ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(職業安定分科会雇用対策基本問題部会港湾労働専門委員会)> 第21回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会港湾労働専門委員会(2013年11月25日)
2013年11月25日 第21回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会港湾労働専門委員会
職業安定局建設・港湾対策室
○日時
平成25年11月25日(月)10:00~
○場所
厚生労働省 職業安定局第1会議室
○出席者
公益代表
鎌田座長、内藤委員 |
労働者代表
玉田委員、西川委員 |
使用者代表
堺沢委員、鶴岡委員、花島委員 |
事務局
内田高齢・障害者雇用対策部長、上田建設・港湾対策室長、百崎建設・港湾対策室長補佐 |
○議事
○百崎建設・港湾対策室長補佐 皆様お揃いですので、ただまいまから第21回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会港湾労働専門委員会を開催いたしたいと思います。私は建設・港湾対策室の室長補佐をしております百崎です。本日は委員改選後第1回目になりますので、冒頭は事務局が進行させていただきます。よろしくお願いいたします。
まず、お手元にあります配布資料の確認をお願いいたします。資料については資料1から4まで、あとは参考資料の1から3までをお付けしております。また、今回オブザーバーとして御参加していただいております国土交通省の説明資料として「国際コンテナ戦略港湾政策について」という資料を御用意しております。お手元の資料でもし足りないものがありましたら、お申し出いただければと思います。よろしいでしょうか。
次に、今回新たに選任されました委員の方々を御紹介させていただきます。今見ていただきました資料1が最新の港湾労働専門委員会の名簿になります。今年平成25年4月27日付けで、伊藤委員に代わりまして、全日本港湾労働組合中央執行副委員長の松永英樹委員が労働者代表委員として就任されております。本日は御都合により、御欠席されております。
同じく、4月27日付けで安部委員に代わりまして、三菱倉庫株式会社常務取締役の堺沢真委員が使用者代表委員として就任されました。当委員会の出席は今回初めてですので、一言御挨拶をお願いいたします。
○堺沢委員 堺沢です。どうぞよろしくお願いいたします。
○百崎建設・港湾対策室長補佐 また、西川委員におかれましては昨年度就任されておりますが、当専門委員会への出席は今回が初めてです。西川委員からも一言御挨拶をお願いしたいと思います。
○西川委員 西川です。どうぞよろしくお願いいたします。
○百崎建設・港湾対策室長補佐 次に、事務局であります厚生労働省職業安定局におきましても異動がありまして、また、事務所掌の変更によりまして、当専門委員会関係業務の所管が職業安定局の次長から、高齢・障害者雇用対策部長に移管されましたので、御紹介させていただきます。部長、お願いいたします。
○内田高齢・障害者雇用対策部長 高齢・障害者雇用対策部長の内田です。今回から担当させていただくことになりました。本日は大変お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。今回は通常の議題である今の計画の進捗状況に加えまして、国土交通省からも、国際コンテナ戦略港湾政策についての御説明を頂くということにしてあります。更に、来年度からの新たな港湾雇用安定等計画の策定についても御議論いただきたいと思っております。ちょうど、今年度が現計画期間の最終年度ということで、来年度からの新計画案を年内にも取りまとめていただく必要があろうかと思っております。大変、スケジュールがハードになって申し訳ないのですが、今週金曜日にももう一回御議論を頂きたいと思っております。お忙しいところ、大変恐縮ですが、是非闊達な御議論をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○百崎建設・港湾対策室長補佐 続きまして、建設・港湾対策室長も異動で交代しておりますので、御挨拶をお願いいたします。
○上田建設・港湾対策室長 初めまして、建設・港湾対策室長の上田です。今回、7月からこのポストに就きまして、港湾の関係は初めて担当させていただきます。皆さんに御議論いただきながら、前向きに進めていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○百崎建設・港湾対策室長補佐 続きまして、本日の委員の出欠状況の報告をさせていただきます。本日、先ほど申し上げました松永委員の御欠席のほかに、渡邉委員が御都合により欠席されております。
次に、当専門委員会の座長の選出については、「港湾労働専門委員会の設置について」におきまして、専門委員会に座長を置いて、専門委員会に属する公益を代表する委員又は臨時委員の中から、雇用対策基本問題部会の部会長が指名することとされております。安部部会長から引き続き鎌田委員に当専門委員会の座長にと御指名を頂いております。それでは、以後の進行は座長からお願いをいたします。
○鎌田座長 ただいま雇用問題基本問題部会部会長の安部委員から、御指名を頂いたということで、また新たに座長として皆さんにいろいろお世話、御協力を頂くことになると思います。忌憚のない御意見を頂いて、進行に務めたいと思いますが、どうぞ御協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは、本日の議事次第にありますように、議題が3つありまして、1つ目は前回の専門委員会にて、委員会要請がありました国土交通省からの「国際コンテナ戦略港湾政策について」であります。2つ目は「港湾雇用安定等計画の達成状況等について」であります。3つ目は「新たな港湾雇用安定等計画の策定について」です。それでは、国土交通省から、1つ目の議題である国際コンテナ戦略港湾政策について、港湾局港湾経済課港湾物流戦略室の松良室長より、御説明をお願いいたします。
○松良港湾物流戦略室長 御紹介いただきました国土交通省の松良です。それでは、座って恐縮ですが、御説明をさせていただきます。お手元の資料に、国土交通省からA4の横のパワーポイントの資料とA4の縦の「中間とりまとめ」と書いた冊子と2種類御用意させていただいております。初めに、A4横のパワーポイントの資料について御説明申し上げます。前回、委員会等で港湾政策について御説明を頂きたいというような御要望があったとお聞きをしております。本日はそのうちの、特にコンテナの関係の政策について御説明申し上げます。
