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2013年10月31日 第5回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産流通部会議事録

健康局結核感染症課

○日時

平成25年10月31日(木)15:00~


○場所

厚生労働省 専用第18・19・20会議室(17階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議事

○滝室長補佐 定刻となりましたので、ただいまより、第 5 回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会」を開催いたします。本日は御多忙のところ、出席いただき、誠にありがとうございます。本日の議事は公開になりますが、議題 2(3) 「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業について」は、個別企業の情報を取り扱いますので、別会議室にて非公開で行いたいと思います。また、カメラ撮りは、議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御協力をお願いいたします。傍聴の方は「傍聴の際の留意事項」の遵守をお願いいたします。

 はじめに、本日の委員の出席状況について報告いたします。委員 10 名のうち、伊藤委員、庵原委員、坂元委員、福島委員、細矢委員、三村委員、森委員の 7 名に御出席いただいております。また、西島委員、小森委員からは遅れて御出席される旨、山口委員からは御欠席の旨の連絡を頂いております。

 現時点で、厚生科学審議会の規定により定足数を満たしておりますので、本日の会議が成立したことを御報告いたします。

 本日は 2 名の参考人をお呼びしておりますので、御紹介いたします。予防接種推進専門協議会副委員長の福岡歯科大学全身管理・医師学部門総合医学講座小児科学分野教授の岡田賢司参考人です。新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業評価委員会委員の国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター第 3 室長の板村繁之参考人です。

 それでは、議事に先立ちまして、配布資料の確認をさせていただきます。

 議事次第、配布資料一覧、委員名簿、資料 1 から資料 3 、参考資料 1 から参考資料 3 まで御用意しておりますので、配布資料一覧と照らして、不足している資料がございましたら、事務局にお申し付けください。なお、資料 3 については、非公開資料となりますので、傍聴者用資料には含まれておりませんので、御留意ください。

 冒頭のカメラ撮りについては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

 次に、審議参加に関する報告をいたします。予防接種・ワクチン分科会参加規程に基づき、各委員及び参考人からワクチンの製造販売業者からの寄付金等の受取状況、申請資料等の作成への関与について申告いただいております。

 本日の議事内容においては、議題 2(2) 「開発優先度の高いワクチンについて」に関しまして、国内のワクチン製造販売業者からの過去 3 年度における寄付金や講演料、原稿料などの受取を対象といたしました。

 出席委員のうち、庵原委員が、化学及血清療法研究所、阪大微生物病研究会、サノフィ株式会社、武田薬品工業株式会社、デンカ生研株式会社、ファイザー株式会社、北里第一三共ワクチン株式会社及び MSD 株式会社から 50 万円以下の受取、グラクソスミスクライン株式会社から 50 万円以上 500 万円以下の受取。福島委員が、 MSD 株式会社から 50 万円以下の受取。細矢委員が、武田薬品工業株式会社から 50 万円以下の受取、グラクソスミスクライン株式会社、ファイザー株式会社及び MSD 株式会社から 50 万円以上 500 万円以下の受取。森委員が阪大微生物病研究会から 500 万円を超える受取。また、参考人のうち、岡田参考人が、化学及血清療法研究所、北里第一三共ワクチン株式会社、グラクソスミスクライン株式会社、サノフィパスツール株式会社、武田薬品工業株式会社、デンカ生研株式会社、阪大微生物病研究会、ファイザー株式会社及び MSD 株式会社から 50 万円以下の受取があります。

 申告いただいた委員及び参考人のうち、 50 万円以下の受取は審議へ参加し、議決に加わることができますが、 50 万円以上 500 万円以下の受取は、審議への参加はできますが、議決に加わることはできません。また、 500 万円を超える受取は、審議会場から退室することとされておりますが、当該委員の発言が特に必要であると当部会が認めたときは、審議又は議決に参加することができます。この取扱いについてのお諮りをいただきたいと思います。

○庵原部会長 事務局から説明があったように、本日の議題 2(2) の「開発優先度の高いワクチンについて」は、私と細矢委員が議決に参加することができない立場になっています。したがって、この議題の進行は、西島先生は 20 分してから来られますので、西島部会長代理にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

                                    ( 異議なし )

○庵原部会長 それでは、進めさせていただきます。

 もう 1 点ですが、森委員が 500 万円を超える受取があるということですが、当部会が必要と認めた場合は、意見を述べることができることになっています。森委員はワクチンの研究開発の御経験から貴重な御意見が頂けると思いますので、議決には参加できませんが、審議には参加していただきたいと思いますが、皆さん、いかがでしょうか。

                                   ( 異議なし )

○庵原部会長 ありがとうございます。それでは、部会として了承したということで進めさせていただきます。

 議題 2(1) 「予防接種基本計画策定について」。前回の部会において予防接種基本計画の策定に向けて御議論いただきました。これまでの各委員の御意見を踏まえて、基本計画の素案を事務局に取りまとめて頂いております。基本計画の素案について審議していただき、その意見を反映させたものを 11 18 日に開催される基本方針部会で研究開発及び生産・流通部会案として提出したいということになっております。

 事務局から資料 1 の説明をお願いいたします。

○滝室長補佐 議題 1 の予防接種基本計画の策定については、 10 17 日に行われた第 6 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会において、資料 1 1 ページ、第三「予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に係る目標に関する事項」と 2 ページの第五「予防接種の研究開発の推進及びワクチンの供給の確保に関する施策を推進するための基本的事項」については、本部会、研究開発及び生産・流通部会において審議することとしておりますので、先生方に御議論していただきたいと思います。

 資料 1 の第三「予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に係る目標に関する事項」について説明いたします。この中の四として新たなワクチンの開発として挙げました。読まさせていただきます。

 国は、国民の健康保持や感染症の発生及びまん延予防のため、医療ニーズや疾病負荷などを踏まえ、感染症の疫学情報をもとに感染症対策に必要な新たなワクチンの研究開発の推進を図る。また、国内のワクチン生産基盤を確保するとともに、感染症対策に必要な新たなワクチンを世界に先駆けて開発していくよう努めると記載いたしました。

 次に 2 ページです。第五「予防接種の研究開発の推進及びワクチンの供給の確保に関する施策を推進するための基本的事項」として、 4 つの項目を挙げました。

1 番目に、ワクチンの研究開発の促進に関する基本的な考え方、 2 番目に、開発優先度の高いワクチン、 3 番目に、研究開発を促進するための関係者による環境づくり、 4 番目に、ワクチンの生産・流通体制、として記載しております。

1 番目、ワクチンの研究開発の促進に関する基本的な考え方としては、国は、国民の予防接種・ワクチンに対する理解と認識を前提に「予防接種 / ワクチンで防げる疾病は予防すること」との基本的な姿勢のもと、ワクチンの研究開発を推進していく。また、日本再興戦略等を踏まえ、国内外の感染症対策に必要なワクチンを世界に先駆けて開発していくことを目指していくと記載しております。

