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2013年8月1日 第62回独立行政法人評価委員会医療・福祉部会議事録

○日時

平成25年8月1日(木)12:59~15:12


○場所

厚生労働省専用第12会議室


○出席者

真野部会長、平井部会長代理、石渡委員、名里委員、橋田委員、松原委員

○議事

(以下、議事録)

 

○政策評価官 

 それでは定刻となりましたので、ただいまから第62回厚生労働省独立行政法人評価委員会医療・福祉部会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。

 私は710日付けで政策評価官を拝命いたしました原口と申します。以後よろしくお願いいたします。

 本日新しい任期の下での第1回の会合となりますので、後ほど委員の皆様方に部会長を御選出いただきますが、それまでの間、私のほうで進行をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 議事に入ります前に、本委員会の開催に当たりまして、政策評価審議官の山沖から御挨拶させていただきます。

 

○政策評価審議官

 政策評価審議官をしております山沖義和です。どうぞよろしくお願いいたします。

 皆様方には御多忙のところ、独立行政法人評価委員会医療・福祉部会の委員、臨時委員に御就任いただきましてありがとうございます。また、本日は天気が悪く、蒸すという感じがありますし、足元が悪い中お集まりいただきまして御礼申し上げます。 独立行政法人の運営に当たりましては、自主性とともに公共性、透明性というものが求められています。そのため中期目標・中期計画等を定め、その業務の実績を評価すること、すなわちPDCAサイクルに基づいて、不断の見直しを行うということが極めて重要です。

 本委員会では、これから8月下旬までに掛け、全部で7つの部会に分かれ、総会、部会合わせ全部で25回、約70時間の審議をお願いしていますが、このうち本部会では、本日と86日、13日の3回で9時間程度、本日最初にやっていただきます福祉医療機構、そして医薬品医療機器総合機構、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の3つの法人について、評価していただくことになっています。

 ただ、通常でしたら年度の実績評価をしていただくだけでよろしいのですが、今年の本部会の場合は、福祉医療機構とのぞみの園の2つについては、中期目標期間の終了年度が平成24年度になりますので、今回は昨年度の実績評価に加え、中期目標期間全体の評価を行っていただき、もう1つの医薬品医療機器総合機構につきましては、中期目標期間の終了年度が平成25年度になり、現在、最終年度という形になりますことから、昨年度の実績評価に加え、4年間の実績を踏まえた暫定評価等を行っていただくことになります。

 資料1-4にもありますように、年度の評価プラス暫定評価若しくは最終評価を、それぞれ全ての法人について行っていただくことになります。

 委員、臨時委員の皆様方には、厳しいスケジュールの中ではございますが、独立行政法人に対し、適正かつ厳正に御評価いただきますようお願い申し上げまして、私からの御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○政策評価官

 続きまして、委員の皆様方を御紹介いたします。皆様方には先に辞令を郵送させていただいておりますが、厚生労働省独立行政法人評価委員会委員又は臨時委員としまして、本年の630日付けで厚生労働大臣の任命が発令されております。

 また、先ほど御説明申し上げましたが、722日に開催されました委員総会において、お手元に配布しております資料の1-2ですが、皆様方の医療・福祉部会への分属が決定しましたことを御報告申し上げます。

 それでは、お手元の資料1-1にありますとおり、50音順で恐縮ですが、御紹介をさせていただきます。委員としまして、公認会計士の五十嵐邦彦委員、本日は欠席です。東洋英和女学院大学人間科学部教授の石渡和実委員、神戸大学医学部付属病院薬剤部長・教授の平井みどり委員、多摩大学医療・介護ソリューション研究所所長・教授の真野俊樹委員。大阪府立大学人間社会学部准教授の三田優子委員、本日は欠席です。続きまして臨時委員ですが、社会福祉法人訪問の家理事長の名里晴美委員、京都大学大学院薬学研究科教授の橋田充委員、株式会社明治安田生活福祉研究所主席研究員の松原由美委員です。

 最後に事務局を御紹介します。室長補佐の和田でございます。

 それでは議事に入らせていただきます。議事の(1)ですが、部会長の互選、部会長代理の指名でございます。まず最初に部会長の御選出をお願いします。選出手続について簡単に御説明します。お手元のピンク色の資料集の50ページを読み上げますと、厚生労働省独立行政法人評価委員会令の第5条第3項において、「部会に部会長を置き、当該部会に属する委員の互選により選任する」という手続が規定されておりまして、委員の皆様方の互選により選任することになっていますが、いかがでしょうか。

 

○石渡委員

 それでは互選ということですので、推薦をさせていただきます。医療・福祉部会で、これまでとても的確な運営をしてくださっていますし、議事運営だけでなく御経験、御見識が非常にお高い真野委員に引き続き部会長をお願いしたらと思いますが、いかがでしょうか。

(各委員了承)

 

○政策評価官

 ありがとうございます。それでは、真野委員に部会長をお願いしたいと思います。以後の進行については、真野部会長にお願いしたいと思いますので、座席の移動をよろしくお願いいたします。

 

○真野部会長

 選出していただきましてありがとうございました。私が部会長を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 慣例で、私に何かあったときに、ほかの先生に部会長代理として職務を代理していただくことに、評価委員会令の第5条第5項でなっています。部会長代理を私から指名させていただきたいと思います。

 医療・福祉部会の今までの御経験、御見識を踏まえて、平井委員に本部会の部会長代理をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(各委員了承)

 

○真野部会長

 ありがとうございます。それでは平井先生、席の移動をお願いします。

 

○真野部会長

 先ほどから話題に出ていますように暑い夏でありますが、医療・福祉部会の所管の独立行政法人の評価をしていく形になります。最初に、事務局から資料に基づいて各法人の概要について御説明いただくことになっていますので、よろしくお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 それでは医療・福祉部会所掌の独立行政法人について御説明しますので、資料1-3を御覧ください。医療・福祉部会所掌の独立行政法人につきましては、全部で3法人になります。

1ページ目の医薬品医療機器総合機構ですが、こちらは平成164月に設置されました法人になりまして、4の「業務概要」にありますとおり、医薬品の副作用や生物由来製品の感染等により健康被害を受けた方に対する医療費、障害年金、遺族年金等の給付などの健康被害救済業務、また、薬事法に基づく医薬品や医療機器などの承認審査等の業務、あるいは医薬品や医療機器などの品質、有効性及び安全性に関する情報収集、解析、あるいは情報提供といった安全対策業務などを行っています。

3ページの福祉医療機構になりますが、こちらは平成1510月に設立された法人で、4の「事業概要」にありますとおり、社会福祉施設や医療施設の建築資金や運営に必要な資金の貸付け、これらの施設に対する経営指導・経営診断などの実施、福祉医療関連の情報の提供、民間などによる地域を支える福祉活動に対する助成、社会福祉施設の職員等に対する退職金の給付、障害のある方が安心した生活を送るための相互扶助による保険事業、厚生年金、労災年金等の受給者に対する小口資金の貸付けなど、多岐にわたる事業を行っています。

3つ目が5ページの重度知的障害者総合施設のぞみの園になり、こちらは平成1710月に設立された法人で、群馬県高崎市にあります。4の「業務概要」にありますとおり、重度の知的障害者に対する自立のための総合施設のぞみの園の設置と運営、また、知的障害者の自立のための調査や研究、情報提供、知的障害者の支援の業務に従事する人材の養成や研修などを行っています。

 それぞれの法人の詳細な業務内容ついては、個別評価に入る際に法人のほうから御説明します。また、各法人の前年度の実績評価については、個別評価、総合評価という形でそれぞれ2回、委員の方々からの意見をいただくことになっています。

 資料1-4に今後の開催日程がありますが、本日は福祉医療機構の個別評価について御審議いただき、医薬品医療機器総合機構、のぞみの園については86日に開催される部会で、個別評価について御意見をいただく形になります。

3法人の個別評価を行っていただいた後、813日に開催される部会で総合評価を行っていただきます。この際に、中期目標期間最終年度あるいは中期目標期間を終えた法人については、暫定評価又は最終評価も併せて行っていただく形になります。具体的な評価の進め方については後ほど御説明します。事務局からは以上です。

 

○真野部会長

 ありがとうございました。今、我々の所管させていただく法人の説明があったわけですが、何か御質問はありますか。よろしいですか。

 それでは、次の議題に移りたいと思います。次の議題としては、例年やっていることですが、独立行政法人の実績評価を行うことです。改めて新任の先生もいらっしゃいますので、評価の流れと評価基準について、事務局から再度説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 個別評価の進め方について、資料1-5に沿った形で御説明します。

 最初に、法人の理事長から平成24年度の法人全体の業務実績について御説明いただき、その後、各評価項目を4つ程度のパートに分け、法人から実績と自己評定結果について御説明いただきます。その後、各パートごとに質疑応答を行い、委員の方々にはSDの評定、その評定理由について「評定記入用紙」に記入していただく形になります。なお、各パート区分については、資料1-8に記載されています。

 評価については、総務省に設置されています政策評価・独立行政法人評価委員会、いわゆる政・独委といわれているものがありますが、こちらで作成しています「評価の視点」等を踏まえて評価をしていただく必要があります。これに加え、今年520日に政・独委から、二次評価に当たって特に留意すべき事項が示されています。評価の視点については資料集の89ページに、特に留意すべき事項については資料集の95ページに掲載されています。

 医療・福祉部会では、これらに関する法人の実績を「業務実績評価別添資料」に取りまとめており、この別添資料に記載された事項を評価するチェックポイントを、資料1-6としてまとめておりますので、評価に当たって参考にしていただければと思います。

 また、各法人は、この対応方針を受けて資料の作成や説明をしていただきますので、御留意ください。

 法人の個別評価が終わりましたら、各委員の御評価を踏まえた評価書案を所管課と起草委員とで調整しながら作成していただくことになります。各委員の起草担当の法人については資料1-7に記載されていますので、御担当の方はよろしくお願いします。

 また、作成していただきました評価書案については、総合評価の部会で各委員に御審議いただく形になります。

 