1ページ目は、港湾行政に関します主要政策課題を載せております。私どもは当然、物流のみならず、様々な災害対応あるいは人流対応等々、いろいろな港湾行政を担っているわけです。主には1.から6.まであります。当然、その外枠に今、東日本大震災からの復興加速というのがありますが、それを除きますと、1.国際競争力の強化、2.地域の活性化、3.国土強靱化、防災・減災、4.インフラシステムの海外輸出、5.海洋資源の開発・利用、6.港湾における環境対策をやっております。
この中の政策優先課題としては非常に高い位置を占めておりますのは、国際競争力の強化という観点です。(1)国際コンテナ戦略港湾の機能強化を挙げさせていただいています。国際コンテナ戦略港湾の機能強化の中の主要な取組は、まず初めに、日本への国際コンテナ基幹航路の維持・拡大です。この基幹航路を維持・拡大していくのが非常に大きな目標になっております。併せて、その中で港湾運営の効率化を図るというところ、そのために港湾運営会社制度を創設しております。京浜港、阪神港、これが国際コンテナ戦略港湾にもなっておるわけですが、そこにおいても一体的かつ効率的な港湾運営といったものを目指しています。
2ページ目は、そういった政策が政府の中でどのような位置付けになっているかです。3つほど囲みがあります。一番上が経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針の中です。この中の「21世紀型の社会資本整備に向けて」という項目の中で、国際競争力を強化するインフラ、この中に国際コンテナ戦略港湾というのが位置付けられて、そこに対して選択、集中投資すると位置付けられています。
他方、その真ん中の部分ですが、日本再興戦略、こちらも閣議決定がされている案件です。この中でも、ヒトやモノの国際的な移動を円滑化するという観点で戦略港湾の強化を図る、と位置付けられております。物流ネットワークの強化という中におきまして、2016年度までに、国際コンテナ戦略港湾における大水深コンテナターミナル、水深16m以上のコンテナターミナルですが、これを現状3バースから12バースに増やしていくということと、2015年度までに港湾運営会社による一体的かつ効率的な港湾運営を実現する、それによって、海外トランシップの貨物奪還に向けた広域からの集貨あるいは貨物の需要創出、こういったものを促進するというように位置付けられています。
3ページ目以降、その周辺状況について簡単に御紹介申し上げます。3ページ目はアジアの主要港におけるコンテナの取扱貨物の現況です。左の円グラフを御覧いただきますと、白い円グラフが1980年代における主要港におけるコンテナ取扱個数です。赤い色の部分の面積の部分が2012年の状況です。1980年代、東京港、横浜港、それから大阪港、神戸港を中心に、アジアの中心であったものが、今や中国あるいはシンガポールなどを含めた所に主要な取扱貨物個数自体が大きく移動をしているという状況です。右側のランキングでは、1980年代は神戸港は4位に入っておりましたものが、直近では日本の港では東京港が28位で最高ですが、ほぼ20位以下という形になっており、主要はアジアの港が大きく位置を占めているという状況になっております。
4ページ目がそのほかの状況です。左上の棒グラフは世界のコンテナの伸び率が非常に大きく伸びている状況です。2009年のリーマンショックで若干落ちておりますが、また2010年に戻っているということもありまして、世界のコンテナ取扱個数は右肩上がりに上がっている状況です。
右側の青い棒グラフは船の大型化が進んでいるということです。スケールメリットを活かした形で少しでも大きな船をという状況になっております。現況ではもう既に18,000TEUなどという数字がありますが、これは一隻の船に積めるコンテナの個数です。18,000個も積むような船が出てきているような状況になっております。
左下は我が国における基幹航路で、欧米の基幹航路の便数の変動をお示ししたものです。右の3つは京浜、伊勢湾、阪神です。緑色が欧州航路、黄色が北米航路の数です。週当たりの便数です。左に香港、シンガポール、上海、釜山を載せておりますが、アジア主要港は右肩上がりに、若しくは少なくとも横並びという状況ですが、我が国の港においては、大変残念ながら、基幹航路の航程便数が右肩下がりに減っていっています。今や欧州航路は2便まで減少しているという状況になっています。右肩の下はそういった中で外船社を中心にアライアンス、船会社の連携が非常に進んでいます。上の段にはG6と呼ばれているアライアンスですが、これは2012年からサービスを開始しているという中で、これに伴って我が国の基幹航路、欧州の航路自体が週3回から週2回に減ったということもあります。他方、その下ですが、外国の船社の主要3船社、マースク、MSC、CMA-CGMと、これが2014年、来年の4月からアライアンスを組んでサービスを開始するということになっています。こういった巨大アライアンスが発展してきますと、日本の寄港地がますます絞り込みをかけられることになって、減ってくるのではないかという危機感を今抱いているところです。
5ページ目ですが、国際コンテナ戦略港湾ということで、阪神港、京浜港を選定させていただいて、様々な政策に取り組んでいるわけです。このような港の性格、位置付けですが、真ん中にありますとおりに、両港とも各々の港の背後圏のみを対象とする港湾の機能を持っているわけではありません。京浜港ですと、広く北海道から関東一円などの荷物を集めて、海外へ輸出入を行っています。阪神港も同様でして、西日本地域、北陸、四国も含めまして、広域からの貨物を集めています。正に広域インフラとしての役割を担っているわけです。
他方、そういった背後圏の経済規模で比較いたしますと、右側の図になります。東日本全域で申し上げますと、GDPの比較でいうと、ドイツあいるはフランスと肩を並べる。西日本についてもフランス、イギリスと肩を並べる。こういったような巨大な背後圏を持った港湾機能というのが両港には求められているというようなことです。
