ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会)> 第4回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 議事録(2014年1月15日)
2014年1月15日 第4回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 議事録
健康局結核感染症課
○日時
平成26年1月15日(水)15:00~17:00
○場所
厚生労働省専用15・16会議室
○出席者
池田委員 | 庵原委員 | 大石委員 | 大橋委員 | 岡部分科会長 |
蒲生委員 | 小森委員 | 坂元委員 | 渋谷委員 | 戸田委員 |
中山委員 | 沼尾委員 | 福島委員 | 三田村委員 | 桃井委員 |
森委員 | 阿真参考人 |
○議題
(1)今後定期接種に追加するワクチンについて
(2)報告事項
(3)その他
○議事
○嶋田課長補佐 定刻になりました。ただいまより「第4回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」を開催いたします。
本日は、御多忙のところ、御出席いただきまことにありがとうございます。
本日の議題は公開ですが、カメラ撮りは議事に入るまでとしますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。また、傍聴の方は、「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
続きまして、出欠状況について御報告いたします。本日は、委員17名のうち、池田委員、庵原委員、大石委員、大橋委員、岡部委員、蒲生委員、小森委員、坂元委員、澁谷委員、戸田委員、中山委員、沼尾委員、福島委員、三田村委員、桃井委員、森委員の16名に御出席いただいております。また、参考人といたしまして、阿真参考人にも御出席いただいております。なお、中野委員からは欠席の連絡をいただいております。
現時点で、厚生科学審議会の規定により定足数を満たしておりますので、本日の会議が成立したことを御報告いたします。
それでは、議事に先立ちまして、配付資料の確認をさせていただきます。
議事次第、配付資料一覧、委員名簿、資料1から3まで、また、参考資料1から7まで御用意させていただいております。
本日の傍聴者発言の要旨を委員、参考人用に机上配付しております。配付資料一覧と照合していただき、不足の資料がございましたら事務局にお申し出ください。
申しわけございませんが、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○嶋田課長補佐 引き続き、審議参加に関しまして報告いたします。
予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、各委員及び参考人からワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受け取り状況、申請資料への関与について申告していただいております。
議題(1)に関しまして、水痘ワクチンの製造業者である一般財団法人阪大微生物病研究会、肺炎球菌ワクチンの製造業者であるMSD株式会社の2社から、過去3年度における寄附金等の受け取りについて、各委員、参考人より申告いただきました。出席委員のうち、岡部委員が、阪大微研及びMSDから50万円以下の受け取り、庵原委員が阪大微研及びMSDからそれぞれ50万円以下の受け取り、大石委員が阪大微研及びMSDからそれぞれ50万円以下の受け取り、福島委員がMSDから50万円以下の受け取り、三田村委員がMSDから50万円以下の受け取り、森委員が阪大微研から500万円を超える受け取りについて、それぞれ申告をいただいております。
今回、申告いただいた委員及び参考人のうち、50万円以下の受け取りがある委員は議事へ参加し、議決に加わることができます。また、500万円を超える受け取りがある委員は、審議会場から退室することとされておりますが、当該委員の発言が特に必要であると当分科会が認めたときは、審議または議決に参加することができます。この取り扱いについてお諮りいたします。
○岡部分科会長 ただいま事務局から審議参加についての報告がありました。それで、森委員が阪大微研から500万円を超える受け取りということがありましたけれども、これは、当分科会が必要と認めた場合は意見を述べることができるとなっています。これは私の意見ですけれども、森委員は、ワクチン研究ということで非常にアカデミックな立場から研究されているので、そういう立場から意見を伺えると思います。ただし、議決には加わることができないというような形になりますけれども、できれば委員の方々の御了承いただきたいと思うのですけれども、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○岡部分科会長 それでは、従来どおりということで、森先生、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、分科会としては了承ということで、これでこのまま議事に入ってよろしいですか。
○嶋田課長補佐 はい、お願いいたします。
○岡部分科会長 それでは、これから議事、それから、報告事項ということで、この予防接種・ワクチン分科会に入りたいと思います。
お忙しい中、また、本当に寒い中、しかもタイトなスケジュールで来ていただいていますけれども、1名を除いてほぼ全員出席ということで、また議論をしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それから、今回の議題(1)については、2名の傍聴者からの発言の御希望がありましたので、やり方としては前回と同様ということで行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それで、傍聴者の井島克也さんは、きょうは2回目の発言なのですが、この間、私はできるだけ多くの方に発言をしていただきたいので、余り同じ方がいつもということはできるだけ避けたいというようなことを申し上げたのですけれども、それは、一応希望者として10名募っているので、もし10名になったような場合には、これまで発言があった方については遠慮していただくということで、なるべく発言の機会を広くしようと思います。今回は2名が希望されていますので、希望された方についてはそのまま、10名の範囲内でということですので発言をお願いするということで、これはちょっとコンセンサスをいただいておいたほうがいいと思うのですけれども、そういうような考えでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○岡部分科会長 はい。それでは、それも含めてよろしくお願いいたします。ただし、同一の意見を毎回毎回ということではいけませんので、それはちょっと事前に相談をさせていただくというか、ちょっと教えていただくようにしたいと思います。この点もどうぞ御了承いただければと思います。
それでは、早速審議のほうに入っていきたいと思うのですけれども、きょうは議題が、審議事項としては、今後定期接種に追加するワクチンということになりますので、これについてまず事務局から御説明をお願いします。
○宮本予防接種室長 それでは、資料1と参考資料1を御用意いただきたいと思います。
本日御審議いただきますのは、「今後定期接種に追加するワクチン及び対応について」ということでございますけれども、関連しまして、参考資料1のほうを先にごらんいただきたいと思います。
予防接種法の中に厚生科学審議会の意見の聴取というものが定められている条文がございます。「第二十四条 厚生労働大臣は、次に掲げる場合には、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。」ということで定められておりまして、このうち第1項に「第二条第二項第十二号及び第三項第二号並びに第五条第一項及び第二項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするとき。」というものが掲げられております。
この第二条第二項第十二号と、それから第三項第二号という部分について、その点線で囲まれたところの下に条文を抜粋してございます。
第二条第二項十二号の中に示しておりますのは、「A類疾病」の中に政令で定める疾病を追加する場合、それから、第三項の中に定められておりますのは「B類疾病」に対して政令で定める場合、こういう2つのA類とB類のそれぞれに政令で追加する場合に、「厚生科学審議会の意見を聴かなければならない」と定められております。本日お集まりいただきました趣旨としましては、この関連する審議を行うために御参集していただいたということでございます。
資料1のほうに戻りまして、順次説明させていただきますが、これまでの経緯としましては、御案内の部分も多くなってございますけれども、平成25年4月に立ち上げた予防接種・ワクチン分科会及び予防接種基本方針部会において、4ワクチンの接種を実施する場合における接種対象者や接種方法について検討を行っていただいてきたところでございます。その中で、水痘と成人用肺炎球菌の2ワクチンについては、おおむね技術的な課題について整理ができたという状況がございました。
私どもとしましては、並行して必要となる財源の捻出方法などにつきまして、関係者と協議を行ってまいりましたけれども、平成26年度中に水痘と成人用肺炎球菌の2ワクチンについて定期接種化するための地方財政措置について調整できたところでございます。
これらの状況を踏まえまして、その2つのワクチンについて定期接種化すること、それから、関係する政省令などの取り扱いにつきまして、予防接種法に基づき、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で審議をするということでございます。
おめくりいただきまして、今回の審議事項でございますけれども、当分科会の前身であります予防接種部会の第二次提言等におきまして、「広く接種することが望ましい」とされてきた4つのワクチンのうち、水痘と成人用肺炎球菌については、平成26年度中に定期接種化することとしてはどうか。
なお、接種対象・方法等は、ワクチンごとに別添1・2のとおりとするということで、この部分は、これまでも技術的な検討ということで御確認いただいたものでございます。
仮に定期接種化するとした場合、ワクチンの供給状況、自治体の準備期間及び国民への周知期間などを勘案し、2つのワクチンとも平成26年10月から導入するということで調整を行うと示してございます。
また、A類とB類の位置づけでございますけれども、二次提言の中で既に検討がされてございます。水痘は主に集団予防を図る目的であるA類疾病、成人用肺炎球菌は個人予防目的に比重のあるB類疾病に位置づけるということではどうかということでございます。
4ワクチンのうち、残りましたおたふく風邪、B型肝炎の2ワクチン、それからロタウイルスのワクチンについては、平成26年度以降も技術的課題等の整理・検討を行うということではいかがかということでございます。
続きまして、政省令改正の概要と導入に向けたスケジュールについてお示ししております。
