ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(日本年金機構評価部会)> 第6回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録




2010年8月2日 第6回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録

○日時

平成22年8月2日(月)10:00~12:15


○場所

厚生労働省17階 専用第21会議室


○出席者

本田部会長、大山部会長代理、石井委員、岩瀬委員、木間委員、斎藤委員、長沼委員

○議題

日本年金機構の平成21年度の業務実績に関する評価について

○議事

(本田部会長)
 それでは、定刻となりましたので、ただいまから社会保障審議会日本年金機構評価部会を開催いたします。本日も大変お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
それでは、まず委員の皆さんの出席状況について事務局のほうから御報告をお願いいたします。
(事務局)
 本日は西沢委員がご欠席でございまして、その他の委員の方はご出席でございます。
 以上でございます。
(本田部会長)
 わかりました。
 それでは、議事次第に沿って進めてまいりたいと思います。本日の主な議題は、日本年金機構の平成21年度の業務実績に関する評価についてでございます。それでは、まず本日の部会の進行につきまして、事務局から御説明をお願いします。
(事務局)
 お手元にお配りしております資料については、「個別評価シート」というのが資料1としてございます。47ページまでありまして、ページ数が多いので、5つのパートに分けて御説明と質疑を進めさせていただきたいと思っております。
御協力をお願いします。
 そして、個別評価シートについての説明と質疑が終わりましてから、最後に資料2の「業務実績の評価結果」について御審議いただきたいと思っております。
 以上でございます。
(本田部会長)
 それでは、ただいま説明ありましたように、まず日本年金機構の平成21年度個別評価シートの「年金記録問題の対応に関する事項」につきまして、まず事務方のほうから御説明をお願いいたします。
(事業企画課長)
 おはようございます。事業企画課長の藤原と申します。どうかよろしくお願いを申し上げます。お手元の資料1、大判の資料でございますが、こちらのほうについて、これから御説明を差し上げたいと思います。
 資料1、おめくりいただきますと、目次がついてございます。それぞれの目次の中身につきまして、いくつかのパートに分けて御質疑をお願いしたいと思いますが、目次のちょうど2ページになりますが、判定基準ということで、「S」~「D」までの5段階の評価それぞれの判定基準の意味合いについても目次の中に書かせていただいておりますので、御参照いただければと思います。
 それで、資料1、通し番号1ページからずっと打ってございますので、それまた適宜御参照いただくことになりますが、まず1ページをお開きいただきたいと思います。
 1ページでございますが、前回の委員会でごらんいただきました資料との関係につきましては、㋕の項目と㋖の項目、㋕日本年金機構の自己評価、また㋖厚生労働省の評価(事務方たたき台)、この項目が加わった形の資料になってございます。㋖は厚労省の事務方のたたき台という位置づけになるところでございますが、この事務方たたき台といたしました部分につきましては、前回の委員会でも評価の項目があまり細かすぎるのではないかと、こういう御指摘もいただいたところでございますので、機構の自己評価よりも大きな括りで事務方たたき台のほうは評価をしてございます。黄色い帯がずっと引いてあるところが、この事務方たたき台の評価の括りということになりますが、機構の自己評価との括りの関係につきましては、若干一覧性を高めたいということで、お手元、綴りの中に小さい版の表でございますけれども、参考資料2という形で対比をしたような表をつけさせていただいているところでございます。
 この資料1につきましては、事前に先生方にお送りを差し上げ、先生方から御意見などもちょうだいしたところでございます。その際、評価の理由を説明をわかりやすくすべきであると。また外部要因だけでなく、内部要因についても言及すべきであるなど、さまざま貴重なご意見をちょうだいいたしまして、そうした御意見も踏まえて、できる限りの修正をしたつもりでございます。各論につきまして、ちょうだいした意見につきましては、説明の中で適宜触れさせていただきます。
 あと、資料について1点、補足をさせていただきますと、本日お配りしている資料の中で、参考資料3という綴りがございます。第5回の部会での御要望のあった資料についてということで、ホチキス止めをした縦長の資料の束をつけさせていただいております。前回の審議でちょうだいした御要望について資料を出させていただいているところということを申し添えさせていただきます。
 それでは、中身の説明に入らせていただきたいと思います。
 まず1ページでございます。ただいま1ページから通しまして、まず8ページまで御説明を差し上げたいと思います。
㋓の項目、「平成21年度における評価の視点」というところをごらんいただきたいと思いますが、「?T.年金記録問題の対応に関する事項」ということで、その冒頭の部分、まず年金記録問題の解決に向けた取組を計画的に進めているか、こういう事項でございますが、これにつきましての機構の自己評価は「B」。
 厚労省事務方たたき台の評価といたしましては、年金機構への移行の時期におきまして効率の低下というものがございましたが、取組は概ね着実に実施されたと。22年3月末に年金記録問題の対応の実施計画、いわゆる工程表について現場の意見を聞いた上で取りまとめが行われた、こうしたことを踏まえまして、事務方たたき台としては「B」という評価にさせていただいております。
 続きまして、その下段、「(1)記録問題未解明事案についての実態解明を進めているか」という事項でございます。機構の自己評価は「B」でございます。
 事務方たたき台といたしまして、脱退手当金の支給日より前の加入記録が脱退手当金の算定基礎とされず残っている事案と、こうしたものについて、本年2月にサンプル調査の実施というようなこともされたということなどを踏まえまして、「B」という評価にさせていただいております。
 1枚おめくりください。2ページでございます。(2)とございます。「『ねんきん特別便』・『ねんきん定期便』等の回答に係る記録確認作業の実施」に関する事項でございますが、機構の自己評価は「B」。
 事務方たたき台といたしましては、「ねんきん特別便」の回答に係る記録確認作業につきまして、1~3月の処理件数のペースで進みますと、21年(昨年)3月以前受付分について、本年7月末を目途に完了するとした工程表の目標を達成するものというふうに考えられるということなどを踏まえまして評価:Bということでしてございます。
 続きまして、ページ1枚飛びまして4ページをお開きいただきたいと思います。(3)の項目ということになります。これは名寄せ特別便に対して「訂正なし」と回答した方、また未回答の方のうち御本人記録の可能性が高い方について訪問・電話、こうしたことについて、市区町村との連携を図ると、こういう項目でございます。機構の自己評価は「A」ということでございます。
 この件につきましては、市区町村の協力の取りつけというものについて、このそもそものスタートは外部からのイニシアチブがあったと、こういう御指摘も委員のほうからいただいたところですが、そこのたたき台のところに書いてございますが、社会保険庁から引き継いだ段階で必ずしも前向きな回答が得られていなかった市区町村に機構から積極的に働きかけた結果、新たに約300市区町村から協力するとの回答を得たということについて一定の評価ができるということで、「A」というたたき台案にさせていただいております。
 5ページをお開きいただきたいと思います。(4)「紙台帳システムの構築に向けて必要な調達手続を進めたか」という事項でございます。機構の自己評価は「C」。
 事務方たたき台でございますが、これにつきましては、紙台帳の電子画像化、アプリケーションソフトの開発、機器の整備、調達手続、こうしたものについて、着実な実施というものはございましたが、突き合わせ作業の拠点設置に係る調達手続におきまして、情報管理やコンプライアンスの観点から問題があったと、こうしたことを踏まえまして、事務方たたき台評価:Cということでございます。
 次の項目でございます「(5)再裁定の迅速な処理を行うための体制の整備」という事項でございます。機構の自己評価は「B」。
 事務方のたたき台といたしましては、年金事務所から本部に職員を派遣して体制強化に努めた結果、平均処理期間、こちらのほうは、22年3月で2.3月ということで、工程表で目標としています2.5か月というものが達成されていると、こういう状況にございます。
 他方、自己督励給付の処理については、短期化に向けて、なお対策を講じる必要があると、こうしたことを踏まえて、事務方たたき台としては「B」という内容にさせていただいております。
 おめくりいただきまして、7ページをごらんいただきたいと思います。「(6)標準報酬等の遡及訂正事案」、こうしたものについての記録の回復を速やかに進めたか、こういう事項でございます。これにつきましては、機構の自己評価は「B」でございます。
 事務方たたき台の評価の内容でございますが、そこにございますように、3か月で158件という機構発足後の記録回復件数、これについて何らかの評価をするための指標がないと判断がしづらいと、こういう御意見を事前に委員の先生からもちょうだいをいたしまして、事務方たたき台の3つ目の「○」のところで若干記載をさせていただいておりますが、なかなか年度途中で機構への移行が行われ、回復基準が12月に新しく設定されたことなどによりまして、厳密な意味での比較は難しいのですが、一昨年の12月から昨年の12月までの月平均60件、機構発足後の月平均53件、ほぼ同水準であるということなどを踏まえまして、事務方たたき台としては「B」ということでございます。
 (7)項目、「『ねんきん定期便』の送付を行うとともに、常に年金記録が確認できる仕組みの構築の検討」という項目でございます。機構自己評価は「A」でございます。
 これにつきまして、事務方のたたき台は、「ねんきん定期便」の送付ということにつきましては、計画どおりに行われてございます。その上で、平成22年度の予算で予定していた機能に加えまして、履歴表の作成をサポートするような機能など、予定以上の付加価値の検討があったというようなこと、こうしたことから年度計画等の関係でプラスの評価ができるという、こういう御意見も委員の先生からちょうだいしたというところでございまして、「A」という事務方たたき台の評価にさせていただいております。
 8ページをおめくりいただきたいと思います。あと、記録問題の関係の「その他」というところでございますが、機構の自己評価は「B」。
 内容的には重複した基礎年金番号の解消についての取組がどうかということですが、これは、さらに努力する必要がある。他方、無年金者に関する取組につきましては、22年3月末までに、今1万人の方の新たな年金受給につながったということもございまして、一定の効果もあったと、こういうことが言えるのではないか。こうしたことを合わせ考えまして、事務方たたき台としては「B」、こういう内容にさせていただいております。
 冒頭、記録問題に関する御説明は以上でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
(本田部会長)
 年金記録問題の対応についての評価の部分、今、御説明ありましたけれども、皆さんのほうから御意見、御質問等ありましたら、よろしくお願いいたします。
(岩瀬委員)
 今の厚生労働省の評価なのですけれども、これは私の全体的な印象としては、評価できないものをも無理やり評価をして、形式を整えているという感じがしたのですけれども、そういうことはないのかどうか、ちょっとお聞きしたいんですね。