そのような状況の中で6ページ目です。私どもは「国際コンテナ戦略港湾政策」として、欧米の基幹航路を我が国への寄港を維持・拡大をしていくという政策目的を持って、展開をさせていただいているわけです。基幹航路維持・拡大によりまして、我が国の企業の立地環境を向上させる。経済の国際競争力を強化する。ひいては我が国におきます雇用と所得の維持・創出を図るということです。そのような目的のために、5つほどの方策を施策として今展開をさせていただいております。
まる1は阪神港、京浜港に荷物を集めるという観点から、内航をはじめとするフィーダー網の抜本的強化。これによって、広域からの貨物集約を推進しています。まる2は荷主の方々へのサービスを向上させていくという観点から、ゲートオープンの時間の拡大、あるいは内陸のインランドデポといったような積み替え施設の整備などで、サービスの向上を図っているということです。まる3はハード系です。先ほど申しました船舶の大型化に伴いまして、必要となる岸壁等の整備、大水深のコンテナターミナルの整備を着実に進めています。まる4は後ほどまた次ページで御説明いたしますが、港湾運営会社を指定させていただきまして、「民」の視点からの戦略的な港湾の運営の実現にも取り組んでいます。まる5については、コンテナターミナル自体を一体的に運営するということで、全体的なターミナルコストを下げていく。こういった5つの方策に取り組んでいます。
7ページ目は、こういった港湾運営について平成23年の港湾法の改正によりまして、港湾運営会社制度が導入をされております。これまで、港湾の管理・運営については地方自治体であります港湾管理者でもって主体的・一体的に進めてきていただいたところです。様々なニーズに迅速に対応する、スピード感を持って対応するという観点から、港湾運営については民間の活力を入れましょうということでして、港湾運営会社制度を立ち上げております。港湾運営会社については民間の企業者の方をトップにお迎えいたして、柔軟な対応を図るということです。
真ん中の所にありますが、埠頭群と言われる複数のコンテナターミナルを一体にしたものなどを公設民営といった形で運営をしていく。料金の決定権、あるいは船社・荷主への営業活動などは、港湾運営会社が正に「民」としてのノウハウ、知恵等を使って、やっていただくというような形になっております。これに対して、左側が国、右側が港湾管理者でありますが、これらから必要となる様々な支援を差し上げるとともに、当然公共性の確保の観点から、国からは様々なチェックを入れさせていただいております。運営計画、料金変更等々についての支援は、最低限の公共性の担保を取るということからの監督権限も持たさせていただいています。こういった中で、自由な活動でもって、港湾運営を上げていただくというところに、取り組んでいただいています。
具体的な中身は次の8ページ目です。先ほど申しました港湾管理者、民営化前という、地方の自治体がやられておりました港湾管理制度の中には、「港湾管理」「港湾整備」「港湾運営」という大きな3つの柱がありました。それ以外にも、民間の方が港湾振興団体という形の中で様々なポートセールスを行ってきたわけです。これを今回の港湾運営会社制度の中で、民営化後、港湾管理、港湾整備については地方自治体の港湾管理者に存置しながら、いわゆる港湾運営の部分、あるいは民間が行っていたようなポートセールスの部分を、右下の港湾運営会社の中に移管をしていくということです。港湾整備の中にも、上物、ガントリークレーンといったクレーン系のものについては、一部、港湾運営会社にも残しております。その運営料、使用料等で柔軟な運営体制を図っていくことも付記しております。このような体制の中で、国際コンテナ戦略港湾では、「民」の活力を活用した観点での戦略的な運営をやっております。
9ページは進捗状況です。阪神港、京浜港において、この制度を導入しておりまして、真ん中の阪神港については、大阪港の埠頭株式会社、神戸港の埠頭株式会社、両方とも民間人の方がトップになっておられます。この両株式会社については、昨年の10月に特例港湾運営会社の指定をしております。特例会社と申しますのは阪神港の大阪港、神戸港を一体的に運営するには、少し準備等、時間もかかるだろうということがありまして、当面の間、特例という措置を出させていただいております。阪神港については、その後平成27年に経営統合を行って、1つの港湾運営会社になります。1つの港湾運営会社が阪神港の大阪港、神戸港を両方一体的に運営する。こういったような形態になる予定になっております。
その下の京浜港ですが、東京港、川崎港、横浜港と3つの港があります。今、東京港と川崎港については、各々の東京港埠頭株式会社、川崎港の川崎臨港倉庫埠頭株式会社のほうから、特例港湾運営会社の指定申請を上げていただいているところです。現在、その審査を国土交通省の中でやらさせていただいています。指定後には特例港湾運営会社になります。一番下の横浜港については、昨年の12月に既に特例港湾運営会社に指定されておりますので、この3港が経営統合を平成26年度内に図ります。その後、京浜港の港湾運営会社として京浜港3港を一体的に運営していきます。このようなスケジュールで進んでいます。
こういった政策を取ってきたわけですが、平成22年8月にこの国際コンテナ戦略港湾を選定して以降、3年ほどたったということもありまして、政策の中間的な見直しをする必要があるのではないかということです。それが次の10ページ目です。このような観点で、今年7月に国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会を立ち上げさせていただきました。右側に委員の構成がありますが、学識経験者の皆様、港湾関係の皆様、それに加えまして今回は経団連をはじめ、荷主の方々に直接入っていただいています。その下には実際に港湾運営をやっていただく埠頭株式会社あるいは港湾管理者、このような方々にお入りいただきながら、国土交通省の副大臣が座長になって委員会を開催してきました。先般、8月27日にその中間取りまとめを公表させていただきました。
この委員会での問題意識は11ページ目になります。「我が国港湾の課題」ということです。例えばということですが、一番上の近隣諸国の釜山港を例として挙げさせていただきます。釜山港については釜山港湾公社、これは国が100%出資した会社です。こちらで大規模かつ多様な様々な集貨策を取ってきています。これは何も韓国の中のみならず、近隣の中国、それから最近では日本の港、特に日本海側あるいは北部九州側、このような所から釜山港に荷物を集めてくるという、かなり重点的に手を打っているということです。日本の港から出てくる荷物が日本の港から直接国際基幹航路に乗って、欧米に行くのではなく、釜山航路でトランシップされて、海外に行ってしまうと。このような形態になっています。こういった各国の集貨力に対しまして、我ら日本は国際コンテナ戦略港湾に集めてくる集貨力が不足しているのではないかという問題意識が1点目です。