この2つのワクチンを定期接種化するとした場合の政省令改正の概要とスケジュールの案でございまして、改正の概要としましては、施行令、政令におきまして、水痘と成人用肺炎球菌を定期予防接種とすること、それから、接種対象者を定めることとしたいと考えております。それから、予防接種施行規則、省令になりますが、水痘成人用肺炎球菌を副反応報告の対象とし、報告基準を定めることといたします。この点につきましては、今後、副反応検討部会で審議をし、検討してまいりたいと思っております。
導入に向けたスケジュールでございますが、本日開催しております予防接種・ワクチン分科会におきましては、2ワクチンの定期接種化についての審議をいただき、この後開催いたします副反応検討部会において、報告基準についての検討いただきたいと考えております。
4月以降10月までの間に、政省令の改正に向けた準備としまして、内部的な審査、それからパブリックコメントの公募、公布と施行という形で進めてまいりたいと考えております。
もう一つおめくりいただきまして、別添1と別添2に水痘ワクチン・成人用肺炎球菌ワクチンの接種対象者・接種方法について具体的な内容を記載しております。
別添1には、水痘ワクチンの内容を記載してございます。
対象年齢としましては、生後12月から生後36月に至るまでの間にある方ということで、1歳から2歳ということに相当いたします。予防接種を受けることが適当でないという方については、特記事項はなしということで整理したいと考えております。
接種方法については、乾燥弱毒生水痘ワクチンを使用し、合計2回皮下に注射をする。3月以上の間隔を置くものとして、接種量は毎回0.5ミリリットルとすると整理しております。
標準的な接種期間としましては、生後12月から生後15月に至るまでに初回接種を行い、追加接種は初回接種終了後6月から12月に至るまでの間隔を置いて1回行うとしております。
今回の対応として、経過措置としまして、生後36月から生後60月に至るまでの間にある者を対象とし、1回注射をするということで考えておりますが、ただし、平成26年度限りとし、その間に実施いただくということで考えております。
その他としまして、既に水痘に罹患したことがある方は対象外とし、それから、任意接種として、既に水痘ワクチンの接種を受けたことがある方については、既に接種した回数分の接種を受けたものとみなし、その分の回数を減らすということで考えております。
続きまして、別添2には成人用肺炎球菌ワクチンの接種対象者・接種方法について記載しております。
対象者としましては65歳以上の方、それから、60歳以上の方であって、心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害を有する方ということで、これは、インフルエンザの定期接種の対象の方と同様であります。予防接種を受けることが適当でない方については、特記事項はなしとしております。
接種方法ですが、肺炎球菌ワクチン(ポリサッカライド)を使用し、1回筋肉内または皮下に注射するということで整理しております。
経過措置ですけれども、平成26年度から平成30年度までの間、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、こういった5歳刻みの年齢の方を対象とし、その5年の間に全ての対象年齢の方が接種を受けていただくということで順次進めてまいりたいと思っております。
その他としまして、既に肺炎球菌ワクチン(ポリサッカライド)の接種を受けたことがある方は対象外とする。ただし、接種対象者のうち、先ほど対象者のうちで2の内容を御説明いたしましたが、その2の方を除くということでございます。それから、5年間の経過措置が終了した後の平成31年度以降の接種対象者については、経過措置の接種状況ですとか接種記録の保管体制の状況などを踏まえ、改めて検討するということで考えております。
以上です。
○岡部分科会長 どうもありがとうございました。
それでは、議事のディスカッションに入るに先立って、傍聴者からの御発言を伺いたいと思います。今回は、先程御紹介しましたように2名の応募がありましたので、この申込順、1人2分間、2分間ぴったりではないですけれども、約2分間で、よろしくお願いしますということになります。
最初の方は古賀真子さん。日本消費者連盟代表の方、よろしくお願いします。御自分でちょっと自己紹介をされてから、お願いします。
○古賀氏 自己紹介も2分に入りますでしょうか。
○岡部分科会長 自己紹介は2分に入りません。でも、2分間、自己紹介をしないでください。よろしくお願いします。
○古賀氏 わかりました。
きょうは、発言の機会をありがとうございました。消費者団体としてワクチンの問題に取り組んでおります。それでは、2分ということで緊張して。
まず、基本計画案で原則とするワクチンギャップを強調するVPDの考え方を本案の基本理念とすることには疑問を持っております。子供は病気とつき合いながら免疫を獲得して成長していきます。ワクチンで防げる病気もあり、ワクチンにより克服できた病気もありますが、全ての病気をワクチンで防ぐことが不可能であることは、歴史的事実の示すところです。ワクチンの効用には限界があり、計画案にあるように不可避的に生じる副作用を強調することで、20年に及ぶワクチンギャップという不幸が生じたと断定することは、ワクチン信仰というレトリックにより世界的メーカーを初めとする関連業界を利する一方、乳児死亡率が世界一低いすぐれた日本の公衆衛生の現場や自治体、民間医療現場の努力を過小評価するもので、疫学及び公衆衛生学的にも誤った評価であると考えております。
この乳児死亡率が世界一低い日本で、定期接種を国家政策として生後1年間に27回も赤ちゃんに針を刺さなければならないという計画であるがために、同時接種の推奨や混合ワクチンの認可、そのための接種間隔の調整を行っていくことが、子供の免疫系統にいかなる影響を与えるか、真に人体にとって必要であるかについての説得的な説明がなされておりません。
これまで、同時接種で短期間に複数の乳児が死亡しましたが、因果関係不明として現在再開されております。基本理念は特に重要ですので、行き過ぎたワクチンギャップの考え方に反対する理由を以下に述べます。
1、日本では、ワクチン認可に必要な臨床での治験や既存のワクチンの長期的な効果に関する臨床研究がおくれている上、データ分析を外注しているために、データ改竄が起きやすいこと。その意味で、特例承認等で簡易な手続による外資系ワクチンの導入には慎重であるべきこと。
2、予防接種行政は、子供の健康のために行われるべきものであるところ、近年、特にワクチンの認可、公的接種化、副作用に係る被害認定について、ワクチンメーカーとの利益相反を疑わせる人材の登用や資料の採用が目立ち、科学的見解も含めて真に被接種者の利益代表の意見を聞く場がないこと。
3、もともと公衆衛生の観点からなされてきた接種が個人のQOLのためと性格を変えている中で、全てのワクチンがあるものを公的接種させることは、費用対効果論での数字の比較のみでははかり切れず、また、その試算の仕方にも疑問があること。
4、定期か任意かは、重要な国民負担につながる問題であり、個人の選択権こそ保障されるべき医療の根幹にかかわるものであり、ほかの医療とのバランスもとる必要があること。
以上を前提に、個別ワクチンを定期接種とすることについては、以下のように考えます。
1、本来、定期接種はワクチンとして国が積極的に接種を勧めているものですが、過去に勧奨を一時中止した日本脳炎ワクチンや現在も定期接種化2カ月余りで勧奨を中止している子宮頸がんワクチンは、定期接種として行うべきではありません。
2、高齢者用肺炎球菌、B型肝炎、今後導入が見込まれるロタワクチン、インフルエンザワクチンについて、定期接種とすることには疑問があります。
3、新規ワクチンの評価・導入についての利益相反事例が多く見られることから、審議会は、利益相反についてのより厳しい姿勢が求められます。
4、導入後は事後評価と迅速な行政対応こそが、薬害を防ぎ、国民の理解を深める唯一の方法です。特に子宮頸がんワクチンについては、この場をおかりして、定期接種の即刻中止を求めます。
以上です。
○岡部分科会長 どうもありがとうございました。
それでは、もう一名の方を御紹介します。前回も発言されておりますけれども、井島克也さん、どうぞよろしくお願いします。
○井島氏 B型肝炎訴訟原告団の井島と申します。この分科会や基本方針部会を傍聴してきまして、それなりに感じたことを被害者団体の立場から申し上げたいと思います。お願いいたします。
今回は、成人用肺炎球菌ワクチンについて申し上げます。
11月18日の基本方針部会で、感染症学会と呼吸器学会から優先対象者への意見書が出されました。また、行政現場の坂元委員からは、具体的な複数の問題点の指摘があり、クリアすべき項目が明らかになりました。
優先対象者が高齢者であること、5年以内の再接種では副反応が強く出る可能性があることから、素人の私どもとしては大変不安に感じております。例えば、ひとり暮らしの高齢者にまで情報が行き届いて、ワクチンの必要性や自分がいつ対象になるのか認識してもらえるのでしょうか。自分は元気だから注射なんて要らないという頑固なおじいさんもおれば、予防のために早く受けたいというおばあさんもいるでしょう。診療所など現場での混乱が予想されます。接種率をいかに上げていくのか、その体制づくりと末端までの情報提供は大変な作業になるかと思われます。
また、副反応被害を出さないための対策も必要です。既に任意で接種している高齢者が、いつ、どこで、何の注射を受けたのか把握しているでしょうか。その接種記録があるのでしょうか。違う医療機関で申し出た場合、どうなるのでしょうか。いろいろな場面が想定されます。
このワクチン接種は、親の判断で子供に受けさせる予防接種とは明らかに勝手が違います。高齢者だけに、副反応がきっかけとなって健康被害が大きくなることも考えられます。我々B型肝炎の被害の原因は、予防接種の際の接種方法や最新情報の認識とその徹底がなされなかったことが一因でした。今回はクリアすべき問題があらかじめわかっているのですから、慎重で確実な準備をした上で実施をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
ありがとうございました。
○岡部分科会長 お二方、どうもありがとうございました。
それでは、今の御意見も伺いながらそれぞれの議事に入りたいと思うのですけれども、時間としては割に余裕を持ってというかきちんとあります。今までも随分繰り返して議論が分科会のほうでは行われていたことですので、分科会に出られた先生方は、その辺の議論も御存じだと思うのですけれども、特にまだそちらのほうで話を聞いていない委員の方から先に御意見をいただければと思います。
一応、資料1の全体の部分と、それから、個別の部分としては、水痘と23価肺炎球菌と分けたいと思うのですけれども、全体的なところとしてはいかがでしょうか。どうぞ、庵原委員。
○庵原分科会長代理 庵原ですけれども、予防接種法だと病名が先に来ますよね。そうなると、もし水痘ワクチンを入れるならば、水痘を予防すると。そうすると、成人用の肺炎球菌ワクチンは、侵襲性肺炎球菌感染症とされるのか、成人肺炎球菌感染症とされるのか、これは病名をどうされる予定でこのワクチンを入れるという、そこの考え方はどうなっているでしょうか。その確認です。
○難波江課長補佐 水痘については、御指摘のとおり「水痘」という形になるかと思います。それから、肺炎球菌ですけれども、今、小児の場合は「肺炎球菌感染症(小児がかかるものに限る)」となっておりまして、これを踏まえてどうするかというのは、今後、法律の専門の職種の者とも討議して決めていきたいと思います。