○政策評価官

 続きまして、再度補足させていただければと思います。お手元に配布しています資料1-8で、本部会で評価する法人について、「医療・福祉部会 平成24年度実績に係る自己評定一覧表」として、表裏で3つの法人について記載しています。本日は1ページ目の下のほうの福祉医療機構について御審議いただくわけですが、左側の所にパート区分として4つのパートに分けてあり、パートごとに後ほど担当の法人から御説明申し上げます。右のほうには、まず法人の自己評定、法人が出してきた評定と、昨年度御審議いただきました評価結果を記載しております。

 評定記入用紙が配布されているかと思いますが、その中のSDの評定については、中期目標及び計画期間の開始前に厚生労働大臣が独立行政法人評価委員会からの意見を踏まえて作成し、法人に示した中期目標に対し、この目標を達成するために法人が作成し、厚生労働大臣の認可を受けた中期計画の各項目に対する達成度合いについて、法人からの説明を踏まえ、各委員の方々に御判断いただき、計画どおりであれば「B」、計画を上回っていれば「A」、計画を大幅に上回っていれば「S」、逆の場合は「C」、「D」とお付けいただければと存じます。

SDの全ての評定については、理由を付していただきたく存じますが、特に「計画を大幅に上回った場合のS」、「大幅に下回った場合のD」については、皆様方の専門的知見、又は国民的な視点等から、そのように判断された根拠等について、御記載いただくようにお願い申し上げます。

 なお、委員の皆様方には資料2-7の評定記入用紙に、評定とその評定を付けた理由を記入しながらの議事になりますが、会議の時間内に記入が終わらない場合は、資料をお持ち帰りいただき御記入いただくか、後ほど、評定記入用紙の電子媒体をメールにてお送りいたしますので、そちらに御記入の上、御提出する方法でも結構です。

 大変お忙しい中、お願いすることで恐縮でございますが、結果については、87()までに事務局宛てに御提出いただきますようにお願い申上げます。事務局からは以上です。

 

○真野部会長

 ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明に対し、何か御質問ございますか。よろしいですか。

 それでは、今の事務局の説明の手順に従い、各法人の平成24年度の業務実績評価を行っていただくようにお願いします。

 それでは、先ほどから話題に出ています、福祉医療機構の個別評価をさせていただきたいと思います。最初に、理事長から御挨拶と平成24年度における業務実績の概要の説明をお願いいたします。

 

○福祉医療機構理事長

 福祉医療機構理事長の長野です。本日は、私どもの第2期中期目標期間の最終年度である平成24年度の業務実績について、個別評価をいただくことになっています。委員の先生方には、どうか忌憚のない御意見、御指摘を賜りますよう、お願いいたします。資料2-1「福祉医療機構平成24年度業務実績の概要」に沿って手短に説明します。

1ページ、「福祉医療機構の概要」です。2ページに、今回の16の評価項目の全てを事業体系別にまとめています。私どもとしては、平成24年度においても、平成23年度に引き続き、非常に充実した実績を上げたものと考えており、自己評価は16項目中5つの項目で「S」としました。以下、「S」項目を説明します。

3ページの福祉医療貸付事業ですが、介護基盤の緊急整備、子育て支援のための保育所整備、病院の耐震化整備など、大幅に増加している資金需要に対応して、国の施策を着実に支援することができました。

4ページの退職手当共済事業については、利用者サービスの向上を図ることで貢献できたと考えています。

 効率的な業務運営体制の整備については、5ページのガバナンス態勢図を御覧いただきたいと思います。真ん中の右のほうにありますが、新設した業務管理課を中心にして、金融庁検査準備室を設置し、業務の適正を確保するための内部統制態勢の整備を進め、ガバナンス態勢の構築に取り組んでいるところです。

6ページに経費の節減状況をまとめています。一般管理費については、目標を大きく上回る21.6%の節減を達成することができました。また、ラスパイレス指数もおおむね100ポイントとなり、計画を達成することができました。以上、5つの項目について、計画を大幅に上回る実績を上げたものと考え、自己評価を「S」としました。

7ページには、特記事項として、東日本大震災被災地支援の取組みをまとめています。東日本大震災で被災されたお客さまに対しては、機構の総合力を発揮して支援に努めてまいりました。具体的には、福祉医療貸付における災害復旧資金の優遇融資、直接現地に赴いての融資相談会や個別相談会の実施、復興支援セミナー、自治体や福祉医療関係者との意見交換会等を積極的に実施してきたところです。

 機構の平成24年度決算のポイントについて、説明します。最後の9ページに、平成24年度の経営状況を記載しています。機構全体では、519億円の当期利益を計上しました。承継勘定の当期利益482億円は、回収元本の2,150億円と併せて2,632億円を、本年7月に国庫納付したところです。

 以上が業務実績の概要ですが、私どもは常にお客様の声に耳を傾けて、質の高い商品・サービスを提供することによって、お客様から選ばれる組織でありたいと、役職員一同努めているところです。最後になりましたが、委員の先生方におかれましては、私どもの業務運営について、引き続き御指導・御鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 

○真野部会長

 評価を進めてまいりたいと思います。福祉医療機構の個別評価については、評価シートの項目を4つのパートに分けて、パートごとに評価を行っていきたいと思います。最初に、パート1、「法人全体の業務運営の改善に関する事項」、「業務運営の効率化に関する事項」について評価を行いたいと思います。評価シートの評価項目14に該当する部分です。時間としては、法人からの説明が15分、質疑が5分ほどということで、20分ぐらいでやりたいと思っています。

 それでは、法人から説明をよろしくお願いします。

 

○福祉医療機構総務企画部企画室長

 総務企画部企画室長の岐部です。よろしくお願いします。私からは、資料2-2「業務実績評価シート説明用資料」を中心に説明します。資料としては、そのほかに2-3業務実績評価シート、それに2-4が別添資料になりますが、政・独委から示されている視点に沿って作っている資料、それに2-5が、私どもの説明の参考ということで添付資料を付けています。そのほかに2-6が経年資料ということで、こちらは数値の目標を中心にして過去からの経緯、推移が書いてありますので、御覧ください。そして2-7が評定の記入用紙になります。

 早速ですが、資料2-2で御説明します。1ページがPart1。こちらは法人全体の業務運営の改善、それに効率化に関する事項です。

2ページは最初の評価項目、「効率的かつ効果的な業務運営体制の整備」ということで、自己評定は「S」としています。最初に、なぜ「S」にしたかという総括を説明させていただいて、その後、個別の具体的な事例等を説明させていただければと思っています。

2ページのオレンジ色の総括部分を説明します。トップマネジメント機能を補佐する経営企画会議を効率的かつ効果的に開催し、重要案件に対応するとともに、役員連絡会(1回開催)を通じて組織内での情報の共有化、問題意識の統一を図ったということです。また、特に東日本大震災の対応として、例えば返済猶予先へのフォローアップ調査や復興支援セミナーを各部連携して行うことを決めたり、機構内の業務間の連携を強化しながら、機構の総力を挙げて支援に努めることができました。

 そのほか、業務運営体制の整備については、組織のスリム化を図るとともに、ガバナンスの更なる高度化を図るため業務管理課を新設し、また関連部署の横断的な組織として金融庁検査準備室を設置して、リスク管理等について取り組んでいるところです。こういうことから見て、年度計画を大幅に上回る実績を上げることができたと考えているところです。

 具体的には5ページをお開きください。こちらが組織のスリム化です。以降、説明資料の構成としては、一番上に評価の視点を記載しており、真ん中にこのようなことをしたという実績を示し、一番下のグリーンの所で結論を述べる構成としています。

 平成24年度の組織改編ですが、業務の実態を踏まえて共済部、年金貸付部を再編して、2つのポストを削減しています。そのほか、ガバナンスの高度化ということで、こちらはリスクとコンプライアンスを一括して管理する部署ということで業務管理課を新設しているところです。参考ですが、独法の設立時から平成24年度までのポストの削減状況としては、理事1名、部長4名、次長2名、課長14名ということで、大幅な削減を実施してきたところです。今後も、効率的かつ効果的な業務運営を行うために、組織の継続的見直しを行ってまいります。

6ページは経営企画会議の運営ですが、私どもは、トップマネジメントを補佐する経営企画会議を独法の設立のときから設置しているところです。こちらは当初、月に1回開催していたものを、平成23年度よりトップダウン方式とボトムアップ方式による月2回開催に見直し、上からのトップダウンと下からのボトムアップという2つのやり方ということで、月2回に変更して、迅速に様々な重要事項に対応しているところです。

 例えば、平成24年度における運営としては、年度当初の理事長の示達、全役員による平成24年度の重点目標の指示、その他第3期中期計画の策定等です。そのほか、業務進捗状況の監視については、QMSに基づいた定期的な業務運営の進捗管理とか、毎回、理事長所感ということで、理事長の運営の考え方を役職員に周知徹底しており、環境整備ができていると思います。

 また、役員連絡会ということで、これは毎週1回開催していますが、この中で組織内での情報の共有化及び問題意識の統一の徹底を図ることにより、理事長の意向が組織運営に反映される統制環境の整備が推進できたと考えているところです。

7ページは参考ですが、新たなガバナンス態勢に係る考え方です。現在においても、ガバナンス態勢は整っているところではありますが、今後の金融庁検査にも対応できるよう、更なる高度化ということで、41日に金融庁検査準備室を設置しています。この中で、リスクの洗い出し、組織の見直し等を行っており、平成26年度実施に向けてロードマップを作成しているところです。その下が新たなガバナンス態勢図ですが、考え方としては、各リスクに対して統括管理責任部署を決めて、リスクをカテゴリー別に統括していこうという考え方です。

8ページです。業務間連携については、先ほどから申し上げている金融庁検査準備室の設置のほか、「業務間連携強化プロジェクト」、「働きがいのある職場づくりプロジェクト」を立ち上げ、様々な提言の実現に向けて検討しているところです。

 また、業務間連携では、東日本大震災への取組みがあります。9ページの左上ですが、福祉貸付部、医療貸付部、顧客業務部、共済部、助成事業部が連携して被災地における復興セミナーを開催したり、被災して返済猶予した先に対して、債権管理部門だけではなく、経営支援部門が連携して全貸付先に対してフォローアップ調査を行うなど、迅速かつきめ細やかな対応、こうした取組みにより被災地の復興を支援しているところです。