2 番目の、開発優先度の高いワクチンですが、この一番下に○○ワクチンとありますが、本日の議題 (2) の所で、開発優先度の高いワクチンについて議論を頂きますが、その議論を頂いた結果をこの○○ワクチンの所に入れる予定です。研究開発優先度の高いワクチンについては、これまでも細胞培養法による新型インフルエンザワクチンの開発、経鼻投与ワクチン等の新たな投与計画によるワクチンの開発、新たなアジュバントの研究など新たなワクチンの開発が進められるところである。現在でも多くの感染症に対するワクチンが、海外では開発・導入されているが、国内では導入されていない状況、もしくは海外においても開発又は導入されていない状況がある、ということで議題 2 で議論していただいた内容のワクチンを記載する予定です。

3 番目ですが、研究開発を促進するための関係者への環境づくりとして、ワクチンの研究開発には、基礎研究から臨床研究まで幅広い知見が必要とされるものであり、国の関係機関、関係団体及びワクチン製造販売業者との間において十分かつ適切な連携が図られることが重要である、と書かさせていただいております。また、この下ですが、国立感染症研究所や独立行政法人医薬基盤研究所の現在の取組を記載して、今後もこれらの研究開発を推進するための取組が継続されることが期待される、という記載をしております。

 また、以下の事項ですが、国において引き続き検討していく事項の項目を挙げております。

 「市場性の見通しに関する情報提供」として、ワクチンは、研究開発の段階では市場性の見通しを立てにくいものである。そのため、国は、メーカーにおける市場性の見通しの助けとなるよう、国内外での疾病負荷や海外での開発・導入状況を踏まえた広く接種の機会を提供するための仕組みに関する検討状況について、適時に情報提供することが必要であること。

 「感染症対策の目標設定」として、国が特定の感染症について、目標を設定し、排除・撲滅等を計画的に推進することは、当該感染症に対するワクチンの研究開発にワクチン製造販売業者が着手するかどうかの重要な判断材料となるため、引き続き検討する必要があること。

 「感染症疫学調査強化・整備」として、研究開発の基盤となる感染症及びワクチンごとに必要な疫学情報を整備するために、地方公共団体や医療機関、国立感染症研究所、保健所、地方衛生研究所との連携強化に努める必要があること。

 「小児の治験を実施する環境の整備」として、ワクチン接種の対象者には小児が多いため、小児の被験者の確保など治験が円滑に実施できる体制を整備することが望まれること。

 最後に「ワクチンの基礎研究及び実用化に向けた支援、産官学の協力」として、新たなワクチンを開発するためには、基礎研究に対する支援や基礎研究の成果を企業の臨床開発研究へと橋渡ししていくことが重要である。また、実用化を円滑に行えるよう大学、企業、研究機関等の共同研究を推進する必要があることを記載しております。

 最後の 4 番目ですが、「ワクチンの生産・流通体制」について、各段落ごとに内容を記載しております。上段ですが、ワクチンの流通体制については、パンデミックが発生した場合は、危機管理の観点から国内で製造できる生産体制を整備する必要があること。その他のワクチンについては、同じように、危機管理の観点から国内で製造できる生産体制を確保する必要がありますが、費用対効果の観点から基本的には国内外問わず、より良いワクチンが低価格で供給されることが望ましい。また、安定供給及び価格競争の観点から同種のワクチンが複数のワクチン製造販売業者により供給されることが望ましいと記載しております。

 中段から下段にかけてですが、ワクチンの流通体制について記載しております。現状の流通体制を書いた上で、「一方」の下ですが、新型インフルエンザワクチンの発生時等の緊急時の流通体制について記載しております。ワクチンの供給不足が想定され、生産量と需要量を把握しながら、迅速かつ的確な需給調整が求められることから、国、都道府県及び市区町村は、行政の関与を前提とした流通体制を整備していく必要がある。

 その下、「また」以下ですが、しばらく風しんの流行が続いていますが、感染症の流行時などの一時的にワクチンの供給が逼迫した場合のことを記載しております。ワクチンが一般的に製造開始から出荷までに要する期間が長く、需要の変動の動向に合わせて、短期間で生産調整することが困難であるため、国、都道府県及び市区町村の関与が不可欠である。このため、例えば、国がワクチン製造販売業者とワクチンの生産に関する調整を行い、前倒し出荷や在庫状況及び出荷計画の情報提供を行うことや、国、都道府県及び市区町村が医師会等関係者と連携して、ワクチンが偏在しないよう取り組むなど、ワクチンの安定供給に努める必要があると記載しております。以上、ご審議の程、よろしくお願いいたします。

○庵原部会長 それでは、基本計画の素案について、皆様の御要望を含めて審議したいと思います。最初の第三の「予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に係る目標に関する事項」の四について話し合いたいと思います。資料 1 の第三の項目については、参考資料 1 5 ページに、 1 番目に「基本的な考え方」、 2 番目に「ワクチン・ギャップの解消」、 3 番目に「接種率の向上」、 4 番目に「新たなワクチン開発」、 5 番目に「普及啓発・広報活動の充実」が入っています。その中での新たなワクチンの開発が組み込まれていますが、これに関して、御意見等ありますか。総論的な話ですので、余り細かいことは含まれないのかと思いますが、よろしいですか。

                                   ( 異議なし )

○庵原部会長 第三の四の所は、これで OK ということで。次の第五「予防接種の研究開発の推進及びワクチンの供給の確保に関する施策を推進するための基本的事項」です。これが当部会で求められている主な視点なのですが、これについて順番でもいいですし、どこからでもいいのですが、どなたか御意見ありますか。

○細矢委員 最初の一の所で、「予防接種 / ワクチンで防げる疾病は予防することとの基本的な姿勢」という書き方なのですが、確かに参考資料 1 でも、姿勢という形になっていると思います。ただ、言い方が少し弱いような感じがして、もっと根本的な考え方として、基本的な理念という強い表現にできないかなという気持です。姿勢というとどうしても、前向きの姿勢という形で、何か気持としてはそうなのですが、少し進められないようなところがあるので、是非、ここの文言を、理念がいいかどうかは分かりませんが、もうちょっと強いものに変えていただけないかなと思います。

○庵原部会長 これは事務局、解答するわけですか。

○宮本予防接種室長 基本的には御意見を頂いたものを、どのように反映するのかを考えたいと思いますが、今、紹介いただいた参考資料 1 に基本方針部会で検討している、本日御議論いただいている第五以外の部分の現状ということで示しています。その中で関連する部分、 2 ページの第一、予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に関する基本的な方向の中で、予防接種施策への基本的な姿勢を記しており、現状、ここまでまとまっているということで紹介しています。