もし、先生のほうで御意見がございましたら。
○庵原分科会長代理 いや、そこで「侵襲性肺炎球菌感染症」として「侵襲性」を入れるのか、そこを外して「肺炎球菌感染症(高齢者)」とかという形にするのかという、要するに「侵襲性」を入れるのか外すのかの話です。そこの点をちょっと詰めておいたほうがいいのではないかというのが私の意見です。
○岡部分科会長 ちょっと今、手元に資料がないのですけれども、添付文書にはどうなっていましたか。このワクチンの目的。
○大石委員 肺炎球菌感染症です。
○岡部分科会長 感染症ですよね。肺炎球菌感染症。だから、必ずしも侵襲性とは書いていないけれども、でも、小児や何かの場合は、例えば中耳炎は入っていなかったと思うけれども、全体としては「予防し得る」ということになっていたと思うのですね。
庵原先生、何か意見がありますか。
○庵原分科会長代理 いや、いいのです。要するに病名をというか何を予防するワクチンかということの、まず病名をはっきりさせておく必要があるだろうと思ったわけです。ただ、肺炎に関しては、前回も言いましたように、コントラバーシャルで、世界的には意見の一致をみていません。ただ、40%ぐらいの効果があるということは確かなので、ですから、そこまでも含めて考えるかどうか、そこだけの話です。
○岡部分科会長 そこの病名のところはちょっと、では、法文に関連してくるのだと思うので、法令の方とも、それからまた、小児の肺炎球菌ともある程度、整合性をとっておかなくてはいけないと思うのですが、よろしくお願いします。
それから、インフルエンザと一緒なってやることによって効果が高まるというか、単独ではなくてインフルエンザワクチンとの接種が重要だということを大石先生が随分前からおっしゃっていたと思うのですけれども、目的としては、使い方としてはそういうような形でよろしいですか。
○大石委員 そうですね、成人の肺炎球菌ワクチンに関しましては、B類になったということもあって、インフルエンザワクチンと同じ位置づけですので、接種期間が、インフルエンザワクチンは毎年ということですけれども、肺炎球菌ワクチンは5年以上間隔をあけるというだけで、時期的には同じ時期に接種できるということになると思います。
○岡部分科会長 さっきの事務局は、それでよろしいですか。はい。
各論のほうに入ってきたような感じがしたのですけれども、では、この成人用の肺炎球菌に関して、この資料からいうと、別添2なども参考にしていただいて、何か御意見がありましたら、どうぞよろしくお願いします。どうぞ、戸田委員。
○戸田委員 まず、私は部会に参加しておりませんので、ちょっとわからない部分があります。今、肺炎球菌の部分だけということですけれども、ちょっと総論的なことを申し上げたいと思います。
まず、10月導入というそのスケジュールについては、これはこれでありがたいと思ってございます。厚生労働省にいろいろ御尽力をいただいた、そのことに感謝申し上げたいと思います。
水痘について、A類の疾病ということで、交付税で9割措置ということでございます。これも非常にありがたい。しかしながら、成人用肺炎球菌についてはB類の疾病に位置づけられるということで、財政措置は低所得者のみに限られている。しかも3割の地方交付税措置であります。
現状で、例えば私のところの町をとりますと、水痘はやっておりません。肺炎球菌につきましては4,000円という助成額でやらせていただいておるのが実態でございますけれども、全国を見ますと、半分以上の自治体が多分やっておられないのではないか。そういった自治体が、今後これに助成に取り組まれるということになってくるのですけれども、そうなった場合、これはかなり負担増になると思います。この辺、何かもう少し措置ができないかなと思うところです。
自治体それぞれ、財政力のあるところとないところがあります。あるところはできるけれども、ないところはできないということになりかねません。命というのはそういう扱いで果たしていいのかという思いがありますし、そもそもA、Bの区分の問題についてもいかがかなという思いをするのは事実です。
それから、ワクチン導入時のキャッチアップ、経過措置の部分の際の負担が大きくなり過ぎるのではないかと懸念しております。この部分について何らかの支援の策を検討いただけたら自治体としてはありがたいと思います。もちろんそのキャッチアップの部分は、高齢者に係ります肺炎球菌の部分、こちらの部分により厚くしていただきたい、そんな思いです。
以上です。
○岡部分科会長 ありがとうございました。これは事務局のほうから御説明ありますか。宮本室長。
○宮本予防接種室長 少し関連するところを御紹介したいと思うのですけれども、参考資料5に「任意接種に係る公的負担の状況について」というものがございます。これは、予防接種法改正に伴いまして関連する状況を把握しようということで、少し古くなりますけれども、平成24年12月の状況を確認しております。5つありますうち、真ん中が成人用肺炎球菌ワクチンということで、御案内いただきましたように、この時点ですけれども、半分弱ぐらいの市町村で助成事業が行われているということでございました。そこでの助成額は、1回接種あたり3,000円から3,500円助成されている自治体が多かったということで、全体の費用が8,000円から9,000円ぐらいかなと思いますと、3割よりは少し多い形ではあるのですけれども、今回の予防接種法に位置づけます取り組みとして、それほど大きく乖離していないのかなというような印象を持っております。そうしますと、現状、半分の自治体がこういう形で行われている姿が、全国の自治体で行われる形になれば、それほど地方財政措置と大きな乖離はないのかなと思っておりますので、1つ、その点が参考になるかと思います。
それから、A類とB類の位置づけにつきましては、先ほどお話ししましたように、2つの性格の違いというものがありますので、そういうものを勘案して、また、この分科会の前身であります予防接種部会のほうでも一度検討いただいて、それに基づいて進めさせていただいているところでございます。将来の課題としては、もちろんいろいろあるかと思うのですけれども、今回の対応は、1つは、日本脳炎の経過措置が徐々に終了してまいりますので、そういったところでの財政上の調整ということもあり、そういう中で、全体としては、費用の総額が変わらない中で対応させていただいていますので、今の時点では一旦御理解をいただいて、また将来の課題とさせていただければと思います。
○岡部分科会長 ありがとうございました。
そのほかの御意見は。どうぞ、坂元先生。
○坂元委員 ただいま戸田委員から地方交付税措置についてお話がありましたが、この問題に関しては再三意見を言わせていただいておりますが、9割を地方交付税で見ているという言い方なのですけれども、もちろんこれは、対象となっている市町村によって違いはあるかと思うのですが、正確には、総務省の記載では、市町村が負担している9割を算定根拠として地方交付税を交付ということで、実際予防接種分が幾ら含まれているかということは市町村にはわからないということでございまして、特に大都市の中においては、多分ほとんど地方交付税には含まれていないのではないかと推測されるところであります。
このように、一概にまるで9割りを負担しているかのようにそういう書き方をされると、全ての市町村が、市町村が負担している予防接種の費用の9割を地方交付税で見てもらっていると誤解されるということがあることと、現実のように、地方交付税の中身は一切見えないということで、現実幾ら出ているかわからないということがあり、実際に市町村の中にとっては、それに対して非常に不満を持っているということで、この辺は改めて誤解のないようにしていただきたいという意見でございます。
それから、この3割負担に関しても、恐らく同様に3割を出すかのごとく見えますが、実際には算定根拠とすると言っているだけであって、では、我々自治体が総務省に算定根拠をお示しくださいと言っても算定根拠をお示しいただけないということは、現実に幾ら出されているかわからないということがありますので、その辺、改めて、やはり予防接種に関してはもうちょっと見える形での助成ということを地方自治体にお願いしたいということをこの場をおかりしてお願いしたいと思います。
以上でございます。
○岡部分科会長 ありがとうございます。これまでもすごくディスカッションがあったのですけれども、これは継続にして、基本方針部会でも今後の費用負担のあり方、それから、定期、任意というものがいいのかどうか、戸田委員からもありましたし、あるいは傍聴人の方からも発言がありましたけれども、今後の定期接種、任意接種、これまた別のところで議論を続けていかなくてはいけないと思います。当面、今回のものに関してはB類扱いにするというのは、これは以前からコンセンサスが得られており、前の部会のときから基本方針として決まっているので、一応これは了承いただきたいところだと思います。あとの負担の問題その他については、今回はこれで行きますけれども、その辺の仕組みそのものは継続してディスカッションしていく必要があるだろうというところだと思います。
大石先生、どうぞ。
○大石委員 参考資料1の定期接種の費用負担について確認させてください、戸田委員もちょっと触れられた低所得者分というところがありますけれども、これはどういう意味なのでしょうか。低所得者だけに限るというような意味合いで書かれているのですか。そして、その低所得者というのは、どういう基準になっているのでしょうか。
○岡部分科会長 これは事務局からでいいですか。定期接種全体が費用をフリーにすると言っているものではなくて、一応低所得者については費用を取らないというような法律になっているので、それに基づいていることだと思います。実際上は、先ほど坂元先生などもおっしゃっているように、自治体サービスであったり、国がその費用を負担するということでの書き方ではないかと思うのですけれども、正確には、法律的な意味合いもあるので、ちょっと事務局からお願いします。宮本室長。
○宮本予防接種室長 今、御案内いただいたとおりでありますけれども、低所得者の費用に関しては、そこは、予防接種法上、負担をしていくのが原則であるということになります。その割合が世代によって異なるわけでございますけれども、高齢者に、年齢が上がるにしたがいまして、低所得の方の割合が少しずつふえてまいります。その割合がおおよそ30%であるということで、今回のその措置については、3割が地方交付税の算定根拠に含まれている、このような整理になっているということでございます。
○岡部分科会長 よろしいでしょうか。
ほかには。どうぞ、澁谷委員。
○澁谷委員 別添1の水痘ワクチンの。
○岡部分科会長 水痘はちょっと待ってください。水痘はちょっと後に議論の時間をとっておきます。
○澁谷委員 はい。わかりました。
○岡部分科会長 肺炎球菌と全体ということではいかがでしょうか。どうぞ、庵原委員。
○庵原分科会長代理 肺炎球菌ワクチンのこの65歳とか70歳の定義なのですけれども、その年の4月1日時点での65歳を考えておられるのか、それとも、要するに例えば平成26年から始まりましたよというときには、平成26年4月1日時点での65歳を接種対象とするのか、それとも平成26年4月2日以降に65歳になった人を定期接種の対象にするのか。具体的に言いますと、平成26年度は、昭和23年度に生まれた方を対象と考えるのか昭和24年度に生まれた人を対象と考えているのかという、要するにそこの年齢の定義なのですけれども、どのように考えておられるのですか。