2点目はまず釜山港の例ですが、真ん中の図にありますが、コンテナヤード等の背後に広大な用地を準備し、そこに流通加工を含めた物流施設を立地させる。そのために、ただ同然のような用地価格を設定し、あるいは法人税・所得税を5年間無料にするとか、様々な税制優遇も加えた形で、背後にロジステックハブ機能を誘致しているわけです。これはいわゆる「創貨力」と言っておりますが、こういった点でも日本は非常に遅れています。
3番目は物理的な面です。先ほどの18,000個積みになるような船については、岸壁は18m以上といったものが必要になってまいります。大型コンテナ船への対応については右の赤の枠の所にありますように、例えば水深16m以上の岸壁の数という面でいくと、日本については京浜港が3、阪神港が5バース、これは暫定供用中も含めてですが、この程度の数しかありません。韓国の釜山港においては21、上海港については16、このような数になっております。そもそもの港の競争力自体がハード的にも弱いというようなことがあります。ということもありまして、このような集貨・創貨、それから港の競争力強化の3本柱で総合的な取組をやっていく必要があるのではないかと、この委員会の中で議論を頂いたところです。
それをまとめましたのが12ページ目です。先ほども申しましたように、「集貨」「創貨」「港の競争力強化」の3本柱を総動員して、ハード・ソフト一体となった政策を打ち出していく必要がある。これまでの国際コンテナ戦略港湾政策自体を深化・加速する必要があるということです。政策目標として、おおむね5年以内に欧州基幹航路、今現在2便ですが、これを週3便に増やしていく。それから北米航路についても、これは北米の輸出向けの荷主から非常に強い御希望があります。今デイリーで寄港をしておりますが、これを何としても維持をしていくということが1つあります。それから、それ以外のアフリカ、南米、中東等々現状で航路が引っぱられてないような、こういった少ない航路についても積極的に誘致を進めていく必要があるというのが、おおむね5年以内の目標を掲げたところです。
なお、おおむね10年以内という部分については、多方面・多頻度の直航サービスを充実するという観点で、これは少しボーッとして形になっておりますが、大きな位置付けとして、このような2つの目標を掲げているところです。それに応じて、下に3つの箱がありますが、「集貨」「創貨」「競争力強化」について、各々の制度を要求していく。あるいは、予算の要求をしていくという形で一部の中身についても平成26年度の概算要求にも計上させていただいて、正に議論をしているといる状況です。大変、駆け足でしたが、以上で概要について御説明申し上げました。以上です。
○鎌田座長 ただいまの説明について、御意見、御質問がありましたら、自由に発言ください。よろしいですか。
○玉田委員 確かに、貨物量が変化をしているのはそうなのですが、港が、あるいは港の側が何か変わらなかったから負けてしまったような印象をもつのですが、むしろメーカーの物を作る所、売る所、あるいは動かす所が大きな要因だと思うのですね。もともと、港がそれに対応して変わろうと思ったら、それこそアジアに港は出ていかなければいけないとなるわけで、日本の港はそうはならないわけですよね。そういう意味では、物流がこのように変わったという背景は、やはり物流のメーカー側、荷主側からきちんと説明をしないと、説明不足になるのではないかという印象をもちました。
もう1つは、長いこと国土交通省は言い続けてきましたが、日本中に今、93港の指定港があるのですね。93港を作るための理由として、地理的に日本は南北に長い国なのだと、だからそこら中に港が必要なのだと言ってきたのですよ。そういう理由で、コンテナターミナルは今、56、7ですか。ガントリークレーンが立っている所という意味で言えば、65ぐらいになっていますか。ですから、それを今度は東西に集約すると言われているのですね。そうすると、集約されてしまったら、ほかはどうなるという疑問が当然出てくるわけで、ここは港労法の港中心の議論ですから、6大港に集めればいいや、とはならないですよ。そういう意味では、全国的なシェアは当然必要ですから、先ほど言った南北に長い国土的な要因があるので、これだけの港が要るのですよと言ってきた説明とは、私は整合は取れないのではないかと思いますので、総合的にどうやって発展させるのかという観点が必要だとは思います。
それから、もう1つは「民間の活力」という言い方をずっとされるのですが、極めて常識的な言い方で、ということは、私は皆それぞれイメージはバラバラだと思うのですよ。民間の活力とは何かと。例えば、今までの港なら、ここで言う民間の活力的な、あるいは民間的な考え方なり、手法なりができなかったのですか。単純に言えば、私は特例港湾運営会社はパット見だけですが、その昔の埠頭公団と似ているように思うのですよ。それこそ、表向きからいうと、変わらないように思うのです。何が変わったのか、むしろ国の管理の下での公団とほとんど変わらないのが実態のように思いますので、少しそこの変化があるとすれば、きちんと説明をいただければというところです。感想めいた話ではありますが。
○鎌田座長 御意見も含めてということで御質問があったかと思います。必要な範囲でお願いします。
○河原畑港湾経済課長 本日は、このコンテナ政策についての意見を戦わせる場ではないという認識で、これをどう、こちらの厚生労働省さんの施策とマッチさせる必要があるのではないかということだと思います。玉田委員とは、いろいろな場でも意見交換をさせていただいていますので、細かく言う必要はないのではないかと思っております。もちろん、我々港湾局のサイドからだけでやろうとしているわけではなく、委員会もきちんと荷主の方々も入って議論いただいているわけで、当然全体の物流がどうなっているかを踏まえてやってきているつもりです。
それから、コンテナを取り扱っている港が日本中にあるではないかということなのですが、我々が今、京浜と阪神に集中させていこうとしているのは、欧米航路という基幹航路を維持していくためです。船も大型化していますし、1つの港で取り扱うボリュームを増やしていかないと、寄港地が絞られていく中で、日本がパスされていく恐れがあるので、メインの航路については、この2つで何とか維持していこうということであり、ほかの港を否定しているつもりは全くないというところです。