 というのは、「年金記録問題に関する未解明事案についての実態解明」のところで「B」という評価をされております。1ページ目の2段目ですね。この評価の中に、「22年4月に新たな回復基準が設定されている」というのを評価のポイントに置いているみたいですけれども、確かに回復基準は設定されましたけれども、これは全然機能してない。これは7月二十何日の回復委員会で出ていますけれども、基準はつくったけれども社会保険事務所の覆面調査をしたところ、全然機能しないで間違った説明をしていたというのが出ているわけですから、そういうのを全く無視して、基準をつくったということだけで、「B」という評価をするというのは、その覆面調査の結果というのは、回復委員会で公表されているわけですから、かなりいいかげんな厚労省側の判定という気がします。この辺、どうお考えになるのかお聞きしたい。
 もう一つ、5ページ目の上段の「C」という評価ですけれども、コンプライアンスの観点から問題があったから「C」だというふうな評価をされていますけれども、これはまだ 決着がついてない問題で、つまり入札情報を漏洩させたということだと思うんですけれども、今後、どう展開するかわからない話で、重大な結果をもたらすかもしれないので、これは評価は今の段階でしようがないと思うんですね。それをこういう評価をしているというのはどういうお考えでやっているのか、その点をお聞きできませんでしょうか。
(本田部会長)
 事務局。
(年金管理審議官)
 2点お尋ねがございました。まず1点目のほうでありますけれども、確かに岩瀬委員、御指摘のとおり、この事務所段階での回復基準、先日の記録回復委員会でも覆面調査の結果、公表させていただきまして、実際上事務所でこの事務所段階での基準を使った回復というものの実が上がっていないと。これは大きな課題があるぞという御指摘をいただいたことは事実でございます。このたび、21年度の評価というものをどういう視点で行うかというときに、22年度に入ってからいろんな動きがあり、今、御指摘があった点もその大きな動きの1つでありますけれども、22年度に入ってからの大きな動き、あるいは私どもが承知しておるような事実、これを加味した上で、どこまでこの評価結果に反映させるのかというのは非常に悩んだところでございます。
 きょうお示ししております㋖の欄の評価は、まず基本的には21年度の事業計画に対して、21年度中にどこまで取り組めたのかどうかというところを評価に据えるというところで割り切っております。ただ、さはさりながら22年4月以降にあった大きな事実、あるいは私どもが承知しておる情報、そういったものについても付加的には加味をすると、こういうことでございまして、具体的に御指摘がありましたところでは、このサンプル調査が回復基準の設定の1つの大きな材料になったということは21年度中の事実でございますので、そこを重視して「B」評価という案にさせていただいておるという考え方でございます。
 それから、5ページのほうでございますが、これも今申し上げました回答と共通するわけでございます。21年度中の事実発生ということで申し上げますと、㋕の機構の自己評価のところにもございますように、情報漏洩が発生したという事実は把握をしておるわけでございます。この情報漏洩が私ども㋖の欄に書きましたように、情報管理の観点、コンプライアンスの観点から問題ありというところは間違いないところでございますが、今後、全容解明、こういったものが進む中で、さらに調達、コンプライアンスの評価をどうするかというのは、基本的には22年度の業務実績を評価する過程で正面に据えて評価をすることになると、このように考えております。
(本田部会長)
 よろしいですか。
(岩瀬委員)
 この評価シートには書いてないのかもしれませんけれども、21年度中に何ができなかったのかというのと、なぜそれができなかったのか。22年度でそれをどう達成するのかというのはどこかに書かれるんですか。
(年金管理審議官)
 この評価シートの中では㋔が、これは機構が前回のこの部会で書類をお示しをし、またポイントについて説明をされました21年度の業務実績、これを御紹介しておる欄でございますが、このシートをつくるにあたりましては、その機構が作成されました21年度の業務実績をそのまま抜粋をしてごらんいただけるようにするということでシートを作成しております。したがいまして、前回説明ございましたけれども、機構におかれましては、この21年度の実績報告を作成するに当たっては、できるだけわかりやすく、また用語解説や図表もつけるなどの工夫をして、どこまで達成でき、今後その達成できなかった点についてはどういうふうに取り組むのかということも実績報告書には盛り込まれてございますので、このシートの中では㋔のところをごらんいただくことで、お尋ねの点についてはお読み取りいただけると思っております。
 1点、補足をいたしますと、今、㋔の欄は、機構が前回部会資料のナンバーで言いますと、資料2-1でございますけれども、その2-1で御提示しました実績報告書の中で、大きなグラフでありますとか図表、こういったものはこのシートにはおさまりきりませんので、全部そっくり丸ごと㋔のほうで抜粋をしておるということではございませんが、このシートを最終的にごらんいただく際には、今のシートの中では割愛させていただく格好になっております実績報告書にはついておりました大きなグラフでありますとか、図表のほうも添付をするというようなことで完璧を期したいと思っております。
(岩瀬委員)
 ということは、前回の評価部会に出た実績報告書というのは、かなり書き直しがされているというふうに考えてよろしいんですか。
(年金管理審議官)
 実績報告書自体は、前回部会でお配りした資料2-1の実績報告書自体は、これは既に機構内部の必要な手続を経た上で、私どもに御提出をいただいた資料でございますので、21年度の実績報告書自体を変更するという趣旨で申し上げたわけではございません。先ほど申し上げましたのは、この実績報告書の中でどこまで到達ができ、到達できなかったことについては、今後こういう方針で進めたいという記述が盛り込まれておると認識しておるということを申し上げたわけであります。
 それから、もう一つ、前回部会の後に、この個別シートのたたき台のまたその案でございましたが、一度委員各位にお送り申し上げた際に、岩瀬委員、御指摘になっておられるような御指摘があったことを受け、まる㋕の欄、あるいは㋖の欄でその辺の御指摘を受けて記述を追加したという部分がございます。したがいまして、実績報告書自体の修正ということではなく、個別シートの中での㋕、㋖でその辺を補ってきょうごらんをいただいておるということでございます。
(本田部会長)
 よろしいですか。
(岩瀬委員)
また、後にします。
(長沼委員)
 前回のときに資料をお願いしまして、きょう拝見させていただきました。参考資料3「基礎年金番号の付番状況と当面の対応策」の〈別紙1〉について、この資料の読み方をお伺いいたします。単位が1,000件ということになっているので、最終的に、人口のほうが基礎年金番号よりも多いのが222万5,000件、逆に基礎年金番号が多いほうが346万2,000件あるという読み取り方でいいのかどうか、まず、お伺いします。
 あわせて、今議論している評価シートの8ページなのですが、『評価:B』で、すでに起きた記録問題については、こういう形で重複した基礎年金番号の解消について取り組んでいる、「今後、年金記録回復委員会の議論を踏まえる等、更に努力する必要がある」と記述されています。これはこれでいいと思う。しかしながら、今後、新たな記録問題を発生させないという観点から、「新たな記録問題を発生させないために、基礎年金番号の重複付番を避ける方策について、今後一定の方策を講ずる必要がある」というような文言を、この評価シートの中に織り込むことができないのか、お伺いいたします。
(本田部会長)
 まず資料のほうの説明から。
(日本年金機構理事(全国一括業務部門担当))
 資料のほうの御説明をさせていただきます。資料の御指摘のありました別紙1の見方でございますが、単純に総人口と有効年金番号数を比較しました数字というのが、別紙1のめくっていただいた下のほうの数字になるわけですが、各年齢ごとに比較していきますと、御指摘のとおり、基礎年金番号より人口が多いものの合計として222万5,000、そして基礎年金番号のほうが人口よりも多いものが346万ということになっているという状況でございます。
(年金管理審議官)
 それから、この基礎年金番号の付番に現状問題がある点を改善していくことで、記録問題を新たに生み出すようなことがないようにする必要があるという点についての私ども厚生労働省年金局の認識ということで、㋖の欄に書き込んではどうかという御提案、そういうことでございますね。
(長沼委員)
 はい。
(年金管理審議官)
 これは検討させていただきます。
(大山部会長代理)
 済みません、今の件に絡むことですが、参考資料3の〈別紙3〉のところを見てください。直接きょうのテーマである評価そのものに関係するわけではないので恐縮ですが、22年7月のところで、基礎年金番号重複付番数の推移というのが、また増えているという状態が起こっています。これの主たる要因が何なのか、もし分かっているのであれば、そして、またそれに対する対策はどうなさるつもりかを、教えていただきたいと思います。
(日本年金機構理事(全国一括統括業務部門担当)
 御説明申し上げます。〈別紙3〉のまず見方でございますが、これは19年11月以降、年3回、上の四角の中に記載をしておりますような4項目が一致をしている基礎年金番号を探し出すという作業をやっております。それぞれのタイミングで判明をしたものにつきましては、次の調査の時点までにすべて解消していくと、こういう作業を進めております。したがって、例えば21年の11月に発見をしました2,622につきましては、その次の調査時点までの間に基本的に解消の努力をしていくという形で努力をしてきております。
 しかしながら、その間に新たに判明をしてくるものが出てくるわけでございます。その理由でございますが、例えば住所が違うところに住んでおられて、その方が基礎年金番号を持っておられる。その方が転居をして、例えば実家に戻って来られるというような事象が発生をしますと、4項目が一致をします。したがって、新たに4項目を一致をしたということで、22年3月に新たに把握をされると、こういうことになってまいります。
 そういうことで、22年3月に発見をしたものについては、そういう私どもも解消の努力したわけでありますけれども、22年7月までの間に、実はこの間、解消が十分できなかった部分がありまして、積み残しをした部分が発生をしております。東京都で全体で1,000件程度、次の調査時点である22年7月までの間に解消しきれなかった御本人に接触し、調査し、解消するということが及ばなかったものがございまして、その分が積み残しとして出ておりまして、それを差し引きますと、新規に発見をしたものの水準というのは大きく変わってはいないという状況でございます。
(本田部会長)
 項目もいっぱいありますので、まず次のをお願いいたします。続きまして、「提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」の「1.適用事務に関する事項」から、「3.給付事務に関する事項」まで、事務方から御説明をお願いいたします。
(事業管理課長)
 それでは、事業管理課長でございます。8ページの下段のところから、21ページにかけましてざっと御説明をさせていただきたいと思います。
 それでは、まず適用事務の関係でございますけれども、8ページの下、国民年金の適用の関係でございまして、これは住民基本台帳ネットワークのシステムを活用して、20歳に到達した方の適用促進を図るということでございまして、機構のほうの自己評価は「B」でございます。
 厚労省の評価の事務方たたき台におきましても、こういった20歳到達者に対しての届出勧奨というものが全員に対して行ったということで、機構同様「B」の評価をさせていただいております。委員の先生から、これは「A」でもよいのではないかといった御意見もいただいておるわけでございますけれども、従前と同様の取組を継続したというものでもございますので、いわゆる目標を上回って達成したというところまで言うのもちょっといかがなものかということで「B」の評価をさせていただいておるところでございます。
 続いて9ページのほうにまいりまして、厚生年金・健康保険・船員保険の適用の関係でございます。ここにつきましては、機構のほうの自己評価と厚労省の事務方のたたき台の評価の項目が違っておりまして、機構のほうから、それぞれの細かい項目に即して自己評価をつけておるのに対しまして、厚労省のほうでは、大きな項目にまとめて評価をしております。そこでずれておりますので御留意をいただければと思っております。