 私どもからすると、全体のトーンが違ってしまうと、最後、 1 つにまとめたところで、ちょっと違った感じが出てしまうのかなという気がしており、現状、揃えていくという意味ではこのようにまとめているということです。

○庵原部会長 ありがとうございました。逆に言うと、トーンを上げてまとめていただくことも可能という理解で、よろしいですか。細矢先生の御意見を踏まえると、前のところも理念に近いような、トーンを上げてまとめていただくというそういう話になるのですが。事務局で検討していただければと思います。現状とかを踏まえて、総合的な判断に立った形になるかと思いますが、いかがですか。

○宮本予防接種室長 ある程度の調整の上で、現状、こういった状況になっていると理解しておりますが、もう一度、状況を確認して、どういった対応ができるか、また、基本方針部会も併せて検討したいと思います。

○庵原部会長 弱い姿勢よりも、できるだけグレードアップした姿勢でという希望ですので、委員の先生方、よろしいですよね。

                                   ( 異議なし )

○庵原部会長 ありがとうございます。

○三村委員 最後の所の 3 ページの四の生産・流通体制ですが、「また」以下の所ですが、文言を若干追加していただければと思います。

 考え方なのですが、問題は、供給における需給ギャップをどうするかということで、生産における需給ギャップについては、相当に書き込まれていると思いますが、流通段階における需給ギャップをどうするかということは、その下に「短期間で」という言葉で入っていますが、常に機動的にそこでは調整していく必要があるということを考えています。

 そのときに、これは文言のままで結構なのですが、この中で 2 段目の所、地域で担当者の間で、基本的情報を共有し、連携するというのは大変大事であるということ。そうなると、「市区町村が医師会等関係者及び卸売販売業者等」を入れていただくと、それこそ、在り方が見えてくる。つまり、供給の現場を担う人たちの存在というのは、相当大きいと思っています。特に卸売業者の方たちは、こういったような供給体制に向けて、それなりに投資や体制を作っていく必要がありますし、また、卸売業者間でも、いろいろと在庫をお互いに融通し合うようなこともされています。ワクチンの在庫偏在の問題を考えると、そのための現場の情報を一番よく持っているのは、卸販売業者ですので、連携の医師会と関係者の後ろに、何か「現場の供給を担う卸売販売業者等」で入れていただければ、この状況がもっとよく見えてくると思います。

 もう 1 つは、この一番下の所ですが、ワクチン偏在の問題は大変大きな問題であるということですが、ワクチン在庫の偏在と事後における過剰な返品が発生しないようにという所まで書き込んでいただくと、問題の焦点がよく見えてくるのかという感じがします。それは明らかに流通コストを高めるということなので、なるべくそれが起こらないように、関係者の間でいろいろ調整していただくとか、どこに問題があるかということを検討していただくことが大事ではないかということで、若干の文言の追加ということなのですが、お願いできればと考えました。

○庵原部会長 この辺り、事務局はいかがですか。

○滝室長補佐 御意見を頂戴し、検討させていただきたいと思います。

○庵原部会長 多分、医師会及び卸販売業者等が関係者かと思いますが。それから流通コストの関係で、返品うんぬんという、そこまで具体的に書き込めるかどうかということだと思いますので、その辺はできるだけ具体的に書いたほうが実現性が高いかと思いますし、そこまで書き込むと問題が生じるというのでしたら、事務局で検討することになるかと思います。よろしく検討をお願いいたします。ほかにはいかがですか。

 ここの中に、国立感染症研究所とか、基盤研究所や、保健所、地方衛生研究所、要するに、日本のワクチン行政ないしはワクチン開発に関わる所が幾つか書き込まれているのですが、そのほかに書き込んでおいたほうがいいという団体があったら、いかがですか。

○坂元委員 先ほど三村委員からも意見がありましたが、 3 ページの下から 8 行目ぐらいの所に、「国、都道府県及び市区町村は、行政の関与を前提とした流通体制を整備していく必要がある」と書いてありますが、行政が流通を整備するというのは、基本的に、例えば、行政側に納入されたものに対しては、流通体制は整備できますが、多分、流通というのは、問屋レベルで言えば、これはフリーマーケットなので、この主語が都道府県及び市区町村が流通体制を整備するのか、強いて言えば、都道府県と市区町村は、例えば、卸業者などと連携していく、そういう書き方になるので、これが主語になるのでしょうかと、ちょっと私の疑問なのです。

○庵原部会長 事務局いかがですか。ここの項目とその下の項目が似たような内容で、上が新型インフルエンザで、下が普段流通しているのが何らかの理由で、供給が滞るないしは、需要が増えたときの対応という形で、ニュアンス的には似たような対応なのですが。

○滝室長補佐 あくまでも新型インフルエンザの発生時等の緊急時として、パンデミックが起きた等の体制になっておりまして、今も政府行動計画の中で検討していることですが、ある程度行政がリードをして、流通体制を整備した中で、もちろん卸業者等の連携が必要なのですが、そういった意味で記載しています。

○坂元委員 新型インフルエンザに限って、緊急時の場合という趣旨は私もよく分かるのですが、その他、例えば緊急時の場合が恐らく、行政や国が関与していくということで、新型インフルエンザの発生、その他緊急時のというようにしたほうが、もうちょっと広く読めるのではないかというように思っております。現在のところ緊急時に、恐らくワクチンに行政が関与するのは、新型インフルエンザの緊急事態の場合だけでしょうが、もしこれが基本方針ということで今後生きていくことを考えると、いろいろな事態、まさかという事態があるので、その他緊急事態というような文言を入れたらいいのかなと意見させていただきました。

○滝室長補佐 今の委員の質問ですが、「新型インフルエンザの発生時等」ということで、「等」という文言を入れさせていただいていますので、含めて考えていただければ結構かと思います。

○庵原部会長 ほかにいかがですか。

○伊藤委員 風しんの流行のときに、一時ワクチンが逼迫してないと言われて、 1 回下火になるとワクチンがぞろぞろ出てきて、あのときのなかったというのは何だったのだというのが、知り合いの現場からさんざん言われたりしているのですが、どこかに情報開示の在り方みたいなものを入れておいていただいて、皆が情報を共有していて、どの程度なくなっているのは出していいのか、悪いのかという議論があるかもしれませんが、今のこういう時代ですので、皆さん、全国民で情報を共有することのほうがトラブルが少ないのかなという気がしているので、提案させていただきたいと思います。

○庵原部会長 これはどこですか。難波江さんの領域ですか。

○難波江課長補佐 風しんのときは毎週、毎週、在庫が今、どのぐらいあって、シュミレーションで今後、どうなるというのを示して、かなり情報は出していたかと思います。

 実際に文言でもしここに書くとすると、情報提供というような文言をどこかに書いているということで、下から 2 行目に「前倒し出荷や在庫状況及び出荷計画の情報提供を行うことや」ということで、ここで読めるかとは思うのですが。