11ページ、2つ目の評価項目、「リスク管理の充実」です。こちらは自己評定を「A」としています。

 具体的なところですが、12ページ、こちらが「品質マネジメントシステムの運用」です。中段の右側に「品質マネジメントシステム(QMS)」と書いておりますが、これについては顧客満足度の向上を目指して、その提供プロセスを管理するシステムで、そのプロセスを管理してPDCAを回すというものです。この仕組みについて、当機構においては、ISO9001に基づくQMSの認証を平成171月に受けているところです。これについては、外部の審査機関から3年に1回、更新審査を受審するわけですが、平成252月に受審して、「QMSに基づく、品質向上活動への管理レベルは高い」との高評価を得ているところです。

 平成24年度の具体的な取組みとしては、全部署に対して内部監査を行い、その中でリスクなどいろいろな問題点を抽出して、その是正をしながら、それを経営企画会議に報告するということで、継続的な業務改善活動が推進できたと考えています。

13ページ、こちらが現在のガバナンス態勢ですが、今現在でもリスク管理とコンプライアンスは整備されています。平成24年度に行ったものはグリーン色で示していますが、リスク対応計画の是正・改善、事業継続計画の見直し、先ほどからお話している金融庁検査準備室の対応があります。

 どのようなことをしたのかが、14ページの下に書いてあります。例えば、リスク管理委員会においては、3月にリスク対応計画の自己評価をして、承継年金住宅融資債権の貸倒引当金の計上について、予想損失率から、より精密な貸倒れの実績を基準にしたものに変えたり、また危機管理対策本部では、事業継続計画の見直しということで、職員に対する安否確認システムの導入など、こういう様々な取組みを行っているところです。

15ページ、こちらについては業務改善活動の活性化ということで、3つの柱があります。1つは働きがいのある職場づくりプロジェクト、もう1つは理事長による若手職員に対する意見交換会を実施しています。そのほか、自由に職員からの意見を取り入れるということで、意見提案箱制度を設けて、業務改善を行っているところです。

16ページはALMシステムの活用です。ALMについては、マチュリティラダーとデュレーションギャップ等を実施して、金利リスクについては特に問題がないと検証できているところです。また、個人情報保護等についても、下に書いてあるとおり様々な研修を行い、個人情報保護の徹底や情報セキュリティ対策の充実を図っているところです。

3つ目の項目、「業務・システムの効率化と情報化の推進」です。こちらは、自己評定を「A」としています。

 具体的には18ページをお願いします。私どもは、平成202月に「業務・システム最適化計画」を策定して、CIO補佐官の支援・助言を基に、実施をしているところです。

 平成24年度のマトリックス的なところとしては、下段の左側、WAM NET事業です。こちらについては、平成2212月の「事務・事業の見直しの基本方針」で様々な提言があり、その中で私どもは新しいシステムを平成2410月に開始しましたが、その作業として「クラウド環境提供事業者」の選定など様々な取組みにより、経費の削減、縮減等も実施してきたところです。そのほかにも、右側ですが、退職手当共済事業や年金担保貸付事業の入力作業の委託業務についても、例えば入札のときに応札事業者が公平な見積りができるようにとか、こういうサービスをしてほしいということを明記して、安定した業務の質を確保したり、実際に業務委託を行うに当たりましては、実施計画書点検リストを基に適切なスケジュール管理を行い、業務の安定性を確保しています。

19ページは、ほかにも様々なシステムがありますが、これらの改修を適宜実施しており、継続的な改善に努めています。

20ページは、情報化推進体制の強化です。昨年、第2期中期情報化推進計画の実績を評価して、新たな第3期の推進計画の内容を決定したり、IT関連については、様々な外部・内部研修の受講、また様々な職員研修を行い、情報化の進展に対応できる体制を整備できたと考えているところです。

4つ目の評価項目、「経費の節減」です。こちらは「S」としています。3つポイントがあります。先ほど理事長からもお話がありましたが、一般管理費の節減ということで、中期計画を大幅に上回る実績を達成できたことが非常に大きなポイントだと思います。そのほかにも「随意契約等見直し計画」ということで、こちらも計画を達成できました。また、給与水準も、様々な苦労をしましたが、ラスパイレス指数はほぼ100ポイントとなり計画どおり達成できたということで、自己評定「S」としているところです。

 具体的には23ページをお願いします。こちらは「随意契約の適正化」です。こちらについては、できるだけ企画競争・公募について一般競争への移行を推進しました。また、契約審査会において、契約方式及び仕様書の妥当性を審議しました。

 そのほかにも、一者応札等について様々な取組みを行い、例えば募集期間を10営業日前から募集するとか、資格要件をみだりに制限しないとか、そういう取組みを行った結果、左上の表「競争性のない随意契約」と書いてありますが、こちらが平成20年は22件であったものを、見直し計画では6件にしようという計画に対し、平成24年度の実績としては、この6件を達成しました。この6件についても、右の中段に書いてあるとおり、例えば会計システムとかALMモデル、こういう業務システムの運用・保守とか、私どもの事務所の賃貸料、財務諸表の官報掲載など、真にやむを得ないもののみが随意契約となったものです。このように、随意契約見直しの計画は、適正に推進できたと考えているところです。

24ページは、入札の透明性等の確保ですが、機構の内部のチェックということで、契約審査会でのチェックがあり、一方外部のチェックということで、機構の監事、それに外部の方からなる契約監視委員会のチェックによりダブルチェックを行っています。外部のチェックというのは、例えば一者応札や競争性のない契約が真にやむを得なかったかをチェックしていただいているところで、透明性の確保をここで担保しているものです。

25ページ、様々な経費の節減に取り組んでいるのですが、どのようなことをしたかというところで、右側にシステム運用保守契約の見直しとか、これは契約期間を複数年にしたり、クラウド環境を移行したり、事務所の賃借料の値下げ交渉などを行い、平成23年度に比べて平成24年は更に5,200万円超のコストが削減できました。コスト削減だけではなくて、職員のコストに対する意識が徹底できたということは、大きな効果があったと考えています。

26ページは一般管理費の節減ですが、こちらについては、基準年度(平成19年度)には63億円余であったものを平成24年度に15.5%削減し、53億円ほどにするという計画でした。平成24年の実績としては495,300万円、節減率としては21.6%、目標よりも金額で38,000万円程度(7)という大きな節減を実施することができたということです。

27ページ、給与水準の検証結果です。人件費の総額ですが、平成17年度には241,300万円ほどあった人件費が、平成24年度の実績としては179,900万円ということで、6億円強の節減をしているところです。節減率としても22%となっています。この結果として、国との比較でラスパイレス指数は、平成17年には108ポイントであったものが、平成24年には100.4ポイントということで、ほぼ達成したというものです。

 最後に28ページですが、どのようなことをして人件費を削減したのかということです。28ページの下を見ていただくと、公務員と同じ削減をしたのではラスパイレス指数は落ちないということでして、また、人件費ですので、単年度では達成しえないということで、長い時間をかけて様々な削減をしているというものです。例えば、平成16年度においては全職員の昇給を停止、平成17年に大幅な5.3%のカット、その後、組織のスリム化、管理職をスリム化した上で、平成22年には機構独自で1%の削減、平成23年にも1%の削減、そのほか、平成23年には国が55歳以上1.5%の削減のところを、機構では更に引き上げて2%の削減ということで、こういう取組みを行い人件費の削減が実現できたと考えています。急ぎましたが、説明は以上です。

 

○真野部会長

 委員の皆様から質問とかはありますか。時間の都合があるので、同時並行で評定記入用紙を記入される方、あるいは後でされてもいいのですが、質問とかはいかがですか。

 私から1つ、先ほど理事長の若手職員面談というお話をいただきました。最近、若手の方が結構入られているからこういうことをされている気がしますが、若手の方がどれぐらい入られているかが1つと、もう1つは、もちろん皆さんの組織は金融ですが、一方で福祉医療という視点ですので、若手の方は機構にどういうイメージを持っているのか。例えば、銀行に勤めるイメージで来るのか、もう少し福祉医療寄りで来るのか、そのようなところも面談の中でお感じになられていることがあったら教えてください。

 

○福祉医療機構理事長

 私からお答えします。ここの若手というのは、係長にまだなっていない、入社1年目から78年目の層で、年によって採用人数は違うのですが、最近では、退職者の状況を見ながらということですが、10名ぐらいを採用しているところです。入社の動機ということでは、多分、半分だろうと思うのですが、福祉系、あるいは医療系より福祉系のほうが多いと思いますが、大学生が学んでいく中で福祉系の仕事をやっていきたいというものと、あとは病院関係あるいは社会福祉関係の施設の融資をやっていくということに注目しての入社動機です。助成事業も行っているので、NPOを支援するということで入ってくるというところがあろうかと思うのですが。あと、係長以上とは、理事長と個人面談を一応やってきたのですが、係員レベルのところでは個人面談はお互いに重いかと思い、グループで78人を相手に私1人で対応するということで、そこからまたいろいろな意見が出てくるので、それを次の経営にいかしていくということを考えて行っています。

 

○真野部会長

 長野理事長のいつもながらの、そういう組織をうまく運営していくという発想というか、実行もそうですが、それに感銘を覚えた次第です。ほかはいかがでしょうか。

 

○松原委員

 ラスパイレス指数が100.4ということで、100は若干超えているわけですが、金融機関でありながらほぼ100というところがすごいと思うのです。そのためにもいろいろ、昇給停止をしたところもあるし、課長職を減らしたりとかいろいろ努力をなさっているということで、こういうことを達成できたと思うのですが、非常に気にかかるのが、職員のインセンティブ、モチベーション維持を、金融機関であってここまで下げてくるというあたりのバランスの取り方は、非常に難しいと思うのです。そういうことを何とかフォローするのにも、元気で明るい職員確保プロジェクトとか、いろいろなさっているようですが、質問というより意見です。是非、ラスパイレス指数をここまで下げておきながら、職員のモチベーションをどういうふうに図っていくのかというあたりを、十分御配慮していると思うのですが、更なる御配慮をお願いしたいと。あと、ラスパイレス指数はずっと下げていかないといけないのですかね。そこら辺はどうですか。

 

○真野部会長

 これも我々の部会で常に話題になるものですね。福祉医療機構と医薬品医療機器総合機構が非常に専門性の高い仕事をしていて、金融とか、製薬会社とか、そういったほかのマーケットから人を採用する場合において、ラスパイレス指数を100にするという目標はちょっと厳しいのではないのかということを、我々は常々思っているし、部会でもよく話題に出るのですが、これはルールですから、駄目だということで理解していますが、本当にそれでよろしいでしょうかという御意見ですが、何かコメントはありますか。