○岡部分科会長 これは事務局からお願いします。
○難波江課長補佐 先生が今おっしゃられた後者の学年のほうではなくて、その時点で65歳の方、あとは70歳の方という形になります。つまり平成26年10月から定期接種が始まって、その時点で65歳の方、その方が平成27年4月を超えてもまだ65歳であれば、その方は平成27年4月を超えてもまだ打てるという形になります。
○庵原分科会長代理 わかりました。行政からの話をちょっとしますと、大体1学年でやったほうが案内をしやすいというのが行政の立場らしいのです。 10月と言われると、行政は物すごく、半分しか回らないということで非常に苦労されると思うのですけれども、その点、いかがなのですか。
○難波江課長補佐 学年でやったほうがいい年代と、年齢でやったほうがいい年代とあるかと思います。麻疹などは、1期は年齢で、生まれて1歳のとき、ただ、2期となると、小学校に入る1年前の学年という形で、そのほうが整理がつきやすいということがあるかと思います。65歳、70歳の方を学年でやってしまうと、昭和二十何年に学校に入られた方となって、逆に複雑になるのではないかと考えまして、年齢で区切っております。
○岡部分科会長 定義を明確にすればするほど、外れた人もまた出てきてしまうというのがあるので、いずれにせよ、一線を画すための定義はきちんとつけておかなくてはいけないだろうということだと思います。
それから、分科会のほうでは、この対象年齢が65歳なのか、65歳以上なのかというようなことも、スタートの時点で随分ディスカッションがありました。これは、経過措置を置くことによって、当面は65歳が対象であるけれども、この経過措置として平成30年度までは70歳、75歳、80歳と5歳刻みのところをピンポイントで入れていって、全体的に5年たつとずっと多くの人が、受けてくだされば免疫を保有することになると思います。ただ、B類ですから、希望された方が中心になるということになります。
それで、このときに1つ出てくるのは、ここに「85歳、90歳…」となっていますが、そうだとすると、95歳、100歳、105歳という先が限りなくなってくるのですけれども、この「90歳…」をどうするかについては、さっき事務局とのディスカッションの中で出てきたので、この辺は事務局と私のほうで調整させていただければと思います。ポピュレーションの人数としてはそんなに多い年齢ではないので、同じに扱うかどうかについては、ちょっと議論させていただきたいと思います。
それから、この別添2の資料の経過措置のその他の下の丸のほうですけれども、これは、平成31年度以降になると、経過措置の接種状況、つまり73歳の人がそのときやらなくて、後になってどうするかというようなことも出てきます。一応これは、もともとのところにありましたように、65歳以上を全部対象にしてしまうと、ワクチンの供給であるとか、準備であるとか、周知であるとか、そういうような事柄から、ここはなかなか難しいところなので、経過措置でこの5歳刻みというものをつくったのです。けれども、これが解消されたときに、やはり65歳だけを対象にするのか、もうちょっと全体に幅をとって対象にするかというのは、ちょっと今はペンディングにしておいて、これは審議としては改めて検討するというような形にしておきたいという1つの提案が出てきています。これについてちょっと御意見をいただければと思います。どうぞ、坂元委員。
○坂元委員 まず1点が、この別添2のところの平成31年度以降に見直すというところですけれども、例えば5年の経過措置を終わった段階で、平成31年に一般の市民にどのように告知するのか、今の段階で、平成31年になったらどうなるかわかりませんよというのか、それを自治体としてどうやってアナウンスするかによって、その受けられる市民の方のこの接種を受けるインセンティブが違ってくると思うのです。恐らく平成31年になったら65歳以上は全部打てますとか、もう平成31年になったら毎年65歳だけですよとなるのか、ちょっとそこの、この文章のアナウンスをどの段階でするのかというところが、やはり受けられる市民の方にとってちょっと気にかかるところではないかと思いますので、その辺のタイミングとか時期を検討していただきたいと思います。
○岡部分科会長 これは今、何か答えがありますか、それとも検討事項として。
○難波江課長補佐 今こちらでお示ししているのは、政令で規定するのは、基本は65歳のみで、経過措置として65歳以上の方を5年間で打っていただくという形になります。今の時点では65歳のみが対象という形で政令は規定することを考えております。ただ、下に書いているような接種状況とか、あとは、また先生方の御意見もいただければと思うのですけれども、接種記録の保管状況、こういったものも踏まえて改めて検討するという注意書きというか附則をこの資料の中に書いているものでございます。
○岡部分科会長 どうぞ。
○澁谷委員 今おっしゃっていたのですが、私は、この記録の保管というのは大変難しいかなと。特に高齢者の部分のものは大変難しいと思うのですね。それで、恐らく5年後に再検討します、これが課題ですというふうに今、上げられているのですが、事務局が御説明になったように、基本的にはもう「65歳が対象」という考え方だけではないかと。あくまでもこの5歳刻みに同時に経過措置をするというのは、これは経過措置であって、65歳の者が対象という考え方のほうが将来的にはすっきりするのではないかと考えています。
○岡部分科会長 どうぞ。最後ぐらいに、坂元委員、どうぞ。
○坂元委員 ちなみに、例えばほとんどの地方自治体がやられていると思うのですけれども、特定健診という制度があって、65歳以上の方に健診票をお送りして健診を促すと、大体どのぐらいの方が紛失するかというと、川崎市においては高齢者の方は一から二割の方がなくしてしまうのですね。実際にその程度のことが起こるということで、かなり、いわゆる65歳以上としてしまった場合には、どうやって1回受けた人の記録を保持するかということが非常に大変になるのではないかと思います。例えば受けた人の問診票を行政で集積して、それをコンピューターにインプットしてデータベースをつくった場合は、非常に多くの高齢者からの問い合わせ業務をやらなければならないことになります。実際に健診でも、健診票をなくした問い合わせというのが役所のほうに毎日かなり多く来ている状況の中で、これだけの規模のものをやった場合、現在の行政機能としては、例えば新たにコールセンターとか、そういうものを立ち上げないと実際に対応はできないということなので、かなり難しいかなとは考えております。
○岡部分科会長 ありがとうございました。B類というようなこともあるので、コールセンターまでやるかどうかはちょっと不明ですけれども、ただ、前回の分科会、部会のところでも、高齢者に対してやはり予防接種記録がないというのは、全くないというのは、接種する側あるいは受ける側にとっても、きちんとした記録があったほうがいいのではないかという意見が強かったと思います。実際、導入は10月なのですけれども、ただ、そこで自治体にかなり負担がかかる可能性があるので、実際にできるかどうか。できれば、この委員会としては、高齢者の方にも、少なくとも自分の責任でも、予防接種手帳ではないのですけれども、予防接種記録は持っていていただきたい。なくなるということは前提としながらもですね。そういうようなことを委員会としてはお願いしたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。実現には幾つかのハードルがあるというのは承知した上で、ですけれども、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○岡部分科会長 ありがとうございます。
後でまた23価のことは、何か意見があれば伺うことにして、ちょっと時間もあるので、水痘ワクチンのほうに議題を移したいと思うのですけれども、これについてはいかがでしょうか。資料としては、別添1が主な対象になると思います。どうぞ、澁谷委員。
○澁谷委員 先ほど言いかけた別添1のところの経過措置のところが「平成26年度限りとする」と書かれています。それで、その下に、その他のところで、「既に接種した回数分の接種を受けたものとみなす」ということがあるのですが、これがもし平成26年10月からスタートだとすると、半年間しかないということになりますが、既に接種した回数というのを恐らく1回と考えれば、その非常に限られた期間しか経過措置がないということになってしまうのですが、その辺は事務局のほうは、このぐらい短くてもいいとお考えなのかどうかということをお伺いしたいです。
○岡部分科会長 どうぞ、事務局からお願いします。
○難波江課長補佐 経過措置は3歳、4歳の方を対象にするのですけれども、思いとしては、できるだけ早く打っていただきたいと。3歳、4歳になられてすぐというのが1つと、全体の予算の中で、平成26年度に打っていただく形ということで、キャッチアップの方はこちらで打っていただいて、平成27年度以降は1歳、2歳の方の2回目に充てていくという形で初年度は半年という形でキャッチアップを組んでおります。
○岡部分科会長 期間的には確かに短いのですけれども、できるだけそこは、助走期間があるので、この期間に接種してくださいということのアナウンスをやっていく必要があるのではないかと思うのですね。
どうぞ、庵原委員。
○庵原分科会長代理 これ、10月からと言われますと、一般の医療機関はインフルエンザワクチンを接種しているところで、ここにこれが入ってくると、多分予約が入らないのではないかと思います。そうすると、実質的に水痘ワクチンに割ける期間は、1月、2月、3月しかないと。そうすると今度は、そこで子供たちはインフルエンザにかかっているよという話になって、ますます打てないということになるので、ここをもうちょっと何かゆとりを持たせていただけるということは不可能ですか。意見です。
○難波江課長補佐 いろいろと事務局の中でも検討させていただいたのですけれども、今はこういう形でぜひキャッチアップをできればと。もちろん定期接種という形にして、キャッチアップなしという選択肢もございましたけれども、基本方針部会の御意見を踏まえて、1番は、1回打っていただくことで、ほぼ100%重症化を防げるということでございますので、多くのお子さんが、既に1歳、2歳、3歳になるまでにかかっていると。かからなかった方が、そのまま仮にこの1歳、2歳に定期接種を導入した際に、流行が抑えられて、免疫を持たないまま大人になられた場合に、重症化するおそれもあるということで、何とか3歳、4歳にキャッチアップを1回でも打てないかということで、いろいろな関係者と調整してこういう形になったというものでございます。
○岡部分科会長 どうぞ、庵原委員。
○庵原分科会長代理 これは7月からとか二、三カ月前倒しができないかというのがお願いです。
○岡部分科会長 これは、自治体のほうからは、むしろ10月のほうがいいという意見が強く出て、そこら辺の調整の結果ではないかと思います。ただ、早いほうがいいというのも当然意見としてはあったのではないかと思いました。
どうぞ、蒲生委員。