○伊藤委員 多分、情報提供する相手が、行政サイドや卸の人たちとかということだけではなくて、一般の医療機関にも多分、分かってない人からそういうように言われ、そちらの厚生労働省の努力が伝わっていなかったのかなと、逆に言うとですね。そこは考え方があるのかなと思っていますが。

○庵原部会長 結局、情報提供したときに、末端まで届け切れていないというところが。

○伊藤委員 そうですね。

○庵原部会長 そこまで言うと難しい話になるのですが。

○難波江課長補佐 どこまでメッセージが届くかというのが我々も課題だと思っていまして、今回、ホームページも毎週アップし、メールマガジンも毎週出して、今こういう状況ですというのを伝えて、かなり行き渡っているかと感じてはいたのですが、もう少し工夫の方法があるか検討したいと思います。

○庵原部会長 新しいメールとかになじみのない先生方もおられるので、これはどこの問題かというと、医師会でも頑張ってもらわないといけないという話もあります。以前は医師会を通して FAX で流していたら、マスコミのほうが 1 日早くて、 FAX 2 日も後だったとかいうことがあって、医師会からよくたたかれたという経緯もあったので、こういう情報提供や情報開示は、なかなか難しい問題だとは思いますが、時代に合った情報提供方法を用いてしていただくと、それに一般の方もできるだけ対応していただくことが、今後の課題かとは思います。風しんのことは確かにしっかりとしていただきまして、ありがとうございました。

○細矢委員 今の話の風しんはよかったのかもしれませんが、その前の例えば、組識培養の日本脳炎や DPT-IPV のときとかは、どうしても出始めに逼迫感があるということがありますので、恐らくこの「感染症の流行時など」という「など」に含まれるのかなと思いますが、そのように理解してよろしいでしょうか。

○庵原部会長 これについては下から 6 7 行目の、「また、感染症の流行時など」という「など」に含まれると思います。先ほどの一時切れたのが復活するとか、具体的に言うと、今度 PCV7 13 に切り替わるとか、新しいワクチンに切り替えたときに、ちょっと偏在する傾向が今までの経験からあるということで、そういうこともこういう文章に入れ込んでいただければ、ないしは入っていればこれでいいのですがという確認だと思います。

○宮本予防接種室長 意味としてはこれで含まれているつもりで記載しています。

○庵原部会長 という話ですので。でも、新しいワクチンが出ると、いつも偏在して困るときがあるので、よろしくお願いいたします。

○細矢委員  2 ページの三の最初の○の「市場性の見通しに関する情報提供」の所で、ちょっと私、意味が分からなかったのが、下から 3 行目に「広く接種の機会を提供するための仕組みに関する検討状況について、適時に情報提供する」と書かれていますが、「広く接種の機会を提供するための仕組み」というのが、何をイメージしているのかがよく分からなかったのですが、これはどういうことでしょうか。

○宮本予防接種室長 検討の状況を少し平たく言うと、一番は、定期接種化の検討状況を知りたいというのが、一番の希望と承知してはいるのですが、その検討状況をダイレクトに、例えば、再来年でいきますということは、私どもとしても難しい点があるかなという中で、少し広めに、それらの関連する検討状況を併せてお知らせすることで表現したらどうかという意味合いで、このように記載しています。ちょっと分かりにくいかもしれないのですが、精一杯ここまでさせていただいたということです。

○庵原部会長 要するに、定期接種化の見通しが、何年後ぐらいになりそうだというような情報をメーカーなりに提供していくという、そういう意味合いですか。

○宮本予防接種室長 それが知りたいというのが御要望だと承知しておりますが、なかなか何年後というのが、政府の検討の状況の中で、計画どおりに将来のことを申し上げられないものですから、そういう中で関連する状況はなるべく広めにお伝えしたいという思いを表現しています。

○庵原部会長 ありがとうございました。

○坂元委員 細かいことなのですが、 2 ページの三の「シーズ」という言葉なのですが、専門家の間ではすでに使われている言葉かなと思うのですが、一般的な用語として使うかどうかというのは、少なくとも余り地方自治体の行政文書の中ではシーズという言葉は使われないと思います。今、大学等、企業等では使われているということなのですが、この基本方針を読む対象者が誰かによると思います。このシーズという言葉が、理解できる言葉かどうかというのは、ちょっと私も自信がないので、その辺、いかがでしょうか。

○宮本予防接種室長 表現について検討させていただきます。

○庵原部会長 種ウイルスとか、基本となるものとかの意味で、開発者の間では板村先生、これよく使うのですよね。インフルエンザなどはシーズウイルスという言葉を使って、今年のシーズウイルスは何かとかいう形で株を決めたりするときの会話に用いるのですが、具体的に説明文を後ろに付けるか何かして、多くの人に分かるようにということかと思いますので、御検討ください。あと、よろしいでしょうか。

 大分、詳しく書き込んでくれていますので、取りあえず、もう一度。もう 1 回あるのですよね。次回に最終原案が出てという。

○滝室長補佐 いえ、その予定ではなくて、本日の議決を持って、 11 18 日の基本方針部会に上げさせていただいて。

○庵原部会長 基本方針部会に上げていく、分かりました。

 ですから、ここで皆様方の御意見を入れたものを、最終的な案を作って、座長に確認ですか。

○宮本予防接種室長 座長に確認いただくことで、御了承いただけないかと思っております。どうしても論点として残るような点があったら、次回でもやむを得ないのかと思います。一方、スケジュールからすると、今、申し上げたとおり、基本方針部会のほうでも確認いただくということで、進めていただければ有り難いと思っております。

○庵原部会長 そうしますと、資料 1 の第三、第四の所は、異存はないということ。それから、 2 ページの第五の所では、一の基本的な姿勢が理念とか、もうちょっと 1 ランク上の表現に変わらないかなというのが 1 つの論点で、 2 番目の○○ワクチンというのは、これから審議していくという、三に関しては、シーズの所だけですね。四に関しては今、細矢委員からの質問が、具体的に大体どういうことかということが皆さんに御理解いただけたことで、これはこのままぐらいでよろしいかと。最後のワクチンの生産・流通体制の、一番最後の所の下から 6 7 行目ぐらいの所が、一番議論があったかなということで、そこをまとめていただければということで、よろしいですか。

 そうしたら、そういう形でまとめていただいて、最終案をお示しいただき、取りあえずは、三村委員の了解だけはちょっと、流通ということに関しては、私たち素人ですので、やはり専門家の了解を前に取ってからということで、よろしくお願いいたします。それで OK いただければ、 18 日の基本方針部会に持っていくということで、よろしいですか。

                                   ( 異議なし )