 

○福祉医療機構理事長

 今の御意見は、私ども職員にとっても励ましになると思います。私自身も職員の給与を下げていくのはなかなかつらいところがあるわけですが、ラスパイレス指数を100ポイントにするのが1つの目標として挙げられているので、それを何とか実行するという一方では、給与は下がるのだけれども何とか働きがいのある職場にしたいと思っています。給料が下がっては、なかなか働きがいはないと考える職員もいると思うのです。そこに働きがいを、また、自分たちでこういう職場にしたいという思いを聞きながら、あるいは私から提案しながらやっていきたいとも思っています。

 

○平井部会長代理

 いつも機構に関しては非常に効率的な運営とか、理事長のリーダーシップに感銘を受けているのですが、御説明いただいた15ページの「業務改善活動の活性化」という所で、具体的にもう少し教えていただきたいのは、例えばミーティングの迅速化、職場環境の整備・改善、長時間労働の改善、こういうテーマについて、具体的にどういうことをされて、どのような成果が上がったかを少し教えていただきたいのですが。

 

○福祉医療機構総務企画部企画室長

 例えば、ミーティングの迅速化という点は、ミーティングはどうしても長くなるということで、一義的には標語で「いいかいぎ」みたいなゴロを付けてスローガンを掲示し、啓発しているということはありますが、できるだけ出席の人数を絞るとか、そういうことを考えてミーティングの迅速化を図っています。また、会議室の時間の管理について、前は1時間単位のものを、より細かくして時間をきちんと守りやすくしています。

 そのほか、長時間労働の改善については、どうしてもワークライフバランスみたいな話題があるとは思うのですが、今の提言の中で実施しようとしているのは、今までノー残業デーということで、週に1日、残業しない日をつくろうという取組みを行ってきたわけですが、1日ではなくて、組織全体ではできないので、個人単位で1週間ノー残業ウィークというのですが、その1週間はできるだけというか、極力残業はしないと。それで、ほかの人がカバーしてそれを実現するという取組みも行っているということです。

 

○福祉医療機構理事長

 直近では、次世代認定マークの「くるみん」マークの取得に向けて2年ほど前から取り組んでまいりましたが、この6月に認定を受けて、そういう意味では、働きやすい職場、ワークライフバランスを実現できる職場の整備も1つあります。

 

○真野部会長

 大分質問も出ましたし、シートの記入もできているかと思いますので、この後パート2に参りたいと思います。パート2は、「業務の質の向上に関する事項」です。トータル30分ほどということですが、また、例によって時間がかなり遅れていますので、早めに御説明をお願いします。よろしくお願いします。

 

○福祉医療機構総務企画部企画室長

 資料2-229ページです。こちらは私どもの貸付けのところで、福祉貸付事業、医療貸付事業、それと、債権管理、経営指導事業の4つになっています。

31ページ、「福祉貸付事業」です。こちらにつきましては、昨年度に引き続き、自己評定を「S」とさせていただいています。政策融資の果たすべき役割を踏まえ、例えば福祉であれば介護基盤の緊急整備、それに保育所の整備等々について優遇融資を実施することにより、ここ数年の非常に高い需要に迅速かつ的確に対応できたこと。

 もう1は、東日本大震災に対する対応ということで、優遇融資の実施はもちろんですが、被災地へ直接赴き融資相談会、個別訪問、自治体との意見交換等を実施し、円滑、迅速かつきめの細かな対応を図ったということが言えると思います。また、審査・資金交付に当たりましても、最優先で実施することで被災地の復興を強力に支援してきたと考えております。

 具体的な事例ですが、32ページは契約状況と交付状況の実績です。例えば交付では、21年度から需要がどんどん伸びているということで、21年度の交付は991億のところが、24年度では2,298億円で、21年と比べ1,300億円ほどの需要の増でした。こういうものに機構のほうで対応を迅速に行っておるものです。

 少し飛びまして、34ページは、社会福祉施設の特徴ですが、例えば規模が小さくて財政基盤が脆弱である、公共性が高い、担保処分がなかなかできないなど、営利企業とは異なり、あまり融資に適した環境にないことから、機構が融資させていただいているわけです。

35ページが、24年度の主な福祉貸付の実績です。真ん中の東日本大震災への対応は、無利子融資を行うなど、44件、64億円の審査を行いました。また、左の介護基盤の緊急整備が296件、1,226億円。そのほか、耐震化整備が24件、46億円。今話題になっています保育所の整備が423件、290億円の審査。こういうことを積極的に行って、安定的な基盤を支援しているものです。

36ページは割愛しますが、利用者の利便性ということで、大都市部の借地等について、積極的に融資を行っているところです。

37ページは、福祉貸付の大きな特徴ですが、老人関係につきましては、平成18年に創設されました地域密着型サービスに対する融資を積極的に行っております。老人の中の部分では約4割が、この地域密着型に融資をしており、その中でも小規模多機能型居宅介護事業所、特養、認知症グループホーム、こういうものを中心に、私どものほうでも重点的に融資を行っております。

38ページは東日本大震災への対応です。右側の融資相談会の実施ということで、直接現地に赴き、現地相談会を4回、22件の相談、そのほか、お客さまのほうの希望によりまして、例えば施設を見ていろいろなアドバイスを聞きたいとか、様々な御要望があります。このようなものに対して12か所の個別訪問相談等を実施しています。そのほか、地方公共団体や社協等々、意見交換会を行い、結果としまして、厚生労働省及び関係団体との協力の下で、被災地において復興セミナーを開催し、被災地におけるきめ細かな対応で、被災地への復興を支援しているというものです。東日本の震災にかかる審査としては、福祉貸付では44件、64億円で、金額、件数ともに老人系が多くなっています。

39ページは、例えば左下の、ユニット型の特養について、過去の実績の調査から、機構のほうで標準モデルを作成し、ホームページに公表するなど、様々な利用者サービスの向上を推進しているものです。

 また、その下の40ページが、協調融資制度の充実です。どうしても社会福祉施設に対しては、経営の状態がよく分からないとか、担保を取りにくいということで、民間金融機関からなかなか融資をしていただけないということがありました。それを解消するために、私どもと民間金融機関が協調融資制度にかかる覚書を締結し、機構のもっているノウハウを提供しながら、銀行のほうでは基本財産に担保が付けやすいというメリットを付けて、こういう制度を推進しているものです。24年度の実績としては、970件に対して160件の御利用で、利用率16.5%となっています。こちらの利用率について老人系は34%と高いのですが、児童・障害系については利用が低くなっています。この原因としては、老人福祉施設に比べて、児童や障害の施設は規模が小さく、事業費が低いとか、国からの補助金等がまだまだ手厚いといったことがあって、協調融資制度の利用が低いものになっていると考えております。この協調融資制度は、お客様の選択肢が広がるということもありますので、機構としては、借入申込者への説明や、受託金融機関への研修会の中で制度の周知を行っていまして、覚書の締結機関数の拡充を行っていきたいと考えています。

41ページは福祉貸付における数値の目標です。審査期間の短縮は、目標30日に対して、24年度の実績は27.5日で、棒グラフのとおり、過去最短で目標を達成。また、資金交付も数値目標15営業日以内を達成しました。以上まとめまして、こちらの福祉貸付事業について「S」の自己評定をしています。

 続いて「医療貸付事業」、43ページです。福祉貸付事業と同様「S」評定です。説明の流れは同じですが、例えば耐震化整備や介護基盤の緊急整備に迅速に対応し、医療においても増大するニーズに対応でき、東日本大震災に対しても福祉と同様、迅速に対応しているものです。

44ページが医療貸付における実績ですが、例えば交付額は22年度から増大しており、こういう増大する利用者ニーズに適切に対応しています。

 また、45ページの医療貸付の特徴ですが、まず1つは、国の推進する医療の機能分化の推進。これは特定病院と言って、下に囲んでいますが、様々なこういう病院に対して積極的に融資しましょうとか、耐震化整備についても、病院の耐震化率はまだ60%程度であることからそちらに力を入れるとか、200床未満の中小病院は財政基盤が脆弱ということがあり、こういう所にも積極的に融資をしようと、こういうところが医療貸付の柱となっています。

47ページが、具体的に24年度はどういう優遇措置を行ったかその実績です。医療貸付については左上の東日本大震災への対応については、医療貸付では初めて、一定期間の無利子の融資制度を創設し、119件、236億の審査を行い、そのほか、耐震化整備として37件、676億円の審査や介護基盤の緊急整備等につき優遇措置を講じさせていただきました。

48ページも福祉同様、融資相談会を被災地で行ったり、個別の訪問相談にも積極的に取り組んでいます。実績としては、先ほど申し上げましたけれども、119件、236億円の審査を了しまして、医療貸付のほうは件数ではどうしても小規模な診療所が多数あったわけですけれども、金額的にはロットの大きい病院が半分を超えております。

利用者サービスの向上も福祉同様、積極的に行っております。49ページですが、例えば医療のほうでは全国を12ブロックに分けて融資相談会を各地で行い、そちらでの融資相談や様々な事業計画のアドバイスを行うなど、様々な利用者サービスの向上を推進しています。

50ページの数値目標についても福祉貸付同様、審査期間の短縮は目標30日のところを19.5日と過去最短を更新し、資金交付も数値目標15営業日以内を達成しているということで、こちらも福祉貸付同様「S」評定にさせていただきました。

51ページは評価項目7、「債権管理」です。こちらについては、新規融資額の縮減の目標が達成できたこと、また、リスク管理債権比率については、目標には届かなかったものの、様々な取組みを行うことにより、リスク管理債権比率が第2期中期目標期間において一番低い比率を達成したこと、そのほか、東日本大震災への対応も適切に行ったということで、自己評定は「A」とさせていただいています。

 具体的な説明ですが、52ページの「新規融資額の縮減」です。左の表のとおり、平成17年度に4,026億円あった契約額を、平成24年度は20%程度削減、3,220億円とするのが目標でした。24年度実績は、震災分381億円を除くと、3,211億円ということで、縮減率20.2%と目標を達成しております。新規融資額の縮減については、昨年の政・独委の「勧告の方向性」の中でも、福祉医療分野については今後新たな成長が期待される分野であること、そして当機構については、当該分野に対する政策融資機関としての大きな役割を担うことが期待されていることから、第3期中期目標期間においては新規融資額の縮減という目標は削除されているところです。