 まず適用の中身の中で、まず○1といたしまして、未適用事業所の適用の促進ということがあるわけでございます。これにつきましては、雇用保険の情報ですとか、あるいは新規設立法人の情報ですとか、運輸局等の所有している情報ですとか、いろいろ各種の情報を活用しまして未適用事業所を把握し、そしてまた加入勧奨を経た上で、重点加入指導なり、あるいは職権による適用ということを進めておるわけでございます。こういった活動につきまして、機構のほうでは、評価の「B」ということでついておるわけでございます。各事務所のほうに、1~3月の目標設定と進捗管理を徹底するように指示をするということ。それから、またなかなか記録問題への対応を優先する中で、適用促進ということに十分なマンパワーの投入ができなかったというふうな状況も考慮してほしいといったところが自己評価の中にございます。
 厚労省の評価でございますけど、まずこの○1の部分につきましては、重点加入指導なり、立入検査、こういったことにつきまして、1~3月までの間の各年金事務所のほうで設定した数値の単純合計値、これを統合、実績を比べてどうかというところで、実績のほうが下回っているという状況があるなというところでございます。
 それから、続きまして、10ページのほうにまいりまして、10ページで、各年金事務所における進捗管理というところを目標にしてあるわけでございますけれども、これにつきましても、厚労省の評価のたたき台のところでは、実績というものが、先ほどの各事務所の数値の単純合計値というものを下回っているということを見まして、各事務所において適切な進捗管理がなされていたといった評価がなかなかしづらいのではないか。ただ、一番下のところに書いてございますけれども、○1、○2とも実績が計画値を下回っている状況であるが、年度途中に社会保険庁から日本年金機構への移行が行われたこと。あるいは平成21事業年度は3か月しかなかったこと。国家プロジェクトである年金記録問題への対応を優先したことなど特殊事情を考慮する必要があるというところを書き加えております。
 以上を総合いたしまして、○1と○2の中で、実績数値というものが計画の合計値と見てどうかということを見ると、かなり厳しい数値かなというところはございまして、委員からも「C」よりも「D」と評価すべきではないかといった御指摘もいただいております。ただ、年金記録問題に人手がとられたということを正面から書くべきではないかといった御意見もいただいているところもございまして、そういったところも総合的に勘案いたしまして、評価として「C」をつけ、また、年金記録問題との関係なりというところの記述を事務方とも書き加えさせていただいたところでございます。
 続きまして、11ページのほうにまいりまして、国民年金の収納の関係でございます。これにつきましては、現年度納付率につきまして、21年度の12月末時点の納付率から22年3月末までの間において1ポイント程度以上の納付率の伸びを確保するということ。これを数値の目標といたしまして、納付勧奨のチラシの配布ですとか、その他さまざまな取組をしていくといったことになっておるわけでございます。
 機構のほうでは、各種の取組を計画に沿って行ったということで評価:Bをつけて記載しておるわけでございますけれども、これは大変申し訳ございませんが、最終的に平成21年度の現年度納付率がどうなっているのか、過年度も含めてでございますけれども、まだ最終的な数字を私ども取りまとめができておりません。作業が遅れておりまして、誠に申し訳ございませんけれども、本日の段階ではまだ間に合っておりません。
 ということで、一番右の厚労省の評価㋖というところの事務方たたき台の評価は空欄にさせていただいてございます。申し訳ございませんが、そういうことで御理解いただければと思います。
 それで、○1の部分につきましては、分割納付書ですとか、あるいは口座振替の勧奨のダイレクトメールの送付ということで着実に実施したという評価でございます。
 それから、12~13ページにかけましては、それぞれの実績が書いてございますが、14ページ、15ページにかけて同じでございます。
15ページのところで、○2のほうにまいりますけれども、22年度の各事務所におけるこの取組でございまして、納期限内納付月数、督励納付月数につきまして3か月間の目標を設定し、そしてそれの進捗管理を図るということにつきましての評価でございまして、機構のほうで評価:Bというところでございますが、厚労省の評価のところで、この各事務所におきまして、こういった期限内納付月数なり、督励納付月数につきまして、可能な限り前年度並みの実績を確保するという目標を設定したが、いずれも前年度実績を下回っているという状況でございまして、適切な進捗管理がなされたとはなかなか評価しがたいところでございます。最初に申し上げましたように、○1と○2を通じまして、評価をすることにしておりまして、冒頭申し上げた数字がまだ最終的に整理できてないという事情もございまして、ここのところの評価は空欄ということで保留をいたしております。
 続きまして、16ページでございます。16ページから厚生年金・健康保険・船員保険の収納対策についてでございます。これにつきましては、口座振替の推進なり、滞納事業所に対する滞納整理を行うといったことが目標にあるわけでございますけれども、まず口座振替の状況につきまして、新規適用時に口座振替の勧奨を行っているものの20年度の実績を下回っているというのが状況でございます。それから、滞納事業所に対する納付指導ということにつきましては、督促の指定期限までの納付されない事業所については来所通知書による呼出しを行い、また来所に応じない事業所については職員が訪問して直接納付督励を行っております。
 それから、滞納処分につきましては、なかなか納付をいただけないところにつきまして、財産調査を行い、そして悪質な事業所に対しては差押さえの実施による滞納整理を行ったということでございますが、差押執行事業所数については、20年度の実績を下回っているという状況でございます。
 続きまして、17ページのほうにまいりまして、各年金事務所のほうでの取組でございますけれども、すべての年金事務所におきまして、収納率及び口座振替実施につきまして、22年1~3月までの間の計画を策定はしております。ただ、3月末の実績はいずれも前年度の実績を下回っておりまして、各年金事務所において適切な進捗管理がなされていたというふうにはなかなか評価しがたいのではないかと考えております。
 以上、なかなか前年度の実績を下回っているという状況を踏まえつつ、またその背景には、16ページの下のほうに少し書いてございますが、21年度の実質GDPが対前年度比で2.0%という厳しい経済情勢の下で、20年度実績を下回ったというふうな状況等も加味しながらでございますけれども、総合的に見て、厚生年金・健康保険・船員保険の収納対策につきまして「C」という評価をたたき台の中ではさせていただいているところでございます。
 続きまして、18ページにまいります。給付事務の関係でございます。
 この中では、サービススタンダードの達成状況を把握し、問題点については改善のための対策を徹底するというところがまず1番目の点でございます。なお、給付の関係につきましても、機構のほうでは細目について評価をしておるのに対して、厚労省の評価においては、給付事務全体について大括りの評価をしているというところで御理解をいただけれと思います。
 まず1番目の点でございますが、迅速な徹底については、サービススタンダードの達成状況を把握しているものの障害厚生年金については、特に裁定処理が遅れ、お客様からの苦情につながった。障害厚生年金に係る対応については、4月から人員の増員を図るなど審査体制の強化を図っているが、3月までにおいても対応の検討を行い、準備を進めていたことが認められる。まずそれが○1の部分についてでございます。
 それから、○2といたしまして、新規裁定者全員に対するパンフレットの送付、あるいは60歳を超える就労者が多い事業所に対する適切な届出の指導といったことが計画にございますけれども、これについてはパンフレットの送付に取り組んでいる。また適正な届出の指導につきましては、事業所調査における重点的な取組の1つとされ、事業所向けのリーフレットも活用しているところでございます。
 ○3といたしまして、正確な支給ということで、年金給付の業務処理マニュアルの徹底、年金給付に関する事務処理誤りについて、情報共有の徹底というところでございます。これにつきましては、正確な支給については、マニュアルを適宜改訂するとともに、周知徹底については指示も行っているが、22年1月以降も依然として年金給付関係の事務処理誤りが発生しており、引き続き改善に向けて努力されたいという記述をさせていただいております。
 続きまして、20ページのほうにまいりますが、申請忘れ、あるいは申請漏れを防ぐ取組ということで、いわゆるターンアラウンド方式による送付ということが計画にございます。これにつきましては、計画どおりターンアラウンドによる裁定請求書の送付を実施するなどの取組を進めたところでございます。
 以上、○1~○4までの給付関係の事務につきまして、全体を総合して「C」とさせていただいているわけでございますけれども、それぞれの中で必要な取組を行い、また給付決定の遅れにつきまして対応をとっておるわけでございますけれども、なかなかサービススタンダードの達成状況が芳しくなかったといった状況も加味いたしまして、総合的にここについて「C」をつけさせていただいているところでございます。
 説明は以上でございます。
(本田部会長)
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問あったら、よろしくお願いします。斎藤委員。
(斎藤委員)
 シートの9ページ、未適用事業所の把握のところでまずコメント申し上げたいのですが、指導実施の割合、これは計画と実施の数を計算しますと18%、立入検査は0.5%、事業所調査実施29%ということで、100点満点のテストだったら落第の数字だろうと思うんですね。年金記録問題の対応が優先したのでということは書いてありますけれども、それは全体的な評価をするときに勘案すべきことで、この項目については「D」なら「D」というふうにここだけで判断すべきではないかと思います。
 収納確保のところでも、やはり数字を見ますと、「B」というのは甘すぎるのではないかという気がいたします。せっかく目標の数字を出しているのであれば、数字に沿って厳格な評価というのはしておくべきではないかと思います。
 17ページの収納率・滞納事業所解消数、口座振替実施率、これは目標どおりにやっていますというコメントがございましたが、目標の設定がどうだったのか、それがどのくらいできたのかという数字が出ておりませんでしたので、判断ができません。
 それから、サービススタンダードに関しましては、ここにあるデータを拝見しているときにはそうなのかと思っていたのですけれども、覆面調査の結果を見ますと、かなりこれでは甘い評価だったのではないかという気がいたしますので、そのあたり、覆面調査というのをどのくらい勘案していらっしゃるのかを教えていただきたいと思います。
(事業管理課長)
 済みません。それでは、今の適用対策の、例えば重点加入指導実施ですとか、立入調査、また収納対策のほうにもありますが、口座振替の目標等々につきましては、1~3月までという短期間だったということもございまして、機構のほうで、機構全体として、どういう目標を掲げるかというところでの調整をするには至っておりませんで、12月までの各事務所の状況を踏まえて、各事務所において目標設定なり進捗管理をするようにというふうな格好で1~3月については進めてきたということでございます。
 したがいまして、私、先ほどの説明の中でも、各事務所の掲げた計画値の単純合計というふうな言い方をさせていただきましたけれども、機構の組織全体としての整理といった形はとっておりませんで、各事務所のそれぞれの取組に1~3月の間については委ねたというのが実情でございます。それに対して実績値がどうだっかというのは、本来であれば各事務所ごとに見ていくことになろうかと思いますけれども、機構全体として足し上げてみるとこのような結果になったというところで、私どもとしては、そういう状況でございますので、なかなか機構全体としての評価をつけるというのは誠に難しい作業だというふうに認識をしつつも、なかなかこの目標設定というものの難しさも加味いたしましたときに、「D」までつけるというのもちょっと酷なのかなというところもございまして、「C」というふうな評価をさせていただいたところでございます。