○蒲生委員 私は庵原先生と同じ意見で、3歳、4歳ですとインフルエンザは2回打たなければならないので、ちょっと10月から3月までの間だと、どうしてもインフルエンザが優先されるので、水痘にたどり着かないのではないかということを非常に心配しているのと、あと、罹患した方は、はっきり罹患したとわかっていればいいのですけれども、意外と、かかったような、かからないようなという方も結構いらっしゃって、そういう方たちはどっちに入るのか。きちんと診断ができなかった場合は打つのか、打たないのか、その辺はどのような。ぜひ、何とか経過措置はせめて1年ぐらい欲しいかなと思いますが。
○岡部分科会長 前半のほうはともかく、後半のほうは、水疱瘡の診断って、今のところはほとんど間違いないと思っていいのですけれども、どっちかわからないというような場合には、免疫のある人が接種を受けても問題はないので、一々抗体検査をしながら、やったかやらないか、そこまでは求める必要ないと思います。いろいろな発疹性疾患の中では、水痘は今のところ一番確かにわかりやすくなっていると言っていいと思います。
ほかに。桃井委員、続いて三田村委員、お願いします。
○桃井委員 実施の技術的な議論が大分続いているようですが、もとに戻るようで大変恐縮なのですけれども、この水痘ワクチンを2つの国がハイリスクだけに打っていると。定期接種をして、2回接種をすると費用対効果が1であるというデータが示されていて、そうなりますと、一般の感染症の疾患をなくするということはもちろんA群にする最大の目的なのですけれども、このハイリスク児は、かかると死亡率が極めて高いので、ハイリスク児の死亡をなくすると。年間20例ぐらいですか、なくするということは非常にその次に大きなことだろうと思うのです。
多分基本方針部会で十分議論されたのだと思いますが、ハイリスク児だけに接種をした場合、あるいは1回接種をした場合、そして2回接種をした場合のこの死亡数の減少の推定については、議論がどのようにされたのでしょうか。
○岡部分科会長 1回接種、2回接種によって水痘そのものの予防がきちんとできるというのは、これはデータをもってやったと思うのですけれども、それの結果としての死亡数が実際に減少したかどうかというのは、ちょっと記憶がないのですけれども、何か資料がありましたか。では、補佐、どうぞ。
○難波江課長補佐 参考資料2の6ページ目のスライドに水痘ワクチンの有効性がございますが、桃井委員の御質問への直接的な回答ではないのですけれども、6ページ目の一番最初の丸に、「1回接種することで、水痘の罹患を80~85%程度、重症化をほぼ100%防ぐことができるとされている」ということで、死亡という形ではないですが、重症化はほぼ100%防げるのではないかと考えております。
○岡部分科会長 それと分科会のほうでもう一つ議論があったのは、直接的に受けた人が利益を得るだけではなくて、受けることができなかったハイリスクの人たちが、入院なんかをしたとき、院内感染対策として非常に医療機関としては負担がなくなるので、できるだけ水痘を減少していくということも目的の一つの中にはディスカッションとして行われていました。
よろしいですか。では、三田村委員、お願いします。
○三田村委員 確認なのですが、経過措置のところで、「1回注射する」ということなのですが、そうすると、1回やっている方は、もうやらないということですか。
○難波江課長補佐 はい、そうです。
○岡部分科会長 1回接種した人は、1回受けたということがもう既にでき上がっているので、2回目をやるということではなかったのでしたか。
○難波江課長補佐 済みません、もう少し丁寧に御説明いたしますと、1歳、2歳の方については2回目を打っていただく、3歳、4歳の方については、もう打たれているという整理で、対象にはならないということです。
○岡部分科会長 経過措置の場合ということでしょう。
○三田村委員 経過措置で、以前に1回やった方は、もう2回目の注射は、この場合、対象にならないのですね。
○難波江課長補佐 3歳、4歳の方ということですね。はい、そういうことです。
○岡部分科会長 ちょっと確認させてください。3歳、4歳、まあ4歳の人がいて、その人は1歳のときに水疱瘡のワクチンの接種を1回はやっているのだけれども、2回接種はやられていない。その場合は、その4歳の人は経過措置の対象にはなるのですか、ならないなのですか。
○難波江課長補佐 ならないです。
○岡部分科会長 ならないという考え方だそうです。
○三田村委員 供給についてですが、現在接種率が低いワクチンですので、急激に半年間でこの対象の方が出るということで、かなり多くのワクチンが必要になると思うのですけれども、大体どのぐらいの数を見込んでいて、その供給については問題ないのかどうかお伺いしたいと思います。
○難波江課長補佐 メーカーと密にやらせていただいて、このぐらいの供給見込みで安定供給していただくよう、計画的に製造いただいて、供給いただくことを予定しております。
○岡部分科会長 そこは供給と、今、僕が確認したところもそうなのですけれども、広げると広げるだけ、今度は供給のアンバランスの問題が出てくるということの最終的な調整部分のようなのですけれども。
ほかに質問、御意見がありましたらどうぞ。どうぞ、池田委員。
○池田委員 ちょっと戻って恐縮なのですが、先ほどの成人用の肺炎球菌ワクチンの接種対象者経過措置の件ですが。
○岡部分科会長 ちょっと待ってください。水痘に関して今のところは御意見はよろしいですか。では、もうちょっと時間があるので、水痘について御意見があったら、また後で言っていただくということで、どうぞ池田委員、23価のほうへ戻りましょう。
○池田委員 済みません、別添2の5ページの経過措置のところで、5歳刻みでということでありますが、これは恐らく財源の問題もあり、5歳刻みで経過措置ということであるかと思いますが、90歳ないしは95歳あるいは100歳以上の者全員を初年度定期接種の対象とすることに仮にした場合に、恐らく財政的な影響はそんなに大きなものではないと思いますが、これは、そういう形ではなく、90歳から上も全て5歳刻みということにしたほうがよいという何か根拠というか理由などはあるのでしょうか。
○岡部分科会長 それでは、事務局から。
○難波江課長補佐 最終的なこの90歳以上の方、どういうスケジュールがいいのかというのは、また関係者、それから分科会長とも御相談させていただきながら決められればと思っております。
○岡部分科会長 上の年齢を余り小刻みにやらないほうがいいと思うのですけれどもね。超高齢者に対して。
○池田委員 そう思います。つまり、今の案ですと90、95、100、105歳というスタイルになっておりますが、高齢者の方で、できるだけ早い機会で打っていただく、そして財源的な影響を考えると、初年度に一定の年齢以上の方は全て対象にするということも考え方としてはあるかと思います。ただ、例えばこれを平成26年度から30年度まで同様にしてしまいますと、同じ方が2回受けたりとかという間違いも起きるので、そのあたりの問題もあるので、そこはどのような形がいいかということを御検討いただければと思います。
○岡部分科会長 ありがとうございました。
どうぞ、三田村先生。
○三田村委員 肺炎球菌ワクチンのことですが、高齢者のワクチンも導入されるいうことで非常に評価されると思います。ただ、高齢者ですと、インフルエンザワクチンもそうですけれども、やはり副反応かどうかということが問題になると思います。これから検討すると書いてありますが、どういうふうに高齢者に対するワクチンを、その効果と副作用について評価するかということを慎重に決めていただきたいと思います。
○岡部分科会長 済みません、慎重に決めるというのは、何か。
○三田村委員 副作用のことは、これから、どういうものを取り上げるかというのは副作用部会で決めていくと書いてありましたので、高齢者ということですので、その点、ぜひ検討を十分していただきたいと思いますし、その副作用がきちんと評価されるような形をとっていただきたいと思っております。
あともう一つ、質問なのですけれども、今、インフルエンザワクチンと同じように、基本的には御自身の同意の得られた方を対象にということになりますでしょうか。
○岡部分科会長 では、事務局でお願いします。
○難波江課長補佐 そうですね、あらゆるワクチンが、最終的には御自身が、または保護者の御同意をいただく形になりますが、B類という形になりますので、接種の努力義務とかはかからない、また、行政による接種勧奨の対象とはならないワクチンとなりますので、より御本人の御判断によって打たれるワクチンという形になります。
○岡部分科会長 どうぞ、大石委員。
○大石委員 先ほど庵原委員の小児のインフルエンザワクチンと水痘のワクチン接種のことに関連しまして、高齢者にしてみても、やはりインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンは、一番肺炎が起こりやすい冬季に向けて事前に打つわけです。従って、高齢者に対するインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの接種は、10月、11月に接種時期が集中するのだろうと思うのですね。特に肺炎球菌もインフルエンザワクチンも、抗体価の推移とともにその予防効果があるわけです。肺炎球菌ワクチンはその効果が5年あるといっても、やはり初年度の効果が一番高いので、両ワクチンを同じ時期に接種するというのが理論的だと思うのです。
そういった状況から、医療機関等では、同時に接種するということもかなり出てくると思っております。昨今、同時接種に問題が無いことは明らかになっているところではありますが、事務局のほうは、どのように考えておられますでしょうか。
○岡部分科会長 これは、では、事務局からでしょうか。
○難波江課長補佐 そうですね、同時接種については、これまでも、医師が特に必要と認める場合は実施していただくことは差し支えないという形になっておりますので、これも同じような扱いになります。
○岡部分科会長 現実には、今、インフルエンザのシーズンあたりに肺炎球菌ワクチンの手帳といいますか通知も来て、どうぞやってくださいという中で、一緒に接種する医療機関も多いのではないかと思うのですけれども、その辺は、高齢者のことをやっていらっしゃる大石先生。
○大石委員 十分な準備をして、今年10月、11月、12月ぐらいに集中して接種することになるのかなと想定しております。
○岡部分科会長 そういうことも可能であるということをきちんと言っておくことという意味でよろしいですか。
○大石委員 はい。
○岡部分科会長 どうぞ、桃井委員。
○桃井委員 議論の中で出た御意見に対して、私も基本方針部会からの適切なお返事を教えていただきたいのですが、例えば肺炎に対する効果はコントラバーシャルであるという御意見が出て、それに対してはどのような共通見解なのかということとか、それから、5年以内接種の副反応に関するのは、どのような基本方針部会の共通結論だったのかということについて、ぜひ教えていただきたいことと、それから、参考資料3の13ページですが、この費用対効果ですけれども、この効果というのは、ワクチン型の肺炎球菌性、その感染症の効果というのは、何をアウトカムとして出した効果なのか。細かいことで恐縮ですが、5,000億円などという数字が出ておりますけれども、これは何のアウトカムの効果なのか教えていただければと思います。
○岡部分科会長 事務局のほうで用意されていますか。では、難波江補佐、どうぞ。