53ページの利差益の確保も適正に確保できており、また、貸付対象等の見直しについても、政策優先度に応じ、必要な貸付条件の改正等を行っているところです。

54ページは債権管理の取組みです。評価の視点としては、リスク管理債権の傾向分析を行っているか、債権悪化の未然防止に取り組んでいるかといった点です。24年度における取組みとして、左上になりますが、私どもは貸付先に対して年に一度、決算書を含めた事業報告書を徴求し、こちらを毎回チェックして、貸付先の経営状況について傾向を分析しています。そのほかにも、大口の貸付先の償還確実性を把握するために、昨年は6貸付先に対してヒアリングを実施し、事業の実績や将来の展望等を聴取しているところです。

 そのほか、右になりますが、債権悪化の未然防止について、先ほどの事業報告書をチェックした結果、例えば経営状況が少し危ないとか、黄色信号が出るような貸付先、昨年度は15貸付先の施設を直接訪問しまして、現在の経営状況、問題点に対して様々な助言等をしているところです。そのほか「延べ」と書いていますけれども、財務の状況を把握するために240件の面談を実施したり、必要なものについては貸付条件の緩和措置を行っているところです。

 また、リスク管理債権の抑制としては、私どものほうでリスク管理債権に係る情報について、毎月の経営企画会議で報告するとともに、四半期に1回は特殊債権処理報告会を開催し、そちらのほうで状況分析を共有しているところです。そのほかにも、新たにリスク管理債権になった要因分析を行い、その問題点等について関係部署にフィードバックしているというものです。

 また、適切な債権区分について、貸付条件緩和が必要な貸付先には適切に措置を講じるということで、現在、86貸付先に対し行っているわけですが、そのほかにも金融検査マニュアルに沿った形で自己査定をしています。

 このように貸付債権について、貸付先の状況把握、関連部署と連携し、債権悪化の未然防止に取り組んだことによって、平成24年度のリスク管理債権比率は対前年度0.19%減の2.25%となり、第2期中期目標期間中最も低い比率を達成しました。。

 具体的な数字は、56ページの下の表です。リスク管理債権額・比率の推移が、213月、私ども第2期中期目標期間の最初の年度ですが、リスク管理債権額962億円、リスク管理債権比率2.97%であったものが、24年度末には729億円、2.25%となり、金額にして233億円の減、比率で0.72%の減と大幅な減少になっています。24年度実績では目標には届きませんでしたが、先ほどを話しました関連部署が連携して、リスク管理債権の抑制に積極的に取り組んできた結果だと考えています。

58ページが貸付条件緩和の関係で、上のオレンジ色のグラフですが、24年度の729億円がリスク管理債権の金額です。片や右の紺色284億円が条件緩和を除いた部分で、この差引額は約450億円であり、リスク管理債権金額比60%ですが、私どものリスク管理債権に占める比率の大きな部分は、条件緩和債権であるということです。この条件緩和については、施設の状況を把握して経営の改善を支援し、必要に応じて貸出しの条件緩和措置を積極的に行うことで、地域に必要な施設の再建、存続を後押しすることが、機構にとっては新たな融資をするのと同様に、機構の重要な役割であると考えているところです。

61ページが東日本大震災への対応です。震災直後に被災地を訪問し、現状を把握した上で、23年度において、当面、133貸付先について6か月の元利金の返済猶予をしたというものです。その後、23年度中に様々な取組みを行い、約定どおり返済を再開した所が49貸付先、条件変更を行い返済を始めたのが34貸付先、残りの50貸付先については24年度当初において最長5年間の返済猶予をした貸付先というものです。24年度においては、こちらの50貸付先全てについてフォローアップ調査をいたしました。内容としては、原則、直接貸付先に現地調査、実地調査を行うもので、現在の施設運営の状況把握、返済や新たな経営資金の必要性についての相談など、様々な取組みを行い、結論的には24年度中に10件、約31億が返済を開始したところです。残りの40貸付先につきましても、今後、積極的にフォローアップをしていきたいと考えているところです。

 次に63ページ、「福祉医療経営指導事業」です。主なポイントとしては、セミナーや経営診断の数値目標が大幅にクリアできたこと、セミナーにおける提供情報等の重点化、それに診断メニューの多様化にも対応できたということで、自己評定を「A」とさせていただいています。

64ページ、集団経営指導(セミナー)関連の数値です。3つの数値目標があります。真ん中の延べ受講者数は、年度計画2,070人以上に対し3,590人と大幅に達成、満足度指標についても、65ポイント以上のところ79.2ポイントと非常に高い結果が出ています。

65ページ、セミナーにおける情報提供の重点化です。事務・事業の見直しの基本方針で2つのことが言われています。1つは、民間と同じようなセミナーを廃止して、機構の独自性を発揮すことる。もう1つは、医療経営のノウハウを民間に普及すること。セミナーにおける提供情報等の重点化については、既に23年度から取り組んでいまして、セミナー数を必要なもの18から14に減らし、機構独自のデータをもって、例えば施設整備計画の策定に対するアドバイスや、病院の機能強化、貸付先の経営実践優良事例の紹介といった機構の貸付と密接に関連した独自性のあるセミナーに変えていっています。また、ノウハウの民間への普及は、24年度の取組みとして、まず、都市銀行と共同開催による医療経営セミナーを1回実施しました。そのほかにも、信金、中央金庫や地銀に機構の職員が赴いて研修を行い、ノウハウを提供したり、私どもの受託金融機関の事務研修会の中で、新たに経営指導のコマを設け、そこでノウハウを提供するといったことを行い、民間へのノウハウの普及を試行的に行っているものです。

 次に66ページの個別の診断です。一番最初の診断メニューの多様化Tして、私どもの貸付先に対して、機構作成の経営指標と自らの施設の経営状況をいろいろと比較ができるという「経営指標自己チェックシート」のサービスを平成24年度から始めています。こちらは2,000件のヒットがあったということで、随分利用されていると感じているところです。

 また、個別経営診断の実績です。年間280件以上が目標ですが、右の棒グラフの平成20年~23年度において、ピンク色の部分が、期間限定の都道府県等の受託分です。通常ベースは紺色で。24年度については375件と、、280件の目標を十分クリアしています。また、診断を受けた方に対するアンケート調査で「参考になった」が70%以上という数値目標に対して、95%の方から「参考になった」という回答をいただき、こちらのほうも目標数値をクリアしています。

 最後に67ページは、経営診断等の収支相償ということで、セミナーについては収支差額700万円余、個別経営診断については500万円、合わせて1,200万円程度の収支差額を確保することができました。パート2の説明は以上です。

 

○真野部会長

 質問はありますか。

 

○松原委員

 保育の環境整備で423件と書いてありますけれども、これは過去と比べたら増えているのでしょうか。35ページです。

 

○福祉医療機構総務企画部企画室長

 昨年がピークだと思うのですが、昨年は483件、313億円の実績です。

 

○松原委員

 その前の年はどのくらいだったのですか。

 

○福祉医療機構理事長

 平成222324と、かなり保育のほうは上がっています。大体400件程度です。

 

○福祉医療機構総務企画部企画室長

22年は金額で300億程度です。

 

○松原委員

 言いたいことは、保育所の整備というのは正に産み控えの緩衝になり、安心して妊娠・出産できる後押しとなるので、ここにこそWAMのお金をどんどん活用していただきたいということです。安心して妊娠・出産できる環境整備、出産や育児の後押しは、少子高齢化の中、社会保障を守るためにも最も重要な点の一つであると思いますので、是非、保育所等の整備について力を入れていることが分かるように、過去はこれだけ伸びているとか、そうした数字も一緒に提示していただけると評価しやすいのと、評価しやすいだけではなく、繰り返しますが、是非、保育所の整備には力を入れていただきたい。

 昨年度も申し上げましたけれども、民間金融機関だと待っているだけではなくて、外に出て、借りてください、こんな事業をやったらどうですかと提案しますので、是非、保育所については自ら足を運んで、こういうことができるのではないかとか、いろいろ提案していくような、外に出ていく融資をしていただけると本当にありがたいなと。最後のほうは意見です。

 

○福祉医療機構総務企画部長

3月まで福祉貸付部長をやっておりました総務企画部長の秋山と申します。保育の関係は、松原先生からお話があったとおり、非常に重要なことだと思っておりまして、私も福祉貸付部長時代に、先ほど足を運んでということがありましたが、個別の法人さん、自治体のほうも当然ですが、それから保育の協議会などいろいろな場に行って、保育の融資の関係とか、説明の機会を、昨年は何回かさせていただきました。そういう結果もあるとは思いますが、例えば横浜の今回の待機児童ゼロ作戦とかそのようなことに対してもかなり力を入れていただいて、市役所からもいろいろな話がきたり、法人さんからもいろいろなお話を伺ったり、施設整備にそれを結びつけていく。なおかつ、保育の場合は4月に開園しないといけませんので、非常に短期間で相談を受けてから処理をしていかなければいけない。契約工期の問題もありますので、そういう意味では当時の職員、今も福祉貸付の職員一丸となって、そこら辺は対応してきたつもりでございます。

 

○真野部会長

 非常に重要な視点をありがとうございました。ほかにどうでしょうか。

 

○名里委員

 貸付の審査の期間が短くなっているということだったのですが、私も社会福祉法人ですが、短くなったことは大変ありがたいと思うのですが、逆に、きちんと審査をしなければいけないというか、運営の団体のほうの審査をしなければいけないということで、短くなったことでの弊害というか、そういうことはないでしょうか。大丈夫でしょうか。

 

○福祉医療機構総務企画部長

 理由の1つとしては、今まで融資をするといった場合に、機構はかなりたくさんの書類を求めていました。それを、22年度に全般を見直して、23年度から3割ぐらい書類関係を減らしまして、必要最小限の形にさせていただきました。そのことによって、機構の審査段階でも見るチェックポイントがかなり絞られてきていますので、そこら辺での適正化は図られているのではないかと思っております。そのことによって、多少、法人様のほうも事務処理での間違いが少なくなってきているという状況はあるかと思います。