それから、「民」の視点については、港湾管理者が公的な主体であるというところで、そこでの制約についてどのような形で迅速な経営判断をしていけば、コンテナ貨物の取扱いの増加に資するか、運営の効率化に資するかという観点から、そのような手法を取ったところです。それについては、公共性を否定するということではありませんので、そういう意味で公団と何が違うかというと、似ているところもあるでしょう。そこは、公共的なというところはあるかもしれませんが、公団という主体ではなかなか取れなかった、より柔軟な対応が取れるということではないかと思っております。
○鎌田座長 玉田委員、よろしいですか。また、本部会とは別の所で議論も進むかとは思いますが、よろしくお願いいたします。ほかになければ、次の議題に移ってよろしいでしょうか。それでは、次の議題に移ります。2つ目の議題の「港湾雇用安定等計画の達成状況等について」を事務局から説明をお願いします。
○百崎建設・港湾対策室長補佐 配布資料3、港湾雇用安定等計画の達成状況等について、説明いたします。この資料については、前回の専門委員会(今年3月)に資料として提出したものをリバイスしたものです。前回の委員会時点では、把握できていなかった数値の加筆を中心にして、今回参考資料として付けています参考資料1及び2の該当部分がどこになるかを、資料に付記しているところです。なお、参考資料1については、前回までの専門委員会で毎回配布しておりました「港湾雇用安定等計画の施行状況について」というデータ関係の資料について、最新の数値にリバイスをしたものです。なお、前回の委員会で委員から要望がありました労災関係の資料については、今回追加させていただいております。
また、参考資料2については、今年の6月時点の状況について調査を行った5年ごとに実施をしている、港湾運送事業雇用実態調査の結果概要になります。今回の実態調査については、有効回答の事業所数が1,016所に対して931所で、有効回答が91.6%と非常に高い回答をいただきました。前回は平成20年度なのですが、1,011所につき843、有効回答が83.4%であったこともあり、今回総務省からも回答率をできるだけ上げるようにと言われていたところですが、各事業主の方々もお忙しい中で御協力いただきましたことを感謝するとともに、私どもの各労働局から協力要請をさせていただきましたが、それに応じていただきました各事業主団体にも、この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。
なお、資料については、資料3と参考資料1、2について、逐一説明すると、少し時間がかかりますので、事前に各委員に既にお渡ししております。また、本日の今後の議事の関係もありますので、細かい説明は省略させていただきます。当然ながら、御質問、御要望等があれば、その部分については説明をいたしますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○鎌田座長 それでは、本件について自由に発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。個別にも説明をいただいているかとは思いますが、よろしいですか。特に御意見、御質問がないようですので、次の議題に移りたいと思います。3つ目の議題の「新たな港湾雇用安定等計画の策定について」を事務局から説明をお願いします。
○百崎建設・港湾対策室調補佐 配布資料4です。新たな港湾雇用安定等計画の策定について、説明いたします。こちらについても、事前に各委員にはお渡ししておりますので、今後の審議時間を確保する関係上、簡略に説明いたします。資料4については、1枚目に現計画について、計画期間について、新計画のポイントについて記載しております。このポイントについては、5つ記載をしておりますが、2枚目以降に各項目ごとに考え方を記載しております。
2ページ目です。「直接雇用の日雇労働者問題への対応について」です。常用港湾労働者と直接雇用の日雇労働者について、直近の数字は、2.現状の右の箱に記載をしていますとおり、常用港湾労働者の就労割合は依然高水準ではありますが、直接雇用の日雇労働者について、ここ数年徐々に全体の就労状況に占める割合が上がっている状況です。直近では、赤で書いておりますが、2.8%となっております。
現在の計画においても、直接雇用の日雇労働者の月間就労延べ日数の減少に更に努めるとしておりました。ここについては、2ページの3.対応方針として書いておりますが、次期計画においても、現計画の内容を引き続き継続していく必要があると考えております。
次に、3ページです。「人付きリース問題への対応について」です。人付きリース問題については、2.現状に示しておりますとおり、東京、横浜とも、労使の努力によって劇的に減少。具体的な数値で申し上げますと、平成4年度には月平均延べ10,680台であったところが、平成24年度には月平均で延べ68台まで大幅に減少したところです。これについては、今般の計画策定に関して、当委員会の議論を踏まえてになりますが、事務局としては次期計画からは削除したいと考えております。なお、次期計画からは削除した場合でも、現在実施しております利用状況調査については継続をして、事業主の方々などとも連携をして、継続的な個別指導などにより、解消に向けて努めていくことを考えております。
次に、4ページです。「雇用改善を推進するための方策について」です。現計画においては、運用の斉一化を図るとともに、関係者に対して周知徹底を図ることにしております。この部分について、行政としては法令上の解釈によって斉一化を図ったものと考えておりますが、3.対応方針の但し書きにもありますとおり、港湾労働者証の発行等に伴う雇用管理上の問題が発生する懸念があることから、次期計画においては各港湾の実情を勘案し、検討を行うことを盛り込みたいと考えております。
次に、5ページです。「能力開発及び向上を促進するための方策について」です。こちらは、現計画では革新荷役に係る教育訓練を効果的に実施できるよう検討するとされており、技能研修高度化委員会でも議論をいただいたところです。現在、豊橋に設置されております港湾技能研修センターにありますガントリークレーンの実機が既に老朽化して、耐用年数等の問題もあり、また現在6大港において使用されておりますガントリークレーンが大型化していることもあります。これについて、対応を検討する必要があるところです。これについては、3.対応方針にありますとおり、平成26年度概算要求において、ガントリークレーンシュミレーターの導入と、これを活用した訓練実施等の経費を計上しているところで、次期計画には革新荷役機械に係る教育訓練の拡充及び効果的な実施について、次期計画に盛り込むこととしたいと考えております。