 それから、サービススタンダードとの関係につきましては、これは最終的に裁定請求が出てきましてから、裁定の決定をするまでの間の期間をサービススタンダードということで設定をしておるものでございますので、先般の覆面調査ということで、記録回復につきましての年金事務所段階での対応といったことについてのものとはちょっと性質の違う部分の評価ではないかというふうにも思っております。
(本田部会長)
 今の御説明では、機構全体としての計画値や目標は無かったということでしたが、22年度はどういうふうになっていますか。今、斎藤委員がおっしゃったのは、計画数値というか、計画を中心にちゃんとおやりなさいという話だったと思うんですけれども。
(日本年金機構厚生年金保険部長)
 厚生年金保険部長でございます。22年度の計画については、各項目につきまして、事務所ごとに計画を立てさせまして、それを機構全体としての数値として、目標をそれぞれについて掲げさせていただいております。これにつきましては、毎月進捗管理をしっかりいたしまして、目標がきっちり達成されるようにやっていきたいと考えております。
(本田部会長)
 22年度からはそういうのを機構全体としてその目標を計数値に入れてあるとお聞きすればいいですね。
(日本年金機構厚生年金保険部長)
 そのとおりでございます。
(日本年金機構理事(事業管理部門担当))
 補足いたしますと、目標の設定の方針自体を機構本部が示して、こういう考え方で設定しろと。それに基づいて事務所が設定して、審査の上、確定している、そういう手順を踏んでいるということでございます。
(本田部会長)
 ということで、斎藤委員、よろしいですか。
(日本年金機構副理事長)
 補足をいたしますと、前回、第5回の会合のときに、平成22年度の行動計画ということで、資料3-3ということでお示しをさせていただいております。
(本田部会長)
 何か御質問、御意見。
(長沼委員)
 まず、16ページのところです。前回お願いした関係で、資料が本日出されています。できれば、この評価シート、最終的に厚生労働省のホームページ等にアップロードしたときに、次のように、わかりやすい形にしていただきたい。例えば16ページの収納率について、これは、いわゆる過年度分を含んだ収納率です。しかしながら、パッと見ただけでは現年分なのか、それとも過年度分を含んだ収納率なのかわからない。できれば、ここの表には「過年度分を含む」という記載を入れていただきたい。私も自治体で首長をやっていると、現年分だけの数値なのか過年度分を含んだ数値なのか、気になる。現年分だけであれば、収納率は、確かに98%にいくだろう、しかし、過年度分含んだ数値かもしれないという思いがあるので、これについては「過年度分を含む」という表記を入れていただきたい。そのほうが、より見やすくわかりやすくなると思います。
 それから、本日、提出された資料の中で、いわゆる滞納額が厚生年金保険であれば、21年度において4,295億、協会けんぽであれば、2,169億ということです。収納率だけみると、みようによっては98%あるので、それなりにがんばっているという感じを抱く。しかしながら、徴収できなかった保険料はどれだけあるのか、という金額もやはり示しておく必要があると思っています。ですから、これにあわせて滞納額が厚生年金保険であれば4,295億、協会けんぽであれば2,169億、船員保険であれば41億という数字を記載したほうがいいと考える。
 もう一点が、不納欠損額です。要するに、時効なりなんなりで取れなくなったという金額、不納欠損額について、評価シートに記載していだたきたい。きょういただいた資料をみると、平成21年度において、厚生年金保険は228億円、協会けんぽについては117億円、船員保険については4億円、不納欠損額が発生している。これを評価シートに記載していだたきたい。
 といいますのも、例えば志木市の一般会計予算というのは、約178億円です。志木市は、人口7万人余の自治体ですが、教育から福祉、都市基盤整備にいたるまで、すべての行政施策に必要な予算総額が、約178億円です。厚生年金保険は、確かにオールジャパンではありますが、不納欠損になった金額が228億円ということは、ある意味で、人口7万人余の自治体の1年分の予算を超える金額が、徴収できなかったということになる。いかに、徴収できなかった金額が大きかったか。不納欠損額を評価シートに記載することで、だから0.1%でも収納率を上げてください、という厚生労働省の意思も表示することができるのではないか。また、評価シートを見ていただいた国民の方々にも、厚生年金保険や協会けんぽなどの保険料の収納状況などについて、理解していただく1つの要素になるのではないのかと思う。数字を記載するだけなので、検討していただきたい。
 それから、18ページのサービススタンダードの達成状況の関係です。「障害厚生年金、10%と極めて低い達成率」ということで、厚生労働省の評価の欄でも、「人員の増員を図るなどの審査体制の強化を図っている」という記述があります。この場合、前回いただいた資料で、「障害認定事務を担当する職員を56人から97人に大幅に増員する」【第5回社会保障審議会日本年金機構評価部会・資料2-1、39ページ】という具体的な数値の記載があります。しかしながら、これが事務職員なのか、それとも、障害認定の審査をするドクターを増やしたということなのか、わからない。例えば自治体の現場でみていると、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付件数を志木市でみると、特に最近多いのは精神障害者保健福祉手帳の交付です。ここ数年でみると、2倍近い程度の交付件数になってきている。そうすると精神障害の障害認定というのは、実務上難しいものがあるのかなと推測している。例えば人工透析であれば、身体障害者手帳であれば1級ですし、障害年金であれば2級ということで、ある程度、こういう障害であれば自動的に何級とわかるのもある。しかしながら、精神障害者の場合、なかなか等級の認定は難しいものもあると認識している。その件数が増えてきているのであれば、ドクターを増やさなければいけないのか、事務方を増やさなければいけないのか、その辺がもう少し、書き込んだほうがより説得力が出てくると思う。ただ単に、「人員の増員を図るなどの審査体制の強化を図っている」という記述より、もう少し踏み込んで、どこの部分の人員の強化を図っているのかを書き込んだほうがより説得力が出てくると思うので、御検討いただければと思います。
 最後に1点。国民年金の納付率についてです。先ほど申し上げましたように、厚生年金だとか協会けんぽの収納率については、平成21年度末のが全部出ている。それで評価もしている。何で国民年金の保険料の最終納付率のところが出てこないのか、よく理解できない。平成22年3月分の国民年金保険料の納付期日というのは4月末です。であれば、全国集計のデータにしても、厚生年金の保険料、協会けんぽの保険料の収納率がわかるように、国民年金の納付率も把握できているのはないかと考えるがどうか、その点、1点だけお伺いします。
(事業管理課長)
 それでは、まず先ほどの厚生年金なり、協会健保につきまして、収納状況をもっと丁寧にシートの中に書くべきといった御指摘につきましては、御指摘を踏まえて十分検討させていただきたいと思っております。
 それから、障害年金の関係の話は、後ほど機構のほうからお答えさせていただきたいと思いますが、国民年金の納付率のほうの関係でございますけれども、私どもとしてもいろいろ作業に手間取っておりまして、誠に申し訳ございません。委員、御指摘のように、厚年の作業に比べて遅れておるわけでございますけれども、単純に数字が、調定額、収納額というふうな形で出てくるものだけでございませんで、納付月数という形で出さなければいけないものでもございまして、いろいろ作業に手間取っております。大変遅れて申し訳ございませんけれども、なるべく早く整理したいと思っております。
(本田部会長)
 めどはいつ頃になるというのはわかるんですか。
(事業管理課長)
 当然この部会におきます評価の中身にもかかわるものでございますので、この部会の評価作業に支障のない時期にお出しするように努力したいと思っております。
(日本年金機構(全国一括業務部門担当))
 障害年金の関係の御説明をさせていただきます。御指摘のとおり、障害厚生年金の中で、最近増加傾向が見られますのは精神障害、糖尿病の関係、こういったものが増加をしているところでございます。
 体制について御指摘ございましたけれども、当面事務的な意味でボトルネックになっておりますのは、障害認定医の先生に御判断をいただく前段階の事務的な整理の部分が大きなボトルネックになっておりましたので、その部分の体制の強化を図っております。また、並行して、障害認定医の方を増員することについても検討をしておりますが、当面の業務の問題点というのは事務的な整理の部分でございます。
(斎藤委員)
 19ページの真ん中のところで、パンフレットを同封しました、送りましたということが書いてございまして、それを割合ポジティブに評価していらっしゃるように受けとめられるのですが、送っただけではあまり適正な届出の周知徹底にはなりません。あくまで最初の一歩だと思います。それを読んでもらえるのか、読んで理解してもらえるのか、読んで理解した上で行動してもらえるのかということが重要であって、単に送ればいいというふうに評価の基準を考えてしまうと、かえってマイナスになりますので、パンフレットの自己評価のコメントはちょっと問題じゃないかなと思います。
(事業管理課長)
 斎藤委員、御指摘のように、送付するだけでは十分ではないというのは全く御指摘のとおりだと思います。私どもの評価の文章の中で、ややポジティブに過ぎるニュアンスがちょっと出ているとすれば、そこは私どもとしてまずかったかなというふうに思います。比較的ここはニュートラルな形で送ることは送りましたという趣旨で書いたものでございます。
(本田部会長)
 それでは、続けて次の項目に入りたいと思います。「業務運営の効率化に関する事項」につきまして、事務方のほうから、御説明をお願いいたします。
(事業企画課長)
 続きまして、2の「業務の質の向上に関する事項」のうち、4番の「相談、情報提供に関する事項」から、「電子申請の推進に関する事項」ということで、お手元資料、21~31ページについて御説明を差し上げたいと思います。
 まず、相談、情報提供に関する事項でございます。(1)としまして「年金相談の充実」という項目でございます。これにつきまして、機構の自己評価は「C」でございます。
 事務方たたき台といたしましても、まだ21年度計画に基づいて着実に実施というのはあるのですが、まだ待ち時間が1時間以上となっている事務所数が、1月以降、徐々に減少しているというものの依然として少なくないと。お客様を長時間お待たせしている事務所が少なくないという、こうしたこと。また、コールセンターにおける年金ダイヤルの応答率についても、改善の必要がまだ見られると、こうしたことを踏まえまして、事務方たたき台といたしましても「C」と評価の案になってございます。
 それから、おめくりいただきまして、24ページでございます。「広報活動の推進」という項目でございます。機構の評価は区分を細かく分けて2区分で評価しておりますが、ここは広報活動の推進全体として事務方たたき台のほうは評価案を出しております。広報活動の推進、具体的には適切な広報媒体の選定により効果的な広報をわかりやすく実施しているかというような、こういうお話。あるいはインターネットによる年金個人情報の提供の充実と、こうした事項でございます。
 機構の自己評価は「C」ないし「B」というものでございますが、事務方たたき台といたしましては、機構のホームページ、こちらのほうにつきまして、機構の設立直後は準備中という、こういうコンテンツが多数存在しまして、お客様に御迷惑をおかけしたこと。また、ホームページの見やすさ、わかりやすさ等の内容の改善が不十分である。こうしたこと。広報目的や対象に応じた内容にすることについて見直しの努力が不足していたと、こうしたことを踏まえまして、全体として広報活動の推進については「C」という事務方たたき台案になってございます。
