一般管理費として、例えば施設の使用と、事務等を動かす分については20%を一般管理費としてこちらに入れると、要するに事務部門に入れるというようなことではルール化されております。

○酒井委員
 人件費を取ることを考えなくてもよろしいのではないかと思いますけれども。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 儲けが出たときにそれをどうするのという問題もまたありますので、ちょっとそこのところは。

○酒井委員
 これはいけないですね。

○田村部会長
 ほかに何かございますか。よろしいですか。
 評定への記入のほうはよろしいでしょうか。まだ評定等の記入が終わっていない方もおられるかと思いますけれども、この件について、政策評価官室のほうからご説明をお願いできますか。

○政策評価官室長補佐
 記入が終わっていない委員の方につきましては、本部会終了後、この会場にお残りになってお書きいただいても結構です。また、評価シートや評定記入用紙をお持ち帰りになって記入いただいても結構です。お持ち帰りいただく場合には、事務局に一声おかけいただいて、また7月20日(火)の1週間後までにはご提出いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○田村部会長
 ありがとうございました。なお、本日、冒頭に評価官室のほうからお話がありましたように、評価の視点について、変更資料が配られておりますが、評価の視点についてかなり変更があります。今日はこれを前提として、お話をしていただいたかと思いますが、内容についてよろしいかどうか、ご意見等がありましたら伺いたいと思います。これについて何かご意見がございますか。緊急な配付でしたので、十分なお目通しをいただいてないかもしれませんが、これまでいただいたご意見を参考にしながら評価の視点の変更をしていただいておるところではありますが、これでよろしいでしょうか。よろしければこのまま進めさせていただきたいと思いますけれども、もし何かこれについてまだ問題があるということであれば、再度検討いただくということになろうかと思いますが。
 評価官室のほうとしては何かありますか。

○政策評価官室長補佐
 お示しするのが直前になってしまい申し訳ありません。1点、我々が少し悩んでいるところがありまして、数値目標をいろいろ書いてありますが、法人の調整をいたしたものをこちらに書いておりますが、1部のものについては実績よりもちょっと低めのものを評価の視点に入れている部分があります。中期目標とここの関係では低くしているものではないのですが、この数値化についてはそもそも評価がしやすくなるように、数値をたくさん入れたほうがいいのではないかということで、法人側に検討をいただきまして、出させていただいたものです。実績を横にいろいろ書いておりますが、中には実績よりも低いものを書いているのがありますので、例えば実績より低いものについては、わざわざ評価の視点の数値目標に入れるよりは、従来どおり落としてしまい定性的な書き方にさせていただいて、そのほかの定性的な部分でより詳細な記述をしているものについては、いまお手元にあるような形でまとめたりするのがいいのかと事務局で思っていたのですが、事前にご相談する時間が取れなかったもので、今日、突然になりますが、配付をさせていただいたところです。

○田村部会長
 ということですが、いかがでしょうか。急だったということもありますので、一度お持ち帰りいただいて見ていただき、ご意見をいただいて、その上で最終的にまとめるということでいかがでしょうか。
 いつまでにご意見をいただいたらよろしいでしょうか。

○政策評価官室長補佐
 次回に健・栄研の評価があります際にちょっとお時間をいただいて、その際にやり取りをさせていただければと思います。

○田村部会長
 それまでに、ご意見をいただいたほうがよろしいですよね。

○政策評価官室長補佐
 そうですね、1週間後までにご意見をいただければと思います。

○清水委員
 すみません、いまの政策評価官室長補佐がおっしゃられた、例えば実績ベースよりもかなり低い設定というのは、設定の仕方自体がどうなのかと思う項目が結構あるのですが、いまおっしゃったのはどのようなケースでしょうか。

○政策評価官室長補佐
 例えば7頁の査読付学術誌に学術論文を50報以上掲載されることというものがあります。こちらの中期目標に関しまして、中期目標期間内に250報以上という形になっていますので、決してその対比では低いものではないのですが、右のほうに実績がありますが、50報を超えた数値を達成しているというような状況になっております。
 こういうようなことが、この7、8頁は大分そのような形になっているものがあります。ただもちろん法人のほうでは現実的なことを検討した結果、目標としては評価の視点に書かれているものが適当ではないかということもありまして、それでそのまま数値目標をこのまま立てるか、いくつかの件については定性的な書き方にさせていただいて、毎年度毎年度皆さまの評価をいただくときには、当然、前年度と比較をしながら、今年度は頑張ったというところを判断されていると思いますので、こういった点についてわざわざ評価の視点という形で事前に示しておく必要性はそれほどないのかということも思っております。

○清水委員
 たしかに中期目標の数値を単純に5で割るとこの数字になるという意味では、ひとつの目安にはなるのでしょうけれども、実際評価をする場面になりますと、前年度はどうだったかとか、ベースで比較をしたいと思いますので、そういう指標があったほうがむしろやりやすいのかという感じがいたします。

○田村部会長
 ありがとうございました。

○鈴木部会長代理
 いま引用された頁にもありますが、変更の趣旨のところで、「研究費、研究員等、研究ポテンシャルが低下しないことを前提として、実現可能なアウトプットとしての論文数を設定した」と、ちょっとわかりづらいのですが、少しご説明いただけますか。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹
 これは基本的に毎年の交付金の削減がかなり入ってきていますのと、先ほども申しましたように、競争的研究資金も実は、枠が相当狭まってきまして、研究費もかなりきびしくなっているという状況がまずあります。それともう1つ先ほど研究員の流動性の話にもありましたけれども、実はベテランの研究者、これは毎年のことではありますが、独法のこのような状況の中でひとつは大学の教官に相当人材が出ていってしまうと。そういうようなことがありますと、若手でそれを補填してきているわけです。しかも常勤ではなくて、任期付の職員が確実に増えております。そうしますと例えば論文をつくっていく、あるいは研究のポテンシャルというのを、現在と同じように将来も維持できるのかという危惧は、たしかに研究所として現在もっておりますので、そこの部分が、このポテンシャルが落ちないことを前提として、というところです。

○田村部会長
 よろしいでしょうか。
 それではおそれいりますけれども、これをまた一度見ていただいて、7月20日までに評価の視点の変更について、ご意見等がありましたら評価官室のほうにお出しいただきたいということで、よろしくお願いします。評価官室のほうではそれをおまとめいただいて、次回の評価委員会の際にご意見をいただくということで進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは本日の議事は以上となります。次回の開催等について、事務局からご案内をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 次回は7月26日(月)午後1時からとなっております。場所は厚生労働省共用第8会議室となりまして、議題は「労働安全衛生総合研究所の個別評価」となっております。事務局からは以上です。

○田村部会長
 それでは本日は以上で終了いたします。長時間にわたり、また本日は遅い時間帯でございましたけれども、熱心なご審議をいただきまして誠にありがとうございました。


(了)
<照会先>

政策統括官付政策評価官室

独立行政法人評価係: 03-5253-1111(内線7790)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 独立行政法人評価委員会(独立行政法人評価委員会調査研究部会)> 独立行政法人評価委員会調査研究部会(第47回)議事録

ページの先頭へ戻る