最後に、6ページです。「港湾労働者派遣事業の適正な運営を確保するための方策」です。当該派遣制度については、現在、派遣対象期間を1か月のうち7日までと制限をかけております。この制限については、緩和をしてほしいという意見があるところです。2.現状のところにも、前回(第20回)の委員会における発言を掲載しております。なお、派遣については、7ページに参考資料を付けております。1.これまでの経緯として、制度スタート当初の5日となった経緯を記載しております。これは、日々の波動性の対応、また日雇労働者を減少させる観点から、港湾労働者の実労働日数と常用労働者の就労延べ日数を比較し、その差である5日とした経緯を記載しております。また、7日とした経緯については、当時使用者側からの要望について議論をいただき、この委員会で決定した経緯があります。
その下の2.と3.には、それぞれ日数緩和によるメリットとデメリットを記載しております。メリットについては、派遣制度の活用促進により、波動性への対応が期待できること。これは、今回を含めた3回の港湾運送事業雇用実態調査の結果を太字で載せておりますが、波動性が若干ながら拡大をしていることが見て取れるかと思います。また、日雇労働者の減少の一助になることも考えられると思います。
デメリットとしては、皆様御承知のとおり、現在派遣法の改正の議論が行われております。従前、派遣法については、労働力需給の調整。港労法における派遣制度については、労働者の雇用の安定を目的にしているということで、相違点を説明してきておりますが、この相違点の整理に影響を及ぼすことが考えられるかと思います。また、派遣労働の比重が高い労働者が発生することも考えられます。
最後に、一番下に参考データとして記載しておりますが、6大港における「月間平均就労延べ日数」について、数値を入れております。こちらは、港湾労働者の平成24年度における就労延べ日数を、二とおりのパターンで数字を出しております。1つは、港湾労働者証の所持者数で割ったものが、港湾労働者54万強に対して、港湾労働者3万2,746で割りますと、16.6日と。もう1つのパターンは、港湾労働者の就労日数、同じく54万強に対して、私どもが統計で把握しております常用労働者の実人員が2万8,790で割ったものとして、18.9日となっております。また、私ども建設港湾対策室として所掌しております建設関係においても、派遣類似の制度がありまして、こちらの派遣の上限日数については、所定労働日数の5割未満と規定しております。こちらについては、建設の制度に沿って議論する必要があるわけではなく、飽くまで参考ということで紹介しております。
以下のような状況を踏まえまして、6ページの一番下ですが、派遣の上限日数の緩和に関する検討については、労使の意見を踏まえて派遣就業する日数の上限日数の緩和について検討するということで考えております。事務局からの説明は以上です。
○鎌田座長 それでは、本件について特に項目を分けませんので、自由に御質問、御意見をいただければと思います。お願いします。いかがでしょうか。
○上田建設・港湾対策室長 付け足しで説明いたしますと、資料4については、飽くまでも国側が今度の計画に対してこういった形で記入をしていきたいというポイントとなる所を抜き出したものです。当然、労使の中でほかに問題点若しくはこういった点を書き加えるであるとか、こういった点はもういいのではないかという意見があれば、そういったことも併せてお伺いし、次の計画に反映させていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。特に、人付きリースの記載については削除する形にしておりますので、使用者側若しくは労働者側でも問題点があれば、感想若しくは意見をいただければ有り難いと思っています。
○鎌田座長 では、私から、この人付きリースはかなり激減しているのですが、その背景事情あるいは原因と思われるところを少し教えていただければと思います。
○上田建設・港湾対策室長 基本的には、特に前回の5か年計画の中にこのように盛り込むことにより、実際の取組としてみれば、労働局が現場に行ってどのようにしたということではなく、労使の中でこういったことの方向性が1つしっかり約束事として表に出ていったと。そういった労使双方の、ご努力により、このように減ってきたのだろうと思っております。資料をご覧いただくと分かりますように、個別的な案件であったのですが、68台まで減少しています。企業数にすると、数社となっておりますので、個々の案件については、労働局が実際にどういう形になっているかという状況をしっかり把握して、その上での対応を取っていきたいと考えているところです。
○花島委員 業界としては、人付きリースのリース会社の業務の見直しに伴い、リース会社の労働者を、徐々に自分の会社の労働者として雇い入れを進めていますが、その労働者が自分たちの会社に合うというのはすぐにはわからないので、いろいろな対応をとっているのが実情です。これからはもっと減ると思いますが、今は定着化などいろいろな問題がありますので、少し手間暇かかっているのだと思います。
○鎌田座長 そうすると、労使の取組の成果とも見てよろしいわけですね。
○西川委員 違った視点で、人付きリースと派遣の問題等ですが、経営側の皆さんの会社の経営方針、利益率と非常に関連性があるのではないかと思います。これは、穿った目で見ますと、いわゆる組合の視点から見ますと、人付きリース及び派遣労働者、港湾労働者を使った場合に、その利潤はどこにいくのかと。本来の正規社員の労働条件に影響する可能性があるということで、そういう着眼点もあるということです。人付きリースが減ったことは良いのですが、それが正規の労働者に還元されると、いわゆる労働分配率、収益分配率が関連されることは、非常に喜ばしいことではないでしょうか。先ほど、国交省の方や玉田委員からもありましたが、港が分散してパイが少なくなるという中で、果たして作業量便益的からいったときに、派遣労働者を使う必要性があるのかどうかを検証していかなければならないのではないでしょうか。自社だけで賄えるのに、これは穿った目で見ると、あえて派遣を使って、そのような労務コストを抑えるという視点も、我々はもっているということです。これは、あくまでも参考意見です。減ったことは良いことだと思います。