 進みまして、28ページまでお進みをいただきたいと思います。「お客様の声を反映させる取組に関する事項」ということで、この点につきましては、機構の自己評価、細かく5項目について自己評価をされておりますか、事務方たたき台としては全体としての評価をさせていただいております。このお客様の声を反映させる取組に関する事項につきまして、社保庁よりはよくなっているのでないか、こういう委員の御指摘も事前にちょうだいしたところでございますが、まだお客様向けのお知らせ文書等、よりわかやすく、読みやすくするなど、こうしたさらなる見直しを行う必要があることなどを踏まえまして、全体として事務方たたき台の案としては「C」という評価の案になってございます。
 進みまして、31ページをごらんいただきたいと思います。「6.電子申請の推進に関する事項」、31ページ、下段でございます。これは電子申請について、取組をどう推進しておるかという事項でございますが、機構の自己評価は「A」ということでございます。電子申請の実際の利用率の数字を見ますと、平成21年度は前年度と比較して5ポイント上昇の55.3%となっていること。また、政府全体として、オンラインの利用の拡大について、21年度は52%という目標値があるのですが、これよりも上回っていると。こうしたことを踏まえますと、事務方のたたき台案でございますが、この点につきましては「A」というこの評価の案にさせていただいているところでございます。
 以上でございます。よろしくお願いします。
(本田部会長)
 それでは、今の御説明に対しまして、御質問、御意見等あったらお願いいたします。
(斎藤委員)
 電子申請のところなんですが、検討を実施したということが書いてございます。わずか3か月の間ですから、検討する段階だけで終わるというのは納得できるところですが、どういう検討をしたのかという具体的なところがもう少し書かれていると納得度が高まるのではないかと思います。
(日本年金機構厚生年金保険部長)
 厚生年金保険部長でございます。電子申請の利用の促進の検討の内容でございますが、具体的には厚生年金保険の申請が中心でございます。その内容といたしましては2つございまして、1つはオンラインによる電子申請、これが1つございます。もう一つは、事業所さんのほうで、内容はフロッピーディスクに落としていただいて、それを提出していだたくと、これも電子の申請ということで取扱いをさせていただいておりますが、具体的にはこちらのフロッピーディスクによる申請は推進しようということで現在検討をとり進めておるところでございます。
(本田部会長)
 今、斎藤委員がおっしゃったのは、どうやってこうなったかということを具体的に、わかりやすくお書きになったらどうですか、というふうに受けたのですけど、そういうことですか。
(斎藤委員)
 はい。
(本田部会長)
 では、表現方法を含め、内容を詳しく記述することをご検討いただけますか。
(年金管理審議官)
 それでは、㋕の欄の自己評価、あるいは㋖の欄の厚生労働省のたたき台、いずれかで工夫して、もう少し具体的な検討の実施状況、ごらんいただいた方におわかりいただけるような工夫を検討いたします。
(岩瀬委員)
 先ほど質問したときのお答えとも関連するのですけれども、厚労省側の評価を読んでもなかなか具体的なことがわからないという気がします。㋔を読めば、何ができて、何ができなかったのか、その理由は何かが読み取れるといったことを審議官おっしゃっていましたけれども、そういう読み取れるというのはあまりにも不親切な気が私はしまして、何ができなかった、その理由は何かという機構の自己評価というのはきちんと整理して出した上で、国民に提供していかないといけないのではないかと思うんですが、その点、お考えはどうなのかというのをちょっとお聞きしたいと思います。
 それと、今の御説明の中で、28ページの「お客様へのお約束10か条」について、その実践に努めたとお書きになっていますけれども、これも抽象的すぎてよくわからなくて、どんな実践をしているのか、教えていただきたい。これは機構が発足に当たっての目玉として打ち出された1つの方針だったと思うんですけれども、そこを具体的にもうちょっと書き込めないのかどうかということを教えていただきたい。
 それと、これも先ほどの質問に関係することなのですけれども、前回の評価部会で、機構側が出してきた実績報告書について、各委員がいろんな意見を言った。それは酌み取られてないということなんでしょうか。あれは確定した、機構が手続を経て出されたものであって、前回いろんな意見が出たものを反映するご意思はあるのか、ないのか。私は当然あそこの意見というのが反映されて、ある程度書き直しがされて、よりよいものができるのかなと思っていたのですけれども、先ほどの審議官の御説明だと、あれはあれで確定なのだという感じがして、ちょっとその辺をついでに教えていただけないか、お願いいたします。
(年金管理審議官)
 まず、㋔を読んだだけでは、なかなかわからない部分があるぞという御指摘を受けて、今、御議論いただいておりますパートで書き加えた㋕の欄を機構で書き加えられたくらいを1~2御紹介をいたしますと、21ページでございますけれども、事前に最初にお送りした自己評価の際のこの理由にプラスして、㋕の欄の下のほうなんですけれども、機構移行に伴う職員交代の影響もあり、当初3か月の間には、計画水準には至らなかったということで、機構のほうの待ち時間の水準、計画達成至らずという理由の認識としては、機構移行に伴う職員交代の影響があったというようなところを書き加えていただいたという経緯がございます。
 それから、24ページでありますけれども、これはホームページについて準備中が多かったというところでございますが、㋕の欄で機構で書き加えていただきましたのが、移行前の㋕の理由の欄の中ほどあたりですけれども、移行前の事前準備が不十分であったこともありということで、これは1月1日より前の段階での準備不足というのも原因としてあるぞということで書き加えていただいております。したがいまして、㋔については、さっき申し上げましたように、実績報告書としてご提出いただいたものを抜粋する形でこの㋔の欄に書いておりますが、そこでは足りない部分については、今申し上げたようなところを書き加えておるということであります。
 それから、前回の御議論で、こういうデータを書いたほうがいいぞと、こういう数字はどうだという点については、きょうの資料でお示しするということで宿題をお返しをしたという認識でございます。
(岩瀬委員)
 ということは、業務報告書は書き直しはしないということですね。
(年金管理審議官)
 はい。機構に改めて御提出を出し直していただくということは考えておりません。
(岩瀬委員)
 私はあの業務報告書はわかりにくくて、あまりよくないのではないかと思いますので、前回の意見を踏まえた形でもっと国民にわかりやすいような内容というか文章にすべきではないかと思いますので、それは一応意見として言わせていただきます。
 それともう一つ、今の職員の交代に伴う影響があったということですけれども、これも抽象的すぎてよくわからない。これはきちんと準備しておけば、職員の交代の伴う影響というのは当然予測できていたわけですから、それができてなかったというのはなぜできなかったのかというのは書き込む必要があるのではないか。こういう抽象的な評価だと、国民の側は一体何だろうと。機構としてきちんと反省しているのかどうかとか、これから次へちゃんとして取り組んでもらえるのかどうかというのは非常に疑問を持つと思いますので、その辺はもう少し具体的な書き込みにしていただけないかというのも意見として申し述べさせていただきます。
(本田部会長)
 実績報告書について、機構のほうからも。
(日本年金機構副理事長)
 実績報告書は制度的に6月末までに機構のほうで整理をして厚生労働省にお出しをすることになっております。ことしは3か月の評価でございましたので、こういう形で出させていただきましたけれども、先般来出ている御意見等も踏まえて、今度22年度というのはもうちょっと先になりますけれども、その際にはよく工夫したいと思います。
 それから、もう一つは、この実績報告を国民の皆様にわかりやすい形で、これは岩瀬委員、前からおっしゃっているように、アニュアルレポートいう格好で出させていただきますけれども、その際の表現等はまた御意見を伺いながら、できるだけわかりやすく、努力をしていきたいというふうに思っております。
(本田部会長)
 今、御説明あったように、アニュアルレポートを今年から出すらしいので、御指摘があった内容は、アニュアルレポートで、反映させていただいくことでいかがでしょうか。また、どこまで詳しくやればどうかというのは、難しいと思うのですが、できるだけ親切、丁寧に、わかりやすいアニュアルレポートを作成いただいて、22年度報告の場合には、今の御意見も踏まえながら、ぜひお願いしたいということで、岩瀬委員いいですか。
(岩瀬委員)
 はい。
(木間委員)
 先ほどの年金記録問題への対応と比べますと、相談の対応などはもっと簡単にできることですね。3か月でありますから「C」評価ということでやむを得なかったのかもしれませんが、外部の人たちを集めての委員会、お客様向け文書モニター会議といった会議をなさることは非常に重要と思います。が、早くこういう会議が不要になるといいと思います。職員の意識が変わり、わかりやすい情報を提供でき、相談対応も相談者にあわせて受けられるというふうになっていただきたい。22年度はぜひこの分野の評価はすべて「A」になっていただきたいと思います。
(本田部会長)
 今、機構のほうにもよく聞こえたと思いますので、答弁は要りませんけど、よろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして、「業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項」、「予算、収支計画及び資金計画」につきまして事務局のほうから御説明をお願いをいたしたいと思います。
(事業企画課長)
恐れ入りますが、「業務運営の効率化に関する事項」について、その前にまだ御説明が差し上げておりませんので、差し上げさせていただきたいと思います。
(本田部会長)
 そうですか。
(事業企画課長)
 お手元の資料では、32~37ページ、この部分になります。3ということで、「業務運営の効率化に関する事項」の部分でございます。
 項目、いくつかございますが、まず最初の項目、「効率的な業務運営体制に関する事項」、この項目についての評価でございます。機構の自己評価は「B」でございます。
 これにつきまして、事務方のたたき台の評価ということでございます。移行の際にいろいろと課題が発生したということがございましたが、そうした中で、現場の職員の意見を踏まえてマニュアルの改正を行ったというような、こういう取組については一定の評価ができるということを踏まえまして、この事項につきましては事務方たたき台を「B」という評価案にさせていただいております。
 次に32ページの下段の運営経費の抑制に関する事項でございます。この項目につきまして、機構の自己評価は「A」。事務方のたたき台の評価ですが、一般管理費につきまして、緊急性の高い修繕に限ったこと、また業務経費につきまして、入札実施に伴いまして調達コストの低減、また、消耗品等の購入計画の見直しということを行いまして、抑制が図られたということ。結果として、抑制が図られたということを踏まえまして、ここにつきましては、事務方たたき台「A」という評価案にさせていただいております。
 33ページ、ごらんいただきたいと思います。「外部委託の推進」ということに関する事項でございます。機構の自己評価は「B」。事務方たたき台としても、この外部委託の推進という点につきましては、21年度着実に実施がされたことを踏まえまして「B」という評価にさせていただいております。
 次に34ページをお開きいただきたいと思います。4番目の事項で「オンラインシステムの見直しに関する事項」という点でございます。これにつきましても、今、予定どおり21年度につきましては見直しが実施されてきているということを踏まえまして、機構の自己評価「B」に対して、事務方たたき台も「B」ということでございます。
 それから、36~37ページにかけまして、「その他業務運営の効率化の取組に関する事項」ということで、ポイントが3つございます。機構はこの3つのポイントについてそれぞれ自己評価しておりますが、事務方たたき台はここはまとめて評価をさせていただいているところです。3つと申し上げましたのは、競争入札の徹底、調達コストの削減に努めたか。2つ目として、調達委員会による事前審査など、また3つ目として、複数年契約と合理的な契約、こういう3つのポイントがここにはございます。