○庵原部会長 この件はそうさせていただきます。どうもありがとうございました。

 議題 2(2) 「開発優先度の高いワクチンについて」、これは座長を西島先生によろしくお願いしたいと思います。

○西島部会長代理 議題の 2 つ目の「開発優先度の高いワクチンについて」議論をさせていただきます。これについて事務局から資料の説明をお願いします。

○滝室長補佐 資料 2-1 、委員の先生方から頂いた評価の資料、表側が海外に存在するワクチンをまとめております。裏面には、海外にも存在しないワクチンの一覧をまとめております。資料 2-2-1 、海外に存在するワクチンについて予防接種推進専門協議会から御提供を頂いた資料を基に、それぞれの学会ごとにまとめております。資料 2-2-2 、海外にも存在しないワクチンとして、同じく学会から頂いた評価をまとめております。

 簡単に資料の内容について御説明します。委員の先生方の評価については、海外に存在するワクチンとして、国内優先度を 5 点として、先生方から頂いた点数を平均化して平均点の順位として上から記載しております。この中で MR ワクチンを含んだ混合ワクチンが第 1 位となっております。 DPT-IPV ワクチンを含んだ混合ワクチンが 2 番目です。インフルエンザ ( 経鼻 ) といったものが 3 位です。同率で 3 位に帯状疱疹ワクチンが挙げられております。インフルエンザの経鼻と帯状疱疹ワクチンの同率 3 位の違いは、疾病負荷 ( 国内 ) の所の死亡がインフルエンザでは○、帯状疱疹ワクチンでは△となっております。◎、○、△については表の左下に書いてあります。

 海外にも存在しないワクチンについては、国内の優先度を 5 点、世界の優先度を 3 点として、先生方から頂いた点数、評価の平均を取って、その合計を順位として上から記載しております。その横に、海外に存在するワクチンと同様、委員の先生方のコメントがある一番右側に、開発上の技術的な留意点として、メーカーからも実はコメントを頂いており、そのコメントを表の右端に掲載しております。なお、海外にも存在しないワクチンの上位は、 DPT-IPV ワクチンを含む混合ワクチンが 1 番、続いて、改良ワクチンのインフルエンザワクチン、 3 番目にノロウイルスワクチン、 4 番目に MR ワクチンを含んだ混合ワクチン、という順位になっております。

 続いて、予防接種推進専門協議会から御提供いただいた資料です。各学会を御紹介させていただきます。日本小児保健協会、日本呼吸器学会、日本感染症学会、日本渡航医学会、日本産科婦人科学会、日本細菌学会、日本プライマリ・ケア連合学会、日本小児科学会、日本ワクチン学会、日本小児科医会、以上の学会となります。

 同じように、それぞれ海外に存在するワクチンについて順位付けをするとともに、海外にも存在しないワクチンについても順位付けをしてまとめております。以上です。

○西島部会長代理 ただいま事務局から説明がありましたが、本日は前回この部会で提出することにしておりました先生方、各委員の資料と、今、御説明にありました予防接種推進専門協議会から御意見を頂いた各学会の評価資料を基に、これから御議論を頂いて、開発優先度の高いワクチンを選定するということで作業を進めさせていただきたいと思います。本日は岡田参考人に御出席していただいておりますが、参考人から補足がありましたらお願いします。

○岡田参考人 予防接種推進専門協議会の各学会のそれぞれの立場が、小児を中心とする学会であったり、あるいは内科の先生方の呼吸器学会や感染症学会などは成人が中心のものです。渡航医学会は、海外渡航用のワクチンが優先度が高いものになっております。もちろん、産科婦人科学会は、 HPV などを中心とした産婦人科領域のワクチンが優先度が高いということになっております。

 さらに日本細菌学会は、自分たちの領域の細菌だけに限った形で優先順位が付けられております。プライマリ・ケア連合会は、総合医、プライマリ・ケアをされている先生方の学会で特徴が出ているかと思います。小児科学会は小児の中で一番中心的にワクチンを扱っている学会です。日本ワクチン学会は、基礎から臨床までワクチンを専門に扱っている学会の意見です。小児科医会は、小児科の開業医の先生方の御意見をまとめたという形です。そういう意味で、それぞれの学会を個別にこのような形で出しております。

 海外に存在するワクチンに関しては、どの学会も MMR を中心とした混合ワクチンと、 DPT-IPV を中心とした 2 つの混合ワクチンが優先度が高いと順位付けられていると思いますが、例えば、 MMR でも、海外に存在するワクチンを日本に導入してやっていくのか、今、日本の国内にある MR に安全性の高いおたふく風ワクチンを導入して日本独自の MMR を作っていくのか、ということが考えられると思います。 DPT-IPV に関しては、海外に存在しないワクチンの DT-AP というのは日本で開発されたワクチンです。

 先ほどの日本再興戦略の中にもありましたが、日本で開発した DPT に不活化ポリオであったり、 B 型肝炎であったり、 Hib であったり、いろいろな混合ワクチンとして世界に先駆けて、できれば DPT-IPV は国内で新しい混合ワクチンを作っていただければ、大きな目標が達成できるかと思います。その際、例えば接種開始月齢、 DPT は生後 3 か月ですが、 Hib あるいは PCV は生後 2 か月からできます。グローバルに合わせて、日本の実情に合わせた形で具体的な所も御検討いただければと思います。

 さらに、海外に存在しないワクチンに関しては、是非とも産業界と私どもの学会が協力して新しいワクチン、例えば RSV のワクチンであったりとか、まだ海外にも全く存在しないようなワクチンを日本で開発して、世界に向けて発信していただければ有り難いと思います。その際、産官学という意味では、産業界と学会が新しいワクチンを開発して、官のほうはそれをサポートしていただけるような体制づくりをお願いしたいと思います。以上です。

○西島部会長代理 ただいま岡田参考人から御意見を頂きましたが、今の御意見も含めて、これから委員の先生方からいろいろ御意見を頂きたいと思います。この資料にあるように、私たち委員からの評価と、先ほどの学会等からの御意見を併せて見ますと、混合ワクチンについては、いずれも非常に優先度が高いということになっております。まず、海外に存在するワクチンに関して、委員の方々から優先度について御意見を頂ければと思いますが、いかがでしょうか。

○小森委員 全般的に絡むのですが、私も点数を付けさせていただいて資料を拝見しますと、確かに岡田参考人が言われたように、各学会は御自身が担当される分野ということでありますので、それなりにカラーが出ます。しかしながら、見事に私は全ての採点者が極めて一定した見解を出しておられる。したがってここで議論というよりも、具体的な点数等の評価は、もうすでにある程度の合意はできているのかと。その上で議論を進めればどうかと思います。