 また一方で、内部での処理の関係も、書面の稟議で、内容を見て決裁を取るような形にして、迅速な処理を行うとか、そのような処理方法のところでの工夫をさせていただいています。ただ、内容的にはきちんと見させていただいているという状況です。

 

○真野部会長

 よろしいですか。

 

○名里委員

 はい。

 

○石渡委員

 石渡と申します。例えば49ページに「利用者サービスの向上」ということで、WAMさんがいろいろな努力をされていることはお話を聞いていて感じるのですが、利用者サービスと言ったときに、多分、WAMの大きな役割であるハードとか、実際に効率的に経営をするというような辺りで、専門的なサービスとあるのはきちんとやっていただけているのかなと思うのですが、実際にそこで展開されているソフトなサービスと言いますか、そこで職員によってどういうサービスが提供されるかという辺りとの、ハードとソフトの相対的な評価みたいなことが行われているのかどうか、ちょっと担当が違うのかもしれないですけれども、お聞きしたいと思います。

 先ほど保育所の整備みたいなところについてもお話をいただきまして、私は横浜市民ですから、横浜市がかなり短期に集中的に受皿の整備をしたところはよくお聞きしていますけれども、質が低下しているというのは、利用している方とか運営に当たっている行政などからも聞くところです。特に、民間企業が運営している機関に関しては、非常に質が悪くてというようなところも、単純に分類してはいけないかと思うのですが、その辺のノウハウに問題があるというようなこともよくお聞きするところなので、ハードなところとソフト面との質の評価みたいなものをどのように押さえていらっしゃるのか、少しお聞きしたいのですが。

 

○福祉医療機構総務企画部企画室長

 融資相談に当たりましては、当然ハード面の相談はしておりますけれども、ソフト面については、実質融資させていただいた後、法人様に伺い、その際に、人材の育成として最初にちゃんと人材を確保しやっていかないといけないとか、組織の教育訓練としてこういうプログラムが必要というお話をお聞きしているので、計画の策定に当たっては、そういうところをまずちゃんと鍛えていって、法人の施設の核となる方に対し、こういうことをちゃんと押さえないと施設は回りませんよなどというアドバイスを行っているところが1つあるとは思います。

 

○福祉医療機構総務企画部長

 補足になるかどうか分からないのですが、我々は単に施設整備をするときに、御融資だけではなくて、相談段階から、職員をどのような体制で運営するのか、機構にもデータがありますので、勤続年数何年ぐらいの方を配置するのか、どのような募集で人材を確保するのですかと、そういう面も含めて、相談段階からいろいろなお話を法人様とさせていただいています。当然、建物構造として保育の基準、あるいは工夫とか、そのような面もお聞きしますけれども、併せて、人材確保の問題や給与の問題も含めていろいろなお話をさせていただき、最終的に審査に乗せていくような形にさせていただいています。

 

○石渡委員

 ありがとうございました。やはり利用する側の視点に立つと、人材などのところもとても気になるものですから、今後御報告いただくときに、その辺も少し見えるような報告の工夫をしていただけると有り難いと思います。お願いいたします。

 

○真野部会長

 ありがとうございました。次にパート3にいきたいと思いますが、30分ぐらい遅れていますので、読めば分かるところは、なるべく短めにお願いいたします。

 

○福祉医療機構総務企画部企画室長

 それではパート3ということで、69ページ、「社会福祉振興助成事業」です。自己評定は「A」です。

 具体的には、73ページが募集要領の策定・公表です。平成24年度では、下に書いてありますが、災害福祉広域支援事業の募集を新たに開始したというものです。こちらにつきましては、東日本大震災において福祉・医療分野での人材派遣の経験、課題等を踏まえ、全国ネットや広域緊急支援の体制が必要であるということから、外部有識者の検討結果を踏まえて、平成24年度募集要領を作成したというものです。また、平成25年度の募集につきましても、左に書いてある区分で募集要領を作成しまして、孤立防止・認知症対策、貧困・格差対策、児童虐待防止、東日本大震災被災者支援の4つを重点支援分野にしているところです。

74ページは、公平性、透明性を確保した審査をしているかというものです。私どもでは、外部有識者からなる審査評価委員会で選定方針を策定の上、選定していただいているというものです。要望から採択率は約4割程度ということで、平成24年度分については395件、18億円の採択をしたということです。特に重点支援4分野については、全体の4分の3ほどを占めています。東日本大震災への重点支援ですが、約20%、81件、51,800万円ほどの採択をしているというものです。

75ページの上の所は、言ってみれば、国や補助団体からなかなか補助が受けられない、そういうNPOに対しまして積極的に助成をしていこうという数値目標です。目標は80%、実績では85%ということで、こちらも目標を大幅に上回っています。また、事後評価等の実施ですが、基本的には、全事業に対しまして助成先が自己評価をいたします。そのほか、約3分の1については委員会の先生方のヒアリング調査、残りにつきましては、機構の職員が書面評価をしているところです。この評価等につきましては、翌年度以降の選定方針などに反映させることによって継続的な改善を実施しているというものです。

76ページにつきましては、助成先団体への助言等ですが、当然、職員が現地への訪問、ヒアリングを行っております。そのほかにも、内定の段階の事務説明会や事業完了に伴う事務説明会などで、例えば、今後の事業の継続方法や発展の仕方等のディスカッションを通して助言を行っているというものです。

77ページが数値目標等です。助成事業を通じて新たに他団体等との連携の効果があった助成先団体が80%以上であるかという目標で、回答としては92%以上となっています。また、助成事業のエンドユーザーの利用満足度は、目標は70%のところ94%ということで、それぞれ、数値目標はクリアしているところです。

 そのほかにも助成事業報告会ということで、優良な事業につきましては、昨年度においては全国3か所で報告会を行ったり、そのほか、東日本大震災被災地支援のシンポジウムということで、実際に被災地で支援をされているNPOの報告等を聞きながらシンポジウムを開催したということで、どちらも大変好評であったというものです。

79ページ、「退職手当共済事業」です。こちらは、昨年度に続き「S」評価としております。こちらにつきましては、平成24年度におきましても、当初計画を上回ります退職手当金の請求があったにもかかわらず、平均処理日数が36.9日となり、この達成度が非常に大きいということで「S」評価とさせていただいております。

81ページを見ていただきますと、右にグラフがあります。平成18年度は91.7日であったものが、平成24年度は36.9日ということで、大幅に短縮しています。平成23年度に比べて若干増えておりますが、1つは、退職手当金の請求者が63,000人から72,000人と、9,000人も大幅に増加したということ。それと、表を見ていただきますと、一番下の濃い所が書類の審査期間、2番目のブルーの所が支給手続の期間、一番上に資金調達の期間というのがありますが、当機構でいろいろ裁量できるのは下2つの所ということで、平成23年度から平成24年度は期間を要していますが、これは実質資金調達の期間ということで、機構内部での事務処理は適切に短縮されているというものです。

 様々な取組みの中、平成24年度の新たな取組みとしましては、例えば事務処理の部分につきまして定量的な目標をセットして、これは個人とか1日当たりではないのですが、グループ全体で1週間でこのぐらいの事務処理をしましょうという目標を設定したり、そのほか、事務のミスが多いところを重点的に実務研修会で説明する等の取組みを行っているところです。

 その結果としてこのように期間が縮減したわけですが、82ページが期間の縮減に大きな力を発揮している部分です。事務負担が一番大きいのは提出書類で、こちらの電子化が一番大きな強い役割を示しているというものです。電子システムの届出では様々な改善をしております。昨年においても、アンケートに基づきまして中身の改善、そのほか、平成24年度には、電子届出システムとはこんなものですというものを、ホームページにナビゲーションシステムを用意し見やすくしたりしました。この結果、平成25年度のシステム利用者は14,000法人ということで、全体の84%まで増えたということです。

 右ですが、電子届出システムの効果です。お客様としては、電子システムを使いますと、単純な記入漏れとか、明らかな齟齬のものはエラーとなり届出ができなくなります。そういうことで、お客さまのほうで事前にチェックできる仕組みになっています。このエラー率ですが、紙であれば2%程度ですが、このシステムを使いますと、エラー率が10分の1になって0.26%まで下がるというものです。エラー率が下がりますと、私どものほうでは、お客様に対する照会の事務やコストがなくなります。そのなくなった部分を給付事務に充てるということで、このシステムを使うことによって期間の短縮ができたと考えているところです。

83ページ、利用者への制度内容の周知等、そのほかにも加入促進に対しては、こちらに書いてあるとおり、適正に行っているところです。

 次に評価項目の11番目、「心身障害者扶養保険事業」です。自己評定は「B」です。

86ページですが、平成23年度の決算を踏まえまして、外部有識者からなる「財務状況検討会」を行って財務状況の将来予測をしているところです。この結果につきましては、厚生労働省、都道府県、障害者関係団体、ホームページで加入者等に公表しているというものです。

87ページは当方の基本ポートフォリオです。左側が基本ポートフォリオですが、平成24年度末においても、この乖離の許容範囲内で収まっているということで、適正に運用されたと考えております。

88ページは運用実績です。昨年は、株式、債券とも高値で、運用利回りとしましては7.85%という高い水準でした。ベンチマークごとの収益実績につきましては各分野におきまして、ほぼベンチマーク収益率を確保できたと考えております。

 また、89ページですが、昨年度まで繰越欠損額が132億円あったわけですが、平成24年度当期の総利益が33億円発生したということで、平成24年度は繰越欠損金が大幅に縮小したというものです。

 続きまして、92ページ「WAM NET事業」です。こちらは、見直しの基本方針に適切に対応したのですが、結果として数値目標が幾つか達成できなかった部分があるということで、自己評定「B」とさせていただいております。

 まず94ページ、「提供情報の質の向上」です。先ほど申しましたとおり、平成2410月から新システムの運用を開始しております。この中で、介護、医療、福祉に関する制度解説の開設、それに、優良事例の紹介や特色のあるニュースといった新しいサービス、コンテンツを提供しているところです。また、右側にありますが、情報提供の速報性ということで、今回の見直しにおきまして、汎用性のあるシステムの導入を図り、機構職員が掲載作業ができるようにして、コストも削減、迅速に情報提供もできるようになったというものです。