○鎌田座長 派遣労働者にも少し波及したような発言でした。今、室長からの発言もありましたが、ここにとらわれずに、新たな項目でも検討課題を出していただければということですので、もしありましたら発言いただければと思います。
○上田建設・港湾対策室長 もう1つ、是非このような場ですので、資料4の4ページに書いてあります斉一化の関係なのですが、私たちも色々ヒアリングをしたりしている中で、具体的に法的な解釈は示しましたが、実際の問題点、例えばこういうことが問題なのだということを明確にしていただきたいことが1つです。もう1つは、それに対してどのような対応が考えられるのかをお話していただければと思います。
○鎌田座長 この斉一化に関わることで、具体的に問題点として、この場で指摘していただきたいということですね。
○上田建設・港湾対策室長 はい。
○鎌田座長 これは、労側、使側どちらからでも結構ですね。
○上田建設・港湾対策室長 結構です。
○鶴岡委員 7ページの参考データのところですが、港湾労働者証所持者数が3万2,000で、実際的な常用労働者数が2万8,000人ということは、4,000人がこれは港湾運送事業者ではない企業に所属している労働者という理解でよろしいのですか。ということでもないのですか。
○百崎建設・港湾対策室長補佐 一応、私ども労働局で確認しているのは、1つは港湾事業者であったとしても、いわゆる毎日実際に勤務されている方は当然普通に労働者証を取っているのですが、それ以外に繁忙の関係で、忙しいときに実際に就労されるような方についても、事前に労働者証を取っているケースがあるとは聞いております。もう1つは、これは実際にどのぐらいの数字があるかは分からないのですが、労働者証の更新が3年になっているのですが、その間に例えば退職をされたり、定年で引退される方も含めてなのですが、そういう方の返還が必ずしもどうも100%ではないケースがあるということで、若干のずれが出ているとは聞いております。それが、どちらがどのぐらいの人数分なのかは分からないのですが、そういうところで数字のずれが出ているとは聞いております。
○鶴岡委員 港湾運送事業法と港労法関係の問題で斉一化ということですが、なかなか省庁が違うことも含めた問題もありまして、ただ我々から提言したいのは、できることであれば、労働者証の識別ができるような方法を取っていただければと。例えば色を変えるとか、そういう方法を検討していただければとは思います。
○上田建設・港湾対策室長 それは、業務内容ごとにということですよね。
○鶴岡委員 原則論でいきますと、港湾運送事業者に雇用されている労働者、そうでない企業に所属している労働者の港湾労働者証の識別が可能なようにできればということです。
○上田建設・港湾対策室長 例えば、今の法律の枠組みで考えると、港湾運送事業法の中では許可制の港湾運送事業と届出制による港湾運送関連事業の2つに分かれております。それから、事業法の適用外となる港湾労働法における倉庫作業ということで、3つぐらいに分かれる気がしますが、具体的にはそのぐらいの内容でも大丈夫だということでしょうか。
○鶴岡委員 基本的に、届出、これは組合にも聞きたいのですが、どこまで識別すれば明解なのでしょうかと。
○玉田委員 2つしかないのですよね。事業法上の港湾運送事業者と、それ以外ですよね、大きく言えば。先ほどの戦略港湾との関係も出てくるのですが、一方で背後地を整備しようということで、創貨、集貨をしようという話なのですか。そうすると、そこに建てられる倉庫あるいは物流施設は、国土交通省の説明でそのままいくと、多分、港湾運送事業者が仕事をやるのだろうと思いたいのですが、どうもそこははっきりしていないのだろうと思うのですね。倉庫業法上の倉庫なのかという議論も多分出てくるでしょうから。そうするとせっかく今日来ていただいているのですから、この場で暴論を言うと、これは港湾運送事業者がやると言ってしまうというのが一番良いのですが、多分そうはならないですから。
○河原畑港湾経済課長 そうはならないですよ。これまでと変わらないですよ。
○玉田委員 イメージ的に言うと、今、鶴岡委員が言われたように、ここで要するに海上物流との関係でいう受渡しの部分と、いわゆる寄託貨物として取り扱われる貨物の部分が多分違ってくるのですね。ですから、私たちから見ると、寄託貨物であれ、倉庫業法上の貨物であれ、飽くまでも港という機能から派生してくる貨物であり、仕事でしょうと。その辺りの区分のところが混乱の要因なので、可能ならば、これは組合もそうですが、労使でパトロールなどをやる場合に、安全のパトロールあるいは違法行為がないかなどをする際にはっきりさせる意味では、赤と白とか、黒と青というように色分けできれば、見た目ははっきりしますし、いいかなという気がします。率直に言って、そのような混乱がないことを望みます。斉一化という、3者が同じ方向を向いているなら、法律上難しいとすれば、その方向の中で1歩でも2歩でも進めるかという議論があれば、私はいいと思うのですが。
○鎌田座長 よろしいですか。
○上田建設・港湾対策室長 ありがとうございます。
○玉田委員 その際に、「各港湾の実情を勘案し労使と協議の上」というのは言葉上こうなっているのですが、それぞれ労使で努力している部分は、ある意味では法律上あるいは行政指導上の運用を担保にした上での話ではないのですよね。あくまでも努力なのですよね。それが、世間的に見ると、我がままな努力とか、法外なる努力とか、必ずクレームを付けてくるのですよ、分からない人から言うと。そこで、そういう混乱をさせないために、当該の労使あるいは事業者の努力があり、こういう秩序を保とうとしているのですよと胸を張って言えるような状況をつくってあげないと、港によっては、お前の所だけ我がまましている、いや、お前の所は世間と違うことをしている、といって、正直言って荷主に叩かれるのですね。じゃあ、すみませんと言って、料金を安くして、ごめんなさいという話にならないようにしたいと思うのです。ですから、努力を評価していただくことは大変嬉しいのですが、その努力を行政的にも支えますよというか、担保しろと言ったら多分できないと言うだろうから、表現はちょっと難しいのですが、言わんとすることは理解していただけるかなと。決して、妙なことをしているというようなことにはならないようなことにはしていただきたいなと思うのですが。