○庵原部会長 議論の中で、 1 つ、 DPT-IPV の場合は、 IPV のセービンを日本が開発しています。諸外国はソークの野生株を使っている。そうしますと、今後 WHO はセービンを使った IPV を使って、 IPV を使いなさいという方向へ今進んでいますので、これは日本で優先順位が高い多価ワクチンのベースになるのかと思います。ですから、単に海外から輸入するのではなくて、日本の DPT-IPV をベースにした多価ワクチンを作っていくのが 1 つの方向性ではないかというのが 1 点です。

 もう 1 点は、 MMR MMRV といったときに、今、日本の中で水痘の岡株をベースにしたキメラのワクチンや、はしかのアイク -C をベースにしたキメラワクチンが開発されていますので、そういうキメラワクチンをどの位置付けにするのか。言い換えれば、 MR V を付けて生ワクチンを作る場合、その V が岡株由来のムンプスのキメラウイルスならば、それで MMRV になっているよという、そこまで含めた開発を考えているのかどうか、そこの 1 点が必要だと思います。その 2 点、そういうものまで含めているのかどうかの確認が要るかと思います。

○西島部会長代理 ただいまのキメラについては、今回のワクチンの評価の中で、私は気付かなかったのですが、ほかの先生方はいかがでしょうか。今の御意見はキメラも含めてということですね。そのほか御意見はありますか。先ほど小森委員から、大方御意見がそろっている部分も多々あるということで、この点数を基に考えていったらどうかということですが。

○森委員 私もこれを拝見させていただいて、一定の見解とすごく思いました。海外に存在しているワクチンでということですが、先生方の御意見に加えて帯状疱疹ワクチンですが、今、もう欧米では現在の水痘ワクチン、岡ワクチンをベースにしたものが接種されています。すでに日本でも水痘ワクチンは存在していますので、こういったワクチンを海外から輸入するのではなく、今現在、日本にあるワクチンを認可する方向で考えたらいいのではないかと思います。

 帯状疱疹ワクチンについては意見を述べられていますが、これからの高齢化社会の QOL を考えますと、今後必要になってくるワクチンではないかと思います。

○西島部会長代理 ほかに御意見はありますか。

○福島委員 私もこの評価を総合すると、多価ワクチンの優先度が高く上がってくるのではないかと思います。 1 つの懸念は、多価ワクチンの中には定期接種化されているものと、されていないワクチンが混合されてくるということで、この場合は国としてどのような方針を出すかというところが 1 つ問題になってくるかと思います。

 インフルエンザに関しても、経鼻の優先度が高くなってくる可能性があります。これは委員コメントで私が書かせていただいたのですが、米国では 2 歳から 50 歳未満の健康な成人に対して適用ということで、妊婦や高齢者には適用となっておりません。現在の日本の定期接種の状況を見ますと、 65 歳以上の高齢者、あるいは特定の基礎疾患を有する 60 歳から 65 歳未満の者に定期接種化されている状況ですので、整合性をどのようにとっていくのかということが問題になるかと思います。それについては、先ほどの議題で議論された資料 1 2 ページ、下から 2 つ目の○「市場性の見通しに関する情報提供」ということで、予防接種室長が言われたことかと記憶しておりますが、「広く接種の機会を提供するための仕組み」で説明されるのかどうか、ということも御議論を頂きたいと思います。

○西島部会長代理 ほかにありますか。

○坂元委員 今の福島委員の意見に賛成です。行政側として、例えば、複数のワクチンが使えるというのは、定期接種化されたときに混乱が起きると思います。大体新たなワクチンが出ると、 1 つのワクチンに統一化してやるということなので、根底の議論として、例えば、 2 番目の DPT-IPV をやるとすると、これで定期化にいくという、ある程度方針を決めないとだめだと思います。例えば DPT-IPV の他に DPT IPV の単独の選択もありとすると、実際に現場としては非常に混乱するので、どのタイプで定期化するかを決める必要があります。万やむを得なく、ある特殊な事情でこの多価ワクチンが打てないという場合のために残すとか、そういう戦略を立てる必要があるかと思います。この中には定期化の必要性というのは項目としては入っていないのですが、特に自治体にとっては非常に大きな関心事です。上から 3 番目ぐらいまでは定期化でいくのかということです。帯状疱疹となると、これは果たして高齢者に対して定期化するものなのかという議論とか、 AB 肝炎になると、 B が定期化されるので、 A も併せても定期化かという、そういう議論をしっかりしていく必要があると思います。

○西島部会長代理 今、定期接種にするかどうかということも、大事な議論かと思いますが、今回はそれも頭に入れた上で開発の必要度から決めていくのがいいかと思います。そんなところでよろしいでしょうか。

○細矢委員 混合ワクチンは必要だと思います。 1 ページ目に出ているのは、海外で開発されたものを承認して使うようにするかどうかということで、 2 ページ目にあるのは、日本の国内の MR をベースにする。あるいは DPT-IPV をベースにして新たなものを開発する。

必要なのは分かるのですが、これについてはどちらが本当に優先されるのかということは、やはり、ここで決めておくべきではないかと思います。

○西島部会長代理 私は先ほど海外に存在するワクチンからスタートしてしまいましたが、海外にも存在しないワクチンも含めて御意見を頂ければと思います。すでにそれも含めて御意見を頂いたところかと思いますが、点数から判断しますと、 MR を含むワクチンが非常に高い必要度だということ。もう 1 つは、 DPT IPV を含んだ混合ワクチンも非常に高いということで、この 2 点については、大方の方は特に異論はありませんか。この 2 点については定期接種にするかどうか、海外のものを輸入するか、国内で開発するかについては、その後の議論にさせていただきたいと思います。

 もう 1 つは、海外に存在するワクチンの中で、インフルエンザのワクチンが 3.83 、帯状疱疹が 3.83 ということです。海外にも存在しないワクチンのほうでは、 DPT-IPV に続いてインフルエンザが上にきております。そういうことを勘案しますと、インフルエンザのワクチンの必要度が高いと 3 番目として位置付けてよろしいですか。

○庵原部会長 この場合に、スプリットの形でインフルエンザワクチンは現行動いているのです。そのときにはもう開発されているのではないかという答えが出てくる危険性があるのです。要するに、「改良」とか「更なる新たな効果の高いインフルエンザワクチン」という名前を頭に付けないと、少し話がおかしくなるのかと思います。ある意味では現行のスプリットワクチンも否定する形になりますが、予防接種室、これはそういう形で書いてしまっていいですよね。

○宮本予防接種室長 もし位置付けるとすれば、意味合いとしては先生がおっしゃったとおりだと思いますので、そのことがより表現できるようなやり方を考えていく余地はあると思います。考えていきたいと思います。

○西島部会長代理 コメントを見ても、インフルエンザワクチンについては、今よりも優れたワクチンと表現されていますので。

○福島委員 書き方が難しいワクチンだと思いますが、今より優れたと書いた場合に、例えば現時点では有効性がないのではないかという議論が、また国内で起こってしまう可能性があるかと懸念しましたので、またその辺りは考えていただければと思います。