95ページ、見直しの基本方針への対応です。こちらは2つのことが言われています。1つは、国と重複する行政情報の提供の廃止です。これは、平成23年に行政情報の直接掲載を廃止しまして、厚労省のホームページにリンクする方法に見直しました。また、民間と競合する情報の廃止ということでワムネットプラス、これは福祉用具とか機器情報の掲載ですが、これをストップしているところです。新たな提供情報の重点化ということで、平成24年度におきましてケアマネ専門の情報提供を開始しております。内容的には、介護サービスの関連のQ&Aとか、その他行政情報を一括して提供していまして、見直しの基本方針に適切に対応しているというものです。

 また、先ほど申しました数値目標が96ページに載っています。WAM NETの数値目標は3つあります。左下の利用機関登録数につきましては、目標86,000件というところを88,000件ということで、こちらはクリアできたわけですが、ヒット数目標19,000万件というところが、平成24年度は14,000万件ということで、こちらが目標に届かなかったということです。これは、平成22年がピークで、24,000万件ありますが、平成23年には、先ほど申しました行政情報を厚労省にリンクしたことで落ちてしまいました。平成24年にかけましては、国の介護サービス情報公開制度の見直しにより、機構の介護事業者情報の直接掲載を廃止しました。これがWAM NETで情報提供すれば、年間1億件ぐらいのヒット数ということですので、この影響を受けてしまったというものです。

 その結果として満足度指数におきましても、まだまだ高い満足度指数ではあるのですが、やはり介護情報をリンクしたということで、情報が探しにくいとか、各自治体によって情報が一律でない等々ありまして、満足度も若干落ちたというものです。これらのWAM NETにつきましては、現在、更なるコンテンツ等を研究しているところです。8月等にはまたアンケート調査を行います。その中で利用者ニーズに即した情報を提供することによって、満足度指数を上げる取組みを行っていきたいと考えているところです。説明は以上です。

 

○真野部会長

 ありがとうございました。御質問等はございますか。

 

○石渡委員

 御説明の資料の73ページに「重点支援分野」ということで挙げていただいている4分野は、福祉関係者にとっては本当に切実な、とても重要な課題を挙げていただいていると思うのですが、これについてはまだ募集をしているというところで、実績などが出ていないのでしょうか。とても気になる内容なのですが、御説明になかったかと思うのですが。

 

○福祉医療機構総務企画部企画室長

 すみません。平成25年度の募集につきましては、平成24年度にはできませんので、平成25年に入ってこの募集を開始しまして、286件、15億円の採択を行っております。その中で東日本大震災被災者支援に関しては全体の23%程度、孤立防止・認知症対策の関係については30%弱、児童虐待防止については10%、貧困・格差対策については14%、これら重点4分野以外のものは23%ということで、やはり4分の3程度は、この重点テーマに対して助成を決定しているところです。

 

○石渡委員

 すみません、今御紹介いただいた数字はどの辺に。

 

○福祉医療機構総務企画部企画室長

 今回は、平成24年度の実績報告になりますので25年度実績は載っておりません。

 

○石渡委員

 ということで頂いた資料にはないのですね。

 

○福祉医療機構総務企画部企画室長

 申し訳ございません。

 

○石渡委員

 分かりました。とてもいろいろな分野で期待されている事業だと思いますので、実際、どんな成果が上がったかというようなところについて、是非、説得力のある御報告を頂けることをお願いしたいと思います。

 

○真野部会長

 ありがとうございました。それでは最後のパート4について御説明をお願いします。

 

○福祉医療機構総務企画部企画室長

 それでは、最後になりますPart4です。100ページ、年金担保貸付事業と労災年金担保貸付事業です。こちらについては無理のない返済に配慮した融資制度ができたということで、自己評定「A」とさせていただいております。

 詳細につきましては101ページです。こちらの事業につきましては、閣議決定により、十分な代替措置を用意した上で廃止するという方向性が出ております。その廃止するまでの間、利用者にとって必要な資金が無理のない返済ができるような、そういう観点で融資制度を変えていこうというものです。具体的なスケジュール感としましては、事業の規模の縮小を段階的に進めながら、平成28年度に具体的な廃止の時期を国が判断するというようなことになっておりまして、平成28年度までは、規模を縮小しながら制度改正をしていくというものです。

 こちらにつきましては、平成2312月に制度改正を一度行っております。このときには、こちらに4つ書いておりますが、融資限度額の引下げにより金額を年間の1.2倍から1.0倍に引き下げたこと、1回当たりの返済の上限について年金支給の半分を生活費に使っていただき、半分で返済していただくこと、そのほか、資金使途の区分の変更として、従来はあまりありませんでしたが、臨時生活資金ということで、あまり重要性のない通常の使途分については100万円を限度にしたことなどです。そのほか、生活保護の関係で、年金担保融資を利用していただいている間に生活保護になった方については、5年間融資を行わないこととしました。こういう様々な取組みを行った結果、下にあります1人当たりの平均貸付額は、平成22年度、年担では845,000円、これが平成24年度では728,000円ということで、金額ベースで平均117,000円、約15%の削減ができたというものです。

 結果としまして、102ページの上の、例えば年金担保貸付の融資実績のグラフを見ていただきますと、平成22年度に21万件あったものが平成24年度では169,000件、金額も、契約ベースでいきますと1,792億円から1,236億円ということで、件数、金額とも、2割から3割のカット、縮小したということです。これが金額、件数とも大幅に減少したということは、機構の取り組んだ無理のない返済になるような融資制度の効果が反映されたものと考えているところです。

 そのほか、103ページが貸付制度の周知ということで、全国2万件以上ある受託金融機関、社協や年金事務所にリーフレット等を置いて制度の周知を図っています。また、多重債務問題につきましても、リーフレットに専門相談機関への相談の勧奨や相談先を明記したり、そのほか、公的な貸付制度の周知につきましても、生活福祉資金制度等の内容をチラシの中に盛り込んだり、様々な周知活動を行っているというものです。

104ページが利率の設定です。例えば年金担保貸付事業につきましては、運営費交付金が廃止されたこと、また貸付原資も財投機関債を発行して自己調達しています。そういうものを勘案しまして、11年での収支均衡ではなく、私どもで言えば中期期間、5年間の中で損益を均衡するように配慮することになっております。年金担保貸付事業につきましては昨年度、平成23年度末に3億円程度の積立金があったということがありましたので、今回は、金利1.6%のまま変えずに、当初から赤字を出すという計画です。今回、結果的に4,400万円損失金を出しまして、そういった部分につきましては積立金で処理したというものです。

105ページ、承継年金住宅融資などの債権管理回収業務です。こちらにつきましては、平成18年に年金資金運用基金から私どもに移管されたものです。移管されたときには新たな貸付は行っておりませんので、専ら回収を行うというものです。

106ページのグラフを見ていただきますと、平成17年、私どもに移管されたときには37,330億円あったものが、平成24年度では、残高ベースで12,736億円ということです。こちらの金額ベースで4割ぐらい、60%以上の返済を行ったということです。平成24年度、元金部分として2,150億円、利息として482億円、合わせて2,632億円を、平成25710日に国庫納付したところです。

107ページですが、自己評定は「A」です。こちらは、基本的には新規貸付がないということですので、回収業務をしっかりやっていくというものがポイントです。

1つとしては貸付先の財務分析、それに、保証機関の評価です。貸付先については、決算書を徴求しまして、必要があれば、各法人にヒアリング、必要な指示を行っております。また、保証機関につきましても、財務状況等を分析して保証能力等を把握しているところです。

109ページ、適時的確な債権回収です。こちらの取組みについては、例えば、解散を予定している貸付先については、関係機関と調整しながら、受託金融機関に債権譲渡をさせたり、そのほか、ローンの返済困窮者に対しては返済条件の変更を655件実施し、また、東日本大震災への対応としましても52件の返済猶予を行っているというところで、適切な管理を行っているというものです。

111ページが「財務内容の改善に関する事項」で、自己評定「A」です。

112ページに機構全体の収支が書いてありますが、第2期の中期目標期間、平成24年度におきましては、法人全体で519億円の利益ということです。先ほど申しましたように、年金担保貸付につきましては当初から赤字を見込んでやっているというところで、こちらについては特に問題はありません。

 その他の勘定の当期利益等の発生要因につきましては、114ページに詳細が書いてありますので御覧いただければと思っております。

115ページが運営費交付金以外での収入の確保です。事業目的を損なわない範囲で自己収入の確保に努めるということで、経営指導事業収入で3,800万円、サービス事業のWAM NET事業で800万円、合わせて4,600万円の自己収入を確保しているというものです。

116ページは財投機関債の発行です。平成24年度におきましては、福祉医療貸付で270億円、年金担保貸付で300億円、合わせて570億円の債券を発行したところです。これにつきましては、IR活動を積極的に行った結果、利率を見て分かりますとおり、対国債のスプレッドも非常に低いということで、適切な発行条件で発行できたものと考えております。

117ページが保有資産の見直しで、事務・事業の見直しに対応したかということです。平成24年度におきましては、宝塚宿舎3戸と川西宿舎等1戸の4戸について、現物納付ができませんでしたので、売却し、9,000万円の金銭納付を済ませています。 その後の取組みにつきましてはその下です。東久留米宿舎ほか72戸あります。こちらについては、入居者と宿舎の退去時期を調整済みで、今、ほぼ退去が終了しているところです。これにつきましては、今後、境界線の確定等、必要な手続を取り次第、順次、国庫納付をしていく予定です。

 最後になりましたが、16項目目、「人事に関する事項」です。こちらも「A」評定です。

119ページは、私どもが平成16年に本格導入しました人事評価制度です。こちらにつきまして、最初は賞与から、その後、昇給にというように拡大を順次行っていきまして、そのほかにも、評価方法を変更しながら運用しているところです。こちらにつきましては、先ほども少しお話がありましたが、ラスパイレス指数等、人件費が落ちている中、こういう評価制度を導入することにより、個人目標の明確化、それによる職員の意識改革と業務管理の向上、それに、職員がやればやっただけ努力が報われるということで、士気の向上にも効果があったと考えているところです。

120ページは研修の充実ということで、福祉・医療分野における第一線の専門家を招へいしまして、勉強会を14回開いているほか、毎回、セミナーとかプログラムの見直しを行い研修機能の充実を図っているところです。