○難波江課長補佐 これは基本方針部会の前の前の予防接種部会のときから、ファクトシートがあり、作業班があり、ワクチン評価の小委員会があり、それで、最終的に予防接種部会で「広く接種を促進することが望ましい」という提言をいただいたものですが、そのときのファクトシートなどの有効性のエンドポイントとしては、市中肺炎での入院であるとか、あと日本のもので、死亡の減少というものも見ていたかと思います。このあたりは、大石先生が一番お詳しいかと思いますので。
○岡部分科会長 では、大石委員。
○大石委員 成人用肺炎球菌ワクチンは、高齢者、特に免疫不全のない方々において、侵襲性感染症、いわゆる菌血症とか髄膜炎とか、そういった無菌的な検体から菌が検出されるような感染症に対して予防効果がある、これが基本的なエビデンスなのです。一方、成人用肺炎球菌ワクチンが市中肺炎の死亡を低下させるとか、あるいは、我が国で市中の肺炎を減少させているという所見、そして、高齢者施設利用者においても、やはり同様のランダマイズド・コントロールド・トライアルにおいて、同様に肺炎球菌性肺炎を減少させ、また死亡も減少させているというエビデンスがあって、そういったデータを基本に、肺炎に対する予防が肺炎医療費を削減すると結論されています。
○岡部分科会長 分科会のほうでは、海外で確かに肺炎球菌ワクチンの直接的な効果が低いというような議論も出てきたわけですが、国内データとして、今、大石先生がおっしゃったようなことであったり、費用対効果にしても、それもインフルエンザワクチンと一緒にやって入院の費用が減るとか、そういうようなことだったと思いますけれども、そういうようなことで、1回接種の導入としては定期でもいいのではないか。ただ、2回までを定期接種というような形でやるところまでは議論は至っていなかったと思うのですけれども。よろしいでしょうか。そんなような議論がありました。
ほかに1つ、2つ。では、どうぞ、大橋委員、お願いします。
○大橋委員 素人でわからないのですけれども、インフルエンザワクチンと一緒に例えば水痘と成人用肺炎球菌ワクチンをやると効果が上がると理解して。
○岡部分科会長 私の言い方が間違ったようです。インフルエンザワクチンと23価の高齢者用の肺炎球菌ワクチンを同じシーズンに接種しておくと、肺炎球菌ワクチンは、1回だけですけれども、それでしばらくインフルエンザの罹患とそれに伴う肺炎が減少するというデータが出されているということです。そのデータのもとは大石先生のところなので、何か補足がありましたらお願いします。
○大石委員 肺炎球菌というのは、子供も大人にも主に肺炎を起こします。しかし、健康な人がいきなり肺炎を起こすわけではなくて、やはりその引き金になるのが風邪ウイルスであったり、インフルエンザであったりするわけです。インフルエンザをこじらして肺炎球菌による肺炎を起こすということが、高齢者医療の中ではよく見られます。
そういったことから、これまで多くの肺炎球菌ワクチンに関する臨床研究は、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用効果が評価されています。このような研究において、インフルエンザワクチンだけを打ったグループとインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを併用したグループと比較すると、やはり併用したグループでは肺炎が減少していますよというデータを我々や他のグループが報告しているということです。
○大橋委員 わかりました。
○岡部分科会長 この2ワクチンの議論の時間はそろそろなのですけれども、どなたか1つだけ、もしあれば。大体議論としてはよろしいでしょうか。
幾つか微妙な点のところでの調整が少しあるようですけれども、その辺はちょっと私が事務局と相談させていただくということにさせていただいて、基本的には、この水痘、成人用肺炎球菌23価のワクチンについては、平成26年度中、10月から導入というような形で動いていただくというようなこと、それから、それには自治体のいろいろな負担、あるいは先ほどの記録や何かのこともあって、自治体のところでも検討していただかなくてはいけないのですけれども、やはり高齢者の肺炎による死亡というようなことの減少、それから、小児にとっては水痘という、これはポピュラーな病気と知られていますけれども、以外に重症になるというようなこと、それから、先ほどもちょっと申し上げましたように、院内感染としての対策が非常に重要になってきたり、あるいは接種できないハイリスクの人たちも一緒に周りでカバーしようというようなことから、この2つのワクチンは定期接種。ただし、水痘はA類、肺炎球菌はB類、これは従来から議論されていたことということで、予防接種部会のころから宿題になり、また、国会で審議されたときの附帯事項で出ていた残りのワクチンといいますか、残りというとちょっと印象が悪いのですけれども、おたふく風邪、B型肝炎、それからロタも、ファクトシートが最終的に整ってということでもありますけれども、これについては、審議未了でおしまいということではなくて、平成26年度以降も、若干技術的な課題というようなことも出ていますので、そういうようなことを整理して議論を続けていくというような形でというようなことをきょうのまとめにしておきたいと思うのですけれども、そういうようなことでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○岡部分科会長 では、ありがとうございました。
審議1のほうは一応以上ということにしたいと思うのですけれども、これで報告事項に入っていくのですが、これで大体、今後の定期接種ワクチンというようなこともある程度見通しがついてきているところもあるのですが、さらに議論を続けるという部分も残ります。
報告事項に入る前に、事務局からコメントということがありましたけれども、ここでよろしいですか。
○正林結核感染症課長 議題(1)について御審議ありがとうございました。かねてから4ワクチンについて、ロタも含めてですけれども、基本方針部会でずっと御議論いただいてきて、時々この分科会にも御報告させていただいてきたところです。技術的な検討を中心にかなり熱心に御検討いただきましたので、お金の問題も、いろいろ関係者と協議させていただきましたが、今回、一応水痘と成人用肺炎球菌については、交付税措置をしていただけることになりました。先ほどお示ししましたけれども、きょうこの場でかなり詰めていただきましたので、今後は、先ほどお示ししたスケジュールにのっとって、政令の改正とか、パブリックコメントとか、あるいは自治体での準備とか、いろいろまた精力的に進めていきたいと思っております。どうもありがとうございました。
○岡部分科会長 ありがとうございました。
この委員会の中では、小森先生もよくおっしゃっているように、この委員会ではお金ありきではなくて、必要性があるかどうかということでまず議論をしようというようなことだったのですけれども、全てパーフェクトにはいかない中でも、しかし、この2つについて、導入のほうに向かうということは、私は事務局のほうの大変な努力に対してお礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、報告事項に行きたいと思うのですけれども、報告事項は、資料2、副反応検討部会になります。これは桃井先生が部会長なので、もし何か後で追加事項がありましたらということで、最初、宮本室長からお願いします。
○宮本予防接種室長 資料2を御用意いただきたいと思います。
副反応検討部会でございますけれども、前回の分科会の後に非公開で、HPVワクチンの症例検討を行うという開催を1回行いました。また、2枚目にございますように、12月25日に副反応検討部会、これは、薬食審との合同開催でございますけれども、やはり非公開での症例の検討と、それから、7名の参考人によります発表をもとに審議を行い、2回の開催を合わせまして7時間ほどの時間を子宮頸がん予防ワクチン、HPVワクチンの検討に費やしております。
12月25日の副反応検討部会の概要を簡単にその中に示しておりますけれども、まず1つ目としましては、平成25年9月末までに報告されたHPVワクチン接種後に広範な疼痛または運動障害を来した症例は130例ほどあったということで、これをそれまでの接種回数で割りますと、10万接種当たり1.5件であったということでございます。
そのほかに、これは、通常ですと医療機関または製造販売業者を通じた報告について検討を行うわけですが、並行して徴収しております保護者を通じた報告、それから被害者連絡会からの報告、文部科学省が実施しました報告をできるだけ重なりをとるような形で整理いたしまして、そのほかの報告件数もあったということでまとめております。
それから、状況でございますけれども、2番目としまして、報告された症例のワクチンとの時間的な関係性を見てまいりますと、接種直後に発症している方から、接種後1年以上経て発症しているような方までいらっしゃるということで、極めて多彩であったということがございました。
3番目としまして、急性の疼痛の原因と、それが長期に続く、慢性化していく要因は分けて考えていくことが適切ではないかというようなことでございました。
4番目としまして、海外の状況でございますけれども、海外においても同様な症例の報告はあるということですが、発症時期・症状・経過等に統一性がなく、単一の疾患が起きているとは言えず、ワクチンの安全性への懸念としては海外当局では捉えられていないということでございました。
5番目としましては、慢性疼痛及び多彩な運動障害については、脳の障害によるものではないと考えられるということでございました。
それから、治療の状況についての報告もございまして、こういうものを踏まえますと、一部の症例では、治療による改善が見られるということで、12月25日までの議論を踏まえた論点整理をもとに、積極的な接種勧奨の再開の是非について、引き続き検討を行うということでまとめております。
今後の開催の予定でございますけれども、1月20日に次回の副反応検討部会、これは薬食審との合同開催でございますけれども、開催する予定を立ててございまして、ここに示しておりますように、引き続き検討してまいりたいということで予定しております。
以上です。
○岡部分科会長 ありがとうございました。
桃井先生、何か追加がありましたら。
○桃井委員 特に今、御報告のあったとおりですけれども、問題となった症例の主たる症状が、慢性疼痛を中心とする医学的にも評価が複雑で困難な状況がございましたので、解析に時間がかかっております。医学的に現時点で評価できる限りの妥当な評価を下すことが部会の使命であると考えておりますので、当初、半年ぐらいはかかるであろうと予想いたしましたが、時期を決めたわけではなくて、とにかく医学的に妥当な評価を下し、国民に医学的な適切な情報を提供できる状況をつくることを目的に、さらに審議を続けていきたいと思っておりますが、事務局の御尽力によって、大変な数のカルテも拝見できましたし、海外の情報も収集できましたので、大分解析、議論は進んできたと理解しております。
○岡部分科会長 どうもありがとうございました。
これが副反応検討部会の概要報告になりますけれども、御意見、御質問がありましたらどうぞおっしゃってください。坂元委員、どうぞ。
○坂元委員 国内においては「10万回接種あたり1.5件」という表現で、それから、4番目の「海外においても同様の症例の報告はあるものの」という表現があります、これは端的に言って、日本のものと比較できるようなものがないのか、つまり何万回接種当たりにどれぐらい出ているかというデータが出せないのかということです。以前、ポリオの生ワクチンから不活化に切りかえるときには、海外における不活化ワクチンの副作用が大体どれぐらいという数は示されたかと思いますが、ちょっとこの表現がどのように捉えたらいいのかというのを、もしおわかりになる範囲で御説明いただいたらと思います。