○西島部会長代理  1 つは投与の方法で経鼻にするとか、そういった投与方法も含めた痛みの少ないより優れた、痛みを受けないより優れたとか、そういうことが含まれるかと思います。インフルエンザを 3 番目に位置させるということで、よろしいですか。

○庵原部会長  3 つはいいのですが、細矢委員もそうですが、小児科の立場から RS ウイルスのワクチンの開発を是非とも 1 つ入れておいてほしいと思います。シナジスの現在の使われ方からすると、早くワクチンを開発して、余分なことはやらないほうがいいのではないかという印象を持っていますので、 3 つでなくて 4 つということでしたら、 RS ウイルスを入れてほしいと思います。

○西島部会長代理 先ほど帯状疱疹も 1 個ありましたね。

○細矢委員 混合ワクチンという中では、必要なのはこれとこれだと思いますが、新規の開発が必要なワクチンという意味で、やはり幾つか別に挙げるべきではないかと思うのです。 RS-NO とかいろいろ出てきていると思いますが、これから国内で何かを開発しようといった目標になるワクチンを 3 つぐらい挙げておいたほうが。混合ワクチンだけで終わってしまって、後はいいというのではないと思うので、枠を別に作ってもらったほうがよろしいかと思います。

○庵原部会長 賛成です。今まであるワクチンをいかに改良していくというのが 1 つのグループと、それから、今までないものを新たに作っていくという、 2 つのグループに分けて並べることが可能か、そこを検討していただければと思いますがいかがですか。

○小森委員 私は 3 つだけ挙げるととても違和感があります。目的とも差し迫って今必要なものと、中期的とまでは言いませんが、今、存在しないけれども是非欲しいというのは別途のことですので、前半部分だけというのは少し違和感がありますので、お二人の委員を支持します。

○西島部会長代理 そうしますと、全く新しい開発ということになると、 RSV とほかに何か。帯状疱疹はすでにあるということで。

○伊藤委員 帯状疱疹ワクチンと水痘ワクチンは、基本的に生ワクと VLP なので、全く違う代物なので、誤解をしているといけないので補足をしたいと思います。

 私も高齢者を多く診ていると、ノロワクチンみたいなものは、お子さんの RSV が困るのと同じぐらいに高齢者ではノロが困るので、開発がこの場で言うことによってアクセレートされるのであれば、載せていただければいいと思います。

○西島部会長代理 ノロですか。

○伊藤委員 はい。あとは実際診ていて、 C 型肝炎や Hib の開発ができれば理想的だと思いますが、なかなか難しいだろうなということが分かっているのを、ここで挙げるのもどうかと思うので申しませんが、疾病負荷から言うと、そういったものは高いだろうなと思います。

○西島部会長代理 少なくとも、混合ワクチンの MR DTP を含んだ混合ワクチンとインフルエンザは優先度が高いということで御意見は一致しているかと思います。それに加えて、 RSV 、ノロの 2 つぐらいをこれから開発していかなければいけない新しいワクチンということで、是非取り組んでいくという意見でよろしいですか。事務局から何か御意見はありますか。

○宮本予防接種室長 ある程度数が絞られている状況の中では、御意見を受け止めていきたいと思います。 1 点確認ですが、帯状疱疹はどういう議論になりますか。

○坂元委員 今回の調査項目には入っていないのですが、やはり少し議論していただきたいのは、例えば 1 番上に挙がっているものは、これは間違いなく定期化という種類のワクチンだと思います。 2 番目も定期化という種類。インフルエンザは現在高齢者のみなので、優先順位度の中に、例えば定期化の議論が必要だということも 1 つ入れていただけると、今後、接種をやっていく自治体としては非常に参考になると思います。コレラワクチンとか、ダニ介在は恐らく定期化はないだろうということではと思います。開発優先度も高いが、定期化には議論を要するということも入れていただけたら非常に有り難いと思います。恐らく開発者側も定期化の議論がされるワクチンという認識が出てくるので、より息込みが違ってくるのではないかと思いますので、できればその辺の項目も付帯意見みたいなもので付けていただけたら非常に有り難いと思います。

○庵原部会長 先ほどの帯状疱疹の話題にもう一度戻してよろしいですか。やはり高齢者にとっては帯状疱疹の疾病負担は重く、帯状疱疹はなくなりませんし、帯状疱疹後疼痛というのは非常に強いもので、そういう意味ではこれから高齢社会に向かっていきますので、開発すべきという所に入れていただくといいかなとは思います。それは私の意見です。

○西島部会長代理 帯状疱疹にかかる頻度というのは、 10 人に 1 人、 5 人に 1 人ぐらいと言われています。

○坂元委員 帯状疱疹ワクチンの開発そのものに異議はないのですが、例えばこれが定期化となると、自治体の財政的な負担は非常に大きくなるので、飽くまでも非常に個人的利益性が高い、その辺の議論もないと、開発優先度が高いのと、当然そうなれば定期化という議論が出てきてしまうと思いますので、そこはどう考えても避けて通れない議論だと思います。本当に個人的利益にとどめて、帯状疱疹になるのが嫌な人だけ受けてくださいとやるのか、当然そうなれば、帯状疱疹はみんななるのだから、これを定期化したらいいだろうという議論が必ず沸いてくるので、そこはどうしても財政的負担という意味から避けて通れない議論だと思います。

○庵原部会長 事務局に確認ですが、定期接種化云々というのは基本方針部会ですか、この部会ですか。

○宮本予防接種室長 御質問の趣旨からしますと、まずは、原則としては基本方針部会での検討ということです。私どもの思いとしては、この場で御議論を頂くのは、実際にそういった製剤が使われる状況の中では、当然そういう議論が発生するかと予想しております。私どもも正直いろいろな立場があるわけですが、この場におきましては少し夢を持って、将来に向けてどういうのが出てくるのか。

○庵原部会長 分かりました。そうしますと、混合ワクチンというのは、夢としては割と近い夢で、遠い夢のワクチンという意味で、小森委員が言われたノロ、 RS 、帯状疱疹は入れ込むべきではないかというのが私の意見です。更に言いますと、海外のことを踏まえればデングのワクチンは是非とも欲しいワクチンというのが入ってきますが。

○西島部会長代理 必要度の高いということになりますと、いろいろと御意見が出てくるかと思います。特に開発優先度の高いということで今日はまとめていきたいと思います。そのような観点からしますと、 MR を含んだ混合ワクチンが 1 つ、 DPT-IPV ワクチンを含んだ混合ワクチン、経鼻投与ワクチンなど現行のワクチンよりも優れたインフルエンザワクチン、後で出てきた RSV ワクチン、ノロウイルスワクチン、帯状疱疹ワクチン、この 6 つぐらいを基本方針の中に盛り込むということでよろしいですか。