 また、最後の121ページは人事に関する指標です。指標299人以内というところを、平成24年度末で251名ということで、こちらも100%以内を達成しているということです。説明は以上です。

 

○真野部会長

 ありがとうございました。それでは、何か御質問等はございますか。よろしいですか。

 それでは、各委員には評価シートに御記入をいただきまして、もしお持ち帰りになる場合は、あるいはメールの場合は87日までということです。評価官から何か補足があればお願いします。

 

○政策評価官

 結構です。

 

○真野部会長

 よろしいですか。それでは、時間も大分押しておりますので、評価は終わらせていただきます。次に、福祉医療機構の役員退職手当支給規程の改正について、事務局から説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 法人の役員退職手当支給規程について簡単に御説明します。独立行政法人通則法第52条第2項の規定で、「役員退職手当支給規程を変更した場合は、法人はそれを厚生労働大臣へ届け出るとともに、公表すること」とされております。今般、国家公務員の退職手当の見直しに伴い、法人において役員退職手当支給規程を変更したため、大臣宛てに届出がございました。本届出につきましては、同法第53条第1項及び第2項の規定に基づきまして、大臣は評価委員会へ通知することとなりますが、その際、評価委員会はその通知に係る退職手当の支給基準が社会一般の情勢に適したものであるかどうかといった点について、大臣に対し意見を申し出ることができることになっております。そのため、今回はお諮りすることになっております。事務局からは以上です。

 

○真野部会長

 それでは、役員退職手当支給規程の改正について、法人から御説明をお願いいたします。

 

○福祉医療機構総務企画部長

 総務企画部長の秋山でございます。私から簡単に御説明させていただきます。

 今、厚労省からお話がありましたように、今回の改正は、国家公務員の退職手当の官民格差是正の関係で、当機構におきましても、本年の1月から退職手当の支給水準の引下げを行ったところです。内容的には、ここにありますように、段階的ではありますが、最終的には、平成2671日以降は100分の86.35という形になっております。この86.35につきましては、官民比較調査における格差が13.65%ということが言われておりましたので、単純に100からそれを引いた数字で、86.35に持っていくということになっております。説明は以上です。

 

○真野部会長

 ありがとうございました。何か、御質問等はよろしいですか。

(各委員了承)

 

○真野部会長

 それでは、この件に関しては、本部会としては了承ということでお願いいたします。

 次は第3期中期計画の話ですね。資料2-11になるのでしょうか。31日の第61回医療・福祉部会において審議しました福祉医療機構の第3期中期計画についての御報告を、法人所管課からお願いします。

 

○社会・援護局福祉基盤課長

 法人所管課の福祉基盤課でございます。第3期中期計画につきましては、31日に当部会におきまして御審議をいただいたところですが、もともと策定から認可までの期間が短いということで、財政当局等の未調整のもので当部会で御審議をいただいたということです。その後、財政当局と調整をしました結果、特段変更なく、329日付けで認可をしたということです。御報告申し上げます。

 

○真野部会長

 ありがとうございました。これは変化がなかったということですから御質問はないかと思いますが、よろしいでしょうか。では、報告を承ったということで、この議題は終わりといたします。

 次に、福祉医療機構の長期借入金のお話ですね、資料2-12だと思います。まず、事務局から説明いただいて、次いで、法人のほうから説明いただけますか。

 

○政策評価官室長補佐

 お手元のピンク色の資料集の109ページに、本部会における福祉医療機構の長期借入金及び債券発行に係る御意見の取扱いについてまとめてございます。中段の四角の12の所になりますが、年度を通じた長期借入金及び債券発行計画につきましては部会長の了解事項とし、当該計画に基づく長期借入金又は債券発行の個別の認可につきましては部会長一任事項としておりまして、部会には事後報告という形になっております。

 福祉医療機構の平成25年度長期借入金及び債券発行計画並びに償還計画につきましては、本年4月、持ち回りによる書面審議で本部会の御了承を頂いております。

 今般、この計画に基づく平成25年度第1・四半期の長期借入金及び債券発行実績について御報告をいたします。また、平成24年度第4・四半期の長期借入金につきましても、実績が確定しておりますので、併せて御報告させていただきます。

 それでは、法人から報告をお願いします。

 

○福祉医療機構経理部長

 福祉医療機構経理部長の尾形でございます。資料は、資料2-13を先にお開きいただきたいと思います。最初に、持ち回りによる書面審議で本部会の御了解を頂きました、平成25年度の長期借入金、債券発行計画及び償還計画についての御報告です。

 まず1ページ目ですが、平成25年度の長期借入金計画です。平成25年度の計画額としまして、一般勘定で財政融資資金計画額4,205億円、年金担保貸付勘定のほうでは民間借入金が165億円です。

 借入条件、各四半期ごとの内訳につきましては御覧のとおりです。あと、ここに書いております借入れの利率につきましては、持ち回りで御了解いただきました時点のもので、現在、若干利率が高くなっております。

 次のページは債券の発行です。福祉医療機構が発行する債券の内容です。総額580億円。一般勘定、福祉医療貸付のための発行が200億円、年金担保貸付のほうが380億円。それぞれ、一般勘定につきましては10年、年金担保貸付勘定のほうは3年の償還期間になっております。

 最後が平成25年度の償還計画です。一番上の表を御覧いただきたいのですが、平成25年度の償還計画。まず一般勘定で、財政融資資金、30年もの、20年もの、5年ものの合計が2,689億円、福祉医療機構債券50億円。これにつきましては、10年債の償還が初めて到来するということで、今年度、初めて機構債券の償還が始まるということです。それから、民間借入金6億円、合計2,746億円余です。年金担保貸付勘定のほうですが、福祉医療機構債券590億円、民間借入金17億円、合計607億円余です。これらの細かい内容につきましては、下の表にありますとおりです。御覧いただければと思います。

 以上が計画のほうでして、もう1件、資料2-12です。平成24年度の第4・四半期の借入れの実績、平成25年度の第1・四半期の借入れの実績についての御報告です。

 まず1ページ目、平成24年度の第4・四半期です。まず一般勘定で、財政融資資金、平成24年度の年度計画額トータル額が3,588億円でした。このうち第4・四半期に認可いただいた金額が1,255億円。内訳は御覧のとおりです。年金担保貸付勘定につきましては、民間からの借入金年度計画額183億円のうち、認可いただきましたのが53億円です。

 下の表ですが、これが実際の実績です。一般勘定の財政融資資金の借入れ、認可いただいた1,255億円に対しまして1,167億円ということです。年金担保勘定の民間借入金53億円に対しまして、実績が17億円というような形になっております。平成24年度の財投からの借入れ、一番上にあります3,588億円に対しまして、合計額を申し上げますと、3,500億円の借入れということで、平成24年度は予定額のほぼ満額に近い執行をさせていただいたというような形になっております。

 次のページですが、平成25年度の第1・四半期の借入れです。平成25年度一般勘定のほうでは、年度計画総額としまして、財政融資資金4,205億円、年担のほうですが民間借入れ165億円という形です。このうち第1・四半期に認可いただきましたのは、財政融資資金で701億円です。これらの実績ですが、下の欄の真ん中辺り、借入金額、一般勘定の勘定合計575億円です。年限の内訳は御覧のとおりです。

 次のページをお開きください。平成25年度の機構債券の発行です。機構債券の発行につきましては、このページの少し下のほうを御覧いただきますと、平成25年度の一般勘定、年金担保貸付勘定、それぞれの資金交付額トータルがありますが、このうち財源として機構債券で調達しますのは一般勘定、括弧書きですが、自己資金368億円のうち、福祉医療機構債券200億円、年金担保貸付勘定、自己資金1,131億円のうち380億円、これが今年度発行する総額ですが、本年度、上の表ですが、618日に今申し上げました金額の半分をそれぞれ発行させていただいております。第34回債、これは年金担保勘定3年債で190億円。それから第35回債、一般勘定10年債ですが、これが100億円ということで、本年度の予定額の半分を発行させていただいております。残り半分につきましては、市場動向等を踏まえまして、また改めて御協議させていただきたいと思っております。御報告は以上です。

 

 ○真野部会長

 ありがとうございました。御質問等はございますか。

 それでは、これは御報告を承ったということで本議題は終了いたします。

 最後に、福祉医療機構の持ち回り審議案件の報告があります。これは部会を開催せずに、持ち回りによって、書面審議を行ったことの報告になります。まず、事務局から説明をして、次いで、法人から説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 先ほど法人から御報告がございました「平成25年度長期借入金及び債券発行計画並びに償還計画」のほかに、「業務方法書の変更」につきまして、本年4月に持ち回りによる書面審議を行っております。これについては、本部会として「了承する」こととして、厚生労働大臣に意見が提出されておりまして、その後、業務方法書の変更認可がされております。

 それでは、法人から変更内容等について御報告をお願いします。

 

○福祉医療機構総務企画部企画室長

 資料2-14でお願いいたします。業務方法書の変更ということで、平成25年度予算に係ります融資条件の変更です。

 詳細は省きますが、例えば福祉貸付でしたら、(1)の保育所、(2)有料老人ホーム、(3)複合型サービス福祉事業に対して貸付の相手方を拡大したことによる変更、その後につきましては、様々な新たな融資等につきまして融資限度額を通常よりもアップさせる、そういう融資条件の変更ということで、業務方法書の変更をさせていただいているところです。

 また、医療貸付においては4つあります。1つは介護老健の融資条件です。こちらも限度額のアップというところの変更です。そのほか、福祉貸付と同様、アスベストの条件の優遇の延長とか、最後になりますが、病院施設等に対しまして、まだまだ経営が厳しいということで経営安定化資金の限度額1億円を36,000万円までにして、融資期間も若干延ばしました。こういう条件変更のための業務方法書の変更です。説明は以上です。

 

○真野部会長

 ありがとうございました。御質問等はよろしいですか。

 それでは、この件も報告を承ったということで本議題は終了いたしたいと思います。

 それでは、本日の議事は以上になります。次回の開催について、事務局から御連絡をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 次回の開催につきましては、86()、午前9時半からです。場所は、この建物の22階の厚生労働省専用第14会議室になります。審議内容は、医薬品医療機器総合機構、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の個別評価になります。事務局からは以上です。

 

○真野部会長

 それでは、本日は以上とさせていただきたいと思います。熱心な御審議をいただきましてどうもありがとうございました。


(了)

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