○桃井委員 4に書いてございますように、同じパターンの病像を呈するものの報告は海外においてもございますが、頻度の比較に関しては、海外では、その後に書いてございますように、その疾患のパターン、症状等々に関して、単一の疾患が起きているとは考えていないと。したがって、重篤な副反応とはみなしていないということから、数に関する情報収集はしていないと考えていただければと思います。
○岡部分科会長 どうぞ、続けて。
○坂元委員 そうすると、今、早々に結論は出せないのかもしれませんけれども、ひょっとすると、人種差があるという考えもあるのでしょうか。
○桃井委員 現時点では、詳細には御報告できませんが、少なくとも、今までの解析ではそのようには理解しておりません。人種差のある何らかの単一の疾患が日本にだけ起きているとは考えておりません。
○岡部分科会長 それは、たしかほかのアジア諸国の状況も見てということだったと思います。
ほかに御質問、御意見がありましたら、どうぞお願いします。特によろしいでしょうか。
これは、前のときにほかのワクチンについては、もう報告をしてあったのですね。HPV以外のものは、この前の回のときに報告をいただいていたので、それはきょうは出ていないということで、ほかのワクチンについては、特段の問題がないので、プログラムとしてはそのまま継続するという結論が出ていました。
それでは、今の副反応検討部会は、今度、1月20日に開催されるということですので、またその報告は、ここの会でも報告をするということになります。
それでは、その次の報告事項に行きたいと思うのですけれども、これは予算関係のことになります。事務局から御報告をお願いします。
○嶋田課長補佐 それでは、資料3と参考資料6を御用意お願いいたします。
平成26年度予防接種対策の予算案につきましては、約14億3,900万円、前年度比約7,700万円の減となっております。減額の主な要因といたしましては、予算額の約80%を占めている義務的な経費である健康被害救済給付金のうち、新型インフルエンザ予防接種健康被害給付金は、現在、新型インフルエンザ予防接種は行っておりませんので、新たな申請が減ってきております。その関係もございまして、数の見直しを行っております。また、予防接種健康被害者への保健福祉相談事業、PMDAの交付金である予防接種副反応報告整理・調査事業、予防接種センター機能の強化等の政策的な経費について約2億5,300万円、前年度より約2,400万円の増額となっております。したがいまして、予算総額といたしましては減額ではございますが、政策的な経費の増額を確保することができ、今後の予防接種対策の推進に向けて一定の所有額の確保が図られたものと考えております。
個別の政策を見ておきますと、まず1つ目といたしまして、予防接種法に基づく予防接種健康被害者への医療費、医療手当等の救済給付金として約11億円、新型インフルエンザ予防接種の健康被害給付費といたしまして約7,700万円、ポリオ2次感染者への健康被害給付費といたしまして約900万円など、約11億8,500万円を計上しております。
2番目といたしまして、公益財団法人予防接種リサーチセンターが行っている予防接種健康被害者への保健福祉相談や訪問指導等の補助金といたしまして約3,800万円を計上しております。
3番目といたしまして、平成25年の予防接種法改正による副反応報告制度を行うため、PMDAの交付金である予防接種副反応報告整理・調査事業として約6,000万円、副反応報告を自治体やPMDAへ送る予防接種報告システム関係経費として約500万円、予防接種副反応・健康状況調査といたしまして約2,500万円など、計9,000万円を計上しております。
4番目といたしまして、自治体の予防接種従事者を対象に、全国7ブロックで行っている研修事業について3,000万円を計上しております。
5番目といたしまして、予防接種要注意者への接種、予防接種に関する相談体制の充実や医療従事者に対する安全技能の研修の実施のため、都道府県で設置している予防接種センター機能への補助金として約3,700万円を計上しております。
6番目といたしまして、接種率の向上や制度改正に伴う周知等、予防接種に関する普及啓発費として約300万円を計上しております。
なお、平成26年度は、平成25年6月に取りまとめられました集団予防接種等によるB型肝炎拡大の再発防止について等を踏まえまして、予防接種に関する包括的なテキストの作成を予定しております。
7番目といたしまして、ワクチン等の関係でございますが、国内で発生が危惧される感染症、近い将来克服されると考えられるが、再興の見られるような感染症や国内での発生は少ないものの、国外から持ち込まれる感染症など、国民の健康に大きな影響を与える感染症に対し、厚生科学研究費として、医薬品の開発の関係でございますが17億8,000万円。これは内数でございます。また、予防接種の政策を推進するための研究費として約2億6,000万円。こちらについても内数を計上させていただいております。
8番目のその他でございますが、厚生科学審議会及び疾病・障害審査経費、予防接種に関する調査や報告、各検討会等の予防接種対策費、予防接種事故調査費及び感染症流行予測調査といたしまして、総額8,300万円を計上しております。
予算ではございませんが、2ワクチンについての定期接種化にする地方財政措置がなされております。
事務局からは以上でございます。
○岡部分科会長 ありがとうございました。
以上が予防接種関係の予算であるということの御報告なのですけれども、これについては何か御質問等々ありましたらお願いします。どうぞ、坂元委員。
○坂元委員 予防接種の副作用に関しては、国から市町村に非常に速やかに全ての予防接種の副作用を報告していただいていることは非常に感謝申し上げたいと思います。予算がちょっと少なくなっているようですが、その辺は、引き続きしっかりお願いいたしたいと思います。
以上でございます。
○岡部分科会長 ありがとうございました。当初のころ、そこを危惧したところですね。たしか自治体を通さないで国に直接行くので自治体のほうへの連絡が遅くなるのではないかという議論があったと思いますけれども、そうすると、そこは今のところはうまくいっているようですか。
○坂元委員 物すごく速やかです。
○岡部分科会長 そうですか。ありがとうございます。
ほかに何か御質問、御意見ありましたらどうぞ。よろしいでしょうか。
それでは、これはこういうような予算でいくということで、引き続き、大変だろうと思いますけれども、さらにうまくいくように、いろいろな面で御努力をしていただきたいと思います。
それでは、予算が終わりますと、もう一つの報告事項としては、参考資料5になりますけれども、任意接種にかかわる公費負担の状況。先ほどの幾つかの御質問の中に含まれることだと思うのですけれども、お願いします。
○嶋田課長補佐 先ほど室長からも一部御紹介がございましたが、参考資料5を御用意ください。
こちらにつきましては、平成24年12月に全国の市町村を対象に調査させていただきました。その中で1,742カ所の御報告をいただきまして、今回、対象となっておりますワクチンのほかに、別に3ワクチンについても同時に聞いておりますので、その内容の御報告でございます。
水痘ワクチンにつきましては、助成事業といたしまして188市町村が行っております。この中で54市町村が全額の公費負担をしているというようなことでございます。助成額につきましては、1回当たり4,000円から4,500円を実施している自治体が多いと聞いております。
おたふく風邪ワクチンでございますが、こちらにつきましては191市町村で助成事業を実施しております。助成を実施している191市町村のうち50市町村は全額公費負担をしているということでございます。助成額につきましては、1回当たり3,000円から3,500円を実施している自治体が多いということでございます。
成人用肺炎球菌ワクチンにつきましては836市町村が助成事業を実施しているということでございます。自治体による後期高齢者医療制度の長寿・健康増進事業がこの中に含まれております。助成事業を行っている836市町村のうち24市町村につきましては全額公費で負担しているということでございます。助成額は、1回当たり3,000円から3,500円でございます。
B型肝炎ワクチンにつきましては7市町村が助成事業を実施しているということでございまして、7市町村のうち5市町村については全額ということでございます。助成額といたしましては、1回当たり5,500円から6,000円助成している自治体が多いということでございます。
ロタウイルスワクチンにつきましては48市町村でございます。48のうち15市町村につきましては全額公費負担ということで、1回当たり7,000円から7,500円を助成している自治体が多いということでございます。
参考資料5は、以上でございます。
○岡部分科会長 こちらのほうは、何か御意見、御質問ありますでしょうか。実情としてこういうものがあったということになります。どうぞ、沼尾委員。
○沼尾委員 1点教えていただきたいのですけれども、既にもう別のところで資料は出ているのかもしれないのですが、主にその助成事業を実施している自治体というのは、財政力の関係なのか、どういう特徴があるのかということを何か分析しておられましたら教えてください。
○嶋田課長補佐 財政力とまでは、ちょっとそこまでは分析しておりませんが、やはり住民の方々の健康についていろいろと考えていただいている、取り組みとして先進的にやっていただいているというようなことでございます。
○沼尾委員 やはり規模の大きい大都市のほうが実施率は高いというような一定の傾向はあるのですか。
○嶋田課長補佐 そういうことではないと思います。
○岡部分科会長 逆に、人口が多いと対象が多くて、先ほどの交付金の問題とか、分析が非常に複雑であると。むしろ小さいところのほうが簡単にできたり、しかし、そこは財政がないと。なかなか特徴が出にくいというような話は伺っています。
○沼尾委員 ありがとうございます
○岡部分科会長 ほかはいかがでしょうか。
では、ありがとうございました。この報告も伺ったということで、もう一つは、予防接種に関する基本的な計画、これはディスカッションも行われていたのですけれども、これも最終案というものでこれができてきたということですね。この間の文言の修正などもあったのではないかと思いますが、これも事務局から、宮本室長、よろしくお願いします。
○宮本予防接種室長 参考資料7の予防接種基本計画について御説明したいと思います。
前回の12月の分科会で御検討いただきまして大筋の了解をいただいたものと思っておりますが、その審議の際にいただきました御意見などを踏まえまして、分科会長と相談の上で修正しておりますので、御報告申し上げます。
主な修正点、言い回しなどの調整なども行っておりますが、そのほか、御意見などを踏まえた点、主なものについて御紹介したいと思います。変更点については下線を引いておりますので、あわせてごらんください。
まず、「はじめに」のところでは、傍聴者からの御発言などもございまして、下線部「義務接種から努力義務接種」、それから「個別接種の推進」、そういった点につきまして修正しております。