( 異議なし )

○西島部会長代理 それでは、 6 つを盛り込むことにします。

 基本方針の中では、 6 つワクチンを並べるということですが、今回、議論が出た定期接種にするときの点や、あるいは国内で開発すべきかどうか、海外のものに依存していいのかどうか、水痘ではキメラワクチンのようなものと。そういった御意見が出たので、そういったことを含んだ点を、どこかに注として付け加えることはできますか。今出てきている基本方針の中に盛り込む所では、○○ワクチン、○○ワクチンということで終わっていますが、大変重要な議論だと思うのです。

○宮本予防接種室長 今の御議論は非常に重要だと思いつつ、現状、先ほど御検討頂いた資料 1 の計画の中では、 4 番目のワクチンの生産・流通体制の中で、国内で製造できる生産体制を確保する必要はあるけれどもとしつつ、基本的には国内外問わず、より良いワクチンが低価格で供給されることが望ましいというのは、原則として掲げさせていただいております。これを一方で念頭に置きつつ、特に国内での生産基盤の確保ということになろうかと思いますが、必ずしも両立しない部分があるのも承知しつつ、両方記載しているところを少し汲んでいただくと有り難いです。なかなかそこだけ個別に記載するのは難しいかという気がしておりますが、今後の課題として承って、例えば、この会議の中でまた検討を進めてはどうかと思います。

○西島部会長代理 いかがでしょうか。そういうことで。

○庵原部会長 問題を指摘するわけではなく、価格に関しては、諸外国の価格というときには、日本の価格は大体一定ですが、諸外国では先進国価格、真ん中の国価格、途上国価格と 3 段階ぐらいに幾つか分かれている形になっています。価格を比べるときに、先進国価格と比べてもらうことが大事だということだけ理解というか、どこかに記載していただければと思います。この中に記載する必要はないのですが、議事録かどこかに記載していただければと思いますので、よろしくお願いします。

○西島部会長代理 私が述べたことも議事録の中に残していただければ大変有り難いです。大変貴重な意見ですので、これは是非入れていただいたほうがよろしいかと思います。

○小森委員 以前に 1 回申し上げたのですが、今、庵原委員のご意見に触発されてもう一度申し上げます。

 今、保健局といいますか、診療報酬の観点では、医薬品のみならず医療機器等についても、様々なデバイスの値段の設定について、どの国の実勢価格を反映させるか。あるいはオーストラリアを抜くか抜かないかとか、いろいろな議論はされています。

 その志はすべからく国民の方々に広く共有していただくためには、皆さんが納得できる審議体系の中で、できるだけ安価にという心です。そこには当然メーカーや様々な利益、そのものの団体が入っておりますので、なかなか一筋縄ではいかないところがあります。一方、予防接種については保険診療でないということから、厚生労働当局はメーカー等々、一生懸命交渉してくださっていると私は高く評価しておりますが、極めて不透明です。現に、ある会社が緊急にどうしても必要であるというワクチンについて、到底、私にとっては正当とは思えない価格設定をされたが、しかしながら、安定供給等の面からいうと、その会社を選択せざるを得ないという実状もあった。そのようなことも踏まえながら、ある程度書き込んでいただいたのですが、先生方にも是非共通認識を持っていただいて、我が国の子供たち、また保護者の方々に過大な負担がない、適正な価格の在り方は、常にしっかりとやっていただきたいと思います。どういう形がいいのか、今の形がいいのかということは、ある程度書かれたとは思っておりますが、あるいは良い文章があれば、そういうことはもう少し強く書き込まれてもいい。今ここでなかなか結論は出ないと思います。薬価のみならず、様々なデバイス等の問題についても、診療報酬の在り方についても大変な激論をしながら、いろいろな形で進化をさせておりますので、そういったことはこの分野に当然あっていいだろうと思います。

○西島部会長代理 今回の優先度の高いワクチンについては、ただいま結論として出た 6 つのワクチンを開発優先度の高いワクチンとして選定することとして、基本計画に盛り込むことにさせていただきます。どうもありがとうございました。ここで座長を庵原先生にお願いします。

○庵原部会長 ありがとうございました。先ほど岡田参考人、坂元委員からありましたように、今後、新しいワクチンを開発していく段階で出てくるのが、接種月齢がワクチンによって違うので、そこを今後統一化していかないといけないという問題が出てきます。

多分、接種時期の検討は、今後の見通しがありますので、この部会でやることになるかと思いますので、そのときは御協力をお願いします。

 定期接種化を目指すということについては、宮本室長のお返事では、今のところは基本方針部会で考えているということで整理させていただきたいと思います。議題 2 はよろしいですか。

○滝室長補佐 これで終了となります。議題 3 については、先般申し上げましたが、個別企業の情報を扱うことになりますので、非公開として議論をさせていただきます。

○小森委員  1 点提案をしたいのですが、予防接種ワクチン分科会、その下の 3 つの部会に非常に多く出ていらっしゃる方と、ある部会にだけ出ていらっしゃる方がおられますので、全体の中で岡部信彦先生から、できるだけ情報を共有しながら議論することは大事という御提案があったと思います。厚生労働省はこういった部会の提出資料並びに議事録にとっては、非常に早く公開をされておられます。せめて他の部会の議事録をホームページに掲載するときに、掲載しましたという御案内をされてはどうかと。皆さん御多忙なので、ホームページまで見に行く作業をなかなかしない。同じ議論が重複するのは建設的ではないので、この部会では、こういうことをしているなということを、ざっくばらんでも、さっと御覧になる機会があればいいかと思います。そこはそれぞれの分科会の座長、また部会の座長と御検討を頂ければと思います。

○庵原部会長 また御検討を頂ければということです。これは確か難波江さんが管理しているのですか。

○難波江課長補佐 毎週金曜日にメールマガジンを発行しております。

○庵原部会長 メールマガジンの中には、この議事録とか資料はいつも。

○難波江課長補佐 先生方に御案内させていただいております。今のところ 2 6,000 人の方に購読を頂いております。

○庵原部会長 逆に言いますと、委員の先生方にメールマガジンが届くように登録してもらうほうが早いと思いますので、送るよう配慮をお願いしたいと思います。これでこの会議室の議事は以上で終わります。

○滝室長補佐 議事 1 2 はこれで終了します。ありがとうございました。


(注)

小森委員の任期が、平成25 10 18日に満了していましたが、再任命の手続をとらないまま、同委員出席の上、審議会を開催しました。

議事の定足数については、当該委員を除いても、委員及び臨時委員の過半数が出席していたため議事は成立しています。なお、今回の会議においては、議決を行っておりません。

また、今回の会議においては、当該委員は、参考人として取り扱われます。

詳細については、以下のリンク先を御覧ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000040328.html

 




(了)

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