 これにつきまして、機構の自己評価はいずれも「B」でございます。厚労省全体といたしまして、「B」という事務方たたき台で評価をさせていただいておりますが、その内容ですが、まず緊急に調達をせざるを得なかった帳票類が、年金機構への移行という事情の中でございました。その関係で随意契約というものが今回行われておりますが、そうした事情に基づく随意契約を除きますと、一般競争入札の割合というのは79.1%であった。ここは一定の評価ができるというふうに考えておること。
 また、調達委員会という点につきましては、37ページのほうに書かせていただいておりますけれども、調達委員会等々も通じて進行管理をしておるというところで、調達コストの削減につきまして、恐れ入ります、37ページの㋖の事務方たたき台の○2の2行目に誤植がございます。「目標期間期間中」となっておりますが、「期間」という2文字誤植でございますので、訂正をさせていただきます。失礼いたしました。
 それで、調達コストの削減につきましては、10%というのが中期計画の目標でございますが、これにつきましては、21年度3か月という期間しかなかったという背景がございますものの、6.4%ということで、10%をかなり下回っておると、こういう点でここは十分でなかったのか、こういう評価になります。
 最後、複数年契約というポイントにつきましては、これは合理的な契約形態を活用したと認められるということで、3つのポイント、それぞれプラスの部分、マイナスの部分ございまして、全体として「B」という事務方たたき台の案にさせていただいたところでございます。
 この関連に関しては以上でございます。よろしくお願いを申し上げます。
(本田部会長)
 ただいまの御説明に対しまして御質問、御意見。
(長沼委員)
 業務運営の効率化という観点からお伺いいたします。先ほどの相談とも関連するのです、きょういただいた回答資料、「参考資料3の6」です。「年金事務所等からの疑義照会に対する本部からの回答状況」という資料です。この資料の見方ですが、例えば日本年金機構が発足して1月に年金事務所から疑義照会があったもののうち、例えば1月であれば107件疑義照会があったが、それについて、34件については回答が終わっているけれども、73件はまだ未着手ということなのか。累計の欄をずっと下がっていくと、107件のうち、もっと回答しているものがあるのか、わからない。資料の読み方で、2月分についても、186件、疑義照会を受け付たとある。しかし、これの回答があったのが、どれだけなのかというのがよくわからない。「参考資料3の6」によれば、2月に疑義照会を受けた28%は回答したが、残りの72%は、2月の段階ではまだ着手していないということなのか。また、2月に疑義照会を受けた186件については、この6月末の段階では、何%が回答済等なのか、読み取れない。いずれにしても年金事務所から疑義照会があったものについて、サービススタンダードではないが、例えば6か月も回答がないとなると、6か月間事務が滞ってしまう。6か月も経ってしまうと、聞いたほうも忘れてしまうのではないかと懸念する。これは本当に未着手ということなのか。取り組んでいるけれども、まだ回答ができてない件数なのか。あるいは、本当に全然手もつけてないという件数なのか、それをまず教えていただきたい。
(日本年金機構理事(事業管理部門担当))
 各月末の累計の数字という、ここは整理でありますので、例えば6か月トータルして51%は回答できているということですので、そのうちの1月受付分が何%できているかというのはこの表では読み取れない構造になっている。累積の着手・未着手という件数という読み方をしていただければと思います。あと、そういう意味で、今手元にありませんけど、1月の分がどの程度回答できているかというのは、月別のものはまた別途整理してお届けするようにしたいと思います。
(長沼委員)
 やはり1月に疑義照会したものが、例えば3か月経ったら、8割終わっているとか、9割終わっているという形で、示されていくべきだと思う。日本年金機構がスタートして、業務の効率化が、疑義照会などにおいても、従来よりも改善されてきているというのを国民に示していかなければならないと思う。いろいろな窓口で疑義照会あったものについて、年金事務所でわかるものについては当然回答しますけれども、複雑な事案等、あるいは本部に照会をし得ないとなかなか回答ができない案件については、本部に照会するわけですから、それは少なくとも1月に受けたものについては現段階でどの程度回答が済んでいるのかどうなのかということは明確にしていただきたいと思います。あわせて、未着手という表現ですが、これは、本当に未着手ということなのか。取り組んではいるけれども、回答できていないということではないのか。未着手ということですと、全くほったらかしにしているという印象で、何もやっていないと受け取られてしまうのではないかと思う。
(日本年金機構理事(事業管理部門担当))
 現実に事務所へ返したりとか、あるいは年金局等の関係のところにこういう問題があるのでどうですか、照会したやつは、いわば着手済みという整理ですね。それ以外、未着手という整理していますので、担当者ベースでは何らかの検討はしているけれどもというのも含まれた数字ではありますが。
(長沼委員)
 それが正直なところなんでしょうが、外部に公表するときは、未着手というと、何にもやってないと受け取られるのが一般的な日本語だと思う。着手しているのであれば、着手しているけれども、まだ回答には至っていないと、より適切な表現でするのがいいと思うので、これは意見として述べておきます。
(石井委員)
 済みません、立場的にここでコメントをする立場だと思います。32ページの運営経費の抑制に関する事項は、ともに「A」になっておりますが、この内容を拝見すると、翌期へ単に実施を見送ったというか、繰り越したもので140億ありますというような話になっていまして、これに関しては、最後の予算資金収支等に関してのたたき台サイドのコメントにもございますが、実質的な効率化効果は全く評価できないわけですから、明らかにこれを「A」とすることはどうしても常識的ではないというふうに言わざるを得なくて、最高でも、今回はたった3か月の検査をやっていますので、「B」というのが最高位の評価レベルかなというふうに考えております。
 したがって、これは後で御説明もいただくのですけど、最後の予算、収支計画、資金計画もともに「B」がせいぜいだろうと思うのが通常だろうと思います。
 それから、先ほどからいくつか御議論をされていただいているのですが、年金記録問題を優先したのでという前提条件がございますが、ということは、毎年毎年年金記録問題を優先しなければいけないという環境になったときには、毎年毎年そういう甘さで評価をしていくという話になってしまうのかどうか、ちょっと論理的な矛盾が評価をしていく上で存在しているようで、先ほどの御指摘のように、そこのところを、もしそれをするのであれば、年金記録問題に関する優先措置は、例えば平成22年度中には完了するのだという前提で物を言うというような前提条件つけていただかないと評価ができてないのではないかという話になるなというふうに感じました。
 それから、もう一つ、それとのかかわりで、日本年金機構は自己評価をするので、それは自らを主張するということで、それは結構だと思うんですね。それに対して厚生労働省評価、つまり事務方たたき台は最終的には大臣評価になるかと思うんですが、ちょっとお聞きしたいのですけれども、この結果、大臣が全く違う評価を出すのが最終結論になるということもあり得るということですよね。つまり事務方たたき台は最終的に大臣が、いや、違うよというふうに言う可能性があるという前提になっているのかどうかみたいなことをちょっと教えていただきたいのですけど、答えづらいですか。
(年金管理審議官)
 何点かお尋ねがございました。まず32ページの下のほうの評価についてでございます。事実経過は㋔の中で2つ「○」がありますように、㋔の(2)の上のほうの「○」ですが、一般管理費の執行額、これは事務所修繕費の減等により下回ったと。それから、一番下の「○」が業務執行額、これはいろいろ書いておりますが、事業実施の進捗計画の見直しで、結局使わずに済んだものがあり、あともう一つ、入札による残があるということで、いろんなことが書いてあるわけであります。
 私ども㋖の欄で「A」にいたしましたのは、業務の実施計画を見直したことで、結局21年度には実施しなかった事業、それに要したであろう費用、これは使わないのが当然でありますから、そこを評価の中には入れずに、そのほかの分について効率的な執行を進めたかどうかという目で判断をし、その結果として「A」をつけておるというのがたたき台の考え方でございます。
 それから、記録問題を優先したのでというような分析が出てくる部分があるということの御指摘ございました。記録問題への対応に必要な予算、人員配置、これはそれぞれの国の予算の中で、具体的には国から機構に交付金でという形で資金が交付されるわけでありますが、その中でお金と人の手当てはしておるというのが基本的な考え方ではございます。ただ、そういう資金面、人を手当てする中で、実際のオペレーションがなかなか予定どおりいかなかった部分をどう評価するかというのが難しいところでございます。
 記録問題、これは大臣が機構に示しております中期計画でも当面の最重要課題という位置づけはしておるわけでありますが、他の業務にしわ寄せをしていいかというと、それはそうではありません。他の業務の中でも、これは絶対国民の皆様に御迷惑かけてはいけないというのがやはりございます。例えば新規裁定、これはお待たせしないように迅速な裁定業務をする必要があるということであります。ですから何を申し上げようとしているかといいますと、記録問題で人手がとられたからという要因を加味することもやむを得ない事項が中にはあると思います。ただ、さはさりとてその記録問題対応があるからという理由ですべてのパフォーマンスが下がったことの理由づけにはできないと思っておりますので、事項事項で、これは最も基本的な役割なので、記録問題と両立させて必ずやるべきことをやるべきだというのは、そういう目で評価をしなければなりませんし、そうでないものも中にはあると、こういうことでございます。
 それから、最終的には法律上、大臣が評価をするということでございます。私どもこれは省内・役所の中の話ではございますが、こうやって評価部会で御審議をいただいた状況を、この後、大臣に御説明をし、大臣に最終的な評価をいただくという手順で考えておりますので、可能性としては全然違うのが出てくることもあり得るのかというお尋ねでありますが、二者択一で答えると語弊があるかもしれませんが、事務方としてはこういう考え方で議論に供し、部会ではこういう御意見があった結果、こういうことでいかがでしょうかという年金局としての案を大臣には今後御説明をしていくと。その結果、大臣が評価をされると、こんな進め方になるということでございます。
(石井委員)
 済みません、ありがとうございました。基本的に了解をしておるつもりなんですけれども、表現の仕方等に大きさが140億に対して33億みたいなイメージの、見方に対して目が行ってしまうというようなことがあるものですから、その辺の書きぶりを少し、今、御説明いただいたようにしていただければいいのかなというふうに思いました。
 それから、きょう出していただいたこの表は、私が前回のときにちょっと一覧性にしてくれとお願いした。大変見やすくて、逆に言うと厳しいコメントが出やすいような資料をつくっていただいてありがとうございましたという感じでございます。
(本田部会長)
 それでは、時間もあれですので、残りの部分の個別部分について。
(事業企画課長)
 それでは、お手元の資料の37ページ以降、47ページにかけてでございます。「業務運営の公正性、透明性の確保その他業務運営に関する重要事項」と「予算、収支計画及び資金計画に関する事項」、全体をまとめて御説明をいたします。
 まず37ページ、これ、済みません、ページ割が悪くて恐縮でございます。実質38ページから御説明が始まるところでございます。38ページをお開きください。
 「内部統制システムの構築に関する事項」ということでございます。これにつきましての機構の自己評価は「C」でございます。事務方たたき台といたしまして「C」という評価の案にさせていただいておりますが、内部統制システムの構築について、規定の制定などの仕組みというものは一定程度整備されたということでございますが、旧厚木社会保険事務所における事案というもの、こうしたものにつきまして、事案そのものは社会保険庁時代に発生した事案ではございますけれども、本年1月に年金事務所で把握された後も、3月まで本部に報告がされなかったなど、現状把握の仕組みが有効に機能していなかったと、こういうことがございます。