それから、5ページ目、第三についてですけれども、基本的な考え方の中で、御指摘を踏まえまして、「工程表を策定した上で」という部分を追加してございます。
それから、同じく5ページ目の第2段落の3行目に、ワクチン・ギャップの解消という部分の中で、法令や通知の表現に合わせまして、「定期接種」という形に直してございます。
それから、7ページ目に飛びまして、一番下ですけれども、予防接種記録の整備の中で、必要な準備として「接種スケジュール」という部分も追加しております。
それから、12ページ目に飛びまして、第六について、二、副反応報告制度の中で、法令・通知の表現に合わせまして「診断した医師等」という形に修正しております。
それから、同じく12ページ目の第2段落で、科学的データの収集・解析の中で、前回の御議論を踏まえまして、「、副反応として報告される疾患の自然発生率を把握するため、国が保有するレセプトデータやその他各種調査・統計の活用を」という形に修正しております。
また、第3段落目には「総合的に」という部分を追加しております。
主な修正部分については以上です。
○岡部分科会長 ありがとうございました。
これは、前回のときに議論になったことで、細部にわたっては事務局と話し合ってやらせていただくとしてやったものです。傍聴の方の意見も一部、この中には入っています。
これは、ざっと見たところではいかがでしょうか。どうぞ、福島委員。
○福島委員 まず、前回私が分科会で申し上げた意見につきまして含めていただきましたことに感謝申し上げます。具体的には、12ページの科学的データの収集・解析というところになりますが、ここでつけ加えていただいた事項につきましては、本日、傍聴人の方から発言いただいた内容とも深く関係しているのではないかと理解しております。傍聴人の方からの意見の中で、母子保健指標が非常にすぐれている我が国で、これ以上定期接種を追加することが必要なのでしょうかという御意見がありましたが、公衆衛生・環境衛生指標がすぐれている我が国、つまり病気にかかりにくくなっている状況でも、それでもワクチンによってこれだけ病気が予防されているのだというデータをもう少しわかりやすい形で国民の皆様に示すことが重要であると改めて認識しております。それには、もちろん研究レベルでいろいろな集団で検討はされているのですけれども、やはりナショナルデータ、国のデータとして、接種していない人でこれだけ病気にかかっていて、接種することによってこれだけ病気が予防されているということを示すことが望ましいと感じております。あるいは副反応のデータにつきましても、接種をしていない場合でも同等の病気がこれだけ起こっているという自然発生率を示すことによって、より理解が得られるのではないかと思っております。
基本計画につきましては、これからパブリックコメント等あるとは思いますけれども、ここにこのように盛り込んでいただいた、12ページに盛り込んでいただいた事項というのは、非常に画期的なことだと私自身思っておりますので、再度感謝申し上げますとともに、本格的にやはり議論を始めていかなければならない課題であると認識しております。
以上です。
○岡部分科会長 どうもありがとうございました。絵に描いた餅にならんようにということだと思います。
参考人、どうぞ。
○阿真参考人 福島委員の意見に全く同意見なのですけれども、きょうも午前中、お母さんたちに子供の病気について伝える機会を持って、30人ぐらいのお母さんたちとお話を.してきたのですけれども、予防接種については必ず質問が出て、どれだけメリットがあって、どれだけのデメリットがあるかという質問が必ず出ます。もっと詳しく知りたいという声もたくさんあって、まず水疱瘡については、今回こうして定期になって、今までは、大事だよというお話をどれだけしても、「任意だから必要性は下だよね」と言われてしまって、「順番で言ったら下だよね」という声があって、おたふくと水疱瘡は、これだけ大変なことがおきますよというお話をどれだけしても、必要性が下だというようなことで、それをなかなか時間をかけていろいろ理解していただいているというようなことがあったので、水疱瘡については、本当に喜ばしいというか、もう待ちに待ったというか、本当に親としてもありがたいですし、伝える側の人間としてもありがたいと思っています。
それで、今、福島先生がおっしゃったように、副反応について、それからメリットについても、詳しい数字を知りたいということは、もうお母さんたち、お父さんたちからすごく声として出ているので、制度がきちんとされて、報告のことも変わると聞いていますので、それが出てきたときに、どのように私たちがそれを拝見することができて、どのように簡単にアクセスすることができて、それを確認していくことができるのかということがとても重要だと思うので、中身がすごくこれから問われていくことかなと思って期待しております。
以上です。
○岡部分科会長 ありがとうございました。
そのほかはいかがでしょうか。
それでは、この基本方針、これは報告でいただいたわけですけれども、幾つかの修正あるいは修文した部分についてもよろしいということでよろしいでしょうか。あとは、パブリックコメントにかけて、その意見が必要であれば入れて最終案ができるというようなプロセスだろうと思います。
一応これできょうの議論は終わりになると思うのですけれども、きょうの会議でまだ御発言のない委員の方がおられたら、中山委員、森委員、もし何か感想でも一言あれば、どうぞ。
○中山委員 部会でも申し上げたのですけれども、やはり肺炎球菌のワクチンについては、高齢者の接種の記録をどうするのかというのが非常に気になっているところで、行政の負担の問題と、それから、やはり効率的というか副反応を防いでいく上でも、その記録化についてはきちんとスケジュールを立てて考えていかなければならない問題ではないかと思っています。引き続きそれは検討していかなければいけない問題だと認識しています。
それから、1つ質問なのですが、先ほど沼尾先生からも御質問があったのですけれども、この参考資料5の「任意接種に係る公費負担の状況について」というのは、平成24年12月1日現在の調査になっていますけれども、これは定期的におやりになっていた調査なのでしょうか。何年か置きにおやりになっていた調査なのか、あるいは、このときもし初めてだったら、どういう趣旨で、何に生かそうと思ってこの調査をおやりになったのかをちょっと教えていただきたいと思います。
○岡部分科会長 そこは、では、補佐からですか。
○宮本予防接種室長 簡単に状況を申し上げますけれども、単発といいますか、そのときに必要であるということで実施した調査で、定期的に行ったものではございません。やはり予防接種法の改正を念頭においておりましたので、関連する状況を把握するということで実施したものでございます。
今後の対応としましても、定期的に実施するのかどうかというところでは、予定は持っておらんわけですけれども、御関心が高いような部分がございましたら、また再度の実施を必要に応じて考えてまいりたいと思います。
○岡部分科会長 森委員はいかがですか。
○森委員 私は、今回水痘ワクチンと成人用肺炎球菌ワクチンが定期接種化されるということで、医師としても、これは長い間の夢だったかと思うのですけれども、それが実現されるということで非常に喜ばしいことだと思います。
以上です。
○岡部分科会長 ありがとうございました。
それから、小森先生も、きょうはまだ一言もおっしゃっていないので。
○小森委員 まず、これまでの長い歴史の中で、特に予防接種法の改正が行われたときに新たに3つのワクチンが定期接種化されましたが、それ以前に既に基金事業として行われていた事業でございましたので、残る4ワクチン、さらにはロタ等についての導入について、やはり大きな懸念を持っておりました。
今回の実現のためには、事務局を初め、また、多くの国会議員の方々、また、全国47都道府県議会がそれぞれ地方自治法99条に基づく意見書等もお出しいただいた。それからまた、関係の方々が、さまざまな問題に直面しながら、少なくとも国民の方々に多くの御理解をいただくのにまだまだ、まだまだ不十分な点が多々あると思います。これからも続いていくと思いますけれども、努力をしてくださったこと、また、この分科会においても、岡部先生の大変な御熱意とすばらしい御決断だと思いますが、きょうも御発言をいただいたように、国民の方々やいろいろな方々が参加していただくという方向性の中で、予防接種体制について考えていく、ともにつくっていくという姿勢をお出しになっていただいたこと等によりまして、2つのワクチンが定期接種化されるということは、大変意義深いことだと思っております。
現場の医療機関を代表する者として、また、医師を代表する者としての意見といたしましては、やはりこのように多くのワクチンが現場で接種され、子供さんを中心として、大切な国民の方々の健康の保持・増進に役に立つという反面、不可避的な多くの方々が御懸念になっておられるような副反応に対する対応ということについても、会員を含め、全ての接種者に対する教育、そして丁寧な御説明、また、生涯を通しての研修ということについては、日本医師会として、国民の方々に安心をしていただくようにこれからも努めてまいりたいと思います。
本当にこれまでの方々、まだこれで終わったわけではございませんし、これからがまた新しいスタートだと思っておりますけれども、改めて感謝の気持ちをあらわしたいと思います。努力をしてまいります。ありがとうございました。
○岡部分科会長 どうもありがとうございました。
それから、これで、きょうは水痘と23価肺炎球菌が定期接種になるということだったのですけれども、改めて言うまでもないのですけれども、定期接種A類、必ずしもこれは強制接種という形ではないということは再認識しておいたほうがいいのではないかと思います。努力義務といったようなものもありますけれども、問題点というようなものがあったりした場合には、これはノーと言える権利も一方では確保しているということもありますので、そういうことをかみしめながら予防接種というものを理解していただければと思います。
これで最後なのですけれども、大橋委員はきょうが最後だそうです。長い間、いろいろ御意見をいただきましてありがとうございました。
○大橋委員 ありがとうございます。
○岡部分科会長 それでは、きょうの委員会、予防接種・ワクチン分科会は以上で終了にしたいと思います。
その他、事務局から連絡事項がありましたら、よろしくお願いします。
○嶋田課長補佐 次回の開催につきましては、追って御連絡申し上げます。
○岡部分科会長 それでは、これで終了になります。どうもありがとうございました。
※ (注)
小森委員の任期が、平成25 年10 月18 日に満了していましたが、再任命の手続をとらないまま、同委員出席の上、審議会を開催しました。
議事の定足数については、当該委員を除いても、委員及び臨時委員の過半数が出席していたため議事は成立しています。議決については、全会一致により決定していることから、審議会の決定に影響はありません。
また、今回の会議においては、当該委員は、参考人として取り扱われます。
詳細については、以下のリンク先を御覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000040328.html
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会)> 第4回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 議事録(2014年1月15日)