○鎌田座長 この点について、ほかに御意見はありますか。では、別な議題についても、御意見をいただければと思います。
○堺沢委員 「各港湾の実情を勘案し」というのは、各港湾でいろいろやり方が違うということですよね。私も、具体的にどのようにやっているのかがよく分からないので、ご説明いただけますか。
○鶴岡委員 一応、東京の場合は、業界としてワッペンを独自に発行して、労働者証とは別に港湾労働者という形の識別はするようにはしています。
○西川委員 神戸の場合は、地区事前協議との絡みはそうですか。そこで、新規参入はどうなのかということで、一応、ふるいではないですが、やはり既存の事業者、港湾労働者の安定等を堅持する意味でも、そういうことはやっていますね。
○鶴岡委員 それは西川さん、港頭地区だけですよね。
○西川委員 そうです。
○鶴岡委員 ですから、外にある港湾倉庫だとできないですよね。
○西川委員 背後地の問題もありますし、いわゆるヒンターランド部でしょ。これから、そうなってくるのかもしれませんが、そういう部分についても組合としては、これは既存の港湾労働者の職域ですよということは主張はしていくつもりではいますね。港湾エリアではないけれども、港湾労働者の仕事だと。
○鶴岡委員 ですから、一番ややこしいのは、港労法と各地方自治体の定める港頭地区の範囲の差なのですよ。ですから、自治体が定めている港頭地区においてはいいのですよ、事前協議対象ですし。ところが、それ以外で港労法上で定めるところにある港湾倉庫の中の労働者に、要するに港湾労働者証が発行されているところがややこしいところだという話になってきて、これが斉一化の大きな根幹なのですよ。全然知らない事業者が、港湾倉庫と認定されたときに、自分の所で使う労働者がいきなり港湾労働者証を登録しろと言われると。港湾労働者証は、港湾登録労働者そのものを知らない企業がそういうものを言われると、これは一体何なのだ、という話にもなりますし、また逆にそれを持つことによって何か我々は港湾の仕事ができるわけ、という誤解もなきにしもあらず。また、こうした範囲の差を悪意に使う手もあるということで、できれば斉一化してほしいけれども、難しいなら識別していただきたいというのが、事業側からのお願いです。
○西川委員 港湾の仕事も、多岐にわたっていますからね。私は勉強不足なのかもしれませんが、全く畑の違う人たちが、企業でも港湾の仕事として進出してくるものかなと思うのですが。何らかの関連性があるから、港湾に進出するものであり、当然そこには元請なりが介在するでしょうし。
○鶴岡委員 いや、それはしませんよ。港湾倉庫と指定されてしまうと、それは扱い量だけの問題なので、要するに指定地域であるということと、扱い量だけの話で港湾倉庫という指定をしなければいけないと。そうすると、指定された場合にその持ち主あるいはそこの作業者が、港湾運送事業者であるという必然性がどこにもないわけですね。これは、指定エリアの問題なのですが。
○西川委員 それは、地区事前協議は通るのですか。
○鶴岡委員 通りますよ。
○西川委員 通らないでしょ。
○鶴岡委員 要するに、港労法上の指定地域と、各港湾管理者の指定する港頭地域のギャップがあるので、どうしてもそのギャップにおけるそういう問題が、例えば東京の場合は平和島などのエリアで起こってしまうと。あそこは、別に港頭地域でも何でもないですが、冷凍団地があったり、そういう所が総出入庫量に占める何%でしたか。
○上田建設・港湾対策室長 10%です。
○鶴岡委員 10%以上を扱う場合には、港湾倉庫としての指定を受けてしまいます。そうすると、そこで働く港湾労働法で決められている行為をする労働者は、港湾労働者証を持たなければいけないということになってしまうから、非常にややこしい話です。事業主が港湾に進出しようという話ではなく、全く意図しなくてそういう話になってしまうと。
○玉田委員 いや、そこは常用であるべきだというのは、私は正しいと思いますが。
○鶴岡委員 常用ではないと、発行になりませんよ。
○玉田委員 いや、ですから、労働政策上は、それこそ、一般の派遣が入ってくるということにならないことにしているわけでしょ。
○鶴岡委員 それは、発行できないですよね。
○上田建設・港湾対策室長 それは、派遣法が規制していますので。
○鶴岡委員 規制していますので、それはできない。
○玉田委員 健全な企業で、きちんとした会社の労働者ではなければ駄目ですよという、その側面はいいと思うのですね。
○鶴岡委員 それは、もちろん。
○玉田委員 ただ、港湾運送事業法上の事業者に雇用される労働者ではないから、というところが問題なわけですよね。
○鶴岡委員 そうです、それだけなのです。
○鎌田座長 私も前期から入って今の話を聞いたときに、一言で言うと大変難しいと感じております。ただ、港湾の中で労使がいろいろな形で良い方向に向かって議論していただいて、先ほどの人付きリースでも一定の前進を図っているということですから、そうした点はやはり率直に評価していきたいと思っております。あとは、ほかにありますか。
現段階では、特に発言がないようですので、またこの議論を深めていくということですので、必要な時期にまた発言いただければと思っております。本日は、あらかじめ予定されておりました議題は以上です。次回以降について、本日の議論を踏まえて更に議論を深めていきたいと思っております。具体的に、次回以降の日程について、事務局からお願いします。
○百崎建設・港湾対策室長補佐 次回の日程ですが、資料2にも記載しておりますが、調整をした結果、既に御案内をしておりますが、11月29日(金)13時から15時まで、中央労働委員会にて開催させていただきます。また、12月の開催についても既に調整をしておりまして、12月24日(火)15時から17時までとさせていただきたいと思います。場所については、現在調整中ですので、また決まり次第御連絡を差し上げるようにいたします。
○鎌田座長 スケジュールについて、何か意見はありますか。よろしいですか。ほかに、何か発言はありますか。なければ、本日の委員会はこれで終了いたします。
最後に、本日の会議に関する議事録の署名委員については、労働者代表は西川委員、使用者代表は花島委員とさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。本日は、お忙しいところありがとうございました。
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