 また、紙台帳とコンピュータ記録の突き合わせ業務につきまして、作業拠点の設置に係る調達手続上、情報管理やコンプライアンスの観点からの問題事案が発生したと。先ほどの別の項目でも申し上げましたが、こうしたこと、こうしたものを踏まえまして、内部統制システムの強化をしっかり図っていく必要があるということで、事務方たたき台案として「C」という案でございます。
 続きまして、お手元、42ページをお開きいただきたいと思います。「情報公開の推進に関する事項」ということで、この項目、機構は4つほどあるポイントについてそれぞれに自己評価をされていますが、事務方たたき台案としては全体としてトータルの評価をさせていただいております。4つ、項目があると申し上げましたのは、アニュアルレポートの作成準備、また年金記録問題への対応についての週次、月次等の定期的な情報提供、不適正事案、事務処理誤りなどの報告の仕組み及びそれに関する迅速な情報公開、さらに業務方法書などの諸規定等につきましてのホームページへの掲載と4つ小さい項目があります。
 機構の自己評価としては「B」ないし「A」という、こういう評価になってございますが、事務方たたき台案としましては、アニュアルレポートの作成準備など着実に行われていたという、こうしたことなどを踏まえ、トータルとして「B」という評価案にさせていただいております。
 続きまして、43ページをお開きいただきたいと思います。43ページ、「人事及び人材の育成に関する事項」ということで、こちらも内容的には小さい項目が3つありまして、機構はそれぞれについて自己評価されております。3つと申し上げましたのは、戦略的な人事政策が1つです。2つ目が人事評価制度の導入と職員への徹底、3つ目として、研修その他人材育成のための準備を進めたか、こうしたポイントでございます。
 機構の自己評価はいずれにつきましても「B」という評価でございます。事務方たたき台案といたしましては、戦略的な人事政策という点につきましては、人事管理規程というものを作成されたということ、また年金事務所長への人材登用という点については積極的な登用が行われたと、こういうプラスの評価がされる部分があります。また、人事評価制度と職員への徹底という点につきましては、事務方たたき台案の評価内容としては、なお、お客様の対応に関する苦情というものが多数受け付られているというようなことから、さらなる徹底というものが必要であるということで若干マイナス的な評価と。
 最後に研修の体系の構築ということでございますが、これは一応研修の構築への着手というものはされている。今後も取組をしていかなければいけないということでございますが、こうした全体をとらまえまして、人事・人材育成につきましては「B」という評価案にさせていただいたおりまろ。
 45ページにお進みいただきます。個人情報の保護に関する事項でございます。これにつきましても、3つほど項目がございまして、機構の自己評価としてはそれぞれについて「B」ないし「C」という自己評価をされているところでございますが、事務方たたき台案としては、全体トータルとして「C」という評価案にさせていただいております。
 その理由ですが、全職員を対象としたこの研修を個人情報の保護に関して実施することが対象期間にできなかったということ。また、プライバシーマークの基準を踏まえた十分なセキュリティ対策というものがとられてこなかったということ、こうしたことを踏まえまして「C」という評価にさせていただいているところでございます。
 最後、47ページをお開きいただきたいと思います。「予算、収支計画及び資金計画」に関しまして、予算による運営を効率的に行うことができたか、こうした事項でございます。機構の自己評価は「A」でございます。これにつきまして、先ほども関連した項目がございまして、委員の方からも御指摘いただいたところですが、全体としまして、事業を先送りをしたと、こういう面があるということ。ただ、結果的にこの経費執行額という点で数字は落ちているということ。年度末の3か月間という短期間の執行ということが背景にあること、さまざまな事情を踏まえた評価が必要な部分になります。
 実は事前に委員からいただいたコメントにおきましても、この部分につきまして、プラスの評価、マイナスの評価さまざまな評価をいただいたところでございます。事務方たたき台案といたしまして、そこにございますように、一般管理費につきまして、緊急性の高い修繕に限った。業務経費について、入札実施による調達コストの低減等を図った。ここは抑制をされたと。ただ、業務経費につきましては、執行管理が計画的に行った結果ということは言えないのではないか。こうしたことを併せ考えまして、事務方たたき台案「B」という評価案にさせていただいているところでございます。
 御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
(本田部会長)
 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に対して御質問、斎藤委員。
(斎藤委員)
 戻ってよろしいですか。済みません。内部統制に関しましては、新社になって気分一新で、一番みんな気分が昂揚して頑張ろうというとき、そのときに不祥事が発生するというのはもう少し厳しい評価をしていいのではないかと思います。さはさりながら、全体として、「ゆうパック」の問題のような、積み残しとか、そういうような大きな混乱がなかった。無事に移行したということは、どこか一言評価をしておいていただけたらいいなと思います。
 オンラインシステムのところで、よくわからないのですが、計画どおりにと書いてございますけれども、18年から始まって、今、平成22年。ここで基本仕様の見直しとかというような文言を読むと、一体このシステムはいつ完成するのだろう。本当に完成するのだろうかと不安になります。完成はいつまでで、それに向かってはきちんといっているけれども、部分的に見直しをしているとか、何かそういうような御説明をいただければ安心感が増すのですが、いかがでしょうか。
(年金管理審議官)
 34ページの(4)の部分についての御指摘でございました。委員、御指摘の方向で、㋖の欄の私どもの記載を工夫したいと思いますが、若干現時点で補足をさせていただきますと、㋔の欄に経過があるんですけれども、基本設計自体は19年3月までに終わっております。ただ、その後、記録問題が公になり、記録問題への取組が進む。一方、検証委員会の場でさまざまな検証がなされ、いろんな宿題をいただいたと、19年3月までに基本設計を終えた後に実は大きな事情変更が生じたというのが、現状をどう考えるかという際のポイントであると思っております。
 19年3月以降の記録問題への取組、それから検証委員会でのさまざまな御指摘、これを受けて㋔の欄で、「20年12月に電子政府評価委員会」云々というくだりがございますけれども、進め方を見直すようにということで、基本設計を終えたから、そのまま詳細設計以降の過程に入るのではなく、一度きちんと立ちどまって、記録問題の再発がないような観点をちゃんと盛り込むとか、いろんないただいた宿題を盛り込む形で基本設計を修正すべし、今後の進め方を見直すべしという決定が行われておりますので、21年度においては、見直して進めるべしと言われた見直しベースの取組が計画どおりに進んでいるという状況でございます。そこをお読みいただいて、よくわかるような格好で㋖の欄にきちんと書きたいと思います。
(斎藤委員)
 済みません、時間のないのに。ということは、システムの完成が遅れるということですね。
(年金管理審議官)
 当初、18年3月に策定した最適化計画で考えておりましたスケジュールどおりには進まないということでございます。遅れるということでございます。
(岩瀬委員)
 42ページの評価の部分で、いろんな事務処理誤り等、「重大事案について必要に応じて調査し、迅速な情報公開を行った」というふうにたたき台案では書いていますけれども、これだけでは、評価をするのは不十分ではないかと思います。どんな再発防止策をとったのか、とろうとしているのか、それが遅れているのかというようなことを書くべきではないかなと。
 それと、これもちょっと細かいことで恐縮なんですけど、研修のところ、44ページだったと思いますけれども、前回のこの部会で、通信研修についてお聞きしましたところ、これは、今期やってなくて、来期の問題であるというお答えをいただいたと思うんですが、機構の評価を読むと、新研修基本体系を作成しましたと。研修を実施してなくても、体系をつくればそれでいいということなんですか。それとも実施していたということなんですか。ちょっと教えていただけますか。
(日本年金機構理事(人事・会計部門担当))
 人事担当の坂巻です。今の岩瀬先生の御質問の件なんですが、新たな研修体系につきましては、機構が始まる前の設立の準備の段階で、23年、来年の4月から正式な研修体系を始めるということで、その中に通信研修も含まれておりまして、現在では来年やることに向けて、その内容等について詰めを行っているという段階でございます。したがって、今年度につきましては、新規採用者、中途採用者等非常に多くおりますので、その辺のところの年金の業務について知らない人もたくさん入っておりますので、その辺を手当てをするというのが今年度の位置づけで、21年度につきまして、それをやってきているところでございます。
(本田部会長)
 よろしいですか。
(岩瀬委員)
 あと、迅速な情報公開を行ったということだけでいいという。
(年金管理審議官)
 42ページのほうの御指摘について申し上げます。㋖の欄に追加を検討いたしますが、今年度に入ってからの動きでございますけれども、機構におかれては、事務処理誤り等の総合対策ということで検討され、成果物をつくっておられますので、それも頭に置いた記述をこの42ページの㋖の欄に考えたいと思います。
(岩瀬委員)
 済みません、再発防止策というのは出てないんじゃないでしょうか。出ているんですか。事務処理誤り等のですね。
(日本年金機構副理事長)
 これは先般、事務処理誤りの再発防止策総合防止対策ということ回復委員会のほうにお示しをさせていただきました。もちろんこれだけで完成ということではなくて、それの細目をさらに掘り下げていくべき部分というのは当然あろうかと思っておりますし、ローリングしながら進めていくということでございますけれども、一応厚木事案とか、あるいはその前にございました事務処理誤り、それからそれを受けました職員アンケートの結果なども踏まえまして、こういうことに取り組んでいくというのを整理した。これからこれの肉づけもしていくということで考えております。
(岩瀬委員)
 ということは、まだ再発防止策ができているわけではなく、一応整理は済んでいるというだけの段階なんですか。
(日本年金機構副理事長)
 事務処理誤りの総合再発防止策というものとしては整理をして、それでそれに向けて取り組んでいく。個々の項目についてはそれでやっていくべきものもあります。ただ、例えば中にはシステム改修を要するものとかということで、それを具体化していく部分もありますし、現場への指示、依頼を具体的にどう出していくかというところもあります。ただ、骨格というか、基本的な大きな方向性というのは現時点のものを整理をして、これは地方にも示すし、それに沿ってやっていくというふうに考えています。そういう意味で再発防止策の取りまとめを、私どもとしては、一応のものはつくってあると。後はそれを具体的肉づけしながら実のあるものにしていくという作業がこれからあると思っております。
(本田部会長)
 時間も迫っていますので……。
(木間委員)
 42ページに評価:Aが1つあります。この年金記録問題の週次の進捗状況がわかるグラフを添付し、わかりやすい公表に努めましたということで「A」ですが、私は、前回、これを取り上げ、非常にわかりにくいと申し上げました。しかし、あれがわかりやすいという評価であるならば、先ほど言いました相談対応などが、22年度が「A」になるとはとても望めないという気がいたします。どんなにこれは譲っても「C」とは言いませんけど、「B」だと思います。
(本田部会長)
 それでは、時間もありますので、一応個別の評価は以上にしまして、個別評価にも関連がありますので、いわゆる総合評価のほうの「日本年金機構の平成21年度の業務実績の評価結果」につきまして、事務局から御説明をお願いしたいと思います。
(事業企画課長)
 恐れ入ります。本日、資料2ということで出させていただいております「日本年金機構の平成21年度の業務実績の評価結果」(事務方たたき台)という縦長の資料をお手にとっていただければと思います。これが全体の総合評価という位置づけになってまいりますが1ページごらんいただきまして、構成として、まず最初に「評価の視点」ということを書かせていただいております。内容は中期計画等を踏まえた内容をそこにまとめさせていただいております。
 その上で、事業全般の評価ということで、1ページの下段からになりますが、恐れ入りますが、事前に御説明できてない部分もありますので、ちょっと読ませていただきます。
 「平成21年度における年金記録問題への対応については、ねんきん特別便の回答に係る記録確認作業や新たな記録回復基準の設定につながるサンプル調査の実施など、年金記録問題の解決に向け予定していた取組について、概ね着実に実施した。
 また、年金事務所や各都道府県の事務センターの意見を聴き、業務処理の実情を反映した『年金記録問題への対応の実施計画(工程表)』を平成21年度中に取りまとめており、今後の年金記録問題を計画的に、かつ、着実に進めるための進捗管理の土台を作ったことについても評価できる。
 国民年金の適用については、住民基本台帳ネットワークシステムの活用により把握した20歳到達者全員に加入手続が着実に実施された。また、国民年金保険料の収納については、現年度のみ未納期間を有する方への分割納付書の送付等平成21年度に重点的に取り組むことになっていた事項が着実に実施された。国民年金保険料の収納率は」とした後、文章がまだ入ってございません。これは本日担当課長のほうから、国民年金保険料の収納率に関する今の状況についての事情の御説明を先ほど差し上げましたが、そういうこともありまして、本日はここはまだ記述をするに至っておりません。申し訳ございません。続きます。
 「厚生年金保険等の適用については、旧社会保険庁における取組を継続し、未適用事業所の把握を行ったが、重点的加入指導及び認定による加入手続の実績について、目標値を下回っている状況にある。また、平成21年度の実質GDP成長率が前年度比-2.0%という厳しい経済情勢の下で、厚生年金保険等の収納率についても、平成20年度の実績を0.4~0.9ポイント下回っている状況であり、適用・徴収いずれも今後、更に適切な進捗管理を行うべきである。
 給付事務については、サービススダンダードの達成率が10%と極めて低い障害厚生年金等、迅速な決定に向け、審査体制の強化が必要である。
年金相談の充実については、待ち時間が1時間以上となっている 年金事務所数は徐々に減少しているが、引き続き待ち時間の短縮に努めるとともに、お客様の立場に立った懇切丁寧な対応に向けた取組をさらに進めるべきである。
 お客様の声を反映させる取組についは、『お客様向け文書モニター会議』の設置準備等サービス向上に向けた各種取組を実施したことは評価できるが、民間企業の取組等を参考に、なお一層の努力が必要である。
 内部統制システムについては、コンプライアンスの確保、業務運営における適切なリスク管理など取組の柱を定め、それぞれに対応する規程の制定など仕組みを整備しているが、情報管理やコンプライアンスの観点から問題がある事案も発生しており、内部統制システムの強化を図る必要がある。
 また、人事・人材の育成については、現場における研修の実施状況を把握しながら、お客様の立場にたったサービス提供、職員の専門性の向上等に向け取り組むべきである」。
 ここから後がまとめの部分になります。
 「これらを踏まえると、平成21年度の機構の業務運営については、国民年金保険料及び厚生年金保険料の収納率向上、お客様に対するサービス向上等、その取組を更に充実させるべき事項もある。しかしながら、社会保険庁から日本年金機構への移行が年度の途中に行われたという特殊な条件での発足であったことや、平成21年事業年度は3か月しかなかったことなどの特殊事情は十分に考慮する必要がある。こうした特殊事情があったにもかかわらず、発足直後の1月の随時の年金の支払い及び約6,300万円にのぼる2月の定期の年金支払いを確実に行うなど、機構が担うべき最も基本的な役割が果たされたことは大いに評価できる。
 また、平成21年度事業年度においては、就業規則その他の所要の規程整備を行い施行できたこと、非公務員型の組織への移行が円滑に行われたことなど組織体としての体制整備は着実に実施されたこと、現場の意見を聞いた上で工程表を策定し、国家プロジェクトである年金記録問題を着実に進める基盤を整備したことなど、翌年度からの本格的な取組の推進に向け、前向きな業務運営が行われたものと考えられる。
 平成22年度以降については、本評価結果を踏まえ、特に、工程表に沿った年金記録問題の解決に向けた取組の充実、お客様に対するサービスの更なる改善、コンプライアンスの確保等の内部統制システムの強化などを通じ、真にお客様に信頼される組織を目指し、本格的な取組を計画的に進められたい。
 なお、年度計画に沿った具体的な個別評価については、別添として添付のとおりである」。
 別添とございますのは、本日、御議論いただきました資料1を想定してございます。
 以上です。
(本田部会長)
 ありがとうございました。今のは総合評価、先ほどの個別評価は今のご説明からすると、別添でくっついてくるというふうに見ればいいんですね。何か御質問ありましたら。
(石井委員)
 済みません、ちょっと確認をさせてください。参考資料2の評価一覧を拝見すると、全体像、評価のイメージが出ておりまして、項目が全部で5つ大きく分けて挙がっておりますが、この全体評価の中に、「3 業務運営の効率化に関する事項」と、「5 予算、収支計画及び資金計画」に関するコメントは入っておりますでしょうか。
(年金管理審議官)
 今、お示ししました資料2の中には御指摘の個所に関する記述は入ってございません。全体の記述を総合評価として、どこまで個別に拾っていくのかということで考えましたが、きょうお示しした案ではそこまで含めなかったということでございます。
(石井委員)
 厳しいほうの事務方たたき台における「A」評価が今の2つのところについてまして、これが添付される形になるとすると、何もコメントがないというのは、少し説明が不十分かなと。4つの「A」評価中、2つがその個所でありますので、何か一言でいいのでコメントをしていただいたほうがいいような気がいたしますが、いかがでしょうか。
(本田部会長)
 いかがですか。
(年金管理審議官)゛
 ありがたい御指摘いただきました。そういうことで追加の表現を考えたいと思います。
(長沼委員)
 日本年金機構がスタートして3か月ということですので、今後さらにがんばってもらいたいという意味で、総論的によろしいかと思う。平成22年度からが勝負だと考えている。先程来、お話があるように、評価部会としても「C」とか「B」をつければいいということではなく、できれば、すべて「A」と評価したい。そのためには、例えば平成22年度の評価を実施するとなると、平成21年度が終わって、一定の期間が経過した、また7月とか8月から始まると思う。であれば、評価部会としては、例えば途中の進捗状況をフォローアップするような形で部会を開催したらどうかと考えている。また、全部の評価項目を実施するのかどうかといえば、例えば重点評価項目なら重点評価項目で3点程度に絞って、実施したらどうか。例えば、記録管理が適正か、先日、毎日新聞の一面でも出ておりましたが、第3号被保険者が第1号の手続をしていないとか、また、第3号被保険者の資格の得喪については事業主経由なので、例えば離婚した方ですと、従業員がなかなか離婚したというのは言ってくれない、そうすると、1年もたってから、「実は1年前に離婚しました」と言われても、これは届出の出しようがない。基礎年金番号の重複付番とか、そういう「記録管理の適正化」が平成22年度中どういうふうに取り組まれたのか、あわせて、「未適用事業所の適用促進と保険料の徴収対策の推進」について、どのように取り組んでいるのか、年度途中でフォローアップできないか、と考えている。
 それから、今、市町村の現場では一時期ほどの年金相談が殺到するというのも落ちついてきていると認識している。ただ、一方その分、年金事務所にたくさんの宿題が今集まってきて、その処理に追われている状況なのかと思っている。従って、3点目の評価項目としては、「記録訂正処理の迅速化」を行っていかなければいけないと考えている。平成22年度の業務実績評価については、年度の途中において、いくつかの評価項目を委員で選んで、フォローアップできる機会をこの9月以降に設定できないかと考えている。これは私の意見ですので、よろしくお願いします。
(岩瀬委員)
 ちょっとよろしいですか。
(本田部会長)
 はい。
(岩瀬委員)
 先ほどの評価シート、割と厳しい評価を厚労省側もされていたと思うんですけれども、この評価結果、たたき台案の2ページの一番下の行で「非公務員型の組織への移行が円滑に行われたことなど組織体としての体制整備が着実に実施された」という書きぶりが違和感を感じるんですね。だったら、もっと評価シートも非常に高い評価をしてあげないと、何か矛盾するような気がするんですけれども、評価シートでいくというのだったら、もう少しここの部分を何か全然問題なくきちんと移行しているような印象を与えるような書きぶりは改めたほうがいいのではないかなという気がしますけれども、やはり問題が、確かに基本的にやるべきことは実施されているんですけれども、トラブルもいっぱい起こっていますし、社会的な批判も受けているわけですから、着実に果たしつつあるというような感じで、まだまだ課題は多いというぐらいなニュアンスを出さないと、ちょっと何だろうなという私は印象を受けましたので、一応意見と申し述べておきます。
(本田部会長)
 それでは、時間も参りましたので、大変長い間いろんな御意見をいただきました。先ほどからいろんな意見もありましたし、質問また提案もありまして、先ほど事務局のほうからのお答え、かなり表現にしてもいろんな意味で参考にしてぜひやっていただきたいと思います。次回の8月10日に、先ほど石井委員からの話、私が言っているのが間違っていたら御訂正いただきたいと思うんですけれども、大臣が修正する云々ではなくて、次、できれば10日出てくるのは大臣の諮問があるというふうに私は受けているので、ここでやって、諮問案を出して、大臣がひっくり返すということではなくて、あくまでも大臣が評価試案を出すと、こういうことでよろしいんですか。
(年金管理審議官)
 先ほどの私の答弁が誤解を生むような表現でありましたこと、申し訳ありません。今、部会長がおっしゃられたとおりでございます。したがいまして、大臣から当部会に諮問させていただく諮問案の作成プロセスとして、さっき私申し上げたのが言葉足らずで大変失礼をいたしました。部会長がおっしゃるとおりでございます。
(本田部会長)
 今、御説明あったようなことでございますので、できれば、10日の日に諮問案を審議するというような形へもっていきたいと思います。きょういろんな御意見もいただきましたし、また、そのほかに、今日足らなかったような、言い足りないようなことがあったら、ぜひ事務局のほうに連絡をいただいて、私の感じでは今日おおよそ大変細部まで御議論いただいたなという感じがありますので、きょうの議論を十分尊重しながら、厚労省のほうで諮問案をつくっていく。それを次回に議論ができるような段取りで進めたいと思っていますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、本日の議題は一応すべて終了いたしましたので、次回の日程等につきまして、事務方から御説明いただきたいと思います。
(事務局)
 次回日程につきましては、今、本田部会長から御案内ありましたが、委員の皆様にあらかじめお時間いただきました8月10日(火曜日)を予定させていただいております。後日、正式な御案内を差し上げたいと思います。
(本田部会長)
 それでは、本日の会は、これをもちまして終了とさせていただきます。委員の皆さん大変長い時間ありがとうございました。


(了)

(連絡先)
厚生労働省年金局事業企画課
03-5253-1111(内線3574)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(日本年金機構評価部会)> 第6回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録

ページの先頭へ戻る